(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】磁気共鳴イメージングシステム、および電力制御方法
(51)【国際特許分類】
A61B 5/055 20060101AFI20240508BHJP
G01N 24/00 20060101ALI20240508BHJP
H02J 9/08 20060101ALI20240508BHJP
H02J 9/06 20060101ALI20240508BHJP
H02J 9/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61B5/055 370
A61B5/055 360
A61B5/055 331
G01N24/00 600H
G01N24/00 600D
G01N24/00 610Y
H02J9/08
H02J9/06 120
H02J9/00 150
(21)【出願番号】P 2020186623
(22)【出願日】2020-11-09
【審査請求日】2023-08-23
(73)【特許権者】
【識別番号】594164542
【氏名又は名称】キヤノンメディカルシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003708
【氏名又は名称】弁理士法人鈴榮特許綜合事務所
(72)【発明者】
【氏名】橋爪 洋平
(72)【発明者】
【氏名】吉田 智幸
(72)【発明者】
【氏名】中林 和人
【審査官】下村 一石
(56)【参考文献】
【文献】独国実用新案第202016006654(DE,U1)
【文献】特開2013-144099(JP,A)
【文献】特開2003-336921(JP,A)
【文献】特開2000-270497(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 5/055
G01R 33/20-33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁気共鳴イメージング装置に電気的に接続された商用電源の停電時において前記磁気共鳴イメージング装置へ電力を供給する第1の補助電源と、
前記第1の補助電源に対して電気的に直列に接続され、前記磁気共鳴イメージング装置へ前記電力を供給する少なくとも一つの第2の補助電源と、
前記第1の補助電源と前記少なくとも一つの第2の補助電源とから前記磁気共鳴イメージング装置への給電状態を判定する判定部と、
前記給電状態の判定結果に基づいて、
前記商用電源の停電時に前記磁気共鳴イメージング装置における消費電力の制御を実行する電力制御部と、
を備え
、
前記判定部は、前記第1の補助電源からの停電信号または通電信号と、前記第2の補助電源からの給電信号の有無とに基づいて、前記商用電源の停電の有無を判定する磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項2】
静磁場を発生する超電導コイルを冷却する冷却部をさらに備え、
前記電力制御部は、前記停電時において、前記第1の補助電源または前記第2の補助電源から前記冷却部と前記判定部と前記電力制御部とに、前記電力を供給する、
請求項1に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項3】
前記第1の補助電源は、前記商用電源の停電時において、前記冷却部に電気的に接続される、
請求項2に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項4】
前記冷却部は、前記超電導コイルの冷却に関する冷媒を冷却する冷凍機と、前記冷凍機の冷却に関する熱交換器とを有する、
請求項2または3に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項5】
前記第1の補助電源は、無停電電源装置である、
請求項1乃至4のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項6】
前記第2の補助電源は、無停電電源装置、もしくは、発電機である、
請求項1乃至5のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項7】
前記第1の補助電源は、前記商用電源の非停電時において、前記商用電源と電気的に接続され、前記商用電源から給電される、
請求項1乃至6のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項8】
前記商用電源と前記磁気共鳴イメージング装置との間における電気的な経路の途中に設けられ、前記商用電源の停電の発生時点から所定時間の経過を契機として、前記磁気共鳴イメージング装置への電力の供給元を、前記商用電源から前記第2の補助電源に切り替える切り替え盤をさらに備え、
前記第1の補助電源は、
前記停電の発生時点において、前記停電に関する停電信号を前記判定部と前記電力制御部とへ出力し、
前記商用電源が非停電である場合および前記供給元が前記商用電源から前記第2の補助電源へ切り替えられた場合、通電信号を前記判定部へ出力し、
前記第2の補助電源は、前記供給元が前記商用電源から前記第2の補助電源へ切り替えられた場合、前記第2の補助電源から前記磁気共鳴イメージング装置への電力の供給を示す給電信号を、前記切り替え盤を介して前記判定部へ出力し、
前記判定部は、前記停電信号または前記通電信号と、前記給電信号の有無とに基づいて、前記商用電源の停電の有無を判定し、
前記電力制御部は、前記停電信号を受信した場合および前記判定部により停電ありと判定された場合、静磁場を発生する超電導コイルを冷却する冷却部と前記判定部と前記電力制御部とに前記電力を供給する、
請求項1乃至7のうちいずれか一項に記載の磁気共鳴イメージングシステム。
【請求項9】
磁気共鳴イメージング装置に電気的に接続された商用電源の停電時において前記磁気共鳴イメージング装置へ電力を供給する第1の補助電源と、前記第1の補助電源に電気的に直列に接続され、前記磁気共鳴イメージング装置へ前記電力を供給する少なくとも一つの第2の補助電源とから前記磁気共鳴イメージング装置への給電状態を判定し、
前記給電状態の判定結果に基づいて、
前記商用電源の停電時に前記磁気共鳴イメージング装置における消費電力の制御を実行すること、
を備え
、
前記第1の補助電源からの停電信号または通電信号と、前記第2の補助電源からの給電信号の有無とに基づいて、前記商用電源の停電の有無を判定する電力制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書及び図面に開示の実施形態は、磁気共鳴イメージングシステムおよび電力制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、大型台風などの自然災害により、大規模停電が発生する可能性が高まっている。大規模停電が発生すると、停電期間が1週間以上に及ぶことがある。このとき、超電導磁石を用いた磁気共鳴イメージング装置(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)装置と呼ぶ)において、クエンチが発生する可能性が高くなる。クエンチの発生への対応として、発電機などの非常用電源により、MRI装置の電源の電力補償が実施されることがある。例えば、無停電電源装置(以下、UPS(Unintrerruptible Power Supply)と呼ぶ)を用いて、停電発生時にUPSからの接点信号を受けMRI装置において必要最低限のユニットに給電し、撮影済みのデータについて緊急度の高い順に処理を完了する構成がある。また、UPSによる短い電力補償時間を補うために、UPSの後段に電力補償時間の長い発電機を用いる構成がある。
【0003】
停電発生後にUPSによる電力補償が実施されている際に、後段の発電機からの電力供給がUPSを介してMRI装置に実施されると、商用電源が復電したと、UPSが間違った接点信号をMRI装置のシステムに送信する。このとき、MRI装置は、UPSからの接点信号を受けて、必要最小限のユニットへの給電から、MRI装置の全体への給電に切り替えを行う。これにより、発電機による電力補償時間が予め設定した時間よりも大幅に短くなる問題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書及び図面に開示の実施形態が解決しようとする課題の一つは、停電発生時において、予め設定された時間に亘って補助電源による電力補償が実施できることにある。ただし、本明細書及び図面に開示の実施形態により解決しようとする課題は上記課題に限られない。後述する実施形態に示す各構成による各効果に対応する課題を他の課題として位置づけることもできる。
【課題を解決するための手段】
【0006】
実施形態に係る磁気共鳴イメージングシステム装置は、第1の補助電源と、少なくとも一つの第2の補助電源と、判定部と、電力制御部と、を備える。第1の補助電源は、磁気共鳴イメージング装置に電気的に接続された商用電源の停電時において前記磁気共鳴イメージング装置へ電力を供給する。第2の補助電源は、前記第1の補助電源に対して電気的に直列に接続され、前記磁気共鳴イメージング装置へ前記電力を供給する。判定部は、前記第1の補助電源と前記第2の補助電源とから前記磁気共鳴イメージング装置への給電状態を判定する。電力制御部は、前記給電状態の判定結果に基づいて、前記磁気共鳴イメージング装置における消費電力の制御を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】
図1は、実施形態に係る磁気共鳴イメージングシステムの一例を示すブロック図。
【
図2】
図2は、実施形態に係る電力供給処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図3】
図3は、実施形態に係る電力供給処理の手順の一例を示すフローチャート。
【
図4】
図4は、実施形態に係る電力供給処理に関するシーケンスの一例を示す図。
【
図5】
図5は、実施形態に係る電力供給処理に関するシーケンスの一例を示す図。
【
図6】
図6は、実施形態に係り、電力供給処理におけるMRI装置への給電状態に関して、判定機能による判定結果の一覧を示す図。
【
図7】
図7は、実施形態に係り、電力供給処理に関する各ユニットの動作タイミングの一例を示す図。
【
図8】
図8は、実施形態の第1変形例に係る磁気共鳴イメージングシステムの一例を示すブロック図。
【
図9】
図9は、実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージングシステムの一例を示すブロック図。
【
図10】
図10は、実施形態の第2変形例に係る磁気共鳴イメージングシステムの一例を示すブロック図。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、図面を参照しながら、磁気共鳴イメージングシステムおよび電力制御方法の実施形態について詳細に説明する。以下の実施形態では、同一の参照符号を付した部分は同様の動作をおこなうものとして、重複する説明を適宜省略する。
【0009】
(実施形態)
図1は、磁気共鳴イメージング(以下、MRI(Magnetic Resonance Imaging)と呼ぶ)システム1の一例を示すブロック図である。商用電源3は、MRIシステム1が設置された病院などにおける設備電源などに相当する。MRIシステム1は、商用電源3に電気的に接続されている。商用電源3は、MRI装置11を設置する病院などの施設から提供される電源である。商用電源3から供給される電圧は、100V~480Vなどの範囲で、適宜、選択される。商用電源3は、切り替え盤7および第1の補助電源5を介して、電力をMRI装置11に供給する。このとき、商用電源3から供給された電力は、MRI装置11における全ユニット、例えば、静磁場発生ユニット15、寝台17、シーケンス制御システム19、計算機システム27、電力制御回路31などに供給される。
【0010】
MRIシステム1は、第1の補助電源5と、切り替え盤7と、第2の補助電源9と、MRI装置11とを有する。第1の補助電源5は、例えば、無停電電源装置(Uninterruptible Power Supply:以下、UPSと呼ぶ)や発電機により実現される。第1の補助電源5としては、UPSが好ましいため、以下、第1の補助電源5は、UPSであるものとして説明する。
【0011】
第1の補助電源(以下、UPSと呼ぶ)5は、MRI装置11に電気的に接続された商用電源3の停電時において、MRI装置11へ電力を供給する。また、UPS5は、商用電源3の非停電時において、商用電源3と電気的に接続され、商用電源3から給電される。すなわち、
図1に示すように、UPS5における電力の入力側(以下、1次側と呼ぶ)は、切り替え盤7を介して商用電源3に電気的に接続される。また、UPS5における電力の出力側(以下、2次側と呼ぶ)は、少なくとも冷却部150に電気的に接続される。すなわち、
図1に示すように、UPS5における2次側は、冷却部150に加えて、電力制御回路31にも電気的に接続される。
【0012】
具体的には、UPS5は、例えば、蓄電池および通電検知器を有する。蓄電池は、例えば、鉛電池やリチウムイオン電池により実現される。蓄電池は、例えば、商用電源3の停電時において、MRI装置11へ電力を供給する。蓄電池は、商用電源3の非停電時において、商用電源3からの電力の供給により充電される。UPS5の蓄電池における電力容量は、例えば、冷却部150や電力制御回路31などの補償対象の消費電力量に応じて、適宜選択される。UPS5は、通電検知器により、商用電源3の停電の有無を検知する。
【0013】
例えば、通電検知器は、UPS5における電力の入力側(以下、1次側と呼ぶ)における通電の有無により動作するリレー(以下、通電リレーと呼ぶ)により実現される。通電検知器は、当該リレーにより、UPS5における1次側により通電の有無を検知する。UPS5の1次側における無通電は、商用電源3の停電に相当する。通電検知器は、商用電源3の停電の検知を契機として、商用電源3の停電を示す第1停電信号を、電力制御回路31へ出力する。なお、第1停電信号は、切り替え盤7を介して第2の補助電源9に出力されてもよい。第1停電信号は、通電リレーにより生成され、例えば、商用電源3から供給される電力がオフ(0)となる接点信号である。なお、第1停電信号は、0を示すデジタルデータで実現されてもよい。
【0014】
通電検知器は、通電リレーにより、UPS5における1次側における通電を検知する。UPS5の1次側における通電は、商用電源3もしくは第2の補助電源9からの通電に相当する。通電検知器は、通電の検知を契機として、1次側の通電を示す通電信号を、電力制御回路31(判定部)へ出力する。通電信号は、通電リレーにより生成され、例えば、商用電源3からの供給される電力がオン(1)となる接点信号である。なお、通電信号は、1を示すデジタルデータで実現されてもよい。以上により、UPS5は、第1停電信号または通電信号を、電力制御回路31へ出力する。
【0015】
切り替え盤7は、商用電源3とMRI装置11との間における電気的な経路の途中に設けられる。切り替え盤7は、第1の補助電源5の電力供給元を、商用電源3と第2の補助電源9との間で切り替える。具体的には、切り替え盤7は、商用電源3の停電発生時点から所定時間の経過を契機として、MRI装置11の電力の供給元を、商用電源3から第2の補助電源9に切り替える。切り替え盤7は、例えば、商用電源3の停電の有無を検知する停電検知器と、商用電源3の停電時から所定の時間を計測するタイマーと、当該切り替えを行うスイッチ(以下、電源切り替えスイッチと呼ぶ)と、を有する。切り替え盤7は、第2の補助電源9から出力された給電信号を、電力制御回路31へ出力する。
【0016】
停電検知器は、例えば、商用電源3と接続される切り替え盤7の1次側に設けられたリレー(以下、停電検知リレーと呼ぶ)により、商用電源3の停電の有無を検知する。停電検知器は、商用電源3の停電の検知を契機として、商用電源3の停電を示す第2停電信号を、第2の補助電源9へ出力する。第2停電信号は、停電検知リレーにより生成され、例えば、商用電源3からの供給される電力がオフ(0)となる接点信号である。なお、第2停電信号は、0を示すデジタルデータで実現されてもよい。また、停電検知器は、商用電源3の復電の検知を契機として、商用電源3の復電を示す復電信号を、第2の補助電源9へ出力する。なお、復電信号は、電源切り替えスイッチに出力されてもよい。復電信号は、停電検知リレーにより生成され、例えば、商用電源3からの供給される電力がオン(1)となる接点信号である。なお、復電信号は、1を示すデジタルデータで実現されてもよい。
【0017】
タイマーは、停電検知器から出力された第2停電信号の受信を契機として、所定の時間をカウントする。所定の時間は、第2の補助電源9が発電機である場合、例えば、発電機で生成された電力が安定するまでの期間である。所定の時間は、あらかじめ設定され、例えば、1分である。タイマーは、商用電源3の停電発生時点から所定の時間が経過すると、電源切り替えスイッチを制御する制御信号(以下、電源切り替え信号と呼ぶ)を、電源切り替えスイッチに出力する。
【0018】
電源切り替えスイッチは、MRI装置11への電力供給ラインを、商用電源3と第2の補助電源9との間で切り替える。例えば、電源切り替えスイッチは、電源切り替え信号の受信を契機として、電力供給元を、商用電源3から第2の補助電源9へ切り替える。また、電源切り替えスイッチは、後述の第2の補助電源9のシャットダウンの完了を示す完了信号の受信を契機として、電力供給元を、第2の補助電源9から商用電源3へ切り替える。なお、電源切り替えスイッチは、復電信号の受信を契機として、電力供給元を、第2の補助電源9から商用電源3へ切り替えてもよい。
【0019】
第2の補助電源9の出力側(2次側)は、切り替え盤7を介して第1の補助電源5と電気的に接続される。すなわち、第2の補助電源9は、第1の補助電源5に対して電気的に直列に接続される。第2の補助電源9は、例えば、複数のUPSと複数の発電機とのうち少なくとも一つにより実現される。第2の補助電源9は、例えば、1時間以上の長時間に亘って電力補償が可能な補助電源が好ましい。以下、説明を具体的にするために、第2の補助電源9は、発電機であるものとして説明する。なお、第2の補助電源9としてUPSが用いられる場合、第2の補助電源9の1次側は、商用電源3に接続され、当該商用電源3から電力供給を受ける。第2の補助電源9の電力容量は、例えば、冷却部150や電力制御回路31などの補償対象の消費電力量に応じて、適宜選択される。
【0020】
第2の補助電源9を実現する発電機は、例えば3相交流を生成する発動機と、生成された3相交流を切り替え盤7への給電として検知する給電検知器とを有する。発動機は、切り替え盤7から出力された第2停電信号の受信を契機として、駆動を開始する。発動機は、当該駆動により3相交流を生成する。これにより、発電機9は発電を開始する。また、発電機9は、切り替え盤7から出力された復電信号の受信を契機として、発動機のシャットダウンを実行する。発電機9は、発動機のシャットダウンが完了すると、完了信号を、切り替え盤7に出力する。
【0021】
給電検知器は、発電機9からの出力側(すなわち発電機9の2次側)に設けられたリレー(以下、給電リレーと呼ぶ)により、第2の補助電源9から切り替え盤7への給電の有無を検知する。給電検知器は、第2の補助電源9による給電の検知を契機として、第2の補助電源9による給電を示す給電信号を、切り替え盤7を介して電力制御回路31(判定部)へ出力する。給電信号は、給電リレーにより生成され、例えば、第2の補助電源9から供給される電力がオン(1)となる接点信号またはである。なお、給電信号は、1を示すデジタルデータで実現されてもよい。また、給電検知器は、第2の補助電源9による給電の停止、すなわち、発動機のシャットダウンの完了を契機として、電力制御回路31への給電信号の送信を停止する。
【0022】
MRI装置11は、静磁場を発生する静磁場発生ユニット15と、静磁場を用いた被検体の撮像に関する撮像系16と、撮像系16への電力供給の有無を切り替えるスイッチ(以下、撮像系電力供給スイッチと呼ぶ)29と、撮像系電力供給スイッチ29を制御する電力制御回路31とを有する。MRI装置11は、第1の補助電源5および切り替え盤7を介して、電力供給元である商用電源3または第2の補助電源9に電気的に接続される。MRI装置11の外部から供給された電力は、システムトランスを介して、撮像系電力供給スイッチ29と、電力制御回路31と、冷却部150とに分配する。撮像系16は、寝台17と、シーケンス制御システム19と、傾斜磁場コイル21と、送信コイル23と、受信コイル25と、計算機システム27とを有する。
【0023】
静磁場発生ユニット15は、冷却部150と、静磁場の発生に関する超電導コイル152を有する冷却容器151とを有する。冷却部150は、静磁場を発生する超電導コイル152を冷却する。具体的には、冷却部150は、超電導コイル152の冷却に関する冷媒を極低温に冷却する冷凍機153と、冷凍機監視装置159と、冷凍機153の冷却に関する熱交換器とを有する。冷媒は、例えばヘリウムである。
【0024】
静磁場発生ユニット15は、中空の略円筒形状に形成された超電導コイル152を有し、内部の空間に静磁場を発生する。静磁場発生ユニット15による発生される静磁場は、超電導磁石により発生される。超電導磁石は、冷却容器151における超電導コイル152に、超電導状態で電流を供給することにより実現される。
【0025】
冷却容器151は、概略円筒形状に形成され、不図示の真空容器の円筒壁内に収納される。一般的な例としては、冷却容器151は、容器内を十分に低温な状態に保つため、円筒壁内に液体ヘリウムと、超電導コイル152とを収容する。冷却容器151内では、液体ヘリウムと、液体ヘリウムが気化されたヘリウムガスとが平衡状態にある。
【0026】
冷却容器151の内部には、不図示のヒータが設けられる。ヒータは、冷却容器151内のヘリウムを暖めて気化させ、冷却容器151内の圧力を調整する。圧力の調整は、例えば、冷却容器151内に意図しない空気の流入を防ぐためである。冷却容器151内のヘリウムガスが過度に冷やされると、冷却容器151内の液体ヘリウムの割合が多くなり、冷却容器151内の圧力が低下する。冷却容器151内の圧力が下がり、負圧になると、冷却容器151内に空気が流入してしまう。ヒータは、冷却容器151内の圧力が予め設定された範囲内となるように、冷凍機監視装置159により制御され、冷却容器151内のヘリウムを暖める。
【0027】
冷凍機153は、冷却容器151に収容された冷媒を冷却する。冷凍機153は、圧縮器155と、コールドヘッド157と、不図示の供給管、排出管と、通気弁、吸気弁、バッファタンク等を有する。また、冷凍機153は、冷媒を水冷する水冷装置または冷媒を空冷する空冷装置を有する。水冷装置および空冷装置は、熱交換器に相当する。水冷装置は、冷凍機153における冷媒を、水を用いて連続的に冷却する。冷水装置は、冷水供給装置に相当し外気との熱交換を行うチラー(chiller)とも称される。空冷装置およびチラーは、既存の装置を用いることができるため、空冷装置およびチラーに関する説明は省略する。
【0028】
圧縮器155は、例えば、モーターによりヘリウムガス等の冷媒ガスを圧縮し、高圧状態となった冷媒ガスを、供給管を介してコールドヘッド157へ供給する。モーターは、例えば、インバータ駆動である。また、圧縮器155は、コールドヘッド157の内部で膨張した冷媒ガスを、排出管を介して回収する。また、圧縮器155は、冷媒ガスが充填されたバッファタンクと、通気弁および吸気弁を介して接続する。バッファタンクには、冷媒ガスが充填される。圧縮器155は、冷媒ガスを、通気弁を介してバッファタンクへ排気する。圧縮器155は、バッファタンクに充填される冷媒ガスを、吸気弁を介して吸気する。
【0029】
コールドヘッド157は、供給管を介して供給される高圧状態の冷媒ガスを膨張させ、冷却容器151における冷媒を冷却する。これにより、コールドヘッド157は、冷媒の沸点以下の温度まで、冷媒を冷却する。一定以上冷却容器151が冷却されると、冷却容器151内のヘリウムガスが液体ヘリウムへ再凝縮される。なお、
図1では、1つのコールドヘッド157が冷却容器151に設置される場合を例に示したが、コールドヘッド157は、1つに限定されず、複数であってもよい。
【0030】
通気弁および吸気弁は、圧縮器155とバッファタンクとを繋ぐ管に設けられる。通気弁は、冷凍機監視装置159からの指示に従い、圧縮器155内の冷媒ガスをバッファタンクへ排気する。圧縮器155内の冷媒ガスが排気されることにより、圧縮器155からコールドヘッド157へ供給される冷媒ガスの圧力が低下する。吸気弁は、冷凍機監視装置159からの指示に従い、バッファタンクに充填される冷媒ガスを圧縮器155へ供給する。圧縮器155へ冷媒ガスが供給されることにより、圧縮器155からコールドヘッド157へ供給される冷媒ガスの圧力が上昇する。
【0031】
冷凍機監視装置159は、冷凍機153および冷却容器151における冷媒を監視する。例えば、冷凍機監視装置159は、冷却容器151内の圧力を監視し、冷却容器151内の圧力が予め設定された範囲内となるように、ヒータを制御する。冷凍機監視装置159は、圧縮器155からコールドヘッド157へ供給される冷媒ガスの圧力を監視し、当該圧力が所定の範囲内となるように、通気弁および吸気弁を制御する。
【0032】
寝台17は、被検体が載置される天板を備える。寝台17は、天板および寝台17を駆動する各種モーターなどのアクチュエータと、アクチュエータにより発生された動力を可動部に伝達する動力伝達ユニットなどとにより構成される。寝台17および天板は、計算機システム27におけるシステム制御回路273による制御のもとで、天板の長手方向および上下方向に移動される。例えば、天板は、被検体を載置させた状態で、撮像空間まで移動する。
【0033】
シーケンス制御システム19は、位置識別のための勾配磁場を出すため傾斜磁場電源191と、送信回路193と、受信回路195と、シーケンス制御回路197とを有する。
【0034】
傾斜磁場電源191は、システムトランスおよび撮像系電力供給スイッチ29を介して供給された電力により、シーケンス制御回路197の制御のもと、傾斜磁場コイル21に電流を供給する。
【0035】
送信回路193は、シーケンス制御回路197による制御のもと、ラーモア周波数に対応するRF(Radio Frequency)パルスを送信コイル23に送信する。送信回路193は、例えば、発振部や位相選択部、周波数変換部、振幅変調部、RFアンプなどを有する。発振部は、静磁場中における対象原子核に固有の共鳴周波数のRFパルスを発生する。位相選択部は、発振部によって発生したRFパルスの位相を選択する。周波数変換部は、位相選択部から出力されたRFパルスの周波数を変換する。振幅変調部は、周波数変換部から出力されたRFパルスの振幅を例えばsinc関数に従って変調する。RFアンプは、システムトランスおよび撮像系電力供給スイッチ29を介して供給された電力により振幅変調部から出力されたRFパルスを増幅して、送信コイル23に供給する。
【0036】
受信回路195は、受信コイル25から出力されるアナログのMR信号をアナログ・デジタル(AD)変換して、MRデータを生成する。受信回路195は、生成したMRデータをシーケンス制御回路197へ送信する。
【0037】
シーケンス制御回路197は、計算機システム27から送信されるシーケンス情報に基づいて、傾斜磁場電源191、送信回路193および受信回路195を駆動することによって、被検体の撮像を行う。シーケンス情報は、撮像を行うための手順を定義した情報である。シーケンス制御回路197は、傾斜磁場電源191、送信回路193及び受信回路195を駆動して被検体を撮像した結果、受信回路195からMRデータを受信すると、受信したMRデータを計算機システム27へ転送する。シーケンス制御回路197は、例えばプロセッサにより実現される。シーケンス制御回路197により実行される各種機能は、プログラムの形態でメモリ275に記憶されている。シーケンス制御回路197は、プログラムをメモリ275から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態のシーケンス制御回路197は、当該各種機能を有することとなる。
【0038】
上記説明では、「プロセッサ」が各機能に対応するプログラムをメモリ275から読み出して実行する例を説明したが、実施形態はこれに限定されない。「プロセッサ」という文言は、例えば、CPU、GPU(Graphics Processing Unit)、特定用途向け集積回路(Application Specific Integrated Circuit:ASIC)、プログラマブル論理デバイス(例えば、単純プログラマブル論理デバイス(Simple Programmable Logic Device:SPLD)、複合プログラマブル論理デバイス(Complex Programmable Logic Device:CPLD)、及びフィールドプログラマブルゲートアレイ(Field Programmable Gate Array:FPGA))等の回路を意味する。
【0039】
プロセッサが例えばCPUである場合、プロセッサはメモリ275に保存されたプログラムを読み出して実行することで機能を実現する。一方、プロセッサがASICである場合、記憶回路にプログラムを保存する代わりに、当該機能がプロセッサの回路内に論理回路として直接組み込まれる。なお、本実施形態の各プロセッサは、プロセッサごとに単一の回路として構成される場合に限らず、複数の独立した回路を組み合わせて1つのプロセッサとして構成し、その機能を実現するようにしてもよい。また、単一の記憶回路が各処理機能に対応するプログラムを記憶するものとして説明したが、複数の記憶回路を分散して配置して、プロセッサは個別の記憶回路から対応するプログラムを読み出す構成としても構わない。
【0040】
傾斜磁場コイル21は、中空の略円筒形状に形成されたコイルであり、円筒形の冷却容器151の内面側に配置される。傾斜磁場コイル21は、互いに直交するX、Y、及びZの各軸に沿って磁場強度が変化する傾斜磁場を発生する。
【0041】
送信コイル23は、傾斜磁場コイル21の内側に配置され、撮像空間内に配置された被検体に対して、送信回路193から送信された高周波パルスを照射する。すなわち、送信コイル23は、送信回路193からRFパルスの供給を受けて、MRI装置11における撮像空間に高周波磁場を発生する。
【0042】
受信コイル25は、撮像対象となる被検体の撮像対象部位に合わせて配置することができる。受信コイル25は、送信コイル23によって照射された高周波パルスによって、水素原子核の励起より被検体から発せられるMR信号を受信する。なお、送信コイル23が受信コイル25の代わりにMR信号を受信しても構わない。受信コイル25は、受信したMR信号を受信回路195へ出力する。
【0043】
計算機システム27は、MRI装置10の全体制御や、MR画像の生成等を行う。計算機システム27は、例えば、通信インターフェース271、システム制御回路273、メモリ275、入力インターフェース277、ディスプレイ279、および画像再構成回路281などを備える。
【0044】
通信インターフェース271は、寝台17およびシーケンス制御システム19と各種通信を行う。また、通信インターフェース271は、不図示のネットワークを介して、医用画像管理システム(Picture Archiving and Communication Systems:PACS)や放射線部門情報システム(Radiology Information Systems:RIS)などと通信を行う。
【0045】
システム制御回路273は、MRI装置11の全体の制御を行い、例えば、MRI装置11の各部を制御する。システム制御回路273は、MR画像の生成に関する撮像を実行する。例えば、システム制御回路273は、シーケンス情報の生成、MRデータの収集などを実行する。具体的には、システム制御回路273は、入力インターフェース277を介して操作者から入力される撮像条件に基づいて、シーケンス条件を作成する。次いで、システム制御回路273は、通信インターフェース271を通じて、シーケンス制御システム19にシーケンス条件を送信する。システム制御回路273は、例えばプロセッサにより実現される。プロセッサの技術的思想は、上述したものと同様なため、説明は省略する。
【0046】
メモリ275は、通信インターフェース271によって受信されたMRデータ、画像再構成回路281によってk空間に配置されたk空間データ、および画像再構成回路281によって生成された画像データ等を記憶する。メモリ275は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ等の半導体メモリ素子、ハードディスク、または光ディスク等により実現される。
【0047】
入力インターフェース277は、操作者からの各種指示(例えば、電源投入指示)や情報入力を受け付ける。入力インターフェース277は、例えば、トラックボール、スイッチボタン、マウス、キーボード、操作面へ触れることで入力操作を行うタッチパッド、表示画面とタッチパッドとが一体化されたタッチスクリーン、光学センサを用いた非接触入力回路、及び音声入力回路等によって実現される。
【0048】
入力インターフェース277は、システム制御回路273に接続されており、操作者から受け取った入力操作を電気信号へ変換しシステム制御回路273へと出力する。なお、本明細書において入力インターフェース277は、マウス、キーボードなどの物理的な操作部品を備えるものだけに限られない。例えば、計算機システム27とは別体に設けられた外部の入力機器から入力操作に対応する電気信号を受け取り、この電気信号をシステム制御回路273へ出力する電気信号の処理回路も入力インターフェース277の例に含まれる。
【0049】
ディスプレイ279は、システム制御回路273の制御のもと、各種のGUI(Graphical User Interface)や、画像再構成回路281によって生成されたMR画像等を表示する。ディスプレイ279は、例えば、液晶表示器等の表示デバイスである。
【0050】
画像再構成回路281は、通信インターフェース271を通じて、シーケンス制御システム19から受信したMRデータに基づいて、被検体に関するMR画像を再構成する。例えば、画像再構成回路281は、MRデータに基づいて、k空間データを生成し、当該k空間データに対して2次元もしくは3次元フーリエ変換による画像再構成処理を行い、MR画像を生成する。画像再構成回路281は、生成されたMR画像を、例えば、メモリ275に保存する。画像再構成回路281は、例えばプロセッサにより実現される。プロセッサの技術的思想は、上述したものと同様なため、説明は省略する。
【0051】
撮像系電力供給スイッチ29のON/OFFは、電力制御回路31による制御される。例えば、撮像系電力供給スイッチ29は、常閉接点(Normally Close)とするリレー(例えば、メカニカルリレーなど)により実現される。電力制御回路31によりから電流が出力されない場合、撮像系電力供給スイッチ29における可動接点は、例えば弾性体により、固定接点に付勢され、閉塞状態となる。また、電力制御回路31から出力された電流が当該リレーにおける接点駆動用コイルに供給されると、接点駆動用コイルは、磁場を発生する。当該磁場の発生により、撮像系電力供給スイッチ29の接点は、開放される。撮像系電力供給スイッチ29の開放時において、電力制御回路31からの電流の供給が遮断されると、接点駆動用コイルCCによる磁場は消失し、撮像系電力供給スイッチ29は、閉塞状態となる。
【0052】
電力制御回路31は、第1の補助電源5と第2の補助電源9とからMRI装置11への給電状態の判定結果に基づいて、MRI装置11における消費電力の制御を実行する。電力制御回路31は、判定機能311と、電力制御機能313とを有する。判定機能311を実現する電力制御回路31は、判定部の一例である。電力制御機能313を実現する電力制御回路31は、電力制御部の一例である。判定機能311および電力制御機能313などの各機能は、コンピュータによって実行可能なプログラムの形態で、電力制御回路31における記憶回路に記憶されている。電力制御回路31は、処理回路としてのプロセッサにより実現される。例えば、電力制御回路31は、プログラムを記憶回路から読み出し、実行することで各プログラムに対応する機能を実現する。換言すると、各プログラムを読み出した状態の電力制御回路31は、判定機能311および電力制御機能313の各機能を有することとなる。プロセッサの技術的思想は、上述したものと同様なため、説明は省略する。
【0053】
電力制御回路31は、判定機能311により、第1の補助電源5と第2の補助電源9とからMRI装置11への給電状態を判定する。例えば、判定機能311は、第1停電信号または通電信号と、給電信号の有無とに基づいて、商用電源3の停電の有無を判定する。給電状態の判定については、MRI装置11における電力の供給を給電状態に基づいて制御する処理(以下、電力供給処理と呼ぶ)の説明において後述する。
【0054】
電力制御回路31は、電力制御機能313により、上記給電状態の判定結果に基づいて、MRI装置11における消費電力の制御を実行する。具体的には、電力制御機能313は、判定機能311により商用電源3の停電が判定される(以下、停電判定と呼ぶ)と、第1の補助電源5または第2の補助電源9から冷却部150と電力制御回路31(判定部および電力制御部)に、電力を供給する。換言すれば、電力制御機能313は、停電判定により、UPS5または発電機9から冷却部150と電力制御回路31とに電力を供給するように、撮像系電力供給スイッチ29を制御する。
【0055】
より詳細には、電力制御機能313は、停電判定が持続している期間に亘って、撮像系電力供給スイッチ29における接点駆動用コイルに電流を供給し、撮像系電力供給スイッチ29を開放する。なお、電力制御機能313は、電気的な接点信号の代わりに、撮像系電力供給スイッチ29の開放に用いられる光信号(例えば、1に対応するデジタルデータ)を、撮像系電力供給スイッチ29に出力してもよい。これにより、第1の補助電源(UPS)5および第2の補助電源9は、商用電源3の停電時において、電力制御回路31と冷却部150とに電気的に接続されることとなる。すなわち、電力制御機能313は、第1停電信号を受信した場合および判定機能311により停電ありと判定された場合、冷却部150と電力制御回路31(判定部および電力制御部)とに電力を供給する。
【0056】
なお、MRI装置11において撮像系電力供給スイッチ29が未搭載である場合、電力制御機能313は、第1停電信号の受信を契機として、撮像系16に含まれる各構成要素(寝台17、シーケンス制御システム19および計算機システム27)における電源をオフにする。
【0057】
また、電力制御回路31は、電力制御機能313により、商用電源3の復電において、MRI装置11全体へ電力が供給されるように、撮像系電力供給スイッチ29を制御する。具体的には、電力制御機能313は、判定機能311により商用電源3の復電が判定される(以下、復電判定と呼ぶ)と、商用電源3からMRI装置11における全ユニットに、電力を供給する。
【0058】
より詳細には、電力制御機能313は、UPS5から出力された通電信号と発電機9からの給電信号の停止とに基づいて、撮像系電力供給スイッチ29への電流の供給を停止する。なお、電力制御機能313は、電気的な接点信号の代わりに、撮像系電力供給スイッチ29の閉塞に用いられる光信号(例えば、0に対応するデジタルデータ)を、撮像系電力供給スイッチ29に出力してもよい。これにより、撮像系電力供給スイッチ29は閉塞し、MRI装置11全体へ電力が供給されることとなる。電力制御機能313による各種処理の詳細については、電力供給処理において説明する。
【0059】
以上のように構成された本実施形態のMRIシステム1により実行される電力供給処理について、
図2乃至
図5を用いて説明する。
図2および
図3は、電力供給処理の手順の一例を示すフローチャートである。
図4及び
図5は、電力供給処理に関するシーケンスの一例を示す図である。本フローチャートおよびシーケンスの実施前において、商用電源3は非停電の状態であるものとする。このとき、切り替え盤7は、電力供給ラインとして商用電源3とMRI装置11とを電気的に接続している。
【0060】
加えて、撮像系電力供給スイッチ29には電力制御回路31からの電流が非供給であって、撮像系電力供給スイッチ29における可動接点は、弾性体により固定接点に付勢されているものとする。換言すれば、撮像系電力供給スイッチ29は、常閉接点の状態すなわち閉塞状態であるものとする。本フローチャートにおける処理は、例えば、MRIシステム1の設置後、MRI装置11への通電が開始されると常時実行される。
【0061】
(電力供給処理)
(ステップS201)
商用電源3における停電が検知されなければ(ステップS201のNO)、本ステップが繰り返される。商用電源3における停電が検知されれば(ステップS201のYES)、ステップS202の処理が実行される。具体的には、商用電源3に停電が発生すると、UPS5における通電検知器および切り替え盤7における停電検知器は、商用電源3の停電を検知する。商用電源3の停電の検知を契機として、本電力供給処理が開始される。
【0062】
(ステップS202)
UPS5における通電検知器は、第1停電信号を生成する。UPS5は、生成された第1停電信号を、電気信号として電力制御回路31に送信する。切り替え盤7における停電検知器は、第2停電信号を生成する。なお、第1停電信号は、MRI装置11への入力前に光信号(例えば、0に対応するデジタルデータ)に変換され、変換された光信号は、例えば光ケーブルを通して、電力制御回路31へ送信されてもよい。切り替え盤7は、生成された第2停電信号を発電機9に送信する。また、第2停電信号の生成を契機として、タイマーは、所定の時間のカウントを開始する。
【0063】
(ステップS203)
電力制御回路31は、UPS5から出力された第1停電信号を、受信する。次いで、電力制御回路31は、電力制御機能313により、第1停電信号の受信を契機として、撮像系電力供給スイッチ29に、撮像系電力供給スイッチ29の開放を実行するための信号を、出力する。当該信号の受信を契機として、撮像系電力供給スイッチ29は、開放される(
図4のS203-1)。なお、撮像系電力供給スイッチ29がMRI装置11に未搭載である場合、電力制御機能313は、第1停電信号の受信を契機として、撮像系16に含まれる各構成要素(寝台17、シーケンス制御システム19および計算機システム27)における電源をオフにする。本ステップにおける処理により、商用電源3の停電時におけるUPS5からの電力の供給対象は、冷却部150と電力制御回路31のみとなる。
【0064】
(ステップS204)
発電機9は、第2停電信号の受信を契機として、発動機を起動する。発動機の起動により、発電機9は、発電を開始する。発動機の起動時点から所定の時間までの期間において、発電機9により生成される電力は、安定状態となる。すなわち、本ステップの実行後において、発電機9の起動が完了する(
図4のステップS204-1)。
【0065】
(ステップS205)
切り替え盤7は、商用電源3の停電の発生から所定の時間経過後、電力供給ラインを、商用電源3から発電機9へ切り替える。具体的には、所定の時間の計測後、タイマーは、電源切り替えスイッチへ電源切り替え信号を出力する。電源切り替えスイッチは、MRI装置11への電力供給元を、商用電源3から発電機9へ切り替える。これにより、発電機9により生成された電力は、UPS5およびMRI装置11に供給される。
【0066】
(ステップS206)
UPS5は、UPS5の1次側における通電を検知し、通電信号を電力制御回路31に出力する。具体的には、UPS5は、通電検知器により1次側の通電を検知する。通電の検知により、通電検知器は通電信号を生成する。通電信号は、電気信号として、UPS5から電力制御回路31へ電気的に送信される。なお、通電信号は、MRI装置11への入力前に光信号(例えば、1に対応するデジタルデータ)に変換され、変換された光信号は、例えば光ケーブルを通して、電力制御回路31へ送信されてもよい。
【0067】
(ステップS207)
発電機9は、給電検知器により発電機9から切り替え盤7への給電を検知し、給電信号を、電力制御回路31に出力する。具体的には、発電機9おける給電検知器は、発電機9の2次側に設けられた給電リレーにより、当該給電を検知する。当該給電は、発電機9により生成された電力に基づくものである。給電の検知により、給電検知器は給電信号を生成する。給電信号は、電気信号として、切り替え盤7を介して、発電機9から電力制御回路31へ電気的に送信される。なお、給電信号は、MRI装置11への入力前に光信号(例えば、1に対応するデジタルデータ)に変換され、変換された光信号は、例えば光ケーブルを通して、電力制御回路31へ送信されてもよい。
【0068】
(ステップS208)
電力制御回路31は、UPS5から通電信号を取得し、発電機9から給電信号を取得する。電力制御回路31は、判定機能311により、通電信号と給電信号とに基づいて、商用電源3が停電であると判定する(停電判定)。判定機能311による判定は、例えば、商用電源3の停電発生後に複数回実施することができ、判定の実施の時間間隔も例えば、1分おきなど、任意に設定することができる。
【0069】
(ステップS209)
切り替え盤7における停電検知器により、商用電源3の復電が検知されなければ(ステップS209のNo)、ステップS210の処理が実行される。切り替え盤7における停電検知器により、商用電源3の復電が検知されれば(ステップS209のYes)、ステップS211の処理が実行される。
【0070】
(ステップS210)
電力制御回路31は、撮像系電力供給スイッチ29の開放を維持するように、撮像系電力供給スイッチ29を制御する。具体的には、電力制御回路31は、撮像系電力供給スイッチ29における接点駆動用コイルへの電流の供給を維持することにより、撮像系電力供給スイッチ29の開放を維持する。また、撮像系電力供給スイッチ29がMRI装置11に未搭載である場合、電力制御機能313は、撮像系16に含まれる各構成要素(寝台17、シーケンス制御システム19および計算機システム27)における電源をオフの状態で維持する。
【0071】
(ステップS211)
切り替え盤7は、商用電源3の復電の検知をする。具体的には、切り替え盤7における停電検知器は、商用電源3の復電を契機として、復電信号を生成する。切り替え盤7は、生成された復電信号を、発電機9に出力する。
【0072】
(ステップS212)
発電機9は、復電信号の受信(検出)を契機として、発動機のシャットダウンを実行する。これにより、シャットダウンが完了次第、ステップS213の処理が実行される。具体的には、発動機のシャットダウンの開始を契機として、UPS5は、MRI装置11に電力を供給する。このとき、撮像系電力供給スイッチ29は開放されているため、UPS5による電力は、電力制御回路31と冷却部150とに供給される。
【0073】
(ステップS213)
発電機9は、発動機のシャットダウンが完了すると、完了信号を切り替え盤7に出力する。切り替え盤7は、完了信号の受信を契機として、電力供給ラインを、発電機側から、商用電源側に切り替える。具体的には、切り替え盤7における電源切り替えスイッチは、完了信号の受信を契機として、MRI装置11の電力供給元を、発電機9から商用電源3へ切り替える。このとき、撮像系電力供給スイッチ29は開放されているため、商用電源3による電力は、電力制御回路31と冷却部150とに供給される。すなわち、ステップS212の処理からステップS213の処理が実行されている期間、換言すると発動機のシャットダウンが実行されている期間(以下、シャットダウン期間と呼ぶ)において、UPS5からMRI装置11に電力が供給されている。シャットダウン期間は、例えば1分ほどである。
【0074】
(ステップS214)
UPS5は、UPS5の1次側における通電を検知し、通電信号を電力制御回路31に出力する。本ステップは、ステップS206と同様なため、説明は省略する。
【0075】
(ステップS215)
発電機9は、切り替え盤7への完了信号の出力を契機として、電力制御回路31への給電信号の送信を停止する。なお、発電機9は、給電信号の停止の代わりに、例えば、0に対応するデジタルデータに対応する光信号を、例えば光ケーブルを通して、電力制御回路31へ送信してもよい。
【0076】
(ステップS216)
電力制御回路31は、UPS5から通電信号を取得し、発電機9から給電信号を取得しない。電力制御回路31は、判定機能311により、通電信号と給電信号の停止とに基づいて、商用電源3が復電であると判定する(復電判定)。なお、発電機9の発動機に用いられる燃料が切れた場合、すなわち、発電機9による電力保証期間が終了した時点においても、判定機能311は、復電判定を実施し、以降の処理が実行されることとなる。
【0077】
(ステップS217)
電力制御回路31は、電力制御機能313により、復電判定を契機として、撮像系電力供給スイッチ29における接点駆動用コイルへの電流の供給を停止する。これにより、撮像系電力供給スイッチ29は閉塞し、MRI装置11全体へ電力が供給されることとなる。以上により、電力供給処理は終了する。
【0078】
図6は、電力供給処理におけるMRI装置11への給電状態に関して、判定機能311による判定結果の一覧を示す図である。
図6に示すように、判定機能311は、UPS5から停電信号が出力され、かつ発電機9からの給電信号が送信されない場合、当該給電状態として停電判定を割り当てる。また、判定機能311は、UPS5から通電信号が出力され、かつ発電機9から給電信号が送信された場合、当該給電状態として停電判定を割り当てる。また、判定機能311は、UPS5から通電信号が出力され、かつ発電機9から給電信号が送信されない場合、当該給電状態として復電判定を割り当てる。すなわち、判定機能311は、UPS5からの出力信号と発電機9からの出力信号との和が1に等しい場合、復電判定を設定し、UPS5からの出力信号と発電機9からの出力信号との和が1に等しくない場合、停電判定を設定する。
【0079】
図7は、電力供給処理に関する各ユニットの動作タイミングの一例を示す図である。
図7における時刻t1は、商用電源3の停電の発生時点(停電発生時刻)を示している。このとき、UPS5は、電力をMRI装置11へ供給する。すなわち、時刻t1において、第1停電信号により撮像系電力供給スイッチ29は開放され、冷却部150と電力制御回路31とにUPS5から電力が供給される。加えて、第2停電信号の受信を契機として、発電機9における発動機が起動を開始する。また、第2停電信号の受信を契機として、タイマーが時間のカウントを開始する。
【0080】
図7における時刻t2は、停電の発生時刻t1から所定の時間PTが経過した時刻を示している。
図7に示すように、時刻t1から時刻t2に亘る期間において、UPS5による電力は、冷却部150と電力制御回路31とに供給される。時刻t2において、発電機9の起動は完了し、安定して電力が生成される。このとき、電力供給ラインは、商用電源3から発電機9へ切り替えられる。時刻t3は、商用電源3が復電した時刻を示している。
図7に示す期間BJは、判定機能311により、ステップS208の処理が繰り返し実行されている期間に相当する。時刻t3において、発電機9のシャットダウンが開始される。時刻t4は、発電機9のシャットダウンの完了時刻を示している。時刻t3から時刻t4に亘る期間は、シャットダウン期間に相当する。
図7に示すように、シャットダウン期間(時刻t3~時刻t4)において、UPS5による電力は、冷却部150と電力制御回路31とに供給される。時刻t4において、発電機9による発電は停止し、切り替え盤7におけう電源切り替えスイッチは、電力供給ラインを、発電機9から商用電源3に切り替える。加えて、撮像系電力供給スイッチ29は、閉塞される。
【0081】
以上に述べた実施形態に係るMRIシステム1は、MRI装置11に電気的に接続された商用電源3の停電時においてMRI装置11へ電力を供給する第1の補助電源5からの出力と、第1の補助電源5に対して電気的に直列に接続され、MRI装置11へ電力を供給する少なくとも一つの第2の補助電源9からの出力とに基づいて、MRI装置11への給電状態を判定し、給電状態の判定結果に基づいてMRI装置11における消費電力の制御を実行する。
【0082】
具体的には、本MRIシステム1によれば、商用電源3の停電時において、給電状態の判定と消費電力の制御とに関する電力制御回路31と、静磁場を発生する超電導コイル152を冷却する冷却部150とに、第1の補助電源5または前記第2の補助電源9から電力を供給する。また、本MRIシステム1における第1の補助電源5は、例えばUPSであって、商用電源3の停電時において、超電導コイル152の冷却に関する冷媒を冷却する冷凍機153と、冷凍機153の冷却に関する熱交換器とを有する冷却部150に電気的に接続され、また、商用電源3の非停電時において商用電源3と電気的に接続されて商用電源3から給電される。
【0083】
より詳細には、実施形態に係るMRIシステム1は、商用電源3とMRI装置11との間における電気的な経路の途中に設けられ、商用電源3の停電の発生時点から所定時間の経過を契機として、MRI装置11への電力の供給元を、商用電源3からUPS5または発電機で実現される第2の補助電源9に切り替える。具体的には、本MRIシステム1における第1の補助電源5は、商用電源3の停電の発生時点において、商用電源3の停電に関する第1停電信号を、判定機能311と電力制御機能313とを有する電力制御回路31へ出力し、商用電源3が非停電である場合およびMRI装置11への電力の供給元が商用電源3から第2の補助電源9へ切り替えられた場合、通電信号を電力制御回路31における判定部へ出力する。
【0084】
加えて、実施形態に係るMRIシステム1における第2の補助電源9は、MRI装置11への電力の供給元が商用電源3から第2の補助電源9へ切り替えられた場合、給電信号を、切り替え盤7を介して電力制御回路31へ出力する。さらに、電力制御回路31は、判定機能311により、第1停電信号または通電信号と、給電信号の有無とに基づいて商用電源3の停電の有無を判定し、次いで、電力制御機能313により、第1停電信号を受信した場合および判定機能311により停電ありと判定された場合、冷却部150と電力制御回路31とに電力を供給する。
【0085】
以上のことから、実施形態に係るMRIシステム1によれば、第2の補助電源9から第1の補助電源5を介してMRI装置11へ電力が供給される場合(以下、補助電源電力供給と及ぶ)であっても、判定機能311により商用電源3の停電の継続が判定される。このため、本MRIシステム1によれば、補助電源電力供給が実施されている期間BJにおいて、撮像系電力供給スイッチ29の開放状態が維持されるため、必要最小限のユニットである冷却部150と電力制御回路31とへの給電、すなわち撮像系16への無給電が確保される。これらのことから、本MRIシステム1によれば、発電機などの第2の補助電源9による電力補償時間が予め設定した時間よりも大幅に短くなることを回避することができ、商用電源3の停電発生時に予め設定した時間で、第2の補助電源9による電力補償を実施できることができる。
【0086】
(第1変形例)
第1変形例は、UPSにより実現される第1の補助電源5が、MRI装置におけるシステムトランスと、冷却部150および電力制御回路31との間に配置されることにある。
図8は、本変形例におけるMRIシステム2の構成の一例を示す図である。
図8に示すように、第1の補助電源5は、電力供給に関して、システムトランス14の後段であって、冷却部150および電力制御回路31の前段に配置される。切り替え盤7から電力制御回路31への出力線としては、光信号の伝達に関する光ケーブルが用いられる。また、
図8に示すように、MRI装置12への電力供給の最前段にはシステムトランス14が設けられる。これらのことから、本変形例における、MRIシステム2によれば、MRI装置12に関する漏れ電流を遮断することができる。本変形例における電力供給処理及び効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0087】
(第2変形例)
本変形例は、3つの補助電源(第1の補助電源と2つの第2の補助電源)を有するMRIシステムに関するものである。2つの第2の補助電源各々は、第1の補助電源5に対して電気的に直列に接続される。なお、2つの第2の補助電源9は、
図9に示すMRIシステム4のように、電気的に並列に接続されてもよいし、
図10に示すMRIシステム6のように、電気的に直列に接続されてもよい。
図9および
図10に示すように、少なくとも一つの第2の補助電源は、第1の補助電源5に対して電気的に直列に接続され、MRI装置11へ電力を供給する。電力制御回路31は、判定機能311により、第1の補助電源5と少なくとも一つの第2の補助電源とからMRI装置11への給電状態を判定する。本変形例における電力供給処理及び効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0088】
実施形態における技術的思想を電力制御方法で実現する場合、電力制御方法は、MRI装置11に電気的に接続された商用電源3の停電時においてMRI装置11へ電力を供給する第1の補助電源5と、第1の補助電源5に電気的に直列に接続され、MRI装置11へ電力を供給する少なくとも一つの第2の補助電源9とからMRI装置11への給電状態を判定し、給電状態の判定結果に基づいて、MRI装置11における消費電力の制御を実行する。電力制御方法により実行される電力供給処理の手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0089】
実施形態における技術的思想を電力制御プログラムで実現する場合、電力制御プログラムは、コンピュータに、MRI装置11に電気的に接続された商用電源3の停電時においてMRI装置11へ電力を供給する第1の補助電源5と、第1の補助電源5に電気的に直列に接続され、MRI装置11へ電力を供給する少なくとも一つの第2の補助電源9とからMRI装置11への給電状態を判定し、給電状態の判定結果に基づいて、MRI装置11における消費電力の制御を実行すること、を実現させる。
【0090】
例えば、MRI装置11を有する各種モダリティにおけるコンピュータに電力制御プログラムをインストールし、これらをメモリ上で展開することによっても、電力供給処理を実現することができる。このとき、コンピュータに当該手法を実行させることのできるプログラムは、磁気ディスク(ハードディスクなど)、光ディスク(CD-ROM、DVDなど)、半導体メモリなどの記憶媒体に格納して頒布することも可能である。電力制御プログラムにより電力供給処理を実施する手順および効果は、実施形態と同様なため、説明は省略する。
【0091】
以上説明した実施形態等によれば、停電発生時において、予め設定された時間に亘って補助電源による電力補償を実施することができる。
【0092】
いくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更、実施形態同士の組み合わせを行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0093】
1 MRIシステム
2 MRIシステム
3 商用電源
4 MRIシステム
5 第1の補助電源
6 MRIシステム
7 切り替え盤
9 第2の補助電源
11 MRI装置
12 MRI装置
14 システムトランス
15 静磁場発生ユニット
16撮像系
17 寝台
19 シーケンス制御システム
21 傾斜磁場コイル
23 送信コイル
25 受信コイル
27 計算機システム
29 撮像系電力供給スイッチ
31 電力制御回路
150 冷却部
151 冷却容器
152 超電導コイル
153 冷凍機
155 圧縮器
157 コールドヘッド
159 冷凍機監視装置
191 傾斜磁場電源
193 送信回路
195 受信回路
197 シーケンス制御回路
271 通信インターフェース
273 システム制御回路
275 メモリ
277 入力インターフェース
279 ディスプレイ
281 画像再構成回路
311 判定機能
313 電力制御機能