(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】閉じた段階で壁に自動的に位置合わせされる格納式スライドドア
(51)【国際特許分類】
E05D 15/06 20060101AFI20240508BHJP
E06B 3/46 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
E05D15/06 119
E05D15/06 124A
E06B3/46
(21)【出願番号】P 2021539913
(86)(22)【出願日】2019-12-24
(86)【国際出願番号】 EP2019025483
(87)【国際公開番号】W WO2020143898
(87)【国際公開日】2020-07-16
【審査請求日】2022-12-12
(31)【優先権主張番号】102019000000460
(32)【優先日】2019-01-11
(33)【優先権主張国・地域又は機関】IT
(73)【特許権者】
【識別番号】519206287
【氏名又は名称】テルノ・スコレヴォリ・エスピーエー・ユニペルソナレ
(74)【代理人】
【識別番号】110001737
【氏名又は名称】弁理士法人スズエ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】フォルナサリ、パオロ
【審査官】油原 博
(56)【参考文献】
【文献】実開昭62-061882(JP,U)
【文献】実開平04-129370(JP,U)
【文献】実開平01-153088(JP,U)
【文献】国際公開第2015/033270(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E05D 15/06、15/10
E06B 3/46
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
閉じた段階で壁(12)に自動的に位置合わせされ、前記壁に沿って作られた通り抜けられる空間(14)を交互に開閉するのに適した格納式スライドドア(10)であって、
前記ドア(10)の下底部で開閉をガイドするように床に固定された下部ガイド(18)と、
前記ドア(10)の上天部で開閉をガイドするように前記壁(12)に支持梁を形成する上部ガイド(20)と
を備え、
前記上部ガイド(20)は、シャフト(56)によって支持され、キャリッジを形成するためにフレーム(62)と結合された2対以上のホイール(54)及び単一のホイール(58)のスライドトラックを構成する一対の突出部(50、52)及び
突起物(60)を備え、
前記下部ガイド(18)は、前記ドア(10)の下底部に沿って作られた、直線部とその端部に円弧状の折曲げ部が形成される混合線延長部を備えた成形チャネル(26)内に取り付けられて相互作用に適したローラ(24)を備え、
前記上部ガイド(20)は、前記成形チャネル(26)
の前記混合線延長部と同一かつ平行な
直線部とその端部に円弧状の折曲げ部が形成される混合線構成を有する成形チャネル(78)を備え、
前記ドア(10)の上天部は、端部に固定された前記キャリッジを構成する前記フレーム(62)に吊り下げるための手段
として、それぞれの反対方向に向いた対向するピン(70)が突出する対向するプレート(66、68)
を備え、
前記ドア(10)は、フォイル(64)の介在を伴って前記フレーム(62)に吊り下げられ、
前記フォイル(64)の下縁部には、前記プレート(66、68)の前記ピン(70)
が挿入される、対向する相補的な襞又は係合座部(72)襞の環が設けられている
ことを特徴とする、スライドドア。
【請求項2】
前記下部ガイド(18)は、「U」断面の外形からなり、
前記下部ガイド(18)の基部(18’)は、対向する側壁に対して一方の側に突出し、かつ、延長部(28)を形成し、前記延長部(28)から前記ローラ(24)が上方に延び、
前記ローラ(24)は、前記基部(18’)の前記延長部(28)に固定されることを特徴とする、請求項1に記載のスライドドア。
【請求項3】
前記ドア(10)の
前記上天部に固定された前記プレート(68)が、前記ドアの前記
壁(12)の反対側の背面の方向に向けられた一体型延長部(74)を画定し、
前記一体型延長部(74)から前記上部ガイド(20)の前記成形チャネル(78)に沿ってスライドするローラ(76)が、上方に突出していることを特徴とする、請求項1に記載のスライドドア。
【請求項4】
前記ドア(10)の前記
下底部に沿って作られた、前記
混合線延長部を備える成形チャネル(26)と、前記上部ガイド(20)に配置された前記成形チャネル(78)とが、前記ドア(10)の実質的に全幅にわたって直線状の延長部を画定し、それぞれの円弧状の折曲げ部(30)及び(82)を一端に形成することを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のスライドドア。
【請求項5】
前記円弧状の折曲げ部(30)を
形成する端部が、平坦でわずかに隆起した面(32)
を上部面に画定し、その上に、成形プレート(38)をねじ(36)で固定するための2つ以上の通り穴(34)が作られ、前記成形プレート(38)は、その下部面に前記成形プレート(38)に水平かつ平行に配置された空転するホイール(40)
のための支持体を形成することを特徴とする、請求項4に記載のスライドドア。
【請求項6】
前記ホイール(40)の近くの、前記成形プレート(38)の同じ下部面には、前記下部ガイド(18)
の垂直壁の1つに沿って延びる強磁性テープ(48)と協働するように設計された磁石(44)が取り付けられていることを特徴とする、請求項5に記載のスライドドア。
【請求項7】
前記フォイル(64)が、互いにボルト留めされた2つの重なり合う要素でできており、前記フォイルの前記上縁部には、前記フレーム(62)への接続ピンと同じ数だけ対向する係合座部を形成する襞の環が設けられていることを特徴とする、請求項1に記載のスライドドア。
【請求項8】
前記ドア(10)と、前記下部ガイド(18)及び前記上部ガイド(20)と、前記フォイル(64)に接続された前記フレーム(62)とから
形成されたアセンブリは、対向する垂直直立部(84)によってコンパクトなブロックに組み立てられることを特徴とする、請求項1に記載のスライドドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閉じた段階で壁に自動的に位置合わせ(アライメント)される格納式スライドドアに関する。
【0002】
より具体的には、本発明は、上記で定義されたような格納式スライドドアに関し、空間の遮蔽要素を構成するドアは、閉じたときに、通り抜けられる開口部が作られた壁の対向する垂直縁部と自動的に位置合わせするように構成され動かされる。
【背景技術】
【0003】
周知のように、スライドドアは、空間を占有することなく、特に2つの隣接する部屋の間の開口部を一時的に閉じるために広く使用されている。実際、このようなドアは、通り抜けられる開口部が作られている壁に平行にスライドするように動かされるため、開いている間に角度的に突出することはない。通常、これらのスライドドアは格納式である。これは、相対的なドアが開いたときに壁の厚さに作られた特別な座部に収容されるためである。従来、ドアはまっすぐなガイドに沿って動き、ドアを収容する壁の厚さよりも大幅に薄い厚さを有する。1つの部屋とそれに隣接する部屋との間の通り抜けられる空間を閉じるように動かされると、ドアは壁の両側で後方に配置され、位置がずれてしまう。その結果、ドアがすぐに見えてしまうことから、このような壁の延長部には顕著な不連続性が生じる。
【0004】
米国特許第6926867号は、湾曲したチャネルを備えたフレームの上部アームから吊り下げられるリーフを備えたスライドドアを作る解決策を開示している。ドアが閉じられると、リーフはフレームの内側に向かって移動し、ガスケットに押し付けられて前記フレームとの気密シールを提供する。ベルギー特許第419334号は、互いに接続された金属形材で構成された水平スライドフレームを有する金属窓に関する。フレームの上部ウィングに沿った一連のノッチにより、フレームを瞬時に取り外すことができる。そのフレームは持ち上げられ、横方向に移動される。スイス特許第542982号は、リフト及び商品リフト用の自動ドアを形成するように設計された水平方向にスライドするドアを開示しており、各リーフのローラは、「V」セクションを有する支持レールの分岐部と協働する2つの凸状外形の回転環状面を有する。
【0005】
このタイプのドアの進化した、かつ評価された実施形態は、閉じる位置へと動かされると、そのような壁に作られた通路を遮った後に、壁と完全に位置合わせされることが必要である。その結果生じる全体的に滑らかな表面上で唯一検出可能な基準となるのは、ユーザがスライドドアを手で握って動かし、開閉できるようにする小さな凹みである。ドアが完全に開いているとき、ドアは、壁の厚さに作られた前述の座部に挿入されているため、見えない。しかしながら、この周知の解決策には、大きな欠点がある。それは、リーフを片持ち梁で支持するために、2つの安定化バー又はアームが上部でヒンジ接続されたキャリッジを支持するフレームを準備して使用しなければならないためである。ドアの下部にも同様の構成要素があり、非常に複雑な機械的グループを形成しており、取り扱い時に重大な局面を引き起こす可能性がある接合部を有している。
【0006】
それはまた、多くの調整及びメンテナンス作業を伴う機構であり、組積に適合させるために手間のかかる調整作業が必要なことが多く、その結果、コストが高くなってしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【文献】米国特許第6926867号明細書
【文献】ベルギー国特許発明第419334号明細書
【文献】スイス国特許発明第542982号明細書
【発明の概要】
【0008】
本発明の目的は、上記の欠点を克服することである。
【0009】
より具体的には、本発明の目的は、閉じた段階で壁に自動的に位置合わせされる格納式スライドドアを提供することであり、動作機構は構造的に単純であり、組み立て中の複雑な調整、又は構成要素のメンテナンスもしくは注油さえも必要としない。
【0010】
本発明の別の目的は、設置中に既存の組積造壁構造に容易に適合させることができる格納式スライドドアを提供することである。
【0011】
本発明のまさに重要な目的は、その動きによって、設置されている部屋の床にぶつかって損傷を与える危険性が排除された格納式スライドドアを提供することである。
【0012】
本発明のさらなる目的は、長期間にわたって高いレベルの抵抗性及び信頼性を確保するのに適しており、さらに、簡単かつ経済的に製造するのに適した格納式スライドドアをユーザが利用できるようにすることである。
【0013】
これらの目的及び他の目的は、主請求項による本発明の格納式スライドドアによって達成される。
【0014】
本発明の格納式スライドドアの構造及び機能特性は、好ましい非限定的な実施形態を示す添付の図面を参照する以下の詳細な説明からより明確に理解できるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【
図1】壁に沿って完全に閉じた状態で配置された本発明のスライドドアを不等角投影図で概略的に示す。
【
図2】前記壁に沿ってほぼ完全に開いた状態の同じスライドドアを不等角投影図で概略的に示す。
【
図3】壁から後方位置にあるドアを示す、
図2の拡大詳細図である。
【
図4】相対的な上部キャリッジ及び下部ガイドを有する本発明のスライドドアを不等角投影図で概略的に示す。
【
図5】スライドドアの下部ガイドの拡大詳細を不等角投影図で概略的に表す。
【
図6】下部ガイドの一部とともに、
図5の構成要素の一部を分解図で概略的に表す。
【
図7】前記下部ガイドの90°回転した側面図を概略的に示す。
【
図9】支持梁への接続のための相対的手段が上部に配置されているスライドドアの不等角投影図を概略的に表す。
【
図12】下から見た、同じスライドドアの基部に一体化された下部スライドガイドを不等角投影図で概略的に示す。
【
図13】同じスライドドアのさらなる図を概略的に表し、その上部キャリッジ及び下部ガイドを分解図で表す。
【
図15】
図13によるドアの上部の拡大詳細図を概略的に表す。
【
図16】ドア、その上部及び下部ガイド、並びに横方向直立部の分解図を概略的に示す。
【
図17】組み立てられ、完全に閉じた状態のドアを概略的に示す。
【
図18】スライドドア及び前記ドアの上部支持梁を下から示す。
【
図19】スライドドアの上部ガイドを一体化した前記梁の断面を概略的に示す。
【
図20】部分的に開いたスライドドアを正面図で概略的に示す。
【
図21】前記ドアの部分的に開いた状態を強調するために、スライドドア及び支持フレームの上部梁を、下から見た図で概略的に示す。
【
図22】支持フレームに対して完全に開いた状態のスライドドアを正面図で概略的に示す。
【
図23】ドアの全開状態を強調するために、スライドドア及び支持フレームの上部梁を、下から見た図で概略的に示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1から
図3を最初に参照すると、参照符号10で示される本発明の格納式スライドドアは、壁12に沿って配置され、前記壁に沿って作られた通り抜けられる空間14を交互に開閉するように設計されている。前記空間が完全に遮蔽されている閉状態では、スライドドア10は、
図1に16として示された前記壁の少なくとも前面又は露出面で壁12と完全に位置合わせされている。通り抜けられる空間14を通ってアクセスできるようにするために、ドアが開かれると、この位置合わせは失われる。これは、
図2及び
図3に拡大詳細図で示すように、前記ドアが横方向にわずかに移動し、次いで壁12の反対側の背面に並列するように平行移動されるからである。既知の実施形態によれば、ドア10が開かれると、ドア10は、壁の厚さに作られた特別な座部内に配置することもできる。
【0017】
本発明によれば、典型的には中空のコアリーフ又は他の適切な材料からなる格納式スライドドア10は、その動きの間は、それぞれの下部及び上部ガイドによって案内される。下部及び上部ガイドは、
図4、
図5に18として、また、
図16及び
図19に20としてそれぞれ示されている。
【0018】
詳細には、下部ガイド18は、例えば押出しアルミニウムで作られた金属形材で形成され、実質的に「U」字型の断面を有し、相対的な拡張栓を有する従来のねじによって床に固定するための通り穴が基部に設けられている。ローラ24は、
図4及び
図14に見られるように、下部ガイド18に固定され、基部18’から上方に突出し、前記ガイドの床に当接するようになっている。前記基部18’は、特に
図14Aから分かるように、対向する側壁に対して下部ガイド18から片側に突出し、前記図に見られる延長部28を形成する。基部14’のこの延長部28からは、ローラ24が上方に突出しており、ローラ24は、基部において、前記ドアに取り付けられている成形チャネル26の内側に配置されるため、ローラ24はドア10のスライドを案内する機能を有する。特に、下部ヘッドから見たドア10を示す
図12から分かるように、成形チャネル26は、前記ドアの厚さに作られ、ローラ24を収容するための「U」字型を画定している。成形チャネル26は、混合線の直線延長部を伴って、実質的にドア10の全幅にわたって延びている。一端において、成形チャネル26は、壁12の背面の方向、すなわち
図1に16として示されている面の反対側の方向に向けられた円弧状の折曲げ部30を形成する。
【0019】
円弧状の折曲げ部30を形成する端部は、上面に平坦でわずかに隆起した面32を画定し、その上に、
図5及び
図6に詳細に示された成形プレート38をねじ36で固定するための2つ以上の通り穴34が作られる。成形プレート38は、その下部面に前記成形プレート38に水平かつ平行に配置されたホイール40のための支持体を形成する。空転するホイール40は、リベット42等で固定されており、その転動面は、摩擦防止材及び吸音材でできていることが好ましい。特に
図6、
図7及び
図8から分かるように、ホイール40の近くの、成形プレート38の同じ下部面には、磁石44、好ましくはネオジム磁石がねじ46を用いて接続されており、下部ガイド18の垂直壁の1つに沿って延びて既知の方法でその中で安定化されている強磁性テープ48と協働するようになっている(
図4、
図5及び
図13)。磁石44は、下部ガイド18内のテープ48との磁気的な接続から生じる、ドア10のスライド時の一定の安定性を保証する。好ましくは、
図5及び
図13から分かるように、テープ48は、一端でその垂直方向の延長部を減らし、先細りになり、ローラ24に向いて傾向的に尖った部分で終わる。これにより、磁気吸引効果を修正することができ、これを低減して、ドア10を開くときに動かしやすくする。
【0020】
支持梁を形成する上部ガイド20は、垂直方向に向けられた実質的に長方形の断面を有する箱形の外形からなり、その上部には、横方向に延びるシャフト56によって支持されるホイール54の対と同数のスライドトラックを構成する、長手方向に延びる一対の突出部50、52が作られている。キャリッジは、上部ガイド20内で長手方向に延びる2対以上のホイール又は軸受54を支持する金属フレーム62によって画定される。
図19は、特に、ホイール54の配置、並びに追加のホイール58の配置を詳細に示しており、好ましい実施形態によれば、ホイール58は、前記ホイール54同士の間に配置され、突出部50及び52の上方でガイド20内に作られた突起物60に沿って案内される。フォイル64は、金属フレーム62に接続されており、このフォイルは、ヒンジ接続された、すなわち関節式に接続された下方のドア10の方向に延びている。フォイル64は、有利なことに、互いにボルトで固定された2つの重なり合う要素で作られ、これらの要素は、設置段階でドア10の傾斜を最初に調整し、壁12上に作られた通り抜けられる空間14と正確に位置合わせさせることができるように、互いに対して平行移動させることができる。フォイル64の下縁部に沿って、ドア10によって支持されるピンのために、
図16Aに72として示される対向する相補的なパッカ又は係合座部を形成するパッカリングが作られる。
【0021】
前述のヒンジ接続に応じて、ドア10の上部ヘッドには、対向する側端部にそれぞれのプレート66、68(
図10及び
図11)が設けられ、そのそれぞれは、ピン70が係合された上方に突出する付属部を備える。反対方向に向いたピン70は、ドア10の上部ヘッド上で互いに対向し、前記ドアとフォイル64との間の関節式接続を実現するための手段である。フォイル64の上縁部にも、パッカリングが設けられており、そのパッカリングは、前記フォイルがフレーム62に接続される前記ピン70と同様のピンのために、対向する相補的なパッカ又は係合座部を形成する。
【0022】
プレート68は、
図11に示すように、前記ドアの背面の方向に向けられた一体型延長部74を画定し、そこから下部ガイド18のローラ24と同様のローラ76が上方に突出するが、この場合、固定されているのではなくドア10とともに移動可能である。ローラ76は、実際には、ドア10を開閉時に案内する機能を有し、
図19に概略的に示すように、上部ガイド20に作られてそこに既知の方法で固定された成形チャネル78に沿ってスライドする。前記成形チャネルは、
図21及び
図23で部分的に見ることができ、その湾曲端部が82として示されている。その湾曲端部は、ドア10の下部ヘッドに沿って作られ、かつ、
図7、
図8及び
図12に概略的に示されている成形チャネル26の湾曲端部30と同じ構成を画定する。成形チャネル78は、ドア10の下部ヘッドに沿って作られた成形チャネル26(
図12)のように、実質的にドア10の全幅にわたって直線的なパターンでその延長部の残りの部分が延びている。
【0023】
ドア10と、下部ガイド18及び上部ガイド20と、フォイル64と、キャリッジを画定するフレーム62とによって形成されたアセンブリは、対向する垂直直立部84(
図16)によって、コンパクトなブロックに組み立てられる。垂直直立部84は、地面に置かれ、ブラケット又は同等の手段を用いて壁構造又は石膏ボードの壁に組み込まれた木製又は金属フレームに既知の方法で固定される。
【0024】
組み立てられると、ドア10は、キャリッジを画定するフレーム62に吊り下げられてヒンジ接続され、結果的に、上部ガイド20にヒンジ接続される。開閉時の動きにおいて、ドア10は、ピン70が挿入された座部72で、フォイル64によって形成されたヒンジに応じて揺動する傾向がある。前記ドアは、ガイドローラ24及び76のおかげで、成形チャネル26及び78の直線部及び最終湾曲部30又は82の両方に沿って、床に対して常に完全に直交している。成形チャネル26の折曲げ部30及び成形チャネル80の折曲げ部82によって、ドア10は、開放段階で、壁12の露出面16に対して最初に後方に移動せざるを得ない。
【0025】
図18、
図21及び
図23は、下部ガイド18の成形チャネル26内のローラ24の漸進的な動き、及びドア10が閉じているとき(
図17)、半開きであるとき(
図20)、又は全開であるとき(
図22)に前記ローラが配置される位置を示す。開閉時の揺動運動は、ドア10が数ミリメートル上昇することを可能にし、それにより、開閉中の床との接触を回避し、したがって、前記床に傷跡をつけたり、損傷を与えたりする可能性のあるリスクを回避する。特に、ドア10は、その「振り子」運動に応じて持ち上げられる。実際、下死点から移動すると、この運動によってドアが持ち上げられるため、床から離れて摩擦が回避される。
【0026】
ローラ24が下部ガイド18の非直線部30に入るときに、ヒンジ点に対して片持ちになっているドアの重さによって、ドアがスライド方向に対して横方向に押される。片持梁から得られる横方向の推力によっても、ドアはエンドストップに向かって自動的に動く。したがって、ドアは、閉鎖エンドストップから短い距離内にあるとき、その重さに応じて自動的に閉じる。
【0027】
上記から分かるように、本発明が達成する利点は明らかである。
【0028】
本発明の格納式スライドドアでは、動作機構は全体として構造的に単純であり、組み立て中の複雑な調整、又は構成要素のその後のメンテナンス又は注油を必要としない。前記ドアはまた、設置中に既存の壁構造に容易に適合させることができ、開閉中のドアの動きは、ドアが設置されている部屋の床にぶつかって損傷を与える危険性を伴わない。さらに、同じドア10は、有利なことに、エンドストップに近いときに、その重さによって実質的に自動的に閉じることができる。
【0029】
本発明は、非限定的な例としてのみ、その好ましい実施形態のうちの1つを特に参照して上述してきたにもかかわらず、上記の説明に照らして、多数の修正及び変形が当業者には明らかになるであろう。したがって、本発明は、以下の特許請求の範囲内に入るすべての修正及び変形を包含することを企図するものである。