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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】平坦伝導体接続要素
(51)【国際特許分類】
   H01R 12/62 20110101AFI20240508BHJP
   H01R 43/02 20060101ALI20240508BHJP
   H01R 4/02 20060101ALI20240508BHJP
   H01R 12/63 20110101ALI20240508BHJP
【FI】
H01R12/62
H01R43/02 A
H01R4/02 Z
H01R12/63
【請求項の数】 15
(21)【出願番号】P 2022548011
(86)(22)【出願日】2021-02-05
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-03-27
(86)【国際出願番号】 EP2021052872
(87)【国際公開番号】W WO2021156480
(87)【国際公開日】2021-08-12
【審査請求日】2022-10-04
(31)【優先権主張番号】20156266.7
(32)【優先日】2020-02-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】EP
(73)【特許権者】
【識別番号】500374146
【氏名又は名称】サン-ゴバン グラス フランス
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100123582
【弁理士】
【氏名又は名称】三橋 真二
(74)【代理人】
【識別番号】100123593
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 宣夫
(74)【代理人】
【識別番号】100208225
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 修二郎
(74)【代理人】
【識別番号】100217179
【弁理士】
【氏名又は名称】村上 智史
(72)【発明者】
【氏名】フランソワ エルマンジュ
(72)【発明者】
【氏名】ベルンハルト ロイル
【審査官】松原 陽介
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-186083(JP,A)
【文献】特開昭60-236469(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0045002(US,A1)
【文献】特開2018-170277(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01R 12/62
H01R 43/02
H01R 4/02
H01R 12/63
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ペイン(2)に適用された導電構造体(3)、特には導電層、のための、下記を含む、平坦伝導体接続要素(1):
- 少なくとも1つの伝導体(4、4´)、これは、平坦伝導体(5)を含み、第1の末端部(11)における第1の接続領域(9)及び第2の末端部(12)における第2の接続領域(10)を有し、前記第1の接続領域(9)が、前記導電構造体(3)への電気的接続のための接続表面(13)、及び、はんだ付け具との物理的な接触のための、前記接続表面とは反対側の接触表面(14)、を有する、
- 電気絶縁性材料でできている包囲層(15)、この包囲層は、少なくとも、前記第1の接続領域(9)を含む伝導体部分において、前記伝導体(4)を取り囲んでおり、前記包囲層(15)は、貫通穴部(19)を有しており、この貫通穴部を通って、前記第1の接続領域(9)の前記接続表面(13)及び前記接触表面(14)に外部から近接可能であり、それにより、前記接続表面(13)を前記導電構造体(3)にはんだ付けできるようになっており、かつ前記はんだ付け具を前記接触表面(14)に物理的接触を伴って適用でき、それによって前記接続表面(13)を前記導電構造体(3)にはんだ付けできるようになっており、前記包囲層(15)の平面にわたって垂直な視点において、前記伝導体(4)の前記第1の接続領域(9)が、前記貫通穴部(19)内に位置している。
【請求項2】
前記包囲層(15)が、前記ペインに向くことが意図されている層面(17)の上に、かつ随意に前記ペインとは反対側に向くことが意図されている層面(16)の上に、前記貫通穴部を取り囲む、接着手段(21、21´)、特には接着テープ、を有する、請求項1に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
【請求項3】
前記接続表面が、それに付着したはんだ付け化合物(22)を有する、請求項1又は2に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
【請求項4】
前記平坦伝導体(5)が、電気絶縁材料でできている絶縁層(18)によって前記包囲層の外で被覆されており、この被覆された平坦伝導体は、柔軟である、請求項1~3のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
【請求項5】
前記被覆された平坦伝導体(5)が、前記包囲層の前記貫通穴部が前記絶縁層(18)によって覆われることができるような長さを有する、請求項4に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
【請求項6】
前記第1の接続領域(9)が、前記平坦伝導体によって形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
【請求項7】
前記平坦伝導体(5)が、随意に接続部品(7)を有する円形伝導体(6)に、電気的に接続されており、前記第1の接続領域が、前記円形伝導体によって、又は随意に前記接続部品によって、形成されている、請求項1~5のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素。
【請求項8】
- その上に適用された導電構造体(3)、特には導電層、を有する、ペイン(2)、
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)、ここで、前記接続表面が、はんだ付けによって前記導電構造体に接続している、
- 前記ペインとは反対側の層面の上の、前記包囲層の前記貫通穴部のカバー(18、24)、
を有する、接続アセンブリ(100)。
【請求項9】
前記包囲層(15)が、接着手段(21)によって、特には接着テープによって、前記ペインに付着している、請求項8に記載の接続アセンブリ(100)。
【請求項10】
前記カバーが、絶縁層(18)によって被覆された前記平坦伝導体、又は前記包囲層の上のカバー部品(24)によって形成されている、請求項8又は9に記載の接続アセンブリ(100)。
【請求項11】
前記カバーが、接着手段(21´)、特には接着テープによって、前記包囲層に付着している、請求項10に記載の接続アセンブリ(100)。
【請求項12】
下記の工程を有する、請求項8~10のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(100)の製造方法:
- その上に適用された導電構造体(3)、特には導電層、を有するペイン(2)、を提供すること、
- 請求項1~7のいずれか一項に記載の前記平坦伝導体接続要素(1)を、前記ペインの上に配置すること、
- 前記伝導体の前記接続表面を、前記導電構造体にはんだ付けすること、ここで、はんだ付け具、特にははんだ付けアイロンを、前記接触表面に適用する、
- 前記包囲層の前記貫通穴部を、カバーで覆うこと。
【請求項13】
絶縁層(18)によって前記包囲層の外で被覆された前記平坦伝導体を、前記貫通穴部を介して延在させ、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、前記包囲層に付着させる、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
カバー部品を、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、前記包囲層に付着させる、請求項12に記載の方法。
【請求項15】
請求項1~10のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(100)の使用であって、前記平坦伝導体接続要素の前記伝導体の前記接続表面を、自動車分野における、又は、建築分野における、家具における、家電製品における、若しくは装飾物品における、ペインの導電構造体にはんだ付けするための、使用。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、平坦伝導体接続要素、平坦伝導体接続要素を有する接続アセンブリ、その製造方法、及びその使用に関する。
【背景技術】
【0002】
フレキシブル平坦伝導体(柔軟な平坦伝導体)は、リボン伝導体又は箔伝導体とも呼ばれ、乗り物の製造において広く用いられ、特に、限定された空間条件の下で可動的な電気接触を可能にするために広く用いられる。
【0003】
平坦伝導体は、慣用的には、0.03mm~0.1mmの厚み及び2mm~16mmの幅を有するスズめっき銅ストリップでできている。銅は、そのような伝導体トラックとして適していることが示されており、なぜならば、これは、良好な導電性及び箔への良好な加工性を有しており、同時に、材料コストが低いからである。箔へと加工できる他の導電性の材料を用いることもできる。これの例は、金、銀、アルミニウム、又はスズである。
【0004】
電気的な絶縁のために、かつ安定化のために、スズメッキされた銅ストリップを、プラスチックでできたキャリア材料の上に適用することができ、又は、両方の側においてそれらと積層することができる。互いに電気的に分離された複数の伝導層を、1つの箔伝導体ストリップに配置できる。
【0005】
平坦伝導体接続要素が、例えば、EP1153801A2、DE102007059818B3、WO01/56334A1、又はWO2016/104137A1から知られている。
【0006】
自動車分野では、平坦伝導体は、例えば、複合ガラスペインにおいて電気的機能層を接触させるために、用いられる。例が、DE4235063A1、DE202004019286U1、又はDE9313394U1に見いだされる。追加的な従来技術が、US2018/287294A1に見られる。
【0007】
そのような複合ガラスペインは、一般に、熱可塑性接着層によって、表面対表面で互いに接着的に結合された少なくとも2つの剛性な個々のガラスペインからなる。接着層の厚みは、例えば、0.76mmである。追加的に、個々のガラスペインの間に配置されるのが、電気的機能層であり、例えば、加熱コーティング及び/又はアンテナ素子であり、これらが、平坦伝導体に接続される。この目的のために適している平坦伝導体は、0.3mmのみの合計厚みを有する。そのような薄い平坦伝導体は、熱可塑性接着層において、個々のガラスペインの間に容易に埋め込むことができる。
【0008】
電気的機能層を接触させるための平坦伝導体の使用は、自動車分野のみに限定されない。DE19960450C1から知られているように、平坦伝導体は、建築分野においても使用される。複合ガラスペイン又は遮断ガラスペインでは、箔伝導体が、統合された電気的構成要素、例えば、電圧によって制御されるエレクトロクロミック層、太陽電池、加熱ワイヤ、アラームループなど、の電気的な接触のために、用いられる。
【0009】
通常、電子機器をさらに制御するための道具不要な接続のための完全な接続要素及び接続領域を有するペインが、ペインの製造者から要求されている。
【0010】
実際上は、平坦伝導体の電気的に絶縁性のカバーの上にホットスタンプを適用することによって、導電構造体に平坦伝導体をはんだ付けすることが、慣用的である。この手順の不利な点は、はんだ付けの不十分な品質のみが可能であるということであり、なぜならば、電気的に絶縁性のカバーを通してはんだ付けジョイントを見ることができないからである。ホットスタンプのみが、はんだ付け具として良好に適している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
対照的に、本発明の目的は、向上した平坦伝導体接続要素及びこれを用いて製造される接続アセンブリを利用可能にすることからなり、これは、より良好な品質制御を可能にし、特に、種々のはんだ付け器具の使用も可能にする。更に、接続アセンブリを、簡便に、経済的に、かつ効率的に製造できる必要がある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
これらの目的及び更なる目的が、本発明の提案に従って、主要請求項に係る、平坦伝導体接続要素及び接続アセンブリによって、かつ接続アセンブリを製造する方法によって、達成される。本発明の好ましい実施態様が、従属請求項から明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1図1は、本発明に係る接続アセンブリの例示的な実施態様の平面概略図である。
図2図2は、第1の変形態様に係る図1の接続アセンブリの断面図である。
図3図3は、第2の変形態様に係る図1の接続アセンブリの断面図である。
図4A図4Aは、本発明に係る接続アセンブリの別の例示的な実施態様の平面概略図である。
図4B図4Bは、本発明に係る接続アセンブリの別の例示的な実施態様の断面概略図である。
図5図5は、本発明に係る接続アセンブリを製造するための、本発明に係る方法のフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
本発明に係る平坦伝導体接続要素は、ペイン上の導電構造体へのはんだ付けのために意図されている。導電構造体は、好ましくは、ペイン上に適用された導電層である。
【0015】
この平坦伝導体要素は、少なくとも1つの伝導体を含み、これは、少なくとも1つの平坦伝導体を含む。伝導体は、第1の末端部に第1の接続領域を有し、第2の末端部に第2の接続領域を有する。第1の接続領域は、導電構造体への電気的接続のための接続表面を有しており、この接続表面の反対側に、接続表面のはんだ付けのためのはんだ付け器具との(物理的な)接触のための接触表面を有する。設置状態において、接続表面及び接触表面は、ペインの平面に対して平行である。第2の接続領域は、電気制御装置、電圧源などへの接続のために用いられる。
【0016】
1つの実施態様によれば、伝導体が、平坦伝導体(ストリップ形状の伝導体、特には金属ストリップ材)のみを有する。言うまでもないが、この場合には、第1の接続領域が、平坦伝導体によって形成されている。平坦伝導体は、2つの反対の面又は表面を有し、これが、接続表面及び接触表面を形成する。
【0017】
別の実施態様によれば、伝導体が、円形伝導体に電気的に接続している平坦伝導体を有しており、円形伝導体が、随意に、接続部品に電気的に接続している。第1の接続領域が、円形伝導体によって形成されており、又は随意に、接続部品によって形成されている。有利には、接続表面及び接触表面が、接続部品の互いに反対の面又は表面によって形成されている。
【0018】
平坦伝導体(これは箔伝導体又はリボン伝導体とも呼ばれる)は、電気伝導体であり、その幅が、その厚みよりも大幅に大きい。平坦伝導体は、好ましくは、十分に薄く(すなわち厚みが十分に小さく)、それにより、柔軟かつ曲げ可能になっている。
【0019】
平坦伝導体は、好ましくは、金属箔、特に好ましくはストリップ形状又はリボン形状の金属箔を含有する。本発明に係る平坦伝導体接続要素の有利な実施態様では、平坦伝導体が、金属箔を有し、好ましくは、ストリップ形状又はリボン形状の金属箔を有する。
【0020】
好ましくは、平坦伝導体が、金属箔として、銅箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、スズ箔、金箔、又は銀箔を有しており、又はこれらでできている。金属箔は、言及されたこれらの金属を有する合金を含んでもよく、又はこれでできていてもよい。金属箔は、有利には、いくつかの部分で又は完全に、スズメッキされてよい。これは、腐食保護とともに、良好なはんだ付け性を達成するために、特に有利である。
【0021】
平坦伝導体接続要素の有利な実施態様では、平坦伝導体が、10μm~300μmの厚み、好ましくは30μm~250μmの厚み、特には50μm~150μmの厚みを有する。そのような薄い平坦伝導体は、特に柔軟であり、例えば、容易に、複合ペイン内に積層することができ、複合ペインから外に延在させることができる。
【0022】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の別の有利な実施態様では、平坦伝導体が、0.5mm~100mmの幅、好ましくは1mm~50mmの幅、特には10mm~30mmの幅を有する。上述の厚みと併せて、このような幅は、十分な通電能力を達成するために特に適している。平坦伝導体の幅は、一定であってよく、又は、幅において種々の値であってよい。
【0023】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の有利な実施態様では、平坦伝導体が、5cm~150cmの長さ、好ましくは10cm~100cmの長さ、特には50cm~90cmの長さを有する。言うまでもないが、平坦伝導体の長さ、幅、及び厚みは、それぞれの個々の場合の要件に適合させることができる。
【0024】
平坦伝導体の場合には、長さの方向が、延在方向を規定する。長さ方向及び幅方向は、第1面と、第1面に対向する第2面とにわたる。第1面は、例えば、平坦伝導体の底部とも呼ばれ、第2面は、平坦伝導体の上部とも呼ばれる。第1の末端部及び第2の末端部は、それぞれ、平坦伝導体のうち、延在方向において互いに対して反対側にある末端部である。
【0025】
平坦伝導体接続要素は、さらに、電気絶縁性材料でできている平面状の包囲層を有しており、これは、少なくとも、第1の接続領域を含む伝導体部分において、伝導体を取り囲んでいる。包囲層は、組み立てられた状態においてペインに面する第1の層面、及び、組み立てられた状態においてペインとは反対に面する、反対側の第2の層面を、有する。設置された状態において、2つの層面は、ペインの平面に対して平行である。
【0026】
包囲層が、貫通穴部を有していることが必要であり、この貫通穴部を通って、第1の接続領域の接続表面及び接触表面へと外部からアクセス可能(近接可能)であり、それにより、接続表面を導電構造体にはんだ付けでき、はんだ付け器具を接触表面に物理的接触を伴って適用でき、それによって、接続表面を導電構造体にはんだ付けできる。包囲層の平面にわたる垂直な視点において、伝導体の第1の接続領域が(少なくとも包囲層の平面における投影において)貫通穴部の中に配置されるように、貫通穴部が、構成される。換言すると、包囲層の平面において、包囲層が第1の接続領域を取り囲み、貫通穴部に起因して、この接続領域が、両方の層面から露出する。本発明に関して、第1の接続領域は、包囲層の平面に垂直な貫通穴部から、(導電構造体に向かって)突出してもよい。少なくとも包囲層の平面における投影において、第1の接続領域が、常に、貫通穴部の中に位置する。
【0027】
貫通穴部は、有利には、はんだ付け器具、特にははんだ付けアイロンを、露出されている接触表面に適用することによる、導電構造体への接続表面のはんだ付けを可能にする。はんだ付けの質を、容易に確かめることができる。ペインとは反対に向く側において、平坦伝導体接続要素の取り付けの後で、貫通穴部をカバー(覆い)によって封止することができ、それによって、貫通穴部への水の侵入が防止される。本発明に関して、用語「耐漏洩性」は、特に、耐水漏洩性を意味すると理解され、すなわち、貫通穴部への水の侵入が防止され、そのようにして、伝導体の第1の接続領域が、湿分に対して保護される。
【0028】
包囲層は、伝導体に固定的に結合しており、例えば、接着的に接合している。包囲層は、好ましくは、ポリイミド又はポリエステル、特に好ましくはポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含有し、又はこれらでできている。包囲層は、熱可塑性物質及びエラストマー、例えば、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、又はエチレンプロピレンジエンゴム、を含有することもでき、又はこれらでできていることもできる。代替的には、注封材料、例えば、アクリレート又はエポキシ樹脂のシステムを、包囲層として使用することができる。
【0029】
包囲層の貫通穴部に起因して、伝導体の第1の接続領域が、露出しており、すなわち、両方の層面からアクセス可能(近接可能)になっている。これは、第1の接続領域における、伝導体の、単純な電気的な、特にはガルバニックな、接触を可能にする。言うまでもないが、伝導体の2つの接続領域が、導電層、例えばスズメッキ、又は非導電層、例えばソルダーレジスト、によって、腐食に対して保護されうる。この保護層は、典型的には、電気的接触を可能にするために、電気的接触が形成されるまで、除去されず、焼かれず、又は貫通されない。
【0030】
包囲層の貫通穴部は、例えば、ウィンドウ技術によって、又は後の除去によって、例えばレーザー除去若しくは機械的除去によって、形成してよい。ウィンドウ技術では、伝導体を、例えば、接続領域における対応する切り欠き部(ウィンドウ)を有する絶縁フィルムによってコーティングし、例えば、接着又は積層する。
【0031】
貫通穴部は、包囲層の1つの層面から他方の層面にまで、包囲層の平面に対して垂直な方向で、完全に延在しており、そのようにして、伝導体の第1の接続領域が露出するようになっている。貫通穴部は、例えば、円状の又は丸みを帯びた開口部であり、任意の他の閉じられた形状が同様に可能であり、特には、楕円形又は矩形であってよい。
【0032】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の有利な実施態様によれば、包囲層が、ペインに面する層面に、かつ/又は、ペインとは反対側に面する層面に、接着手段を有しており、特には、接着テープを有しており、これは、貫通穴部を取り囲んでいる。一方では、これは、簡便な様式でのペインへの平坦伝導体接続要素の取り付けを可能にする。他方では、ペインとは反対側に面する面における貫通穴部にカバーを簡便な様式で取り付けることができ、それによって、設置後における平坦伝導体接続要素の耐漏洩性が確保される。耐漏洩性の観点で特に有利には、接着手段が両方の層面において貫通穴部を完全に取り囲むようにして、接着手段が実施されている。
【0033】
平坦伝導体接続要素の別の有利な実施態様によれば、伝導体の接続表面が、そこに取り付けられているはんだ付け化合物を有する。これは、平坦伝導体接続要素の電気的な接触を促進する。これはなぜならば、導電構造体への伝導体のはんだ付けが、簡便な様式で可能だからである。はんだ付け化合物が、特に実用的な様式で、平坦伝導体接続要素によってあらかじめ提供される。
【0034】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の別の有利な実施態様によれば、平坦伝導体が、少なくとも1つの絶縁層を有しており、好ましくは、第1面、第2面、又は第1面及び第2面に、絶縁フィルムを有する。有利には、絶縁層が、平坦伝導体に固定的に結合しており、例えば、接着的に接合している。絶縁層又は絶縁フィルムは、好ましくは、ポリイミド又はポリエステルを含み又はこれでできており、特に好ましくは、ポリエチレンテレフタレート(PET)又はポリエチレンナフタレート(PEN)を含み又はこれでできている。絶縁層は、導電性ラッカーでできていてもよく、好ましくは、例えば噴霧によって又はラッカーへの平坦伝導体の浸漬によって平坦伝導体に適用された、ポリマーラッカーでできていてもよい。絶縁層は、熱可塑性物質及びエラストマー、例えば、ポリアミド、ポリオキシメチレン、ポリブチレンテレフタレート、又はエチレンプロピレンジエンゴム、を含有してもよく、又はこれらでできていてもよい。代替的には、注封材料、例えばアクリレート又はエポキシ樹脂のシステムを、絶縁層として用いることができる。
【0035】
そのような絶縁層又は絶縁フィルムは、好ましくは、10μm~300μmの厚みを有し、特に好ましくは25μm~200μmの厚み、特には60μm~150μmの厚みを有する。この絶縁層は、有利には、接着層を介して、平坦伝導体に接着的に接合している。接着層の厚みは、好ましくは、10μm~150μmであり、特に好ましくは、50μm~75μmである。このような絶縁層は、平坦伝導体を電気的に絶縁するために特に適しており、これを機械的に安定化し、機械的な損傷及び腐食に対してこれを保護するために特に適している。
【0036】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の有利な実施態様では、平坦伝導体が、上述した絶縁層又は絶縁フィルムで被覆される。絶縁層は、平坦伝導体よりも大きくてもよく、特には平坦伝導体よりも幅広くてもよい。絶縁層は、平坦伝導体のためのキャリア層としても機能することもでき、これを機械的に安定化する。
【0037】
本発明に係る平坦伝導体接続要素の1つの実施態様によれば、平坦伝導体が、少なくとも包囲層の外で、電気的に絶縁性の材料でできている絶縁層(絶縁スリーブ)によって被覆されており、これは、上述した絶縁層のように設計されており、この被覆された平坦伝導体は、有利には柔軟である。このようにして、平坦伝導体が、簡便な様式で、設置位置における空間要件に適合することができ、かつ貫通穴部を覆う役割も有することができる。
【0038】
特に有利には、この被覆された平坦伝導体が、包囲層の外で、包囲層の貫通穴部が絶縁層によって覆われることができる長さを、有する。このようにして、この被覆された平坦伝導体が、貫通穴部を介して延在することができ、ペインとは反対側に面する面において包囲層に付着し、それによって貫通穴部を封止できる。有利には、さらなるカバー手段を省くことができる。
【0039】
絶縁層を有する平坦伝導体は、非常に薄いので、これらを、複合ペインの熱可塑性中間層において個々のペインの間に容易に埋め込むことができ、そこから外に延在させることができる。平坦伝導体は、ペインにおいて導電性コーティングを接触させるために特に適している。
【0040】
互いから電気的に遮断されている複数の伝導性金属箔を、本発明に係る絶縁層を有する1つの平坦伝導体に配置してよい。
【0041】
本発明は、さらに、ペインを含む接続アセンブリも含み、ペインの上に、導電構造体、特には導電性層、が適用されている。接続アセンブリは、さらに、本発明に係る平坦伝導体要素を有し、接続表面が、はんだ付けによって導電構造体に電気的に接続している。接続表面は、特には、導電構造体に直接にはんだ付けされる。接続アセンブリは、さらに、ペインとは反対に面する層面の上で包囲層の貫通穴部を覆う(耐水漏洩的に封止する)カバーを、有する。カバーは、包囲層に付着する。
【0042】
本発明に係る接続アセンブリの有利な実施態様によれば、包囲層が、接着手段によって、特には接着テープによって、ペインに付着しており、この接着手段が、好ましくは、ペインへの平坦伝導体接続要素の設置の前に、包囲層のうちペインに面する面に、既に適用されている。
【0043】
本発明に係る接続アセンブリの別の有利な実施態様によれば、カバーが、絶縁層(絶縁スリーブ)によって被覆された平坦伝導体によって形成されており、これが、貫通穴部の領域において包囲層に付着し、貫通穴部を完全に覆っている。代替的には、包囲層に付着した別個のカバー部品を、カバーとして提供してよい。特に有利には、カバーが、接着手段によって、特には接着テープによって、包囲層に付着しており、実際上実施が簡便であるカバーの経済的な付着が可能になる。好ましくは、接着手段が、平坦伝導体接続要素の設置の前に、包囲層のうちペインとは反対側に面している面に、既に付着している。
【0044】
ペインは、単ペインであってよく、又は複ペインガラスであってよく、特には、複ペイン複合ガラスであってよい。
【0045】
ペインは、好ましくは、ガラスを含有し、特に好ましくは平坦ガラスを含有し、さらにより好ましくは、フロートガラスを含有し、特には、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、ソーダ石灰ガラス、又はクリアプラスチックを含有し、好ましくは、剛性クリアプラスチックを含有し、特に、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン、ポリアミド、ポリエステル、ポリビニルクロリド、及び/又はこれらの混合物を含有する。ペインは、好ましくは透明であり、特には、乗り物のウィンドシールド若しくはリアウィンドウとして用いるために透明であり、又は、高い光透過率が所望される他の使用のために透明である。本発明に関して、「透明」は、可視スペクトル範囲で70%超の透過率を有するペインを意味する。しかしながら、運転者の交通に関係する視界に位置しないペインに関しては、例えば、ルーフパネルに関しては、透過率はさらに低くてよく、例えば、5%超であってよい。
【0046】
ペインの厚みは、幅広い範囲で種々の値であってよく、そのようにして、個々の場合の要件に理想的に適合してよい。乗り物ガラスに関しては、好ましくは、0.5mm~25mm、好ましくは1.4mm~2.5mmの、標準的な厚みが用いられ、家具、家電、及び建物に関して、特には電気ヒーターに関して、好ましくは4mm~25mmが用いられる。ペインのサイズは、幅広い範囲で種々の値であってよく、本発明に係る用途のサイズに依存する。ペインは、例えば、自動車分野及び建築分野で慣用的な面積を有し、200cm~20mまでの面積を有する。
【0047】
本発明は、さらに本発明に係る接続アセンブリを製造する方法にもおよび、これは、下記の工程を含む:
- その上に適用された導電構造体、特には導電層、を有するペインを、提供すること、
- 本発明に係る平坦伝導体接続要素を、ペインの上に配置すること、
- 伝導体の接続表面を、導電構造体にはんだ付けすること、ここで、はんだ付け具、特にはんだ付けアイロンを、接触表面に適用する、
- 包囲層の貫通穴部を、封止的に覆うこと。
【0048】
本発明に係る方法の有利な実施態様によれば、絶縁層によって包囲層の外で被覆されている平坦伝導体を、包囲層のうちペインとは反対側に面している層面において貫通穴部を介して延在させ、それにより、貫通穴部が完全に覆われるようにし、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、包囲層に付着するようにする。
【0049】
本発明に係る方法の別の有利な実施態様によれば、別個のカバー部品が、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、包囲層に付着している。
【0050】
本発明は、さらに、本発明に係る接続アセンブリの、自動車分野での使用、又は、建築分野での、家具、電気家電、若しくは装飾部品での使用、複ペイン複合ガラスペインにおける使用、にも及ぶ。接続アセンブリを、自動車分野、又は建築分野、家具、電気家電、若しくは装飾部品において、平坦伝導体接続要素の伝導体の接続表面をペインの導電構造体にはんだ付けするために、用いる。ペインは、例えば、複ペイン複合ガラスペインである。
【0051】
本発明の種々の実施態様は、別個に又は任意の組み合わせで実施できる。特に、上述の特徴及び下記で説明される特徴は、示されている組み合わせで用いることができるだけでなく、本発明の範囲から逸脱することなく、他の組み合わせ又は単独で用いることもできる。
【0052】
本発明を、下記で、例示的な実施態様を用いて、添付の図面を参照して、詳細に説明する。図面は、単純な図であり、縮尺どおりではない。
【0053】
第1に、図1図3を考慮する。これらの図面では、本発明に係る接続アセンブリの例示的な態様が、概略的に示されている。
【0054】
全体として符号100で示されている接続アセンブリは、ペイン2に取り付けられている平坦伝導体接続要素1を有する。ここでは、ペイン2が、例えば、自動車のウィンドシールドとしての複合ペインの形態で実施されている。複合ペインは、熱可塑性中間層を介して互いに固定的に結合された2つの別個のペインを含む。複合ペインの構造の正確な描写は、本発明の理解のためには必要ではないので、その描写は表面的である。ペイン2は、単ペインであってもよく、例えば、いわゆる「単ペイン安全ガラス」(ESG)として実施されてもよい。ここでは、ペイン2が、例えば、ソーダ石灰ガラスでできている。
【0055】
導電層3は、平坦伝導体接続要素1によって電気的に接触されており、ペイン2の1つの表面に適用されている。平坦伝導体接続要素1は、結合領域8(「PUライン」)の近傍で、ペインのエンジン側ペイン端部の近傍に配置されており、ペイン2が、乗り物本体に接着されている。
【0056】
平坦伝導体接続要素1は、伝導体4を有しており、これは、ここでは、例えば、平坦伝導体5、及び、これに接続されている円形伝導体6を有する(図2及び図3参照)。また、接続部品7が、円形伝導体6に電気的に接続している。
【0057】
伝導体4は、第1の末端部11に第1の接続領域9を有し、第2の末端部12に第2の接続領域10を有する。第1の接続領域9は、ペイン2に面するその面に、導電層3への電気的な接続のための接続表面13を有し、かつ、接続表面13を導電層3にはんだ付けするための(図示されていない)はんだ付け具と接触するための、接続表面13の反対側の接触表面14を、有する。接続表面13及び接触表面14は、ペインの平面に対して平行である。第2の接続領域10は、電気制御装置、電圧源、などへの接続のために用いられ、図面では詳細に示されていない。
【0058】
代替的には、伝導体4が、平坦伝導体5のみからなることも同様に可能であり、この場合には、第1の接続領域9が、平坦伝導体5によって形成される。特に、接続表面13及び接触表面14が、このようにして、平坦伝導体5によっても形成される。
【0059】
平坦伝導体5は、ストリップ形状又はリボン形状の金属箔、例えば銅箔、アルミニウム箔、ステンレス鋼箔、スズ箔、金箔、又は銀箔を、含み、又はこれらからなる。平坦伝導体5は、例えば、10μm~300μmの厚み、好ましくは30μm~250μmの厚み、特には50μm~150μmの厚みを有する。平坦伝導体5は、例えば、0.5mm~100mmの幅、好ましくは1mm~50mmの幅、特には10mm~30mmの幅を有する。平坦伝導体5は、例えば、5cm~150cmの長さ、好ましくは10cm~100cmの長さ、特には50cm~90cmの長さを有する。言うまでもないが、平坦伝導体5の長さ、幅、及び厚みは、それぞれの個々の場合の要件に適合してよい。
【0060】
平坦伝導体接続要素1は、電気絶縁材料でできている平面状の包囲層15を有し、これは、第1の接続領域9を含む伝導体部分において伝導体4を取り囲んでおり又は包囲している。包囲層15は、第1の層面16を有しており、これは、取り付けられた状態においてペイン2に面しており、かつ、包囲層15は、反対側の第2の層面17を有しており、これは、取り付けられた状態においてペイン2とは反対に向いている。2つの層面16、17は、ペインの平面に対して平行である。第1の層面16は、例えば、包囲層15の「底部」とも呼ばれ、第2の層面17は、包囲層15の「上部」とも呼ばれる。包囲層15は、伝導体4の第2の接続領域10にまでは延在しない。例えば、包囲層15は、ポリイミド又はポリエステルでできている。
【0061】
平坦伝導体5は、包囲層15の領域において、円形伝導体6に電気的に接続している。包囲層15の外には、平坦伝導体5のみがあり、これは、電気絶縁材料、例えばポリイミドでできている平面状の絶縁層18(絶縁スリーブ)によって包囲層15の外で被覆されている。包囲層15の外側で絶縁層18によって被覆されている平坦伝導体5は、柔軟である。平坦伝導体5は、包囲層15に固定的に接続されている。
【0062】
図1図3で明らかに認識できるように、包囲層15は、ここでは例えば矩形である、貫通穴部19を有しており、これを通って、両方の層面16、17において、第1の接続領域9の接続表面13及び接触表面14が、アクセス可能(近接可能)になっている。図1は、上方から、接触表面14を描写している。
【0063】
包囲層15の平面にわたって垂直に見たときに、又は、ペイン2の平面にわたって垂直に見たときに、第1の接続領域9が、貫通穴部19内に位置する。貫通穴部19を取り囲んでいる又は画定している壁20が、(包囲層15の平面にわたる垂直な視点において)第1の接続領域9を完全に取り囲んでいる。したがって、第1の接続領域9の領域において、貫通穴部19内には、包囲層15の材料は存在しない。
【0064】
包囲層15の第1の層面16及び第2の層面17の両方に、両面接着テープ21、21´が存在し、これは、それぞれ、貫通穴部19で切り取られており、かつ貫通穴部19をそれぞれ完全に取り囲んでいる。包囲層15は、ペイン面に配置された接着テープ21によってペイン2に接着的に結合している。
【0065】
図2及び図3に描写されているように、平坦伝導体5は、包囲層15内で、接触要素23、例えばクランプ要素によって、円形伝導体6に電気的に接続している。接続部品7が、はんだ付け化合物22によって接続表面13で導電層3にはんだ付けされている。接続部品7は、貫通穴部19から部分的に、ペイン2に対して垂直に、突出している。はんだ付け化合物22は、導電層3へのはんだ付けの前に、接続部品7にすでに取り付けられている。
【0066】
図2に描写されているように、絶縁層18によって取り囲まれている、柔軟な平坦伝導体5が、包囲層15の第1の層面16にわたって誘導されており、貫通穴部19を完全に覆っている。平坦伝導体5は、接着テープ21によって包囲層15に付着している。結果として、第2の層面17における貫通穴部9の耐漏洩性が、達成されうる。反対側では、接着テープ21´によって、包囲層15がペイン2に付着しており、第1の層面16における貫通穴部9の耐漏洩性が達成されている。このようにして、第1の接続領域9が、水の侵入に対して良好に保護される。そのさらなる延在の経路において、平坦伝導体5は、別の接着テープ21´´によってペイン2に付着される。
【0067】
図3は、例えばポリイミドである電気絶縁材料でできている平面状のカバー部品24によって、第1の層面16において貫通穴部が完全に覆われている変形態様を、示している。カバー部品24は、接着テープ21´によって付着している。
【0068】
接続アセンブリ100の製造の間に、接続表面13を、簡便な様式で、導電層3にはんだ付けでき、ここで、はんだ付け具、例えばはんだ付けアイロンを、接触表面14に適用することができる。伝導体4を導電層3にはんだ付けした後で、貫通穴部19を、被覆された平坦伝導体5又は別個のカバー部品24を用いて、封止的に覆うことができる。良好な可視性に起因して、はんだ付けを、高い品質を伴って行うことができ、例えばはんだ付けアイロンなどのはんだ付け具をも用いることができることは、特には、手動のはんだ付けを可能にする。
【0069】
図4は、他の実施態様を示しており、ここでは、平坦伝導体接続要素1が、2つの伝導体4、4´を有しており、平坦伝導体接続要素1は、それ以外では、同様の構造を有する。上記の記載への参照がなされる。2つの貫通穴部19のみが、それぞれ、カバーフラップ25、25´によって覆われている。
【0070】
図5は、本発明に係る接続アセンブリ1を製造するための、本発明に係る方法のフローチャートを描写している。
【0071】
この方法は、少なくとも下記の工程を含む:
(a)その上に適用された導電構造体(3)、特には導電層、を有するペイン(2)を、提供すること、
(b)平坦伝導体接続要素(1)を、ペイン(2)上に配置すること、
(c)伝導体(4)の接続表面(13)を導電構造体(3)にはんだ付けすること、ここで、はんだ付け具、特にははんだ付けアイロンを、接触表面の上に適用する、
(d)包囲層(15)の貫通穴部(19)を覆うこと。
【0072】
上記の記載から、本発明は、平坦伝導体接続要素及び関連する接続アセンブリを利用可能にし、これらによって、包囲層の貫通穴部に起因して、簡便かつ信頼性の高い伝導体のはんだ付けが可能になることがわかる。貫通穴部は、簡便な様式で、封止的に覆われることができる。
本開示は、下記の態様を含む:
<態様1>
ペイン(2)に適用された導電構造体(3)、特には導電層、のための、下記を含む、平坦伝導体接続要素(1):
- 少なくとも1つの伝導体(4、4´)、これは、平坦伝導体(5)を含み、第1の末端部(11)における第1の接続領域(9)及び第2の末端部(12)における第2の接続領域(10)を有し、前記第1の接続領域(9)が、前記導電構造体(3)への電気的接続のための接続表面(13)、及び、はんだ付け具との物理的な接触のための、前記接続表面とは反対側の接触表面(14)、を有する、
- 電気絶縁性材料でできている包囲層(15)、この包囲層は、少なくとも、前記第1の接続領域(9)を含む伝導体部分において、前記伝導体(4)を取り囲んでおり、前記包囲層(15)は、貫通穴部(19)を有しており、この貫通穴部を通って、前記第1の接続領域(9)の前記接続表面(13)及び前記接触表面(14)に近接可能になっており、前記包囲層(15)の平面にわたって垂直な視点において、前記伝導体(4)の前記第1の接続領域(9)が、前記貫通穴部(19)内に位置している。
<態様2>
前記包囲層(15)が、前記ペインに向くことが意図されている層面(17)及び/又は前記ペインとは反対側に向くことが意図されている層面(16)の上に、前記貫通穴部を取り囲む、接着手段(21、21´)、特には接着テープ、を有する、態様1に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
<態様3>
前記接続表面が、それに付着したはんだ付け化合物(22)を有する、態様1又は2に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
<態様4>
前記平坦伝導体(5)が、電気絶縁材料でできている絶縁層(18)によって前記包囲層の外で被覆されており、この被覆された平坦伝導体は、柔軟である、態様1~3のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
<態様5>
前記被覆された平坦伝導体(5)が、前記包囲層の前記貫通穴部が前記絶縁層(18)によって覆われることができるような長さを有する、態様4に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
<態様6>
前記第1の接続領域(9)が、前記平坦伝導体によって形成されている、態様1~5のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)。
<態様7>
前記平坦伝導体(5)が、随意に接続部品(7)を有する円形伝導体(6)に、電気的に接続されており、前記第1の接続領域が、前記円形伝導体によって、又は随意に前記接続部品によって、形成されている、態様1~5のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素。
<態様8>
- その上に適用された導電構造体(3)、特には導電層、を有する、ペイン(2)、
- 態様1~7のいずれか一項に記載の平坦伝導体接続要素(1)、ここで、前記接続表面が、はんだ付けによって前記導電構造体に接続している、
- 前記ペインとは反対側の前記層面の上の、前記包囲層の前記貫通穴部のカバー(18、24)、
を有する、接続アセンブリ(100)。
<態様9>
前記包囲層(15)が、接着手段(21)によって、特には接着テープによって、前記ペインに付着している、態様8に記載の接続アセンブリ(100)。
<態様10>
前記カバーが、絶縁スリーブによって被覆された前記平坦伝導体、又は前記包囲層の上のカバー部品(24)によって形成されている、態様8又は9に記載の接続アセンブリ(100)。
<態様11>
前記カバーが、接着手段(21´)、特には接着テープによって、前記包囲層に付着している、態様10に記載の接続アセンブリ(100)。
<態様12>
下記の工程を有する、態様8~10のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(100)の製造方法:
- その上に適用された導電構造体(3)、特には導電層、を有するペイン(2)、を提供すること、
- 態様1~7のいずれか一項に記載の前記平坦伝導体接続要素(1)を、前記ペインの上に配置すること、
- 前記伝導体の前記接続表面を、前記導電構造体にはんだ付けすること、ここで、はんだ付け具、特にははんだ付けアイロンを、前記接触表面に適用する、
- 前記包囲層の前記貫通穴部を、カバーで覆うこと。
<態様13>
絶縁スリーブによって前記包囲層の外で被覆された前記平坦伝導体を、前記貫通穴部を介して延在させ、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、前記包囲層に付着させる、態様12に記載の方法。
<態様14>
カバー部品を、特には接着手段によって、例えば接着テープによって、前記包囲層に付着させる、態様12に記載の方法。
<態様15>
態様1~10のいずれか一項に記載の接続アセンブリ(100)の使用であって、前記平坦伝導体接続要素の前記伝導体の前記接続表面を、自動車分野における、又は、建築分野における、家具における、家電製品における、若しくは装飾物品における、ペインの導電構造体にはんだ付けするための、使用。
【符号の説明】
【0073】
1 平坦伝導体接続要素
2 ペイン
3 導電層
4、4´ 伝導体
5 平坦伝導体
6 円形伝導体
7 接続部品
8 接着領域
9 第1の接続領域
10 第2の接続領域
11 第1の末端部
12 第2の末端部
13 接続表面
14 接触表面
15 包囲層
16 第1の層面
17 第2の層面
18 絶縁層
19 貫通穴部
20 壁
21、21´、21´´ 接着テープ
22 はんだ付け化合物
23 接触要素
24 カバー部品
25、25´ カバーフラップ

100 接続アセンブリ
図1
図2
図3
図4A
図4B
図5