(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】スイッチ用遠隔操作装置
(51)【国際特許分類】
H01H 23/16 20060101AFI20240508BHJP
G05G 7/10 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H01H23/16 Z
G05G7/10 Z
(21)【出願番号】P 2020136322
(22)【出願日】2020-08-12
【審査請求日】2023-07-21
(73)【特許権者】
【識別番号】513121513
【氏名又は名称】角 和樹
(74)【代理人】
【識別番号】100145713
【氏名又は名称】加藤 竜太
(74)【代理人】
【識別番号】100165157
【氏名又は名称】芝 哲央
(72)【発明者】
【氏名】角 和樹
【審査官】高橋 裕一
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-112060(JP,A)
【文献】特開2009-043664(JP,A)
【文献】特開昭63-218109(JP,A)
【文献】特開2014-123477(JP,A)
【文献】特開2007-035461(JP,A)
【文献】特開2005-276650(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01H 3/00 - 7/16
H01H 13/00 - 15/24
H01H 19/00 - 25/06
H01H 89/00
G05G 1/00 - 25/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
中立状態から一方又は他方の操作部位を可動することで回路を切り換えるスイッチを遠隔操作できると共に、このスイッチを手動操作できるスイッチ用遠隔操作装置であって、
内部に空洞を有する箱状のフレームと、
出力軸を前記フレームの内部に突出した状態で、前記フレームの一方の面側に固定したモータと、
前記出力軸の外周に回転自在に取り付け、転動面が前記出力軸の周囲を旋回する転動部材と、
揺動軸を前記出力軸の先端と対向配置した状態で、前記フレームに揺動自在に保持された揺動部材と、を備え、
前記揺動部材は、
前記転動部材が対向する一方の面に形成し、前記転動部材が旋回して一方の傾斜面を傾倒したときは他方の傾斜面が起立する輪郭面と、
前記輪郭面と反対面に形成し、前記スイッチの操作部位と対向配置した可動面と、
前記フレームの側部に延出し、手動操作できる操作レバーと、を有し、
前記転動部材が旋回して前記揺動部材の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバーを操作して前記揺動部材を可動できる、スイッチ用遠隔操作装置。
【請求項2】
前記モータの出力軸に固定したボスを更に備え、
前記ボスは、前記転動部材を外周に回転自在に取り付けている、請求項1記載のスイッチ用遠隔操作装置。
【請求項3】
前記揺動部材の可動面は、シーソースイッチの操作面を傾倒自在な平面を形成している、請求項1又は2記載のスイッチ用遠隔操作装置。
【請求項4】
前記揺動部材の可動面は、パドルスイッチの操作パドルを挟持できる一対の第1狭持部材を突出している、請求項1又は2記載のスイッチ用遠隔操作装置。
【請求項5】
前記揺動部材の可動面は、トグルスイッチの操作トグルを挟持できる一対の第2狭持部材を突出している、請求項1又は2記載のスイッチ用遠隔操作装置。
【請求項6】
前記揺動部材の可動面は、隣設する一組の押しボタンスイッチの操作ボタンのいずれか一方を押下できる一対の半球状の突起を形成している、請求項1又は2記載のスイッチ用遠隔操作装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、スイッチ用遠隔操作装置に関する。特に、中立状態から一方又は他方の操作部位を可動することで回路を切り換えるスイッチを遠隔地から操作できるスイッチ用遠隔操作装置の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パワーショベルなどの重機は、様々な電気スイッチを運転席に配置している。これらの電気スイッチは、例えば、シーソースイッチを採用している。シーソースイッチは、中立状態から一方又は他方の操作面を揺動することで電気回路を切り換えている。
【0003】
シーソースイッチは、重機を含む車両に限らず、家屋又は建物の内部にも設置されている。シーソースイッチは、一般に、建物の壁面に埋設されているので、シーソースイッチを移設するためには停電が避けられず、かつ、移設後にシーソースイッチの除去痕が残るという不具合があった。
【0004】
従来のシーソースイッチは、このような不具合があったことから、既設のシーソースイッチを移設することなく、遠隔操作できるスイッチ用遠隔操作装置が開示されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1によるスイッチ用遠隔操作装置は、シーソースイッチの一方又は他方の操作面に輪郭を当接した一対の偏心カムと、これらの偏心カムを交互に連動して作動させるモータと、を備え、このモータを遠隔操作することで、シーソースイッチの遠隔操作を可能としている。
【0007】
しかしながら、従来技術によるスイッチ用遠隔操作装置は、一方又は他方の偏心カムがシーソースイッチの操作面に当接しているので、シーソースイッチを手動操作することが困難であった。シーソースイッチを手動操作するためには、シーソースイッチを覆う遠隔操作装置を取り外す必要があるので、不便である。
【0008】
又、重機を含む車両にシーソースイッチ用の遠隔操作装置を設置している場合には、手動操作する必要もあるので、遠隔操作から手動操作に復帰するまで時間を要する効率の良くない結果となる。
【0009】
中立状態から一方又は他方の操作部位を可動することで回路を切り換えるスイッチに対して、遠隔操作できると共に手動操作も可能とするスイッチ用遠隔操作装置が求められている。そして、以上のことが本発明の課題といってよい。
【0010】
本発明は、このような課題に鑑みてなされたものであり、中立状態から一方又は他方の操作部位を可動することで回路を切り換えるスイッチに対して、遠隔操作できると共に手動操作も可能とするスイッチ用遠隔操作装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者は、箱状のフレーム、フレームに固定したモータ、モータの出力軸に固定した転動部材付きボス、及び、フレームに揺動自在に保持された揺動部材でスイッチ用遠隔操作装置を構成し、転動部材が旋回して一方の傾斜面を傾倒したときは他方の傾斜面が起立して、スイッチの一方又は他方の操作部位を可動し、転動部材が旋回して揺動部材の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバーを操作して揺動部材を可動できると考え、これに基づいて、以下のような新たなスイッチ用遠隔操作装置を発明するに至った。
【0012】
(1)本発明によるスイッチ用遠隔操作装置は、中立状態から一方又は他方の操作部位を可動することで回路を切り換えるスイッチを遠隔操作できると共に、このスイッチを手動操作できるスイッチ用遠隔操作装置であって、内部に空洞を有する箱状のフレームと、出力軸を前記フレームの内部に突出した状態で、前記フレームの一方の面側に固定したモータと、前記出力軸の外周に回転自在に取り付け、転動面が前記出力軸の周囲を旋回する転動部材と、揺動軸を前記出力軸の先端と対向配置した状態で、前記フレームに揺動自在に保持された揺動部材と、を備え、前記揺動部材は、前記転動部材が対向する一方の面に形成し、前記転動部材が旋回して一方の傾斜面を傾倒したときは他方の傾斜面が起立する輪郭面と、前記輪郭面と反対面に形成し、前記スイッチの操作部位と対向配置した可動面と、前記フレームの側部に延出し、手動操作できる操作レバーと、を有し、前記転動部材が旋回して前記揺動部材の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバーを操作して前記揺動部材を可動できる。
【0013】
(2)前記モータの出力軸に固定したボスを更に備え、前記ボスは、前記転動部材を外周に回転自在に取り付けていることが好ましい。
【0014】
(3)前記揺動部材の可動面は、シーソースイッチの操作面を傾倒自在な平面を形成していてもよい。
【0015】
(4)前記揺動部材の可動面は、パドルスイッチの操作パドルを挟持できる一対の第1狭持部材を突出していてもよい。
【0016】
(5)前記揺動部材の可動面は、トグルスイッチの操作トグルを挟持できる一対の第2狭持部材を突出していてもよい。
【0017】
(6)前記揺動部材の可動面は、隣設する一組の押しボタンスイッチの操作ボタンのいずれか一方を押下できる一対の半球状の突起を形成していてもよい。
【発明の効果】
【0018】
本発明によるスイッチ用遠隔操作装置は、スイッチと対向配置し、モータで遠隔操作でると共に、手動操作もできる操作レバー付き揺動部材を備え、モータを遠隔操作することでスイッチを切り換えることができ、転動部材が旋回して揺動部材の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバーを操作して揺動部材を可動できるので、遠隔操作装置をスイッチから取り外す必要が無く便利である。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本発明の第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視図であり、本体を縦断面図で示している。
【
図2】第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視分解組立図である。
【
図3】第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視分解組立図であり、
図2と反対側からスイッチ用遠隔操作装置を観ている。
【
図4】第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の動作を示す縦断面図であり、
図4(A)は、転動部材が揺動部材から疎外して揺動部材を手動操作が可能な中立の状態図、
図4(B)は、転動部材が揺動部材の一方の傾斜面に当接して、スイッチを一端側に傾倒した状態図、
図4(C)は、転動部材が揺動部材の他方の傾斜面に当接して、スイッチを他端側に傾倒した状態図である。
【
図5】第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の動作を示す横断面図であり、
図5(A)は、
図4(A)のA-A矢視図、
図5(B)は、
図4(B)のB-B矢視図、
図5(C)は、
図4(C)のC-C矢視図である。
【
図6】本発明の第2実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視図であり、本体を縦断面図で示している。
【
図7】第2実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置に備わる揺動部材の構成を示す斜視図であり、
図7(A)は、揺動部材を操作側から観た状態図、
図7(B)は、揺動部材を
図7(A)と反対側から観た状態図である。
【
図8】第2実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の動作を示す縦断面図であり、
図8(A)は、転動部材が揺動部材から疎外して揺動部材を手動操作が可能な中立の状態図、
図8(B)は、転動部材が揺動部材の一方の傾斜面に当接して、スイッチを一端側に傾倒した状態図、
図8(C)は、転動部材が揺動部材の他方の傾斜面に当接して、スイッチを他端側に傾倒した状態図である。
【
図9】本発明の第3実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視図であり、本体を縦断面図で示している。
【
図10】第3実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置に備わる揺動部材の構成を示す斜視図であり、
図10(A)は、揺動部材を操作側から観た状態図、
図10(B)は、揺動部材を
図10(A)と反対側から観た状態図である。
【
図11】第3実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の動作を示す縦断面図であり、
図11(A)は、転動部材が揺動部材から疎外して揺動部材を手動操作が可能な中立の状態図、
図11(B)は、転動部材が揺動部材の一方の傾斜面に当接して、スイッチを一端側に傾倒した状態図、
図11(C)は、転動部材が揺動部材の他方の傾斜面に当接して、スイッチを他端側に傾倒した状態図である。
【
図12】本発明の第4実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置の構成を示す斜視図であり、本体を縦断面図で示している。
【
図13】第4実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置に備わる揺動部材の構成を示す斜視図であり、
図13(A)は、揺動部材を操作側から観た状態図、
図11(B)は、揺動部材を
図10(A)と反対側から観た状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照して本発明を実施するための形態を説明する。
【0021】
[第1実施形態]
(スイッチ用遠隔操作装置の構成)
最初に、本発明の第1実施形態による遠隔操縦装置の全体構成を説明する。
【0022】
(全体構成)
図1から
図5を参照すると、本発明の第1実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置(以下、操作装置と略称する)10は、中立状態から一方又は他方の操作面Saを可動することで回路を切り換えるシーソースイッチSWa(
図1参照)を遠隔操作できる。又、操作装置10は、シーソースイッチSWaを手動操作できる。
【0023】
図1から
図5を参照すると、操作装置10は、箱状のフレーム1と遠隔操作できるモータ2を備えている。フレーム1は、内部に空洞を有している。モータ2は、直方体状の本体21と出力軸22を備えている。モータ2は、出力軸22をフレーム1の内部に突出した状態で、フレーム1の一方の面11s(
図2参照)側に固定している。
【0024】
又、
図1から
図5を参照すると、操作装置10は、円柱状のボス31、転動部材となるベアリング32、及び、揺動部材4を備えている。ボス31は、モータ2の出力軸22に固定している。ベアリング32は、ネジ部材3sを用いて、出力軸22を介してボス31の外周に回転自在に取り付けられている。そして、モータ2を駆動することで、ベアリング32は、その転動面が出力軸22の周囲を旋回できる。
【0025】
図1から
図5を参照すると、揺動部材4は、揺動軸4sを出力軸22の先端と対向配置した状態で、フレーム1に揺動自在に保持されている。又、揺動部材4は、本体41と操作レバー42を一体で構成している。本体41は、フレーム1の内部に配置されている。又、本体41には、揺動軸4sを挿入できる軸穴4hを貫通している(
図2又は
図3参照)。操作レバー42は、フレーム1の側部に延出している。操作レバー42は、手動操作できる。
【0026】
図1から
図5を参照すると、揺動部材4の本体41は、ベアリング32が対向する一方の面に輪郭面を形成している。輪郭面には、ベアリング32が転動できる(
図4(B)又は
図4(C)参照)。輪郭面には、傾斜面41sと傾斜面42sが中央部に向かって互いに下り傾斜している。
【0027】
図4又は
図5を参照して、ベアリング32が一方の方向に旋回して、傾斜面41sを傾倒したときは傾斜面42sを起立できる(
図4(B)参照)。一方、ベアリング32が他方の方向に旋回して、傾斜面42sを傾倒したときは傾斜面41sを起立できる(
図4(C)参照)。
【0028】
図1から
図5を参照すると、揺動部材4の本体41は、可動面43sを輪郭面と反対面に形成している(
図3参照)。可動面43sは、シーソースイッチSWaの操作面Saに対向配置している。可動面43sは、シーソースイッチSWaの操作面Saを傾倒自在な平面を形成している。
【0029】
図4(A)及び
図5(A)を参照して、ベアリング32が旋回して揺動部材4の輪郭面からベアリング32が疎外した中立状態では、操作レバー42を操作して揺動部材4を可動できる。つまり、揺動部材4が中立状態では、操作レバー42を手動操作して、シーソースイッチSWaを切り換えることができる。
【0030】
図1から
図5を参照すると、実施形態による操作装置10は、シーソースイッチSWaと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー42付き揺動部材4を備え、モータ2を遠隔操作することでシーソースイッチSWaを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材4の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー42を操作して揺動部材4を可動できるので、操作装置10をシーソースイッチSWaから取り外す必要が無く便利である。
【0031】
(フレームの構成)
次に、実施形態によるフレーム1の構成を説明する。
図1から
図3を参照すると、フレーム1は、モータ2の本体21を固定できる一方の面11sを形成している。モータ2の本体21の両側部に延出したフランジを利用して、本体21を一方の面11sに固定できる。
【0032】
図2を参照すると、フレーム1の一方の面11sには、矩形の導入穴111を開口している。導入穴111には、モータ2の本体21の一部を導入できると共に、出力軸22を導入できる。
図3を参照すると、フレーム1の他方の面12sには、矩形の導入穴121を開口している。導入穴121には、シーソースイッチSWaを操作面Sa側から導入できる。
【0033】
図1から
図3を参照して、フレーム1は、適宜な固定手段を用いて、シーソースイッチSWaを取り付けた機器又はパネルに固定することが好ましい。
【0034】
(モータの構成)
次に、実施形態によるモータ2の構成を説明する。
図1から
図3を参照して、モータ2は、出力軸22の回転角度が電気信号で制御可能なサーボモータを用いることが好ましい。モータ2は、例えば、制御基板及び歯車機構を内部に収容している。モータ2と電気的に接続した図示しない受信機に、外部の送信機から制御信号を送信することで、モータ2を制御可能に駆動できる。
【0035】
図1から
図5を参照して、モータ2を駆動すると、モータ2の出力軸22に固定したボス31の回転がベアリング32を介して、揺動部材4に伝動することで、揺動部材4は、シーソースイッチSWaを切り換え可能に揺動できる。ベアリング32付きボス31と揺動部材4は、ベアリング32の旋回運動を揺動部材4の揺動運動に変換する立体カム装置を構成している。
【0036】
(スイッチ用遠隔操作装置の作用)
次に、実施形態による遠隔操作装置10の動作を説明しながら、遠隔操作装置10の作用及び効果を説明する。
【0037】
図4(A)又は
図5(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材4の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を反時計方向に略90度回動した状態では(
図4(B)又は
図5(B)参照)、ベアリング32が揺動部材4の傾斜面41sを傾倒することで、揺動部材4の傾斜面42sを起立させている。
【0038】
図4(B)又は
図5(B)に示した状態では、揺動部材4の可動面43sが一端側に傾くことで、シーソースイッチSWaの操作面Saの一方の山部を押し下げている。
【0039】
一方、
図4(A)又は
図5(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材4の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を時計方向に略90度回動した状態では(
図4(C)又は
図5(C)参照)、ベアリング32が揺動部材4の傾斜面42sを傾倒することで、揺動部材4の傾斜面41sを起立させている。
【0040】
図4(C)は
図5(C)に示した状態では、揺動部材4の可動面43sが他端側に傾くことで、シーソースイッチSWaの操作面Saの他方の山部を押し下げている。
【0041】
このように、遠隔操作装置10は、モータ2を遠隔操作することで、シーソースイッチSWaを切り換えることができる。
【0042】
一方、
図4(A)又は
図5(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材4の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー42を操作して揺動部材4を可動できる。つまり、揺動部材4が中立状態では、操作レバー42を手動操作して、シーソースイッチSWaを切り換えることができる。
【0043】
図1から
図5を参照して、実施形態による操作装置10は、シーソースイッチSWaと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー42付き揺動部材4を備え、モータ2を遠隔操作することでシーソースイッチSWaを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材4の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー42を操作して揺動部材4を可動できるので、操作装置10をシーソースイッチSWaから取り外す必要が無く便利である。
【0044】
[第2実施形態]
(スイッチ用遠隔操作装置の構成)
次に、本発明の第2実施形態による遠隔操縦装置の構成を説明する。なお、第1実施形態で付した符号と同じ符号を付した構成品は、それらの作用を同じにするので、以下説明を省略することがある。
【0045】
図6から
図8を参照すると、本発明の第2実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置(以下、操作装置と略称する)20は、中立状態から操作パドルSbを一方又は他方に可動することで回路を切り換えるパドルスイッチSWbを遠隔操作できる。又、操作装置20は、パドルスイッチSWbを手動操作できる。
【0046】
図6から
図8を参照すると、操作装置20は、
図1で示したシーソースイッチSWa用の揺動部材4に変えて、パドルスイッチSWb用の揺動部材5を備えている。つまり、操作装置20の他の構成は、第1実施形態の操作装置10と同じであるので説明を省略することがある。
【0047】
図6又は
図8を参照すると、揺動部材5は、揺動軸4s(
図2又は
図3参照)をボス31と対向配置した状態で、フレーム1に揺動自在に保持されている。又、揺動部材5は、本体51と操作レバー52を一体で構成している(
図7参照)。本体51は、フレーム1の内部に配置されている。又、本体51には、揺動軸4sを挿入できる軸穴5hを貫通している(
図2又は
図3参照)。操作レバー52は、フレーム1の側部に延出している。操作レバー52は、手動操作できる。
【0048】
図7又は
図8を参照すると、揺動部材5の本体51は、輪郭面を一方の面に形成している。輪郭面には、ベアリング32が転動できる(
図8(B)又は
図8(C)参照)。輪郭面には、傾斜面51sと傾斜面52sが中央部に向かって互いに下り傾斜している。
【0049】
図6から
図8を参照して、ベアリング32が一方の方向に旋回して、傾斜面51sを傾倒したときは傾斜面52sを起立できる(
図8(B)参照)。一方、ベアリング32が他方の方向に旋回して、傾斜面52sを傾倒したときは傾斜面51sを起立できる(
図8(C)参照)。
【0050】
図6から
図8を参照すると、揺動部材5の本体51は、可動面を他方の面に形成している。可動面は、パドルスイッチSWbの操作パドルSbに対向配置している。可動面は、パドルスイッチSWbの操作パドルSbを挟持できる一対の板状の第1狭持部材54・54を突出している。
【0051】
図8(A)を参照して、ベアリング32が旋回して揺動部材5の輪郭面からベアリング32が疎外した中立状態では、操作レバー52を操作して揺動部材5を可動できる。つまり、揺動部材5が中立状態では、操作レバー52を手動操作して、パドルスイッチSWbを切り換えることができる。
【0052】
図6から
図8を参照すると、実施形態による操作装置20は、パドルスイッチSWbと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー52付き揺動部材5を備え、モータ2を遠隔操作することでパドルスイッチSWbを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材5の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー52を操作して揺動部材5を可動できるので、操作装置20をパドルスイッチSWbから取り外す必要が無く便利である。
【0053】
(スイッチ用遠隔操作装置の作用)
次に、実施形態による遠隔操作装置20の動作を説明しながら、遠隔操作装置20の作用及び効果を説明する。
【0054】
図8(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材5の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を反時計方向に略90度回動した状態では(
図8(B)参照)、ベアリング32が揺動部材5の傾斜面51sを傾倒することで、揺動部材5の傾斜面52sを起立させている。
【0055】
図8(B)に示した状態では、揺動部材5の一対の第1狭持部材54・54が一端側に傾くことで、パドルスイッチSWbの操作パドルSbを他端部側に傾倒している。
【0056】
一方、
図8(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材5の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を時計方向に略90度回動した状態では(
図8(C)参照)、ベアリング32が揺動部材5の傾斜面52sを傾倒することで、揺動部材5の傾斜面51sを起立させている。
【0057】
図8(C)に示した状態では、揺動部材5の可動面が他端側に傾くことで、パドルスイッチSWbの操作パドルSbを一端部側に傾倒している。
【0058】
このように、遠隔操作装置20は、モータ2を遠隔操作することで、パドルスイッチSWbを切り換えることができる。
【0059】
一方、
図8(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材5の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー52を操作して揺動部材5を可動できる。つまり、揺動部材5が中立状態では、操作レバー52を手動操作して、パドルスイッチSWbを切り換えることができる。
【0060】
図6から
図8を参照して、実施形態による操作装置20は、パドルスイッチSWbと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー52付き揺動部材5を備え、モータ2を遠隔操作することでパドルスイッチSWbを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材5の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー52を操作して揺動部材5を可動できるので、操作装置20をパドルスイッチSWbから取り外す必要が無く便利である。
【0061】
[第3実施形態]
(スイッチ用遠隔操作装置の構成)
次に、本発明の第3実施形態による遠隔操縦装置の構成を説明する。なお、第1実施形態で付した符号と同じ符号を付した構成品は、それらの作用を同じにするので、以下説明を省略することがある。
【0062】
図9から
図11を参照すると、本発明の第3実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置(以下、操作装置と略称する)30は、中立状態から操作トグルScを一方又は他方に可動することで回路を切り換えるトグルスイッチSWcを遠隔操作できる。又、操作装置30は、トグルスイッチSWcを手動操作できる。
【0063】
図9から
図11を参照すると、操作装置30は、
図1で示したシーソースイッチSWa用の揺動部材4に変えて、トグルスイッチSWc用の揺動部材6を備えている。つまり、操作装置20の他の構成は、第1実施形態の操作装置10と同じであるので説明を省略することがある。
【0064】
図6又は
図8を参照すると、揺動部材6は、揺動軸4s(
図2又は
図3参照)をボス31と対向配置した状態で、フレーム1に揺動自在に保持されている。又、揺動部材6は、本体61と操作レバー62を一体で構成している(
図10参照)。本体61は、フレーム1の内部に配置されている。又、本体61には、揺動軸4sを挿入できる軸穴6hを貫通している(
図2又は
図3参照)。操作レバー62は、フレーム1の側部に延出している。操作レバー62は、手動操作できる。
【0065】
図10又は
図11を参照すると、揺動部材6の本体61は、輪郭面を一方の面に形成している。輪郭面には、ベアリング32が転動できる(
図11(B)又は
図11(C)参照)。輪郭面には、傾斜面61sと傾斜面62sが中央部に向かって互いに下り傾斜している。
【0066】
図9から
図11を参照して、ベアリング32が一方の方向に旋回して、傾斜面61sを傾倒したときは傾斜面62sを起立できる(
図11(B)参照)。一方、ベアリング32が他方の方向に旋回して、傾斜面62sを傾倒したときは傾斜面61sを起立できる(
図8(C)参照)。
【0067】
図9から
図11を参照すると、揺動部材6の本体61は、可動面を他方の面に形成している。可動面は、トグルスイッチSWcの操作トグルScに対向配置している。可動面は、トグルスイッチSWcの操作トグルScを挟持できる一対の板状の第2狭持部材64・64を突出している。第2狭持部材64には、操作トグルScの先端部側を逃げる矩形の逃げ穴64hを開口している(
図10参照)。
【0068】
図11(A)を参照して、ベアリング32が旋回して揺動部材6の輪郭面からベアリング32が疎外した中立状態では、操作レバー62を操作して揺動部材6を可動できる。つまり、揺動部材6が中立状態では、操作レバー62を手動操作して、トグルスイッチSWcを切り換えることができる。
【0069】
図9から
図11を参照すると、実施形態による操作装置30は、トグルスイッチSWcと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー62付き揺動部材6を備え、モータ2を遠隔操作することでトグルスイッチSWcを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材6の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー62を操作して揺動部材6を可動できるので、操作装置30をトグルスイッチSWcから取り外す必要が無く便利である。
【0070】
(スイッチ用遠隔操作装置の作用)
次に、実施形態による遠隔操作装置30の動作を説明しながら、遠隔操作装置30の作用及び効果を説明する。
【0071】
図11(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材6の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を反時計方向に略90度回動した状態では(
図11(B)参照)、ベアリング32が揺動部材6の傾斜面61sを傾倒することで、揺動部材6の傾斜面62sを起立させている。
【0072】
図11(B)に示した状態では、揺動部材6の一対の第2狭持部材64・64が一端側に傾くことで、トグルスイッチSWcの操作トグルScを他端部側に傾倒している。
【0073】
一方、
図11(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材6の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を時計方向に略90度回動した状態では(
図11(C)参照)、ベアリング32が揺動部材6の傾斜面62sを傾倒することで、揺動部材6の傾斜面61sを起立させている。
【0074】
図11(C)に示した状態では、揺動部材6の可動面が他端側に傾くことで、トグルスイッチSWcの操作トグルScを一端部側に傾倒している。
【0075】
このように、遠隔操作装置30は、モータ2を遠隔操作することで、トグルスイッチSWcを切り換えることができる。
【0076】
一方、
図11(A)を参照して、ベアリング32が揺動部材6の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー62を操作して揺動部材6を可動できる。つまり、揺動部材6が中立状態では、操作レバー62を手動操作して、トグルスイッチSWcを切り換えることができる。
【0077】
図9から
図11を参照して、実施形態による操作装置30は、トグルスイッチSWcと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー62付き揺動部材6を備え、モータ2を遠隔操作することでトグルスイッチSWcを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材6の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー62を操作して揺動部材6を可動できるので、操作装置30をトグルスイッチSWcから取り外す必要が無く便利である。
【0078】
[第4実施形態]
(スイッチ用遠隔操作装置の構成)
次に、本発明の第4実施形態による遠隔操縦装置の構成を説明する。なお、第1実施形態で付した符号と同じ符号を付した構成品は、それらの作用を同じにするので、以下説明を省略することがある。
【0079】
図12又は
図13を参照すると、本発明の第4実施形態によるスイッチ用遠隔操作装置(以下、操作装置と略称する)40は、中立状態から一方又は他方のいずれか一方の操作ボタンSdを可動することで回路を切り換える押しボタンスイッチSWdを遠隔操作できる。又、操作装置40は、これらの押しボタンスイッチSWd・SWdを手動操作できる。
【0080】
図12を参照して、隣設する一組の押しボタンスイッチSWd・SWdは、例えば、重機などの運転席に設けた操縦レバーLbのグリップに設置されている。一方の押しボタンスイッチSWdの操作ボタンSdを押下すると、他方の押しボタンスイッチSWdの操作ボタンSdが突出するように、回路を切り換えることができる。
【0081】
図12又は
図13を参照すると、操作装置40は、
図1で示したシーソースイッチSWa用の揺動部材4に変えて、一組の押しボタンスイッチSWd・SWd用の揺動部材7を備えている。つまり、操作装置40の他の構成は、第1実施形態の操作装置10と同じであるので説明を省略することがある。
【0082】
図12又は
図13を参照すると、揺動部材7は、揺動軸4s(
図2又は
図3参照)をボス31と対向配置した状態で、フレーム1に揺動自在に保持されている。又、揺動部材7は、本体71と操作レバー72を一体で構成している(
図13参照)。本体71は、フレーム1の内部に配置されている。又、本体71には、揺動軸4sを挿入できる軸穴7hを貫通している(
図2又は
図3参照)。操作レバー72は、フレーム1の側部に延出している。操作レバー72は、手動操作できる。
【0083】
揺動部材7の本体71は、輪郭面を一方の面に形成している。輪郭面には、ベアリング32が転動できる。輪郭面には、傾斜面71sと傾斜面67sが中央部に向かって互いに下り傾斜している(
図13参照)。
【0084】
図12を参照して、ベアリング32が一方の方向に旋回して、傾斜面71sを傾倒したときは傾斜面72sを起立できる。一方、ベアリング32が他方の方向に旋回して、傾斜面72sを傾倒したときは傾斜面71sを起立できる。
【0085】
図12又は
図12を参照すると、揺動部材7の本体71は、可動面を他方の面に形成している。可動面は、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdに対向配置している。可動面は、隣設する一組の押しボタンスイッチSWd・SWdの操作ボタンSdのいずれか一方を押下できる一対の半球状の突起74b・74bを形成している。
【0086】
図12又は
図12を参照すると、ベアリング32が旋回して揺動部材7の輪郭面からベアリング32が疎外した中立状態では、操作レバー72を操作して揺動部材7を可動できる。つまり、揺動部材7が中立状態では、操作レバー72を手動操作して、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdを切り換えることができる。
【0087】
図12又は
図12を参照すると、実施形態による操作装置40は、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー72付き揺動部材7を備え、モータ2を遠隔操作することで一組の押しボタンスイッチSWd・SWdを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材7の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー72を操作して揺動部材7を可動できるので、操作装置40を一組の押しボタンスイッチSWd・SWdから取り外す必要が無く便利である。
【0088】
(スイッチ用遠隔操作装置の作用)
次に、実施形態による遠隔操作装置40の動作を説明しながら、遠隔操作装置40の作用及び効果を説明する。
【0089】
図12を参照して、ベアリング32が揺動部材7の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を反時計方向に略90度回動した状態では、ベアリング32が揺動部材7の傾斜面71sを傾倒することで、揺動部材7の傾斜面72sを起立させている。
【0090】
図13を参照して、揺動部材7の傾斜面71sが傾倒した状態では、揺動部材7の一方の突起74bが一方の操作ボタンSdを押下している。
【0091】
一方、
図12を参照して、ベアリング32が揺動部材7の輪郭面から疎外した中立状態から、ボス31を時計方向に略90度回動した状態では、ベアリング32が揺動部材7の傾斜面72sを傾倒することで、揺動部材7の傾斜面71sを起立させている。
【0092】
図13を参照して、揺動部材7の傾斜面72sが傾倒した状態では、揺動部材7の他方の突起74bが他方の操作ボタンSdを押下している。
【0093】
このように、遠隔操作装置40は、モータ2を遠隔操作することで、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdを切り換えることができる。
【0094】
一方、
図13を参照して、ベアリング32が揺動部材7の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー72を操作して揺動部材7を可動できる。つまり、揺動部材7が中立状態では、操作レバー72を手動操作して、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdを切り換えることができる。
【0095】
図12又は
図13を参照して、実施形態による操作装置40は、一組の押しボタンスイッチSWd・SWdと対向配置し、モータ2で遠隔操作できると共に、手動操作もできる操作レバー72付き揺動部材7を備え、モータ2を遠隔操作することで一組の押しボタンスイッチSWd・SWdを切り換えることができ、ベアリング32が旋回して揺動部材7の輪郭面から疎外した中立状態では、操作レバー72を操作して揺動部材7を可動できるので、操作装置40を一組の押しボタンスイッチSWd・SWdから取り外す必要が無く便利である。
【0096】
本発明は、重機などの運転席に設けた電気スイッチに好適なスイッチ用遠隔操作装置を開示したが、本発明によるスイッチ用遠隔操作装置は、家屋又は建物の内部にも設置した電気スイッチにも適用又は応用できる。
【符号の説明】
【0097】
1 フレーム
2 モータ
4 揺動部材
10 操作装置(スイッチ用遠隔操作装置)
22 出力軸
31 ボス
32 ベアリング(転動部材)
41s 一方の傾斜面
42s 他方の傾斜面