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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】光学フローセル
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/05 20060101AFI20240508BHJP
   G01N 21/59 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
G01N21/05
G01N21/59 Z
【請求項の数】 17
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022072362
(22)【出願日】2022-04-26
(62)【分割の表示】P 2019528898の分割
【原出願日】2017-11-30
(65)【公開番号】P2022097578
(43)【公開日】2022-06-30
【審査請求日】2022-05-13
(31)【優先権主張番号】1620266.5
(32)【優先日】2016-11-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】597064713
【氏名又は名称】サイティバ・スウェーデン・アクチボラグ
(74)【代理人】
【識別番号】100188558
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 雅人
(74)【代理人】
【識別番号】100154922
【弁理士】
【氏名又は名称】崔 允辰
(74)【代理人】
【識別番号】100207158
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 研二
(72)【発明者】
【氏名】ハンノ・エリング
(72)【発明者】
【氏名】マッツ・ルンドクヴィスト
(72)【発明者】
【氏名】ダーヴィド・カール・マルティン・ベルグマン
(72)【発明者】
【氏名】アンドレアス・マルクストローム
【審査官】伊藤 裕美
(56)【参考文献】
【文献】特表2013-518278(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2002/0154309(US,A1)
【文献】特開2006-125959(JP,A)
【文献】特開2007-093598(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/00-G01N 21/83
G01N 35/00-G01N 35/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の軸(123)に沿って配置された密閉細長の流体チャネル(120)
を成すハウジング(110)と、
前記ハウジング(110)の第1の外面エリアを前記流体チャネルの第1の端部(151)に接続するように配置された入口(130)、および第2の外面エリアを前記流体チャネルの第2の端部(152)に接続するように配置された出口(140)と、
前記第1の軸(123)と直交する第2の軸(170)に沿って前記流体チャネルの対向する第1の側壁(121)および第2の側壁(122)、並びに、前記第1の側壁(121)および第2の側壁(122)それぞれの内側から互いに向かって延在する突出部内に、それぞれ同軸に配置された第1の光導波路(161)および第2の光導波路(162)と、
を備え、
前記第1の光導波路(161)が、光が放出される出射表面を備え、前記第2の光導波路(162)が、前記出射表面に対向し、前記第1の光導波路(161)から放出される光を受容する入射表面を備え、前記出射表面および前記入射表面がある距離(d)だけ隔てられており、
前記ハウジングが、少なくとも第1の部分(111)と、第2の部分(112)と、前記第1の部分(111)と前記第2の部分(112)との間に位置するシール(113)と、を備え、前記第1の部分(111)が、前記第1の軸(123)に沿って配置された、前記流体チャネル(120)を成すように構成され、前記流体チャネル(120)が開放側を有し、対応する第2の部分(112)が、前記流体チャネル(120)の前記開放側を閉鎖するように構成され、
前記シール(113)が、前記第1および第2の部分(111、112)の対向する表面の縁部を密閉し、ならびに/または前記シールが、前記第2の軸(170)上に配置された第1のボア(1131)および第2のボア(1132)を備え、前記第1のボア(1131)が、前記第1の光導波路(161)が前記第1のボア(1131)を通って突出することを可能にするように配置され、前記第2の光導波路(162)が、前記第2のボア(1132)を通って突出するように配置される、光学フローセル(100)。
【請求項2】
前記距離(d)が、0.1mm~0.5mmの範囲である、請求項1に記載の光学フローセル(100)。
【請求項3】
前記ハウジング(110)が、単回使用、および/または、使い捨てであり、かつ/或いは、当該光学フローセル(100)がポリマーおよび/または金属から作られる、請求項1または2に記載の光学フローセル(100)。
【請求項4】
前記第1の部分(111)および/または前記第2の部分(112)が、単一の一体部片である、請求項に記載の光学フローセル(100)。
【請求項5】
前記第1の部分(111)および前記第2の部分(112)が、鞍形状をさらに有し、かつ/または、鞍形状面を含む、請求項またはに記載の光学フローセル(100)。
【請求項6】
前記第1の光導波路(161)の外側端部が、第1のコネクタ部(163)内に収容され、前記第2の光導波路(162)の外側端部が、第2のコネクタ部(164)内に収容される、請求項1からのいずれか一項に記載の光学フローセル(100)。
【請求項7】
前記第1のコネクタ部(163)を前記ハウジング(110)に締結または固定するように配置された第1の締結物と、
前記第2のコネクタ部(164)を前記ハウジング(110)に締結または固定するように配置された第2の締結物と
をさらに備える、請求項に記載の光学フローセル(100)。
【請求項8】
前記流体チャネル(120)は、前記第1および第2の光導波路(161、162)を露出させるために、少なくとも前記第1の軸(123)と概して平行な側が開放しており、開放した前記流体チャネル(120)は、前記光学フローセル(100)を成すために、さらなる部分(111)によって閉鎖可能である、請求項1~のいずれか一項に記載の光学フローセル(100)。
【請求項9】
請求項1からのいずれか一項に記載の光学フローセル(100)を作製する方法であって、
連続した光導波路を光学フローセルハウジングに第2の軸(170)に沿って挿入するステップ(710)と、
前記連続した光導波路の一部分を、光が放出される出射表面を有する第1の光導波路および放出光が受領される入射表面を有する第2の光導波路を形成すべく除去するステップ(720)と、
を含み、
前記一部分がある距離(d)に等しい長さを有し、したがって、前記一部分を除去した後の前記出射表面および前記入射表面が前記距離(d)だけ隔てられる、
方法。
【請求項10】
前記連続した光導波路の一部分を除去するステップ(720)が、前記連続した光導波路を前記流体チャネル(120)の第1の側壁(121)に隣接して切断し、かつ前記連続した光導波路を前記流体チャネル(120)の第2の対向する側壁(122)に隣接して切断することによって実施される、請求項に記載の方法。
【請求項11】
前記連続した光導波路の一部分を除去するステップ(720)が、前記第1の軸(123)に沿った、かつ前記第2の軸(170)に対して垂直な動きで実施される、請求項または10に記載の方法。
【請求項12】
前記連続した光導波路の一部分を除去するステップ(720)が、前記第1の軸(123)に対して垂直かつ前記第2の軸(170)に対して垂直な動きで実施される、請求項から11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記連続した光導波路の一部分を除去するステップ(720)が、ダイヤモンドソーまたはレーザアブレーションを使用して実施される、請求項から12のいずれか一項に記載の方法。
【請求項14】
請求項1からのいずれか一項に記載の光学フローセル(100)を備える測定デバイス(300)によって実施される方法(1000)であって、
前記光学フローセル(100)が晒されてきた環境を表す環境データを取得するステップ(1010)と、
第1の光導波路の出射表面から第2の光導波路の入射表面に放出された光の吸収を表す、前記光学フローセル(100)の光吸収値を測定するステップ(1020)であって、オプションで、前記光学フローセル(100)がノミナル環境に晒されるとき、前記出射表面と前記入射表面がノミナル距離だけ隔てられる、ステップ(1020)と、
前記光吸収値、および前記環境データに応じた補償関数に基づいて、補償された光吸収値を生成するステップ(1030)と、
を含む、方法(1000)。
【請求項15】
前記補償関数が距離(d)の変動を補償する、請求項14に記載の方法(1000)。
【請求項16】
前記環境データが、前記光学フローセルの温度、周囲温度、前記光学フローセルがガンマ線照射を受けていること、および
前記光学フローセル(100)がオートクレービングを受けていること、
のうちの1つまたは複数を表す、請求項14または15に記載の方法(1000)。
【請求項17】
光学フローセル(100)内で測定された光吸収値を補償するように構成された、測定デバイス(300)であって、
請求項1からのいずれか一項に記載の光学フローセル(100)と、
ある帯域幅以内の光を前記第1の光導波路に放出するように構成された光ジェネレータ(221)と、
前記光ジェネレータ(221)から参照光を、また前記光学フローセル(100)から受領光を受領するように構成された吸収値ジェネレータと、
フローセル制御ユニット(200)であって、プロセッサ(212)およびメモリ(215)を備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な命令を収容し、それにより、前記フローセル制御ユニット(200)が、請求項14から16のいずれか一項に記載の方法を実施するように動作可能であり、かつ/または構成される、フローセル制御ユニット(200)と、
を備える、測定デバイス(300)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、光学フローセルに関する。本発明はさらに、光学フローセルを作製するための対応する方法、光学フローセルを備える測定デバイス、その対応する方法、コンピュータプログラム、コンピュータプログラム製品、およびキャリアにも関する。
【背景技術】
【0002】
溶液内の物質の存在および/または溶液内の物質の濃度を判定する働きをする光学フローセルにわたって溶液が流される光学測定デバイスが、複数の技術分野において使用されている。そのような技術分野の例が、とりわけ流体クロマトグラフィーおよびフィルタリングである。
【0003】
測定デバイスにおいて使用されるフローセルは一般に、光が放出される出射表面をもつ、光ファイバなどの第1の光導波路と、光が受領される入射表面をもつ第2の光導波路とを有する、光学フローセルである。出射表面と入射表面との間の経路長または距離は、より低濃度の溶液の場合は比較的長くてよいが、高濃度の溶液の場合にも高信頼の検出を達成するためには、距離はより小さく、典型的には0.1~0.5mmの範囲内であるべきである。満足のゆく測定品質を達成するために、この距離は、一定に維持されなければならず、典型的には、設定値から5%を越えて逸脱することは許されない。
【0004】
この分野における一般的な問題は、測定デバイスのクリーニング操作またはサービス操作が厄介で、複雑で、時間がかかる、ということである。クリーニング操作またはサービス操作は、典型的には、ある物質から別の物質に変更するときに、汚染を回避するために必要となる。さらなる問題は、クリーニング操作またはサービス操作後に、補正または調整により、通常動作が再開できる前に厄介な較正操作が必要になる、ということである。さらなる問題は、さまざまなクリーニング操作またはサービス操作が、光学フローセルが暴露される環境に影響を及ぼし、例えば高い/低い温度、放射、または空気圧に暴露された後に、デバイスの出射表面と入射表面との間の経路長または距離を変更してしまうおそれがある、ということである。さらなる問題は、ポリマー製の光学フローセルを使用すると、出射表面と入射表面との間の寸法経路長または距離の変動性がより大きくなる、ということである。さらなる問題は、経路長が短いと、経路長または距離の変動性に対する影響(sensitivity)がより大きくなる、ということである。
【0005】
したがって、この欠点を克服するために、測定デバイス用の改善された光学フローセルが必要とされている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の実施形態の一目的は、従来の解決策の欠点および問題を軽減または解決する解決策を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的およびさらなる目的は、独立請求項の対象によって達成される。本発明のさらなる有利な実装形態は、従属請求項によって定められる。
【0008】
本説明および対応する特許請求の範囲における「または」は、「および」と「または」とを包含する数学上のORと理解すべきであり、XOR(排他的OR)と理解すべきではない。本開示および特許請求の範囲における不定冠詞「a」は、「1つの」に限定されず、「1つまたは複数の」、すなわち複数の、と理解されてもよい。
【0009】
上記の目的は、独立請求項の対象によって解決される。本発明のさらなる有利な実装形態は、従属請求項に見ることができる。
【0010】
本発明の一目的は、請求項1、請求項7、請求項12、および請求項15、ならびにそれらに従属する請求項において開示される。
【0011】
本発明の第1の態様によれば、第1の軸に沿って配置された密閉細長流体チャネル(Enclosed and elongated fluid channel)を成すハウジングと、ハウジングの第1の外面エリアを流体チャネルの第1の端部に接続するように配置された入口、および第2の外面エリアを流体チャネルの第2の端部に接続するように配置された出口と、第2の軸に沿って流体チャネルの対向する側壁上に同軸に配置された第1の光導波路および第2の光導波路とを備える、光学フローセルが提供される。第1の態様の第1の実施形態では、第1の光導波路が、流体チャネルの第1の側壁に隣接して配置された、光が放出される出射表面を備え、第2の光導波路が、流体チャネルの第2の対向する側壁に隣接して配置された、放出光が受領される入射表面を備え、出射表面と入射表面がある距離だけ隔てられる。
【0012】
第1の態様の利点は、それが、連続した光導波路を、第1および第2の光導波路を形成すべく第1の軸に沿って切断すること、および/または連続した光導波路を、第1および第2の光導波路を形成すべく第1の軸に対して垂直な動きで切断することを可能および/または容易にし、それによって、第1の光導波路および第2の光導波路が、所望の経路長および/または距離だけ隔てられるようになる、ということである。
【0013】
一実施形態では、ハウジングは、ポリマーおよび/または金属製の単回使用および/または使い捨ての光学フローセル100とすることができる。この実施形態の利点は、単回使用および/または使い捨ての光学フローセル100を使用することによって、光学フローセルの測定の複雑さが低減され得るとともに測定のためのセットアップ時間が低減され得、したがって、クリーニング操作またはサービス操作の必要がなくなる、ということである。
【0014】
この実施形態の利点は、単回使用および/または使い捨ての光学フローセルを使用することによって、光学フローセルの測定の複雑さが低減され得るとともにセットアップ時間が低減され得、したがって、クリーニング操作またはサービス操作の必要がなくなる、ということである。
【0015】
本発明の第2の態様によれば、第1の態様による光学フローセルを作製する方法であって、連続した光導波路を光学フローセルハウジングに第2の軸に沿って挿入すること、連続した光導波路の一部分を、光が放出される出射表面を有する第1の光導波路を形成し、かつ入射表面を有する第2の光導波路を形成すべく除去することを含み、その一部分がある距離に等しい長さを有し、したがって、その一部分を除去した後の出射表面と入射表面がその距離だけ隔てられる、方法が提供される。
【0016】
本発明の第3の態様によれば、第1の態様による光学フローセルを備える測定デバイスによって実施される方法であって、光学フローセルが晒されてきた環境を表す環境データを取得すること、第1の光導波路の出射表面から第2の光導波路の入射表面に放出された光の吸収を表す、光学フローセルの光吸収値を測定すること、ならびに光吸収値、および環境データに応じた補償関数に基づいて、補償された光吸収値を生成することを含む、方法が提供される。
【0017】
本態様の少なくとも1つの利点は、フローセルの測定品質が改善される、ということである。
【0018】
本発明の第4の態様によれば、測定デバイスが提供され、測定デバイスは、光学フローセル内で測定された光吸収値を補償するように構成され、第1の態様による光学フローセルを備える。測定デバイスは、ある帯域幅以内の光を第1の光導波路に放出するように構成された光ジェネレータをさらに備える。測定デバイスは、光ジェネレータから参照光を、また光学フローセル100から受領光を受領するように構成された吸収値ジェネレータをさらに備える。測定デバイスは、フローセル制御ユニットであって、プロセッサおよびメモリを備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な命令を収容し、それにより、前記フローセル制御ユニットが、第1の態様による方法を実施するように動作可能であり、かつ/または構成される、フローセル制御ユニットをさらに備える。
【0019】
第5の態様によれば、コンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータ実行可能命令を備え、コンピュータ実行可能命令は、測定デバイス内に含まれた処理ユニット上で実行されると、測定デバイスに第3の態様による方法を実施させるためのものである。
【0020】
第6の態様によれば、コンピュータプログラム製品が提供され、コンピュータプログラム製品は、第5の態様によるコンピュータプログラムがその中に具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備える。
【0021】
第7の態様によれば、キャリアが提供され、キャリアは、第5の態様によるコンピュータプログラムを収容し、キャリアは、電子信号、光信号、無線信号、またはコンピュータ可読記憶媒体のうちの1つである。
【0022】
本発明の実施形態のさらなる適用分野および利点は、以下の、発明を実施するための形態から明らかとなろう。
【0023】
本発明の範囲は、参照により本セクションに組み込まれる特許請求の範囲によって定められる。当業者には、本発明の適用分野および利点の実施形態のより完全な理解、ならびにそのさらなる利点の認識が、1つまたは複数の実施形態についての以下の、発明を実施するための形態を検討することによってもたらされよう。最初に簡単に説明する添付の数点の図面を参照されたい。
【0024】
第2の態様から第7の態様の利点は、第1の態様の利点と少なくとも同じである。
【図面の簡単な説明】
【0025】
図1A】本発明の一実施形態による光学フローセルの図である。
図1B】本発明の一実施形態による光学フローセルの図である。
図1C】本発明の一実施形態による光学フローセルの図である。
図2A】本発明の1つまたは複数のさらなる実施形態による光学フローセルの詳細を示す図である。
図2B】本発明の1つまたは複数のさらなる実施形態による光学フローセルの詳細を示す図である。
図2C】本発明の1つまたは複数のさらなる実施形態による光学フローセルの詳細を示す図である。
図3A】本発明の一実施形態によるシールの詳細を示す図である。
図3B】本発明の一実施形態によるシールの詳細を示す図である。
図4】本発明の一実施形態による流体チャネルの詳細を示す図である。
図5】本発明の一実施形態による光学フローセルを作製する方法を示す図である。
図6】本発明の一実施形態による測定デバイスによって実施される方法を示す図である。
図7】本発明の一実施形態による測定デバイスを示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0026】
本開示の実施形態およびそれらの利点は、続く発明を実施するための形態を参照することによって、最も良く理解される。図のうちの1つまたは複数に示される同様の要素を特定するために、同様の参照番号が使用されることを理解されたい。
【0027】
図1Aは、本発明の一実施形態による光学フローセル100の平面図を示す。光学フローセルは、第1の軸123に沿って配置された密閉細長流体チャネル120を成すハウジング110を備えてよい。密閉細長流体チャネルの利点は、それが、連続した光導波路を、第1および第2の光導波路を形成すべく第1の軸123に沿って切断すること、および/または連続した光導波路を、第1および第2の光導波路を形成すべく第1の軸123に対して垂直な動きで切断することを可能にし、それによって、第1の光導波路および第2の光導波路が、ある経路長および/または距離だけ隔てられるようになる、ということである。
【0028】
一実施形態では、ハウジングは、ポリマーおよび/または金属製の単回使用および/または使い捨ての光学フローセル100とすることができる。この実施形態の利点は、単回使用および/または使い捨ての光学フローセル100を使用することによって、光学フローセルの測定の複雑さが低減され得るとともに測定のためのセットアップ時間が低減され得、したがって、クリーニング操作またはサービス操作の必要がなくなる、ということである。
【0029】
一例では、光学フローセル100を製造する際、例えばハウジングを成形するときに、またはハウジングの中に第1の軸123と交差する貫通孔を作成し、連続した光導波路をその貫通孔に通すことによって、連続した光導波路が細長流体チャネル120を横断して配置されてよい。次いで、ダイヤモンドソー、例えばダイヤモンド含浸ワイヤブレードを備えた直線状のソー、またはダイヤモンドホイールおよび/もしくはレーザアブレーションを備えた回転/ホイールソーが、連続した光導波路の一部分を、第1および第2の光導波路を形成すべく切断および/または除去するのに使用されてよい。
【0030】
図1Bは、本発明の一実施形態による光学フローセル100の縦断面側面図を示す。光学フローセル100は、ハウジング110の第1の外面エリアを流体チャネルの第1の端部151に接続するように配置および/または構成された入口130、および第2の外面エリアを流体チャネルの第2の端部152に接続するように配置された出口140をさらに備えてよい。第1および第2の外面エリアは、流体を光学フローセル100に/光学フローセル100から導くための流体管を備える適合するコネクタを受領するように構成されたコネクタとして形成されてよい。
【0031】
この実施形態の利点は、入口130および出口140がハウジング110の一部を成し、ハウジングと一緒に配設されるので、光学フローセルの測定の複雑さがさらに低減され得るとともに測定のためのセットアップ時間がさらに低減され得る、ということである。したがって、流体を光学フローセル100に、また光学フローセル100から導くための手段が、クリーニング操作またはサービス操作を必要としない。
【0032】
図1Cは、本発明の一実施形態による光学フローセル100の縦断面端面図を示す。光学フローセル100は、第2の軸170に沿って流体チャネルの対向する側壁上に同軸に配置された第1の光導波路161、例えば光ファイバ、および第2の光導波路162をさらに備えてよい。一例では、第1および第2の光導波路、例えば光ファイバは、連続した光導波路を光学フローセルハウジングに第2の軸に沿って挿入することによって形成される。連続した光導波路の一部分が次いで、ノミナル環境中で、ダイヤモンドソーおよび/またはレーザアブレーションを使用することによって、例えば光が放出される出射表面を有する第1の光導波路を形成すべく流体チャネルの第1の側壁に隣接して切断および/または除去され、かつ放出光が受領される入射表面を有する第2の光導波路を形成すべく流体チャネルの第2の対向する側壁に隣接して切断される。さらなる例では、連続した光導波路の一部分が、例えば経路長または距離dに対応する切断幅をもつダイヤモンドソーおよび/またはレーザアブレーションデバイスを使用することによってシングルステップで切断および/または除去されてよい。1つまたは複数の実施形態では、出射および入射表面を研削または研磨する追加のステップがさらに実施されてよい。切断が実施された後、出射表面と入射表面は、ある経路長および/または距離だけ隔てられている。第1の光導波路161は光ジェネレータ221から、ある帯域幅以内の放出光、例えば極端紫外線、紫外線、近紫外線、可視光、近赤外線、中赤外線、遠赤外線を受領するように構成されてよい。第2の光導波路162は、第1の光導波路161からの放出光を、それが流体チャネルを横断した後に受領し、光ジェネレータ221から例えば第3の光導波路を介して直接、参照光を、また光学フローセル100から、すなわち第2の光導波路162から受領光を受領するように構成された吸収値ジェネレータ222に、受領した放出光を放出するように構成されてよい。一実施形態では、第1の軸123および第2の軸170は互いに交差する。さらなる実施形態では、第1の軸123および第2の軸170は、互いに対して垂直に配置される。
【0033】
一実施形態では、第1の光導波路は、光が放出される出射表面を備える。出射表面は、流体チャネルの第1の側壁121に隣接して、例えば流体チャネルの第1の側壁から突出して、配置されてよい。第1の側壁121は、図1Cに関してさらに説明したように、上で説明した流体チャネルの対向する側壁のうちの一方とすることができる。第2の光導波路は、放出光(すなわち出射表面からの)が受領される入射表面を備えてよい。入射表面は、流体チャネルの第2の対向する側壁122に隣接して配置されてよい。第2の側壁122は、上で説明した流体チャネルの対向する側壁のうちの他方のものとすることができる。一実施形態では、出射表面および入射表面は、経路長および/または距離dだけ隔てられてよい。経路長および/または距離dは、光学フローセル100がノミナル環境、例えば20℃の平均温度および1013.25ミリバールの平均圧力に晒されるときの、ノミナル距離に等しくてよい。一例では、経路長および/または距離dは、光学フローセル100の温度が摂氏20度のときに0.2mmである。一例では、20℃の流体についてノミナル光吸収値が計算されてよい。光学フローセル100の温度が変化すると、熱膨張のため、経路長および/または距離d、ならびに対応する吸収値がそれに応じて変化する、ということが理解されよう。
【0034】
一実施形態では、第1の光導波路161が、第1のコネクタ部163内に密閉され、および/または第2の光導波路162が、第2のコネクタ部164内に密閉される。第1および/または第2のコネクタ部は、光コネクタを受領するように構成された外端部と、第1/第2の光導波路を受領するように構成された貫通ボアおよび/または貫通チャネルとを有する、本体を備えてよい。
【0035】
この実施形態の利点は少なくとも、光学フローセルが光ジェネレータ221および/または吸収値ジェネレータ222に、標準的な光コネクタを使用して接続され得るので、測定の複雑さおよび測定をセットアップするのに必要となる時間が低減される、ということである。
【0036】
一実施形態では、光学フローセルが、光ジェネレータ221および/または吸収値ジェネレータ222に直接接続されてもよい。
【0037】
一実施形態では、光学フローセル100は、例えば、止めねじ、接着剤、または溶接部の形態をとる、第1のコネクタ部163をハウジング110に締結または固定するように配置された第1の締結物と、第2のコネクタ部164をハウジング110に締結または固定するように配置された第2の締結物とをさらに備える。第1および/または第2の締結物は、好ましくは、解除可能な締結物である。この実施形態の利点は、光学フローセル100の製造のコスト、その複雑さ、およびそれに必要となる時間が低減され得る、ということである。
【0038】
図2Aは、本発明の一実施形態による光学フローセル100の側面図を示す。一実施形態では、ハウジングが、少なくとも第1の部分111と、第2の部分112と、第1の部分111と第2の部分112との間に位置するシール113とを備える。一実施形態では、第1の部分111および/または第2の部分112が、第1の軸123に沿って配置された密閉細長流体チャネル120を成すように構成され、流体チャネル120が開放側を有し、対応する第1の部分111および/または第2の部分112が、流体チャネル120の開放側を閉鎖するように構成される。一実施形態では、流体チャネル120は、開放側と対向する側に弓形チャネル壁部を伴って構成される。一実施形態では、第1の部分111および/または第2の部分112が、図1Bに関してさらに説明した入口130および/または出口140を備える。
【0039】
一実施形態では、第1の部分111および/または第2の部分112は、図1Cに関してさらに説明した第1の光導波路161および/または第2の光導波路162を備える。この実施形態の利点は、切断を実施する前に第1の部分と第2の部分を分離することができるので、第1および第2の光導波路を連続した光導波路を切断することによって形成する複雑さが低減される、ということである。
【0040】
オプションで、光学フローセル100は、少なくとも第1の部分111と、第2の部分112と、シール113とを互いに取付けおよび/もしくは固定ならびに/または保持および/もしくは固定するように構成された、1つまたは複数の締結手段181、182をさらに備えてもよい。この実施形態の利点は、光学フローセル100の組立ての複雑さが低減される、ということである。
【0041】
一実施形態では、第1の部分111および/または第2の部分112が、単一の一体部片である。この実施形態の利点は、流体漏れの確率が低下する、ということである。さらなる利点は、第1および第2の部分が低コスト化のために成形され得る、ということである。単一の一体部片は、チタンから作成されることのある一部の従来の光学フローセルにおいて使用される、より高価な材料よりも、例えば熱的影響による影響を受ける。図6に関してさらに説明する測定補償/吸収値補償するためのコンピュータにより実施される方法が、これらの環境影響を打ち消すために、また経路長dの起こり得る製造上のばらつきを補償するために、用いられてよい。
【0042】
図2Bは、本発明の一実施形態によるシール113の斜視図を示す。シール113は、エラストマー製であってよい。シール113は、第1および第2の部分111、112の対向する表面の縁部を密閉してよい。シール113は鞍状表面1133を備えてよく、その際、鞍状表面の長さ方向は、第1の軸123に対して垂直である。鞍形状の利点は、第1および第2の部分111、112に対してシールが中心に置かれる、ということである。
【0043】
第1および第2の部分111、112はさらに、鞍形状を有してよく、かつ/または鞍状表面を備えてよく、その際、鞍形状および/または鞍状表面の長さ方向は、第1の軸123に対して垂直である。第1の部分111の鞍形状および/または鞍状表面はさらに、第2の部分112が第1の部分によって受領されるときに、第2の部分112の鞍形状および/または鞍状表面に適合し、かつ/またはそれと厳密に合致するように構成されてよい。
【0044】
図2Cは、本発明の一実施形態による光学フローセル100の分解図を示す。この実施形態では、ハウジング部分および/または第2の部分112内に形成されるとともに軸および/または第1の軸123に沿って延在する流体流路および/または流体チャネル120を備える、光学フローセル100が提供される。ハウジング部分112はさらに、流体流路および/または流体チャネル120の対向する壁部121、122上に、対向する光導波路161、162を支持している。流体流路および/または流体チャネル120は、前記光導波路を露出させるために、少なくともその軸および/または第1の軸123と概して平行な側が開放していてよい。流体流路および/または流体チャネル120は、好ましくは、開放端を有してよく、それは、製造中に、連続した光導波路の一部分を、対向する光導波路161、162を形成すべく除去するためのアクセス、例えば、切断ホイールまたはレーザカッターへのアクセスを可能にするものである。フローセルを成すために、流路および/または流体チャネル120の開放側はさらなるハウジング部分および/または第1の部分111によって閉鎖可能であってよい。一例では、ハウジング部分および/または第2の部分112が、第1の軸123に沿って延在する流体流路および/または流体チャネル120を成すように構成され、流体チャネル120が開放端を有する。対応するさらなるハウジング部分および/または第1の部分111が、流体流路および/または流体チャネル120の開放側を閉鎖するように構成される。一実施形態では、流体流路および/または流体チャネル120は、開放側と対向する側に弓形チャネル壁部を伴って構成される。
【0045】
図3Aは、本発明の一実施形態によるシール113の詳細な平面図を示す。シール113は、第2の軸170上に配置された第1および第2のボア1131および1132をさらに備えてよく、第1の光導波路161の出射表面および第2の光導波路162の入射表面が経路長および/または距離dだけ隔てられるように、第1のボア1131は、第1の光導波路161が第1のボア1131を通って突出することを可能にするように配置され、第2の光導波路162は、第2のボア1132を通って突出するように配置される。第1の光導波路161および第2の光導波路162は、流体チャネル120内に突出するように配置されてよい。この実施形態の利点は、第1の光導波路161および/または第2の光導波路162に沿って流体が漏れ出すのをシールが防ぐ、ということである。
【0046】
図3Bは、シール113内に含まれた第1のボア1131の詳細な正面図を示す。
【0047】
図4は、本発明の一実施形態による流体チャネル120の詳細な平面図を示す。流体チャネル120は、先に説明した対向する側壁の第1の側壁121および第2の側壁122を備える。第1の光導波路161の出射表面が、流体チャネル120の第1の側壁121に隣接して、例えば流体チャネルの第1の側壁から突出して、配置される。第2の光導波路162の入射表面が、流体チャネル120の第2の対向する側壁122に隣接して配置される。出射表面および入射表面は、経路長および/または距離dだけ隔てられる。図4はまた、入口130が接続する流体チャネルの第1の端部151、および出口140が接続する流体チャネルの第2の端部152の位置を概略的に示す。
【0048】
図5は、本発明の一実施形態による光学フローセルを作製する方法を示す。方法は、以下を含む。
ステップ710:連続した光導波路を光学フローセルハウジング110に第2の軸170に沿って挿入すること。
ステップ720:連続した光導波路の一部分を、光が放出される出射表面を有する第1の光導波路161および放出光が受領される入射表面を有する第2の光導波路162を形成すべく除去すること。その一部分がある距離dに等しい長さを有し、したがって、その一部分を除去した後の出射表面と入射表面がその距離(d)だけ隔てられる。好ましくは、その一部分を除去することは、経路長および/または距離dがノミナル距離に等しくなるように、ノミナル環境においておよび/またはノミナル環境中で実施される。連続した光導波路の除去される一部分は、流体チャネル120内に含まれる。光学フローセルハウジング110は、図1A図1Cに関してさらに説明したように、第1の軸123に沿って配置された密閉細長流体チャネル120を成してよい。第2の軸170は、第1の軸123に対して垂直に配置されてよい。
【0049】
一実施形態では、連続した光導波路の一部分を除去すること720が、連続した光導波路を流体チャネル120の第1の側壁121に隣接して切断し、かつ連続した光導波路を流体チャネル120の第2の対向する側壁122に隣接して切断することによって実施される。
【0050】
一実施形態では、連続した光導波路の一部分を除去すること720が、第1の軸123に沿った、かつ第2の軸170に対して垂直な動きで実施される。さらなる実施形態では、連続した光導波路の一部分を除去すること720が、第1の軸123に対して垂直かつ第2の軸170に対して垂直な動きで実施される。
【0051】
一実施形態では、方法は、第1の部分111と、第2の部分112と、第1の部分111と第2の部分112との間に位置するシール113とを、光学フローセルハウジング110に組み立てることをさらに含む。
【0052】
図6は、本明細書において説明する実施形態のいずれかによる光学フローセル100を備える測定デバイス300によって実施される方法1000を示す。方法は、以下を含む。
ステップ1010:光学フローセル100が晒されてきた環境を表す環境データを取得すること。環境データは、環境センサから受領されてもよく、またはメモリから取り出されてもよい。
ステップ1020:第1の光導波路の出射表面から第2の光導波路の入射表面に放出された光の吸収を表す、光学フローセル100の光吸収値を取得すること。出射表面および入射表面は、経路長および/または距離dだけ隔てられてよい。光吸収値を取得することは、光吸収値をメモリから取り出すこと、光吸収値を外部のノードおよび/もしくはデバイスから受領すること、または光吸収値を吸収値ジェネレータ222から受領することを含んでよい。
ステップ1030:光吸収値、および環境データに応じた補償関数に基づいて、補償された光吸収値を生成すること。
【0053】
一実施形態では、補償関数が、環境データに応じて経路長および/または距離dの変動を補償する。環境データは、
- 光学フローセルの温度、
- 周囲温度、
- 光学フローセルがガンマ線照射を受けていること、または
- 光学フローセルがオートクレービングを受けていること
のうちの1つまたは複数を表してよい。
【0054】
一例では、光学フローセル100が60℃の周囲温度において動作しており、その結果、経路長および/または距離dが縮小する。上で説明した方法は、経路長および/または距離dが縮小した場合の光吸収値を補償し、したがって、補償された光吸収値が改善され、測定品質が改善される結果となる。さらなる例では、補償関数が、さまざまな温度において光吸収値を測定することによって得られる。さまざまな温度において測定された光吸収値は次いで、得られた結果に基づく補償テーブルおよび/または補償関数を生成するために使用されてよい。
【0055】
さらなる例では、光学フローセル100がガンマ線照射および/またはオートクレービングを受けており、その結果、熱膨張係数が変化し、かつ/または経路長および/もしくは距離dが縮小する。上で説明した方法は、熱膨張係数が変化した場合ならびに/または経路長および/もしくは距離dが縮小した場合の光吸収値を補償し、したがって、補償された光吸収値が改善され、測定品質が改善される結果となる。
【0056】
この実施形態の利点は、光学フローセル100を使用して得られる測定品質が改善される、ということである。特に、周囲温度、ガンマ線照射および/またはオートクレービングを受けてきたことなど、光学フローセル100が晒されてきた環境に関して、である。
【0057】
図7は、本発明の一実施形態による測定デバイス300を示す。測定デバイス300は、本明細書において説明する実施形態のいずれかによる光学フローセル100内で測定された光吸収値を補償するように構成されてよい。測定デバイス300は、ある帯域幅以内の光を第1の光導波路に放出するように構成された、光ジェネレータ221、例えば1つまたは複数の発光ダイオード(LED)、有機発光ダイオード、ポリマー発光ダイオード、アクティブマトリクス有機発光ダイオード、電気化学発光セル(Light-emitting electrochemical cell)、エレクトロルミネセントワイヤ(Electroluminescent wire)、場誘起ポリマーエレクトロルミネセント(Field-induced polymer electroluminescent)、またはレーザを備えてよい。測定デバイス300は、光ジェネレータ221から参照光を、また光学フローセル100から受領光を受領し、光吸収値を生成するように構成された、吸収値ジェネレータ222をさらに備えてよい。測定デバイス300は、フローセル制御ユニット200であって、プロセッサ212およびメモリ215を備え、前記メモリが、前記プロセッサによって実行可能な命令を収容し、それにより、前記フローセル制御ユニット200が、本明細書において説明する対応する方法のうちのいずれかの方法を実施するように動作可能であり、かつ/または構成される、フローセル制御ユニット200をさらに備えてよい。
【0058】
吸収値ジェネレータ222は、光ジェネレータ221から参照光を受領して参照光の大きさを表す第1の信号を生成するように構成された、第1のフォトダイオードおよび/または光センサを備えてよい。吸収値ジェネレータ222は、光学フローセル100から、例えば入射表面から、受領光を受領して光学フローセル100からの受領光の大きさを表す第2の信号を生成するように構成された、第2のフォトダイオードおよび/または光センサをさらに備えてよい。吸収値ジェネレータ222は、第1および第2の信号を受領して光吸収値を生成するように構成された差分器(differentiator)をさらに備えてよい。吸収値ジェネレータ222はさらに、光吸収値をフローセル制御ユニット200に送出するように構成されてよい。測定デバイス300は、サーバ、搭載コンピュータ、デジタル情報ディスプレイ、固定コンピューティングデバイス、ラップトップコンピュータ、タブレットコンピュータ、ハンドヘルドコンピュータ、手首装着コンピュータ、スマートウォッチ、PDA、スマートフォン、スマートTV、電話、メディアプレーヤ、ゲームコンソール、車載コンピュータシステム、またはナビゲーションデバイスの形態をとってよい。
【0059】
プロセッサ212は、有線通信またはワイヤレス通信用のトランシーバ204に通信可能に結合されてよい。さらに、測定デバイス300は、少なくとも1つのオプションのアンテナ(図中には図示せず)をさらに備えてよい。アンテナは、トランシーバ204に結合されてよく、ワイヤレス通信システム内でワイヤレス信号を送信および/または放出および/または受信するように構成される。一例では、プロセッサ212は、処理サーキットリおよび/または中央処理装置および/またはプロセッサモジュールおよび/または互いに協働するように構成された複数のプロセッサのいずれかとすることができる。さらに、測定デバイス300は、メモリ215をさらに備えてよい。メモリ215は、本明細書において説明する方法を実施するための、プロセッサによって実行可能な命令を収容してよい。プロセッサ212は、トランシーバ204およびメモリ215のうちのいずれかの選択されたものに、通信可能に結合されてよい。測定デバイス300は、吸収値ジェネレータ222から直接、または有線通信ネットワークおよび/もしくはワイヤレス通信ネットワーク(図中には図示せず)を介して、吸収値を受領するように構成されてよい。
【0060】
1つまたは複数の実施形態では、測定デバイス300は、ユーザから入力または指示を受領して、ユーザ入力またはユーザ指示を表すユーザ入力信号を処理手段212に送出するように構成された、入力デバイス117をさらに備えてよい。1つまたは複数の実施形態では、測定デバイス300は、処理手段212からテキストまたはグラフィカルユーザ入力オブジェクトなど、レンダリングされたオブジェクトを表すディスプレイ信号を受領して、受領した信号を、テキストまたはグラフィカルユーザ入力オブジェクトなどのオブジェクトとして表示するように構成された、ディスプレイ118をさらに備える。一実施形態では、ディスプレイ118は、ユーザ入力デバイス117と統合され、処理手段212からテキストもしくはグラフィカルユーザ入力オブジェクトなど、レンダリングされたオブジェクトを表すディスプレイ信号を受領して、受領した信号を、テキストもしくはグラフィカルユーザ入力オブジェクトなどのオブジェクトとして表示するように構成され、かつ/またはユーザから入力もしくは指示を受領して、ユーザ入力もしくはユーザ指示を表すユーザ入力信号を処理手段212に送出するように構成される。諸実施形態では、プロセッサ/処理手段212は、メモリ215および/またはトランシーバおよび/または入力デバイス117および/またはディスプレイ118に、通信可能に結合される。諸実施形態では、トランシーバ204は、下でさらに説明する、当技術分野において知られる任意の有線通信技法および/またはワイヤレス通信技法を使用して通信する。
【0061】
諸実施形態では、1つまたは複数のメモリ215は、ハードRAM、ディスクドライブ、フロッピーディスクドライブ、磁気テープドライブ、光ディスクドライブ、CDドライブもしくはDVDドライブ(RもしくはRW)、または他のリムーバブルメディアドライブもしくは固定のメディアドライブのいずれか選択されたものを備えてよい。
【0062】
一実施形態では、コンピュータプログラムが提供され、コンピュータプログラムは、コンピュータ実行可能命令を備え、コンピュータ実行可能命令は、測定デバイス300内に含まれたプロセッサ/処理ユニット上で実行されると、測定デバイス300に本明細書において説明する方法のいずれかを実施させるためのものである。
【0063】
一実施形態では、コンピュータプログラム製品が、メモリ、および/または上で説明したコンピュータプログラムがその中に具現化されたコンピュータ可読記憶媒体を備える。本明細書において言及されるメモリおよび/またはコンピュータ可読記憶媒体は、ROM(読出し専用メモリ)、PROM(プログラマブル読出し専用メモリ)、EPROM(消去可能PROM)、フラッシュメモリ、EEPROM(電気的消去可能PROM)、またはハードディスクドライブなど、基本的にはどんなメモリを備えてもよい。
【0064】
諸実施形態では、通信ネットワークは、有線通信技法またはワイヤレス通信技法を使用し、それは、ローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、グローバルシステムフォーモバイルネットワーク(GSM)、拡張データGSM環境(Enhanced Data GSM Environment)(EDGE)、ユニバーサルモバイルテレコミュニケーションシステム、ロングタームエボリューション、高速ダウンリンクパケットアクセス(HSDPA)、広帯域符号分割多元接続(W-CDMA)、符号分割多元接続(CDMA)、時分割多元接続(TDMA)、Bluetooth(登録商標)、Zigbee(登録商標)、Wi-Fi、ボイスオーバーインターネットプロトコル(VoIP)、LTEアドバンスト、IEEE802.16m、ワイヤレスMAN-アドバンスト、発展型高速パケットアクセス(Evolved High-Speed Packet Access)(HSPA+)、3GPPロングタームエボリューション(LTE)、モバイルWiMAX(IEEE 802.16e)、ウルトラモバイルブロードバンド(UMB)(旧エボリューションデータオプティマイズド(Evolution-Data Optimized)(EV-DO)レビジョンC)、ファーストローレイテンシアクセスウィズシームレスハンドオフ直交周波数分割多重(Fast Low-latency Access with Seamless Handoff Orthogonal Frequency Division Multiplexing)(Flash-OFDM)、大容量空間分割多元接続(iBurst(登録商標))およびモバイルブロードバンドワイヤレスアクセス(MBWA)(IEEE 802.20)システム、高性能無線メトロポリタンエリアネットワーク(High Performance Radio Metropolitan Area Network)(HIPERMAN)、ビーム分割多元接続(BDMA)、ワールドインターオペラビリティフォーマイクロウェーブアクセス(World Interoperability for Microwave Access)(Wi-MAX)、ならびに超音波通信などのうちの少なくとも1つを含んでよいが、それらに限定されない。
【0065】
さらに、測定デバイス300が、本解決策を実施するための、例えば機能、手段、ユニット、要素などの形態をとる必要な通信能力を備えてよいことが、当業者には認識されよう。そのような他の手段、ユニット、要素、および機能の例が、プロセッサ、メモリ、バッファ、制御論理回路、エンコーダ、デコーダ、レートマッチャ(rate matcher)、デレートマッチャ(de-rate matcher)、マッピングユニット、乗算器、決定ユニット、選択ユニット、スイッチ、インターリーバ、デインターリーバ、変調器、復調器、入力、出力、アンテナ、増幅器、レシーバユニット、トランスミッタユニット、DSP、MSD、TCMエンコーダ、TCMデコーダ、電源ユニット、給電線、通信インターフェース、通信プロトコルなどであり、それらは、本解決策を実施するために一緒に適切に配置される。
【0066】
とりわけ、本測定デバイス300のプロセッサは、プロセッサおよび/または処理サーキットリおよび/または処理手段、例えば、処理サーキットリ、プロセッサモジュール、および互いに協働するように構成された複数のプロセッサの1つもしくは複数のインスタンス、中央処理装置(CPU)、処理ユニット、処理回路、プロセッサ、特定用途向け集積回路(ASIC)、マイクロプロセッサ、フィールドプログラマブルゲートアレイ(FPGA)、または命令を解釈し実行することのできる他の処理論理回路を備えてよい。したがって、「プロセッサ」という表現は、例えば上で述べたもののいずれか、一部、または全てなど、複数の処理回路を備える処理サーキットリを表してよい。処理手段はさらに、データバッファリングを含む、データを入力、出力、および処理するためのデータ処理機能、ならびに呼出し処理制御、ユーザインターフェース制御などのようなデバイス制御機能を実施してよい。
【0067】
最後に、本発明は、上で説明した実施形態に限定されるのではなく、添付の独立請求項の範囲に含まれる全ての実施形態にも関し、かつそれらを組み込む、ということを理解されたい。
【符号の説明】
【0068】
100 光学フローセル
110 光学フローセルハウジング
111 第1の部分、ハウジング部分
112 第2の部分、ハウジング部分
113 シール
117 ユーザ入力デバイス
118 ディスプレイ
120 密閉細長流体チャネル、流体流路
121 第1の側壁、壁部
122 第2の対向する側壁、第2の側壁、壁部
123 第1の軸
130 入口
140 出口
151 第1の端部
152 第2の端部
161 第1の光導波路
162 第2の光導波路
163 第1のコネクタ部
164 第2のコネクタ部
170 第2の軸
181 締結手段
182 締結手段
200 フローセル制御ユニット
204 トランシーバ
212 プロセッサ、処理手段
215 メモリ
221 光ジェネレータ
222 吸収値ジェネレータ
300 測定デバイス
1000 方法
1131 第1のボア
1132 第2のボア
1133 鞍状表面
d 距離
図1A-1B】
図1C
図2A
図2B
図2C
図3A
図3B
図4
図5
図6
図7