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特許7483800切断差動装置用の位置ベースの潤滑油制御方法
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  • 特許-切断差動装置用の位置ベースの潤滑油制御方法 図1
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】切断差動装置用の位置ベースの潤滑油制御方法
(51)【国際特許分類】
   F16H 48/40 20120101AFI20240508BHJP
   F16H 57/04 20100101ALI20240508BHJP
   F16H 48/08 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
F16H48/40
F16H57/04 D
F16H48/08
【請求項の数】 19
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2022110709
(22)【出願日】2022-07-08
(65)【公開番号】P2023010694
(43)【公開日】2023-01-20
【審査請求日】2022-07-20
(31)【優先権主張番号】63/220,417
(32)【優先日】2021-07-09
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(31)【優先権主張番号】17/840,298
(32)【優先日】2022-06-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】520490406
【氏名又は名称】リヴィアン アイピー ホールディングス,エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】100092783
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 浩
(74)【代理人】
【識別番号】100103182
【弁理士】
【氏名又は名称】日野 真美
(74)【代理人】
【識別番号】100120134
【弁理士】
【氏名又は名称】大森 規雄
(74)【代理人】
【識別番号】100141025
【弁理士】
【氏名又は名称】阿久津 勝久
(72)【発明者】
【氏名】メイソン バーブリッジ
(72)【発明者】
【氏名】ビナイ カルヤナラマン
(72)【発明者】
【氏名】ギャリー アレン ピンクリー
(72)【発明者】
【氏名】ジョージ ザランカ
【審査官】畔津 圭介
(56)【参考文献】
【文献】特開平09-286254(JP,A)
【文献】特表2017-515065(JP,A)
【文献】特開2019-086084(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16H 48/40
F16H 57/04
F16H 48/08
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
切断差動装置であって、
前記差動装置が接続状態にあるときに、出力ギアから対応する車輪にトルクを送達するように構成された2つのサイドギアであって、前記サイドギアのそれぞれが、前記サイドギア間の速度差を許容しながら、前記出力ギアから前記トルクを受け取るように構成された、サイドギアと、
前記差動装置が切断状態になるように、前記2つのサイドギアから前記出力ギアを切断するように構成された切断デバイスと、
前記出力ギアの回転位置を判定するように構成された位置センサと、
前記出力ギアと共に回転する差動ケーシングと、
を備え
前記差動装置が切断状態にある間に、
前記位置センサの判定に応じて前記差動ケーシングのケーシング開口がオイルジェットの位置と整列され、
オイルジェットが、前記ケーシング開口を介して前記差動装置の可動内部構成要素に潤滑油を提供する、
切断差動装置。
【請求項2】
前記差動装置が前記切断状態にある間に、前記出力ギアが回転させられるように構成されている、請求項1に記載の切断差動装置。
【請求項3】
前記出力ギアの判定された前記回転位置に応答して、前記差動装置が前記切断状態にある間に、前記動ケーシングが回転させられるように構成されている、請求項2に記載の切断差動装置。
【請求項4】
記ケーシング開口が前記オイルジェットと整列しているときに、前記オイルジェットが前記ケーシングによって遮られない、請求項3に記載の切断差動装置。
【請求項5】
記ケーシング開口が前記オイルジェットと整列していないという判定に応答して、前記出力ギアが回転させられるように構成されている、請求項3に記載の切断差動装置。
【請求項6】
前記出力ギアに固定されたマーカを更に備え、前記位置センサが、前記位置センサへの前記マーカの近接度に基づいて、前記出力ギアの前記回転位置を判定するように構成されている、請求項1に記載の切断差動装置。
【請求項7】
前記動ケーシングは、オイルジェットが前記切断差動装置の内部領域に潤滑油を送達することを可能にするように構成された潤滑油開口を備える、請求項1に記載の切断差動装置。
【請求項8】
前記切断デバイスが、前記切断差動装置が接続状態にあるときに、外部スプラインと内部スプラインとを係合するように構成されたシフトカラーを含み、前記差動装置が、前記シフトカラーを係合位置に向けて付勢するばねを更に備え、前記切断差動装置が、前記接続状態にある、請求項1に記載の切断差動装置。
【請求項9】
前記センサと通信するコントローラを更に備える、請求項1に記載の切断差動装置。
【請求項10】
車両であって、
切断差動装置であって、前記差動装置が接続状態にあるときに、差動ケーシングから対応する車輪にトルクを送達するように構成された2つのサイドギアを有する切断差動装置であって、前記サイドギアのそれぞれが、前記サイドギア間の速度差を許容しながら、前記差動ケーシングから前記トルクを受け取るように構成されている、切断差動装置と、
前記差動装置が切断状態になるように、前記2つのサイドギアから力ギアを切断するように構成された切断デバイスと、
前記出力ギアの回転位置を判定するように構成された位置センサと、
前記出力ギアと共に回転する差動ケーシングと、を備え
前記差動装置が切断状態にある間に、
前記位置センサの判定に応じて前記差動ケーシングのケーシング開口をオイルジェットの位置と整列させ、
オイルジェットが、前記ケーシング開口を介して切断差動装置の可動内部構成要素に潤滑油を提供する、
車両。
【請求項11】
前記センサと通信するコントローラを更に備え、前記コントローラが、前記出力ギアの判定された前記回転位置に応答して、前記差動装置が前記切断状態にあるときに前記差動ケーシングを回転させるように構成されている、請求項10に記載の車両。
【請求項12】
方法であって、
接続状態の差動装置を動作させることであって、モータから受け取ったトルクが、差動ケーシングを介して一対の車軸に伝達され、前記差動ケーシングが潤滑油エンクロージャを少なくとも部分的に画定し、前記トルクが、前記差動ケーシングから前記車軸へ2つのサイドギアを介して伝達され、前記サイドギアが、前記サイドギア間の速度差を許容しながら、前記差動ケーシングから前記トルクを受け取るように構成されている、ことと、
前記差動装置が切断状態になるように、切断デバイスを介して前記ケーシングから切断することであって、前記サイドギアが対応する車輪によって回転されている間、前記ケーシングが前記2つのサイドギアによって駆動されない、ことと、
前記ケーシングの回転位置を感知することと、
前記差動装置が切断状態にある間に、前記感知することにおいて感知された前記回転位置に応じて前記差動ケーシングのケーシング開口をオイルジェットの位置と整列させ、オイルジェットが、前記ケーシング開口を介して切断差動装置の可動内部構成要素に潤滑油を提供することと、
を含む、方法。
【請求項13】
前記差動装置が前記切断状態にある間に前記ケーシングを回転させることを更に含む、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
前記ケーシングの感知された前記回転位置に応答して、前記差動装置が前記切断状態にある間に前記ケーシングが回転させられる、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記ケーシング開口が前記オイルジェットと整列しているとき、前記オイルジェットが前記ケーシングによって遮られない、請求項12に記載の方法。
【請求項16】
前記ケーシングによって画定されたケーシング開口が、前記ケーシング開口を通って前記可動内部構成要素に潤滑油を提供するように構成されたオイルジェットと整列していないことを判定することを更に含み、前記ケーシング開口が前記オイルジェットと整列していないという判定に応答して、前記ケーシングが回転させられる、請求項12に記載の方法。
【請求項17】
前記ケーシングの前記回転位置が、前記ケーシングに固定されたマーカを介して判定される、請求項12に記載の方法。
【請求項18】
前記差動ケーシングの前記回転位置が、前記差動ケーシングの回転位置を判定するように構成された位置センサへの前記マーカの近接度に基づいて判定される、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記差動ケーシングが、前記2つのサイドギアを少なくとも部分的に囲む、請求項12に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年7月9日に出願された米国仮特許出願第63/220,417号の優先権を主張し、その内容は、参照によりその全体が本明細書に明示的に組み込まれる。
【0002】
(発明の分野)
本開示は、差動装置、より具体的には、切断差動装置に関する。
【発明の概要】
【0003】
少なくともいくつかの例示的な例示では、切断差動装置は、差動装置が接続状態にあるときに、出力ギアから対応する車輪にトルクを送達するように構成された2つのサイドギアを含む。各サイドギアは、サイドギア間の速度差を許容しながら、出力ギアからトルクを受け取るように構成される。切断差動装置はまた、差動装置が切断状態になるように、出力ギアを2つのサイドギアから切断するように構成された切断デバイスを含む。切断差動装置はまた、出力ギアの回転位置を判定するように構成された位置センサを含む。
【0004】
少なくともいくつかの例示的なアプローチでは、差動装置が切断状態にある間に、出力ギアが回転させられるように構成されている。
【0005】
少なくともいくつかの実施例では、出力ギアの判定された回転位置に応答して、差動装置が切断状態にある間に、出力ギア差動ケーシングが回転させられるように構成され得る。
【0006】
少なくともいくつかの実施例では、出力ギアと共に回転する差動ケーシングは、オイルジェットと整列されるように構成されたケーシング開口を含み、オイルジェットが、ケーシング開口を介して差動装置の可動内部構成要素に潤滑油を提供するように構成され、ケーシング開口がオイルジェットと整列しているときに、オイルジェットがケーシングによって遮られない。
【0007】
少なくともいくつかの実施例では、出力ギアと共に回転する差動ケーシングは、オイルジェットによる差動装置の可動内部構成要素の潤滑を可能にするように構成されたケーシング開口を含み、ケーシング開口がオイルジェットと整列していないという判定に応答して、出力ギアが回転させられるように構成されている。
【0008】
少なくともいくつかの実施例では、切断差動装置は出力ギアに固定されたマーカを備え、位置センサが、位置センサへのマーカの近接度に基づいて、出力ギアの回転位置を判定するように構成されている。
【0009】
少なくともいくつかの例示的なアプローチでは、出力ギアと共に回転する差動ケーシングは、オイルジェットが切断差動装置の内部領域に潤滑油を送達することを可能にするように構成された潤滑油開口を備える。
【0010】
少なくともいくつかの例では、切断デバイスは、切断差動装置が接続状態にあるときに、外部スプラインと内部スプラインとを係合するように構成されたシフトカラーを含む。これらのアプローチでは、差動装置はまた、シフトカラーを係合位置に向かって付勢するばねを含み得、切断差動装置は、接続状態にある。
【0011】
少なくともいくつかの実施例では、差動装置は、センサと通信するコントローラを含む。
【0012】
少なくともいくつかの例示的なアプローチでは、2つのサイドギアを有する切断差動装置を備え、サイドギアが差動装置が差動状態にあるときに差動ケーシングから対応する車輪にトルクを送達するように構成されている車両が提供される。各サイドギアは、サイドギア間の速度差を許容しながら、差動ケーシングからトルクを受け取るように構成され得る。車両はまた、差動装置が切断状態になるように、出力ギアを2つのサイドギアから切断するように構成された切断デバイスを含み得る。車両は、出力ギアの回転位置を判定するように構成された位置センサを更に含み得る。
【0013】
少なくともいくつかの実施例では、車両はまた、センサと通信するコントローラを含む。コントローラは、出力ギアの判定された回転位置に応答して、差動装置が切断状態にあるときに差動ケーシングを回転させるように構成されている。
【0014】
別の例示的な例示では、方法は、接続状態で差動装置を動作させることを含み、モータから受信されたトルクは、差動ケーシングを介して一対の車軸に送信される。差動ケーシングは、潤滑油エンクロージャを少なくとも部分的に画定し、トルクは、2つのサイドギアを介して差動ケーシングから車軸へ伝達され、サイドギアは、サイドギア間の速度差を許容しながら、差動ケーシングからトルクを受け取るように構成されている。この方法は、差動装置が切断状態になるように、切断デバイスを介してサイドギアをケーシングから切断することを更に含む。切断状態では、サイドギアが対応する車輪によって回転させられる間、ケーシングは2つのサイドギアによって駆動されない。この方法はまた、ケーシングの回転位置を感知することを含む。
【0015】
少なくともいくつかの例示的なアプローチでは、方法はまた、差動装置が切断状態にある間にケーシングを回転させることを含む。
【0016】
少なくともいくつかの実施例では、方法は、ケーシングの感知された回転位置に応答して、差動装置が切断状態にある間にケーシングを回転させることを含む。
【0017】
いくつかの実施例では、方法はまた、ケーシング開口を介して可動内部構成要素に潤滑油を提供するように構成されたオイルジェットとケーシング開口とを整列させることを含む。これらの実施例のいくつかでは、ケーシング開口がオイルジェットと整列したときに、オイルジェットはケーシングによって遮られない。
【0018】
いくつかの実施例はまた、ケーシングによって画定されたケーシング開口が、ケーシング開口を通って可動内部構成要素に潤滑油を提供するように構成されたオイルジェットと整列していないことを判定することを含み得る。これらの実施例では、ケーシング開口がオイルジェットと整列していないという判定に応答して、ケーシングが回転させられる。
【0019】
いくつかの例示的な方法では、ケーシングの回転位置は、ケーシングに固定されたマーカを介して判定される。これらの実施例のいくつかでは、差動ケーシングの回転位置は、位置センサへのマーカの近接度に基づいて判定される。
【0020】
いくつかの例示的な方法では、差動ケーシングは、2つのサイドギアを少なくとも部分的に囲む。
【図面の簡単な説明】
【0021】
本開示の上記及び他の特徴、その性質及び様々な利点は、添付の図面と併せて以下の詳細な説明を考慮すると、より明らかになるであろう。
【0022】
図1】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な切断差動装置の切取図である。
【0023】
図2A】本開示のいくつかの実施形態による、差動装置のケーシングの開口とオイルジェットとが整列されている、切断状態における図1の切断差動装置の断面図である。
【0024】
図2B】本開示のいくつかの実施形態による、ケーシングの開口がオイルジェットと整列しないようにケーシングが回転させられている、切断状態における図1及び図2Aの切断差動装置の断面図である。
【0025】
図3】本開示のいくつかの実施形態による、例示的な切断差動装置の断面図である。
【0026】
図4】本開示のいくつかの実施形態による、切断差動装置を有する例示的な車両の概略図である。
【0027】
図5】本開示のいくつかの実施形態による、差動装置を潤滑する例示的なプロセスのフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0028】
全輪駆動車両では、一定の車両速度条件下で、車軸のうちの1つへの動力を切断して、推進システム効率を改善することができる。これは、全てのタイプの車両に当てはまるが、車軸を切断することは、電気車両のコンテキストにおいて特に有用であり得、車両の範囲が更に重要になり得る。単一モータe軸を有する車両推進システムの場合、すなわち、電気モータが単一車軸上の一対の車輪を駆動している場合、車軸の切断が所望されるとき、モータは、切断機構を備えた差動装置を使用して切断することができる。いくつかの実施例では、出力ギアは、差動装置の内部構成要素から係合解除されてもよい。したがって、差動装置の内部構成要素が車軸の車輪によって回転させられている間、車軸のモータ及び出力ギアは遅延又は停止され得る。差動装置の可動内部構成要素は一般に、切断状態で潤滑油を必要とするが、出力ギア/ケーシングは静止したままである。一般に、潤滑油面は、適切な潤滑を確実にするように差動装置内で維持される。典型的には、潤滑と動力伝達経路の効率との間で歩み寄りがなされなければならない。より具体的には、より高い潤滑油面が差動装置内に維持されるほど、差動装置の可動内部構成要素はより潤滑されるが、動力伝達経路効率は低下する。すなわち、差動装置内の潤滑油面が高いほど、必然的に、差動装置の可動内部構成要素によって、より高い抗力が車軸の車輪に加えられる。
【0029】
本明細書で詳細に説明される解決策は、一般に、差動装置の可動内部構成要素が所与の量の潤滑油によって潤滑される程度を増加させる。したがって、潤滑油面は、概して、以前のアプローチと比較して低減させることができ、それによって、切断状態の間に差動装置の可動構成要素の適切な潤滑を確保しながら、車軸の動力伝達経路効率を向上させることができる。したがって、以前のアプローチと比較して、車軸に関連する電力損失は低減され得る。
【0030】
一般に、本明細書の例示的なアプローチは、差動ケーシングの接線位置又は回転位置を判定することができる位置センサを採用し得る。ケーシングには、ケーシング開口が設けられてもよく、これにより、オイルジェットが、ケーシングの外側からケーシング内の差動装置の可動構成要素へ潤滑油を供給することができる。位置センサは、ケーシング開口を、差動装置に対する静止回転位置を有するオイルジェットと整列させることを可能にし得る。例えば、モータを使用してケーシングを回転させて、ケーシング開口をオイルジェットの位置と整列させ、動力伝達経路が切断状態にあるときに、オイルジェットが差動装置の可動内部構成要素に到達することを可能にする。
【0031】
例示的な位置センサは、(出力ギアが差動ケーシングに固定される程度まで)差動ケーシング又は出力ギアの接線位置を監視することができる任意のものであり得る。単なる例として、増分エンコーダ、ホール効果センサ、レゾルバなどを使用することができる。いくつかの実施例では、差動ケーシングの位置は、回転位置を有する接続された回転構成要素を介して監視又は感知され得、出力ギアの位置の関数として表すことができる。単なる例として、ケーシングに接続されたモータのレゾルバは、モータロータの角度位置を測定し、それによって差動ケーシングの角度位置を判定し得る。位置センサは、少なくともオイルジェットに対して、ケーシング開口の位置を連続的に監視し得る。いったん係合解除する信号が受信されると、制御ロジックは、位置センサ又はエンコーダを使用して、ケーシング開口とオイルジェットとの整列を確保することができ、出力ギアの速度はゼロである。ケーシング開口がオイルジェットと整列していない範囲で、車軸に関連付けられたモータを使用して、ケーシング開口をオイルジェットと位置合わせするのに必要な程度までケーシングを回転させ得る。
【0032】
ここで図1図2A図2B、及び図3を参照すると、例示的な差動アセンブリ100が示されている。最初に図1を参照すると、差動アセンブリ100は、一般に、ケーシング101との回転に固定された出力ギア101’又はリングギア構造を含む差動ケーシング101を含む。単なる例として、出力ギア101’は、ケーシング101の外面に固定され得る、又はケーシング101の外面に形成され得る。出力/リングギア101’は、例えば、電気モータなどの車両伝動機構によって駆動されるピニオンギア(図1には示されていない)によって駆動され得る。出力ギア101’及びケーシング101は、外側ハウジング(図1には図示せず)に入れられてもよい。ケーシング101は、一般に、差動アセンブリ100の一部である複数のインターフェース構成要素のためのエンクロージャ130を提供する。例えば、インターフェース構成要素は、対向端でケーシング101内に回転可能に支持されるスピンドル104を少なくとも含み得る。以下で更に論じるように、スピンドル104は、スピンドル104がケーシング101に対して自由に回転することができるように、ケーシング101から選択的に切断され得る。スピンドル104は、スピンドル104の端部において、差動ギア105によって一対のサイドギア106を回転させる。サイドギア106はそれぞれ、対応する車軸又はサイドシャフト107を駆動する。ピニオンギアは、例えば、電気モータやトランスミッションなどの伝動機構からケーシング101への回転運動を変換するように位置付けられ得る。サイドギア106は、車両の方向変換に必要とされる際、又はそれ以外で車軸107に対応する車輪の異なる速度がそれぞれ必要とされるとき、2つの車軸107間の速度の相対差を可能にしつつ、出力ギア101’/ケーシング101の駆動に応答して車軸107を最終的に駆動し得る。
【0033】
図1では、差動装置100は、接続状態、すなわち、出力ギア101’/ケーシング101が、モータ(図示せず)から車軸107にトルクを伝達し得る状態で示されている。この接続状態では、トルクは、図1の矢印によって示され、以下より詳細に説明するように、モータから、ケーシング101から車軸107に流れる。差動装置100は、例えば、一般に、出力ギア101’から車軸107へのトルク伝達と選択的に係合及び係合解除するように構成されている切断デバイス135を有し得る。図示の例では、切断デバイスは、出力ギア101’に対して横方向に、及び/又は出力ギア101’の回転軸に平行な方向にシフトする横方向シフトカラー102を含む。出力ギア101’は、横方向シフトカラー102の外部スプライン114と係合する内部スプライン113を有し得る。シフトカラー102は、ギアネスト103の外部スプライン116と噛み合うことができる内部スプライン115を画定し得る。ギアネスト103は、スピンドル104を取り囲む穴を含み得る。スピンドル104は、スピンドル104のいずれかの端部に配置された差動ギア105によってサイドギア106を回転させ得る。サイドギア106は、車軸107の外部スプライン118と噛み合う内部スプライン117を有し得る。したがって、トルクは、ケーシング101から車軸107に伝達され、モータ(図示せず)が車軸107に関連付けられた車輪(図示せず)に動力を提供することを可能にする。
【0034】
差動装置100は、サイドギア106間の差動速度が可能になり、差動ギア105の回転をもたらすように、開放差動装置であってもよい。シフトカラー102に軸方向の力を加え、シフトカラー102の内部スプライン115がギアネスト103の外部スプライン116と係合した状態を保つようにカラー102を軸方向位置に維持する波形ばね108が示されている。
【0035】
ケーシング101によって画定され、したがってケーシング101と共に回転し得るケーシング開口109が存在する。ケーシング101がケーシング101内の潤滑油面を維持するように、ケーシング開口109は比較的小さな窓であってもよい。イオンジェット(図1には示されていない)はケーシング101に配向されているため、ケーシング101が回転する際にケーシング開口109が通過すると、オイル又は潤滑油は、差動装置100の内部構成要素、例えば、サイドギア106、スピンドル104、差動ギア105などに方向付けられる。簡便である任意の形状又は構成のケーシング開口109が採用され得る。単なる例として、開口109は、ケーシング101の外側から、例えば、サイドギア106、差動ギア105、スピンドル104、及びギアネスト103を含む差動装置100の内部領域まで延在する略円筒貫通孔を形成し得る。
【0036】
ここで図2Aを参照すると、差動装置100は、切断状態、すなわち、ケーシング101及び出力ギア101’が遅延又は停止され得る一方、サイドギア106及び車軸107が、例えば、それらの関連する車輪(図示せず)の回転に起因して回転させられる状態で示されている。この状態では、サイドギア106は、車軸107の回転によって駆動され得るが、ケーシング101は、差動アセンブリ100に対して静止状態を保ち得る。より具体的には、車軸107の外部スプライン118は、サイドギア106の内部スプライン117を回転させる。サイドギア106は、差動ギア105を回転させて、スピンドル104及びギアネスト103の回転を引き起こす。しかしながら、差動装置100が切断されるように切断デバイス135が調整されているため、ギアネスト103はケーシング101から係合解除される。図示の例では、シフトカラー102は(波形ばね108の力に対して)横方向に変位されているため、シフトカラー102の内部スプライン115は、ギアネスト103の外部スプライン116から係合解除されている。その結果、ギアネスト103は、ケーシング101内で回転し、トルクは、ギアネスト103からカラー102(又はケーシング101又は出力ギア101’)に伝達されない。したがって、差動装置100に関連付けられたモータ(図示せず)は、例えば、電力の消費を低減するために、動作停止又は停止され得る。モータ(図示せず)は、この切断状態でも、ケーシング101を回転させて、ケーシング開口109をオイルジェット110と整列させ得る。一例では、センサ111は、ケーシング開口109がオイルジェット110と整列するように径方向ロケータ112が位置付けられていることを検出する。センサ111は、センサ111へのロケータ112の近接に基づいて、ケーシング101及び/又は出力ギア101’の回転位置を判定し得る。例えば、センサ111は、ロケータ112を読み取って、ケーシング101及び/又は開口109の回転位置を判定するように構成された増分エンコーダであり得る。別の実施例では、センサ111は、ロケータ112の磁場の存在又は不在に基づいて、ケーシング101及び/又は開口109の位置を判定するように構成されたホール効果センサである。いくつかの例では、ケーシング101及び/又は開口109の位置は、ケーシング101又は出力ギア101’の位置の関数として表され得る回転位置を有する接続された回転構成要素を介して監視又は感知され得る。一例として、出力ギア101’/ケーシング101にトルクを供給する電気モータ(図示せず)は、レゾルバを使用してモータの出力又はロータの角度位置を測定し得る。出力ギア101’/ケーシング101は、例えば、モータによって駆動され、次いで出力ギア101’/ケーシング101を駆動するギア(複数可)を介して、モータとの回転関係を有するため、ケーシング101及び/又は開口109の角度位置は、モータのロータの既知の回転位置に基づいて判定され得る。したがって、ケーシング101は、ケーシング101がオイルジェット110を遮らないように回転可能に位置付けられ得、オイルジェットは、潤滑油を、例えば、車軸107の端部、サイドギア106、差動ギア105、スピンドル104、及びギアネスト103などの差動装置100の可動構成要素に向けて自由に方向付けることができる。
【0037】
次に図2Bを参照すると、差動装置100は、図2Aと同様にここでも切断状態で示されている。しかしながら、図2Bでは、ケーシング101は、ケーシング開口109(図2Bには図示せず)がオイルジェット110と整列しないように相対的に回転させられている。結果として、オイルジェット110は、潤滑油を、例えば、車軸107の端部、サイドギア106、差動ギア105、スピンドル104、及びギアネスト103などの差動アセンブリ100の内部構成要素に方向付けることを、少なくとも部分的に遮断される。以下で更に論じるように、いくつかの例示的なアプローチでは、ケーシング開口109とオイルジェット110との位置ずれは、例えば、位置センサ111に基づいて検出され得、モータを使用して、出力ギア101’及び/又はケーシング101を駆動して、(例えば、図2Aに示すように)ケーシング開口109をオイルジェット110と整列させることができる。
【0038】
次に図3を参照すると、それぞれケーシング101内に位置付けられたスピンドル104、差動ギア105、及びサイドギア106を有する差動装置100が示されている。図示されるように、いくつかの実施例では、各差動ギア105の下縁部は、上面120を有する潤滑油119の体積を通って回転するように位置付けられる。しかしながら、便利な任意の他の潤滑液面を用いることができる。以前のアプローチとは対照的に、例えば、本明細書の例示に必要な潤滑油119の量は相当低減され、上面120は、これらの以前のアプローチと比較して差動装置100内で低く位置付けられ、それによって差動装置の切断状態の間、差動装置100の摩擦損失を低減する。更に、差動装置100の可動内部構成要素は、ケーシング開口109を通るオイルジェット110によって潤滑油の循環が増強されるため、十分な潤滑を依然として受け取ることができる(図2Aを参照)。
【0039】
本明細書に記載の例示的な各アプローチに関して上述したように、可動構成要素への潤滑油の循環の増強の結果として、より低い面/より少ない量の潤滑油が採用され得る。したがって、例示的な差動アセンブリは、以前のアプローチと比較して摩擦損失を低減することができる。摩擦損失の低減は、オイルの種類、粘度、動作温度、ギアサイズ(複数可)、及び/又は動作速度などの動作要因及び条件に基づいて変化するが、例示的なアプローチは、3パーセント(3%)の電力損失減少を達成するものと推定される。
【0040】
図4は、本開示のいくつかの実施形態による、1つ以上の駆動ユニット及び差動アセンブリ100を制御するための制御システムを有する例示的な電気車両400のブロック図である。本明細書の実施例は、電気車両400のコンテキストで説明されているが、本明細書の様々な例示的な例示は、限定することなく、任意の他の種類の車両で使用され得ることを理解されたい。単なる例として、他の実施例では、車両400は、内燃(IC)エンジン車両によってのみ動力を供給され得る、又はICエンジンに加えて1つ以上の電気モータを含むハイブリッド伝動機構を有し得る。電気車両400は、バッテリパック430、電気車両サブシステム410、サスペンション、及び車輪を含む。電気車両サブシステム410は、例えば、後輪駆動ユニット412、前輪駆動ユニット414、制御回路416、補助システム418、入力インターフェース420、及び任意の他の適切な対応する機器を含む。電気車両400は、1つの駆動軸(例えば、後輪駆動軸)に対応する動力伝達機構450(例えば、ギアボックス、プーリシステム、又は差動アセンブリ100を含むシャフト作業を移送するための他の機構)と、別の駆動軸(例えば、前輪駆動軸)に対応する動力伝達機構460と、を含む。車両400は、動力伝達機構450及び460のいずれか又は両方の一部として、図1図2A図2B、及び図3の差動アセンブリ100を含み得る。車両サブシステム410を使用して、例えば、図1~3の例示的な構成及び駆動システムのいずれかの車両400と制御アクチュエータ(例えば、差動アクチュエータ又はオイルジェットアクチュエータ)の動作(例えば、センサ信号)を監視し得る、又は他の方法で車両400の動作を管理し得る。例示するために、動力伝達機構450及び460のそれぞれは、差動装置100を含み得、車両サブシステム410を使用して、各差動装置100の接続/切断状態を制御し、各ケーシング101の回転位置を制御して、切断状態においてオイルジェット110とケーシング開口109とを整列させ、各オイルジェット110を制御して、対応する開口109を通って差動アセンブリ100のそれぞれの内部領域130に潤滑油を提供することができる。
【0041】
いくつかの実施形態では、制御回路416は、処理機器、メモリ、動力管理構成要素、1つ以上の駆動ユニット(例えば、前輪駆動ユニット414及び後輪駆動ユニット412)を制御するための任意の他の適切な構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、制御回路416は、(例えば、バッテリパック430に格納された電力を使用して)電流の流れ(例えば、電流及び電流方向の量)を、1つ以上の駆動ユニットの電気モータの位相へ制御することができる。更なる実施例では、制御回路416は、(例えば、電磁的に作動される差動装置を使用して)単一又は二重駆動ユニットでの差動動作を制御し得る。いくつかの実施形態では、制御回路416は、差動アクチュエータを作動及び作動停止するように構成されている。例えば、制御回路は、(i)動力伝達機構450、460、又はその両方の1つ以上の差動アクチュエータ、又は(ii)動力伝達機構450、460、又は(ii)動力伝達機構450、460、又はその両方の1つ以上のオイルジェットアクチュエータ、又は(iii)それらの組み合わせに、制御信号(例えば、通信、電力、又はその両方)を提供し得る。更なる実施例では、制御信号は、バイナリ(例えば、DC電圧の印加のオン/オフ)、アナログ(例えば、制御信号が、電圧範囲、パルス幅変調、又はパルス密度変調に基づいて比例し得る)、振動(例えば、AC信号又は他の振動信号)、任意の他の適切な波形又は形状(例えば、矩形波、鋸歯波、三角波、整流正弦波)、又はそれらの任意の組み合わせであり得る。いくつかの実施形態では、アクチュエータは、係合又は係合解除状態でばね荷重される、又はそれ以外の方法で付勢され、車両サブシステム410からの電力、水力、又は空気力の印加は、状態の変化を引き起こす(例えば、係合から係合解除へ、又は係合解除から係合へ)。
【0042】
いくつかの実施形態では、制御回路416は、1つ以上のセンサ、1つ以上のセンサインターフェース(例えば、駆動ユニットの一部として含まれるセンサの場合)、対応する配線、対応する信号調整構成要素、駆動ユニットの状態を感知するための任意の他の適切な構成要素、又はそれらの任意の組み合わせを含み得る。例えば、図4の例に示されるように、制御回路416は、(例えば、差動ケーシング毎に)動力伝達機構450及び/又は460に含まれる位置センサ(複数可)と通信するためのセンサインターフェース(複数可)を含み得る。動力伝達機構450、460のセンサ(複数可)は位置センサであり得るが、いくつかの実施例では、速度センサ(例えば、回転エンコーダ)、電流センサ、電圧センサ、温度センサ、任意の他の適切なセンサ、又はそれらの任意の組み合わせであってもよい。いくつかの実施形態では、制御回路416は、中央コントローラ、複数の分散制御システム、埋め込みシステム、又はそれらの任意の組み合わせによって実装され得る。例えば、制御回路416は、電子制御ユニット(ECU)によって少なくとも部分的に実装され得る。更なる実施例では、電気車両は、ECUによって制御され、1つ以上の駆動ユニットの1つ以上の電気モータへの電流を管理するように構成された電力電子システムを含み得る。後輪駆動ユニット412は、ハーフシャフト、等速度ジョイント、1つ以上のサスペンション/ステアリング構成要素、任意の他の適切な継手、又はそれらの任意の好適な組み合わせによって、電気車両の車輪に結合され得る。前輪駆動ユニット414は、ハーフシャフト、等速度ジョイント、1つ以上のサスペンション/ステアリング構成要素、任意の他の適切な継手、又はそれらの任意の好適な組み合わせによって、電気車両の車輪に結合され得る。例えば、車輪は、ハーフシャフトのための軸受を含むハブに取り付けられてもよく、ハブは、車両フレームに取り付けられたサスペンション/ステアリング構成要素に連結されている(例えば、駆動ユニットも車両フレームに取り付けられている)。
【0043】
いくつかの実施形態では、駆動システムは、第1の駆動ユニット及び任意選択的に第2の駆動ユニットを含み、各駆動ユニットは差動アセンブリを含み得る。いくつかの実施形態では、駆動システムは、駆動ユニット(例えば、単一又は二重)を含むことに加えて、モータ動作を管理し、(例えば、モータを発電機として使用して)再生を管理し、任意の他の制御機能又はそれらの任意の組み合わせを実行するように構成された処理機器を含み得る。いくつかの実施形態では、駆動ユニットは、車輪の滑りを感知するように構成された(例えば、制御回路のセンサインターフェースに結合される)少なくとも1つのセンサを含み得、制御回路は、少なくとも1つのセンサから信号を受信し、車輪の滑りの発生を検出し、車輪の滑りの発生に応答して差動アセンブリを作動させるように更に構成され得る。例えば、センサは、軸速度(例えば、エンコーダによって測定される)又は出力トルク(例えば、出力軸トルク又はモータトルク)を検出し得る。いくつかの実施形態では、駆動システムは、(例えば、ユーザによって押下されることによって)所望速度を示すように構成されたアクセルペダルを含み得、処理機器は、アクセルペダルから信号を受信し、信号に基づいて速度パラメータを判定し、速度パラメータが閾値を超える場合、1つ以上の差動アセンブリ、1つ以上のモータ、又はそれらの組み合わせを作動させることができる。例えば、ユーザがアクセラレータペダルを「踏み込む」(例えば、50%超の需要)と、制御回路は、1つ以上のモータから車輪にトルクを提供するために1つ以上の差動アセンブリを作動させ得る。いくつかの実施形態では、制御回路は、道路条件(例えば、凍結道路、水たまり、強風)、駆動モード(例えば、オフロードモード、スポーツモード、又は牽引モード)、任意の他の適切な基準、又はそれらの任意の組み合わせに基づいて、差動アセンブリを作動及び作動停止し得る。
【0044】
次に図5を参照すると、例えば、電気車両などの自動車において差動装置を動作させるための例示的なプロセス500が示されている。ブロック505で、プロセス500は、接続状態で差動装置を動作させることができる。例えば、上記のように、モータから受け取ったトルクは、差動ケーシング101を介して一対の車軸107に伝達されてもよく、各車軸は、関連する車輪を有する。更に、差動ケーシングは、潤滑油エンクロージャ、例えば、一般にある量の潤滑油を含むように構成されたエンクロージャ130を少なくとも部分的に画定し得る。更に、トルクは、潤滑油エンクロージャ内に配置された1つ以上の可動内部構成要素を介して差動ケーシングから車軸107に伝達され得、各サイドギアは、サイドギア間の速度差を許容しながら、ケーシングからトルクを受け取るように構成されている。次いで、プロセス500は、ブロック510に進み得る。
【0045】
ブロック510で、プロセス500は、差動装置が切断状態にあるように、切断デバイスを介してサイドギアをケーシングから切断し得る。例えば、図2Bで上述したように、サイドギア106が対応する車両車輪によって回転させられる間、カラー102をシフトすることにより、ケーシング101は、2つのサイドギア106によって回転又は駆動されない。
【0046】
ブロック515に進むと、プロセス500は、ケーシングの回転位置を感知し得る。例えば、ケーシング101上に固定位置を有する位置センサ111を使用して、ケーシング101上の径方向マーカ112の径方向位置を判定することができる。径方向マーカ112は、例えば、ケーシング開口109とオイルジェット110との整列を示し得る。別の実施例では、ケーシング101を駆動する電気モータのロータの位置は、ケーシングの回転位置に関連し得るため、ケーシング開口109の位置は、ロータ/モータのセンサ(複数可)から判定され得る。
【0047】
ブロック520に進むと、プロセス500は、例えば、ブロック515において感知された位置に基づいて、ケーシング開口109がオイルジェット110と整列するようにケーシング及び/又は出力ギアが位置決めされているかどうかを問い合わせ得る。ケーシング開口109がオイルジェット110と整列していないとプロセス500が判定する場合、プロセス500は、ブロック525に進み得る。ブロック525において、差動装置100が切断状態にある間、ケーシング101は、ブロック515で感知された位置に基づいて回転され得る。例えば、コントローラ又はプロセッサ(例えば、図4の制御回路416)は、例えば、ブロック515で感知された位置に基づいて、ケーシング開口109がオイルジェット110と整列しているかどうかを判定するように構成され得る。代替的又は追加的に、コントローラは、ケーシング開口109をオイルジェット110と整列させるために、ケーシング/出力ギアを回転させるべき距離を判定し得る。一例では、コントローラは、プロセッサ及びプロセッサと通信するメモリを有し得る。メモリは、命令を実体的に具現化するコンピュータ可読記憶媒体を含み得、これらの命令は、コントローラに本明細書に記載の様々なプロセス又は工程を実行させることができる。
【0048】
したがって、プロセス500が、差動装置の潤滑を改善するために、ケーシング101及び/又は出力ギア101’を回転させる必要があると判定する場合、ケーシング101/出力ギア101’は、差動装置100が切断状態にある間に回転され得る。一実施例では、コントローラ/制御回路416は、ケーシング101及び/又は出力ギア101’の判定された回転位置に応答して、差動装置が切断状態にあるときに、ケーシング101及び/又は出力ギア101’を回転させるように構成されている。例えば、コントローラ/制御回路416は、モータを駆動してケーシング101を回転させ、ケーシング開口109を、ケーシング開口109を介して可動内部構成要素に潤滑油を提供するように構成されたオイルジェット110と整列させ得る。したがって、ケーシング開口109がオイルジェット110と整列しているとき、オイルジェット110は通常、ケーシング101によって遮られない。したがって、潤滑油が可動内部構成要素に効率的に送達され、ケーシング101内に必要な潤滑油の量を減らすことができる。
【0049】
前述の説明は、本開示による例示的な実施形態を含む。これらの実施例は、例示のみを目的として提供され、限定の目的では提供されない。本開示は、本明細書に明示的に記載及び図示されるものとは異なる形態で実施され得、様々な修正、最適化、及び変形が、以下の特許請求の範囲と一致して、当業者によって実施され得ることが理解されるであろう。
図1
図2A
図2B
図3
図4
図5