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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】自動倉庫ユニット及び自動倉庫設備
(51)【国際特許分類】
   B65G 1/06 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B65G1/06 L
【請求項の数】 11
(21)【出願番号】P 2021575131
(86)(22)【出願日】2020-02-04
(86)【国際出願番号】 JP2020004153
(87)【国際公開番号】W WO2021156942
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-06-22
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】391032358
【氏名又は名称】平田機工株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松本 文吾
(72)【発明者】
【氏名】岩田 裕一
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平04-371404(JP,A)
【文献】特開平10-045235(JP,A)
【文献】実開平02-137308(JP,U)
【文献】特開平05-124721(JP,A)
【文献】特開平07-267306(JP,A)
【文献】米国特許第04972936(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65G 1/00-1/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
保管対象物が載置され、該保管対象物を第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、を備え、
前記入庫側及び出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、
を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられ、かつ、保管位置として該保管対象物に対応づけられる、前記固定コンベア上の位置を規定し、
前記第一の搬送コンベアは、それぞれ、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な第二の停止装置を備え、
前記第二の停止装置は、一つの保管対象物に割り当てられる前記第一の搬送コンベア上の保管位置を規定する、
ことを特徴とする自動倉庫ユニット。
【請求項2】
保管対象物が載置され、該保管対象物を第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、を備え、
前記入庫側及び出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、
を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられ、かつ、保管位置として該保管対象物に対応づけられる、前記固定コンベア上の位置を規定し、
前記第一の搬送コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に離間し、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な二つの第二の停止装置を備え、
前記二つの第二の停止装置は、一つの保管対象物に割り当てられる前記第一の搬送コンベア上の保管位置を規定する、
ことを特徴とする自動倉庫ユニット。
【請求項3】
保管対象物が載置され、該保管対象物を第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、
前記入庫側の移載ユニットに保管対象物を搬入する少なくとも1つの搬入装置と、
前記出庫側の移載ユニットから保管対象物を搬出する少なくとも1つの搬出装置と、
制御装置と、を備え、
前記入庫側及び出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられる前記固定コンベア上の保管位置を規定し、
前記制御装置は、前記保管対象物と、該保管対象物に割り当てられた前記保管位置と、を対応づけて前記保管対象物を管理する、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項4】
第一の方向に延び、水平方向に並べて配列された複数の自動倉庫ユニットと、
前記複数の自動倉庫ユニットの配列方向に沿って延び、前記第一の方向で前記複数の自動倉庫ユニットの一方側に設けられる入庫側の移載装置と、
前記複数の自動倉庫ユニットの配列方向に沿って延び、前記第一の方向で前記複数の自動倉庫ユニットの他方側に設けられる出庫側の移載装置と、
制御装置と、
を備えた自動倉庫設備であって、
前記複数の自動倉庫ユニットは、それぞれ、
保管対象物が載置され、該保管対象物を前記第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられる前記固定コンベア上の保管位置を規定し、
前記制御装置は、前記保管対象物と、該保管対象物に割り当てられた前記保管位置と、を対応づけて前記保管対象物を管理し、
前記入庫側の移載ユニット及び前記出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、を備え、
前記入庫側の移載装置は、前記複数の自動倉庫ユニットの各入庫側の移載ユニットに隣接して平行に配置され、
前記出庫側の移載装置は、前記複数の自動倉庫ユニットの各出庫側の移載ユニットに隣接して平行に配置され、
前記入庫側の移載装置は、
前記複数の自動倉庫ユニットの各入庫側の移載ユニットと対向する位置に、前記第二の方向に第二の移動体を往復動させる第二の移動装置と、
前記第二の移動体に支持され、前記各入庫側の移載ユニットに対して前記第一の方向に前記保管対象物を搬送する第二の搬送コンベアと、を備え、
前記出庫側の移載装置は、
前記複数の自動倉庫ユニットの各出庫側の移載ユニットと対向する位置に、前記第二の方向に第三の移動体を往復動させる第三の移動装置と、
前記第三の移動体に支持され、前記各出庫側の移載ユニットから前記第一の方向に前記保管対象物を搬送する第三の搬送コンベアと、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項5】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
複数の前記入庫側の移載装置が、前記配列方向に連結して設けられ、
複数の前記出庫側の移載装置が、前記配列方向に連結して設けられ、
前記自動倉庫設備は、更に、
隣接する前記入庫側の移載装置間で前記保管対象物を移載する入庫側の中継移載装置と、
隣接する前記出庫側の移載装置間で前記保管対象物を移載する出庫側の中継移載装置と、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項6】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
前記入庫側の移載装置に保管対象物を搬入する少なくとも1つの搬入装置と、
前記出庫側の移載装置から保管対象物を搬出する少なくとも1つの搬出装置と、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項7】
第一の方向に延びる少なくとも一つの自動倉庫ユニットと、
前記第一の方向に延び、前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットに並べて配置される少なくとも一つの第一の固定コンベアと、
前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットおよび前記第一の固定コンベアの配列方向に沿って延び、前記第一の方向で前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットおよび前記第一の固定コンベアの一方側に設けられる入庫側の移載装置と、
前記配列方向に沿って延び、前記第一の方向で前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットおよび前記第一の固定コンベアの他方側に設けられる出庫側の移載装置と、
制御装置と、
を備えた自動倉庫設備であって、
前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットは、それぞれ、
保管対象物が載置され、該保管対象物を前記第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられる前記固定コンベア上の保管位置を規定し、
前記制御装置は、前記保管対象物と、該保管対象物に割り当てられた前記保管位置と、を対応づけて前記保管対象物を管理し、
前記入庫側の移載ユニット及び前記出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、を備え、
前記入庫側の移載装置は、前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットの各入庫側の移載ユニットおよび前記少なくとも一つの第一の固定コンベアの一方端部側に隣接して平行に配置され、
前記出庫側の移載装置は、前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットの各出庫側の移載ユニットおよび前記少なくとも一つの第一の固定コンベアの他方端部側に隣接して平行に配置され、
前記入庫側の移載装置は、
前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットの各入庫側の移載ユニットおよび前記少なくとも一つの第一の固定コンベアと対向する位置に、前記第二の方向に第二の移動体を往復動させる第二の移動装置と、
前記第二の移動体に支持され、前記各入庫側の移載ユニットに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第二の搬送コンベアと、を備え、
前記出庫側の移載装置は、
前記少なくとも一つの自動倉庫ユニットの各出庫側の移載ユニットおよび前記少なくとも一つの第一の固定コンベアの一方端部側と対向する位置に、前記第二の方向に第三の移動体を往復動させる第三の移動装置と、
前記第三の移動体に支持され、前記各出庫側の移載ユニットから前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第三の搬送コンベアと、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項8】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
複数の前記入庫側の移載装置が、前記配列方向に連結して設けられ、
複数の前記出庫側の移載装置が、前記配列方向に連結して設けられ、
前記自動倉庫設備は、更に、
隣接する前記入庫側の移載装置間で前記保管対象物を移載する入庫側の中継移載装置と、
隣接する前記出庫側の移載装置間で前記保管対象物を移載する出庫側の中継移載装置と、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項9】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
前記入庫側の移載装置に保管対象物を搬入する少なくとも1つの搬入装置と、
前記出庫側の移載装置から保管対象物を搬出する少なくとも1つの搬出装置と、を備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項10】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
前記二列の固定コンベア及び前記入庫側及び出庫側の移載ユニットを制御する制御装置を更に備え、
前記制御装置は、一の前記保管位置から、別の前記保管位置へ前記保管対象物を搬送して停止する制御を実行する、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【請求項11】
請求項に記載の自動倉庫設備であって、
前記搬入装置から搬入されて保管する前記保管対象物を登録する入庫登録装置と、
前記搬出装置から搬出して保管が解除される前記保管対象物を登録する出庫登録装置と、を更に備える、
ことを特徴とする自動倉庫設備。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自動倉庫に関する。
【背景技術】
【0002】
コンベアを利用して保管対象物の搬入と保管及び搬出を行う自動倉庫設備を構築する技術が開示されている(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第3483048号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
コンベアを利用した自動倉庫設備において、自動倉庫設備に保管対象物を搬入する搬入順序と、自動倉庫設備から保管対象物を搬出する搬出順序とが異なる場合がある。いわゆる”後入れ先出し”や“先入れ後出し”である。その場合、特許文献1の自動倉庫設備では、ある列の格納コンベアに搬入された任意の保管対象物を搬出させるために、その任意の保管対象物が搬入される前に同じ列の格納コンベアに搬入された全ての保管対象物を搬出させる必要がある。言い換えると、所望の保管対象物を搬出させる前に、所望でない保管対象物を一旦搬出させる必要があるため、作業工程および作業時間の面で搬入出作業の効率が悪い。
【0005】
本発明の目的は、所望の保管対象物だけを効率よく搬入出可能な自動倉庫設備を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、
保管対象物が載置され、該保管対象物を第一の方向に搬送可能な二列の固定コンベアと、
前記二列の固定コンベアの一方端部側に設けられ、前記第一の方向と直交する第二の方向に延びる入庫側の移載ユニットと、
前記二列の固定コンベアの他方端部側に設けられ、前記第二の方向に延びる出庫側の移載ユニットと、を備え、
前記入庫側及び出庫側の移載ユニットは、それぞれ、
前記二列の固定コンベアのうちの一方の固定コンベアと対向する位置と、前記二列の固定コンベアのうちの他方の固定コンベアと対向する位置との間で前記第二の方向に第一の移動体を往復動させる第一の移動装置と、
前記第一の移動体に支持され、前記二列の固定コンベアに対して前記第一の方向に前記保管対象物を受け渡す第一の搬送コンベアと、
を備え、
前記二列の固定コンベアは、それぞれ、前記第一の方向に沿って配置され、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な複数の第一の停止装置を備え、
前記複数の第一の停止装置は、それぞれ、一つの前記保管対象物に割り当てられ、かつ、保管位置として該保管対象物に対応づけられる、前記固定コンベア上の位置を規定し、
前記第一の搬送コンベアは、それぞれ、前記保管対象物に当接してその搬送を停止可能な第二の停止装置を備え、
前記第二の停止装置は、一つの保管対象物に割り当てられる前記第一の搬送コンベア上の保管位置を規定する、
ことを特徴とする自動倉庫ユニットが提供される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、所望の保管対象物だけを効率よく搬入出可能な自動倉庫設備を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施形態に係る自動倉庫設備の平面図。
図2図1のA-A線断面矢視図と部分拡大図。
図3図1の自動倉庫設備の動作例の説明図。
図4図1の自動倉庫設備の動作例の説明図。
図5図1の自動倉庫設備の動作例の説明図。
図6図1の自動倉庫設備の動作例の説明図。
図7図1の自動倉庫設備の動作例の説明図。
図8図1の自動倉庫設備の別の動作例の説明図。
図9】別の実施形態に係る自動倉庫設備の平面図。
図10】別の実施形態に係る自動倉庫設備の側面図。
図11】別の実施形態に係る自動倉庫設備の平面図。
図12】別の実施形態に係る自動倉庫設備の平面図。
図13】別の実施形態に係る自動倉庫設備のレイアウト図。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。尚、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴が任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0010】
<第一実施形態>
<自動倉庫設備>
図1は本発明の一実施形態に係る自動倉庫設備1の平面図、図2図1のA-A線断面矢視図と部分拡大図である。各図において矢印X、矢印Yは直交する水平方向を示し、矢印ZはX-Y平面に対する垂直方向を示す。自動倉庫設備1は、自動倉庫ユニット2と、搬入装置3Aと、搬出装置3Bと、入庫登録装置4Aと、出庫登録装置4Bと、制御装置11とを備える。保管対象物は自動倉庫ユニット2において保管される。搬入装置3Aは自動倉庫ユニット2に保管対象物を搬入する装置であり、搬出装置3Bは自動倉庫ユニット2から保管対象物を搬出する装置である。自動倉庫設備1は、制御装置11によって動作が制御される。
【0011】
制御装置11は、例えば、CPUに代表されるプロセッサ、RAMやROM或いはハードディスク等の記憶デバイス、外部デバイスとプロセッサとを中継する入出力インタフェース等を備える。入庫登録装置4A及び出庫登録装置4Bは制御装置11と通信可能に接続されている。入庫登録装置4Aは、搬入装置3Aから自動倉庫ユニット2へ保管対象物を搬入して保管する場合にその登録を行う装置であり、出庫登録装置4Bは、自動倉庫ユニット2に保管されていた保管対象物を搬出装置3Bへ搬出して保管を解除する場合にその登録を行う装置である。
【0012】
入庫登録装置4A及び出庫登録装置4Bは、例えば、保管対象物に固有の識別情報を入力する装置である。識別情報は、例えば、RFID等のICタグに記憶されて保管対象物に付される。この場合、入庫登録装置4A及び出庫登録装置4Bは、非接触でICタグから識別情報を読み取る読み取り装置を備え、読み取った識別情報を制御装置11に送信する。制御装置11は入庫登録装置4Aから受信した識別情報と、その保管対象物の保管位置とを対応づけてデータベースに記憶し、管理する。データベースは制御装置11の内部又は外部の記憶デバイスに構築される。また、制御装置11は出庫登録装置4Bから受信した識別情報に対応する保管対象物を出庫済みの保管対象物とし、データベースを更新する。これにより自動倉庫ユニット2に保管されている保管対象物の入出庫管理を行うことができる。
【0013】
識別情報は、ICタグに記憶させ、保管対象物に付す以外に、バーコードや二次元コードとして保管対象物に直接印字したり、シール貼付したりしてもよい。この場合、入庫登録装置4A及び出庫登録装置4Bはこうしたコードを読み取るリーダを備える。また、識別情報は文字や記号で保管対象物に表されてもよい。この場合、入庫登録装置4A及び出庫登録装置4Bはこうした文字や記号を作業者が手入力可能な入力装置を備えていてもよい。保管対象物は、パレットやトレイに搭載して保管することが好ましい。この場合、保管対象物に固有の識別情報が、パレットやトレイ側の識別情報媒体に記憶される。ここで言う、識別情報媒体とは、ICタグ、バーコード、二次元コードのことである。
【0014】
<自動倉庫ユニット>
自動倉庫ユニット2は、水平面において左右に配置される(図1中ではY方向に並べた)二列の固定コンベア6A、6Bと、入庫側の移載ユニット7Aと、出庫側の移載ユニット7Bとを備える。各固定コンベア6A、6Bは1つ以上のコンベアユニットからなり、X方向に延設して、かつ、床面に固定して設置されており、保管対象物をX方向に搬送可能なコンベアである。固定コンベア6Aと固定コンベア6Bは、保管対象物をX方向の双方向に搬送可能な機能を有している。しかし、本実施形態の場合、固定コンベア6Aと固定コンベア6Bは保管対象物の搬送方向が互いに逆方向となるように制御動作される。固定コンベア6Aは移載ユニット7A側から移載ユニット7B側へ保管対象物を搬送し、固定コンベア6Bは移載ユニット7B側から移載ユニット7A側へ保管対象物を搬送する。または、固定コンベア6Aは移載ユニット7B側から移載ユニット7A側へ保管対象物を搬送し、固定コンベア6Bは移載ユニット7A側から移載ユニット7B側へ保管対象物を搬送する。
【0015】
固定コンベア6A及び6Bは基本的に同じ構造であり、両者を特に区別しない場合、固定コンベア6と称する。固定コンベア6は、本実施形態の場合、ローラコンベアであるが、ベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。
【0016】
固定コンベア6は、本実施形態の場合、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組を、X方向に連続的に配置して構成されている。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は、Y方向に延設された複数のフレーム60により連結され、平行に配列される。各ローラユニットRUは、駆動ユニットDUと、複数の搬送ローラRをX方向に配列したローラ列と、駆動ユニットDUの駆動力を各搬送ローラRに伝達する伝達機構とを備える。駆動ユニットDUは例えば、モータ等の駆動源と、駆動源の出力を減速する減速機とを備える。駆動ユニットDUの駆動力は、伝達機構によって各搬送ローラRに伝達され、各搬送ローラRはY方向の回転軸を回転中心として回転する。伝達機構は、例えば、歯車装置、チェーン伝動機構、或いは、ベルト伝動機構である。ローラユニットRUは、垂直なガイド面を有するガイド壁Gを有する。ガイド壁Gは搬送ローラR上を移動する保管対象物のY方向におけるガタツキを規制し、搬送をガイドする。
【0017】
固定コンベア6は、また、保管対象物の保管位置を規定する複数の停止装置61を備える。各停止装置61はフレーム60に支持されている。停止装置61は、当接部61aと、当接部61aを上昇位置と下降位置との間でZ方向に移動するアクチュエータ(電動アクチュエータ61b)とを備える。図2は当接部61aが上昇位置に位置している状態を示している。上昇位置において、当接部61aの一部は、各搬送ローラRにより規定される搬送面CSよりも高い位置に位置する。これにより、各搬送ローラRにより搬送される保管対象物が当接部61aに当接し、停止する。下降位置において、当接部61aは搬送面CSよりも低い位置に位置する。これにより、各搬送ローラRにより搬送される保管対象物は、当接部61aに当接することなく、停止装置61上を通過する。電動アクチュエータ61bは例えば電磁ソレノイドや電動シリンダ等である。本実施の形態においては、アクチュエータとして電動アクチュエータ61bを好適とするが、停止装置として慣用のエアシリンダ等を用いても良いことは言うまでもない。
【0018】
制御装置11は、保管対象物を搬送したり、保管位置に停止させたりするために停止装置61を駆動する。例えば、保管対象物を所定の保管位置に保管する場合、その保管位置に対応する停止装置61の当接部61aを上昇位置に上昇させる。固定コンベア6により搬送される保管対象物が所定の保管位置に到達すると、保管対象物と当接部61aとが当接することにより保管対象物が停止される。このとき、搬送ローラRの回転は継続しつつ、保管対象物に対しては空転するようにし、保管対象物に搬送力が伝達されないようにすることが好ましい。停止された保管対象物を再度搬送する際には、当接部61aを下降位置に下降させる。
【0019】
なお、保管対象物の保管位置の制御は停止装置61を用いた方式以外の方式も採用可能である。例えば、各保管位置に保管対象物の到来を検知するセンサを設け、センサの検知結果により保管対象物の搬送を制御して保管位置に停止させてもよい。
【0020】
次に、移載ユニット7A及び7Bについて説明する。移載ユニット7Aは、二列の固定コンベア6A及び6Bの延設方向(図1中ではX方向)における一方端部側(搬入装置3A側)に設けられており、移載ユニット7Bは、二列の固定コンベア6A及び6Bの延設方向における他方端部側(搬出装置3B側)に設けられている。移載ユニット7A及び7Bは基本的に同じ構造であり、両者を特に区別しない場合、移載ユニット7と称する。
【0021】
移載ユニット7は、二列の固定コンベア6A及び6Bに渡ってY方向に延設されている。移載ユニット7は、移動体8aをY方向に移動させる移動装置8と、移動体8aに支持された搬送コンベア9を備える。移動装置8は、本実施形態の場合、移動体8aをY方向に往復動させるローラコンベアである。
【0022】
移動装置8は、本実施形態の場合、X方向に離間した二つのローラユニットRUの組により構成されている。各ローラユニットRUはY方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。X方向に離間した二つのローラユニットRUの列は、X方向に延設された複数のフレーム80により連結され、平行に配列される。移動体8aはローラR上に搭載された板状の部材であり、ローラRの回転によってY方向に移動される。
【0023】
なお、移動装置8はベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。また、移動装置8は移動体8aを往復動させるコンベア以外の機構であってもよく、例えば、ボールねじ機構、ベルト伝動機構、リニアモータ等であってもよい。
【0024】
搬送コンベア9は、移動体8aに搭載され、移動体8aに固定されている。搬送コンベア9は、本実施形態の場合、ローラコンベアであるが、ベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。搬送コンベア9は、本実施形態の場合、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組で構成されている。各ローラユニットRUはX方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は移動体8aにより連結され、平行に配列される。
【0025】
搬送コンベア9は、保管対象物をX方向の双方向に移載可能である。搬送コンベア9と固定コンベア6A及び6Bの搬送面CSは同じ高さである。搬送コンベア9は固定コンベア6A及び6Bに対してX方向に保管対象物を受け渡す。本実施形態の場合、移動装置8は移動体8aを移動させることにより、移動体8aに固定された搬送コンベア9を二つの停止位置の間で往復動させる。具体的には、移動装置8は搬送コンベア9を、固定コンベア6Aと連続する位置と、固定コンベア6Bと連続する位置との間で往復動させる。したがって搬送コンベア9は移動コンベア、トラバーサということもできる。移動体8aは、例えば、移動装置8に設けられた停止位置毎のストッパと当接することで停止される。
【0026】
搬送コンベア9は、また、保管対象物の保管位置を規定する二つの停止装置61を備える。各停止装置61は移動体8aにX方向に離間して支持されている。一方の停止装置61で保管対象物を停止させた際、他方の停止装置61は保管対象物の他方側への移動を規制する。これにより、搬送コンベア9がY方向に往復動する際に、保管対象物が搬入装置3A(または搬出装置3B)側に不意に移動し、搬送コンベア9から脱落することを防止している。また、入庫側の移載ユニット7Aの搬送コンベア9は、固定コンベア6側に停止装置61を、搬入装置3A側に移載ユニット7Aから搬入装置3A側への保管対象物の移動を防止するアンチバック機構等を備えていてもよい。
【0027】
制御装置11は、保管対象物を搬送したり、保管位置に停止させたりするためにそれぞれの停止装置61を駆動する。例えば、保管対象物を所定の保管位置に保管する場合、その保管位置に対応する停止装置61の当接部61aを上昇位置に上昇させる。固定コンベア6により搬送される保管対象物が所定の保管位置に到達すると、保管対象物と当接部61aとが当接することにより保管対象物の搬送が停止される。このとき、搬送ローラRの回転は継続しつつ、保管対象物に対しては空転するようにし、保管対象物に搬送力が伝達されないようにすることが好ましい。停止された保管対象物を再度搬送する際には、搬送方向に対応する当接部61aを下降位置に下降させる。
【0028】
なお、保管対象物の保管位置の制御は停止装置61を用いた方式以外の方式も採用可能である。例えば、搬送コンベア9上の所定の保管位置に保管対象物の到来を検知するセンサを設け、センサの検知結果により保管対象物の搬送を制御して保管位置に停止させてもよい。
【0029】
搬送コンベア9の二つの停止位置の一方は、搬送コンベア9のローラユニットRUと、固定コンベア6AのローラユニットRUとが対向する位置であり、この停止位置を停止位置Aと呼ぶことにする。図1の例では移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Aに停止している。停止位置Aでは、搬入装置3Aおよび搬出装置3BのローラユニットRUと、搬送コンベア9のローラユニットRUと、固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0030】
搬送コンベア9の二つの停止位置の他方は、搬送コンベア9のローラユニットRUと、固定コンベア6BのローラユニットRUとが対向する位置であり、この停止位置を停止位置Bと呼ぶことにする。図1の例では移載ユニット7Bの搬送コンベア9が停止位置Bに停止している。停止位置Bでは、搬送コンベア9のローラユニットRUと、固定コンベア6BのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0031】
本実施形態の場合、制御動作において、移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Aに位置している場合、搬送コンベア9と固定搬送ユニット6Aとの間で保管対象物を移載可能である。また、搬入装置3Aから搬送コンベア9へ保管対象物を移載可能である。移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Bに位置している場合、固定搬送ユニット6Bと搬送コンベア9との間で保管対象物を移載可能である。
【0032】
本実施形態の場合、制御動作において、移載ユニット7Bの搬送コンベア9が停止位置Aに位置している場合、固定搬送ユニット6Aと搬送コンベア9との間で保管対象物を移載可能である。また、搬送コンベア9から搬出装置3Bへ保管対象物を移載可能である。移載ユニット7Bの搬送コンベア9が停止位置Bに位置している場合、搬送コンベア9と固定搬送ユニット6Bとの間で保管対象物を移載可能である。
【0033】
<搬入装置及び搬出装置>
搬入装置3A及び搬出装置3Bについて説明する。搬入装置3Aは、移載ユニット7Aに隣接して配置され、移載ユニット7Aに保管対象物を受け渡す(搬入する)。搬出装置3Bは、移載ユニット7Bに隣接して配置され、移載ユニット7Bから保管対象物を受け入れる(搬出する)。
【0034】
搬入装置3Aは、本実施形態の場合、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組で構成されている。各ローラユニットRUはX方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は複数のフレーム30により連結され、平行に配列される。
【0035】
搬出装置3Bは、本実施形態の場合、搬入装置3Aと同様の構成であり、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組で構成されている。各ローラユニットRUはX方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は複数のフレーム30により連結され、平行に配列される。
【0036】
搬入装置3A及び搬出装置3Bと搬送コンベア9と固定コンベア6A及び6Bの搬送面CSは同じ高さである。搬入装置3Aは、停止位置Aに位置する移載ユニット7Aの搬送コンベア9と対向する位置に配置されており、搬入装置3AのローラユニットRUと停止位置Aの搬送コンベア9のローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。搬出装置3Bは、停止位置Aに位置する移載ユニット7Bの搬送コンベア9と対向する位置に配置されており、搬入装置3BのローラユニットRUと停止位置Aの搬送コンベア9のローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0037】
搬入装置3A及び搬出装置3Bは、保管対象物をX方向の双方向に移載可能な機能を有している。しかし、本実施形態の場合、制御動作においては、搬入装置3Aは保管対象物を、停止位置Aに位置する移載ユニット7Aの搬送コンベア9へ受け渡す。また、搬出装置3Bは、停止位置Aに位置する移載ユニット7Bの搬送コンベア9から保管対象物を受け入れる。
【0038】
なお、本実施形態では、搬入装置3A及び搬出装置3Bとして、ローラコンベアを例示したが、ベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。また、搬入装置3A及び搬出装置3Bは、空中電車やドローン等の空中搬送装置や、無人搬送車であってもよい。
【0039】
<動作例>
図3図7を参照して制御装置11の制御による自動倉庫設備1の動作例について説明する。本実施形態の場合、移載ユニット7A、固定コンベア6A、移載ユニット7B及び固定コンベア6Bの各搬送路によって、保管対象物を水平循環搬送する環状の搬送路を形成可能である。これにより、保管対象物の搬入順序に関係なく、所望の保管対象物だけを効率よく搬出可能である。
【0040】
図3の状態ST1は搬入装置3Aから保管対象物W1が入庫される状態を示している。移載ユニット7A及び7Bの各搬送コンベア9は、いずれも停止位置Aに位置している。搬入装置3A、移載ユニット7Aの搬送コンベア9、固定コンベア6A、移載ユニット7Bの搬送コンベア9を駆動することにより、保管対象物W1が搬入装置3A→移載ユニット7A(停止位置A)→固定コンベア6A→移載ユニット7B(停止位置A)の順に移載、搬送され、状態ST2に示すように保管対象物W1が移載ユニット7Bの搬送コンベア9上に移載される。そして、搬送方向前方側の停止装置61を駆動させることにより、当接部61aが上昇位置に位置され、保管対象物W1は移載ユニット7Bの搬送コンベア9上における搬送方向前方側の停止装置61の位置で停止される。保管対象物W1は、まずはこの搬送コンベア9上を保管位置とする。
【0041】
図3の状態ST3は搬入装置3Aから次の保管対象物W2が搬入された状態を示している。保管対象物W2は固定コンベア6A上を保管対象物W1に隣接する位置まで搬送され、停止装置61の駆動によりその位置で停止される。保管対象物W2は、まずはこの固定コンベア6A上の保管対象物W1と隣接する位置を保管位置とする。
【0042】
この状態で保管対象物W1を出庫する必要が生じたとする。すると、図4の状態ST4に示すように、移載ユニット7Bのコンベア9と搬出装置3Bとを駆動し、移載ユニット7B上の搬送コンベア9に設けた停止装置61を下降させることにより、保管対象物W1を搬出装置3Bへと受け渡すことができる。
【0043】
図3の状態ST3から更に別の保管対象物が順次入庫される場合、固定コンベア6A上に順次保管対象物が搬送され、保管される。図4の状態ST5に示すように、固定コンベア6A上に保管対象物W2~W5が載置されて保管されると固定コンベア6Aにはこれ以上、保管対象物を保管できない。搬入装置3Aから次の保管対象物W6が入庫される段階になると水平循環搬送を開始する。図4の状態ST6に示すように、移載ユニット7Bの搬送コンベア9が保管対象物W1と共に停止位置Aから停止位置Bに移動される。搬入装置3Aから移載ユニット7Aの搬送コンベア9へ保管対象物W6が移載される。
【0044】
図5の状態ST7に示すように、移載ユニット7Bの搬送コンベア9から固定コンベア6Bに保管対象物W1が移載される。その後、移載ユニット7Bの搬送コンベア9は停止位置Bから元の停止位置Aに移動される。図5の状態ST8に示すように、固定コンベア6Bによって保管対象物W1が移載ユニット7Aの側へ搬送される。また、保管対象物W2が固定コンベア6Aから移載ユニット7Bの搬送コンベア9へ移載される。保管対象物W3~W5は固定コンベア6Aによる搬送により、保管位置が移載ユニット7Bの側へ1個分ずれる。保管対象物W6は移載ユニット7Aの搬送コンベア9から固定コンベア6Aへ移載される。
【0045】
こうした搬送動作を繰り返すことで、図5の状態ST9に示すように、自動倉庫ユニット2には最大で九つの保管対象物W1~W9を保管することができる。図5の状態ST9から保管対象物W1を出庫する場合について説明する。図6の状態ST10に示すように、先ず制御装置11により、移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Aから停止位置Bに移動される。また、このとき、移載ユニット7Bの搬送コンベア9が保管対象物W5と共に停止位置Aから停止位置Bに移動される。図6の状態ST11に示すように、保管対象物W1は固定コンベア6Bから移載ユニット7Aの搬送コンベア9へ移載される。その後、保管対象物W2~W4は固定コンベア6Bによる搬送により、保管位置が移載ユニット7Aの側へ1個分ずれる。保管対象物W5は移載ユニット7Bの搬送コンベア9から固定コンベア6Bへ移載される。
【0046】
図7の状態ST12に示すように、移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Bから保管対象物W1と共に停止位置Aに移動され、移載ユニット7Bの搬送コンベア9が同じく停止位置Bから停止位置Aに移動される。図7の状態ST13に示すように、保管対象物W6が固定コンベア6Aから移載ユニット7Bの搬送コンベア9へ移載される。その後、保管対象物W7~W9は固定コンベア6Aによる搬送により、保管位置が移載ユニット7Bの側へ1個分ずれる。保管対象物W1は移載ユニット7Aの搬送コンベア9から固定コンベア6Aへ移載される。
【0047】
図7の状態ST13は、保管対象物W1~W9の保管位置を除いて図5の状態ST9と同様の状態となる。この後、状態ST10~状態ST12の動作を繰り返すことで、最終的に保管対象物W1が移載ユニット7Bの搬送コンベア9に移載される。そうすると、図4の状態ST4に示したように保管対象物W1を搬送コンベア9から搬出装置3Bへ移載することができる。
【0048】
以上のように、本実施形態では、自動倉庫ユニット2において保管対象物を循環的に搬送することができる。したがって、例えば、図5の状態ST9において、保管対象物W2を搬出する必要が生じた場合、保管対象物W2が移載ユニット7Bの搬送コンベア9上に到達するまで、状態ST10~状態ST12の動作を繰り返すことにより、保管対象物W2のみを搬出させることが可能となる。すなわち、所望の保管対象物W2を搬出させる前に、所望でない保管対象物W1、W3~W9を一旦搬出させる必要が無い。このため、作業工程および作業時間の面で搬入出作業の効率が良好である。よって、所望の保管対象物だけを効率よく搬入出することが可能である。
【0049】
なお、本実施形態では、保管対象物の循環搬送方向を平面視で時計回りとしたが、反時計回りに自動倉庫ユニット2の搬送制御を行うようにしても良い。反時計回りの場合、移載ユニット7A→固定コンベア6B→移載ユニット7B→固定コンベア6A→移載ユニット7Aの順で保管対象物を循環的に搬送する。循環搬送方向の変更を行う場合、保管位置の変更(停止装置61の位置の変更)のみで対応可能である。また、時計回りおよび反時計回りの両方向に搬送制御が可能なようにしても良い。この場合、両方向の搬送制御に対応する位置にそれぞれ停止装置61を設置すれば、状況に応じて保管対象物の循環搬送方向を切り替えることが可能となる。これにより、所望の保管対象物を搬出する際、最短距離となる方向へ搬送路の循環搬送を行うことで、所望の保管対象物が搬出されるまでの時間を短縮でき、保管対象物の搬出効率を向上させることが可能となる。
【0050】
<第二実施形態>
第一実施形態では、保管対象物の循環搬送により他の保存対象物を搬出させることなく所望の保管対象物のみを搬出させることを可能としたが、循環搬送しない構成も採用可能である。図8は循環搬送しない例を模式的に示している。自動倉庫ユニット2の構成は第一実施形態と同じであるが、制御上、固定コンベア6A及び固定コンベア6Bによる保管対象物の搬送方向は同じ方向(図8中では搬入装置3A側から搬出装置3B側へ向かう方向)である。また、固定コンベア6Bにおいては、移載ユニット7Bの側から移載ユニット7Aの側に向けて保管対象物が保管されていくため、保管位置(停止装置61の位置)が第一実施形態とは異なることになる。
【0051】
図8の状態ST21は、一つ目の保管対象物W1が搬入され、固定コンベア6Aの、移載ユニット7B側の端部の保管位置に保管されている。そして、次の保管対象物W2が搬入される段階を示している。保管対象物W2は搬入装置3Aから移載ユニット7Aの搬送コンベア9に移載されたのち、状態ST22に示すように搬送コンベア9が停止位置Aから保管対象物W2と共に停止位置Bに移動される。そして、状態ST23に示すように保管対象物W2は搬送コンベア9から固定コンベア6Bへ移載され、固定コンベア6Bの、移載ユニット7B側の端部の保管位置に保管される。
【0052】
この後、保管対象物W1を出庫する場合は、固定コンベア6Aから移載ユニット7Bの搬送コンベア9へ保管対象物W1を移載したのち、さらに搬出装置3Bへ移載する。一方、保管対象物W1よりも先に保管対象物W2を出庫することも可能であり、この場合は、移載ユニット7Bの搬送コンベア9を停止位置Bに移動させたのち、固定コンベア6Bから移載ユニット7Bの搬送コンベア9へ保管対象物W2を移載する。その後、移載ユニット7Bの搬送コンベア9を停止位置Bから保管対象物W2と共に停止位置Aに移動させ、保管対象物W2を搬出装置3Bへ移載する。
【0053】
このような制御を行うことにより、例えば二種類の保管対象物について、いわゆる”先入れ先出し”のワーク保管を行うことができ、二種類の内、所望の保管対象物を効率よく出庫させることができる。
【0054】
<第三実施形態>
第一実施形態では、保管対象物を水平循環搬送させる構成を例示したが垂直循環搬送させる構成も採用可能である。図9は本実施形態の自動倉庫設備1の平面図、図10はその側面図である。以下、第一実施形態と異なる構成について説明する。
【0055】
本実施形態の自動倉庫ユニット2は、固定コンベア6Aと固定コンベア6Bとが上下に並べて配置されている。具体的には、固定コンベア6Bが複数の支柱12によって固定コンベア6Aの上方に支持されており、両者が上下に重なるように配置されている。
【0056】
移載ユニット7は、移動装置8に代えて移動装置13を備える。移動装置13は移動体8aをZ方向に往復動する昇降装置である。移動体8aは連結部13aを介して移動装置13に片持ち状態で支持されている。
【0057】
移載ユニット7の搬送コンベア9は、下側の停止位置Aと上側の停止位置Bとの間を往復動される。図10の例では、移載ユニット7Aの搬送コンベア9が停止位置Aに位置し、移載ユニット7Bの搬送コンベア9が停止位置Bに位置している。ここで、移載ユニット7の搬送コンベア9の搬送面CSは、停止位置Aに位置するとき、搬入装置3A、固定コンベア6A及び搬出装置3Bと同じ高さであり、停止位置Bに位置するとき、固定コンベア6Bと同じ高さである。
【0058】
制御動作に関しては、搬送コンベア9の移動方向及び固定コンベア6A及び6Bの配置が上下となるだけであり、第一実施形態や第二実施形態と同様の制御動作を実行可能である。本実施形態の自動倉庫ユニット2は、自動倉庫のフットプリントが小さくて済み、かつ、倉庫の建屋高さを有効に活用することができるため、第一実施形態や第二実施形態と比較して空間利用効率が良好である。
【0059】
<第四実施形態>
第一実施形態では、一つの自動倉庫ユニット2を有する自動倉庫設備1を例示したが、複数の自動倉庫ユニット2によって自動倉庫設備1を構成することも可能である。図11はその一例を示す自動倉庫設備1の平面図である。
【0060】
本実施形態の自動倉庫設備1は、二つの自動倉庫ユニット2A及び2BがY方向に並べて配列されている。自動倉庫ユニット2A及び2Bは、いずれも第一実施形態で説明した自動倉庫ユニット2と同じ構成のユニットである。搬入装置3Aと二つの自動倉庫ユニット2A及び2Bとの間には、入庫側の移載装置14Aが配置され、搬出装置3Bと二つの自動倉庫ユニット2A及び2Bとの間には、出庫側の移載装置14Bが配置されている。各移載装置14A及び14Bは、全体として二つの自動倉庫ユニット2A及び2Bの配列方向(Y方向)に沿って延びており、移載装置14Aは二つの自動倉庫ユニット2A及び2BのX方向の一方側(搬入装置3A側)に、移載装置14Bは二つの自動倉庫ユニット2A及び2BのX方向の他方側(搬出装置3B側)にそれぞれ配置されている。移載装置14Aは移載ユニット7Aに隣接して移載ユニット7Aと平行に延び、移載装置14Bは移載ユニット7Bに隣接して移載ユニット7Bと平行に延びている。
【0061】
本実施形態の場合、移載装置14A及び14Bは基本的に同じ構造であり、両者を特に区別しない場合、移載装置14と称する。移載装置14は本実施形態の場合、移載ユニット7と同様の構成である。移載装置14は、移動体16aをY方向に移動させる移動装置15と、移動体16aに支持された搬送コンベア16とを備える。移動装置15は、本実施形態の場合、移動体16aをY方向に往復動させるローラコンベアである。
【0062】
移動装置15は、本実施形態の場合、X方向に離間した二つのローラユニットRUの組により構成されている。各ローラユニットRUはY方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。X方向に離間した二つのローラユニットRUの列は、X方向に延設された複数のフレーム150により連結され、平行に配列される。移動体16aはローラR上に搭載された板状の部材であり、ローラRの回転によってY方向に移動される。
【0063】
なお、移動装置15はベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。また、移動装置15は移動体15aを往復動させるコンベア以外の機構であってもよく、例えば、ボールねじ機構、ベルト伝動機構、リニアモータ等であってもよい。
【0064】
搬送コンベア16は、移動体15aに搭載され、移動体15aに固定されている。搬送コンベア16は、本実施形態の場合、ローラコンベアであるが、ベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。搬送コンベア16は、本実施形態の場合、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組で構成されている。各ローラユニットRUはX方向に延設されており、その構成は固定コンベア6で説明したローラユニットRUとローラRの数が異なる点を除いて同じである。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は移動体16aにより連結され、平行に配列される。
【0065】
搬送コンベア16は、保管対象物をX方向の双方向に移載可能である。搬送コンベア16と移載ユニット7の搬送コンベア9の搬送面は同じ高さである。移載装置14Aの搬送コンベア16は搬入装置3Aから保管対象物を受け取り、移載ユニット7Aの搬送コンベア9に保管対象物を移載する。移載装置14Bの搬送コンベア16は移載ユニット7Bの搬送コンベア9から保管対象物を受け取り、搬出装置3Bに保管対象物を移載する。本実施形態の場合、移動装置15は移動体15aを移動させることにより、移動体15aに固定された搬送コンベア16を二つの停止位置の間で往復動させる。したがって搬送コンベア16は移動コンベアということもできる。移動体16aは、例えば、移動装置15に設けられた停止位置毎のストッパと当接することで停止される。
【0066】
移載装置14Aの搬送コンベア16の二つの停止位置の一方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7Aと対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7Aが停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7Aと対向する位置である。この停止位置を停止位置C1と呼ぶことにする。図11の例では移載装置14Aの搬送コンベア16が停止位置C1に停止している。停止位置C1では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、搬入装置3AのローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2Aの停止位置Aの移載ユニット7Aと、自動倉庫ユニット2Aの固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0067】
移載装置14Aの搬送コンベア16の二つの停止位置の他方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7Aと対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7Aが停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7Aと対向する位置である。この停止位置を停止位置D1と呼ぶことにする。停止位置D1では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2Bの停止位置Aの移載ユニット7Aと、自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0068】
移載装置14Bの搬送コンベア16の二つの停止位置の一方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7Bと対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7Bが停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7Bと対向する位置である。この停止位置を停止位置C2と呼ぶことにする。停止位置C2では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、搬出装置3BのローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2Aの停止位置Aの移載ユニット7Bと、自動倉庫ユニット2Aの固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0069】
移載装置14Bの搬送コンベア16の二つの停止位置の他方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7と対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7が停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7と対向する位置である。この停止位置を停止位置D2と呼ぶことにする。図11の例では移載装置14Bの搬送コンベア16が停止位置D2に停止している。停止位置D2では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2Bの停止位置Aの移載ユニット7Aと、自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0070】
移載装置14の搬送コンベア16は、保管対象物の保管位置を規定する停止装置61を備える。移載装置14Aにおける停止装置61は移動体16aの移載ユニット7A側に設けられている。また、移載装置14Bにおける停止装置61は移動体16aの搬出装置3B側に設けられている。また、搬送コンベア16は、保管対象物が搬入装置3A側または移載ユニット7B側に不意に移動し、脱落することを防止するためのアンチバック機構等を備えていてもよい。
【0071】
本実施形態の場合、制御装置11は、二つの自動倉庫ユニット2A及び2B毎に、保管対象物の入出庫を管理することができる。自動倉庫ユニット2Aに保管対象物を入庫する場合、搬送対象物は搬入装置3A→移載装置14Aの搬送コンベア16(停止位置C1)→自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7A(停止位置A)→自動倉庫ユニット2Aの固定コンベア6Aの順に移載される。自動倉庫ユニット2Bに保管対象物を入庫する場合、搬送対象物は搬入装置3A→移載装置14Aの搬送コンベア16(停止位置C1)→搬送コンベア16を停止位置D1へ移動→自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7A(停止位置A)→自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6Aの順に移載される。
【0072】
自動倉庫ユニット2Aから保管対象物を出庫する場合、搬送対象物は、自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7B(停止位置A)→移載装置14Bの搬送コンベア16(停止位置C2)→搬出装置3Bの順に移載され、搬出装置3Bから出庫される。自動倉庫ユニット2Bから保管対象物を出庫する場合、搬送対象物は、自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7B(停止位置A)→移載装置14Bの搬送コンベア16(停止位置D2)→搬送コンベア16を停止位置C2へ移動→搬出装置3Bの順に移載、搬送され、搬出装置3Bから出庫される。
【0073】
また、自動倉庫ユニット2Aから自動倉庫ユニット2Bへ保管対象物を移載させることも可能である。その場合、保管対象物は、自動倉庫ユニット2Aの移載ユニット7B(停止位置A)→移載装置14Bの搬送コンベア16(停止位置C2)→移載装置14Bの搬送コンベア16を停止位置D2へ移動→自動倉庫ユニット2Bの移載ユニット7B(停止位置A)の順に移載される。このとき、移載装置14Aの代わりに移載装置14Bを用いて保管対象物を自動倉庫ユニット2Aから自動倉庫ユニット2Bへ移載することも可能である。これによって、保管対象物は一旦自動倉庫ユニット2Aに搬入させ、搬入作業を優先して行った後、出庫待ち時間等のアイドリングタイムを活用して保管対象物を自動倉庫ユニット2A、2Bに振り分けるようにすることができる。すなわち、作業の混雑具合に応じて、臨機応変に搬入、保管を行うことができる。
【0074】
さらに、自動倉庫ユニット2Aから自動倉庫ユニット2Bへの移載の他に、自動倉庫ユニット2Bから自動倉庫ユニット2Aへ保管対象物を移載することも可能である。これによって、一旦自動倉庫ユニット2Bに保管された保管対象物であっても、出庫の需給に応じて、自動倉庫ユニット2Aに保管し直すことができる。その結果、急ぎの出庫が必要とされる保管対象物、いわゆる”特急品”の出庫時の際、需要の高い保管対象物を常に自動倉庫ユニット2Aに保管しておくことができるため、迅速な出庫対応が可能である。
【0075】
以上のように、本実施形態では自動倉庫ユニット2を複数設けることで、保管対象物の保管量を増やすことができる。図11の例では二つの自動倉庫ユニット2A及び2Bを設けたが、自動倉庫ユニット2の数は3以上であってもよい。この場合、3以上の自動倉庫ユニット2をY方向に並べて配置し、自動倉庫ユニット2の数に応じて、移載装置14A及び14BのY方向の長さを延長する。また、移載装置14A及び14Bの各搬送コンベア16の停止位置は、自動倉庫ユニット2の数に応じて適宜増加される。停止位置を増加させるために、第一実施形態の停止装置61を用いてもよいし、各停止位置に搬送コンベア16の到来を検知するセンサを設け、センサの検知結果により搬送コンベア16の移動を制御して停止させるようにしてもよい。
【0076】
<第五実施形態>
第四実施形態では、複数の自動倉庫ユニット2を備えた自動倉庫設備1を例示したが、自動倉庫ユニット2と、他の種類の保管用コンベアとを混在させて自動倉庫設備を構成することもできる。図12はその一例を示す自動倉庫設備1の平面図である。
【0077】
本実施形態の自動倉庫設備1は、自動倉庫ユニット2と固定コンベア17とがY方向に並べて配列されている。自動倉庫ユニット2は、第一実施形態で説明した自動倉庫ユニット2と同じ構成のユニットである。固定コンベア17はX方向に延び、そのX方向の長さ(保管対象物の搬送距離)は自動倉庫ユニット2と同じである。
【0078】
本実施形態の固定コンベア17はローラコンベアであるが、ベルトコンベア等、他の種類のコンベアであってもよい。固定コンベア17は保管対象物をX方向の双方向に搬送可能な機能を有している。しかし、本実施形態の場合、制御動作において、固定コンベア17は保管対象物を移載装置14Aの側から移載装置14Bの側へ搬送するだけであり、移載装置14Bの側から移載装置14Aの側への搬送は行わない。
【0079】
本実施形態の固定コンベア17は、自動倉庫ユニット2の固定コンベア6と同様の構成であり、Y方向に離間した二つのローラユニットRUの組を、X方向に連続的に配置して構成されている。Y方向に離間した二つのローラユニットRUの列は、Y方向に延設された複数のフレーム170により連結され、平行に配列される。固定コンベア17と自動倉庫ユニット2の固定コンベア6の搬送面は同じ高さである。
【0080】
固定コンベア17は、また、保管対象物の保管位置を規定する複数の停止装置171を備える。停止装置171は、第一実施形態の停止装置61と同じ構成である。制御装置11は、保管対象物を保管位置に停止するために停止装置171を駆動する。保管対象物は、移載装置14Bの側から順に固定コンベア17上に載置され、保管される。なお、保管対象物の保管位置の制御は停止装置170を用いた方式以外の方式も採用可能である。例えば、各保管位置に保管対象物の到来を検知するセンサを設け、センサの検知結果により保管対象物の搬送を制御して保管位置に停止させてもよい。
【0081】
搬入装置3Aと自動倉庫ユニット2及び固定コンベア17との間には、入庫側の移載装置14Aが配置され、搬出装置3Bと自動倉庫ユニット2及び固定コンベア17との間には、出庫側の移載装置14Bが配置されている。各移載装置14A及び14Bは、全体として自動倉庫ユニット2及び固定コンベア17の配列方向(Y方向)に沿って延びており、移載装置14Aは自動倉庫ユニット2及び固定コンベア17のX方向の一方側(搬入装置3A側)に、移載装置14Bは自動倉庫ユニット2及び固定コンベア17のX方向の他方側(搬出装置3B側)にそれぞれ配置されている。移載装置14Aは移載ユニット7Aに隣接して移載ユニット7Aと平行に延び、移載装置14Bは移載ユニット7Bに隣接して移載ユニット7Bと平行に延びている。
【0082】
移載装置14A及び14Bの構成は、第四実施形態の移載装置14A及び14Bと同じである。ただし、搬送コンベア16の停止位置が異なる。
【0083】
移載装置14Aの搬送コンベア16の二つの停止位置の一方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2の移載ユニット7Aと対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2の移載ユニット7Aが停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7Aと対向する位置である。この停止位置を停止位置C1’と呼ぶことにする。図12の例では移載装置14Aの搬送コンベア16が停止位置C1’に停止している。停止位置C1’では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、搬入装置3AのローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2の停止位置Aの移載ユニット7Aと、自動倉庫ユニット2の固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0084】
移載装置14Aの搬送コンベア16の二つの停止位置の他方は、搬送コンベア16が固定コンベア17と対向する位置である。この停止位置を停止位置D1’と呼ぶことにする。停止位置D1’では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、固定コンベア17のローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0085】
移載装置14Bの搬送コンベア16の二つの停止位置の一方は、搬送コンベア16が自動倉庫ユニット2の移載ユニット7Bと対向する位置である。より具体的に言うと、自動倉庫ユニット2の移載ユニット7Bが停止位置Aに停止している場合に、搬送コンベア16が移載ユニット7Bと対向する位置である。この停止位置を停止位置C2’と呼ぶことにする。停止位置C2’では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、搬出装置3BのローラユニットRUと、自動倉庫ユニット2の停止位置Aの移載ユニット7Bと、自動倉庫ユニット2の固定コンベア6AのローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0086】
移載装置14Bの搬送コンベア16の二つの停止位置の他方は、搬送コンベア16が固定コンベア17と対向する位置である。この停止位置を停止位置D2’と呼ぶことにする。図12の例では、移載装置14Bの搬送コンベア16が停止位置D2’に停止している。停止位置D2’では、搬送コンベア16のローラユニットRUと、固定コンベア17のローラユニットRUとが整列する(Y方向の位置が一致する)。
【0087】
本実施形態の場合、制御装置11は、自動倉庫ユニット2と、固定コンベア17とを区別して保管対象物の入出庫を管理することができる。固定コンベア17上には複数の保管対象物を保管できるが、保管対象物の搬入順序の順にしか搬出させることができない。すなわち、固定コンベア17は、いわゆる”先入れ先出し”の搬出のみが可能である。但し、その分だけ、構造や制御が簡易である。
【0088】
自動倉庫ユニット2に保管対象物を入庫する場合、搬送対象物は搬入装置3A→移載装置14Aの搬送コンベア16(停止位置C1’)→自動倉庫ユニット2の移載ユニット7A(停止位置A)の順に移載される。固定コンベア17に保管対象物を入庫する場合、搬送対象物は搬入装置3A→移載装置14Aの搬送コンベア16(停止位置C1’)→搬送コンベア16を停止位置D1’へ移動→固定コンベア17の順に移載される。
【0089】
自動倉庫ユニット2から保管対象物を出庫する場合、搬送対象物は、自動倉庫ユニット2の移載ユニット7B(停止位置A)→移載装置14Bの搬送コンベア16(停止位置C2’)→搬出装置3Bの順に移載され、搬出装置3から出庫される。固定コンベア17から保管対象物を出庫する場合、搬送対象物は、固定コンベア17→移載装置14Bの搬送コンベア16(停止位置D2’)→搬送コンベア16を停止位置C2’へ移動→搬出装置3Bの順に移載、搬送され、搬出装置3から出庫される。
【0090】
以上のように、本実施形態では自動倉庫ユニット2と他の種類の保管用コンベア(固定コンベア17)とを混在させて自動倉庫設備1を構築している。そして、複数種類ある保管対象物の内、多量に保管する、または頻繁に搬入出を行う保管対象物(以下、繁用ワークという)を固定コンベア17に保管することで、繁用ワークの搬出効率を保持しつつ、自動倉庫ユニット2に保管される保管対象物については、所望の保管対象物を効率よく搬入出可能である。図12の例では一つの自動倉庫ユニット2と一つの固定コンベア17を設けたが、自動倉庫ユニット2の数や固定コンベア17の数は複数であってもよい。この場合、一つ又は複数の自動倉庫ユニット2と一つ又は複数の固定コンベア17とをY方向に並べて配置するとともに、自動倉庫ユニット2と固定コンベア17の数に応じたY方向の長さを有する移載装置14A及び14Bを設ける。また、移載装置14A及び14Bの各搬送コンベア16の停止位置は、自動倉庫ユニット2や固定コンベア17の数に応じて適宜決定される。各停止位置には、第一実施形態の停止装置61を設けてもよいし、搬送コンベア16の到来を検知するセンサを設け、センサの検知結果により搬送コンベア16の移動を制御して停止させるようにしてもよい。
【0091】
<第六実施形態>
第四実施形態のように複数の自動倉庫ユニット2を設けた場合、或いは、第五実施形態のように自動倉庫ユニット2と他の保管用コンベアとを混在させた場合、自動倉庫ユニット2や他の保管用コンベアの数が増えると移載装置14A、14BがY方向に長くなる。よって、複数の移載装置14AをY方向に連結し、また、複数の移載装置14BをY方向に連結してもよい。
【0092】
そして、隣接する移載装置14A間で保管対象物を移載する入庫側の中継移載装置と、隣接する移載装置14B間で保管対象物を移載する出庫側の中継移載装置と、を設けてもよい。
【0093】
更に、搬入装置3A、搬出装置3Bを複数設けてもよい。図13は本実施形態の自動倉庫設備1のレイアウト図である。実線矢印は保管対象物の搬送方向を示し、破線矢印は搬送コンベア16、181の移動方向を示している。
【0094】
自動倉庫設備1は、設備1Aと設備1Bとを備える。設備1Aは第四実施形態の自動倉庫設備1と同様の構成であり、二つの移載装置14A及び14Bの間に二つの自動倉庫ユニット2A及び2Bが配置されている。二つの移載装置14A及び14Bは、そのY方向の長さが第四実施形態の移載装置14A、14Bよりも長く設定されており、搬送コンベア16の移動距離が長い。
【0095】
移載装置14Aの搬送コンベア16の停止位置は、例えば、
自動倉庫ユニット2Aの固定コンベア6AとY方向で同じ位置(停止位置C1に相当)、
自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6AとY方向で同じ位置(停止位置D1に相当)、
自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6BとY方向で同じ位置(設備1Bに隣接する位置)である。
【0096】
同様に、移載装置14Bの搬送コンベア16の停止位置は、例えば、
自動倉庫ユニット2Aの固定コンベア6AとY方向で同じ位置(停止位置C2に相当)、
自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6AとY方向で同じ位置(停止位置D2に相当)、
自動倉庫ユニット2Bの固定コンベア6BとY方向で同じ位置(設備1Bに隣接する位置)である。
【0097】
設備1Bは、移載装置14Aと移載装置14Bとの間に複数の固定コンベア17A~17Dを配置したものである。固定コンベア17A~17Dは第五実施形態の固定コンベア17と同様の構成であり、設備1Bは第五実施形態の自動倉庫設備1において、自動倉庫ユニット2を用いずに固定コンベア17のみで構成した設備である。二つの移載装置14A及び14Bは、固定コンベア17A~17DのY方向の配列範囲に渡って延びている。移載装置14A及び14Bの各搬送コンベア16の停止位置は、複数の固定コンベア17A~17Dとそれぞれ対向する位置(合計四つの位置)である。
【0098】
自動倉庫設備1は、複数の搬入装置3Aと、複数の搬出装置3Bとを備えており、図示の例ではそれぞれ二つであるが三以上であってもよい。二つの搬入装置3Aのうちの一つは設備1Aの移載装置14Aへ保管対象物を移載する。すなわち、保管対象物を搬入する。残りの一つは設備1Bの移載装置14Aへ保管対象物を移載する。すなわち保管対象物を搬出する。二つの搬出装置3Bのうちの一つは設備1Aの移載装置14Bから保管対象物が移載される。すなわち、保管対象物が搬出される。残りの一つは設備1Bの移載装置14Bから保管対象物が移載される。すなわち、保管対象物が搬出される。
【0099】
自動倉庫設備1は、隣接する移載装置14A間で保管対象物を移載する入庫側の中継移載装置18Aと、隣接する移載装置14B間で保管対象物を移載する出庫側の中継移載装置18Bとを備える。中継移載装置18Aは隣接する移載装置14Aの連結部(移載装置14AのY方向の端部)に隣接して配置されており中継移載装置18Bは、隣接する移載装置14Bの連結部(移載装置14AのY方向の端部)に隣接して配置されている。
【0100】
本実施形態の場合、中継移載装置18A及び18Bは、いずれも移載ユニット7や移載装置14と同様の構成であり、移動体180a(移動体8aや移動体15aに相当)をY方向に往復動する移動装置180(移動装置8や移動装置15に相当)と、移動体180aに支持された搬送コンベア181(搬送コンベア9や搬送コンベア16に相当)とを備える。搬送コンベア181はX方向の双方向に保管対象物を移載可能である。
【0101】
中継移載装置18Aは、設備1Aの移載装置14Aから設備1Bの移載装置14Aへ、又は、設備1Bの移載装置14Aから設備1Aの移載装置14Aへ保管対象物を移載可能である。設備1Aの移載装置14Aから設備1Bの移載装置14Aへ移載する場合、まず、搬送コンベア181と設備1Aの移載装置14Aの搬送コンベア16がお互いに対向する位置に移動し、搬送コンベア16から搬送コンベア181へ保管対象物が移載される。その後、搬送コンベア181が設備1Bの側へ移動される。
【0102】
搬送コンベア181と設備1Bの移載装置14Aの搬送コンベア16がお互いに対向する位置に移動し、搬送コンベア181から搬送コンベア16へ保管対象物が移載される。
【0103】
設備1Bの移載装置14Aから設備1Aの移載装置14Aへ移載する場合、まず、搬送コンベア181と設備1Bの移載装置14Aの搬送コンベア16がお互いに対向する位置に移動し、搬送コンベア16から搬送コンベア181へ保管対象物が移載される。その後、搬送コンベア181が設備1Aの側へ移動される。
【0104】
搬送コンベア181と設備1Aの移載装置14Aの搬送コンベア16がお互いに対向する位置に移動され、搬送コンベア181から搬送コンベア16へ保管対象物が移載される。中継移載装置18Bの移載動作も同様である。
【0105】
本実施形態では、設備1Aと設備1Bとの間で保管対象物の移動が可能であり、各設備の保管量や保管対象物の種類に応じて保管先を選択可能である。なお、図13の例では、設備1Aを自動倉庫ユニット2A及び2Bで構成し、設備1Bを固定コンベア17A~17Dで構成したが、双方の設備を自動倉庫ユニット2のみで構成された自動倉庫設備としてもよいし、一方の設備或いは双方の設備を、自動倉庫ユニット2と固定コンベア17とが混在した設備としてもよい。
【0106】
以上、発明の実施形態について説明したが、発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13