(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】リチウム・イオン二次電池用の多層ハイブリッド電池セパレータおよび電池
(51)【国際特許分類】
H01M 50/409 20210101AFI20240508BHJP
【FI】
H01M50/409
(21)【出願番号】P 2020144295
(22)【出願日】2020-08-28
(62)【分割の表示】P 2018228429の分割
【原出願日】2014-03-14
【審査請求日】2020-09-25
【審判番号】
【審判請求日】2022-10-27
(32)【優先日】2013-03-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】598064680
【氏名又は名称】セルガード エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100105854
【氏名又は名称】廣瀬 一
(74)【代理人】
【識別番号】100115679
【氏名又は名称】山田 勇毅
(74)【代理人】
【識別番号】100114177
【氏名又は名称】小林 龍
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】シ,リー
(72)【発明者】
【氏名】ワトソン,ジル ヴィ.
(72)【発明者】
【氏名】コール,ロナルド,ダブリュー.
(72)【発明者】
【氏名】スミス,ロニー,イー.
【合議体】
【審判長】井上 信一
【審判官】須原 宏光
【審判官】岩田 淳
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-160933(JP,A)
【文献】特開2010-245028(JP,A)
【文献】特開2001-150583(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/40-50/497
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも、丸い孔を有する湿式プロセス膜の第2ポリエチレン系樹脂に結合され
る、スリット形の孔を有し、溶媒を含まない乾式プロセス膜の第1のポリプロピレン系樹脂層を含むセパレータであって、
前記セパレータは、1.5~3.0の範囲のMD/TD引張強度比と、18.3~33.1μmの厚みと、630gf以上の破壊強度と、少なくとも2000Vの絶縁破壊電圧とを有し、
前記丸い孔を有する湿式プロセス膜は、
ポリエチレン系樹脂および可塑剤を押出し加工して平板シートにし、前記平板シートを冷却し、前記冷却された平板シートを延伸し、溶媒と共に前記可塑剤を前記平板シートから抽出して微多
孔質膜を形成することによって、前記微多孔質膜中に前記丸い孔が形成さ
れたものである、リチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項2】
少なくとも3層を有する、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項3】
2層のみ有する請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項4】
請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータを有する電池。
【請求項5】
請求項2に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータを有する電池。
【請求項6】
請求項3に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータを有する電池。
【請求項7】
前記ポリプロピレン系樹脂はポリプロピレンまたはポリプロピレンを含む配合物である、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池記載のセパレータ。
【請求項8】
前記ポリエチレン系樹脂はポリエチレンまたはポリエチレンを含む配合物である、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項9】
ポリプロピレン層/ポリエチレン層/ポリプロピレン層の構成を有する請求項2に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項10】
乾燥プロセス膜/湿式プロセス膜/乾燥プロセス膜の構成を有する請求項2に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項11】
請求項10に記載のセパレータを有する電池。
【請求項12】
MD/TD引張強度比が1.6~2.5の範囲である、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項13】
MD/TD引張強度比が1.8~2.2の範囲である、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項14】
630~1500gfの範囲の破壊強度を有する、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【請求項15】
2000~5000Vの範囲の絶縁破壊電圧を有する、請求項1に記載のリチウム2次電池の多層電池セパレータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願)
この出願は、本願明細書に引用によって組み込まれる同時係属の2013年3月15日に出願された米国仮特許出願番号第61/792,722号の利益を請求する。
本発明は、多層電池セパレータ、特にリチウム・イオン二次電池に使用するセパレータを目的とする。
【背景技術】
【0002】
リチウム・イオン二次電池用の電池セパレータとしての多層微多孔質膜の使用は公知である。例えば、米国特許明細書5,480,745号、米国特許明細書5,691,047号、米国特許明細書5,667,911号、米国特許明細書5,691,077号および米国特許明細書5,952,120号であり、それぞれ引用により本明細書に組み込まれたものとする。これらの特許は、乾燥法として知られる溶剤を含まない製造プロセスを使用して製造される、一つ以上のポリオレフィン層から成る単層膜または多層膜を開示する。そのような周知の乾燥方法は、共有押出成形型か非共有押出成形型を使用する薄膜パリソンの形成を含むCelgard(登録商標)乾燥法である。この薄膜パリソンは、前駆体膜としても公知であり比多孔質微細構造を有する。
【0003】
シャーロットのCelgard LLC, NCによって製造されるCelgard(
登録商標)セパレータのような乾燥法多層セパレータ膜は、孔径およびねじれによって定義されるユニークな微細構造を有し、樹枝状結晶成長を阻害し、リチウム・イオン2次再充電可能電池のサイクル寿命を改善する。
図1を参照。
【0004】
微多孔質構造セパレータ膜は、米国特許明細書4,588,633号、米国特許明細書4,600,633号、米国特許明細書4,620,955号、米国特許明細書4,539,256号、米国特許明細書5,922,492号および米国特許公開2009/0253032号に記載されるような湿式プロセスによって製造されることができ、それぞれは引用によって願明細書に組み込まれ、それは溶媒の使用を含む製造プロセスを使用して作られる単層および多層膜を開示する。湿式プロセスは、相逆転プロセス、例えばポリマー材料がプロセス油または可塑剤と結合して、押出加工されキャストロールで冷やされて前駆体膜を形成する混合物を形成する相逆転プロセス(TIPs)を含む。次いで、膜が延伸され可塑剤が抽出または除去される(これらの膜は油の除去前または後に延伸される)とき前駆体膜中に孔が形成される。抽出工程は溶媒の使用を含み、したがって、「湿式法」の原形となる。湿式法セパレータは、走査型電子顕微鏡(SEM)で見ると外観上は蜘蛛の巣状である、異方性の、非方向性孔構造を有している。
図2を参照。湿式法ポリエチレン(PE)微多孔質セパレータ膜は、高分子量PEが通常100,000~500,000および/または、通常、分子量>500,000およびときとして分子量≧1百万を有する超高分子量PEを使用して製造される。湿式プロセスを用いて作られる膜は、通常二軸延伸され、高いMDおよびTD引張強度を有する。
【0005】
乾式プロセス及び湿式プロセスによって製造される微多孔質セパレータは、異なる製造方法のためユニークなセパレータ性能特性を有する。乾燥プロセスまたは湿式プロセスで製造される微多孔質構造セパレータ膜は、共にリチウム・イオン2次再充電可能電池の電池セパレータとして一般的に使われている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
湿式プロセス微多孔質膜の性能と乾式プロセス微多孔質膜の性能特性を組合せて、バランスのよいMDおよびTD引張強度、高い全体の引張強度、高い破壊強度、良好な酸化耐性およびシャットダウン機能を有する高性能セパレータ膜を生産する微多孔質膜を製造する新しいセパレータ膜が必要とされる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
リチウム二次電池用の多層電池セパレータは、湿式の被処理膜の第2層に結合される乾燥した被処理膜の第1層を含む。第1層は、ポリプロピレン系樹脂でできていてもよい。第2層は、ポリエチレン系樹脂でできてもよい。セパレータは、2枚を超える層を有してもよい。セパレータは、約1.5~3.0の範囲のTD/MD引張強度の比率を有してもよい。セパレータは、約35.0ミクロン以下の厚さを有することができる。セパレータは、約630gfを超える破壊強度を有することができる。セパレータは、少なくとも約2000Vの誘電破壊を有することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本発明を例示するために、目下のところ好ましい形は、図面に示される。しかしながら、その本発明は、示される詳細な配列よび手段に限定されない。
【
図1】
図1は、乾式プロセスの微小孔構造セパレータ膜(従来技術)の写真(走査型電子顕微鏡、SEM)を示す。
【
図2】
図2は、湿式プロセスの微小孔構造セパレータ膜(従来技術)の写真(SEM)を示す。
【
図3】
図3は、複合型微多孔質構造多層セパレータ膜(本発明)の写真(SEM、3300x)を示す。
【
図4】
図4は、本発明のセパレータの電気抵抗(ER)サーモグラムを比較特許実施例CE2と比較しているグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明は、通常、湿式プロセスによって製造される膜の少なくとも一つの層を有する乾燥方法によって製造される膜の少なくとも一つの層を結合する複合型セパレータ膜である。このセパレータ膜は、多層電池セパレータ膜構造の乾燥および湿式プロセスのセパレータ膜の組合せによって成し遂げられる、全体的に優れたセパレータおよび電池性能特性を有する。
【0010】
図3を参照することによって、複合型セパレータ10の一実施形態が示される。セパレータ10は一緒に結合される2枚の層、表層12および最下層14を有する。表層12は、湿式プロセスによって製造されることができる。表層12は、ポリエチレン系樹脂(後述する)でできていてもよい。最下層14は、乾燥プロセスによって製造されることができる。最下層14は、ポリプロピレン系樹脂(後述する)で製造されてもよい。
セパレータ10は、
図3に示した実施形態に限定されない。セパレータ10は2層以上でもよく、例えば、2、3、4、5より多く(いかなる数)であってもよい。多くの実施形態おいて、層の数は2または3でもよい。
【0011】
構造(または個々の層が積み重なる態様)は変更し得る。一般に、セパレータは、1枚の乾燥した被処理(DP)層および1枚の湿式の被処理(WP)層を有することができる。セパレータは、1枚のポリエチレン(PE)層および1枚のポリプロピレン(PP)層を有することができる。一実施例は、
図3(DP―PP/WP―PE)に示される。他の実施形態では、セパレータは、DP―PP/WP―PE/DP―PPの構成を有することができる。他の実施形態においては、セパレータは、DP―PP/WP―PE/DP―PP、DP―PP/WP―PE/DP―PP/WP―PE、DP―PP/WP―PE/WP―PE/DP―PP、および全ての順列および組み合わせが挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0012】
本明細書に使用される乾燥プロセスは、一般に、熱可塑性樹脂をパリソン(環状または平坦)に延伸するプロセス、パリソンをアニールするプロセス、アニールされたパリソンを延伸(一軸または二軸)して微細孔を形成するプロセス、および選択的に微多孔質膜を熱硬化するプリセスを意味する。孔形成を容易化するために溶媒抽出は不要であり、可塑剤は不要である。乾燥プロセスは周知であり、例えば、本明細書に引用によって組み込まれるKesting, Synthetic Polymeric Membranes, John Wiley & Sons, New York, NY(1985), page 290-297を参照。乾燥プロセスは「スリットのような」孔を有する膜を生産する
。
図1を参照すると、それは湿式プロセス作られた膜とは構造的に異なる。
【0013】
本明細書で使用される湿式プロセスは、熱可塑性樹脂を延伸するおよび可塑剤(可塑剤は、微小孔を形成するためにその後除去される)を押出加工して平板シートにするプロセス、冷たいロール上の平板シートを冷却するプロセス、冷却された平板シートを延伸するプロセス、溶媒と共に可塑剤を抽出して微多孔質膜を形成するプロセスを意味する。湿式プロセスは、TIPSまたは「相反転」プロセス(上述した)に基づく。湿式プロセスは周知であり、例えば、本明細書に引用によって組み込まれるKesting, Synthetic Polymeric Membranes, John Wiley & Sons, New York, NY(1985), page 237-286を参照。湿式プ
ロセスは「丸い」孔を有する膜を生産する。
図2を参照すると、それは乾式プロセスにより作られた膜とは構造的に異なる。
【0014】
本明細書で用いられるポリエチレン系樹脂は、ポリエチレンまたはポリエチレンの配合物を意味することができる。ポリエチレンは、エチレンおよびエチレンの共モノマーから製造されることができる。ポリエチレンの配合物は、ポリエチレン(少なくとも50%)および他の熱可塑性樹脂でできていてもよい。ポリエチレンは、いかなる分子量も有することができる。分子量は、100,000から5,000,000~6,000,000の範囲であってよい。ポリオレフィン分子量は、普通(約100,000~400,000)、高い(約400,000~800,000について)極めて高い(約百万+)に特徴づけられる。通常、乾燥方法は、通常のおよび高分子量範囲のポリオレフィンを使用する。通常、湿式プロセスは、高いおよび極めて高い範囲のポリオレフィンを使用する。
【0015】
本明細書で用いられるポリプロピレン系樹脂は、ポリプロピレンまたはポリプロピレンの配合物に関することができる。ポリプロピレンは、プロピレンのモノマーおよびプロピレンのコモノマから製造されることができる。ポリプロピレンの配合物は、ポリプロピレン(少なくとも50%)および他の熱可塑性樹脂でできていてもよい。ポリプロピレンは、いかなる分子量も有することができる。
本明細書において使用される、結合するは、層の微小孔を隠すことなく一方に1枚の層を積層するいかなる方法をも意味する。結合は、融着または接着剤の使用によってなされることができる。融着とは、超音波で、サーマル(熱)、圧力、熱圧着、超音波および/または赤外線をいう。一実施形態において、層は、熱および圧力を用いて融着することができる。
【0016】
周知のように、セパレータは、層、不活性またはセラミック粒子、他の樹脂(例えばPVDF)を成分として含むことができる。層を作るために使用される樹脂は、周知のように他の周知の添加物(例えば界面活性剤、反遮断剤、酸化防止剤、など)を含むことができる。周知のように、セパレータは、コーティングを含むこともできる。
本発明は、それを特にリチウム二次電池に使用するセパレータとして特に望ましくすることができる特性の有益なおよびユニークなセットを有することができる。それらの特性としては、挙げられるが、これに限定されるものではない。
【0017】
TD/MD引張強度(TD-横方向、MD-縦方向)の比率は約1.5~3.0または約1.6~2.5または約1.8~2.2の範囲またはこれらに含まれるいかなる下位の組合せであってもよい。
厚みが、35ミクロン(μm)以下、または、約5~30ミクロン、または、約5~26ミクロン、または、約5~15ミクロンの範囲またはこれらに含まれるいかなる下位の組合せであってもよい。
【0018】
破壊強さが630gf(グラム-フォース)以上、または、約630~1500gfの、または、約680~1200gfの範囲、または、これらに含まれるいかなる下位の組合せであってもよい。
誘電破壊が最低2000V(数ボルト)で、または、約2000~5000V、または、約2200~4500Vの範囲、または、これらに含まれるいかなる下位組合せであってもよい。
【0019】
本発明は、以下の実施例において更に例示される。
DP―PP/WP―PEの二層およびDP―PP/WP―PE/DP―PPの三層は、熱的に選ばれた基本の微多孔質膜を積層することによって製造された。表1は、二層および三層の積層構造に使用される単層膜および本発明の構成微多孔質構造多層セパレータ膜のセパレータ特性データを表にしたものである。38μmの厚さを有するCE1および25μmの厚さを有するCE2の市販されている比較例のセパレータは、乾燥プロセスPEおよびPP微多孔質膜を使用して作った単層から成り、比較のため表1に示される。
【0020】
【0021】
異なる厚みの湿式プロセスのPEおよび乾燥プロセスにPPを積層することによって多様な厚みの複合積層膜が製造される。380gfの破壊強度を有するCE2と比較して812gfの破壊強度を有する実施例3を比較するときに、破壊強度の2倍の改良が観察された。683kgf/cm2のTD引張強度を有する実施例3と、それぞれ125および150のkgf/cm2のTD引張強度を有するCE1およびCE2を比較するとき、TD引張強度の顕著な改良も観察された。発明の微小孔構造セパレータ膜の実施例がバランスのよいMDおよびTD強さを呈することがわかる。リチウムイオン電池の電池製造プロセスで使われるときに、これらのセパレータ膜が電池巻線の厳しさに耐えて、TD方向に分裂することに抵抗する。また、バランスのよいMDおよびTD引張強度を有するセパレータ膜は、電池巻き付け操作の間、存在し得る電極粒子の貫通に抵抗する。全てPE湿式プロセスの多層セパレータ膜がバラスのあるMDおよびTD引張強度を示すが、この種のセパレータは本発明の複合PP層によって提供される耐酸化性を有しない。
【0022】
二層セパレータの実施例について示されるデータは、厚みにおいて18~21μmの範囲の実施例1および実施例2は、バランスのよいMDおよびTD引張強度、優れた破壊強度および高い誘電破壊を示す。2層中のPP層は、リチウム・イオンの陰極に対して配置される2層中のPP層は、電池が長いサイクル寿命に至る電池サイクルの間、優れた耐酸化性を提供する。
図3は、表層として示されるPE層を有する3,300xの拡大でされる二層実施例2のSEM断面図である。孔形状およびマイクロ構造の違いは明白であり、当業者は下層のPP乾燥プロセス層と比較して、上面のPE湿式層の典型的孔構造を直ちに認識することができる。
【0023】
複合型の本発明膜の熱安定性を示すために、複合多層サンプルの熱電気抵抗(熱ER)がテストされた。熱ERは、多孔膜がシャットダウンする温度レベル、すなわち微多孔質膜孔が溶けて塞がる温度である。
図4は、膜の電気抵抗が温度の関数として、プロットされるHot ER曲線を表す。本発明のセパレータは165℃でシャットダウンすることが公知であるポリプロピレンを含む膜によって期待されるように、本発明の複合型セパレータは、130℃でERの急激な減少を示すPE1およびPE2とは異なり非常に高い持続した電気抵を継続して有する。二層および三層構造における乾式プロセスPP膜と湿式プロセスPE膜との組み合わせは、高温での電気抵抗の持続したレベルに維持する複合型セパレータ膜を生成し、高い動作温度の電池安全性の改良をもたらす。
【0024】
(試験方法)
厚み(T)
厚みは、ASTM D374のEmveco Microgage 210―A精密マイクロメートルを使用して測定される。厚の値は、マイクロメートル(μm)を単位にすると報じられている。
ガーリー
ASTMガーリーは、ガーリーデンソメータ(例えばModel 4120)で測定される気流に対する抵抗である。ガーリーは、12.2インチの水圧の下で10ccの空気を1平方インチの製品に通すことに必要とされる秒単位の時間であって、ASTM D726(B)に従って評価される。
【0025】
基礎重量(BW)
基礎重量は、mg/cm2において表される装置を有するASTM D3766を使用して決定される。
収縮
収縮は、105℃、1時間でオーブンに第1のサンプルを配置し、120℃、1時間で第2の第2のサンプルを配置することによって、2つの温度で測定される。収縮は、縦方向(MD)および横方向(TD)において測定されて、%MD収縮および%TD収縮として報告される。
【0026】
引張強度特性
縦方向(MD)および横方向(TD)は、ASTM―882手順に従ってInstron Model 4201を使用することを測定した。
破壊強さ
試験サンプルを穿刺することを必要とする力として定義される破壊強さは、方法ASTM D3763に基づいてInstronモデル4442を使用して計量される。10か所の測定が膜の幅全体になされ、その平均破裂強さが算出された。
【0027】
電気抵抗(ER)
電気抵抗は、電解質で満たされるセパレータの抵抗値Ω―cm2として定義される。
誘電破裂(DB)
サンプルの誘電破壊が観察されるまで、電圧はセパレータ膜に印加される。強いセパレータは、膜のいかなる不統一も低いDB値に至る高いDB値を示す。
本発明趣旨およびその基本的属性から逸脱することなく、他の形で実施されることができる。したがって、発明の範囲としては明細書の記載よりはむしろ添付の請求の範囲参照なされなければならない。