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特許7483660フォトニック集積回路と光プリント基板との整列のためのシステム及び方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】フォトニック集積回路と光プリント基板との整列のためのシステム及び方法
(51)【国際特許分類】
   G02B 6/12 20060101AFI20240508BHJP
   G02B 6/124 20060101ALI20240508BHJP
   G02B 6/34 20060101ALI20240508BHJP
   G02B 6/42 20060101ALI20240508BHJP
   G02F 1/29 20060101ALN20240508BHJP
【FI】
G02B6/12 361
G02B6/12 301
G02B6/12 371
G02B6/124
G02B6/34
G02B6/42
G02F1/29
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2021097736
(22)【出願日】2021-06-11
(65)【公開番号】P2021196610
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-01-19
(31)【優先権主張番号】63/038,004
(32)【優先日】2020-06-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/331,534
(32)【優先日】2021-05-26
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】390005049
【氏名又は名称】ヒロセ電機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【弁理士】
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【弁理士】
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【氏名又は名称】上杉 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100120525
【弁理士】
【氏名又は名称】近藤 直樹
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【弁理士】
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100167911
【弁理士】
【氏名又は名称】豊島 匠二
(72)【発明者】
【氏名】キホン キム
(72)【発明者】
【氏名】ジェレミー ブアン
(72)【発明者】
【氏名】松尾 勉
(72)【発明者】
【氏名】大志田 直
【審査官】奥村 政人
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0086149(US,A1)
【文献】特開2007-133160(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2018/0364426(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02B 6/12- 6/14
G02B 6/26- 6/27
G02B 6/30- 6/34
G02B 6/42- 6/43
G02F 1/00- 1/125
G02F 1/21- 7/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
光導波路を介して光プリント基板(POB)に接続されたコネクタとフォトニック集積回路(PIC)パッケージとの間で光をリダイレクトするように構成されたシステムであって、前記システムが、
1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)を備え、前記1又は2以上のTDWの各々が、pドープシリコンとnドープシリコンの少なくとも一方を含む複数の層から成る積層体を含み、前記1又は2以上のTDWで前記積層体の側面にて受光された光が前記1又は2以上のTDW上の2次元場所において前記2次元場所に対して実質的に直交する方向に格子結合器に向かってリダイレクトされるように、前記2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成されている、ことを特徴とするシステム。
【請求項2】
前記1又は2以上のTDWは、電圧変化によって駆動されるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項3】
前記1又は2以上のTDWは、超音波信号によって駆動されるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項4】
前記1又は2以上のTDWは、電気光学表面プラズモンポラリトンによって駆動されるように構成される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項5】
前記1又は2以上のTDWは、前記コネクタ内に配置されて単一モード導波路に接続され、
前記1又は2以上のTDWは、前記単一モード導波路から受光する光が前記2次元場所において前記格子結合器に向かって実質的に直交方向にリダイレクトされるように前記2次元場所における前記誘電率を変化させるよう駆動されるように構成され、
前記格子結合器は、前記PICパッケージ内に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項6】
前記コネクタ上に配置された1又は2以上のフォトダイオードセンサを更に備え、前記1又は2以上のフォトダイオードセンサが、前記1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた前記光のうちで前記PICパッケージで反射された光を受光するように構成される、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項7】
1又は2以上のフォトダイオードセンサを備え、前記PICパッケージによって受光される光を測定するように構成された導波路タップモニタを更に備える、ことを特徴とする請求項5に記載のシステム。
【請求項8】
前記1又は2以上のTDWは、前記PICパッケージ内に配置され、
前記1又は2以上のTDWは、前記PICパッケージから受光した光が、前記2次元場所において前記格子結合器に向かって実質的に直交方向にリダイレクトされるように、前記2次元場所における前記誘電率を変化させるよう駆動されるように構成され、
前記格子結合器は、前記コネクタ内に配置される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項9】
前記PICパッケージ上に配置され、前記1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた前記光のうちで前記コネクタで反射された光を受光するように位置決めされた1又は2以上のフォトダイオードセンサを更に備える、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項10】
1又は2以上のフォトダイオードセンサを備え、前記コネクタが受光する光を測定するように構成された導波路タップモニタを更に備える、ことを特徴とする請求項8に記載のシステム。
【請求項11】
前記PICパッケージと前記コネクタとの間に挟まれ、前記1又は2以上のTDWからリダイレクトされた前記光を前記格子結合器に向かって集束するように構成されたレンズを更に備え、
前記1又は2以上のTDWは、前記1又は2以上のTDWにおいて受光された前記光が前記2次元場所において傾斜ガウスビームとして前記レンズに向かってリダイレクトされるように前記2次元場所における前記誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される、
ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項12】
前記1又は2以上のTDWは、前記コネクタ内に配置されて単一モード導波路に接続され、
前記1又は2以上のTDWは、前記単一モード導波路から受光した前記光が前記2次元場所において前記傾斜ガウスビームとして前記レンズに向かってリダイレクトされ、それによって前記レンズが、前記傾斜ガウスビームを前記単一モード導波路から受光した前記光から実質的に直交方向になるように前記格子結合器に向かってリダイレクトするように前記2次元場所における前記誘電率を変化させるよう駆動されるように構成され、
前記格子結合器は、前記PICパッケージ内に配置される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項13】
前記コネクタ上に配置され、前記1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた前記光のうちで前記PICパッケージで反射された光を受光するように構成された1又は2以上のフォトダイオードセンサを備える、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
1又は2以上のフォトダイオードセンサを備え、前記PICパッケージによって受光される光を測定するように構成された導波路タップモニタを備える、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項15】
前記1又は2以上のTDWは前記PICパッケージ上に配置され、
前記1又は2以上のTDWは、前記PICパッケージから受光した前記光が前記2次元場所において前記傾斜ガウスビームとして前記レンズに向かってリダイレクトされ、それによって前記レンズが、前記傾斜ガウスビームを前記PICパッケージから受光した前記光から実質的に直交方向になるように前記格子結合器に向かってリダイレクトするように前記2次元場所における前記誘電率を変化させるよう駆動されるように構成され、
前記格子結合器は、前記コネクタ内に配置される、
ことを特徴とする請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記PICパッケージ上に配置され、前記1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた前記光のうちで前記コネクタから反射された光を受光するように位置決めされた1又は2以上のフォトダイオードセンサを更に備える、ことを特徴とする請求項15に記載のシステム。
【請求項17】
1又は2以上のフォトダイオードセンサを備え、前記コネクタが受光する光を測定するように構成された導波路タップモニタを更に備える、ことを特徴とする請求項12に記載のシステム。
【請求項18】
前記複数の層から成る積層体が、可能な2次元場所を示す碁盤格子構成で配列される、ことを特徴とする請求項1に記載のシステム。
【請求項19】
光導波路を介して光プリント基板(POB)に接続されるように構成されたコネクタと、
フォトニック集積回路(PIC)パッケージと、
前記コネクタと前記PICパッケージとの間で光をリダイレクトするように構成された1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)であって、前記1又は2以上のTDWの各々が、pドープシリコンとnドープシリコンの少なくとも一方を含む複数の層から成る積層体を含み、前記1又は2以上のTDWで前記積層体の側面にて受光された光が、前記1又は2以上のTDW上の2次元場所において前記2次元場所に対して実質的に直交する方向に格子結合器に向かってリダイレクトされるように、前記2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成された1又は2以上のTDWと、
を備える、ことを特徴とするシステム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願に対する相互参照)
本特許出願は、2020年6月11日に出願された米国仮特許出願第63/038,004号に基づいており、その優先権の利益を主張し、当該仮特許出願の開示内容は、その全部が全ての目的で引用によって本明細書に組み込まれている。
【0002】
本開示は、一般的に、フォトニック(光)集積回路(PIC)を有する電子システムに関し、より具体的には、PICと光プリント基板とを整列させるためのシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0003】
最近では、光を電気信号に、及びその逆に変換することを可能にする組み込み型(embedded)光導波路を有する電気プリント回路基板の開発が続いている。かかるシステムは光プリント回路基板として公知であり、本明細書では光プリント基板(printed optical board)(POB)と呼ぶ。
【0004】
以下で「PICシステム」と呼ぶ、POB上にPICを有するシステムでは、PICシステムの銅トレースがゼロに向かって崩壊するにつれて、システムオンチップ(SoC)の直近に光コネクタが密集することになる。残念ながら、この密集バス環境に対する光入力/出力(I/O)規格は存在しない。オフチップ光バスとしても公知である、PICの入力及び出力(電気システムのI/Oバッファ及びボンディングパッドにあたる)は、何らかの候補解、業界の一致した意見、又は規格化の動きがない。かかる解決策の欠如は、PIC構成要素に携わるコネクタ製造業者が直面する当面の課題である。
【0005】
光プリント基板(POB)の設計では、回路基板の中に組み込み型導波路を含めるという最近の開発がある。図1は、例示的POBシステムを示している。具体的には、図1は、プリント回路基板(PCB)材料内に埋め込まれた光導波路コア層と、プロセスとを例示している。矢印は、光モジュールからSoCへの光経路の方向を示している。光学層と電気層とは製造時に整列されることから、組み立て業者が、追加の整列を施す必要はない。しかしながら、材料系は新しい積層プロセスを必要とし、それによってコストが上昇し、製品の不明なフィールド信頼性が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】米国仮特許出願第63/038,004号広報
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示の態様は、コネクタからの光をリダイレクトし、単一モード導波路の光を光プリント基板からフォトニック集積回路(PIC)へと推進するように構成された接合部であって、例としてpドープシリコンとnドープシリコンの複数の層で構成することができる2次元分散波長板(TDW)を有する接合部を含むシステムを含む。一般的に、TDWは、PICの内部機能IPから導波路を通して受光した光が2次元場所でリダイレクトされるように全ての2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される。
【0008】
本開示の態様は、光導波路を介して光プリント基板(POB)に接続されたコネクタとフォトニック集積回路(PIC)パッケージとの間で光をリダイレクトするように構成されたシステムであって、1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)を含むことができ、1又は2以上のTDWの各々が、pドープシリコンとnドープシリコンの複数の層を有し、1又は2以上のTDWにおいて受光された光が1又は2以上のTDW上にある2次元場所において垂直格子結合器に向かってリダイレクトされるように、1又は2以上のTDWが、これらの2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成されるシステムを含む。
【0009】
本発明の態様は、光導波路を介して光プリント基板(POB)に接続されるように構成されたコネクタと、フォトニック集積回路(PIC)パッケージと、POBとPICパッケージとの間で光をリダイレクトするように構成された1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)であって、1又は2以上のTDWの各々が、pドープシリコンとnドープシリコンの複数の層を有し、1又は2以上のTDWにおいて受光された光が1又は2以上のTDW上にある2次元場所において垂直格子結合器に向かってリダイレクトされるように、1又は2以上のTDWが、これらの2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成されるシステムを含む。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】例示的光プリント基板(POB)システムを示す図である。
図2】ある例示的実装によるPOBとPICとを含む例示的システムを示す図である。
図3(a)】ある例示的実装による、複数の層を有するTDWを含むPIC接合部の例示的構成を示す図である。
図3(b)】ある例示的実装による、複数の層を有するTDWを含むPIC接合部の例示的構成を示す図である。
図4(a)】ある例示的実装による、TDWを含むPIC接合部の例示的構造を示す図である。
図4(b)】ある例示的実装による、TDWを含むPIC接合部の例示的構造を示す図である。
図5】ある例示的実装による、レンズを有するTDWのMIMO型実装に関する例示的実装を示す図である。
図6(a)】所望の実装による、PIC接合部とPICとの間の整列を決定するための例示的構成を示す図である。
図6(b)】所望の実装による、PIC接合部とPICとの間の整列を決定するための例示的構成を示す図である。
図7(a)】ある例示的実装による、PIC上にPICパッケージの一部として組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図7(b)】ある例示的実装による、PIC上にPICパッケージの一部として組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図7(c)】ある例示的実装による、PIC上にPICパッケージの一部として組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図8(a)】ある例示的実装による、PICパッケージの一部として組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図8(b)】ある例示的実装による、PICパッケージの一部として組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図8(c)】ある例示的実装による、PICパッケージの一部として組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図9(a)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である(光線を示す線を遠端まで完成されたい)。
図9(b)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である(光線を示す線を遠端まで完成されたい)。
図9(c)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である(光線を示す線を遠端まで完成されたい)。
図10(a)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図10(b)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
図10(c)】ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に続く詳細説明は、本出願の図及び例示的実装の更なる詳細を提示する。これらの図の間で重複する要素の参照番号及び説明を明瞭化の目的で省略する。本明細書の全体を通して用いる用語は、例として提示するものであり、限定的であることを意図したものではない。本明細書で説明する例示的実装は、単独で、或いは本明細書で説明する他の例示的実装又はいずれか他の所望の実装との組み合わせで用いることができる。
【0012】
一般的に、本明細書で説明する例示的実装は、本明細書で光プリント基板(POB)と呼ぶ、組み込み型光導波路を有する電気プリント回路基板等の第2のレベルの集積手段の上にフォトニック集積回路(PIC)を含む電子システムに関する。より具体的には、例示的実装は、かかるシステム(以下で「PICシステム」と呼ぶ)と、PICと光プリント基板とを整列させるための方法に関する。PICは、電気集積回路と光集積回路とを単一のチップとして一体的に、又はマルチチップモジュールとして基板上に個別に含む電気光学機能回路パッケージである。
【0013】
組み込み型導波路を有するPOBを含むPICシステムでは、垂直格子結合器の所望の変位に依存して基板からPICへの接合又はPICと基板との間の接合を容易にするために光コネクタが必要とされる。銅トレース長は最終的にはゼロになることから、光から電気へのシステム及び接合部は、チップレットが最終的にパッケージ上に直に配置されることになり、それによってPICが、現存の電気接合部と本明細書で説明する光接合部とによって電子系と光学系との両方を取り扱うことができる単一チップになるようなものになる。
【0014】
図2は、ある例示的実装によるPOBとPICとを含む例示的システムを示している。POB200とPIC202とは、チップから基板への接続を容易にするコネクタ201によって接続される。PIC202は、POB200にボンディング(例えば、ワイヤボンディング、電気ボンディング)されたICパッケージ内に組み込まれる。コネクタ201は、POB接合部204を介してPOB200に接続し、更にPIC接合部203を介してPIC202に接続する。このシステムの例では、光は、POBの導波路を通して、又はPICからPOBの導波路への反対方向の信号の流れの場合にはPIC202の導波路を通して供給される。
【0015】
かかるシステムの製造では、PIC202は、PIC接合部203上に配置される。PIC202の下面は、吸収部分と反射部分とを含むことができる結合器を含み、吸収部分は、コネクタ201からPIC202に向けられた光を吸収するように構成され、反射部分は、光をコネクタ201に反射し戻すように構成される。信号の流れを逆転することもでき、この場合にはPIC202からPOB200に光が伝達され、コネクタ201によって吸収されて単一モード導波路を通してPOB200へとリダイレクトされる。
【0016】
しかしながら、かかるシステムの組み立てでは、PIC202の吸収部分とPIC接合部203との整列を決定するのが困難である可能性がある。特に、不適切な整列の場合には、PIC接合部203からPICに向けられた光が失われる恐れがある。更に、機械的調節による場合には、PIC接合部203からの光が何処でPIC202に向けられるか、又はPIC接合部203からの光が何処でコネクタ201に向けられるかを知ることが困難である可能性があることから、PIC202とPIC接合部203との再整列を果たすのが困難である可能性がある。
【0017】
例示的実装は、入射光ビームを2つの異なる媒体の間の垂直出力光ビームへと成形して場所決めする複数の層を有する1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)を含むPIC接合部203を導入することによって上記の問題に対処する。
【0018】
本明細書で説明する例示的実装では、1又は2以上のTDWを有する本提案のPIC接合部203は、(x,y)が、所望の実装に従って設定されたピクセルを用い、所望の実装に依存して2D格子構造又はメタ表面を用いることによってTDW板上でピクセル分割された座標である時に、誘電率(d(x,y))の電気制御可能な誘電率分布関数を有するように構成される。本明細書に提示する例では、(x,y)ピクセル分割座標は、nドープシリコンとpドープシリコンとに基づく碁盤格子構成として形成されるが、所望の実装に従って他の実装を利用することもできる。かかる例示的実装によって、入射/射出光は、強め合うように干渉して自由空間又は導波路内への所望のサイズ及び形状を有するガウス波形の射出/入射ビームへの実質的に直交方向への回転を形成することができる。
【0019】
本明細書で説明する例示的実装では、TDWは、付随する誘電率dn(x,y)(nは層n=1,2,…である)の分布関数によって各々が別個に定義された複数の層を含むことができる。このサンドイッチ構造は、導波路からの入射光ビームと空間的に干渉して総合チャネル性能が最高目標値に達するように空間への射出光ビームの場所及び形状を微調整する、又は空間からの入射光ビームと空間的に干渉して総合チャネル性能が最高目標値に達するように導波路への射出光ビームの場所及び形状を微調整する。
【0020】
複数の例示的実装において、物理的光経路の相反性によってPIC202とPIC接合部203との間の双方向性が概ね保証される。
【0021】
図3(a)及び図3(b)は、ある例示的実装による、複数の層を有する1又は2以上のTDWを含むPIC接合部の例示的構成を示している。図3(a)及び図3(b)に例示しているように、光は、光ビームを空間301の中へとリダイレクトするように構成されたTDW302、303に導波路300を通して向けられる。
【0022】
図3(a)に記載の例では、TDWの2D格子構造又はメタ表面の電気制御によって射出ビームの中心をPIC接合部302上のいずれかの所望の場所(x,y)へと移動させることができる。図3(b)に記載の例では、PIC接合部303は、多入力多出力(MIMO)実装と、パラメータを形成するMIMOビームが(x,y)2次元座標ではなく方位角及び極角を含むことからdn(x,y)について制御するには限られた範囲しか有さないPIC接合部を補償するためのレンズ304とを含む。ビームの角度制御は、「d」がPIC接合部からこの非球面レンズまでの距離である時にビーム中心を(d*sin(q)*cos(f),d*sin(q)sin(f))に場所決めすることができる。従って、電気制御によって射出ビーム中心をあらゆる所望の場所(x,y)に移動させて所望の方向に照準することができる。かかる例示的実装では、PIC接合部303は、光ビームを誘導操作角度(θ)及び角度(φ)に向き決めするように構成される。対象範囲を、所望の実装に従って「d」だけ直線的に延ばすことができる。
【0023】
図4(a)及び4(b)は、ある例示的実装による、TDWを含むPIC接合部の例示的構造を示している。図4(a)に例示しているように、誘電率の調節に基づいてTDWピクセル同士の間の任意の場所(x,y)に中心が定められ、拡大及び分散された直角上向きのガウスビーム402を容易にするピクセル分割様式で配列される。複数の例示的実装において、光経路の相反性は、逆方向を成り立たせる。
【0024】
図4(a)に例示しているように、TDWは、光導波路401を通してPIC接合回路に接続され、それによってPIC接合回路からTDW層への単一モード光400が容易になる。光導波路401は、所望の実装に依存して先細る又は先細らない光がTDWに入射するのを容易にすることができる。所望の実装に依存して、光導波路401は、単一モード導波路又は多モード導波路の形態にすることができる。
【0025】
各層における誘電率を制御するために、TDWは、図4(a)に例示しているように層の行と列とに沿って電圧駆動されるように構成される。各行及び列の両端の電圧を調節することによって、所望の実装に従って特定のピクセルにおける電圧を制御することができ、それによって特定の場所(x,y)における誘電率を調節することができる。誘電率の調節によって、TDWに入射する光を、TDWの隣接ピクセルを通り抜けるか、又は、所望の実装に従って実質的に直交方向上向きにリダイレクトされるかのどちらかに向けることができる。
【0026】
所望の実装に依存して、TDWは、電圧以外の他の方法によって制御されるように構成することができる。例えば、誘電率を調節する上で超音波信号を用いることもできる。別の例では、当該技術分野で公知のいずれか所望の実装に従って、電気光学グラフェン構造上の表面プラズモンポラリトンに対して調節を加えることができる。本開示は、これらの方法に限定されず、誘電率を変化させる他の方法を所望の実装に従って利用することもできる。
【0027】
図4(b)は、ある例示的実装によるTDWの例示的断面を示している。図4(b)に記載の例示的断面は、PCB上に固定されて垂直線への光経路を有する垂直格子結合器(VGC)410を含む。かかるVGCは、所望の実装に依存して二酸化シリコン又はシリコン被覆で構成することができ、当該技術分野で公知のVGCのいずれかの形態にすることができる。
【0028】
中間層411が光をシリコン表面へと推進し、中間層411はシリコンで構成することができ、それを通して電気接続(例えばチップから電気基板への)が容易になり、中間層411は、光経路がPOBを接続するのを容易にするコアを含むこともできる。中間層411は、ピクセル分割構成にあるpドープシリコンとnドープシリコンとを有する層、並びにpドープ又はnドープのどちからのものである下層シリコン層を更に含む。
【0029】
図5は、ある例示的実装による、レンズ501を有するTDWのMIMO型実装に関する例示的実装を示している。図5に記載の例示的実装では、TDW500は、PIC520から単一モード導波路530を通して光を受光し、拡大されて誘電率d(x,y)に基づく任意角度(θ,φ)方向を有するガウスビーム510を形成するように構成されたコヒーレント光MIMOとして機能する。所望の角度に基づいて、ビーム510は、離れた平面にある所望の場所(x,y)へとコリメーターレンズ501によって処理される。
【0030】
所望の実装に依存して、レンズ501は、ガラス又はプラスチックで作製された非球面レンズとすることができる。レンズ501は、傾斜光を所望の場所に実質的に直交する向きで向けるように構成される。図5に例示しているように、レンズ501は、パッケージ502内に埋め込むこともできる。
【0031】
更に、信号の流れを、TDW500の中へのレンズ501を介してPIC520及び単一モード導波路530に戻るように逆転させることもできる。かかる状況では、光の流れは、PICから非球面レンズ501の中に垂直に向けられ、ある角度でTDW500に向かって戻るようにリダイレクトされる(例えば、図5に例示している矢印510、511の逆方向に)。
【0032】
図6(a)及び図6(b)は、所望の実装による、PIC接合部とPICとの間の整列を決定するための例示的構成を示している。
【0033】
複数の例示的実装において、光経路内のセンサの場所に依存して用いることができる様々な種類のフィードバック機構がある。フィードバック機構の一例は、反射信号の量がPICと接合部との間の不整列の量を示すようにセンサが光源側に場所決めされる反射法である。それに対して、別の例示的フィードバック機構は、光源とセンサとの対を用いて受光要素にとって最大のパワーに達するまで2つの光学構成要素を能動的に整列させる透過法を含む。図6(a)は、反射法に利用することができる例示的構成を示し、図6(b)は、透過法に利用することができる例示的構成を示している。
【0034】
図6(a)に記載の例では、ターゲット導波路/PICは、ターゲット結合器602に隣接する反射部分601を含む。ターゲット結合器602は、それに向かって向けられた光を吸収し、それに対して反射部分601は、それらに向かって向けられた光を矢印で示しているように反射する。反射光は、フィードバック信号に対する最小値を取得するという目的で反射フィードバック信号としての役割を果たすように用いられる。この反射は、PICコネクタ側に取り付けられたフォトダイオードセンサ600を有する導波路タップモニタによって監視される。反射部分は、反射特性を有する材料で作製することができる、又は、反射特性を有するいずれかの種類の被覆とすることができるが、特にこれらに限定さることはない。
【0035】
図6(b)に記載の例では、透過光が、光信号の最大値に対するフィードバックとしての役割を果たすことになる。この信号は、ターゲット導波路/PIC側に取り付けられたフォトダイオードセンサ603を有する導波路タップモニタによって監視される。従って、整列された時に、この導波路タップモニタによって、PICコネクタからターゲット導波路/PIC側へと透過される光の最大信号値を把握することができる。このようにして、図6(a)及び図6(b)に例示しているフォトダイオードセンサを用いることによって、反射光の測定値に基づいて整列較正を把握することができ、それによって、PICパッケージが既にコネクタにボンディング済みである場合であっても誘電率を適宜変化させるようにTDWを駆動することができる。
【0036】
従って、本明細書で説明する例示的実装を用いることによって、接合部のTDW上での誘電率調節を通じてPICとPOBへの接合部とを正しく整列させることができる。従って、PICが接合部上に配置された時に整列が最適ではなかった場合でも、光をTDW上の所望の2D座標の場所から所望の実装に従ってリダイレクトすることができる。
【0037】
更に、本明細書で説明するように反射光を測定するためにフォトダイオードセンサを用いることによって、反射光の測定値に基づいて整列を決定することができる。従って、組み立て及び整列が完了した後に整列が改変される場合であっても、組み立て後及び整列後に1又は2以上のフォトダイオードセンサによって供給される測定値を用いてTDWの誘電率を適宜変化させ、PICパッケージをコネクタに対して再整列させることができる。
【0038】
それに加えて、1又は2以上のフォトダイオードセンサを有する導波路タップモニタの使用は、所望の実装に依存してコネクタ又はPICパッケージのどちらかが受信する信号の測定を可能にする。従って、組み立て及び整列が完了した後に整列が改変される場合であっても、最大信号値が既知であることから、導波路タップモニタの測定値を用いてTDWの誘電率を組み立て後に適宜変化させてPICパッケージをコネクタに対して再整列させることができる。
【0039】
本明細書で説明する例示的実装は、コネクタ又はPOB上に設けられたTDW接合部に関するものであるが、TDW接合部は、光をPOB表面の所望の場所の上へと向けるためにPIC内に配置することもできる。かかる例示的実装では、図5に記載のレンズを、POB表面の所望の場所に光ビームを集束するように構成することができ、この場合、コネクタから受光された光が2次元場所において接合部からレンズへとある角度でリダイレクトされるように、TDWに対して直角なビーム角度が、この2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される。従って、TDWの実装は、所望の実装に従ってコネクタ内又はPICパッケージ内に配置することができ、その他の構造要素は、かかる実装を容易にするように適宜修正される。
【0040】
図7(a)から図7(c)は、ある例示的実装による、PIC上にPICパッケージの一部として組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示している。図7(a)において、まずPICパッケージ705がPICコネクタ702上に組み付けられ、はんだボール704を用いてボンディングされる。この最初の組み立てでは、PICパッケージ705のTDW706の部分が、後に整列されることになるPICコネクタ702のVGC703に被さるように配置される。
【0041】
図7(b)では、光が、導波路/PIC707を通してTDW706に透過される。本明細書における例示的実装で説明するTDWの構成に基づいて、光は、TDWの中の(x,y)ピクセル座標においてPICコネクタ702に対して実質的に直交方向708に向けられる。VGC703に到達しない光がPICコネクタ702の表面から反射され、図6(a)で説明したようにPICパッケージ705に付着されたフォトダイオードセンサによって受光されるように、PICコネクタ702は、図6(a)で説明した反射部分(例示していない)と整列される。
【0042】
図7(c)では、反射光がフォトダイオードセンサによって測定された後に、フォトダイオードセンサからの測定値に基づいて光を様々な(x,y)座標へとリダイレクトするようにTDWを調節することができる。光は、それがVGC703に対して整列されるまで調節される。光は、整列されると709、VGC703中を通って進むことができ、所望の実装に従ってPOB又はその他の場所へと導波路701によって適宜リダイレクトされる。
【0043】
図8(a)から図8(c)は、ある例示的実装による、PICパッケージの一部として組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示している。図8に記載の構造及び組み立ては、VGC703とは対照的にPICパッケージ705のTDW801の部分が、VGC703ではなくレンズ800の場所に被さるように設けられ、更にレンズ800がVGC703に被さるように位置決めされるようにPICパッケージ705が位置決めされる点を除いて図7(a)に記載のものと同様である。PICパッケージ705のTDW801の部分は、構成に基づく任意の角度(θ,φ)でレンズ800に光を向けるコヒーレント光MIMOとして構成される。
【0044】
図8(b)では、実装は、VGC703を通して吸収されなかった光がPICコネクタ702の反射部分(例示していない)によって反射されてフォトダイオードセンサによって測定される点で図7(b)に記載のものと同様である。レンズ800を通して投影される光は、図7(b)に記載のものと同じ方式で、802に示しているようにPICコネクタ702に向かって実質的に直交方向に向けられる。続いて、フォトダイオードセンサの測定値に基づいて、光が図8(c)に示しているように整列される803まで、光をレンズ800に向かって別の角度で透過させるようにTDW706が駆動される。
【0045】
図9(a)から図9(c)は、ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれたTDW板接合部の例示的組み立てを示している。図9(a)に記載の例示的組み立てでは、構造は、PICコネクタ902が、導波路701に接続されたTDW901を有し、PICパッケージ905が、導波路/PIC907に接続されたVGC903を有する点を除いて図7(a)に記載のものと同様である。光は、導波路701からTDW901へと向けられてVGC903に向かって実質的に直交方向に向けられる。
【0046】
図9(b)に例示しているように、図7(b)に記載の実装と同様に、光904は、PICコネクタ902上のフォトダイオードセンサに光を反射し戻す反射部分(例示していない)が設けられたPICパッケージ905に向かって実質的に直交方向に向けられる。続いて、フォトダイオードセンサの測定値に基づいて、光が、図9(c)に示しているように整列される908までTDW901の様々な(x,y)ピクセル座標からの光を透過させるようにTDW901が駆動される。
【0047】
図10(a)かから図10(c)は、ある例示的実装による、コネクタ上に組み込まれた非球面レンズ及びTDW板接合部の例示的組み立てを示している。図10(a)に記載の例示的組み立てでは、構造は、PICコネクタ1002が、導波路701並びにレンズ1000に接続されたコヒーレント光MIMO TDW1001を有する点を除いて図8(a)及び図9(a)に記載のものと同様である。光は、導波路701からTDW1001に向けられ、レンズ1000によってVGC903に向かって実質的に直角に向けられる。
【0048】
図10(b)に例示しているように、図8(b)に記載の実装と同様に、光1003は、TDW1001からレンズ1000へと構成に基づく任意の角度(θ,φ)で向けられ、レンズ1000の後に、PICコネクタ1002上のフォトダイオードセンサに光を反射し戻す反射部分(例示していない)が設けられたPICパッケージ905に向かって実質的に直交方向に向けられる。続いて、フォトダイオードセンサの測定値に基づいて、光が図10(c)に示しているように整列される1004まで、光をレンズ1000へと様々な角度から透過させるようにTDW1001が駆動される。
【0049】
図7(a)、図8(a)、図9(a)、及び図10(a)は、PICとコネクタとがある程度不整列状態にある例示的最初の組み立ての完了を示している。図7(b)、図8(b)、図9(b)、及び図10(b)は、図6(a)及び図6(b)に関して説明した整列プロセスを実行する段階を例示している。すなわち、図7(c)、図8(c)、図9(c)、及び図10(c)に例示しているように最終整列設定に達するまで、上記の例示的実装で説明したように誘電率を修正するようにTDWが駆動される。TDW構成設定プロセスが完了すると、構成設定(値を有する)が記憶され、相反性に起因してどちらかの信号方向経路(すなわち双方向)の実際の動作中に用いられる。こうして、本明細書で説明する例示的実装による整列及び組み立てによって双方向信号を容易にすることができる。
【0050】
本明細書で説明するように、上記の例示的実装は、光導波路を介して光プリント基板(POB)に接続されたコネクタとフォトニック集積回路(PIC)パッケージとの間で光をリダイレクトするように構成されたシステムであって、1又は2以上の2次元分散波長板(TDW)を含み、1又は2以上のTDWの各々が、pドープシリコンとnドープシリコンの複数の層を有し、1又は2以上のTDWにおいて受光された光が2次元場所において垂直格子結合器に向かってリダイレクトされるように、1又は2以上のTDWが、これらの2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成されるシステムを含むことができる。垂直格子結合器は、コネクタ又はPICパッケージのどちらに配置することもできる。
【0051】
本明細書で説明するように、1又は2以上のTDWは、1又は2以上のTDW上にある所望の2次元場所における誘電率を改変するような電圧、超音波信号、及び/又は電気光学表面プラズモンポラリトンの変化によって駆動されるように構成することができる。誘電率の改変は、所望の実装に従って、受光光をTDWから実質的に直交方向にリダイレクトさせることができる、又はレンズに向かって向けられることになる傾斜ガウスビームを形成するために用いることができる。
【0052】
本明細書で説明するように、1又は2以上のTDWは、コネクタ内に配置し、単一モード導波路に接続することができる。かかる例示的実装では、1又は2以上のTDWは、単一モード導波路から受光する光が2次元場所において、PICパッケージ内に配置された垂直格子結合器に向かって実質的に直交方向にリダイレクトされるように2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される。かかる例示的実装では、整列較正を決定するために、1又は2以上のフォトダイオードセンサをコネクタ上に配置し、1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた光のうちでPICパッケージで反射された光を受光するように位置決めすることができる。適正な整列が決定されると、所望の実装に依存して、1又は2以上のフォトダイオードセンサを有する導波路タップモニタを、PICパッケージが受光した光を測定して最大信号値を決定するように構成することができる。
【0053】
本明細書で説明するように、1又は2以上のTDWは、PICパッケージ内に配置することができる。かかる例示的実装では、1又は2以上のTDWは、PICパッケージから受光した光が、2次元場所において、コネクタ内に配置された垂直格子結合器に向かって実質的に直交方向にリダイレクトされるように2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成することができる。かかる例示的実装では、整列較正を決定するために、1又は2以上のフォトダイオードセンサをPICパッケージ上に配置し、1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた光のうちでコネクタから反射された光を受光するように位置決めすることができる。適正な整列が決定されると、所望の実装に依存して、1又は2以上のフォトダイオードセンサを有する導波路タップモニタを用いてコネクタが受光する光を測定することができる。
【0054】
本明細書で説明するように、複数の例示的実装が、PICパッケージとコネクタとの間に挟まれたレンズを含むこともでき、このレンズは、1又は2以上のTDWからリダイレクトされた光を垂直格子結合器(コネクタ内又はPICパッケージ内のどちらかに配置された)に向かって集束するように構成され、1又は2以上のTDWは、それらにおいて受光された光が2次元場所において傾斜ガウスビームとしてレンズに向かってリダイレクトされるように2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される。
【0055】
本明細書で説明するように、1又は2以上のTDWは、コネクタ内に配置し、単一モード導波路に接続することができる。かかる例示的実装では、1又は2以上のTDWは、単一モード導波路から受光した光が2次元場所において傾斜ガウスビームとしてレンズに向かってリダイレクトされ、それによってレンズが、傾斜ガウスビームを単一モード導波路から受光した光から実質的に直交方向になるように、PICパッケージ内に配置された垂直格子結合器に向かってリダイレクトするように2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成される。かかる例示的実装では、整列較正を決定するために、1又は2以上のフォトダイオードセンサをコネクタ上に配置し、1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた光のうちでPICパッケージで反射された光を受光するように位置決めすることができる。所望の実装に依存して、1又は2以上のフォトダイオードセンサを有する導波路タップモニタを用いてPICパッケージが受光した光を測定し、最大信号値を決定することができる。
【0056】
本明細書で説明するように、1又は2以上のTDWは、PICパッケージ内に配置される。かかる例示的実装では、1又は2以上のTDWは、PICパッケージから受光した光が2次元場所において傾斜ガウスビームとしてレンズに向かってリダイレクトされ、それによってレンズが、傾斜ガウスビームをPICパッケージから受光した光から実質的に直交方向になるように、コネクタ内に配置された垂直格子結合器に向かってリダイレクトするように2次元場所における誘電率を変化させるよう駆動されるように構成することができる。かかる例示的実装では、整列較正を決定するために、1又は2以上のフォトダイオードセンサをPICパッケージ上に配置し、1又は2以上のTDWから透過されリダイレクトされた光のうちでコネクタから反射された光を受光するように位置決めすることができる。所望の実装に依存して、1又は2以上のフォトダイオードセンサを有する導波路タップモニタを、コネクタが受光した光を測定して最大信号値を決定するように構成することができる。
【0057】
本明細書で説明するように、pドープシリコンとnドープシリコンの複数の層を、可能な2次元場所を示す碁盤格子構成で配列することができる。
【0058】
更に、当業者には、本明細書の考察及び本出願の教示の実践から本出願の他の実装が明らかになろう。説明した例示的実装の様々な態様及び/又は構成要素を、単独で又はいずれかの組み合わせで用いることができる。本明細書及びこれらの例示的実装を単なる例と見なすべきであり、本出願の真の範囲及び創意は、以下に続く特許請求によって示されることを意図している。
【符号の説明】
【0059】
203 PIC接合部
204 POB接合部
201 コネクタ
図1
図2
図3(a)】
図3(b)】
図4(a)】
図4(b)】
図5
図6(a)】
図6(b)】
図7(a)】
図7(b)】
図7(c)】
図8(a)】
図8(b)】
図8(c)】
図9(a)】
図9(b)】
図9(c)】
図10(a)】
図10(b)】
図10(c)】