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  • 特許-制御された湿度を伴うガスサンプリング 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】制御された湿度を伴うガスサンプリング
(51)【国際特許分類】
   G01N 1/28 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
G01N1/28 L
【請求項の数】 9
(21)【出願番号】P 2021531629
(86)(22)【出願日】2019-10-07
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-08-25
(86)【国際出願番号】 US2019055043
(87)【国際公開番号】W WO2020047558
(87)【国際公開日】2020-03-05
【審査請求日】2022-09-09
(73)【特許権者】
【識別番号】521060316
【氏名又は名称】ケイリクス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100079108
【弁理士】
【氏名又は名称】稲葉 良幸
(74)【代理人】
【識別番号】100109346
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 敏史
(74)【代理人】
【識別番号】100117189
【弁理士】
【氏名又は名称】江口 昭彦
(74)【代理人】
【識別番号】100134120
【弁理士】
【氏名又は名称】内藤 和彦
(72)【発明者】
【氏名】ファン,ベンソン
(72)【発明者】
【氏名】チウ,ポ-ジュイ
(72)【発明者】
【氏名】ルー,チュン-イ
(72)【発明者】
【氏名】チェン,イ-ティン
(72)【発明者】
【氏名】ツァイ,ミン-ユアン
【審査官】北条 弥作子
(56)【参考文献】
【文献】特開昭50-120400(JP,A)
【文献】特開昭64-035348(JP,A)
【文献】特開昭52-017090(JP,A)
【文献】特開2005-084018(JP,A)
【文献】米国特許第04175422(US,A)
【文献】特開平05-107167(JP,A)
【文献】特開昭61-129093(JP,A)
【文献】特開昭54-099485(JP,A)
【文献】特開2000-035382(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 1/00~ 1/44
G01N 27/00~27/10
G01N 27/14~27/24
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ガスセンサであって、
ガス透過である又はガス透過性の部分を有するチューブを通して水蒸気をサンプルガスに追加するように構成された加湿器と、
前記加湿器から前記サンプルガスを受け取り、且つ前記加湿器からの前記サンプルガスの第1温度を制御するように構成された第1温度制御システムと、
前記サンプルガスが前記第1温度であり、且つ前記加湿器が追加した前記水蒸気を含む間、前記サンプルガスを計測する検知ユニットと
を含むガスセンサ。
【請求項2】
前記加湿器における前記サンプルガスの第2温度を制御するように構成された第2温度制御システムを更に含む、請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項3】
前記加湿器は、前記第2温度において前記サンプルガスの湿度を飽和させる、請求項2に記載のガスセンサ。
【請求項4】
前記第1温度は、前記第2温度より高い、請求項3に記載のガスセンサ。
【請求項5】
前記加湿器は、水を保持するコンテナを含み、
前記チューブは、ガス透過性セクションであって、それを通して前記水蒸気が前記サンプルガスに追加される、ガス透過性セクションを含む、請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項6】
前記チューブは、前記コンテナ内の前記水を通過する、請求項5に記載のガスセンサ。
【請求項7】
前記加湿器は、前記加湿器が水蒸気を前記サンプルガスに追加する間、前記サンプルガスが有する第2温度を制御する第2温度制御システムの内側にある、請求項5に記載のガスセンサ。
【請求項8】
前記第1温度制御システムは、
前記加湿器が追加した前記水蒸気を含む前記サンプルガスを受け取るように結合されたチャンバと、
前記チャンバ内の前記サンプルガスを加熱するように位置決めされたヒーターと、
前記ヒーターを制御するように結合された温度センサと
を含む、請求項1に記載のガスセンサ。
【請求項9】
前記ガスセンサに入力された前記サンプルガスを受け取るように位置決めされたフィルタシステムを更に含み、前記フィルタシステムは、前記ガスセンサに入力された前記サンプルガスから微粒子及び水滴を除去する、請求項1に記載のガスセンサ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願の相互参照
本特許文献は、2018年8月9日付けで出願された米国仮特許出願第62/716,822号のより早期の出願日付の利益を主張するものであり、その内容は、参照によりそのすべてが本明細書に援用される。
【背景技術】
【0002】
背景
雰囲気又はガスセンサ及び分析器は、サンプルガスの組成を計測するため又はサンプルガス中の特定の化合物の存在若しくは量を検知するために多くの異なるメカニズムを使用する。例えば、ガスセンサは、サンプルガス中の1つ又は複数のターゲット化学物質の存在又は特定の濃度から結果的に得られる電気化学的、機械的、触媒的又は導電的な変化を検出又は計測することに基づき得る。環境センサの場合の課題の1つは、センサが少量のターゲット化学物質を正確に計測することを試みた際、変化する環境パラメータがもたらし得る望ましくない影響を回避することである。温度、湿度及び圧力などの環境パラメータは、常に変化する場合があり、適切に対処されない場合、ターゲット化学物質に対してセンサが有する応答を変化させ、その結果、不正確な計測データをもたらし得る。
【0003】
変化する湿度及び温度の影響を補償するための1つの方法は、データの正規化を通したものである。データの正規化では、計測値が取得される際、湿度及び温度を計測し、且つ調節されたセンサ読取りを生成するために、計測された湿度及び温度に基づいて未加工のセンサ読取りを調節する。この技法は、単純なガス検知の場合に機能し得るが、複数のガス又は検体がターゲットとされる状況では、データに基づいた正規化又は調節は、実行が困難となり得る。アロマの検知では、例えば、サンプル中の異なる数百の化合物の相対的又は絶対的な濃度を検知する必要があり得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
代替方式では、水なしサンプルを生成するために、ガスサンプルから湿気などの可変量を除去することを試みることができる。但し、湿気の除去は、一般に、水と結合するか又は他の方法で水と強力に相互作用する化学乾燥剤の使用を必要とする。但し、乾燥性化学物質の使用は、サンプルの他の構成要素に対する可変的な効果を有し、それによりサンプルがオリジナルの環境を示さないようにガスサンプルの組成を変更する場合がある。従って、ガスサンプル中の可変環境状態を制御し、且つ具体的にはアロマ検知のためのサンプルガスの組成を維持するために、新しいセンサ及び新しいサンプリング方法が必要とされている。
【図面の簡単な説明】
【0005】
図面の簡単な説明
図1】特にアロマ検知の例における、ガスサンプルの湿度を制御するセンサシステムの一実装形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0006】
図面は、説明を目的とした一例を示し、本発明自体のものではない。
【0007】
詳細な説明
本発明の一態様によれば、センサ又は検知プロセスは、正確な計測又は検出のためにサンプルガスの温度及び湿度を制御しつつ、アロマ化学物質又は他の検体の損失を最小化することが可能であるか、又はさもなければサンプルガス中の組成の変化を最小化することができる。
【0008】
図面は、正確に検知するために、制御された温度及び湿度を伴うガスサンプルの収集を許容するガスセンサシステム100の一実装形態を示す。センサシステム100は、例えば、サンプルガス中の多くの、通常、数百の別個の化学物質又は検体の存在又は濃度を計測するように設計されたアロマセンサであり得る。一構成において、センサシステム100は、少なくとも2つの開口部と、ガスを受け入れる入口105と、ガスの排気のための出口145とを有する。開口部のサイズは、センサシステム100の目的又は特定の用途に応じて変化し得る。センサシステム100は、フィルタ110と、加湿器120と、検知ユニット130と、空気又はガスポンプ140とを更に含む。一般的な用途において、ガスポンプ140は、入口105、フィルタ110及び加湿器120を通して、周囲の環境から、例えばアロマをもたらす化学物質を含む空気などのサンプルガスを検知ユニット130に引き込み、且つガスを、出口145を通してセンサシステム100から排気する。
【0009】
フィルタ110は、ガス入口105において、例えば空気などのガスを周囲の環境から受け取り、且つ1つ又は複数のガス透過性フィルタメンブレンのみならず、メッシュ状の保護された入口105も含むことができる。フィルタ110は、センサシステム100に進入するサンプルガスから埃及び水滴又は蒸気などの粒子を除去するように構成された微粒子フィルタであり得る。例えば、フィルタ110は、多孔性フィルタメンブレンの1つ又は複数の層を含むことができる。フィルタ材料は、様々な細孔サイズを有することが可能であり、且つテフロンなどの防水材料から製造することができる。フィルタ110は、メンブレン間においてフィルタ媒体又は詰め物を更に含むことができると共に、メンブレン間のフィルタ媒体は、疎水性及び/又は親水性材料から製造された様々なサイズのビードを含むことができる。従って、開放環境からの空気がフィルタ110に進入し、そこで埃粒子及び水滴がフィルタリングによって除去される。
【0010】
フィルタ110からの清浄なサンプルガスは、加湿器120を通して流れ、加湿器120は、温度制御されたチャンバ150の内側にあり得る。図示の構成において、加湿器120は、フィルタ110から加湿器120を通して別の温度制御されたチャンバ160にサンプルガスの流れを導くチューブ122を含む。加湿器120は、温度制御されたチャンバ150の内側にあり、且つ図示の構成では水126を収容するコンテナ又はリザーバ124を含み、水126は、具体的には、コンテナ124内の液状の水であり得る。コンテナ124は、例えば、50ミリリットル~1リットルの水を保持する能力を有する小さいタンク又はリザーバであり得る。コンテナ124は、均一な温度を有する水126を提供するように混合するために、水126内において攪拌装置125を有することができると共に、水126の温度を計測するために温度プローブ又はセンサ128を使用することができる。温度制御されたチャンバ150内のヒーター154及びファン158は、チャンバ150内において空気又は他のガスの望ましい一定の均一な温度を維持するために、及び/又はコンテナ124内の水126及びチャンバ150の任意の他の内容物の望ましい一定の均一な温度を維持するように動作され得る。代わりに、ヒーター154がコンテナ124内に存在し得るか、又はコンテナ124内の水126を加熱するために主に使用され得る。いずれの場合にも、コンテナ124からの水蒸気は、チャンバ150内の空気若しくは他のガスの湿度を飽和させることができるか、又は代わりにチューブ122を通してチャンバ160に通過する空気若しくはガスの湿度のみを飽和させることができる。チューブ122は、チューブ122を通して流れる清浄なサンプルガス中への水蒸気の進入を許容するために、ガス透過であり得るか、又はガス透過性の部分を有することができる。例えば、チューブ122は、上流のコンテナ124内の液状の水126内にループし、且つその下方に沈められるガス透過性メンブレンを含み得、チューブ122は、そこからコンテナ124の外部に戻り、且つチャンバ160に接続する。チューブ122又はチューブ122のガス透過性部分は、センサシステム100を通したガスの流れに応じて様々な長さ及びサイズを有することが可能であり、且つナフィオン(登録商標)、テフロン(登録商標)、ポリイミド、セルロースアセテート又は適切なセラミック材料から製造することができる。チューブ122のガス透過性の結果として、サンプルガス中の水蒸気圧力をターゲットレベルに設定することができ、例えば、サンプルガスは、チャンバ150内において維持される温度で飽和湿度を有することができる。
【0011】
特定の一実装形態において、ヒーター154は、加湿器120を通過するサンプル空気がターゲット温度及び湿度を達成するように、所定のレベルにおいてチャンバ150及び/又は水126の温度を維持するために、例えばオン及びオフにするなどのように動作する電気要素又は加熱ロッドであり、例えば、加湿器120を離脱したサンプル空気は、チャンバ150の温度において100%の相対湿度を有することができる。特定の一実装形態において、チャンバ150内のガス及びリザーバ124内の水126の温度は、周囲環境の温度超に上昇され得、例えば室温の周囲環境、約15~40℃又は具体的には約20℃に維持され得る。
【0012】
加湿器120からの加湿されたサンプル空気は、温度制御されたチャンバ160に進入し、チャンバ160は、検知ユニット130を収容している。図示の構成において、チャンバ160は、検知ユニット130に加えて、温度センサ162と、湿度センサ164と、ヒーター166と、ファン168とを含み得る。温度センサ162は、チャンバ160内のサンプルガスの温度を検知し、且つチャンバ160内のサンプルガスの望ましい温度を確立又は維持するようにヒーター166を制御することができると共に、チャンバ160の全体を通してサンプルガスの均一な温度を維持するために、チャンバ160内のサンプルガスを循環させるようにファン168を使用することができる。例えば、ヒーター166は、電気要素又は加熱ロッドであり得、且つ温度センサ162は、サンプルガスの温度が望ましい下限を下回って降下した場合、ヒーター166を起動し、且つサンプル空気の温度が望ましい上限を上回って上昇した場合、ヒーター166をオフにするように接続及び構成されたサーモスタットであり得る。具体的には、検知チャンバ内のサンプルガスは、ほぼ一定の温度に維持され得、この温度は、チャンバ160内のサンプルガスの望ましい又はターゲットとする水蒸気含有量に基づいて選択することができる。特定の一実装形態において、検知チャンバ160内のサンプルガスの温度は、検知ユニット130におけるサンプルガスの湿度を既知の又は制御されたターゲットレベルに引き下げるために、チャンバ150の温度より高いことができ、例えば約15~45℃又は約25℃であり得る。望ましい湿度が達成されることを保証するために湿度センサ164を利用することができる。
【0013】
検知ユニット130は、サンプルガス中のターゲット化学物質又はガスを検出するのに適した任意の望ましい検知技術又は検知技法を利用することができる。検知ユニット130は、例えば、異なる検体、ガス、化学物質又はアロマの計測のために1つ又は複数の異なるセンサを含み得る。特定の一実施形態において、検知ユニット130は、「Method for Manufacturing an Array of Sensors on a Single Chip」という名称の米国特許出願公開第2018/0172655号において記述されているものなど、ターゲット検体の光支援型の検知を可能にする光伝導性ナノ構造/ナノクラスタハイブリッドセンサのアレイを含み、この特許文献の内容は、参照によりそのすべてが本明細書に援用される。本発明の一態様によれば、検知ユニット130は、具体的には、サンプルガスの組成又はサンプルガス中の特定のターゲット化学物質の正確且つ一貫した計測を提供することが可能であり、なぜなら、チャンバ160内のサンプルガスの温度及び湿度が既知であり、且つターゲットレベルとなるように制御されるからである。
【0014】
検知ユニット130からの計測値又は検知データは、演算システム170に有線又は無線接続又はネットワークを通して向けられ得、演算システム170は、アロマ分析器172を含むことができる。演算システム170は、アロマ分析器172を実装する適切なアプリケーションを実行しているスマートフォン、タブレットコンピュータ、ラップトップコンピュータ又はデスクトップコンピュータなどの従来の演算システムであり得る。代わりに、演算システム170は、センサシステム100内において又はセンサシステム100のためにアロマ分析器172を実装しているマイクロコントローラシステム又はアプリケーションハードウェアを含み得る。アロマ分析器172は、例えば、演算システム170によって実行されるアプリケーション又はファームウェアにおいて実装することができる。アロマ分析器172は、センサシステム100からセンサデータを受け取り、且つ存在する場合、センサシステム100によって検知される識別可能なアロマを判定するためにセンサデータに対して多変量解析を実行する。具体的には、識別可能なアロマは、検知ユニット130が計測し得る多数の異なるターゲット化学物質の相対濃度の特定の組合せに対応することができると共に、様々な識別可能なアロマをターゲット化学物質の相対濃度の異なる組合せに対応するものとして弁別することができる。
【0015】
ガスポンプ140は、チャンバ160から外部にサンプルガスを引き出し、且つ例えばセンサシステム100を取り囲んでいる外界又は環境内に戻るように、計測されたサンプルガスをセンサシステム100から外部に排気するように動作することができる。チャンバ160からのガスの引き出しは、センサシステム100が周辺環境からサンプルガスを連続的にサンプリングし得、且つチャンバ160内の検知ユニット130が、センサシステム100を取り囲んでいる環境内の周辺ガスの特性を連続的に計測し得るように、外界からフィルタ110内に、且つ加湿器120を通してチャンバ160内にガスの更なる流れを生成する。ガスポンプ140は、センサシステム100の使用又は用途に応じて選択された様々な流量においてサンプルガスを引き出すことができる。ポンプ140の流量は、変更することができる。例えば、流量は、流量計142からのフィードバックに基づいて調節することができる。
【0016】
センサシステム100は、従来のセンサシステムとの比較においていくつかの利点を有することができる。具体的には、消耗品であり得、且つサンプルガスを化学的に変化させ得る乾燥剤を使用することにより、入力ガスサンプルから湿度を除去するのではなく、その動作時、センサシステム100は、例えば、サンプル組成の一貫した且つ正確な計測のためにサンプルの湿度が飽和状態となるように湿気を入力サンプルに追加する。また、センサシステム100は、リアルタイムでガスをサンプリングすることが可能であり、且つサンプルガスの保存又は保存されたガスの任意の使用を必要としない。また、センサシステム100は、センサユニット130内に到来する湿度及び温度レベルが一定に留まるように、一定の上昇した温度に検知チャンバを維持することもできる。
【0017】
検知プロセスの更に具体的な例については、更に後述する。これらのプロセスによれば、サンプルの入力及び状態とは無関係に、サンプルガスが検知ユニット130内に導入された際、サンプルガスは、制御された且つ一貫した湿度及び温度を有する。
【0018】
センサシステム100は、一例において、コーヒーのアロマを検知するために使用することができる。例えば、200mlの液状のコーヒーがフレッシュに調製され得、20℃の部屋の環境及び50%の部屋相対湿度において高温であり得る。センサシステム100は、ガス入口105が、例えば、右上方において配置されるなど、液状のコーヒーの近傍に位置する際、ガスサンプルを引き込むためにガスポンプ140を起動することができる。入口メンブレン及びフィルタ110は、ガスサンプルから、水滴又は凝縮物のみならず、さもなければセンサシステム100内に更に通過し得る任意の埃粒子を除去する。ガス入口105に進入するガスサンプルは、湯気が出ているコーヒーに入口が近接している場合、100%の相対湿度レベルに接近し得るが、フィルタ110からのサンプルガスは、凝縮物又は蒸気を含んでいない。ガスサンプルの温度は、加湿器120が更なる湿気をガスサンプルに追加する間、チャンバ150内において上昇し得る。加湿器120からのサンプルガスの湿度レベルは、チャンバ150の例えば20℃などの既知の温度において飽和し得ると共に、従って安定した湿度及び水含有量を有する。次いで、ガスサンプルは、センサチャンバ160に進入し、センサチャンバ160は、例えば、25℃などのより高い制御された温度であり得る。温度の上昇は、検知ユニット130がサンプルガスを計測する前に、例えば約74%の湿度などの一定のレベルまで相対湿度を下方に減少させる。次いで、サンプルガスは、センサシステム100の出口から排気され、且つ検知ユニット130からの計測データをアロマ分析器172に提供することができる。アロマ分析器172は、コーヒーのアロマを検出するために、ターゲット温度及び湿度において取得された計測データを分析することができる。
【0019】
別の例示的な検知プロセスにおけるセンサシステム100は、18℃及び60%の相対湿度の部屋の環境において、ボウル内の約10グラムのコーヒー豆に隣接して配置される。センサシステム100は、コーヒー豆の直上に位置し得るガス入口105を使用することにより、ガスサンプルを引き込むためにガスポンプ140を起動する。入口メンブレン及びフィルタ110は、さもなければセンサシステム100に進入し得る任意の埃粒子をフィルタリングによって除去する。入口105に進入するガスサンプルは、例えば、約18℃及び60%の相対湿度などの部屋の環境の温度及び湿度に近接した温度及び湿度を有することができる。ガスサンプルの温度は、加湿器120において例えば20℃に上昇させることができる。加湿器120は、サンプルガスの湿度レベルが、結果的に、チャンバ150の例えば20℃などの温度において100%の相対湿度レベルに近接する(飽和する)ように、且つ従って安定した湿度を有するように更なる湿気(水蒸気)をガスサンプル内に追加する。次いで、サンプルガスは、25℃において温度制御されたセンサチャンバ160に進入する。この結果、湿度は、チャンバ160内の温度の上昇に起因して約74%の相対湿度の一定のレベルまで下げられ、且つ検知ユニット130は、サンプルガスがセンサシステム100から排気される前に、サンプルガスを検知又は計測し、且つ検知ユニット130からの計測データをアロマ分析器172に提供することができる。アロマ分析器172は、コーヒーのアロマを検出するために、この場合にもターゲット温度及び湿度において取得された計測データを分析することができる。
【0020】
上述のシステム及び方法のいくつかのすべて又は一部は、例えば、演算装置が、本明細書において記述される特定のプロセスを実施するために実行し得る命令を含む、光又は磁気ディスク、メモリカード又は他の半導体ストレージなどの非一時的媒体などのコンピュータ可読媒体内に実装することができる。このような媒体は、更に、データ及び実行可能命令のダウンロードを提供する、インターネットなどのネットワークに接続されたサーバー又は他の装置であり得るか又はこれらに含まれ得る。
【0021】
特定の実装形態について開示したが、これらの実装形態は、例示であるに過ぎず、従って限定として解釈してはならない。開示される実装形態の特徴の様々な適合形態及び組合せは、添付の請求項の範囲内に含まれる。
図1