(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】循環式コンベヤ輸送ホイール、基板キャリア、及び方法
(51)【国際特許分類】
H01L 21/677 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
H01L21/68 A
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021007318
(22)【出願日】2021-01-20
【審査請求日】2021-03-18
(31)【優先権主張番号】10 2020 101 460.0
(32)【優先日】2020-01-22
(33)【優先権主張国・地域又は機関】DE
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】518105116
【氏名又は名称】フォン アルデンヌ アセット ゲーエムベーハー ウント コー カーゲー
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100135079
【氏名又は名称】宮崎 修
(72)【発明者】
【氏名】シュテファン アウルホルン
【審査官】三浦 みちる
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/230592(WO,A1)
【文献】特開2020-001893(JP,A)
【文献】国際公開第2018/084286(WO,A1)
【文献】国際公開第2015/064374(WO,A1)
【文献】特開昭58-108747(JP,A)
【文献】実開昭55-170365(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/677
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
循環式コンベヤ輸送ホイール(100)であって、当該循環式コンベヤ輸送ホイールは、
当該循環式コンベヤ輸送ホイール(100)を回転軸線の周りに回転するように回転可能に取り付けることができるフレームワーク(102)と、
該フレームワーク(102)の外周に沿って配置された複数の結合装置(104)と、を含み、
その各結合装置が、基板キャリア(400)を形態フィット方式で結合するために配置された2つの形態フィット輪郭(104f)を含み、前記結合装置は互いに異なる平面に配置され、該異なる平面は前記回転軸線に対して直交して延びるように規定され、前記2つの形態フィット輪郭は前記回転軸線に対して互いに真上に位置合わせされ、
前記複数の結合装置(104)は、結合装置(104)のペア(302)を含み、該ペア(302)のうちの第1の結合装置の前記形態フィット輪郭は、前記ペア(302)のうちの第2の結合装置の前記形態フィット輪郭に対して、当該循環式コンベヤ輸送ホイール(100)の周方向に沿った周方向距離だけオフセットして配置され、前記周方向距離は、前記ペア(302)と、該ペア(302)のすぐ隣に配置された、前記複数の結合装置(104)のうちの隣接する結合装置の前記形態フィット輪郭との間の当該循環式コンベア輸送ホイール(100)の前記周方向距離に沿った距離よりも小さ
く、
前記結合装置(104)の前記ペア(302)は、2つの異なる前記基板キャリア(400)を結合する、
循環式コンベヤ輸送ホイール(100)。
【請求項2】
前記形態フィット輪郭(104f)は、それぞれ、切欠きによって提供される、請求項1に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)。
【請求項3】
前記複数の結合装置(104)は、結合装置(104)の複数のペア(302)を含み、前記外周に沿った各ペアの互いの前記形態フィット輪郭の間の距離は、前記外周に沿った、各ペアの前記形態フィット輪郭と、前記複数のペア(302)の間に配置された、前記複数の結合装置(104)の前記形態フィット輪郭との間の距離よりも小さい、請求項1又は2に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)。
【請求項4】
前記形態フィット輪郭(104f)は、前記基板キャリアと係合して、回転ジョイントを提供するように構成される、請求項1又は2に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)。
【請求項5】
前記結合装置(104)のそれぞれが、第1の状態と第2の状態との間で切り替えることができるロック装置(1102)を有しており、
前記第1の状態では、前記基板キャリア(400)への形態フィット結合によってロックされ、前記第2の状態では、前記ロックは解除される、請求項1又は2に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)。
【請求項6】
循環式コンベヤ(900)であって、当該循環式コンベヤは、
請求項1又は2に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)と、
該循環式コンベヤ輸送ホイール(100)を回転可能に取り付ける軸受け装置と、を含む、
循環式コンベヤ(900)。
【請求項7】
1つ又は複数の基板を運ぶための少なくとも1つの基板キャリア(400)をさらに含み、
該少なくとも1つの基板キャリア(400)は、複数の相手側の結合装置(414)を含み、該結合装置のそれぞれが、前記複数の結合装置(104)のうちの結合装置に結合されるように構成される、請求項6に記載の循環式コンベヤ(900)。
【請求項8】
前記少なくとも1つの基板キャリア(400)は、円筒ピン歯車(lantern-gear)ラック(652)を有する、請求項7に記載の循環式コンベヤ(900)。
【請求項9】
搬送装置(1700)であって、当該搬送装置は、
請求項7に記載される循環式コンベヤ(900)と、
前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)に向かう輸送経路(711)を提供する第1の線形コンベヤ(1702)と、を含む、
搬送装置(1700)。
【請求項10】
前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)から離れる方向の輸送経路を提供する第2の線形コンベヤ(1702)をさらに含み、
前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)によって、前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)から離れる方向の前記輸送経路は、前記第1の線形コンベヤ(1702)から前記第2の線形コンベヤ(1702)に迂回される、請求項9に記載の搬送装置(1700)。
【請求項11】
前記第1の線形コンベヤ(1702)及び/又は第2の線形コンベヤ(1702)は、前記輸送経路に沿って輸送運動を行うための複数の歯車を含む、請求項10に記載の搬送装置(1700)。
【請求項12】
前記輸送経路は交差して延びる、請求項9に記載の搬送装置(1700)。
【請求項13】
前記第1の線形コンベヤ(1702)及び/又は第2の線形コンベヤ(1702)はそれぞれ、
基板キャリア(400)の輸送経路(711)を提供する細長い案内プロファイル(2210)と、
前記案内プロファイル(2210)上に配置され且つこれに回転可能に取付られた複数の本体(2212)であって、各本体(2212)が前記基板キャリア(400)との歯部を形成する複数の駆動歯を有する、前記複数の本体(2212)と、
前記複数の本体(2212)のそれぞれにトルクを伝達する駆動装置(2706)と、を含む、請求項10に記載の搬送装置(1700)。
【請求項14】
真空装置(1800)であって、当該真空装置は、
請求項9に記載される搬送装置(1700)と、
前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)が配置される真空チャンバ(1802)と、を含む、
真空装置(1800)。
【請求項15】
請求項1に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール(100)で使用される基板キャリア(400)であって、当該基板キャリアは、
回転式接続部(404)によって互いに接続される複数の部材(402)と、
当該基板キャリア(400)を輸送経路(
711)に沿って案内するために、当該基板キャリア(400)の互いに反対側に配置された2つのキャリッジ(406)と、
複数の結合装置(414)であって、各結合装置が、2つのキャリッジ(406)の間に配置された、上下に直接配置された2つの形態フィット輪郭を含む、前記複数の結合装置(414)と、を含
む、
基板キャリア(400)。
【請求項16】
前記2つのキャリッジ(406)のうちの少なくとも1つが、複数の駆動歯を含む、請求項15に記載の基板キャリア
(400)。
【請求項17】
請求項15に記載の基板キャリア(400)に関する方法(3200)であって、当該方法は、
基板キャリア(400)を、真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイール(100)に結合するステップ(3201)と、
前記真空中に置かれた前記循環式コンベヤ輸送ホイール(100)から前記基板キャリア(400)を結合解除するステップ(3205)と、を含み、
前記結合するステップ及び前記結合解除するステップは、前記基板キャリア(400)の同じ側で始まり、
前記基板キャリア(400)の結合は、前記基板キャリアの前記循環式コンベア輸送ホイールへの結合をロックすることを含む、
方法(3200)。
【請求項18】
輸送経路に沿った線形コンベヤ(1702)の案内プロファイル(2210)によって前記基板キャリア(400)を案内するステップ(3301)と、
前記線形コンベヤ(1702)と基板キャリア(400)との間の歯部によって、前記基板キャリア(400)の輸送運動を行うステップ(3303)と、を含む、
請求項17に記載の方法
(3200)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
様々な例示的な実施形態は、循環式コンベヤ輸送ホイール、基板キャリア、及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、基板、例えばガラス基板、金属基板及び/又はポリマー基板は、基板の化学的及び/又は物理的特性が変化し得るように、処理(プロセス処理)され、例えばコーティングされ得る。基板をコーティングするために、様々なコーティングプロセスを実行することができる。例えば、真空コーティング設備は、化学的及び/又は物理的蒸着によって、1つ又は複数の基板上に1つ又は複数の層を堆積するために利用され得る。
【0003】
基板は、基本的に水平又は直立位置で処理することができる。
【0004】
設備が特に省スペースの形態であることが意図される場合に、いわゆる垂直設置では、従来、例えばいわゆるドラムによって、直立した基板を循環方式で輸送する。ここで、このように輸送される基板は、垂直設置の同じ領域を循環的に通過し、そこで、例えば、コーティングプロセスを実行することができる。このような垂直設置は、輸送部品としてのドラムを非常に狭いスペースに配置することができ、ドラムを取り囲むように処理を行う部品を配置することができるため、特に省スペースである。しかしながら、垂直設置は、時間のかかる方法で基板のグループをドラムにロードする(load:積み込む)こと、及びその基板の処理後に、時間のかかる方法でドラムを再びアンロードする(unload:積み降ろす)ことが必要であり、その結果、操作が中断される。
【0005】
対照的に、高スループットを達成することが求められる場合に、従来、いわゆるインライン設備が使用され、基板の流れがインライン設備全体を通して連続的に輸送され、それによって、ロード及びアンロードの工程は処理と同時に行われる。例えば、インライン設備による基板の輸送中に、コーティングプロセスは、インライン設備の1つ又は複数の領域で実行される。
【0006】
様々な実施形態において、例示として、インライン設備の概念、つまり基板の流れの連続的な輸送は、垂直設置の概念、基板のグループの周期的な輸送と組み合わせることができることが認識されている。これにより、基板のスループットが大幅に向上する。
【0007】
様々な実施形態において、省スペースの方法で高スループットを達成するのを可能にする循環式コンベヤ輸送ホイール、基板キャリア、及び方法が提供される。例示として、非常に狭いスペースでの処理と同時にロード及びアンロードの工程を実行するのを可能にする垂直設置の構成要素及び方法が提供される。
【発明の概要】
【0008】
様々な実施形態によれば、循環式コンベヤ輸送ホイールは、循環式コンベヤ輸送ホイールを回転可能に取り付けることができるフレームワークと;フレームワークの外周に配置された複数の結合装置と;を有することができ、その各結合装置が、基板キャリアの形態フィット結合のための2つの形態フィット輪郭(form-fit contour)を有しており、複数の結合装置は、結合装置のペアを有しており、結合装置のペアの形態フィット輪郭は、ペアのすぐ隣に配置された複数の結合装置の形態フィット輪郭よりも、周囲に沿って互いに小さい間隔を有する。
【0009】
様々な実施形態によれば、基板キャリアは、ヒンジによって(例えば、ペアワイズ(pairwise:対をなす)方式で)互いに接続される複数の部材と;基板キャリアの互いに反対側に配置され、且つ輸送経路に沿って基板キャリアを案内するのに役立つ2つのキャリッジと;を有することができ、2つのキャリッジの少なくとも1つには円筒ピン歯車(lantern-gear:円柱ピンギア)ラックがある。
【0010】
様々な実施形態によれば、方法は、基板キャリアを、真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイール(循環式コンベヤの輸送ホイール)に結合(本明細書では結合(coupling-on)とも呼ばれる)するステップと;真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイールから基板キャリアを結合解除(本明細書では非結合(coupling-off)とも呼ばれる)するステップと;を含むことができ、結合するステップ及び結合解除するステップは、基板キャリアの同じ側で始まる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】様々な実施形態による循環式コンベヤ輸送ホイールを示す図である。
【
図2】様々な実施形態による循環式コンベヤ輸送ホイールを示す図である。
【
図3】様々な実施形態による循環式コンベヤ輸送ホイールを示す図である。
【
図4】様々な実施形態による基板キャリアを示す図である。
【
図5】様々な実施形態による基板キャリアを示す図である。
【
図6】様々な実施形態による基板キャリアを示す図である。
【
図7】様々な実施形態による基板キャリアを示す図である。
【
図8】様々な実施形態による基板キャリアを示す図である。
【
図9】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図10】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図11】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図12】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図13】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図14】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図15】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図16】様々な実施形態による循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す図である。
【
図17A】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17B】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17C】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17D】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17E】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17F】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17G】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図17H】様々な実施形態による搬送装置を示す概略平面図である。
【
図18】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図19】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図20】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図21】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図22】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図23】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図24】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図25】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図26】様々な実施形態による基板キャリアを示す概略断面図である。
【
図27】様々な実施形態による搬送装置を示す概略断面図である。
【
図28】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図29】様々な実施形態による真空装置を示す図である。
【
図30】様々な実施形態による方法における循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)を示す概略平面図である。
【
図31】様々な実施形態による方法における搬送装置を示す概略平面図である。
【
図32】様々な実施形態による方法を示す概略フロー図である。
【
図33】様々な実施形態による方法を示す概略フロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下の詳細な説明では、この詳細な説明の一部を形成し、例示の目的で、本発明を実施することができる特定の実施形態が示される添付の図面を参照する。この点に関して、「上向き」、「下向き」、「前方」、「後方」、「前」、「後」等の方向を示す用語は、説明する図の向きに関連して使用される。実施形態の構成要素が、いくつかの異なる向きに位置付けされ得るので、方向を示す用語は、例示の目的に役立ち、決して制限的ではない。本発明の保護範囲から逸脱することなく、他の実施形態が利用され得、構造的又は論理的修正がなされ得ることは自明である。本明細書に記載の様々な例示的な実施形態の特徴は、特に明記しない限り、互いに組み合わせることができることは自明である。従って、以下の詳細な説明は、限定的な意味で考慮すべきではなく、本発明の保護範囲は、添付の特許請求の範囲によって規定される。
【0013】
この説明の文脈において、「接続される」、「取り付けられる」及び「リンクされる」という表現は、直接及び間接接続(例えば、オーム及び/又は導電性)の両方、直接又は間接取付け、及び直接又は間接リンクを説明するために使用される。図において、同一又は類似の要素は、都合のよい場合に、同一の参照符号によって示される。
【0014】
様々な実施形態によれば、「リンクされる」又は「リンク」という表現は、(例えば、機械的、静水圧的、熱的及び/又は電気的な)例えば、直接又は間接的な接続及び/又は相互作用の意味で理解され得る。複数の要素は、例えば、相互作用(例えば、信号)が送信され得る相互作用チェーンに沿って、互いにリンクされ得る。例えば、一緒にリンクした2つの要素は、互いに相互作用、例えば、機械的、静水圧的、熱的及び/又は電気的相互作用を交換することができる。様々な実施形態によれば、「結合される」は、例えば直接的な物理的接触による、機械的(例えば、物理的)リンクの意味で理解され得る。結合は、機械的相互作用(例えば、力、トルク、振動等)を伝達するように構成され得る。結合は、本明細書では、結合が確立されることを意味すると理解され得る。結合解除は、本明細書では、結合が外されることを意味すると理解され得る。
【0015】
2つの構成要素を互いに結合することは、例えば、それら構成要素が互いに物理的に接触するようにされる(つまり、互いに物理的に接触する)ことを含み得る。2つの構成要素の結合は、例えば、(例えば1つ又は複数の方向に沿った及び/又はこれとは反対の)ブロック(block:遮断)されている構成要素同士の間の相対的な動き(例えば、並進及び/又は回転)によって、それらの自由度の集合的な合計が減少することをさらに含み得る。相対運動のこのブロック(ブロックされた自由度とも呼ばれる)は、例えば、2つの構成要素が形態フィット(form-fitting)方式で互いに結合されることによって実行され得る。
【0016】
2つの構成要素を互いに結合解除することは、例えば、それら構成要素が互いに分離及び/又取り外されることを含み得る。2つの構成要素の結合解除は、例えば、(例えば、1つ又は複数の方向に沿って及び/又はこれとは反対の)有効化されている構成要素同士の間の相対的な動き(例えば、並進及び/又は回転)によって、それらの自由度の集合的な合計が増大することをさらに含み得る。
【0017】
形態フィット結合(形態フィット又は締り嵌めとも呼ばれる)は、2つの構成要素を互いに係合させることによって提供することができる。例えば、形態フィットは、力の伝達がない場合、又は中断した場合でも、2つの構成要素が互いに分離されないように構成され得る。例示として、形態フィットは、一方の構成要素が他方の構成要素の動きを制限し、それによってその相対的な動きがブロックされるという効果を有する。互いに係合できるようにするために、2つの構成要素は、互いに一致し、互いに係合するように構成された形態フィット輪郭(形態フィット輪郭のペアとも呼ばれる)を有する。例えば、形態フィット輪郭は、例えば、輪郭サイズ及び/又は輪郭プロファイルに関して、互いに対応し得る。
【0018】
形態フィット輪郭のペアが互いに同軸である2つのシリンダ面を有する場合に、形態フィットはシリンダ軸線に垂直な面の全ての方向の相対的な動きをブロックし得る。一例は、孔内に挿入され、再び取り外し可能なピンである。孔が止まり孔である場合に、ピンが抜け落ちないように、軸線方向に一方向(unilateral)形態フィット(一方向形状嵌合いとも呼ばれる)がある。シリンダの外面が軸線方向に沿って(つまり、軸線方向が存在する面に沿って)2つの半体に分割され、半体の一方が取り外された場合に、形態フィットは、分割の表面にある方向(双方向(bilateral)形態フィットとも呼ばれる)軸線方向に沿った両側への相対的な動きをブロックする可能性があり、分割の表面に対して横方向にある方向に沿って一方的にブロックする可能性がある。
【0019】
ピンのような形態フィット輪郭は、リベット、ボルト及び/又はねじによっても提供され得る。以下では、とりわけ、形態フィット輪郭を提供するボルトについて言及する。この説明は、形態フィット輪郭を提供する他の本体にも同様に適用できる。
【0020】
様々な実施形態において、形態フィット結合は、少なくとも双方向形態フィット(双方向形状嵌合いとも呼ばれる)を提供し(すなわち、同じ第1の方向に沿った及びその方向とは反対の相対運動をブロックする)、オプションで少なくとも1つの追加の一方向形態フィットを提供する(すなわち、別の第2の方向に沿った相対的な動きをブロックする)ことができる。次に、結合解除によって、相対的な動きが可能になり得る。本明細書で複数の方向のブロック又は有効化に言及する場合に、これらの方向は互いに直交であり得る。
【0021】
開ループ制御は、システムに意図的に影響を与えることを意味すると理解できる。ここで、システムの現在の状態(実際の状態とも呼ばれる)は、仕様(セットポイント状態とも呼ばれる)に従って変化し得る。閉ループ制御は、摂動に起因するシステムの状態変化の追加の反作用を伴う開ループ制御を意味すると理解され得る。開ループ制御システムは、フィードフォワード制御パスを含み、こうして、入力変数(例えば、仕様)を出力変数に変換する明確なシーケンス制御を実施し得ることが分かるであろう。しかしながら、制御パスは、閉ループ制御が実施されるように、閉制御ループの一部でもあり得る。純粋なフィードフォワード・シーケンス制御とは対照的に、閉ループ制御には、入力変数に対する出力変数の継続的な影響が含まれ、これは、閉制御ループ(フィードバック)によって実行される。換言すれば、閉ループ制御システムは、開ループ制御システムの代わりに又はそれに加えて使用され得るか、又は閉ループ制御は、開ループ制御の代わりに又はそれに加えて実行され得る。システムの状態(動作点とも呼ばれる)は、システムの1つ又は複数の制御変数で表すことができ、その実際の値はシステムの実際の状態を表し、その設定値は(ガイド値とも呼ばれる)は、システムの設定点の状態を表す。閉ループ制御の場合に、システムの実際の状態(例えば、測定に基づいて及び/又はセンサによって確認される)が、システムの設定点の状態と比較され、1つ又は複数の制御変数は、システムの設定点の状態からの実際の状態の偏差が最小になるように、(作動要素を使用する)対応する操作変数によって影響を受ける。
【0022】
センサは、対応するインフラストラクチャ(例えば、プロセッサ、メモリ媒体、及び/又はバスシステム等を含む)を有する測定チェーン(chain)の一部であり得る。測定チェーンは、対応するセンサをアクティブにし、その検出した測定変数を入力変数として処理し、これに基づいて、入力変数の検出時点での入力変数の実際の状態を表す電気信号を出力変数として提供するように構成することができる。測定チェーンは、例えば、制御装置(例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC))によって実施され得る。
【0023】
「制御装置」という表現は、例えば、メモリ媒体、ファームウェア、又はこれらの組合せに格納されるソフトウェアを実行し、これに基づいてコマンドを出力することができる例えば回路及び/又はプロセッサを有し得る任意のタイプの論理実装型エンティティを意味すると理解され得る。制御装置は、例えば、コードセグメント(例えば、ソフトウェア)によって、例えば機械又は設備の、例えば少なくともその運動学的連鎖のシステムの動作(例えば、その動作点)を制御するように構成され得る。制御装置は、例えば、プログラマブルロジックコントローラ(PLC)を有するか、又はそれから形成され得る。
【0024】
「プロセッサ」という表現は、データ又は信号の処理を可能にする任意のタイプのエンティティを意味すると理解され得る。データ又は信号は、例えば、プロセッサによって実行される少なくとも1つの(つまり、1つ又は複数の)特定の機能に従って処理され得る。プロセッサは、アナログ回路、デジタル回路、混合信号回路、論理回路、マイクロプロセッサ、中央処理装置(CPU)、グラフィックス処理装置(GPU)、デジタル信号プロセッサ(DSP)、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、集積回路、又はこれらの任意の組合せを有するか、又はこれらから形成され得る。以下でより詳細に説明するそれぞれの機能の任意の他の実装形態は、プロセッサ又は論理回路、例えば、仮想プロセッサ(又は、仮想マシン)又は複数の分散プロセッサとしても理解され得、これらは、例えば、ネットワークによって互いに接続され、任意の所望の方法で空間的に分散され、及び/又はそれぞれの機能(例えば、プロセス間の処理負荷分散)の任意の所望の割合の実装を実行する。同じことが、それぞれの機能を実現するために他の方法で実施されるロジックにも一般的に当てはまる。本明細書で詳細に説明する方法ステップのうちの1つ又は複数が、プロセッサによって実行される1つ又は複数の特定の機能によって、プロセッサによって実行(例えば、実現)され得ることは自明である。
【0025】
「作動要素」(アクチュエータとも呼ばれる)という表現は、活性化に応答して機構又はプロセスに影響を与えるように構成される構成要素として理解され得る。アクチュエータは、制御装置によって出力されるコマンド(いわゆる起動)を、機械的な動き又は圧力や温度等の物理的変数の変化に変換することができる。アクチュエータ、例えば電気機械トランスデューサは、例えば、活性化に応答して、電気エネルギーを(例えば、動きによって)機械的エネルギーに変換するように構成され得る。
【0026】
本明細書に記載の基板キャリアを使用して、1つ又は複数の基板を(例えば、部材毎に)保持及び輸送することが可能である。基板は、約50cm(センチメートル)~約500cmの範囲の幅、又は約500cmを超える幅を有し得る。様々な実施形態において、基板は、セラミック、ガラス、半導体(例えば、シリコン等のアモルファス、多結晶又は単結晶半導体)、金属、及び/又はポリマー(例えば、プラスチック)のうちの少なくとも1つを有し、又はそれらから形成され得る。例えば、基板は、プラスチックフィルム、ウェーハ(半導体基板)、金属フィルム、金属シート、又はガラス板であり得、オプションでコーティングされ得る。
【0027】
様々な実施形態において、基板の処理(プロセス処理とも呼ばれる)は、基板の洗浄、基板のコーティング、基板への照射/ブラスト(例えば、光、UV光、粒子、電子、イオン等による)、基板の表面の修正、基板の加温、基板のエッチング、及び基板のグロー放電への実施のうちの少なくとも1つを含み得る。
【0028】
基板をコーティングすることができるコーティング材料は、金属;遷移金属;酸化物(例えば、金属酸化物又は遷移金属酸化物);誘電体;ポリマー(例えば、炭素ベースのポリマー又はシリコンベースのポリマー);酸窒化物;窒化物;炭化物;セラミック;半金属(例えば、炭素);ペロブスカイト;ガラス又はガラス状材料(例えば、硫化物ガラス);半導体;半導体酸化物;半有機材料、及び/又は有機材料のうちの少なくとも1つの材料を有するか、又はそれから形成され得る。
【0029】
この説明の文脈において、金属(金属材料とも呼ばれる)は、少なくとも1つの金属元素(つまり、1つ又は複数の金属元素)、例えば、銅(Cu)、鉄(Fe)、チタン(Ti)、ニッケル(Ni)、銀(Ag)、クロム(Cr)、白金(Pt)、金(Au)、マグネシウム(Mg)、アルミニウム(Al)、ジルコニウム(Zr)、タンタル(Ta)、モリブデン(Mo)、タングステン(W)、バナジウム(V)、バリウム(Ba)、インジウム(In)、カルシウム(Ca)、ハフニウム(Hf)、サマリウム(Sm)、銀(Ag)、及び/又はリチウム(Li)の元素グループからの少なくとも1つの元素を有するか、又はそれから形成され得る。さらに、金属は、金属化合物(例えば、金属間化合物又は合金)、例えばブロンズ又は真鍮等の(例えば、元素グループからの)少なくとも2つの金属元素から構成される化合物、又は例えば鋼等の(例えば元素グループからの)少なくとも1つの金属元素及び少なくとも1つの非金属元素(例えば、炭素)、から構成される化合物を有するか、又はそれらから形成され得る。オプションで、金属は、例えばクロム、シリコン、モリブデン、ニッケル、バナジウム、炭素、マンガン、リン、硫黄、スズ、亜鉛等の合金元素(例えば、その質量分率が、例えば、個別に又は集合的に10%未満である)を有し得る。
【0030】
ここで、歯車は、本体の周囲に沿って配置された複数の駆動歯を有する実質的に円形の本体を意味すると理解され得る。歯車は、例えば、歯付きディスク、平歯車、円筒ピン歯車ピニオン、又は歯付きリングを有するか、又はそれらから形成され得る。歯車を使用して、例えば円筒ピン歯車の歯部等の歯部を設けることができる。円筒ピン歯車の歯部は、サイクロイド歯車の特殊な形態であり、その場合に、そのピッチ円及びローリング円は同じサイズである。歯部は、真っ直ぐに、すなわち、軸線方向に平行、又はらせん(helical)形状(らせん歯部)、又はらせん(spiral)歯部として実施することができる。歯部のサイズは、モジュラス(modulus)(直径ピッチとも呼ばれる)として決定される。相手側の歯車(本明細書ではカウンターギアとも呼ばれる)又は歯付きラックは、歯車と同じモジュラスの歯部(例えば、インターロック及び/又は伝動装置)を有し得る。
【0031】
2つの構成要素が経路又は方向に沿って互いに対してオフセットして配置される場合に、これは、2つの構成要素が、経路又は方向に対して横方向である表面に投影されたときに、互いに又は部分的にのみオーバーラップするように(合同になるのではなく)隣接して配置されることを意味すると理解され得る。例えば、2つの構成要素は、経路又は方向に対して横方向で方向に沿って互いに間隔を空けることができる。
【0032】
図1は、様々な実施形態による循環式コンベヤ輸送ホイール100を概略斜視図で示している。
【0033】
循環式コンベヤ輸送ホイール100は、循環式コンベヤ輸送ホイールを回転可能に取り付けることができるフレームワーク102と、フレームワーク102の外周102uに配置された複数の結合装置104とを有する。対応する回転軸線151は、方向105に平行であり得る。循環式コンベヤ輸送ホイール100の動作中に、方向105は、例えば、重力に反する方向、すなわち、垂直方向(垂直方向とも呼ばれる)に沿ってもよい。
【0034】
複数の結合装置104は、例えば少なくとも4個の結合装置104、例えば少なくとも6個の結合装置104、例えば少なくとも8個の結合装置104、例えば少なくとも10個の結合装置104、例えば少なくとも16個の結合装置104、例えば少なくとも20個の結合装置104、例えば少なくとも26個の結合装置104を有し得る。
【0035】
循環式コンベヤ輸送ホイール100の高さ201h(循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転軸線151に沿った範囲)は、約0.5m~約2m(メートル)の範囲、例えば約1m~約1.5m(メートル)の範囲であり得る。あるいは又はさらに、循環式コンベヤ輸送ホイール100の直径201d(循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転軸線151に対して横方向の範囲)は、約1m~約5m(メートル)の範囲、例えば約2m~約3mの範囲であり得る。
【0036】
図2は、様々な実施形態200による循環式コンベヤ輸送ホイール100を、結合装置104のうちの1つの結合装置の概略詳細図で示している。結合装置104のそれぞれは、基板キャリアの形態フィット結合のための1つ又は複数の形態フィット輪郭104f(受容ポイントとも呼ばれる)を有し得る。図示の例では、結合装置104は、(例えば、円筒形の)切欠きを有するフォークを有し得、その切欠きの外側の区切りは、形態フィット輪郭104fを提供する。切欠きは、例えば、形態フィット輪郭104fとして凹状の曲率を提供し得る。切欠きは、循環式コンベヤ輸送ホイール100の内部に向けて、例えばその回転軸線に向けてフォーク内に延びることができる。
【0037】
1つのフォークを含む結合装置104が、例として以下で参照される。所与の説明は、他のいくつかの方法で構成された結合装置104と同様に自明に適用され得る。例えば、結合装置104は、フォークの代わりに又はそれに加えてボルトを有することができる。例えば、結合装置104は、凹状の曲率の代わりに又はそれに加えて、凸状の曲率を有し得る。しかしながら、形態フィット輪郭104fは、必ずしも湾曲している必要はない。例えば、形態フィット輪郭104fはまた、角度を付けられ得る。
【0038】
ここに示される例示的な実施形態200では、フォーク104は、フレームワーク102から、又はフレームワーク102の周囲102uから突出し得る。フレームワーク102の周囲102uは、フレームワーク102の直径を有する円の周囲であり得る。循環式コンベヤ輸送ホイール100の周囲202uは、それに応じてより大きく、循環式コンベヤ輸送ホイール100の直径201dを有する円の周囲であり得る。
【0039】
形態フィット輪郭104fは、基板キャリア(基板キャリアの結合装置とも呼ばれる)の相手側の(counterpart)結合装置(本明細書ではカウンター結合装置とも呼ばれる)が循環式コンベヤ輸送ホイールの結合装置104と一緒に接合されたときに、その相手側の結合装置は、形態フィット輪郭104fに対して回転できるようにオプションで構成され得、それによって回転ジョイントが提供される。これは、以下でさらに詳細に説明するように、基板キャリアの結合及び結合解除を容易にする。
【0040】
この目的のために、形態フィット輪郭104fは、例えば、円筒状に湾曲してもよい。例えば、切欠きは、形態フィット輪郭104fがその側面に沿って延びるように、シリンダ(又はその一部)の形状を有し得る。シリンダは、例えば、回転軸線151に沿ったシリンダ軸線を有し得る。シリンダは、例えば、円柱であり得るか、又は他の何らかの形状のベース領域を有し得る。
【0041】
あるいは又はさらに、形態フィット輪郭104fは、例えば、回転(revolution)面又はそのセグメントによって提供され得る。回転面は、同じ平面にある直線の周りの平面曲線の回転によって形成される表面であり得る。直線は、回転軸線151に沿ってもよい。
【0042】
図3は、様々な実施形態300による循環式コンベヤ輸送ホイール100を概略側面図又は断面図で示している。複数の結合装置104は、(例えば、その形態フィット輪郭が)互いに空間的に分離されている、すなわち、周囲(例えば、円周)に沿って、例えばその方向に沿って互いに間隔301dを有する複数の第1の結合装置を有し得る。周囲の方向(例えば、円周)は、領域101、103にある閉じた円形経路に沿っていてもよい。方向101、103は、循環式コンベヤ輸送ホイール100の動作中に、重力を横切る方向、つまり水平領域に広がる方向であってもよい。
【0043】
例示的な用語では、間隔は、周囲に沿って、すなわち周囲に沿って延びる(例えば円形の)経路、及び例えば周囲に対応する長さに沿って測定され得る。換言すれば、間隔は、周囲又は経路に投影された周囲であり得る。次に、周囲の方向は、例えば時計回り又は反時計回りに延び、経路に従う。円柱座標(r、z、φ)で表される場合に、周囲又は経路は、z=定数及びr=定数である線上に延びる(例えば、延びる)。その場合に、間隔は、形態フィット輪郭同士の間に及ぶ円弧bの長さ(つまり、その端が形態フィット輪郭上にある)に対応し、ここで、b=π・r・φij/180°(単位は度)である。次に、角度φijは、i番目とj番目の形態フィット輪郭の間に及ぶ角度を示す。形態フィット輪郭同士の間の間隔は、これら形態フィット輪郭が上下に直接配置される場合に、例えばゼロになることもある。
【0044】
循環式コンベヤ輸送ホイール100は、2つの平面114、124(平面ペアと呼ばれる)を有する1つ又は複数の平面ペアを有し得る。各平面ペア114、124の2つの平面114、124、及び/又は複数の平面ペア114、124は、回転軸線151に関して上下に配置され得る、すなわち、方向105において互いに前後に配置され得る。以下では、理解を容易にするために、平面ペアのうちの1つを参照する。所与の説明は、複数の平面ペアにも同様に適用できる。
【0045】
複数の第1の結合装置104の形態フィット輪郭104fは、平面ペア114、124の第1の平面114に配置され得る。
【0046】
複数の結合装置104は、結合装置のペア302(結合装置ペア302とも呼ばれる)の少なくとも1つ(つまり、1つ又は複数)を有し得、その結合装置は、複数の第1の結合装置のうちの第1の結合装置と、複数の結合装置のうちの第2の結合装置とを有する。例えば、複数の結合装置104は、少なくとも(つまり、1つ又は複数の)第2の結合装置を有し得、その形態フィット輪郭104fは、平面ペア114、124の第2の平面124に配置される。換言すれば、循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転軸線に関して、各第2の結合装置104の形態フィット輪郭104fは、平面ペア114、124の第2の平面124に配置され得る。
【0047】
結合装置のペア302の形態フィット輪郭は、周囲の方向に関して互いに隣接して(例えば、上下に)配置され得るか、又は例えば、回転軸線151に沿った投影において互いに重なり得る。より一般的には、周囲に沿って測定される、結合装置のペア302の形態フィット輪郭104fの間隔は、平面ペア114、124の第1の平面114の形態フィット輪郭104fの間隔302dよりも小さくてもよい。
【0048】
これは、結合装置のペア302の領域において、複数の形態フィット輪郭が異なる平面114、124に存在し、それによって、異なる基板キャリアの互いに面する側(いわゆるその端側(end side))が可能な限り一緒に近くで結合可能であるという効果を有する。これは、基板キャリアの繰返しパターンを可能な限り正確に維持する効果があり、それによって、これら基板キャリアは、可能な限り省スペースの方法で配置され得る。例示として、結合装置のペア302によって、これら基板キャリアが可能な限りシームレスな方法で互いに接するように、2つの異なる基板キャリアを結合することが可能である。
【0049】
さらに、結合装置のペア302の第1の結合装置及び第2の結合装置は、第1の結合装置及び第2の結合装置による結合及び結合解除が互いに独立して起こり得るように構成され得る。これは、例えば、基板キャリアの第1の端側がそれぞれの場合に先導し、基板キャリアの第2の端側がそれぞれの場合に後続するように、基板キャリアが連続して巻き取られ、巻き戻され得るという効果を有する。基板キャリアの第1の端側は、基板キャリアの第2の端側の反対側に配置することができる。
【0050】
図4は、様々な実施形態による基板キャリア400を概略側面図(輸送方向に対して横方向の図)で示している。基板キャリア400は、ヒンジ404によって(例えば、ペアワイズ方式で)互いに接続される複数の部材402(キャリア部材とも呼ばれる)を有し得る。ヒンジは、互いに直接隣接する2つの部材402を互いに結合させ、これら部材が互いに対して回転し得るようにする全ての構成要素の合計を意味すると理解され得る。例えば、ヒンジは、互いに空間的に分離される複数のヒンジセグメント404a、404bを有し得、各ヒンジセグメント404a、404bは互いに直接隣接する2つの部材402を互いに結合する。ヒンジセグメント404a、404bのそれぞれは、例えば、ヒンジボルトを有し得る。
【0051】
部材402は、基板キャリア400の輸送方向111に沿って前後に配置することができる。
【0052】
基板キャリア400はさらに、互いに反対の2つの端側400a、400b(第1の端側及び第2の端側とも呼ばれる)を有し得る。第1の端側400aは、例えば、第1のキャリア部材402の端側(前部キャリア部材402とも呼ばれる)であり得、第2の端側400bは、例えば、第2のキャリア部材402の端側(後部キャリア部材402とも呼ばれる)であり得る。
【0053】
例えば、基板キャリア400は、少なくとも2つの部材402、例えば少なくとも3つの部材402、例えば少なくとも4つの部材402を有し得る。あるいは又はさらに、基板キャリア400は、最大7つ、例えば最大5つ、例えば最大4つ、例えば最大3つの部材402を有し得る。
【0054】
より一般的には、基板キャリア400は、数g=1+nの部材402を有することができ、ここで、nは、ゼロより大きい自然数である。従って、一般的な3つの並進自由度及び3つの回転自由度に加えて、基板キャリア400は、ヒンジによって提供されるn個の自由度をさらに有し得る。
【0055】
各ヒンジ404によって、互いに直接隣接する2つの部材402は、互いに対して移動可能であるように構成され得、これは、基板キャリア400の循環式コンベヤ輸送ホイール100への巻き取り(winding-on)及び対応する巻き戻し(winding-off)を容易にする。ヒンジ又は各ヒンジの回転軸線404d(ヒンジ回転軸線404dとも呼ばれる)は、例えば、基板キャリア400が循環式コンベヤ輸送ホイール100に結合される場合に、方向105に沿って延びることができる。
【0056】
部材402のそれぞれは、1つ又は複数の基板を支持することができるフレーム408(支持フレーム408とも呼ばれる)を有し得る。例えば、3つ以上の基板は、3つの部材402によって支持され得る。この目的のために、部材402のそれぞれは、基板を保持する目的のために、支持フレーム408上に(例えば、保持される各基板に対して)1つの基板保持装置を有し得る。
【0057】
さらに、基板キャリア400は、複数の結合装置414(相手側の結合装置414とも呼ばれる)を有し得る。複数の結合装置は、各部材402について、少なくとも1つの第1の相手側の結合装置414と、少なくとも1つの第2の相手側の結合装置414とを有し得る。例えば、複数の結合装置は、数k=1+gの相手側の結合装置414を有し得る。
【0058】
相手側の結合装置414のそれぞれは、結合装置104の形態フィット輪郭104fに対応する1つ又は複数の形態フィット輪郭を有し得る。互いに対応する形態フィット輪郭は、形態フィット方式で互いに係合するように構成され得る。
【0059】
図示の例では、相手側の結合装置414のそれぞれは、フォーク104の切欠き104fにフィットし得る1つ又は複数のボルトを有し得る。ボルトのそれぞれ(その外側の境界)は、相手側の結合装置414の形態フィット輪郭(相手側の形態フィット輪郭とも呼ばれる)を提供する。ボルトは、例えば、相手側の形態フィット輪郭(本明細書では、カウンター形態フィット輪郭とも呼ばれる)として凸状の曲率を提供し得る。曲率は、循環式コンベヤ輸送ホイール100の内部に向けて、例えばその回転軸線に向けて湾曲させることができる。
【0060】
以下では、例として、1つ又は複数のボルトを含む相手側の結合装置414を参照する。ボルトのそれぞれは、結合装置104のフォークとのフォーク/ボルト接続を可能にし得る。所与の説明は、他のいくつかの構成の相手側の結合装置414、例えば他のいくつかの構成の投影に同様に自明に適用され得、これは、相手側の形態フィット輪郭を提供する。例えば、相手側の結合装置414及び結合装置104はまた、他のいくつかの形態フィット接続、例えば舌部/溝の接続又はボール/ソケットの接続を可能にし得る。
【0061】
一般に、相手側の結合装置414は、凸状の曲率に加えて又はその代わりとして、相手側の形態フィット輪郭として凹状の曲率を有し得る。ただし、相手側の形態フィット輪郭は必ずしも湾曲している必要はない。例えば、相手側の形態フィット輪郭はまた、角度を付けられ得る。
【0062】
相手側の結合装置414のそれぞれは、結合装置104に接合されたときに、回転ジョイントが提供されるように結合装置104に対して回転され得るように構成され得る。これは、基板キャリア400の結合及び結合解除を容易にする。
【0063】
この目的のために、相手側の形態フィット輪郭は、例えば、円筒状に湾曲してもよい。例えば、相手側の結合装置414の突起部(例えば、ボルト)は、相手側の形態フィット輪郭がその側面に沿って延びるように、円筒(又はその一部)の形状を有し得る。シリンダは、例えば、ヒンジ回転軸線に沿ったシリンダ軸線を有し得る。シリンダは、例えば、円柱であってもよく、又は他のいくつかの形状のベース領域を有してもよい。
【0064】
循環式コンベヤ輸送ホイール100の複数の平面と同様に、基板キャリア400は、(例えば、ヒンジ回転軸線に関して)上下に配置された平面から構成される1つ又は複数の平面ペアを有し得、その各平面には、複数の相手側の形態フィット輪郭のうちの少なくとも1つがある。例えば、2つ以上の第1の相手側の形態フィット輪郭は、各平面ペアの第1の平面に配置され得るか、又は循環式コンベヤ輸送ホイール100の第1の結合装置と係合するように構成され得る。例えば、少なくとも1つの第2の相手側の形態フィット輪郭は、各平面ペアの第2の平面に配置され得るか、又は循環式コンベヤ輸送ホイール100の少なくとも1つの第2の結合装置と係合するように構成され得る。
【0065】
以下に説明する実施形態では、相手側の結合装置414のボルトは、ヒンジ404によって、例えばヒンジ404のボルト(次に、ヒンジボルトとも呼ばれる)によって、例えばヒンジセグメント404a、404bのヒンジボルトによって提供され得る。これにより、構造が簡素化される。ヒンジボルトは、例えば、ヒンジピンとして提供され得る(すなわち、厚みのある端部セクションを有する)。
【0066】
部材402の数及び形状は、輸送方向111に沿った基板キャリア400の第1の範囲(長さとも呼ばれる)が、方向105に沿った(すなわち、輸送方向111に対して横方向に)第2の範囲に実質的に対応するように構成され得る。換言すれば、それら範囲は、互いに20%未満しか異ならない可能性がある。例えば、長さ対高さの比(アスペクト比とも呼ばれる)は、実質的に1(すなわち、約0.8~約1.2の範囲)であり得る。これは、基板キャリア400の芯ずれのリスクを低減する(引き出し効果とも呼ばれる)。
【0067】
例えば、長さは、約1m(メートル)~約1.5mの範囲、例えば約1.3mであり得る。
【0068】
実施形態400では、コーティングウィンドウを維持することができ、非常に多数の部材(キャリッジ部材とも呼ばれる)を一度にロード及びアンロードすることが可能であり(これにより時間を節約できる)、及び/又は必要な駆動装置が少なくて済む。
【0069】
図5は、様々な実施形態500による基板キャリア400を概略側面図で示している。
【0070】
基板キャリア400、例えば部材402のそれぞれは、少なくとも1つ又は複数のキャリッジ406(レールキャリッジとも呼ばれる)を有し得る。例えば、基板キャリア400(例えば、部材402のそれぞれ)は、基板キャリア400の互いに反対側(上面及び下面とも呼ばれる)に配置された2つのキャリッジ406を有し得る。輸送経路に沿った基板キャリアの案内は、1つ又は複数のキャリッジ406によって実行され得る。
【0071】
(例えば、各部材の)各キャリッジには、円筒ピン歯車ラックが付いている場合がある。円筒ピン歯車ラックは、以下でさらに詳細に説明するように、駆動技術の分野による機械要素である。例示として、円筒ピン歯車ラックは、歯付きラックの簡素化した形態である。円筒ピン歯車ラックの場合に、歯付きラックの駆動歯部はボルトによって提供される。円筒ピン歯車ラックについて以下で参照する。しかしながら、円筒ピン歯車ラックについての所与の説明は、他のいくつかの構成の歯付きラック、又は複数の駆動歯を含む他のいくつかの構成の機械要素にも同様に適用され得る。円筒ピン歯車ラックは、正確な送り動作を提供するのを可能にする。円筒ピン歯車ラックにより、基板キャリアの比較的正確な輸送が可能になり、これにより、基板キャリア400の循環式コンベヤ輸送ホイール100への巻き取り及びそこからの対応する巻き戻しが容易になる。
【0072】
(例えば、各部材の)各キャリッジ406は、回転可能に取り付けられたローラのペア410(ローラペアとも呼ばれる)を有し得る。ローラペア410は、以下でさらに詳細に説明するように、基板キャリア400の結合及び/又は結合解除を容易にすることができる。例えば、それぞれの場合において、1つのローラペア410は、2つの支持フレーム408の間に配置され得る。
【0073】
ローラペア410の位置は、力が最大化されるので、基板キャリア400の結合及び/又は結合解除をさらに容易にする。例えば、ローラペア410のローラの回転軸線は、ヒンジ404の回転軸線(ヒンジ回転軸線とも呼ばれる)と整列させることができる。あるいは又はさらに、ギャップは、ローラペア410のローラ同士の間に配置され得、そのギャップは、2つのローラの間のヒンジ回転軸線に沿って延びる。
【0074】
基板キャリア400が1より大きいアスペクト比に構成される場合に、関連するより長い長さは、プロセス条件下での巻き取りを妨げる可能性がある。循環式コンベヤ輸送ホイール100の周りに延びる正確に1つのリンクチェーンを使用することは、さらに、非常に大きなロードロック(load lock)チャンバを必要とするであろう。アスペクト比が1未満の非常に多くの短い基板キャリアは、詰まる傾向があり、多数のロード/アンロードプロセスを必要とし、これには長い時間がかかる。アスペクト比が実質的に1の場合に、ロード時間とアンロード時間が最短になる。
【0075】
ヒンジ404によって、基板キャリア400は、曲げられ又は折り畳まれてもよい。オプションで、ヒンジ又は各ヒンジ404は、ヒンジの角度を制限するストッパー(stop)を有することができる(これにより、ヒンジを回転させることができる)。これにより、基板キャリアの望ましくない折り畳みが防止される。
【0076】
ヒンジ404は、オプションで、循環式コンベヤ輸送ホイール100への結合のために相手側の結合装置414のボルト(ヒンジボルト)を提供することができる。循環式コンベヤ輸送ホイール100への結合中及び結合解除中の摩耗を最小限に抑えるために、各ヒンジ404のジャーナル702が、軸受けスリーブを有し得る。これは、ヒンジが循環式コンベヤ輸送ホイール100の受容手段(簡単にするためにドラム100とも呼ばれる)として利用され得るという効果を有する。同じ線に沿った回転、案内、固定の中心は、望ましくないトルクの発生を防ぎ、従って芯ずれを抑える。
【0077】
図6は、様々な実施形態600による基板キャリア400を概略断面図(輸送方向の図を含む)で示している。
【0078】
円筒ピン歯車ラック652は、例えば、一定の間隔でドリル加工され、ボアに挿入されたボルトによって接続される(例えば、溶接又はねじ止めされた)2つの横側壁516(例えば、パネル)を有する歯付きラックを有し得る。例として、円筒ピン歯車ラック652は、はしごの形態で構成され得る。歯車の歯部は、ボルト502同士の間に係合し、こうして、円筒ピン歯車ラック652との形態フィット接続を形成することができる。歯車が回転すると、並進運動が円筒ピン歯車ラック652に伝達され得る。
【0079】
円筒ピン歯車ラック652は、複数のボルトを有することができ、その各ボルトは、オプションで回転軸受けを有する。回転軸受けは、例えば、スリーブ506(軸受けスリーブとも呼ばれる)が取り付けられるボルト軸(axle)504(例えば、金属で構成される)を有し得る。スリーブは、例えば、プラスチック、又は少なくともボルト軸504よりも弾性及び/又は柔らかい材料を有するか、又はそれらから形成され得る。
【0080】
例えば、円筒ピン歯車ラック652のボルト軸504は、1つ又は複数のねじ山を有しており、側壁516の1つに又はその後ろに位置するナットにねじ込まれ得る。あるいは又はさらに、ボルト軸504は、ボルト車軸が側壁をすり抜けないように、側壁516の通路開口部よりも大きい肥厚部分(例えば、ヘッド)を有し得る。
【0081】
円筒ピン歯車ラック652の回転軸受けは、例えば、すべり軸受であり得る。これにより、構造が簡素化される。
【0082】
以下でさらに詳細に説明するように、各ローラペア410のローラ同士の間に、スイッチが係合し得るギャップ410が形成され得る。ローラペア410のローラは、ある方向に沿って互いに間隔を空けてもよく、その方向は、輸送方向111に対して横方向であり、及び/又はヒンジ回転軸線404dに対して横方向である。
【0083】
相手側の各結合装置414は、1つ又は複数のボルトを有し得、その各ボルトは、オプションで回転軸受けを有する。回転軸受けは、例えば、スリーブ414h(軸受けスリーブとも呼ばれる)が取り付けられるボルト軸702(例えば、金属で構成される)を有し得る。スリーブ414hは、例えば、プラスチック、又は少なくともボルト軸702よりも弾性及び/又は柔らかい材料を有するか、又はそれらから形成され得る。ボルト軸702は、ヒンジボルトによって提供され得る。これにより、構造が簡素化される。
【0084】
相手側の各結合装置414の回転軸受けは、例えば、すべり軸受であり得る。これにより、構造が簡素化される。
【0085】
図7は、様々な実施形態700による基板キャリア400の上面を概略斜視図で示しており、基板752がその基板キャリア上に保持された状態で示されている。ローラペア410のローラは、互いに直接隣接する2つのフレーム408の間に形成されるギャップの上に配置することができる。
【0086】
基板キャリア400の端側には、1つ又は複数の第2の相手側の結合装置414を配置することができ、その上部の第2の相手側の結合装置414が示されている。
【0087】
例えば、各第2の相手側の結合装置414は、ピントル(pintle)の形態で提供され得る。ピントルには、突き出たボルトを有するL字型の接続要素があり得る。
【0088】
あるいはまた、各第2の相手側の結合装置414は、例えば、ジャーナル702(ヒンジピンとも呼ばれる)を有するヒンジ(例えば、ヒンジボルトとして)の構成要素によって提供され得る。これにより、様々な構成要素の数が減る。
【0089】
相手側の結合装置414のボルトにはテーパが付けられ得る。これは、以下でさらに詳細に説明するように、例えば、ロック装置(例えば、結合キャッチ)による結合を簡素化する。例えば、ボルトの側壁は、ある角度で互いに収束し得る。角度は、例えば、約1°~約10°の範囲、例えば3°以下であり得る。これにより、セルフロック動作が実現する。例えば、相手側の結合装置414のボルトは、発射体形状の形態(例えば、チップを有する)であり得る。
【0090】
図8は、様々な実施形態800による基板キャリア400の底面を実施形態700に類似した概略斜視図で示しており、基板752がその基板キャリア上に保持されて示されている。基板キャリア400の端側には、1つ又は複数の第2の相手側の結合装置414を配置することができ、その下部の第2の相手側の結合装置414が示されている。下部の第2の相手側の結合装置414は、実施形態700に関した所与の説明と同様に構成され得る。
【0091】
以下では、基板キャリア400及び/又は循環式コンベヤ輸送ホイール100(例えば、循環式コンベヤ輸送ホイール)は、例えば、循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)、搬送装置、又は真空装置等のより複雑なアセンブリと併せて参照される。基板キャリア400又は循環式コンベヤ輸送ホイール100も別個に提供され得る、すなわち、より複雑なアセンブリの一部である必要はなく、及び/又は真空チャンバ内に配置されて提供され得ることが理解され得る。同じことが循環式コンベヤ及び搬送装置にも同様に当てはまる。
【0092】
図9は、様々な実施形態による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示している。循環式コンベヤ900は、循環式コンベヤ輸送ホイール100と、循環式コンベヤ輸送ホイール100が回転可能に取り付けられる軸受け装置(ここでは隠されている)とを有し得る。さらに、循環式コンベヤ900は、回転を循環式コンベヤ輸送ホイール100に伝達するように構成された駆動装置(例えば、モータ)を有し得る。
【0093】
フレームワーク102は、1つ又は複数のリング904と、リング904毎に複数のスポーク906とを有し得る。さらに、フレームワーク102は、スポーク906に接続されるハブ902を有し得る。この設計によって、重量が低減する。ハブ902は、軸受け装置によって取り付けられるか、又はこれを有し得る。例えば、軸受け装置は、1つ又は複数の回転軸受け(例えば、アキシャル軸受け)を有するか、又はそれから形成され得る。
【0094】
循環式コンベヤ輸送ホイール100及び基板キャリア400は、複数の基板キャリア400が、循環式コンベヤ輸送ホイール100に直列に、例えば少なくとも2つの基板キャリア400、例えば少なくとも3つの基板キャリア400、例えば少なくとも4つの基板キャリア400、例えば少なくとも5つの基板キャリア400、例えば少なくとも6つの基板キャリア400、例えば少なくとも7つの基板キャリア400、例えば少なくとも8つの基板キャリア400にフィットするように、互いに対して構成され得る。
【0095】
例えば、それぞれが3つの部材を有する8つの基板キャリア400を使用することができ、これは、設置サイズとロード/アンロード時間との間の適切な妥協案を実現する。
【0096】
図10は、様々な実施形態1000による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示しており、循環式コンベヤ輸送ホイール100の一部が実装されていない(unpopulated)。基板キャリア400が開始又は終了する位置に、それぞれの場合に、1つの結合装置ペア302が配置され得る。換言すれば、周囲に沿って測定される、互いに隣接する結合装置ペア302間の間隔(本明細書では距離とも呼ばれる)は、基板キャリア400の長さに対応し得る(例えば、その長さに実質的に一致し得る)。
【0097】
例えば、循環式コンベヤ輸送ホイール100は、基板キャリア400毎に1つの結合装置ペア302を有し得る。あるいは又はさらに、循環式コンベヤ輸送ホイール100は、基板キャリア400の各部材について、互いに等距離に配置された第1の結合装置104のうちの1つを有し得る。
【0098】
図11は、様々な実施形態1100による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示している。結合装置104のうち、結合装置のそれぞれは、ロック装置1102を有し得る。一般に、各ロック装置1102は、基板キャリア400への結合をロック又は解除する(すなわち、ロックが確立され、外す)ために、少なくとも2つの状態(ロック状態とも呼ばれる)の間で変更され得る。結合装置と相手側の結合装置との間の結合がロックされる場合に、これは、例えば、ロックが外されない限り、もはや容易に外されない可能性がある。
【0099】
ロック装置1102は、例えば、相手側の結合装置414のボルトの周りに係合するように構成されたブラケットを有し得る。以下、例として、ブラケットは、ロック装置1102と呼ばれる。ブラケットは、ブラケット/ボルトロック構成を可能にし得る。所与の説明は、他のいくつかの構成のロック装置1102と同様に自明に適用され得る。例えば、ロック装置1102は、同様に、磁気ロックのための電磁石を有するか、又は結合キャッチ(例えば、フック型キャッチ、ロックキャッチ、斜めキャッチ)、ラッチ、スプリント(splint)等を有し得る。例えば、ロック装置1102は、基板キャリアの一部でもあり得る。
【0100】
結合キャッチは、例えば、(これに応答して)結合が確立されたとき(すなわち、結合が行われるとき)、又は結合キャッチがこのために規定された位置に配置されたときに、結合のロックが自動的に確立される、又はこのために規定された環境に少なくとも曝されるように構成され得る。ロックを確立又は外すために、以下でさらに詳細に説明するように、ロック機構を使用することができる。
【0101】
ブラケット1102は、例えば、2つの位置の間で変位できるように、変位可能1102rとなるように取り付けることができる。第1の位置では、ブラケット1102は、相手側の結合装置414のボルトの周りに係合することができる。第2の位置では、ブラケット1102は、相手側の結合装置414のボルトに対して間隔を置いて配置する(例えば、ボルトの上に配置する)ことができ、それによってボルトが外される。
【0102】
図12は、様々な実施形態1200による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示している。循環式コンベヤ900は、1つ又は複数の平面ペア114、124を有することができ、実施形態1200によれば、下部の平面ペアが示されている。
【0103】
結合装置ペア302は、2つの結合装置104を有し得、その結合装置の形態フィット輪郭104fは、上下に、例えば方向105に沿って前後に、又は周囲方向に沿って互いに隣接して配置される。換言すれば、結合装置ペア302の形態フィット輪郭104fは、方向105に沿って、例えば合同であるように重なり合うことができる。
【0104】
結合装置ペア302は、第1の結合装置104のうちの1つを有し得、第1の結合装置104は、平面ペア114、124毎に、平面ペア114、124の第1の平面114に1つの形態フィット輪郭104fを有する。結合装置ペア302は、平面ペア114、124毎に第2の結合装置104を有し得、この第2の結合装置は、平面ペア114、124の第2の平面124に形態フィット輪郭104fを有する。
【0105】
結合装置ペア302との間隔を置いて、平面ペア114、124毎に1つの形態フィット輪郭104fを有する第1の結合装置104の追加の1つを配置することができ、その形態フィット輪郭は、平面ペア114、124の第1の平面114に配置される。
【0106】
結合装置104のそれぞれは、2つのロック状態の間で変更(例えば、変位)し得るロック装置1102を有し得る。この図は、第1のロック状態(すなわち、ロック装置が閉じた状態)のロック装置1102を示しており、形態フィット方式で結合された基板キャリア400のロックは、第2の相手側の結合装置414のボルトの上に配置されたロック装置1102のブラケットによって確立される。
【0107】
一般に、結合装置104のそれぞれは、結合装置104のロック装置1102を第1のロック状態から第2のロック状態に移動する(開けるとも呼ばれる)か、又はロック装置を反対方向に移動する(例えば、変位させる)(閉じるとも呼ばれる)ように構成されたロック機構1202を有し得る。ロック機構1202は、例えば、並進運動をブラケット1102に伝達するように構成されたリンク機構を有し得る。
【0108】
循環式コンベヤ900は、以下でさらに詳細に説明するように、エレベーション(elevation:隆起)(例えば、傾斜路)をさらに有することができる。リンク機構1202は、例えば、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転運動によってエレベーションと接触させることができ、それによって、リンク機構1202は、エレベーションによって押しのけられ、こうして、その重量(weight force)に逆らって変位する。動作中にリンク機構1202に作用する重量は、反対方向の並進運動に影響を及ぼし得る。リンク機構の動きは、ブラケットが垂直方向に上向き又は下向きに変位するように、ブラケットに伝達され得る。
【0109】
リンク機構は、オプションで、下端セクションとしてローラを有し得る。ローラは、エレベーションでの摺動動作を容易にする。
【0110】
以下、例として、リンク機構を含むロック機構1202について参照する。リンク機構は、ロック装置1102の純粋に機械的な作動を容易にすることができ、これにより、構造が簡素化され、不具合の影響を受け難くなる。所与の説明は、他のいくつかの構成のロック機構1202と同様に自明に適用され得る。例えば、ロック機構1202はまた、クラッチ装置104のロック装置1102を第1の状態から第2の状態に、又はその逆に移動させるように構成された1つ又は複数のアクチュエータを有し得る。あるいは又はさらに、ロック機構1202は、動きをロック装置1102に伝達する伝動装置を有し得る。
【0111】
図13は、様々な実施形態1300による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示している。循環式コンベヤ900は、1つ又は複数の平面ペア114、124を有することができ、その実施形態1300によれば、その上部平面ペアが示されている。例えば、実施形態1200による循環式コンベヤ900は、2つの平面ペア114、124を有することができ、その各平面は、1つ又は複数の形態フィット輪郭を有することができる。
【0112】
結合装置ペア302は、第1の結合装置104のうちの1つを有し得、この第1の結合装置104は、平面ペア114、124毎に、平面ペア114、124の第1の平面114に1つの形態フィット輪郭104fを有する。結合装置ペア302は、平面ペア114、124毎に第2の結合装置104を有し得、この第2の結合装置は、平面ペア114、124の第2の平面124に形態フィット輪郭104fを有する。
【0113】
結合装置ペア302との間隔を置いて、平面ペア114、124毎に1つの形態フィット輪郭104fを有する第1の結合装置104の追加の1つを配置することができ、その形態フィット輪郭は、平面ペア114、124の第1の平面114に配置される。
【0114】
結合装置104のそれぞれは、例えば2つの形態フィット輪郭104fを有することができ、例えば、そのうちの一方の形態フィット輪郭104fが第1の平面ペアに配置され、他方の形態フィット輪郭104fが第2の平面ペアに配置される(例えば、上下に配置される)。これにより、基板キャリアがより効果的に安定する。
【0115】
結合装置104のそれぞれは、平面ペア毎に、上記のようにロック装置1102を有し得る。例えば、ロック装置1102は、結合装置104の2つの形態フィット輪郭104fのそれぞれに提供され得る。2つのロック装置1102は、例えば、それらロック装置が第1の状態と第2の状態との間で同時に変更され得るように、同じリンク機構によって結合され得る。
【0116】
例えば、結合装置ペア302の第1の結合装置104は、下部平面ペアの第1の平面114(
図12を参照)に下部形態フィット輪郭104fを有し、且つ上部平面ペアの追加の第1の平面114(
図13を参照)に追加の第1の形態フィット輪郭104fを有し得る。
【0117】
さらに、結合装置ペア302の第2の結合装置104は、下部平面ペアの第2の平面124(
図12を参照)に第2の形態フィット輪郭104fを有し、且つ上部平面ペアの第2の平面124(
図13を参照)に追加の第2の形態フィット輪郭104fを有し得る。
【0118】
図14は、様々な実施形態1400による循環式コンベヤ900を概略断面斜視図で示しており、ロック装置1102は、第1のロック状態(すなわち、閉じた状態)に移動され、それによって、形態フィット方式で結合される基板キャリアのロックが確立される。
【0119】
図15は、様々な実施形態1500による循環式コンベヤ900を概略斜視図で示しており、ロック装置1102は、第2のロック状態(すなわち、開いた状態)に移動され、それによって、形態フィット形式で結合した基板キャリアのロックが外される。
【0120】
図16は、様々な実施形態1600による循環式コンベヤ900を概略グリッドビューで示しており、ロック装置1102は、第1のロック状態に移動されている。実施形態1600に示されるように、ロック装置1102のブラケットはまた、2つの正方晶プロファイル1606(例えば、プレート)と、その中に保持されるボルト1604(横ラッチとも呼ばれる)(この場合に、スライドとも呼ばれる)とを有し得る。横ラッチは、1つ又は複数の正方晶プロファイル(スライドとも呼ばれる)にのみ固定することもできる。
【0121】
相手側の結合装置414のボルトは、テーパが付けられるように構成され得る。これは、例えば、ブラケットが相手側の結合装置414のボルトの上により容易に押され得るので、結合及び/又はロックを簡素化する。例えば、ボルト414の側壁は、角度1602で互いに収束し得る。角度1602は、例えば、約1°~約10°の範囲、例えば3°以下であり得る。約10°以下の角度は、ロック装置1102のセルフロックを実現し、こうして安全な接続を実現する。例えば、相手側の結合装置414のボルトは、少なくとも特定のセクションにおいて、例えばオプションで丸みを帯びたチップを含む円錐形であり得る。
【0122】
従来、ドラムコーティング設備(ドラムコーター又はボックスコーターとも呼ばれる)のドラム100は、手作業で、又はロボットを用いて複雑な方法で基板を充填(populate)している。手作業による充填を増やすと、一次コストは低くなるが、二次コストは高くなる。手作業で投入するには、処理チャンバを曝気し、その後、カソードを再び自由にスパッタリングする必要がある(初期スパッタリングとも呼ばれる)。対照的に、ロボット技術は面倒で、高価で、遅い。
【0123】
本明細書に記載の循環式コンベヤ輸送ホイール100によって、基板キャリア400は、連続プロセス(例えば、高真空下)において、回転循環式コンベヤ輸送ホイール100に結合され得るが、再びそこから切り離してもよい。結合及び結合解除のプロセスの時間は、1秒のオーダーであり得る。さらに、個々の基板キャリアは、1つ又は複数の基板キャリアがドラム100に結合されたままである間に、選択的に結合解除され得る。これは、例えば、基板ダミー(例えば、基板又は廃棄基板の形態のプレースホルダ(placeholder))を使用するのを可能にし、基板ダミーは、循環式コンベヤ搬送ホイール100上に残り、アンロードする必要がない。換言すれば、循環式コンベヤ輸送ホイール100の全周に(例えば、常に)良好な材料を充填する必要はないが、その周囲には、プレースホルダを部分的に充填することもできる。
【0124】
本明細書で提供される閉鎖機構1102、1202(ロック装置1102及びロック機構1202を含む)は、各基板キャリア400を確実に保持し、循環式コンベヤ輸送ホイールに対して静止状態にすることができる。これは、遠心力が高くなるとき、例えば、特に比較的高い回転速度で、装置を安定させる。
【0125】
ブラケットを含むロック装置1102は、簡素化され、こうして信頼性が高く、安価な構造を提供する。
【0126】
動作中に、基板キャリア400(キャリアとも呼ばれる)は、基板キャリア400に対して接線方向に循環式コンベヤ輸送ホイール100に運ばれる。循環式コンベヤ輸送ホイール100の周速は、この目的のために、基板キャリア400の輸送速度に対応し得る。ヒンジボルト414は、循環式コンベヤ輸送ホイール100(簡単にするためにドラムとも呼ばれる)のフォーク(キャリアレセプタクルとも呼ばれる)によって受け取られ得、それにより5つの自由度がブロックされる。半径方向の並進自由度のみが開いている。半径方向の並進自由度は、横方向ラッチ1604がヒンジボルト414の後ろに移動することによってブロックされる。
【0127】
より一般的には、基板キャリアのより多くの(例えば、全ての)自由度が、第2のロック状態よりも第1のロック状態でブロックされ得る(例えば、基板キャリアの少なくとも1つの自由度は、自由な状態である)。
【0128】
ロック装置(例えば、スライド)は、例えば、専ら重力によってのみ操作することができ、それによって、駆動系及びセンサ技術を省略してもよい。ロック装置(例えば、スライド)は、ドラム100の構成要素であり得、その回転運動中に円形経路上を移動し得る。基板キャリアがそれぞれ結合又は結合解除される領域(それぞれロードポイント又はアンロードポイントとも呼ばれる)は、以下でさらに詳細に説明するように、真空チャンバ内で位置的に固定される。
【0129】
これにより、(例えば、カムディスクを含む)エレベーションによって、開放プロセス中にスライドを上向きに押し上げることが可能になる。スライドを閉じるために、スライドは、重力によって下向きに押される。エレベーション(例えば、カムディスク)は、例えばそれぞれアンロードポイント又はロードポイントの後で再び下がり、スライドは、下向きに下がる。
【0130】
結合装置104のそれぞれは、2つ以上のスライド(又は、横方向ラッチ)、例えば上部に1つのスライド及び下部に1つのスライド、及び/又は形態フィット輪郭毎に少なくとも1つのスライドを有し得る。これにより、閉じる、保持する、開く動作が均一になる。
【0131】
ロック機構1202は、滑り摩擦が大幅に防止され得るように、ローラによって案内され得る。結合装置ペア302は、基板キャリアの分割点に配置され得る。これは、キャリアシェルが上に開かれ、キャリアをドラムから確実に取り外すことができるという効果を有する(つまり、これらは互いに別々に結合及び結合解除され得る)。
【0132】
重力に基づくロック装置による保持及びロック(閉鎖とも呼ばれる)は、簡素化したメカニズムによって実現され、駆動系、センサ、ケーブル、リードスルー等を省くことができる。
【0133】
ローラによるロック機構1202の取り付けは、摩耗及び滑り摩擦を低減する。
【0134】
図17A~
図17Hはそれぞれ、様々な実施形態1700a~1700hによる搬送装置1700を概略平面図で示しており、この搬送装置は、様々な実施形態による循環式コンベヤ900と、1つ又は複数の線形コンベヤ1702とを有する(換言すると、必ずしも2つの線形コンベヤ1702が存在する必要はない)。図示のように、1つ又は複数の基板キャリアを、循環式コンベヤ輸送ホイール100に及び/又は循環式コンベヤ輸送ホイール100から離れる方向に輸送するための輸送経路711を提供するために、様々な構成が提供され得る。
【0135】
例えば、輸送経路711は、交差する方法で延びることができる(
図17A又は
図17Bを参照)。以下でより詳細に説明するように、回転の半分以上(例えば、約3/4)がコーティング装置に利用され得るので、これはコーティング装置のためにより多くのスペースを可能にする。
【0136】
以下では、搬送装置1700及び/又は循環式コンベヤ900について、真空装置と併せて参照する。搬送装置1700及び/又は循環式コンベヤ900も別個に提供され得る、すなわち、必ずしも真空装置の一部である必要はないことが理解され得る。
【0137】
図18は、様々な実施形態による真空装置1800を概略平面図で示しており、この真空装置は、実施形態1700bによる搬送装置1700を有する。真空装置1800は、1つ又は複数の真空チャンバ1802、1804、1806をさらに有し得る。
【0138】
様々な実施形態によれば、真空チャンバは、1つのチャンバ又は複数のチャンバが設けられ得るチャンバハウジングによって提供され得る。チャンバハウジングは、例えば負圧又は真空(真空チャンバハウジング)を提供するために、(例えば、ガス導通(gas-conducting)方式で)ポンプシステム804、例えば、真空ポンプ装置に結合され得、真空状態での空気圧の作用に耐えられるような安定性を有するように構成され得る。ポンプ装置(少なくとも1つの真空ポンプ、例えば高真空ポンプ、例えばターボ分子ポンプを含む)は、処理チャンバの内部、例えば処理空間が、ガスの割合(分圧)で排気されることを可能にし得る。従って、1つの真空チャンバ又は複数の真空チャンバを1つのチャンバハウジング内に提供することが可能である。
【0139】
例えば、各真空チャンバハウジングは、ポンプシステム804(少なくとも1つの粗引き真空ポンプ及びオプションで少なくとも1つの高真空ポンプを含む)に結合され得る。ポンプシステム804は、真空チャンバハウジングから、例えばそのハウジングに提供される各チャンバから、ガス(例えば、プロセスガス)を抽出するように構成され得、それによって、真空チャンバハウジング内に、より低い真空(すなわち、0.3バール未満の圧力)、例えば約1mbar~約10-3mbar以下の範囲の圧力(つまり、低真空)、例えば約10-3mbar~約10-7mbar以下の範囲の圧力(つまり、高真空)、例えば高真空よりも低い圧力、例えば約10-7mbarよりも低い圧力(つまり、超高真空)が提供され得る。プロセス圧力は、ガス供給装置によって供給され、ポンプシステム804によって抽出されるプロセスガスの平衡から形成され得る。
【0140】
真空装置1800は、例えば、循環式コンベヤ輸送ホイール100、第1の線形コンベヤ1702、及び第2の線形コンベヤ1702が配置される第1の真空チャンバ1802(処理チャンバとも呼ばれる)を有し得る。第1の線形コンベヤ1702及び第2の線形コンベヤ1702(例えば、その案内レール)は、輸送経路711が交差方式で延びるように、互いに交差することができる。第1の線形コンベヤ1702は、循環式コンベヤ輸送ホイール100に向かう輸送経路711の第1のセクション711a(第1の輸送セクションとも呼ばれる)を提供し得、第2の線形コンベヤ1702は、循環式コンベヤ輸送経路100から離れる方向の(矢印で示される)輸送経路711の第2のセクション(第2の輸送セクションとも呼ばれる)を提供し得、又はその逆も提供され得る。
【0141】
第1の輸送セクション711aと第2の輸送セクション711bとの間で、輸送経路711は、(循環式コンベヤ輸送ホイール100の周囲に沿って見た場合に)第3のセクション(第3の輸送セクション711c又は処理セクション711cとも呼ばれる)を有し得る。第3の輸送セクション711cは、例えば、約270°の曲率を有し得る。基板の処理、例えばコーティングは、処理セクションに沿って行うことができる。この目的のために、1つ又は複数の処理装置1810を、処理チャンバ1802(処理領域とも呼ばれる)の処理セクション711cに隣接する内部空間に配置することができる。一般に、処理装置1810は、基板を処理する(例えば、加温、コーティング、及び/又は化学的な変化等を含む)ために構成され得る。例えば、処理装置1810は、処理装置1810によって提供されるコーティング材料で基板をコーティングするように構成され得る(次に、処理装置1810は、コーティング装置又はコーティング材料源とも呼ばれる)。
【0142】
コーティング材料源は、様々な実施形態において、例えば処理領域を通って輸送される少なくとも1つの基板(すなわち、1つの基板又は複数の基板)をコーティングするように構成され得る。例えば、コーティング材料源は、ガス状コーティング材料(材料蒸気)及び/又は液体コーティング材料を提供するように構成され得、これらコーティング材料は、例えば層を形成するために少なくとも1つの基板上に堆積され得る。コーティング材料源は、スパッタリング装置、熱蒸発装置(例えば、レーザービーム蒸発器、アーク蒸発器、電子ビーム蒸発器、及び/又は熱蒸発器)、前駆体ガス源、液相アトマイザーのうちの少なくとも1つを有し得る。スパッタリング装置は、プラズマによってコーティング材料を噴霧するように構成され得る。熱蒸発装置は、熱エネルギーによってコーティング材料を蒸発させるように構成され得る。コーティング材料の性質に応じて、昇華、すなわち、固体状態(固相)から気体状態への熱変化が、熱蒸発、すなわち液体状態(液相)から気体状態(気相)への熱変化の代わりに又はそれに加えて、発生する可能性もある。換言すれば、熱蒸発装置は、コーティング材料を昇華させることもできる。液相アトマイザーは、液相からのコーティング材料、例えば塗料の塗布のために構成され得る。コーティング装置としてのスパッタリング装置について以下で参照する。しかしながら、所与の説明は、他のいくつかの構成のコーティング装置にも同様に適用され得る。
【0143】
例えば、コーティング材料は、金属;遷移金属;酸化物(例えば、金属酸化物又は遷移金属酸化物);誘電体;ポリマー(例えば、炭素ベースのポリマー又はシリコンベースのポリマー);酸窒化物;窒化物;炭化物;セラミック;半金属(例えば、炭素);ペロブスカイト;ガラス又はガラス状材料(例えば、硫化物ガラス);半導体;半導体酸化物;半有機材料、及び/又は有機材料のうちの少なくとも1つの材料を有するか、又はそれから形成され得る。
【0144】
真空装置1800は、例えば、第1のロード(load)ロック弁1816aと追加の第1のロードロック弁1826bとの間に配置され得る第2の真空チャンバ1804(第1のロードロックチャンバ又は第1のロードロックとも呼ばれる)を有し得る。第1のロードロック弁1816aは、第1のロードロックチャンバを処理チャンバ1802に結合することができる。第1のロードロックチャンバ1804には、第1の輸送セクション711aの続きを形成する線形コンベヤを配置することができる。
【0145】
真空装置1800は、例えば、第3の真空チャンバ1806(第2のロードロックチャンバ又は第2のロードロックとも呼ばれる)を有し得、これは、第2のロードロック弁1816bと追加の第2のロードロック弁1826aとの間に配置され得る。第2のロードロック弁1816bは、第2のロードロックチャンバを処理チャンバ1802に結合することができる。第2のロックチャンバ1806には、第2の輸送セクション711bの続きを形成する線形コンベヤを配置することができる。
【0146】
上記のように、互いの続きを形成する(すなわち、輸送経路711の共通セクションを提供する)少なくとも2つの線形コンベヤが存在し得、ここで、ロードロック弁が2つの線形コンベヤの間に配置される。例示として、2つの線形コンベヤの一方が、処理チャンバ1802内に配置され、2つの輸送セクション711a、711bのうちの1つを提供し、2つの線形コンベヤの他方が、ロードロックチャンバ内に配置される。2つの線形コンベヤへのこの機能的分離(スループット構成とも呼ばれる)により、これら2つの線形コンベヤ(例えば、その駆動装置)を互いに独立して制御することが容易になり、それによってロードロックチャンバ内の基板キャリアが固定位置に留まり、処理チャンバ1802内の基板キャリアが循環式コンベヤ輸送ホイール100に向けて又はそれから離れる方向に輸送される。これにより、より多数の基板キャリアが周期的に輸送され、これら基板キャリアが循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転サイクルに順序付けられる(すなわち、輸送が同期される)ことが容易になる。
【0147】
しかしながら、2つのセクション(線形コンベヤセクションとも呼ばれる)を有する線形コンベヤを使用することも可能であり、ロードロック弁は、2つの線形コンベヤセクションの間に配置される。例示として、2つの線形コンベヤセクションの一方が、処理チャンバ1802内に配置され、2つの輸送セクション711a、711bのうちの1つを提供し、2つの線形コンベヤセクションの他方が、ロードロックチャンバ内に配置される。2つの線形コンベヤセクションの機能ユニット(簡略化構成とも呼ばれる)は、制御が簡素化されるように、これら線形コンベヤセクション(例えば、その駆動装置)が一緒に結合した方式で制御されることを容易にする。しかしながら、この場合に、処理チャンバ1802内の基板キャリアが循環式コンベヤ輸送ホイール100に向けて又はそれから離れる方向に輸送されるときに、基板キャリアをロードロックチャンバ内に配置する必要がない場合がある。
【0148】
以下では、簡素化構成又はスループット構成を例として参照する。線形コンベヤセクションの所与の説明は、線形コンベヤセクションの代わりに使用される、対応して互いに独立して制御可能な線形コンベヤと同様に自明に適用することができ、逆もまた同様である。
【0149】
図19は、様々な実施形態1900による真空装置1800を概略平面図で示しており、この真空装置は、実施形態1700aによる搬送装置1700を有しており、2つの線形コンベヤ1702が直列に配置される。例えば、第1の輸送セクション711a及び第2の輸送セクション711bは、例えば、これらセクションが循環式コンベヤ輸送ホイール100及び第3の輸送セクション711cに隣接する場所で、互いに隣接し得る。
【0150】
これは、第3の輸送セクション711cが、例えば約270°を超える、例えば約360°の曲率を有し得るという効果を有する。これは、同様に、処理が実行され得る距離の増大を実現する。
【0151】
実施形態1700bによる搬送装置1700について以下で参照する。しかしながら、所与の説明は、他のいくつかの構成の搬送装置1700にも同様に適用され得る。
【0152】
図20は、様々な実施形態2000による真空装置1800を概略平面図で示しており、真空装置1800は、実施形態1700bによる2つの搬送装置1700を有する。これにより、連結を実現して、より多数の処理装置を有するより大きなアセンブリを形成し、こうして、より大きな層の複雑性及び/又はより大きなスループットを可能にする。
【0153】
様々な実施形態によれば、ドラムコーティング設備のドラム100(ドラムコートとも呼ばれる)は、ロボットを使用せずに壁(ドラムのシェル)に接合するキャリアで占められ得る。
【0154】
キャリアは、処理チャンバを曝気する必要なしに、ドラム100に個別に巻き取られ、ドラム100から再び巻き戻してもよい。キャリアは、ロードロックチャンバ1804、1806を介してドラムに対して接線方向にロードすることができる。これは、一般に、交差又はインライン構成で行うことができる。
【0155】
キャリアが交差する構成でロードされる場合に、アンロード及びロード時間を節約することがさらに可能であり、その結果、生産時間が増大する。チャンバ曝気の中間工程を省略した場合に、初期スパッタリングの中間工程も省略できる。
【0156】
図21は、様々な実施形態2100による真空装置1800を概略平面図で示しており、搬送装置は、線形コンベヤ1702と循環式コンベヤ輸送ホイール100との間に配置されたスイッチ2102を有する。
【0157】
スイッチ2102は、2つの状態の間で変更されるように構成され得、そのうち、スイッチ2102は、第1の状態(第1のスイッチ状態とも呼ばれる)で、循環式コンベヤ輸送ホイール100に対して位置し、第2の状態(第2のスイッチ状態とも呼ばれる)で、第1のスイッチ状態よりも循環式コンベヤ輸送ホイール100との間隔(本明細書では距離とも呼ばれる)が大きくなる。
【0158】
スイッチ状態を(第1のスイッチ状態と第2のスイッチ状態との間で)変更するために、スイッチ2102の案内プロファイルは、例えば方向105に沿って、又は例えば方向105に対して横方向に変位2101され得る。スイッチ状態の変更は、例えば、スイッチ2102のアクチュエータによって実行され得る。方向105に沿った案内プロファイルの変位は、例えば、回転軸線の周りで回転される案内プロファイルによって実行され得る。この目的のために、スイッチ2102は、回転軸受けを有することができ、この回転軸受けによって、案内プロファイルが回転可能に取り付けられる。
【0159】
案内プロファイルは、例えば、レール状キャリア(本明細書では、簡単にするためにレール又は案内レールとも呼ばれる)を有し得る。例えば、案内プロファイルは、以下でより詳細に説明するように、案内プロファイルがレール状片持ち梁として構成されるように、端部セクションに(例えば、回転可能に)取り付けられ得る。案内レールは、輸送経路の一部を提供する細長い本体を意味すると理解され得る。例えば、各案内レールは、プラスチックを有するか、又はそれから形成され得る。これにより摩耗が減少する。
【0160】
図22は、様々な実施形態2200による真空装置1800を概略斜視図で示しており、この真空装置は、第1の線形コンベヤと循環式コンベヤ輸送ホイール100との間に第1のスイッチ2102と、第2の線形コンベヤと循環式コンベヤ輸送ホイール100との間に第2のスイッチ2102とを有する。スイッチ2102は、第2のスイッチ状態(すなわち、開いた状態)で示されている。
【0161】
スイッチの1つと線形コンベヤの1つを以下で参照し、行われる説明は、いずれの場合にもスイッチと線形コンベヤ(存在する場合に)との両方に適用され得る。
【0162】
スイッチ2102は、2つのレール状片持ち梁2202を有し得、その各片持ち梁2202は、スイッチ2102の伝動装置2204(例えば、偏心器、クランクシャフト、又はニーレバーを含む)によって変位され得、且つジョイント2206(例えば、回転軸受けを含む)によって取り付けられ得る。スイッチ2102を第2のスイッチ状態(スイッチの開放とも呼ばれる)にさせる場合に、2つのレール状片持ち梁2202は、互いに離れるように回転され得る。スイッチ2102が第1のスイッチ状態に移動する場合に(スイッチの閉鎖とも呼ばれる)、2つのレール状片持ち梁2202は、互いに向けて回転することができる。
【0163】
片持ち梁2202は、第1のスイッチ状態で、線形コンベヤ1702の上部及び下部案内レール2210の続きを形成し、及び/又はこれら案内レール2210を輸送経路に沿って循環式コンベヤ輸送ホイール100に接続することができる。片持ち梁2202は、第2のスイッチ状態で、輸送経路を中断することができる。
【0164】
線形コンベヤ1702は、線形コンベヤ1702によって保持された基板キャリア400に並進運動を伝達するための、案内レール2210及び1つ又は複数の歯車2212(以下の説明も参照)を有し得る。各歯車2212は、歯車2212を駆動するための駆動装置(例えば、モータ)をさらに有する、線形コンベヤ1702の駆動列の一部であり得る。以下でさらに詳細に説明するように、各歯車2212は、基板キャリア400の円筒ピン歯車ラック内にその歯と係合するように配置され得る。
【0165】
伝動装置を含むスイッチ2102が、以下の例として参照される。所与の説明は、他のいくつかの構成のスイッチ2102と同様に自明に適用され得る。変速機2204は、スイッチのレールの変位を容易にするために、並進運動と回転運動との間の伝達及び/又は変換を可能にする。例えば、真空装置1800は、動き(例えば、回転運動)を伝動装置2204に伝達するように構成された駆動装置(例えば、モータ)を有し得る。スイッチの駆動装置は、例えば、真空チャンバの外側(例えば、大気中)に配置され得、それによってその動きは、真空リードスルー(例えば、回転リードスルー)によって伝動装置に伝達され得る。しかしながら、例えば、駆動装置によって生成された力がスイッチに直接伝達される場合に、伝動装置は基本的に省略してもよい。
【0166】
図23は、様々な実施形態2300による真空装置1800を概略斜視図で示しており、実施形態2200のスイッチ2102は、第1のスイッチ状態(すなわち、閉じた状態)で示されている。
【0167】
図24は、様々な実施形態2400による真空装置1800を概略平面図で示しており、実施形態2300のスイッチ2102は、第1のスイッチ状態にある。第1のスイッチ状態では、スイッチ2102は、例えばそのレール2202を介して、循環式コンベヤ輸送ホイール100が回転するときに、ローラペア410のローラ同士の間のギャップが移動する経路に隣接し得る。
【0168】
より一般的には、スイッチ2102及び基板キャリア400は、スイッチ2102が第1のスイッチ状態にあるときであって、キャリッジが循環式コンベヤ輸送ホイール100によって輸送されるときに、基板キャリア400のキャリッジ406に係合するように、互いに対して構成され得る。これは、巻き戻しが開始されるという効果を有する。
【0169】
図25は、実施形態2400による真空装置1800を概略平面図で示しており、循環式コンベヤ輸送ホイール100は、実施形態2400に関して後の時点で示され、それによって、循環式コンベヤ輸送ホイールは、ある程度回転している。
【0170】
係合によって、キャリッジ406は、循環式コンベヤ輸送ホイール100からスイッチ2102のレール2202に沿って案内されるか、又は第3の輸送セクション711cから第2の輸送セクション711bに案内され得る(巻き戻しとも呼ばれる)。こうして、基板キャリア400は、循環式コンベヤ輸送ホイール100から切り離される(すなわち、結合解除される)。
【0171】
反対の輸送方向では、キャリッジ406は、スイッチ2102が第1のスイッチ状態にあるとき、スイッチ2102のレール2202から循環式コンベヤ輸送ホイール100に、又は第2の輸送セクション711bから第3の輸送セクション711cに案内され得る(巻き取りとも呼ばれる)。こうして、基板キャリア400は、循環式コンベヤ輸送ホイール100に接合される(すなわち、結合される)。
【0172】
これには、キャリア(基板キャリアとも呼ばれる)が並進運動から回転運動へとドラム上で自動的に案内されるという効果がある。これは、例えば、チャンバを曝気し、ドラムを回転運動から停止させる必要なしに行うことができる。従って、これは流れるようなシーケンスを実現する。
【0173】
キャリアは、例えばレールシステムによってドラムに案内され、その後、スイッチによってドラムの受容ポイントに接合される。スイッチには、例えば案内レールとして関節ストリップがある。スイッチには、例えば、開閉するためのジョイント及びレセプタクルがある。接合プロセスの後に、コーティングプロセス中にキャリアと一緒にドラムを妨げないように、スイッチを再び開くことができる。
【0174】
アンロードプロセスを実行するために、スイッチを閉じることができ、キャリアを回転運動から並進運動に強制的に案内して、こうして強制的にアンロードすることができる。
【0175】
スイッチは、例えば、伝動装置としてクランクドライブ(クランク駆動装置)を有し得る。さらに、回転式リードスルーは安価である。さらに、スイッチを制御するためのセンサ装置(例えば、リミットスイッチを含む)は、真空チャンバの外側に配置することができる。これにより、構造が簡素化される。
【0176】
円筒ピン歯車ラックと歯車2212(円筒ピン歯車とも呼ばれる)との係合が提供される駆動機構について、以下で説明する。
【0177】
図26は、様々な実施形態2600による基板キャリア400を、円筒ピン歯車ラックの構造を簡素化する概略断面図(輸送方向の図を含む)で示している。
【0178】
円筒ピン歯車ラックの各ボルト軸504は、肩付きねじ(シリンダジャーナルねじとも呼ばれる)によって提供され得る。これにより、構造が簡素化される。肩付きねじは、一方の端部にねじ山があり、反対側の端部にはいわゆる肩部2604(ねじ頭)があり、その間に円柱形のセクションが配置される。ナット2602は、側壁516が肩部2604とナット2602との間に配置されるようにねじ山にねじ込むことができる。側壁の間に、肩付きねじの円柱形セクションが延びる溝を形成することができる。
【0179】
例えば、溝及び側壁516を提供するU字形の梁を使用することができる。
【0180】
図27は、様々な実施形態2700による搬送装置1700を、簡素化した構造を可能にする概略断面図(輸送方向111に対して横方向の図を含む)で示している。
【0181】
搬送装置1700の各線形コンベヤ1702(例えば、その駆動列)は、歯車2212と基板キャリア400の円筒ピン歯車ラック652との互いの係合によって、並進運動を基板キャリア400に伝達するための1つ又は複数の歯車2212を有し得る。搬送装置1700の各線形コンベヤ1702(例えば、その駆動列)は、各歯車2212を駆動するための駆動装置2706(例えば、モータを含む)をさらに有し得る。駆動装置2706は、各歯車2212にトルクを供給するように構成され得る。
【0182】
各歯車2212は、その歯を介して、基板キャリア400の円筒ピン歯車ラック(例えば、そのボルト同士の間)に係合するように配置され得る。
【0183】
搬送装置1700は、駆動装置2706、例えばそれによるトルク出力を制御するように構成された制御装置2704をさらに有し得る。さらに、線形コンベヤ1702は、基板キャリア400の輸送プロセスを検出するように構成された1つ又は複数のセンサ2702(輸送センサ2702とも呼ばれる)を有し得る。
【0184】
制御装置2704は、輸送センサ2702を制御し、その検出した測定変数を入力変数として処理し、これに基づいて、その検出時点での入力変数の状態を表す電気信号を出力変数として提供するように構成され得る。検出は、一般に、光学的、機械的、電気的、及び/又は磁気的に(例えば、誘導的に)行われ得る。
【0185】
輸送センサ2702は、例えば、基板キャリア400の位置及び/又は速度を表す物理変数を検出するように構成され得る。基板キャリア400の検出は、一般に、光学的、機械的、電気的及び/又は磁気的に(例えば、誘導的に)行われ得る。例えば、輸送センサ2702はまた、機械的検出(例えば、リミットスイッチの方法で)又は電磁的検出のために構成され得る。
【0186】
あるいは又はさらに、輸送センサ2702は、例えば、歯車2212の位置及び/又は速度を表す物理的変数を検出するように構成され得る。例えば、輸送センサ2702は、駆動装置2706の歯車2212を駆動するサーボモータの絶対値エンコーダによって提供され得る。駆動装置2706は、基板キャリア400の位置及び/又は速度の代わりに又はそれに加えて、歯車の位置及び/又は速度を検出することを容易にする。しかしながら、代替的に又は追加的に、歯車を、例えば光バリアによって、直接的に、例えば光学的、機械的、電気的、及び/又は磁気的に(例えば、誘導的に)検出することも可能である。その光ビームは回転する歯によって周期的に遮断される。
【0187】
サーボモータは、そのモータシャフトの角度位置、回転速度、及び/又は加速度を検出するように構成された駆動装置を意味すると理解され得る。サーボモータは、電気モータを有し得、且つ電気モータのモータシャフト(例えば、その角度位置、回転速度、及び/又は加速度)を検出するための輸送センサを有し得る。制御装置(いわゆるサーボコントローラを実装する)は、閉制御ループが実施されるように、電気モータのセンサによって検出した電気モータのモータシャフト(すなわち、その検出状態)に基づいて、及び1つ又は複数の設定値(例えば、モータシャフトの設定角度位置、モータシャフトの設定回転速度、及び/又はモータシャフトの設定加速度)に基づいて、電気モータを制御することができる。
【0188】
絶対値エンコーダが輸送センサ2702として十分である場合に、真空中で追加の輸送センサ2702を省くことが可能である。例えば、サーボモータは、真空リードスルーによって歯車に結合することができる。
【0189】
サーボモータの代わりに又はそれに加えて、電気ステッピングモータを使用することもでき、これにより、センサ装置及び閉制御ループを省くことができる。換言すれば、例えば、駆動装置がステッピングモータを有する場合に、輸送センサ2702も省略され得る。
【0190】
別の例では、輸送センサ2702は、基板キャリア400を検出するように構成され得る。例えば、輸送センサ2702は、基板キャリア400による光ビームの遮断を検出する光バリアを有し得る。輸送センサ2702としての光バリアについて、例として以下で参照する。所与の説明は、他のいくつかの構成の輸送センサ2702と同様に自明に適用され得る。
【0191】
光バリアにより、構造が簡素化される。例えば、光バリアは、互いに直接隣接する2つの円筒ピン歯車ラック又は連続して直ぐに輸送される基板キャリア400同士の間のギャップを検出するように構成され得る。
【0192】
制御装置2704は、センサ2702によって検出した輸送プロセス、すなわち輸送プロセスの実際の状態に基づいて、線形コンベヤ1702の駆動装置2706を制御するように構成され得る。あるいは又はさらに、制御装置2704は、センサ2702によって検出した輸送プロセス、すなわち輸送プロセスの実際の状態に基づいて、循環式コンベヤ900の駆動装置を制御するように構成され得る。制御は、例えば、循環式コンベヤ輸送ホイール100の周速が、線形コンベヤ1702によって輸送される基板キャリア400の輸送速度に対応するように実行され得る。これは、循環式コンベヤ900によって及び線形コンベヤ1702によって輸送を同期させる。
【0193】
円筒ピン歯車の歯部は、シンプルで信頼性が高く、最も形態フィットする駆動形式を提供する。例えば、円筒ピン歯車の歯部は、キャリアをドラムに接合するプロセス中の滑りエラーを制限する。さらに、円筒ピン歯車ラック(例えば、キャリア)の位置は、サーボモータの絶対値エンコーダによって検出することができる。これにより、真空中に追加のセンサが必ずしも必要とされない場合がある。
【0194】
各キャリアは、例えば、特定の位置に滑ることなく輸送することができる。測定誤差は、輸送センサ2702によって最小化され得る。駆動列は、さらに最小化され得る。円筒ピン歯車の歯部(例えば、その回転軸受け)は、摩耗やすり減りをさらに減らし、粒子による汚染を減らす。
【0195】
一例では、キャリアは、円筒ピン歯車ラックレールシステムによってドラムに案内され、その後、スイッチによってドラムの受容ポイントに接合される。次に、円筒ピン歯車ラックは、キャリアの一部になる。円筒ピン歯車ラックは、プラスチックで構成された緩い軸受けスリーブを有する。キャリアは、軸受けスリーブ上を転がることができる。ここでは、転がり摩擦と形態フィット駆動とが組み合わされている。あるいは又はさらに、各案内レールは、耐摩耗性プラスチックで構成される。円筒ピン歯車ラックの軸受けスリーブはその上で回転し、摩耗を減らす。
【0196】
駆動列は、真空回転リードスルーを有することができ、このリードスルーによって、円筒ピン歯車ラックに供給される駆動エネルギーが真空チャンバのチャンバ壁を通って導かれる。さらに、センサ技術は、プロセスに関して確実に、真空チャンバの外側に配置され得る。
【0197】
図27に示されるように、線形コンベヤ1702は、2つの案内レール(上部レール及び下部レールとも呼ばれる)を有し得、その間で、基板キャリア400が輸送される。上部レール及び下部レールによって、傾斜作用が抑制されるため、例えば加速等の非常に均一な輸送プロセスを提供することができる。
【0198】
これは、滑り及び傾斜作用が抑制されるため、キャリアの激しい加速及び高速移動が可能になるという効果がある。さらに、輸送プロセスの開ループ及び/又は閉ループ制御を実施するために複雑なPLCは必要ない。
【0199】
図28は、様々な実施形態2800による真空装置1800を概略斜視図で示している。真空装置1800の各線形コンベヤ1702の案内レール2210は、複数の互いに空間的に分離されたセグメント2804(レールセグメントとも呼ばれる)を有し得る。換言すれば、案内レール2210は、1つ又は複数の凹部2802を有し得る(すなわち、中断され得る)。
【0200】
例えば、ロードロックチャンバ1806、1804内の線形コンベヤセクションは、1つ又は複数のレールセグメントを有し得る。あるいは又はさらに、処理チャンバ1802内の線形コンベヤセクションは、1つ又は複数のレールセグメントを有し得る。
【0201】
歯車2212は、例えば、各線形コンベヤセクションの互いに直接隣接する2つのセグメント2804の間に配置され得る。例えば、歯車2212は、凹部2802を通って延び得る。あるいは又はさらに、ロードロック弁1816a、1816bは、互いに直接隣接する2つの線形コンベヤセクションの間に配置され得る。
【0202】
図29は、様々な実施形態2900による真空装置1800を、簡素化した構造を示す概略断面図(輸送方向111に対して横方向の図を含む)で示している。
【0203】
真空装置1800を操作するための方法は、基板キャリア400を線形コンベヤ1702によって循環式コンベヤ輸送ホイール100に輸送するステップと、基板キャリア400を循環式コンベヤ輸送ホイール100に結合するステップとを含むことができる。
【0204】
基板キャリア400を循環式コンベヤ輸送ホイール100に輸送することは、スイッチ2102が第1のスイッチ状態に移動され、基板キャリア400がスイッチ2102によって線形コンベヤ1702から循環式コンベヤ輸送ホイール100に移送されることを含み得る。
【0205】
基板キャリア400の結合は、循環式コンベヤ輸送ホイール100のロック装置が第2のロック状態(すなわち、開いた状態)にあるときに、基板キャリア400の相手側の結合装置が、循環式コンベヤ輸送ホイール100の結合装置と一緒に接合され(これらが接触することを含む)、基板キャリア400の相手側の結合装置が循環式コンベヤ輸送ホイール100の結合装置と一緒に接合されるときに、ロック装置は第1のロック状態(閉じた状態とも呼ばれる)に移動することを含み得る。
【0206】
基板キャリア400の相手側の結合装置が循環式コンベヤ輸送ホイール100の結合装置と一緒に接合されることにより、基板キャリア400の(これまで自由であった)1つ又は複数の自由度をブロックすることができる。ロック装置が第1のロック状態に移動することにより、基板キャリア400の(これまでは自由であった)少なくとも1つ又は複数の追加の自由度をブロックすることができる。
【0207】
図30は、方法3000の様々な実施形態による循環式コンベヤ900を概略平面図で示している。結合装置104(例えば、その形態フィット輪郭104f及び/又はそのロック装置1102)は、基板キャリア400と係合するときに、回転ジョイントを形成するように構成され得る。換言すれば、基板キャリア400、例えばそのフレーム408には、結合装置104が基板キャリア400の相手側の結合装置と一緒に接合されているとき、及び/又はロック装置1102が第1のロック状態にあるときに、少なくとも1つの回転自由度が提供され得る。
【0208】
これは、支持フレームが結合装置104によって片側のみで結合されている場合に、各支持フレーム408(又は、各部材)を循環式コンベヤ輸送ホイール100に対して回転させることができるという効果を有する。フレーム408(又は、部材)が互いに反対側で循環式コンベヤ輸送ホイール100に結合されている場合に、フレーム408(又は、部材)のより多くの(例えば、全ての)自由度をブロックすることが可能である。
【0209】
例えば、基板キャリア400は、(案内又は結合なしで)一般に3つの並進自由度及び3つの回転自由度を有し得る。さらに、基板キャリア400は、2つのキャリア部材の間の回転接続毎に1つの追加の自由度(部材の自由度とも呼ばれる)を有し得る(例示として、2つのキャリア部材の間の角度は、変更され得る)。こうして、3つの部材を有する基板キャリア400は、8自由度を有し得る。
【0210】
3011での基板キャリア400の端側(最前部)の相手側の結合装置414と結合装置104との形態フィット接合は、基板キャリア400の2つの並進自由度及び2つの回転自由度を両側でブロックすることができる。対応するロックが確立される場合に、(循環式コンベヤ輸送ホイール100から離れる方向の)第3の並進自由度は、両側でブロックされ得る。より一般的には、基板キャリアのより多くの自由度が、ロック装置の第2の状態よりもロック装置の第1の状態でブロックされ得る(例えば、基板キャリアの少なくとも1つの部材の自由度又は1つの並進自由度は一方向で自由である)。
【0211】
3013において、循環式コンベヤ輸送ホイール100は、基板キャリア400の次の相手側の結合装置414が循環式コンベヤ輸送ホイール100の結合装置104と接触するまで回転され得る。基板キャリア400の1つの部材の自由度は、3013において、基板キャリア400の次の相手側の結合装置414のうちの1つと結合装置104との形態フィット接合、及びロックの確立のインスタンス毎にブロックされ得る。これは、基板キャリア400の後端側の相手側の結合装置414が循環式コンベヤ輸送ホイール100の後端側の結合装置104と接触するまで繰り返され得る。
【0212】
3015において、基板キャリア400の後方の相手側の結合装置414と結合装置104との形態フィット接合及びロックの確立は、基板キャリア400の最終部材の自由度をブロックすることができる。
【0213】
方法3000のシーケンス3011、3013、3015によって、基板キャリア400を巻き取ることができる(すなわち、基板キャリアの部材を連続して結合することができる)。シーケンス3011、3013、3015の反対方向では、基板キャリア400を巻き戻すことができる(すなわち、基板キャリアの部材を連続して結合解除することができる)。
【0214】
図31は、方法3100の様々な実施形態による搬送装置1700を概略平面図で示している。搬送装置1700は、調整可能な傾斜路3102を有し得る。
【0215】
傾斜路3102は、2つの状態の間で変更できるように構成することができ、その傾斜路3102は、第1の状態(第1の傾斜路状態とも呼ばれる)で、循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転中にロック機構1202を作動させ3111、第2の状態(第2の傾斜路状態とも呼ばれる)で、第1の傾斜路状態よりもロック機構1202に対してより大きな間隔(本明細書では距離とも呼ばれる)を有する。例えば、傾斜路3102はまた、傾斜可能又は高さ調整可能であるように構成され得る。傾斜路3102の(例えば、機械的)調整は、例えば作動要素によって実行され得る。
【0216】
第1の傾斜路状態(3103)では、ロック機構1202は、ロックが外されるように作動され得る。第2の傾斜路状態(3101)では、ロック機構1202は作動されないか、又はロック機構は、循環式コンベヤ輸送ホイール100の回転中に接触せずに傾斜路を通過し、それによってロックが維持され得る。
【0217】
傾斜路3102の調整及びスイッチ2102の調整は、例えば、一緒に行われるか、又は互いに結合されるか、又は同期され得る。
【0218】
スイッチ2102が第2のスイッチ状態にされた場合に(3101)、傾斜路3102は、第2の傾斜路状態にされ得る。これは、スイッチがローラペア(図示せず)のギャップに係合しない場合に、又は第1の輸送セクション711a及び/又は第2の輸送セクション711bが中断された場合に、ロックが維持されるという効果を有する。
【0219】
スイッチ2102が第1のスイッチ状態に移動された場合に(3103)、傾斜路3102は第1の傾斜路状態に移動され得る。これは、スイッチがローラペア(図示せず)のギャップに係合するか、又は第1の輸送セクション711a及び/又は第2の輸送セクション711bが確立される場合に、ロックが外されるという効果を有する。その結果、基板キャリアは巻き戻され得る。反対方向では、巻き取りが行われ得る。
【0220】
図32は、様々な実施形態による方法3200を概略フロー図で示している。
【0221】
基板キャリアは、輸送方向に、第1の側(第1の端側とも呼ばれる)を有し得、輸送方向の外に、第2の側(第2の端側とも呼ばれる)を有し得る。第1の端側及び第2の端側は、互いに向かい合って配置することができる。
【0222】
方法3200は、3201において、基板キャリアを、真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイールに結合するステップと;3205において、基板キャリアを、真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイールから結合解除するステップと;を含むことができ、基板キャリアの結合及び結合解除は、基板キャリアの第1の側で始まり、及び/又は基板キャリアの結合及び結合解除は、基板キャリアの第2の側で終了する。
【0223】
方法3200は、3203において、循環式コンベヤ輸送ホイールに結合された基板キャリアによって運ばれる1つ又は複数の基板を処理するステップを含み得、ここで、循環式コンベヤ輸送ホイールは、処理中に回転される。処理は、例えば、コーティング材料による各基板のコーティングを含み得る。
【0224】
各基板の処理(例えば、コーティング)は、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転あたり1回転の半分以上(例えば、4分の3)に沿って行われ得る。回転は360°の回転角に対応し得、ここで回転の半分は180°の回転角に対応する。処理は、第3の輸送セクション711cに沿って行うことができ、これは、1回転あたり1回転の半分以上(180°の回転角に対応する)、例えば1回転あたり1回転の3/4以上(270°の回転角に対応する)を有する。
【0225】
一般に、処理は、加温、コーティング、ブラスト、研磨(例えば、洗浄)及び/又は化学的な変化のうちの1つ又は複数を含み得る。処理は、1つ又は複数の処理装置1810によって(例えば、1回転毎に)実行され得る。各基板の処理は、連続して、例えば1回転あたり複数回、又は複数回転によって実行され得る。例えば、各基板は、1つ又は複数のコーティング装置によって放出されるガス状コーティング材料を通って輸送され得る。コーティングは、例えば、物理蒸着によって実行され得る。
【0226】
基板キャリアは、結合前に第1の輸送セクション711aに沿って、及び結合後に第2の輸送セクション711bに沿って輸送され、又はその逆に輸送され得る。第1の輸送セクション711a及び第2の輸送セクション711bは、例えば、長さ、位置、プロファイル、始点及び/又は終点に関して互いに異なっていてもよい。
【0227】
あるいは又はさらに、第1の輸送セクション711a及び第2の輸送セクション711bは、少なくとも1つのポイントで互いに隣接するか、又はそのポイントで互いに交差することができる。
【0228】
基板キャリアの結合は、本明細書に記載されるように、基板キャリアの複数の部材の連続的な結合(巻き取りとも呼ばれる)を含み得る。基板キャリアの結合解除は、本明細書に記載されるように、基板キャリアの複数の部材の連続的な結合解除(巻き戻しとも呼ばれる)を含み得る。
【0229】
基板キャリアの結合は、(例えば、ロック装置を閉じることによる)基板キャリアの循環式コンベヤ輸送ホイールへの結合をロックすることを含み得る。基板キャリアの結合解除は、(例えば、ロック装置を開くことによる)基板キャリアの循環式コンベヤ輸送ホイールへの結合のロックを外すことを含み得る。
【0230】
基板キャリアの結合解除及び/又は基板キャリアの結合は、循環式コンベヤ輸送ホイールが回転している間及び/又は真空中に行われ得る。
【0231】
基板キャリアの結合解除は、別の基板キャリアの結合の後又は前に、例えば循環式コンベヤ輸送ホイールが1回転する前に実行され得る。
【0232】
図33は、様々な実施形態による方法3300を概略フロー図で示している。方法3300は、3301において、輸送経路に沿った案内プロファイルによって基板キャリアを案内するステップと;3033において、歯部によって、基板キャリアの送り運動を生成する(換言すれば、輸送運動を行う)ステップと;を含み得る。
【0233】
真空装置及び方法の例示的な値を以下に述べる:同時に結合することができる基板キャリアは、24である(これは、数24を分割可能な約数が多いという利点を有する。従って、8×3のキャリアを一緒に配置することが可能である);基板キャリアの結合/結合解除の時間:12個の基板キャリアの場合に約12分;コーティングウィンドウ:約650mm(ミリメートル)×360mm(高さ×幅);循環式コンベヤ輸送ホイールの設置面積:約4100mm×6200mm×2800mm(長さ×直径×高さ);循環式コンベヤ輸送ホイールの回転速度範囲:約10~100回転/分(rpm);コーティング時間:約100回転、これは100rpmで0.025秒/基板キャリア又は1/40秒に相当する;100rpmでの循環式コンベヤ輸送ホイール上の基板キャリアの速度が約886m/分である。
【0234】
以下に、上記の説明及び図中の図に関連する様々な例を説明する。
【0235】
実施例1は、循環式コンベヤ輸送ホイールであり、この循環式コンベヤ輸送ホイールは、循環式コンベヤ輸送ホイールを回転可能に取り付けることができるフレームワーク(例えば、置台、キャリア、及び/又はシャーシ)と;フレームワーク(例えば、置台、キャリア及び/又はシャーシ)の外周に(例えば、それに沿って及び/又はその上に)配置された複数の(例えば、3つ以上の)結合装置と;を有しており、その各結合装置のそれぞれが、(例えば、基板キャリアの形態フィット結合のために)基板キャリア(400)を形態フィット方式で結合する少なくとも1つの形態フィット輪郭(本明細書では締り嵌め輪郭とも呼ばれる)を有しており、複数の結合装置は結合装置のペアを有しており、その形態フィット輪郭は、ペアのすぐ隣に配置された(本明細書では直接隣接とも呼ばれる)複数の結合装置の形態フィット輪郭よりも、周囲の(例えば方向)に沿って(例えば、周囲の経路上に投影される)互いにより小さな間隔(例えば、間隔なし)を有し、例えば、ペアの形態フィット輪郭は、例えば互いに隣接する(例えば、経路に沿って間隔がない)周囲の(例えば方向)に沿って互いに対してオフセットして(例えば、横方向に)配置され(つまり、周囲に沿ったパスの互いに反対側にある)、例えば、各ペアは、複数の結合装置の複数の(multiple)(例えば等距離の)第1の結合装置のうちの第1の結合装置と、複数の結合装置の複数の(例えば等距離の)第2の結合装置のうちの第2の結合装置とを有する。
【0236】
実施例2は、(例えば、実施例1による)循環式コンベヤ輸送ホイールであり、この循環式コンベヤ輸送ホイールは、循環式コンベヤ輸送ホイールを回転可能に取り付けることができるフレームワーク(例えば、置台、キャリア、及び/又はシャーシ)と;フレームワーク(例えば、置台、キャリア、及び/又はシャーシ)の外周に(例えば、それに沿って及び/又はその上に)配置された複数の結合装置と;を有しており、その結合装置のそれぞれが、基板キャリアの形態フィット結合のために少なくとも1つ(例えば、2つ)の形態フィット輪郭を有しており、複数の結合装置は、例えば、それぞれの場合において周囲の(例えば方向)に沿って(例えば周囲上に投影される、例えば周囲の経路上に投影される)互いに間隔を有する複数の第1の結合装置を有しており、複数の結合装置は、少なくとも1つの第2の結合装置を有し、その形態フィット輪郭に対して、複数の第1の結合装置の(例えば、第2の結合装置とペアを形成する)形態フィット輪郭は、周囲に直接隣接する第1の結合装置(例えば、その形態フィット輪郭)よりも、周囲の(例えば方向)に沿って(例えば周囲上に投影される、例えば経路上に投影される)より小さな間隔(例えば、間隔なし)を有する。
【0237】
例えば、複数の結合装置は、結合装置のペアを含み、結合装置のペアの各結合装置は、形態フィット輪郭を含み、結合装置のペアの形態フィット輪郭同士の間の距離は、結合装置のペアの形態フィット輪郭と、結合装置のペアのすぐ隣に配置された複数の結合の(例えば、それぞれの)形態フィット輪郭との間の(例えば、最小の)距離未満である。
【0238】
実施例3は、実施例1又は2による循環式コンベヤ輸送ホイールであり、形態フィット輪郭のそれぞれは、突起部又は切欠きによって提供される。
【0239】
実施例4は、実施例1乃至3のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置は、結合装置の複数のペアを有しており、各ペアの形態フィット輪郭は、複数のペアの間に配置された複数の結合装置の形態フィット輪郭よりも、周囲の(例えば方向)に沿って互いに小さい間隔を有しており、及び/又はその間に複数の等距離の結合装置が配置される。
【0240】
実施例5は、実施例1乃至4のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、少なくとも1つの第2の結合装置は、複数の第2の結合装置を有しており、例えば、その各第2の結合装置は、複数の第1の結合装置(例えば、その形態フィット輪郭)が互いに有するよりも、複数の第1の結合装置のうちの1つの形態フィット輪郭に対してより小さな間隔を有する形態フィット輪郭を有する。
【0241】
実施例6は、実施例1乃至5のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の第2の結合装置の数は、複数の第1の結合装置の数よりも少ない。
【0242】
実施例7は、実施例6による循環式コンベヤ輸送ホイールであり、周囲に沿った複数の第2の結合装置の互いの間隔は、複数の第1の結合装置の互いの間隔よりも大きい;及び/又はそれぞれの場合において、複数の第2の結合装置の互いに直接隣接する結合装置は、互いに実質的に同じ間隔を有する(すなわち、これらは等距離である)。
【0243】
実施例8は、実施例1乃至7のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、各第2の結合装置の形態フィット輪郭は、第1の結合装置の形態フィット輪郭よりも、周囲の(例えば方向)に沿った複数の第1の結合装置の第1の結合装置の形態フィット輪郭に対してより小さな間隔を有しており、及び第1の結合装置に直接隣接する複数の第1の結合装置のそれらの結合装置は、互いに有している。
【0244】
実施例9は、実施例1乃至8のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、少なくとも1つの第2の結合装置の形態フィット輪郭は、周囲の(例えば方向)に関して、複数の第1の結合装置のうちの1つの結合装置の形態フィット輪郭に隣接して配置される。
【0245】
実施例10は、実施例1乃至9のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、少なくとも1つの第2の結合装置の形態フィット輪郭は、複数の第1の結合装置のうちの1つの結合装置の2つの形態フィット輪郭の間に配置される。
【0246】
実施例11は、実施例1乃至10のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、それぞれの場合において、複数の第1の結合装置の互いに直接隣接する結合装置は、互いに実質的に同じ間隔を有する(すなわち、これらは等距離である)。
【0247】
実施例12は、実施例1乃至11のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置の形態フィット輪郭がシリンダに隣接しており、そのシリンダ軸線は、例えば、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転軸線上に配置される。
【0248】
実施例13は、実施例1乃至12のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置は複数のグループを有しており、その各グループは、正確に、1つの第2の結合装置及び複数の第1の結合装置を有する。
【0249】
実施例14は、実施例1乃至13のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、フレームワーク(例えば、置台、キャリア、及び/又はシャーシ)は、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転軸線に対して前後に配置される第1の平面及び第2の平面を有しており、少なくとも1つ(例えば、2つ)の形態フィット輪郭は、第1の平面に第1の形態フィット輪郭と、第2の平面に第2の形態フィット輪郭とを有する。
【0250】
実施例15は、実施例1乃至14のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の第1の結合装置の形態フィット輪郭は、互いに等距離に配置される;及び/又は複数の第2の結合装置の形態フィット輪郭は、互いに等距離に配置される。
【0251】
実施例16は、実施例1乃至15のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、フレームワーク(例えば、置台、キャリア、及び/又はシャーシ)は、回転軸線の周りに回転可能なように循環式コンベヤ輸送ホイールを取り付けることができるハブを有する。
【0252】
実施例17は、実施例16による循環式コンベヤ輸送ホイールであり、ハブは、回転軸線を提供するアキシャル軸受けを有する。
【0253】
実施例18は、実施例1乃至17のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置は、ハブ及び/又は循環式コンベヤ輸送ホイールの回転軸線の周りに配置される。
【0254】
実施例19は、実施例1乃至18のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれの形態フィット輪郭は、シリンダ表面(例えば、円形シリンダ又は放物線シリンダ)のセグメントによって提供される。
【0255】
実施例20は、実施例1乃至19のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれの形態フィット輪郭は、回転面のセグメントによって提供される。
【0256】
実施例21は、実施例1乃至20のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、循環式コンベヤ輸送ホイールの動作中の回転速度は、毎分約10回転(rpm)~毎分約100回転の範囲である。
【0257】
実施例22は、実施例1乃至21のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、循環式コンベヤ輸送ホイールの動作中の周速は、毎分約80m(メートル)~毎分約900mの範囲である。
【0258】
実施例23は、実施例1乃至22のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、少なくとも1つの形態フィット輪郭は、基板キャリアと係合して、回転ジョイントを提供するように構成される。
【0259】
実施例24は、実施例1乃至23のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、少なくとも1つの形態フィット輪郭は、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転軸線に向けて、又は回転軸線から離れる方向に湾曲している。
【0260】
実施例25は、実施例1乃至24のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれの少なくとも1つの形態フィット輪郭は、互いに向けて、又は互いに離れる方向に湾曲している。
【0261】
実施例26は、実施例1乃至25のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれが、形態フィット輪郭を提供するフォーク又はボルトを有する。
【0262】
実施例27は、実施例1乃至26のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれが、第1の状態及び第2の状態になり得る(例えば、切り替え及び/又は変更され得る)ロック装置を有しており、第1の状態では、基板キャリアへの形態フィット結合がロックされ、第2の状態では、ロックが外され、例えば、ロックが外される(例えば、取り外される及び/又は逆にされる)ときよりもロックが確立されるときに、結合のより多くの自由度がブロックされ、例えば、ロック装置は、結合をロックするためのブラケットを有する。
【0263】
実施例28は、実施例27による循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置のそれぞれは、ロック機構がその重力とは反対に作動されるときに、ロック装置を第2の状態に移動させ、及び/又は重力によってロック装置を第1の状態に移動させるように構成されたロック機構を有する。
【0264】
実施例29は、実施例28による循環式コンベヤ輸送ホイールであり、ロック機構は、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転運動によって作動されるように構成される。
【0265】
実施例30は、実施例27乃至29のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールであり、複数の結合装置(例えば、そのロック装置及び/又はそのロック機構)のそれぞれは、ロック装置が互いに独立して第1の状態又は第2の状態にあることができるように構成される。
【0266】
実施例31は、実施例1乃至30のいずれかによる循環式コンベヤ輸送ホイールと;循環式コンベヤ輸送ホイールが回転可能に取り付けられる軸受け装置と;を有する循環式コンベヤ(例えば、循環式コンベヤ)である。
【0267】
実施例32は、実施例31による循環式コンベヤであり、循環式コンベヤ輸送ホイールは、周囲に沿って湾曲して延びる輸送経路を提供する。
【0268】
実施例33は、実施例31又は32による循環式コンベヤであり、循環式コンベヤ輸送ホイールは、回転軸線の周りに回転可能であるように取り付けられており、回転軸線は重力方向に沿って延びる。
【0269】
実施例34は、実施例31乃至33のいずれかによる循環式コンベヤであり、1つ又は複数の基板を運ぶための少なくとも1つの基板キャリアをさらに有しており、少なくとも1つの基板キャリアは、例えば、実施例50乃至74のいずれかに従って構成される。
【0270】
実施例35は、搬送装置であり、この搬送装置は、実施例31乃至34のいずれかによる循環式コンベヤ;循環式コンベヤ輸送ホイールに向かう輸送経路を提供するための第1の線形コンベヤ;及び/又は循環式コンベヤ輸送ホイールから離れる方向に輸送経路を提供するための第2の線形コンベヤ;を有しており、第1の線形コンベヤ及び/又は第2の線形コンベヤは、実施例76乃至87のいずれかに従って構成される。
【0271】
実施例36は、実施例35による搬送装置であり、輸送経路は、循環式コンベヤ輸送ホイールによって第1の線形コンベヤから第2の線形コンベヤに迂回される。
【0272】
実施例37は、実施例35又は36による搬送装置であり、循環式コンベヤ輸送ホイールの周囲は、第1の線形コンベヤ及び/又は第2の線形コンベヤよりも大きい長さを有する。
【0273】
実施例38は、実施例35乃至37のいずれかによる搬送装置であり、第1の線形コンベヤ及び/又は第2の線形コンベヤによって生成される並進運動と、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転運動とを互いに同期させる同期機構をさらに有する。
【0274】
実施例39は、実施例35乃至38のいずれかによる搬送装置であり、輸送経路は、横方向に(例えば、交差するように)延びる(例えば、延びる)。
【0275】
実施例40は、実施例35乃至39のいずれかによる搬送装置であり、搬送装置は、輸送経路に沿った双方向輸送のために構成される。
【0276】
実施例41は、実施例35乃至40のいずれかによる搬送装置であり、2つの状態の間で変更され得る少なくとも1つのスイッチをさらに有しており、そのスイッチは、第1の状態において、循環式コンベヤ輸送ホイールに向かう又はそれから離れる方向の輸送経路のセクションを提供し、第2の状態において、輸送経路のセクションを遮断し、少なくとも1つのスイッチは、案内レールを有する。
【0277】
実施例42は、実施例41による搬送装置であり、少なくとも1つのスイッチは、第1の線形コンベヤと循環式コンベヤ輸送ホイールとの間に配置される第1のスイッチを有し、及び/又は少なくとも1つのスイッチは、第2の線形コンベヤと循環式コンベヤ輸送ホイールとの間に配置される第2のスイッチを有する。
【0278】
実施例43は、実施例41又は42による搬送装置であり、少なくとも1つのスイッチは、作動機構を有しており、この作動機構は、少なくとも1つのスイッチの第1の状態で、循環式コンベヤ輸送ホイールのロック機構を作動させるように構成され、作動機構は、例えば、エレベーション(例えば、傾斜路)を有する。
【0279】
実施例44は、実施例41乃至43のいずれかによる搬送装置であり、少なくとも1つのスイッチの案内レールは、片持ち梁を有する。
【0280】
実施例45は、実施例41乃至44のいずれかによる搬送装置であり、ジョイントをさらに有しており、ジョイントによって、少なくとも1つのスイッチの案内レールが回転軸線の周りで回転可能であるように取り付けられ、スイッチの回転軸線は、循環式コンベヤ輸送ホイールの回転軸線に対して横方向である。
【0281】
実施例46は、実施例41乃至45のいずれかによる搬送装置であり、少なくとも1つのスイッチの案内レールに動きを伝達するように構成された伝動装置をさらに有しており、伝動装置は、例えば、真空リードスルーを有する。
【0282】
実施例47は、真空装置であり、この真空装置は、実施例35乃至46のいずれかによる搬送装置と;循環式コンベヤ搬送ホイール、基板キャリア、及び/又は線形コンベヤが配置される真空チャンバと;を有する。
【0283】
実施例48は、実施例47による真空装置であり、循環式コンベヤ輸送ホイールの周りに配置された複数のコーティング装置をさらに有する。
【0284】
実施例49は、実施例47又は48による真空装置であり、真空チャンバは、(例えば、チャンバカバーとして構成される)チャンバ壁を有しており、真空チャンバは、例えば、チャンバカバー及び真空チャンバが一緒に接合されたときに密閉されるチャンバ開口部を有しており、チャンバカバーは、オプションで、コーティング装置のうちの1つが収容されるハウジングを有する。
【0285】
実施例50は、基板キャリアであり、この基板キャリアは、回転接続(例えば、ヒンジ)によって(例えば、ペアワイズ方式で)互いに接続される複数の部材と;基板キャリアの互いに反対側(例えば、上部及び下部)に配置され、且つ輸送経路に沿って基板キャリアを案内するのに役立つ2つのキャリッジと;を有する。
【0286】
実施例51は、基板キャリア(例えば、実施例50による基板キャリア)であり、複数の結合装置(相手側の結合装置とも呼ばれる)をさらに有しており、例えば、その相手側の各結合装置は、循環式コンベヤ輸送ホイールの複数の結合装置のうちの結合装置に結合されるように構成される。
【0287】
実施例52は、実施例50又は51による基板キャリアであり、2つのキャリッジのうちの少なくとも1つ(つまり、1つ又は複数)が、複数の駆動歯を有しており、及び/又は、例えば、2つのキャリッジのうちの少なくとも1つ(つまり、1つ又は複数)は、例えば、複数の駆動歯を有する歯付きラック(例えば、円筒ピン歯車ラック)を有する。
【0288】
実施例53は、実施例50乃至52のいずれかによる基板キャリアであり、2つのキャリッジ(例えば、基板キャリアの各キャリッジ)のうちの少なくとも1つ(例えば、2つ又はそれぞれ)が、複数のボルト(例えば、駆動歯を提供する)を有しており、各ボルトには、例えば回転軸受けがある。
【0289】
実施例54は、実施例50乃至53のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置のそれぞれが、2つのキャリッジの間に配置された形態フィット輪郭を有する。
【0290】
実施例55は、実施例50乃至54のいずれかによる基板キャリアであり、複数の結合装置の2つの形態フィット輪郭が、基板キャリアの輸送経路に沿って互いに対して、例えば互いに隣接して、オフセット(例えば、千鳥及び/又は変位)して配置され、2つの形態フィット輪郭は、例えば、輸送経路の互いに反対側に配置される。
【0291】
実施例56は、実施例50乃至55のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置のそれぞれの少なくとも1つの形態フィット輪郭は、基板キャリアの片側に配置され、例えば、軸回転式接続の回転軸線が、その片側(側面)に配置される。
【0292】
実施例57は、実施例50乃至56のいずれかによる基板キャリアであり、それぞれの場合において、複数の相手側の結合装置は、基板キャリアの輸送経路に沿って(例えば、ペアワイズ方式で)互いに間隔を空ける。
【0293】
実施例58は、実施例50乃至57のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置は、基板キャリアの輸送経路に沿って互いに等距離になるように構成される。
【0294】
実施例59は、実施例50乃至58のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置は、少なくとも1つの第1の相手側の結合装置及び少なくとも1つの第2の相手側の結合装置を有しており、その形態フィット輪郭は、基板キャリアの輸送経路に対して横方向に互いにオフセットして配置され(例えば、形態フィット輪郭は、輸送経路に対して横方向に配置され、形態フィット輪郭の間の領域への投影において、互いに隣接して配置される)、及び/又はその形態フィット輪郭は、基板キャリアの輸送経路に対して横方向に(ある方向に沿って)互いに間隔を空ける。
【0295】
実施例60は、実施例59による基板キャリアであり、少なくとも1つの第2の相手側の結合装置は、基板キャリアの互いに反対側の端側に配置された2つの第2の相手側の結合装置を有する。
【0296】
実施例61は、実施例50乃至60のいずれかによる基板キャリアであり、2つのキャリッジ(例えば、基板キャリアの各キャリッジ)のうちの少なくとも1つ(例えば、2つ又はそれぞれ)が、回転可能に取り付けられるローラの1つ又は複数のペアを有しており、そのローラの回転軸線(例えば、互いに平行に向き合わせされる)は、互いに隣接して配置され、ギャップが、例えば、ローラ同士の間又はその回転軸線の間に形成され、例えば、ローラ又はその回転軸線は、回転軸線に対して横方向に沿った、互いの間隔を有する。
【0297】
実施例62は、実施例50乃至61のいずれかによる基板キャリアであり、輸送経路に沿った第1の範囲及び輸送経路に対して横方向の第2の範囲をさらに有しており、第1の範囲及び第2の範囲は実質的に等しい(例は、互いに20%未満しかずれていない)。
【0298】
実施例63は、実施例50乃至62のいずれかによる基板キャリアであり、複数の部材のそれぞれは、フレームと、それに固定された基板保持装置とを有する。
【0299】
実施例64は、実施例50乃至63のいずれかによる基板キャリアであり、複数の部材の第1の部材は、第1の部材の互いに反対側(例えば、上部及び下部)に配置された2つのキャリッジを有する。
【0300】
実施例65は、実施例50乃至64のいずれかによる基板キャリアであり、複数の部材の第2の部材は、第2の部材の互いに反対側(例えば、上部及び下部)に配置された2つの追加のキャリッジを有する。
【0301】
実施例66は、実施例50乃至65のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置は、部材毎に、1つの相手側の結合装置を有し、且つ少なくとも1つの追加の相手側の結合装置を有する。
【0302】
実施例67は、実施例50乃至66のいずれかによる基板キャリアであり、2つの部材を互いに結合する各回転接続は、ヒンジを有するか、又はヒンジから形成される。
【0303】
実施例68は、実施例67による基板キャリアであり、ヒンジは、互いに空間的に分離した複数のヒンジセグメントを有する。
【0304】
実施例69は、実施例50乃至68のいずれかによる基板キャリアであり、各回転接続(例えば、ヒンジセグメントのそれぞれ)が、複数の相手側の結合装置のうちの1つを支持するヒンジピンを有する。
【0305】
実施例70は、実施例50乃至69のいずれかによる基板キャリアであり、複数の相手側の結合装置のそれぞれは、形態フィット輪郭を提供するボルト又はフォークを有する。
【0306】
実施例71は、実施例70による基板キャリアであり、ボルトは、例えば10°以下(例えば、3°)の角度でテーパが付けられる。
【0307】
実施例72は、実施例50乃至71のいずれかによる基板キャリアであり、1つ又はそれぞれの回転接続は、突出し、且つ複数の相手側の結合装置のうちの1つを提供するボルトを有する。
【0308】
実施例73は、実施例50乃至72のいずれかによる基板キャリアであり、相手側の結合装置のそれぞれは、回転軸受けを有しており、その回転軸受けによって、形態フィット輪郭が回転可能に取り付けられる。
【0309】
実施例74は、実施例50乃至73のいずれかによる基板キャリアであり、基板キャリアの長さが、循環式コンベヤ輸送ホイールの周囲の1/10未満であり、例えば循環式コンベヤ輸送ホイールの周囲の1/20未満であり、例えば循環式コンベヤ輸送ホイールの周囲の1/26未満である。
【0310】
実施例75は、真空装置であり、この真空装置は、実施例50乃至74のいずれかによる基板キャリアと、基板キャリアが配置される真空チャンバとを有する。
【0311】
実施例76は、線形コンベヤであり、この線形コンベヤは、(例えば、実施例50乃至74のいずれかによる)基板キャリアの輸送経路を提供する細長い案内プロファイルであって、その複数の本体は、案内プロファイル上に配置され且つ回転可能に取り付けられ、その各本体は、基板キャリアとの歯部(例えば、インターロック及び/又は伝動装置)を形成するための複数の駆動歯を有する、案内プロファイルと;複数の本体のそれぞれにトルクを伝達するための駆動装置であって、例えば、その駆動歯が、同じサイクルタイミングで(換言すれば、同じ周波数で)案内プロファイルを通過する、駆動装置と;を有する。
【0312】
実施例77は、実施例76による線形コンベヤであり、本体は、複数の駆動歯の歯幅に関して対応している(同じ/一致である)。
【0313】
実施例78は、実施例76又は77による線形コンベヤであり、本体は、直径及び/又は周囲に関して対応している。
【0314】
実施例79は、実施例76乃至78のいずれかによる線形コンベヤであり、本体は、直径ピッチ(歯ピッチをpiで割ったものに対応する)又は歯ピッチ(2つの隣接する歯の間隔にも対応し、周囲ピッチと呼ばれ、例えば歯あたりの周囲の一部で測定される)に関して対応する。
【0315】
実施例80は、実施例76又は79による線形コンベヤであり、本体は、ピッチ円直径及び/又はローリング円直径に関して対応する。
【0316】
実施例81は、実施例76乃至80のいずれかによる線形コンベヤであり、本体は、複数の駆動歯の数に関して対応している。
【0317】
実施例82は、実施例76乃至81のいずれかによる線形コンベヤであり、複数の本体のそれぞれが歯車を有する。
【0318】
実施例83は、実施例76乃至82のいずれかによる線形コンベヤであり、複数の物体のそれぞれは、例えば、複数の歯の数に対応する対称性の順序で、回転対称である。
【0319】
実施例84は、実施例76乃至83のいずれかによる線形コンベヤであり、複数の本体のそれぞれが、案内プロファイル及び/又は輸送経路に沿って(例えば平行に)延びる直線に隣接している。
【0320】
実施例85は、実施例76乃至84のいずれかによる線形コンベヤであり、案内プロファイルは2つのセグメントを有し、その間に複数の本体のうちの1つが配置される。
【0321】
実施例86は、実施例76乃至85のいずれかによる線形コンベヤであり、複数の本体は、輸送経路に沿った投影において互いに重なり合う。
【0322】
実施例87は、実施例76乃至86のいずれかによる線形コンベヤであり、案内プロファイルを有するレールガイドをさらに有する。
【0323】
実施例88は、真空チャンバと、真空チャンバ内に配置された実施例76乃至87のいずれかによる線形コンベヤとを有する真空装置である。
【0324】
実施例89は、方法であり、この方法は、基板キャリア(例えば、実施例50乃至74のいずれかに従って構成される)を、真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイール(例えば、実施例1乃至30のいずれかに従って構成される)に結合するステップ(例えば、輸送ホイール上で基板キャリアを巻き上げることを含む)と;及び/又は真空中に置かれた循環式コンベヤ輸送ホイールから基板キャリアを結合解除するステップ(例えば、輸送ホイールからの基板キャリアの展開を含む)と;を含み、結合及び結合解除(例えば、巻き上げ及び展開)は、例えば、基板キャリアの同じ側で始まり、基板キャリアは、例えば、回転接続によって互いに結合される部材を有する。
【0325】
実施例90は、(例えば、実施例89による)方法であり、この方法は、輸送経路に沿った線形コンベヤの(例えば、細長い)案内プロファイルによって、基板キャリア(例えば、実施例50乃至74のいずれかに従って構成される)を案内するステップと;線形コンベヤと基板キャリアとの間の歯部(例えば、円筒ピン歯車の歯部)によって基板キャリアの送り運動を生成するステップと;を含み、歯部(例えば、インターロック及び/又は伝動装置)は、例えば、基板キャリアと案内プロファイルを有する線形コンベヤ(例えば、実施例76乃至87のいずれかに従って構成される)との間に提供され、例えば、送り運動の生成は、基板キャリアの循環式コンベヤ輸送ホイール上への結合又は循環式コンベヤ輸送ホイール(例えば、実施例1乃至30のいずれかに従って構成される)からの基板キャリアの結合解除を含む。
【0326】
実施例91は、実施例89又は90による方法であり、基板キャリアは、結合前及び/又は結合解除後に輸送経路の異なるセクションに輸送され、例えば、輸送経路の異なるセクションは、互いに対して角度を有する及び/又は互いに交差する。
【0327】
実施例92は、実施例89乃至91のいずれかによる方法であり、結合前の輸送は、循環式コンベヤ輸送ホイールに向けて行われ、結合解除後の輸送は、循環式コンベヤ輸送ホイールから離れる方向に行われる。
【0328】
実施例93は、実施例89乃至92のいずれかによる方法であり、循環式コンベヤ輸送ホイールに結合された基板キャリアによって運ばれる1つ又は複数の基板の処理(例えば、コーティング材料によるコーティング)をさらに含み、循環式コンベヤ輸送ホイールは処理中に回転し、基板の処理(例えば、コーティング)は、循環式コンベヤ輸送ホイールの1回転あたりの回転の半分以上(例えば、3/4)に沿って行われる。
【0329】
実施例94は、実施例89乃至93のいずれかによる方法であり、基板キャリアの結合は、基板キャリアの複数の部材の連続した結合を含む。
【0330】
実施例95は、実施例89乃至94のいずれかによる方法であり、基板キャリアの結合は、基板キャリアの循環式コンベヤ輸送ホイールへの結合のロックを含む。
【0331】
実施例96は、実施例89乃至95のいずれかによる方法であり、循環式コンベヤ輸送ホイールは、基板キャリアの結合解除及び/又は基板キャリアの結合中に回転する。
【0332】
実施例97は、実施例89乃至96のいずれかによる方法であり、基板キャリアの結合解除は、基板キャリアの循環式コンベヤ輸送ホイールへの結合のロックの解除(例えば、取り外し及び/又は反転)を含む。
【0333】
実施例98は、実施例89乃至97のいずれかによる方法であり、例えば重力に沿って向き合わせされた回転軸線の周りに回転可能であるように循環式コンベヤ輸送ホイールが取り付けられる。