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特許7483719外科用ステープラバットレス用アプリケータ
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】外科用ステープラバットレス用アプリケータ
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/072 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A61B17/072
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2021537831
(86)(22)【出願日】2019-12-16
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-02-28
(86)【国際出願番号】 IB2019060821
(87)【国際公開番号】W WO2020136493
(87)【国際公開日】2020-07-02
【審査請求日】2022-11-24
(31)【優先権主張番号】16/235,522
(32)【優先日】2018-12-28
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】ベンデリー・マイケル・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】バートン・トレバー・ジェイ
(72)【発明者】
【氏名】シェリン・エミリー・エイ
(72)【発明者】
【氏名】ゼイナー・マーク・エス
【審査官】和田 将彦
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2018/0235626(US,A1)
【文献】特表2018-525137(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2017/0005598(US,A1)
【文献】特表2018-525133(JP,A)
【文献】特表2018-509243(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 17/072
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接しておりかつ横断方向から見た際に露出しており、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの様々なキャンバ配向に適応するために前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
を備えており、
前記横断方向は、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体の長手方向軸を横切る方向であり、
前記プラットフォームが、プラットフォームパッドと、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分のうちの少なくとも1つにおける複数のレリーフと、を含み、前記複数のレリーフが、前記プラットフォーム内に異なる前記近位剛性と前記遠位剛性を生成するように構成されている、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項2】
前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さ未満である、請求項1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項3】
前記プラットフォームが、前記遠位プラットフォーム部分から前記近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項4】
前記プラットフォームが楔形状である、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項5】
前記複数のレリーフが複数のチャネルを含み、前記複数のチャネルが、前記プラットフォームパッド内に前記横断方向に延び、かつ前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びている、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項6】
前記プラットフォームパッドが、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びる複数のリブを含み、それにより前記複数のチャネルが前記複数のリブの間にそれぞれ画定されている、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項7】
前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記近位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さ未満である、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項8】
前記プラットフォームパッドが、前記遠位プラットフォーム部分から前記近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項9】
前記プラットフォームパッドが楔形状である、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項10】
前記プラットフォームパッドが、弾性材料から一体的に形成されている、請求項に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項11】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接しておりかつ横断方向から見た際に露出しており、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの様々なキャンバ配向に適応するために前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
を備えており、
前記横断方向は、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体の長手方向軸を横切る方向であり、
前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体が、前記ハウジングに接続され、複数の穴を画定する剛性ウェブ部分を有するシャーシを更に備え、前記剛性ウェブ部分が前記プラットフォームを通って横方向に延び、それにより、前記シャーシの前記剛性ウェブ部分を前記プラットフォームに固定する、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項12】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接しておりかつ横断方向から見た際に露出しており、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの様々なキャンバ配向に適応するために前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
を備えており、
前記横断方向は、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体の長手方向軸を横切る方向であり、
前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体が、
(a)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、前記拘束位置にある前記アクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成されており、前記解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、アクチュエータスレッドと、
(b)前記アクチュエータスレッドに動作可能に接続され、前記アクチュエータスレッドが前記拘束位置にあるときに前記拘束位置における前記アクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成されたディテントカップリングであって、前記ディテントカップリングが、前記アクチュエータスレッドが前記解放位置にあるときに、前記解放位置における前記アクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、ディテントカップリングと、
を更に備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【請求項13】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接しておりかつ横断方向から見た際に露出しており、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの様々なキャンバ配向に適応するために前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
を備えており、
前記横断方向は、前記バットレスアプライヤカートリッジ組立体の長手方向軸を横切る方向であり、
前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さと異なり、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、前記拘束位置にある前記アクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成されており、前記解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されており、前記アクチュエータスレッドが、
(i)前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、前記遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列している遠位アームと、
(ii)前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、前記近位プラットフォーム部分と長手方向に整列している近位アームと、
を更に含み、
前記遠位アームが前記近位アームに対して前記横断方向にオフセットされ、それにより、前記遠位アーム及び前記近位アームがそれぞれ、前記拘束位置において前記遠位プラットフォーム部分及び前記近位プラットフォーム部分において前記第1のバットレス組立体と係合する、
アクチュエータスレッド、を更に備える
ットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
一部の状況では、切開創をより小さくすることで、術後の回復時間及び合併症を低減させ得ることから、従来の開腹外科用デバイスよりも内視鏡外科用器具が好ましい場合がある。このため、内視鏡外科用器具の中には、トロカールのカニューレを通して所望の手術部位に遠位エンドエフェクタを配置するのに適したものがある。これらの遠位エンドエフェクタは、いくつかの形で組織と係合して診断又は治療効果を得ることができる(例えば、エンドカッター、把持具、カッター、ステープラ、クリップアプライヤ、アクセスデバイス、薬物/遺伝子治療送達デバイス、及び、超音波振動、RF、レーザなどを使用するエネルギー送達デバイスなど)。内視鏡外科用器具は、エンドエフェクタとハンドル部分との間に、臨床医によって操作されるシャフトを含み得る。このようなシャフトは、所望の深さへの挿入及びシャフトの長手方向軸を中心とした回転を可能にし、それにより患者の体内でエンドエフェクタの位置付けを行うことを容易にし得る。エンドエフェクタの位置付けは、エンドエフェクタをシャフトの長手方向軸に対して選択的に関節動作させるか又は別様に偏向させることを可能にする、1つ以上の関節ジョイント又は機構を含めることによって更に容易に行うことができる。
【0002】
内視鏡外科用器具の例として、外科用ステープラが挙げられる。このようなステープラのいくつかは、組織層をクランプし、クランプされた組織層を切断し、組織層を通してステープルを打ち込むことによって、組織層の切断された端部の近くで、切断された組織層同士を互いに実質的にシールするように動作可能である。例示的に過ぎない外科用ステープラが、1989年2月21日発行の「Pocket Configuration for Internal Organ Staplers」と題する米国特許第4,805,823号、1995年5月16日発行の「Surgical Stapler and Staple Cartridge」と題する米国特許第5,415,334号、1995年11月14日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,465,895号、1997年1月28日発行の「Surgical Stapler Instrument」と題する米国特許第5,597,107号、1997年5月27日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,632,432号、1997年10月7日発行の「Surgical Instrument」と題する米国特許第5,673,840号、1998年1月6日発行の「Articulation Assembly for Surgical Instruments」と題する米国特許第5,704,534号、1998年9月29日発行の「Surgical Clamping Mechanism」と題する米国特許第5,814,055号、2005年12月27日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating an E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第6,978,921号、2006年2月21日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Separate Distinct Closing and Firing Systems」と題する米国特許第7,000,818号、2006年12月5日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Firing Lockout for an Unclosed Anvil」と題する米国特許第7,143,923号、2007年12月4日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multi-Stroke Firing Mechanism with a Flexible Rack」と題する米国特許第7,303,108号、2008年5月6日発行の「Surgical Stapling Instrument Incorporating a Multistroke Firing Mechanism Having a Rotary Transmission」と題する米国特許第7,367,485号、2008年6月3日発行の「Surgical Stapling Instrument Having a Single Lockout Mechanism for Prevention of Firing」と題する米国特許第7,380,695号、2008年6月3日発行の「Articulating Surgical Stapling Instrument Incorporating a Two-Piece E-Beam Firing Mechanism」と題する米国特許第7,380,696号、2008年7月29日発行の「Surgical Stapling and Cutting Device」と題する米国特許第7,404,508号、2008年10月14日発行の「Surgical Stapling Instrument Having Multistroke Firing with Opening Lockout」と題する米国特許第7,434,715号、2010年5月25日発行の「Disposable Cartridge with Adhesive for Use with a Stapling Device」と題する米国特許第7,721,930号、2013年4月2日発行の米国特許第8,408,439号「Surgical Stapling Instrument with An Articulatable End Effector」と題する米国特許第8,408,439号、及び2013年6月4日発行の「Motor-Driven Surgical Cutting Instrument with Electric Actuator Directional Control Assembly」と題する米国特許第8,453,914号に開示されている。上に引用した米国特許の各々の開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0003】
上述した外科用ステープラは、内視鏡処置において使用されるものとして記載されているが、このような外科用ステープラは、開腹処置及び/又は他の非内視鏡処置でも使用することができることを理解されたい。単なる例として、トロカールをステープラの導管として使用しない胸部外科手術では、外科用ステープラを開胸術によって患者の肋骨の間に挿入し、1つ以上の臓器に到達させることができる。このような処置では、肺につながる血管を切断及び閉鎖するためにステープラが使用される場合もある。例えば、臓器につながる血管を、胸腔から臓器を切除する前にステープラによって切断して閉鎖することができる。当然のことながら、外科用ステープラは、様々な他の状況及び処置において使用され得る。
【0004】
開胸術を通した使用に特に好適となり得る外科用ステープラの例が、2015年11月17日発行の「Surgical Instrument End Effector Articulation Drive with Pinion and Opposing Racks」と題する米国特許第9,186,142号、2017年8月1日発行の「Lockout Feature for Movable Cutting Member of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,717,497号、2016年12月13日発行の「Integrated Tissue Positioning and Jaw Alignment Features for Surgical Stapler」と題する米国特許第9,517,065,号、2017年12月12日発行の「Jaw Closure Feature for End Effector of Surgical Instrument」と題す米国特許第9,839,421号、2018年1月16日発行の「Surgical Instrument with Articulation Lock having a Detenting Binary Spring」と題する米国特許第9,867,615号、2017年4月18日発行の「Distal Tip Features for End Effector of Surgical Instrument」と題する米国特許第9,622,746号、2014年8月28日公開の「Staple Forming Features for Surgical Stapling Instrument」と題する米国特許出願公開第2014/0239037号、2017年10月24日発行の「Surgical Instrument with Multi-Diameter Shaft」と題する米国特許第9,795,379号、及び2017年11月7日発行の「Installation Features for Surgical Instrument End Effector Cartridge」と題する米国特許第9,808,248号、に開示されている。上記で引用した米国特許出願公開の各々の開示は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0005】
更なる外科用ステープル留め器具が、2014年8月12日発行の「Surgical Circular Stapler with Tissue Retention Arrangements」と題する米国特許第8,801,735号、2012年3月27日発行の「Surgical Stapler Comprising a Staple Pocket」と題する米国特許第8,141,762号、2013年2月12日発行の「Surgical End Effector Having Buttress Retention Features」と題する米国特許第8,371,491号、2017年3月21日発行の「Method and Apparatus for Sealing End-to-End Anastomosis」と題する米国特許第9,597,082号、2016年7月26日発行の「Rotary Powered Surgical Instruments with Multiple Degrees of Freedom」と題する米国特許第9,398,911号、2013年8月15日公開の「Linear Stapler」と題する米国特許出願公開第2013/0206813号、2008年7月17日公開の「Buttress Material for Use with a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2008/0169328号、2017年12月26日発行の「Woven and Fibrous Materials for Reinforcing a Staple Line」と題する米国特許第9,848,871号、2018年4月10日発行の「Devices and Methods for Sealing Staples in Tissue」と題する米国特許第9,936,954号、及び2016年3月31日公開の「Radically Expandable Staple Line」と題する米国特許出願公開2016/0089146号、に開示されている。上に引用した米国特許、米国特許出願公開、及び、米国特許出願それぞれの開示内容は、参照により本明細書に組み込まれる。
【0006】
場合によっては、ステープルでもたらされる組織の機械的締結を補強するため、外科用ステープル留め器具がバットレス材を備えることが望ましい場合がある。かかるバットレスは、適用後のステープルが組織から抜けるのを防止でき、本来、ステープルの適用部位又はその付近の組織が裂けるリスクを低減することができる。そのようなバットレス材は、バットレスアプライヤカートリッジを用いて外科用ステープル留め器具に適用されてもよい。バットレスアプライヤカートリッジは、適用前にバットレス材を保持し、外科用ステープル留め器具に適用されるとバットレス材を解放する。そのようなバットレスアプライヤカートリッジの例は、2017年3月2日公開の「Surgical Stapler Buttress Applicator with End Effector Actuated Release Mechanism」と題する米国特許出願公開第第2017/0056016号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。
【0007】
様々な種類の外科用ステープル留め器具及び関連構成要素が作製され使用されてきたが、本発明者ら以前には、添付の特許請求の範囲に記載されている発明を誰も作製又は使用したことがないものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
本明細書に組み込まれかつその一部をなす添付の図面は、本発明の実施形態を示すものであり、上記の本発明の一般的説明、及び以下の実施形態の詳細な説明と共に、本発明の原理を説明する役割を果たすものである。
図1】上顎用のバットレス組立体の実施例及び下顎用の別のバットレス組立体の実施例を有するバットレスアプライヤカートリッジの実施例を含む、例示的なバットレスアプライヤカートリッジ組立体の斜視図である。
図2】一対のバットレス組立体に加えてシャーシ及びプラットフォームを含む図1のバットレスアプライヤカートリッジ組立体の分解斜視図である。
図3図2のプラットフォームを備えたシャーシの斜視図である。
図4図2のプラットフォームの正面斜視図である。
図5図2のプラットフォームの背面斜視図である。
図6図2のプラットフォームの立面側面図である。
図7図2のバットレスアプライヤカートリッジ組立体の左側アクチュエータスレッドの上部斜視図である。
図8図7の左側アクチュエータスレッドの底部斜視図である。
図9図2のバットレスアプライヤカートリッジ組立体の右側アクチュエータスレッドの上部斜視図である。
図10図9の右側アクチュエータスレッドの底部斜視図である。
図11図7及び図9の左右のアクチュエータスレッドの対を有する、図3のシャーシ及びプラットフォームの斜視図である。
図12図11の断面線12-12に沿って取られた、図11のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの断面図である。
図13A】拘束位置にある図11のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図である。
図13B図13Aと同様のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図であるが、アクチュエータスレッドが拘束位置から解放位置に向けられていることを示す。
図13C図13Bと同様のシャーシ、プラットフォーム、及びアクチュエータスレッドの上面図であるが、アクチュエータスレッドが解放位置にあることを示す。
図14A】上顎及び下顎が開位置にある状態でエンドエフェクタに接近する図1のバットレスアプライヤカートリッジ組立体を示す、例示的な外科用器具のエンドエフェクタの斜視図である。
図14B図14Aと同様のエンドエフェクタの斜視図であるが、図1のバットレスアプライヤカートリッジ組立体が閉位置で上顎と下顎の間に位置付けられている状態を示す。
図15】例示的な平行なキャンバ配向における、図14Bのエンドエフェクタ及びバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームの側断面図であるが、より明確にするために様々な機構が隠されている。
図16図14Bと同様のエンドエフェクタの斜視図であるが、バットレス組立体が開位置で上顎と下顎にそれぞれ固定され、バットレスアプライヤカートリッジがエンドエフェクから取り外された状態を示す。
図17A図1のバットレス組立体をエンドエフェクタに適用し、上顎及び下顎が開位置にある状態でバットレス組立体の間に組織を位置付けた状態の、図14Bのエンドエフェクタの一部分の断面側面図である。
図17B図17Aと同様のエンドエフェクタ及びバットレス組立体の一部分の断面側面図であるが、上顎及び下顎が閉位置にあることを示す。
図17C図17Bと同様のバットレス組立体の断面側面図であるが、組織に形成されたステープルで組織に固定されたバットレス組立体を示す。
図18】エンドエフェクタによって組織に固定され、ナイフによって切断された、図17Cのステープル及びバットレス組立体の斜視図である。
図19図15と同様のエンドエフェクタ及びバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームの側断面図であるが、エンドエフェクタが例示的なオーバーキャンバ配向にある。
図20図15と同様のエンドエフェクタ及びバットレスアプライヤカートリッジのプラットフォームの側断面図であるが、エンドエフェクタが例示的なアンダーキャンバ配向にある。
【0009】
図面は、いかなる方式でも限定することを意図しておらず、本発明の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、他の様々な方式で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、その一部をなす添付図面は、本発明のいくつかの態様を図示したものであり、本説明文と共に本発明の原理を説明する役割を果たすものである。しかしながら、本発明が、示される正確な配置に限定されない点は理解される。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の特定の実施例の以下の説明文は、本発明の範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本発明の他の実施例、機構、態様、実施形態、及び利点は、本発明を実施するために想到される最良の形態の1つを実例として示す以下の説明文より、当業者には明らかとなろう。理解されるように、本発明は、いずれも本発明から逸脱することなく、他の異なるかつ明白な態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものと見なされるべきである。
【0011】
「近位」及び「遠位」などの用語は、後述の外科用切断器具(210)及びバットレスアプライヤカートリッジ組立体(10)などの外科用器具を把持する臨床医を参照して使用されることを理解されたい。本明細書では、便宜上及び明確にするために、「左側」、「右側」、「前部」、「後部」、「直立」、「上下逆」、「上部」、「下部」、「底部」及び「頂部」などの空間的な用語が図面に関して使用されていることを、更に理解されたい。しかしながら、外科用器具は、多くの向き及び位置で使用されるものであり、これらの用語は、限定的かつ絶対的なものであることを意図するものではない。
【0012】
I.例示的なバットレスアプライヤカートリッジ
いくつかの例では、図1に示すような例示的なバットレスアプライヤカートリッジ組立体(10)を使用して外科用器具にバットレス組立体(12)を装備させて、バットレス(14)を備えて組織内にステープルを形成することが望ましい場合がある。そのようなバットレス(14)は、形成されたステープルが組織を通って引き抜かれることを阻止し、それにより、形成されたステープルの部位又はその近傍で組織が引き裂かれるリスクを低減する。ステープルのラインに構造的支持及び一体性を提供することに加えて又は代替として、バットレス(14)は、空隙又は間隙の充填、治療薬の投与、及び/又は他の効果などの、様々な他の種類の効果を提供することができる。1つ以上のバットレス(14)は、外科用器具と共に使用する前に、バットレスアプライヤカートリッジ(16)上に解放可能に保持される。バットレスアプライヤカートリッジ(16)は、例示的な外科用器具(18)においてより詳細に後述するように使用するために、バットレス組立体(10)を外科用器具上に配置するように構成されている(図10A参照)。
【0013】
図1は、バットレスアプライヤカートリッジ(16)上に解放可能に保持された一対のバットレス組立体(12)を含むバットレスアプライヤカートリッジ組立体(10)を示しており、バットレスアプライヤカートリッジ(16)は、使用前にバットレス組立体(12)を支持及び保護し、外科用器具(210)上にバットレス組立体(12)を装着することを更に支援する(図10A参照)。本実施例のバットレスアプライヤカートリッジ(16)は、解放端部(18)及び閉鎖端部(20)を含む。開放端部(18)は、より詳細に後述するように、エンドエフェクタ(212)を受容するように構成されている(図10A参照)。バットレスアプライヤカートリッジ(16)は、上部ハウジング(26)及び下部ハウジング(28)を有するハウジング組立体(24)を更に含み、ハウジングは各々、概ね「U」字形状を画定して、開放端部(18)を提示する。上部ハウジング(26)と下部ハウジング(28)との間には、様々な構成要素が介在する。具体的には、これらの構成要素は、シャーシ(36)を支持するプラットフォーム(30)を含む。
【0014】
本実施例のプラットフォーム(30)は、プラットフォーム(30)の一方の側に上部バットレス組立体(12)を、プラットフォーム(30)の他の側に下部バットレス組立体(12)を支持する。プラットフォーム(30)は、上部及び下部ハウジング(26、28)の「U」字構成のプロングの間に形成された凹部に露出している。したがって、上部ハウジング(26)は、プラットフォーム(30)の上面に沿って開放端部(18)まで延びる上部間隙(37)を有し、下部ハウジング(28)は同様に、プラットフォーム(30)の下面に沿って開放端部(18)まで延びる下部間隙(38)を有する。プラットフォーム(30)及びバットレス組立体(12)をそのような凹部内に位置付けることにより、バットレス組立体(12)と手術室内の他のデバイスとの間の偶発的な接触を防止することができる。言い換えれば、上部及び下部ハウジング(26、28)は、バットレス組立体がプラットフォーム(30)上に保持されている間、バットレス組立体(12)のある程度の物理的遮蔽を提供することができる。
【0015】
適用できる場合は、追加の機構が、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(10)の以下の実施例と組み合わされてもよい。そのような機構は、本件と同日に出願された「Adhesive Distribution On Buttress For Surgical Stapler」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8634USNP.0663974]、本件と同日に出願された「Surgical Stapler Buttress With Tissue In-Growth Promotion」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8636USNP.0663978]、本件と同日に出願され、「Configuration of Buttress for Surgical Stapler」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8635USNP.0663976]、本件と同日に出願された「Packaging for Surgical Stapler Buttress」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8638USNP.0663983]、本件と同日に出願された「Method of Applying Buttresses to Surgically Cut and Stapled Sites」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9071USNP1.0714576]、本件と同日に出願された「Curved Tip AStapler Buttress Assembly Applicator With Opening Feature For Curved Tip Alignment」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9072USNP1.0714574]、本件と同日に出願された「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator With Proximal Alignment Features」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9073USNP1.0714572]、本件と同日に出願された「Curved Tip Surgical Stapler Buttress Assembly Applicator With Compression Layer Pocket Feature」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9075USNP1.0714570]、本件と同日に出願された「Applicator for a Surgical Stapler Buttress」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8639USDP.0663985]、本件と同日に出願された「Buttress For Surgical Stapler」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8640USDP.0663994]、本件と同日に出願された「Tray For Surgical Stapler Buttress Applicator」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END8641USDP.0663996]、本件と同日に出願された「Applicator for a Surgical Stapler Buttress」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9080USDP1.0714568]、及び本件と同日に出願された「Buttress Assembly for a Surgical Stapler」と題する米国特許出願第__号[代理人整理番号END9081USDP1.0714566]、に記載されている。
【0016】
A.例示的なバットレス組立体
図1に関して、バットレスアプライヤカートリッジ(16)上に保持された上部及び下部バットレス組立体(12)の相対位置を別にすれば、上部及び下部バットレス組立体(12)は構造的に同一である。したがって、バットレスアプライヤカートリッジ組立体(10)は、外科用器具(210)と共に2つ以上の向きで使用することができる(図14A参照)。上部バットレス組立体(12)の以下の説明は同様に、下部バットレス組立体(12)にも適用されるが、それぞれの向きに関しては異なることが理解されよう。
【0017】
上部バットレス組立体(12)は、バットレス(14)及び上部接着剤層(42)を含む。本実施例のバットレス(14)は、より具体的には、ステープルのラインを支持するために全体的に強いが可撓性となるように、2つの外層の間に挟まれたコア層を含む3層のポリマー構造を有している。本実施例では、コア層は、Ethicon,Inc.(Somerville,New Jersey)によりVICRYLとして製造販売されているポリグラクチン910材料であり、各外層はポリジオキサノン(PDO)フィルム材料である。本実施例のバットレス(14)は、所定の圧力、所定の温度下で所定の時間、外層の間にコア層を積層することによって形成される。バットレス(14)は、サイズに合わせて更に機械的に切断され、それにより、敏感な組織を損傷する可能性のあるバリ及び/又は層間剥離などの研磨性縁部が生じないようにする。レーザ切断又はホットナイフ切断など、バットレス(14)を切断する代替的方法も同様に使用し得ることが理解されよう。
【0018】
単に更なる例として、各バットレス(14)は、以下のうちの1つ以上から構成され得る:Gunze Limited(日本、京都)によるNEOVEIL吸収性PGAフェルト;W.L.Gore&Associates,Inc.(Flagstaff,Arizona)によるSEAMGUARDポリグリコール酸:トリメチレンカーボネート(PGA:TMC)補強材;Baxter Healthcare Corporation(Flagstaff,Arizona)によるPERI-STRIPS DRY VERITAS Collagen Matrix(PSDV)補強材;Cook Medical(Bloomington,Indiana)によるBIODESIGN生物学的移植材、及び/又はEthicon,Inc.(Somerville,New Jersey)によるSURGICEL NU-KNITヘモスタット材。各バットレス(14)を形成するために使用され得る更に他の適切な材料は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかであろう。
【0019】
追加的にあるいは代替的に、各バットレス(14)は、例えば、血液を凝固させるのを支援し、かつ組織に沿って切断及び/又はステープル留めされた手術部位における出血を低減するための、フィブリンなどの止血剤を含む材料を含んでもよい。別の単なる例示的な実施例として、各々のバットレス(14)は、他の添加剤を含んでもよく、又は各々のバットレス(14)が血液を凝固させ、手術部位における出血量を低減させることを支援することができるように、トロンビンなどの止血剤が使用されてもよい。各バットレス(14)に組み入れられ得る他の添加剤又は試薬として、薬液又はマトリックス成分を更に挙げることができるが、これらに限定されない。各バットレス(14)を形成するために使用され得る材料、及び各バットレス(14)に他の方法で組み込まれ得る材料の単なる例示的な例が、2015年3月25日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願第14/667,842号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、任意の他の好適な材料が使用され得る。
【0020】
単に更なる例として、各バットレス(14)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2012年9月27日公開の「Tissue Thickness Compensator Comprising Controlled Release and Expansion」と題する米国特許出願公開第2012/0241493号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月21日公開の「Surgical Instrument and Buttress Material」と題する米国特許出願公開第2013/0068816号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2018年6月19日に発行の「Surgical Instrument with Fluid Fillable Buttress」と題する米国特許第9,999,408号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年8月26日発行の「Fibrin Pad Matrix with Suspended Heat Activated Beads of Adhesive」と題する米国特許第8,814,025号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2014年12月2日発行の「Attachment of Surgical Staple Buttress to Cartridge」と題する米国特許第8,899,464号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年11月15日発行の「Device for Applying Adjunct in Endoscopic Procedure」と題する米国特許第9,492,170号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年4月7日発行の「Resistive Heated Surgical Staple Cartridge with Phase Change Sealant」と題する米国特許第8,998,060号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年7月19日発行の「Surgical Staple Assembly with Hemostatic Feature」と題する米国特許公開第9,393,018号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年8月11日発行の「Surgical Staple Cartridge with Self-Dispensing Staple Buttress」と題する米国特許第9,101,359号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年12月1日発行の「Anvil Cartridge for Surgical Fastening Device」と題する米国特許第9,198,644号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2013年3月28日公開の「Adjunct Therapy for Applying Hemostatic Agent」と題する米国特許出願公開第2013/0075447号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年12月15日発行の「Tissue Thickness Compensator Comprising a Plurality of Medicaments」と題する米国特許第9,211,120号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年12月10日公開の「Adjunct Materials and Methods of Using Same in Surgical Methods for Tissue Sealing」と題する米国特許出願公開第2015/0351758号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月23日発行の「Implantable Layers for a Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2017/0049444号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月2日公開の「Drug Eluting Adjuncts and Methods of Using Drug Eluting Adjuncts」と題する米国特許出願公開第2017/0055986号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Compressible Adjunct with Crossing Spacer Fibers」と題する米国特許出願公開第2017/0086837号、及び/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Method for Applying an Implantable Layer to a Fastener Cartridge」と題する米国特許出願公開第2017/0086842号、の少なくともいくつかの教示に従って構築され得る。
【0021】
更に、バットレス(14)は、バットレス(14)の近位部分から、バットレス(14)の中間部分に沿って、更にバットレス(14)の遠位部分を通って、ナイフ(図示せず)によって切断されるように構成されており、それにより、より詳細に後述するように、内側縁部が切断された組織に隣接する。バットレス(14)は、ナイフ(図示せず)を受容し、内側縁部がナイフに沿って形成される際にバットレス(14)の横方向部分を分離するのを支援するように構成された、長手方向に延びる予め切断されたスリット(44)を更に含む。
【0022】
上部接着剤層(42)は、外科用器具(210)(図14A参照)のエフェクタ(212)(図14A参照)内にバットレス(14)を接着するために、バットレス(14)の外層に設けられる。バットレス(14)の接着は、感圧接着剤を含むがこれに限定されない様々な機構によって生じ得る。感圧接着の場合、接着は、少なくとも所定の最小力の適用時に生じ得る。いくつかのバージョンでは、各接着剤層(42)は感圧接着材料を含む。接着剤層(42)を形成するのに使用され得る様々な適切な材料の例が、2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号に開示されており、その開示は参照により本明細書に組み込まれる。あるいは、任意の他の好適な材料が使用され得る。本実施例に示すように、接着剤層(42)は連続的な外側シールを形成するために適用されて、エンドエフェクタ(212)に適用されると耐用年数を向上させる(図14A参照)。
【0023】
本明細書で用いられる「接着剤」という用語は、粘着性の材料、更には、柔軟又は蝋様であり、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状にも接着する材料を包含し得る(ただし、それらに限定はされない)。いくつかの適切な接着剤は、不可避的に高度な初期粘着性を与えることなく、変形及び適合によって複雑な幾何学的形状に接着するように、そのような柔軟性を与え得る。いくつかの事例では、粘着性の低い接着剤は、表面からよりきれいに除去され得る。接着剤層(42)を形成するために使用され得る様々な適切な材料は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかであろう。
【0024】
B.例示的なバットレスアプライヤカートリッジ
図2に示すように、バットレスアプライヤカートリッジ(16)は、プラットフォーム(30)を支持するシャーシ(36)、並びに互いに接続して内部空間(50)を画定するように構成されたハウジング組立体(24)の上部ハウジング(26)及び下部ハウジング(28)を含む。上部左側アクチュエータスレッド(52)及び上部右側アクチュエータスレッド(54)は、内部空間(50)内の上面シャーシ(36)に移動可能に接続され、一方、下部左側アクチュエータスレッド(52)及び下部右側アクチュエータスレッド(54)は、内部空間(50)内のシャーシ(36)の下面に移動可能に接続される。上部右側及び上部左側アクチュエータスレッド(52、54)は、プラットフォーム(30)上の上部バットレス組立体(12)を拘束位置に保持するが、上部バットレス組立体(12)をエンドエフェクタ(212)上に付着させるために、拘束位置から解放位置に移動するように構成されている(図14A参照)。同様に、下部右側及び下部左側アクチュエータスレッド(52、54)は、プラットフォーム(30)上の下部バットレス組立体(12)を拘束位置に保持するが、エンドエフェクタ(212)上に下部バットレス組立体(12)を付着させるために、拘束位置から解放位置に移動するように構成されている(図14Aを参照)。本実施例では、左側アクチュエータスレッド(52)は、より詳細に後述する理由により、右側アクチュエータスレッド(54)とは異なる。また、上部右側及び下部右側アクチュエータスレッド(52)は、互いに構造的に同一であり、上部左側及び下部左側アクチュエータスレッド(54)は、互いに構造的に同一である。したがって、上部アクチュエータスレッド(52)及び下部アクチュエータスレッド(54)は、この点において互換性があり、一対の上部アクチュエータスレッド(52、54)に関する本明細書に含まれる任意の説明は、一対の下部アクチュエータスレッド(52、54)にも同様に適用可能である。
【0025】
各アクチュエータスレッド(52、54)は、バットレス組立体(12)をプラットフォーム(30)に選択的かつ解放可能に固定するために横方向内側に延びる複数のアーム(55a、55b、55c)を含む。具体的には、図2は、バットレス組立体(12)がアーム(34)の自由端部とプラットフォーム(30)との間に介在するように位置付けられた、アーム(55a、55b、55c)を示す。アーム(55a、55b、55c)は、図2に示すように、アーム(55a、55b、55c)がバットレス組立体(12)の係合を解除するように、横方向に外側に移動可能であり、それにより、バットレス組立体(12)をプラットフォーム(30)から取り外すことができる。本実施例では、アーム(55a、55b、55c)は、拘束位置にあるバットレス組立体(12)と当接し、それにより、バットレス組立体(12)をプラットフォーム(30)に対して挟むように構成されている。アーム(5)がバットレス組立体(12)と係合し得る他の適切な方式は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかとなろう。
【0026】
シャーシ(36)は、上部ハウジング(26)及び下部ハウジング(28)と協働して、バットレスアプライヤカートリッジ(16)の構成要素を動かすための機械的な土台を提供し、バットレスアプライヤカートリッジ(16)の構成要素を構造的に支持するように構成されている。シャーシ(36)は、ハウジング組立体(24)の両側に露出している一体型把持機構(56)を更に含む。把持機構(56)は、バットレスアプライヤカートリッジ(16)の使用中にオペレータがバットレスアプライヤカートリッジ(16)を把持するのを促進するように構成された表面形状を有する。把持機構(56)に対して用いられ得る様々な適切な構成は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかであろう。同様に、把持機構(56)に適用され得る様々な表面処理(例えば、エラストマー材など)は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかであろう。
【0027】
図3に関して、プラットフォーム(30)は、プラットフォーム(30)を上部ハウジング(26)及び下側ハウジング(28)に対して固定するためのシャーシ(36)に接続され、それによって支持される(図2参照)。本実施例では、プラットフォーム(30)は、フレーム(60)を含みかつ成形型固定のための材料の重なりを提供するように構成された複数の穴(62、64、66)を画定する、剛性ウェブ部分(58)に一体的に形成され、成形される。穴(62、64、66)は、より具体的には、中央に配置されたフレーム(60)の上部及び下部の周辺凹部(62)を含む。中央スロット(64)は、フレーム(60)、及び中央スロット(64)の周りに横方向に離間配置された複数の貫通穴(66)を通って延びる。フレーム(60)は、ブリッジ部分(68)において中央スロット(64)を横切って横方向にも延びて、シャーシ(36)に追加の構造的剛性を与えると共に、より詳細に後述明するように、弾性変形のための十分な隙間をプラットフォーム(30)に提供する。それにより、凹部(62)、中央スロット(64)、及び貫通穴(66)は、弾力性のあるエラストマー材料を受容して、プラットフォーム(30)としての材料をシャーシ(36)に形成し固定する。本プラットフォーム(30)はシャーシ(36)に成形されているが、プラットフォーム(30)は、代替的にシャーシ(36)に固定されてもよく、本発明は、本明細書で説明される特定の剛性ウェブ部分(58)及び成形に限定されることを意図するものではないことが理解されよう。プラットフォーム(30)を形成するために使用され得る様々な適切な材料及び構造的構成は、本明細書の教示を鑑みて、当業者には明らかであろう。
【0028】
シャーシ(36)は、シャーシ(36)の対向する横方向の側面に一対の列で配置された複数のスレッドクリアランス穴(70)を更に含む。左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)(図7図10参照)は、そのようなスレッドクリアランス穴(70)を介してシャーシ(36)の対向する側で互いに接続され、接続された対で一緒に内側にスライドする。左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)(図7図10参照)の接続及び作動に関する更なる詳細については、より詳細に後述する。しかしながら、左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)(図7図10参照)の締結クリアランスを提供するために、シャーシ(36)を貫通する任意のそのような穴が使用されてもよく、本発明は、本明細書で説明されるスレッドクリアランス穴(70)に不必要に限定されることを意図していないことが理解されよう。
【0029】
i.バットレス組立体を支持するための例示的な変化する剛性のプラットフォーム
図3図6は、プラットフォーム(30)の一例を、プラットフォーム(30)から横方向に延びる周辺固定具(74)と、プラットフォーム(30)から遠位に延びるアンカ固定具(76)とを有するパッド(72)を含むものとして、更に詳細に示す。まとめて、周辺固定具(74)及びアンカ固定具(76)は、凹部(62)内に位置付けられ、貫通穴(66)内に延びて、パッド(72)をシャーシ(36)に固定する。いくつかのバージョンでは、プラットフォーム(30)は、高い摩擦係数を提供する材料から形成され、それにより、そうでない場合にはバットレス組立体(12)がプラットフォーム(30)の対応する表面に沿ってスライドするいかなる傾向も、低減される。例えば、プラットフォーム(30)は、固定具(74、76)及びパッド(72)の両方として形成されるように成形される、シリコーンなどの弾性エラストマー材料を含んでもよい。シリコーン材料の一例は、30デュロメータ、ショアAのシリコーンである。この目的のために、パッド(72)は、その長手方向の長さに沿って剛性を変化させて形成されており、より詳細に後述するように、エンドエフェクタ(212)の平行キャンバ配向、オーバーキャンバ配向、アンダーキャンバ配向(図14A参照)に適合しながら、少なくとも接着のための所定の最小力の十分な反動力を同時に提供する。本明細書で使用される場合、用語「平行キャンバ配向」は、エンドエフェクタの上顎及び下顎が機能的に互いに平行であることを指す。用語「オーバーキャンバ配向」は、エンドエフェクタの上顎がエンドエフェクタの下顎に対して過剰に回転していることを指す。用語「アンダーキャンバ配向」は、エンドエフェクタの下顎に対して上顎が回転不足であることを指す。例示的な上顎及び下顎は、この文脈において、以下でより詳細に説明される。
【0030】
図4図5に関して、弾性近位端部(78)パッド(72)は近位端部剛性及び近位横断方向深さを有し、一方、パッド(72)の弾性遠位端部(80)は、遠位端部剛性及び遠位横断方向深さを有する。本実施例では、近位端部剛性は遠位端部剛性よりも概して大きく、それにより、遠位端部(80)の初期圧縮は、近位端部(78)の圧縮よりも少ない圧縮力を必要とする。もちろん、近位端部(78)に対する遠位端部(80)の更なる圧縮は、遠位端部(80)のより小さな剛性が、エンドエフェクタ(212)のオーバーキャンバの配向に適合するためにそこに含まれている限り、遠位端部の剛性が近位端部の剛性まで増加するか、又は近位端部の剛性を超えることになってもよい(図14A参照)。
【0031】
更に、遠位横断方向深さは、近位横断方向深さよりも大きい。それにより、遠位横方向の深さが大きくなると、バットレス組立体(12)(図1を参照)が効果的に支えられ、エンドエフェクタ(212)(図10Aを参照)との係合がアンダーキャンバ配向で改善されるが、減少した遠位端部剛性は、オーバーキャンバ配向でエンドエフェクタ(212)(図10A参照)を収容するためのより大きな圧縮を可能にする。本実施例のパッド(72)は、パッド(72)の長手方向の長さ全体に沿って平行キャンバ、オーバーキャンバ、及びアンダーキャンバの配向に適応するために、遠位端部(80)から近位端部(78)まで共に連続的にテーパのついた対向する傾斜面(82)を有する楔形状である。いくつかの実施例では、パッド(72)に沿った深さ及び剛性は、エンドエフェクタ(11)の決定された製造公差に基づいて、オーバーキャンバからアンダーキャンバの全範囲の配向を受容するように構成される(図10A参照)。
【0032】
図4図6に示すパッド(72)は、全体にわたって一貫した剛性を有する弾性材料で一体的に形成される。したがって、上述したそのような長手方向に変化する剛性は、少なくとも遠位端部(80)にチャネル(84)などの複数のレリーフを形成して、近位端部の剛性に対する遠位端部の剛性を低減することによって作り出される。本実施例では、5つのチャネル(84)などのチャネル(84)は、互いに横方向に等間隔で配置され、遠位端部(80)から近位端部(78)まで長手方向に延びる。チャネル(84)は、更に横断方向に、固定具(74、77)及び近位端部(78)に共通のベース面(86)まで延びて、パッド(72)に沿った長手方向に変化するチャネルの深さを画定する。より具体的には、上部チャネル(84)は、上部傾斜面(82)から上部ベース面(86)まで横断方向に下向きに延び、一方、下部チャネル(84)は、下部傾斜面(82)から下部ベース面(86)まで横断方向に上向きに延びる。次に、複数のリブ(88)がチャネル(84)の間に画定され、同様に傾斜面(82)からベース面(86)まで延びて、バットレス組立体(12)を支持し(図1参照)、パッド(72)の各対向側の近位端部(78)から遠位端部(80)まで様々な剛性を有する。
【0033】
ii.変化する剛性のプラットフォーム上でバットレス組立体を保持するための例示的な拘束機構
図2及び図7図10は、バトレス組立体(12)をプラットフォーム(30)に対して拘束位置で解放可能に固定するための、上記で簡潔に説明した左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)などの拘束機構を示す。左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)のそれぞれは、パッド(72)の長手方向の長さに沿って変化する横方向の深さに対応するように構成されたアーム(55a、55b、55c)を有する。より具体的には、アーム(55a、55b、55c)は、長手方向に互いに離間して配置され、プラットフォーム(30)に向かって横方向に内側に延びる遠位アーム(55a)、中間アーム(55b)、及び近位アーム(55c)を含む。左側アクチュエータスレッド(52)又は右側アクチュエータスレッド(54)の遠位アーム(55a)、中間アーム(55b)、及び近位アーム(55c)の各々は、遠位アーム(55a)、中間アーム(55b)、及び近位アーム(55c)の各々が他のアーム(55a、55b、55c)から横断方向にオフセットされるように、プラットフォーム(30)に向かって横断方向に延びている。それにより、遠位アーム(55a)、中間アーム(55b)、及び近位アーム(55c)は、傾斜面(82)から横断方向に離間されて、傾斜面(82)の輪郭をトレースする。
【0034】
図7図8に関して、上部左側アクチュエータスレッド(52)は、右に向かって横方向に内側に延びる遠位、中間、及び近位アーム(55a、55b、55c)を有する、長手方向に延びる上部左側スレッド本体(90)を有する。左側アクチュエータスレッド(52)の各アーム(55a、55b、55c)は、エンドエフェクタ(212)(図14A参照)を接触させて受容して、左側アクチュエータスレッド(52)を解放位置に向かって付勢するように構成されたカム面(91)を有する。更に、一対の外側ダボ穴(92)は、下向きに開いており、上部左側のスレッド本体(90)の遠位端部部分及び近位端部部分にそれぞれ位置付けられる。一対の内側ダボ(94)は、外側ダボ穴(92)間で左側スレッド本体(90)から下方に延び、外側ダボ穴(92)と長手方向に整列している。拘束位置及び解放位置における上部左側アクチュエータスレッド(52)の移動を阻止するために、遠位カンチレバーキャッチ(96)が左上スレッド本体(90)の遠位部分から左に横方向に延び、近位カンチレバーキャッチ(96)が上部左側スレッド本体(90)の近位部分から左に横方向に延びている。遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)は、それぞれ、より詳細に後述する遠位ディテントカップリング(100)及び近位ディテントカップリング(102)の部分である。
【0035】
図9図10に関して、上部右側アクチュエータスレッド(54)は、左に向かって内側に横方向に延びる遠位、中間、及び近位アーム(55a、55b、55c)を有する、長手方向に延びる上部右側スレッド本体(104)を有する。右側アクチュエータスレッド(54)の各アーム(55a、55b、55c)は、エンドエフェクタ(212)(図14A参照)を接触させて受容して、左側アクチュエータスレッド(52)を解放位置に向かって付勢するように構成されたカム面(105)を有する。更に、一対の内側ダボ穴(106)は、下向きに開いており、上部右側のスレッド本体(104)に位置付けられる。一対の外側ダボ(108)は、右側スレッド本体(104)から下方に延び、それぞれ、内側ダボ穴(106)と長手方向に整列して、上部右側スレッド本体(104)の遠位端部部分及び近位端部部分に位置付けられる。拘束位置及び解放位置における上部右側アクチュエータスレッド(54)の動きを阻止するために、別の遠位カンチレバーキャッチ(96)が上部右側スレッド本体(104)の遠位部分から右に横方向に延び、別の近位カンチレバーキャッチ(96)が上部右側スレッド本体(104)の近位部分から右に横方向に延びている。ここでも、遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)は、より詳細に後述する遠位ディテントカップリング(100)及び近位ディテントカップリング(1102)のそれぞれの部分である。
【0036】
図2及び図11図12は、詳細に上述した上部右側及び左側アクチュエータスレッド(52、54)、並びに下部右側及び左側アクチュエータスレッド(52、54)を示す。簡潔に上述したように、上部右側及び上部左側アクチュエータスレッド(52、54)の説明は、同様の番号を有する同様の機構を有するが、横断方向(例えば、下部、上向きなど)が逆になっている下部右側及び下部左側アクチュエータスレッド(52、54)にも同様に適用される。この目的で、上部左側アクチュエータスレッド(52)と下部右側アクチュエータスレッド(54)は、外側のダボ(108)が外側のダボ穴(92)にスナップ嵌めされ、内側のダボ(94)が内側のダボ穴(106)にスナップ嵌めされ、シャーシ(36)がそれらの間に位置付けられると、互いに接続される。上部右側アクチュエータのスレッド(54)と下部左側アクチュエータのスレッド(52)は同様に、外側のダボ(108)が外側のダボ穴(92)にスナップ嵌めされ、内側のダボ(94)が内側のダボ穴(106)にスナップ嵌めされ、シャーシ(36)がそれらの間に位置付けられると、互いに接続される。内側及び外側ダボ(94、108)の各々は、スレッドクリアランス穴(70)を通って延び、左側及び右側アクチュエータスレッド(52、54)をシャーシ(36)にスライド可能に接続する。
【0037】
図12は、一対の遠位アーム(55a)、一対の中間アーム(55b)、及び一対の近位アーム(55c)の一例を示し、それぞれ、それらの間に位置付けられた、対向する傾斜面(82)をトレースするプラットフォーム(30)を有する。中心面(110)が図12に示されており、この中心面(110)は、プラットフォーム(30)の中心コアを介してバットレスアプライヤカートリッジ(16)の上部部分と下部部分に二分する。遠位アーム(55a)は、中心平面(110)から相対的に長い距離だけ横断方向にオフセットされた遠位保持面(112a)を有し、中間アーム(55b)は、中心平面(110)から相対的に中間距離だけ横断方向にオフセットされた中間保持面(112b)を有し、近位アーム(55c)は、中心面(110)から相対的に短い距離だけ横断方向にオフセットされた近位保持面(112c)を有する。それにより、遠位、中間、及び近位保持面(112a、112b、112c)のより大きな距離、中間の距離、及び短い距離が、パッド(72)の遠位端部(80)からパッド(72)の近位端部(78)に向かってテーパのついた傾斜面(82)をトレースする。したがって、遠位、中間、及び近位保持面(112a、112b、112c)は、互いから、及び中心面(110)から横断方向にオフセットされる。本実施例では、遠位アーム(55a)、中間アーム(55b)、及び近位アーム(55c)の各々は、傾斜面(82)から等しい横断方向の間隔で横断方向に離間しており、それにより、アーム(55a、55b、55c)は、パッド(72)の遠位端部(80)からパッド(72)の近位端部(78)に向かってテーパのついた傾斜面(82)を等しくトレースする。
【0038】
図13A図13Cに示すように、左側及び右側アクチュエータスレッド(52、54)は、本明細書で説明されるように、プラットフォーム(30)上のバットレス組立体(12)(図1参照)からアーム(55a、55b、55c)の係合を解除するために、それぞれ、拘束位置から、プラットフォームから離れた解放位置まで外向きに付勢される。より具体的には、遠位及び近位ディテントカップリング(100、102)は、左側及び右側アクチュエータスレッド(52、54)をシャーシ(36)に解放可能に接続して、拘束位置及び解放位置における左側及び右側アクチュエータスレッド(52、54)の動きを阻止する。遠位及び近位ディテントカップリング(100、102)は、簡潔に上述したように、左側及び右側アクチュエータスレッド(52、54)の各々から延びる遠位及び近位カンチレバーキャッチ(96、98)を含む。更に、遠位及び近位ディテントカップリング(100、102)は、それぞれ、遠位及び近位カンチレバーキャッチ(96、98)とそれぞれ係合する、シャーシ(36)から延びる遠位及び近位接地カム(114、116)を更に含む。
【0039】
図13Aに示す拘束位置では、各遠位カンチレバーキャッチ(96)は、各遠位接地カム(114)とそれぞれ係合し、各近位カンチレバーキャッチ(98)は、各近位接地カム(116)とそれぞれ係合して、左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)を拘束位置に向かって内側に付勢する。図13Bに示すように、左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)を拘束位置から解放位置に向かって外側に向けると、遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)が遠位接地カム(114)及び近位接地カム(116)に追従するので、遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)が弾性的にたわむ。遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)が遠位接地カム(114)及び近位接地カム(116)の周りを通過すると、遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)は、遠位カンチレバーキャッチ(96)及び近位カンチレバーキャッチ(98)が左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)を、図13Cに示す解放位置へと付勢するティッピングポイントに到達する。解放位置では、各遠位カンチレバーキャッチ(96)はそれぞれ、各遠位接地カム(114)と係合し、各近位カンチレバーキャッチ(98)はそれぞれ、各近位接地カム(116)と係合して、左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)を解放位置に向かって外向きに付勢する。それにより、遠位ディテントカップリング(100)及び近位ディテントカップリング(102)は、より詳細に後述するように、エンドエフェクタ(212)(図16参照)の取り外し時に、アーム(55a、55b、55c)が不注意に内側に戻ってバットレス組立体(12)(図16参照)を捕えることを阻止するために、左側アクチュエータスレッド(52)及び右側アクチュエータスレッド(54)を解放位置に効果的に保持する。
【0040】
C.外科用ステープラへのバットレスの例示的な接着及び組織を有するバットレス組立体の切断
図14Aに関して上述し、より詳細に後述するように、上部及び下部バットレス組立体(12)は、それぞれのバットレス(14)をアンビル(218)の下面(216)及びステープルカートリッジ(222)のデッキ(220)に接着するための上部及び下部接着剤層(42)(又は他の形態の接着材料)を含む。そのような接着剤は、エンドエフェクタ(212)の作動前及び作動中にバットレス(14)の適切な位置付けを提供し、次いで、エンドエフェクタ(212)が作動した後に、バットレス(14)のその後の適切な機能を損なうのに実質的に十分である損傷をバットレス(14)に与えることなく、バットレス(14)がエンドエフェクタ(212)から分離することを可能にする。
【0041】
バットレスアプライヤカートリッジ(16)を使用してエンドエフェクタ(212)を装填するため、オペレータは、まず、図14Aに示すように、エンドエフェクタ(212)がバットレスアプライヤカートリッジ(16)の開放端部(18)と整列するように、バットレスアプライヤカートリッジ(16)及びエンドエフェクタ(212)を位置付ける。次いで、オペレータは、エンドエフェクタ(212)を遠位に前進させて(及び/又はバットレスアプライヤカートリッジ(16)を近位に後退させて)、アンビル(218)とステープルカートリッジ(222)との間にプラットフォーム(30)及びバットレス組立体(12)を位置付ける。エンドエフェクタ(212)にバットレス組立体(12)を装填するために、オペレータは、図14Bに示す状態に到達するために、アンビル(218)をステープルカートリッジ(222)に向かって枢動させることによって、エンドエフェクタ(212)を単に閉じる。
【0042】
図示のように、エンドエフェクタ(212)を平行なキャンバ配向に閉鎖すると、アンビル(218)及びステープル(222)がアクチュエータスレッド(32)に対して支えられ、それによってアーム(34)を付勢してバットレス組立体(12)をバットレスアプライヤカートリッジ(16)からロック解除する。上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)の接着剤層(42)は、アンビル(218)及びデッキ(220)に対して十分に圧縮されて、組織をステープル留めするために上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)をエンドエフェクタ(212)に対して保持する。パッド(72)は、バットレス組立体(12)の長手方向長さに沿った接着のために少なくとも所定の最小力の反動力を提供することによって、図15に示す平行キャンバ配向に適応する。バットレス組立体(12)をアンビル(218)及びステープルカートリッジ(222)上に付着させたら、オペレータは、図16に示すように、エンドエフェクタ(212)からバットレスアプライヤカートリッジ(16)を取り外す。
【0043】
図17A図17Cは、バットレス組立体(12)が装填されているエンドエフェクタ(212)を作動させて、2つの対向する組織層(T、T)を通して複数のステープル(224)を駆動し、バットレス組立体(12)がステープル(224)によって同じ組織層(T、T)に固定されるシーケンスを示す。具体的には、図17Aは、アンビル(218)とステープルカートリッジ(222)との間に位置付けられた組織層(T、T)を示し、アンビル(218)は、開位置にある。上部バットレス組立体(12)は、接着剤層(42)を介してアンビル(218)の下面(216)に接着され、下部バットレス組立体(12)は、接着剤層(42)を介してステープルカートリッジ(222)のデッキ(220)に接着される。したがって、組織層(T、T)は、バットレス組立体(12)の間に介在している。次に、図17Bに示すように、トリガ(図示せず)を枢動させてアンビル(218)を閉位置に駆動する。この段階において、上部及び下部バットレス組立体(12)は、組織層(T、T)の対向する表面を係合して、組織層(T、T)はアンビル(218)とステープルカートリッジ(222)との間で圧迫される。次いで、上述のようにエンドエフェクタ(212)を作動させ、上部及び下部バットレス組立体(12)及び組織(T、T)を通してステープル(224)を駆動する。図17Cに示すように、駆動されたステープル(224)のクラウン部(226)は、組織層(T)に接してバットレス組立体(12)を捕捉し保持する。ステープル(224)の変形した脚部(228)は、組織層(T)に接してバットレス組立体(12)を捕捉し保持する。
【0044】
一連のステープル(224)は、組織層(T、T)に接して、同様に上部バットレス組立体及び下部バットレス組立体(12)を捕捉し保持し、それによって、上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)を組織(T、T)に固定することを理解されたい。一実施例では、ナイフ(図示せず)がバットレス組立体(12)の中心線を切って、バットレス組立体(12)を対応する一対の区分に分離し、それにより、各区分は、図18に示すように、組織(T、T)のそれぞれの切断領域に固定されたままとなる。
【0045】
図18に関して、エンドエフェクタ(212)(図16参照)が、ステープル(224)及び上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)を配置した後に組織(T1、T2)から引き離されると、上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)は、エンドエフェクタ(212)との係合を解除し、それにより、上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)は、ステープル(224)で組織(T1、T2)に固定されたままとなる。したがって、バットレスが固定された組織(T、T)は、ステープル(224)のラインに構造的な補強を提供する。上記に加えて、本明細書に記載した様々なバットレス組立体のいずれもが、その開示は参照により本明細書に組み込まれる2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号の少なくともいくつかの教示に従って、更に構築され、動作可能であり得ることも理解されたい。
【0046】
図19図20は、オーバーキャンバ配向及びアンダーキャンバ配向など、エンドエフェクタ(212)の代替的なキャンバ配向に適応するパッド(72)を示す。図19に関して、エンドエフェクタ(212)をオーバーキャンバ配向に閉鎖すると、上述のように、アンビル(218)及びステープルカートリッジ(222)は、バットレスアプライヤカートリッジ(16)からバットレス組立体(12)をロック解除する。上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)の接着剤層(42)は、アンビル(218)及びデッキ(220)に対して十分に圧縮されて、組織をステープル留めするために上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)をエンドエフェクタ(212)に対して保持する。パッド(72)は、バットレス組立体(12)の長手方向長さに沿った接着のための少なくとも所定の最小力の反動力を提供することによって、オーバーキャンバ配向に適応する。
【0047】
同様に、図20は、アンビル(218)及びステープルカートリッジ(222)が、上述のようにバットレスアプライヤカートリッジ(16)からバットレス組立体(12)のロックを解除する結果となる、アンダーキャンバ配向へのエンドエフェクタ(212)の閉鎖を示す。上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)の接着剤層(42)は、アンビル(218)及びデッキ(220)に対して十分に圧縮されて、組織をステープル留めするために上部バットレス組立体(12)及び下部バットレス組立体(12)をエンドエフェクタ(212)に対して保持する。パッド(72)は、バットレス組立体(12)の長手方向長さに沿った接着のための少なくとも所定の最小力の反動力を提供することによって、アンダーキャンバ配向に適応する。
【0048】
II.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとして見なされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0049】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、(a)第1のバットレス組立体であって、(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、(ii)第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、第1の接着剤層をエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、第1のバットレスをエンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、を含む、第1のバットレス組立体と、(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、(i)ハウジングであって、第1の間隙がエンドエフェクタの第1の部分を受容するように構成されるように、ハウジングに沿って長手方向に延びる第1の間隙を画定するハウジングと、(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、プラットフォームが、第1の間隙に隣接して横断方向に露出し、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分が、横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、を含み、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分が、その上に第1のバットレス組立体を支持し、近位剛性及び遠位剛性で変形するように構成され、それにより、エンドエフェクタの様々なキャンバ配向に適応するためにエンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも所定の最小力の反動力を提供する、バットレスアプライヤカートリッジと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例2】
【0050】
(a)第2のバットレス組立体であって、(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第2のバットレスと、(ii)第2のバットレス上の第2の接着剤層であって、第2の接着剤層をエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、第2のバットレスをエンドエフェクタの第2の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第2の接着剤層と、を含む、第2のバットレス組立体と、(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、(i)第2の間隙がエンドエフェクタの第2の部分を受容するように構成されるように、ハウジングに沿って長手方向に延びる第2の間隙を画定するハウジングと、(ii)第1の間隙と第2の間隙との間で横断方向に露出しているプラットフォームと、を更に含み、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分が、第1のバットレス組立体及び第2のバットレス組立体をその対向する横断方向側部で支持し、近位剛性及び遠位剛性で変形するように構成され、それにより、エンドエフェクタの第2の部分に対するエンドエフェクタの第1の部分の様々なキャンバ配向に適応するために、エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも所定の最小力の反動力を提供する、バットレスアプライヤカートリッジと、を、更に備える、実施例1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例3】
【0051】
近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、近位横断方向深さが遠位横断方向深さ未満である、実施例1又は2に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例4】
【0052】
ププラットフォームが、遠位プラットフォーム部分から近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例5】
【0053】
プラットフォームが楔形状である、実施例1~4のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例6】
【0054】
プラットフォームが、プラットフォームパッドと、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分のうちの少なくとも1つにおける複数のレリーフと、を含み、複数のレリーフが、プラットフォーム内に異なる近位剛性と遠位剛性を生成するように構成されている、実施例1~5のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例7】
【0055】
複数のレリーフが複数のチャネルを含み、複数のチャネルが、プラットフォームパッド内に横断方向に延び、かつ近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びている、実施例6に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例8】
【0056】
プラットフォームパッドが、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びる複数のリブを含み、それにより複数のチャネルが複数のリブの間にそれぞれ画定されている、実施例7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例9】
【0057】
近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、近位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、近位横断方向深さが遠位横断方向深さ未満である、実施例8に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例10】
【0058】
プラットフォームパッドが、遠位プラットフォーム部分から近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、実施例9に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例11】
【0059】
プラットフォームパッドが楔形状である、実施例10に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例12】
【0060】
プラットフォームパッドが、弾性材料から一体的に形成されている、実施例6~11のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例13】
【0061】
ハウジングに接続され、複数の穴を画定する剛性ウェブ部分を有するシャーシを更に備え、剛性ウェブ部分がプラットフォームを通って横方向に延び、それにより、シャーシの剛性ウェブ部分をプラットフォームに固定する、実施例1~12のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例14】
【0062】
(a)ハウジングに動作可能に接続され、ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、拘束位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームに捕捉するように構成されており、解放位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームから取り外すために、プラットフォームから第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、アクチュエータスレッドと、(b)アクチュエータスレッドに動作可能に接続され、アクチュエータスレッドが拘束位置にあるときに拘束位置におけるアクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成されたディテントカップリングであって、ディテントカップリングが、アクチュエータスレッドが解放位置にあるときに、解放位置におけるアクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、ディテントカップリングと、を更に備える、実施例1~13のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例15】
【0063】
近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、近位横断方向深さが遠位横断方向深さと異なり、バットレスアプライヤカートリッジが、(a)ハウジングに動作可能に接続され、ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、拘束位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームに捕捉するように構成されており、解放位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームから取り外すために、プラットフォームから第1のバットレス組立体を解放するように構成されており、アクチュエータスレッドが、(i)第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列している遠位アームと、(ii)第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、近位プラットフォーム部分と長手方向に整列している近位アームと、を更に含み、遠位アームが近位アームに対して横断方向にオフセットされ、それにより、遠位アーム及び近位アームがそれぞれ、拘束位置において遠位プラットフォーム部分及び近位プラットフォーム部分において第1のバットレス組立体と係合する、アクチュエータスレッド、を更に備える、実施例1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例16】
【0064】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、(a)第1のバットレス組立体であって、(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、(ii)第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、第1のバットレスをエンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、を含む、第1のバットレス組立体と、(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、(i)ハウジングであって、第1の間隙がエンドエフェクタの第1の部分を受容するように構成されるように、ハウジングに沿って長手方向に延びる第1の間隙を画定する、ハウジングと、(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、プラットフォームが、第1の間隙に隣接して横断方向に露出している、プラットフォームと、を含み、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分が、その上に第1のバットレス組立体を支持する、バットレスアプライヤカートリッジと、(c)ハウジングに動作可能に接続され、ハウジングに対して第1の拘束位置から第1の解放位置まで選択的に移動するように構成された第1のアクチュエータスレッドであって、第1の拘束位置にある第1のアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームに捕捉するように構成され、第1の解放位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームから取り外すために、プラットフォームから第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、第1のアクチュエータスレッドと、(d)第1のアクチュエータスレッドに動作可能に接続され、第1のアクチュエータスレッドが第1の拘束位置にあるときに拘束位置における第1のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成された第1のディテントカップリングであって、第1のディテントカップリングが、第1のアクチュエータスレッドが第1の解放位置にあるときに、第1の解放位置における第1のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、第1のディテントカップリングと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例17】
【0065】
(a)第2のバットレス組立体であって、(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第2のバットレスと、(ii)第2のバットレス上の第2の接着剤層であって、第2の接着剤層をエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、第2のバットレスをエンドエフェクタの第2の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第2の接着剤層と、を含む、第2のバットレス組立体と、(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、(i)第2の間隙がエンドエフェクタの第2の部分を受容するように構成されるように、ハウジングに沿って長手方向に延びる第2の間隙を画定するハウジングと、(ii)第1の間隙と第2の間隙との間で横断方向に露出しているプラットフォームと、を更に含み、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分が、第1のバットレス組立体及び第2のバットレス組立体をその対向する横断方向側部上で支持する、バットレスアプライヤカートリッジと、を更に備える、実施例16に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例18】
【0066】
(a)ハウジングに動作可能に接続され、ハウジングに対して第2の拘束位置から第2の解放位置まで選択的に移動するように構成された第2のアクチュエータスレッドであって、第2の拘束位置にある第2のアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームに捕捉するように構成されており、第2の解放位置にあるアクチュエータスレッドが、第1のバットレス組立体をプラットフォームから取り外すために、プラットフォームから第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、第2のアクチュエータスレッドと、(b)第2のアクチュエータスレッドに動作可能に接続され、第2のアクチュエータスレッドが第2の拘束位置にあるときに拘束位置における第2のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成された第2のディテントカップリングであって、第2のディテントカップリングが、第1のアクチュエータスレッドが第2の解放位置にあるときに、第2の解放位置における第2のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、第2のディテントカップリングと、を更に備える、実施例16又は17に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例19】
【0067】
近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、近位横断方向深さが遠位横断方向深さとは異なり、第1のアクチュエータスレッドが、遠位アーム及び近位アームを更に含み、遠位アームが、第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列しており、近位アームが、第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ近位プラットフォーム部分と長手方向に整列しており、遠位アームが、遠位アーム及び近位アームがそれぞれ、拘束位置において遠位プラットフォーム部分及び近位プラットフォーム部分で第1のバットレス組立体と係合するように、近位アームに対して横断方向にオフセットしている、実施例16~18のいずれか1つ以上に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【実施例20】
【0068】
バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、(a)バットレス組立体であって、(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成されたバットレスと、(ii)バットレス上の接着剤層であって、接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、バットレスをエンドエフェクタの一部分に対して解放可能に接着するように構成されている、接着剤層と、を含む、バットレス組立体と、(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、(i)ハウジングであって、間隙がエンドエフェクタの一部分を受容するように構成されるように、ハウジングに沿って長手方向に延びる間隙を画定する、ハウジングと、(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、プラットフォームが、間隙に隣接して横断方向に露出され、バットレス組立体をその上に支持し、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分がそれぞれ、近位横断方向深さ及び遠位横断方向深さを有し、近位横断方向深さが遠位横断方向深さとは異なる、プラットフォームと、を含む、バットレスアプライヤカートリッジと、(c)ハウジングに動作可能に接続され、バットレス組立体をプラットフォームに拘束位置で選択的に捕捉するように構成されたアクチュエータスレッドであって、アクチュエータスレッドが、(i)バットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列した遠位アームと、(ii)バットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ近位プラットフォーム部分と長手方向に整列した近位アームと、を含み、遠位アームは近位アームに対して横断方向にオフセットされ、それにより、遠位アーム及び近位アームがそれぞれ、拘束位置で遠位プラットフォーム部分及び近位プラットフォーム部分においてバットレス組立体と係合する、アクチュエータスレッドと、を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【0069】
III.その他
本明細書に記載の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上を、本明細書に記載の他の教示、表現、実施形態、実施例などのうちのいずれか1つ以上と組み合わせることができる点が理解されるべきである。したがって、上記の教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して独立して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。このような改変及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0070】
上記に加えて、本明細書に記載の様々なバットレス組立体のいずれもが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2016年9月29日公開の「Method of Applying a Buttress to a Surgical Stapler」と題する米国特許出願公開第2016/0278774号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年2月23日発行の「Implantable Layers for a Surgical Instrument」と題する米国特許出願公開第2017/0049444号、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Compressible Adjunct with Crossing Spacer Fibers」と題する米国特許出願公開第2017/0086837号、及び、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Method for Applying an Implantable Layer to a Fastener Cartridge」と題する米国特許出願公開第2017/0086842号、更に構築され、動作可能であり得ることも理解されたい。更に、本明細書に記載の方法に加えて、本明細書に記載の様々なバットレス組立体のいずれもが、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2015年8月24日出願の「Method and Apparatus for Applying a Buttress to End Effector of a Surgical Stapler」と題する米国仮特許出願第62/209,041号、及び/又は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる2017年3月30日公開の「Method for Applying an Implantable Layer to a Fastener Cartridge」と題する米国特許出願公開第2017/0086842号、少なくともいくつかの教示に従って、エンドエフェクタ(212)に適用され得ることを理解されたい。本明細書の教示が上記の引用文献の様々な教示と組み合わされ得る様々な適切な方法が、当業者には明らかとなろう。
【0071】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0072】
上記のデバイスの変形形態は、医療専門家により行われる従来の医療処置及び手術における用途のみではなく、ロボット支援された医療処置及び手術における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムなどに容易に組み込まれ得る。
【0073】
上述のデバイスの変形形態は、1回の使用後に処分するように設計することができ、又はそれらは、複数回使用するように設計することができる。変形形態は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組み立て工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、デバイスのいくつかの変形形態は分解することができ、また、デバイスの任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定の部品の洗浄及び/又は交換後、デバイスのいくつかの変形形態を、再調整用の施設において、又は手技の直前にユーザによってのいずれかで、その後の使用のために再組み立てすることができる。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組み立てのための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、全て本発明の範囲内にある。
【0074】
単に一例として、本明細書に記載される変形形態は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、デバイスをプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及びデバイスを、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、デバイス上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次に、滅菌されたデバイスを、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0075】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。そのような可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0076】
〔実施の態様〕
(1) バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接して横断方向に露出し、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記横断方向に、それぞれ、近位剛性及び異なる遠位剛性を有する、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの様々なキャンバ配向(camber orientations)に適応するために前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(2) (a)第2のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成された前記ステープルを支持するように構成された第2のバットレスと、
(ii)前記第2のバットレス上の第2の接着剤層であって、前記第2の接着剤層を前記エンドエフェクタに対して少なくとも前記所定の最小力で係合すると、前記第2のバットレスを前記エンドエフェクタの第2の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第2の接着剤層と、を含む、第2のバットレス組立体と、
(b)前記バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)第2の間隙が前記エンドエフェクタの前記第2の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って前記長手方向に延びる前記第2の間隙を画定する前記ハウジングと、
(ii)前記第1の間隙と前記第2の間隙との間で前記横断方向に露出している前記プラットフォームと、
を更に含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記第1のバットレス組立体及び前記第2のバットレス組立体をその対向する横断方向側部で支持し、前記近位剛性及び前記遠位剛性で変形するように構成され、それにより、前記エンドエフェクタの前記第2の部分に対する前記エンドエフェクタの前記第1の部分の様々なキャンバ配向に適応するために、前記エンドエフェクタを受容しつつ、少なくとも前記所定の最小力の反動力を提供する、
前記バットレスアプライヤカートリッジと、
を更に備える、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(3) 前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さ未満である、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(4) 前記プラットフォームが、前記遠位プラットフォーム部分から前記近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、実施態様3に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(5) 前記プラットフォームが楔形状である、実施態様4に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【0077】
(6) 前記プラットフォームが、プラットフォームパッドと、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分のうちの少なくとも1つにおける複数のレリーフと、を含み、前記複数のレリーフが、前記プラットフォーム内に異なる前記近位剛性と前記遠位剛性を生成するように構成されている、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(7) 前記複数のレリーフが複数のチャネルを含み、前記複数のチャネルが、前記プラットフォームパッド内に横断方向に延び、かつ前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びている、実施態様6に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(8) 前記プラットフォームパッドが、前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分に沿って長手方向に延びる複数のリブを含み、それにより前記複数のチャネルが前記複数のリブの間にそれぞれ画定されている、実施態様7に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(9) 前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記近位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さ未満である、実施態様8に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(10) 前記プラットフォームパッドが、前記遠位プラットフォーム部分から前記近位プラットフォーム部分に向かって連続的にテーパがついている、実施態様9に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【0078】
(11) 前記プラットフォームパッドが楔形状である、実施態様10に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(12) 前記プラットフォームパッドが、弾性材料から一体的に形成されている、実施態様10に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(13) 前記ハウジングに接続され、複数の穴を画定する剛性ウェブ部分を有するシャーシを更に備え、前記剛性ウェブ部分が前記プラットフォームを通って横方向に延び、それにより、前記シャーシの前記剛性ウェブ部分を前記プラットフォームに固定する、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(14) (a)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、前記拘束位置にある前記アクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成されており、前記解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、アクチュエータスレッドと、
(b)前記アクチュエータスレッドに動作可能に接続され、前記アクチュエータスレッドが前記拘束位置にあるときに前記拘束位置における前記アクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成されたディテントカップリングであって、前記ディテントカップリングが、前記アクチュエータスレッドが前記解放位置にあるときに、前記解放位置における前記アクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、ディテントカップリングと、
を更に備える、実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(15) 前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さと異なり、前記バットレスアプライヤカートリッジが、
(a)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して拘束位置から解放位置まで選択的に移動するように構成されたアクチュエータスレッドであって、前記拘束位置にある前記アクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成されており、前記解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されており、前記アクチュエータスレッドが、
(i)前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、前記遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列している遠位アームと、
(ii)前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、前記近位プラットフォーム部分と長手方向に整列している近位アームと、
を更に含み、
前記遠位アームが前記近位アームに対して横断方向にオフセットされ、それにより、前記遠位アーム及び前記近位アームがそれぞれ、前記拘束位置において前記遠位プラットフォーム部分及び前記近位プラットフォーム部分において前記第1のバットレス組立体と係合する、
アクチュエータスレッド、を更に備える、
実施態様1に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
【0079】
(16) バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)第1のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成された第1のバットレスと、
(ii)前記第1のバットレス上の第1の接着剤層であって、前記第1の接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記第1のバットレスを前記エンドエフェクタの第1の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第1の接着剤層と、
を含む、第1のバットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、第1の間隙が前記エンドエフェクタの前記第1の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記第1の間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記第1の間隙に隣接して横断方向に露出している、プラットフォームと、
を含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、その上に前記第1のバットレス組立体を支持する、
バットレスアプライヤカートリッジと、
(c)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して第1の拘束位置から第1の解放位置まで選択的に移動するように構成された第1のアクチュエータスレッドであって、前記第1の拘束位置にある前記第1のアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成され、前記第1の解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、第1のアクチュエータスレッドと、
(d)前記第1のアクチュエータスレッドに動作可能に接続され、前記第1のアクチュエータスレッドが前記第1の拘束位置にあるときに前記拘束位置における前記第1のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成された第1のディテントカップリングであって、前記第1のディテントカップリングが、前記第1のアクチュエータスレッドが前記第1の解放位置にあるときに、前記第1の解放位置における前記第1のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、第1のディテントカップリングと、
を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(17) (a)第2のバットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成された前記ステープルを支持するように構成された第2のバットレスと、
(ii)前記第2のバットレス上の第2の接着剤層であって、前記第2の接着剤層を前記エンドエフェクタに対して少なくとも前記所定の最小力で係合すると、前記第2のバットレスを前記エンドエフェクタの第2の部分に対して解放可能に接着するように構成されている、第2の接着剤層と、を含む、第2のバットレス組立体と、
(b)前記バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)第2の間隙が前記エンドエフェクタの前記第2の部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って前記長手方向に延びる前記第2の間隙を画定する前記ハウジングと、
(ii)前記第1の間隙と前記第2の間隙との間で前記横断方向に露出している前記プラットフォームと、
を更に含み、
前記近位プラットフォーム部分及び前記遠位プラットフォーム部分が、前記第1のバットレス組立体及び前記第2のバットレス組立体をその対向する横断方向側部上で支持する、
前記バットレスアプライヤカートリッジと、
を更に備える、実施態様16に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(18) (a)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記ハウジングに対して第2の拘束位置から第2の解放位置まで選択的に移動するように構成された第2のアクチュエータスレッドであって、前記第2の拘束位置にある前記第2のアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームに捕捉するように構成されており、前記第2の解放位置にあるアクチュエータスレッドが、前記第1のバットレス組立体を前記プラットフォームから取り外すために、前記プラットフォームから前記第1のバットレス組立体を解放するように構成されている、第2のアクチュエータスレッドと、
(b)前記第2のアクチュエータスレッドに動作可能に接続され、前記第2のアクチュエータスレッドが前記第2の拘束位置にあるときに前記拘束位置における前記第2のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように構成された第2のディテントカップリングであって、前記第2のディテントカップリングが、前記第1のアクチュエータスレッドが前記第2の解放位置にあるときに、前記第2の解放位置における前記第2のアクチュエータスレッドの移動を阻止するように更に構成されている、第2のディテントカップリングと、
を更に備える、実施態様16に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(19) 前記近位プラットフォーム部分が近位横断方向深さを有し、前記遠位プラットフォーム部分が遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さとは異なり、前記第1のアクチュエータスレッドが、遠位アーム及び近位アームを更に含み、前記遠位アームが、前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ前記遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列しており、前記近位アームが、前記第1のバットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ前記近位プラットフォーム部分と長手方向に整列しており、前記遠位アームが、前記遠位アーム及び前記近位アームがそれぞれ、前記拘束位置において前記遠位プラットフォーム部分及び前記近位プラットフォーム部分で前記第1のバットレス組立体と係合するように、前記近位アームに対して横断方向にオフセットしている、実施態様16に記載のバットレスアプライヤカートリッジ組立体。
(20) バットレスアプライヤカートリッジ組立体であって、
(a)バットレス組立体であって、
(i)組織に接して受容され、その中に形成されたステープルを支持するように構成されたバットレスと、
(ii)前記バットレス上の接着剤層であって、前記接着剤層を外科用ステープラのエンドエフェクタに対して少なくとも所定の最小力で係合すると、前記バットレスを前記エンドエフェクタの一部分に対して解放可能に接着するように構成されている、接着剤層と、
を含む、バットレス組立体と、
(b)バットレスアプライヤカートリッジであって、
(i)ハウジングであって、間隙が前記エンドエフェクタの前記一部分を受容するように構成されるように、前記ハウジングに沿って長手方向に延びる前記間隙を画定する、ハウジングと、
(ii)近位プラットフォーム部分から遠位プラットフォーム部分まで長手方向に延び、前記ハウジングに動作可能に接続されたプラットフォームであって、前記プラットフォームが、前記間隙に隣接して横断方向に露出され、前記バットレス組立体をその上に支持し、近位プラットフォーム部分及び遠位プラットフォーム部分がそれぞれ、近位横断方向深さ及び遠位横断方向深さを有し、前記近位横断方向深さが前記遠位横断方向深さとは異なる、プラットフォームと、
を含む、バットレスアプライヤカートリッジと、
(c)前記ハウジングに動作可能に接続され、前記バットレス組立体を前記プラットフォームに拘束位置で選択的に捕捉するように構成されたアクチュエータスレッドであって、前記アクチュエータスレッドが、
(i)前記バットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ前記遠位プラットフォーム部分と長手方向に整列した遠位アームと、
(ii)前記バットレス組立体に向かって横方向に延び、かつ前記近位プラットフォーム部分と長手方向に整列した近位アームと、
を含み、
前記遠位アームが前記近位アームに対して横断方向にオフセットされ、それにより、前記遠位アーム及び前記近位アームがそれぞれ、前記拘束位置で前記遠位プラットフォーム部分及び前記近位プラットフォーム部分において前記バットレス組立体と係合する、
アクチュエータスレッドと、
を備える、バットレスアプライヤカートリッジ組立体。
図1
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