(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】車載デバイスおよび車両
(51)【国際特許分類】
H05K 7/20 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
H05K7/20 N
H05K7/20 H
(21)【出願番号】P 2022500986
(86)(22)【出願日】2020-08-28
(86)【国際出願番号】 CN2020112120
(87)【国際公開番号】W WO2021037206
(87)【国際公開日】2021-03-04
【審査請求日】2022-02-17
(31)【優先権主張番号】201910812636.9
(32)【優先日】2019-08-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】503433420
【氏名又は名称】華為技術有限公司
【氏名又は名称原語表記】HUAWEI TECHNOLOGIES CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】Huawei Administration Building, Bantian, Longgang District, Shenzhen, Guangdong 518129, P.R. China
(74)【代理人】
【識別番号】100110364
【氏名又は名称】実広 信哉
(74)【代理人】
【識別番号】100133569
【氏名又は名称】野村 進
(72)【発明者】
【氏名】毛 永▲海▼
(72)【発明者】
【氏名】胡 真明
(72)【発明者】
【氏名】尹 建▲強▼
(72)【発明者】
【氏名】李 ▲曉▼▲飛▼
【審査官】五貫 昭一
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-3258(JP,A)
【文献】特開2002-231867(JP,A)
【文献】特開2017-79226(JP,A)
【文献】特開平9-226280(JP,A)
【文献】特開2010-130011(JP,A)
【文献】特開2010-267912(JP,A)
【文献】特開2011-3606(JP,A)
【文献】特開2016-189415(JP,A)
【文献】特開2001-110970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05K 7/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
車載デバイスであって、前記車載デバイスが、ハウジングと、第1の温度均一化基板と、PCBとを備え、
前記第1の温度均一化基板および前記PCBが前記ハウジングの内部に固定され、前記第1の温度均一化基板が前記ハウジングの第1の内壁に
隣接し、前記PCBが前記ハウジングの第2の内壁に
隣接し、前記第1の内壁が前記第2の内壁に対向し、
第1の突出部が前記第1の温度均一化基板の前記PCBに近い側に配置され、第1のヒートパイプが前記第1の温度均一化基板の前記第1の内壁に近い側に配置され、
第1の放熱部品が前記PCBの前記第1の温度均一化基板に近い側に配置され、
前記第1の突出部の位置が前記第1の放熱部品の位置に対応し、
前記第1のヒートパイプが、はんだ付けによって、前記第1の温度均一化基板の基板本体のはんだ溝に溶接され
、
前記車載デバイスが第1の熱伝導性部材をさらに備え、前記第1の熱伝導性部材が前記第1の放熱部品と前記第1の突出部との間に配置され、前記第1の熱伝導性部材の2つの側が前記第1の放熱部品および前記第1の突出部とそれぞれ接触する、
車載デバイス。
【請求項2】
前記第1の温度均一化基板が前記第1の内壁と接触する、請求項1に記載の車載デバイス。
【請求項3】
前記車載デバイスが第2の熱伝導性部材をさらに備え、前記第2の熱伝導性部材が前記第1の温度均一化基板と前記第1の内壁との間に配置され、前記第2の熱伝導性部材の2つの側が前記第1の温度均一化基板および前記第1の内壁とそれぞれ接触する、請求項1に記載の車載デバイス。
【請求項4】
第2の放熱部品が前記PCBの前記第2の内壁側に配置され、第2の突出部が前記第2の内壁上に配置され、
前記第2の突出部の位置が前記第2の放熱部品の位置に対応する、
請求項1に記載の車載デバイス。
【請求項5】
前記第2の突出部が前記第2の放熱部品と接触する、請求項
4に記載の車載デバイス。
【請求項6】
前記車載デバイスが第3の熱伝導性部材をさらに備え、前記第3の熱伝導性部材が前記第2の突出部と前記第2の放熱部品との間に配置され、前記第3の熱伝導性部材の2つの側が前記第2の突出部および前記第2の放熱部品とそれぞれ接触する、請求項
4に記載の車載デバイス。
【請求項7】
前記車載デバイスが第2の温度均一化基板をさらに備え、前記第2の温度均一化基板が前記PCBと前記第2の内壁との間に固定され、
第2の放熱部品が前記PCBの前記第2の温度均一化基板に近い側に配置され、
第2のヒートパイプが前記第2の温度均一化基板の前記第2の内壁に近い側に配置され、第3の突出部が前記第2の温度均一化基板の前記PCBに近い側に配置され、
前記第3の突出部の位置が前記第2の放熱部品の位置に対応する、
請求項1に記載の車載デバイス。
【請求項8】
前記第3の突出部が前記第2の放熱部品と接触する、請求項
7に記載の車載デバイス。
【請求項9】
前記車載デバイスが第4の熱伝導性部材をさらに備え、前記第4の熱伝導性部材が前記第3の突出部と前記第2の放熱部品との間に配置され、前記第4の熱伝導性部材の2つの側が前記第3の突出部および前記第2の放熱部品とそれぞれ接触する、請求項
7に記載の車載デバイス。
【請求項10】
前記第2の温度均一化基板が前記第2の内壁と接触する、請求項
7に記載の車載デバイス。
【請求項11】
前記車載デバイスが第5の熱伝導性部材をさらに備え、前記第5の熱伝導性部材が前記第2の温度均一化基板と前記第2の内壁との間に配置され、前記第5の熱伝導性部材(9)の2つの側が前記第2の温度均一化基板および前記第2の内壁とそれぞれ接触する、請求項
7に記載の車載デバイス。
【請求項12】
前記第1のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品(31)に直接面する、請求項1から
11のいずれか一項に記載の車載デバイス。
【請求項13】
1つまたは複数の第1の放熱部品が存在し、1つまたは複数の第1の突出部が存在し、
第1の突出部の数が第1の放熱部品の数と同じであり、それぞれの第1の突出部の位置が1つの第1の放熱部品の位置に対応し、または、第1の突出部の数が第1の放熱部品の数よりも少なく、それぞれの第1の突出部の位置が1つまたは複数の第1の放熱部品の位置に対応する、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の車載デバイス。
【請求項14】
前記ハウジングが第1のハウジング部と第2のハウジング部とを備え、前記第1のハウジング部と前記第2のハウジング部とが固定的に接続され、
前記第1の内壁が前記第1のハウジング部上に位置し、前記第2の内壁が前記第2のハウジング部上に位置する、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の車載デバイス。
【請求項15】
前記第1の温度均一化基板と前記第1の内壁とが固定的に接続される、請求項
14に記載の車載デバイス。
【請求項16】
複数のフィンが前記第1のハウジング部の外壁上に配置される、請求項
14に記載の車載デバイス。
【請求項17】
前記車載デバイスがファンをさらに備え、前記ファンが前記ハウジングの外壁に固定され、
前記ファン(10)が前記ハウジングの放熱を促進するように構成される、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の車載デバイス。
【請求項18】
密閉キャビティが前記第1の内壁と前記第1の温度均一化基板との間に形成され、前記密閉キャビティが冷却材を保持するように構成され、
液体入口および液体出口が前記密閉キャビティ上に配置される、
請求項1から
11のいずれか一項に記載の車載デバイス。
【請求項19】
前記車載デバイスが液冷装置をさらに備え、前記液冷装置が液体出口パイプおよび液体戻りパイプを備え、
前記液体出口パイプが前記液体入口に接続され、前記液体戻りパイプが前記液体出口に接続される、
請求項
18に記載の車載デバイス。
【請求項20】
車両であって、前記車両に請求項1から
19のいずれか一項に記載の車載デバイスが設置された、車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、放熱技術の分野に関し、特に、車載デバイスおよび車両に関する。
【背景技術】
【0002】
車載デバイスは車両に搭載される各種の電子デバイスであり、車載デバイスは多くの部品(チップ、抵抗、およびコンデンサなど)を含む。車載デバイスが作動すると、各構成要素は外部に熱を放出する。自動運転レベルが継続的に向上するにつれて、車載デバイスの計算能力に対する要求はますます高くなり、車載デバイスの放熱に課される課題もますます大きくなっている。
【0003】
関連技術の車載デバイスは、ハウジングとプリント回路基板(Printed Circuit Board、PCB)とを含む。放熱を行うことが必要な部品がPCB上に配置され、突出部がハウジングの内壁に配置され、ヒートパイプが外壁上に配置される。関連技術における車載デバイスの放熱原理は以下のように記述される:PCB上にあって放熱を行うことが必要な部品に突出部を接触させて、部品の熱をハウジングに伝導させる。そして、ハウジングに伝導した熱をヒートパイプが分散させることで、熱がハウジングにできるだけ均等に分散される。最後に、ハウジングの熱を外部環境に放熱して車載デバイスの放熱を完了させる。
【0004】
本願を実現する過程で、発明者は、関連技術が少なくとも次の問題を有することを見出している。
【0005】
ヒートパイプは、ハウジングの外壁上に配置され、外部環境と直接接触し、損傷しやすい。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本願の実施形態は、関連技術における技術的問題を解決するために、車載デバイスおよび車両を提供する。
【0007】
本願の実施形態は、車載デバイスを提供する。車載デバイスは、ハウジングと、第1の温度均一化基板と、PCBとを含む。第1の温度均一化基板およびPCBは、ハウジングの内部に固定される。第1の温度均一化基板は、ハウジングの第1の内壁に近接している。PCBは、ハウジングの第2の内壁に近接している。第1の内壁は、第2の内壁に対向している。第1の突出部が、第1の温度均一化基板のPCBに近い側に配置される。第1のヒートパイプが、第1の温度均一化基板の第1の内壁に近い側に配置される。第1の放熱部品が、PCBの第1の温度均一化基板に近い側に配置される。第1の突出部の位置は、第1の放熱部品の位置に対応する。
【0008】
車載デバイスは、車両に搭載される各種の電子機器であってよい。任意選択的に、車載デバイスは、車載インテリジェントコンピューティングプラットフォームであってもよい。
【0009】
ハウジングは、車載デバイスのハウジングであり、2つの別個のハウジング部、すなわち、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを含んでもよい。第1の内壁および第2の内壁はハウジングの2つの対向する内壁であり、第1の内壁および第2の内壁は異なるハウジング部上に配置されてもよい。例えば、第1の内壁は第1のハウジング部上に配置され、第2の内壁は第2のハウジング部上に配置される。ハウジングはアルミニウム製であってもよい。
【0010】
第1の温度均一化基板は、一方の側に第1の突出部が配置され、他方の側に第1のヒートパイプが配置された熱伝導性基板である。温度均一化基板の基板本体は、アルミニウム製であってもよい。第1の温度均一化基板のサイズは、第1の放熱部品のレイアウトに適合し、第1の温度均一化基板は、すべての第1の放熱部品を覆っていてもよい。任意選択的に、第1の温度均一化基板は、長さ240mm、幅150mm、厚さ3.5mmである。
【0011】
第1の突出部は第1の温度均一化基板上の突出部であり、複数の第1の突出部があってもよい。第1の突出部は、第1の放熱部品に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第1の放熱部品に接触することにより、第1の放熱部品で発生した熱を第1の温度均一化基板に伝導する。
【0012】
第1のヒートパイプは、熱伝導に用いられるヒートパイプ、すなわちヒートパイプ技術を用いて製造された伝熱素子である。第1のヒートパイプは、熱伝導能力が強く、第1の温度均一化基板に伝導した熱を第1の温度均一化基板の各部に迅速に分散させることができる。可能な実施態様では、複数の第1のヒートパイプが存在する。第1の温度均一化基板上の第1のヒートパイプの配置方法は、第1のヒートパイプが高温の第1の放熱部品を通過すること、すなわち、第1のヒートパイプが、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第1の放熱部品に直接面することであってもよい。換言すれば、車載デバイスの組立て時に、第1のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第1の放熱部品の真上または真下に配置される。第1のヒートパイプは、第1の温度均一化基板の基板本体に溶接または圧着されてもよい。具体的には、第1のヒートパイプは、はんだ付けによって第1の温度均一化基板の基板本体に溶接されてもよい。より具体的には、第1のヒートパイプは、はんだ付けによって第1の温度均一化基板の基板本体のはんだ溝に溶接されてもよい。
【0013】
PCBは主基板であってもよく、複数の第1の放熱部品は、PCBの第1の温度均一化基板に近い側に配置されてもよい。
【0014】
第1の放熱部品は、発熱することが可能な部品であって、PCBの第1の温度均一化基板に近い側に配置される。具体的には、第1の放熱部品は、各種のチップ、コンデンサ、抵抗であってもよい。可能な実施態様では、第1の放熱部品は、発熱することが可能であり、PCBの第1の温度均一化基板に近い側にあるすべての部品である。この場合、発熱する部品ごとに、対応する第1の突出部を第1の温度均一化基板上に配置する必要がある。別の可能な実施態様では、第1の放熱部品は、その発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きく、PCBの第1の温度均一化基板に近い側にある部品である。この場合、発熱パワーが予め設定されたパワー閾値よりも大きい部品についてのみ、対応する第1の突出部を第1の温度均一化基板上に配置すればよい。任意選択的に、予め設定されたパワー閾値は100Wである。
【0015】
第1の突出部の数は、第1の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部の位置は、1つの第1の放熱部品の位置に対応する。代替的に、第1の突出部の数は、第1の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部の位置は、1つまたは複数の第1の放熱部品の位置に対応する。
【0016】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスに対して放熱が行われるとき、第1の放熱部品によって発生した熱は、第1の突出部を用いて第1の温度均一化基板に伝導される。そして、第1のヒートパイプは、第1の温度均一化基板に伝導した熱を分散させ、第1の温度均一化基板上の熱はハウジングに伝導される。最後に、ハウジングに伝導した熱が外部環境に分散されて、放熱が完了する。本願の本実施形態で提供される車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板が追加され、第1のヒートパイプが第1の温度均一化基板上に配置され、それにより、第1のヒートパイプが外部環境と直接接触せず、それにより、第1のヒートパイプが損傷する可能性が低減される。車載デバイスが外部の腐食環境にあっても、第1のヒートパイプは損傷しにくい。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、屋外環境における耐食性要件を満たすことができる。また、第1のヒートパイプは、第1の温度均一化基板に伝導された熱を分散させるため、ハウジングに伝導される熱は比較的均一であり、外部環境にも迅速に放熱される、すなわち、車載デバイスの放熱効率は比較的高い。
【0017】
次に、関連技術では、ヒートパイプは一般的に車載デバイスのハウジングに溶接される必要がある。具体的な技術としては、まず、ハウジングのはんだ溝内で錫めっきを行い、その後、はんだ技術を用いてヒートパイプをはんだ溝に溶接する。ハウジングの耐食性を高めるために、塗料は通常、ハウジング上で焼き付けられる必要がある。また、塗料焼き付け温度は約200°であり、錫の融点は約120°であるため、通常、塗料焼き付け中に先のはんだが溶融し、ヒートパイプとハウジングとの接続が不安定になる。その結果、関連技術の車載デバイスは、機械加工性が悪い。しかしながら、本願の本実施形態で提供される車載デバイスのハウジング上にはヒートパイプが配置されていないため、ハウジング上の塗料の焼き付けは悪影響を及ぼさない。また、車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板が配置されているため、第1の温度均一化基板に塗料を焼き付ける必要がない。そのため、第1のヒートパイプと第1の温度均一化基板の基板本体との溶接に影響がなく、第1のヒートパイプと第1の温度均一化基板の基板本体との接続が比較的安定する。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、より良好な機械加工性を有する。
【0018】
さらに、本願の本実施形態で提供される車載デバイスはまた、PCBのアップグレードを容易にする。すなわち、PCBをアップグレードする必要がある場合、PCB上の第1の放熱部品の配置および数が変化してもよい。この場合、第1の温度均一化基板のみを交換すればよい。このため、第1の温度均一化基板のみを再設計すればよく、車載デバイス全体を再設計する必要がない。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、PCBのアップグレードを容易にする。
【0019】
また、第1のヒートパイプと第1の突出部とが第1の温度均一化基板の同じ辺ではなく2辺に配置されているので、第1のヒートパイプが第1の突出部と干渉することが抑制され、第1の突出部の高密度設計が容易になり、車載デバイスの放熱性能が向上する。
【0020】
放熱効果を向上させるために、第1の突出部が第1の放熱部品に直接接触していてもよいし、第1の突出部と第1の放熱部品との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。同様に、第1の温度均一化基板は、第1の内壁と直接接触していてもよいし、第1の温度均一化基板と第1の内壁との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。
【0021】
可能な実施態様では、第1の突出部は、第1の放熱部品と接触している。
【0022】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第1の突出部が、第1の温度均一化基板のPCBに近い側に配置されてもよく、複数の第1の放熱部品が、PCBの第1の温度均一化基板に近い側に配置されてもよい。
【0023】
複数の第1の突出部の数は、複数の第1の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部は、1つの第1の放熱部品と接触している。代替的に、複数の第1の突出部の数は、複数の第1の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部は、1つまたは複数の第1の放熱部品と接触していてもよい。
【0024】
第1の突出部は、他の追加部品を配置することなく第1の放熱部品と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0025】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第1の熱伝導性部材をさらに含み、第1の熱伝導性部材は、第1の放熱部品と第1の突出部との間に配置され、第1の熱伝導性部材の2つの側は、第1の放熱部品および第1の突出部とそれぞれ接触する。
【0026】
第1の熱伝導性部材は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第1の熱伝導性部材は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0027】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第1の突出部が、第1の温度均一化基板のPCBに近い側に配置されてもよく、複数の第1の放熱部品が、PCBの第1の温度均一化基板に近い側に配置されてもよい。
【0028】
複数の第1の突出部の数は、複数の第1の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部は、1つの第1の放熱部品の位置に対応する。第1の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第1の突出部と1つの第1の放熱部品との間に熱伝導性パッドが配置される。第1の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第1の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の突出部およびそれぞれの第1の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0029】
代替的に、複数の第1の突出部の数は、複数の第1の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部の位置は、1つまたは複数の第1の放熱部品の位置に対応してもよい。第1の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第1の突出部と1つまたは複数の第1の放熱部品との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第1の突出部のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第1の突出部と1つまたは複数の第1の放熱部品との間に、第1の放熱部品と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第1の放熱部品上に熱伝導性パッドが配置される。第1の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第1の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の突出部およびそれぞれの第1の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0030】
第1の突出部と第1の放熱部品との間に第1の熱伝導性部材が配置されるので、第1の放熱部品と第1の突出部との間の熱伝導性が向上し、第1の放熱部品で発生した熱を第1の温度均一化基板に迅速に伝導させることができ、車載デバイスの放熱効率が向上する。
【0031】
また、第1の突出部と第1の放熱部品との間に可撓性の第1の熱伝導性部材を配置することで、第1の突出部の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第1の突出部と第1の放熱部品との間に可撓性の第1の熱伝導性部材が配置されていない場合、第1の突出部が完全に平坦な平面となり得ないため、第1の突出部が第1の放熱部品と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第1の熱伝導性部材を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第1の熱伝導性部材は第1の突出部の平坦度誤差を吸収することができ、第1の突出部と第1の放熱部品とは互いにより近い。また、第1の突出部を用いて隙間を充填する特性により、第1の突出部と第1の放熱部品との間の熱伝導性も向上する。
【0032】
可能な実施態様では、第1の温度均一化基板は、第1の内壁と接触している。
【0033】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板は、他の追加部品を配置することなく第1の内壁と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0034】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第2の熱伝導性部材をさらに含み、第2の熱伝導性部材は、第1の温度均一化基板と第1の内壁との間に配置され、第2の熱伝導性部材の2つの側は、第1の温度均一化基板および第1の内壁とそれぞれ接触する。
【0035】
第2の熱伝導性部材は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第2の熱伝導性部材は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。1つの第2の熱伝導性部材があってもよい。第2の熱伝導性部材の面積は、第1の温度均一化基板の第1のヒートパイプが配置される側の面積と一致していてもよい。具体的には、第2の熱伝導性部材の面積は、第1の温度均一化基板の第1のヒートパイプが配置される側の面積と等しい。
【0036】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の熱伝導性部材が第1の内壁と第1の温度均一化基板との間に配置され、それにより、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間の熱伝導性が改善され、第1の温度均一化基板上の熱を第1の内壁に迅速に伝導し、その後ハウジングに伝導することができ、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0037】
また、可撓性の第2の熱伝導性部材を第1の内壁と第1の温度均一化基板との間に配置することで、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、可撓性の第2の熱伝導性部材が第1の内壁と第1の温度均一化基板との間に配置されていない場合、第1の内壁と第1の温度均一化基板との接触面が完全に平坦な平面となり得ないため、第1の内壁と第1の温度均一化基板とが完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第2の熱伝導性部材を追加することで、既存の隙間を充填することができ、第2の熱伝導性部材は、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間の平坦度誤差を吸収することができ、第1の内壁と第1の温度均一化基板とは互いにより近い。また、第2の熱伝導性部材を用いて隙間を充填する特性により、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間の熱伝導性も向上する。
【0038】
第2の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、車載デバイスの組立て中に、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間に熱伝導性パッドを配置する必要がある。第2の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、車載デバイスの組立て中に、第1の内壁に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第1の温度均一化基板の第1の内壁に近い側に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第1の内壁および第1の温度均一化基板の両方に熱伝導性シリコーングリスを塗布したりする必要がある。
【0039】
可能な実施態様では、第2の放熱部品が、PCBの第2の内壁に近い側に配置される。第2の突出部が、第2の内壁上に配置される。第2の突出部の位置は、第2の放熱部品の位置に対応する。
【0040】
第2の放熱部品は、発熱することが可能な部品であって、PCBの第2の内壁に近い側に配置される。具体的には、第2の放熱部品は、各種のチップ、コンデンサ、抵抗であってもよい。可能な実施態様では、第2の放熱部品は、発熱することが可能であり、PCBの第2の内壁に近い側にあるすべての部品である。この場合、発熱する部品ごとに、対応する第2の突出部を第2の内壁上に配置する必要がある。別の可能な実施態様では、第2の放熱部品は、その発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きく、PCBの第2の内壁に近い側にある部品である。この場合、発熱パワーが予め設定されたパワー閾値よりも大きい部品についてのみ、対応する第2の突出部を第2の内壁上に配置すればよい。任意選択的に、予め設定されたパワー閾値は100Wである。
【0041】
第2の突出部は、第2の内壁の突出部であり、複数の第2の突出部があってもよい。第2の突出部は、第2の放熱部品に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第2の放熱部品に接触することにより、第2の放熱部品で発生した熱をハウジングに伝導する。
【0042】
第2の突出部の数は、第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部の位置は、1つの第2の放熱部品の位置に対応する。代替的に、第2の突出部の数は、第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品の位置に対応する。
【0043】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の突出部が第2の内壁上に配置され、それにより、第2の放熱部品によって発生した熱を第2の突出部を使用してハウジングに伝導することができ、それにより、第2の放熱部品の放熱を促進し、車載デバイスの放熱効率を向上させる。
【0044】
放熱効果を向上させるために、第2の突出部が第2の放熱部品に直接接触していてもよいし、第2の突出部と第2の放熱部品との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。
【0045】
可能な実施態様では、第2の突出部は、第2の放熱部品と接触している。
【0046】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第2の突出部が第2の内壁上に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品が、PCBの第2の内壁に近い側に配置される。
【0047】
複数の第2の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部は、1つの第2の放熱部品と接触している。代替的に、複数の第2の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部は、1つまたは複数の第2の放熱部品と接触していてもよい。
【0048】
第2の突出部は、他の追加部品を配置することなく第2の放熱部品と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0049】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第3の熱伝導性部材をさらに含み、第3の熱伝導性部材は、第2の突出部と第2の放熱部品との間に配置され、第3の熱伝導性部材の2つの側は、第2の突出部および第2の放熱部品とそれぞれ接触する。
【0050】
第3の熱伝導性部材は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第3の熱伝導性部材は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0051】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第2の突出部が第2の内壁上に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品が、PCBの第2の内壁に近い側に配置される。
【0052】
複数の第2の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部は、1つの第2の放熱部品の位置に対応する。第3の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第2の突出部と1つの第2の放熱部品との間に熱伝導性パッドが配置される。第3の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第2の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の突出部およびそれぞれの第2の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0053】
代替的に、複数の第2の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品の位置に対応してもよい。第3の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第2の突出部と1つまたは複数の第2の放熱部品との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第2の突出部のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第2の突出部と1つまたは複数の第2の放熱部品との間に、第2の放熱部品と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第2の放熱部品上に熱伝導性パッドが配置される。第3の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第2の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の突出部およびそれぞれの第2の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0054】
また、第2の突出部と第2の放熱部品との間に可撓性の第3の熱伝導性部材を配置することで、第2の突出部の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第2の突出部と第2の放熱部品との間に可撓性の第3の熱伝導性部材が配置されていない場合、第2の突出部の突出面が完全に平坦な平面となり得ないため、第2の突出部が第2の放熱部品と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第3の熱伝導性部材を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第3の熱伝導性部材は第2の突出部の平坦度誤差を吸収することができ、第2の突出部と第2の放熱部品とは互いにより近い。また、第2の突出部を用いて隙間を充填する特性により、第2の突出部と第2の放熱部品との間の熱伝導性も向上する。
【0055】
可能な実施態様において、車載デバイスは、第2の温度均一化基板をさらに含む。第2の温度均一化基板は、PCBと第2の内壁との間に固定される。第2の放熱部品が、PCBの第2の温度均一化基板に近い側に配置される。第2のヒートパイプが、第2の温度均一化基板の第2の内壁に近い側に配置され、第3の突出部が、第2の温度均一化基板のPCBに近い側に配置される。第3の突出部の位置は、第2の放熱部品の位置に対応する。
【0056】
第2の温度均一化基板は、一方の側に第3の突出部が配置され、他方の側に第2のヒートパイプが配置された熱伝導性基板である。温度均一化基板の基板本体は、アルミニウム製であってもよい。第2の温度均一化基板のサイズは、第2の放熱部品のレイアウトに適合し、第2の温度均一化基板は、すべての第2の放熱部品を覆っていてもよい。
【0057】
第1のヒートパイプと同様に、第2のヒートパイプは、熱伝導に用いられるヒートパイプ、すなわちヒートパイプ技術を用いて製造された伝熱素子である。第2のヒートパイプは、熱伝導能力が強く、第2の温度均一化基板に伝導した熱を第2の温度均一化基板の各部に迅速に分散させることができる。可能な実施態様では、複数の第2のヒートパイプが存在する。第2の温度均一化基板上の第2のヒートパイプの配置方法は、第2のヒートパイプが高温の第2の放熱部品を通過すること、すなわち、第2のヒートパイプが、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第2の放熱部品に直接面することであってもよい。換言すれば、車載デバイスの組立て時に、第2のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第2の放熱部品の真上または真下に配置される。第2のヒートパイプは、第2の温度均一化基板の基板本体に溶接または圧着されてもよい。
【0058】
第3の突出部は第2の温度均一化基板上の突出部であり、複数の第3の突出部があってもよい。第3の突出部は、第2の放熱部品に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第2の放熱部品に接触することにより、第2の放熱部品で発生した熱を第2の温度均一化基板に伝導する。
【0059】
第3の突出部の数は、第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部の位置は、1つの第2の放熱部品の位置に対応する。代替的に、第3の突出部の数は、第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品の位置に対応する。
【0060】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の放熱部品が比較的高い加熱効率を有する場合、第2の温度均一化基板は第2の内壁とPCBとの間に配置され、それにより、第2の放熱部品の放熱効率を改善する。
【0061】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板および第2の温度均一化基板が追加され、第1のヒートパイプが第1の温度均一化基板上に配置され、第2のヒートパイプが第2の温度均一化基板上に配置され、それにより、第1のヒートパイプおよび第2のヒートパイプが外部環境と直接接触せず、それにより、第1のヒートパイプおよび第2のヒートパイプが損傷する可能性が低減される。車載デバイスが外部の腐食環境にあっても、第1のヒートパイプおよび第2のヒートパイプは損傷しにくい。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、屋外環境における耐食性要件を満たすことができる。また、第1のヒートパイプは第1の温度均一化基板に伝導された熱を分散させ、第2のヒートパイプは第2の温度均一化基板に伝導された熱を分散させるため、ハウジングに伝導される熱は比較的均一であり、外部環境にも迅速に放熱される、すなわち、車載デバイスの放熱効率は比較的高い。
【0062】
次に、関連技術では、ヒートパイプは一般的に車載デバイスのハウジングに溶接される必要がある。具体的な技術としては、まず、ハウジングのはんだ溝内で錫めっきを行い、その後、はんだ技術を用いてヒートパイプをはんだ溝に溶接する。ハウジングの耐食性を高めるために、塗料は通常、ハウジング上で焼き付けられる必要がある。また、塗料焼き付け温度は約200°であり、錫の融点は約120°であるため、通常、塗料焼き付け中に先のはんだが溶融し、ヒートパイプとハウジングとの接続が不安定になる。その結果、関連技術の車載デバイスは、機械加工性が悪い。しかしながら、本願の本実施形態で提供される車載デバイスのハウジング上にはヒートパイプが配置されていないため、ハウジング上の塗料の焼き付けは悪影響を及ぼさない。また、車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板および第2の温度均一化基板が配置されているため、第1の温度均一化基板および第2の温度均一化基板に塗料を焼き付ける必要がない。そのため、第1のヒートパイプと第1の温度均一化基板の基板本体との溶接、および、第2のヒートパイプと第2の温度均一化基板の基板本体との溶接に影響がなく、第1のヒートパイプと第1の温度均一化基板の基板本体との接続、および、第2のヒートパイプと第2の温度均一化基板の基板本体との接続が比較的安定する。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、より良好な機械加工性を有する。
【0063】
さらに、本願の本実施形態で提供される車載デバイスはまた、PCBのアップグレードを容易にする。すなわち、PCBをアップグレードする必要がある場合、PCB上の第1の放熱部品および第2の放熱部品の配置および数が変化してもよい。この場合、第1の温度均一化基板および/または第2の温度均一化基板のみを交換すればよい。このため、第1の温度均一化基板および/または第2の温度均一化基板のみを再設計すればよく、車載デバイス全体を再設計する必要がない。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、PCBのアップグレードを容易にする。
【0064】
また、第2のヒートパイプと第3の突出部とが第2の温度均一化基板の2辺に配置されているので、第2のヒートパイプが第3の突出部と干渉することが抑制され、第3の突出部の高密度設計が容易になり、車載デバイスの放熱性能が向上する。
【0065】
放熱効果を向上させるために、第3の突出部は、第2の放熱部品に直接接触していてもよいし、熱伝導性パッドを用いて第2の放熱部品に接触していてもよい。同様に、第2の温度均一化基板は、第2の内壁と直接接触していてもよいし、熱伝導性パッドを用いて第2の内壁と接触していてもよい。
【0066】
可能な実施態様では、第3の突出部は、第2の放熱部品と接触している。
【0067】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第3の突出部が、第2の温度均一化基板のPCBに近い側に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品が、PCBの第2の温度均一化基板に近い側に配置されてもよい。
【0068】
複数の第3の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部は、1つの第2の放熱部品と接触している。代替的に、複数の第3の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部は、1つまたは複数の第2の放熱部品と接触していてもよい。
【0069】
第3の突出部は、他の追加部品を配置することなく第2の放熱部品と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0070】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第4の熱伝導性部材をさらに含み、第4の熱伝導性部材は、第3の突出部と第2の放熱部品との間に配置され、第4の熱伝導性部材の2つの側は、第3の突出部および第2の放熱部品とそれぞれ接触する。
【0071】
第4の熱伝導性部材は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第4の熱伝導性部材は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0072】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第3の突出部が、第2の温度均一化基板のPCBに近い側に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品が、PCBの第2の温度均一化基板に近い側に配置されてもよい。
【0073】
複数の第3の突出部の数は、複数の第2の放熱部品の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部は、1つの第2の放熱部品の位置に対応する。第4の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第3の突出部と1つの第2の放熱部品との間に熱伝導性パッドが配置される。第4の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第3の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第3の突出部およびそれぞれの第2の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0074】
代替的に、複数の第3の突出部の数は、第2の放熱部品の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品の位置に対応してもよい。第4の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第3の突出部と1つまたは複数の第2の放熱部品との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第3の突出部のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第3の突出部と1つまたは複数の第2の放熱部品との間に、第2の放熱部品と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第2の放熱部品上に熱伝導性パッドが配置される。第4の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第3の突出部が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第3の突出部およびそれぞれの第2の放熱部品がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0075】
第3の突出部と第2の放熱部品との間に第4の熱伝導性部材が配置されるので、第2の放熱部品と第3の突出部との間の熱伝導性が向上し、第2の放熱部品で発生した熱を第2の温度均一化基板に迅速に伝導させることができ、車載デバイスの放熱効率が向上する。
【0076】
また、第3の突出部と第2の放熱部品との間に可撓性の第4の熱伝導性部材を配置することで、第3の突出部の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第3の突出部と第2の放熱部品との間に可撓性の第4の熱伝導性部材が配置されていない場合、第3の突出部の突出面が完全に平坦な平面となり得ないため、第3の突出部が第2の放熱部品と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第4の熱伝導性部材を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第4の熱伝導性部材は第3の突出部の平坦度誤差を吸収することができ、第3の突出部と第2の放熱部品とは互いにより近い。また、第3の突出部を用いて隙間を充填する特性により、第3の突出部と第2の放熱部品との間の熱伝導性も向上する。
【0077】
可能な実施態様では、第2の温度均一化基板は、第2の内壁と接触している。
【0078】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の温度均一化基板は、他の追加部品を配置することなく第2の内壁と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0079】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第5の熱伝導性部材をさらに含み、第5の熱伝導性部材は、第2の温度均一化基板と第2の内壁との間に配置され、第5の熱伝導性部材の2つの側は、第2の温度均一化基板および第2の内壁とそれぞれ接触する。
【0080】
第5の熱伝導性部材は、可撓性の熱伝導性部材である。具体的には、第5の熱伝導性部材は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。1つの第5の熱伝導性部材があってもよい。第5の熱伝導性部材の表面積は、第2の温度均一化基板の第2のヒートパイプが配置される側の面積と一致していてもよい。具体的には、第5の熱伝導性部材の面積は、第2の温度均一化基板の第2のヒートパイプが配置される側の面積と等しい。
【0081】
本願の本実施形態に示される解決策では、第5の熱伝導性部材が第2の内壁と第2の温度均一化基板との間に配置され、それにより、第2の内壁と第2の温度均一化基板との間の熱伝導性が改善され、第2の温度均一化基板上の熱を第2の内壁に迅速に伝導し、その後ハウジングに伝導することができ、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0082】
また、可撓性の第5の熱伝導性部材を第2の内壁と第2の温度均一化基板との間に配置することで、第2の内壁と第2の温度均一化基板との間の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、可撓性の第5の熱伝導性部材が第2の内壁と第2の温度均一化基板との間に配置されていない場合、第2の内壁と第2の温度均一化基板との接触面が完全に平坦な平面となり得ないため、第2の内壁と第2の温度均一化基板とが完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第5の熱伝導性部材を追加することで、既存の隙間を充填することができ、第5の熱伝導性部材は、第2の内壁と第2の温度均一化基板との間の平坦度誤差を吸収することができ、第2の内壁と第2の温度均一化基板とは互いにより近い。また、第5の熱伝導性部材を用いて隙間を充填する特性により、第2の内壁と第2の温度均一化基板との間の熱伝導性も向上する。
【0083】
第5の熱伝導性部材が熱伝導性パッドである場合、車載デバイスの組立て中に、第2の内壁と第2の温度均一化基板との間に熱伝導性パッドを配置する必要がある。第5の熱伝導性部材が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、車載デバイスの組立て中に、第2の内壁に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第2の温度均一化基板の第2の内壁に近い側に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第2の内壁および第2の温度均一化基板の両方に熱伝導性シリコーングリスを塗布したりする必要がある。
【0084】
可能な実施態様では、第1のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品に直接面する。
【0085】
第1のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品に直接面する。換言すれば、第1のヒートパイプは、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品の真上に位置する、すなわち、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品を通過する。したがって、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい第1の放熱部品が放出する熱を、より迅速に第1のヒートパイプに伝導させることができる。
【0086】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1のヒートパイプは、比較的高い発熱パワーを有する第1の放熱部品に直接面するので、比較的高い発熱パワーを有する第1の放熱部品によって発生した熱をより迅速に第1のヒートパイプに伝導させることができ、第1のヒートパイプは、吸収された熱を第1の温度均一化基板の基板本体上に迅速に分散させることができ、それにより、車載デバイスの放熱をさらに容易にする。
【0087】
可能な実施態様では、1つまたは複数の第1の放熱部品があり、1つまたは複数の第1の突出部がある。第1の突出部の数は、第1の放熱部品の数と同じであり、それぞれの第1の突出部の位置は、1つの第1の放熱部品の位置に対応する。代替的に、第1の突出部の数は、第1の放熱部品の数よりも少なく、それぞれの第1の突出部の位置は、1つまたは複数の第1の放熱部品の位置に対応する。
【0088】
可能な実施態様では、ハウジングは、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを含み、第1のハウジング部と第2のハウジング部とは固定的に接続される。第1の内壁は第1のハウジング部上に配置され、第2の内壁は第2のハウジング部上に配置される。
【0089】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板は、第1のハウジング部に固定されてもよく、PCBは、第2のハウジング部に固定されてもよい。そして、第1のハウジング部と第2のハウジング部とを固定的に接続することで、車載デバイス全体の組立てが完了する。
【0090】
なお、車載デバイスが第2の温度均一化基板を含む場合、第2の温度均一化基板は、第2のハウジング部に固定されてもよいことに留意すべきである。
【0091】
可能な実施態様では、第1の温度均一化基板と第1の内壁とは固定的に接続される。
【0092】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板および第1の内壁は、ねじを用いて互いに固定的に接続され、すなわち、第1の温度均一化基板は、ねじを用いて第1のハウジング部の内壁に固定される。
【0093】
これに対応して、車載デバイスが第2の温度均一化基板を含む場合、第2の温度均一化基板と第2の内壁とは、ねじを用いて互いに固定的に接続されてもよく、すなわち、第2の温度均一化基板は、ねじを用いて第2のハウジング部の内壁に固定される。
【0094】
第1の温度均一化基板と第2の温度均一化基板とをねじを用いて固定することにより、第1の温度均一化基板と第2の温度均一化基板とをより良好に着脱することができる。したがって、PCBがアップグレードされるとき、または温度均一化基板が損傷したときに、対応する温度均一化基板を交換することが好都合である。
【0095】
可能な実施態様では、複数のフィンが第1のハウジング部の外壁上に配置される。
【0096】
フィンはヒートシンクとも呼ばれてもよく、フィンは金属板である。フィンを第1のハウジング部上に配置することで、第1のハウジング部の放熱面積を大きくすることができ、車載デバイスの放熱効率を向上させることができる。
【0097】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数のフィンが第1のハウジング部の外壁上に配置され、その結果、第1のハウジング部の放熱面積が増加し、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0098】
第2の放熱部品の発熱パワーが比較的小さい場合には、第2のハウジング部の外壁上にフィンを配置する必要がないため、第2のハウジング部の製造技術の難易度を低減し、コストを低減することができる。第2の放熱部品の発熱パワーが比較的大きい場合には、第2のハウジング部の外壁上にもフィンを配置することができ、車載デバイスの放熱効率を向上させることができる。
【0099】
可能な実施態様では、車載デバイスはファンをさらに含み、ファンはハウジングの外壁に固定される。ファンは、ハウジングの放熱を促進するように構成される。
【0100】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、自然空冷式車載デバイスであってもよいし、機械的空冷式車載デバイスであってもよい。
【0101】
車載デバイスが機械的空冷式車載デバイスである場合、車載デバイスはファンをさらに含んでもよく、ファンは、ハウジングの外壁上に設置され、送風によってハウジングの放熱を促進する。可能な実施態様では、ファンは第1のハウジング部上に設置され、設置スロットは第1のハウジング部の外壁上に配置され、ファンは設置スロットに設置され、ファンによって送風された空気はフィンの放熱を加速する。
【0102】
なお、別の場合が存在し、車載デバイスが機械的空冷式車載デバイスである場合、車載デバイスはファンを含まなくてもよいことに留意すべきである。この場合、車載デバイスは、車両に含まれるファンを用いて機械的な空冷を行う。
【0103】
可能な実施態様では、第1の内壁と第1の温度均一化基板との間に密閉キャビティが形成され、密閉キャビティは冷却材を保持するように構成される。液体入口および液体出口が、密閉キャビティ上に配置される。
【0104】
冷却材は水であってもよい。液体入口は、冷却材が流入することを可能にするように構成され、液体出口は、冷却材が流出することを可能にするように構成される。
【0105】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、液冷装置を含まなくてもよく、車両に含まれる液冷装置を使用する。設置中、液冷装置の液体出口パイプが密閉キャビティの液体入口に接続され、液冷装置の液体戻りパイプが密閉キャビティの液体出口に接続される。作動中、車載デバイスの冷却部の作動プロセスは次の通りである。冷却材が吸熱して比較的高温の冷却材となった後、冷却のために液体出口と液体戻りパイプを用いて液冷装置に入り比較的低温の冷却材となり、液体出口パイプと液体入口を用いて再び密閉キャビティに入り、車載デバイスで発生した熱を吸熱する。
【0106】
本願で提供される車載デバイスは、液冷により放熱が行われる。液冷放熱は、空冷放熱よりも優れた効果を有する。
【0107】
可能な実施態様では、車載デバイスは液冷装置をさらに含み、液冷装置は、液体出口パイプおよび液体戻りパイプを含む。液体出口パイプは液体入口に接続され、液体戻りパイプは液体出口に接続される。
【0108】
液冷装置は、従来の冷却装置であってもよい。
【0109】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、液冷装置をさらに含んでもよい。液冷装置の液体出口パイプは、密閉キャビティの液体入口に接続され、液冷装置の液体戻りパイプは、密閉キャビティの液体出口に接続される。作動中、車載デバイスの冷却部の作動プロセスは次の通りである。冷却材が吸熱して比較的高温の冷却材となった後、冷却のために液体出口と液体戻りパイプを用いて液冷装置に入り比較的低温の冷却材となり、液体出口パイプと液体入口を用いて再び密閉キャビティに入り、車載デバイスで発生した熱を吸熱する。
【0110】
液冷装置は、ポンプと、水タンクと、冷却器とを含み、部品は配管を用いて互いに接続される。本願の本実施形態で提供される車載デバイスに対して、液冷により放熱が行われる。液冷放熱は、空冷放熱よりも優れた効果を有する。
【0111】
本願の実施形態は、車両をさらに提供し、車両には、前述の実施態様のいずれか1つにおける車載デバイスが設置される。
【0112】
車両は、車載デバイスを設置可能な車両であればよい。
【0113】
本願の本実施形態に示される解決策では、前述の車載デバイスが設置され、その結果、車載デバイスは、比較的高い放熱効率を有する。したがって、車載デバイスの演算能力を大幅に向上させることができ、車両の自動運転をより容易に実現することができる。
【0114】
車載デバイスの説明については、前述の内容を参照されたい。ここでは詳細は再び説明されない。
【0115】
本願の実施形態で提供される技術的解決策は、少なくとも以下の有益な効果を有する。
【0116】
本願の実施形態で提供される車載デバイスに対して放熱を行う場合、第1の放熱部品で発生した熱は、第1の突出部を用いて第1の温度均一化基板に伝導される。そして、第1のヒートパイプは、第1の温度均一化基板に伝導した熱を分散させ、第1の温度均一化基板上の熱はハウジングに伝導される。最後に、ハウジングに伝導した熱が外部環境に分散されて、放熱が完了する。本願の本実施形態で提供される車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板が追加され、第1のヒートパイプが第1の温度均一化基板上に配置され、それにより、第1のヒートパイプが外部環境と直接接触せず、それにより、第1のヒートパイプが損傷する可能性が低減される。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【
図1】本願の実施形態による車載デバイスの内部構造の概略図である。
【
図2】本願の実施形態による車載デバイスの内部構造の概略図である。
【
図3】本願の実施形態によるPCB(3)の概略図である。
【
図4】本願の実施形態による第1の温度均一化基板(2)の概略図である。
【
図5】本願の実施形態による第1の温度均一化基板(2)の概略図である。
【
図6】本願の実施形態による第1の温度均一化基板(2)の設置の概略図である。
【
図7】本願の実施形態による車載デバイスの内部構造の概略図である。
【
図8】本願の実施形態による車載デバイスの内部構造の概略図である。
【
図9】本願の実施形態による第1の温度均一化基板(2)の設置の概略図である。
【
図10】本願の実施形態による車載デバイスの分解図である。
【
図11】本願の実施形態による車載デバイスの外形図である。
【
図12】本願の実施形態による液冷車載デバイスの概略図である。
【
図13】本願の実施形態による液冷車載デバイスの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0118】
参照番号:
1.ハウジング、11.第1のハウジング部、12.第2のハウジング部、111.第1の内壁、121.第2の内壁、1211.第2の突出部、2.第1の温度均一化基板、21.第1の突出部、22.第1のヒートパイプ、3.PCB、31.第1の放熱部品、32.第2の放熱部品、4.第1の熱伝導性部材、5.第2の熱伝導性部材、6.第3の熱伝導性部材、7.第2の温度均一化基板、71.第2のヒートパイプ、72.第3の突出部、8.第4の熱伝導性部材、9.第5の熱伝導性部材、10.ファン、および13.液冷装置。
【0119】
本願の実施形態は、車載デバイスおよび車両を提供する。本願の実施形態で提供される車載デバイスは、さまざまな車両に適用することができる。車載デバイスは、ハウジング(1)と、第1の温度均一化基板(2)と、PCB(3)とを含む。第1の温度均一化基板(2)の一方側には、第1の突出部(21)が配置され、他方側には、第1のヒートパイプ(22)が配置されている。第1の放熱部品(31)がPCB(3)上に配置される。第1の突出部(21)は、第1の放熱部品(31)に接触し、または熱伝導性部材を用いて第1の放熱部品(31)に接触する。車載デバイスに対して放熱を行う場合、第1の放熱部品(31)で発生した熱は、第1の突出部(21)を用いて第1の温度均一化基板(2)に伝導される。そして、第1のヒートパイプ(22)は、第1の温度均一化基板(2)に伝導した熱を分散させ、第1の温度均一化基板(2)上の熱はハウジング(1)に伝導され、放熱プロセス全体が完了する。第1のヒートパイプ(22)が第1の温度均一化基板(2)に伝導される熱を分散させるため、ハウジング(1)に伝導される熱は比較的均一であり、ハウジング(1)上の熱は外部環境に迅速に放散され得る。
【0120】
本願の実施形態は、車載デバイスを提供する。車載デバイスは、ハウジング(1)と、第1の温度均一化基板(2)と、PCB(3)とを含む。第1の温度均一化基板(2)およびPCB(3)は、ハウジング(1)の内部に固定される。第1の温度均一化基板(2)は、ハウジング(1)の第1の内壁に近接している。PCB(3)は、ハウジング(1)の第2の内壁(121)に近接している。第1の内壁(111)は、第2の内壁(121)に対向している。第1の突出部(21)が、第1の温度均一化基板(2)のPCB(3)に近い側に配置され、第1のヒートパイプ(22)が、第1の温度均一化基板(2)の第1の内壁(111)に近い側に配置される。第1の放熱部品(31)が、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側に配置される。第1の突出部(21)の位置は、第1の放熱部品(31)の位置に対応する。
【0121】
車載デバイスは、車両に搭載される各種の電子機器であってよい。任意選択的に、車載デバイスは、車載インテリジェントコンピューティングプラットフォームであってもよい。
【0122】
ハウジング(1)は、車載デバイスのハウジングであり、2つの別個のハウジング部、すなわち、第1のハウジング部(11)と第2のハウジング部(12)とを含んでもよい。第1の内壁(111)および第2の内壁(121)はハウジング(1)の2つの対向する内壁であり、第1の内壁(111)および第2の内壁(121)は異なるハウジング部上に配置されてもよい。例えば、第1の内壁(111)は第1のハウジング部(11)上に配置され、第2の内壁(121)は第2のハウジング部(12)上に配置される。ハウジング(1)はアルミニウム製であってもよい。
【0123】
図4および
図5に示すように、第1の温度均一化基板(2)は、一方の側に第1の突出部(21)が配置され、他方の側に第1のヒートパイプ(22)が配置された熱伝導性基板である。温度均一化基板の基板本体は、アルミニウム製であってもよい。第1の温度均一化基板(2)のサイズは、第1の放熱部品(31)のレイアウトに適合し、第1の温度均一化基板(2)は、すべての第1の放熱部品(31)を覆っていてもよい。任意選択的に、第1の温度均一化基板は、長さ240mm、幅150mm、厚さ3.5mmである。
【0124】
第1の突出部(21)は第1の温度均一化基板(2)上の突出部であり、複数の第1の突出部(21)があってもよい。第1の突出部(21)は、第1の放熱部品(31)に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第1の放熱部品(31)に接触することにより、第1の放熱部品(31)で発生した熱を第1の温度均一化基板(2)に伝導する。
【0125】
第1のヒートパイプ(22)は、熱伝導に用いられるヒートパイプ、すなわちヒートパイプ技術を用いて製造された伝熱素子である。第1のヒートパイプ(22)は、熱伝導能力が強く、第1の温度均一化基板(2)に伝導した熱を第1の温度均一化基板(2)の各部に迅速に分散させることができる。可能な実施態様では、複数の第1のヒートパイプ(22)が存在する。第1の温度均一化基板(2)上の第1のヒートパイプ(22)の配置方法は、第1のヒートパイプ(22)が、発熱パワーが比較的高い第1の放熱部品(31)を通過すること、すなわち、第1のヒートパイプ(22)が、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第1の放熱部品(31)に直接面することであってもよい。換言すれば、車載デバイスの組立て時に、第1のヒートパイプ(22)は、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第1の放熱部品(31)の真上または真下に配置される。第1のヒートパイプ(22)は、第1の温度均一化基板(2)の基板本体に溶接または圧着されてもよい。具体的には、第1のヒートパイプ(22)は、はんだ付けによって第1の温度均一化基板(2)の基板本体に溶接されてもよい。より具体的には、第1のヒートパイプ(22)は、はんだ付けによって第1の温度均一化基板(2)の基板本体のはんだ溝に溶接されてもよい。
【0126】
図3に示すように、PCB(3)は主基板であってもよく、複数の第1の放熱部品(31)は、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側に配置されてもよい。
【0127】
第1の放熱部品(31)は、発熱することが可能な部品であって、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側に配置される。具体的には、第1の放熱部品(31)は、各種のチップ、コンデンサ、抵抗であってもよい。可能な実施態様では、第1の放熱部品(31)は、発熱することが可能であり、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側にあるすべての部品である。この場合、発熱する部品ごとに、対応する第1の突出部(21)を第1の温度均一化基板(2)上に配置する必要がある。別の可能な実施態様では、第1の放熱部品(31)は、その発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きく、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側にある部品である。この場合、発熱パワーが予め設定されたパワー閾値よりも大きい部品についてのみ、対応する第1の突出部(21)を第1の温度均一化基板(2)上に配置すればよい。任意選択的に、予め設定されたパワー閾値は100Wである。
【0128】
第1の突出部(21)の数は、第1の放熱部品(31)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)の位置は、1つの第1の放熱部品(31)の位置に対応する。代替的に、第1の突出部(21)の数は、第1の放熱部品(31)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)の位置は、1つまたは複数の第1の放熱部品(31)の位置に対応する。
【0129】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスに対して放熱が行われるとき、第1の放熱部品(31)によって発生した熱は、第1の突出部(21)を用いて第1の温度均一化基板(2)に伝導される。そして、第1のヒートパイプ(22)は、第1の温度均一化基板(2)に伝導した熱を分散させ、第1の温度均一化基板(2)上の熱はハウジング(1)に伝導される。最後に、ハウジング(1)に伝導した熱が外部環境に分散されて、放熱が完了する。本願の本実施形態で提供される車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板(2)が追加され、第1のヒートパイプ(22)が第1の温度均一化基板(2)上に配置され、それにより、第1のヒートパイプ(22)が外部環境と直接接触せず、それにより、第1のヒートパイプ(22)が損傷する可能性が低減される。車載デバイスが外部の腐食環境にあっても、第1のヒートパイプ(22)は損傷しにくい。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、屋外環境における耐食性要件を満たすことができる。また、第1のヒートパイプ(22)は、第1の温度均一化基板(2)に伝導された熱を分散させるため、ハウジング(1)に伝導される熱は比較的均一であり、外部環境にも迅速に放熱される、すなわち、車載デバイスの放熱効率は比較的高い。
【0130】
次に、関連技術では、ヒートパイプは一般的に車載デバイスのハウジングに溶接される必要がある。具体的な技術としては、まず、ハウジングのはんだ溝内で錫めっきを行い、その後、はんだ技術を用いてヒートパイプをはんだ溝に溶接する。ハウジングの耐食性を高めるために、塗料は通常、ハウジング上で焼き付けられる必要がある。また、塗料焼き付け温度は約200℃であり、錫の融点は約120℃であるため、通常、塗料焼き付け中に先のはんだが溶融し、ヒートパイプとハウジングとの接続が不安定になる。その結果、関連技術の車載デバイスは、機械加工性が悪い。しかしながら、本願の本実施形態で提供される車載デバイスのハウジング(1)上にはヒートパイプが配置されていないため、ハウジング(1)上の塗料の焼き付けは悪影響を及ぼさない。また、車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板(2)が配置されているため、第1の温度均一化基板(2)に塗料を焼き付ける必要がない。そのため、第1のヒートパイプ(22)と第1の温度均一化基板(2)の基板本体との溶接に影響がなく、第1のヒートパイプ(22)と第1の温度均一化基板(2)の基板本体との接続が比較的安定する。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、より良好な機械加工性を有する。
【0131】
さらに、本願の本実施形態で提供される車載デバイスはまた、PCB(3)のアップグレードを容易にする。すなわち、PCB(3)をアップグレードする必要がある場合、PCB(3)上の第1の放熱部品(31)の配置および数が変化してもよい。この場合、第1の温度均一化基板(2)のみを交換すればよい。このため、第1の温度均一化基板(2)のみを再設計すればよく、車載デバイス全体を再設計する必要がない。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、PCB(3)のアップグレードを容易にする。
【0132】
また、第1のヒートパイプ(22)と第1の突出部(21)とが第1の温度均一化基板(2)の同じ辺ではなく2辺に配置されているので、第1のヒートパイプ(22)が第1の突出部(21)と干渉することが抑制され、第1の突出部(21)の高密度設計が容易になり、車載デバイスの放熱性能が向上する。
【0133】
放熱効果を向上させるために、第1の突出部(21)が第1の放熱部品(31)に直接接触していてもよいし、第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。同様に、第1の温度均一化基板(2)は、第1の内壁(111)と直接接触していてもよいし、第1の温度均一化基板(2)と第1の内壁(111)との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。
【0134】
可能な実施態様では、
図1に示すように、第1の突出部(21)は、第1の放熱部品(31)と接触している。
【0135】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第1の突出部(21)が、第1の温度均一化基板(2)のPCB(3)に近い側に配置されてもよく、複数の第1の放熱部品(31)が、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側に配置されてもよい。
【0136】
複数の第1の突出部(21)の数は、複数の第1の放熱部品(31)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)は、1つの第1の放熱部品(31)と接触している。代替的に、複数の第1の突出部(21)の数は、複数の第1の放熱部品(31)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)は、1つまたは複数の第1の放熱部品(31)と接触していてもよい。
【0137】
第1の突出部(21)は、他の追加部品を配置することなく第1の放熱部品(31)と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0138】
可能な実施態様では、
図2に示すように、車載デバイスは、第1の熱伝導性部材(4)をさらに含み、第1の熱伝導性部材(4)は、第1の放熱部品(31)と第1の突出部(21)との間に配置され、第1の熱伝導性部材(4)の2つの側は、第1の放熱部品(31)および第1の突出部(21)とそれぞれ接触する。
【0139】
第1の熱伝導性部材(4)は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第1の熱伝導性部材(4)は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0140】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第1の突出部(21)が、第1の温度均一化基板(2)のPCB(3)に近い側に配置されてもよく、複数の第1の放熱部品(31)が、PCB(3)の第1の温度均一化基板(2)に近い側に配置されてもよい。
【0141】
複数の第1の突出部(21)の数は、複数の第1の放熱部品(31)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)の位置は、1つの第1の放熱部品(31)の位置に対応する。第1の熱伝導性部材(4)が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第1の突出部(21)と1つの第1の放熱部品(31)との間に熱伝導性パッドが配置される。第1の熱伝導性部材(4)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第1の突出部(21)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の放熱部品(31)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の突出部(21)およびそれぞれの第1の放熱部品(31)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0142】
代替的に、複数の第1の突出部(21)の数は、複数の第1の放熱部品(31)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第1の突出部(21)の位置は、1つまたは複数の第1の放熱部品(31)の位置に対応してもよい。第1の熱伝導性部材(4)が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第1の突出部(21)と1つまたは複数の第1の放熱部品(31)との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第1の突出部(21)のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第1の突出部(21)と1つまたは複数の第1の放熱部品(31)との間に、第1の放熱部品(31)と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第1の放熱部品(31)上に熱伝導性パッドが配置される。第1の熱伝導性部材(4)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第1の突出部(21)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の放熱部品(31)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第1の突出部(21)およびそれぞれの第1の放熱部品(31)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0143】
第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)との間に第1の熱伝導性部材(4)が配置されるので、第1の放熱部品(31)と第1の突出部(21)との間の熱伝導性が向上し、第1の放熱部品(31)で発生した熱を第1の温度均一化基板(2)に迅速に伝導させることができ、車載デバイスの放熱効率が向上する。
【0144】
また、第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)との間に可撓性の第1の熱伝導性部材(4)を配置することで、第1の突出部(21)の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)との間に可撓性の第1の熱伝導性部材(4)が配置されていない場合、第1の突出部(21)の突出面が完全に平坦な平面となり得ないため、第1の突出部(21)が第1の放熱部品(31)と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第1の熱伝導性部材(4)を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第1の熱伝導性部材(4)は第1の突出部(21)の平坦度誤差を吸収することができ、第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)とは互いにより近い。また、第1の熱伝導性部材(4)を用いて隙間を充填する特性により、第1の突出部(21)と第1の放熱部品(31)との間の熱伝導性も向上する。
【0145】
可能な実施態様では、
図1に示すように、第1の温度均一化基板(2)は、第1の内壁(111)と接触している。
【0146】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板(2)は、他の部品を配置することなく第1の内壁(111)と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0147】
可能な実施態様では、
図2に示すように、車載デバイスは、第2の熱伝導性部材(5)をさらに含み、第2の熱伝導性部材(5)は、第1の温度均一化基板(2)と第1の内壁(111)との間に配置され、第2の熱伝導性部材(5)の2つの側は、第1の温度均一化基板(2)および第1の内壁(111)とそれぞれ接触する。
【0148】
第2の熱伝導性部材(5)は、可撓性の熱伝導性部材である。具体的には、第2の熱伝導性部材(5)は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。1つの第2の熱伝導性部材(5)があってもよい。第2の熱伝導性部材(5)の面積は、第1の温度均一化基板(2)の第1のヒートパイプ(22)が配置される側の面積と一致していてもよい。具体的には、第2の熱伝導性部材(5)の面積は、第1の温度均一化基板(2)の第1のヒートパイプ(22)が配置される側の面積と等しい。
【0149】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の熱伝導性部材(5)が第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間に配置され、それにより、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間の熱伝導性が改善され、第1の温度均一化基板(2)上の熱を第1の内壁(111)に迅速に伝導してからハウジング(1)に伝導することができ、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0150】
また、可撓性の第2の熱伝導性部材(5)を第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間に配置することで、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、可撓性の第2の熱伝導性部材(5)が第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間に配置されていない場合、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との接触面が完全に平坦な平面となり得ないため、第1の内壁(111)が第1の温度均一化基板(2)と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第2の熱伝導性部材(5)を追加することで、既存の隙間を充填することができ、第2の熱伝導性部材(5)は、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間の平坦度誤差を吸収することができ、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)とは互いにより近い。また、第2の熱伝導性部材(5)を用いて隙間を充填する特性により、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間の熱伝導性も向上する。
【0151】
第2の熱伝導性部材(5)が熱伝導性パッドである場合、車載デバイスの組立て中に、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間に熱伝導性パッドを配置する必要がある。第2の熱伝導性部材(5)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、車載デバイスの組立て中に、第1の内壁(111)に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第1の温度均一化基板(2)の第1の内壁(111)に近い側に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第1の内壁(111)および第1の温度均一化基板(2)の両方に熱伝導性シリコーングリスを塗布したりする必要がある。
【0152】
いくつかの場合、第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側にさらに配置される。この場合、第2の放熱部品(32)の放熱を容易にするために、対応する放熱構造を第2の内壁(121)側に配置してもよい。
【0153】
第2の放熱部品(32)の発熱パワーが相対的に低い場合、
【0154】
可能な実施態様では、第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側に配置される。第2の突出部(1211)が、第2の内壁(121)上に配置される。第2の突出部(1211)の位置は、第2の放熱部品(32)の位置に対応する。
【0155】
第2の放熱部品(32)は、発熱することが可能な部品であって、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側に配置される。具体的には、第2の放熱部品(32)は、各種のチップ、コンデンサ、抵抗であってもよい。可能な実施態様では、第2の放熱部品(32)は、発熱することが可能であり、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側にあるすべての部品である。この場合、発熱する部品ごとに、対応する第2の突出部(1211)を第2の内壁(121)上に配置する必要がある。別の可能な実施態様では、第2の放熱部品(32)は、その発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きく、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側にある部品である。この場合、発熱パワーが予め設定されたパワー閾値よりも大きい部品についてのみ、対応する第2の突出部(1211)を第2の内壁(121)上に配置すればよい。任意選択的に、予め設定されたパワー閾値は100Wである。
【0156】
第2の突出部(1211)は、第2の内壁(121)の突出部であり、複数の第2の突出部(1211)があってもよい。第2の突出部(1211)は、第2の放熱部品(32)に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第2の放熱部品(32)に接触することにより、第2の放熱部品(32)で発生した熱をハウジング(1)に伝導する。
【0157】
第2の突出部(1211)の数は、第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)の位置は、1つの第2の放熱部品(32)の位置に対応する。代替的に、第2の突出部(1211)の数は、第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)の位置に対応する。
【0158】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の突出部(1211)が第2の内壁(121)上に配置され、それにより、第2の放熱部品(32)によって発生した熱を第2の突出部(1211)を使用してハウジング(1)に伝導することができ、それにより、第2の放熱部品(32)の放熱を促進し、車載デバイスの放熱効率を向上させる。
【0159】
放熱効果を向上させるために、第2の突出部(1211)が第2の放熱部品(32)に直接接触していてもよいし、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)との間に熱伝導性部材が配置されていてもよい。
【0160】
可能な実施態様では、
図2に示すように、第2の突出部(1211)は、第2の放熱部品(32)と接触している。
【0161】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第2の突出部(1211)が第2の内壁(121)上に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側に配置される。
【0162】
複数の第2の突出部(1211)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)は、1つの第2の放熱部品(32)と接触している。代替的に、複数の第2の突出部(1211)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)と接触していてもよい。
【0163】
第2の突出部(1211)は、他の追加部品を配置することなく第2の放熱部品(32)と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0164】
可能な実施態様では、
図2に示すように、車載デバイスは、第3の熱伝導性部材(6)をさらに含み、第3の熱伝導性部材(6)は、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)との間に配置され、第3の熱伝導性部材(6)の2つの側は、第2の突出部(1211)および第2の放熱部品(32)とそれぞれ接触する。
【0165】
第3の熱伝導性部材(6)は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第3の熱伝導性部材(6)は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0166】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第2の突出部(1211)が第2の内壁(121)上に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の内壁(121)に近い側に配置される。
【0167】
複数の第2の突出部(1211)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)の位置は、1つの第2の放熱部品(32)の位置に対応する。第3の熱伝導性部材(6)が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第2の突出部(1211)と1つの第2の放熱部品(32)との間に熱伝導性パッドが配置される。第3の熱伝導性部材(6)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第2の突出部(1211)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品(32)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の突出部(1211)およびそれぞれの第2の放熱部品(32)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0168】
代替的に、複数の第2の突出部(1211)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第2の突出部(1211)の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)の位置に対応してもよい。第3の熱伝導性部材(6)が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第2の突出部(1211)と1つまたは複数の第2の放熱部品(32)との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第2の突出部(1211)のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第2の突出部(1211)と1つまたは複数の第2の放熱部品(32)との間に、第2の放熱部品(32)と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第2の放熱部品(32)上に熱伝導性パッドが配置される。第3の熱伝導性部材(6)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第2の突出部(1211)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品(32)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の突出部(1211)およびそれぞれの第2の放熱部品(32)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0169】
また、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)との間に可撓性の第3の熱伝導性部材(6)を配置することで、第2の突出部(1211)の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)との間に可撓性の第3の熱伝導性部材(6)が配置されていない場合、第2の突出部(1211)の突出面が完全に平坦な平面となり得ないため、第2の突出部(1211)が第2の放熱部品(32)と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第3の熱伝導性部材(6)を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第3の熱伝導性部材(6)は第2の突出部(1211)の平坦度誤差を吸収することができ、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)とは互いにより近い。また、第3の熱伝導性部材(6)を用いて隙間を充填する特性により、第2の突出部(1211)と第2の放熱部品(32)との間の熱伝導性も向上する。
【0170】
第2の放熱部品(32)の発熱パワーが相対的に高い場合
【0171】
可能な実施態様において、車載デバイスは、第2の温度均一化基板(7)をさらに含む。第2の温度均一化基板(7)は、PCB(3)と第2の内壁(121)との間に固定される。第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の温度均一化基板(7)に近い側に配置される。第2のヒートパイプ(71)が、第2の温度均一化基板(7)の第2の内壁(121)に近い側に配置され、第3の突出部(72)が、第2の温度均一化基板(7)のPCB(3)に近い側に配置される。第3の突出部(72)の位置は、第2の放熱部品(32)の位置に対応する。
【0172】
第2の温度均一化基板(7)は、一方の側に第3の突出部(72)が配置され、他方の側に第2のヒートパイプ(71)が配置された熱伝導性基板である。詳細については、
図4および
図5を参照されたい。温度均一化基板の基板本体は、アルミニウム製であってもよい。第2の温度均一化基板(7)のサイズは、第2の放熱部品(32)のレイアウトに適合し、第2の温度均一化基板(7)は、すべての第2の放熱部品(32)を覆っていてもよい。
【0173】
第1のヒートパイプ(22)と同様に、第2のヒートパイプ(71)は、熱伝導に用いられるヒートパイプ、すなわちヒートパイプ技術を用いて製造された伝熱素子である。第2のヒートパイプ(71)は、熱伝導能力が強く、第2の温度均一化基板(7)に伝導した熱を第2の温度均一化基板(7)の各部に迅速に分散させることができる。可能な実施態様では、複数の第2のヒートパイプ(71)が存在する。第2の温度均一化基板(7)上の第2のヒートパイプ(71)の配置方法は、第2のヒートパイプ(71)が高温の第2の放熱部品(32)を通過すること、すなわち、第2のヒートパイプ(71)が、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第2の放熱部品(32)に直接面することであってもよい。換言すれば、車載デバイスの組立て時に、第2のヒートパイプ(71)は、発熱パワーが目標パワー閾値よりも大きい1つまたは複数の第2の放熱部品(32)の真上または真下に配置される。第2のヒートパイプ(71)は、第2の温度均一化基板(7)の基板本体に溶接または圧着されてもよい。
【0174】
第3の突出部(72)は第2の温度均一化基板(7)上の突出部であり、複数の第3の突出部(72)があってもよい。第3の突出部(72)は、第2の放熱部品(32)に直接接触し、または熱伝導性部材を用いて第2の放熱部品(32)に接触することにより、第2の放熱部品(32)で発生した熱を第2の温度均一化基板(7)に伝導する。
【0175】
第3の突出部(72)の数は、第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)の位置は、1つの第2の放熱部品(32)の位置に対応する。代替的に、第3の突出部(72)の数は、第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)の位置に対応する。
【0176】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の放熱部品(32)が比較的高い発熱パワーを有する場合、第2の温度均一化基板(7)は第2の内壁(121)とPCB(3)との間に配置され、それにより、第2の放熱部品(32)の放熱効率を改善する。
【0177】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板(2)および第2の温度均一化基板(7)が追加され、第1のヒートパイプ(22)が第1の温度均一化基板(2)上に配置され、第2のヒートパイプ(71)が第2の温度均一化基板(7)上に配置され、それにより、第1のヒートパイプ(22)および第2のヒートパイプ(71)が外部環境と直接接触せず、それにより、第1のヒートパイプ(22)および第2のヒートパイプ(71)が損傷する可能性が低減される。車載デバイスが外部の腐食環境にあっても、第1のヒートパイプ(22)および第2のヒートパイプ(71)は損傷しにくい。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、屋外環境における耐食性要件を満たすことができる。また、第1のヒートパイプ(22)は第1の温度均一化基板(2)に伝導された熱を分散させ、第2のヒートパイプ(71)は第2の温度均一化基板(7)に伝導された熱を分散させるため、ハウジング(1)に伝導される熱は比較的均一であり、外部環境にも迅速に放熱される、すなわち、車載デバイスの放熱効率は比較的高い。
【0178】
次に、関連技術では、ヒートパイプは一般的に車載デバイスのハウジングに溶接される必要がある。具体的な技術としては、まず、ハウジングのはんだ溝内で錫めっきを行い、その後、はんだ技術を用いてヒートパイプをはんだ溝に溶接する。ハウジングの耐食性を高めるために、塗料は通常、ハウジング上で焼き付けられる必要がある。また、塗料焼き付け温度は約200℃であり、錫の融点は約120℃であるため、通常、塗料焼き付け中に先のはんだが溶融し、ヒートパイプとハウジングとの接続が不安定になる。その結果、関連技術の車載デバイスは、機械加工性が悪い。しかしながら、本願の本実施形態で提供される車載デバイスのハウジング(1)上にはヒートパイプが配置されていないため、ハウジング(1)上の塗料の焼き付けは悪影響を及ぼさない。また、車載デバイスの内部に第1の温度均一化基板(2)および第2の温度均一化基板(7)が配置されているため、第1の温度均一化基板(2)および第2の温度均一化基板(7)に塗料を焼き付ける必要がない。そのため、第1のヒートパイプ(22)と第1の温度均一化基板(2)の基板本体との溶接、および、第2のヒートパイプ(21)と第2の温度均一化基板(7)の基板本体との溶接に影響がなく、第1のヒートパイプ(22)と第1の温度均一化基板(2)の基板本体との接続、および、第2のヒートパイプ(21)と第2の温度均一化基板(7)の基板本体との接続が比較的安定する。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、より良好な機械加工性を有する。
【0179】
さらに、本願の本実施形態で提供される車載デバイスはまた、PCB(3)のアップグレードを容易にする。すなわち、PCB(3)をアップグレードする必要がある場合、PCB(3)上の第1の放熱部品(31)および第2の放熱部品(32)の配置および数が変化してもよい。この場合、第1の温度均一化基板(2)および/または第2の温度均一化基板(7)のみを交換すればよい。このため、第1の温度均一化基板(2)および/または第2の温度均一化基板(7)のみを再設計すればよく、車載デバイス全体を再設計する必要がない。したがって、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、PCB(3)のアップグレードを容易にする。
【0180】
また、第2のヒートパイプ(71)と第3の突出部(72)とが第2の温度均一化基板(7)の2辺に配置されているので、第2のヒートパイプ(71)が第3の突出部(72)と干渉することが抑制され、第3の突出部(72)の高密度設計が容易になり、車載デバイスの放熱性能が向上する。
【0181】
放熱効果を向上させるために、第3の突出部(72)は、第2の放熱部品(32)に直接接触していてもよいし、熱伝導性パッドを用いて第2の放熱部品(32)に接触していてもよい。同様に、第2の温度均一化基板(7)は、第2の内壁(121)と直接接触していてもよいし、熱伝導性パッドを用いて第2の内壁(121)と接触していてもよい。
【0182】
可能な実施態様では、第3の突出部(72)は、第2の放熱部品(32)と接触している。
【0183】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第3の突出部(72)が、第2の温度均一化基板(7)のPCB(3)に近い側に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の温度均一化基板(7)に近い側に配置されてもよい。
【0184】
複数の第3の突出部(72)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)は、1つの第2の放熱部品(32)と接触している。代替的に、複数の第3の突出部(72)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)と接触していてもよい。
【0185】
第3の突出部(72)は、他の追加部品を配置することなく第2の放熱部品(32)と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0186】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第4の熱伝導性部材(8)をさらに含み、第4の熱伝導性部材(8)は、第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)との間に配置され、第4の熱伝導性部材(8)の2つの側は、第3の突出部(72)および第2の放熱部品(32)とそれぞれ接触する。
【0187】
第4の熱伝導性部材(8)は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第4の熱伝導性部材(8)は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。
【0188】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数の第3の突出部(72)が、第2の温度均一化基板(7)のPCB(3)に近い側に配置されてもよく、複数の第2の放熱部品(32)が、PCB(3)の第2の温度均一化基板(7)に近い側に配置されてもよい。
【0189】
複数の第3の突出部(72)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数に等しくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)の位置は、1つの第2の放熱部品(32)の位置に対応する。第4の熱伝導性部材(8)が熱伝導性パッドである場合、それぞれの第3の突出部(72)と1つの第2の放熱部品(32)との間に熱伝導性パッドが配置される。第4の熱伝導性部材(8)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第3の突出部(72)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品(32)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第3の突出部(72)およびそれぞれの第2の放熱部品(32)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0190】
代替的に、複数の第3の突出部(72)の数は、複数の第2の放熱部品(32)の数よりも少なくてもよい。この場合、それぞれの第3の突出部(72)の位置は、1つまたは複数の第2の放熱部品(32)の位置に対応してもよい。第4の熱伝導性部材(8)が熱伝導性パッドである場合、熱伝導性パッドは、それぞれの第3の突出部(72)と1つまたは複数の第2の放熱部品(32)との間に配置されてもよく、熱伝導性パッドのサイズは、対応する第3の突出部(72)のサイズと一致する。代替的に、それぞれの第3の突出部(72)と1つまたは複数の第2の放熱部品(32)との間に、第2の放熱部品(32)と同数の熱伝導性パッドを配置してもよい。この場合、それぞれの第2の放熱部品(32)上に熱伝導性パッドが配置される。第4の熱伝導性部材(8)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、それぞれの第3の突出部(72)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第2の放熱部品(32)が熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよいし、それぞれの第3の突出部(72)およびそれぞれの第2の放熱部品(32)がともに熱伝導性シリコーングリス膜の層で被覆されていてもよい。
【0191】
第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)との間に第4の熱伝導性部材(8)が配置されるので、第2の放熱部品(32)と第3の突出部(72)との間の熱伝導性が向上し、第2の放熱部品(32)で発生した熱を第2の温度均一化基板(7)に迅速に伝導させることができ、車載デバイスの放熱効率が向上する。
【0192】
また、第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)との間に可撓性の第4の熱伝導性部材(8)を配置することで、第3の突出部(72)の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)との間に可撓性の第4の熱伝導性部材(8)が配置されていない場合、第3の突出部(72)の突出面が完全に平坦な平面となり得ないため、第3の突出部(72)が第2の放熱部品(32)と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第4の熱伝導性部材(8)を追加することによって既存の隙間を充填することができ、その結果、第4の熱伝導性部材(8)は第3の突出部(72)の平坦度誤差を吸収することができ、第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)とは互いにより近い。また、第4の熱伝導性部材(8)を用いて隙間を充填する特性により、第3の突出部(72)と第2の放熱部品(32)との間の熱伝導性も向上する。
【0193】
可能な実施態様では、第2の温度均一化基板(7)は、第2の内壁(121)と接触している。
【0194】
本願の本実施形態に示される解決策では、第2の温度均一化基板(7)は、他の部品を配置することなく第2の内壁(121)と直接接触するため、車載デバイスに含まれる部品点数が削減され、車載デバイスの組立てがより簡便になる。
【0195】
可能な実施態様では、車載デバイスは、第5の熱伝導性部材(9)をさらに含み、第5の熱伝導性部材(9)は、第2の温度均一化基板(7)と第2の内壁(121)との間に配置され、第5の熱伝導性部材(9)の2つの側は、第2の温度均一化基板(7)および第2の内壁(121)とそれぞれ接触する。
【0196】
第5の熱伝導性部材(9)は、可撓性の熱伝導性部材であってもよい。具体的には、第5の熱伝導性部材(9)は、熱伝導性パッドであってもよいし、熱伝導性シリコーングリス膜であってもよい。1つの第5の熱伝導性部材(9)があってもよい。第5の熱伝導性部材(9)の表面積は、第2の温度均一化基板(7)の第2のヒートパイプ(71)が配置される側の面積と一致していてもよい。具体的には、第5の熱伝導性部材(9)の面積は、第2の温度均一化基板(7)の第2のヒートパイプ(71)が配置される側の面積と等しい。
【0197】
本願の本実施形態に示される解決策では、第5の熱伝導性部材(9)が第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間に配置され、それにより、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間の熱伝導性が改善され、第2の温度均一化基板(7)上の熱を第2の内壁(121)に迅速に伝導してからハウジング(1)に伝導することができ、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0198】
また、可撓性の第5の熱伝導性部材(9)を第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間に配置することで、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間の平面度誤差を吸収することができる。すなわち、可撓性の第5の熱伝導性部材(9)が第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間に配置されていない場合、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との接触面が完全に平坦な平面となり得ないため、第2の内壁(121)が第2の温度均一化基板(7)と完全に接触することは困難であり、必然的に隙間が存在する。可撓性の第5の熱伝導性部材(9)を追加することで、既存の隙間を充填することができ、第5の熱伝導性部材(9)は、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間の平坦度誤差を吸収することができ、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)とは互いにより近い。また、第5の熱伝導性部材(9)を用いて隙間を充填する特性により、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間の熱伝導性も向上する。
【0199】
第5の熱伝導性部材(9)が熱伝導性パッドである場合、車載デバイスの組立て中に、第2の内壁(121)と第2の温度均一化基板(7)との間に熱伝導性パッドを配置する必要がある。第5の熱伝導性部材(9)が熱伝導性シリコーングリス膜である場合、車載デバイスの組立て中に、第2の内壁(121)に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第2の温度均一化基板(7)の第2の内壁(121)に近い側に熱伝導性シリコーングリスを塗布したり、第2の内壁(121)および第2の温度均一化基板(7)の両方に熱伝導性シリコーングリスを塗布したりする必要がある。
【0200】
次に、車載デバイスの部品間の接続態様について説明する。
【0201】
可能な実施態様では、ハウジング(1)は、第1のハウジング部(11)と第2のハウジング部(12)とを含み、第1のハウジング部(11)と第2のハウジング部(12)とは固定的に接続される。第1の内壁(111)は第1のハウジング部(11)上に配置され、第2の内壁(121)は第2のハウジング部(12)上に配置される。
【0202】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板(2)は、第1のハウジング部(11)に固定されてもよく、PCB(3)は、第2のハウジング部に固定されてもよい。そして、第1のハウジング部(11)と第2のハウジング部(12)とを固定的に接続することで、車載デバイス全体の組立てが完了する。
【0203】
なお、車載デバイスが第2の温度均一化基板(7)を含む場合、第2の温度均一化基板(7)は、第2のハウジング部(12)に固定されてもよいことに留意すべきである。
【0204】
可能な実施態様では、第1の温度均一化基板(2)と第1の内壁(111)とは固定的に接続される。
【0205】
本願の本実施形態に示される解決策では、第1の温度均一化基板(2)および第1の内壁(111)は、ねじを用いて互いに固定的に接続され、すなわち、第1の温度均一化基板(2)は、ねじを用いて第1のハウジング部(11)の内壁に固定される(
図9に示すように、ねじは
図9では円で囲まれている)。
【0206】
これに対応して、車載デバイスが第2の温度均一化基板(7)を含む場合、第2の温度均一化基板(7)と第2の内壁(121)とは、ねじを用いて互いに固定的に接続されてもよく、すなわち、第2の温度均一化基板(7)は、ねじを用いて第2のハウジング部(12)の内壁に固定される。
【0207】
第1の温度均一化基板(2)と第2の温度均一化基板(7)とをねじを用いて固定することにより、第1の温度均一化基板(2)と第2の温度均一化基板(7)とをより良好に着脱することができる。したがって、PCB(3)がアップグレードされるとき、または温度均一化基板が損傷したときに、対応する温度均一化基板を交換することが好都合である。
【0208】
可能な実施態様では、
図10および
図11に示すように、複数のフィンが第1のハウジング部(11)の外壁上に配置される。
【0209】
フィンはヒートシンクとも呼ばれてもよく、フィンは金属板である。フィンを第1のハウジング部(11)上に配置することで、第1のハウジング部(11)の放熱面積を大きくすることができ、車載デバイスの放熱効率を向上させることができる。
【0210】
本願の本実施形態に示される解決策では、複数のフィンが第1のハウジング部(11)の外壁上に配置され、その結果、第1のハウジング部(11)の放熱面積が増加し、それにより、車載デバイスの放熱効率が改善される。
【0211】
第2の放熱部品(32)の発熱パワーが比較的小さい場合には、第2のハウジング部(12)の外壁上にフィンを配置する必要がないため、第2のハウジング部(12)の製造技術の難易度を低減し、コストを低減することができる。第2の放熱部品(32)の発熱パワーが比較的大きい場合には、第2のハウジング部(12)の外壁上にもフィンを配置することができ、車載デバイスの放熱効率を向上させることができる。
【0212】
本願の本実施形態に示される車載デバイスは、空冷式車載デバイスであってもよく、または液冷式車載デバイスであってもよい。以下では、2つの場合について説明する。
【0213】
可能な実施態様では、車載デバイスはファン(10)をさらに含み、ファン(10)はハウジング(1)の外壁に固定される。ファン(10)は、ハウジング(1)の放熱を促進するように構成される。
【0214】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、自然空冷式車載デバイスであってもよいし、機械的空冷式車載デバイスであってもよい。
【0215】
車載デバイスが機械的空冷式車載デバイスである場合、車載デバイスはファン(10)をさらに含んでもよく、ファン(10)は、ハウジング(1)の外壁上に設置され、送風によってハウジング(1)の放熱を促進する。可能な実施態様では、ファン(10)は第1のハウジング部(11)上に設置され、設置スロットは第1のハウジング部(11)の外壁上に配置され、ファン(10)は設置スロットに設置され、ファン(10)によって送風された空気はフィンの放熱を加速する。
【0216】
なお、別の場合が存在し、車載デバイスが機械的空冷式車載デバイスである場合、車載デバイスはファンを含まなくてもよいことに留意すべきである。この場合、車載デバイスは、車両に含まれるファンを用いて機械的な空冷を行う。
【0217】
可能な実施態様では、第1の内壁(111)と第1の温度均一化基板(2)との間に密閉キャビティが形成され、密閉キャビティは冷却材を保持するように構成される。液体入口および液体出口が、密閉キャビティ上に配置される。
【0218】
冷却材は水であってもよい。液体入口は、冷却材が流入することを可能にするように構成され、液体出口は、冷却材が流出することを可能にするように構成される。
【0219】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、液冷装置を含まなくてもよく、車両に含まれる液冷装置を使用する。設置中、液冷装置の液体出口パイプが密閉キャビティの液体入口に接続され、液冷装置の液体戻りパイプが密閉キャビティの液体出口に接続される。作動中、車載デバイスの冷却部の作動プロセスは次の通りである。冷却材が吸熱して比較的高温の冷却材となった後、冷却のために液体出口と液体戻りパイプを用いて液冷装置に入り比較的低温の冷却材となり、液体出口パイプと液体入口を用いて再び密閉キャビティに入り、車載デバイスで発生した熱を吸熱する。
【0220】
本願で提供される車載デバイスは、液冷により放熱が行われる。液冷放熱は、空冷放熱よりも優れた効果を有する。
【0221】
可能な実施態様では、
図13に示すように、車載デバイスは液冷装置(13)をさらに含み、液冷装置(13)は、液体出口パイプおよび液体戻りパイプを含む。液体出口パイプは液体入口に接続され、液体戻りパイプは液体出口に接続される。
【0222】
液冷装置は、従来の冷却装置であってもよい。
【0223】
本願の本実施形態に示される解決策では、本願の本実施形態で提供される車載デバイスは、液冷装置をさらに含んでもよい。液冷装置の液体出口パイプは、密閉キャビティの液体入口に接続され、液冷装置の液体戻りパイプは、密閉キャビティの液体出口に接続される。作動中、車載デバイスの冷却部の作動プロセスは次の通りである。冷却材が吸熱して比較的高温の冷却材となった後、冷却のために液体出口と液体戻りパイプを用いて液冷装置に入り比較的低温の冷却材となり、液体出口パイプと液体入口を用いて再び密閉キャビティに入り、車載デバイスで発生した熱を吸熱する。
【0224】
液冷装置は、ポンプと、水タンクと、冷却器とを含み、部品は配管を用いて互いに接続される。具体的な接続態様については、
図13を参照されたい。
【0225】
本願の本実施形態で提供される車載デバイスに対して、液冷により放熱が行われる。液冷放熱は、空冷放熱よりも優れた効果を有する。
【0226】
本願の実施形態は、車両をさらに提供し、車両には、前述の実施態様のいずれか1つにおける車載デバイスが設置される。
【0227】
車両は、車載デバイスを設置可能な車両であればよい。
【0228】
本願の本実施形態に示される解決策では、前述の車載デバイスが設置され、その結果、車載デバイスは、比較的高い放熱効率を有する。したがって、車載デバイスの演算能力を大幅に向上させることができ、車両の自動運転をより容易に実現することができる。
【0229】
車載デバイスの説明については、前述の内容を参照されたい。ここでは詳細は再び説明されない。
【0230】
前述の説明は本願の特定の実施形態に過ぎず、本願を限定することを意図するものではない。本願の原理から逸脱することなく行われる修正、均等な置換、または改良は、本願の保護範囲内にあるものとする。
【符号の説明】
【0231】
1 ハウジング
2 第1の温度均一化基板
3 PCB
4 第1の熱伝導性部材
5 第2の熱伝導性部材
6 第3の熱伝導性部材
7 第2の温度均一化基板
8 第4の熱伝導性部材
9 第5の熱伝導性部材
10 ファン
11 第1のハウジング部
12 第2のハウジング部
13 液冷装置
21 第1の突出部
22 第1のヒートパイプ
31 第1の放熱部品
32 第2の放熱部品
71 第2のヒートパイプ
72 第3の突出部
111 第1の内壁
121 第2の内壁
1211 第2の突出部