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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】走行支援方法及び走行支援装置
(51)【国際特許分類】
   B60W 30/17 20200101AFI20240508BHJP
   B60W 30/10 20060101ALI20240508BHJP
   B60W 30/09 20120101ALI20240508BHJP
   B60W 40/04 20060101ALI20240508BHJP
   B60W 40/08 20120101ALI20240508BHJP
   B60W 60/00 20200101ALI20240508BHJP
   G08G 1/16 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
B60W30/17
B60W30/10
B60W30/09
B60W40/04
B60W40/08
B60W60/00
G08G1/16 C
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020041949
(22)【出願日】2020-03-11
(65)【公開番号】P2021142833
(43)【公開日】2021-09-24
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】後藤 健文
(72)【発明者】
【氏名】辻 正文
(72)【発明者】
【氏名】黒川 貴都
【審査官】藤村 泰智
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-083950(JP,A)
【文献】特開2015-066963(JP,A)
【文献】特表2001-526438(JP,A)
【文献】特開2017-087784(JP,A)
【文献】特開2018-103833(JP,A)
【文献】特開2019-155974(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60W 30/00 ~ 60/00
G08G 1/00 ~ 1/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
走行支援装置を用いて、自車両の前方に存在する前方対象と前記自車両との間の目標距離に基づいて、前記自車両の走行を制御する走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の走行状況に基づいて、前記自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、
前記自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、前記第1距離よりも長い第2距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両が走行する自車線の前方に存在する前記前方対象が移動する移動可能性を判定し、
前記移動可能性に基づいて、前記自車両が車線変更する車線変更必要性を判定し、
前記車線変更必要性が高いほど、前記第2距離を長くする走行支援方法。
【請求項2】
請求項1に記載の走行支援方法であって、
前記走行状況は、前記自車両の前方における交通環境、前記自車両の走行計画及び運転者の意思表示のうち少なくともいずれかひとつを含む走行支援方法。
【請求項3】
請求項2に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記交通環境に基づき、前記自車両が走行する自車線の交通の流れ、及び前記自車線に隣接する隣接車線の交通の流れを算出し、
前記隣接車線の交通の流れが前記自車線の交通の流れよりも良いと判定する場合、前記自車両は車線変更する必要があると判定する走行支援方法。
【請求項4】
請求項1から3のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両が走行する自車線の前方に回避すべき前記前方対象が存在する場合には、前記自車両は車線変更する必要があると判定する走行支援方法。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記走行状況は、前記自車両の走行計画を含み、
前記走行計画及び前記自車両の位置情報に基づき、前記自車両が車線変更を必要とする地点に接近していると特定される場合には、前記自車両は車線変更する必要があると判定する走行支援方法。
【請求項6】
請求項1から5のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の運転者による車線変更の意思表示の情報があるか否かを特定し、
前記運転者による車線変更の意思表示の情報があると特定される場合には、前記自車両は車線変更する必要があると判定する走行支援方法。
【請求項7】
請求項1から6のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両が走行する自車線の前方に存在する前記前方対象が移動する移動可能性を判定し、
前記移動可能性に基づいて、前記自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する走行支援方法。
【請求項8】
請求項1から7のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両は車線変更が必要であると判定された場合には、前記第1距離に所定の距離を加算した距離を前記第2距離として演算する走行支援方法。
【請求項9】
請求項1から8のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、前記第1距離を演算するときに用いられる前記前方対象と前記自車両との第1車間時間よりも長い第2車間時間を用いて前記第2距離を演算する走行支援方法。
【請求項10】
請求項1からのいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の自車速及び車線変更先の車線を走行する他車両の車速を取得し、
前記自車速及び前記他車両の車速に基づき、前記自車両に対する前記他車両の相対速度を演算し、
前記相対速度が高いほど、前記第2距離を長くする走行支援方法。
【請求項11】
請求項1から10のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の自車速を取得し、
車線変更先の車線の制限速度を、前記車線変更先の車線を走行する他車両の車速として取得し、
前記自車速と前記他車両の車速に基づき、前記自車両に対する前記他車両の相対速度を演算し、
前記相対速度が高いほど、前記第2距離を長くする走行支援方法。
【請求項12】
請求項10または11に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の外部から、前記他車両の車速及び前記車線変更先の車線の制限速度の情報の少なくともいずれか一方を取得する走行支援方法。
【請求項13】
走行支援装置を用いて、自車両の前方に存在する前方対象と前記自車両との間の目標距離に基づいて、前記自車両の走行を制御する走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の走行状況に基づいて、前記自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、
前記自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、前記第1距離よりも長い第2距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定され、前記前方対象の後方に停止する場合には、前記前方対象の位置から前記第2距離を空けた位置に、前記自車両の目標停止位置を設定する走行支援方法。
【請求項14】
走行支援装置を用いて、自車両の前方に存在する前方対象と前記自車両との間の目標距離に基づいて、前記自車両の走行を制御する走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両の走行状況に基づいて、前記自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、
前記自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、前記第1距離よりも長い第2距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定され、前記自車両を前記自車両の前方に存在する先行車両の後方に停車させた場合には、前記自車両と前記先行車両との間の距離が前記第2距離以上になったときに、前記自車両に走行を開始させる走行支援方法。
【請求項15】
請求項1から14のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合に、前記自車両の加速度を前記自車両の前方に存在する先行車両の加速度より低くする、または、前記自車両の減速度を前記先行車両の減速度より高くする走行支援方法。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記走行支援装置は、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合に、前記車線変更を開始する地点より前に前記第2距離を前記目標距離に設定する走行支援方法。
【請求項17】
請求項1から16のいずれか一項に記載の走行支援方法であって、
前記車線変更を完了した場合に、前記第1距離を前記目標距離に設定する走行支援方法。
【請求項18】
自車両の前方に存在する前方対象と前記自車両との間の目標距離に基づいて前記自車両の走行を制御する走行支援装置であって、
前記自車両の走行状況に基づいて、前記自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、
前記自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、前記第1距離より長い第2距離を前記目標距離に設定し、
前記自車両が走行する自車線の前方に存在する前記前方対象が移動する移動可能性を判定し、
前記移動可能性に基づいて、前記自車両が車線変更する車線変更必要性を判定し、
前記車線変更必要性が高いほど、前記第2距離を長くする走行支援装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、走行支援方法及び走行支援装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
渋滞中の停車時に、先行車が発進して、先行車との車間距離が所定距離以上となった場合には、車両をクリープ走行させて先行車に追従させ、先行車との車間距離が停止時車間距離以下になると、車両を停車させる技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-087784号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の発明は、車両が先行車に追従するときに、車線変更の有無と関係なく、車両から先行車までの車間距離を停止時車間距離以下になるまで短くする技術であるため、車両が車線変更するときに、車線変更をするために必要な距離をすぐに確保することができないという問題がある。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、先行車等の車両の前方に存在する前方対象と車両との間に、車線変更をするために必要な距離を確保することができる走行支援装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、自車両の前方に存在する前方対象と自車両との間の目標距離に基づいて、自車両の走行を制御する走行支援方法であって、自車両の走行状況に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を目標距離に設定し、自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、第1距離よりも長い第2距離を目標距離に設定することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、先行車等の車両の前方に存在する前方対象と車両との間に、車線変更をするために必要な距離を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1図1は、本実施形態に係る走行支援システムを示すブロック図である。
図2図2は、本実施形態に係る走行支援システムの処理手順の概略を説明するためのフローチャートである。
図3図3は、本実施形態における目標距離を演算する制御を実行するためのフローチャートである。
図4図4は、本実施形態における目標距離を演算する制御を実行する場面の一例を示す図である。
図5図5は、先行車両の後方に自車両が停止する場合における目標距離を演算する制御を実行する場面の一例を示す図である。
図6図6は、停止している先行車両の後方に自車両が停止している場合における目標距離を演算する制御を実行する場面の一例を示す図である。
図7図7は、設定車間距離と追従開始車間距離の関係を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明に係る走行支援装置の実施形態について、図面を用いて説明する。本実施形態では、本発明の実施形態に係る車両の走行支援装置を、車両に搭載された走行支援システムに適用した場合を例として説明する。車両は、ガソリン車、電気自動車及びハイブリッド車のいずれであってもよい。本実施形態の走行支援装置の実施の形態は限定されず、車両コントローラと情報の授受が可能な携帯端末装置に適用することもできる。走行支援装置、走行支援システム及び携帯端末装置は、いずれも演算処理を実行する運転制御用のコンピュータである。
【0010】
図1は、走行支援システム1000のブロック構成を示す図である。本実施形態の走行支援システム1000は、走行支援装置100と車両コントローラ200とを備える。本実施形態の走行支援装置100は通信装置111を有し、車両コントローラ200も図外の通信装置を有し、両装置は有線通信又は無線通信により互いに情報の授受を行う。
【0011】
走行支援システム1000は、センサ1と、ナビゲーション装置2と、読み込み可能な記録媒体に記憶された地図情報3と、自車情報検出装置4と、環境認識装置5と、物体認識装置6と、走行支援装置100と、車両コントローラ200とを備える。各装置は、相互に情報の授受を行うためにCAN(Controller Area Network)その他の車載LANによって接続されている。
【0012】
センサ1は、自車両の周囲(前方、側方、後方の全周囲)の障害物の存在を含む走行環境に関する情報を検知する。センサ1は、カメラを含む。本実施形態のカメラは、例えばCCD等の撮像素子を備えるカメラである。本実施形態のカメラは自車両に設置され、自車両の周囲を撮像し、自車両の周囲に存在する対象車両を含む画像データを取得する。カメラは、自車両周囲の環境情報を認識するための装置であり、イメージセンサのみならず、超音波カメラ、赤外線カメラなどを含む。センサ1は、測距センサを含む。測距センサは、自車両と対象物との相対距離および相対速度を演算する。測距センサにより検出された対象物の情報は、プロセッサ10に向けて出力される。測距センサとしては、レーザーレーダー、ミリ波レーダーなど(LRF等)、LiDAR(light detection and ranging)ユニット、超音波レーダーなどの出願時に知られた方式のものを用いることができる。センサ1は、一又は複数のカメラ、測距センサを採用することができる。本実施形態のセンサ1は、カメラの検知情報と測距センサの検知情報など複数の異なるセンサ情報を統合し、もしくは合成することにより補完し、自車両周囲の環境情報とするセンサフュージョン機能を備える。このセンサフュージョン機能は、環境認識装置5や物体認識装置6やその他のコントローラやロジックに組み込まれるようにしてもよい。
【0013】
センサ1が検知する対象物は、車線境界線、センターライン、路面標識、中央分離帯、ガードレール、縁石、高速道路の側壁、道路標識、信号機、横断歩道、工事現場、事故現場、交通制限を含む。対象物は、自車両以外の自動車(他車両)、オートバイ、自転車、歩行者を含む。対象物は、障害物を含む。障害物は、自車両の走行に影響を与える対象物である。センサ1は、少なくとも障害物に関する情報を検知する。
【0014】
ナビゲーション装置2は、地図情報3を参照し、自車情報検出装置4により検出された現在位置から目的地までの走行レーン/走行経路を算出する。走行レーン又は走行経路は、自車両が走行する道路、方向(上り/下り)及び車線が識別された線形である。走行経路は、走行レーンの情報を含む。以下、走行レーンをレーンと省略して記載することもある。
【0015】
地図情報3は、走行支援装置100、車載装置、又はサーバ装置に設けられた記録媒体に読み込み可能な状態で記憶される。地図情報3は、経路算出及び/又は運転制御に用いられる。地図情報3は、道路情報、施設情報、それらの属性情報を含む。道路情報及び道路の属性情報には、道路幅、曲率半径、路肩構造物、道路交通法規(制限速度、車線変更の可否)、道路の合流地点、分岐地点、車線数の増加・減少位置、交差点の位置等の情報が含まれている。本実施形態の地図情報3は、いわゆる高精細地図情報である。高精細地図情報によれば、レーンごとの移動軌跡を把握できる。高精細地図情報は、各地図座標における二次元位置情報及び/又は三次元位置情報、各地図座標における道路・レーンの境界情報、道路属性情報、レーンの上り・下り情報、レーン識別情報、接続先レーン情報を含む。
【0016】
自車情報検出装置4は、自車両の状態に関する検知情報を取得する。自車両の状態とは、自車両の現在位置、速度、加減速度、姿勢、車両性能を含む。これらは、自車両の車両コントローラ200から取得してもよいし、自車両の各センサから取得してもよい。自車情報検出装置4は、自車両のGPS(Global Positioning System)ユニット、ジャイロセンサ、オドメトリから取得した情報に基づいて自車両の現在位置を取得する。自車情報検出装置4は、自車両の車速センサから自車両の速度・加減速度を取得する。自車情報検出装置4は、自車両の慣性計測ユニット(IMU:Inertial Measurement Unit)から自車両の姿勢データを取得する。
【0017】
環境認識装置5は、センサ1が取得した位置情報、自車両周囲の画像情報及び測距情報から得られた物体認識情報、及び地図情報に基づいて構築された環境に関する情報を認識する。環境認識装置5は、複数の情報を統合することにより、自車両の周囲の環境情報を生成する。物体認識装置6も、地図情報3を用いて、センサ1が取得した自車両周囲の画像情報及び測距情報を用いて、自車両周囲の物体の認識や動きを予測する。
【0018】
車両コントローラ200は、電子コントロールユニット(ECU:Electronic Control Unit)などの車載コンピュータであり、車両の運転を律する駆動機構210を電子的に制御する。車両コントローラ200は、駆動機構210に含まれる駆動装置、制動装置、および操舵装置を制御して、自車両を目標経路に従って走行させる。駆動機構210には、走行駆動源である電動モータ及び/又は内燃機関、これら走行駆動源からの出力を駆動輪に伝達するドライブシャフトや自動変速機を含む動力伝達装置、動力伝達装置を制御する駆動装置、及び車輪を制動する制動装置などが含まれる。車両コントローラ200は、アクセル操作及びブレーキ操作による入力信号、走行支援装置100から取得した制御信号に基づいてこれら駆動機構210の各制御信号を生成し、車両の加減速を含む運転制御を実行させる。駆動機構210に制御情報を送出することにより、車両の加減速を含む運転制御を自動的に行うことができる。本実施形態では、車両コントローラ200は、走行支援装置100から取得した目標距離及び目標車速等の情報に基づいて駆動機構210の各制御信号を生成し、自車両の加減速を含む走行制御を実行させる。具体的には、走行支援装置100から車両コントローラ200に、目標距離の情報、現在の自車両と先行車両との間の距離の情報及び現在の車速と先行車両の車速の情報が出力される。車両コントローラ200は、これらの情報を取得すると、自車両と先行車両との間の距離が当該目標距離より長い場合には、先行車両の車速より高い車速で走行する、または自車両の加速度を先行車両の加速度より大きくする制御を実行する。自車両と先行車両との間の距離が当該目標距離より短い場合には、先行車両の車速より低い車速で走行する、または自車両の減速度を先行車両の減速度より大きくする制御を実行する。
【0019】
車両コントローラ200は、地図情報3が記憶するレーン情報、環境認識装置5が認識した情報、及び物体認識装置6で取得した情報の内の何れか一つ以上を用いて、自車両が走行経路(軌跡)に対して所定の横位置を維持しながら走行するように操舵装置の制御を行う。本明細書における走行レーン/走行経路は、自車両の走行する軌跡に対応する経路であり、道路、道路の上り/下り、道路の車線ごとに識別可能である。操舵装置は、ステアリングアクチュエータを備える。ステアリングアクチュエータは、ステアリングのコラムシャフトに取り付けられるモータ等を含む。操舵装置は、車両コントローラ200から取得した制御信号、又は運転者のステアリング操作により入力信号に基づいて車両の操舵制御を実行する。
【0020】
車両コントローラ200は、プロセッサ10からの指令値に基づいて、自車両の走行位置を制御する縦力及び横力を入力する。これらの入力に従い、自車両が目標とする走行レーン(走行経路)に追従して自律的に走行するように、車体の挙動及び車輪の挙動が制御される。これらの制御に基づいて、車体の駆動機構210の駆動アクチュエータ、制動アクチュエータの少なくとも一方、必要に応じてステアリングアクチュエータが自律的に動作し、目的地に至る自律的な運転制御が実行される。手動操作に基づく指令値に従い、駆動機構210を操作することもできる。
【0021】
以下、本実施形態の走行支援装置100について説明する。走行支援装置100は、自車両の運転を制御することにより、自車両の走行を支援する制御を実行する。
【0022】
図1に示すように、本実施形態の走行支援装置100は、プロセッサ10を備える。プロセッサ10は、自車両の運転制御を実行させるプログラムが格納されたROM(Read Only Memory)12と、このROM12に格納されたプログラムを実行することで、走行支援装置100として機能する動作回路としてのCPU(Central Processing Unit)11と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)13と、を備えるコンピュータである。本実施形態のプロセッサ10は、上記機能を実現するためのソフトウェアと、上述したハードウェアの協働により各機能を実行する。また、走行支援装置100は、通信装置111を備える出力装置110を備え、各種の出力又は入力の指令、情報の読み込み許可又は情報提供の指令を車両コントローラ200、各構成2-6へ送出する。走行支援装置100は、センサ1、上述した各構成2-6、及び車両コントローラ200と相互に情報の授受を行う。
【0023】
プロセッサ10は、目的地設定機能120と、経路プランニング機能130と、運転計画機能140と、運転可能ゾーン算出機能150と、経路算出機能160と、運転行動制御機能170とを備える。本実施形態のプロセッサ10は、上記各機能を実現する又は各処理を実行するためのソフトウェアと、上述したハードウェアとの協働により各機能を実行する。
【0024】
プロセッサ10の各機能の実現による制御手順の内容を図2に基づいて説明する。図2は、本実施形態に係る走行支援装置100の処理手順を説明するためのフローチャートである。図2を用いて、走行支援装置100が実行する運転制御処理の概要について説明する。
【0025】
図2のステップS1において、プロセッサ10は、目的地設定機能120により、自車情報検出装置4の検出結果に基づいて自車両の現在位置を取得する処理を実行させる。そして、ステップS2において、プロセッサ10は、目的地設定機能120により、自車両の目的地を設定する処理を実行させる。目的地はユーザが入力したものであってもよいし、予測されたものであってもよい。ステップS3において、プロセッサ10は、経路プランニング機能130により、地図情報3を含む各種検出情報を取得する。ステップS4において、プロセッサ10は、経路プランニング機能130により、目的地設定機能120により設定した目的地に対する走行レーン(又は走行経路)を設定する。プロセッサ10は、経路プランニング機能130により、地図情報3や自己位置情報に加え、環境認識装置5や物体認識装置6から得られた情報を用いて、走行レーンを設定する。この経路プランニング機能130により、走行する道路を設定するが、道路に限らず、道路内において自車両が走行する車線を設定する。ステップS5において、プロセッサ10は、運転計画機能140により、経路上の各地点における自車両の運転行動を計画する処理を実行させる。運転計画は、各地点における進行(GO)、停止(No-GO)といった運転行動が規定される。例えば、交差点を右折する場合では、停止線の位置で停止するのか否かの判定や、対向車線の車両に対する進行判定を実行する。ステップS6において、ステップS5で計画した運転行動を実行するために、プロセッサ10は、運転可能ゾーン算出機能150により、地図情報3や自己位置情報に加え、環境認識装置5や物体認識装置6から得られた情報を用いて、自車両の周囲で走行可能な領域を算出する処理を実行する。ステップS7において、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、自車両が走行する走行軌跡を算出する処理を実行させる。
【0026】
さらに、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、走行軌跡に沿って走行する時の目標車速/加減速度、目標加減速度を決定する。なお、決定した目標速度/加減速度、目標加減速度を、走行軌跡の算出処理にフィードバックして、車両の挙動変化及び車両の乗員が違和感を覚える動き(挙動)を抑制するように、走行軌跡を生成するようにしてもよい。決定した走行軌跡を目標速度/加減速度、目標加減速度を算出する処理にフィードバックして、車両の挙動変化及び車両の乗員が違和感を覚える動き(挙動)を抑制するように、目標速度/減速度、目標加減速度を算出するようにしてもよい。ステップS8において、プロセッサ10は、算出された走行軌跡を自車両に走行させる運転計画を立案する処理を実行させる。そして、ステップS9において、プロセッサ10の出力装置110は、通信装置111を介して運転計画に基づく制御命令、制御指令値を車両コントローラ200に出力し、各種アクチュエータである駆動機構210を動作させる。
【0027】
本実施形態に係る発明が適用される場面の一例は、複数車線有する走行路上で、自車両の進行方向の前方に先行車両や障害物を含む前方対象が存在する場面が挙げられる。障害物は、駐停車中の車両及び工事区間、進入禁止区間を含む。当該場面において、プロセッサ10は、走行状況に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する。そして、自車両の走行中に車線変更が必要であると判定された場合に、自車両と先行車両との間に、車線変更のために必要となる距離を確保するための制御を実行する。具体的には、ステップS5において、プロセッサ10は、運転計画機能140により、自車両が車線変更する必要があるか否かの判定を実行する。例えば、プロセッサ10は、運転計画機能140により、自車線の交通の流れと自車線に隣接する隣接車線の交通の流れを演算し、隣接車線の交通の流れのほうが良いと判定される場合には、自車両が車線変更する必要があると判定する。そして、車線変更する必要があると判定される場合には、車線変更が運転行動として規定される。このとき、自車両は、ステップS6で算出された運転可能な領域内で、先行車両との間に車線変更を行うためのスペースを確保する必要がある。そこで、プロセッサ10は、ステップS7において、運転行動制御機能170により、自車両と先行車両との間に、車線変更を行うためのスペースを確保できる目標距離を演算して、当該目標距離に基づいて、目標車速/加減速度を決定する。なお、車線変更する必要がないと判定される場合には、先行車両への追従が運転行動として規定される。
【0028】
以下、プロセッサ10の運転計画機能140による車線変更要否判定について説明する。まず、プロセッサ10は、運転計画機能140により、走行状況に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する。このとき、走行状況は、自車両の前方における交通環境や、自車両の走行計画、運転者の意思表示のうち少なくともいずれか一方を含むものである。また、自車両が車線変更する必要がある場面は、右折待ちあるいは左折待ちのための渋滞列が自車線に発生しており、隣接車線の交通の流れが自車線の交通の流れよりスムーズである場合や、自車線の前方に回避すべき障害物がある場合、自車両が右左折するために車線変更を行う必要がある場合が挙げられる。
【0029】
プロセッサ10は、運転計画機能140により、隣接車線の交通の流れと自車線の交通の流れを比較することで、自車両が車線変更する必要があるか否かを判定する。比較対象となる交通の流れとしては、平均車速[km/h]、交通量[台/時]、交通密度[台/km]が挙げられる。例えば、プロセッサ10は、運転計画機能140により、隣接車線の車速と自車線の車速を比較し、比較結果に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する。また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、自車線の交通量と隣接車線の交通量、または自車線の交通密度と隣接車線の交通密度を比較して、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定することとしてもよい。自車線より隣接車線のほうがスムーズに走行することができるからである。判定方法は、具体的に、まずプロセッサ10が、センサ1により取得された交通環境の情報から、隣接車線に関する情報を取得する。隣接車線に関する情報は、隣接車線の車速、交通量及び交通密度のうち少なくともひとつを含むものである。隣接車線の車速は、例えば、検出した他車両の車速や、所定の区間における複数の他車両の移動速度の平均値または最大値である。交通量は、所定の時間を集計単位として、ある地点を通過した車両台数、あるいはこれを単位時間当たりの車両台数に換算したものである。また、交通密度は、特定道路区間内における単位距離当たりの車両台数である。
【0030】
また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、自車線に関する情報を検出する。自車線に関する情報は、例えば、自車両の車速である。また、自車線に関する情報は、自車線の車速、交通量及び交通密度のうち少なくともひとつを含むものであってもよい。自車線の車速は、自車線上を走行する他車両の車速を用いてもよい。例えば、所定の区間における複数の車両の移動速度の平均値または最大値であればよい。
【0031】
次に、プロセッサ10は、運転計画機能140により、取得された自車線と隣接車線の情報に基づいて、隣接車線の平均車速と自車速を比較する。そして、隣接車線の平均車速が自車速よりも速いと特定される場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。また、隣接車線の平均車速が自車速よりも遅いと特定される場合には、自車両は車線変更する必要がないと判定する。また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、交通量として算出された単位時間当たりの車両台数に基づいて、自車線の交通量と隣接車線の交通量を比較することとしてもよい。この場合には、隣接車線の交通量が自車線の交通量よりも少ないと特定される場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。また、隣接車線の交通量が自車線の交通量よりも多い場合には、自車両は車線変更する必要がないと判定する。また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、交通密度として算出された単位距離当たりの車両台数に基づいて、自車線の交通密度と隣接車線の交通密度を比較することとしてもよい。この場合には、隣接車線の交通密度が自車線の交通密度よりも小さいと特定される場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。また、隣接車線の交通密度が自車線の交通密度よりも大きいと特定される場合には、自車両は車線変更する必要がないと判定する。
【0032】
また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、自車線の進行方向の前方に障害物があるか否かに基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ10は、まず、運転計画機能140により、センサ1により取得された交通環境の情報に基づいて、自車線の前方に障害物があるか否かを特定する。障害物は、駐停車車両及び工事区間、進入禁止区間を含む。プロセッサ10は、運転計画機能140により、画像認識を行い、障害物の特徴を抽出して、障害物を特定する。自車線の前方に障害物があると特定される場合には、自車両は車線変更が必要であると判定する。自車線の前方に障害物がないと特定される場合には、自車両は車線変更が必要ではないと判定する。
【0033】
また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、走行計画に基づいて、分岐点に接近している等、車線変更する必要がある地点に自車両が接近しているか否かを特定し、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定することとしてもよい。具体的には、プロセッサ10は、まず、運転計画機能140により、走行計画に基づいて、地図データに設定された走行ルートにおいて右左折(分岐)のために車線変更が必要となる地点の情報を取得する。分岐点は、例えば、交差点や高速道路のインターチェンジである。そして、自車情報検出装置4により取得された自車両の現在位置を取得し、車線変更が必要となる地点に自車両が接近しているか否かを特定する。例えば、車線変更が必要となる地点から所定の範囲内に自車両が位置する場合には、車線変更が必要となる地点に自車両が接近していると特定する。また、車線変更が必要となる地点から所定の範囲内に自車両が位置しない場合には、車線変更が必要となる地点に自車両が接近していないと特定する。そして、プロセッサ10は、運転計画機能140により、車線変更する必要がある地点に自車両が接近していると特定される場合には、自車両は車線変更が必要であると判定する。また、車線変更する必要がある地点に自車両が接近していないと特定される場合には、自車両は車線変更が必要ではないと判定する。
【0034】
また、プロセッサ10は、運転計画機能140により、乗員による車線変更の意思表示の情報があるか否かに基づいて、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定する。具体的には、まず、プロセッサ10は、運転計画機能140により、乗員が車線変更を実行する意思表示情報を取得する。例えば、意思表示情報は、車線変更を実行するスイッチの入力情報やウィンカーの操作情報やディスプレイなどのインターフェースの操作情報である。そして、車線変更を実行するスイッチの入力やウィンカーの操作が検知された場合には、乗員による車線変更の意思表示の情報があると特定する。乗員による車線変更の意思表示の情報があると特定されると、自車両は車線変更が必要であると判定する。乗員による車線変更の意思表示の情報があると特定されない場合には、自車両は車線変更が必要であると判定されない。
【0035】
なお、プロセッサ10は、運転計画機能140により、前方対象の移動可能性に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定することとしてもよい。移動可能性は、自車線の前方に静止している前方対象が移動する可能性を示す指標である。移動可能性は、事象ごとに段階的に区分するようにしてもよく、例えば、移動可能性が低いものから、「低」、「中」、「高」に区分分けされる。「低」に区分される事象は、工事区間が挙げられる。また、静止している車両のうち、駐車車両は「中」に区分される事象であり、停車車両は「高」に区分される事象である。例えば、信号待ちで停車している車両や客の乗降のために停車しているタクシーは、自車両の前方で静止していたとしても移動する可能性が高い。そして、前方対象の移動可能性が高いほど、自車両が車線変更する必要性は低くなる。前方対象が移動することで自車線上の走行の障害となる可能性がなければ、車線変更する必要がないからである。本実施形態では、移動可能性は、センサ1から取得した走行環境情報に基づいて評価される。プロセッサ10は、運転計画機能140により、センサ1により撮像された画像データから、画像認識を行い、前方対象の特徴を抽出し、前方対象の種別を特定し、前方対象の種別に応じて、移動可能性を評価する。なお、移動可能性は、「低」、「中」、「高」の3段階に限られず、複数の段階であれば良く、また確率(パーセント)等を用いて求めるようにしてもよい。
【0036】
次に、プロセッサ10の運転行動制御機能170による目標距離演算について説明する。まず、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、自車両の前方を走行する先行車両や障害物を含む前方対象と自車両との間の目標距離を演算する。運転計画機能140により車線変更が必要であると判定される場合には、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、車線変更に必要な距離である第2距離を演算し、目標距離に設定する。また、運転計画機能140により車線変更が必要であると判定されない場合には、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、第1距離を演算し、目標距離に設定する。第1距離は、車線変更を行わない通常時に先行車両に追従するための距離である。このとき、第2距離は、第1距離より長く演算される。車線変更を行うときには、先行車両に追従するための車間距離より長い車間距離を確保する必要があるためである。特に、自車線に対する隣接車線の相対速度が高い場合には、加速するための区間を確保する必要があるため、第2距離を長くする。
【0037】
第1距離は、車間時間(THW:Time Headway)と自車両の自車速に基づいて演算される。車間時間は、先行車両の現在位置に自車両が到達するのに要する時間である。以下の式(1)は、第1距離を演算するための関数であり、第1距離Dは、車間時間Tに自車両の車速vを乗じて、定数Dを加えて演算される。車間時間Tは、あらかじめ設定されている値であり、定数Dは、車速0km /h時(停止時)のときの第1距離であり、例えば、5mである。
【数1】
【0038】
第2距離は、第1距離より長い距離として演算される。例えば、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、第1距離に所定の距離を加算することで第2距離を演算する。また、第1距離演算に用いられる車速vに所定の速度を加算して演算された第2車速を用いて、第2車速と車間時間から第2距離を演算することとしてもよい。また、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、車間時間Tを第1距離の演算時よりも長く設定して第2距離を演算することとしてもよい。また、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、取得された自車速に対する隣接車線の車速の相対速度を演算し、相対速度が大きいほど、第2距離を長く設定することとしてもよい。相対速度を演算するための隣接車線の車速は、隣接車線の制限速度であってもよいし、隣接車線を走行する複数の他車両の平均車速であってもよい。
【0039】
また、第2距離は、前方対象の移動可能性に基づいて演算されることとしてもよい。本実施形態では、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、前方対象ごとに移動可能性を評価し、移動可能性に基づいて、自車両が車線変更する車線変更必要性を設定する。例えば、移動可能性が低いほど、車線変更必要性を高く設定する。障害物が移動しない可能性が高い場合には、障害物を回避するため、車線変更を必要とするからである。そして、車線変更必要性が高いほど、第2距離を長く演算する。このとき、移動可能性は、センサ1から取得した走行環境情報に基づいて評価される。センサ1により撮像された画像データから、画像認識により、前方対象の特徴を抽出し、前方対象の種別を特定する。例えば、前方対象の種別が工事現場であることが特定される場合には、移動可能性を「低」として評価する。また、車両が静止している場合であっても、路側帯側に寄って静止している車両は、駐車車両として特定し、移動可能性は「中」として評価する。
【0040】
また、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、自車両に対する、車線変更先となる車線を走行する他車両の相対速度に基づいて、第2距離を演算することとしてもよい。具体的には、プロセッサ10は、まず、運転行動制御機能170により、センサ1により取得される自車両の車速及び他車両の車両情報を取得する。他車両の車両情報は、例えば、センサ1により検出された、車線変更先の車線を走行する複数の他車両の車速の平均値または最大値である。そして、自車両の車速及び他車両の車速に基づいて、自車両に対する他車両の相対速度を演算する。また、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、他車両の車両情報として、車線変更先の車線における制限速度を取得することとしてもよい。なお、他車両の車両情報は、自車両と他車両との間の車車間通信によって、他車両から取得することとしてもよいし、交通インフラから、車線変更先の車線の制限速度を取得することとしてもよい。次に、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、演算された相対速度に基づいて、第2距離を演算する。具体的には、プロセッサ10は、運転行動制御機能170により、相対速度が高いほど、第2距離を長く演算し、相対速度が低いほど、第2距離を短く演算する。相対速度が高いほど、自車両の加速を行うための距離が必要になるためである。
【0041】
次に、図3を用いて、本実施形態の走行支援装置100により前方対象と自車両との間の目標距離を演算する手順を説明する。図3は、目標距離を演算する制御の手順を示すフローチャートであり、図2のステップS4に続けて実行される。図3のフローチャートは、図2のステップS5において、車線変更が必要であるか否かを判定する場合の判定制御の手順と、判定結果に基づいて実行される走行制御までの手順を示している。以下、走行中の自車両の前方に先行車両が走行している場面を想定して説明する。図4は、走行中の自車両の前方に先行車両が走行している場面を示す図であり、自車両V0が走行している自車線の前方に先行車両V1が走っている。先行車両V1は、複数であっても1台であってもよい。本実施形態では、このような場面において、自車両V0は隣接車線に車線変更する必要があるか否かを判定し、車線変更する必要があると判定される場合には、目標距離Lとして第2距離を演算し、自車両V0と先行車両V1との間の距離が目標距離Lとなるよう走行を制御する。先行車両が複数いる場合には、最も自車両V0に近い、すなわち一番後ろの先行車両V1と自車両V0との間の距離を目標距離Lとする。
【0042】
ステップS201では、センサ1は、自車両前方の交通環境の情報を取得する。センサ1により取得される交通環境の情報は、隣接車線に関する交通環境の情報を含む。
【0043】
ステップS202では、プロセッサ10は、ステップS201でセンサ1により取得された隣接車線に関する情報に基づいて、隣接車線の車速を算出する。隣接車線の車速は、例えば、隣接車線を走行する複数の車両の平均車速である。また、隣接車線を走行する1kmあたりの車両台数を交通密度の比較として用いることとしてもよいし、1時間あたりの車両台数を交通量の比較として用いることとしてもよい。
【0044】
ステップS203では、センサ1は、自車速の情報を取得する。また、自車線の交通環境の情報を取得することとしてもよい。
【0045】
ステップS204では、プロセッサ10は、ステップS203でセンサ1により取得された自車速の情報に基づいて、自車線の車速を算出する。具体的には、自車速を自車線の車速として設定する。また、自車線の交通環境の情報に基づいて、自車線を走行する1kmあたりの車両台数を自車線の交通密度として算出することとしてもよいし、1時間あたりの車両台数を自車線の交通量として算出することとしてもよい。
【0046】
ステップS205では、プロセッサ10は、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定する。具体的には、プロセッサ10は、ステップS202で算出された隣接車線の車速とステップS204で算出された自車線の車速を比較し、比較結果に基づいて、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定する。例えば、隣接車線の平均車速と自車速を算出している場合には、プロセッサ10は、隣接車線の平均車速と自車速を比較する。そして、隣接車線の平均車速が自車速よりも高いと特定される場合には、自車両は車線変更が必要であると判定する。隣接車線の平均車速が自車速よりも低いと特定される場合には、自車両は車線変更が必要ではないと判定する。なお、交通量または交通密度として、隣接車線と自車線の単位時間当たりの車両台数または単位距離当たりの車両台数が算出されている場合には、隣接車線の車両台数が自車線の車両台数より少ないと特定される場合に、自車両は車線変更が必要であると判定する。自車両は車線変更が必要であると判定される場合には、ステップS206に進む。自車両は車線変更が必要であると判定されない場合には、ステップS209に進む。
【0047】
ステップS206では、プロセッサ10は、先行車両と自車両との間の目標距離として、車線変更に必要な距離である第2距離を演算する。第2距離は、第1距離より長い距離として演算される。例えば、プロセッサ10は、上述の式(1)により演算される第1距離に所定の距離を加算することで第2距離を演算する。すなわち、車間時間に自車両の現在車速を乗じて定数Dを加えて演算された第1距離にさらに所定の距離加算することで第2距離を演算する。また、第1距離演算時に用いられる車間時間よりも長い車間時間を算出して第2距離の演算に用いることとしてもよいし、第1距離演算時に用いられる車速よりも高い車速を算出して第2距離の演算に用いることとしてもよい。プロセッサ10は、第1距離に加算する所定の距離の値を大きくすることで、第2距離を長くすることができる。例えば、自車線の車速に対する隣接車線の相対速度が高いほど、所定の距離の値を大きく設定し、第2距離を長くする。また、前方に位置する障害物の移動可能性が低いほど、所定の距離の値を大きく設定し、第2距離を長くすることとしてもよい。プロセッサ10は、演算された第2距離の情報を目標距離として車両コントローラ200に出力する。なお、第2距離を目標距離に設定するタイミングは、車線変更を開始する地点から所定の距離前の地点または車線変更を開始する時点から所定の時間前の時点である。
【0048】
ステップS207では、車両コントローラ200は、第2距離に基づいて各種制御信号を生成し、制御信号を駆動機構210に出力し、自車両の走行を制御する。すなわち、車両コントローラ200は、先行車両と自車両との間の距離が第2距離となるように加減速を行うことで自車両の車速を制御する。
【0049】
ステップS208では、車両コントローラ200は車線変更制御を実行する。車線変更制御が完了すると、ステップS209に進み、通常の追従制御を実行する。
【0050】
ステップS209では、プロセッサ10は、先行車両と自車両との間の目標距離として、第1距離を演算する。プロセッサ10は、演算された第1距離の情報を目標距離として車両コントローラ200に出力する。
【0051】
ステップS210では、車両コントローラ200は、第1距離に基づいて各種制御信号を生成し、制御信号を駆動機構210に出力し、自車両の走行を制御する。すなわち、先行車両と自車両との間の距離が第1距離になるように自車両の車速を制御する。
【0052】
ステップS211では、車両コントローラ200は追従制御を実行し、先行車両と自車両との間の距離を第1距離に維持しながら自車両を走行させる。
【0053】
本実施形態では、自車両が走行している間は、制御フローに従い、目標距離を演算し、目標距離に基づいて自車両を走行させる制御を繰り返し実行する。したがって、自車両が車線変更する必要があると判定されない場合には、第1距離に基づいて走行を制御し、先行車両に追従することとなる。そして、自車両が車線変更する必要があると判定されると、第2距離に基づいて走行を制御し、車線変更が完了すると、第1距離に基づく走行制御に戻り、先行車両への追従走行を開始する。
【0054】
なお、本実施形態では、自車線の交通の流れと隣接車線の交通の流れを比較し、比較結果に基づいて、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定することとしているが、車線変更の要否の判定方法はこれに限らず、例えば、自車線前方に障害物があるか否かや、走行計画に基づいて、分岐点等に接近しているか否か等、車線変更する必要がある地点に自車両が接近しているか否か、運転者による車線変更の意思表示の情報があるか否かの判定条件に基づいて、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定することとしてもよい。また、プロセッサ10は、これらの判定条件を複数用いて、自車両は車線変更が必要であるか否かを判定することとしてもよいし、これらの複数の判定条件のうち、少なくともひとつの判定条件において、自車両は車線変更が必要であると判定された場合には、プロセッサ10は、自車両は車線変更が必要であると判定することとしてもよい。
【0055】
また、本実施形態では、自車両と先行車両が走行している時に、自車両と先行車両との間の第2距離を演算することとしたが、これに限らず、静止している前方対象の後方に自車両が停止する場合であって、自車両は車線変更する必要があると判定されている場合に、第2距離を演算することとしてもよい。例えば、渋滞により停止している先行車両や信号待ちしている先行車両の後方に自車両を停止させる場合が挙げられる。図5は、先行車両V1が停止している時に、自車両V0が先行車両V1の後方から走行してきて、先行車両V1の後ろに停止する場面を示すものである。この場合には、プロセッサ10により第2距離が演算されると、車両コントローラ200は、目標距離を第2距離として、先行車両V1の位置から後方に第2距離離れた位置に自車両V0の目標停止位置を設定し、当該目標停止位置に自車両V0を停止させる制御を実行する。また、停止している先行車両V1の後方に自車両V0が停止する場合に限らず、工事区間等の障害物の手前に自車両V0が停止する場合も含む。なお、前方対象の後ろに停止するときの停止距離を演算するときには、前述の式(1)に基づいて演算することとしてもよいし、他の演算式を用いて演算することとしてもよい。
【0056】
また、本実施形態では、自車両と先行車両が走行している時に、自車両と先行車両との間の第2距離を演算することに限らず、自車両が先行車両の後方に停車している場合であって、自車両は車線変更する必要があると判定される場合に、第2距離を演算することとしてもよい。例えば、渋滞により停止している先行車両や信号待ちしている先行車両の後方に自車両が停止している場合が挙げられる。図6は、自車両V0と先行車両V1が停止している時に、先行車両が走行を開始した場面を示すものである。図6では、自車両V0と先行車両V1が停止している時には、自車両V0と先行車両V1との間に車線変更を行うために必要な距離が確保できていない状態である。この場合には、プロセッサ10により第2距離が演算されると、車両コントローラ200は、目標距離を第2距離として、停止していた先行車両が発進して自車両V0と先行車両V1との間の距離が第2距離以上になったときに、走行を開始する。
【0057】
なお、本実施形態では、自車両が先行車両に最も接近する時の設定車間距離、すなわち、最低限確保しておく必要がある車間距離における目標距離について、第1距離を演算して設定するか、第2距離を演算して設定するかを制御することとしているが、これに限らず、先行車両への追従を開始するための追従開始車間距離における目標距離について、第1距離を演算するか、第2距離を演算するかを制御することとしてもよい。追従開始車間距離は、設定車間距離より長く設定される距離である。以下、設定車間距離と追従開始車間距離の関係について説明する。図7は、設定車間距離と追従開始車間距離の関係を示す図である。横軸の時間は、自車両と先行車両が停止している場合に、先行車両が走行を開始してからの時間の経過を示すものであり、縦軸の車間距離は、自車両と先行車両との間の距離を示すものである。このとき、自車両と先行車両が停止している時には、自車両は、先行車両から設定車間距離後ろに離れた位置に停止している。すなわち、自車両と先行車両との車間距離は、設定車間距離になっている。設定車間距離は、例えば、5mである。ここから、先行車両が発進し、走行を開始すると、車間距離は設定車間距離よりも長くする。このとき、図7に示されるように、車間距離が追従開始車間距離より短い間は、自車両を走行させずに車間距離が追従開始車間距離より長くなると、自車両を走行させて先行車に追従させることとしてもよい。すなわち、時間がT1(車間距離が追従開始車間距離になる時間)になるまでの間は、追従制御を開始せず、T1から追従制御を開始する。そして、車間距離が再び設定車間距離まで短くなるまで自車両を加速させる。これにより、渋滞時に、先行車両が頻繁に短い距離の発進と停止を繰り返したとしても、追従開始車間距離を超えないうちは、先行車両への追従制御を行わないことで、自車両の発進と停止を頻繁に行うことを防止することができる。本実施形態では、自車両は車線変更をする必要があると判定される場合には、設定車間距離及び追従開始車間距離のいずれか一方における目標距離に第2距離を設定する。
【0058】
以上のように、本実施形態では、走行支援装置を用いて、自車両の前方に存在する前方対象と自車両との間の目標距離に基づいて、自車両の走行を制御する走行支援方法であって、走行支援装置は、自車両の走行状況に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定し、自車両は車線変更する必要がないと判定された場合には、第1距離を目標距離に設定し、自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、第1距離よりも長い第2距離を目標距離に設定する。これにより、先行車等の車両の前方に存在する前方対象と車両との間に、車線変更をするために必要な距離を確保することができる。
【0059】
また、本実施形態では、走行状況は、自車両の前方における交通環境、自車両の走行計画及び運転者の意思表示のうち少なくともいずれかひとつを含む。これにより、自車両が走行している周囲の環境や走行計画、運転者の意思表示に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定することができる。
【0060】
また、本実施形態では、交通環境に基づき、自車両が走行する自車線の交通の流れ、及び自車線に隣接する隣接車線の交通の流れを算出し、隣接車線の交通の流れが自車線の交通の流れよりも良いと判定する場合、自車両は車線変更する必要があると判定する。これにより、隣接車線の流れが自車線の流れよりも相対的に良い場合には、車線変更することができる。
【0061】
また、本実施形態では、自車両が走行する自車線の前方に回避すべき前方対象が存在する場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。これにより、自車線上に回避すべき対象がある場合に、車線変更することができる。
【0062】
また、本実施形態では、走行状況は、自車両の走行計画を含み、走行計画及び自車両の位置情報に基づき、自車両が車線変更を必要とする地点に接近していると特定される場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。これにより、走行計画上、右左折をする必要がある場合に、車線変更することができる。
【0063】
また、本実施形態では、自車両の運転者による車線変更の意思表示の情報があるか否かを特定し、運転者による車線変更の意思表示の情報があると特定される場合には、自車両は車線変更する必要があると判定する。これにより、運転者の車線変更の意思に即して、車線変更することができる。
【0064】
また、本実施形態では、自車両が走行する自車線の前方に存在する障害物が移動する移動可能性を判定し、移動可能性に基づいて、自車両は車線変更する必要があるか否かを判定する。これにより、障害物が移動する可能性が低い場合に、自車両は車線変更する必要があると判定することができる。
【0065】
また、本実施形態では、自車両は車線変更が必要であると判定された場合には、第1距離に所定の距離を加算した距離を第2距離として演算する。これにより、第1距離も長い第2距離を演算することで、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0066】
また、本実施形態では、自車両は車線変更する必要があると判定された場合には、第1距離を演算するときに用いられる前方対象と自車両との第1車間時間よりも長い第2車間時間を用いて第2距離を演算する。これにより、第1距離も長い第2距離を演算することで、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0067】
また、本実施形態では、自車両が走行する自車線の前方に存在する前方対象が移動する移動可能性を判定し、移動可能性に基づいて、自車両が車線変更する車線変更必要性を判定し、車線変更必要性が高いほど、第2距離を長くする。これにより、障害物が移動する可能性が低い場合には、第2距離を長くして、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0068】
また、本実施形態では、自車両の自車速及び車線変更先の車線を走行する他車両の車速を取得し、自車速及び他車両の車速に基づき、自車両に対する他車両の相対速度を演算し、相対速度が高いほど、第2距離を長くする。これにより、自車線に対する隣接車線の相対速度が高い場合であっても、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0069】
また、本実施形態では、自車両の自車速を取得し、車線変更先の車線の制限速度の情報を、車線変更先の車線を走行する他車両の車速として取得し、自車速と他車両の車速に基づき、自車両に対する他車両の相対速度を演算し、相対速度が高いほど、第2距離を長くする。これにより、これにより、自車線と隣接車線との速度の差に応じて、第2距離を長くすることができる。
【0070】
また、本実施形態では、自車両の外部から、他車両の車速及び車線変更先の車線の制限速度の情報の少なくともいずれか一方を取得する。これにより、自車両の外部から取得した情報に基づいて、自車線に対する隣接車線の相対速度を演算することができる。
【0071】
また、本実施形態では、自車両は車線変更する必要があると判定され、前方対象の後方に停止する場合には、前方対象の位置から第2距離を空けた位置に、自車両の目標停止位置を設定する。これにより、自車両と前方対象との間に、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0072】
また、本実施形態では、自車両を自車両の前方に存在する先行車両の後方に停車させた場合には、自車両と先行車両との間の距離が第2距離以上になったときに、自車両に走行を開始させる。これにより、自車両と先行車両との間に、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0073】
また、本実施形態では、自車両は車線変更する必要があると判定された場合に、自車両の加速度を前記自車両の前方に存在する先行車両の加速度より低くする、または、自車両の減速度を先行車両の減速度より高くする。これにより、自車両と先行車両との間の距離を車線変更をするために必要な距離に制御することができる。
【0074】
また、本実施形態では、自車両は車線変更する必要があると判定された場合に、車線変更を開始する地点より前に第2距離を目標距離に設定する。これにより、自車両が車線変更する時に、車線変更するために必要な距離を確保することができる。
【0075】
また、本実施形態では、車線変更を完了した場合に、第1距離を目標距離に設定する。これにより、車線変更完了後に、先行車両への通常の追従を実行することができる。
【0076】
なお、以上に説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記の実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
【符号の説明】
【0077】
1000…走行支援システム
1…センサ
2…ナビゲーション装置
3…地図情報
4…自車情報検出装置
5…環境認識装置
6…物体認識装置
100…走行支援装置
10…プロセッサ
120…目的地設定機能
130…経路プランニング機能
140…運転計画機能
150…運転可能ゾーン算出機能
160…経路算出機能
170…運転行動制御機能
200…車両コントローラ
210…駆動機構
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7