IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 積水ハウス株式会社の特許一覧 ▶ 不二サッシ株式会社の特許一覧

特許7483467サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法
<>
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図1
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図2
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図3
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図4
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図5
  • 特許-サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法 図6
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】サッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法
(51)【国際特許分類】
   E06B 1/56 20060101AFI20240508BHJP
   E06B 1/70 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
E06B1/56 A
E06B1/70 A
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2020066450
(22)【出願日】2020-04-02
(65)【公開番号】P2021161813
(43)【公開日】2021-10-11
【審査請求日】2023-03-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000198787
【氏名又は名称】積水ハウス株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000005005
【氏名又は名称】不二サッシ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100080182
【弁理士】
【氏名又は名称】渡辺 三彦
(72)【発明者】
【氏名】寺西 伸太郎
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 浩幸
(72)【発明者】
【氏名】岩本 昌也
(72)【発明者】
【氏名】澤山 晴菜
(72)【発明者】
【氏名】有本 浩治
(72)【発明者】
【氏名】西本 栄一
(72)【発明者】
【氏名】小西 巧己
【審査官】小澤 尚由
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-128638(JP,A)
【文献】特開2006-233452(JP,A)
【文献】特開2009-002078(JP,A)
【文献】特開2002-004729(JP,A)
【文献】特開2005-089981(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 1/56
E06B 1/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁に形成された開口部の下辺に設けられている既設サッシ下枠に対して取り付けられるサッシ下枠用アタッチメントであって、
前記既設サッシ下枠は、
前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う上面部と、
上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する障子を案内するための内レール及び外レールの2つのレールと、
前記上面部と前記2つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする内側溝部、中間溝部及び外側溝部の3つの溝部と、
を備え、
前記サッシ下枠用アタッチメントは、
各前記溝部ごとに取り付けられる複数のアタッチ部材からなり、
前記内側溝部に取り付けられる内側アタッチ部材と、前記中間溝部に取り付けられる中間アタッチ部材と、前記外側溝部に取り付けられる外側アタッチ部材とを備え、
前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材は、対応する前記内側溝部、前記中間溝部、及び前記外側溝部に取り付けられた時に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部をそれぞれ有し、
前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材は、対応する前記内側溝部、前記中間溝部、及び前記外側溝部に着脱自在に取り付けられ、
最も屋外側の前記外側溝部に取り付けられる前記外側アタッチ部材が、前記外側溝部に固定され、
前記上面部から上方に室内の床面まで立ち上がる側壁が形成されており、
前記内側アタッチ部材の平面部は、前記内レール及び前記側壁との間にそれぞれ間隙が形成され、
前記中間アタッチ部材の平面部は、前記内レール及び前記外レールとの間にそれぞれ間隙が形成され、
前記外側アタッチ部材の平面部は、前記外レールとの間に間隙が形成される、
サッシ下枠用アタッチメント。
【請求項2】
前記外側アタッチ部材は、第1外側アタッチ部材と、第2外側アタッチ部材とによって構成され、
前記第1外側アタッチ部材は、前記外レールとビスを挿通可能に離れて形成される取付部と、前記外側溝部の前記上面部の上にビス止めされる基板部と、を有し、
前記第2外側アタッチ部材は、前記取付部に係合する係合部と、前記外側アタッチ部材が前記外側溝部に取り付けられた状態で室内の床面と略面一となる平面部とを備える、
請求項1に記載のサッシ下枠用アタッチメント。
【請求項3】
前記内側アタッチ部材は、前記平面部からそれぞれ下方に延出する2つの脚部が設けられ、
前記内側アタッチ部材が前記内側溝部に取り付けられたときに、一方の前記脚部が前記側壁、または、前記側壁に形成される突出小片に当接し、
他方の前記脚部が前記内レールに当接する、
請求項1又は請求項2に記載のサッシ下枠用アタッチメント。
【請求項4】
前記中間アタッチ部材は、2つの脚部を有し、当該2つの脚部によって前記平面部を水平に支持し、
前記2つの脚部は、その下端部から前記内レール及び前記外レールに係止片を延ばしている、請求項1又は請求項2に記載のサッシ下枠用アタッチメント。
【請求項5】
請求項1から4のいずれか一項に記載のサッシ下枠用アタッチメントを用いて前記既設住宅の前記室内と前記屋外とを区画する前記外壁に形成された前記開口部の下辺に設けられている前記既設サッシ下枠をリフォームする方法であって、
前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う前記上面部と、
上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する前記障子を案内するための前記内レール及び前記外レールの2つのレールと、
前記上面部と前記2つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする前記内側溝部、前記中間溝部及び前記外側溝部の3つの溝部と、
を備える前記既設サッシ下枠の前記3つの溝部に対して、
前記サッシ下枠用アタッチメントの前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材の3つのアタッチ部材を取り付けることによって、前記3つの溝部に前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる前記平面部を形成することを特徴とするリフォーム方法。
【請求項6】
前記開口部の屋外側に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる屋外床を設け、前記室内の床面から前記屋外床の床面までを前記開口部の下辺を介して略面一に連続させることを特徴とする請求項5に記載のリフォーム方法。
【請求項7】
前記3つのアタッチ部材の前記平面部と前記2つのレールとの間に所定の間隔の間隙が設けられ、
前記開口部に、前記2つのレールにそれぞれ案内される新設障子が設けられることを特徴とする請求項5または6に記載のリフォーム方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、既設サッシ下枠に取り付けられるリフォーム用のサッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、リビングルームや寝室等の居室空間の屋外側に、テラスやバルコニー等の半屋外空間を設けて、居室空間と半屋外空間との間の壁に設けられた人が出入り可能な開口部を介して居室空間と半屋外空間とを連通させ、居室空間の床面と半屋外空間の床面との高さを面一にして、開口部に居室空間及び半屋外空間の床面とほとんど段差を生じないようなフルフラットサッシを用いた住宅の発明が記載されている。特許文献1に記載の発明によると、居室空間から半屋外空間までの床面が開口部のフルフラットサッシを介して段差なく連続して繋がっていることから、居室空間を、半屋外空間によって空間的に拡張されたように感じさせると共に、室内から屋外へと連続する開放感を感じさせるような空間とすることができることが記載されている。
【0003】
また、特許文献2には、既設建物の室内と室外とを仕切る躯体の出入口に設けられた既設サッシ下枠に、上板部の突設要素の上端が所定の略同じ高さで形成された改装サッシ下枠を、改装サッシ下枠の突設要素の上端が室内の床面と略平坦となるように、上から重ねて固定することによって、既設建物の既設サッシ下枠を改装して、高齢者や小さな子供が躓いたり、車椅子での通過を阻害したりするような段差を無くして“バリアフリー化”する発明が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2017-198024号公報
【文献】特開2001-227244号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載の発明のような居室空間の屋外側に開口部を介して連続して半屋外空間が設けられた住宅は、上記のように、居室空間をより広く開放感を感じさせるような優れた効果を奏するため、近年、需要が増している。住宅を新築する場合には、最初から特許文献1に記載のような半屋外空間を設けるように設計して建築すればよいが、新築するとなるとコストもかかるため、既設住宅をリフォームすることによって、後から特許文献1に記載のような半屋外空間を設けるようにしたいという要望も多い。
【0006】
既設住宅をリフォームして特許文献1に記載のような半屋外空間を設けたいという場合に、既設住宅の室内と屋外とを隔てる外壁に室内の床面まで開口する掃き出し窓が設けられている場合には、この掃き出し窓を利用して、掃き出し窓の屋外側に、室内側の床面と面一になるようにデッキ等の屋外床を設けるようにすることで、コストをかけずに半屋外空間を設けることができると考えられる。
【0007】
しかしながら、このような既設住宅に設けられている掃き出し窓のサッシ下枠は、通常、特許文献1に記載のようなフルフラットサッシにはなっていないため、掃き出し窓の屋外側に室内側の床面と面一の屋外床を設けるようにするだけでは、掃き出し窓のサッシ下枠部分で、室内側の床面と屋外床の床面との連続性が途切れることになって、特許文献1に記載のような半屋外空間の効果が得られにくい。そのため、掃き出し窓のサッシ下枠をリフォームによってフルフラットサッシ化することができれば、室内側の床面から屋外床の床面まで連続性を有する半屋外空間を形成することができると考えられる。
【0008】
特許文献2には、既設サッシ下枠の上に重ねるように、上端の位置を揃えた改装サッシ下枠を取り付けることで、室内の床面の高さ位置と改装サッシ下枠の上端の高さ位置とを略等しくしてバリアフリー化する発明が記載されている。しかしながら、特許文献2に記載の発明では、既設サッシ下枠の上に、さらに新たにレール等の突出要素が設けられた改装サッシ下枠を重ねるようになっているので、既設サッシ下枠が、室内の床面よりも相当低く設けられている場合でないと、既設の室内床の高さ位置と、改装サッシ下枠の上端の高さ位置とを等しくすることは難しい。既設サッシ下枠の上端の高さ位置と既設の室内床の高さ位置とに差が無かったり、改装サッシ下枠を取り付けられるほどには大きくない場合には、特許文献2に記載の発明によって既設サッシ下枠をリフォームした場合、改装サッシ下枠の上端の高さ位置が既設の室内床の床面の高さ位置よりも高くなってしまうため、既設の室内床の床面をかさ上げして改装サッシ下枠の上端の高さ位置と合わせるような、室内床に対する新たなリフォームが必要となるためコストがかかる。また、特許文献2に記載の発明は、改装サッシ下枠のレール等の突出要素の上端の位置を揃えて、突出要素の上端が室内の床面よりも突出しないようにバリアフリー化するためのもので、改装サッシ下枠のレール間には大きな溝部が形成されており、レール間の溝部もなるべく平坦にするようなフルフラットサッシ化が考慮されているものではない。
【0009】
本発明は上記事情に鑑みてなされたものであって、既設住宅の掃き出し窓に設けられた既設サッシ下枠の上端の高さ位置と室内の床面の高さ位置とに差が無いような場合でも、既設サッシ下枠をリフォームしてフルフラットサッシ化することができるサッシ下枠用アタッチメントを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決するために、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁に形成された開口部の下辺に設けられている既設サッシ下枠に対して取り付けられるサッシ下枠用アタッチメントであって、前記既設サッシ下枠は、前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う上面部と、上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する障子を案内するための内レール及び外レールの2つのレールと、前記上面部と前記2つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする内側溝部、中間溝部及び外側溝部の3つの溝部と、を備え、前記サッシ下枠用アタッチメントは、各前記溝部ごとに取り付けられる複数のアタッチ部材からなり、前記内側溝部に取り付けられる内側アタッチ部材と、前記中間溝部に取り付けられる中間アタッチ部材と、前記外側溝部に取り付けられる外側アタッチ部材とを備え、前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材は、対応する前記内側溝部、前記中間溝部、及び前記外側溝部に取り付けられた時に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部をそれぞれ有し、前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材は、対応する前記内側溝部、前記中間溝部、及び前記外側溝部に着脱自在に取り付けられ、最も屋外側の前記外側溝部に取り付けられる前記外側アタッチ部材が、前記外側溝部に固定され、前記上面部から上方に室内の床面まで立ち上がる側壁が形成されており、前記内側アタッチ部材の平面部は、前記内レール及び前記側壁との間にそれぞれ間隙が形成され、前記中間アタッチ部材の平面部は、前記内レール及び前記外レールとの間にそれぞれ間隙が形成され、前記外側アタッチ部材の平面部は、前記外レールとの間に間隙が形成される、ことを特徴とする。
【0011】
好ましくは、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、前記外側アタッチ部材は、第1外側アタッチ部材と、第2外側アタッチ部材とによって構成され、前記第1外側アタッチ部材は、前記外レールとビスを挿通可能に離れて形成される取付部と、前記外側溝部の前記上面部の上にビス止めされる基板部と、を有し、前記第2外側アタッチ部材は、前記取付部に係合する係合部と、前記外側アタッチ部材が前記外側溝部に取り付けられた状態で室内の床面と略面一となる平面部とを備える、ことを特徴とする。
【0012】
好ましくは、前記内側アタッチ部材は、前記平面部からそれぞれ下方に延出する2つの脚部が設けられ、前記内側アタッチ部材が前記内側溝部に取り付けられたときに、一方の前記脚部が前記側壁、または、前記側壁に形成される突出小片に当接し、他方の前記脚部が前記内レールに当接する、ことを特徴とする。
【0013】
好ましくは、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、前記中間アタッチ部材は、2つの脚部を有し、当該2つの脚部によって前記平面部を水平に支持し、前記2つの脚部は、その下端部から前記内レール及び前記外レールに係止片を延ばしている、ことを特徴とする。
【0014】
本発明に係るリフォーム方法は、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントを用いて前記既設住宅の前記室内と前記屋外とを区画する前記外壁に形成された前記開口部の下辺に設けられている前記既設サッシ下枠をリフォームする方法であって、前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う前記上面部と、上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する前記障子を案内するための前記内レール及び前記外レールの2つのレールと、前記上面部と前記2つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする前記内側溝部、前記中間溝部及び前記外側溝部の3つの溝部と、を備える前記既設サッシ下枠の前記3つの溝部に対して、前記サッシ下枠用アタッチメントの前記内側アタッチ部材、前記中間アタッチ部材、及び前記外側アタッチ部材の3つのアタッチ部材を取り付けることによって、前記3つの溝部に前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる前記平面部を形成することを特徴とする。
【0015】
好ましくは、本発明に係るリフォーム方法は、前記開口部の屋外側に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる屋外床を設け、前記室内の床面から前記屋外床の床面までを前記開口部の下辺を介して略面一に連続させることを特徴とする。
【0016】
好ましくは、本発明に係るリフォーム方法は、前記3つのアタッチ部材の前記平面部と前記2つのレールとの間に所定の間隔の間隙が設けられ、前記開口部に、前記2つのレールにそれぞれ案内される新設障子が設けられることを特徴とする。
【発明の効果】
【0017】
本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁に形成された開口部の下辺に設けられている既設サッシ下枠に対して取り付けられるサッシ下枠用アタッチメントであって、前記既設サッシ下枠は、前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う上面部と、上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する障子を案内するための少なくとも1つのレールと、前記上面部と前記少なくとも1つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする少なくとも2つの溝部と、を備え、前記サッシ下枠用アタッチメントは、各前記溝部ごとに取り付けられる複数のアタッチ部材からなり、各前記アタッチ部材は、対応する前記溝部に取り付けられた時に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部を有することを特徴とし、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントの各アタッチ部材を、対応する既設サッシ下枠に形成された各溝部に取り付けることで、各溝部に室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部が形成されるため、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントによって簡単に既設サッシ下枠をフルフラットサッシ化することができる。
【0018】
好ましくは、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、各前記アタッチ部材が、対応する前記溝部に着脱自在に取り付けられることを特徴とするので、溝部に溜まったほこりやゴミ等を掃除したい時等に、簡単にサッシ下枠用アタッチメントを溝部から取り外して掃除等ができ、また、その後再び簡単に溝部に取り付けることができる。
【0019】
好ましくは、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、最も屋外側の前記溝部に取り付けられる前記アタッチ部材が、当該溝部に固定されることを特徴とするので、最も屋外側の溝部に取り付けられたアタッチ部材が屋外側へ脱落することを防止することができる。
【0020】
好ましくは、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントは、各前記アタッチ部材が対応する前記溝部に取り付けられた時に、各前記平面部と前記少なくとも1つのレールとの間に所定の間隔の間隙が設けられることを特徴とするので、サッシ下枠用アタッチメントを既設サッシ下枠に取り付けた後でも、既設サッシ下枠に設けられているレールを利用して開口部に障子を設けることができる。
【0021】
本発明に係るリフォーム方法は、本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントを用いて既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁に形成された開口部の下辺に設けられている既設サッシ下枠をリフォームする方法であって、前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置で前記下辺を覆う上面部と、上端が前記室内の床面の高さ位置と略等しい位置または前記室内の床面の高さ位置よりも低い位置となるように前記上面部に設けられた前記開口部を開閉する障子を案内するための少なくとも1つのレールと、前記上面部と前記少なくとも1つのレールとによって形成される前記上面部を底面とする少なくとも2つの溝部と、を備える前記既設サッシ下枠の各前記溝部に対して、前記サッシ下枠用アタッチメントの各前記アタッチ部材を取り付けることによって、各前記溝部に前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部を形成することを特徴とするので、本発明に係るリフォーム方法によると、既設サッシ下枠を取り換えたり、室内の床をかさ上げしたり等の大掛かりなリフォームを行うことなく、既設サッシ下枠に本発明に係るサッシ下枠用アタッチメントを取り付けるだけで、簡単に既設住宅の開口部の下辺のサッシ下枠を室内の床面と略面一にして、フルフラットサッシ化することができる。
【0022】
好ましくは、本発明に係るリフォーム方法は、前記開口部の屋外側に、前記室内の床面の高さ位置と略等しい高さ位置となる屋外床を設け、前記室内の床面から前記屋外床の床面までを前記開口部の下辺を介して略面一に連続させることを特徴とするので、既設住宅においても、室内の空間を、空間的に拡張されたように感じさせると共に、室内から屋外へと連続する開放感を感じさせるような半屋外空間を簡単に形成することができる。
【0023】
好ましくは、本発明に係るリフォーム方法は、各前記平面部と前記少なくとも1つのレールとの間に所定の間隔の間隙が設けられ、前記開口部に、前記少なくとも1つのレールに案内される新設障子が設けられることを特徴とするため、新設障子のために新たなレールを設けることなく、リフォーム前後で同じレールを用いて略同じ位置に新設障子を設けることができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
図1】本発明の一実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメントによるリフォームの対象となる既設住宅の外壁の開口部に設けられた既設サッシ下枠の様子を示す斜視図。
図2図1のX-X矢視断面側面図。
図3図2から既設の障子と溝部カバーとを取り外した状態の既設サッシ下枠の様子を示す断面側面図。
図4図3の状態の既設サッシ下枠に本発明の一実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメントが取り付けられた状態を示す断面側面図。
図5図4の状態からさらに室内の床面と略面一な屋外床と新設障子とが設けられた様子を示す断面側面図。
図6】本発明の一実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメントが既設サッシ下枠に取り付けられて、屋外側に室内の床面と略面一に屋外床が設けられるというリフォームによって既設住宅に半屋外空間が設けられた様子を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0025】
本発明に係るサッシ下枠用アタッチメント及びこれを用いたリフォーム方法の一実施形態について、以下、図面を参照しつつ説明する。ただし、以下はあくまで本発明の一実施形態を例示的に示すものであり、本発明の範囲は以下の実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の思想を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
【0026】
本発明の一実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメント1は、図1から図3に示すような既設住宅の外壁11に形成された開口部12の下辺に設けられている既設サッシ下枠8のリフォームを行う際に用いられるものである。図4から図6に示すように、サッシ下枠用アタッチメント1を既設サッシ下枠8に取り付けることで、開口部12の下辺の高さ位置を室内の床面13の高さ位置と略同じに揃えて、既設サッシ下枠8をフルフラットサッシ化する。
【0027】
図1及び図2に示すように、開口部12は、既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁11に、外壁11を貫通するように設けられており、外壁11に垂直な方向から見て略矩形状で、下辺が室内の床面13の高さ位置まで開口して、人が出入り可能な大きさに形成された、いわゆる掃き出し窓となっている。開口部12には、その4辺を覆うようにサッシ枠体が設けられており、該サッシ枠体の内側には、開口部12を開閉するための内障子71及び外障子72が設けられている。内障子71は室内側に、外障子72は屋外側にそれぞれ設けられて、開口部12を横開きに開閉するようになっており、開口部12を閉じた時に中間の召合わせ領域で内障子71と外障子72とが重なり合う、いわゆる引違い戸となっている。既設サッシ下枠8は、このような開口部12に設けられたサッシ枠体の下枠となっている。
【0028】
本実施形態に係る既設サッシ下枠8は、図2に示すように、開口部12の下辺を覆う既設サッシ下枠8の上面となる上面部81と、上面部81から略垂直上方に突出するようにして設けられた内レール82及び外レール83とを有する。内レール82及び外レール83は、開口部12の下辺の長手方向に沿って互いに略平行に延びる帯板状のレールとなっており、それぞれ上端で内障子71及び外障子72の戸車を受けるようになっている。内障子71は、内障子71の戸車73が内レール82上を走行することで内レール82に沿って移動可能で、外障子72は、外障子72の戸車74が外レール83上を走行することで外レール83に沿って移動可能となっている。
【0029】
上面部81の高さ位置は、室内の床面13の高さ位置よりも低く、内レール82及び外レール83の上端の高さ位置は、室内の床面13の高さ位置と略等しいまたは室内の床面13の高さ位置よりも低くなっている。本実施形態では、内レール82及び外レール83は、図2及び図3に示すように、それぞれの上端の高さ位置が互いに略等しく、室内の床面13の高さ位置と略等しくなるように形成されている。上面部81の室内側の端辺には、上面部81から略垂直上方に室内の床面13まで立ち上がる側壁84が設けられている。本実施形態では、既設サッシ下枠8には、障子を案内するための内レール82及び外レール83の2つのレールが設けられているので、既設サッシ下枠8は、側壁84と内レール82と上面部81とによって既設サッシ下枠8の室内側に形成される内側溝部85と、内レール82と外レール83と上面部81とによって既設サッシ下枠8の中間部に形成される中間溝部86と、外レール83と上面部81とによって既設サッシ下枠8の屋外側に形成される外側溝部87と、の上面部81を底面とする3つの室内の床面13の高さ位置よりも凹んだ溝部を有する。
【0030】
開口部12は、外壁11に形成されているため、雨の日には雨に曝されることになり、開口部12に設けられた内障子71及び外障子72が受けた雨等が、既設サッシ下枠8の上面部81に滴り落ちることになる。そのため、上面部81は、雨が屋外側に排出されるように、室内側が高く、屋外側が低くなっている。本実施形態では、図2及び図3に示すように、内側溝部85においては、上面部81は、側壁84から屋外側に向かって略水平または緩やかに下方に傾斜して延び、内レール82に近づいて内側溝部85の断面略中央を越えた辺りで急勾配で下方に傾斜した後、再び略水平となって内レール82に接続している。内レール82から外レール83までの中間溝部86においては、上面部81は、内レール82から屋外側に向かって急勾配で下方に傾斜した後で、略水平に外レール83まで延びている。外レール83から上面部81の屋外側の端辺までの外側溝部87においては、上面部81は、外レール83から屋外側に向かって略水平または緩やかに下方に傾斜するようになっている。このように、上面部81は、室内側から屋外側にかけて、下方に傾斜するかまたは略水平となるようになっているため、上面部81の上に降り注いだり内障子71及び外障子72から上面部81に滴り落ちた雨は、自然に屋外側へ流れて、上面部81の屋外側の端辺から屋外へと排出されるようになっている。内側溝部85から中間溝部86へ、また、中間溝部86から外側溝部87へ雨が流れるように、内レール82及び外レール83は、上面部81の長手方向の長さよりもやや短く形成されて、内レール82及び外レール83の両端部と開口部12の側辺に設けられているサッシ枠との間には間隙が設けられている。
【0031】
内障子71及び外障子72は、上框、下框及び2つの縦框が矩形周状に組まれた框体と、該框体の内周部に取り付けられるガラス等のパネル体とによって構成されており、図2に示すように、内障子71の框体の下框75及び外障子72の框体の下框76には、それぞれ下面に長手方向に沿って溝77及び溝78が設けられている。内障子71は、下框75の下面の溝77に内レール82の上端部を係合させて、下框75の内部の溝77の位置に設けられている戸車73が内レール82の上端に載置されるようにして取り付けられており、外障子72は、下框76の下面の溝78に外レール83の上端部を係合させて、下框76の内部の溝78の位置に設けられている戸車74が外レール83の上端に載置されるようにして取り付けられている。そのため、内障子71の下框75及び外障子72の下框76の下面の高さ位置は、それぞれ内レール82及び外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっており、内障子71及び外障子72が屋外側の面で受けた雨や風等が容易に室内側へ入り込むことを防いでいる。また、このように内障子71及び外障子72は、下框75及び下框76の下部がそれぞれ内レール82及び外レール83の上部に被せられるように設けられているので、内レール82及び外レール83の両側には、下框75及び下框76の下部が収められる空間が必要であるが、内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87がその下框75及び下框76が収められる空間となっている。
【0032】
また、本実施形態では、図2に示すように、内側溝部85及び中間溝部86には、それぞれ上面部81を覆うカバー部材97、98が取り付けられている。既設サッシ下枠8がアルミ等の金属製の場合には、熱伝導性が高いため、例えば、冬で屋外の気温が低い場合に、既設サッシ下枠8が冷やされて、既設サッシ下枠8を介して室内と屋外との熱交換が行われて室内の温度が低下してしまうことがある。カバー部材97、98は、このような熱交換を緩和して、室内を保温するために用いられる既設サッシ下枠8よりも熱伝導性の低い樹脂製のカバーとなっている。内障子71の下框75及び外障子72の下框76の下面の高さ位置は、内レール82及び外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっているので、カバー部材97、98は、内側溝部85及び中間溝部86に取り付けられた状態で、内障子71及び外障子72に干渉しないように内障子71及び外障子72の下端の位置よりも低くなっている。図2及び図3に示されている側壁84の基端部及び内レール82の基端部から内側溝部85に向かって突出する突出小片は、カバー部材97を取りつけるための部片となっている。また、中間溝部86には、上面部81から略垂直上方に突出する取付片88が設けられている。取付片88は、中間溝部86の断面略中央よりもやや屋外側に設けられて、中間溝部86の長手方向に延び、その上端は外レール83の高さ方向略中央の高さ位置を超えない程度の高さとなっている。中間溝部86には、内レール82の高さ方向中間部辺りから中間溝部86に向かって突出する略鉤状突出小片も設けられており、図2に示すように、該略鉤状突出小片及び取付片88によって、カバー部材98が中間溝部86に取り付けられるようになっている。この内レール82の中間溝部86側に突出する略鉤状突出小片は、中間溝部86における上面部81は内レール82から屋外側に向かって急勾配で下方に傾斜した後で略水平に外レール83まで延びるようになっているが、この上面部81が傾斜した傾斜領域内に収まる程度の突出長さとなっている。
【0033】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、外側溝部87に、上面部81から上方に突出する既設網戸レール89が設けられている。開口部12には、外障子72よりも屋外側に網戸(不図示)が設けられる場合があり、既設網戸レール89は網戸の戸車を受けるためのレールとなっている。既設網戸レール89は、外レール83よりも屋外側に設けられて、外レール83に沿って延びる帯板状のレールで、その上端の高さ位置は、外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっている。網戸は、内障子71または外障子72を開けた時に虫等が室内に侵入することを防ぐためのものなので、通常、内障子71や外障子72よりも軽量であり、網戸のためのレールは、内障子71や外障子72のための内レール82や外レール83よりも強度を必要とせず、通常、内レール82や外レール83よりも小さいことが多い。図2及び図3では、既設網戸レール89の基端から上端までの高さが、外レール83の基端から上端までの高さの略4分の1程度となっている場合の例を示している。既設網戸レール89の上を網戸の戸車が走行することで、網戸が既設網戸レール89に沿って移動可能となっている。
【0034】
また、本実施形態では、図2及び図3に示すように、既設サッシ下枠8は、室内側部材91と、屋外側部材92との2つの部材から構成されており、室内側部材91と屋外側部材92との間には断熱部材93が挟まれて、断熱部材93によって室内側部材91と屋外側部材92とが連結されるようになっている。このような構成としていることで、室内側部材91と屋外側部材92とをアルミ等の金属製で熱伝導性の高い素材で形成した場合でも、間に挟まれた断熱部材93によって室内側と屋外側との熱交換を抑制して、室内の保温性を高めるようになっている。室内側部材91と屋外側部材92とが断熱部材93によって連結された状態において、上面部81は、図2及び図3に示すように、断熱部材93の接続部で溝等が無く滑らかに繋がるようになっており、室内側から屋外側まで水密で一体とみなせるようになっている。
【0035】
サッシ下枠用アタッチメント1は、上記のような既設サッシ下枠8をリフォームしてフルフラットサッシ化するために用いられる。本実施形態では、既設サッシ下枠8は内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87の3つの溝部を備えているため、本実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメント1は、図4及び図5に示すように、内側溝部85に取り付けられる内側アタッチ部材2と、中間溝部86に取り付けられる中間アタッチ部材3と、外側溝部87に取り付けられる外側アタッチ部材4とを備える。
【0036】
内側アタッチ部材2は、図4に示すように、内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられた時に、室内の床面13の高さ位置と略等しい高さ位置となる平面部21を備える。平面部21は、内側溝部85の長手方向に長い略矩形となっている。平面部21の長辺の長さは内側溝部85の長手方向の長さと略等しくなっているが、平面部21の短辺の長さは内側溝部85の内レール82と側壁84との間の距離よりも短くなっており、内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられた時に、平面部21と内レール82との間には所定の間隔の間隙が設けられるようになっている。本実施形態では、平面部21の対向する2つの長辺からそれぞれ下方に延出するように脚部22、23が設けられており、内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられた時に、脚部22及び脚部23は、それぞれ下端が上面部81に当接して、脚部22及び脚部23によって平面部21が水平になるように支持される。
【0037】
また、本実施形態では、内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられた時に、平面部21と側壁84との間にも間隙が設けられるようになっており、側壁84側に設けられている脚部22は、平面部21の側壁84側の長辺から側壁84に向かって斜め下方に側壁84の近傍まで延出する傾斜部24を上部に有する。また、本実施形態では側壁84の基端部に内側溝部85の内側に向かって突出する突出小片が設けられており、脚部22は、上部の傾斜部24と、傾斜部24の下端辺から略垂直下方に延出する垂直壁部25と、垂直壁部25の下端辺から側壁84の基端部の突出小片を避けるように内側溝部85の内側に折れ曲がった後で略垂直下方に上面部81まで延びる略逆L字状の折曲部26とから構成されている。一方、内レール82側に設けられている脚部23は、平面部21の内レール82側の長辺から略垂直下方に上面部81まで延びる垂直壁部27と、垂直壁部27の下端辺から内レール82の内側溝部85側の基端に向かって延出する係止片28とを有する。
【0038】
内側アタッチ部材2は、内側溝部85に、上から嵌め込むようにして着脱可能に取り付けられる。平面部21と側壁84及び内レール82との間にはそれぞれ間隙が設けられるようになっているので、内側アタッチ部材2を内側溝部85から取り外すときは、その間隙に指等を差し込んで挟めるので取り外しやすい。また、平面部21と側壁84及び内レール82との間にそれぞれ間隙が設けられていても、脚部22の垂直壁部25が側壁84に、及び/または、脚部22の折曲部26が側壁84の基端部の突出小片に略当接し、脚部23の係止片28の先端が内レール82に略当接するようになっているため、平面部21が短手方向に動くことが抑制される。
【0039】
本実施形態では、平面部21と側壁84との間に間隙が設けられて、側壁84側の脚部22は、平面部21の側壁84側の長辺から側壁84に向かって斜め下方に側壁84の近傍まで延出する傾斜部24を備え、傾斜部24の下端辺から略垂直下方に垂直壁部25が延出するというようになっているが、例えば、傾斜部24を設けずに、平面部21を側壁84側に延ばして、さらに垂直壁部25を上方に延ばして、平面部21の側壁84側の長辺から直接、垂直壁部25が下方に延びるように構成する等によって、平面部21と側壁84との間には間隙が設けられなくてもよい。また、脚部22の下部には垂直壁部25よりも内側に凹んだ折曲部26が設けられているが、これは側壁84の基端部にカバー部材97を取り付けるための突出小片が設けられているためであって、このような突出小片が側壁84に設けられていない場合には、折曲部26を設けずに、垂直壁部25を下方に延ばして上面部81に当接するようにすればよい。内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられた時に、平面部21が室内の床面13と略面一となるように支持されて、少なくとも平面部21と内レール82との間の間隙に所定の間隔が保たれるようになっていればなんでもよい。
【0040】
内側アタッチ部材2は、1つの部材として構成されていなくてもよい。例えば、内側溝部85の長手方向の長さが長い場合等には、内側アタッチ部材2を長手方向で分割したような複数の部品から構成してもよく、当該部品が全て内側溝部85に取り付けられた時に平面部21が形成されるようになっていればよい。
【0041】
内側アタッチ部材2が内側溝部85に取り付けられることによって、内側溝部85に平面部21が形成されるが、平面部21は、室内の床面13と略面一となるので、人が通行する場合等に踏まれることになるため、平面部21の表面に複数の溝を形成する等によって滑り止めを設けるようにしてもよい。
【0042】
中間アタッチ部材3は、図4に示すように、中間アタッチ部材3が中間溝部86に取り付けられた時に、室内の床面13と略面一となる平面部31を備える。平面部31は、中間溝部86の長手方向に長い略矩形となっている。平面部31の長辺の長さは中間溝部86の長手方向の長さと略等しくなっているが、短辺の長さは中間溝部86の内レール82と外レール83との間の距離よりも短くなっており、中間アタッチ部材3が中間溝部86に取り付けられた時に、平面部31と内レール82及び外レール83との間にそれぞれ所定の間隔の間隙が設けられるようになっている。
【0043】
本実施形態では、中間アタッチ部材3は、平面部31と、平面部31の対向する2つの長辺からそれぞれ平面部31に対して略垂直下方に延出する脚部32と、2つの脚部32の延出端辺からそれぞれ互いに近づく方向に延出する係合片33とを有する第1中間アタッチ部材34と、第1中間アタッチ部材34に取り付けられる1つ以上の第2中間アタッチ部材35とによって構成される。
【0044】
第1中間アタッチ部材34は、2つの脚部32の長さが互いに略等しく、また、2つの係合片33の長さが互いに略等しく形成されて、2つの係合片33の間には間隙が設けられており、断面略C字形の長手状部材となっている。
【0045】
第2中間アタッチ部材35は、第1中間アタッチ部材34の2つの係合片33がそれぞれ内部を摺動可能な2つのスライド溝36を有する。第2中間アタッチ部材35は、2つのスライド溝36に第1中間アタッチ部材34の2つの係合片33をそれぞれ係合させて、第1中間アタッチ部材34の長手方向の端部からスライドさせるようにして、第1中間アタッチ部材34の下部に取り付けられる。
【0046】
また、第2中間アタッチ部材35には、中間溝部86の上面部81から上方に突出する取付片88と係合可能な取付溝37が設けられている。取付溝37は、第2中間アタッチ部材35の下面に開口しており、第2中間アタッチ部材35の下面を下側にして、取付片88の上端を取付溝37の開口に合わせて、第2中間アタッチ部材35を略垂直下方に押し込むことで、取付片88が取付溝37に嵌合する。その時、第2中間アタッチ部材35の下面は中間溝部86の上面部81に当接するようになっている。図4に示すように、取付溝37の幅は、取付片88を取付溝37に係合させやすいように、取付溝37の深さ方向の略中間から開口に掛けて徐々に幅が大きくなるテーパー状に形成されている。
【0047】
本実施形態では、第2中間アタッチ部材35には、互いに略平行に2つの取付溝37が設けられており、第2中間アタッチ部材35は、その中央を通る対称面に対して、2つのスライド溝36及び2つの取付溝37がそれぞれ略対称に配置されて、略面対称の形状となっている。また、第1中間アタッチ部材34も、平面部31の断面略中央を通る平面部31に略垂直な対称面に対して、2つの脚部32及び2つの係合片33がそれぞれ略対称に配置されて、略面対称の形状となっている。第1中間アタッチ部材34に第2中間アタッチ部材35が取り付けられた時に、第1中間アタッチ部材34の対称面と第2中間アタッチ部材35の対称面とが略一致するようになっており、第1中間アタッチ部材34の下部に1つ以上の第2中間アタッチ部材35が取り付けられた中間アタッチ部材3は、平面部31の略中央を通る平面部31に略垂直な対称面に対して、略面対称な形状となっている。
【0048】
このような中間アタッチ部材3が、第2中間アタッチ部材35が下側になるようにして、中間溝部86に、上から嵌め込むようにして取り付けられる。本実施形態では、取付片88は、中間溝部86の断面略中央よりもやや屋外側に設けられており、また、第2中間アタッチ部材35の2つの取付溝37は、中間アタッチ部材3の平面部31の断面略中央を通る対称面に対して略対称に設けられて、平面部31の断面略中央とはややズレた位置となっている。この取付片88と中間溝部86の断面略中央との距離と、各取付溝37と平面部31の断面略中央との距離とが略等しくなっており、平面部31の断面略中央と、中間溝部86の断面略中央との位置を合わせるようにして、中間アタッチ部材3を中間溝部86の上から略垂直下方に押し込むと、中間アタッチ部材3の各第2中間アタッチ部材35の一方側の取付溝37に取付片88が嵌め込まれて、中間アタッチ部材3が中間溝部86に取り付けられる。
【0049】
中間アタッチ部材3が中間溝部86に取り付けられた状態で、各第2中間アタッチ部材35の下面が、中間溝部86の上面部81に当接するようになっている。第1中間アタッチ部材34は、各第2中間アタッチ部材35によって、平面部31の高さ位置が室内の床面13の高さ位置と略等しく略水平となるように支持される。平面部31の短辺方向の長さは中間溝部86の内レール82と外レール83との間の距離よりも短くなっており、平面部31の断面略中央と中間溝部86の断面略中央の位置とが略一致するようになっているので、平面部31と内レール82及び外レール83との間には、それぞれ間隙が設けられるようになっている。しかしながら、中間溝部86に取り付けられた中間アタッチ部材3は、取付溝37と取付片88とが係合しているため、これによって平面部31の短辺方向への動きが抑制されるようになっている。また、中間アタッチ部材3は、取付溝37と取付片88との係合によって中間溝部86に取り付けられているため、中間溝部86から着脱可能であり、平面部31と内レール82及び外レール83との間にはそれぞれ間隙が設けられているため、その間隙に指を差し入れて、中間アタッチ部材3を略垂直上方に持ち上げるようにすることで取り外すことができ、中間溝部86からの取り外しも簡単である。
【0050】
本実施形態では、中間溝部86における上面部81は、内レール82から屋外側に向かって急勾配で下方に傾斜した傾斜領域と、該傾斜領域から外レール83まで延びる略水平な水平領域との2つの領域があり、図4に示すように中間溝部86に取り付けられた中間アタッチ部材3の第2中間アタッチ部材35の下面は、上面部81の水平領域に当接するようになっている。そのため、中間アタッチ部材3を、平面部31の断面略中央を通って平面部31に略垂直な対称面に対して略面対称な形状としていることで、中間アタッチ部材3を平面部31に略垂直な軸に対して180度回転させて中間溝部86に取り付ける場合でも、同様に取り付けることができるようになっている。中間アタッチ部材3の向きを気にせずに中間アタッチ部材3を中間溝部86に取り付けることができるので、取り付けが簡単である。
【0051】
本実施形態では、カバー部材98を中間溝部86に取り付けるために中間溝部86の上面部81に設けられていた取付片88を利用して、中間アタッチ部材3を中間溝部86に取り付けるように構成しているが、中間アタッチ部材3の取り付けに取付片88を利用しなくてもよい。また、本実施形態では、中間アタッチ部材3を、第1中間アタッチ部材34と、第1中間アタッチ部材34に取り付けられる1つ以上の第2中間アタッチ部材35との2種類の部材から構成しているが、第2中間アタッチ部材35を用いずに構成するようにしてもよい。例えば、中間アタッチ部材3を取り付けようとする中間溝部86の上面部81に段差が設けられており、室内側と屋内側とで上面部81の高さ位置が異なるような場合や、取付片88が設けられていないような場合等には、第1中間アタッチ部材34の平面部31の対向する長辺からそれぞれ下方に延びる2つの脚部32を、下端部が上面部81に当接するまで下方に延ばして、2つの脚部32によって平面部31を水平に支持するようにして、2つの脚部32の下端部付近から内レール82または外レール83のそれぞれに近い方に係止片を延ばして、該係止片によって平面部31の短辺方向への移動を抑制するというように、内側アタッチ部材2と同様の構成とするようにしてもよい。中間アタッチ部材3が中間溝部86に取り付けられた時に、平面部31が室内の床面13と略面一となるように支持されて、平面部31と内レール82及び外レール83との間の間隙にそれぞれ所定の間隔が保たれるようになっていればなんでもよい。
【0052】
本実施形態では、中間アタッチ部材3を、第1中間アタッチ部材34の下部に1つ以上の第2中間アタッチ部材35を取り付けて、中間溝部86の上面部81に当接する各第2中間アタッチ部材35によって第1中間アタッチ部材34を支持するように構成している。平面部31は、室内の床面13と略面一となるので、人等がその上を通行する等によって、平面部31には下向きの荷重が掛かることになる。この平面部31に掛かる荷重は、第1中間アタッチ部材34から各第2中間アタッチ部材35を通じて上面部81に伝わる。各第2中間アタッチ部材35の大きさが小さすぎたり、第1中間アタッチ部材34に取り付けられる第2中間アタッチ部材35の数が少なすぎたりすると、上面部81が破損したり、第1中間アタッチ部材34が破損したりする虞があるので、第2中間アタッチ部材35の大きさや第1中間アタッチ部材34に取り付けられる数量は、第1中間アタッチ部材34の平面部31を略水平に支持することができるように適宜設計されればよい。第1中間アタッチ部材34及び第2中間アタッチ部材35の材質や、第1中間アタッチ部材34の断面形状等によっても、第2中間アタッチ部材35に必要な大きさや数は違ってくるが、通常、第2中間アタッチ部材35は、第1中間アタッチ部材34の長手方向の長さよりも十分短くできる。そのため、第1中間アタッチ部材34の下部に複数の第2中間アタッチ部材35を取り付けることができ、複数の第2中間アタッチ部材35を第1中間アタッチ部材34に取り付ける場合に、隣接する第2中間アタッチ部材35の間に十分な間隔が設けられるように各第2中間アタッチ部材35を配置することができる。図4に示した例では、第1中間アタッチ部材34の平面部31から下方に延びる2つの脚部32の長さは、平面部31から上面部81までの距離の半分程度となっている。この第1中間アタッチ部材34に、第1中間アタッチ部材34を支持できるように1つ以上の第2中間アタッチ部材35が取り付けられるが、各第2中間アタッチ部材35は互いに十分な間隔を空けて配置されるので、第2中間アタッチ部材35を設けずに、平面部31から脚部32を上面部81に当接するまで下方に延ばして脚部32によって平面部31を支持するように構成するような場合よりも、中間アタッチ部材3にかかるコストを削減できる。
【0053】
中間溝部86は、内レール82に戸車73が載置される内障子71と、外レール83に戸車74が載置される外障子72との境界が位置する領域となっている。内障子71及び外障子72によって開口部12を閉じられた時に、内障子71及び外障子72の障子の部分で互いの境界の隙間が閉じられるようになっていても、中間溝部86を通って屋外の風が室内に吹き込む可能性がある。そのため、内障子71と外障子72とが閉じられた時に、内障子71及び外障子72の一部が重なる召し合わせ領域部分の中間溝部86に、中間溝部86から風が室内に吹き込むことを防ぐための風止め部材が取り付けられていることがある。このような風止め部材が中間溝部86に設けられている場合には、中間アタッチ部材3を長手方向に分割して、風止め部材を避けるようにして、風止め部材の左右にそれぞれ分割された中間アタッチ部材3が取り付けられるように構成すればよい。しかしながら、既設の内障子71及び外障子72は、それぞれ下框75及び下框76の下端の高さ位置が内レール82及び外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっているため、内障子71及び外障子72用に中間溝部86に取り付けられていた風止め部材は、その上端の高さ位置が室内の床面13よりも低かったり、また、上面が平面状でなく傾斜や段差が設けられていたりする場合等がある。このような風止め部材を中間溝部86に残したまま、中間アタッチ部材3を中間溝部86に取り付けると、中間溝部86に形成される室内の床面13と略面一の平面部31の平坦性が、風止め部材部分で途切れることになる。そのため、サッシ下枠用アタッチメント1を既設サッシ下枠8に取り付けた後に後述のような新設内障子51及び新設外障子52を設ける場合に、風止め部材が必要な場合には、既設の風止め部材を取り外して、新たな上面が室内の床面13と略面一となる新設内障子51及び新設外障子52用の風止め部材を中間溝部86に設けるようにして、中間アタッチ部材3は、この新たな風止め部材を避けるように分割して設けられればよい。また、風止め部材に関係なく、中間アタッチ部材3は、例えば、中間溝部86の長手方向の長さが長い場合等には、分割して設けられてもよい。
【0054】
外側アタッチ部材4は、外側溝部87に取り付けられる。上記のように内側アタッチ部材2は内側溝部85に、中間アタッチ部材3は中間溝部86に、それぞれ着脱可能に取り付けられるようになっているが、外側溝部87は、内側溝部85及び中間溝部86とは異なり、屋外側に隔壁が設けられていないので、外側溝部87に取り付けられた外側アタッチ部材4が屋外側から脱落しないように、外側アタッチ部材4は外側溝部87に固定されるようになっている。ただ、外側溝部87の屋外側に、内側溝部85の室内側に設けられた側壁84と同様の側壁が設けられているような場合等には、内側アタッチ部材2及び中間アタッチ部材3と同様に、外側アタッチ部材4を外側溝部87に着脱可能に取り付けられるように構成してもよい。
【0055】
本実施形態では、外側アタッチ部材4は、図4に示すように、第1外側アタッチ部材41と、第2外側アタッチ部材47とによって構成される。第1外側アタッチ部材41及び第2外側アタッチ部材47は、それぞれ外側溝部87の長手方向に沿って延びる断面形状の略等しい長手状部材となっている。
【0056】
第1外側アタッチ部材41は、外側溝部87の上面部81に載置される基板部42と、基板部42から上方に立ち上がる立板部43と、第2外側アタッチ部材47を取り付けるための取付部44とを備える。
【0057】
基板部42は、外側溝部87の上面部81を覆う板状部となっている。本実施形態では、外側溝部87の上面部81の屋外側の端辺部に既設網戸レール89が設けられているため、基板部42には、基板部42を外側溝部87の上面部81に載置する時に、既設網戸レール89の干渉を受けないように、既設網戸レール89を内部に収めることのできる溝部421が設けられている。従って、基板部42の断面形状は、外レール83の基端部近傍から、上面部81に沿って屋外側に延び、既設網戸レール89の部分で略逆U字状の溝部421が形成されて、再び上面部81に沿って屋外側に延びるというような形状となっている。
【0058】
立板部43は、基板部42から上方に立ち上がる板状部となっており、本実施形態では、立板部43の上端部は、網戸のためのレールとして用いられるようになっている。そのため、第1外側アタッチ部材41が外側溝部87に取り付けられた状態の時に、立板部43は外レール83に略平行で、立板部43の上端の高さ位置は、室内の床面13の高さ位置と略等しくなるようになっている。また、本実施形態では、既存網戸レール89の断面方向の位置と、立板部43の上端部による新たに設けられることになる網戸のレールの断面方向の位置とが略等しくなるように、立板部43は、基板部42の溝部421の頂部から上方に立ち上がるようになっている。
【0059】
取付部44は、立板部43の外レール83側面に設けられており、第2外側アタッチ部材47を第1外側アタッチ部材41に取り付けるための部分となっている。本実施形態では、立板部43の高さ方向中間部あたりから外レール83に向かって略水平に延びる帯板状の水平部と、該水平部の延出先端辺に設けられた該水平部に略垂直な帯板状の垂直部とからなり、取付部44の垂直部と外レール83との間にはビスを挿通可能な幅の間隙が設けられるようになっている。
【0060】
第1外側アタッチ部材41は、取付部44を外レール83側に向けて、外側溝部87の上面部81を覆うようにして基板部42を上面部81の上に載置した後、取付部44と外レール83との間に設けられている間隙からビスを通して、基板部42を上面部81にビス止めすることで、外側溝部87に固定される。
【0061】
また、本実施形態では、第1外側アタッチ部材41は、立板部43の屋外側に、立板部43の上端よりやや低い位置から屋外側に向かって略水平に延出する帯板状の水平部と、該水平部の延出先端辺から下方に延出する係止片部とからなる係止部45を備える。係止部45の水平部の高さ位置は、立板部43の上端部が網戸用のレールとなっているため、立板部43の上端に設けられる網戸の戸車や下端部が干渉しないような高さ位置となっている。また、溝部421の屋外側の基板部42が屋外側に向かって略水平に延びており、基板部42の屋外側の延出先端辺の立板部43からの距離は、係止部45の水平部の延出先端辺の立板部43からの距離と略等しくなるようになっており、その基板部42の屋外側の延出先端辺から上方に係止片46が延出している。係止部45の係止片部と係止片46とは、立板部43からの距離が略等しい位置に互いに向かい合うように設けられて、この係止部45の係止片部及び係止片46を利用して、様々なアダプタ等を第1外側アタッチ部材41に取り付けることができ、例えば、図5に示すように、開口部12の屋外側に開口部12の下辺と連続する屋外床18を形成したいような場合に、屋外床18を設けるための補助アダプタ等を取り付けることができる。
【0062】
第2外側アタッチ部材47は、取付部44に係合する係合部48と、外側アタッチ部材4が外側溝部87に取り付けられた状態で室内の床面13と略面一となる平面部49とを備える。第2外側アタッチ部材47は、外側溝部87の上面部81に固定されている状態の第1外側アタッチ部材41に対して取り付けられるようになっており、係合部48を取付部44に係合させることで取り付けられる。第1外側アタッチ部材41を外側溝部87の上面部81に固定して、第1外側アタッチ部材41に第2外側アタッチ部材47を取り付けることで、外側アタッチ部材4は外側溝部87に取り付けられる。
【0063】
平面部49は、外側アタッチ部材4が外側溝部87に取り付けられた状態の時に、室内の床面13と略面一となるようになっており、外側溝部87の長手方向に長い略矩形で、平面部49と外レール83との間には所定の間隔の間隙が設けられるようになっている。また、本実施形態では、立板部43の上端部が新たな網戸用のレールとして用いられるため、立板部43の上端に設けられる網戸の戸車や下端部が干渉しないように、平面部49と立板部43との間にも所定の間隔の間隙が設けられるようになっており、平面部49は外レール83と立板部43との間に位置するようになっている。もし、新たな網戸用のレールを設ける必要が無い場合には、立板部43の上端の高さ位置を室内の床面13の高さ位置よりも低くして、平面部49を屋外側に延ばすようにしてもよい。
【0064】
外側アタッチ部材4を第1外側アタッチ部材41と第2外側アタッチ部材47とを一体として1つの部材から構成するような場合には、外側アタッチ部材4を上面部81に固定するために、平面部49と外レール83との間にビスを挿通可能な幅の間隙を設ける必要があるので、平面部49が所望の大きさよりも小さくなってしまうかもしれないが、本実施形態では、外側アタッチ部材4を、第1外側アタッチ部材41と第2外側アタッチ部材47との2つの部材によって構成して、外側溝部87の上面部81に固定される第1外側アタッチ部材41に対して、室内の床面13と略面一となる平面部49を有する第2外側アタッチ部材47を取り付けるようにしているため、外側溝部87に所望の大きさの平面部49を形成することができる。
【0065】
第1外側アタッチ部材41は、基板部42を外側溝部87の上面部81にビス止めすることによって外側溝部87に固定されるようになっているため、外側溝部87の上面部81にはビスによって孔が開けられることになる。この上面部81に形成されるビス止めによる孔には、ビスが止められているものの、わずかな隙間から雨等の水が上面部81の下部に滲入する可能性が無いとはいえない。しかし、本実施形態に係る既設サッシ下枠8の屋外側を構成している屋外側部材92には、図4に示すように、上面部81の下部に中空空間94が形成されており、ビスの先端は中空空間94内で止まるようになっている。中空空間94の床面は、屋外側に向かって下方に傾斜するようになっているので、中空空間94内に水が滲入した場合、水は床面に沿って屋外側に流れるようになっている。そのため、屋外側部材92の屋外側の側面に中空空間94まで貫通する水抜き用孔95を設けるだけで、もし上面部81に形成されたビスの孔から上面部81の下部の中空空間94に水が滲入したとしても、その水を水抜き用孔95から屋外に排出させることができる。
【0066】
上記のように、サッシ下枠用アタッチメント1は、既設サッシ下枠8に形成されている内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87の3つの溝部に対して、それぞれ取り付けられる内側アタッチ部材2、中間アタッチ部材3及び外側アタッチ部材4を備える。内側アタッチ部材2は、内側溝部85に取り付けられた時に室内の床面13と略面一となる平面部21を備え、中間アタッチ部材3は、中間溝部86に取り付けられた時に室内の床面13と略面一となる平面部31を備え、外側アタッチ部材4は、外側溝部87に取り付けられた時に室内の床面13と略面一となる平面部49を備えており、サッシ下枠用アタッチメント1を、既設サッシ下枠8に取り付けることによって、室内の床面13よりも高さ位置の低い上面部81を底面とする内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87に、それぞれ室内の床面13と略面一となる平面部21、平面部31及び平面部49が形成されて、各溝部の室内の床面13から上面部81までの段差が無くなる。また、本実施形態では、外側アタッチ部材4は、外側溝部87に取り付けられた時に平面部49の屋外側に、上端部が新たな網戸用のレールとして用いられる立板部43を備えるが、立板部43の上端の高さ位置も、室内の床面13の高さ位置と略等しく揃えられている。従って、サッシ下枠用アタッチメント1を既設サッシ下枠8に取り付けることによって、室内の床面13から既設サッシ下枠8の屋外側に設けられている外側アタッチ部材4の屋外側の端部までが、室内の床面13と略面一に段差無くフラットに繋がるようになっており、サッシ下枠用アタッチメント1によって既設サッシ下枠8をフルフラットサッシ化することができる。
【0067】
サッシ下枠用アタッチメント1は、既設サッシ下枠8に取り付けられた時に、平面部21と内レール82との間、平面部31と内レール82との間、平面部31と外レール83との間、及び平面部49と外レール83との間に、つまり内レール82及び外レール83の両側に、それぞれ所定の間隔の間隙が設けられるようになっているため、サッシ下枠用アタッチメント1が既設サッシ下枠8に取り付けられた状態で、内レール82及び外レール83にそれぞれ障子の戸車を係合させることができる。従って、サッシ下枠用アタッチメント1によると、サッシ下枠用アタッチメント1を既設サッシ下枠8に取り付けてフルフラットサッシ化した後も、既設サッシ下枠8の内レール82及び外レール83を利用して、開口部12に障子を設けることができる。その場合、サッシ下枠用アタッチメント1を取り付ける前に開口部12に設けられていた内障子71及び外障子72は、図2に示すように、それぞれの下框75及び下框76の下面の高さ位置が、内レール82及び外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっているので、サッシ下枠用アタッチメント1を既設サッシ下枠8に取り付けた後は、内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87にそれぞれ形成された平面部21、平面部31及び平面部49に内障子71及び外障子72の下部が干渉するため、内障子71及び外障子72をそのまま用いることはできず、図5に示すように、新たに内障子71に替えて新設内障子51及び外障子72に替えて新設外障子52を設ける必要がある。
【0068】
新設内障子51及び新設外障子52は、それぞれが有する戸車が内レール82または外レール83の上を走行することで、内レール82または外レール83に沿って案内されることは内障子71及び外障子72と同様である。新設内障子51及び新設外障子52と、内障子71及び外障子72とで、同じ内レール82及び外レール83を利用するため、新設内障子51の戸車53は内障子71の戸車73と、新設外障子52の戸車54は外障子72の戸車74と、それぞれ同じ大きさの同等のものを用いることができる。しかし、新設内障子51の下框55及び新設外障子52の下框56は、内障子71の下框75及び外障子72の下框76とは異なり、下面の高さ位置が室内の床面13の高さ位置よりもやや高くなっており、新設内障子51及び新設外障子52が内レール82または外レール83に沿って移動する際に、サッシ下枠用アタッチメント1によって内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87に形成された室内の床面13と略面一の平面部21、平面部31及び平面部49に干渉しないようになっている。
【0069】
新設内障子51の戸車53及び新設外障子52の戸車54は、それぞれ下框55及び下框56の内部に収められるように設けられるが、下框55及び下框56の下面の高さ位置は室内の床面13の高さ位置よりもやや高くなっており、内レール82及び外レール83の上端の高さ位置は室内の床面13の高さ位置と略等しいかまたは室内の床面13の高さ位置よりも低くなっているため、戸車53及び戸車54は、それぞれ下框55及び下框56の下面から下方に一部突出するようにして内レール82及び外レール83に係合するようになっている。新設内障子51の戸車53及び新設外障子52の戸車54は、それぞれ内障子71の戸車73及び外障子72の戸車74と同等のものを用いることができて、同じ内レール82及び外レール83の上に載置されるので、新設内障子51の下框55の内部に戸車53を設けるために必要な空間の上端の高さ位置及び新設外障子52の下框56の内部に戸車54を設けるために必要な空間の上端の高さ位置は、それぞれ、内障子71の下框75の内部に戸車73を設けるための必要な空間の上端の高さ位置及び外障子72の下框76の内部に戸車74を設けるために必要な空間の上端の高さ位置と、略等しい。そのため、新設内障子51の下框55及び新設外障子52の下框56は、それぞれ内障子71の下框75及び外障子72の下框76と比較して、下面の高さ位置を上げる必要があるものの、上端の高さ位置は略等しくできるので、新設内障子51及び新設外障子52が設けられた開口部12は、内障子71及び外障子72が設けられた開口部12と比べても開口部12の大きさが小さくなったような印象を与えないようになっている。
【0070】
下框55及び下框56の下面と平面部21、平面部31及び平面部49との間にはわずかな隙間が空くことになるため、この隙間を通じて屋外から室内に風や雨等が吹き込むような可能性がある。そのため、下框55の下面に垂下部57が、下框56の下面に垂下部58がそれぞれ設けられている。垂下部57は、下框55の下面に当接する上面と該上面の対向する端辺からそれぞれ下方に延出する屋外側垂下面及び室内側垂下面とによって断面略逆U字状に形成された下框55の長手方向に延びる長手状部材となっており、垂下部58は、下框56の下面に当接する上面と該上面の対向する端辺からそれぞれ下方に延出する屋外側垂下面及び室内側垂下面とによって断面略逆U字状に形成された下框56の長手方向に延びる長手状部材となっている。垂下部57の屋外側垂下面及び室内側垂下面の下端の高さ位置は、内レール82の上端の高さ位置よりも低くなっており、垂下部57の屋外側垂下面及び室内側垂下面の間に、内レール82の上部が挟まれるようになっている。また、垂下部58の屋外側垂下面及び室内側垂下面の下端の高さ位置は、外レール83の上端の高さ位置よりも低くなっており、垂下部58の屋外側垂下面及び室内側垂下面の間に、外レール83の上部が挟まれるようになっている。従って、垂下部57及び垂下部58によって、新設内障子51及び新設外障子52の下部側において、屋外側から室内側へ雨や風等が侵入することを防ぐことができる。
【0071】
このように、新設内障子51及び新設外障子52には、それぞれ下框55及び下框56の下面から下方に延びる屋外側垂下面及び室内側垂下面を有する垂下部57及び垂下部58が設けられて、垂下部57及び垂下部58の下端の高さ位置は、それぞれ内レール82及び外レール83の上端の高さ位置よりも低くなるようになっている。そのため、平面部21と内レール82との間、平面部31と内レール82との間、平面部31と外レール83との間、及び平面部49と外レール83との間にそれぞれ設けられる間隙は、この垂下部57及び垂下部58を設けることができて、新設内障子51及び新設外障子52がそれぞれ内レール82及び外レール83に沿って移動する際に、垂下部57及び垂下部58が干渉しないような間隔となっている。サッシ下枠用アタッチメント1による既設サッシ下枠8のフルフラットサッシ化によって得られる室内の床面13からの開口部12の下辺の連続性を高めるために、これらの間隙の間隔はなるべく狭くする方が好ましい。
【0072】
本実施形態では、開口部12に内障子71及び外障子72の2つの障子が設けられており、既設サッシ下枠8には、内障子71及び外障子72を案内するための内レール82及び外レール83の2つのレールが設けられている例を示したが、開口部12に3つ以上の開口部12を開閉するための障子が設けられており、既設サッシ下枠8に、各障子に対応して3つ以上のレールが設けられている場合には、既設サッシ下枠8に形成されている内側溝部85に対応する室内側の溝部と、外側溝部87に対応する屋外側の溝部と、レールの数より1つ少ない中間溝部86に対応するレール間の溝部との各溝部に対して取り付けられるアタッチ部材をサッシ下枠用アタッチメント1は備え、各溝部に室内の床面13と略面一となる平面部を形成する。また、例えば、開口部12の側辺に開口した外壁11内に障子を収納可能な戸袋が設けられている等によって、開口部12に1つだけ開口部12を開閉するための障子が設けられており、既設サッシ下枠8に、該障子を案内するためのレールが1つだけ設けられている場合には、既設サッシ下枠8に形成されている内側溝部85及び外側溝部87に対応する2つの溝部に対して、それぞれ取り付けられる2つのアタッチ部材をサッシ下枠用アタッチメント1は備える。このように、サッシ下枠用アタッチメント1は、既設サッシ下枠8に形成されている溝部に応じて、各溝部に対応して取り付けられるアタッチ部材を備えるように構成すればよい。
【0073】
次に、上記の本実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメント1を用いた既設サッシ下枠8のリフォーム方法について説明する。サッシ下枠用アタッチメント1は、図1及び図2に示すような、既設住宅の室内と屋外とを区画する外壁11に形成されている室内の床面13の高さ位置まで開口した開口部12の下辺に設けられている既設サッシ下枠8をリフォームによってフルフラットサッシ化するために用いられる。本実施形態では、図2に示すように、既設サッシ下枠8は、上面部81から上方に突出するように互いに略平行に開口部12の下辺の長手方向に沿って延びる内レール82及び外レール83を備え、既設サッシ下枠8には、上面部81と内レール82及び外レール83とによって、内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87が形成されている。内レール82及び外レール83にはそれぞれ内障子71及び外障子72が設けられており、内側溝部85及び中間溝部86には、それぞれカバー部材97、98が取り付けられている。また、中間溝部86には、内レール82及び外レール83の召し合わせ領域部分に風止め部材が取り付けられている場合がある。
【0074】
サッシ下枠用アタッチメント1によって既設サッシ下枠8のリフォームを行う際は、まず、図2に示すような既設サッシ下枠8に取り付けられている内障子71及び外障子72や、カバー部材97、98を取り外し、また、中間溝部86に風止め部材が設けられている場合には該風止め部材も取り外して、図3に示すように、既設サッシ下枠8の内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87に何も取り付けられていない状態にする。その後、図4に示すように、サッシ下枠アタッチメント1の内側アタッチ部材2、中間アタッチ部材3及び外側アタッチ部材4を、それぞれ内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87に取り付ける。
【0075】
内側アタッチ部材2を内側溝部85に取り付ける際は、内側アタッチ部材2の平面部21が上側になるようにして、内側アタッチ部材2を内側溝部85に上から嵌め込むようにして取り付けて、平面部21が室内の床面13と略面一となるようにする。中間アタッチ部材3を中間溝部86に取り付ける際は、第1中間アタッチ部材34の下部に1つ以上の第2中間アタッチ部材35を取り付けて、中間アタッチ部材3の平面部31が上側になるようにして、中間アタッチ部材3を中間溝部86に上から嵌め込むようにして取り付けて、平面部31が室内の床面13と略面一となるようにする。サッシ下枠用アタッチメント1によるリフォーム後に新たに設けられる新設内障子51及び新設外障子52に対して、風止め部材が必要な場合は、新設内障子51及び新設外障子52の召し合わせ領域部分の中間溝部86に、上面が室内の床面13と略面一となる風止め部材を取り付けて、該風止め部材を避けるように分割された中間アタッチ部材3を中間溝部86に取り付ける。外側アタッチ部材4を外側溝部87に取り付ける際は、まず、第1外側アタッチ部材41の基板部42を外側溝部87の上面部81に載置して、基板部42を上面部81にビス止めすることによって、第1外側アタッチ部材41を外側溝部87に固定して、その後、第1外側アタッチ部材41の取付部44に第2外側アタッチ部材47の係合部48を係合させることによって第1外側アタッチ部材41に第2外側アタッチ部材47を取り付けて、第2外側アタッチ部材47の平面部49が室内の床面13と略面一となるようにする。
【0076】
第1外側アタッチ部材41の基板部42を外側溝部87の上面部81にビス止めすることによって第1外側アタッチ部材41を外側溝部87に固定しているが、図4に示すように、外側溝部87の上面部81の下部に屋外側に向かって下方に傾斜する床面を有する中空空間94が形成されている場合には、基板部42と上面部81とをビス止めするためのビスとして、該ビスの先端が中空空間94内で留まる長さのものを用いて、中空空間94と屋外とを区画する既設サッシ下枠8の側面には、中空空間94と屋外とを連通させる水抜き用孔95を設けるようにする。
【0077】
サッシ下枠用アタッチメント1が既設サッシ下枠8に取り付けられて、内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87の各溝部に、室内の床面13と略面一な平面部21、平面部31及び平面部49が形成される。平面部21、平面部31及び平面部49と、内レール82及び外レール83との間にはそれぞれ所定の間隔の間隙が設けられるようになっており、新たな新設内障子51及び新設外障子52を開口部12に設ける場合、図5に示すように、新たなレールを設けることなく、既設サッシ下枠8の内レール82及び外レール83を利用することができる。
【0078】
このように、サッシ下枠用アタッチメント1は、障子を案内するための内レール82及び外レール83によって既設サッシ下枠8に形成されている内側溝部85、中間溝部86及び外側溝部87の各溝部に対して、それぞれ取り付けられる内側アタッチ部材2、中間アタッチ部材3及び外側アタッチ部材4を備えており、サッシ下枠用アタッチメント1によって各溝部に室内の床面13と略等しい平面部21、平面部31及び平面部49が形成されて、既設サッシ下枠8がフルフラットサッシ化される。
【0079】
最も屋外側の溝部である外側溝部87を除く内側溝部85及び中間溝部86には、それぞれ内側アタッチ部材2及び中間アタッチ部材3が取り付けられるが、道具等を必要とせずに嵌め込むだけで取り付けられるので、着脱可能で、施工も簡単である。また、内側アタッチ部材2及び中間アタッチ部材3が取り付けられることによって内側溝部85及び中間溝部86の上面部81に孔が開けられることも無いため、内側アタッチ部材2及び中間アタッチ部材3が取り付けられた後の内側溝部85及び中間溝部86に入り込んだ水は、新たに水仕舞いを施すことなく、既設サッシ下枠8の上面部81の上を流れて屋外側に排出される。
【0080】
また、最も屋外側の溝部である外側溝部87には、外側アタッチ部材4が取り付けられるが、外側アタッチ部材4は、外側溝部87の屋外側から脱落しないように、第1外側アタッチ部材41が外側溝部87に固定されて、外側溝部87に固定された第1外側アタッチ部材41に着脱可能に第2外側アタッチ部材47が取り付けられるようになっている。第1外側アタッチ部材41は、基板部42を外側溝部87の上面部81にビス止めすることによって固定されるので、外側溝部87の上面部81には、ビス止めによる孔が開けられることになるが、この孔にはビスが螺着されているので、外側溝部87に入り込んだ水は、大部分は基板部42及び既設サッシ下枠8の上面部81の上を流れて屋外側に排出される。わずかにビス止めの孔から上面部81の下部の中空空間94に水が滲入したとしても、水抜き用孔95から屋外側に排出される。このように、第1外側アタッチ部材41は外側溝部87に固定されるものの、基板部42と上面部81とをビス止めするだけなので施工も簡単であり、また、水仕舞いについても、水抜き用孔95を設けるだけでよいので簡単である。
【0081】
以上のように、本実施形態に係るサッシ下枠用アタッチメント1を用いることによって、既設住宅の外壁11に形成された掃き出し窓となっている開口部12の下辺に設けられている既設サッシ下枠8を簡単にリフォームによってフルフラットサッシ化することができる。サッシ下枠用アタッチメント1によってフルフラットサッシ化した既設サッシ下枠8が設けられている開口部12の屋外側に、図5及び図6に示すように、室内の床面13の高さ位置と略等しい高さ位置となるようにデッキやテラス等の屋外床18を設ければ、室内の床面13から屋外床18の床面までが、開口部12の下辺を介して略面一に連続するので、屋外床18を、室内の空間を、空間的に拡張されたように感じさせると共に、室内から屋外へと連続する開放感を感じさせるような半屋外空間とすることができる。従って、既設住宅においても、サッシ下枠用アタッチメント1を用いたリフォームによって簡単に半屋外空間を設けることができる。
【符号の説明】
【0082】
1 サッシ下枠用アタッチメント
11 外壁
12 開口部
13 室内の床面
18 屋外床
2 内側アタッチ部材(アタッチ部材)
21 平面部
3 中間アタッチ部材(アタッチ部材)
31 平面部
4 外側アタッチ部材(アタッチ部材)
49 平面部
51 新設内障子(新設障子)
52 新設外障子(新設障子)
71 内障子((既設)障子)
72 外障子((既設)障子)
8 既設サッシ下枠
81 上面部
82 内レール(レール)
83 外レール(レール)
85 内側溝部(溝部)
86 中間溝部(溝部)
87 外側溝部(溝部)
図1
図2
図3
図4
図5
図6