(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】パーソナルシールドデバイス
(51)【国際特許分類】
H05K 9/00 20060101AFI20240508BHJP
H04M 1/11 20060101ALI20240508BHJP
G06F 3/041 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H05K9/00 M
H04M1/11 Z
G06F3/041 460
(21)【出願番号】P 2021525396
(86)(22)【出願日】2019-07-16
(86)【国際出願番号】 IB2019056059
(87)【国際公開番号】W WO2020016773
(87)【国際公開日】2020-01-23
【審査請求日】2022-07-15
(31)【優先権主張番号】102018000007357
(32)【優先日】2018-07-19
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】521026378
【氏名又は名称】ティツィアーナ・ヴィーニ
【氏名又は名称原語表記】Tiziana VIGNI
(74)【代理人】
【識別番号】100159905
【氏名又は名称】宮垣 丈晴
(74)【代理人】
【識別番号】100142882
【氏名又は名称】合路 裕介
(74)【代理人】
【識別番号】100158610
【氏名又は名称】吉田 新吾
(74)【代理人】
【識別番号】100132698
【氏名又は名称】川分 康博
(72)【発明者】
【氏名】ティツィアーナ・ヴィーニ
(72)【発明者】
【氏名】リヴィオ・ジュリアーニ
【審査官】ゆずりは 広行
(56)【参考文献】
【文献】特開2005-005286(JP,A)
【文献】国際公開第2008/114764(WO,A1)
【文献】特開2010-114246(JP,A)
【文献】特開2005-197510(JP,A)
【文献】特開2003-045708(JP,A)
【文献】特開2017-082336(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 9/00
H04M 1/11
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
使用者の方向に向けて使用される電子機器(E)のタッチスクリーンに適用できるパーソナルシールドデバイスであって、
前記パーソナル
シールドデバイスは、少なくとも部分的に金属ガラス材料で作られ、前記電子機器(E)によって前記使用者の方向に放射される電磁波を吸収するようになっている
吸収性シート(2)を備え、
前記金属ガラス材料は、
ホウ素と、
イットリウムと、
鉄と、ニッケルと、パラジウムと、ジルコニウムとから選択される少なくとも1つの金属元素と
の金属合金を備え、
ホウ素の重量パーセントは18%と27%との間で構成され、
イットリウムの重量パーセントは3%と10%との間で構成されている、
パーソナルシールドデバイス。
【請求項2】
前記
吸収性シートはパラメトリック式:
Y
3+aFe
79-a-b-cNi
bB
18+c
に従って作られ、
aは原子パーセントで0と3との間で構成され、
bは原子パーセントで0又は67に等しく、
cは原子パーセントで0と9との間で構成されている、
請求項1に記載のデバイス。
【請求項3】
前記吸収性シート(2)に近接して、前記パーソナルシールドデバイス
の電磁波シールド特性を回復させるために充電デバイスと接続可能な電気的接触領域を提供する、
請求項1又は2に記載のデバイス。
【請求項4】
金属材料から成る前記吸収性シート(2)が、0.2mmと0.3mmとの間で構成されている厚さを有する、請求項1から3のいずれかに記載のデバイス。
【請求項5】
前記吸収性シート(2)の少なくとも1つの面に適用されている保護コーティング(4)を備える、請求項1から4のいずれかに記載のデバイス。
【請求項6】
前記保護コーティング(4)が、前記吸収性シート(2)の各面に適用されている、請求項5に記載のデバイス。
【請求項7】
前記保護コーティング(4)が少なくとも1つの強化ガラスシートを備える、請求項5又は6に記載のデバイス。
【請求項8】
前記少なくとも1つの強化ガラスシートが、0.1mmと0.2mmとの間で構成されている厚さを有する、請求項7に記載のデバイス。
【請求項9】
前記保護コーティング(4)は金属ガラス材料で実現されている少なくとも1つの保護シートを備え、
前記金属ガラス材料は、
Pd
40+aCu
bNi
40-a-b,Si
cP
20-c
を備え、
aは原子パーセントで0と2.5との間で構成され、
bは原子パーセントで0又は30に等しく、
cは原子パーセントで0と4との間で構成され、
bとcとのうちの少なくとも1つが0に等しい、
請求項5に記載のデバイス。
【請求項10】
前記保護コーティング(4)は
、ガラス化エナメルの少なくとも1つの層を備える、請求項5に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスは、0.5mm未満の全厚を有する、請求項1から10のいずれかに記載のデバイス。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、非電離放射線(non-ionising radiation)に対する保護デバイスの技術分野に関する。
【0002】
特に、本発明は、例えば携帯電話等の電子機器に適用できるパーソナルシールドデバイスに関する。
【0003】
「パーソナル」という用語は、パーソナル及び/又は携帯用デバイスによって放射された電磁放射線から、使用者又は体の一部を部分的に保護する必要がある全ての状況に適用され得るデバイスを定義することを意図する。
【背景技術】
【0004】
この技術分野では、近くに置かれた電磁機器によってコードが拾われるのを防ぐ重要な機能を持つクレジットカード用の金属ケースのような、全体的かつ完全なシールドを提供する物体の保護を目的とした保護手段がある。
【0005】
しかし、このような解決策は、携帯電話のような、データの送受信に基づいてその実用性と動作とを行う電子機器には適用できないことは明らかである。
【0006】
実際、この解決策は実際にはデバイスを使用不能にするので、完全なシールドをそのようなデバイスに適用することは不可能であり、携帯電話をシールドすることとは、送信時には、携帯電話は、動作限界を超えても、利用可能な電力をすべて使用しなければならないことを意味し、一方、受信は、保護が信号を遮断するのと同じ程度(通常、微細な金属製のグリルにとって、約2~6dBmの損失)まで低下させられることを意味する。
【0007】
携帯電話によって発生されるマイクロ波又は別の消費者用電子機器によって発生される電磁波に対して使用者を少なくとも部分的に保護する個人用保護手段又はシステムは、現在のところ存在しないということになる。
【0008】
コンピュータに始まる高周波電磁界を発生させる全ての消費者用デバイスに対して原理的に有効であるが、携帯電話の使用から使用者のための保護を提供しようとする試みにおいて生じる主な問題は、保護は、その機器の動作を妨げる程度までその機器自体の性能を効果的に低下させるほど、効率的であるということである。
【0009】
この例としては、市場で容易に入手可能である既に述べたクレジットカード用の容器であり、カードを包むと、カードのクローンを作成できるかもしれない電子スパイへのアクセスを防ぐことができる。
【0010】
明らかに、保有者を電磁界から保護するために携帯電話を金属製のケースに入れることは可能であろうが、この完全なシールドは、デバイスの正しい操作を不可能にするであろう。
【0011】
また、現在の携帯電話はタッチスクリーンを有しており、正しい動作を保証できるためには、保護具は、圧力及び温度下での視認性と変形性との両方を必ず維持しなければならないという事実を考慮する必要もある。
【0012】
上記で概説したのと同じ理論は、例えばタブレットやコンピュータなどの個人使用のための他の電子機器に関しても適用可能である。
【0013】
さらに、デバイスの近傍界放射(near field radiation)によって発生する誘導領域(induction zone)の影響から使用者をシールドすることの決定的な重要性を考慮しなければならない。
【0014】
実際のところ、近傍界放射は、特に身体の胴体と頭部との領域で癌の暴動を引き起こすと考えられているもので、このことは、次のリンクで参照され得る2011年のIARCコミュニケーションによって支持され、
https://www.iarc.fr/wp-content/uploads/2018/07/pr208_E.pdf
次のリンクで参照され得る2017年トキシコロジープログラムミーティング(Toxicology Program Meeting)によって支持され、
https://ntp.niehs.nih.gov/results/areas/cellphones/index.html#studies
次のリンクで参照され得る最終報告書で支持されている。
https://microwavenews.com/news-center/ntp-final-rf-report
【0015】
こうした観点から、本発明の根底にある技術的課題は、上述したような先行技術における欠点の少なくとも一部を除くパーソナルシールドデバイスを提供することである。
【0016】
特に、本発明の目的は、シールドデバイスが適用されている電子機器によって放射される非電離放射線からの最適な保護を使用者に提供することができ、同時に機器自体の正しい動作を保証できるパーソナルシールドデバイスを提供することである。
【0017】
さらに特に、本発明の目的は、電子機器の近傍界放射によって発生する誘導領域の影響から使用者をシールドすることができるパーソナルシールドデバイスを提供することである。
【発明の概要】
【0018】
課されている技術的課題と特定されている目的とは、添付の特許請求の範囲の一つ以上に提示されている技術的特徴を備えるパーソナルシールドデバイスによって実質的に達成される。
【0019】
本発明によれば、電子機器のスクリーン、特にタッチスクリーンに適用可能な、少なくとも部分的に金属材料で作られている吸収性シートを備える、パーソナルシールドデバイスが示されている。
【0020】
吸収性シートは、電子機器によって使用者の方向に放射されている電磁波を吸収するようになっている。
【0021】
参考までに本明細書に組み入れられた従属請求項は、本発明の異なる実施形態に対応する。
【0022】
開示された本発明は、少なくとも次の技術的効果、すなわち、本発明のシールドデバイスが適用された電子機器によって放射される非電離放射線からの最適な保護と、電子機器の近傍界放射によって発生する誘導領域の影響から使用者をシールドすること、それによって特に身体の胴体及び頭部領域における癌の暴動を低減することとを達成する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
本発明のさらなる特徴と利点とは、添付の図面に示されているように、パーソナルシールドデバイスの好ましいが非限定的な実施形態の示している、従って非限定的な説明からより明らかになるであろう。
【
図1】特に携帯電話に適用されているパーソナルシールドデバイスを示す図。
【
図2】電子機器の使用中の
図1のシールドデバイスの位置決めを示す図。
【
図4】電子機器への適用のステップにおけるシールドデバイスの断面図。
【発明を実施するための形態】
【0024】
図1では、符号1は、本発明に係るパーソナルシールドデバイスを一般に示す。
【0025】
パーソナルデバイス1は、非制限の例として、携帯電話、特にスマートフォン、タブレット、コンピュータ、又は使用者の方向に非電離放射線を放射することに影響を受けやすい任意の電子機器であってもよい電子機器「E」の面に適用できる。
【0026】
特に、パーソナルデバイス1は、電子デバイスのスクリーン、好ましくはタッチスクリーンに適用可能であり、以下の説明では、携帯電話のスクリーンに明示的に言及しているが、それによって上記のさらなる文脈におけるパーソナルデバイス1の適用可能性を排除することはない。
【0027】
パーソナルデバイス1は、少なくとも部分的に金属材料で作られ、電子デバイス「E」によって使用者の方向に放射された電磁波を、電子デバイス「E」のトランシーバ構成要素(transceiver component)によって反対方向に放射された電磁波を妨げることなく、吸収するようになっている吸収性シート2を備える。
【0028】
このようにして、電子デバイス「E]の正しい動作と、そこから放射される、特にマイクロ波の波長の電磁波からの使用者の保護とを同時に保証することが可能である。
【0029】
具体的には、その電磁特性のおかげで、吸収性シート2は、電子デバイス「E]のスクリーンと使用者との対話のために必要な光透過性、圧力の伝達率、及び熱の伝導性の特性を同時に維持しながら、伝搬におけるフィールドの理想的なシールドを構成する。
【0030】
可能な実施形態によれば、吸収性シート2は、連続シート2aを介して形成され、金属材料は金属ガラス材料である。
【0031】
金属ガラスという用語は、非晶質の原子の、従って結晶性ではない構造を有する金属固体、通常は合金を意味する。
【0032】
特に、そのような実施形態によれば、金属ガラスは、ガラス質のホウ素に添加され、次いでイットリウムに添加されている、鉄又はニッケルをベースにした、例えば式Y4Fe75B21に従った三元金属ガラス合金を備える。
【0033】
上記で同定された合金は、約40A/mの保磁力及び1/90より大きい電気伝導度によって特徴付けられている。可能な代替形態に従って、イットリウムは、鉄のサイズの130%を下回らない原子サイズを有する元素で代替されることができ、イットリウムの合金中の割合は、3%を下回らないか又は10%を超えない。
【0034】
ホウ素の割合も、18%と27%との間で変化し得る。
【0035】
上記のように、保護シート2を金属ガラス材料で形成するために、鉄は、ニッケルによって、又は、以下でより詳細に議論される可能な代替案によれば、パラジウム及び/又はジルコニウムを備える構造体によって、少なくとも部分的に代替されてもよい。
【0036】
一般的に、保護シート2は、パラメトリック式:Y3+aFe79-a-b-cNibB18+cに従って製造され、ここで、示されたパラメータは、次の値と想定することができる。aは原子パーセントで0と3との間で構成され、bは原子パーセントで0又は67に等しく、cは原子パーセントで0と9との間で構成されている。仮にa=3、b=67、c=9なら、合金中の鉄はニッケルで完全に代替され得る。
【0037】
ホウ素の割合が高いほど合金はよりガラス質になり、イットリウムの割合が高いほど、鉄に対するニッケルの代替のため、合金のより高い分子量を補うことができる。
【0038】
上記パラメータ化された合金の比導電率は、電磁場からのファラデー保護効果を保証する。
【0039】
しかし、パーソナルデバイス1の長時間の使用は、依然として、その磁化の損失をもたらし、電磁波の吸収効率を低下させる。
【0040】
正しい動作を回復させるために、パーソナルデバイスは、吸収性シート2に近接して、充電デバイスとの電気的接続を可能にする電気的接触領域を有している。
【0041】
例として、携帯電話のスクリーンの電力密度に対する平均的な曝露量は、典型的には実効値で10mW/m2未満であることが報告されている。
【0042】
40A/mの保磁力は、2時間以上の時間、すなわち、携帯電話のヘビーユーザーを定義するための基準として特定された時間の2倍以上の時間、パーソナルデバイス1の正しい動作を保証する。
【0043】
充電デバイスは、充電可能な電池、好ましくは高性能な充電可能な電池(10,0000mAh)、及び電池と直列に配置された適切な変圧器を備える。
【0044】
パーソナルデバイスの電磁波シールド特性の充電は、有利には、電子機器「E」の電池の充電と並行して行うことができる。
【0045】
下側のスクリーンの良好な視認性の維持を保証するため、及びタッチ機能の正しい動作が想定されているところでは、吸収性シート2は、0.2mmと0.3mmとの間で構成される厚さを有している。
【0046】
さらなる可能な実施形態に従って、吸収性シート2は、有孔シート2bであり、好ましくは、金属材料はアルミニウムを備える。
【0047】
特に、有孔シート2bは、複数の実質的に円形の孔3を有しており、その寸法及び有孔シート2b上の位置は、パーソナルデバイス1の使用が予想される特定用途の分野の機能と定義され得る。
【0048】
実際、この場合、特定の周波数での放射を遮断する際のパーソナルデバイス1の効率は、有孔シート2bに形成された孔3の幾何学的形状に依存することになり、それ故、孔3は適切にあるサイズにされなくてはならない。
【0049】
より詳細には、各孔3の半径「r」は、式:r=c/(20*v)に従って決定され、ここで、パラメータcは光速(約3*108m/sに等しい)であり、パラメータvは電子機器の定格の動作周波数以上の周波数値である。
【0050】
換言すると、vの値は、電子機器「E」が受信及び送信できる最高周波数の値よりも大きい値が選択される。
【0051】
同様に、隣接する孔3のそれぞれの中心間の相対距離「t」は、式:t=3*r
に従って計算される。
【0052】
パーソナルデバイス1が携帯電話に適用されるようになっている特定の場合には、パラメータvの値を決定するための基準値は、操作電話周波数帯の中心周波数から来る。
【0053】
それ故、4G規格での携帯電話の動作が考慮される特定の場合では、2600MHzまで定義されている4G規格の中心周波数よりも大きいv=2.35GHzの値を選択することが可能であり、上記の式を使用して、孔3の直径値が1.33mmに等しく、隣接する孔3の中心の相対距離が2mmに等しくなるように決定することが可能である。
【0054】
下側のスクリーンの良好な視認性の維持を保証するため、及びタッチ機能の正しい動作が想定されているところでは、吸収性シート2は、0.15mmと0.25mmとの間で構成された厚さを有し、好ましくは0.17mmの厚さを有する。
【0055】
衝撃や傷に対する耐性を保証するために、パーソナルデバイス1は、吸収性シート2の少なくとも一方の面、特に電子機器「E」の使用中に使用者に向かって配置された面に適用された保護コーティング4を備える。
【0056】
それ故、一旦パーソナルデバイス1が適用されると、吸収性シート2は、電子機器「E」のスクリーン(それ故、通常はそのようなスクリーンを保護するために配置されている任意の強化ガラス面)と保護コーティング4との間に含まれる。
【0057】
このような保護コーティング4はまた、吸収性シート2の各面に適用でき、従って、吸収性シート2をその内部に含む構造を実現する。
【0058】
可能な実施形態に従って、そのような保護コーティング4は、少なくとも1つの強化ガラスシートを備える。
【0059】
特に、強化ガラスシートは、0.1mmと0.2mmとの間で構成された厚さを有する。
【0060】
あるいは、少なくとも1つの保護コーティング4は、好ましくはパラジウムを備える金属ガラス材料から成る保護シートを介して実現され得る。
【0061】
このような保護シートは、デバイスの抵抗および硬度が改良されることを可能にし、また、パラジウム合金の反磁性特性のおかげで電磁気の絶縁性を高めることができる。
【0062】
特に、保護シートは、次のパラメトリック式:Pd40+aCubNi40-a-b,SicP20-cに従って、金属ガラス材料から成り、ここで、指示されたパラメータは、次の値を想定することができる。aは原子パーセントで0と2.5との間で構成され、bは原子パーセントで0又は30に等しく、cは原子パーセントで0と4との間で構成され、bとcとのうちの少なくとも1つが0に等しい。
【0063】
特に、示された最後のパラメトリック条件は、保護シートを製造するために使用される合金が四元合金であることを保証する。
【0064】
可能な代替実施形態に従って、保護シートは、パラジウムの代わりにジルコニウムを使用する金属合金で作られる。
【0065】
本発明の特定の側面に従って、保護シートと吸収性シート2とは一部品として作られる。
【0066】
これは、既に示された実施形態に従って吸収性シート2を実現し、パラジウム又はジルコニウムを含む保護金属ガラスシートの重ね合わせによって保護するか、又は、パラジウム又はジルコニウムを含む金属ガラス合金を用いて、すなわち上述のパラメトリック式に従って、この場合には保護シートと一致する吸収性シート2を直接実現することが可能であることを意味している。
【0067】
さらなる可能な実施形態によれば、保護コーティングは、有利には、使用者をあらゆる放電から保護することを可能にするガラス化エナメルから成るコーティングを備える。
【0068】
有利には、本発明は、パーソナルシールドデバイスが適用された電子機器「E」の最適な状態での正しい動作を保証するパーソナルシールドデバイスを使用者に提供することと、同時に使用者の潜在的に有害な放射線への曝露を大幅に減少させることを可能にすることとによって、先行技術の欠点を克服する提案された目的に到達している。
【0069】
さらに、本発明に従った装置は、電子機器の近傍界放射によって発生する誘導領域の影響から使用者をシールドすることができ、従って、特に身体の胴体と頭部領域とにおける癌の暴動を低減することができる。