(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報提供装置、及び、情報提供方法
(51)【国際特許分類】
G08G 1/005 20060101AFI20240508BHJP
G01C 21/26 20060101ALI20240508BHJP
G08G 1/123 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G08G1/005
G01C21/26 P
G08G1/123 A
(21)【出願番号】P 2020085709
(22)【出願日】2020-05-15
【審査請求日】2023-02-06
(73)【特許権者】
【識別番号】000003997
【氏名又は名称】日産自動車株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】507308902
【氏名又は名称】ルノー エス.ア.エス.
【氏名又は名称原語表記】RENAULT S.A.S.
【住所又は居所原語表記】122-122 bis, avenue du General Leclerc, 92100 Boulogne-Billancourt, France
(74)【代理人】
【識別番号】110000486
【氏名又は名称】弁理士法人とこしえ特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】賈 舒陽
【審査官】宮本 礼子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-526850(JP,A)
【文献】国際公開第2019/220205(WO,A1)
【文献】特開2013-134641(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2016/0370194(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G08G 1/00-99/00
G01C 21/00-25/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
目的地までの移動に利用する配車車両を要求する配車リクエストに基づいて、ユーザ端末機に対し配車情報を提供する情報提供装置であって、
前記ユーザ端末機の位置情報を取得するユーザ情報取得部と、
前記配車車両に搭載された車載端末機から前記配車車両の位置情報を取得する車両情報取得部と、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記配車車両の位置情報に基づいて、少なくとも1つの待合せ場所候補地を設定する待合せ場所候補地設定部と、
前記配車車両の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、前記配車車両が現在位置から前記待合せ場所候補地に到着するまでにかかる車両移動時間を算出する車両移動時間算出部と、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、ユーザが現在位置から前記待合せ場所候補地に到るまでに通過する移動経路の候補案として少なくとも1つの候補経路を設定する候補経路設定部と、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、前記ユーザが現在位置から前記候補経路を移動して前記待合せ場所候補地に到着するまでにかかるユーザ移動時間を算出するユーザ移動時間算出部と、
前記ユーザ移動時間、及び、前記車両移動時間に基づいて、前記待合せ場所候補地において前記ユーザが前記配車車両を待つための配車待ち時間を算出する待ち時間算出部と、
前記ユーザが前記候補経路を移動する際の前記ユーザの移動し易さを示すユーザビリティ情報を取得するユーザビリティ情報取得部と、
少なくとも前記待合せ場所候補地、前記ユーザ移動時間
、前記配車待ち時間
、及び、前記候補経路の前記ユーザビリティ情報を含む前記配車情報を前記ユーザ端末機に出力する出力部とを備え、
前記出力部は、前記ユーザの特性に応じた優先順位で前記ユーザビリティ情報を前記ユーザ端末機に出力する、情報提供装置。
【請求項2】
少なくとも前記待合せ場所候補地の位置情報、前記目的地の位置情報、前記ユーザ移動時間、及び、前記配車待ち時間に基づいて、前記ユーザが現在位置から前記待合せ場所候補地を経由して前記目的地に到着するまでにかかる総合移動時間を算出する総合移動時間算出部をさらに備え、
前記出力部が前記ユーザ端末機に出力する前記配車情報は、前記総合移動時間を含む、請求項1に記載の情報提供装置。
【請求項3】
前記待合せ場所候補地設定部は、複数の前記待合せ場所候補地を設定し、
前記出力部は、複数の前記待合せ場所候補地のうちの1つを待合せ場所として選択可能な態様で、複数の前記待合せ場所候補地の各々についての前記配車情報を前記ユーザ端末機に出力する、請求項1又は2に記載の情報提供装置。
【請求項4】
前記待合せ場所候補地の有利性の有無を判断する有利性判断部をさらに備え、
前記出力部が前記ユーザ端末機に出力する前記配車情報は、前記待合せ場所候補地の前記有利性に関する情報を含む、請求項1~3のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項5】
前記出力部は、前記有利性を有する前記待合せ場所候補地の前記有利性に関する情報が強調表示されるように、前記配車情報を前記ユーザ端末機に出力する、請求項4項に記載の情報提供装置。
【請求項6】
前記出力部が前記ユーザ端末機に出力する前記配車情報は、前記待合せ場所候補地の前記有利性の内容を含む、請求項4に記載の情報提供装置。
【請求項7】
前記有利性判断部は、前記ユーザ移動時間、前記配車待ち時間、及び、前記ユーザが現在位置から前記待合せ場所候補地を経由して前記目的地に到着するまでにかかる総合移動時間の少なくともいずれか1つに基づいて、前記待合せ場所候補地の前記有利性の有無を判断する、請求項4~6のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項8】
前記候補経路設定部は、複数の前記候補経路を設定し、
前記ユーザ移動時間算出部は、前記候補経路ごとに前記ユーザ移動時間を算出し、
前記待ち時間算出部は、前記候補経路ごとに前記配車待ち時間を算出し、
前記出力部が前記ユーザ端末機に出力する前記配車情報は、前記候補経路ごとの前記ユーザ移動時間、及び、前記配車待ち時間とを含む、請求項1~7のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項9】
前記出力部は、前記ユーザ端末機の位置の変化、及び、前記配車車両の位置の変化の少なくともいずれか一方に基づいて更新される前記配車情報を前記ユーザ端末機に出力する、請求項1~
8のいずれか一項に記載の情報提供装置。
【請求項10】
目的地までの移動に利用する配車車両を要求する配車リクエストに基づいて、ユーザ端末機に対して、配車情報を提供するコントローラを用いた情報提供方法であって、
前記コントローラは、
前記ユーザ端末機の位置情報を取得し、
前記配車車両に搭載された車載端末機から前記配車車両の位置情報を取得し、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記配車車両の位置情報に基づいて、少なくとも1つの待合せ場所候補地を設定し、
前記配車車両の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、前記配車車両が現在位置から前記待合せ場所候補地に到着するまでにかかる車両移動時間を算出し、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、ユーザが現在位置から前記待合せ場所候補地に到るまでに通過する移動経路の候補案として少なくとも1つの候補経路を設定し、
前記ユーザ端末機の位置情報、及び、前記待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、前記ユーザが現在位置から前記候補経路を移動して前記待合せ場所候補地に到着するまでにかかるユーザ移動時間を算出し、
前記ユーザ移動時間、及び、前記車両移動時間に基づいて、前記待合せ場所候補地において前記ユーザが前記配車車両を待つための配車待ち時間を算出し、
前記ユーザが前記候補経路を移動する際の前記ユーザの移動し易さを示すユーザビリティ情報を取得し、
少なくとも前記待合せ場所候補地、前記ユーザ移動時間
、前記配車待ち時間
、及び、前記候補経路の前記ユーザビリティ情報を含む前記配車情報を前記ユーザ端末機に出力
し、
前記ユーザの特性に応じた優先順位で前記ユーザビリティ情報を前記ユーザ端末機に出力する、情報提供方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報提供装置、及び、情報提供方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、配車車両を利用した目的地までの移送サービスに用いられる情報提供装置は、ユーザに配車車両との待合せ場所に関する情報を提供する。特許文献1に示すように、情報提供装置がユーザに提供する待合せ場所に関する情報には、待合せ場所までの移動時間に関する情報が含まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の情報提供装置がユーザに提供する情報には、ユーザが待合せ場所に到着した後の待ち時間に関する情報が含まれていない。そのため、待合せ場所で、どの程度の待ち時間が発生するかを、ユーザが事前に把握することができないという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、移送サービスに係る配車車両を要求する配車リクエストを発信したユーザが、配車車両との待ち合わせ場所候補地での待ち時間を事前に把握することができる情報提供装置、及び、情報提供方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る情報提供装置、及び、情報提供方法は、待合せ場所候補地、ユーザ移動時間、配車待ち時間、及び、候補経路のユーザビリティ情報を含む配車情報を前記ユーザ端末機に出力し、ユーザの特性に応じた優先順位でユーザビリティ情報をユーザ端末機に出力することによって上記課題を解決する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザは、待合せ場所候補地、及び、ユーザ移動時間に加えて、待合せ場所候補地での配車待ち時間をユーザ端末機に介して確認可能となるので、配車車両との待ち合わせ場所候補地での待ち時間を事前に把握することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】第1実施形態に係る情報提供装置を含む配車システムの構成図である。
【
図2】
図1に示す情報提供装置による情報提供方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図3】
図2に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図4】
図2に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図5】
図2に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図6】
図1に示す情報提供装置による情報提供方法の手順の別の一例を示すフローチャートである。
【
図7】
図6に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図8】第2実施形態に係る情報提供装置を含む配車システムの構成図である。
【
図9】
図8に示す情報提供装置による情報提供方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図10】
図9に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図11】
図9に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図12】第3実施形態に係る情報提供装置を含む配車システムの構成図である。
【
図13】
図12に示す情報提供装置による情報提供方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図14】
図13に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【
図15】第4実施形態に係る情報提供装置を含む配車システムの構成図である。
【
図16】
図15に示す情報提供装置による情報提供方法の手順の一例を示すフローチャートである。
【
図17】
図16に示す情報提供方法によって配車情報がユーザ端末機の画面に表示される態様の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
《第1実施形態》
第1実施形態に係る情報提供装置10及び情報提供装置10を用いた情報提供方法について、
図1~7を参照して説明する。
図1に示す配車システム1は、配車車両4を利用した目的地までの移送サービス、すなわち配車サービスをユーザに提供するシステムである。配車システム1は、ユーザ端末機3、配車車両4に搭載された車載端末機5、電気通信回線網を構成するネットワーク6及び、ユーザ端末機3を介してユーザに配車情報を提供する情報提供装置10を含む。また、情報提供装置10は、コントローラ100、及び、通信部108を有する。ユーザ端末機3、配車車両4の車載端末機5、及び、情報提供装置10の通信部108は、ネットワーク6を介して、互いに情報の送受信を行うことができる。また、情報提供装置10のコントローラ100は、ユーザ情報取得部101、車両情報取得部102、待合せ場所候補地設定部103、ユーザ移動時間算出部104、車両移動時間算出部105、待ち時間算出部106、及び、出力部107を有する。
なお、ユーザ端末機3は、例えば、ユーザが所有するスマートフォン、携帯電話、可搬コンピュータ等である。また、情報提供装置10は、例えば、配車サービスを提供する事業者の管制センター等に設定されている。
【0010】
コントローラ100は、ハードウェア及びソフトウェアを備えたコンピュータにより構成され、プログラムを格納したROM(Read Only Memory)と、このROMに格納されたプログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)と、アクセス可能な記憶装置として機能するRAM(Random Access Memory)とから構成されている。なお、動作回路としては、CPUに代えて又はこれとともに、MPU(Micro Processing Unit)、DSP(Digital Signal Processor)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、FPGA(Field Programmable Gate Array)などを用いることができる。
【0011】
ユーザ情報取得部101は、ユーザ端末機3から、ネットワーク6及び通信部108を介して、ユーザ情報を取得する。ユーザ情報は、ユーザの現在位置を示すユーザ端末機3の位置情報、ユーザが希望する目的地、ユーザの性別や年齢等を含む。
【0012】
車両情報取得部102は、車載端末機5から、ネットワーク6及び通信部108を介して、配車車両4の車両情報を取得する。配車車両4の車両情報は、少なくとも、配車車両4の現在位置を示す位置情報を含む。なお、
図1では、車両情報取得部102は、1台の配車車両4の車両情報を取得しているが、これに限定されず、ユーザに配車可能な複数の配車車両4の車両情報を取得してもよい。
【0013】
待合せ場所候補地設定部103は、ユーザが配車車両4に乗車するための待合せ場所の候補地である待合せ場所候補地を設定する。設定される待合せ場所候補地は、1つでもよく、複数でもよい。待合せ場所候補地設定部103は、ユーザ端末機3の位置情報、及び、配車車両4の位置情報に基づいて待合せ場所候補地を設定する。
【0014】
候補経路設定部110は、ユーザ端末機3の位置情報に基づいて、ユーザが現在位置から待合せ場所候補地に到るまでに通過する移動経路の候補案としての候補経路を設定する。1か所の待合せ場所候補地に対して設定される候補経路は、1つでもよく、複数でもよい。
【0015】
ユーザ移動時間算出部104は、ユーザ端末機3の位置情報、及び、待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、ユーザが現在位置から候補経路を移動して待合せ場所候補地に到着するまでにかかるユーザ移動時間を算出する。
【0016】
車両移動時間算出部105は、配車車両4の位置情報、及び、待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、配車車両が現在位置から前記待合せ場所候補地に到着するまでにかかる車両移動時間を算出する。
【0017】
待ち時間算出部106は、ユーザ移動時間、及び、車両移動時間に基づいて、待合せ場所候補地においてユーザが配車車両4を待つための配車待ち時間を算出する。具体的には、ユーザ移動時間が車両移動時間よりも短い場合は、配車待ち時間は0である。一方、ユーザ移動時間が車両移動時間よりも長い場合は、配車待ち時間は、ユーザ移動時間と車両移動時間との差分である。
【0018】
出力部107は、通信部108及びネットワーク6を介して、配車情報をユーザ端末機3に出力する。配車情報は、待合せ場所候補地、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間を含む。
【0019】
次に、
図2を参照して、情報提供装置10のコントローラ100による情報提供方法の手順について説明する。
まず、ステップS11において、コントローラ100は、情報提供装置10の通信部108を介して、ユーザがユーザ端末機3から発信した配車リクエストを受信する。配車リクエストは、目的地までの移動に利用する配車車両の配車を要求するリクエストである。
【0020】
次に、ステップS12において、コントローラ100のユーザ情報取得部101は、通信部108を介して、ユーザ端末機3の位置情報を取得する。
次に、ステップS13において、コントローラ100の車両情報取得部102は、通信部108を介して、車載端末機5から一又は複数の配車車両4の位置情報を取得する。
【0021】
次に、ステップS14において、コントローラ100の待合せ場所候補地設定部103は、ユーザ端末機3の位置情報、及び、配車車両4の位置情報に基づいて、待合せ場所候補地を設定する。
次に、ステップ15において、コントローラ100の車両移動時間算出部105は、配車車両4の位置情報、及び、待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、車両移動時間を算出する。ここで、配車車両4が複数台ある場合は、車両移動時間算出部105は、待合せ場所候補地に最も近い場所を走行している配車車両4が現在位置から待合せ場所候補地に移動するまでにかかる時間を、車両移動時間として算出する。
なお、ステップS15の処理は、後述するステップS17とステップS18との間において実行されてもよい。
【0022】
次に、ステップS16において、コントローラ100の候補経路設定部110は、ユーザ端末機3の位置情報、及び、待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、候補経路を設定する。
次に、ステップ17において、コントローラ100のユーザ移動時間算出部104は、ユーザ端末機3の位置情報、及び、待合せ場所候補地の位置情報に基づいて、ユーザ移動時間を算出する。
さらに次に、ステップS18において、コントローラ100の待ち時間算出部106は、ユーザ移動時間、及び、車両移動時間に基づいて、配車待ち時間を算出する。
【0023】
次に、ステップS19において、コントローラ100は、待合せ場所候補地設定部103が設定した待合せ場所候補地が他にないか否かを判定する。待合せ場所候補地が他にない場合は、制御は、ステップS20に移り、出力部107は、通信部108を介して、ユーザ端末機3に配車情報を出力する。配車情報は、待合せ場所候補地、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間を含んでいる。また、待合せ場所候補地が他にある場合は、制御は、ステップS15に戻る。すなわち、出力部107は、待合せ場所候補地が1つの場合は、1つの待合せ場所候補地に対応する配車情報をユーザ端末機3に出力し、待合せ場所候補地が複数設定されている場合は、全ての待合せ場所候補地の各々に対応する配車情報をユーザ端末機3に出力する。
【0024】
次に、
図2に示す情報提供方法を用いてユーザ端末機3に配車情報が出力された場合における、ユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様の例を、
図3~5を用いて説明する。
【0025】
図3は、待合せ場所候補地が1か所のみ設定されている場合における配車情報の表示態様の例を示している。
ユーザ端末機3の画面には、地図上にユーザの現在位置P0、待合せ場所候補地W0、及び、候補経路R0を示す案内画像G0が表示されている。現在位置P0にはユーザを示す人間マークH0が表示されるとともに、吹き出しで「歩行時間:03分」と表示されている。なお、ユーザ端末機3の画面に表示された「歩行時間」は、ユーザ移動時間である。待合せ場所候補地W0にはピンマークM0が表示されるとともに、吹き出しで「待ち時間:01分」と表示されている。ユーザ端末機3の画面に表示された「待ち時間」は、配車待ち時間である。また、案内画像G0では、現在位置P0は「現在地」と表示され、待合せ場所候補地W0は「乗車地」と表示される。
【0026】
また、案内画像G0には、地図の下に確定ボタンX1及びキャンセルボタンX2が表示されている。ここで、ユーザが確定ボタンX1をタップすると、待合せ場所候補地W0が待合せ場所として選択される。一方、ユーザがキャンセルボタンX2をタップすると、配車リクエストがキャンセルされる。ユーザ端末機3は、ユーザによる待合せ場所の選択情報、又は、配車リクエストのキャンセル情報を、情報提供装置10の通信部108に送信する。
【0027】
図4は、2か所の待合せ場所候補地W11,W12が設定されている場合における配車情報の表示態様の例を示している。
図4の例では、ユーザがユーザ端末機3の画面を左右にスワイプすることにより、第1案内画像G11と第2案内画像G12とが切り替わる。
第1案内画像G11及び第2案内画像G12のいずれにも、地図上にユーザの現在位置P0、第1待合せ場所候補地W11、第2待合せ場所候補地W12、第1候補経路R11、及び、第2候補経路R12が表示されている。第1候補経路R11は、現在位置P0から第1待合せ場所候補地W11までの候補経路である。また、第2候補経路R12は、現在位置P0から第2待合せ場所候補地W12までの候補経路である。現在位置P0にはユーザを示す人間マークH0が表示されている。第1待合せ場所候補地W11には第1ピンマークM11が表示され、第2待合せ場所候補地W12には第2ピンマークM12が表示されている。
【0028】
第1案内画像G11では、第1候補経路R11は実線で表され、第2候補経路R12は破線で表されている。また、第1ピンマークM11はカラーで表示され、第2ピンマークM12は黒い実線の輪郭のみで表示されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から第1待合せ場所候補地W11まで第1候補経路R1を通って移動するユーザ移動時間である。第1待合せ場所候補地W11の第1ピンマークM1の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。第2待合せ場所候補地W12の第2ピンマークM12の上の吹き出しは破線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。また、第1案内画像G11では、現在位置P0は「現在地」と表示され、第1待合せ場所候補地W11は「乗車地」と表示されている。
【0029】
第2案内画像G12では、第1候補経路R11は破線で表され、第2候補経路R12は実線で表されている。また、第1ピンマークM11は黒い実線の輪郭のみで表示され、第2ピンマークM12はカラーで表示されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「歩行時間:02分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から第2待合せ場所候補地W12まで第2候補経路R12を通って移動するユーザ移動時間である。第1待合せ場所候補地W11の第1ピンマークM11の上の吹き出しは破線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。第2待合せ場所候補地W12の第2ピンマークM12の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。また、第2案内画像G12では、現在位置P0は「現在地」と表示され、第2待合せ場所候補地W12は「乗車地」と表示される。
【0030】
ユーザ端末機3の画面に第1案内画像G11が表示されている時に、ユーザが確定ボタンX1をタップすると、第1待合せ場所候補地W11が待合せ場所として選択される。一方、ユーザ端末機3の画面に第2案内画像G12が表示されている時に、ユーザが確定ボタンX1をタップすると、第2待合せ場所候補地W12が待合せ場所として選択される。また、第1案内画像G1及び第2案内画像G2のいずれが表示されている場合でも、ユーザがキャンセルボタンX2をタップすると、配車リクエストがキャンセルされる。すなわち、情報提供装置10の出力部107は、ユーザが複数の待合せ場所候補地W11,W12のうちの1つを待合せ場所として選択可能な態様で、第1待合せ場所候補地W11及び第2待合せ場所候補地W12の各々についての配車情報をユーザ端末機3に出力している。
なお、
図4に示す例では、2か所の待合せ場所候補地が設定されているが、これに限定されず、3か所以上の待合せ場所候補地が設定されている場合であっても、出力部107は、同様の態様で、ユーザ端末機3に各々の待合せ場所候補地についての配車情報を出力してもよい。
【0031】
また、ユーザ端末機3の画面には、
図5に示す第3案内画像G3のように、リスト形式で配車情報が表示されてもよい。具体的には、第3案内画像G3では、リストの1列目に待合せ場所候補地W1,W2,W3が、2列目に待ち時間(配車待ち時間)が、3列目に歩行時間(ユーザ移動時間)が、それぞれ表示されている。また、4列目には、チェックボックスが表示されている。ユーザは、待合せ場所候補地W1,W2,W3の各々に対応するチェックボックスのいずれかにチェックを入れて確定ボタンX1をタップすることで、待合せ場所を選択することができる。
【0032】
また、情報提供装置10は、
図6及び7に示すように、各々の待合せ場所候補地に対する複数の候補経路を設定することもできる。なお、以下の説明において、前述した符号と同一の符号は、同一又は同様のステップ又は構成を示すものであるため、詳細な説明は省略する。
図6のフローチャートに示すように、ステップS16において、候補経路設定部110は、各々の待合せ場所候補地に対する複数の候補経路を設定する。そして、ステップS17でユーザ移動時間が、ステップS18で配車待ち時間が算出された後、ステップS31において、コントローラ100は、他の候補経路がないか否かを判定する。他の候補経路がない場合は、制御はステップS19に進む。一方、他の候補経路がある場合は、制御はステップS17に戻る。すなわち、ユーザ移動時間算出部104は、候補経路ごとにユーザ移動時間を算出し、待ち時間算出部106は、候補経路ごとに配車待ち時間を算出する。ステップS20で出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、候補経路ごとのユーザ移動時間、及び、配車待ち時間を含む。
【0033】
図6に示す情報提供方法を用いてユーザ端末機3に配車情報が出力された場合における、ユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様の例を、
図7を用いて説明する。
図7には、1か所の待合せ場所候補地W4に対して2つの候補経路R41、R42が設定された場合におけるユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様が例示されている。
【0034】
図7に示すように、ユーザがユーザ端末機3の画面を左右にスワイプすることにより、第1案内画像G41と第2案内画像G42とが切り替わる。
第1案内画像G41及び第2案内画像G42のいずれにも、地図上にユーザの現在位置P0、待合せ場所候補地W4、第1候補経路R41、及び、第2候補経路R42が表示されている。待合せ場所候補地W4にはピンマークM4が表示されている。また、待合せ場所候補地W4は「乗車地」と表示される。
【0035】
第1案内画像G41では、第1候補経路R41は実線で表され、第2候補経路R42は破線で表されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:04分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W4まで第1候補経路R41を通って移動するユーザ移動時間である。待合せ場所候補地W4のピンマークM4の上の吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。ここで表示されている「待ち時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W4まで第1候補経路R41を通って移動した場合の配車待ち時間である。また、この吹き出しの中の「01」は、第1候補経路R41の利点が分かりやすいように、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。また、第1案内画像G41の地図画像の上の部分には、第1候補経路R41の利点の内容が「待ち時間が短いルートです」という文字で表示されている。
【0036】
第2案内画像G42では、第1候補経路R41は破線で表され、第2候補経路R42は実線で表されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。この吹き出しの中の「03」は、第2候補経路R42の利点が分かりやすいように、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。なお、ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W4まで第2候補経路R42を通って移動するユーザ移動時間である。また、待合せ場所候補地W4のピンマークM4の上の吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。ここで表示されている「待ち時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W4まで第2候補経路R42を通って移動した場合の配車待ち時間である。また、第2案内画像G42の地図画像の上の部分には、第2候補経路R42の利点の内容が「歩行時間が短いルートです」という文字で表示されている。
【0037】
なお、
図6,7に示す例では、1か所の待合せ場所候補地に対して2つの候補経路が設定されているが、これに限定されず、3つ以上の候補経路が設定されている場合であっても、出力部107は、同様の態様で、ユーザ端末機3に各々の候補経路についての配車情報を出力する。
また、出力部107は、複数の待合せ場所候補地の各々に対する2つ以上の候補経路についての配車情報をユーザ端末機3に出力してもよい。
【0038】
以上より、本実施形態に係る情報提供装置10及び情報提供方法によれば、待合せ場所候補地、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間を含む配車情報をユーザ端末機3に出力することができる。これにより、ユーザは、配車車両との待合せ場所を決定する前に、ユーザ移動時間に加えて、待合せ場所候補地での配車待ち時間を事前に把握することができる。
【0039】
また、待合せ場所候補地設定部103は、複数の待合せ場所候補地を設定し、出力部107は、ユーザが複数の待合せ場所候補地のうちの1か所を待合せ場所として選択可能な態様で、複数の待合せ場所候補地の各々についての配車情報をユーザ端末機3に出力する。これにより、ユーザは、複数の待合せ場所候補地の各々についてのユーザ移動時間及び配車待ち時間を参照して待合せ場所を選択することができる。
【0040】
また、候補経路設定部110は、複数の候補経路を設定することができる。ユーザ移動時間算出部104は、候補経路ごとにユーザ移動時間を算出し、待ち時間算出部106は、候補経路ごとに配車待ち時間を算出する。そして、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、候補経路ごとのユーザ移動時間と配車待ち時間とを含む。これにより、ユーザは、ユーザ端末機3の画面に表示された配車情報を参照にして待合せ場所を決定することができるとともに、待合せ場所に到着するためにより最適な移動経路を選択して移動することができる。
【0041】
《第2実施形態》
第2実施形態に係る情報提供装置20及び情報提供装置20を用いた情報提供方法について、
図8~11を参照して説明する。
図8に示すように、情報提供装置20のコントローラ200は、第1実施形態に係る情報提供装置10のコントローラ100の構成に加えて、有利性判断部201を有している。有利性判断部201は、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間に基づいて、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断する。「待合せ場所候補地の有利性」とは、ユーザがその待合せ場所候補地を待合せ場所として選択することにより享受することができる利点(メリット)である。有利性は、例えば、他の待合せ場所候補地と比較してユーザ移動時間が最短であること、他の待合せ場所候補地と比較して配車待ち時間が最短であること、ユーザ移動時間が所定の時間よりも短いこと、又は、配車待ち時間が所定の時間よりも短いこと等である。
【0042】
図9に示すように、有利性判断部201は、ステップS19の後のステップS41において、待合せ場所候補地の各々の有利性の有無を判断する。ステップS20で出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、待合せ場所候補地の有利性に関する情報を含む。
【0043】
次に、
図9に示す情報提供方法を用いてユーザ端末機3に配車情報が出力された場合における、ユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様の例を、
図10,11を用いて説明する。
【0044】
図10には、1か所の待合せ場所候補地W5が設定されている場合におけるユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様が例示されている。
図10に示す例において、有利性判断部201は、待合せ場所候補地W5での配車待ち時間(1分)が所定の時間(例えば、3分)よりも短いことに基づいて、待合せ場所候補地W5は「配車待ち時間が短い」という有利性を有すると判断している。
【0045】
図10に示すように、ユーザ端末機3の画面の案内画像G5では、地図上にユーザの現在位置P0、待合せ場所候補地W5、及び、候補経路R5が表示されている。待合せ場所候補地W5にはピンマークM5が表示されている。また、待合せ場所候補地W5は「乗車地」と表示される。
【0046】
図10に示す案内画像G5では、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W5まで候補経路R5を通って移動するユーザ移動時間である。待合せ場所候補地W5のピンマークM5の上の吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。この吹き出しの中の「01」は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。すなわち、出力部107は、「配車待ち時間が短い」という有利性を有する待合せ場所候補地W5に関する配車情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力している。また、案内画像G5の地図画像の上の部分には、「待ち時間が短いプランです」という文字が表示されている。すなわち、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報には、待合せ場所候補地W5の有利性の内容(「配車待ち時間が短い」という情報)が含まれている。
【0047】
図11には、2か所の待合せ場所候補地として第1待合せ場所候補地W61、及び、第2待合せ場所候補地W62が設定されている場合におけるユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様が例示されている。
図11に示す例において、有利性判断部201は、第1待合せ場所候補地W61での配車待ち時間(1分)が、第2待合せ場所候補地W62での配車待ち時間(2分)よりも短いことに基づいて、第1待合せ場所候補地W61は「配車待ち時間が最短である」という有利性を有すると判断している。また、有利性判断部201は、第2待合せ場所候補地W62のユーザ移動時間(2分)が、第1待合せ場所候補地W61のユーザ移動時間(3分)よりも短いことに基づいて、第2待合せ場所候補地W62は「ユーザ移動時間が最短である」という有利性を有すると判断している。
【0048】
図11に示すように、ユーザがユーザ端末機3の画面を左右にスワイプすることにより、第1案内画像G61と第2案内画像G62とが切り替わる。ユーザ端末機3の画面の第1案内画像G61と第2案内画像G62とのいずれにおいても、地図上にユーザの現在位置P0、第1待合せ場所候補地W61、第2待合せ場所候補地W62、第1候補経路R61、及び、第2候補経路R62が表示されている。第1候補経路R61は、現在位置P0から第1待合せ場所候補地W61までの候補経路である。また、第2候補経路R62は、現在位置P0から第2待合せ場所候補地W62までの候補経路である。第1待合せ場所候補地W61には第1ピンマークM61が表示されている。第2待合せ場所候補地W62には第2ピンマークM62が表示されている。
【0049】
第1案内画像G61では、第1候補経路R61は実線で表され、第2候補経路R62は破線で表されている。また、第1ピンマークM61はカラーで表示され、第2ピンマークM62は黒い実線の輪郭のみで表示されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から第1待合せ場所候補地W61まで第1候補経路R61を通って移動するユーザ移動時間である。第1待合せ場所候補地W61の第1ピンマークM61の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。この吹き出しの中の「01」は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。すなわち、出力部107は、「配車待ち時間が最短である」という有利性を有する第1待合せ場所候補地W61の有利性に関する配車情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力している。
【0050】
第1案内画像G61では、第2待合せ場所候補地W62の第2ピンマークM62の上の吹き出しは破線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。また、第1案内画像G61では、第1待合せ場所候補地W61は「乗車地」と表示される。さらにまた、第1案内画像G61に表示されている地図画像の上には、「待ち時間が最短のプランです」という文字で表示されている。すなわち、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報には、第1待合せ場所候補地W61の有利性の内容(「配車待ち時間が最短である」という情報)が含まれている。
【0051】
第2案内画像G62では、第1候補経路R61は破線で表され、第2候補経路R62は実線で表されている。また、第1ピンマークM61は黒い実線の輪郭のみで表示され、第2ピンマークM62はカラーで表示されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「歩行時間:02分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から第2待合せ場所候補地W62まで第2候補経路R62を通って移動するユーザ移動時間である。また、この吹き出しの中の「02」は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。すなわち、出力部107は、「ユーザ移動時間が最短である」という有利性を有する第2待合せ場所候補地W62の有利性に関する配車情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力している。
【0052】
第2案内画像G62では、第1待合せ場所候補地W61の第1ピンマークM61の上の吹き出しは破線で表示され、第2待合せ場所候補地W62の第2ピンマークM62の上の吹き出しは実線で表示されている。また、第2案内画像G62では、第2待合せ場所候補地W62は「乗車地」と表示される。また、第2案内画像G62に表示されている地図画像の上には、「歩行時間が最短のプランです」という文字で表示されている。すなわち、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報には、第2待合せ場所候補地W62の有利性の内容(ユーザ移動時間が最短である)が含まれている。
【0053】
なお、
図10、
図11に示す例では、待合せ場所候補地の有利性に関する情報を強調表示するために、有利性を示す時間の数字部分は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字で表示されているが、これに限定されない。すなわち、有利性を示す時間は、目立つ色で表示されたり、点滅して表示されたり、周りの文字と異なるフォントで表示されたりすることにより、強調表示されてもよい。
また、有利性の内容を示す文字も、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字で表示されたり、目立つ色で表示されたり、点滅して表示されたり、周りの文字と異なるフォントで表示されたりすることにより、強調表示されてもよい。
【0054】
以上より、本実施形態に係る情報提供装置20及び情報提供方法によれば、情報提供装置20の有利性判断部201は、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断し、ユーザ端末機3に出力される配車情報は、待合せ場所候補地の有利性に関する情報を含む。これにより、ユーザは、その待合せ場所候補地を待合せ場所として選択することによりどのような利点(メリット)を享受することができるかを確認した上で、待合せ場所を決定することができる。
【0055】
また、情報提供装置20の出力部107は、有利性を有する待合せ場所候補地の有利性に関する情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力する。これにより、ユーザが、ユーザ端末機3を介して、待合せ場所候補地の有利性をより明確に確認しやすくなる。
【0056】
また、情報提供装置20の出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、待合せ場所候補地の有利性の内容を含む。待合せ場所候補地の有利性の内容は、例えば、「ユーザ移動時間が短い」、「配車待ち時間が短い」、「ユーザ移動時間が最短である」、「配車待ち時間が最短である」等である。これにより、ユーザが、ユーザ端末機3を介して、待合せ場所候補地の有利性の具体的な内容をより明確に確認しやすくなる。
【0057】
また、情報提供装置20の有利性判断部201は、ユーザ移動時間、又は、配車待ち時間に基づいて、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断する。これにより、ユーザは、自身の好みに応じて、待ち合わせ場所を、ユーザ移動時間がより短い待合せ場所候補地、又は、配車待ち時間がより短い待合せ場所候補地に設定することができる。
【0058】
《第3実施形態》
第3実施形態に係る情報提供装置30及び情報提供装置30を用いた情報提供方法について、
図12~14を参照して説明する。
図12に示すように、情報提供装置30のコントローラ300は、第2実施形態に係る情報提供装置20のコントローラ200の構成に加えて、総合移動時間算出部301を有している。総合移動時間算出部301は、少なくとも待合せ場所候補地の位置情報、目的地の位置情報、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間に基づいて、総合移動時間を算出する。総合移動時間とは、ユーザが現在位置から待合せ場所候補地を経由して目的地に到着するまでにかかると予測される時間である。具体的には、総合移動時間算出部301は、待合せ場所候補地の位置情報、及び、目的地の位置情報に基づいて、配車車両4が待合せ場所候補地から目的地までユーザを移送するのにかかる移送時間を算出する。そして、総合移動時間算出部301は、ユーザ移動時間と配車待ち時間と移送時間とを加算して、総合移動時間を算出する。
なお、ユーザがユーザ端末機3を介して配車リクエストを情報提供装置30に送信する際には、目的地の位置情報も情報提供装置30に送信されている。
【0059】
図13に示すように、総合移動時間算出部301は、ステップS18で待ち時間算出部106が配車待ち時間を算出した後のステップS51において、総合移動時間を算出する。ステップS51で総合移動時間が算出された後は、制御はステップS19に移る。また、ステップS41では、有利性判断部201が、ユーザ移動時間、配車待ち時間、及び、総合移動時間に基づいて、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断する。すなわち、有利性の内容には、「総合移動時間が短い」、「総合移動時間が最短である」等の情報が含まれる。
【0060】
次に、
図13に示す情報提供方法を用いてユーザ端末機3に配車情報が出力された場合における、ユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様の例を、
図14を用いて説明する。
図14には、2か所の待合せ場所候補地として第1待合せ場所候補地W71、及び、第2待合せ場所候補地W72が設定されている場合におけるユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様が例示されている。
図14に示す例において、有利性判断部201は、第1待合せ場所候補地W71での配車待ち時間(1分)が、第2待合せ場所候補地W72での配車待ち時間(2分)よりも短いことに基づいて、第1待合せ場所候補地W71は「配車待ち時間が最短である」という有利性を有すると判断している。また、有利性判断部201は、第2待合せ場所候補地W72を経由した場合の総合移動時間(10分)が、第1待合せ場所候補地W71を経由した場合の総合移動時間(12分)よりも短いことに基づいて、第2待合せ場所候補地W72は「総合移動時間が最短である」という有利性を有すると判断している。
【0061】
図14に示すように、ユーザがユーザ端末機3の画面を左右にスワイプすることにより、第1案内画像G71と第2案内画像G72とが切り替わる。ユーザ端末機3の画面の第1案内画像G71と第2案内画像G72とのいずれにおいても、地図上にユーザの現在位置P0、第1待合せ場所候補地W71、第2待合せ場所候補地W72、目的地Y、第1候補経路R71、第2候補経路R72、第1移送経路R73及び第2移送経路R74が表示されている。第1候補経路R71は、現在位置P0から第1待合せ場所候補地W71までの候補経路である。また、第2候補経路R72は、現在位置P0から第2待合せ場所候補地W72までの候補経路である。第1移送経路R73は、ユーザを乗せた配車車両4が第1待合せ場所候補地W71から目的地Yに到るまでに通過する経路である。また、第2移送経路R74は、ユーザを乗せた配車車両4が第2待合せ場所候補地W72から目的地Yに到るまでに通過する経路である。第1待合せ場所候補地W71には第1ピンマークM71が表示されている。第2待合せ場所候補地W72には第2ピンマークM72が表示されている。目的地Yには第3ピンマークM73が表示されている。
【0062】
第1案内画像G71では、第1候補経路R71及び第1移送経路R73は実線で表され、第2候補経路R72及び第2移送経路74は破線で表されている。また、第1ピンマークM71及び第3ピンマーク73はカラーで表示され、第2ピンマークM72は黒い実線の輪郭のみで表示されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から第1待合せ場所候補地W71まで第1候補経路R71を通って移動するユーザ移動時間である。第1待合せ場所候補地W71の第1ピンマークM71の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:01分」と表示されている。この吹き出しの中の「01」は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。すなわち、出力部107は、「配車待ち時間が最短である」という有利性を有する第1待合せ場所候補地W71の有利性に関する配車情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力している。また、目的地Yの第3ピンマークM73の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「到着時間:12分」と表示されている。ここで表示されている「到着時間」は、ユーザが現在位置P0から第1待合せ場所候補地W71を経由して目的地Yに到着するまでにかかる総合移動時間である。
【0063】
第1案内画像G71では、第2待合せ場所候補地W72の第2ピンマークM72の上の吹き出しは破線で表示され、吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。また、第1案内画像G71では、第1待合せ場所候補地W71は「乗車地」と表示される。さらにまた、第1案内画像G71に表示されている地図画像の上には、「待ち時間が最短のプランです」という文字で表示されている。すなわち、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報には、第1待合せ場所候補地W71の有利性の内容(「配車待ち時間が最短である」という情報)が含まれている。
【0064】
第2案内画像G72では、第1候補経路R71及び第1移送経路R73は破線で表され、第2候補経路R72及び第2移送経路R74は実線で表されている。また、第1ピンマークM71は黒い実線の輪郭のみで表示され、第2ピンマークM72及び第3ピンマークM73はカラーで表示されている。第2案内画像G72では、第1待合せ場所候補地W71の第1ピンマークM71の上の吹き出しは破線で表示され、第2待合せ場所候補地W72の第2ピンマークM72の上の吹き出しは実線で表示されている。また、目的地Yの第3ピンマークM73の上の吹き出しは実線で表示され、吹き出しの中には「到着時間:10分」と表示されている。ここで表示されている「到着時間」は、ユーザが現在位置P0から第2待合せ場所候補地W72を経由して目的地Yに到着するまでにかかる総合移動時間である。また、この吹き出しの中の「10」は、周りの文字よりもサイズが大きい太字の文字を用いて強調表示されている。すなわち、出力部107は、「総合移動時間が最短である」という有利性を有する第2待合せ場所候補地W72の有利性に関する配車情報が強調表示されるように、配車情報をユーザ端末機3に出力している。また、第2案内画像G72では、第2待合せ場所候補地W72は「乗車地」と表示される。
【0065】
第2案内画像G72に表示されている地図画像の上には、「到着時間が最速のプランです」という文字で表示されている。すなわち、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報には、第2待合せ場所候補地W72の有利性の内容(「総合移動時間が最短である」という情報)が含まれている。
【0066】
なお、第1案内画像G71及び第2案内画像G72に表示される到着時間は、目的地Yへの到着予想時刻で表示してもよい。
【0067】
また、
図13の破線に示すように、本実施形態の情報提供方法では、ステップS41をスキップして、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断せずに、総合移動時間を含む配車情報がユーザ端末機3に出力されてもよい。
【0068】
以上より、本実施形態に係る情報提供装置30及び情報提供方法によれば、情報提供装置30の総合移動時間算出部301は、待合せ場所候補地の位置情報、目的地の位置情報、ユーザ移動時間、及び、配車待ち時間に基づいて、総合移動時間を算出する。ユーザ端末機3に出力される配車情報は、総合移動時間を含む。これにより、ユーザは、その待合せ場所候補地を待合せ場所として選択した場合に、目的地に到着するにはどのくらいの時間がかかるのか、を確認した上で、待合せ場所を決定することができる。
【0069】
また、情報提供装置30の有利性判断部201は、ユーザ移動時間、配車待ち時間、及び、総合移動時間に基づいて、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断する。これにより、ユーザは、自身の好みに応じて、待ち合わせ場所を、ユーザ移動時間がより短い待合せ場所候補地、配車待ち時間がより短い待合せ場所候補地、又は、総合移動時間がより短い待合せ場所候補地のいずれかに設定することができる。
なお、有利性判断部201は、ユーザ移動時間、配車待ち時間、及び、総合移動時間のいずれか1つのみ、又は、いずれか2つに基づいて、待合せ場所候補地の有利性の有無を判断してもよい。
【0070】
《第4実施形態》
第4実施形態に係る情報提供装置40及び情報提供装置40を用いた情報提供方法について、
図15~17を参照して説明する。
図15に示すように、情報提供装置40のコントローラ400は、第1実施形態に係る情報提供装置10のコントローラ100の構成に加えて、ユーザビリティ情報取得部401を有している。ユーザビリティ情報取得部401は、道路情報、天候情報、時刻情報等に基づいて、ユーザが候補経路を移動する際のユーザの移動し易さを示すユーザビリティ情報を取得する。ユーザビリティ情報とは、具体的には、「階段や坂道が少ない」、「道の幅が広い」、「雨天の場合は、道の途中に屋根等の雨避けがある」、「夜の場合は、明るく人通りの多い安全な道である」等の情報である。
【0071】
図16に示すように、ユーザビリティ情報取得部401は、ステップS18の後のステップS61において、ステップS16で設定された候補経路のユーザビリティ情報を取得する。そして、ステップS16の後、制御はステップS31に進み、コントローラ400は、候補経路設定部110が設定した候補経路が他にないか否かを判定する。他に候補経路がない場合は、制御はステップS19に進む。一方、他にも候補経路がある場合は、制御はステップS17に戻る。すなわち、ユーザビリティ情報取得部401は、候補経路が複数設定されている場合は、全ての候補経路についてユーザビリティ情報を取得する。また、ステップS20で出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、候補経路のユーザビリティ情報を含む。
【0072】
次に、
図16に示す情報提供方法を用いてユーザ端末機3に配車情報が出力された場合における、ユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様の例を、
図17を用いて説明する。
図17には、1か所の待合せ場所候補地W8が設定されている場合におけるユーザ端末機3の画面での配車情報の表示態様が例示されている。
図17に示すように、ユーザがユーザ端末機3の画面を左右にスワイプすることにより、第1案内画像G81と第2案内画像G82とが切り替わる。ユーザ端末機3の画面の第1案内画像G81と第2案内画像G82とのいずれにおいても、地図上にユーザの現在位置P0、待合せ場所候補地W8、第1候補経路R81、及び、第2候補経路R82が表示されている。第1候補経路R81及び第2候補経路R82は、現在位置P0から待合せ場所候補地W8までの互いに異なる候補経路である。待合せ場所候補地W8にはピンマークM8が表示されている。また、待合せ場所候補地W8は「乗車地」と表示されている。
【0073】
第1案内画像G81では、第1候補経路R81は実線で表され、第2候補経路R82は破線で表されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W8まで第1候補経路R81を通って移動するユーザ移動時間である。待合せ場所候補地W8のピンマークM8の上の吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。ここで表示されている「待ち時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W8まで第1候補経路R81を通って移動した場合の配車待ち時間である。また、第1案内画像G81の地図画像の上の部分には、第1候補経路R81のユーザビリティ情報の内容が「歩道の幅が広いルートです」という文字で表示されている。
【0074】
第2案内画像G82では、第1候補経路R81は破線で表され、第2候補経路R82は実線で表されている。また、現在位置P0の人間マークH0の上の吹き出しの中には「歩行時間:03分」と表示されている。なお、ここで表示されている「歩行時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W8まで第2候補経路R82を通って移動するユーザ移動時間である。また、待合せ場所候補地W8のピンマークM8の上の吹き出しの中には「待ち時間:02分」と表示されている。ここで表示されている「待ち時間」は、ユーザが現在位置P0から待合せ場所候補地W8まで第2候補経路R82を通って移動した場合の配車待ち時間である。また、第2案内画像G82の地図画像の上の部分には、第2候補経路R82のユーザビリティ情報の内容が「階段が少ないルートです」という文字で表示されている。
【0075】
なお、出力部107は、ユーザの特性に応じて、ユーザ端末機3に出力するユーザビリティ情報の優先順位を変えてもよい。例えば、ユーザが高齢者である場合は、「どの候補経路であれば、階段や坂道がより少ないか」というユーザビリティ情報が優先的にユーザ端末機3の画面に表示される。
【0076】
以上より、本実施形態に係る情報提供装置40及び情報提供方法によれば、情報提供装置40のユーザビリティ情報取得部401は、ユーザが候補経路を移動する際のユーザの移動し易さを示すユーザビリティ情報を取得する。また、出力部107がユーザ端末機3に出力する配車情報は、候補経路のユーザビリティ情報を含む。これにより、ユーザは、ユーザ端末機3の画面に表示された配車情報を参照にして待合せ場所を決定することができるとともに、待合せ場所に到着するためにより移動しやすい移動経路を選択して移動することができる。
【0077】
また、上述の第1実施形態、第2実施形態、第3実施形態、及び、第4実施形態において、出力部107は、ユーザ端末機3の位置の変化、及び、配車車両4の位置の変化の少なくともいずれか一方に基づいて更新される配車情報をユーザ端末機3に出力してもよい。具体的には、ユーザ端末機3から配車リクエストが送信された後で、ユーザが移動した場合や配車車両4が移動した場合に、更新されたユーザ移動時間、配車待ち時間、総合移動時間等の配車情報がユーザ端末機3に出力される。これにより、ユーザは、ユーザ自身の移動、又は、配車車両4の移動に応じて、常により正確な配車情報を確認することができる。なお、ユーザ端末機3に出力される配車情報の更新は、定期的に実行されてもよく、ユーザが移動したタイミング、又は、配車車両4が移動したタイミングで実行されてもよい。
【符号の説明】
【0078】
10,20,30,40…情報提供装置
100,200,300,400…コントローラ
3…ユーザ端末機
4…配車車両
5…車載端末機
101…ユーザ情報取得部
102…車両情報取得部
103…待合せ場所候補地設定部
104…ユーザ移動時間算出部
105…車両移動時間算出部
106…待ち時間算出部
107…出力部
110…候補経路設定部
201…有利性判断部
301…総合移動時間算出部
401…ユーザビリティ情報取得部