(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ステアリングシステム及び車両
(51)【国際特許分類】
B62D 1/16 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B62D1/16
(21)【出願番号】P 2022523867
(86)(22)【出願日】2020-09-23
(86)【国際出願番号】 CN2020117119
(87)【国際公開番号】W WO2021077969
(87)【国際公開日】2021-04-29
【審査請求日】2022-06-09
(31)【優先権主張番号】201911023005.5
(32)【優先日】2019-10-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】510177809
【氏名又は名称】ビーワイディー カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100169904
【氏名又は名称】村井 康司
(74)【代理人】
【識別番号】100221372
【氏名又は名称】岡崎 信治
(72)【発明者】
【氏名】▲楊▼冬生
(72)【発明者】
【氏名】王建新
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼俊
【審査官】飯島 尚郎
(56)【参考文献】
【文献】特開2002-145098(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第106515843(CN,A)
【文献】特開2008-213587(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第105691446(CN,A)
【文献】特開2015-055301(JP,A)
【文献】特開平09-164971(JP,A)
【文献】特開2014-058225(JP,A)
【文献】特開2008-126685(JP,A)
【文献】実開昭61-066066(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B62D 1/00-1/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
同軸に設けられたハンドルエンドシャフト(600)及びステアリングギヤエンドシャフト(700)と、
前記ハンドルエンドシャフト(600)と前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)を分離又は連結するように駆動する電気駆動機構(300)と、
前記ハンドルエンドシャフト(600)に分離状態で制動トルクを加えて、前記ハンドルエンドシャフト(600)に伝動接続されたハンドル(900)の操作感を向上させるトルクフィードバック機構と、
を含み、
前記トルクフィードバック機構は、
前記ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に設けられ、駆動力を提供するアウターローターモータ(200)と、
前記ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に設けられ、前記アウターローターモータ(200)によって提供された駆動力を前記ハンドルエンドシャフト(600)に伝達して前記ハンドルエンドシャフト(600)に制動トルク又は復帰トルクを加える遊星歯車減速機構(100)と、
を含
み、
前記電気駆動機構は、
前記ハンドルエンドシャフト(600)と前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)の外側に外嵌され、前記ハンドルエンドシャフト(600)と前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)を分離又は連結するように、前記ハンドルエンドシャフト(600)及び前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)の軸方向に沿って並進可能に構成されたスライドスリーブ(381、800)と、
駆動力を提供して、前記スライドスリーブ(381、800)が前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの軸方向に沿って並進するように駆動するモータと、を含み、
前記モータは、インナーローターモータであり、
該インナーローターモータのローター(303)は、前記ハンドルエンドシャフト(600)と前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)の外側に軸方向に回転可能に取り付けられた中空構造であり、
前記スライドスリーブ(800) は、前記中空構造内に同軸に設けられると共に、前記中空構造にねじ接続されることを特徴とするステアリングシステム。
【請求項2】
分離完了後に前記ハンドルエンドシャフト(600)に復帰トルクを加えて、前記ハンドルエンドシャフト(600)が分離前のステアリング角度に復帰するように駆動するトルクフィードバック機構をさらに含むことを特徴とする請求項1に記載のステアリングシステム。
【請求項3】
前記トルクフィードバック機構は、前記ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に配置されることを特徴とする請求項1又は2に記載のステアリングシステム。
【請求項4】
前記ハンドルエンドシャフト(600)及び前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)と同軸に設けられたハウジング(301)をさらに含み、
前記ハンドルエンドシャフト(600)は、前記ハウジング(301)内に軸方向に回転可能に支持され、
前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)は、前記ハウジング内に固定され、
前記トルクフィードバック機構及び/又は前記電気駆動機構(300)は、前記ハウジング(301)内に取り付けられることを特徴とする請求項3に記載のステアリングシステム。
【請求項5】
前記アウターローターモータ(200)のステータ(201)は、ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に固定され、
アウターローター(203)は、回転軸受(202)により前記ハンドルエンドシャフト(600)に軸方向に回転可能に取り付けられることを特徴とする請求項1に記載のステアリングシステム。
【請求項6】
前記遊星歯車減速機構(100)は、前記ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に配置された複数段の太陽歯車機構を含み、
隣接する2段の太陽歯車機構が軸方向に間隔をあけて配置され、
最終段の太陽歯車機構(101)は、前記ハンドルエンドシャフト(600)と同軸に固定され、
他の太陽歯車機構は、回転軸受(111、112)により前記ハンドルエンドシャフト(600)に軸方向に回転可能に取り付けられ、
前記他の太陽歯車機構のうちの各段の太陽歯車機構には、該太陽歯車機構の軸線を中心として公転すると共に軸周りに自転可能な遊星歯車が噛み合っており、
第N段の太陽歯車機構と噛み合う遊星歯車の中心軸は、第N+1段の太陽歯車機構に接続され、ここで、Nは1以上の整数であり、太陽歯車機構の総段数より小さく、
中心軸が第1段の太陽歯車機構(108)に接続された遊星歯車(107)は、前記アウターローター(203)と噛み合うことを特徴とする請求項5に記載のステアリングシステム。
【請求項7】
前記モータは、リニアモータ(380)であり、
該リニアモータ(380)の可動子は、前記スライドスリーブ(381) に固定接続され、
前記スライドスリーブ(381)の少なくとも1つの軸方向端部には、前記スライドスリーブ(381)の軸方向並進時の振動を低減する弾性素子(382)が設けられることを特徴とする請求項
1に記載のステアリングシステム。
【請求項8】
前記スライドスリーブ(800)の内周面には、軸線に平行な方向に沿ってストッパ溝(803)とスプライン(801)が形成され、
前記ハンドルエンドシャフト(600)と前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)のうちの一方の外周面には、前記ストッパ溝(803)内に収容可能な突起(605)が形成され、他方の外周面には、前記スライドスリーブ(800)とスプライン結合可能な雄スプライン(701)が形成されることを特徴とする請求項
1に記載のステアリングシステム。
【請求項9】
前記ハンドルエンドシャフト(600)及び前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)と同軸に設けられたハウジング(301)をさらに含み、
前記ハンドルエンドシャフト(600)は、前記ハウジング(301)内に軸方向に回転可能に支持され、
前記ステアリングギヤエンドシャフト(700)は、前記ハウジング(301)内に固定され、
前記モータのステータは、前記ハウジング(301)内に固定されることを特徴とする請求項
1~8のいずれか1項に記載のステアリングシステム。
【請求項10】
前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの分離又は連結状態を検出する状態センサと、
分離又は連結指令を受信し、前記状態センサによって検出された分離又は連結状態に基づいて、前記モータを制御して前記スライドスリーブが前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトを分離又は連結するように駆動するコントローラーと、
をさらに含むことを特徴とする請求項
1~9のいずれか1項に記載のステアリングシステム。
【請求項11】
前記状態センサは、設定された周期で前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの分離又は連結状態を検査する、請求項
10に記載のステアリングシステム。
【請求項12】
前記状態センサにより前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトが分離状態にあると検出した場合、車両が走行しようとする前に警報信号を出す警報モジュールをさらに含むことを特徴とする請求項
10又は11に記載のステアリングシステム。
【請求項13】
前記状態センサは、可変抵抗器(21)、電流検出素子(22)及び電源(23)を含み、
前記電源(23)と前記可変抵抗器(21)が直列接続されて回路が形成され、
前記電流検出素子(22)は、前記回路の電流を検出し、検出した電流信号を前記コントローラーに伝達し、
前記可変抵抗器(21)の可変抵抗スライダーは、前記スライドスリーブに固定されることを特徴とする請求項
10~12のいずれか1項に記載のステアリングシステム。
【請求項14】
前記コントローラーは、さらに、前記スライドスリーブが限界位置に移動するときに前記モータに対する制御を停止することを特徴とする請求項
13に記載のステアリングシステム。
【請求項15】
請求項1~
14のいずれか1項に記載のステアリングシステムを含むことを特徴とする車両。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の相互参照)
本願は、出願日が2019年10月25日、出願番号201911023005.5、名称が「ステアリングシステム及び車両」である特許出願の優先権を主張するものである。
【0002】
本願は、車両の分野に関し、具体的には、ステアリングシステムに関し、さらに、車両に関する。
【背景技術】
【0003】
科学技術の進歩に伴い、人々の車両のゲーム娯楽機能に対する要求が増え続けている。ニード・フォー・スピードシリーズ、爆走ドリフターズなどのドリフトスピードレースゲームは、人々にクレイジーな運転の楽しさを体験させることができるため、多くの車愛好者から大いに注目されて好まれている。現在、上記ゲーム機能を体験することは、一般的に、PC側で通常のキーボード又は専門のゲームハンドルを操作することによって実現される。通常のキーボードは、運転中にハンドルを操作してステアリングする感覚をリアルにシミュレートすることができず、専門のゲームハンドルは、設備体積が大きく、ユーザが自己購入して使用する費用対効果が低く、専門のゲームハンドルを操作するために関連する娯楽場に行くと、場所の制限があり、いつでもどこでもユーザの使用要求を満たすことができない。
【0004】
車内の座席に座って車両自体のハンドルにより上記ゲームを直接体験することは、非常に良い解決策である。本願の発明者は、実践過程において、現在市場における全ての車両のステアリングシステム、ハンドル及びステアリングギヤエンドシャフトが長期間に噛み合い状態にあることを発見した。ハンドルを上下又は前後の4方向に調節しても、そのトルク伝達構造(例えば、スプラインなど)が外れることないため、ハンドルを回すと必然的にタイヤを軸方向に移動させることを引き起こし、タイヤと地面との繰り返し静止摩擦により、タイヤ自体の磨耗が非常に深刻であり、これは消費者に受け入れられない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本願は、従来技術における上記問題を克服し、車両がゲームモードにあるときにハンドルにより車輪をステアリングすることを回避して、車両のタイヤをよりよく保護するように、分離又は連結することができる、構造がよりコンパクトなステアリングシステムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本願の第1の態様は、同軸に設けられたハンドルエンドシャフト及びステアリングギヤエンドシャフトと、前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトを分離又は連結するように駆動する電気駆動機構と、を含むステアリングシステムを提供する。
【0007】
好ましくは、前記ステアリングシステムは、前記ハンドルエンドシャフトのねじりトルク又は前記ハンドルエンドシャフトの角加速度変化量に基づいて、分離状態で前記ハンドルエンドシャフトに制動トルクを加えて、伝達状態で前記ハンドルエンドシャフトに接続されたハンドルの操作感を向上させるトルクフィードバック機構をさらに含み、及び/又は、該トルクフィードバック機構は、分離完了後に前記ハンドルエンドシャフトに復帰トルクを加えて、前記ハンドルエンドシャフトが分離前のステアリング角度に復帰するように駆動する。前記トルクフィードバック機構は、前記ハンドルエンドシャフトと同軸に配置される。
【0008】
好ましくは、前記ステアリングシステムは、前記ハンドルエンドシャフト及び前記ステアリングギヤエンドシャフトと同軸に設けられたハウジングをさらに含む。前記ハンドルエンドシャフトは、前記ハウジング内に軸方向に回転可能に支持される。前記ステアリングギヤエンドシャフトは、前記ハウジング内に固定される。前記トルクフィードバック機構及び/又は前記電気駆動機構は、前記ハウジング内に取り付けられる。
【0009】
好ましくは、前記トルクフィードバック機構は、
前記ハンドルエンドシャフトと同軸に設けられ、駆動力を提供するアウターローターモータと、
前記ハンドルエンドシャフトと同軸に設けられ、前記アウターローターモータによって提供された駆動力を前記ハンドルエンドシャフトに伝達して前記ハンドルエンドシャフトに制動トルク又は復帰トルクを加える遊星歯車減速機構と、を含む。
【0010】
好ましくは、前記アウターローターモータのステータは、ハンドルエンドシャフトと同軸に固定される。アウターローターは、回転軸受により前記ハンドルエンドシャフトに軸方向に回転可能に取り付けられる。
【0011】
好ましくは、前記遊星歯車減速機構は、前記ハンドルエンドシャフトと同軸に配置された複数段の太陽歯車機構を含む。隣接する2段の太陽歯車機構は、軸方向に間隔をあけて配置される。最終段の太陽歯車機構は、前記ハンドルエンドシャフトと同軸に固定される。他の太陽歯車機構は、回転軸受により前記ハンドルエンドシャフトに軸方向に回転可能に取り付けられる。前記他の太陽歯車機構のうちの各段の太陽歯車機構には、該太陽歯車機構の軸線を中心として公転すると共に軸周りに自転可能な遊星歯車が噛み合っている。第N段の太陽歯車機構と噛み合う遊星歯車の中心軸は、第N+1段の太陽歯車機構に接続される。ここで、Nは1以上の整数であり、太陽歯車機構の総段数より小さい。中心軸が第1段の太陽歯車機構に接続された遊星歯車は、前記アウターローターと噛み合う。
【0012】
好ましくは、前記トルクフィードバック機構は、ローターが前記ハンドルエンドシャフトと同軸に固定されたインナーローターモータを含む。
【0013】
好ましくは、前記電気駆動機構は、
前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの外側に外嵌され、前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトを分離又は連結するように、前記ハンドルエンドシャフト及び前記ステアリングギヤエンドシャフトの軸方向に沿って並進可能に構成されたスライドスリーブと、
駆動力を提供して、前記スライドスリーブが前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの軸方向に沿って並進するように駆動するモータと、を含む。
【0014】
好ましくは、前記モータは、リニアモータである。該リニアモータの可動子は、前記スライドスリーブに固定接続される。前記スライドスリーブの少なくとも1つの軸方向端部には、前記スライドスリーブの軸方向並進時の振動を低減する弾性素子が設けられる。
【0015】
好ましくは、前記モータは、インナーローターモータである。該インナーローターモータのローターは、前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの外側に軸方向に回転可能に取り付けられた中空構造である。前記スライドスリーブは、前記中空構造内に同軸に設けられると共に、前記中空構造にねじ接続される。
【0016】
好ましくは、前記スライドスリーブの内周面には、軸線に平行な方向に沿ってストッパ溝とスプラインが形成される。前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトのうちの一方の外周面には、前記ストッパ溝内に収容可能な突起が形成され、他方の外周面には、前記スライドスリーブとスプライン結合可能な雄スプラインが形成される。
【0017】
好ましくは、前記ステアリングシステムは、前記ハンドルエンドシャフト及び前記ステアリングギヤエンドシャフトと同軸に設けられたハウジングをさらに含む。前記ハンドルエンドシャフトは、前記ハウジング内に軸方向に回転可能に支持される。前記ステアリングギヤエンドシャフトは、前記ハウジング内に固定される。前記モータのステータは、前記ハウジング内に固定される。
【0018】
好ましくは、前記ステアリングシステムは、
前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの分離又は連結状態を検出する状態センサと、
分離又は連結指令を受信し、前記状態センサによって検出された分離又は連結状態に基づいて、前記モータを制御して前記スライドスリーブが前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトを分離又は連結するように駆動するコントローラーと、をさらに含む。
【0019】
好ましくは、前記状態センサは、設定された周期で前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトの分離又は連結状態を検査する。
【0020】
好ましくは、前記ステアリングシステムは、前記状態センサにより前記ハンドルエンドシャフトと前記ステアリングギヤエンドシャフトが分離状態にあると検出した場合、車両が走行しようとする前に警報信号を出す警報モジュールをさらに含む。
【0021】
好ましくは、前記状態センサは、可変抵抗器、電流検出素子及び電源を含む。前記電源と前記可変抵抗器が直列接続されて回路が形成される。前記電流検出素子は、前記回路の電流を検出し、検出した電流信号を前記コントローラーに伝達する。前記可変抵抗器の可変抵抗スライダーは、前記スライドスリーブに固定される。
【0022】
好ましくは、前記コントローラーは、さらに、前記スライドスリーブが限界位置に移動するときに前記モータに対する制御を停止する。
【0023】
本願の第1の態様に係るステアリングシステムに基づいて、本願の第2の態様は、本願の第1の態様に記載のステアリングシステムを含む車両を提供する。
【発明の効果】
【0024】
本願に係る技術手段は、以下の有益な効果を有する:
本願は、電気駆動機構によりハンドルエンドシャフトとステアリングギヤエンドシャフトを分離又は連結できる。ハンドルエンドシャフトとステアリングギヤエンドシャフトが連結されている場合には、ユーザがハンドルを操作して回すと車輪をステアリングすることができる。この時に車両を通常運転モードとできる。ハンドルエンドシャフトとステアリングギヤエンドシャフトが分離されている場合には、ユーザがハンドルを操作して回しても車輪をステアリングすることができない。この時に車両をゲームモードとすることができる。これにより、ゲームモード時の車輪と地面との繰り返し摩擦により車輪タイヤの磨耗を引き起こすことを回避し、車両のタイヤをよりよく保護することができる。
【0025】
また、ハンドルエンドシャフト、ステアリングギヤエンドシャフト及び電気駆動機構は同軸に配置されている。これにより、ステアリングシステムの構造のコンパクト性を向上させ、分離機構を有するステアリングシステムの体積を低減し、ステアリングシステムの車両における取り付けに有利となる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【
図1】本願の実施例に係るステアリングシステムの全体概略構成図である。
【
図2】本願の一実施例に係る連結状態にあるステアリングシステムの縦断面図である。
【
図3】本願の一実施例に係る分離状態にあるステアリングシステムの縦断面図である。
【
図4】本願の一実施例に係るスライドスリーブの概略構成図である。
【
図5】本願の一実施例に係るスライドスリーブとハンドルエンドシャフト又はステアリングギヤエンドシャフトとの取り付けの概略図である。
【
図6】本願の一実施例に係るトルクフィードバック機構とハンドルエンドシャフトとの取り付けの概略図である。
【
図7】本願の別の実施例に係る分離状態にあるステアリングシステムの縦断面図である。
【
図8】本願の別の実施例に係る連結状態にあるステアリングシステムの縦断面図である。
【
図9】本願の更なる実施例に係る分離状態にあるステアリングシステムの縦断面図である。
【
図10】本願の実施例に係る状態センサの概略構成図である。
【
図11】本願の実施例に係るステアリングシステムの分離フローチャートである。
【
図12】本願の実施例に係る車両の構成ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図面を参照しながら、本願の具体的な実施形態を詳細に説明する。ここで記述した具体的な実施形態は、本願を説明し解釈するためのものにすぎず、本願を限定するものではないことを理解されたい。
【0028】
本願では、特に説明しない場合には、「上、下、左、右」のような方位詞は、一般的には、図面に示す上、下、左、右を意味する。「内、外」は、部材自体の輪郭に対する内と外を意味する。
【0029】
図1~
図11に示すように、本願の実施例の第1の態様に係るステアリングシステムは、同軸に設けられたハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700と、上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700を分離又は連結するように駆動する電気駆動機構300と、を含む。
【0030】
なお、上記ハンドルエンドシャフト600は、伝達状態でハンドル900に接続された回転軸を指し、上記ステアリングギヤエンドシャフト700は、伝達状態で車輪に接続された回転軸を指す。ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が連結されている場合には、車両は通常運転モードに入ることができ、ユーザがハンドル900を操作して回すと車輪をステアリングすることができる。ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が分離されている場合には、車両はゲームモードに入ることができる。ユーザがハンドル900を操作して回しても、車輪をステアリングすることができない。これにより、ゲームモード時の車輪と地面との繰り返し摩擦により車輪タイヤの磨耗を引き起こすことを回避し、車両のタイヤをよりよく保護することができる。
【0031】
また、ハンドルエンドシャフト600、ステアリングギヤエンドシャフト700及び電気駆動機構300は、同軸に配置されている。これにより、ステアリングシステムの構造のコンパクト性を向上させ、分離機構を有するステアリングシステムの体積を低減し、ステアリングシステムの車両における取り付けに有利となる。
【0032】
図7~
図9に示すように、上記電気駆動機構300の具体的な構造は、様々であってもよい。好ましい実施例では、上記電気駆動機構300は、ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の外側に外嵌され、上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700を分離又は連結するように、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進可能に構成されたスライドスリーブ381と、可動子が上記スライドスリーブ381に固定接続され、上記スライドスリーブ381が上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進するように駆動するリニアモータ380と、を含む。
【0033】
具体的には、上記スライドスリーブ381の内周面には、雌スプラインが加工されてもよい。上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の外周面には、例えば、上記スライドスリーブ381の雌スプラインと係合可能な雄スプライン701が加工されてもよい。上記リニアモータ380の可動子は、スライドスリーブ381に固定接続される。例えば、可動子は、スライドスリーブ381と一体的に形成される。リニアモータ380のステータは、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の外側に固定される。モータが動作する場合に、可動子は、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進すると共に、スライドスリーブ381がハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進するように駆動することができる。
【0034】
図7及び
図9に示すように、スライドスリーブ381が、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700のうちの一方のみと係合する第1の係合位置まで軸方向に並進する場合、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは分離され、この時に車両はゲームモードに入ることができる。
図8に示すように、スライドスリーブ381が、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の両方と係合する第2の係合位置まで軸方向に並進する場合、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは連結され、この時に車両は通常運転モードに入ることができる。
【0035】
図7~
図9に示す実施例では、ハンドルエンドシャフト600とスライドスリーブ381は、常時係合状態にある。スライドスリーブ381は、連結状態のときのみ、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700と同時に係合する。
【0036】
リニアモータ380によりスライドスリーブ381をスライドするように駆動する場合、リニアモータ380の可動子自体が直線運動するため、直接可動子とスライドスリーブ381を共に固定することができ、可動子によりスライドスリーブ381を並進させる。なお、ここでは、スライドスリーブ381は、中空円柱体構造であってもよく、円弧板構造であってもよい。
【0037】
上記リニアモータ380は、例えば、電磁リニアモータ380であってもよく、電磁リニアモータ380が動作する場合に、可動子は、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進することができる。機械分野の技術常識によると、バッファ部材が設けられない場合に、部品が並進すると、振動が発生することが避けられないため、可動子も並進過程において振動が発生することにより、並進過程がスムーズではない。好ましい実施例では、可動子の並進時の振動を低減するために、スライドスリーブの軸方向の少なくとも1側に、ばね382などの弾性部材を設け、弾性部材によりスライドスリーブの並進時のスムーズさを向上させ、振動低減の目的を達成する。
図7~
図9に示す実施例では、スライドスリーブの下端のばね382のみが示される。
【0038】
リニアモータ380と、ばね382との取り付けを容易にするために、好ましくは、上記ステアリングシステムは、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700と同軸に設けられたハウジング301をさらに含んでもよい。上記ハンドルエンドシャフト600は、上記ハウジング301内に軸方向に回転可能に支持されてもよい。上記ステアリングギヤエンドシャフト700は、上記ハウジング301内に固定されてもよい。リニアモータ380のステータは、ハウジング301内に固定されてもよい。スライドスリーブの下端のばね382は、ハウジング301の底部とスライドスリーブ381の底部との間に取り付けられてもよい。
【0039】
具体的には、ハウジング301は、中空円柱体であってもよい。ハンドルエンドシャフト600は、中空円柱体の上端から中空円柱体内に伸び、中空円柱体の上部カバープレート500内に取り付けられた回転軸受110によりハウジング301内に軸方向に回転可能に支持されてもよい。ステアリングギヤエンドシャフト700は、中空円柱体の下端から中空円柱体内に伸び、中空円柱体の下部カバープレート403に固定接続されてもよい。ばね382は、中空円柱体の下部カバープレート403とスライドスリーブ381との間に取り付けられる。リニアモータ380のステータは、中空円柱体の内側壁に固定される。
【0040】
別の実施例では、上記電気駆動機構300は、ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の外側に外嵌され、上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700を分離又は連結するように、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進可能に構成されたスライドスリーブ800と、ローター303が上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の外側に軸方向に回転可能に取り付けられた中空構造であるインナーローターモータとをさらに含んでもよい。上記スライドスリーブ800は、上記中空構造内に同軸に設けられると共に、上記中空構造にねじ接続される。上記スライドスリーブ800は、上記ローター303の回転により駆動され、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進する。
【0041】
リニアモータ380とは異なり、インナーローターモータのローター303は、軸方向回転運動のみを行うことができ、直線運動を行うことができない。インナーローターモータによりスライドスリーブ800を駆動して、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進させるために、インナーローターモータのローター303の軸方向回転運動をスライドスリーブ800の軸方向並進に変換する必要がある。
【0042】
図4~
図5に示すように、上記機能を実現するために、上記スライドスリーブ800は、上記スライドスリーブ800が上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進できるが、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700に対して周方向に変位できないように、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700のうちの一方に接続される。例えば、スライドスリーブ800の内周面には、軸方向に平行な方向に沿ってストッパ溝803が形成されており、ハンドルエンドシャフト600及び/又はステアリングギヤエンドシャフト700には該ストッパ溝803内に収容可能な突起605が形成されている。上記ローター303の内周面には、雌ねじが形成され、上記スライドスリーブ800の外周面は雄ねじ802を有する。スライドスリーブ800は、ローター303内に配置されると共に、ローター303にねじ接続される。これにより、インナーローターモータに通電する場合、ローター303の回転により、スライドスリーブ800は駆動され、ハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の軸方向に沿って並進できる。
【0043】
図2に示すように、スライドスリーブ800が下端まで軸方向に並進する場合、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは連結され、ユーザがハンドルを操作して回すと、ステアリングギヤエンドシャフト700を回転させることができ、ローター303が回転軸受304及び306によりハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700の外側に軸方向に回転可能に取り付けられ、ローター303がスライドスリーブ800にねじ接続されるため、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が回転すると、ローター303を同期回転させることができる。
【0044】
図3に示すように、スライドスリーブ800が上端まで軸方向に並進する場合、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは分離され、ユーザがハンドル900を操作して回しても、ハンドルエンドシャフト600のみが回転し、ステアリングギヤエンドシャフト700は動かない。同時に、スライドスリーブ800がハンドルエンドシャフト600の外側に外嵌されるため、スライドスリーブ800は、ハンドルエンドシャフト600と共に同期回転し、ローター303を同期回転させる。
【0045】
図2及び
図3に示すように、インナーローターモータの取り付けを容易にするために、上記ステアリングシステムは、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700と同軸に設けられたハウジング301をさらに含む。上記ハンドルエンドシャフト600は、上記ハウジング301内に軸方向に回転可能に支持される。上記ステアリングギヤエンドシャフト700は、上記ハウジング301内に固定される。上記インナーローターモータのステータ302は、上記ハウジング301内に固定される。
【0046】
具体的には、上記ハンドルエンドシャフト600及び上記ステアリングギヤエンドシャフト700とハウジング301との具体的な取り付け方式について、前文を参照することができる。上記インナーローターモータのステータ302は、ハウジング301内に同軸に固定される。好ましくは、ハウジング301の底部には、リード線穴が設けられ、ステータ巻線が該リード線穴からハウジング301の外部に引き出され、外部の電源、電子制御装置などに電気的に接続される。
【0047】
上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700とは、同軸に配置されると共に、互いに離れている。このように、ハンドルエンドシャフト600が分離されている場合に、ステアリングギヤエンドシャフト700を回転させず、連結されている場合にステアリングギヤエンドシャフト700を回転させることができる。ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700の設置方式は、様々の方法を採用してもよい。例えば、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700は、軸方向に互いに間隔をあけて配置される。好ましい実施例では、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700との同軸度を保証するために、上記ハンドルエンドシャフト600は、中空構造、例えば、中空円柱体構造であり、ステアリングギヤエンドシャフト700の一端は、中空構造内に挿入されると共に、中空構造から径方向に離れており、これにより、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700との同軸度を保証して、スライドスリーブ800が分離又は連結の動作を実現することができる。
【0048】
図10~
図11に示すように、好ましい実施例では、上記ステアリングシステムは、上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の分離又は連結状態を検出する状態センサと、分離又は連結指令を受信し、かつ上記状態センサによって検出された分離又は連結状態に基づいて、上記モータを制御してスライドスリーブ800が上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700を分離又は連結するように駆動するコントローラーと、をさらに含む。
【0049】
具体的には、上記コントローラーは、分離又は連結信号を受信することができる。分離又は連結する必要がある場合、コントローラーは、状態センサによりハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700の分離又は連結状態を読み取ることができる。分離信号を受信し、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が連結状態にあると判断する場合、コントローラーは、電気駆動機構300を制御してハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700を分離する。連結信号を受信し、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が分離状態にあると判断する場合、コントローラーは、電気駆動機構300を制御してハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700を連結する。
【0050】
図10に示すように、具体的な実施例では、上記状態センサは、可変抵抗器21、電流計22及び電源23を含む。上記電源23は、一端が可変抵抗器21の可変抵抗スライダーに電気的に接続され、他端が電流計22の一測定端子に電気的に接続される。上記電流計22の他測定端子は、可変抵抗器21の一端に接続される。上記電流計22の信号出力端子は、上記コントローラーに信号接続される。上記可変抵抗器21の可変抵抗スライダーは、上記スライドスリーブ800に固定される。理解できるように、上記電流計22は、他の電流検出素子、例えば、電流センサであってもよく、いくつかの実施例では、電流センサは、回路に直列接続されなくても可変抵抗器21の回路の電流を検出することができる。
【0051】
可変抵抗器21の可変抵抗スライダーがスライドスリーブ800に固定されるため、スライドスリーブ800がスライドするとき、可変抵抗スライダーを移動させることができ、可変抵抗器21の回路に接続された実効抵抗が変化することにより、回路の電流が変化する。電流計22により回路の電流を測定すると、可変抵抗スライダーの具体的な位置を知ることができ、コントローラーは、電流計22の信号出力端子に接続されて、電流計22によって検出された電流信号を受信すると共に、該電流信号に基づいて可変抵抗スライダーの具体的な位置を判断することにより、スライドスリーブ800又は381の具体的な位置を知り、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が分離状態にあるか又は連結状態にあるかを判断し、スライドスリーブ800又は381の移動位置を判断することができ、スライダーが限界位置まで移動するか否かを判断できる。例えば、スライダーが上端のインナーローターと接触する位置まで上向きに移動するか又は下端のインナーローターと接触する位置まで下向きに移動する。スライドスリーブ800又は381が限界位置まで移動すると判断する場合、電気駆動機構300に対する制御を停止することにより、スライドスリーブ800又は381の移動を停止し、モータロックなどの現象を回避する。
【0052】
可変抵抗器21のタイプ選定は、大きな抵抗値を有する可変抵抗器21の使用を考慮すべきである。電力が電圧に電流を乗算したものに等しいこと、即ち、P=UIから分かるように、状態センサの消費電力を低減するために、電圧が変わらない前提の下で、電流をできるだけ減少させるべきである。電流が電圧を抵抗で割ったものに等しいこと、即ち、I=U/Rから分かるように、抵抗が大きいほど、電流が小さくなる。したがって、状態センサの消費電力を低減するために、電流計22の測定範囲内で可変抵抗器21の抵抗値をできるだけ増加させるべきである。
【0053】
本願の実施例における上記可変抵抗器21の抵抗値が一定の範囲内で連続的に変化できるため、状態センサもスライドスリーブ800又は381の状態パラメータの連続出力を実現することができる。これにより、スライドスリーブ800又は381をよりよく制御することに有利である。
【0054】
好ましい実施例では、上記状態センサは、設定された周期、例えば、50msで上記ハンドルエンドシャフト600と上記ステアリングギヤエンドシャフト700の分離又は連結状態を検査することができる。電気駆動機構300に異常が発生することを発見すれば、車両の運転支援システム/無人運転システムと組み合わせて車両を制御して安全に幅寄せを行って検査することにより、車両の安全性を向上させることができる。
【0055】
また、上記ステアリングシステムは、警報モジュールをさらに含んでもよい。該警報モジュールは、状態センサと組み合わせて使用され、車両が走行しようとする前に、状態センサによりスライドスリーブ800又は381の状態を検出することができ、分離状態であれば、車両の走行を禁止し、運転者に注意信号を出すことにより、車両の運転の安全性を向上させる。
【0056】
コントローラーの電気駆動機構300に対する制御原理を
図11に示す。一実施例では、コントローラーがモータに入力する電流を順方向直流電流にするように制御する場合、スライドスリーブ800又は381が上向きに並進し、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とが互いに離れて、両者の分離を実現する。別の実施例では、コントローラーがモータに入力する電流を逆方向直流電流にするように制御する場合、スライドスリーブ800又は381が下向きに並進し、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700が係合して、両者の連結を実現する。上記モータは、スライドスリーブ800又は381の運動を駆動し、該モータは、例えば、リニアモータ380又はインナーローターモータであってもよい。
【0057】
ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とが分離された後、車両は、ゲームモードに入る。ゲームモードでは、ユーザがハンドルを操作する際にいかなる抵抗を受けないため、ハンドルの操作感に影響を与えて、ユーザの娯楽体験を低下させる。
【0058】
この技術的問題を解決するために、本願の実施例は、ステアリングシステムをさらに改善する。具体的には、上記ステアリングシステムは、トルクフィードバック機構をさらに含む。上記トルクフィードバック機構は、分離状態での上記ハンドルエンドシャフト600のねじりトルク又は上記ハンドルエンドシャフト600の角加速度変化量に基づいて、上記ハンドルエンドシャフト600に逆のフィードバックトルクを加えて上記ハンドルエンドシャフト600の回転を妨げることにより、ハンドルの操作感を向上させる。
【0059】
トルクフィードバック機構がねじりトルク又は角加速度変化量に基づいてハンドルに逆のフィードバックトルクを加えることにより、ユーザがハンドルを操作してステアリングするときにハンドルに一定の抵抗を加えて、ユーザがゲームモードでハンドルを操作して回すときに、実際の路面での実際の運転と同じように、一定の「重い」感覚を感じさせ、ゲーム娯楽に車両を使用する際にユーザの操作体験を向上させる。
【0060】
フィードバックトルクと検出されたねじりトルク又は角加速度変化量との対応関係は、試験により確立されると共に、コントローラーに予め格納される。コントローラーは、検出されたねじりトルク又は角加速度変化量に基づいてトルクフィードバック機構から出力されるフィードバックトルクの大きさを制御することにより、ユーザに最適なケーム体験を与えることができる。
【0061】
ゲームが終了した後、上記ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは、スライドスリーブ800がハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700と、例えばスプライン結合することにより連結することができ、車両が通常運転モードに入る。ハンドルエンドシャフト600がスライドスリーブ800と常時係合することを例とすると、分離終了後、ステアリングギヤエンドシャフト700の雄スプライン701とスライドスリーブ800の雌スプラインが互いに位置合わせされる場合のみ、両者がスムーズな連結を実現することができる。
【0062】
しかしながら、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とが分離されると、例えば、ユーザがゲーム中にハンドルを操作してステアリングし、ゲームが終了した後、ハンドルが分離前のステアリング角度に位置しない可能性がある。ハンドルの偏向によりハンドルエンドシャフト600の偏向を引き起こし、さらにスライドスリーブ800又は381のステアリング角度が分離前のステアリング角度に対して変化することを引き起こし、スライドスリーブ800又は381とステアリングギヤエンドシャフト700とは位置合わせされなくなる(上述したように、ステアリングギヤエンドシャフト700の雄スプライン701とスライドスリーブ800の雌スプラインが互いに位置合わせされ、整列される場合のみ、両者がスムーズな連結を実現することができ、ステアリングギヤエンドシャフト700の雄スプライン701とスライドスリーブ800の雌スプラインが位置合わせされ、整列されなくなる場合、両者がスムーズな連結を実現できない)場合、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とは、ゲーム後の再連結を実現できず、車両の通常の使用に影響を与える。
【0063】
この技術的問題を解決するために、本願の好ましい実装では、上記トルクフィードバック機構は、さらに、分離完了後に上記ハンドルエンドシャフト600に逆のフィードバックトルクを加えて、上記ハンドルエンドシャフト600が分離前のステアリング角度に復帰するように駆動する。ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700とが分離される前に、スライドスリーブ800又は381とステアリングギヤエンドシャフト700とは、互いに位置合わせされる状態にある。したがって、この角度で、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700との連結を実現することができる。
【0064】
上記トルクフィードバック機構の構造は、様々であってもよい。好ましい実施例では、上記トルクフィードバック機構は、上記ハンドルエンドシャフト600の分離状態でのねじりトルクを検出するトルク検出素子と、上記ハンドルエンドシャフト600のゲーム前後のステアリング角度を検出する角度検出素子と、駆動力を提供する動力部材と、上記駆動力を上記ハンドルエンドシャフト600に伝達して上記ハンドルエンドシャフト600に逆のフィードバックトルクを加える伝動機構と、上記トルク検出素子によって検出されたねじりトルクに基づいて上記動力部材が上記駆動力を提供するように制御するコントローラーと、を含む。
【0065】
具体的には、上記トルク検出素子は、例えば、トルクセンサであってもよい。上記角度検出素子は、例えば、角度センサであってもよい。好ましくは、トルク検出素子と角度検出素子は、一体的に統合されてもよく、例えば、トルク角度センサによりハンドルエンドシャフト600のトルクと角度の検出を実現してもよい。トルク角度センサは、ハンドルエンドシャフト600に取り付けられてもよい。
【0066】
図1に示すように、トルクフィードバック機構は、さらに、回転角度センサ901によりハンドルエンドシャフト600のステアリング角度と角加速度変化量を検出してもよい。回転角度センサ901は、ハンドルエンドシャフト600のハンドル900に接続された端に取り付けられてもよい。
【0067】
上記動力部材は、例えば、モータであってもよい。上記コントローラーは、例えば、ワンチップマイコン又はプログラマブルロジックコントローラなどであってもよい。コントローラーは、検出されたねじりトルクの大きさ又はハンドルエンドシャフト600の角加速度変化量に基づいて、モータの入力電流を制御することによりモータから出力される駆動力を変化させることができる。復帰する必要がある場合、角度検出素子によって検出された角度に基づいてモータの入力電流の大きさと方向を制御してハンドルエンドシャフト600の復帰を制御することもできる。復帰モードでは、モータが駆動状態にあり、モータによりハンドルがステアリングして復帰するように駆動する。負荷モードでは、モータが発電状態にあるか又はモータの入力電流の大きさを変化させてモータの駆動力の大きさを変化させることにより、ハンドルエンドシャフト600に異なるフィードバックトルクを加える。
【0068】
上記モータは、アウターローターモータ200又はインナーローターモータ280であってもよい。上記アウターローターモータ200は、例えば直流(DC)ブラシレスモータであってもよい。モータのタイプによって、トルクフィードバック機構とハンドルエンドシャフト600との取り付け方式も異なる。
【0069】
具体的には、モータがアウターローターモータ200であることを例とすると、該アウターローターモータ200のステータ201は、ハンドルエンドシャフト600と同軸に固定される。アウターローター203は、回転軸受202により上記ハンドルエンドシャフト600に軸方向に回転可能に取り付けられる。伝動機構は、遊星歯車減速機構100である。該遊星歯車減速機構100は、上記ハンドルエンドシャフト600と同軸に設けられ、アウターローター203の回転動力を上記ハンドルエンドシャフト600に伝達する。
【0070】
具体的には、
図6に示すように、上記遊星歯車減速機構100は、上記ハンドルエンドシャフト600と同軸に配置された複数段の太陽歯車機構を含む。隣接する2段の太陽歯車機構が軸方向に間隔をあけて配置される。最終段の太陽歯車機構101は、最上端にあり、上記ハンドルエンドシャフト600と同軸に固定される。他の太陽歯車機構は、回転軸受111、112により上記ハンドルエンドシャフト600に軸方向に回転可能に取り付けられる。最終段の太陽歯車機構を除いて、他の太陽歯車機構のうちの各段の太陽歯車機構には、該太陽歯車機構の軸線を中心として公転すると共に軸周りに自転可能な遊星歯車が噛み合っている。第N段の太陽歯車機構と噛み合う遊星歯車の中心軸は、第N+1段の太陽歯車機構に接続される。ここで、Nは1以上の整数であり、太陽歯車機構の総段数より小さい。遊星歯車107は、アウターローター203と噛み合う。遊星歯車107の中心軸109は、第1段の太陽歯車機構108に接続される。
【0071】
具体的には、最終段の太陽歯車機構101を除いて、他の太陽歯車機構の構造は、基本的に同じである。最終段の太陽歯車機構101は、円環状であり、ハンドルエンドシャフト600の外側に同軸に固定される。他の太陽歯車機構も円環状であるが、これらの太陽歯車機構は、軸方向に径方向寸法が異なる2つの軸方向部分を有する。下方の軸方向部分の径方向寸法が上方の軸方向部分の径方向寸法より大きい。上方の軸方向部分の外周面には、遊星歯車と噛み合い可能な歯構造が形成される。下方の軸方向部分が遊星歯車を支持するためのブラケットとして機能する。第N段の太陽歯車機構と噛み合う遊星歯車の中心軸は、第N+1段の太陽歯車機構の下方の軸方向部分に接続される。アウターローター203の上端は、軸方向に上向きに延びて、ハンドルエンドシャフト600の外側に外嵌された歯スリーブを形成する。該歯スリーブの外周面には、歯構造が形成される。遊星歯車107は、アウターローター203の歯スリーブと噛み合う。これにより、アウターローター203が回転することで、遊星歯車107が太陽歯車機構の軸線を中心として公転すると共に軸周りに自転する。
【0072】
好ましくは、伝動のスムーズさを保証するために、歯スリーブの内周面とハンドルエンドシャフト600の外周面との間に回転軸受113を追加してもよい。歯スリーブは、回転軸受113の外周面に固定接続され、回転軸受113の内周面は、ハンドルエンドシャフト600に固定接続される。
【0073】
最終段の太陽歯車機構101以外の他の太陽歯車機構を、回転軸受111、112によりハンドルエンドシャフト600に軸方向に回転可能に取り付けるために、他の太陽歯車機構の内周面には、回転軸受111、112の外輪の下端面に当接可能なストッパ段差が形成される。
【0074】
アウターローター203が回転することで、遊星歯車107がハンドルエンドシャフトの中心軸を中心として公転すると共に軸周りに自転する。遊星歯車107が第1段の太陽歯車機構108に接続されるため、遊星歯車107が公転することで、第1段の太陽歯車機構108が回転する。第1段の太陽歯車機構108が遊星歯車106と噛み合うため、第1段の太陽歯車機構108が自転することで、遊星歯車106が第1段の太陽歯車機構108の中心軸を中心として公転すると共に軸周りに自転する。順次の伝搬が、最終段の太陽歯車機構101を回転するように駆動するまで発生する。最終段の太陽歯車機構101がハンドルエンドシャフト600に固定接続されるため、回転動力をハンドルエンドシャフト600に伝達することにより、ハンドルエンドシャフト600にフィードバックトルクを加えることができる。
【0075】
太陽歯車機構の段数を必要に応じて設定することができ、
図2~
図3及び
図6~
図8に示す実施例では、合計で3段の太陽歯車機構が設けられている。当然のことながら、太陽歯車機構の段数を変化させてもよい。また、各段の太陽歯車機構及びアウターローターと噛み合う遊星歯車の数を必要に応じて設定することができる。
図2~
図3及び
図6~
図8に示す実施例では、各段の太陽歯車機構及びアウターローターと噛み合う遊星歯車の数は、少なくとも2つであり、理解できるように、該数は1つ以上であってもよい。
【0076】
復帰モードでは、上記遊星歯車減速機構100は、アウターローター203の速度を低下させてハンドルエンドシャフト600に伝達することにより、ハンドルエンドシャフト600のステアリング角度を正確に制御することができる。負荷モードでは、上記遊星歯車減速機構100は、さらに、アウターローター203の回転トルクを増加させてハンドルエンドシャフト600にフィードバックすることにより、低電力かつ小型のモータを用いてハンドルエンドシャフト600の復帰及び負荷の機能を実現することができ、モータの取り付けに役立つ。
【0077】
前述したように、上記モータは、さらにインナーローターモータ280であってもよい。
図9に示すように、モータがインナーローターモータ280である場合、伝動機構を除去してインナーローターモータ280のインナーローターをハンドルエンドシャフト600に直接固定してもよい。即ち、インナーローターを、ハンドルエンドシャフト600の外側に同軸に固定された中空構造に設置してもよい。そうすれば、インナーローターモータ280に通電する場合、インナーローターの回転動力をハンドルエンドシャフト600に直接伝達することにより、ハンドルエンドシャフト600にフィードバックトルクを加えることができる。
【0078】
好ましくは、トルクフィードバック機構は、ハウジング301内に取り付けられてもよい。ステアリングシステムには、トルクフィードバック機構と電気駆動機構300の両方が配置される場合に、トルクフィードバック機構と電気駆動機構300は、同一のハウジング301内に統合して取り付けられてもよい。ハウジング301とハンドルエンドシャフト600及びステアリングギヤエンドシャフト700との具体的な取り付け方式について、前文を参照し、ここで説明を省略する。
【0079】
上記トルクフィードバック機構と上記電気駆動機構300は、いずれもモータを有する。トルクフィードバック機構のモータのリード線204と電気駆動機構300のモータのリード線305とは、一体にハウジング301の同一のリード線穴から引き出されてもよい。該リード線穴は、例えば、ハウジング301の下端に設けられてもよく、ハウジング301の側部に形成されてもよい。
【0080】
ステアリングシステムには、遊星歯車減速機構100が配置される場合、ハウジング301の内周面には、遊星歯車減速機構100の遊星歯車104、106、107に対応して、遊星歯車104、106、107と噛み合い可能な歯構造が形成され、さらに遊星歯車減速機構100の動作の安定性を向上させる。
【0081】
トルクフィードバック機構におけるモータとしてインナーローターモータ280を選択する場合、インナーローターモータ280のステータ201は、ハウジング301内に同軸に固定される。
【0082】
本願の実施例に係るステアリングシステムの動作原理は以下のとおりである。
【0083】
ユーザがタブレットコンピュータPADなどのクライアントによりゲーム開始又は終了要求を送信し、コントローラーAが該要求を受信し、電気駆動機構300のモータを制御してハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700を分離又は連結する。ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700の分離に成功した後、車載通信装置VCU及びCANバスによりコントローラーBにフィードバックし、コントローラーBが、受信された信号に基づいてトルクフィードバック機構におけるモータの動作状態を制御する。
【0084】
具体的には、ハンドルエンドシャフト600とステアリングギヤエンドシャフト700の分離に成功した場合、車両がゲームモードに入り、コントローラーBは、トルクフィードバック機構が負荷モードに入るように制御する。例えば、トルクフィードバック機構におけるモータの入力電流の大きさを変化させることにより、ハンドルエンドシャフト600にフィードバックされる負荷トルクの大きさを制御する。負荷トルクの大きさは、検出されたねじりトルクに基づいて制御されることに加えて、ハンドル角加速度変化量の絶対値の大きさにより制御されてもよい。角度変化がない場合(角度が変化しないことは、ゲームが終了し、ユーザがハンドルの操作を停止することを示す)又はゲームが終了する場合、コントローラーBは、トルクフィードバック機構を制御して復帰モードに切り替える。復帰モードでは、コントローラーBは、ゲームが終了するときにハンドルエンドシャフト600が位置する角度と初期位置の正負とに基づいてモータの動作方向を制御して、最終に初期位置になるように動作して、復帰を完了する。復帰に成功した後、コントローラーBは、信号をVCUに伝達する。VCUは、信号を受信した後に復帰成功信号をコントローラーAに送信する。電気駆動機構300のモータは、動作を開始し、連結動作を完了し、該連結成功信号をVCUによりクライアントに伝達することができる。
【0085】
また、状態センサは、設定された周期で電気駆動機構300の状態を検査し、分離故障が発生する場合、ユーザに分離故障信号を出すことにより、停止させて検査する。
【0086】
図12に示すように、本願の実施例の第1の態様に係るステアリングシステムに基づいて、本願の実施例の第2の態様は、本願の実施例の第1の態様に記載のステアリングシステムを含む車両を提供する。
【0087】
以上、図面を参照しながら本願の好ましい実施形態を詳細に説明したが、本願は、これに限定されない。本願の技術的思想の範囲内に、本願の技術手段に対して複数の簡単な変形を行うことができる。それぞれの具体的な技術的特徴は、任意適切な方式で組み合わせることができる。不要な重複を回避するために、本願は、可能なあらゆる組み合わせ方式を別途に説明しない。しかしながら、これらの簡単な変形や組み合わせは、同様に本願において開示される内容と見なされるべきであり、いずれも本願の保護範囲に属する。
【符号の説明】
【0088】
100-遊星歯車減速機構、101-最終段の太陽歯車機構、102-第2段の太陽歯車機構、103-中心軸、104-遊星歯車、105-中心軸、106-遊星歯車、107-遊星歯車、108-第1段の太陽歯車機構、109-中心軸、110-回転軸受、111-回転軸受、112-回転軸受、113-回転軸受、200-トルクフィードバック機構のモータ、201-アウターローターモータのステータ、202-回転軸受、203-アウターローターモータのアウターローター、204-リード線、280-インナーローターモータ、300-電気駆動機構、301-ハウジング、302-インナーローターモータのステータ、303-インナーローターモータのローター、304-回転軸受、305-リード線、306-回転軸受、380-リニアモータ、381-スライドスリーブ、382-ばね、403-底板、500-カバープレート、600-ハンドルエンドシャフト、605-突起、700-ステアリングギヤエンドシャフト、701-雄スプライン、800-スライドスリーブ、801-雌スプライン、802-雄ねじ、803-ストッパ溝、900-ハンドル、901-回転角度センサ、21-可変抵抗器、22-電流計、23-電源。