IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ シチズンホールディングス株式会社の特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】電子時計、外部装置及びシステム
(51)【国際特許分類】
   G04G 21/00 20100101AFI20240508BHJP
   G04G 19/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G04G21/00 D
G04G19/00 C
【請求項の数】 7
(21)【出願番号】P 2021041290
(22)【出願日】2021-03-15
(65)【公開番号】P2022141123
(43)【公開日】2022-09-29
【審査請求日】2023-06-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000001960
【氏名又は名称】シチズン時計株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100180806
【弁理士】
【氏名又は名称】三浦 剛
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(72)【発明者】
【氏名】木戸口 明日美
(72)【発明者】
【氏名】▲高▼田 顕斉
(72)【発明者】
【氏名】渡邊 真
(72)【発明者】
【氏名】櫻井 剛
【審査官】榮永 雅夫
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2018/181467(WO,A1)
【文献】特開2020-74633(JP,A)
【文献】特開2018-81100(JP,A)
【文献】特開2017-166931(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G04G 19/00 - 19/12
G04G 21/00
G04C 10/00 - 10/04
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源と、
外部装置との間で通信を行う通信部と、
外部装置から受信した信号を処理する制御部と、
前記電源の電圧を検出する検出部と、
前記電源の電圧が、第1閾値未満であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果が第1閾値未満である場合に、前記制御部が電圧低下モードであることをフラグデータとして記憶する記憶部と、
外部装置の外部電力によって動作する機能を備え、外部装置に対して、前記記憶部の前記フラグデータを参照し、前記フラグデータに基づいて応答する、あるいは、前記フラグデータを送信する通信制御部と、
を有することを特徴とする電子時計。
【請求項2】
前記フラグデータが電圧低下モードであることに対応する場合は、前記通信制御部は、外部装置に対して前記制御部が停止している旨を送信する、請求項1に記載の電子時計。
【請求項3】
前記判定部は、さらに、前記電圧が、前記第1閾値より大きい第2閾値未満であるか否かを判定し、
前記記憶部は、前記判定部による判定結果を記憶し、
前記通信制御部は、前記記憶部を参照し、
前記電圧が、前記第1閾値以上、かつ前記第2閾値未満である場合は、外部装置から受信した信号の内容に応じて、前記制御部に所定の処理を実行させ、処理結果を外部装置に送信する、請求項1に記載の電子時計。
【請求項4】
前記所定の処理は、時刻修正、時差修正、電池電圧状況通知、発電状況通知、充電状況通知のうちの少なくとも1つの処理である、請求項3に記載の電子時計。
【請求項5】
前記通信制御部は、外部装置から受信した信号の内容が、前記通信制御部において処理可能な内容であるか否かを判断し、
前記通信制御部において処理可能である場合は、前記通信制御部が処理を行い、処理結果を外部装置に送信する、請求項1~4のいずれか一項に記載の電子時計。
【請求項6】
電子時計から、電子時計の電源の電圧の状態を示す情報を受信する外部装置側通信部と、
電子時計から受信した前記電子時計の電源の電圧の状態を示す情報に基づいて、電子時計の電源の電圧が第1閾値未満である電圧低下モードであるか否かを判断する外部装置側制御部と、
を有し、
電子時計から前記外部装置側通信部に対して、電子時計の電源の電圧の状態を示す情報を送信可能な通信制御部を動作可能とするための電力供給を行う
ことを特徴とする外部装置。
【請求項7】
電子時計及び外部装置を含むシステムであって、
前記電子時計は、
電源と、
外部装置との間で通信を行う通信部と、
外部装置から受信した信号を処理する制御部と、
前記電源の電圧を検出する検出部と、
前記電源の電圧が、第1閾値未満であるか否かを判定する判定部と、
前記判定部による判定結果が第1閾値未満である場合に、前記制御部が電圧低下モードであることをフラグデータとして記憶する記憶部と、
外部装置の外部電力によって動作する機能を備え、外部装置に対して、前記記憶部の前記フラグデータを参照し、前記フラグデータに基づいて応答する、あるいは、前記フラグデータを送信する通信制御部と、
を有し、
前記外部装置は、
前記電子時計からの信号を受信する外部装置側通信部と、
前記電子時計から受信した前記フラグデータに基づく応答信号、あるいは、前記フラグデータに基づいて、電子時計の前記制御部が電圧低下モードであるか否かを判断する外部装置側制御部と、
を有する、
ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子時計、外部装置及びシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
電子時計と外部装置との間で通信を行う構成として、Bluetooth(登録商標)やWi-Fi(登録商標)を搭載した電子時計が知られている(例えば、特許文献1)。
【0003】
特許文献1には、自装置の動作に必要な電力を供給するバッテリを備え、制御部は、検出部により検出された自装置の温度と、バッテリの残量とに基づいて、所定のデータを他の無線通信装置から受信が見込まれるデータで書換可能か否かを判定し、制御部は、書換不可能と判定した場合、書換不可能の旨とその原因とを表す判定結果を、通信部を制御して他の無線通信装置に送信する無線通信装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】特開2018-155563号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明においては、上述の制御は制御部が駆動しているときに実施可能であり、電池残量が極端に低下して制御部が停止した際には通信そのものが出来なくなり、接続エラーとなる。従って、他の無線通信装置は、無線通信装置の電池残量が少ない場合には、無線通信装置から応答を受けることができないため、どのようなことが原因で通信を行うことができなかったかを認識することができないという問題があった。
【0006】
本発明は、制御部の駆動が停止するほどの電圧低下が起こった場合であっても、電子時計がどのような状況で外部装置と通信できたか、あるいは、通信できなかったかを外部装置に送信することが可能な電子時計を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の実施形態に係る電子時計は、電源と、外部装置との間で通信を行う通信部と、外部装置から受信した信号を処理する制御部と、電源の電圧を検出する検出部と、電源の電圧が、第1閾値未満であるか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果が第1閾値未満である場合に、制御部が電圧低下モードであることをフラグデータとして記憶する記憶部と、外部装置の外部電力によって動作する機能を備え、外部装置に対して、記憶部のフラグデータを参照し、フラグデータに基づいて応答する、あるいは、フラグデータを送信する通信制御部と、を有することを特徴とする。
【0008】
本開示の実施形態に係る電子時計において、フラグデータが電圧低下モードであることに対応する場合は、通信制御部は、外部装置に対して制御部が停止している旨を送信するようにしてもよい。
【0009】
本開示の実施形態に係る電子時計において、判定部は、さらに、電圧が、第1閾値より大きい第2閾値未満であるか否かを判定し、記憶部は、判定部による判定結果を記憶し、通信制御部は、記憶部を参照し、電圧が、第1閾値以上、かつ第2閾値未満である場合は、外部装置から受信した信号の内容に応じて、制御部に所定の処理を実行させ、処理結果を外部装置に送信するようにしてもよい。
【0010】
本開示の実施形態に係る電子時計において、所定の処理は、時刻修正、時差修正、電池電圧状況通知、発電状況通知、充電状況通知のうちの少なくとも1つの処理であってもよい。
【0011】
本開示の実施形態に係る電子時計において、通信制御部は、外部装置から受信した信号の内容が、通信制御部において処理可能な内容であるか否かを判断し、通信制御部において処理可能である場合は、通信制御部が処理を行い、処理結果を外部装置に送信するようにしてもよい。
【0012】
本開示の実施形態に係る外部装置は、電子時計から、電子時計の電源の電圧の状態を示す情報を受信する外部装置側通信部と、電子時計から受信した電子時計の電源の電圧の状態を示す情報に基づいて、電子時計の電源の電圧が第1閾値未満である電圧低下モードであるか否かを判断する外部装置側制御部と、を有することを特徴とする。
【0013】
本開示の実施形態に係るシステムは、電子時計及び外部装置を含むシステムであって、電子時計は、電源と、外部装置との間で通信を行う通信部と、外部装置から受信した信号を処理する制御部と、電源の電圧を検出する検出部と、電源の電圧が、第1閾値未満であるか否かを判定する判定部と、判定部による判定結果が第1閾値未満である場合に、制御部が電圧低下モードであることをフラグデータとして記憶する記憶部と、外部装置の外部電力によって動作する機能を備え、外部装置に対して、記憶部のフラグデータを参照し、フラグデータに基づいて応答する、あるいは、フラグデータを送信する通信制御部と、を有し、外部装置は、電子時計からの信号を受信する外部装置側通信部と、電子時計から受信したフラグデータに基づく応答信号、あるいは、フラグデータに基づいて、電子時計の制御部が電圧低下モードであるか否かを判断する外部装置側制御部と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本開示の実施形態に係る電子時計によれば、制御部の駆動が停止するほどの電圧低下が起こった場合であっても、電子時計がどのような状況で外部装置と通信できたか、あるいは、通信できなかったかを外部装置に送信することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本開示の第1の実施形態に係る電子時計を含むシステムの構成の概略を示す図である。
図2】本開示の第1の実施形態に係る電子時計を含むシステムの構成図である。
図3】本開示の第1の実施形態の変形例に係る電子時計を含むシステムの構成図である。
図4】本開示の第1の実施形態の他の変形例に係る電子時計を含むシステムの構成図である。
図5】本開示の第1の実施形態に係る電子時計の動作手順を説明するためのフローチャートである。
図6】本開示の第1の実施形態に係る電子時計のモードを決定する手順を説明するためのフローチャートである。
図7】(a)~(d)は、本開示の第1の実施形態に係る電子時計と通信を行う外部装置のメニュー画面の表示例である。
図8】(a)~(d)は、本開示の第1の実施形態に係る電子時計が通常モードである場合において、外部装置が電子時計から受信した処理結果の表示例である。
図9】(a)~(d)は、本開示の第1の実施形態に係る電子時計が電圧低下モードである場合において、外部装置が電子時計から受信した処理結果の表示例である。
図10】本開示の第1の実施形態に係る電子時計の外観図である。
図11】本開示の第1の実施形態に係る電子時計が通常モードである場合における、電子時計による処理結果を示す図であり、(a)は正常に処理を行えた場合を示し、(b)は正常に処理を行えなかった場合を示す。
図12】本開示の第2の実施形態に係る電子時計における、電源の電池電圧と各モードとの関係を示す図である。
図13】本開示の第2の実施形態に係る電子時計において、各モードにおいて各処理が処理可能であるか否かを示す表である。
図14】本開示の第2の実施形態に係る電子時計のモードを決定する手順を説明するためのフローチャートである。
図15】本開示の第2の実施形態に係る電子時計の動作手順を説明するためのフローチャートである。
図16】本開示の第2の実施形態に係る電子時計の動作手順の他の例を説明するためのフローチャートである。
図17】(a)~(d)は、本開示の第2の実施形態に係る電子時計がパワーセーブモードである場合において、外部装置が電子時計から受信した処理結果の表示例である。
図18】本開示の第2の実施形態に係る電子時計がパワーセーブモードである場合における、電子時計による処理結果を示す図であり、(a)は正常に処理を行えた場合を示し、(b)は正常に処理を行えなかった場合を示す。
図19】本開示の第3の実施形態に係る電子時計の動作手順を説明するためのフローチャートである。
図20】本開示の第3の実施形態に係る電子時計と外部装置との間における通信のシーケンス図である。
図21】本開示の第3の実施形態に係る電子時計の動作手順の他の例を説明するためのフローチャートである。
図22】本開示の第3の実施形態に係る電子時計の動作手順のさらに他の例を説明するためのフローチャートである。
図23】本開示の第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置の動作手順を説明するためのフローチャートである。
図24】本開示の第4の実施形態に係る電子時計が電圧低下モードである場合における外部装置との間の通信のシーケンス図である。
図25】本開示の第4の実施形態に係る電子時計が通常モードである場合における外部装置との間の通信のシーケンス図である。
図26】本開示の第5の実施形態に係る電子時計と外部装置との間における通信のシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図面を参照して、本発明に係る電子時計、外部装置及びシステムについて説明する。ただし、本発明の技術的範囲はそれらの実施の形態には限定されず、特許請求の範囲に記載された発明とその均等物に及ぶ点に留意されたい。
【0017】
(第1の実施形態)
図1に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計を含むシステム1000の構成の概略を示す。システム1000は、電子時計101と、外部装置200と、を含む。電子時計101は、アンテナ12を備え、外部装置200との間で通信を行う機能を有する。電子時計101の文字盤には、各種機能を表示するサブダイヤル120が設けられていてもよい。
【0018】
外部装置200は、電子時計101との間で無線通信を行う機能を有する電子機器である。外部装置200は、例えば、スマートフォン、タブレット、ノートPC等の携帯機器を用いることができる。電子時計101と外部装置200との間で行われる無線通信は、外部装置200からの電力供給を受けるとともに通信が行われる近距離無線通信であり、例えば、NFC(Near Field Communication)により行われる。
【0019】
外部装置200は、電子時計101と通信を行い、電子時計101からの応答に応じて、処理結果等を外部装置200の表示部205に表示することができる。外部装置200から電子時計101への通信内容の例として、例えば、時刻修正、アラーム設定、計測の開始及び終了の制御等を挙げることができる。一方、電子時計101から外部装置200への通信内容の例として、例えば、充電状況、時計状態、活動量計等のデータログ等の表示を挙げることができる。ただし、電子時計101と外部装置200との間の通信内容はこれらの例に限られない。
【0020】
電子時計101は、外部装置200から出力される電波を受信するアンテナ12を備えている。さらに、標準電波やGPS電波、またはBluetooth(登録商標)などの電波を受信可能なアンテナを備えたハイブリッドな構成であってもよい。
【0021】
図2に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計を含むシステム1000の構成図を示す。電子時計101は、通信部1と、制御部2と、検出部3と、判定部4と、記憶部である第2記憶部5と、通信制御部6と、を有する。電子時計101は、さらに、第1記憶部7と、電源8と、発電部9と、駆動部10と、表示部11と、アンテナ12と、を有する。
【0022】
通信部1は、アンテナ12によって受信した信号の復号処理や、電子時計101が保有する情報を、アンテナ12を介して外部装置200に送信するための制御を行う。本実施形態において、通信部1は、記憶部である第2記憶部5と、通信制御部6と、を備える。
【0023】
制御部2は、CPU(Central Processing Unit)を備え、電子時計101の内部時刻を計時し、表示部11に時刻表示を行うための制御や、電子時計101が有する時刻表示以外の機能に関する制御、外部装置200から受信した信号の処理などを行う。
【0024】
検出部3は、電源8の電圧や発電部9の発電電圧を検出する。検出部3の検出結果は、制御部2に出力される。
【0025】
判定部4は、検出部3が検出した電圧が、第1閾値以上であるか否かを判定する。ここで、第1閾値は、例えば、時刻表示や、時刻表示以外の機能を行うために制御部2が動作するのに必要な電圧としてもよいし、制御部2の動作に必要な電圧の下限値としてもよい。判定部4は、制御部2に設けられているコンピュータにより、ソフトウエア(プログラム)として実現される。第1閾値に関する情報は、例えば、第1記憶部7に記憶することができる。制御部2に電力を供給する電源8の電圧が第1閾値以上であれば、制御部2は正常に動作する(以下、第1閾値以上である場合を「通常モード」という)。一方、電源8の電圧が第1閾値未満である場合には、制御部2は動作を停止する(以下、第1閾値未満である場合を「電圧低下モード」という)。特に、消費電力の大きい内部時刻情報の表示や、通信部1から入力された信号の処理といった機能を停止する。ただし、電源8の電圧が復帰したことを確認するために、制御部2は、所定間隔で検出部3を制御して電源8の電圧を検出するようにしてもよい。電源8の電圧が第1閾値未満である場合に、内部時刻の計時は継続して行っていてもよい。
【0026】
記憶部である第2記憶部5は、判定部4による判定結果を記憶する。例えば、検出部3が検出した電源8の電圧が第1閾値以上(通常モード)である場合に、制御部2は、第2記憶部5に対して、通常モードであることを示すフラグ「0」を書き込むための信号を出力し、第2記憶部5は、取得したフラグ「0」を記憶するようにしてもよい。あるいは、検出部3が検出した電源8の電圧が第1閾値未満(電圧低下モード)である場合に、制御部2は、第2記憶部5に対して、電圧低下モードであることを示すフラグ「1」を書き込むための信号を出力し、第2記憶部5は、取得したフラグ「1」を記憶するようにしてもよい。以下、フラグ「0」やフラグ「1」をフラグデータと呼ぶことがある。
【0027】
記憶部は、図3に示すシステム1000´を構成する電子時計101´のように、1つの記憶部7´が通信部1用の記憶部と制御部2用の記憶部を兼ねるようにしてもよい。あるいは、図4に示すシステム1000″を構成する電子時計101″のように、第2記憶部5´を通信部1の外部に設けるようにしてもよい。
【0028】
アンテナ12は、外部装置200との間で電波を送受信する。アンテナ12は、通信部1と接続されている。アンテナ12には、例えば、ループアンテナを用いることができる。さらに、アンテナ12には、外部からの交流磁界により誘導起電力が生じ、発生した電力により、通信部1を動作させることができる。
【0029】
通信制御部6は、アンテナ12が受電した外部装置200の外部電力によって動作する機能を備える。従って、電源8の電圧が低下し、制御部2が動作を停止している状態であっても、通信制御部6は、外部電力により動作することができる。通信制御部6は、通信モジュールにより構成することができる。つまり、通信部1は外部電力により動作することができる。
【0030】
通信制御部6は、記憶部である第2記憶部5に記憶されたフラグデータ(判定部4による判定結果)を参照し、制御部2が動作可能な通常モードであるか、制御部2が停止している電圧低下モードであるかを判断し、判断結果(フラグデータ)に基づいて外部装置200に対して応答する。あるいは、後述するように、通信制御部6自体では第2記憶部5に記憶されたフラグデータに基づいた判断をせずに、外部装置200にフラグデータを送信し、通常モードであるか電圧低下モードであるかの判断を外部装置200に行わせ、その判断結果を外部装置200から受信することもできる。例えば、第2記憶部5にフラグデータとしてフラグ「0」が記憶されている場合、通信制御部6は、記憶部である第2記憶部5に記憶されているフラグ「0」を参照することにより、電源8の電圧が第1閾値以上であると判断し、制御部2は通常モードであると判断する。この場合は、制御部2は外部装置200からの信号に応じて処理を行うことができるため、通信制御部6が受信した信号を制御部2に出力し、制御部2よる処理結果を、アンテナ12を介して外部装置200に対して送信する。一方、例えば、第2記憶部5に判定結果としてフラグ「1」が記憶されている場合、通信制御部6は、第2記憶部5に記憶されているフラグ「1」を参照することにより、電源8の電圧が第1閾値未満であると判断し、フラグデータが電圧低下モードであることに対応すると判断する。この場合は、制御部2は外部装置200からの信号に応じて処理を行うことができないため、通信制御部6は外部装置200に対して制御部2が停止している旨を、アンテナ12を介して送信する。
【0031】
第1記憶部7は、半導体メモリにより構成される。第1記憶部7は、制御部2が電圧低下モードとなっている場合でも、外部装置200から受信したデータを記憶することができる構成であってもよい。制御部2が電圧低下モードとなった後、電源8の電圧が増加し、制御部2が動作可能な通常モードとなった場合、制御部2は第1記憶部7からデータを読み出して処理することができる。また、第1記憶部7は、制御部2を動作させるためのプログラムを保存することができる。
【0032】
電源8には、一次電池の他、充放電可能な二次電池を用いることができる。二次電池を用いる場合は、二次電池を充電する手段として光発電、熱発電、静電誘導発電等の発電機構である発電部9を有してもよい。発電部9が発電した電力は電源8に蓄電される。また、二次電池への充電機構として、有線または無線の給電手段を設けてもよい。
【0033】
駆動部10は、例えば、指針(秒針、分針、時針)を運針させる1つまたは複数のステップモータ(図示せず)を含む。指針と連動、または独立したステップモータによって回転駆動する日板や機能車などを設けてもよい。これらのステップモータは、制御部2からの制御信号により駆動される。
【0034】
表示部11は、電子時計101の文字盤に設けられたサブダイヤル120の機能表示を制御する。サブダイヤル120は、後述の副針121によって電源8の充電量表示や、発電部9の発電量表示、各種機能表示などを行うことができる。
【0035】
外部装置200は、外部装置側通信部(以下、単に、「通信部」ともいう)201と、外部装置側制御部(以下、単に、「制御部」ともいう)202と、入力部203と、記憶部204と、表示部205と、アンテナ206と、を備えている。通信部201は、電子時計101及び他の通信機器と通信可能な通信モジュールである。通信部201は、アンテナ206を介して、NFC等の近距離無線通信により電子時計101との間で通信を行う。外部装置側通信部201は、電子時計101から、電子時計101の電源8の電圧の状態を示す情報を受信することができる。
【0036】
制御部202は、通信部201、入力部203、記憶部204、及び表示部205と接続され、これらを制御する。制御部202は、記憶部204に記憶されたアプリケーションプログラムを実行することにより、電子時計101と通信を行う。外部装置側制御部202は、電子時計101から受信した電子時計101の電源8の電圧の状態を示す情報に基づいて、電子時計101が電圧低下モードであるか否かを判断することができる。例えば、外部装置側制御部202は、電子時計101から電子時計101の通信制御部6で判断された判断結果を受信することができる。また、電子時計101から電子時計101の第2記憶部5に記憶されたフラグデータを受信した場合は、外部装置側制御部202が電圧低下モードであるか否かの判断をする構成としてもよい。
【0037】
入力部203は、外部装置200に対する入力を受け付ける。入力部203は、キーボードやプッシュボタンなどによる物理スイッチや、表示部205と一体化されたタッチパネルを用いることができる。
【0038】
記憶部204には、ROMやRAM等の半導体メモリやハードディスク等を用いることができる。記憶部204は、外部装置200を動作させるためのアプリケーションプログラムや、各種データを記憶する。また、記憶部204は電子時計101から受信した処理結果を記憶することができる。
【0039】
表示部205には、液晶表示装置や有機EL表示装置等を用いることができる。表示部205は、電子時計101から受信した処理結果等を表示することができる。
【0040】
次に、第1の実施形態に係る電子時計101の動作について説明する。図5に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、前提として、図2に示すように、外部装置200が、電子時計101に対してデータを送信するものとし、第2記憶部5には、検出部3によって所定間隔で出力される電源8の電圧値を制御部2の判定部4によって判定されたフラグデータ(例えば、第1閾値以上である場合はフラグ「0」、第1閾値未満である場合はフラグ「1」)が記憶されているものとする。
【0041】
電子時計101は、アンテナ12を介して外部装置200からデータを受信すると、ステップS101において、通信部1の通信制御部6が、第2記憶部5を参照する。具体的には、通信制御部6は、第2記憶部5に記憶されたフラグデータが、フラグ「0」であるか、フラグ「1」であるかを参照する。
【0042】
次に、ステップS102において、通信制御部6は、第2記憶部5を参照した結果に基づいて、制御部2が電圧低下モードであるか否かを判断する。通信制御部6が、制御部2は、電圧低下モードではないと判断した場合(ステップS102:No)、制御部2は動作可能な通常モードであると判断する。
【0043】
この場合、ステップS103において、通信制御部6は、制御部2に、外部装置200から受信したデータを出力し、ステップS104において、制御部2によるデータ処理が行われる。
【0044】
次に、ステップS105において、通信制御部6は、外部装置200に対して、応答信号(制御部2による処理結果)を送信する。
【0045】
一方、ステップS102において、通信制御部6が、制御部2は停止している電圧低下モードであると判断した場合(ステップS102:Yes)には、ステップS106において、外部装置200から受信したデータを第1記憶部7に記憶する。
【0046】
次に、ステップS107において、通信制御部6は、外部装置200に対して、応答信号(制御部2が停止している旨)を送信する。
【0047】
以上のように、制御部2を駆動するための電源8の電圧が低下し、制御部2が動作しない状況においても、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2が動作を停止している旨の応答を送信することができる。従来技術においては、制御部2が停止している場合には、電子時計101からの応答がないため、電子時計101との接続が行われていないと判断されるか、あるいは、実際に接続を行うことができなかった。これに対して、本開示の第1の実施形態に係る電子時計101においては、電子時計101の通信制御部6が外部電力によって動作する機能を備えているため、制御部2が停止している場合であっても外部装置200に対して応答することができ、外部装置200が電子時計101と接続されていることを認識することができる。
【0048】
また、制御部2が停止している場合であっても、データを第1記憶部7に記憶しているため、電源8の電圧が第1閾値以上に戻った場合、動作が再開された制御部2によってデータ処理を行うことができる。
【0049】
なお、ステップS106のデータを記憶部(第1記憶部)に記憶する処理は行わなくてもよい。
【0050】
次に、制御部2に電力を供給する電源8の電圧に基づいて、電子時計101のモードを決定する手順について説明する。図6に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計のモードを決定する手順を説明するためのフローチャートを示す。
【0051】
まず、ステップS201において、検出部3が、二次電池である電源8の電池電圧を検出する。検出部3は、電圧検出を所定間隔で実行するようにしてもよい。
【0052】
次に、ステップS202において、制御部2の判定部4が、検出部3によって検出された電源8の電池電圧が第1閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第1閾値以上である場合(ステップS202:Yes)は、制御部2は通常モードであると判断し、ステップS201に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0053】
一方、ステップS202において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値未満であると判断した場合(ステップS202:No)は、ステップS203において、制御部2は通常モードから電圧低下モードへ移行する。
【0054】
次に、ステップS204において、制御部2が、第2記憶部5に制御部2が電圧低下モードに移行する旨を記憶する。具体的には、第2記憶部5に記憶されたフラグデータとしてフラグ「1」を記憶する。また、既にフラグ「0」が記憶されている場合は、フラグデータをフラグ「1」に書き換える。
【0055】
なお、ステップS203とS204の処理順序は逆でもよい。
【0056】
次に、ステップS205において、検出部3が、電源8の電池電圧を検出する。
【0057】
次に、ステップS206において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第1閾値未満である場合(ステップS206:No)は、制御部2は電圧低下モードが継続していると判断し、ステップS205に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0058】
一方、ステップS206において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値以上であると判断した場合(ステップS206:Yes)は、ステップS207において、制御部2は電圧低下モードから通常モードへ移行する。
【0059】
次に、ステップS208において、制御部2が、第2記憶部5に制御部2が通常モードに移行する旨を記憶する。具体的には、第2記憶部5に記憶されたフラグ「1」をフラグ「0」に書き換える。
なお、ステップS207とS208の処理順序は逆でもよい。
【0060】
次に、ステップS201に戻って、以上の一連の動作を継続する。
【0061】
以上のようにして、制御部2は、電源8の電池電圧に応じて、通常モードで動作するか、電圧低下モードで動作するかを判断し、現在のモード状況を第2記憶部5に記憶することができる。その結果、通信制御部6は、第2記憶部5を参照することにより、制御部2が通常モードであるか、電圧低下モードであるかを認識することができる。
【0062】
ここで、電圧低下モードである場合に受信した情報について、電圧低下モードから通常モードに復帰した時の対応について説明する。例えば、電波時計101が電圧低下モードである場合に、外部装置200からエリア情報(例えば、タイムゾーンや座標等)を受信して記憶しておいた場合、電圧低下モードから通常モードに復帰した後に、そのエリア情報を用いて受信を行うことができる。長波電波では送信局ごとに周波数やコードが異なるため、エリア情報を記憶しておくことにより、電圧低下モードから通常モードに復帰した際に、迅速にタイムゾーンや座標等を調整することができる。
【0063】
また、電子時計101がGPS電波時計である場合であって、電圧低下モードである場合に外部装置200から閏秒情報を取得した場合は、電圧低下モードから通常モードに復帰した時に、取得した閏秒情報に基づいて内部時刻を修正(更新)することができる。
【0064】
さらに、例えば、外部装置200との間で情報を送受信するにあたって、電圧低下モードである場合に受信した情報の重要度が高い場合、あるいは、データが大きい場合は、OTA(Over The Air)のフラグデータを記憶しておき、電圧低下モードから通常モードに復帰した時にユーザに改めて外部装置200と通信する必要がある旨を通知するようにしてもよい。
【0065】
また、NFCをスマートキー等の他の用途にも利用する場合は、予め外部装置200から電子時計101にキー登録情報を送付しておくことにより、電圧低下モードから通常モードに復帰した時に迅速に利用することができる。
【0066】
また、リセット・初期化情報を記憶しておき、電圧低下モードから通常モードに復帰した時に自動でリセット(特に、セキュリティ情報を持つ場合には、その情報の削除)を行うようにしてもよい。このようにすることで、長期保管時や紛失時のセキュリティ対策を強化することができる。
【0067】
その他、電圧低下モードから通常モードに復帰した際に、内部時刻がずれている可能性が高いため、外部装置200との接続を求める通知を行うようにしてもよい。また、電圧低下モードから通常モードに復帰するタイミングでNFC通信を行う(割り込みが発生する)と、レジスタセットの初期設定が完了していないなどの原因で通信動作が正常に行われない恐れがある。そこで、電圧低下モードから通常モードに復帰する際はNFC通信が行われないような通信禁止のフラグデータを記憶しておき、通常モードへの移行が完了した後に改めて通信が可能となるようにしてもよい。
【0068】
次に、外部装置200と電子時計101との間で行われる通信の具体例について説明する。図7(a)~(d)に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計と通信を行う外部装置200のメニュー画面の表示例を示す。外部装置200に記憶された、電子時計101との間で通信を行うアプリケーションプログラムを実行すると、最初に図7(a)に示されるような画面が表示部205に表示される。表示部205には、電子時計101に対して実行する動作のメニューが表示される。このメニュー画面には、例えば、時計の制御のボタン210、データ収集のボタン220、時計の診断のボタン230がそれぞれ表示される。
【0069】
図7(a)に示した外部装置200の表示部205に表示された画面において、時計の制御のボタン210を選択した場合、図7(b)に示すように、例えば、時刻同期のボタン211、アラーム時刻設定のボタン212、計測制御のボタン213が表示される。時刻同期のボタン211を選択した場合は、電子時計101の時刻を外部装置200の時刻に同期させる。アラーム時刻設定のボタン212を選択した場合は、電子時計101のアラーム時刻の設定を行う。計測制御のボタン213を選択した場合は、電子時計101に搭載されたクロノグラフ機能による時間の計測を制御する。
【0070】
図7(a)に示した外部装置200の表示部205に表示された画面において、データ収集のボタン220を選択した場合、図7(c)に示すように、例えば、活動量のボタン221、歩数のボタン222、温度のボタン223が表示される。活動量のボタン221を選択した場合は、電子時計101に搭載されたセンサを用いて計測された心拍数や消費カロリー等の体のデータを収集する。歩数のボタン222を選択した場合は、電子時計101に搭載された加速度センサ等により計測された歩数のデータを収集する。温度のボタン223を選択した場合は、電子時計101に搭載された温度センサにより計測された温度のデータを収集する。
【0071】
図7(a)に示した外部装置200の表示部205に表示された画面において、時計の診断のボタン230を選択した場合、図7(d)に示すように、例えば、電池残量状況のボタン231、発電状況のボタン232、状態のボタン233が表示される。電池残量状況のボタン231を選択した場合は、電子時計101に内蔵された二次電池である電源8の電池残量に関する状況を問い合わせる。発電状況のボタン232を選択した場合は、電子時計101に内蔵された発電部9に発電状況を問い合わせる。状態のボタン233を選択した場合は、電子時計101が通常モードであるのか、電圧低下モードであるのか等の電子時計101の状態を問い合わせる。
【0072】
次に、電子時計101の制御部2が動作している通常モードである場合において、外部装置200が電子時計101と通信を行った結果を外部装置200の表示部205に表示する例について説明する。図8(a)~(d)に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計101が通常モードである場合において、外部装置200が電子時計101から受信した処理結果の表示例を示す。
【0073】
図8(a)は、図7(b)に示した表示部205の画面において、時刻同期のボタン211を選択した場合であって、外部装置200が電子時計101との通信に失敗した例を示す。この場合、表示部205には、通信に失敗した旨、及びアンテナの位置を確認して再度通信を試みることを推奨する旨が表示されるようにしてもよい。
【0074】
図8(b)は、外部装置200が電子時計101との通信に成功した例を示す。この場合、表示部205には、通信に成功した旨が表示されるようにしてもよい。
【0075】
図8(c)は、図7(c)に示した表示部205の画面において、歩数のボタン222を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、歩数のデータを収集することができた旨、及び、所定期間における歩数の推移を表すグラフ224を表示するようにしてもよい。
【0076】
図8(d)は、図7(d)に示した表示部205の画面において、電池残量状況のボタン231を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、電池残量のデータを収集することができた旨、及び、電池の残量がどの程度であるかを示すアイコン234に加えて、電池残量に応じた使用上のアドバイス等を表示するようにしてもよい。
【0077】
次に、電子時計101の制御部2が停止している電圧低下モードである場合において、外部装置200が電子時計101と通信を行った結果を外部装置200の表示部205に表示する例について説明する。図9(a)~(d)に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計101が電圧低下モードである場合において、外部装置200が電子時計101から受信した処理結果の表示例を示す。
【0078】
図9(a)は、図7(b)に示した表示部205の画面において、時刻同期のボタン211を選択した場合であって、制御部2が電圧低下モードであるために、外部装置200が電子時計101との時刻同期ができなかった例を示す。この場合、表示部205には、時刻同期ができなかった旨、及び電池残量が低下しているために制御できず、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0079】
図9(b)は、図7(b)に示した表示部205の画面において、アラーム時刻設定のボタン212を選択した場合であって、制御部2が電圧低下モードであるために、外部装置200が電子時計101のアラーム時刻設定を完了できなかった例を示す。この場合、表示部205には、アラーム時刻設定を行うというデータ自体は記憶されている旨、アラーム時刻設定ができなかった旨、及び電池残量が低下しているために制御できず、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。さらに、表示部205をスクロールさせた場合に、発電部9による発電により二次電池である電源8の電圧が第1閾値以上となって、制御部2が通常モードに戻った場合には、アラーム時刻設定が実行される旨の表示207を行うようにしてもよい。アラーム時刻設定を行うというデータ自体は第1記憶部7に記憶されているため、制御部2が通常モードに戻った場合には、第1記憶部7からアラーム時刻設定に関するデータを読み出して、アラーム時刻設定を行うことができる。このように、制御部2が電圧低下モードであるために、外部装置200から受信したデータを処理できない場合は、受信したデータを一旦、第1記憶部7に記憶しておき、制御部2が電圧低下モードから通常モードに復帰したのちに、データ処理を実行することにより、外部装置200から再度データを受信する必要が無く、迅速にデータ処理を実行することができる。また、第1記憶部7が記憶するデータの例としてアラーム時刻設定のデータを例にとって説明したが、第1記憶部7が記憶するデータはこのような例には限られない。
【0080】
図9(c)は、図7(c)に示した表示部205の画面において、歩数のボタン222を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、歩数データの収集ができなかった旨、及び電池残量が低下しているためにデータ収集できず、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0081】
図9(d)は、図7(d)に示した表示部205の画面において、電池残量状況のボタン231を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、電池の残量がほとんどない状態であることを示すアイコン235、及び、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。電圧低下モードでは、制御部2は停止しているが、第2記憶部5には、制御部2が電圧低下モードであることが記憶されているため、通信制御部6は、外部装置200に対して、電池残量がほとんどない旨の情報を提供することができる。
【0082】
上記の例では、外部装置200と電子時計101との間のデータ処理の状況を外部装置200側で表示する例について説明したが、電子時計101側で通知することもできる。図10に、本開示の第1の実施形態に係る電子時計101の外観図を示す。電子時計101の文字盤の11時の位置に「OK」の文字131が印字され、1時の位置に「NG」の文字132が印字されている。また、文字盤にはサブダイヤル120が設けられ、サブダイヤル120の右半分には電池残量を示すためのマーク122が設けられている。マーク122は、重なる円弧の数により電池残量を視覚的に表示する。例えば、12時から1時の範囲では円弧が6個重なって描かれており、電池残量が多いことを示す。一方、5時から6時の範囲では、円弧が1つのみ描かれており、電池残量が少ないこと示している。
【0083】
図11は、本開示の第1の実施形態に係る電子時計101が通常モードである場合における、電子時計101による処理結果を示す図であり、(a)は正常に処理を行えた場合を示し、(b)は正常に処理を行えなかった場合を示す。図11(a)に示すように、正常に処理を行うことができた場合は、秒針110が「OK」の文字131と重なるように移動することにより、外部装置200が電子時計に送信したデータの処理が正常に行われたことを示すことができる。一方、図11(b)に示すように、正常に処理を行えなかった場合は、秒針110が「NG」の文字132と重なるように移動することにより、外部装置200が電子時計に送信したデータの処理が正常に行われなかったことを示すことができる。
【0084】
さらに、サブダイヤル120によって、電源8の電池残量を表示することもできる。図11(a)及び(b)に示すように、副針121は1時を指すことにより、電源8の電池残量が十分にあることがわかる。
【0085】
(第2の実施形態)
次に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計102について説明する。第2の実施形態に係る電子時計102の構成は、図1に示した第1の実施形態に係る電子時計101の構成と同様である。第1の実施形態に係る電子時計101においては、電源8の電圧が第1閾値未満である場合は、制御部2は停止する。これに対して、第2の実施形態に係る電子時計102においては、電源8の電圧が第1閾値未満である場合は、制御部2は停止し、電源8の電圧が第1閾値以上、かつ、第2閾値未満である場合は、制御部2が一部の機能を停止するが、所定の機能については動作が実行可能となるように、第1閾値より大きい第2閾値を設定する点を特徴としている。このように、電源8の電圧が第1閾値以上、かつ、第2閾値未満であるモードを、ここでは、「パワーセーブモード」と呼ぶこととする。
【0086】
本開示の第2の実施形態に係る電子時計102における動作について説明する。まず、図2に示すように、制御部2の判定部4は、電源8の電圧が、第1閾値以上であるか否かを判定する。次に、制御部2は、判定部4による判定結果をフラグデータとして第2記憶部5に記憶する。通信部1の通信制御部6は、外部装置200と通信を行うときに、第2記憶部5を参照し、電源8の電圧が、第1閾値未満である場合は、通信制御部6は制御部2が停止している旨を外部装置200に対して送信し、第1閾値以上である場合は、外部装置200から受信した信号の内容に応じて、制御部2に所定の処理を実行させ、処理結果を外部装置200に送信する。
【0087】
図12に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計102における、電源8の電池電圧と各モードとの関係を示す。図12に示すように、電源8の電圧Vが0[V]以上、第1閾値VTH1未満の場合(V<VTH1)が、制御部2が停止している電圧低下モードである。また、電源8の電圧Vが第1閾値以上、第2閾値未満の場合(VTH2>V≧VTH1)が、制御部2が所定の動作が可能なパワーセーブモードである。さらに、電源8の電圧Vが第2閾値以上の場合(V≧VTH2)が、制御部2が、動作が可能な通常モードである。
【0088】
上述した、通常モード、パワーセーブモード、電圧低下モードでは、それぞれ、外部装置200から電子時計102へ、または、電子時計102から外部装置200へ実行可能な処理の内容が異なる。図13に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計102において、各モードにおいて各処理が処理可能であるか否かを表す表を示す。ここでは、外部装置200と電子時計102との間で行われる通信の内、代表例として下記の(1)から(6)を例示する。「外部装置→時計」は、外部装置200から電子時計102に対して行う処理であり、「時計→外部装置」は、電子時計102から外部装置200に対して行う処理である。
(1)[外部装置→時計]アラーム時刻を設定
(2)[外部装置→時計]時刻修正、時差修正
(3)[時計→外部装置]時計のセンサデータを外部装置に提供
(4)[時計→外部装置]電池電圧状況、発電・充電状況
(5)[時計→外部装置]時計の状態
(6)[外部装置→時計]動作のスタート・ストップ制御(計測開始・終了)
【0089】
図13において、実行可能な処理を〇印で示し、実行不可能な処理を×印で示している。図13に示すように、通常モードでは、上記の(1)~(6)の全ての処理を実行することができる。一方、電圧低下モードにおいては、例示した(1)~(6)の各処理の中で、(5)に示すように、電子時計102から外部装置200に対して、電子時計102の状態を通知する処理のみが実行可能である。これは、電圧低下モードにおいては、電源8の電圧が低下し、制御部2が電圧低下モードであることを示すフラグデータを通信部1に設けた第2記憶部5に記憶させてあるため、制御部2が停止した状態であっても、通信制御部6は第2記憶部5に記憶したフラグデータを参照することにより、制御部2が動作しているか、あるいは、停止しているかを示す、電子時計102の状態を外部装置200に通知することができるためである。
【0090】
一方、パワーセーブモードにおいては、電圧低下モードで実行可能な処理(5)に加えて、(2)に示す時刻修正及び時差修正を行う処理、並びに(4)に示す電池電圧状況及び発電・充電状況を通知する処理を行うことができる。(4)の処理は比較的小さな電力で実行可能であるためである。
【0091】
次に、第2の実施形態に係る電子時計102のモードを制御部2に電力を供給する電源8の電圧に基づいて決定する手順について説明する。図14に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計102のモードを決定する手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、ステップS301において、検出部3が、電源8の電池電圧を検出する。検出部3は、電圧検出を所定間隔に実行するようにしてもよい。
【0092】
次に、ステップS302において、判定部4が、検出された電池電圧が第2閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第2閾値以上である場合(ステップS302:Yes)は、制御部2は通常モードであると判断し、ステップS301に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0093】
一方、ステップS302において、判定部4が、検出された電池電圧が第2閾値未満であると判断した場合(ステップS302:No)は、ステップS303において、制御部2が、第2記憶部5に制御部2がパワーセーブモードに移行する旨を記憶する。次に、ステップS304において、制御部2は通常モードからパワーセーブモードへ移行する。このステップS303とS304は、順序を入れ替えて実行するようにしてもよい。
【0094】
次に、ステップS305において、検出部3が、電源8の電池電圧を検出する。
【0095】
次に、ステップS306において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第1閾値未満である場合(ステップS306:No)は、ステップS307において、制御部2が、第2記憶部5に制御部2が電圧低下モードに移行する旨を記憶する。次に、ステップS308において、制御部2はパワーセーブモードから電圧低下モードへ移行する。このステップS307とS308は、順序を入れ替えて実行するようにしてもよい。
【0096】
一方、ステップS306において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値以上であると判断した場合(ステップS306:Yes)は、ステップS309において、判定部4が、検出された電池電圧が第2閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第2閾値未満である場合(ステップS309:No)は、制御部2はパワーセーブモードを継続していると判断し、ステップS305に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0097】
ステップS309において、検出された電池電圧が第2閾値以上であると判断した場合(ステップS309:Yes)は、ステップS310において、制御部2は、第2記憶部5に制御部2が通常モードに移行する旨を記憶する。次に、ステップS311において、制御部2はパワーセーブモードから通常モードへ移行する。このステップS310とS311は、順序を入れ替えて実行するようにしてもよい。その後、ステップS301に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0098】
ステップS308において、制御部2がパワーセーブモードから電圧低下モードへ移行した後、ステップS312において、検出部3が、電源8の電池電圧を検出する。
【0099】
次に、ステップS313において、判定部4が、検出された電池電圧が第1閾値以上であるか否かを判断する。検出された電池電圧が第1閾値未満である場合(ステップS313:No)は、ステップS312に戻って、検出部3が電源8の電池電圧の検出を継続する。
【0100】
ステップS313において、検出された電池電圧が第1閾値以上である場合(ステップS313:Yes)は、ステップS303に戻って、制御部2は、第2記憶部5に制御部2がパワーセーブモードに移行する旨を記憶する。次に、ステップS304において、制御部2は電圧低下モードからパワーセーブモードへ移行する。
【0101】
以上のようにして、制御部2が通常モードであるか、パワーセーブモードであるか、電圧低下モードであるかを第2記憶部5に記憶することができる。その結果、通信制御部6は、第2記憶部5を参照することにより、制御部2が通常モードであるか、パワーセーブモードであるか、電圧低下モードであるかを認識することができる。
【0102】
次に、第2の実施形態に係る電子時計102の動作について説明する。図15に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。まず、前提として、図2に示すように、外部装置200が、電子時計102に対してデータを送信するものとする。制御部2は、検出部3が電源8の電圧を検出し、検出した電圧が、第1の閾値以上であるか否か、及び、第2の閾値以上であるか否かを判定部4で判定する。制御部2は、判定部4の判定結果に基づいて、制御部2が、通常モードであるか、パワーセーブモードであるか、電圧低下モードであるか否かを第2記憶部5に記憶する。
【0103】
通信部1が外部装置200からデータを受信すると、ステップS401において、通信制御部6が、第2記憶部5を参照する。
【0104】
次に、ステップS402において、通信制御部6は、第2記憶部5を参照した結果に基づいて、制御部2が電圧低下モードであるか否かを判断する。
【0105】
通信制御部6が、制御部2は電圧低下モードであると判断した場合(ステップS402:Yes)には、ステップS404において、外部装置200から受信したデータを第1記憶部7に記憶する。データを第1記憶部7に記憶しておくことにより、電圧低下モードからパワーセーブモード又は通常モードに戻った場合に、迅速に処理を実行することができる。
【0106】
次に、ステップS405において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2が電圧低下モードである旨を送信する。以上が電圧低下モードでの処理である。
【0107】
一方、ステップS402において、通信制御部6が、制御部2は、電圧低下モードではないと判断した場合(ステップS402:No)、ステップS403において、制御部2に、外部装置200から受信したデータを送信する。
【0108】
ステップS403において制御部2にデータを送信した後、ステップS406において、制御部2は、パワーセーブモードであるか否かを判断する。通信制御部6が、制御部2がパワーセーブモードではないと判断した場合(ステップS406:No)は、制御部2は通常モードであると判断することができるため、ステップS407において、制御部2によるデータ処理を実行する。
【0109】
次に、ステップS408において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2による処理結果を送信する。以上が、制御部2が通常モードである場合の処理である。
【0110】
一方、ステップS406において、制御部2がパワーセーブモードであると判断した場合(ステップS406:Yes)には、ステップS409において、データの種類を判断する。データの種類とは、例えば、通信制御部6で処理可能なデータか否かの情報や、コンテンツの種類、データ容量、優先度に関する情報であってもよい。
【0111】
次に、ステップS410において、データがパワーセーブモードで処理可能であるか否かを判断する。パワーセーブモードで処理できないと判断した場合(ステップS410:No)には、ステップS411においてデータを第1記憶部7に記憶する。データを第1記憶部7に記憶しておくことにより、パワーセーブモードから通常モードに戻った場合に、迅速に処理を実行することができる。
【0112】
一方、ステップS410において、データがパワーセーブモードで処理可能であると判断した場合(ステップS410:Yes)は、ステップS407において、制御部2によるデータ処理を実行し、ステップS408において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2による処理結果を送信する。この場合、通信制御部6は、処理結果とともにパワーセーブモードである旨を併せて送信してもよい。
【0113】
次に、ステップS412において、制御部2がパワーセーブモードである旨を外部装置200に送信する。以上がパワーセーブモードでの処理である。
【0114】
以上のようにして、制御部2が、通常モード、パワーセーブモード、電圧低下モードのいずれのモードであるかに基づいて、適切にデータ処理を行うことができる。
【0115】
次に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計の動作手順の他の例について説明する。図16に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計の動作手順の他の例を説明するためのフローチャートを示す。第2記憶部5には、判定部4の判定結果に基づいて、制御部2が通常モードであるか、パワーセーブモードであるか、電圧低下モードであるかが記憶されているものとする。
【0116】
通信部1が外部装置200からデータを受信すると、ステップS501において、通信制御部6が、第2記憶部5を参照する。
【0117】
次に、ステップS502において、通信制御部6は、第2記憶部5を参照した結果に基づいて、制御部2が電圧低下モードであるか否かを判断する。通信制御部6が、制御部2は電圧低下モードであると判断した場合(ステップS502:Yes)には、ステップS503において、外部装置200から受信したデータを第1記憶部7に記憶する。データを第1記憶部7に記憶しておくことにより、電圧低下モードからパワーセーブモード、または通常モードに戻った場合に、迅速に処理を実行することができる。
【0118】
次に、ステップS504において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2が電圧低下モードである旨を送信する。以上が電圧低下モードでの処理である。
【0119】
通信制御部6が、制御部2は、電圧低下モードではないと判断した場合(ステップS502:No)、ステップS505において、通信制御部6は、制御部2がパワーセーブモードであるか否かを判断する。通信制御部6は、制御部2がパワーセーブモードではないと判断した場合(ステップS505:No)は、制御部2は通常モードであると判断することができるため、ステップS506において、制御部2に、外部装置200から受信したデータを送信し、ステップS507において、制御部2によるデータ処理を実行する。
【0120】
次に、ステップS508において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2による処理結果を送信する。以上が、制御部2が通常モードである場合の処理である。
【0121】
一方、ステップS505において、通信制御部6が、制御部2はパワーセーブモードであると判断した場合(ステップS505:Yes)には、ステップS509において、データの種類を判断する。
【0122】
次に、ステップS510において、データが制御部2で処理可能であるか否かを判断する。制御部2で処理できないと判断した場合(ステップS510:No)には、ステップS511においてデータを第1記憶部7に記憶する。データを第1記憶部7に記憶しておくことにより、パワーセーブモードから通常モードに戻った場合に、迅速に処理を実行することができる。
【0123】
一方、ステップS510において、データが制御部2で処理可能であると判断した場合(ステップS510:Yes)は、ステップS506において、制御部2に、外部装置200から受信したデータを送信する。その後、ステップS507において、制御部2によるデータ処理を実行し、ステップS508において、通信制御部6は、外部装置200に対して、制御部2による処理結果を送信する。
【0124】
次に、ステップS512において、制御部2がパワーセーブモードである旨を外部装置200に送信する。以上がパワーセーブモードでの処理である。
【0125】
以上のようにして、制御部2が、通常モード、パワーセーブモード、電圧低下モードのいずれのモードであるかに基づいて、適切にデータ処理を行うことができる。
【0126】
次に、電子時計102の制御部2がパワーセーブモードである場合において、外部装置200が電子時計102と通信を行った結果を外部装置200の表示部205に表示する例について説明する。図17(a)~(d)に、本開示の第2の実施形態に係る電子時計がパワーセーブモードである場合において、外部装置が電子時計から受信した処理結果の表示例を示す。
【0127】
図17(a)は、図7(b)に示した表示部205の画面において、時刻同期のボタン211を選択した場合であって、制御部2がパワーセーブモードであるために、外部装置200が電子時計102との時刻同期に成功した例を示す。この場合、表示部205には、時刻同期に成功した旨、及び電池残量が低下しているために機能制限されており、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0128】
図17(b)は、図7(b)に示した表示部205の画面において、計測制御のボタン213を選択した場合であって、制御部2がパワーセーブモードであるために、外部装置200が電子時計102の計測制御ができなかった例を示す。この場合、表示部205には、計測制御ができなかった旨、及び、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0129】
図17(c)は、図7(c)に示した表示部205の画面において、歩数のボタン222を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、歩数データの収集ができなかった旨、及び電池残量が低下しているためにデータ収集できず、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0130】
図17(d)は、図7(d)に示した表示部205の画面において、電池残量状況のボタン231を選択した場合の処理結果を示す。この場合、例えば、表示部205に、電池の残量がわずかにある状態であることを示すアイコン236、及び、電池残量が低下しているために機能制限されており、充電が必要である旨が表示されるようにしてもよい。
【0131】
上記の例では、外部装置200と電子時計102との間のデータ処理の状況を外部装置200側で表示する例について説明したが、電子時計102側で通知することもできる。図18は、本開示の第2の実施形態に係る電子時計102がパワーセーブモードである場合における、電子時計102による処理結果を示す図であり、(a)は正常に処理を行えた場合を示し、(b)は正常に処理を行えなかった場合を示す。図18(a)に示すように、正常に処理を行うことができた場合は、秒針110が「OK」の文字131と重なるように移動することにより、外部装置200が電子時計102に送信したデータの処理が正常に行われたことを示すことができる。一方、図18(b)に示すように、正常に処理を行えなかった場合は、秒針110が「NG」の文字132と重なるように移動することにより、外部装置200が電子時計102に送信したデータの処理が正常に行われなかったことを示すことができる。
【0132】
さらに、サブダイヤル120によって、電源8の電池残量を表示することもできる。図18(a)及び(b)に示すように、副針121は5時を指すことにより、電源8の電池残量がわずかしかないことがわかる。
【0133】
(第3の実施形態)
次に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計について説明する。第3の実施形態に係る電子時計103が、第1の実施形態に係る電子時計101と異なっている点は、通信制御部6は、外部装置200から受信した信号の内容が、通信制御部6において処理可能な内容であるか否かを判断し、通信制御部6において処理可能である場合は、通信制御部6が処理を行い、処理結果を外部装置200に送信する点である。第3の実施形態に係る電子時計103のその他の構成は、第1の実施形態に係る電子時計101における構成と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0134】
次に、第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順について説明する。図19に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。図19に示したフローチャートは、図5に示した第1の実施形態に係る電子時計101の動作手順を説明するためのフローチャートに対して、通信制御部6における制御を付加したものである。
【0135】
まず、ステップS601において、通信制御部6は、外部装置200から受信したデータの種類を判断する。次に、ステップS602において、受信したデータが、通信制御部6で処理可能か否かを判断する。通信制御部6において処理可能であると判断した場合(ステップS602:Yes)は、ステップS603において、通信制御部6によるデータ処理を実行し、ステップS604において、応答信号(通信制御部6による処理結果)を外部装置200に送信する。
【0136】
一方、受信したデータが、通信制御部6では処理できないと判断した場合(ステップS602:No)のステップS605~S611における処理は、図5におけるステップS101~S107における処理と同様である。
【0137】
図20に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103と外部装置200との間における通信のシーケンス図を示す。まず、ステップS701において、外部装置200が、NFC通信アプリケーションプログラム(アプリ)を起動する。次に、ステップS702において、外部装置200は電子時計103に対して、コマンドを送信する。
【0138】
次に、ステップS703において、電子時計103の通信制御部6を起動させ、外部装置200から送信されたコマンドを受信する。次に、ステップS704において、通信制御部6は、外部装置200から受信したデータ処理が所定のデータ処理である場合は、通信制御部6のみで処理可能と判断する。次に、ステップS705において、通信制御部6で処理を実行する。
【0139】
次に、ステップS706において、通信制御部6は、外部装置200に対して、処理結果を含む応答信号を送信する。次に、ステップS707において、外部装置200の画面に処理結果を表示する。
【0140】
一方、電子時計103において、ステップS708で、通信制御部6は、データ処理を実行した旨を表示するように制御部2に対してコマンドを送信する。
【0141】
次に、ステップS709において、制御部2は針で結果を表示する。
【0142】
図20に示したシーケンス図は、外部装置200から受信したコマンドを通信制御部6のみで処理可能な場合について記載されているが、通信制御部6で処理を行えないと判断した場合は、図19のフローチャートで示すように、受信したコマンドを制御部2において処理するようにすればよい。
【0143】
以上のように、外部装置200からコマンドを受信した後、通信制御部6は、第2記憶部5に記憶した制御部2のモードを参照することなく、通信制御部6で処理可能なコマンド処理するため、外部装置200に対して迅速に処理結果を送信することができる。
【0144】
次に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順の他の例について説明する。図21に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順の他の例を説明するためのフローチャートを示す。図21に示したフローチャートは、図15に示した第2の実施形態に係る電子時計102の動作手順を説明するためのフローチャートに対して、通信制御部6における制御を付加したものである。
【0145】
まず、ステップS801において、通信制御部6は、外部装置200から受信したデータの種類を判断する。次に、ステップS802において、受信したデータが、通信制御部6で処理可能か否かを判断する。通信制御部6において処理可能であると判断した場合(ステップS802:Yes)は、ステップS803において、通信制御部6によるデータ処理を実行し、ステップS804において、処理結果を外部装置200に送信する。
【0146】
一方、受信したデータが、通信制御部6では処理できないと判断した場合(ステップS802:No)のステップS805~S816における処理は、図15におけるステップS401~S412における処理と同様である。
【0147】
次に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順のさらに他の例について説明する。図22に、本開示の第3の実施形態に係る電子時計103の動作手順のさらに他の例を説明するためのフローチャートを示す。図22に示したフローチャートは、図16に示した第2の実施形態の他の例に係る電子時計102の動作手順を説明するためのフローチャートに対して、通信制御部6における制御を付加したものである。
【0148】
まず、ステップS901において、通信制御部6は、外部装置200から受信したデータの種類を判断する。次に、ステップS902において、受信したデータが、通信制御部6で処理可能か否かを判断する。通信制御部6において処理可能であると判断した場合(ステップS902:Yes)は、ステップS903において、通信制御部6によるデータ処理を実行し、ステップS904において、処理結果を外部装置200に送信する。
【0149】
一方、受信したデータが、通信制御部6では処理できないと判断した場合(ステップS902:No)のステップS905~S916における処理は、図1におけるステップS501~S512における処理と同様である。
【0150】
第3の実施形態に係る電子時計103においては、受信したデータを制御部2に送信する前に、通信制御部6において処理が可能か否かを判断し、処理が可能である場合は通信制御部6において処理を実行するようにしているため、外部装置200に対する応答を迅速に行うことができる。また、通信制御部6により処理が完了する場合、制御部2を動作させることなく外部供給電力だけで実行できるため、電子時計103の電力消費を抑えることができる。
【0151】
(第4の実施形態)
次に、本開示の第4の実施形態に係る電子時計について説明する。上述した実施形態においては、電子時計101側の通信制御部6は、通常モードであるか電圧低下モードであるかを判断して、その結果を外部装置200に送信することができる。しかしながら、このような例には限られず、通信制御部6は、第2記憶部5のフラグデータを外部装置200に送信し、外部装置200のアプリケーションプログラム側で通常モードであるか電圧低下モードであるかを判断し、電子時計101との通信が可能であるか不可能であるかを判断して表示するようにしてもよい。第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置においては、通信の最初にフラグデータを確認する点を特徴としている。
【0152】
第4の実施形態に係る電子時計と外部装置の構成は図2のブロック図と同様である。図23に、本開示の第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置の動作手順を説明するためのフローチャートを示す。第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置においては、まず、外部装置200が電子時計101からフラグデータを入手して、電子時計101のモード判断をする。ステップS1001において、最初の通信時に電子時計101の第2記憶部5を読み出すために、外部装置200の通信部201から電子時計101へフラグデータの問い合わせ信号を送信する。電子時計101は、この問い合わせ信号による応答信号として第2記憶部5からフラグデータ(フラグ「0」かフラグ「1」の情報)を読み出して、そのまま外部装置200に返信する。次に、ステップS1002において、外部装置200の通信部201が電子時計101からフラグデータを受信する。
【0153】
次に、ステップS1003において、外部装置200は、制御部202において、受信したフラグデータに基づいて、電子時計101が現在どのモードであるか、例えば、電子時計101は電圧低下モードであるか否かを判断する。
【0154】
制御部202は、電子時計101が通常モードであると判断した場合(ステップS1003において「No」)は、ステップS1004において、本来行いたかった問合せ(命令)信号(データ)を電子時計101の制御部2に送信し、電子時計101に処理させる。そして、ステップS1005において、電子時計101の制御部2による処理結果である応答信号を受信して処理を終える。ステップS1005で受信した応答信号によっては、表示部205に処理結果または処理結果に対応した情報を表示してもよい。
【0155】
ステップS1003に戻って、電圧低下モードであると判断した場合(ステップS1003において「Yes」)であって、ステップS1006において、本来行いたかった問い合わせ内容が電子時計101の第1記憶部7に記憶させておきたい命令であれば、そのような問い合わせ信号を電子時計101の制御部2に送付する。次に、ステップS1007において、電子時計101からの応答信号を受信し、処理を終える。
【0156】
ここで、ステップS1006において、外部装置200による判断結果(電子時計101が電圧低下モードである旨)を電子時計101に送信してもよい。また、電子時計101が電圧低下モードである旨や、実行したかった処理が行えなかったこと、実行させたい内容を電子時計101に記憶させたことなどを表示部205に表示してもよい。
【0157】
一方、外部装置200は、電圧低下モードである電子時計101では実行したい処理が行えないと判断した場合には、ステップS1006、及びステップS1007を行わずに終了してもよい。
【0158】
なお、上述した第2の実施形態のように電子時計101がパワーセーブモードを有する場合、通常モードであるか電圧低下モードであるかパワーセーブモードであるかのフラグデータを受信して外部装置200で判断し、実行しようとする処理の内容に応じた命令信号を送信したり、第2記憶部5に記憶するための命令信号を送信したり、処理を実行せずに終了する構成としてもよい。
【0159】
また、第3の実施形態のように電圧低下モードであっても通信制御部6で処理可能であれば、実行したい処理の命令信号を送信するような構成としてもよい。
【0160】
上記の図23に記載された一連の手順について、シーケンス図を用いて詳細に説明する。まず、電子時計101が電圧低下モードの場合について説明する。図24に、本開示の第4の実施形態に係る電子時計が電圧低下モードである場合における外部装置との間の通信のシーケンス図を示す。まず、ステップS1101において、ユーザが外部装置200を用いてNFC通信アプリケーションプログラム(アプリ)を起動させ、実行する処理を選択する。実行する処理が選択されると、外部装置200は、まず、電子時計101の第2記憶部5からフラグデータを読み出すための問い合わせ(コマンド)信号を送信する。
【0161】
外部装置200からのコマンドを受信した電子時計101の通信制御部6は、ステップS1102において、処理を実行し、第2記憶部5のフラグデータを外部装置200に送信する。ここで、通信制御部6は、適切なタイミングで起動して、処理すべき作業がなくなった場合はスリープ状態となることを前提にしている。
【0162】
外部装置200の制御部202は、電子時計101から受信したフラグデータに基づいて、ステップS1103において、電子時計101が電圧低下モードであるか通常モードであるかを判断する。ここでは、外部装置200が、電子時計101は電圧低下モードであると判断した場合の処理について説明する。ステップS1104において、外部装置200の制御部202は、電子時計101に対する問い合わせ内容(命令信号)について記憶部に記憶させると判断した場合は、問い合わせ内容(命令信号)や記憶させたいデータを電子時計101の第2記憶部5に記憶する処理を行わせるためのコマンド信号を電子時計101に送信する。
【0163】
次に、ステップS1105において、電子時計101は受信したコマンド信号に基づいて第1記憶部7に記憶する処理を実行し、応答信号を外部装置200に送信する。次に、ステップS1106において、外部装置200は、表示部205に結果を表示する。
【0164】
一方、ステップS1104において、電子時計101の記憶部に記憶させない判断や、電圧低下モードの電子時計101に対しては本来行いたかった問い合わせ信号を送信しないと判断した場合は、電子時計101へのコマンド送信処理を行うことなくステップS1106を実行する。
【0165】
ここで、選択されたプログラムに応じて、外部装置200の制御部202は電子時計101の通信制御部6のみで処理を行えるか否かを判断するようにしてもよい。通信制御部6で実行したい処理を行えると判断した場合は、実行したい問い合わせ内容(命令信号)を電子時計101に送付する。そして、処理に応じた応答信号を受信したら、外部装置200の制御部202は、表示部205に処理結果を表示する。
【0166】
以上のようにして、電子時計101が電圧低下モードである場合において、外部装置200との間で通信が行われる。次に、電子時計101が通常モードである場合における外部装置200との間で行われる通信について説明する。図25に本開示の第4の実施形態に係る電子時計101が通常モードである場合における外部装置200との間の通信のシーケンス図を示す。ステップS1201~S1203までの手順は、上述したステップS1101~S1103における手順と同様である。
【0167】
ここでは、外部装置200が、電子時計101は通常モードであると判断した場合の処理について説明する。この場合は、外部装置200は、電子時計101にコマンドを送信する。次に、ステップS1204において、電子時計101は外部装置200から受信したコマンドに基づいて制御部2にデータ(コマンド)を出力する。
【0168】
次に、ステップ1205において、制御部2がデータ処理を実行し、応答信号を、通信制御部6を介して外部装置200に送信する。次に、ステップS1206において、外部装置200は、必要に応じて表示部205に結果を表示する。
【0169】
第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置においては、通信の最初にフラグデータを確認するようにしているため、電圧低下モードでの処理時間を短くすることができる。
【0170】
(第5の実施形態)
次に、本開示の第5の実施形態に係る電子時計について説明する。上述した第4の実施形態に係る電子時計及び外部装置においては、通信の最初にフラグデータを確認する例について説明したが、このような例には限られず、通信の最後にフラグデータを確認するようにしてもよい。図26に本開示の第5の実施形態に係る電子時計と外部装置との間における通信のシーケンス図を示す。
【0171】
第5の実施形態に係る電子時計と外部装置の構成は図2のブロック図と同様である。ここでは、電子時計101が電圧低下モードである場合の処理手順について説明する。まず、ステップS1301において、ユーザが外部装置200を用いてNFC通信アプリケーションプログラム(アプリ)を起動させ、実行する処理を選択する。実行する処理が選択されると、外部装置200は、電子時計101に対してコマンドを送信する。
【0172】
次に、ステップS1302において、電子時計101の通信制御部6が、受信したコマンドに基づいて、制御部2に対してデータ(コマンド)を出力する。次に、ステップS1303において、制御部2には、受信したコマンドが入力されるが、電圧低下モードであるため、処理を実行することはできない。
【0173】
ステップS1304において、通信制御部6が制御部2から所定時間内に応答を受信しなかった場合は、外部装置200に応答(エラー)信号を送信する。ここで、電子時計101が第2の実施形態のようにパワーセーブモードを有する構成である場合は、制御部2は、通信制御部6に対して、処理の実行が不可能である旨の応答信号を送信するようにしてもよい。
【0174】
次に、ステップS1305において、外部装置200の制御部202は、電子時計101が電圧低下モードである可能性があると判断し、電子時計101の第2記憶部5のフラグデータを読み出すためのコマンドを電子時計101に送信する。次に、ステップS1306において、電子時計101の通信制御部6は、第2記憶部5からフラグデータを読み出す処理を実行し、フラグデータを外部装置200に送信する。
【0175】
次に、ステップS1307において、外部装置200の制御部202は、受信したフラグデータに基づいて、電子時計101は電圧低下モードであると判断する。ここで、外部装置200が電子時計101に行わせたい処理の内容が通信制御部6のみで実行可能であると制御部202が判断した場合は、図24に示したステップS1104及びS1105の処理を実行するようにしてもよい。次に、ステップS1308において、外部装置200の制御部202は、表示部205に、電子時計101は電圧低下モードである旨の判断結果を表示する。
【0176】
以上の説明においては、電子時計101が電圧低下モードである場合について説明したが、通常モードである場合は、外部装置200が電子時計101に送信したコマンドに対する応答が正常であることに基づいて、フラグデータを確認することなく、電子時計101が通常モードであると判断することができる。即ち、第5の実施形態においては、最初に電子時計101に処理を実行させるコマンドを送信し、その結果、通信処理が正常に終わらなかった場合にフラグデータの確認処理を実行し、電子時計101との通信が単に失敗したのか、電圧低下モードであるために受け付けられなかったのかを判断することができる。第5の実施形態における制御は、第4の実施形態における制御と比較すると、最初にコマンドを送って処理できれば、そのことにより電子時計101が通常モードであることの確認が完了するため、通信時間を短くすることが出来る。このように、第5の実施形態に係る電子時計及び外部装置においては、通常モードの場合の処理時間を短くすることができる。なお、上述した第4及び第5の実施形態は、上述した第1~3の実施形態のいずれにも対応可能である。
【0177】
(電子時計の指針による表示方法)
上記の説明においては、図10及び11に示すように、秒針等の指針で電子時計101による処理結果を表示する例について説明した。上記の例では、結果表示を開始して所定時間が経過した後、秒針による処理結果の表示を解除して現在時刻表示に戻るようにしている。しかしながら、外部装置200が電子時計101を覆っている間は、たとえ秒針を動かしたとしてもユーザがそれを視認することができないという問題がある。そこで、ユーザが視認できるようになった後に電子時計101による処理結果の表示を開始し、所定時間が経過した後、処理結果の表示を解除することが好ましい。
【0178】
具体的には、電子時計101は、外部装置200が電子時計101から離れたことを検出した後に、指針による電子時計101による処理結果の表示を行うことが好ましい。また、外部装置200が電子時計101から離れてから、所定時間が経過した後に、電子時計101による処理結果を表示するようにしてもよい。
【0179】
外部装置200が電子時計101から離れたことを電子時計101が検出する方法として種々の方法が考えられる。一例として、ソーラーセルによる光発電の有無により検出する方法が考えられる。これは、外部装置200が電子時計101の文字盤を遮る場合にはソーラーセルによる光発電の発電レベルが低下することを利用するものである。ここで、外部装置200が電子時計101の文字盤を完全に覆わない場合は、文字盤が完全には暗くならないため、外部装置200と電子時計101とが離間しているか否かを判断するためのトリガーとして、文字盤の明/暗の代わりに、発電レベルの閾値を設けるようにしてもよい。あるいは、所定レベル以上の発電を所定時間継続して検出したか否かにより判断するようにしてもよい。この方法は、例えば、外部装置200側がNFC通信を終了した後、NFCの電波出力を止めてしまう機種の場合に適用することができる。
【0180】
外部装置200と電子時計101とのが離間しているか否かを判断するその他の方法として、磁気センサにより磁界を検出する方法や、NFC電波による充電電流を検出する方法が考えられる。通信制御部6を構成するICの中には磁界を検出する機能を有するものも存在する。このような方法は、外部装置200が、NFC通信を終了してもNFCの電波出力を止めない機種の場合や、電子時計101が、ソーラーセルにより発電を行う機種ではない場合に有効である。
【0181】
但し、外部装置200のアンテナと電子時計101のアンテナの位置関係によっては、電子時計101の文字盤がまだ見えていない状態で、磁界や充電電流がないと判断して電子時計101の処理結果の表示を開始する場合も生じうる。そこで、磁界や充電電流が検出されなくなってから所定時間経過後に電子時計101の処理結果の表示を開始することが好ましい。このようにすることで、ユーザは確実に処理結果の表示を視認することができるようになる。
【0182】
以上説明したように、本開示の実施形態に係る電子時計によれば、制御部の駆動が停止するほどの電圧低下が起こった場合であっても、電子時計がどのような状況で外部装置と通信できたか、あるいは、通信できなかったかを外部装置に送信することができる。
【符号の説明】
【0183】
1 通信部
2 制御部
3 検出部
4 判定部
5 第2記憶部
6 通信制御部
7 第1記憶部
8 電源
9 発電部
10 駆動部
11 表示部
12 アンテナ
101、102、103 電子時計
120 サブダイヤル
200 外部装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14
図15
図16
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26