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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】調理装置
(51)【国際特許分類】
   A47J 27/00 20060101AFI20240508BHJP
   H05B 6/12 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A47J27/00 103A
H05B6/12 318
【請求項の数】 13
(21)【出願番号】P 2022525846
(86)(22)【出願日】2021-05-11
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-08
(86)【国際出願番号】 CN2021093094
(87)【国際公開番号】W WO2021228097
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-07-04
(31)【優先権主張番号】202010399501.7
(32)【優先日】2020-05-12
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515117198
【氏名又は名称】佛山市▲順▼▲徳▼区美的▲電▼▲熱▼▲電▼器制造有限公司
【氏名又は名称原語表記】FOSHAN SHUNDE MIDEA ELECTRICAL HEATING APPLIANCES MANUFACTURING CO., LTD.
【住所又は居所原語表記】San Le Road #19,Beijiao,Shunde Foshan,Guangdong 528311 China
(74)【代理人】
【識別番号】100141139
【弁理士】
【氏名又は名称】及川 周
(74)【代理人】
【識別番号】100205785
【弁理士】
【氏名又は名称】▲高▼橋 史生
(74)【代理人】
【識別番号】100203297
【弁理士】
【氏名又は名称】橋口 明子
(74)【代理人】
【識別番号】100175824
【弁理士】
【氏名又は名称】小林 淳一
(74)【代理人】
【識別番号】100135301
【弁理士】
【氏名又は名称】梶井 良訓
(72)【発明者】
【氏名】江 太▲陽▼
(72)【発明者】
【氏名】▲馬▼ 志▲海▼
(72)【発明者】
【氏名】江 ▲徳▼勇
(72)【発明者】
【氏名】▲蘇▼ ▲暢▼
(72)【発明者】
【氏名】▲羅▼ ▲紹▼生
(72)【発明者】
【氏名】王 ▲帥▼
(72)【発明者】
【氏名】▲鄭▼ 量
【審査官】西村 賢
(56)【参考文献】
【文献】中国特許出願公開第109470375(CN,A)
【文献】特開平07-078679(JP,A)
【文献】特開2002-102062(JP,A)
【文献】特開2011-100574(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47J 27/00-36/42
H05B 6/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
収容空間が形成されたハウジングと;
前記収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を発生させるための第1のコイルであって、前記第1の交番磁界が前記ハウジング上または前記ハウジング内に配置された容器に作用して、前記容器に、前記第1の交番磁界によって誘導された渦電流発生するようになり、前記渦電流は温度によって変化する第1のコイルと;
前記容器に対応して設けられ、前記第1の交番磁界前記渦電流の交番磁界を受けるための第2のコイルと;
前記第1のコイルおよび/または前記第2のコイルの前記ハウジングに配置された前記容器との反対側に位置し、前記第1の交番磁界を受けるための第3のコイル、または、磁化器を介して前記第1の交番磁界結合するための第3のコイルであって、前記第2のコイルが受ける前記第1の交番磁界の影響を軽減させる、第3のコイルと;
前記第2のコイルに接続され、前記第2のコイルが前記渦電流の電磁誘導によって発生した誘導信号に基づいて、前記容器の温度を取得するための第1の回路基板と
を備えることを特徴とする調理装置。
【請求項2】
収容空間が形成されたハウジングと;
前記収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を発生させるための第1のコイルであって、前記第1の交番磁界が前記ハウジング上または前記ハウジング内に配置された容器に作用して、前記容器に、前記第1の交番磁界によって誘導された渦電流が発生するようになり、前記渦電流は温度によって変化する第1のコイルと;
前記容器に対応して設けられ、前記第1の交番磁界と前記渦電流の交番磁界を受けるための第2のコイルと;
前記第1のコイルおよび/または前記第2のコイルの前記ハウジングに配置された前記容器との反対側に位置し、前記第1の交番磁界を受けるための第3のコイル、または、磁化器を介して前記第1の交番磁界と結合するための第3のコイルと;
直列に接続された前記第2のおよび第3のコイルに接続され、前記第2のコイルが発生する誘導信号および前記第3のコイルが発生する誘導信号に基づいて前記容器の温度を取得するための第1の回路基板であって、前記第3のコイルが、前記第2のコイルに対する前記第1の交番磁界の影響を軽減する第1の回路基板と、
を備えることを特徴とする調理装置。
【請求項3】
第1のホルダをさらに備え、前記第1のコイルが前記第1のホルダに巻回されており、前記第2のコイルが前記第1のホルダに設けられた、ことを特徴とする請求項1または2に記載の調理装置。
【請求項4】
第2のホルダをさらに備え、前記第2のホルダが前記第1のホルダに設けられており、前記第2のコイルが前記第2のホルダに巻回されている、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項5】
前記ハウジングは、ベースと、前記ベース上に被覆されたパネルとを含み、前記調理装置は、前記第2のホルダを前記パネルの前記容器との反対側に弾性的に当接させるように、前記第1のホルダと前記第2のホルダとの間に設けられた弾性支持部材をさらに備える、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項6】
前記第2のホルダと前記パネルとの間に設けられた断熱部材をさらに備える、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項7】
第2の回路基板をさらに備え、前記第2の回路基板が前記第1のホルダまたは前記第2のホルダに設けられており、前記第2のコイルは、前記第2の回路基板を介して前記第1の回路基板と電気的に接続されている、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項8】
前記第1のコイルが位置する平面と前記第2のコイルが位置する平面とが重なるかまたは平行であり、前記第1のコイルが位置する平面と前記第3のコイルが位置する平面とが重なるかまたは平行であり、
前記第3のコイルは、前記収容空間内に設けられ、
前記第2のコイルと前記第3のコイルとの前記第2のコイルの中心軸に平行な方向への投影の重なる面積は、前記第3のコイルの前記第2のコイルの中心軸に平行な方向への投影の面積の50%以上であり、
前記第1のコイルと前記第2のコイルとの中心軸が重なっている、または、前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記第3のコイルとの中心軸が重なっている、ことを特徴とする請求項1または2に記載の調理装置。
【請求項9】
前記第2のコイルは、前記第1のホルダまたは前記ベースに設けられ、かつ前記パネルと所定の間隔を保っている、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項10】
前記第1のホルダ又は前記第2のホルダに設けられ、前記容器の温度を検出するための温度センサをさらに備える、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項11】
前記第1のホルダ又は前記第2のホルダに設けられ、かつ前記第1の回路基板と電気的に接続された温度スイッチをさらに備える、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項12】
前記第1のコイルの数は複数であり、複数の前記第1のコイルのうち少なくとも1つの第1のコイルと対応して前記第2のコイルと前記第3のコイルが設けられた、ことを特徴とする請求項に記載の調理装置。
【請求項13】
第2の交番磁界を発生させるための第4のコイルをさらに備え、前記第2の交番磁界は前記容器を電磁加熱するように前記容器に作用する、ことを特徴とする請求項1または2に記載の調理装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は、2020年05月12日に提出された出願番号2020103995017であり、発明の名称が「調理装置」である中国特許出願の優先権を主張しており、その全体が引用によって本願に組み込まれている。
【0002】
本発明は、キッチン電器の技術分野に関し、特に調理装置に関する。
【背景技術】
【0003】
人々の生活水準の向上に伴い、各種の家電に対するスマート化の要求も高まっている。食材調理では、食材を入れた容器を調理装置で加熱するのが一般的であり、そして、加熱中に、食材の加熱度合いや調理の進行を把握するため、それとともに容器の空だきなどの事態を防ぐために、容器の温度を測定し、調理装置をよりスマートに制御するようにする必要がある。
【0004】
本願の発明者は、長期にわたる研究開発において、現在は一般的に、調理装置のパネルに穴を開けてNTC(Negative Temperature Coefficient、負温度係数)サーミスタ又は熱電対測温器等を設置して容器の温度を測定しているが、水漏れ等の事態が生じやすいことを発見した。または、調理装置のパネル下に測温器を設けることで容器の温度を測定するが、パネルが測温器を容器から隔離しているため、温度伝達の遅れが大きくなり、測温器が検出した温度データの精度が比較的に低下してしまう。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、従来技術における調理装置による容器の温度測定の精度が比較的に低いという技術的課題を解決するよう調理装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の採用する一技術方案は、
収容空間が形成されたハウジングと;
前記収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を発生させるための第1のコイルであって、前記第1の交番磁界が前記ハウジング上または前記ハウジング内に配置された容器に作用して前記容器が前記第1の交番磁界を誘導して渦電流を発生するようになる第1のコイルと;
前記容器に対応して設けられ、前記第1の交番磁界と前記渦電流を誘導するための第2のコイルと;
前記収容空間内に設けられ、かつ第1のコイルおよび/または前記第2のコイルの前記ハウジングに配置された前記容器との反対側に位置し、前記第1の交番磁界を誘導するための第3のコイル、または、前記収容空間内に設けられ、磁化器を介して前記第1の交番磁界を結合するための第3のコイルと;
前記第2のコイルに接続され、前記第2のコイルが発生する誘導信号に基づいて前記容器の温度を取得するための第1の回路基板、または直列に接続された前記第2のおよび第3のコイルに接続され、前記第2のコイルおよび前記第3のコイルが発生する誘導信号に基づいて前記容器の温度を取得するための第1の回路基板と、
を備える調理装置を提供することである。
【0007】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、第1のホルダをさらに備え、前記第1のコイルが前記第1のホルダに巻回されており、前記第2のコイルが前記第1のホルダに設けられた
【0008】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、第2のホルダをさらに備え、前記第2のホルダが前記第1のホルダに設けられており、前記第2のコイルが前記第2のホルダに巻回されている。
【0009】
一具体的な実施例において、前記ハウジングは、ベースと、前記ベース上に被覆されたパネルとを含み、前記調理装置は、前記第2のホルダを前記パネルの前記容器との反対側に弾性的に当接させるように、前記第1のホルダと前記第2のホルダとの間に設けられた弾性支持部材をさらに備える。
【0010】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、前記第2のホルダと前記パネルとの間に設けられた断熱部材をさらに備える。
【0011】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、第2の回路基板をさらに備え、前記第2の回路基板が前記第1のホルダまたは前記第2のホルダに設けられており、前記第2のコイルは、前記第2の回路基板を介して前記第1の回路基板と電気的に接続されている。
【0012】
一具体的な実施例において、前記第1のコイルが位置する平面と前記第2のコイルが位置する平面とが重なるかまたは平行であり、前記第1のコイルが位置する平面と前記第3のコイルが位置する平面とが重なるかまたは平行である。
【0013】
一具体的な実施例において、前記第2のコイルと前記第3のコイルとの前記第2のコイルの中心軸に平行な方向への投影の重なる面積は、前記第3のコイルの前記第2のコイルの中心軸に平行な方向への投影の面積の50%以上である。
【0014】
一具体的な実施例において、前記第1のコイルと前記第2のコイルとの中心軸が重なっている、または、前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記第3のコイルとの中心軸が重なっている。
【0015】
一具体的な実施例において、前記第2のコイルは、前記第1のホルダまたは前記ベースに設けられ、かつ前記パネルと所定の間隔を保っている。
【0016】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、前記第1のホルダ又は前記第2のホルダに設けられ、前記容器の温度を検出するための温度センサをさらに備える。
【0017】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、前記第1のホルダ又は前記第2のホルダに設けられ、かつ前記第1の回路基板と電気的に接続された温度スイッチをさらに備える。
【0018】
一具体的な実施例において、前記第1のコイルの数は複数であり、複数の前記第1のコイルのうち少なくとも1つの第1のコイルと対応して前記第2のコイルと前記第3のコイルが設けられた。
【0019】
一具体的な実施例において、前記調理装置は、第2の交番磁界を発生させるための第4のコイルをさらに備え、前記第2の交番磁界は前記容器を電磁加熱するように前記容器に作用する。
【0020】
一具体的な実施例において、前記第1のコイルが位置する平面と、前記第2のコイルが位置する平面と、前記第4のコイルが位置する平面とは重なるかまたは平行である。
【0021】
一具体的な実施例において、前記第1のコイルと、前記第2のコイルと、前記第4のコイルとの中心軸は重なっている。
【0022】
上記の技術的課題を解決するために、本発明の採用する別の技術方案は、上記に記載の調理装置と、前記調理装置上または前記調理装置内に配置された容器と、を備える調理器具を提供することである。
【0023】
一具体的な実施例において、前記容器は、本体と、前記本体内に設けられた加熱体とを含み、前記第1の交番磁界は、前記加熱体を電磁加熱し、また前記加熱体に前記渦電流を発生させるように前記加熱体に作用し、前記第1の回路基板は前記加熱体の温度を取得するために使用される。
【0024】
一具体的な実施例において、前記加熱体は、シート状に設けられ、かつ前記本体の底部に固定されている。
【0025】
一具体的な実施例において、前記容器は、前記本体の開口に支持された蒸しスペーサをさらに含む。
【0026】
一具体的な実施例において、前記加熱体は樽形状に設けられており、前記加熱体は前記本体の開口に支持され、かつ前記加熱体に複数の貫通孔が設けられた。
【0027】
本発明は、調理装置のハウジング内に、第1のコイルと、容器に対応する第2のコイルと、第3のコイルと、第1の回路基板とを設け、第1のコイルに第1の交番磁界を発生させ、第1の交番磁界が容器に作用して、容器が第1の交番磁界を誘導して渦電流を発生するようになり、第2のコイルが第1の交番磁界と渦電流を誘導し、第3のコイルが第1の交番磁界を誘導することで、第1の交番磁界による第2のコイルにおける電磁誘導への影響を低減し、さらに第1の回路基板が、第2のコイルによる渦電流の電磁誘導に応じて容器の温度を取得できるようになり、上記のように容器の温度を磁気結合で測定することにより、水漏れと温度伝達遅延の問題を同時に回避することができ、容器に対する温度検出精度がより高くなり、また、容器の温度を取得するために、第1の回路基板によって第2のコイルの誘導信号を直接検出するので、センサーで検出した後に回路基板に信号を伝送する場合よりも、磁気結合による検出方式はより速く、容器に対する温度検出の精度と速度を向上させることにより、ユーザーにより正確な加熱度合いや調理の進行に対するフィードバックを提供することができ、また調理装置の後続の自動温度制御調整により正確なデータサポートを提供することもでき、調理装置のスマート制御に有利である。
【0028】
以下、本発明の実施例に係る技術方案をより明確に説明するために、実施例の説明に使用される必要のある図面に対して簡単に紹介し、下記の説明における図面は、本発明のいくつかの実施例にすぎず、当業者にとって、創造的な労働をすることなく、これら図面に基づいてさらに他の図面を取得しても良いことは自明である。
【図面の簡単な説明】
【0029】
図1】本発明の調理装置の一実施例の概略分解構成図である。
図2】本発明の調理装置の一実施例における第1のコイル及び第2のコイルの概略構成図である。
図3】本発明の調理装置の一実施例の概略部分構成図である。
図4】本発明の調理装置の一実施例の部分構造の概略断面図である。
図5】本発明の調理装置の一実施例の部分構造の概略分解図である。
図6】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第3のコイルの概略構成図である。
図7】本発明の調理装置の別の実施例における第1の回路基板及び第3のコイルの概略構成図である。
図8】本発明の調理装置の一実施例における第2のコイル及びワイヤの概略構成図である。
図9】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略構成図である。
図10】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略断面構成図である。
図11】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略分解構成図である。
図12】本発明の調理装置の別の実施例におけるパネル及び第2のコイルの概略構成図である。
図13】本発明の調理装置の別の実施例におけるパネル及び第2のコイルの概略側面構成図である。
図14】本発明の調理装置の別の実施例におけるパネル及び第2のコイルの概略断面構成図である。
図15】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略構成図である。
図16】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略分解構成図である。
図17】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び第2のコイルの概略側面構成図である。
図18】本発明の調理装置の別の実施例におけるベース及び第2のコイルの概略構成図である。
図19】本発明の調理装置の別の実施例におけるベース及び第2のコイルの概略断面構成図である。
図20】本発明の調理装置の別の実施例におけるベース及び第2のコイルの概略分解構成図である。
図21】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び複数の第2のコイルの概略構成図である。
図22】本発明の調理装置の別の実施例における第1のホルダ及び複数の第2のコイルの概略分解構成図である。
図23】本発明の調理装置の別の実施例における第1のコイル、第2のコイル及び第3のコイルの概略構成図である。
図24】本発明の調理器具の一実施例の概略構成図である。
図25】本発明の調理器具の一実施例の概略分解構成図である。
図26】本発明の調理器具の一実施例の概略平面構成図である。
図27図26におけるA-A方向に沿った概略断面構成図である。
図28】本発明の調理器具の別の実施例の概略構成図である。
図29】本発明の調理器具の別の実施例の概略分解構成図である。
図30】本発明の調理器具の別の実施例の概略平面構成図である。
図31図30におけるB-B方向に沿った概略断面構成図である。
図32】本発明の調理器具の別の実施例の概略構成図である。
図33】本発明の調理器具の別の実施例の概略分解構成図である。
図34】本発明の調理器具の別の実施例の概略平面構成図である。
図35図34におけるC-C方向に沿った概略断面構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、本発明の実施例に係る技術方案について、本発明の実施例の図面を参照して明確かつ完全に説明するが、説明された実施例が、本発明の一部の実施例に過ぎず、全ての実施例ではないことは明らかである。当業者が本発明に係る実施例に基づいて創造的な労働をすることなく取得した他の全ての実施例はいずれも、本発明の保護の範囲に属する。
【0031】
本願における「第1」、「第2」という用語は、説明の目的のためにのみ使用され、相対的重要性を示するか暗示するか、または示された技術的特徴の数を暗黙的に指示するものとして理解されることはできない。本願の説明において、「複数」とは、特に明確かつ具体的な限定がない限り、少なくとも2つ、例えば2つ、3つ等という意味である。加えて、「備える」および「有する」という用語、ならびにそれらの任意の変形は、排他的でない包含をカバーすることを意図している。例えば、一連のステップまたはユニットを含むプロセス、方法、システム、製品、または器具は、挙げられたステップまたはユニットに限定されなく、挙げられていないステップまたはユニットを備えてもよいか、またはこれらのプロセス、方法、製品、または製品に固有の他のステップまたはユニットを備えてもよい。また、「及び/又は」という用語は、関連対象の関連関係を説明するものにすぎず、3つの関係が存在しても良いことを表し、例えば、A及び/又はBは、Aが単独で存在する、AとBが同時に存在する、Bが単独で存在する3つの場合を表しても良い。なお、ここに、「/」という文字は、一般に前後の関連対象が「または」の関係にあることを表す。
【0032】
図1図5を参照すると、本発明の調理装置10の一実施例は、ハウジング100と、第1のコイル210と、第2のコイル220と、第3のコイル230と、第1の回路基板300とを備えており、ハウジング100に収容空間が形成されてり;第1のコイル210が収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を発生させるためのものであり、第1の交番磁界が、ハウジング100上またはハウジング100内に配置された容器20を電磁加熱することができ、また容器20が第1の交番磁界を誘導して温度に応じて変化する渦電流を発生するように、その容器20に作用し;第2のコイル220が容器20に対応して設けられ、第1の交番磁界と渦電流を誘導するためのものであり;第3のコイルが、収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を誘導するためのものであり;第1の回路基板300が第2のコイル220に接続され、第2のコイル220が発生する誘導信号に基づいて容器20の温度を取得するためのものである。現在の調理装置では、ハウジングのパネルに穴を開けてセンサーを設けることで、センサーを容器と直接接触させて容器の温度を測定させることができるが、水漏れなどの事態が発生しやすく、ハウジング内部の部品が破損してしまう。あるいは、パネルの容器から離れた側にセンサーを設けることで、水漏れなどの事態を回避できるが、センサーが検出した温度はパネルを通して伝達した後の温度であり、温度の伝達が遅れるという問題がある。これに対して、本発明の実施例では、容器20の温度を磁気結合で測定することにより、水漏れと温度伝達遅延の問題を同時に回避することができ、容器20に対する温度検出精度がより高くなり、また、容器20の温度を取得するために、第1の回路基板300によって第2のコイル220の誘導信号を直接検出するので、センサーで検出した後に回路基板に信号を伝送する場合よりも、磁気結合による検出方式はより速く、容器20に対する温度検出の精度と速度を向上させることにより、ユーザーにより正確な加熱度合いや調理の進行に対するフィードバックを提供することができ、また調理装置の後続の自動温度制御調整により正確なデータサポートを提供することもでき、調理装置10のスマート制御に有利である。
【0033】
本実施例において、第3のコイル230は、第2のコイル220のハウジング100に配置された容器20との反対側に設けられており、第2のコイル220で、容器20の渦電流による第3のコイル230の電磁誘導への影響を遮蔽することができるので、第3のコイル230が第1の交番磁界を誘導して、第1の交番磁界による第2のコイル220の電磁反応への影響を低減し、さらに、第1の回路基板300が2のコイル220による渦電流の電磁誘導に応じて、容器20の温度を取得することができるようになる。
【0034】
他の実施例において、第3のコイル230は、第1のコイル210で容器20の渦電流による第3のコイル230の電磁誘導への影響を遮蔽するように、第1のコイル210のハウジング100に配置された容器20との反対側に配置されてもよい。あるいは、第3のコイル230は、第1のコイル210と第2のコイル220のハウジング100に配置された容器20との反対側に設けられてもよく、ここでは制限されない。
【0035】
他の実施例において、第1の回路基板300は、直列に接続された第2のコイル220および第3のコイル230に接続され、第2のコイル220および第3のコイル230が発生する誘導信号に基づいて容器20の温度を取得するためのものであっても良い。
【0036】
本実施例において、調理装置10は、電磁調理器、炊飯器等であってもよい。
【0037】
本実施例において、調理装置10は、収容空間内に設けられ、第1の回路基板300を放熱するための放熱部材310をさらに備えてもよい。
【0038】
本実施例において、調理装置10は、さらに、第1のホルダ410と第2のホルダ420とを備えており、第2のホルダ420が、第1のホルダ410上に設けられ、第1のコイル210が、第1のホルダ410上に巻回され、第2のコイル220が第2のホルダ420上に巻回されており、ただし、第1のコイル210が位置する平面と第2のコイル220が位置する平面とが重なるかまたは平行であり、第2のコイル220が、第1のコイル210の内側に位置し、かつ第1のコイル210と第2のコイル220との中心軸が重なっており;第1のコイル210が位置する平面と第3のコイル230が位置する平面とが重なるかまたは平行であり、第3のコイル230は、第1のコイル210の内側に位置し、かつ第3のコイル230と、第1のコイル210と、第2のコイル220との中心軸は重なっている。このうち、第1のコイル210は、容器20が第1の交番磁界を誘導する誘導面に平行であり、容器20が発生する渦電流の強度を確保することができ、第2のコイル220も容器20の誘導面に平行であり、第2のコイル220の渦電流に対する誘導強度を高めることができ、第3のコイル230も容器20の誘導面と平行であり、第1の交番磁界に対する誘導強度を高めることができ、各コイルの磁気誘導強度を高めることにより、コイルが発生する誘導信号をより安定化させ、ひいては検出結果をより正確にすることができる。
【0039】
他の実施例において、第2のコイル220と第3のコイル230との中心軸は重ならなくてもよく、かつ第2のコイル220と第3のコイル230との第2のコイル220の中心軸に平行な方向への投影の重なる面積は、第3のコイル230の第2のコイル220の中心軸に平行な方向への投影面積の50%以上であり、これによって、第3のコイル230が誘導する第1の交番磁界の強さは、第1の交番磁界による第2のコイル220の電磁誘導への影響を低減するのに十分なものとなり、第2のコイル220が渦電流の電磁誘導に応じて発生する誘導信号をより正確にし、ひいては第1の回路基板300が誘導信号に基づいて取得する温度の精度をより高くすることができる。
【0040】
図6を参照すると、別の具体的な実施例では、第3のコイル230が第1のホルダ410上に設けられてもよい。具体的には、第1のホルダ410に支柱411が接続され、この支柱411に磁化器231が設けられており、第3のコイル230が磁化器231に巻回され、磁化器231を介して第1の交番磁界を結合する。
【0041】
図7を参照すると、別の具体的な実施例では、第3のコイル230が、第1の回路基板300上に設けられてもよい。具体的には、第1の回路基板300に磁化器231が固定的に設けられており、第3のコイル230が磁化器231に巻回され、磁化器231を介して第1の交番磁界を結合する。
【0042】
上記の2つの実施例では、第3のコイル230が磁化器231を介して第1の交番磁界を結合することにより、第3のコイル230が第1の交番磁界を直接誘導するために必要とする位置的な制約を回避することができ、それにより、第1のホルダ410の構造を簡単化し、さらに、第1のホルダ410の加工、組立、手順及び難しさを簡単化することができる。また、磁化器231と第3のコイル230との嵌合構造は簡単であり、加工および組立が容易であり、磁化器231によって、第3のコイル230に作用する交番磁界をより安定させることができる。このうち、第3のコイル230が支柱411を介して第1のホルダ410に設けられた場合、接続構造は簡単で組立が容易である一方、第3のコイル230が第1の回路基板300上に設けられた場合、第1の回路基板300上の空いた位置は合理的に利用され、他の構成のスペースを占有する必要がなくなり、調理装置の体積増加は回避される。
【0043】
本実施例において、ハウジング100は、ベース110と、ベース110上に被覆されたパネル120とを含み、調理装置10は、第2のホルダ420をパネル12の容器20との反対側に弾性的に当接させるように、第1のホルダ410と第2のホルダ420との間に設けられた弾性支持部材430をさらに備えることで、面板120に対する第2のコイル220の位置をより安定させ、それにより、第2のコイル220の渦電流に対する誘導強度及び誘導精度は確保され、また調理装置10の量産時における第2のコイル220の位置精度を確保することが容易となり、温度測定の結果をより正確にする。
【0044】
本実施例では、第2のコイル220が円環形状に巻回されているので、比較的に少ない材料で比較的に広い面積を囲うことができ、その構造的強度に比較的に優れ、短絡に比較的に強く、かつ磁束を均一にすることができる。他の実施例では、第2のコイル220が、矩形の環状または他の多角形の環状に巻回されてもよいが、ここでは制限されない。
【0045】
本実施例において、調理装置10は、ベース110上に被覆されたカバープレート130をさらに備え、パネル120がカバープレート130上に設けられ、カバープレート130の中間部分がくり抜かれるように構成されることで、第2のホルダ420はパネル120に当接することができるようになる。
【0046】
本実施例において、調理装置10は、断熱部材440をさらに備え、断熱部材440が第2のホルダ420とパネル120との間に設けられており、第2のコイル220および/または第2のホルダ420が加熱されて温度が過度に高くなり、ひいては第2のコイル220および/または第2のホルダ420が損傷してしまうのを回避することができる。
【0047】
本実施例において、調理装置10は、第2の回路基板421をさらに備え、第2の回路基板421が第1のホルダ410または第2のホルダ420に設けられており、第2のコイル220がワイヤ221を介して第2の回路基板421と電気的に接続され、さらに第2の回路基板421を介して第1の回路基板300と電気的に接続されている。ただし、ワイヤ221は、第2の回路基板421に半田付け、挿着、または押し付け等で固定されてもよい。第2のコイル220と第1の回路基板300との電気的接続を実現するように第2の回路基板421を設けることにより、第2のコイル220と第1の回路基板300とがワイヤを介して直接電気的に接続されることに起因するルーチング行程が長くかつ複雑になるという問題を回避することができ、電気的接続構造をより安定化させ、信号伝送効果を確保することができる。
【0048】
他の実施例では、第2のコイル220が、ワイヤ221を介して第1の回路基板300に直接電気的に接続されてもよいが、ここでは制限されない。ただし、ワイヤ221は、第1の回路基板300に半田付け、挿着、押し付け等で固定されてもよい。
【0049】
図8を参照すると、本実施例では、第2のコイル220がリベット部材222を介してワイヤ221と接続されることにより、第2のコイル220とワイヤ221との接続構造をより安定化させ、信号伝送効果は確保される。他の実施例では、第2のコイル220がワイヤ221に直接溶接されてもよく、ここでは制限されない。
【0050】
本実施例において、調理装置10は、温度センサ450をさらに備え、温度センサ450が第1のホルダ410または第2のホルダ420に設けられ、容器20の温度を検出するためのものであり、第2のコイル220によって検出された温度に対する校正を、検出結果がより正確になるように補助することができ、または第2のコイル220による検出構造が故障した後に容器20に対する温度検出を可能とする。
【0051】
本実施例において、温度センサ450は、サーミスタセンサ、熱電対センサ、赤外線温度測定センサ、または超音波検知センサなどであってもよい。
【0052】
本実施例において、調理装置10は、温度スイッチ(図示せず)をさらに備え、温度スイッチが第1のホルダ410または第2のホルダ420に設けられ、かつ第1の回路基板300と電気的に接続され、温度が過度に高くなると回路をオフにすることで、第1のコイル210による第1の交番磁界の発生を停止させ、調理装置の信頼性および安全性を向上させるためのものである。
【0053】
他の実施例において、温度スイッチは、第1のコイル210と直接直列に設けられてもよく、ここでは制限されない。
【0054】
本実施例において、温度スイッチは、温度ヒューズ、温度リミットスイッチ、またはキックスイッチなどであってもよい。
【0055】
図9図11を参照すると、別の具体的な実施例において、調理装置10は、第1のホルダ410のみが設けられてもよく、第1のコイル210及び第2のコイル220がそれぞれ第1のホルダ410に巻回され、かつ第2のコイル220が、パネルとの相対位置を固定させるように、パネルと所定の間隔を保っている。第1のコイル210と第2のコイル220の両方を第1のホルダ410に設けることにより、調理装置10の構造をより安定させることができ、また製作と装着の両方の手順はより簡単になり、加工効率はより良くになる。
【0056】
図12図14を参照すると、別の具体的な実施例では、パネル120に、第3のホルダ121が一体成形または固定的に設けられてもよく、第2のコイル220が第3のホルダ121に巻回されることで、第2のコイル220とパネル120との相対位置をより安定化かつ正確化させ、それにより、第2のコイル220の渦電流に対する誘導強度および誘導精度が確保され、調理装置10の量産時における第2のコイル220の位置精度を確保することが容易となり、温度測定の結果をより正確にする。この実施例では、第2のコイル220を第1のホルダ410または第2のホルダ420に設ける場合に比べて、パネル120の構造を変更するだけでよく、加工の難しさがより低いである。
【0057】
図15図17を参照すると、別の具体的な実施例において、例えば、炊飯器等の調理装置10において、第1のホルダ410は椀状に設けられ、第1のホルダ410の側縁に第1のコイルが巻回されており、容器の側縁に対する電磁加熱が可能となり、第1のホルダ410の底部に第2のコイル220が巻回されており、第1のホルダ410の本来の構造に適応され、第1のホルダ410の変更を低減させ、第1のホルダ410の加工の難しさを低下させ、ひいては第1のホルダ410の加工コストを低減させることができる。第2のコイル220を第1のホルダ410の底部に直接嵌め込むことにより、第2のコイル220が位置する平面と、第1のホルダ410の側縁に巻回された第1のコイルが位置する平面とが平行に設けられることを確保でき、第2のコイル220による渦電流の誘導を容易にする。また、容器に対する第2のコイル220の位置が安定しており、調理装置10の量産時における第2のコイル220の位置精度を確保することが容易となり、温度測定の結果をより正確にする。
【0058】
図18図20を参照すると、別の具体的な実施例では、ベース110に、第4のホルダ111が一体成形または固定的に設けられてもよく、第2のコイル220が、第4のホルダ111に巻回され、かつベース110上に被覆されたパネルと所定の間隔を保っている。
【0059】
第2のコイル220をベース110に設けることにより、ベース110の制作中に第2のコイル220の装着を完成することができ、構造が簡単でかつ装着が便利である。また、パネルに対する第2のコイル220の位置をより安定化させ、第2のコイル220の渦電流に対する誘導精度を確保でき、調理装置10の量産時における第2のコイル220の位置精度を確保することが容易となり、温度測定の結果をより正確にする。
【0060】
図21および図22を参照すると、別の具体的な実施例において、第1のコイルは複数個であってもよく、それぞれ第1のホルダ410に巻回されており、複数の第1のコイルのうちの少なくとも1つの第1のコイルの隣接する位置には第2のコイル220が設けられている。例えば、第1のホルダ410には、周方向に間隔をおいて6個の第1のコイルが設けられており、その中の隣り合っていない3個の第1のコイルの中間には、第2のコイル220が設けられている。
【0061】
他の実施例において、第1のコイルおよび第2のコイル220の数は、必要に応じて設定されてもよく、ここでは制限されない。第2のコイル220を複数個設けることにより、容器の多点・多領域に対する温度測定が可能となり、従って、容器20が不均一に加熱された場合に、複数の異なる温度点の温度を検出することができ、さらに、平均化等の演算手段により、より正確な温度データを得てもよい。また、複数の第1のコイルと複数の第2のコイル220との嵌合構造により、容器20内の異なる領域の温度を個別に制御し監視すること、あるいは、ハウジング100上またはハウジング100内に配置された複数の容器20の温度を個別に制御し監視することが可能となる。
【0062】
図23を参照すると、別の具体的な実施例において、調理装置10は、第1のコイル210と、第2のコイル220と、第3のコイル230と、第4のコイル240とを備えており、第1のコイル210が第1の交番磁界を発生させるためのものであり、第1の交番磁界が容器に作用して、容器が第1の交番磁界を誘導して渦電流を発生するようになり;第2のコイル220が、容器に対応して設けられ、第1の交番磁界及び渦電流を誘導するためのものであり;第3のコイル230が、収容空間内に設けられ、第1の交番磁界を誘導するためのものであり;第4のコイル240が、容器を電磁加熱するように容器に作用する第2の交番磁界を発生させるためのものである。
【0063】
本実施例では、容器に渦電流を発生させ、更に第2のコイル220に誘導信号を発生させるための第1のコイル210と、容器を電磁加熱するための第4のコイル240とを別々に設けるので、構造が簡単であり、また、より正確に温度検出部分と加熱部分とを個別に制御し、異なる加熱手段に対する制御による温度検出精度への影響を回避することができる。
【0064】
本実施例において、第1のコイル210と、第2のコイル220と、第4のコイル240との所在平面は重なるかまたは平行であり、第1のコイル210は、第4のコイル240の内側に位置し、第2のコイル220は、第1のコイル210の内側に位置し、かつ第1のコイル210と、第2のコイル220と、第4のコイル240との中心軸は重なっている。このうち、第4のコイル240は、容器が第2の交番磁界を誘導する誘導面に平行であり、容器に対する電磁加熱の効率を確保することができ、第1のコイル210及び第2のコイル220も容器の誘導面に平行であり、容器が発生する渦電流の強度を確保し、また第2のコイル220の渦電流に対する誘導強度を高めることができ、各コイルの磁気誘導強度を高めることにより、コイルが発生する誘導信号をより安定化させ、ひいては検出結果をより正確にすることができる。
【0065】
図24図27を参照すると、本発明の調理器具の一実施例は、調理装置10と、調理装置10上に配置された容器20とを備える。ただし、調理装置10の構成については、上述した調理装置10の実施例を参照し、ここでは贅言しない。
【0066】
本実施例において、調理器具は、養生ポット等であってもよい。
【0067】
本実施例では、容器20の本体201内に加熱体202が設けられており、第1の交番磁界が加熱体202を電磁加熱し、また加熱体202に渦電流を発生させるように、加熱体202に作用し、第1の回路基板が加熱体202の温度を取得するために使用される。本体201内に加熱体202を設けて容器20内の食材を加熱することにより、容器20全体そのものを加熱体とする場合に比べて大幅なコストダウンを図ることができ、また、本体201は一定の断熱効果を発揮することができ、ユーザーの火傷が回避され、より安全性が高い。本体201は、ユーザーが容器20内の食材の調理状況を容易に観察するように透明または半透明の材料で形成されても良い。
【0068】
本実施例において、加熱体202は、シート状に設けられており、かつ第1のコイル210が発生する第1の交番磁界と作用しやすいように本体201の底部に固定されている。また、シート状の加熱体202の占有スペースがより小さく、食材により多くのスペースを用意することができる。
【0069】
本実施例において、加熱体202が位置する平面と第1のコイル210が位置する平面とは平行であり、第1のコイル210の加熱体202に対する電磁加熱効率を確保することができ、また、第2のコイル220が位置する平面と第1のコイル210が位置する平面とは平行または重なっているので、加熱体202が位置する平面と第2のコイル220が位置する平面とも平行となり、加熱体202が発生する渦電流の強度を確保し、また第2のコイル220の渦電流に対する誘導強度を高めることができる。
【0070】
本実施例において、加熱体202は、鉄を含む合金材料または黒鉛を含む導体材料である。
【0071】
本実施例において、本体201は、ガラス、プラスチック、セラミックまたは木材である。
【0072】
図28図31を参照すると、本発明の調理器具の別の実施例は、調理装置10と、調理装置10上に配置された容器20とを備える。ただし、調理装置10の構成については、上述した調理装置10の実施例を参照し、ここでは贅言しない。
【0073】
本実施例において、容器20は、本体201と、本体201内に設けられた加熱体202と、本体201上に設けられた蒸し板203とを含み、ただし、加熱体202の構成については、上述した調理器具の実施例における加熱体202を参照し、ここでは贅言しない。蒸し板203は、本体201の開口に支持されている。蒸し板203を設けることにより、食材に対する蒸気加熱の機能を実現することができ、また、容器20が食材を収容する空間を拡大することができる。
【0074】
図32図35を参照すると、本発明の調理器具の別の実施例は、調理装置10と、調理装置10上に配置された容器20とを備える。ただし、調理装置10の構成については、上述した調理装置10の実施例を参照し、ここでは贅言しない。
【0075】
本実施例において、容器20は、本体201と、本体201内に設けられた加熱体201とを含み、このうち、加熱体202が樽形状に設けられており、加熱体202が本体201の開口に支持され、加熱体202の底部が、第1のコイル210が発生する第1の交番磁界と作用しやすいように本体201の底部に近接している。
【0076】
本実施例では、加熱体202に、本体201内の液体を加熱体202の内外に流通させるための複数の貫通孔(図示せず)が設けられており、加熱を容易にするとともに、容器20内の液体を注出する際に、本体201と加熱体202との間の固形物を濾過しても良い。
【0077】
加熱体202を樽形状にすることにより、容器20内の空間を余分に占有することなく、そのまま漏れ網の機能を実現し、容器20の空間利用をより合理的にすることができる。
【0078】
以上に述べたのは本発明の実施態様に過ぎず、それによって本発明の特許範囲を限定するものではなく、同様に、本発明の明細書及び図面の内容を利用してなされた等価構造又は等価流れの変換、又は他の関連する技術分野における直接的若しくは間接的な適用は、すべて本発明の特許の保護範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0079】
10 調理装置
20 容器
100 ハウジング
110 ベース
410 第1のホルダ
420 第2のホルダ
421 第2の回路基板
430 弾性支持部材
440 断熱部材
450 温度センサ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
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図16
図17
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