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特許7483753超音波ブレード及びクランプアーム整合設計
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】超音波ブレード及びクランプアーム整合設計
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/32 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
A61B17/32 510
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2021564520
(86)(22)【出願日】2020-04-13
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2022-07-05
(86)【国際出願番号】 IB2020053470
(87)【国際公開番号】W WO2020222057
(87)【国際公開日】2020-11-05
【審査請求日】2023-04-13
(31)【優先権主張番号】16/398,621
(32)【優先日】2019-04-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】506157570
【氏名又は名称】シラグ・ゲーエムベーハー・インターナショナル
【氏名又は名称原語表記】Cilag GMBH International
(74)【代理人】
【識別番号】100088605
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 公延
(74)【代理人】
【識別番号】100130384
【弁理士】
【氏名又は名称】大島 孝文
(72)【発明者】
【氏名】オルソン・ウィリアム・エイ
【審査官】羽月 竜治
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2015/0164532(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2017/0056059(US,A1)
【文献】米国特許出願公開第2018/0042637(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
超音波外科用器具であって、
(a)シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリから遠位に延びるエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波ブレード、
(ii)前記超音波ブレードに対して移動可能に固定されたクランプアームであって、それを通って長手方向に延びるほぞ穴を有する、クランプアーム、及び
(iii)前記クランプアームに接続されたクランプパッドであって、
(A)前記長手方向に延び、組織を前記超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、
(B)前記パッド本体に固定され、前記ほぞ穴内に受け入れられるほぞと、を含む、クランプパッドを含み、前記ほぞが、
(I)前記パッド本体から横断方向に延び、前記長手方向及び前記横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、
(II)前記レールから前記横断方向に延び、前記横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、前記第2の横幅が、前記第1の横幅よりも大きく、前記クランプアーム内で固定するために前記クランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、
(III)前記ほぞが前記ほぞに沿って前記長手方向に所定の横ばね定数を有するように、前記支持基部又は前記レールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、
前記ほぞの前記所定の横ばね定数は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるとき、所定の圧力分配に従って、前記パッド本体に沿って前記長手方向に圧力を分配するように構成されている、超音波外科用器具。
【請求項2】
前記ほぞの前記レール及び前記支持基部が、一体的に形成されている、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項3】
前記ほぞ及び前記パッド本体が一体的に形成されている、請求項2に記載の超音波外科用器具。
【請求項4】
前記支持基部が、前記レールから前記横断方向に突出する複数の弾性基部部材を含む、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項5】
前記複数の弾性基部部材が、間に前記複数の開口部をそれぞれ画定するように互いに離間した弾性基部部材の長手方向列を有する、請求項4に記載の超音波外科用器具。
【請求項6】
前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部を通って前記横方向に延びる、請求項5に記載の超音波外科用器具。
【請求項7】
前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部の前記第2の横幅の全体にわたって前記横方向に延びる、請求項6に記載の超音波外科用器具。
【請求項8】
前記支持基部が、前記複数の弾性基部部材と前記レールとの間に延びるバットレスを更に含む、請求項4に記載の超音波外科用器具。
【請求項9】
前記複数の弾性基部部材のそれぞれが、前記パッド本体に対して所定のピッチで前記横断方向及び前記長手方向に近位に突出し、前記複数の弾性基部部材のそれぞれが、前記横断方向及び前記長手方向に前記所定の横ばね定数に従って弾性的に偏向するように構成されている、請求項4に記載の超音波外科用器具。
【請求項10】
前記支持基部が、前記長手方向に延びる細長い支持部材と、前記レールと前記細長い支持部材との間に前記横断方向に延びる複数の支柱部材とを有する、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項11】
前記複数の開口部が、前記複数の支柱部材の間でそれぞれ前記支持基部を通って前記横方向に延びる、請求項10に記載の超音波外科用器具。
【請求項12】
前記複数の開口部が、前記支持基部及び前記レールを通って前記横方向に延びる、請求項11に記載の超音波外科用器具。
【請求項13】
前記クランプパッドは、過負荷面を更に含み、前記パッド本体は、前記支持基部によって前記所定の横ばね定数で支持されている間に、第1の位置から第2の位置に向かって偏向するように構成されており、前記第1の位置の前記過負荷面が、前記クランプアームから係合解除されており、前記第2の位置の前記過負荷面が、前記パッド本体を更に支持するために前記クランプアームと係合されている、請求項1に記載の超音波外科用器具。
【請求項14】
前記パッド本体が、前記パッド本体上に第2の肩部を画定するために、前記第1の横幅よりも大きい第3の横幅を有し、前記第2の肩部は、前記クランプアームに向かって前記横断方向に面し、その上に前記過負荷面を有する、請求項13に記載の超音波外科用器具。
【請求項15】
超音波外科用器具のためのクランプパッドであって、
(a)長手方向に延び、組織を前記超音波外科用器具の超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、
(b)前記パッド本体に固定され、クランプアームのほぞ穴内に受け入れられるように構成されたほぞと、を備え、前記ほぞが、
(i)前記パッド本体から横断方向に延び、前記長手方向及び前記横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、
(ii)前記レールから前記横断方向に延び、前記横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、前記第2の横幅が、前記第1の横幅よりも大きく、前記クランプアーム内で固定するために前記クランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、
(iii)前記ほぞが前記ほぞに沿って前記長手方向に所定の横ばね定数を有するように、前記支持基部又は前記レールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、
前記ほぞの前記所定の横ばね定数は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるとき、所定の圧力分配に従って、前記パッド本体に沿って前記長手方向に圧力を分配するように構成されている、クランプパッド。
【請求項16】
前記ほぞ及び前記パッド本体が、一体的に形成されている、請求項15に記載のクランプパッド。
【請求項17】
前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部を通って前記横方向に延びる、請求項15に記載のクランプパッド。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
様々な外科用器具が、組織を(例えば、組織細胞内のタンパク質を変性させることにより)切断及び/又は封止するために、超音波周波数で振動するブレード素子を有するエンドエフェクタを含む。これらの器具は、電力を超音波振動に変換する1つ又は2つ以上の圧電素子を含んでおり、これらの振動は、音響導波管に沿ってブレード素子に伝達される。切断及び凝固の精度は、操作者の技術により、並びに電力レベル、ブレードエッジ角度、組織牽引、及びブレード圧力を調節することにより、制御され得る。ブレード要素を駆動するために使用される電力レベルは、組織のインピーダンス、組織の温度、組織の厚み及び/又は他の要因などの感知されたパラメータに基づいて、(例えば、リアルタイムで)変化させてもよい。器具の中には、組織をブレード要素で把持するためのクランプアーム及びクランプパッドを有するものがある。
【0002】
超音波外科用器具の例としては、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesが挙げられ、これらはいずれもEthicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)製である。そのようなデバイス及び関連する概念の更なる例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,322,055号、名称「Clamp Coagulator/Cutting System for Ultrasonic Surgical Instruments」(1994年6月21日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,873,873号、名称「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Mechanism」(1999年2月23日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第5,980,510号、名称「Ultrasonic Clamp Coagulator Apparatus Having Improved Clamp Arm Pivot Mount」(1999年11月9日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,283,981号、名称「Method of Balancing Asymmetric Ultrasonic Surgical Blades」(2001年9月4日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,309,400号、名称「Curved Ultrasonic Blade having a Trapezoidal Cross Section」(2001年10月30日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,325,811号、名称「Blades with Functional Balance Asymmetries for use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2001年12月4日);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,423,082号、名称「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」(2002年7月23日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,773,444号、名称「Blades with Functional Balance Asymmetries for Use with Ultrasonic Surgical Instruments」(2004年8月10日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,057,498号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」(2011年11月15日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,461,744号、名称「Rotating Transducer Mount for Ultrasonic Surgical Instruments」(2013年6月11日公開)、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第8,591,536号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument Blades」(2013年11月26日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,623,027号、名称「Ergonomic Surgical Instruments」(2014年1月7日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第8,911,460号、名称「Ultrasonic Surgical Instruments」(2014年12月16日公開)、及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,023,071号、名称「Ultrasonic Device for Fingertip Control」(2015年5月5日公開)に開示されている。
【0003】
超音波外科用器具のなお更なる例は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許出願公開第2006/0079874号、名称「Clamp pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」(2006年4月13日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特出願許公開第2007/0191713号、名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2007年8月16日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2007/0282333号、名称「Ultrasonic Waveguide and Blade」(2007年12月6日公開);その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2008/0200940号、名称「Ultrasonic Device for Cutting and Coagulating」(2008年8月21日公開)に開示されている。
【0004】
一部の超音波外科用器具は、以下の特許文献に開示されているもののようなコードレストランスデューサを含み得る:その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,381,058号、名称「Recharge System for Medical Devices」(2016年7月5日公開)、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願公開第2012/0116265号、名称「Surgical Instrument with Charging Devices」(2012年5月10日公開);及び/又はその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願第61/410,603号、名称「Energy-Based Surgical Instruments」(2010年11月5日出願)。
【0005】
更に、一部の超音波外科用器具は、関節接合シャフト部分を含み得る。そのような超音波外科用器具の例は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,393,037号、名称「Surgical Instruments with Articulating Shafts」(2016年7月19日公開)及びその開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第9,095,367号、名称「Flexible Harmonic Waveguides/Blades for Surgical Instruments」(2015年8月4日公開)に開示されている。
【0006】
いくつかの外科用器具及びシステムが作製され使用されてきたが、本発明者らよりも以前に、添付の特許請求の範囲に記載する本発明を作製又は使用した者は存在しない、と考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
本明細書は、本技術を具体的に指摘し、かつ明確にこの技術を特許請求する、特許請求の範囲により完結するが、本技術は、以下のある特定の実施例の説明を添付図面と併せ読むことでよりよく理解されるものと考えられ、図面において同様の参照符号は同じ要素を特定する。
図1】第1の例示的な超音波外科用器具の側面図を示す。
図2】第2の例示的な超音波外科用器具の斜視図を示す。
図3図2の超音波外科用器具の部分分解斜視図を示す。
図4A】開放構成にある図2の超音波器具のエンドエフェクタの側面図を示す。
図4B図4Aに類似するが、閉鎖構成で示される超音波器具のエンドエフェクタの側面図を示す。
図5】第1の例示的なクランプパッドを有する、図2の超音波器具のクランプアームの概略斜視図を示す。
図6図5のクランプパッドの斜視図を示す。
図7】第2の例示的なクランプパッドの斜視図を示す。
図8】第3の例示的なクランプパッドの斜視図を示す。
図9】第4の例示的なクランプパッドの斜視図を示す。
図10】自己バランスを保つように構成されたエンドエフェクタの代替例の概略側面図を示す。
図11図10の断面線11-11に沿って取られた、図10のエンドエフェクタの概略断面図を示す。
図12】非圧縮状態にある図10のエンドエフェクタの概略側面図を示す。
図13】第1の圧縮状態にある図10のエンドエフェクタの側面図を示す。
図14】第2の圧縮状態にある図10のエンドエフェクタの側面図を示す。
図15】クランプアームに向かって整列された係合のために偏向された超音波ブレードを有する、圧縮状態にある図10のエンドエフェクタの側面図を示す。
【0008】
図面は、いかなる方法でも限定することを意図しておらず、本技術の様々な実施形態は、図面に必ずしも描写されていないものを含め、その他の様々な方法で実施し得ることが企図される。本明細書に組み込まれ、本明細書の一部をなす添付図面は、本技術のいくつかの態様を例示しており、その説明とともに本技術の原理を説明するものであるが、本技術は、示される厳密な配置に限定されないことが理解される。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本技術の特定の実施例の以下の説明は、その範囲を限定する目的で用いられるべきではない。本技術の他の実施例、特徴、態様、実施形態、及び利点は、実例として、本技術を実施する上で想到される最良の態様の1つである以下の説明により、当業者には明らかとなるであろう。理解されるように、本明細書に記載される技術は、いずれもその技術から逸脱することなく、その他の異なる、かつ明らかな態様が可能である。したがって、図面及び説明は、限定的な性質のものではなく、例示的な性質のものとみなされるべきである。
【0010】
本明細書に記載される教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものを、本明細書に記載される他の教示、表現、実施形態、実施例などの任意の1つ又は2つ以上のものと組み合わせることができる点も、更に理解されよう。したがって、以下に記載される教示、表現、実施形態、実施例などは、互いに対して切り離して考慮されるべきではない。本明細書の教示に照らして、本明細書の教示を組み合わせることができる様々な好適な方法が、当業者には容易に明らかとなろう。かかる改変及び変形は、「特許請求の範囲」内に含まれるものとする。
【0011】
本開示の明瞭さのために、「近位」及び「遠位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者に対して、本明細書で定義される。「近位」という用語は、人間又はロボットである外科用器具の操作者により近く、かつ、外科用器具の外科用エンドエフェクタから更に離れた要素の位置を意味する。「遠位」という用語は、外科用器具の外科用エンドエフェクタにより近く、かつ、人間又はロボットである外科用器具の操作者から更に離れた要素の位置を意味する。
【0012】
I.例示的な超音波外科用器具
図1は、第1の例示的な超音波外科用器具(110)を示している。器具(110)の少なくとも一部は、本明細書で引用する特許参考文献のうちのいずれかの教示の少なくともいくつかに従って、構築され、操作可能であり得る。本明細書に記載されるように、また以下にて更に詳細に記載するように、器具(110)は、実質的に同時に、組織を切断し、組織(例えば、血管など)を封止又は接合するように操作可能である。また、器具(110)が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。
【0013】
本実施例の器具(110)は、ハンドルアセンブリ(120)と、シャフトアセンブリ(130)と、エンドエフェクタ(140)と、を含む。ハンドルアセンブリ(120)は、ピストルグリップ(124)と、一対のボタン(125、126)と、を含む、本体(122)を含む。ハンドルアセンブリ(120)はまた、ピストルグリップ(124)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(128)も含む。しかしながら、はさみグリップ構成が挙げられるがこれに限定されない、様々な他の好適な構成が使用され得ることを理解されたい。エンドエフェクタ(140)は、超音波ブレード(160)と、枢動クランプアーム(144)と、を含む。クランプアーム(144)はトリガ(128)と連結し、これにより、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向かうトリガ(128)の枢動に対応して、超音波ブレード(160)に向かって枢動可能であり、また、クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)から離れるようなトリガ(128)の枢動に対応して、超音波ブレード(160)から離れるように枢動可能となる。クランプアーム(144)がトリガ(128)と連結され得る様々な好適な方法が、本明細書で引用される様々な特許参考文献に開示されており、クランプアーム(144)がトリガ(128)と連結され得る更なる好適な方法が、本明細書の教示を考慮することで当業者には明らかとなろう。いくつかの変形例では、クランプアーム(144)及び/又はトリガ(128)を図1に示す開放位置に付勢するために、1つ又は2つ以上の弾性部材が使用される。
【0014】
本実施例では、超音波トランスデューサアセンブリ(112)は、ハンドルアセンブリ(120)の本体(122)から近位に延びる。いくつかの他の変形形態では、トランスデューサアセンブリ(112)は、本体(122)内に完全に一体化される。トランスデューサアセンブリ(112)は、ケーブル(114)を介して発生器(116)に連結されている。トランスデューサアセンブリ(112)は、発生器(116)から電力を受信して、当分野で既知のような圧電原理によりその電力を超音波振動に変換する。発生器(116)は、コントローラ(118)と協働して、トランスデューサアセンブリ(112)による超音波振動の発生に特に適した電力プロファイルをトランスデューサアセンブリ(112)に提供する。コントローラ(118)は、図1では発生器(116)とは別体のボックスで表現されているが、コントローラ(118)と発生器(116)とが単一のユニットとして一体化されてもよい。単に一例として、発生器(116)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)より販売されているGEN04又はGEN11を備えてもよい。追加的に又は代替的に、発生器(116)は、その開示が本明細書に参考として組み込まれる、米国特許第8,986,302号、名称「Surgical Generator for Ultrasonic and Electrosurgical Devices」(2015年3月24日公開)の教示の少なくともいくつかに従って構築することができる。更に、発生器(116)の機能の少なくとも一部をハンドルアセンブリ(120)に一体化することができ、また、ハンドルアセンブリ(120)が更に電池又はその他の搭載された電源を含むことにより、ケーブル(114)を省略することができるということも理解されたい。発生器(116)が取り得る更にその他の好適な形態、並びに発生器(116)が提供し得る種々の特徴及び動作性は、本明細書の教示を考慮することにより当業者に明らかとなるであろう。
【0015】
本実施例のエンドエフェクタ(140)は、クランプアーム(144)と、超音波ブレード(160)と、を含む。クランプアーム(144)には、クランプパッド(図示せす)が含まれ、クランプパッドは、クランプアーム(144)の下側に、ブレード(160)と対向するように固定されている。単に一例として、クランプパッド(図示せす)は、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)材料及び/又は任意の他の好適な材料で形成することができる。あくまで更なる一例として、クランプパッド(図示せす)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2009年6月9日発行の「Combination Tissue Pad for Use with an Ultrasonic Surgical Instrument」と題された米国特許第7,544,200号の教示の少なくともいくつかに従って、更に構築され、動作可能であり得る。
【0016】
クランプアーム(144)は、ピストルグリップ(124)に向うトリガ(128)の枢動に応じて、ブレード(160)に向かうように、またそれから離れるように選択的に枢動して、クランプアーム(144)とブレード(160)との間で組織を選択的にクランプするように動作可能である。本実施例のブレード(160)は、特に組織がクランプアーム(144)とブレード(160)との間にクランプされる場合、超音波周波数で振動して、組織を効果的に切断及び封止するように動作可能である。ブレード(160)は、ブレード(160)を振動させるための音響導波管(図示せず)及びトランスデューサアセンブリ(112)を含む音響ドライブトレインの遠位端に位置付けられている。単に一例として、音響導波管及びブレード(160)は、Ethicon Endo-Surgery,Inc.(Cincinnati,Ohio)により製品コードSNGHK及びSNGCBとして販売されている構成要素を含んでもよい。あくまで更なる一例として、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2002年7月23日公開の「Ultrasonic Surgical Blade with Improved Cutting and Coagulation Features」と題された米国特許第6,423,082号の教示に従って構築され、動作可能であり得る。別の単なる例示的な例として、音響導波管及びブレード(160)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、1994年6月28日公開の「Ultrasonic Scalpel Blade and Methods of Application」と題された米国特許第5,324,299号の教示に従って構築され、動作可能であり得る。音響導波管及びブレード(160)に使用され得る他の好適な特性及び構成は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0017】
本実施例では、ブレード(160)の遠位端は、可撓性の音響導波管を介して伝達される共振超音波振動に関連付けられたアンチノードに対応する位置に位置することにより、音響アセンブリが組織によって負荷をかけられていないときに音響アセンブリを好ましい共振周波数fに同調させる。トランスデューサアセンブリ(112)が通電されると、ブレード(160)の遠位端は、例えば、50kHz又は55.5kHzの所定の振動周波数fで、例えば、ピーク間で約10~500マイクロメートルの範囲、いくつかの実例では約20~約200マイクロメートルの範囲で、長手方向に運動するように構成されている。本実施例のトランスデューサアセンブリ(112)が作動されると、これらの機械的な振動が導波管を通じて伝達されてブレード(160)に到達し、その結果、共振超音波周波数でのブレード(160)の振動がもたらされる。したがって、組織がブレード(160)とクランプアーム(144)との間に固定される場合、ブレード(160)の超音波振動が、組織の切断及び隣接した組織細胞におけるタンパク質の変性を同時に行い、それにより、比較的小さい熱拡散で凝固効果が提供され得る。いくつかの変形例では、更に組織を焼灼するために、電流もブレード(160)及びクランプアーム(144)を介して提供されてよい。例えば、ブレード(160)及びクランプアーム(144)は、超音波エネルギーを組織に印加するように構成されていることに加え、無線周波数(RF)電気外科エネルギーを組織に印加するように構成されてもよい。
【0018】
ボタン(125、126)は、器具(110)の様々な制御を操作者に提供することができる。追加的に又は代替的に、ボタン(125、126)は、その開示が参照により本明細書に組み込まれる、2015年5月21日公開の「Ultrasonic Surgical Instrument with Electrosurgical Feature」と題された米国特許出願公開第2015/0141981号の教示のうちの少なくともいくつかに従って機能を提供することができる。ボタン(125、126)が器具(110)の動作を提供し得る他の好適な方法は、本発明の教示を考慮すれば当業者には明らかとなるであろう。
【0019】
いくつかの例では、使い捨てである(例えば、1つの外科的処置のみで使用するように構成された)構成要素と、再利用可能な(例えば、外科的処置の間に再処理及び滅菌などを受けるように、2つ以上の外科的処置の使用のために構成された)構成要素との組み合わせによって形成される、器具(110)の変形物を提供することが望ましい場合がある。単に一例として、外科用器具の使い捨て及び再利用可能な構成要素を一緒に組み立てて外科的処置前に外科用器具を形成してもよく、次いで、組み立てられた外科用器具を使用して外科的処置を実施してもよく、次いで、外科的処置が完了した後に外科用器具の使い捨て及び再利用可能な構成要素を分解することができる。外科用器具の構成要素の中で使い捨て/再利用可能な切開具を提供することにより、完全に使い捨て可能なユニットとして提供される従来の器具と比較して、コスト及び全体的な廃棄物を低減することができる。
【0020】
II.圧力分配クランプパッドを有する例示的な超音波外科用器具
図2図3は、器具(110)に類似する、第2の例示的な超音波外科用器具(200)を示している。以下で別様に説明される場合を除き、超音波外科用器具(200)は、上述の器具(110)のように、及び/又は本明細書に引用される様々な特許参考文献の様々な教示のいずれかに従って構成され、操作可能であってもよい。外科用器具(200)は、使い捨て及び再利用可能な構成要素に容易に分解されるように構成されている。具体的には、本実施例の外科用器具(200)は、再利用可能アセンブリ(204)及び一部使い捨て式アセンブリ(202)を備える。完全に組み立てられると、外科用器具(200)は、超音波ブレード(222)と、超音波ブレード(222)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能であるクランプアーム(214)と、を含むエンドエフェクタ(220)を提供する。こうしてエンドエフェクタ(220)は、本明細書で説明され、また本明細書で引用される様々な参考文献で説明されるように、組織を把持、超音波封止、及び超音波切断するように動作可能である。クランプアーム(214)は、以下でより詳細に説明するように、クランプアーム(214)と超音波ブレード(222)との間に圧縮力を分配するように構成される。
【0021】
再利用可能アセンブリ(204)は、同様に本明細書で説明され、また本明細書で引用される様々な参考文献で説明されるように、電力を超音波振動に変換するように動作可能である超音波トランスデューサ(208)を備える。超音波トランスデューサ(208)は、その一部分が図3に示される音響導波管(234)を介して、超音波ブレード(222)と音響的に連結される。超音波トランスデューサ(208)、超音波ブレード(222)、及び音響導波管(234)は、本明細書で引用される様々な参考文献のいずれかの教示に従って、又は任意の他の好適な方式に従って構成され得ることを理解されたい。
【0022】
本実施例の一部使い捨て式アセンブリ(202)は、使い捨てサブアセンブリ(210)と再利用可能サブアセンブリ(230)とを備える。サブアセンブリ(210、230)は、一部使い捨て式アセンブリ(202)を形成するために一体に連結されるように構成され、これは続いて再利用可能アセンブリ(204)と連結されて、完全な超音波外科用器具(200)を形成することができる。図3に示すように、使い捨てサブアセンブリ(210)は外側管(212)を備える。クランプアーム(214)は、外側管(212)の遠位に突出する舌状部と枢動可能に連結されている。連結部材(216)は、外側管(212)の近位端にしっかりと固定される。使い捨てサブアセンブリ(210)は、外側管(212)の遠位端内に摺動可能かつ同軸に配置された遠位内側管部材(図示せず)を更に備える。この遠位内側管部材はまた、遠位内側管部材の遠位に突出する舌状部を介して、クランプアーム(214)と枢動可能に連結される。したがって、外側管(212)が遠位内側管部材に対して長手方向に並進すると、クランプアーム(214)は超音波ブレード(222)に向かうように、またそれから離れるように枢動する。
【0023】
本実施例の再利用可能サブアセンブリ(230)は、ハンドルアセンブリ(240)と、近位内側管部材(232)と、音響導波管(234)と、超音波ブレード(222)とを備える。近位内側管部材(232)は、最初にサブアセンブリ(210、230)が一緒に組み立てられるときに、使い捨てサブアセンブリ(210)の遠位内側管部材と取り外し可能に連結するように構成されている。近位内側管部材(232)が使い捨てサブアセンブリ(210)の遠位内側管部材と連結されるとき、内側管部材(232)は、ハンドルアセンブリ(240)に対して長手方向に静止したままである。
【0024】
ハンドルアセンブリ(240)は、ピストルグリップ(244)を画定するハウジング(242)を備える。ハンドルアセンブリ(240)は更に、ピストルグリップ(244)に向かうように、またそれから離れるように枢動可能なトリガ(246)と、一対のボタン(250、252)と、を含む。ボタン(250、252)は、超音波トランスデューサ(208)を作動させ、それにより超音波ブレード(222)を作動させるように動作可能である。具体的には、一方のボタン(250)は、ある出力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(222)を作動させ、他方のボタン(252)は、別の出力レベル又はプロファイルで超音波ブレード(222)を作動させる。当然ながら、任意の他の好適なユーザー入力機構が用いられてもよい。
【0025】
トリガ(246)は、トリガ(246)がピストルグリップ(244)に向かって枢動すると、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)に向かって枢動するように、また、トリガ(246)がピストルグリップ(244)から離れる方向に枢動すると、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)から離れるように枢動するように、クランプアーム(214)を作動させるように動作可能である。本実施例では、この運動は、内側管部材(232)がハウジング(242)に対して長手方向に静止した状態を維持しながら、トリガ(246)の枢動運動に応答して外側管(212)をハウジング(242)に対して長手方向に並進させることにより提供される。トリガ(246)の枢動運動に応答して外側管(212)が長手方向に並進され得る様々な好適な方法は、本明細書の教示を考慮すれば当業者には明らかになるであろう。また、いくつかの代替的変形では、クランプアーム(214)は、外側管(212)がハウジング(242)に対して長手方向に静止した状態を維持しながら、内側管部材(232)をハウジング(242)に対して長手方向に並進させることによって枢動されることも理解されたい。
【0026】
図2図3に示すように、本実施例のハンドルアセンブリ(240)は、ノブ部材(254)を更に含む。ノブ部材(254)は、ハウジング(242)に対して回転可能である。器具(200)が完全に組み立てられると、ノブ部材(254)は音響導波管(234)、内側管部材(232)、及び外側管(212)と連結され、その結果、これらの構成要素がともにハウジング(242)に対して一体的に回転する。ノブ部材(254)はまた、使い捨てサブアセンブリ(210)が再利用可能サブアセンブリ(230)と連結されているとき、使い捨てサブアセンブリ(210)に対して誘導を提供する。単に一例として、ノブ部材(254)は、本明細書に引用される様々な参照文献のうちのいずれかの教示に従って構成されてもよく、動作可能であってもよい。
【0027】
外科的処置で超音波外科用器具(200)が使用された後、再利用可能アセンブリ(204)は一部使い捨て式アセンブリ(202)から取り外してもよい。再利用可能アセンブリ(204)が一部使い捨て式アセンブリ(202)から取り外された後、次いで、使い捨てサブアセンブリ(210)は再利用可能サブアセンブリ(230)から取り外される。再利用可能アセンブリ(204)、使い捨てサブアセンブリ(210)、及び再利用可能サブアセンブリ(230)は、その後、異なる種類の処理を受けてもよい。そのような後続の処理の例が、以下に記載されるが、本明細書の教示を考慮することで、他の例が当業者に明らかになるであろう。
【0028】
一部の場合では、再利用可能アセンブリ(204)は、100回まで(単に一例として)洗浄、滅菌、及び再利用されてもよい。使い捨てサブアセンブリ(210)が1度の外科的処置でしか利用されないように、使い捨てサブアセンブリ(210)を即時に廃棄してもよい。再利用可能サブアセンブリ(230)は、2~20回(単に一例として)の異なる外科的処置にわたって洗浄し、滅菌し、再利用してもよい。当然ながら、これらの再利用シナリオは例示的な実施例に過ぎない。それでもなお、一部使い捨て式アセンブリ(202)の構成は、各外科的処置の後に廃棄される使い切り材料の量を最小化できるということを理解されたい。また、いくつかの変形例では、一部使い捨て式アセンブリ(202)は、単に単一ユニットとして廃棄されることも理解されたい。換言すれば、いくつかの変形例では、一部使い捨て式アセンブリ(202)は、使い捨てサブアセンブリ(210)及び再利用可能サブアセンブリ(230)に分解されるように構成されていない。
【0029】
単に一例として、再利用のための外科的処置後の一部として、再利用可能アセンブリ(204)及び/又は再利用可能サブアセンブリ(230)は、従来の比較的低い温度、比較的低い圧力、過酸化水素滅菌プロセスNおいて(例えば、Advanced Sterilization Products(Irvine,California)によるSTERRAD(登録商標)滅菌システムにおいて)滅菌されてもよい。代替的に、再利用可能アセンブリ(204)及び/又は再利用可能サブアセンブリ(230)は、任意の他の好適なシステム及び技術を使用して滅菌されてもよい。
【0030】
上記のものに加えて、器具(200)は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許出願第15/270,540号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」(2016年9月20日出願);及び/又はその開示が参照により本明細書に組み込まれる、米国特許出願第15/270,600号、名称「Ultrasonic Surgical Instrument with Removable Shaft Assembly Portion」(2016年9月20日出願)の教示のうちの少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得る。追加的に又は代替的に、器具(200)は、本明細書に引用される様々な特許参考文献のうちのいずれかの教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得る。
【0031】
クランプアーム(214)には、超音波ブレード(160)(図1参照)に対して組織を圧縮するために、より詳細に上述したクランプアーム(144)(図1参照)と同様のクランプパッド(図示せず)が取り付けられてもよいが、そのようなクランプパッド(図示せず)は、クランプアーム(144)(図1参照)と超音波ブレード(160)(図1参照)との間のクランプパッド(図示せず)に沿った局所的な圧縮力の分配を相対的にほとんど又は全く提供しない。例えば、一貫していない組織厚、クランプアーム(144)(図1参照)と超音波ブレード(160)(図1参照)との間の可変間隙、及び/又は超音波ブレード(160)(図1参照)に沿ったノードとアンチノードとの間の異なるブレード振動は、超音波ブレード(160)(図1参照)又は超音波ブレード(222)に沿って様々な圧縮力を生じさせる傾向があり、これは、組織を不注意に損傷させ、構成要素を尚早に摩耗し、又は組織の切断及び/又は封止中に不整合を引き起こす可能性がある。したがって、いくつかの例では、図4A図11に関して以下に記述されるような損傷、摩耗、又は不整合の可能性を低減するために、クランプアーム(214)に、クランプアーム(214)と超音波ブレード(222)との間に圧縮力を分配するように構成されたクランプパッド(260、360、460、560)を提供することが望ましい場合がある。
【0032】
A.圧縮分配のためのエンドエフェクタ及び第1の例示的なクランプパッド
図4A図5に関連して、エンドエフェクタ(220)は、器具(200)の外側管(212)(図3参照)に連結され、シャフトアセンブリ(215)の一部分から遠位に延びる。更なる例として、エンドエフェクタ(220)は、以下の別段の定めがあるような違いを除いて、超音波外科用器具(110)のエンドエフェクタ(140)に従って構築され、動作可能であってもよい。エンドエフェクタ(220)は、クランプアーム(214)及び超音波ブレード(222)を備え、クランプアーム(214)は、超音波ブレード(222)に向かって枢動し、間に組織をクランプするように構成されている。クランプアーム(214)は、超音波ブレード(222)に対して移動可能に固定され、それを通って長手方向に延びるほぞ穴(226)を有し、これは、クランプアーム(214)に連結された第1の例示的なクランプパッド(260)を受け入れる。クランプパッド(260)は、使用中にクランプアーム(214)と超音波ブレード(222)との間に圧縮力を分配するために、超音波ブレード(222)に向かって組織に対して圧縮されると圧力を均一化するように構成された所定の横ばね定数を有する。そのような圧縮力の分配は、クランプパッド(260)の本実施例では、それによってクランプアーム(214)と超音波ブレード(222)との間の圧力を均一化するように制御されるが、代替的なクランプパッド(図示せず)は、所望に応じて圧力の代替的な分配に従って圧縮力を分配するように構成されてもよい。
【0033】
図4Aは、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)から離れて位置付けられているように、開放構成にあるエンドエフェクタ(220)を示している。本実施例のこの位置では、クランプされた組織(図示せず)を介して超音波ブレード(222)によってクランプアーム(214)に圧力が加えられない。図4Bは、クランプアーム(214)が超音波ブレード(222)に向かって枢動して、クランプされた組織(図示せず)を通して超音波ブレード(222)によってクランプアーム(214)に圧力を加えるように、閉鎖構成にあるエンドエフェクタ(220)を示している。図5は、クランプパッド(260)をクランプアーム(214)に取り外し可能に固定するために、ほぞ穴(226)内に着座したクランプパッド(260)のほぞ(270)を示している。
【0034】
図6に関して、クランプパッド(260)は、より具体的には、ほぞ(270)及びパッド本体(262)を含む。パッド本体(262)は長手方向に延び、組織と直接係合するように構成されているが、パッド本体(262)は、超音波ブレード(222)(図4A参照)と整列するために任意の所望の方向に延びてもよいことを理解されたい。本実施例のパッド本体(262)は、パッド本体(262)の遠位端が、ほぞ(270)の遠位端から相対的に遠位の位置で終端するように、ほぞ(270)を越えて遠位に延びる。ほぞ(270)はパッド本体(262)に固定され、クランプアーム(214)(図5参照)のほぞ穴(226)(図5参照)内に受け入れられる。本実施例では、ほぞ(270)は、レール(272)と、支持基部(280)と、複数の開口部(274)と、を含む。レール(272)は、図6に示すようにパッド本体(262)から上向きに横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅(272a)を有する。支持基部(280)は、レール(272)から横断方向に延び、横方向に第2の横幅(280a)を有する。支持基部(280)の第2の横幅(280a)は、レール(272)の第1の横幅(272a)よりも大きいので、支持基部(280)が第2の横幅(280a)を有することにより、クランプアーム(214)(図5参照)と横方向に係合し、パッド本体(262)をクランプアーム(214)(図5参照)に固定するように構成された肩部(282)を画定する。各開口部(274)は、支持基部(280)を通って延び、その結果、ほぞ(270)は、ほぞ(270)に沿ってその遠位端から近位端まで長手方向に所定の横ばね定数を有する。したがって、所定の横ばね定数のほぞ(270)は、パッド本体(262)が組織に対して圧縮されるときにパッド本体(262)に沿って長手方向に圧力を分配し、局所的な圧縮力を低減するためにそれに沿う圧力を均一化するように構成される。代替的に、別の実施例による所定の横ばね定数は、所望に応じて、パッド本体(262)に沿って長手方向に不均一で制御された力の分配を生成するために圧力を分配するように構成されてもよい。本実施例では、レール(272)、支持基部(280)、及びパッド本体(262)は一体的に形成されるが、レール(272)、支持基部(280)、及び/又はパッド本体(262)は、代替的に、他の実施例では互いに締結された1つ以上のそれぞれ個別に形成された部分であってもよいことが理解されるであろう。
【0035】
支持基部(280)内に開口部(274)を有する場合、本例示的な支持基部(280)は、レール(272)から横断方向に突出する複数の弾性基部部材(288)によって画定される。図6の弾性基部部材(288)は、互いに離間した弾性基部部材(288)の長手方向列に配列されて、間に開口部(274)をそれぞれ画定する。本実施例では、開口部(274)は、支持基部(280)を通って横方向、長手方向、及び横断方向に延びる。より具体的には、開口部(274)は、支持基部(280)を完全に通って、横方向に第2の横幅(280a)全体にわたって延びる。
【0036】
本実施例の弾性基部部材(288)は、概ね矩形であり、均一な寸法を有し、レール(272)によって接続されることを除いて互いに接触しない。各弾性基部部材(288)は、パッド本体(262)に対して所定のピッチで横断方向及び長手方向に近位に突出する。弾性基部部材(288)は、ほぞ穴(226)(図5参照)の底部(226a)(図5参照)に対して着座され、横断方向及び長手方向の所定の横ばね定数に従って、互いに独立して、パッド本体(262)に向かって弾性的に偏向するように構成されている。所定のピッチは、任意の所望の所定の横ばね定数を達成するために、所望に応じて任意の角度であってもよい。本実施例では、所定のピッチは、各弾性基部部材(288)が同じ所定のピッチを有するように、支持基部(280)の長手方向長さに沿って一定である。代替的に、所定のピッチの別の例は、1つ以上の弾性基部部材(288)が異なる可変の所定のピッチを有し得るように、支持基部(280)の長手方向長さに沿って可変の所定のピッチであってもよい。図6に示す支持基部(280)は、14個の弾性基部部材(288)を有するが、任意の数の弾性基部部材(288)が支持基部(280)を画定するために使用されてもよいことが理解されるであろう。そのような弾性基部部材(288)の均一性は、本実施例では支持基部(280)に沿って均一に力を分配するように構成されているが、別の例では、代替の基部部材(図示せず)が不均一であってもよく、それによって、所望に応じて、不均一で制御された力の分配を生成する。加えて、弾性基部部材(288)の所定のピッチは、パッド本体(262)を長手方向に遠位に付勢して、クランプパッド(260)をほぞ穴(226a)(図5参照)に更に固定するために、圧縮下で反力を発生させるように更に構成されている。
【0037】
更に、クランプパッド(260)は、局所的な偏向を抑制するように構成された過負荷面(284)を有し、局所的な部分パッド本体(262)は、過度に圧縮されないように効果的に「底に達する」。例えば、基部部材(288)は、ほぞ穴(226a)(図5参照)の底部(226a)(図5参照)に対して圧縮されたときに、非圧縮位置から完全圧縮位置までパッド本体(262)に向かって偏向するように構成される。完全に圧縮された位置にあると、過負荷面(284)は、クランプアーム(214)と係合して底に達し、したがって、基部部材(288)の更なる局所的横断圧縮を停止し、その更なる偏向を抑制する。一実施例では、クランプパッド(260)は弾性であるが、パッド本体(262)がある程度偏向し続けることができるが、パッド本体(262)に沿った圧縮力の分配がほとんど又は全くないように、支持基部(280)よりも高いばね定数を有する。図6に示すように、過負荷面(284)は、パッド本体(262)の第3の横幅(262a)によって画定される別の肩部(290)上にあり、レール(272)の第1の横幅(272a)よりも大きい。過負荷面(284)は、本発明が本実施例に示される過負荷面(284)に不必要に限定されることを意図しないように、クランプアーム(214)(図5参照)の別の部分と係合するように別の実施例では代替的に位置付けることができる。
【0038】
B.圧縮分配のための第2の例示的なクランプパッド
図7は、より詳細に上述されるパッド本体(262)から延びるほぞ(370)を有する、第2の例示的なクランプパッド(360)を示している。ほぞ(370)はパッド本体(262)に固定され、クランプアーム(214)(図5参照)のほぞ穴(226)(図5参照)内に受け入れられる。本実施例では、ほぞ(370)は、レール(372)と、支持基部(380)と、複数の開口部(374)と、を含む。レール(372)は、図7に示すようにパッド本体(262)から上向きに横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅(372a)を有する。支持基部(380)は、レール(372)から横断方向に延び、横方向に第2の横幅(380a)を有する。支持基部(380)の第2の横幅(380a)は、レール(372)の第1の横幅(372a)よりも大きいので、支持基部(380)が第2の横幅(380a)を有することにより、クランプアーム(214)(図5参照)と横断方向に係合するように構成された肩部(382)を画定し、パッド本体(262)をクランプアーム(214)(図5参照)に固定する。各開口部(374)は、ほぞ(370)が、ほぞ(370)に沿ってその遠位端から近位端まで長手方向に所定の横ばね定数を有するように、支持基部(380)を通って延びる。したがって、所定の横バネ定数のほぞ(370)は、パッド本体(262)が組織に対して圧縮されるときにパッド本体(262)に沿って長手方向に圧力を分配し、局所的な圧縮力を低減するためにそれに沿う圧力を均一化するように構成される。そのような圧縮力の分配は、それによってクランプパッド(360)の本実施例ではクランプアーム(214)(図5参照)と超音波ブレード(222)(図4A参照)との間の圧力を均一化するように制御されるが、代替的なクランプパッド(図示せず)は、所望に応じて圧力の代替的な分配に従って圧縮力を分配するように構成されてもよい。例えば、別の実施例による所定の横ばね定数は、所望に応じて、パッド本体(262)に沿って長手方向に不均一で制御された力の分配を生成するために圧力を分配するように構成されてもよい。本実施例では、レール(372)、支持基部(380)、及びパッド本体(262)は一体的に形成されるが、レール(372)、支持基部(380)、及び/又はパッド本体(262)は、代替的に、他の実施例では互いに締結された1つ以上のそれぞれ個別に形成された部分であってもよいことが理解されるであろう。
【0039】
支持基部(380)内に開口部(374)を有する場合、本例示的な支持基部(380)は、レール(372)から横断方向に突出する複数の弾性基部部材(388)によって画定される。図7の弾性基部部材(388)は、互いに離間した弾性基部部材(388)の長手方向列に配列されて、間に開口部(374)をそれぞれ画定する。本実施例では、開口部(374)は、支持基部(380)を通って横方向、長手方向、及び横断方向に延びる。より具体的には、開口部(374)は、支持基部(380)を完全に通って、横方向に第2の横幅(380a)全体にわたって延びる。
【0040】
本実施例の弾性基部部材(388)は、概ね矩形であり、均一な寸法を有し、レール(372)によって接続されることを除いて互いに接触しない。各弾性基部部材(388)は、パッド本体(262)に対して所定のピッチで横断方向及び長手方向に近位に突出する。弾性基部部材(388)は、ほぞ穴(226)(図5参照)の底部(226a)(図5参照)に対して着座され、横断方向及び長手方向の所定の横ばね定数に従って、互いに独立して、パッド本体(262)に向かって弾性的に偏向するように構成されている。所定のピッチは、任意の所望の所定の横ばね定数を達成するために、所望に応じて任意の角度であってもよい。本実施例では、所定のピッチは、各弾性基部部材(388)が同じ所定のピッチを有するように、支持基部(380)の長手方向長さに沿って一定である。代替的に、所定のピッチの別の例は、1つ以上の弾性基部部材(388)が異なる可変の所定のピッチを有し得るように、支持基部(380)の長手方向長さに沿って可変の所定のピッチであってもよい。図7に示す支持基部(380)は、19個の弾性基部部材(388)を有するが、任意の数の弾性基部部材(388)が支持基部(380)を画定するために使用されてもよいことが理解されよう。弾性基部部材(388)のそのような均一性は、本実施例では支持基部(380)に沿って均一に力を分配するように構成されているが、別の例では、代替の基部部材(図示せず)が不均一であってもよく、それによって、所望に応じて、不均一で制御された力の分配を生成する。各弾性基部部材(388)は、横方向に第2の横幅(380a)を有し、弾性基部部材(388)の所定のピッチは、パッド本体(262)を長手方向に遠位に付勢して、クランプパッド(360)をほぞ穴(226)(図5参照)に更に固定するために、圧縮下で反力を発生させるように更に構成されている。加えて、クランプパッド(360)のパッド本体(262)は、使用中に基部部材(388)の局所的な横断方向圧縮を停止するための肩部(290)上の過負荷面(284)を更に含む。
【0041】
C.圧縮分配のための第3の例示的なクランプパッド
図8は、より詳細に上述されている、パッド本体(262)から延びるほぞ(470)を有する、第3の例示的なクランプパッド(460)を示している。ほぞ(470)はパッド本体(262)に固定され、クランプアーム(214)(図5参照)のほぞ穴(226)(図5参照)内に受け入れられる。本実施例では、ほぞ(470)は、レール(472)と、支持基部(480)と、複数の開口部(474)と、を含む。レール(472)は、図8に示すようにパッド本体(262)から上向きに横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅(472a)を有する。支持基部(480)は、レール(472)から横断方向に延び、横方向に第2の横幅(480a)を有する。支持基部(480)の第2の横幅(480a)は、レール(472)の第1の横幅(472a)よりも大きいので、支持基部(480)が第2の横幅(480a)を有することにより、クランプアーム(214)(図5参照)と横断方向に係合するように構成された肩部(482)を画定し、パッド本体(262)をクランプアーム(214)(図5参照)に固定する。各開口部(474)は、ほぞ(470)が、ほぞ(470)に沿ってその遠位端から近位端まで長手方向に所定の横ばね定数を有するように、支持基部(480)を通って延びる。したがって、所定の横ばね定数のほぞ(470)は、パッド本体(262)が組織に対して圧縮されるときにパッド本体(262)に沿って長手方向に圧力を分配し、局所的な圧縮力を低減するためにそれに沿う圧力を均一化するように構成される。そのような圧縮力の分配は、それによってクランプパッド(460)の本実施例ではクランプアーム(214)(図5参照)と超音波ブレード(222)(図4a参照)との間の圧力を均一化するように制御されるが、代替的なクランプパッド(図示せず)は、所望に応じて圧力の代替的な分配に従って圧縮力を分配するように構成されてもよい。例えば、別の実施例による所定の横ばね定数は、所望に応じて、パッド本体(262)に沿って長手方向に不均一で制御された力の分配を生成するために圧力を分配するように構成されてもよい。本実施例では、レール(472)、支持基部(480)、及びパッド本体(262)は一体的に形成されるが、レール(472)、支持基部(480)、及び/又はパッド本体(262)は、代替的に、他の実施例では互いに締結された1つ以上のそれぞれ個別に形成された部分であってもよいことが理解されるであろう。
【0042】
支持基部(480)内に開口部(474)を有する場合、本例示的な支持基部(480)は、レール(472)から横断方向に突出する複数の弾性基部部材(488)によって画定される。弾性基部部材(488)はバットレス部材(486)によって更に連結され、バットレス部材(486)は、第2の横幅(480a)を横方向に延び、弾性基部部材(488)とほぞ(470)のレール(472)との間に横断方向に延びる。図8の弾性基部部材(488)は、互いに離間した弾性基部部材(488)の長手方向列に配列されて、間に開口部(474)をそれぞれ画定する。本実施例では、開口部(474)は、支持基部(480)を通って横方向、長手方向、及び横断方向に延びる。より具体的には、開口部(474)は、支持基部(480)を完全に通って、横方向に第2の横幅(480a)全体にわたって延びる。
【0043】
本実施例の弾性基部部材(488)は、概ね矩形であり、均一な寸法を有し、レール(472)によって接続されることを除いて互いに接触しない。各弾性基部部材(488)は、バットレス部材(486)からパッド本体(262)に対して所定のピッチで横断方向及び長手方向に近位に突出する。弾性基部部材(488)は、ほぞ穴(226)(図5参照)の底部(226a)(図5参照)に対して着座され、横断方向及び長手方向の所定の横ばね定数に従って、互いに独立して、パッド本体(262)に向かって弾性的に偏向するように構成されている。所定のピッチは、任意の所望の所定の横ばね定数を達成するために、所望に応じて任意の角度であってもよい。本実施例では、所定のピッチは、各弾性基部部材(488)が同じ所定のピッチを有するように、支持基部(480)の長手方向長さに沿って一定である。代替的に、所定のピッチの別の例は、1つ以上の弾性基部部材(488)が異なる可変の所定のピッチを有し得るように、支持基部(480)の長手方向長さに沿った可変の所定のピッチであってもよい。図8に示す支持基部(480)は、23個の弾性基部部材(488)を有するが、任意の数の弾性基部部材(488)が支持基部(480)を画定するために使用されてもよいことが理解されるであろう。そのような弾性基部部材(488)の均一性は、本実施例では支持基部(480)に沿って均一に力を分配するように構成されているが、別の例では、代替の基部部材(図示せず)が不均一であってもよく、それによって、所望に応じて、不均一で制御された力の分配を生成する。各弾性基部部材(488)は、横方向に第2の横幅(480a)を有する。加えて、クランプパッド(460)のパッド本体(262)は、基部部材(488)の局所的な横断方向圧縮を停止するための肩部(290)上の過負荷面(284)を更に含む。
【0044】
D.圧縮分配のための第4の例示的なクランプパッド
図9は、より詳細に上述されるパッド本体(262)(図6参照)と同様であるが、パッド本体(262)の遠位端がほぞ(570)の遠位端と同一平面上になるように、ほぞ(570)に隣接して遠位に終端する、パッド本体(562)から延びるほぞ(570)を有する第4の例示的なクランプパッド(560)を示している。ほぞ(570)はパッド本体(562)に固定され、クランプアーム(214)(図5参照)のほぞ穴(226)(図5参照)内に受け入れられる。本実施例では、ほぞ(570)は、レール(572)と、支持基部(580)と、複数の開口部(574)と、を含む。レール(572)は、図9に示すようにパッド本体(562)から上向きに横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅(572a)を有する。支持基部(580)は、レール(572)から横断方向に延び、横方向に第2の横幅(580a)を有する。支持基部(580)の第2の横幅(580a)は、レール(572)の第1の横幅(572a)よりも大きいので、第2の横幅(580a)を有する支持基部(580)が、クランプアーム(214)(図5参照)に横断方向に係合し、パッド本体(562)をクランプアーム(214)(図5参照)に固定するように構成された肩部(582)を画定する。各開口部(574)が、支持基部(680)及びレール(572)の一部分を通って延びることにより、ほぞ(570)は、ほぞ(570)に沿ってその遠位端から近位端まで長手方向に所定の横ばね定数を有する。したがって、所定の横ばね定数のほぞ(570)は、パッド本体(562)が組織に対して圧縮されるときにパッド本体(562)に沿って長手方向に圧力を分配し、局所的な圧縮力を低減するためにそれに沿う圧力を均一化するように構成される。そのような圧縮力の分配は、それによって、クランプパッド(560)の本実施例においてクランプアーム(214)(図5参照)と超音波ブレード(222)(図4A参照)との間の圧力を均一化するように制御されるが、代替的なクランプパッド(図示せず)は、所望に応じて圧力の代替的な分配に従って圧縮力を分配するように構成されてもよい。例えば、別の実施例による所定の横ばね定数は、所望に応じて、パッド本体(562)に沿って長手方向に不均一で制御された力の分配を生成するために圧力を分配するように構成されてもよい。本実施例では、レール(572)、支持基部(580)、及びパッド本体(562)は一体的に形成されるが、レール(572)、支持基部(580)、及び/又はパッド本体(562)は、代替的に、他の実施例では互いに締結された1つ以上のそれぞれ個別に形成された部分であってもよいことが理解されるであろう。
【0045】
支持基部(580)内に開口部(574)を有する場合、本例示的な支持基部(580)は、長手方向に延びる細長い支持部材(590)、及びレール(572)と細長い支持部材(590)との間に横断方向に延びる複数の支柱部材(592)によって画定される。各開口部(574)は、支柱部材(592)の間でそれぞれ支持基部(580)及びレール(572)を通って横方向に延びる。より具体的には、開口部(574)は、支持基部(580)を完全に通って、第2の横幅(580a)全体にわたって、またレール(572)を通って横方向に第1の横幅(572a)全体に延びる。
【0046】
本実施例の細長い支持部材(590)は、開口部(574)を通過することを除いて、概ね矩形の長さである。支柱(592)は、本実施例において概ねT形であり、細長い支持部材(590)に沿って均一な寸法を有する。細長い支持部材(590)は、ほぞ穴(226)(図5参照)の底部(226a)(図5参照)に対して着座され、並びに支柱(592)は、横断方向及び長手方向の所定の横ばね定数に従ってパッド本体(562)に向かって弾性的に偏向するように構成される。細長い支持部材(590)からパッド本体(562)に向かって横断方向に延びる支柱(592)は、所定の横ばね定数を生成するように更に構成された所定のピッチを有する。本実施例では、横断方向の所定のピッチは横方向及び長手方向に対して垂直であるが、所定のピッチは、任意の所望の所定の横ばね定数を達成するために所望に応じて任意の角度であってもよい。本実施例では、所定のピッチは、各支柱(592)が同じ所定のピッチを有するように、支持基部(580)の長手方向長さに沿って一定である。代替的に、所定のピッチの別の例は、1つ以上の支柱(580)が異なる可変の所定のピッチを有し得るように、支持基部(580)の長手方向長さに沿った可変の所定のピッチであってもよい。図9に示す支持基部(580)は、1つの細長い支持部材(590)及び9つの支柱(592)を有するが、任意の数の細長い支持部材(590)及び/又は支柱(592)が、支持基部(580)を画定するために使用されてもよいことが理解されよう。そのような支柱(592)の均一性は、本実施例では支持基部(580)に沿って均一に力を分配するように構成されているが、別の実施例では、代替的な支柱(図示せず)は不均一であってもよく、それによって、所望に応じて不均一で制御された力の分配を生成する。加えて、クランプパッド(560)のパッド本体(562)は、細長い支持部材(590)及び支柱(592)の局所的な横断方向圧縮を停止するための肩部(290)上の過負荷面(284)を更に含む。
【0047】
III.自己バランス型クランプアームを伴う例示的な超音波外科用器具
図10は、超音波外科用器具(110)(図1参照)又は超音波外科用器具(200)(図2参照)などの器具で使用するように構成されたエンドエフェクタ(600)の代替例を示している。エンドエフェクタ(600)は、細長いシャフト(602)から遠位に延び、超音波ブレード(604)及びクランプアーム(610)を備える。クランプアーム(610)は、クランプアーム(610)及び組織パッド(614)の横幅を通過してクランプアーム(610)に至る、バランスピン(612)を備える。図示のように、超音波ブレード(604)は、クランプアーム(610)が超音波ブレード(604)から離れた第1の位置と超音波ブレード(604)と接触する第2の位置との間で枢動するように構成されるように、細長いシャフト(602)に対して延びる。図11に関して、バランスピン(612)は、クランプアーム(610)及び組織パッド(614)を通過する。組織パッド(614)は、バランスピン(612)上で枢動するように構成され、バランスピン(612)は、組織パッド(614)を定位置に保持する。バランスピン(612)は、組織パッド(612)の保持ピンとして更に機能し、これはクランプアーム(610)上での他のより複雑な保持機構の使用を低減し、いくつかの実施形態では、定位置で接合されてもよい。更に、エラストマー(616)は、クランプアーム(610)にオーバーモールドされ、組織パッド(614)がエラストマー(616)の上に載置され、組織パッド(614)は枢動する際にエラストマー(616)と接触する。エラストマー(616)は、低デュロメータエラストマー材料、PTFE、又は他の好適な材料であってもよい。
【0048】
ここで図12図14を参照すると、クランプアーム(610)は、クランプアーム(610)が負荷下で自己バランスを保つ構成で示されている。超音波ブレード(604)がバランスピン(612)上でクランプアーム(610)に向かって回転し、組織パッド(614)を圧縮すると、組織パッド(614)はエラストマー(616)を圧縮することが企図される。図12は、組織パッド(614)がバランスを保ったままであるように、圧縮又は負荷がないクランプアーム(610)を示している。近位に負荷される圧縮のために、組織パッド(614)は、より近位に圧縮し、組織パッド(614)を時計回りに枢動させ、図13に示すように、組織パッド(614)の遠位端でより多くの圧力をかける。反対の発生は、組織パッド(614)が反時計回りに枢動する図14に開示されている。代替的に、図12に既に示されているように、圧縮は、組織パッド(614)がほとんど又は全く枢動しないように、遠位端近位部分の間で圧縮が比較的バランスを保っていてもよい。
【0049】
バランスピン(612)上で枢動する自己バランス型組織パッド(614)の使用により、エンドエフェクタ(600)上の先端間隙の確率を更に低減する。バランスピン(612)を備える図15の本エンドエフェクタ(600)とともに示されるように、組織パッド(614)がエラストマー(616)及びクランプアーム(610)に加えられる負荷を回転及びバランスさせるように構成されているため、任意の先端間隙が低減される。先端間隙の確率の低減により、製造中に燃焼の必要性を追加的に除去する。更に、図15に示すように、バランスピン(612)の遠位の長さL1とバランスピン(612)の近位の長さL2との比率を変えることによって、自己バランス型クランプアーム(610)の感度を調整することができる。L2がL1よりも大きいときにより高い感度を達成することができ、L1がL2よりも大きいときにより低い感度を達成することができる。
【0050】
IV.例示的な組み合わせ
以下の実施例は、本明細書の教示を組み合わせるか又は適用することができる、様々な非網羅的な方法に関する。以下の実施例は、本出願における又は本出願の後の書類提出におけるどの時点でも提示され得る、いずれの請求項の適用範囲をも限定することを目的としたものではないと理解されよう。一切の権利放棄を意図するものではない。以下の実施例は、単なる例示の目的で与えられるものに過ぎない。本明細書の様々な教示は、他の多くの方法で構成及び適用が可能であると考えられる。また、いくつかの変形では、以下の実施例において言及される特定の特徴部を省略してよいことも考えられる。したがって、本発明者又は本発明者の利益の承継者により、後日、そうである旨が明示的に示されない限り、以下に言及される態様又は特徴部のいずれも重要なものとしてみなされるべきではない。以下に言及される特徴部以外の更なる特徴部を含む請求項が本出願において、又は本出願に関連する後の書類提出において示される場合、それらの更なる特徴部は、特許性に関連するいかなる理由によっても追加されたものとして仮定されるべきではない。
【実施例1】
【0051】
超音波外科用器具であって、(a)シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリから遠位に延びるエンドエフェクタと、を備え、エンドエフェクタが、(i)超音波ブレード、(ii)超音波ブレードに対して移動可能に固定されたクランプアームであって、それを通って長手方向に延びるほぞ穴を有する、クランプアーム、及び(iii)クランプアームに接続されたクランプパッドであって、(A)長手方向に延び、組織を超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、(B)パッド本体に固定され、ほぞ穴内に受け入れられるほぞと、を含む、クランプパッドを含み、このほぞは、(I)パッド本体から横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、(II)レールから横断方向に延び、横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、第2の横幅が、第1の横幅よりも大きく、クランプアーム内で固定するためにクランプアームに係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、(III)ほぞが、ほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、支持基部又はレールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、ほぞの所定の横ばね定数は、パッド本体が組織に対して圧縮されるとき、所定の圧力分配に従って、パッド本体に沿って長手方向に圧力を分配するように構成されている、超音波外科用器具。
【実施例2】
【0052】
ほぞのレール及び支持基部が一体的に形成されている、実施例1に記載の超音波外科用器具。
【実施例3】
【0053】
ほぞ及びパッド本体が一体的に形成されている、実施例2に記載の超音波外科用器具。
【実施例4】
【0054】
支持基部が、レールから横断方向に突出する複数の弾性基部部材を含む、実施例1~3のいずれか1つ以上に記載の超音波外科用器具。
【実施例5】
【0055】
複数の弾性基部部材が、間に複数の開口部をそれぞれ画定するように互いに離間した弾性基部部材の長手方向列を有する、実施例4に記載の超音波外科用器具。
【実施例6】
【0056】
複数の開口部のそれぞれが、支持基部を通って横方向に延びる、実施例5に記載の超音波外科用器具。
【実施例7】
【0057】
複数の開口部のそれぞれが、支持基部の第2の横幅の全体にわたって横方向に延びる、実施例6に記載の超音波外科用器具。
【実施例8】
【0058】
支持基部が、複数の弾性基部部材とレールとの間に延びるバットレスを更に含む、実施例4に記載の超音波外科用器具。
【実施例9】
【0059】
複数の弾性基部部材のそれぞれが、パッド本体に対して所定のピッチで横断方向及び長手方向に近位に突出し、複数の弾性基部部材のそれぞれが、横断方向及び長手方向に所定の横ばね定数に従って弾性的に偏向するように構成されている、実施例4に記載の超音波外科用器具。
【実施例10】
【0060】
支持基部が、長手方向に延びる細長い支持部材と、レールと細長い支持部材との間に横断方向に延びる複数の支柱部材とを有する、実施例1~9のいずれか1つ以上に記載の超音波外科用器具。
【実施例11】
【0061】
複数の開口部が、複数の支柱部材の間でそれぞれ支持基部を通って横方向に延びる、実施例10に記載の超音波外科用器具。
【実施例12】
【0062】
複数の開口部が、支持基部及びレールを通って横方向に延びる、実施例11に記載の超音波外科用器具。
【実施例13】
【0063】
クランプパッドが過負荷面を更に含み、パッド本体が、支持基部によって所定の横ばね定数で支持されている間に、第1の位置から第2の位置に向かって偏向するように構成されており、第1の位置の過負荷面が、クランプアームから係合解除され、第2の位置の過負荷面が、パッド本体を更に支持するためにクランプアームと係合される、実施例1~12のいずれか1つ又は2つ以上に記載の超音波外科用器具。
【実施例14】
【0064】
パッド本体が、パッド本体上に第2の肩部を画定するために、第1の横幅よりも大きい第3の横幅を有し、第2の肩部は、クランプアームに向かって横断方向に面し、その上に過負荷面を有する、実施例13に記載の超音波外科用器具。
【実施例15】
【0065】
所定の圧力分配は、パッド本体が組織に対して圧縮されるときに、ほぞの所定の横ばね定数がパッド本体に沿って長手方向に圧力を均一化するように構成されるように、均一化された所定の圧力分配である、実施例1~14のいずれか1つ以上に記載の超音波外科用器具。
【実施例16】
【0066】
超音波外科用器具のためのクランプパッドであって、(a)長手方向に延び、組織を超音波外科用器具の超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、(b)パッド本体に固定され、クランプアームのほぞ穴内に受け入れられるように構成されたほぞと、を備え、このほぞは、(i)パッド本体から横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、(ii)レールから横断方向に延び、横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、第2の横幅が第1の横幅よりも大きく、クランプアーム内で固定するためにクランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、(iii)ほぞがほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、支持基部又はレールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、ほぞの所定の横ばね定数は、パッド本体が組織に対して圧縮されたときにパッド本体に沿って長手方向に圧力を均一化するように構成されている、クランプパッド。
【実施例17】
【0067】
ほぞ及びパッド本体が一体的に形成されている、実施例16に記載のクランプパッド。
【実施例18】
【0068】
複数の開口部のそれぞれが、支持基部を通って横方向に延びる、実施例16に記載のクランプパッド。
【実施例19】
【0069】
所定の圧力分配は、パッド本体が組織に対して圧縮されるときに、ほぞの所定の横ばね定数がパッド本体に沿って長手方向に圧力を均一化するように構成されるように、均一化された所定の圧力分配である、実施例16~18のいずれか1つ以上に記載のクランプパッド。
【実施例20】
【0070】
超音波外科用器具で組織を圧縮する方法であって、超音波外科用器具が、(a)シャフトアセンブリと、(b)シャフトアセンブリから遠位方向に延びるエンドエフェクタと、を含み、このエンドエフェクタが、(i)超音波ブレード、(ii)超音波ブレードに対して移動可能に固定されたクランプアームであって、それを通って長手方向に延びるほぞ穴を有する、クランプアーム、及び(iii)クランプアームに接続されたクランプパッドであって、(A)長手方向に延び、組織を超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、(B)パッド本体に固定され、ほぞ穴内に受け入れられるほぞと、を含む、クランプパッドを含み、このほぞが、(I)パッド本体から横断方向に延び、長手方向及び横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、(II)レールから横断方向に延び、横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、第2の横幅が、第1の横幅よりも大きく、クランプアーム内で固定するためにクランプアームに係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、(III)ほぞがほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、支持基部又はレールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、この方法は、(a)超音波ブレードとクランプアームとの間で組織を圧縮することと、(b)所定の横ばね定数に従ってほぞを弾性的に変形させ、それによって、所定の圧力分配に従って長手方向に組織に沿って圧力を分配することと、を含む、方法。
【0071】
V.その他
本明細書に記載される器具のバージョンのいずれも、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含み得ると理解されたい。単に一例として、上記の教示に加えて、本明細書で説明される器具は、米国特許第5,322,055号、米国特許第5,873,873号、米国特許第5,980,510号、米国特許第6,325,811号;米国特許第6,773,444号、米国特許第6,783,524号、米国特許第8,623,027号、米国特許第8,911,460号、米国特許第9,095,367号、米国特許第9,393,037号、米国公開第2006/0079874号、米国公開第2007/0191713号、米国公開第2007/0282333号、米国公開第2008/0200940号、米国公開第2009/0105750号、米国公開第2011/0015660号、米国公開第2012/0112687号、米国公開第2012/0116265号、米国公開第2015/0080924号、及び/又は米国特許出願第61/410,603号の教示の少なくともいくつかに従って構築され、動作可能であり得ることを理解されたい。前述の特許、特許公開、及び特許出願のそれぞれの開示は、参照により本明細書に組み込まれる。また、本明細書に記載の器具が、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesとの種々の構造的及び機能的な類似性を有し得ることを理解されたい。更に、本明細書で説明する器具は、本明細書で引用され、また参照により本明細書に組み込まれるその他の参考文献のいずれかで教示される装置と様々な構造的及び機能的な類似点を有し得る。
【0072】
本明細書に引用される参考文献の教示、HARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及び/又はHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesと、本明細書に記載の器具に関する本明細書における教示との間にいくらかの重複が存在する範囲で、本明細書のいずれの説明も、容認された従来技術とみなすことを意図しない。本明細書のいくつかの教示は、事実、本明細書に引用した参考文献の教示、並びにHARMONIC ACE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC WAVE(登録商標)Ultrasonic Shears、HARMONIC FOCUS(登録商標)Ultrasonic Shears、及びHARMONIC SYNERGY(登録商標)Ultrasonic Bladesの範囲を超えるであろう。
【0073】
本明細書に記載される器具のバージョンのいずれも、上述されるものに加えて、又はそれらの代わりに、様々なその他の特徴を含み得ると理解されたい。単に一例として、本明細書に記載される器具のいずれも、本明細書に参照により組み込まれる様々な参考文献のいずれかにおいて開示される様々な特徴のうちの1つ又は2つ以上も含むことができる。本明細書の教示は、本明細書に引用されるその他の参考文献のいずれかに記載される器具のいずれにも容易に適用され得、そのため、本明細書の教示は、本明細書に引用される参考文献のいずれかの教示と多くの方法で容易に組み合わせることができることも理解されたい。本明細書の教示が組み込まれ得るその他の種類の器具が、当業者に明らかになるであろう。
【0074】
本明細書で言及する値の任意の範囲はこのような範囲の上下限を含むと読み取られるべきであることも理解されたい。例えば、「約1.0インチ~約1.5インチ」の範囲として表される範囲は、それらの上限と下限との間の値を含むことに加えて、約1.0インチ及び約1.5インチを含むように読み取られるべきである。
【0075】
本明細書に参照により組み込まれると言及されるあらゆる特許、公報、又はその他の開示内容は、全体的に又は部分的に、組み込まれる内容が現行の定義、見解、又は本開示に記載されるその他の開示内容とあくまで矛盾しない範囲でのみ本明細書に組み込まれると理解されるべきである。それ自体、また必要な範囲で、本明細書に明瞭に記載される開示内容は、参照により本明細書に組み込まれるあらゆる矛盾する記載に優先するものとする。参照により本明細書に組み込まれると言及されているが、現行の定義、見解、又は本明細書に記載される他の開示内容と矛盾する任意の内容、又はそれらの部分は、組み込まれた内容と現行の開示内容との間に矛盾が生じない範囲においてのみ、組み込まれるものとする。
【0076】
上記の装置の変形例は、医療専門家により行われる従来の治療及び処置における用途のみではなく、ロボット支援された治療及び処置における用途をも有することができる。単に一例として、本明細書の様々な教示は、ロボット外科用システム、例えばIntuitive Surgical,Inc.(Sunnyvale,California)によるDAVINCI(商標)システムに容易に組み込まれ得る。同様に、本明細書の様々な教示は、その開示が本明細書に参照により組み込まれる、米国特許第6,783,524号、名称「Robotic Surgical Tool with Ultrasound Cauterizing and Cutting Instrument」(2004年8月31日公開)の様々な教示と容易に組み合わされ得ることを、当業者であれば理解するであろう。
【0077】
上記の変形形態は、1回の使用後に廃棄されるように設計されてもよいし、又はそれらは複数回使用されるように設計されることもできる。変形例は、いずれか又は両方の場合においても、少なくとも1回の使用後に再利用のために再調整され得る。再調整は、装置の分解工程、それに続く特定の部品の洗浄又は交換工程、及びその後の再組立工程の、任意の組み合わせを含み得る。特に、装置のいくつかの変形例は分解することができ、また、装置の任意の数の特定の部分若しくは部品を、任意の組み合わせで選択的に交換又は取り外してもよい。特定部分の洗浄及び/又は交換の際、デバイスのいくつかの変形形態は、再調整用の施設において、又は手術の直前に操作者によって、のいずれかで、その後の使用のために再組み立てされてもよい。当業者であれば、装置の再調整において、分解、洗浄/交換、及び再組立のための様々な技術を利用することができることを理解するであろう。かかる技術の使用、及び結果として得られる再調整された装置は、すべて本発明の範囲内にある。
【0078】
単に一例として、本明細書に記載される変形例は、処置の前及び/又は後に滅菌されてもよい。1つの滅菌技術では、装置をプラスチック製又はTYVEK製のバックなど、閉鎖及び封止された容器に入れる。次いで、容器及び装置を、γ線、X線、又は高エネルギー電子線などの、容器を透過し得る放射線場に置いてもよい。放射線は、装置上及び容器内の細菌を死滅させ得る。次いで、滅菌された装置を、後の使用のために、滅菌容器内に保管してもよい。β線若しくはγ線、エチレンオキシド、又は水蒸気が挙げられるがこれらに限定されない、当該技術分野で既知のその他の任意の技術を用いて、装置を滅菌してもよい。
【0079】
以上、本発明の様々な実施形態を示し、記載したが、当業者による適切な改変により、本発明の範囲から逸脱することなく、本明細書に記載の方法及びシステムの更なる適合化を実現することができる。かかる可能な改変のうちのいくつかについて述べたが、他の改変も当業者には明らかになるであろう。例えば、上記の実施例、実施形態、形状、材料、寸法、比率、工程などは例示的なものであって、必須のものではない。したがって、本発明の範囲は、以下の特許請求の範囲の観点から考慮されるべきものであり、本明細書及び図面に示され記載された構造及び動作の細部に限定されないものとして理解される。
【0080】
〔実施の態様〕
(1) 超音波外科用器具であって、
(a)シャフトアセンブリと、
(b)前記シャフトアセンブリから遠位に延びるエンドエフェクタと、を備え、前記エンドエフェクタが、
(i)超音波ブレード、
(ii)前記超音波ブレードに対して移動可能に固定されたクランプアームであって、それを通って長手方向に延びるほぞ穴を有する、クランプアーム、及び
(iii)前記クランプアームに接続されたクランプパッドであって、
(A)長手方向に延び、組織を前記超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、
(B)前記パッド本体に固定され、前記ほぞ穴内に受け入れられるほぞと、を含む、クランプパッドを含み、前記ほぞが、
(I)前記パッド本体から横断方向に延び、前記長手方向及び前記横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、
(II)前記レールから前記横断方向に延び、前記横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、前記第2の横幅が、前記第1の横幅よりも大きく、前記クランプアーム内で固定するために前記クランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、
(III)前記ほぞが前記ほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、前記支持基部又は前記レールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、
前記ほぞの前記所定の横ばね定数は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるとき、所定の圧力分配に従って、前記パッド本体に沿って長手方向に圧力を分配するように構成されている、超音波外科用器具。
(2) 前記ほぞの前記レール及び前記支持基部が、一体的に形成されている、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(3) 前記ほぞ及び前記パッド本体が一体的に形成されている、実施態様2に記載の超音波外科用器具。
(4) 前記支持基部が、前記レールから前記横断方向に突出する複数の弾性基部部材を含む、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(5) 前記複数の弾性基部部材が、間に前記複数の開口部をそれぞれ画定するように互いに離間した弾性基部部材の長手方向列を有する、実施態様4に記載の超音波外科用器具。
【0081】
(6) 前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部を通って横方向に延びる、実施態様5に記載の超音波外科用器具。
(7) 前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部の前記第2の横幅の全体にわたって横方向に延びる、実施態様6に記載の超音波外科用器具。
(8) 前記支持基部が、前記複数の弾性基部部材と前記レールとの間に延びるバットレスを更に含む、実施態様4に記載の超音波外科用器具。
(9) 前記複数の弾性基部部材のそれぞれが、前記パッド本体に対して所定のピッチで前記横断方向及び前記長手方向に近位に突出し、前記複数の弾性基部部材のそれぞれが、前記横断方向及び前記長手方向に前記所定の横ばね定数に従って弾性的に偏向するように構成されている、実施態様4に記載の超音波外科用器具。
(10) 前記支持基部が、前記長手方向に延びる細長い支持部材と、前記レールと前記細長い支持部材との間に横断方向に延びる複数の支柱部材とを有する、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
【0082】
(11) 前記複数の開口部が、前記複数の支柱部材の間でそれぞれ前記支持基部を通って横方向に延びる、実施態様10に記載の超音波外科用器具。
(12) 前記複数の開口部が、前記支持基部及び前記レールを通って横方向に延びる、実施態様11に記載の超音波外科用器具。
(13) 前記クランプパッドは、過負荷面を更に含み、前記パッド本体は、前記支持基部によって前記所定の横ばね定数で支持されている間に、第1の位置から第2の位置に向かって偏向するように構成されており、前記第1の位置の前記過負荷面が、前記クランプアームから係合解除されており、前記第2の位置の前記過負荷面が、前記パッド本体を更に支持するために前記クランプアームと係合されている、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
(14) 前記パッド本体が、前記パッド本体上に第2の肩部を画定するために、前記第1の横幅よりも大きい第3の横幅を有し、前記第2の肩部は、前記クランプアームに向かって横断方向に面し、その上に前記過負荷面を有する、実施態様13に記載の超音波外科用器具。
(15) 前記所定の圧力分配は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるときに、前記ほぞの前記所定の横ばね定数が、前記パッド本体に沿って長手方向に圧力を均一化するように構成されるように、均一化された所定の圧力分配である、実施態様1に記載の超音波外科用器具。
【0083】
(16) 超音波外科用器具のためのクランプパッドであって、
(a)長手方向に延び、組織を前記超音波外科用器具の超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、
(b)前記パッド本体に固定され、クランプアームのほぞ穴内に受け入れられるように構成されたほぞと、を備え、前記ほぞが、
(i)前記パッド本体から横断方向に延び、前記長手方向及び前記横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、
(ii)前記レールから前記横断方向に延び、前記横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、前記第2の横幅が、前記第1の横幅よりも大きく、前記クランプアーム内で固定するために前記クランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、
(iii)前記ほぞが前記ほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、前記支持基部又は前記レールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、
前記ほぞの前記所定の横ばね定数は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるとき、所定の圧力分配に従って、前記パッド本体に沿って長手方向に圧力を分配するように構成されている、クランプパッド。
(17) 前記ほぞ及び前記パッド本体が、一体的に形成されている、実施態様16に記載のクランプパッド。
(18) 前記複数の開口部のそれぞれが、前記支持基部を通って横方向に延びる、実施態様16に記載のクランプパッド。
(19) 前記所定の圧力分配は、前記パッド本体が前記組織に対して圧縮されるときに、前記ほぞの前記所定の横ばね定数が、前記パッド本体に沿って長手方向に圧力を均一化するように構成されるように、均一化された所定の圧力分配である、実施態様16に記載のクランプパッド。
(20) 超音波外科用器具で組織を圧縮する方法であって、前記超音波外科用器具が、(a)シャフトアセンブリと、(b)前記シャフトアセンブリから遠位に延びるエンドエフェクタと、を含み、前記エンドエフェクタが、(i)超音波ブレード、(ii)前記超音波ブレードに対して移動可能に固定されたクランプアームであって、それを通って長手方向に延びるほぞ穴を有する、クランプアーム、及び(iii)前記クランプアームに接続されたクランプパッドであって、(A)長手方向に延び、前記組織を前記超音波ブレードに向かって圧縮するように構成されたパッド本体と、(B)前記パッド本体に固定され、前記ほぞ穴内に受け入れられるほぞと、を含む、クランプパッドを含み、前記ほぞが、(I)前記パッド本体から横断方向に延び、前記長手方向及び前記横断方向に垂直な横方向に第1の横幅を有するレールと、(II)前記レールから前記横断方向に延び、前記横方向に第2の横幅を有する支持基部であって、前記第2の横幅が、前記第1の横幅よりも大きく、前記クランプアーム内で固定するために前記クランプアームと係合するように構成された第1の肩部を画定する、支持基部と、(III)前記ほぞが、前記ほぞに沿って長手方向に所定の横ばね定数を有するように、前記支持基部又は前記レールのうちの少なくとも1つを通って延びる複数の開口部と、を含み、前記方法が、
(a)前記超音波ブレードと前記クランプアームとの間で前記組織を圧縮することと、
(b)前記所定の横ばね定数に従って前記ほぞを弾性的に変形させることにより、所定の圧力分配に従って前記長手方向に前記組織に沿って圧力を分配することと、を含む、方法。
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5
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図7
図8
図9
図10
図11
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図13
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図15