IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ ギャズトランスポルト エ テクニギャズの特許一覧

特許7483636液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー
<>
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図1
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図2
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図3
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図4
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図5
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図6
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図7
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図8
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図9
  • 特許-液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー 図10
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】液化ガスを噴霧するための装置を備えたロード及び/又はアンロードタワー
(51)【国際特許分類】
   F17C 13/00 20060101AFI20240508BHJP
   B63B 25/16 20060101ALI20240508BHJP
   B63B 25/08 20060101ALI20240508BHJP
   B63B 27/24 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
F17C13/00 302D
B63B25/16 Z
B63B25/16 F
B63B25/08
B63B27/24 A
【請求項の数】 24
(21)【出願番号】P 2020572685
(86)(22)【出願日】2019-07-04
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2021-11-11
(86)【国際出願番号】 FR2019051659
(87)【国際公開番号】W WO2020008148
(87)【国際公開日】2020-01-09
【審査請求日】2022-06-08
(31)【優先権主張番号】1856227
(32)【優先日】2018-07-06
(33)【優先権主張国・地域又は機関】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】515220317
【氏名又は名称】ギャズトランスポルト エ テクニギャズ
(74)【代理人】
【識別番号】110000796
【氏名又は名称】弁理士法人三枝国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】イヴェール エマニュエル
(72)【発明者】
【氏名】ロンバール ファブリス
(72)【発明者】
【氏名】ブヴィエ アルノー
【審査官】田中 一正
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2014-0101082(KR,A)
【文献】特開2000-084383(JP,A)
【文献】実開昭48-030412(JP,U)
【文献】韓国公開特許第10-2012-0077627(KR,A)
【文献】特表2015-535916(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2010-0103266(KR,A)
【文献】国際公開第2018/203005(WO,A2)
【文献】実開昭49-124617(JP,U)
【文献】特開2009-243754(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F17C 13/00
B63B 25/16
B63B 25/08
B63B 27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
液化ガスを貯蔵することを目的としたタンク(1)のためのロード及び/又はアンロードタワー(2)であって、
前記タンク(1)の天井壁(9)から吊り下げられることを目的とした上端と、
下端と
を備え、
前記ロード及び/又はアンロードタワー(2)は、クロス部材(14)によって互いに取り付けられた少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2の垂直マスト(11、12)を備え、
前記ロード及び/又はアンロードタワー(2)は、それぞれ第1及び第2の中心方向(d1、d2)に沿って向けられた第1及び第2のスプレーコーン(32、33、34)に沿ってそれぞれ液化ガスを噴霧することができる少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2のノズル(26、27、36、37)を備える液化ガスを噴霧するための装置をさらに備え、前記第1及び第2のノズル(26、27、36、37)は、
-前記第1及び第2の中心方向(d1、d2)がそれぞれ、前記ロード及び/又はアンロードタワー(2)の前記下端に向けられた垂直成分を有し、
-前記第1及び第2のマスト(11、12)はそれぞれ、前記第1及び第2のスプレーコーン(32、33)に露出した表面を有するように配置されている、ロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項2】
クロス部材(14)によって前記第1及び第2のマスト(11、12)に取り付けられた第3の垂直マスト(13)をさらに備え、
前記第1、第2、及び第3のマスト(11、12、13)は、三角形の断面を有する角柱を画定し、液化ガスを噴霧するための前記装置は、第3の中心方向(d3)に沿って向けられた第3のスプレーコーン(34)に沿って前記液化ガスを噴霧することができる第3のノズル(28、38)を備え、前記第3のノズルは、前記第3のマスト(13)が前記第3のスプレーコーン(34)に露出した表面を有するように配置される、請求項1に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項3】
前記第1のノズル(26、36)は、前記第1のスプレーコーン(32)に露出した前記第1のマスト(11)の前記表面が、前記第1のマスト(11)の高さの80%を超えて延在するように配置され、
前記第2のノズル(27、37)は、前記第2のスプレーコーン(33)に露出した前記第2のマスト(12)の前記表面が、前記第2のマスト(12)の高さの80%を超えて延在するように配置され、
前記第3のノズル(28、38)は、前記第3のスプレーコーン(34)に露出した前記第3のマスト(13)の前記表面が、前記第3のマスト(13)の高さの80%を超えて延在するように配置される、請求項2に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項4】
前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)は、前記第1、第2、及び第3のマスト(11、12、13)の高さの少なくとも80%にわたって延在する三角形の断面を有する前記角柱の一部に配置された前記クロス部材(14)のすべてが、前記第1、第2、及び第3のスプレーコーン(32、33、34)のうちの1つ以上に露出した表面を持つようにさらに配置される、請求項2又は3に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項5】
前記クロス部材(14)のそれぞれの前記第1、第2、及び第3のスプレーコーン(32、33、34)のうちの1つ以上に露出した前記表面は、前記クロス部材(14)の全長にわたって延在する、請求項4に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項6】
液化ガスを噴霧するための前記装置は、前記ロード及び/又はアンロードタワー(2)の前記上端近くに配置され、前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)を支持するスプレーブーム(19)を備える、請求項2から5のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項7】
前記スプレーブーム(19)は、中央部(29)と、前記中央部(29)に対して傾斜した2つの側部(30、31)とを備え、
前記中央部(29)及び前記2つの側部(30、31)は、それぞれ、前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)を備えている、請求項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項8】
前記スプレーブーム(19)の前記中央部(29)は、前記第2及び第3のマスト(12、13)によって画定される三角形の断面を有する前記角柱の第1の面に平行に配置され、前記第1の面に垂直で、前記第1のマスト(11)を貫通する平面に対して中心に置かれる、請求項7に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項9】
前記側部(30、31)は、前記第1のマスト(11)から離れるように前記中央部(29)に対して傾斜している、請求項7又は8に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項10】
前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)は、前記第1、第2、及び第3の中心方向(d1、d2、d3)がそれぞれ、水平成分を有し、前記第1の中心方向(d1)の前記水平成分は前記第1のマスト(11)に向けられ、前記第2の中心方向(d2)の前記水平成分は、前記第1及び第2のマスト(11、12)によって画定される三角形の断面を有する前記角柱の面に向けられ、前記第3の中心方向(d3)の前記水平成分は、前記第1のマスト(11)及び前記第3のマスト(13)によって画定される三角形の断面を有する前記角柱の面に向けられる、請求項2から9のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項11】
前記第1、第2、及び第3の中心方向(d1、d2、d3)はそれぞれ、垂直方向に対して20°から40°の間の角度βを形成する、請求項2から10のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項12】
前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)はそれぞれ、50°から80°の間の噴霧角度を有する、請求項2から11のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項13】
前記第1、第2、及び第3のノズル(26、27、28)は、水平面に投影された前記第2及び第3の中心方向(d2、d3)が前記第1の中心方向(d1)に対して45°から60°の間の角度で傾斜するように配置される、請求項2から12のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項14】
前記第1及び第2のノズル(36、37)は、液化ガスをそれぞれ前記第1及び第2のマスト(11、12)に噴霧するように配置される、請求項1から3のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項15】
前記第1及び第2のノズル(36、37)はそれぞれ、前記第1又は第2のマスト(11、12)の内部につながるそれぞれのタッピング接続(43)に収容されている、請求項14に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項16】
前記第1及び第2のマスト(11、12)は、それぞれ、前記第1及び第2の中心軸(A)に同軸に延在し、前記第1及び第2の中心方向(d1、d2)は、それぞれ、前記第1及び第2の中心軸(A)に平行に向けられる、請求項15に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項17】
前記第1及び第2の中心方向(d1、d2)は、それぞれ、前記第1及び第2の中心軸(A)に対して同軸に向けられている、請求項16に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項18】
前記第1及び第2のマスト(11、12)はそれぞれ、前記タンク(1)の前記天井壁(9)より上に突出することを目的とした上部を有し、各タッピング接続(43)は、前記第1及び第2のマスト(11、12)のうちの一方の前記上部又は前記上部に連結されたエルボ部(40、41、42)につながる、請求項13から17のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項19】
前記第1、第2、及び第3のマスト(11、12、13)のうちの少なくとも1つは中空であり、アンロードラインを形成するようにアンロードポンプ(15)に連結されている、請求項1から18のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)。
【請求項20】
請求項1から19のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)を備える、密閉された断熱タンク。
【請求項21】
請求項6から9のいずれか一項に記載のロード及び/又はアンロードタワー(2)を備える、密閉された断熱タンクであって、
前記天井壁(9)から上方に突出し、カバー(35)を有する液体ドーム(10)を備え、
前記ロード及び/又はアンロードタワー(2)は、前記カバー(35)から吊り下げられ、前記スプレーブーム(19)は、前記液体ドーム(10)内に収容される、断熱タンク。
【請求項22】
流体を輸送するための船舶(70)であって、前記船舶は、船体(72)と、前記船体(72)に配置された請求項20又は21に記載のタンク(71)とを備える、船舶(70)。
【請求項23】
流体が、前記船舶内の前記タンク(71)と浮体式又は陸上貯蔵施設(77)との間を断熱パイプ(73、79、76、81)を通って送られる、請求項22に記載の船舶(70)にロード又はアンロードするための方法。
【請求項24】
流体を移送するためのシステムであって、
前記システムは、
請求項22に記載の船舶(70)と、
前記船舶の船体に設置された前記タンク(71)を浮体式又は陸上貯蔵施設(77)に連結するように配置された断熱パイプ(73、79、76、81)と、
及び前記船舶内の前記タンクと前記浮体式又は陸上貯蔵施設(77)との間を前記断熱パイプを通じて流体を駆動するポンプとを備える、システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、液化ガスを貯蔵及び/又は輸送するための密閉された断熱タンクの分野に関するものであり、より詳細には、そのようなタンクの天井壁から吊り下げられ、液化ガスをタンクにロード及び/又はアンロードすることを目的とするロード及び/又はアンロードタワーに関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術では、三脚構造を有する、すなわち、液体ドームのカバーから吊り下げられ、クロス部材によって互いに取り付けられた3つの垂直マストを備えるロード/アンロードタンクが知られている。各垂直マストは中空である。したがって、マストのうちの2つは、タンクにアンロードするためのラインを形成し、これを行うために、それぞれが、その下端近くで、ロード/アンロードタワーによって支持されるアンロードポンプに関連付けられる。次に、第3のマストは安全ウェルを形成し、他のアンロードポンプに障害が発生した場合にスタンバイポンプ及びアンロードラインを下げることができる。ロード/アンロードタワーは、3つのマストのうちの1つで構成されていないロードラインも支持する。このようなロード/アンロードタワーは、例えば文献FR2785034に記載されている。
【0003】
マストは、特にタンクの充填条件及びマストが受ける温度勾配に依存する熱収縮及び熱膨張現象を受ける。場合によって、マストはさまざまな温度勾配を受ける可能性がある。これは特に、マストのうちの1つ以上に液化天然ガスが通過していないときに、液化天然ガスがマストのうちの1つ以上を通ってタンクからアンロードされる場合に当てはまる。このような状況では、マストの収縮が異なる可能性があり、クロス部材と液体ドームのカバーに大きな機械的応力が発生するため、クロス部材又は液体ドームのカバーに不可逆的な変形又は破壊を引き起こす可能性がある。同様に、マストもタンクにロードするときに異なる温度勾配を受ける可能性がある。
【発明の概要】
【0004】
本発明の根本にある考えは、特に液化ガスが単に3つのマストの一部のみを通過する場合、及び/又はタンクにロードする場合に、マスト間に現れる過度の温度差を回避することを可能にするロード及び/又はアンロードタワーを提案することである。
【0005】
一実施形態によれば、本発明は、液化ガスを貯蔵することを目的としたタンクのためのロード及び/又はアンロードタワーであって、前記タンクの天井壁から吊り下げられることを目的とした上端と、下端とを備え、
前記ロード及び/又はアンロードタワーは、クロス部材によって互いに取り付けられた少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2の垂直マストを備え、
前記ロード及び/又はアンロードタワーは、それぞれ第1及び第2の中心方向に沿って向けられた第1及び第2のスプレーコーンに沿ってそれぞれ液化ガスを噴霧することができる少なくとも1つの第1及び少なくとも1つの第2のノズルを備える液化ガスを噴霧するための装置をさらに備え、
前記第1及び前記第2のノズルは、
-前記第1及び第2の中心方向がそれぞれ、前記ロード及び/又はアンロードタワーの前記下端に向けられた垂直成分を有し、
-前記第1及び第2のマストはそれぞれ、前記第1及び第2のスプレーコーンに露出した表面を有するように配置されているロード及び/又はアンロードタワーを提供する。
【0006】
「スプレーコーン」という用語は、ノズルの出口オリフィスから延在する液化ガスの範囲の区域を意味し、該区域は、例えば図1の点として示されるような円錐形(三次元)形状を有し、その頂点はノズルのこの出口オリフィスに位置する。添付の図を参照して、補足的な説明が以下に示される。
【0007】
そして、2つのスプレーコーンはそれぞれ2つのマストに到達し、これにより、特に液化ガスがマストのうちの1つ以上を通ってタンクからアンロードされる前及び/又はその間に、前記2つのマストをほぼ均一に冷却することが可能になる。これにより、クロス部材にかかる可能性のある機械的応力を制限することができる。
【0008】
他の有利な実施形態によれば、そのようなロード及び/又はアンロードタワーは、以下の特徴のうちの1つ以上を有することができる。
【0009】
一実施形態によれば、ロード及び/又はアンロードタワーは、クロス部材によって第1及び第2のマストに取り付けられた第3の垂直マストをさらに備え、
第1及び第2のマストは、三角形の断面を有する角柱を画定し、液化ガスを噴霧するための装置は、第3の中心方向に沿って液化ガスを噴霧することができる第3のノズルを備え、第3のノズルは、第3のマストが第3のスプレーコーンに露出した表面を有するように配置される。
【0010】
別の実施形態によれば、ロード及び/又はアンロードタワーはまた、クロス部材によって互いに取り付けられた2つの垂直マストのみを備えることができる。
【0011】
一実施形態によればロード及び/又はアンロードタワーが3つの垂直マストを含む場合、スプレーブームは3つのノズルのみを備える。これにより、ノズル数の最適化が可能になる。しかしながら、他の実施形態によれば、スプレーブームは、4つ以上の数のノズルを備える。
【0012】
一実施形態によれば、第1及び第2のノズルは、第1及び第2のマストのそれぞれの前記露出面が前記マストの高さの80%を超えて延在するようにさらに配置される。有利には、第3のノズルは、第3のマストの前記表面が前記第3のマストの高さの80%を超えて延在するようにさらに配置される。有利には、第1、第2、及び/又は第3のマストのそれぞれの露出面は、前記マストの高さの90%を超えて延在する。これにより、マストの高さの大部分にわたって概ね均一に冷却することが可能になる。
【0013】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3のノズルは、第1、第2、及び第3のマストの高さの少なくとも80%にわたって延在する三角形の断面を有する角柱の一部に配置されたクロス部材のすべてが、第1、第2、及び第3のスプレーコーンのうちの1つ以上に露出した表面を持つようにさらに配置される。有利には、ロード及び/又はアンロードタワーのすべてのクロス部材は、第1、第2、及び第3のスプレーコーンのうちの1つ以上に露出した表面を有する。
【0014】
一実施形態によれば、クロス部材のそれぞれの第1、第2、及び第3のスプレーコーンのうちの1つ以上に露出した表面は、前記クロス部材の全長にわたって延在する。
【0015】
一実施形態によれば、液化ガスを噴霧するための装置は、ロード及び/又はアンロードタワーの上端近くに配置され、第1、第2、及び第3のノズルを支持するスプレーブームを備える。
【0016】
一実施形態によれば、スプレーブームは、中央部と、中央部に対して傾斜した2つの側部とを含み、中央部及び2つの側部は、それぞれ、第1、第2、及び第3のノズルを備えている。
【0017】
一実施形態によれば、スプレーブームの中央部は、第2及び第3のマストによって画定される三角形の断面を有する角柱の面に平行に配置され、該第1の面に垂直で、第1のマストを貫通する平面に対して中心に置かれる。
【0018】
一実施形態によれば、側部は、第1のマストから離れるように中央部に対して傾斜している。
【0019】
一実施形態によれば、スプレーブームは、三角形の断面を有する角柱の外側に配置される。
【0020】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3のノズルは、第1、第2、及び第3の中心方向がそれぞれ水平成分を有し、第1の中心方向の水平成分が第1のマストに向けられ、第2の中心方向の水平成分は、第1及び第2のマストによって画定される三角形の断面を有する角柱の面に向けられ、第3の中心方向の水平成分は、第1及び第3のマストによって画定される三角形の断面を有する角柱の面に向けられる。
【0021】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3の中心方向はそれぞれ、垂直方向に対して20°から40°の間の角度βを形成する。
【0022】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3のノズルはそれぞれ、50°から80°の間の噴霧角度を有する。
【0023】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3のノズルは、水平面に投影された第2及び第3の中心方向が第1の中心方向に対して45°から60°の間の角度で傾斜するように配置される。
【0024】
一実施形態によれば、第1及び第2のノズルは、液化ガスをそれぞれ第1及び第2のマストに噴霧するように配置されている。
【0025】
一実施形態によれば、第3のノズルは、液化ガスを第3のマストに噴霧するように配置されている。
【0026】
一実施形態によれば、第1及び第2のノズルはそれぞれ、第1又は第2のマストの内部につながるそれぞれのタッピング接続に収容されている。
【0027】
一実施形態によれば、第1及び第2のマストは、それぞれ、第1及び第2の中心軸に同軸に延在し、第1及び第2の中心方向は、それぞれ、第1及び第2の中心軸に平行に向けられる。
【0028】
一実施形態によれば、第1及び第2の中心方向は、それぞれ、第1及び第2の中心軸に同軸に向けられる。
【0029】
一実施形態によれば、第1及び第2のマストはそれぞれ、前記タンクの天井壁より上に突出することを目的とした上部を有し、各タッピング接続は、第1及び第2のマストのうちの一方の上部又は該上部に連結されたエルボ部につながる。
【0030】
一実施形態によれば、第1、第2、及び第3のマストのうちの少なくとも1つは中空であり、アンロードラインを形成するようにアンロードポンプに連結されている。
【0031】
一実施形態によれば、第2及び第3のマストは、横断面P1に合わせて整列している。一実施形態によれば、横断面P1は、タンクの後壁に平行である。
【0032】
一実施形態によれば、第2のマスト及び第3のマストは、横断面に合わせて整列している。
【0033】
一実施形態によれば、第2及び第3のマストは中空であり、それぞれがアンロードラインを形成するようにアンロードポンプに連結されている。
【0034】
一実施形態によれば、スプレーブームは、第1、第2、及び第3のノズルの動作範囲内に含まれる動作圧力下で液化ガスを圧縮することができるポンプに連結されている。
【0035】
一実施形態によれば、本発明はまた、上記のロード及び/又はアンロードタワーを備えた密閉された断熱タンクを提供する。
【0036】
一実施形態によれば、密閉された断熱タンクは、天井壁から上方に突出し、カバーを有する液体ドームを備え、前述のロード及び/又はアンロードタワーは、前記カバーから吊り下げられ、スプレーブームは、前記液体ドーム内に収容される。
【0037】
一実施形態によれば、液体ドームは、タンクの内部空間とタンクの外側に位置する蒸気収集器との間に蒸気循環経路を画定することを可能にする蒸気を収集するためのダクトをさらに備える複合ドームである。
【0038】
このようなタンクは、例えばLNGを貯蔵するための陸上貯蔵施設の一部である場合もあれば、沿岸又は深海の浮体式構造物、特にLNGタンカー、浮体式再ガス化貯蔵設備(FRSU)、洋上浮体式生産貯蔵及び積出設備(FPSO)、LNGを燃料として使用する船舶、つまりLFS「LNG燃料船」として知られる船舶などに設置される場合もある。
【0039】
一実施形態によれば、極低温流体を輸送するための船舶は、船体と、船体内に配置された上記のタンクとを備える。
【0040】
一実施形態によれば、本発明はまた、そのような船舶にロード及びアンロードするための方法を提供し、流体は、船舶内のタンクと浮体式又は陸上貯蔵施設との間を断熱パイプを通って送られる。
【0041】
一実施形態によれば、本発明はまた、流体の移送システムを提供し、このシステムは、上記の船舶と、船舶の船体に設置されたタンクを浮体式又は陸上貯蔵施設に連結するように配置された断熱パイプと、船舶内のタンクと浮体式又は陸上貯蔵施設との間を断熱パイプを通じて流体を駆動するポンプとを備える。
【0042】
本発明は、添付の図面を参照して、例示及び非限定としてのみ与えられる、本発明のいくつかの特定の実施形態の以下の説明の間に、よりよく理解され、本発明の他の目的、詳細、特徴及び利点は、より明確に明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0043】
図1】ロード/アンロードタワーを備えた密閉された断熱タンクの部分概略図である。
図2】液化ガスを噴霧するための装置を示し、該噴霧装置によって生成された液化ガススプレーコーンを概略的に示す、前述のロード/アンロードタワーの上面図である。
図3】噴霧装置の正面図である。
図4図3の平面IV-IVに沿った噴霧装置の上面断面図である。
図5】噴霧装置の側面図である。
図6】LNGタンカーのタンク及び本タンクにロード/アンロードするためのターミナルの必要最低限の簡略図である。
図7】矢印は、別の実施形態による液化ガスを噴霧するための装置のノズルを概略的に示している、液体ドームのカバーの上面図である。
図8図7の実施形態の変形によるマストのうちの1つの上部を示す。
図9図8のマストの上部のノズルの配置を示す概略図である。
図10】別の実施形態の変形によるマストの上部に対するノズルの配置を示す概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0044】
慣例により、図では、2つの軸x及びyによって定義される正規直交参照を使用して、タンクにロード及び/又はアンロードするためのタワーの要素を記述している。軸xは長手方向に対応し、軸yは長手方向に垂直な横軸に対応する。一実施形態によれば、ロード及び/又はアンロードタワーが船舶に設置されることを目的とする場合、軸xは、有利には、船舶の長手方向に対応する。
【0045】
図1に関連して、特に液化ガスをタンク1にロード及び/又はアンロードすることを可能にするロード及び/又はアンロードタワー2を備える、液化ガスを貯蔵するための密閉された断熱タンク1の一部が見られる。液化ガスは、詳細には液化天然ガス(LNG)、すなわち、主にメタン並びに少量のエタン、プロパン、n-ブタン、i-ブタン、n-ペンタン、i-ペンタン、ネオペンタン及び窒素などの1つ又は複数の種類の他の炭化水素を含むガス状混合物であり得る。
【0046】
タンク1は、支持構造体3に固定されている。支持構造体3は、例えば、船舶の二重船殻によって形成されるが、より一般的には、適切な機械的特性を有する任意のタイプの剛性隔壁から形成することができる。タンク1は、液化ガスを輸送すること、又は船舶を推進するための燃料として使用される液化ガスを収容することを目的とし得る。
【0047】
一実施形態によれば、タンク1は膜タンクである。このようなタンク1では、各壁は、壁の厚さの方向に応じて、外側から内側に向かって、支持構造体3に対して接する二次断熱バリア4、二次断熱バリア4に固定された二次シーリング膜5、二次シーリング膜5に対して接する一次断熱バリア6、及び一次断熱バリア6に固定され、タンクに含有される流体と接触することを目的とする一次シーリング膜7を連続的に有する。一例として、各壁は、具体的には、例えばFR2691520に記載されているようなマークIIIタイプ、例えばFR2877638に記載されているようなNO96タイプ、又は例えばWO14057221に記載されているようなマークVタイプのものであり得る。
【0048】
船舶は一般にバラストを使用して特定の方法で船尾に傾くため、タワー2は、タワー2によってアンロードされる可能性のある貨物の量を最適化することができるタンク1の後壁8の近くに設置されている。
【0049】
タワー2は、支持構造体3の天井壁9から吊り下げられている。図1において、支持構造体の天井壁9は、後壁の近くに、液体ドーム10と呼ばれる、上方に突出する直方体形状の空間を備える。液体ドームは、前面と背面の2つの横壁と、垂直に延在し天井壁9から上方に突出する2つの側壁によって画定される。液体ドーム10は、タワー2が吊り下げられている水平カバー35をさらに備える。一実施形態によれば、液体ドームは複合ドームであり、すなわち、液体ドームは、タンク1の内部空間とタンクの外側に位置する蒸気収集器との間の蒸気循環経路を画定することを可能にする蒸気を収集するためのダクトをさらに備える。
【0050】
タワー2は、タンク1の高さ全体にわたって実質的に延在する。図1及び図2に関連して、タワー2は、三脚構造を含むように見られ、すなわち、タワー2は、クロス部材14によって互いに取り付けられた3つの垂直マスト11、12、13を備える。各マスト11、12、13は中空であり、液体ドーム10のカバー35を貫通する。
【0051】
3つのマスト11、12、13は、クロス部材14を用いて、三角形の断面を有する角柱を画定する。一実施形態によれば、3つのマスト11、12、13は、角柱部が正三角形であるように、互いに等距離に配置される。有利には、3つのマスト11、12、13は、角柱の面の少なくとも1つが、タンク1の後壁8に平行な横断面P1内に延在するように配置される。言い換えれば、マスト12、13のうちの2つは、横断面P1に合わせて整列している。より具体的には、横断面P1に合わせて整列された2つのマスト12、13は、2つのバックマストであり、すなわち、タンク1の後壁8に最も近い。
【0052】
フロントマスト11は、2つのバックマスト12、13よりも直径が大きい。フロントマスト11は、ポンプ及びアンロードラインを下げることができる縦穴を形成する。マスト11を介して下げられたポンプは、例えば、他のアンロードポンプが故障した場合のスタンバイポンプであるか、又は該ポンプの保守を簡素化する従来のポンプである。2つのバックマスト12、13は構造的であり、それぞれがアンロードポンプ15に連結され、アンロードラインを形成することができる。
【0053】
さらに、図示の実施形態では、タワー2はまた、フロントマスト11に取り付けられている2つのロードライン16、17を備えている。2つのロードライン16のうちの一方は、タンク1の上部にのみ延在し、他方のロードライン17は、タンク1の底壁18に近づくまで、タンク1の高さ全体にわたって実質的に延在する。
【0054】
タワー2はまた、図2から図5に詳細に示されている、タワーを冷却するため液化ガスをタワーに噴霧することを目的とする噴霧装置を備えている。したがって、そのような噴霧装置は、特に液化ガスがマスト11、12、13のうちの1つ以上を通ってタンクからアンロードされる前及びその間、又は3つのマスト11、12、13が受ける温度勾配の一定の均一性を確保するためにタンク1にロードする前にタンク1を冷却するステップ中に、マスト11、12、13を冷却するようにする。これにより、マスト11、12、13の熱収縮の違いにより、クロス部材14にかかる可能性のある機械的応力を制限することが可能になる。
【0055】
噴霧装置は、液化ガスを供給することを目的として、図3に示される送達ダクト20の端部に連結されるスプレーブーム19を備える。図示の実施形態では、送達ダクト20は、液体ドーム10のカバー35を貫通する。さらに、図示の実施形態では、送達ダクト20は、液体ドーム10のカバー35を密閉された方法で貫通するスリーブ21内に収容されている。スリーブ21は、図3及び図5に概略的に示される、一方では送達ダクト20を連結し、他方ではポンプ25に連結された別の上流ダクト24を連結することを可能にする連結部23を備えるカバー壁22を有する。一実施形態によれば、上流ダクト24に関連付けられ、加圧液化ガスの供給を確実にするポンプ25は、タンク1の内部、その底壁18の近くに配置され、したがって、タンク1に残る最後の液化ガスをポンプで送り出すことが可能である。他の実施形態によれば、噴霧装置からの液化ガスの供給は、別のタンクに浸漬されたポンプ25によって確保することができる。ポンプ25は、以下に説明するノズル26、27、28の動作範囲、すなわち、上記の噴霧角度に到達することを可能にする動作範囲内に含まれる動作圧力下で液化ガスを圧縮することができる。一例として、噴霧装置の相対動作圧力は、100から600kPa(キロパスカル)の間、好ましくは200から300kPaの間である。
【0056】
スプレーブーム19は、タワー2の上端近くに配置されている。より具体的には、タンク1が天井壁9に対して上方に突出する液体ドーム10を備えている場合、スプレーブーム19は、有利には、該液体ドーム10の内部に収容される。
【0057】
図3及び図4に示されるように、スプレーブーム19は、水平面内に延在し、横方向に沿って延在する中央部29と、角度αで後方に傾斜する2つの側部30、31とを備える。角度αは、有利には45から65°の間である。言い換えれば、水平面で見られるスプレーブーム19は、タンク1の後壁に向けられた略C形状を有する。スプレーブーム19はまた、中央部29及び2つの側部30、31のうちの一方及び他方にそれぞれ関連付けられる3つのノズル26、27、28を備える。
【0058】
3つのノズル26、27、28のそれぞれは、中心方向d1、d2、d3を有し、対応する中心方向d1、d2、d3に沿って向けられたスプレーコーンに沿って液化ガスを噴霧することができる。各中心方向d1、d2、d3は、前述の対応するノズル26、27、28が関連付けられている中央部29又は側部30、31に垂直に向けられている。したがって、中心方向d2及びd3は、水平面に投影された中心方向d1に対して、上記の角度αに対応する角度で傾斜している。各中心方向d1、d2、d3は、タワー2の下端に向けられた垂直成分と、前方に向けられた水平長手方向成分を有する。
【0059】
図示の実施形態では、3つのノズル26、27、28のそれぞれの中心方向は、20°から40°の間、例えば、垂直方向に対して20°のオーダーである角度βに向けられている。
【0060】
さらに、図2に示されるように、中心方向d1の水平成分はマスト11に向けられ、中心方向d2の水平成分は、マスト11、12によって画定される三角形の断面を有する角柱の面に向けられ、中心方向d3の水平成分は、マスト11、13によって画定される三角形の断面を有する角柱の面に向けられている。
【0061】
さらに、ノズル26、27、28は、有利には、50°から80°の間、例えば、70°のオーダーの噴霧角度を有する。
【0062】
図1及び図2に示されるように、スプレーブーム19は、角柱の対称の長手方向軸に対して概ね中心に置かれる。言い換えれば、マスト13の軸を通る長手方向軸は、スプレーブーム19の中央部29を通る。さらに、スプレーブーム19は、2つのバックマスト12、13の中心軸を通る横断面P1のわずかに後ろに配置され、これにより、液化ガスがバックマスト12、13を連結するクロス部材に確実に噴霧されることが可能になる。
【0063】
3つのスプレーコーン及びタワー内のマストに対するそれらの相対位置の観察を単純化するために、スプレーコーン32、33、34の上部のみが図1及び図2に示されていることに留意されたい。したがって、スプレーブーム19の中央部29に関連付けられたノズル26によって提供されるスプレーコーン32の上部を下向きに延長する場合、これらの図から、フロントマスト11にも該スプレーコーン32が到達することが分かる。
【0064】
したがって、3つのノズル26、27、28は、それぞれマスト11、マスト12、及びマスト13に到達する3つのスプレーコーン32、33、34に沿って液化ガスを噴霧するように配置されていることに留意されたい。
【0065】
さらに、ノズル26、27、28の配置、配向、及び噴霧角度は、3つのマスト11、12、13のそれぞれが、該マスト11、12、13の高さの80%を超えて、そして有利には90%を超えて延在するスプレーコーン32、33、34のうちの1つに露出した表面を有するようであることに留意されたい。これにより、マスト11、12、13をその高さの大部分にわたって概ね均一に冷却することが可能になる。
【0066】
さらに、3つのスプレーコーン32、33、34はまた、マスト11、12、13の高さの少なくとも80%に対応する三角柱の一部分上でマスト11、12、13を連結するすべてのクロス部材14が、スプレーコーン32、33、34のうちの1つ以上に露出した表面を有するように配置される。有利には、タワー2のすべてのクロス部材14は、スプレーコーンの1つ以上に露出した表面を有する。さらに、1つ又は複数のスプレーコーン32、33、34に露出した各クロス部材14の表面は、有利には、該クロス部材14の全長にわたって延在する。
【0067】
明らかに、マスト11、12、13及びクロス部材14に対してスプレーコーン32、33、34の上記の位置決め特性を得ることが可能である限り、スプレーブーム19の他の同等の構造及び配置を想定することができる。具体的には、図示されていない他の実施形態によれば、スプレーブーム19の配置は、三角形の断面を有する角柱の中心軸の周りに120°の角度で旋回させることができる。
【0068】
別の実施形態による液化ガスを噴霧するための装置は、図7から図9に関連して以下に説明される。
【0069】
図7に示されるように、マスト11、12、13は、タンク1を支持する構造体の外側、より具体的には液体ドーム10のカバー35の外側に上方に突出する上部を有する。マスト11、12、13の上部は、1つ又は複数のエルボ部40、41、42を通して液化ガスをアンロードするためのネットワーク39に連結されている。この実施形態では、液化ガスを噴霧するための装置は、図7の矢印によって概略的に示される3つのノズル36、37、38を備え、そのそれぞれが液化ガスを3つのマスト11、12、13のうちの1つの内部空間に注入することを可能にする。3つのノズル36、37、38は、液体ドーム10のカバー35の外側に突き出ているマスト11、12、13の上部に配置されている。3つのノズル36、37、38のそれぞれは、図示されていないが、ポンプに連結されている送達ダクト43に連結されている。ポンプは、タンク1、別のタンクに浸漬することができるか、又は、タンク1に液化ガスを確実にロードすることを目的としたロードターミナルに関連付けることができる。
【0070】
図8及び図9に関連して、液化ガスをマスト11、12、13の内部空間に注入することを可能にする実施形態の変形によるノズル36、37、38の配置が観察される。ノズル36、37、38は、管状の形状のタッピング接続43に取り付けられ、タッピング接続43は、マスト11、12、13の端部を液化ガスをアンロードするためのネットワークに連結する、エルボ部40、41、42につながる。図示の実施形態では、タッピング接続43は、マスト11、12、13に配置され、垂直方向に向けられている。さらに、有利には、タッピング接続43は、前述のマスト11、12、13の中心軸Aの延長部に延在する。また、有利には、図9に示されるように、ノズル36、37、38の中心噴霧方向d1、d2、d3は、前述のマスト11、12、13の中心軸Aに対して同軸である。これにより、マスト11、12、13の優れた冷却均一性を確保できる。この実施形態では、ノズル36、37、38は、有利には、45°から90°の間、例えば、60°のオーダーの噴霧角度を有する。
【0071】
このような配置は、液化ガスを噴霧するための装置がタンクの外側に配置され、それにより、その設置を単純化するという点で特に有利である。
【0072】
有利には、ノズル36、37、38は、液化ガスが前述のマスト11、12、13を通ってアンロードされるときに可能な限り最小のひずみを受けるように、突出しないか、又はエルボ部40、41、42の内側にわずかに突出するだけである。言い換えれば、ノズル36、37、38は、管状接合の外側に突出しないか、又はエルボ部40、41、42の内側に10cm未満の距離だけ突出する。
【0073】
タッピング接続43は、ノズル36、37、38と一体の環状フランジ45が取り付けられる環状取付フランジ44を備える。有利には、環状フランジ44、45は、環状フランジ44、45内に作製されたオリフィスを貫通するねじなどの取り外し可能な取付構成要素によって互いに取り付けられる。タッピング接続43におけるノズル36、37、38のそのような取り外し可能なアセンブリにより、検査及び保守操作の目的でノズル36、37、38を分解することができる。
【0074】
図10は、別の実施形態の変形によるノズル36、37、38の配置を示している。この実施形態では、タッピング接続43は、液体ドーム10のカバー35の上に突出するマスト11、12、13の上部に直接つながる。この場合、タッピング接続43は、マスト11、12、13の中心軸Aに対して同軸に配置することができず、その結果、垂直に配置されるか(この配置は添付の図には示されていない)、又はマスト11、12、13の中心軸Aに対して傾斜する。有利には、ノズル36、37、38の中心方向d1、d2、d3は、マスト11、12、13の中心軸Aに平行に向けられている。しかしながら、液化ガスがマスト11、12、13を通ってアンロードされるときに、該マスト11、12、13の内部に大きく突出し過ぎないようにするため、したがって、ノズル36、37、38にかかる可能性のあるひずみを制限するため。
【0075】
ロード及び/又はアンロードタワーを実現するための上記の技術は、異なるタイプの密閉された断熱タンク、例えば、陸上のLNGタンク又はLNGタンカーなどの浮体構造体に使用することができる。
【0076】
図6を参照すると、LNGタンカー70の簡略図は、タンカーの二重船殻72に組み立てられた、概して角柱形状の密閉された断熱タンク71を示している。タンク71の壁は、タンクに含有されるLNGと接触することを目的とした一次密閉バリア、一次密閉バリアとタンカーの二重船殻72との間に配置された二次密閉バリア、並びに一次密閉バリアと二次密閉バリアの間及び二次密閉バリアと二重船殻72の間それぞれに配置された2つの断熱バリアを備える。
【0077】
それ自体が知られている方法で、タンカーの上部甲板に配置されたロード/アンロードパイプ73は、承認されたコネクタによって、LNG貨物をタンク71との間で移送するために海上又は港湾ターミナルに連結することができる。
【0078】
図6は、ロード及びアンロードステーション75、海底パイプ76、並びに陸上施設77を備える海上ターミナルの例を示している。ロード及びアンロードステーション75は、可動アーム74及び可動アーム74を支持するタワー78を備える固定された洋上施設である。可動アーム74は、ロード/アンロードパイプ73に連結することができる断熱可撓性パイプ79の浮上を支持する。配向可能な可動アーム74は、あらゆるサイズのLNGタンカーに適応する。図示されていない連結ダクトは、タワー78の内側に延在する。ロード及びアンロードステーション75は、LNGタンカー70が陸上施設77との間でロード及びアンロードされることを可能にする。この施設は、液化ガス貯蔵タンク80及び海底ダクト76によってロード及びアンロードステーション75に連結された連結ダクト81を備える。海底ダクト76は、液化ガスがロード又はアンロードステーション75と陸上施設77との間で、長距離にわたって、例えば5km移送できるようにし、これにより、ロード及びアンロード作業中、LNGタンカーを沿岸から長距離離れたままにしておくことができる。
【0079】
液化ガスの移送に必要な圧力を生成するために、船舶搭載のポンプ70及び/又は陸上施設77装備のポンプ及び/又はロード及びアンロードステーション75装備のポンプが使用される。
【0080】
本発明は、いくつかの特定の実施形態に関連して説明されてきたが、それがまったく同じに限定されず、それらが本発明の枠組み内に属する場合、説明された手段のすべての同等の技術、及びそれらの組み合わせを含むことは明らかである。
【0081】
「含む(to include)」、「備える(to comprise)」又は「含有する(to contain)」という動詞及びそれらの活用形の使用は、特許請求の範囲に記載されているもの以外の要素又はステップの存在を排除するものではない。
【0082】
特許請求の範囲において、括弧内の参照記号はクレームを制限するものとして解釈してはならない。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10