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特許7483591医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   A61B 6/03 20060101AFI20240508BHJP
   G06T 7/00 20170101ALI20240508BHJP
   G06T 7/11 20170101ALI20240508BHJP
【FI】
A61B6/03 560J
G06T7/00 612
G06T7/11
【請求項の数】 18
(21)【出願番号】P 2020183133
(22)【出願日】2020-10-30
(65)【公開番号】P2022073262
(43)【公開日】2022-05-17
【審査請求日】2023-08-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001771
【氏名又は名称】弁理士法人虎ノ門知的財産事務所
(72)【発明者】
【氏名】田中 亨
(72)【発明者】
【氏名】青山 岳人
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】特開平07-255703(JP,A)
【文献】特開2006-223376(JP,A)
【文献】特開2005-034211(JP,A)
【文献】特開2011-125699(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2013/0231564(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 6/00-6/58
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
血管乃至は弁を含む医用画像を取得する取得部と、
前記血管乃至は弁の形状における一端と他端のそれぞれに対して複数の端点を設定し、該複数の端点に基づいて複数の軸を設定する軸設定部と、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する条件設定部と、
前記条件に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する特定部と
を備える、医用画像処理装置。
【請求項2】
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに前記医用画像から注目領域を取得し、当該注目領域に基づいて前記複数の軸を設定する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項3】
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁の一端に第1の閉曲線を設定し、他方の一端に第2の閉曲線を設定し、前記第1の閉曲線及び前記第2の閉曲線のそれぞれに対して前記複数の端点を設定し、当該複数の端点に基づいて前記複数の軸を設定する、請求項1又は2に記載の医用画像処理装置。
【請求項4】
前記複数の軸は、前記血管乃至は弁の形状に沿って設定される、請求項3に記載の医用画像処理装置。
【請求項5】
前記医用画像は、血管を含み、
前記軸設定部は、前記第1の閉曲線に設定した端点と前記第2の閉曲線に設定した端点とを、前記血管乃至は血管内構造物に沿って結ぶことにより、前記複数の軸を設定する、請求項3又は4に記載の医用画像処理装置。
【請求項6】
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁における特徴的な点又は構造に更に基づいて、前記複数の軸を設定する、請求項1~5のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項7】
前記軸設定部は、所定の複数の断面を用いて、前記複数の軸を設定する、請求項1に記載の医用画像処理装置。
【請求項8】
前記特定部は、前記複数の軸を全て通る複数の閉曲線候補を取得し、取得した複数の閉曲線候補それぞれについて前記条件に関する項目の値を算出し、当該値に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する、請求項1~のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項9】
前記特定部は、前記複数の軸のそれぞれに評価点を設定し、当該評価点を結ぶことで前記閉曲線候補を取得する、請求項に記載の医用画像処理装置。
【請求項10】
前記取得部は、時系列の複数の前記医用画像を取得し、
前記条件設定部は、当該複数の医用画像に基づく前記条件を設定し、
前記特定部は、前記条件に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する、請求項1~のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項11】
前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域に基づく出力を行なう出力部を更に備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項12】
前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域を表示させる出力部を更に備える、請求項1~11のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項13】
前記条件設定部は、前記条件として、閉曲線の周囲長、閉曲線で囲まれる領域の面積、閉曲線の円形度、及び、閉曲線に内接する球の直径のうち少なくとも1つを設定する、請求項1~12のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項14】
前記特定部は、前記条件に基づいて、前記複数の軸を全て通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する、請求項1~13のいずれか一項に記載の医用画像処理装置。
【請求項15】
管状構造を有する生体器官乃至は弁を含む医用画像を取得する取得部と、
前記生体器官乃至は弁の形状における一端と他端のそれぞれに対して複数の端点を設定し、該複数の端点に基づいて複数の軸を設定する軸設定部と、
前記生体器官乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する条件設定部と、
前記条件に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する特定部と
を備える、医用画像処理装置。
【請求項16】
血管乃至は弁を含む医用画像を取得し、
前記血管乃至は弁の形状における一端と他端のそれぞれに対して複数の端点を設定し、該複数の端点に基づいて複数の軸を設定し、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定し、
前記条件に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する
ことを含む、医用画像処理方法。
【請求項17】
血管乃至は弁を含む医用画像を取得し、
前記血管乃至は弁の形状における一端と他端のそれぞれに対して複数の端点を設定し、該複数の端点に基づいて複数の軸を設定し、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定し、
前記条件に基づいて、前記複数の軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する
各処理をコンピュータに実行させる、プログラム。
【請求項18】
血管乃至は弁を含む医用画像を取得する取得部と、
前記血管乃至は弁の形状における一端と他端のそれぞれに対して複数の端点を設定し、該複数の端点に基づく複数の軸を、前記血管乃至は弁の形状に基づいて変形した複数の変形軸を設定する軸設定部と、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する条件設定部と、
前記条件に基づいて、前記複数の変形軸を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する特定部とを備える、医用画像処理装置
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
患者体内には、血管や食道等の管状構造を有する生体器官乃至は弁など、内部に流体乃至は固体が流れる様々な器官が存在する。当該器官における計測値などの情報は、診断を行なう上で有用な情報である。しかしながら、当該器官は単純な円筒形になっているとは限らず、計測値などの情報を得ることは容易でない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2004-283373号公報
【文献】特開2020-76967号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、管状構造を有する生体器官乃至は弁についての情報を提供することである。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0005】
実施形態の医用画像処理装置は、取得部と、軸設定部と、条件設定部と、特定部とを備える。取得部は、血管乃至は弁を含む医用画像を取得する。軸設定部は、前記血管乃至は弁に基づいて複数の軸を設定する。条件設定部は、前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する。特定部は、前記条件に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。
【図面の簡単な説明】
【0006】
図1図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システムの構成の一例を示すブロック図である。
図2図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置の処理回路による処理の一例を示すフローチャートである。
図3図3は、第1の実施形態に係る注目領域の一例を示す図である。
図4A図4Aは、第1の実施形態に係る軸設定機能における軸の設定に係る処理の一例を示すフローチャートである。
図4B図4Bは、第1の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
図4C図4Cは、第1の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
図4D図4Dは、第1の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
図5A図5Aは、第1の実施形態に係る端点の設定方法の一例を示す図である。
図5B図5Bは、第1の実施形態に係る端点の設定方法の一例を示す図である。
図6A図6Aは,第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定について説明するための図である。
図6B図6Bは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定について説明するための図である。
図7A図7Aは、第1の実施形態に係る評価点の設定について説明するための図である。
図7B図7Bは、第1の実施形態に係る評価点の設定について説明するための図である。
図8A図8Aは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図8B図8Bは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図8C図8Cは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図8D図8Dは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図9図9は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図10図10は、第1の実施形態に係る血管内狭窄部位の一例を示す図である。
図11図11は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
図12図12は、第1の実施形態に係る軸の設定方法の一例を示す図である。
図13A図13Aは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定方法の一例を示す図である。
図13B図13Bは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定方法の一例を示す図である。
図14図14は、第4の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、添付図面を参照しながら、医用画像処理装置、医用画像処理方法及びプログラムの実施形態について詳細に説明する。
【0008】
(第1の実施形態)
本実施形態では、医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1を例として説明する。例えば、医用画像処理システム1は、図1に示すように、医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30を有する。図1は、第1の実施形態に係る医用画像処理システム1の構成の一例を示すブロック図である。医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30は、ネットワークNWを介して相互に接続される。
【0009】
なお、ネットワークNWを介して接続可能であれば、医用画像処理システム1に含まれる各装置が設置される場所は任意である。例えば、医用画像診断装置10、医用画像処理装置20及び画像保管装置30は、互いに異なる施設内に設置されていてもよい。即ち、ネットワークNWは、施設内で閉じたローカルネットワークにより構成されてもよいし、インターネットを介したネットワークであってもよい。
【0010】
医用画像診断装置10は、患者を撮像して、管状構造を有する生体器官乃至は弁を含む医用画像を収集する装置である。なお、本実施形態では一例として、僧帽弁を含む医用画像が収集される場合について説明する。即ち、本実施形態では、僧帽弁を対象器官として説明する。
【0011】
医用画像診断装置10は、例えば、X線診断装置、X線CT(Computed Tomography)装置、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置、超音波診断装置、SPECT(Single Photon Emission Computed Tomography)装置、PET(Positron Emission computed Tomography)装置等の医用モダリティである。なお、図1においては単一の医用画像診断装置10を示すが、医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10を複数含んでもよい。また、医用画像処理システム1は、複数種類の医用画像診断装置10を含んでもよい。例えば、医用画像処理システム1は、医用画像診断装置10として、X線CT装置とMRI装置とを含んでもよい。
【0012】
画像保管装置30は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像を保管する画像データベースである。例えば、画像保管装置30は、任意の記憶装置を装置内又は装置外に備え、ネットワークNWを介して医用画像診断装置10から取得した医用画像を、データベースの形態で管理する。例えば、画像保管装置30は、PACS(Picture Archiving and Communication System)のサーバである。また、画像保管装置30は、医用画像処理システム1とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)により実現されることとしてもよい。
【0013】
医用画像処理装置20は、管状構造を有する生体器官乃至は弁についての情報の提供を可能とするため、後述する各種の処理を行なう装置である。例えば、医用画像処理装置20は、僧帽弁を含む医用画像を取得し、僧帽弁に基づいて複数の軸を設定し、僧帽弁に対応する閉曲線に関する条件を設定し、設定した条件に基づいて、設定した複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。例えば、医用画像処理装置20は、図1に示すように、メモリ21、ディスプレイ22、入力インタフェース23及び処理回路24を備える。
【0014】
メモリ21は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、光ディスク等により実現される。例えば、メモリ21は、医用画像診断装置10によって収集された医用画像を記憶する。また、メモリ21は、医用画像処理装置20に含まれる回路がその機能を実現するためのプログラムを記憶する。
【0015】
ディスプレイ22は、各種の情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、入力インタフェース23を介してユーザから各種の指示や設定等を受け付けるためのGUI(Graphical User Interface)を表示する。また、ディスプレイ22は、処理回路24によって特定された閉曲線乃至は領域、或いは、当該閉曲線乃至は当該領域に基づいて取得された計測値などの情報を表示する。例えば、ディスプレイ22は、液晶ディスプレイやCRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイである。ディスプレイ22は、デスクトップ型でもよいし、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。
【0016】
なお、図1においては医用画像処理装置20がディスプレイ22を備えるものとして説明するが、医用画像処理装置20は、ディスプレイ22に代えて又は加えて、プロジェクタを備えてもよい。プロジェクタは、処理回路24による制御の下、スクリーンや壁、床、患者の体表面等に対して投影を行なうことができる。一例を挙げると、プロジェクタは、プロジェクションマッピングによって、任意の平面や物体、空間等への投影を行なうこともできる。
【0017】
入力インタフェース23は、ユーザからの各種の入力操作を受け付け、受け付けた入力操作を電気信号に変換して処理回路24に出力する。例えば、入力インタフェース23は、マウスやキーボード、トラックボール、スイッチ、ボタン、ジョイスティック、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、音声入力回路等により実現される。なお、入力インタフェース23は、医用画像処理装置20本体と無線通信可能なタブレット端末等で構成されることにしても構わない。また、入力インタフェース23は、モーションキャプチャによりユーザからの入力操作を受け付ける回路であっても構わない。一例を挙げると、入力インタフェース23は、トラッカーを介して取得した信号やユーザについて収集された画像を処理することにより、ユーザの体動や視線等を入力操作として受け付けることができる。また、入力インタフェース23は、マウスやキーボード等の物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、医用画像処理装置20とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号を処理回路24へ出力する電気信号の処理回路も、入力インタフェース23の例に含まれる。
【0018】
処理回路24は、制御機能24a、取得機能24b、軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fを実行することで、医用画像処理装置20全体の動作を制御する。取得機能24bは、取得部の一例である。軸設定機能24cは、軸設定部の一例である。条件設定機能24dは、条件設定部の一例である。特定機能24eは、特定部の一例である。出力機能24fは、出力部の一例である。
【0019】
例えば、処理回路24は、制御機能24aに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、入力インタフェース23を介してユーザから受け付けた各種の入力操作に基づいて、取得機能24b、軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fといった各種の機能を制御する。
【0020】
また、処理回路24は、取得機能24bに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、僧帽弁を含む医用画像を取得する。例えば、取得機能24bは、医用画像診断装置10によって撮像された医用画像をネットワークNWを介して受信し、メモリ21に記憶させる。ここで、取得機能24bは、医用画像診断装置10から直接的に医用画像を取得してもよいし、画像保管装置30を介して医用画像を取得してもよい。
【0021】
また、処理回路24は、軸設定機能24cに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、複数の軸を設定する。また、処理回路24は、条件設定機能24dに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、閉曲線に関する条件を設定する。また、処理回路24は、特定機能24eに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、設定された条件に基づいて、設定された複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。また、処理回路24は、出力機能24fに対応するプログラムをメモリ21から読み出して実行することにより、特定された閉曲線乃至は領域に基づく出力を行なう。軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fによる処理の詳細については後述する。
【0022】
図1に示す医用画像処理装置20においては、各処理機能がコンピュータによって実行可能なプログラムの形態でメモリ21へ記憶されている。処理回路24は、メモリ21からプログラムを読み出して実行することで各プログラムに対応する機能を実現するプロセッサである。換言すると、プログラムを読み出した状態の処理回路24は、読み出したプログラムに対応する機能を有することとなる。
【0023】
なお、図1においては単一の処理回路24にて、制御機能24a、取得機能24b、軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fが実現するものとして説明したが、複数の独立したプロセッサを組み合わせて処理回路24を構成し、各プロセッサがプログラムを実行することにより機能を実現するものとしても構わない。また、処理回路24が有する各処理機能は、単一又は複数の処理回路に適宜に分散又は統合されて実現されてもよい。
【0024】
また、処理回路24は、ネットワークNWを介して接続された外部装置のプロセッサを利用して、機能を実現することとしてもよい。例えば、処理回路24は、メモリ21から各機能に対応するプログラムを読み出して実行するとともに、医用画像処理装置20とネットワークNWを介して接続されたサーバ群(クラウド)を計算資源として利用することにより、図1に示す各機能を実現する。
【0025】
以上、医用画像処理装置20を含んだ医用画像処理システム1の構成例について説明した。かかる構成の下、医用画像処理装置20における処理回路24は、僧帽弁についての情報を提供することを可能とする。
【0026】
以下、図2のフローチャートに沿って、処理回路24が行なう処理について説明する。図2は、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20の処理回路24による処理の一例を示すフローチャートである。
【0027】
まず、取得機能24bは、僧帽弁を含む医用画像を取得する(ステップS1)。取得機能24bは、医用画像診断装置10から直接的に医用画像を取得してもよいし、画像保管装置30等の他の装置を介して医用画像を取得してもよい。
【0028】
なお、医用画像の種類については特に限定されるものではない。例えば、取得機能24bは、僧帽弁を含む医用画像として、X線CT画像、超音波画像、MRI画像、X線画像、PET画像、SPECT画像等を取得する。その他、取得機能24bは、僧帽弁を含む医用画像として、僧帽弁の3次元の解剖構造の形態情報が格納されている任意の種類の画像を取得することもできる。また、取得機能24bは、僧帽弁を含む医用画像として、僧帽弁の3次元画像を時間方向に複数撮像した4次元画像を取得してもよい。
【0029】
一例を挙げると、取得機能24bは、入力インタフェース23を介してユーザから受け付けた指示をトリガとして、医用画像の取得を行なう。別の例を挙げると、取得機能24bは、医用画像診断装置10によって僧帽弁を含む医用画像が撮像されたこと、或いは、僧帽弁を含む医用画像が画像保管装置30に保管されたことをトリガとして、医用画像の取得を行なう。即ち、取得機能24bは、新たに収集された医用画像を自動的に取得してもよい。
【0030】
また、取得機能24bは、新たに収集された医用画像が所定の条件を満たす場合に、当該医用画像を取得することとしてもよい。例えば、取得機能24bは、撮像プロトコルを所定の条件として設定し、心臓を対象とする撮像プロトコルで撮像されている場合に当該医用画像を取得する。また、例えば、取得機能24bは、再構成方法を所定の条件として設定し、拡大再構成が行なわれている場合に当該医用画像を取得する。また、取得機能24bは、例えば撮像プロトコルと再構成方法など、複数の項目を組み合わせて所定の条件とし、当該所定の条件を満たす場合に医用画像を取得することとしてもよい。
【0031】
次に、軸設定機能24cは、取得機能24bによって取得された医用画像において、注目領域を取得する(ステップS2)。ここで、注目領域とは、医用画像における注目する生体器官が示す領域である。例えば、軸設定機能24cは、注目領域として、医用画像のうち僧帽弁を示す各画素の座標情報を取得する。即ち、軸設定機能24cは、僧帽弁の解剖学的特徴に基づいて医用画像から注目領域を取得する。
【0032】
一例を挙げると、出力機能24fは、ディスプレイ22に医用画像を表示させる。そして、軸設定機能24cは、入力インタフェース23を介して、注目領域の位置を指定する操作をユーザから受け付けることにより、注目領域を取得する。
【0033】
別の例を挙げると、軸設定機能24cは、既知の領域抽出技術により、医用画像に描出される解剖学的構造に基づいて注目領域を取得する。既知の領域抽出技術としては、CT値等の画素値に基づく判別分析法(大津の二値化法とも呼ばれる)、領域拡張法、スネーク法、グラフカット法、ミーンシフト法などを例示することができる。
【0034】
その他、軸設定機能24cは、任意の手法で注目領域を取得することができる。例えば、軸設定機能24cは、深層学習等の機械学習技術により、注目領域を取得することもできる。一例を挙げると、軸設定機能24cは、事前に準備された学習用データに基づいて構築される注目領域の形状モデルを用いて、注目領域を取得してもよい。
【0035】
また、軸設定機能24cは、注目領域より大きいが画像全体よりは小さい領域(以下、関連領域とする)をまずは取得し、関連領域から注目領域を取得してもよい。例えば、僧帽弁が対象器官である場合、軸設定機能24cは、画像全体のうち心臓領域や左心房と左心室の和の領域等を関連領域として取得する。例えば、軸設定機能24cは、入力インタフェース23を介してユーザからの操作受け付けることにより、関連領域を取得することができる。そして、軸設定機能24cは、関連領域に対してグラフカット法等の処理を適用し、注目領域を取得する。これにより、画像全体に対してグラフカット法等の処理を実施する場合と比較して、計算コストを低減することができる。また、処理対象を関連領域に限定することで、より計算負荷の高い手法で注目領域を取得することが可能になるため、注目領域をより高精度に取得することができる。
【0036】
例えば、取得機能24bは、図3に示す医用画像I1を取得する。また、軸設定機能24cは、僧帽弁に基づいて医用画像I1から僧帽弁領域R1を取得する。即ち、軸設定機能24cは、僧帽弁の解剖学的特徴に基づいて、医用画像I1から僧帽弁領域R1を取得する。僧帽弁領域R1は、注目領域の一例である。また、図3は、第1の実施形態に係る注目領域の一例を示す図である。
【0037】
次に、軸設定機能24cは、僧帽弁に基づいて複数の軸を設定する(ステップS3)。即ち、軸設定機能24cは、僧帽弁の解剖学的特徴に基づいて複数の軸を設定する。例えば、軸設定機能24cは、図3の僧帽弁領域R1に基づいて、複数の軸を設定する。即ち、軸設定機能24cは、取得した僧帽弁領域R1の形状に沿って、複数の軸を設定する。
【0038】
以下、図4A図4Dを用いて、軸設定機能24cによる軸の設定について説明する。
図4Aは、第1の実施形態に係る軸設定機能24cにおける軸の設定に係る処理の一例を示すフローチャートである。なお、図4AのステップS31、ステップS32及びステップS33は、図2のステップS3に含まれるステップである。また、図4B図4C及び図4Dは、第1の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
【0039】
まず、軸設定機能24cは、図4Bに示すように、先端形状D1及び弁輪形状D2を特定する(ステップS31)。先端形状D1は、例えば、弁の先端を示す領域(画素)を閉曲線として特定したものである。また、弁輪形状D2は、弁輪を示す領域(画素)を閉曲線として特定したものである。なお、図4Bでは先端形状D1及び弁輪形状D2を2次元の閉曲線として示すが、先端形状D1及び弁輪形状D2は、通常は、奥行き方向の変化を伴う3次元の閉曲線である。先端形状D1は、第1の閉曲線の一例である。また、弁輪形状D2は、第2の閉曲線の一例である。
【0040】
先端形状D1及び弁輪形状D2を特定する手法については特に限定されるものではない。例えば、軸設定機能24cは、各画素において当該画素に隣接する注目領域に属する画素の数に基づいて、先端形状D1及び弁輪形状D2を特定することができる。言い換えると、軸設定機能24cは、注目領域以外に属する画素に多数隣接している領域を、先端形状D1及び弁輪形状D2として特定することができる。
【0041】
別の例を挙げると、軸設定機能24cは、所定の方向に対する各画素列(ボクセル列、又は、ピクセル列)において最も下端又は上端に位置する画素を、先端形状D1及び弁輪形状D2として特定してもよい。ここで、所定の方向は、弁の先端から弁輪に向かう方向又は弁輪から弁の先端に向かう方向である。
【0042】
例えば、所定の方向は、DICOM(Digital Imaging and Communications in Medicine)ヘッダ等の画像付帯情報に基づいて定めてもよいし、入力インタフェース23を用いてユーザに指定させるようにしてもよい。また、所定の方向をユーザが指定する場合、UI(User Interface)は、ユーザに方向を直接指定させる形態としてもよいし、表示画面の手前から奥の方向を所定の方向として設定する形態としてもよい。一例を挙げると、出力機能24fは、3次元データである僧帽弁領域R1を、回転可能にディスプレイ22に表示させる。また、ユーザは、例えば図4B図4Dに示す通り、僧帽弁の開口部を視認できる向きになるように僧帽弁領域R1を回転させる。そして、軸設定機能24cは、回転後の僧帽弁領域R1の向きに基づいて、ディスプレイ22の手前から奥の方向を所定の方向として設定する。
【0043】
次に、軸設定機能24cは、例えば図4Cに示すように、各閉曲線に対して端点を設定する(ステップS32)。例えば、軸設定機能24cは、先端形状D1及び弁輪形状D2のそれぞれに対して、同一の数の端点を所定の条件に基づいて設定する。即ち、軸設定機能24cは、先端形状D1に対して端点E101~E110の10個の端点を設定し、弁輪形状D2に対して端点E201~E210の10個の端点を設定する。端点を設定するための所定の条件は、固定の条件としてもよいし、その都度設定することとしてもよい。
【0044】
端点を設定するための所定の条件は、例えば、図5Aに示すGUIを用いて設定することができる。図5Aは、第1の実施形態に係る端点の設定方法の一例を示す図である。まず、出力機能24fは、図5Aに示すGUIをディスプレイ22に表示させる。次に、軸設定機能24cは、入力インタフェース23を介して、ユーザから図5Aに示す各項目の入力を受け付ける。即ち、軸設定機能24cは、図5Aに示すGUIにより、複数の端点を順に設定する際の起点、及び、複数の端点を設定する際の条件の入力を受け付けることによって、先端形状D1又は弁輪形状D2のそれぞれに複数の端点を設定することができる。
【0045】
例えば、ユーザは、起点とする「先端」及び「弁輪」の方向(ベクトル)を入力する。なお、「先端と弁輪を連動」の項目がチェックされている場合、軸設定機能24cは、「先端」及び「弁輪」のいずれか一方について入力された方向を他方にも反映する。例えば、「先端」及び「弁輪」の起点方向が「90度」の場合、軸設定機能24cは、図5Bに示すように、基準点から見て「90度」の位置に、起点E111及び起点E211を設定する。起点E111は、先端形状D1に対して設定される端点の1つであり、起点E211は、弁輪形状D2に対して設定される端点の1つである。また、図5Bは、第1の実施形態に係る端点の設定方法の一例を示す図である。なお、図5Bでは、画面上方向を基準方向(0度)として説明するが、実施形態はこれに限定されるものではなく、例えば先端形状D1又は弁輪形状D2の重心や中心に基づいて基準方向を決定してもよい。
【0046】
なお、基準点の設定方法は任意である。例えば、基準点は表示画面の中心としてもよいし、先端形状D1又は弁輪形状D2の中心や重心を示す座標点としてもよい。また、先端形状D1及び弁輪形状D2が3次元の閉曲線である場合、先端形状D1又は弁輪形状D2の中心や重心を示す座標点を、ディスプレイ22に表示されている断面に垂直に投影した位置を基準点としてもよい。また、基準点は、ユーザが指定してもよい。
【0047】
起点を設定した後、軸設定機能24cは、図5Aの「条件」の設定に従って、複数の端点を設定する。例えば、図5Aに示すように「数:10個」と設定されている場合、軸設定機能24cは、起点E111から一定の間隔で、先端形状D1の上に残り9個の端点を設定する。なお、この場合、先端形状D1が長いほど、端点間の間隔も長くなる。同様に、軸設定機能24cは、起点E211から一定の間隔で、弁輪形状D2の上に残り9個の端点を設定する。
【0048】
なお、一定間隔で複数の端点を設定する場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、軸設定機能24cは、起点位置と、設定された数と、閉曲線の形状情報に基づいて、複数の端点を設定してもよい。例えば、軸設定機能24cは、閉曲線の形状情報として、閉曲線の各位置における曲率を算出し、当該曲率の大きい又は小さい位置から順に、設定された数の端点を設定するようにしてもよい。
【0049】
また、基準点と方向(ベクトル)に基づいて起点を設定する場合について説明したが、起点はユーザが手動で設定してもよい。例えば、ユーザは、入力インタフェース23を介して先端形状D1又は弁輪形状D2の任意の位置に起点を設定することができる。例えば、出力機能24fは、先端形状D1又は弁輪形状D2の任意の位置に起点を表示させ、ユーザは、図5Bに示すマウスポインタMを操作して起点の位置を動かすこととしてもよい。即ち、軸設定機能24cは、先端形状D1又は弁輪形状D2の表示に対するユーザ操作を、起点の入力として受け付けてもよい。或いは、起点は、予め設定されてもよい。例えば、画面上方向の位置を常に起点にすることとしてもよい。
【0050】
また、図5Aでは端点の数が設定される場合について説明したが、「先端端点間隔」や「弁輪端点間隔」を設定することとしてもよい。即ち、軸設定機能24cは、先端形状D1又は弁輪形状D2における隣り合う端点間の最小距離や画素数などを設定してもよい。
【0051】
「先端端点間隔」が設定される場合、軸設定機能24cは、起点から、設定された間隔で、先端形状D1の上に複数の端点を設定する。例えば、軸設定機能24cは、先端形状D1の長さに基づいて各端点間の距離が設定される距離より小さく且つ等間隔に設定できる最大の端点の数を算出し、全ての端点を先端形状D1上に設定し、同一の数の端点を等間隔に弁輪形状D2上に設定する。「弁輪端点間隔」が設定される場合も同様に、先端形状D1及び弁輪形状D2に複数の端点を設定することができる。
【0052】
端点を設定する際、軸設定機能24cは、先端形状D1上の端点と弁輪形状D2上の端点とを対応付け、対応関係を記録する。例えば、軸設定機能24cは、起点を基準にして、起点から時計回り又は反時計回りに順に番号を付与することで、対応関係を記録することができる。
【0053】
また、軸設定機能24cは、端点の設定を行なった後、ユーザから修正を受け付けることとしてもよい。例えば、図4Cに示したように、先端形状D1及び弁輪形状D2のそれぞれに複数の端点を設定した後、出力機能24fは、これら複数の端点をディスプレイ22に表示させる。なお、出力機能24fは、僧帽弁を示す画像又模式図と対応付けて、複数の端点を表示させることとしてもよい。そして、軸設定機能24cは、入力インタフェース23を介して、端点に関する修正を受け付ける。例えば、ユーザは、マウスなどを用いて端点を移動させたり、一部の端点を削除したり、端点を追加したりすることができる。
【0054】
なお、端点に関する修正を受け付ける際、軸設定機能24cは、先端形状D1上の端点と弁輪形状D2上の端点とが連動するように制御してもよい。例えば、軸設定機能24cは、先端形状D1上の端点が移動された場合、弁輪形状D2上の対応する端点を連動して移動させるように制御してもよい。
【0055】
また、端点に関する修正を受け付ける際、軸設定機能24cは、修正内容について制限を設けてもよい。例えば、ユーザが端点を移動させた場合、軸設定機能24cは、設定した条件以上は動かせないように制御してもよい。例えば、端点間の最小距離が設定されている場合、軸設定機能24cは、当該最小距離以上は動かせないように制御する。また、端点の数が設定されている場合、軸設定機能24cは、端点の削除や追加はできないように制御してもよい。
【0056】
次に、軸設定機能24cは、例えば図4Dに示すように、対応する端点を通るように軸を設定する(ステップS33)。例えば、軸設定機能24cは、先端形状D1上に設定した端点E101と、弁輪形状D2上に設定した複数の端点のうち端点E101に対応する端点E201とに基づいて、軸A101を設定する。例えば、軸設定機能24cは、端点E101と端点E201とを通り、且つ、僧帽弁領域R1の形状に沿った最短距離の線分を、軸A101として設定する。同様にして、軸設定機能24cは、軸A102~軸A110を設定する。
【0057】
なお、図4Cでは、先端形状D1及び弁輪形状D2のそれぞれに同じ数の端点を設定するものとして説明したが、軸設定機能24cは、先端形状D1及び弁輪形状D2に異なる数の端点を設定してもよい。また、端点間の対応関係については設けないこととしてもよい。
【0058】
即ち、軸設定機能24cは、一方の閉曲線に多く端点を設定して、全ての端点を使わないこととしてもよいし、1つの端点を通る軸を複数設定してもよい。また、軸設定機能24cは、全ての組み合わせを軸として設定するようにしてもよい。なお、設定される軸は交差してもよい。但し、図5A等に示したように、所定の条件に基づいて端点を設定、選択してステップS3において軸を設定した際は、後述するステップS5等の処理において当該軸に関する情報を取得できるように、当該軸に関する情報を記録しておくこととしてもよい。つまり、軸設定機能24cは、端点の対応関係を記録しない場合でも、当該軸の始点や方向や距離の情報を、当該軸に関する情報として記録しておくことができる。
【0059】
ステップS31~S33の各処理によって複数の軸が設定された後、条件設定機能24dは、閉曲線に関する条件を設定する(ステップS4)。以下では、閉曲線に関する条件を、閉曲線条件とも記載する。ここで、閉曲線条件の例としては、閉曲線の周囲長、閉曲線で囲まれる領域の面積、閉曲線の円形度、閉曲線に内接する球の直径などを例示することができる。また、条件設定機能24dは、閉曲線条件として、3次元の閉曲線を特定の方向から平面上に投影した2次元の閉曲線についての条件を設定してもよい。例えば、条件設定機能24dは、投影した2次元の閉曲線における周囲長等を、閉曲線条件として設定してもよい。その他、条件設定機能24dは、閉曲線条件として、閉曲線の形態情報(形状や面積等)に関する種々の条件を設定することができる。条件設定機能24dは、これらの項目のうち一つ又は複数の条件を設定する。
【0060】
また、閉曲線条件は、基本的に当該条件を満たす閉曲線を一つに決定することができる条件でもよいし、当該条件を満たす複数の閉曲線が存在するような条件であってもよい。閉曲線を一つに決定することができる条件とは、例えば、最大値、最小値、任意の値に最も近い値などである。また、当該条件を満たす複数の閉曲線が存在するような条件とは、例えば、任意の値以上、任意の値以下などの条件である。
【0061】
例えば、出力機能24fは、図6Aに示すUIをディスプレイ22に表示させる。そして、条件設定機能24dは、ユーザからの入力操作を受け付けることにより、閉曲線条件を設定する。具体的には、ユーザは、「周囲長」、「面積」及び「円形度」といった項目のうちいずれかを選択する。また、ユーザは、「最大」、「最小」、「XXに最近傍」といった条件の内容のうちいずれかを選択する。なお、「XXに最近傍」の条件を選択する場合、ユーザは、任意の値「XX」を入力することもできる。例えば、図6Aに示す場合、条件設定機能24dは、閉曲線条件として「面積が最小」という条件を設定する。なお、当該条件によれば、当該条件を満たす閉曲線を一つに決定することが可能である。即ち、図6Aに示す場合、条件設定機能24dは、閉曲線条件の項目及び内容をそれぞれ複数表示させ、当該項目及び当該内容についてユーザからの選択を受け付け、受け付けた項目及び内容に基づいて閉曲線条件を設定する。また、図6Aは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定について説明するための図である。
【0062】
別の例を挙げると、出力機能24fは、図6Bに示すようなUIをディスプレイ22に表示させ、条件設定機能24dは、ユーザからの入力操作を受け付けることにより、閉曲線条件を設定する。具体的には、ユーザは、「周囲」、「面積」及び「円形度」といった項目から、任意の項目を選択する。ここで、ユーザは、複数の項目を選択してもよい。また、ユーザは、選択した項目について、閾値等の条件を入力する。例えば、図6Bに示す場合、条件設定機能24dは、閉曲線条件として「面積が10mm以下且つ円形度が0.8以上」という条件を設定する。なお、当該条件を満たす閉曲線は複数存在する可能性がある。即ち、図6Bに示す場合、条件設定機能24dは、閉曲線条件の項目を複数表示させてユーザからの選択を受け付け、受け付けた項目における内容の入力を更に受け付けることで、閉曲線条件を設定する。また、図6Bは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定について説明するための図である。
【0063】
図6A及び図6Bに示したUIはあくまで一例であり、種々の変形が可能である。例えば、各種論理式(AND、OR、NOTなど)を入力可能として、より複雑な条件を設定できるようにしてもよい。また、条件設定機能24dは、所定の条件を閉曲線条件として自動設定してもよい。
【0064】
次に、特定機能24eは、ステップS4で設定された条件に基づいて、ステップS3で設定された複数の軸に基づく閉曲線を特定する(ステップS5)。例えば、特定機能24eは、ステップS4で設定された条件に基づいて、ステップS3で設定された複数の軸を全て通る閉曲線を特定する。言い換えると、特定機能24eは、ステップS4で設定された条件を満たし、且つ、ステップS3で設定された複数の軸の全てと交差する閉曲線を特定する。
【0065】
例えば、特定機能24eは、ステップS3で設定された複数の軸のそれぞれに、任意の点を1つずつ設定する。以下、軸上に設定される当該任意の点を、評価点と記載する。次に、特定機能24eは、隣り合う各軸における評価点を僧帽弁領域R1の形状に沿って最短距離で結ぶことにより、閉曲線を取得する。以下、評価点を結ぶことで取得される閉曲線を、閉曲線候補と記載する。なお、計算負荷軽減のため、特定機能24eは、隣り合う評価点を結ぶ線分を直線としてもよい。
【0066】
次に、特定機能24eは、評価点に基づいて取得した閉曲線候補に対して、ステップ4で設定した閉曲線条件に関する項目の値を算出する。例えば、図6Aに示したように「面積が最小」という条件を設定していた場合、特定機能24eは、閉曲線候補の面積を算出する。また、例えば、図6Bに示したように「面積が10mm以下且つ円形度が0.8以上」という条件を設定していた場合、特定機能24eは、閉曲線候補の面積及び円形度を算出する。また、特定機能24eは、算出した値をメモリ21に記憶させる。
【0067】
次に、特定機能24eは、評価点の位置を変更する。即ち、特定機能24eは、ある軸の上に設定した評価点を、その評価点が属する軸上の別の位置に再設定する。特定機能24eは、ステップS3で設定された複数の軸の全てにおいて評価点の位置を変更してもよいし、複数の軸のうち一部においてのみ評価点の位置を変更してもよい。再設定する各軸における評価点の位置の決定方法については特に限定されるものではない。但し、計算の効率化のためには、閉曲線条件に関する項目の値を算出した各軸における評価点の位置の組み合わせと同一の各評価点の位置の組み合わせが再設定されないように制御することが好ましい。
【0068】
例えば、図7Aに示すように僧帽弁の領域上に複数の軸が設定されている場合において、特定機能24eは、図7Bに示すように各軸上に複数の計測点を設定する。例えば、計測点は、各軸上に一定の間隔で設定される。そして、特定機能24eは、軸ごとに、複数の計測点のうちいずれか1つを評価点として選択する。なお、図7A及び図7Bにおいては、軸設定機能24cにより設定された複数の軸を実線で示し、先端形状D1及び弁輪形状D2を破線で示す。また、図7Bにおいては、僧帽弁の前尖に位置する計測点を四角形の白点で示し、後尖に位置する計測点を三角形の白点で示す。また、図7A及び図7Bは、第1の実施形態に係る評価点の設定について説明するための図である。
【0069】
例えば、特定機能24eは、軸ごとに、複数の計測点のうちいずれか1つを評価点として選択する。次に、特定機能24eは、評価点を結ぶことで閉曲線候補を取得し、当該閉曲線候補に対して、閉曲線条件に関する項目の値を算出する。次に、特定機能24eは、複数の軸の一部又は全部において、選択する計測点を変更して評価点を再設定し、再設定後の評価点を結んだ閉曲線候補を取得し、当該閉曲線候補に対して閉曲線条件に関する項目の値を算出する。同様に、特定機能24eは、評価点の再設定、及び、閉曲線条件に関する項目の値の算出を繰り返し実行する。
【0070】
即ち、特定機能24eは、複数の軸のそれぞれに評価点を設定し、当該評価点を結ぶことで閉曲線候補を取得しつつ当該評価点の再設定を繰り返すことで、複数の閉曲線候補を取得する。また、特定機能24eは、当該複数の閉曲線候補それぞれについて、閉曲線条件に関する項目の値を算出する。
【0071】
特定機能24eは、計測点の全ての組み合わせを処理対象としてもよいし、一部の組み合わせのみを処理対象としてもよい。例えば、特定機能24eは、各軸上の端点から端点までの範囲における全ての計測点の組み合わせについて閉曲線条件に関する項目の値が算出されるまで、評価点の再設定を繰り返してもよい。或いは、特定機能24eは、予め定めた範囲に対してのみ評価点を再設定するように制御してもよい。例えば、特定機能24eは、端点から一定距離までの計測点のみを、評価点として再設定するように制御してもよい。また、特定機能24eは、一定の回数又は処理時間だけ繰り返した場合に、評価点の再設定を終了するように制御してもよい。
【0072】
そして、特定機能24eは、閉曲線条件に関する項目の値に基づいて、閉曲線条件を満たす閉曲線を特定する。例えば、図6Aに示したように「面積が最小」という条件を設定していた場合、特定機能24eは、評価点の再設定を繰り返すことで複数の閉曲線候補を取得し、複数の閉曲線候補それぞれについて面積を算出する。そして、特定機能24eは、複数の閉曲線候補のうち面積が最小となる閉曲線を、閉曲線条件を満たす閉曲線として特定する。
【0073】
また、例えば、図6Aに示したように「面積が10mm以下且つ円形度が0.8以上」という条件を設定していた場合、特定機能24eは、評価点の再設定を繰り返すことで複数の閉曲線候補を取得し、複数の閉曲線候補それぞれについて、面積及び円形度を算出する。そして、特定機能24eは、複数の閉曲線候補のうち「面積が10mm以下且つ円形度が0.8以上」の条件を満たす閉曲線を特定する。ここで、特定機能24eは、閉曲線条件を満たす閉曲線を複数特定してもよい。
【0074】
なお、特定機能24eは、評価点を再設定するごとに比較を行なってもよい。つまり、特定機能24eは、閉曲線条件に最も近い値を算出する閉曲線候補の情報(各評価点の位置及び閉曲線条件に関する項目の値など)を記録しておき、再設定した閉曲線候補における値と比較し、再設定した閉曲線候補における値の方が近い場合のみ、再設定した閉曲線候補における情報を記録し、比較された方の情報は削除する(上書き保存)方法でもよい。例えば、「面積が最小」という閉曲線条件が設定されており、ある閉曲線候補の面積がX1であり、再設定した閉曲線候補の面積がX2である場合、特定機能24eは、「X1>X2」であれば上書き保存を行ない、「X1≦X2」であれば再設定した閉曲線候補における情報を破棄することとしてもよい。
【0075】
また、特定機能24eは、閉曲線候補について算出した閉曲線条件に関する項目の値に応じて、評価点の再設定を繰り返すことにより、複数の閉曲線候補を取得することとしてもよい。例えば、特定機能24eは、ある軸上の評価点をある方向に移動させた後の値が、変える前の値より閉曲線条件から離れてしまっている場合に、該軸上の該方向への探索を終了してもよい。即ち、特定機能24eは、閉曲線条件に関する項目の値が閉曲線条件を充足し又は閉曲線条件に近付くように評価点を移動させることにより、複数の閉曲線候補を取得することとしてもよい。
【0076】
例えば、「面積が最小」という閉曲線条件が設定されている場合において、ある閉曲線候補について面積を算出した後、ある軸上の評価点をある方向に移動させた後の閉曲線候補の面積が大きくなった場合、特定機能24eは、当該方向への評価点の移動を終了する。これにより、特定機能24eは、計算量を削減するとともに、探索処理を高速化することができる。但し、この手法では、各評価点の初期位置に依存した結果になるため、初期位置は計測値が最良となり得る位置に設定することが好ましい。例えば、「面積が最小」という閉曲線条件が設定されており、僧帽弁が対象器官である場合、特定機能24eは、弁口付近や、芯線に垂直な断面のうち面積が一番小さい断面と軸が交差する位置などに、各評価点の初期位置を設定する。また、特定機能24eは、各評価点の初期位置を複数設定してもよい。例えば、特定機能24eは、複数の初期位置で同様の探索を行ない、各初期位置を使って探索した中で計測値が最良となる評価点の組み合わせを取得する。例えば、特定機能24eは、複数の初期位置のそれぞれについて面積が最小となる閉曲線を特定し、更に、特定した複数の閉曲線の中から面積が最小となる閉曲線を特定する。
【0077】
また、ステップS4の後にステップS5が実行される場合について説明したが、この点の処理順序については変更が可能である。例えば、特定機能24eは、軸設定機能24cによって設定された複数の軸のそれぞれに評価点を設定し、当該評価点に基づいて複数の閉曲線候補を取得する。次に、条件設定機能24dは、例えばユーザからの操作を受け付けることにより、閉曲線に関する条件を設定する。そして、特定機能24eは、閉曲線条件に基づいて、複数の軸に基づく閉曲線を特定する。即ち、処理回路24は、ユーザによる閉曲線条件の指定等が行われる前の時点で、複数の閉曲線候補を先行して計算しておくこととしてもよい。
【0078】
ここで、出力機能24fは、ステップS5で特定された閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域の表示を行なってもよい。例えば、出力機能24fは、図7Bに示したように計測点を表示させ、更に、特定された閉曲線を構成する評価点を表示してもよい。なお、図7Bにおいては、特定された閉曲線を構成する評価点を丸型の黒点で示す。例えば、閉曲線条件が「面積が最小」である場合、図7Bにおける丸型の点は、僧帽弁において面積が最小の閉曲線を示すものとなる。或いは、出力機能24fは、計測点の表示を省略し、特定された閉曲線を構成する評価点のみを表示させてもよい。
【0079】
また、出力機能24fは、図7Bの表示に加えて、例えば図8Aに示すように異なる角度の表示を行なってもよい。なお、図7Bが僧帽弁を上から見た図であるのに対して、図8Aは僧帽弁を横から見た図である。図8Aにおいては、特定された閉曲線を構成する評価点を丸型の黒点で示す。図8Aは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
【0080】
図7B及び図8Aでは、特定された閉曲線を構成する評価点や計測点の分布を示す3次元データを表示させる場合について説明したが、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、出力機能24fは、図8Bに示すように、3次元データから任意断面を選択し、2次元データとして表示させてもよい。図8Bは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。図8Bにおいては、特定された閉曲線を構成する評価点を丸形の黒点で示し、僧帽弁の前尖に位置する計測点を四角形の白点で示し、後尖に位置する計測点を三角形の白点で示す。
【0081】
即ち、出力機能24fは、特定された閉曲線を構成する評価点や計測点の任意断面上における分布を表示させることとしてもよい。当該任意断面の位置や角度については、予め設定されていてもよいし、ユーザが任意に変更できることとしてもよい。当該任意断面と、特定された閉曲線とが交差する場合、出力機能24fは、例えば図8Bに示すように、特定された閉曲線を構成する2つの評価点を表示させることができる。
【0082】
また、出力機能24fは、例えば図8Bに示すように、医用画像に対して、計測点、及び、特定された閉曲線を構成する評価点を対応付けて重畳表示させてもよい。例えば、出力機能24fは、僧帽弁を含む3次元画像から、僧帽弁を通る任意断面の2次元画像を生成し、当該2次元画像上の各位置に対して計測点や評価点を対応付けて重畳表示させる。また、出力機能24fは、例えば図8Cに示すように、医用画像に対して、計測点のみを対応付けて重畳表示させてもよい。図8Cは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。また、出力機能24fは、医用画像に対して、特定された閉曲線を構成する評価点のみを対応付けて重畳表示させてもよい。
【0083】
また、出力機能24fは、特定された閉曲線を任意断面上に投影して表示させることとしてもよい。例えば、出力機能24fは、まず、僧帽弁を含む3次元画像から、僧帽弁を通る任意断面の2次元画像を生成する。また、出力機能24fは、当該2次元画像に対して、当該任意断面上に位置する計測点を対応付けて重畳表示させる。更に、出力機能24fは、当該2次元画像に対して、特定された閉曲線を構成する評価点を投影して表示させる。即ち、出力機能24fは、特定された閉曲線を構成する各評価点が当該任意断面上に位置しているか否かに関わらず、当該任意断面と垂直な方向に投影を行なって、各評価点を当該2次元画像上に重畳表示させる。これにより、出力機能24fは、3次元空間において特定された閉曲線を2次元画像上に表示させることができる。なお、図8Dは、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
【0084】
出力機能24fは、ユーザからの指示に応じて、例えば図7B図8A図8B図8C図8D等の各種の表示を切り替えることとしてもよい。また、特定された閉曲線を表示させる場合について説明したが、出力機能24fは、特定された閉曲線に囲まれる領域を表示させることとしてもよい。例えば、出力機能24fは、特定された閉曲線を構成する評価点に代えて、特定された閉曲線により囲まれる平面乃至は曲面を表示させることとしてもよい。
【0085】
即ち、出力機能24fは、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域を表示させる。例えば、出力機能24fは、図8B等に示したように、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域を、医用画像と対応付けて表示させてもよい。また、例えば、出力機能24fは、図7B等に示したように、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域を、軸設定機能24cにより設定された複数の軸乃至は計測点と対応付けて表示させてもよい。ここで、出力機能24fは、図7B等に示したように、特定された閉曲線を構成する評価点と計測点とを異なる表示形態で表示させてもよい。
【0086】
ステップS5で特定された閉曲線を表示させることにより、医用画像処理装置20は、僧帽弁についての情報を提供することができる。例えば、「面積が最小」という閉曲線条件の下で閉曲線を特定していた場合、当該閉曲線の表示を参照することで、ユーザは、僧帽弁においてボトルネックとなっている箇所の形状や大きさなどを把握することができる。
【0087】
また、出力機能24fは、ステップ5で特定された閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域に関する計測値を算出し(ステップS6)、表示することとしてもよい(ステップS7)。例えば、出力機能24fは、特定された閉曲線の周囲長、当該閉曲線で囲まれる領域の面積、当該閉曲線の円形度などの計測値を算出することができる。また、出力機能24fは、特定された閉曲線を任意の方向に投影した2次元閉曲線に関する計測値を算出してもよい。また、出力機能24fは、特定された閉曲線を他の形状に近似してから計測値を算出してもよい。例えば、出力機能24fは、特定された閉曲線を楕円近似し、当該楕円について長径や短径等の計測値を算出してもよい。
【0088】
なお、閉曲線に関する計測値の一部は、ステップS5において既に算出されている場合がある。例えば、閉曲線条件が「面積が最小」であった場合、特定機能24eは、閉曲線条件を満たす閉曲線を特定するための処理の中で、当該閉曲線の面積を算出している。特定機能24eは、ステップS5において算出した計測値をメモリ21に記録しておき、出力機能24fは、メモリ21に記録された計測値を流用して、ステップS7の表示を行なってもよい。
【0089】
例えば、出力機能24fは、複数の項目について算出した計測値を、ディスプレイ22上に一覧表示する。ステップS5で特定された閉曲線を表示する場合、出力機能24fは、閉曲線と並べて又は重ねて、計測値を表示してもよい。例えば、出力機能24fは、図9に示すように、医用画像に対して、計測点、及び、特定された閉曲線を構成する評価点を対応付けて重畳表示させ、更に、「面積」、「周囲長」、「円形度」といった計測項目について算出した計測値を重ねて表示させる。なお、図9は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
【0090】
計測値を算出して表示させることにより、医用画像処理装置20は、僧帽弁についての情報を提供することができる。例えば、「面積が最小」という閉曲線条件の下で閉曲線を特定していた場合、当該閉曲線に関する計測値の表示を参照することで、ユーザは、僧帽弁においてボトルネックとなっている箇所の面積や周囲長、円形度などを数値として把握することができる。
【0091】
その他、表示形態については種々の変形が可能である。例えば、出力機能24fは、計測値の大きさに基づいて、表示する閉曲線や計測値の表示形態(色、形等)を変えてもよい。また、出力機能24fは、計測値を算出した心位相と計測値の大きさとの関係に基づいて表示形態を変更してもよいし、注意を促す画面を表示してもよい。例えば、閉曲線条件を「面積が最小」として閉曲線を特定していた場合において、当該閉曲線の収縮期における面積が大きい場合や拡張期における面積が小さい場合、僧帽弁に関する疾患の存在が疑われる。かかる場合、出力機能24fは、警告表示を行なったり、面積等の計測値を強調表示したりすることができる。
【0092】
また、出力機能24fは、特定された閉曲線乃至は領域を表示させるとともに、当該閉曲線乃至は領域と異なる角度の断面を表示させてもよい。例えば、出力機能24fは、3次元の医用画像から、特定された閉曲線と略平行な断面画像を生成して表示させるとともに、当該断面画像上に特定された閉曲線を表示させる。更に、出力機能24fは、例えば当該断面画像に直行する直行断面等を生成して表示させる。
【0093】
また、例えば、出力機能24fは、各種の解析画像を更に表示させてもよい。例えば、出力機能24fは、時系列的に収集された複数の医用画像に基づいて流体解析を行ない、例えば僧帽弁近傍における血流の流れ方向や流速等、流体の性質を計算する。また、出力機能24fは、計算した流体の性質を、例えばカラーマップで表示させる。更に、出力機能24fは、このようなカラーマップ上に、特定機能24eによって特定された閉曲線乃至は領域を表示させることもできる。
【0094】
これまで、僧帽弁を対象器官として説明したが、僧帽弁以外の弁についても同様に適用が可能である。また、弁に限らず、例えば血管、食道、気管、尿管、腸など、管状構造を有する各種の生体器官についても同様に適用が可能である。即ち、上述した実施形態は、血液や気体等の流体、乃至は固体が内部に流れる任意の生体器官について適用が可能である。
【0095】
一例を挙げると、取得機能24bは、冠動脈や脳動脈等の血管を含む医用画像を取得する。また、軸設定機能24cは、血管に基づいて複数の軸を設定する。例えば、軸設定機能24cは、医用画像に含まれる血管の一端に第1の閉曲線を設定し、他方の一端に第2の閉曲線を設定し、第1の閉曲線及び第2の閉曲線のそれぞれに複数の端点を設定する。そして、軸設定機能24cは、設定した複数の端点に基づいて、複数の軸を設定する。例えば、軸設定機能24cは、血管形状に沿って端点を結ぶことにより、複数の軸を設定する。
【0096】
ここで、血管は、狭窄部位を有する場合がある。例えば、図10に示すように、冠動脈や脳動脈等の血管内には、プラークH1やプラークH2等の血管内構造物による狭窄が生じている場合がある。かかる場合、軸設定機能24cは、血管形状及び血管内構造物の形状に沿って、複数の軸を設定する。即ち、軸設定機能24cは、第1の閉曲線に設定した端点と第2の閉曲線に設定した端点とを、血管乃至は血管内構造物に沿って結ぶことにより、複数の軸を設定する。なお、図10は、第1の実施形態に係る血管内狭窄部位の一例を示す図である。
【0097】
また、条件設定機能24dは、血管に対応する閉曲線に関する閉曲線条件を設定する。また、特定機能24eは、閉曲線条件に基づいて、設定された複数の軸に基づく閉曲線を特定する。例えば、閉曲線条件が「面積が最小」である場合、特定機能24eは、設定された複数の軸を全て通り且つ面積が最小となる閉曲線を特定する。ここで、複数の軸を全て通る閉曲線は、例えば図10に示す血管内の複数の位置に設定される。例えば、数の軸を全て通る閉曲線は、径G1を長径とする領域、径G2を長径とする領域、径G3を長径とする領域等に設定される。ここで、特定機能24eは、径G3を長径とする領域に設定された閉曲線を、面積が最小となる閉曲線として特定することできる。即ち、特定機能24eは、ボトルネック領域として、径G3を長径とする領域を特定することができる。
【0098】
図10に示すように、プラーク等の存在によって、血管内の形状は複雑になっている場合がある。ここで、例えば血管の芯線に沿って各位置の直交断面積を評価する場合、径G1や径G2を長径とする領域をボトルネック領域と誤判定してしまうおそれがある。これに対し、医用画像処理装置20は、複数の軸を設定することにより、例えば径G3を長径とする領域のように血管の芯線に対して傾いた閉曲線についても評価を行ない、ボトルネック領域を適切に特定することができる。
【0099】
上述したように、第1の実施形態によれば、取得機能24bは、管状構造を有する生体器官乃至は弁を含む医用画像を取得する。また、軸設定機能24cは、管状構造を有する生体器官乃至は弁に基づいて複数の軸を設定する。また、条件設定機能24dは、管状構造を有する生体器官乃至は弁に対応する閉曲線に関する閉曲線条件を設定する。また、特定機能24eは、閉曲線条件に基づいて、軸設定機能24cにより設定された複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。従って、第1の実施形態に係る医用画像処理装置20は、管状構造を有する生体器官乃至は弁についての情報を提供することができる。
【0100】
例えば僧帽弁の場合、弁の先端の面積が最も小さければボトルネックの特定は容易であるものの、僧帽弁の形状は様々であり、先端と弁輪との間の領域がボトルネックとなる場合もある。即ち、面積が最も小さくなる閉曲線は、弁尖の先端ではなく、その面上に位置している場合がある。或いは、面積が最も小さくなる閉曲線は、その一部は弁尖の先端を通り、他の部分は弁尖の面上に位置している場合がある。このように、医用画像に基づいて僧帽弁の形状情報を得ることはできても、ボトルネックの面積等の情報を得ることは容易ではなかった。これに対し、医用画像処理装置20は、複雑な形状の器官についても適切に閉曲線の特定を行ない、その情報を提供することができる。
【0101】
なお、僧帽弁は、前尖及び後尖の2つの弁尖から構成される。このように、血管や弁などの生体器官は、複数の領域に分割できる場合がある。医用画像処理装置20は、生体器官を一つの領域として処理してもよいし、注目領域の中で特徴的な領域や特性の異なる領域を分けて処理してもよい。
【0102】
例えば、図2のステップS2において、軸設定機能24cは、血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割し、領域ごとに注目領域を取得してもよい。例えば、軸設定機能24cは、僧帽弁の前尖と後尖との2つの弁葉を別の領域として分けて取得する。即ち、軸設定機能24cは、血管や弁などの生体器官の解剖学的特徴乃至は構造に基づいて分割を行なう。ここで、出力機能24fは、取得された複数の注目領域をディスプレイ22に表示させてもよい。また、出力機能24fは、例えば前尖に基づく注目領域と後尖に基づく注目領域とで色を変える等、複数の注目領域を異なる表示条件で表示するように制御してもよい。また、出力機能24fは、ユーザの指示により、複数の注目領域のうちの一部だけを表示するように制御してもよい。
【0103】
また、例えば、ステップS3において、軸設定機能24cは、血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割し、領域ごとに異なる基準で、複数の軸を設定してもよい。即ち、軸設定機能24cは、設定する軸の本数や間隔等を、前尖や後尖等の各領域について設定してもよい。例えば、軸設定機能24cは、前尖には6本、後尖には4本の軸が設定されるように制御を行なうことができる。
【0104】
また、例えば、ステップS4において、条件設定機能24dは、血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割し、領域ごとに閉曲線条件を設定してもよい。例えば、条件設定機能24dは、各線分を曲線近似してその曲率を設定してもよい。または、例えば、条件設定機能24dは、閉曲線で囲まれる領域を前尖側の領域と後尖側の領域との2つの領域に分け、それぞれの面積を閉曲線条件として設定してもよい。
【0105】
また、例えば、ステップS5において、特定機能24eは、血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割し、領域ごとに異なる基準で、閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定してもよい。例えば、特定機能24eは、評価点を再設定する位置を決める条件を前尖側の軸における評価点と後尖側の軸における評価点とで異なる条件にしてもよい。例えば、前尖側は再設定せず、後尖側のみを再設定するように制御してもよい。また、例えば、一定回数で繰り返し処理を中止する場合において、特定機能24eは、後尖側の再設定の回数を前尖側の回数に比して多くなるように制御してもよい。
【0106】
また、例えば、ステップS6及びステップS7において、出力機能24fは、血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割し、領域ごとに計測値を算出してもよい。例えば、出力機能24fは、図11に示すように、前尖周囲長及び後尖周囲長のそれぞれを算出して、表示させてもよい。また、出力機能24fは、領域ごとに異なる表示態様で、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域を表示させてもよい。例えば、出力機能24fは、図11に示すように、前尖側の軸における評価点と後尖側の軸における評価点とで形状が異なるように、閉曲線を表示させてもよい。なお、図11においては、特定された閉曲線における前尖側の評価点を四角形の黒点で示し、後尖側の評価点を三角形の黒点で示す。図11は、第1の実施形態に係る表示例を示す図である。
【0107】
血管や弁などの生体器官を複数の領域に分割して処理する方法は、図2のステップS2~S7のいずれか1つにだけ適用してもよいし、複数又は全部に適用してもよい。
【0108】
また、上述した実施形態では、図4Aのフローチャートに沿って、複数の軸を設定する場合について説明した。即ち、僧帽弁等の一端に第1の閉曲線を設定し、他方の一端に第2の閉曲線を設定し、第1の閉曲線及び第2の閉曲線のそれぞれに複数の端点を設定し、複数の端点に基づいて複数の軸を設定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。
【0109】
例えば、軸設定機能24cは、所定の複数の断面を用いて、複数の軸を設定してもよい。例えば、軸設定機能24cは、図12に示すUIを用いて複数の軸を設定する。なお、図12は、所定の複数の断面が放射状に定義される場合を示す。即ち、軸設定機能24cは、断面P1~P4のような放射状の断面を定義して、断面と注目領域との交わる位置に基づいて、複数の軸を設定する。なお、断面P1~P4は、それぞれ、奥行き方向に長さを有する2次元平面である。放射状の断面の中心位置については、ユーザが手動で設定してもよいし、予め定めた基準に基づいて設定してもよい。例えば、放射状の断面の中心位置については、表示画面の中央としてもよいし、注目領域の重心や先端閉曲線又は弁輪閉曲線の重心又は中心としてもよい。但し、当該放射状の断面の中心位置は注目領域の内部に設定することが望ましいため、軸設定機能24cは、注目領域の外部には設定できないように制御してもよい。なお、図12は、第1の実施形態に係る軸の設定方法の一例を示す図である。
【0110】
また、軸設定機能24cは、断面を設定する方向を決定する。例えば、断面を設定する方向は、表示画面の手前側から奥側の方向としてもよいし、先端閉曲線の重心又は中心から弁輪閉曲線の重心又は中心に向かう方向としてもよい。
【0111】
また、軸設定機能24cは、設定する断面の数に関する情報を設定する。断面の数は、予め定めておいてもよいし、例えば図12のUI等を用いて適宜設定できるようにしてもよい。なお、図12は、断面の数として、断面P1~P4の4断面が設定されている場合を示す。或いは、断面の数でなく、断面間の角度を設定できるようにしてもよい。そして、軸設定機能24cは、設定した数の断面、又は、設定した断面間の角度に最も近く且つ等間隔で設定できる数の断面を設定する。即ち、断面間の角度を設定した場合は、「180度」を設定した角度で除して、小数点以下を切り捨てた数が断面の数になる。例えば、断面間の角度として「45度」が設定された場合は、図12に示すように、4断面が設定される。即ち、図12に示す場合、軸設定機能24cは、断面の数又は断面間の角度の入力を受け付けることで、所定の複数の断面を定義することできる。
【0112】
また、軸設定機能24cは、断面を設定した後、ユーザが断面を移動させたり、削除乃至は追加したりできるように制御してもよい。例えば、出力機能24fは、設定された断面をディスプレイ22に表示させ、軸設定機能24cは、例えばマウスポインタMの操作に基づいて、断面に対するユーザ操作を受け付ける。なお、軸設定機能24cは、隣り合う断面を超えて移動できないように制御してもよい。
【0113】
そして、放射状の断面の位置や数などが確定した後、軸設定機能24cは、これらの断面と注目領域との交差位置に基づいて、複数の軸を設定する。即ち、軸設定機能24cは、放射状に定義された複数の断面を用いて、複数の軸を設定する。例えば、軸設定機能24cは、各断面と先端閉曲線又は弁輪閉曲線との交点を端点とし、これらの端点に基づいて複数の軸を設定する。例えば、軸設定機能24cは、先端閉曲線における端点と弁輪閉曲線における端点とを注目領域の形状に沿って結ぶことで、複数の軸を設定する。
【0114】
また、図6A及び図6Bでは、閉曲線条件をユーザが直接的に入力することで、閉曲線条件を設定する場合について説明した。例えば、図6Aでは、「周囲長」、「面積」、「円形度」などから閉曲線条件を選択するものとして説明した。しかしながら、ユーザは、これら閉曲線条件と臨床的意味との対応関係を把握できていない場合がある。
【0115】
そこで、条件設定機能24dは、各閉曲線条件の臨床的意味をユーザに提示し、ユーザから臨床的意味の選択を受け付けることにより、閉曲線条件を設定してもよい。例えば、出力機能24fは、図13Aに示すように、面積が最小となることの臨床的意味「血流のボトルネックとなる領域の大きさ」、円形度が最大となることの臨床的意味「血流の通りやすさ」、周囲長が最大となることの臨床的意味「弁口の広がり具合」などをテーブルで表示させる。また、例えば、出力機能24fは、図13Bに示すように、マウスポインタMを介して受け付けたユーザ操作に基づいて、複数の臨床的意味をプルダウン表示させる。そして、ユーザは、複数の臨床的意味のうち関心のあるものを選択し、条件設定機能24dは、選択された臨床的意味に対応する閉曲線条件を設定する。即ち、図13Aに示す場合、出力機能24fは、臨床的意味と前記条件との組み合わせを複数表示させ、条件設定機能24dは、表示された複数の組み合わせに対するユーザ操作に基づいて閉曲線条件を設定することができる。また、図13Bに示す場合、出力機能24fは、複数の臨床的意味をプルダウン表示させ、条件設定機能24dは、プルダウン表示に対するユーザ操作に基づいて閉曲線条件を設定することができる。なお、図13A及び図13Bは、第1の実施形態に係る閉曲線条件の設定方法の一例を示す図である。
【0116】
(第2の実施形態)
第2の実施形態では、時系列の複数の医用画像が取得される場合に、当該複数の医用画像に基づいて閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域の特定を行なう場合について説明する。即ち、第2の実施形態では、異なる複数の時点において撮像された複数の画像の情報に基づいて閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する場合について説明する。第2の実施形態に係る医用画像処理システム1は、図1に示した医用画像処理システム1と同様の構成を有し、軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fによる処理の一部が相違する。以下、上述の実施形態において説明した点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0117】
例えば、図2に示したステップS1において、取得機能24bは、時系列の複数の医用画像を取得する。例えば、取得機能24bは、僧帽弁を含んだ複数の医用画像であって、心位相が異なる複数の医用画像を取得する。また、ステップS2において、軸設定機能24cは、複数の医用画像のそれぞれについて注目領域を取得する。また、ステップS3において、軸設定機能24cは、複数の医用画像のそれぞれについて、複数の軸を設定する。なお、各医用画像に対して設定する軸の本数などの条件は同一にすることが望ましい。
【0118】
また、ステップS4において、条件設定機能24dは、複数の医用画像に基づく条件を閉曲線条件として設定する。このような条件の例としては、「医用画像間における閉曲線の変動量が最小(又は最大)」、「医用画像間における面積の変化量が最小(又は最大)」、「複数の医用画像における面積の平均値が最小(又は最大)」などを挙げることができる。
【0119】
また、ステップS5において、特定機能24eは、各軸における評価点を、医用画像間において対応付ける。例えば、特定機能24eは、全ての医用画像において同一の条件で同一の数の計測点を設定し、対応する計測点を、医用画像間において対応付ける。別の例を挙げると、特定機能24eは、基準の医用画像に計測点を設定し、基準の医用画像と他の医用画像の間で位置合わせを行うことで、基準の医用画像の計測点と対応する位置を他の医用画像の計測点としてもよい。なお、医用画像ごとに僧帽弁の形状は変化するため、医用画像ごとに計測点同士の距離や位置関係は変化することとなる。そして、特定機能24eは、各医用画像における対応した閉曲線に基づいて、複数の医用画像に基づいた閉曲線条件に関する項目の値を算出する。また、特定機能24eは、評価点の再設定、及び、閉曲線条件に関する項目の値の算出の処理を繰り返すことで、閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。
【0120】
また、出力機能24fは、ステップS6において計測値を算出し、ステップS7において計測値の表示を行なう。ここで、出力機能24fが算出する計測値は、例えば「医用画像間における閉曲線の変動量」のように複数の医用画像に基づいて算出されるものであってもよいし、例えば「閉曲線の面積」のように1つの医用画像に基づいて算出されるものであってもよい。
【0121】
(第3の実施形態)
血管や弁などの生体器官には、特徴的な点又は構造が含まれる場合がある。第3の実施形態では、このような特徴的な点又は構造を考慮した処理を行なう場合について説明する。第3の実施形態に係る医用画像処理システム1は、図1に示した医用画像処理システム1と同様の構成を有し、軸設定機能24c、条件設定機能24d、特定機能24e及び出力機能24fによる処理の一部が相違する。以下、上述の実施形態において説明した点については、図1と同一の符号を付し、説明を省略する。
【0122】
例えば、図2に示したステップS2において、軸設定機能24cは、注目領域を取得するとともに、特徴的な点又は構造を特定する。ここで、特徴的な点又は構造とは、例えば、僧帽弁の前尖と後尖の交連部(Commissure)の位置や、僧帽弁に関連する位置である繊維三角(Trigone)の位置、または心尖部や大動脈弁の中心位置などである。例えば、軸設定機能24cは、上述した既知の領域抽出技術によって、特徴的な点又は構造を特定することができる。軸設定機能24cは、注目領域の取得及び特徴的な点又は構造の特定を同じ手法で同時に実施してもよいし、異なる手法を用いて別々に実施してもよい。
【0123】
例えば、軸設定機能24cは、ステップS3において軸を設定する際、特徴的な点又は構造を利用することができる。即ち、軸設定機能24cは、特徴的な点又は構造に更に基づいて、複数の軸を設定することができる。以下、図4のフローチャートに沿って軸を設定する場合について説明する。例えば、ステップS31の一例として、所定の方向に対する各画素列において最も下端又は上端に位置する画素を、先端形状D1及び弁輪形状D2として特定する場合について説明した。ここで、軸設定機能24cは、特徴的な点又は構造に基づいて、当該所定の方向を特定することができる。また、ステップS32の一例として、基準点に基づいて起点の設定を行ない、当該起点から複数の端点を設定する場合について説明した。ここで、軸設定機能24cは、特徴的な点又は構造に基づいて基準点や起点を設定することができる。
【0124】
また、特定機能24eは、ステップS5において閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する際、特徴的な点又は構造を利用することができる。即ち、特定機能24eは、特徴的な点又は構造に更に基づいて、閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定することができる。例えば、まず、ステップS4において、条件設定機能24dは、特徴的な点又は構造の位置の利用の有無を閉曲線条件として設定する。例えば、条件設定機能24dは、チェックボックス等のUIを介してユーザ操作を受け付けることにより、特徴的な点又は構造の位置の利用の有無を設定することができる。そして、特定機能24eは、閉曲線条件に基づき、特徴的な点又は構造を通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する。例えば、特定機能24eは、軸設定機能24cが設定した全ての軸を通り、且つ、2つの交連部を通り、且つ、周囲長が最小となる閉曲線を特定する。また、例えば、特定機能24eは、閉曲線を特定する際、各軸上を移動させる評価点の探索範囲を特徴的な点又は構造の位置(座標)に基づいて設定してもよい。例えば、特定機能24eは、2つ交連部と2つの繊維三角との4つの点で囲まれる領域でのみ、評価点を移動するように制御してもよい。
【0125】
また、出力機能24fは、特徴的な点又は構造をユーザが認識できるように表示を行なってもよい。例えば、注目領域や軸、評価点、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域、当該閉曲線乃至は当該領域に関する計測値等を表示する際、特徴的な点又は構造の位置も併せて表示することができる。例えば、出力機能24fは、他の評価点や領域などと異なる表示形態(色、形)を用いて、特徴的な点又は構造を表示させることができる。
【0126】
(第4の実施形態)
さて、これまで第1~第3の実施形態について説明したが、上述した実施形態以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。
【0127】
例えば、上述した実施形態では、注目領域を取得し、当該注目領域上に軸を設定する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、軸設定機能24cは、注目領域の取得を省略し、取得機能24bによって取得された医用画像から直接的に、複数の軸を設定してもよい。
【0128】
例えば、軸設定機能24cは、深層学習等の機械学習技術によって、注目領域を取得することなく、複数の軸を設定することができる。一例を挙げると、軸設定機能24cは、まず、第1の実施形態で説明した通り、医用画像から注目領域を取得し、当該注目領域に基づいて前記複数の軸を設定する。また、軸設定機能24cは、当該医用画像と、設定した複数の軸との組み合わせを、学習用データとして多数収集する。また、軸設定機能24cは、医用画像を入力側データ、設定した複数の軸を出力側データとする機械学習を実行して、学習済みモデルを生成する。かかる学習済みモデルは、医用画像の入力を受けて複数の軸を設定するように機能付けられる。そして、取得機能24bが新たに医用画像を取得した際、軸設定機能24cは、かかる学習済みモデルに対して医用画像を入力することにより、注目領域を取得することなく、複数の軸を設定することができる。即ち、図2に示したステップS2については省略が可能である。また、上述した計測点についても同様に、注目領域を取得することなく設定することが可能である。
【0129】
例えば、上述した実施形態では、複数の軸をその都度生成する場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではなく、軸設定機能24cは、複数の所定の軸を変形することにより、複数の軸を設定してもよい。
【0130】
例えば、軸設定機能24cは、図14に示す筒状モデルを事前に取得し、メモリ21に記憶させる。当該筒状モデルには、任意の条件に基づいて、複数の軸が設定されている。即ち、当該筒状モデルは、複数の所定の軸の一例である。図14に示す場合、当該筒状モデルには、高さ方向に沿って直線状の10本の軸が設定されている。なお、図14は、第4の実施形態に係る軸の設定方法について説明するための図である。
【0131】
例えば、取得機能24bが新たに医用画像を取得した際、軸設定機能24cは、メモリ21から筒状モデルを読み出し、僧帽弁等の生体器官の構造に合わせて変形を行なう。例えば、軸設定機能24cは、読み出した筒状モデルと、僧帽弁等の生体器官を含む医用画像とを位置合わせすることで、複数の軸を設定する。即ち、軸設定機能24cは、複数の所定の軸と、僧帽弁等の生体器官との位置合わせ結果に基づいて、変形を行なう。例えば、軸設定機能24cは、医用画像から注目領域を取得し、当該注目領域の形状に合わせこむように筒状モデルを位置合わせする。なお、位置合わせの手法としては、既知の変形位置合わせ手法を用いることができる。例えば、軸設定機能24cは、ICP(Iterative Closest Point)等の格子点同士を位置合わせする手法によって、筒状モデルを医用画像と位置合わせすることができる。また、軸設定機能24cは、既に軸の設定された画像を用いて画像間位置合わせすることによって、軸を設定することもできる。この場合は、画像間の位置合わせには、例えば、FFD(Free-Form Deformation)手法やLDDMM(Large Deformation Diffeomorphic Metric Mapping)手法などの既知の手法を用いることができる。
【0132】
また、上述した実施形態では、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域に基づいてディスプレイ22の表示を行なう場合について説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、出力機能24fは、特定機能24eにより特定された閉曲線乃至は領域を外部装置に送信してもよい。この場合、当該外部装置において閉曲線乃至は領域の表示を行なったり、各種計測値の算出及び表示を行なったりすることができる。
【0133】
上記説明において用いた「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサは記憶回路に保存されたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。一方、プロセッサが例えばASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。さらに、各図における複数の構成要素を1つのプロセッサへ統合してその機能を実現するようにしてもよい。
【0134】
また、図1においては、単一のメモリ21が処理回路24の各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明した。しかしながら、実施形態はこれに限定されるものではない。例えば、複数のメモリ21を分散して配置し、処理回路24は、個別のメモリ21から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。また、メモリ21にプログラムを保存する代わりに、プロセッサの回路内にプログラムを直接組み込むよう構成しても構わない。この場合、プロセッサは回路内に組み込まれたプログラムを読み出し実行することで機能を実現する。
【0135】
上述した実施形態に係る各装置の各構成要素は機能概念的なものであり、必ずしも物理的に図示の如く構成されていることを要しない。即ち、各装置の分散・統合の具体的形態は図示のものに限られず、その全部又は一部を、各種の負荷や使用状況などに応じて、任意の単位で機能的又は物理的に分散・統合して構成することができる。更に、各装置にて行われる各処理機能は、その全部又は任意の一部が、CPU及び当該CPUにて解析実行されるプログラムにて実現され、あるいは、ワイヤードロジックによるハードウェアとして実現されうる。
【0136】
また、上述した実施形態で説明した医用画像処理方法は、予め用意されたプログラムをパーソナルコンピュータやワークステーション等のコンピュータで実行することによって実現することができる。このプログラムは、インターネット等のネットワークを介して配布することができる。また、このプログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD-ROM、MO、DVD等のコンピュータで読み取り可能な非一過性の記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
【0137】
以上説明した少なくとも1つの実施形態によれば、管状構造を有する生体器官乃至は弁についての情報を提供することができる。
【0138】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行なうことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【0139】
以上の実施形態に関し、発明の一側面および選択的な特徴として以下の付記を開示する。
(付記1)
血管乃至は弁を含む医用画像を取得する取得部と、
前記血管乃至は弁に基づいて複数の軸を設定する軸設定部と、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する条件設定部と、
前記条件に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する特定部と
を備える、医用画像処理装置。
(付記2)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁に基づいて前記医用画像から注目領域を取得し、当該注目領域に基づいて前記複数の軸を設定してもよい。
(付記3)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに前記注目領域を取得してもよい。
(付記4)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁の一端に第1の閉曲線を設定し、他方の一端に第2の閉曲線を設定し、前記第1の閉曲線及び前記第2の閉曲線のそれぞれに複数の端点を設定し、当該複数の端点に基づいて前記複数の軸を設定してもよい。
(付記5)
前記複数の軸は、前記血管乃至は弁の形状に沿って設定されてもよい。
(付記6)
前記医用画像は、血管を含み、
前記軸設定部は、前記第1の閉曲線に設定した端点と前記第2の閉曲線に設定した端点とを、前記血管乃至は血管内構造物に沿って結ぶことにより、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記7)
前記軸設定部は、前記第1の閉曲線及び前記第2の閉曲線に異なる数の前記端点を設定してもよい。
(付記8)
前記軸設定部は、複数の前記端点を順に設定する際の起点、及び、複数の前記端点を設定する際の条件の入力を受け付けることによって、前記第1の閉曲線及び前記第2の閉曲線のそれぞれに複数の前記端点を設定してもよい。
(付記9)
前記軸設定部は、記第1の閉曲線及び前記第2の閉曲線の表示に対するユーザ操作を、前記起点の入力として受け付けてもよい。
(付記10)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁における特徴的な点又は構造に更に基づいて、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記11)
前記軸設定部は、所定の複数の断面を用いて、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記12)
前記所定の複数の断面は、放射状に定義されてもよい。
(付記13)
前記軸設定部は、断面の数又は断面間の角度の入力を受け付けることで、前記所定の複数の断面を定義してもよい。
(付記14)
前記軸設定部は、医用画像の入力を受けて複数の軸を設定するように機能付けられた学習済みモデルを用いて、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記15)
前記軸設定部は、複数の所定の軸を変形することにより、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記16)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁の構造に合わせて前記変形を行なってもよい。
(付記17)
前記軸設定部は、所定の軸と前記血管乃至は弁との位置合わせ結果に基づいて前記変形を行なってもよい。
(付記18)
前記複数の所定の軸は、筒状モデルであってもよい。
(付記19)
前記特定部は、前記複数の軸を全て通る複数の閉曲線候補を取得し、取得した複数の閉曲線候補それぞれについて前記条件に関する項目の値を算出し、当該値に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定してもよい。
(付記20)
前記特定部は、前記複数の軸のそれぞれに評価点を設定し、当該評価点を結ぶことで前記閉曲線候補を取得してもよい。
(付記21)
前記特定部は、前記値に応じて前記評価点の再設定を繰り返すことにより、前記複数の閉曲線候補を取得してもよい。
(付記22)
前記特定部は、前記値が前記条件を充足し又は前記値が前記条件に近付くように前記評価点を移動させることにより、前記複数の閉曲線候補を取得してもよい。
(付記23)
前記特定部は、前記血管乃至は弁における特徴的な点又は構造に更に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定してもよい。
(付記24)
前記取得部は、時系列の複数の前記医用画像を取得し、
前記条件設定部は、当該複数の医用画像に基づく前記条件を設定し、
前記特定部は、前記条件に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定してもよい。
(付記25)
前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域に基づく出力を行なう出力部を更に備えてもよい。
(付記26)
前記出力部は、前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域を表示させてもよい。
(付記27)
前記出力部は、前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域を、前記医用画像と対応付けて表示させてもよい。
(付記28)
前記出力部は、前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域を、前記複数の軸乃至は計測点と対応付けて表示させてもよい。
(付記29)
前記出力部は、前記特定部により特定された閉曲線を構成する評価点と前記計測点とを異なる表示形態で表示させてもよい。
(付記30)
前記出力部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに異なる表示態様で、前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域を表示させてもよい。
(付記31)
前記出力部は、前記特定部により特定された閉曲線乃至は領域に関する計測値を表示させてもよい。
(付記32)
前記出力部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに前記計測値を算出して表示させてもよい。
(付記33)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに異なる基準で、前記複数の軸を設定してもよい。
(付記34)
前記軸設定部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに前記条件を設定してもよい。
(付記35)
前記特定部は、前記血管乃至は弁を複数の領域に分割し、当該領域ごとに異なる基準で、当前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定してもよい。
(付記36)
前記条件設定部は、臨床的意味の選択をユーザから受け付け、選択された臨床的意味に対応する前記条件を設定してもよい。
(付記37)
前記臨床的意味と前記条件との組み合わせを複数表示させる出力部を備え、
前記条件設定部は、前記組み合わせに対するユーザ操作に基づいて前記条件を設定してもよい。
(付記38)
複数の臨床的意味をプルダウン表示させる出力部を備え、
前記条件設定部は、プルダウン表示に対するユーザ操作に基づいて前記条件を設定してもよい。
(付記39)
前記条件設定部は、前記条件の項目及び内容をそれぞれ複数表示させ、当該項目及び当該内容についてユーザからの選択を受け付け、受け付けた項目及び内容に基づいて前記条件を設定してもよい。
(付記40)
前記条件設定部は、前記条件の項目を複数表示させてユーザからの選択を受け付け、受け付けた項目における内容の入力を更に受け付けることで、前記条件を設定してもよい。
(付記41)
前記分解は、前期血管乃至は弁の解剖学的特徴乃至は構造に基づくことを特徴としてもよい。
(付記42)
前記条件設定部は、前記条件として、閉曲線の周囲長、閉曲線で囲まれる領域の面積、閉曲線の円形度、及び、閉曲線に内接する球の直径のうち少なくとも1つを設定してもよい。
(付記43)
前記特定部は、前記条件に基づいて、前記複数の軸を全て通る閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する、請求項1~15に記載の医用画像処理装置。
(付記44)
管状構造を有する生体器官乃至は弁を含む医用画像を取得する取得部と、
前記生体器官乃至は弁に基づいて複数の軸を設定する軸設定部と、
前記生体器官乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定する条件設定部と、
前記条件に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する特定部と
を備える、医用画像処理装置。
(付記45)
血管乃至は弁を含む医用画像を取得し、
前記血管乃至は弁に基づいて複数の軸を設定し、
前記血管乃至は弁に対応する閉曲線に関する条件を設定し、
前記条件に基づいて、前記複数の軸に基づく閉曲線乃至は当該閉曲線に囲まれる領域を特定する
ことを含む、医用画像処理方法。
(付記46)
上記の医用画像処理装置の各構成をコンピュータに実行させるプログラム。
【符号の説明】
【0140】
1 医用画像処理システム
10 医用画像診断装置
20 医用画像処理装置
21 メモリ
22 ディスプレイ
23 入力インタフェース
24 処理回路
24a 制御機能
24b 取得機能
24c 軸設定機能
24d 条件設定機能
24e 特定機能
24f 出力機能
30 画像保管装置
図1
図2
図3
図4A
図4B
図4C
図4D
図5A
図5B
図6A
図6B
図7A
図7B
図8A
図8B
図8C
図8D
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14