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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】導体を識別表示する装置
(51)【国際特許分類】
   H01B 13/34 20060101AFI20240508BHJP
   B29C 65/02 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H01B13/34 B
B29C65/02
【請求項の数】 17
(21)【出願番号】P 2022549371
(86)(22)【出願日】2021-02-17
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-04-05
(86)【国際出願番号】 EP2021053866
(87)【国際公開番号】W WO2021165307
(87)【国際公開日】2021-08-26
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】BE2020/05099
(32)【優先日】2020-02-17
(33)【優先権主張国・地域又は機関】BE
(73)【特許権者】
【識別番号】594070612
【氏名又は名称】フェニックス コンタクト ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディートゲゼルシャフト
【氏名又は名称原語表記】Phoenix Contact GmbH & Co.KG
【住所又は居所原語表記】Flachsmarktstrasse 8, D-32825 Blomberg, Germany
(74)【代理人】
【識別番号】100120031
【弁理士】
【氏名又は名称】宮嶋 学
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】イェンス、ルーパート
【審査官】小林 秀和
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-190033(JP,A)
【文献】特開2008-260292(JP,A)
【文献】特開平07-220542(JP,A)
【文献】特開2013-099030(JP,A)
【文献】実開昭50-014582(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01B 13/34
B29C 65/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導体(102)を識別表示する装置(100)において、
長手方向(106)に延びる前記導体(102)を把持するために構成されたグリッパ(104)と、
開放位置にあるときに前記長手方向(106)に対して横向きの第1の横方向(112)で互いに間隔をおく2つのジョー(110)を有する加熱ジョー構造体(108)と、
前記加熱ジョー構造体(108)の第1の側(116)で前記第1の横方向(112)に沿って延びるフィルムテープ(118)を出力(114.2)するための搬送機構(114)と
を含み、前記加熱ジョー構造体(108)と反対を向くほうの前記フィルムテープ(118)のフィルム面(120)を熱によって溶着可能であり、前記加熱ジョー構造体(108)のほうを向く前記フィルムテープ(118)のフィルム面(122)が前記導体(102)の識別表示を有し、及び、前記加熱ジョー構造体(108)が前記開放位置にあるときに前記長手方向(106)に対して横向きかつ前記第1の横方向(112)に対して横向きの第2の横方向(126)に沿って前記グリッパ(104)を動かすために構成されたグリッパ機構(124)を含み、前記グリッパ(104)は把持された前記導体(102)を前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)から2つの前記ジョー(110)の間を通過して、前記導体(102)に当接している前記フィルムテープ(118)を連行しながら、前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)と向かい合う第2の側(128)へと動かし、2つの前記ジョー(110)は閉止位置にあるときに前記第1の横方向(112)で相互に圧力を及ぼして熱を放出するために構成され、前記フィルムテープの溶着可能な前記フィルム面(120)の各区域が前記ジョー(110)の圧力のもとで互いに当接し、又は当接させることが可能であり、識別表示を有する前記フィルムテープを前記導体(102)の周りで周回する閉じた配置にするために前記ジョー(110)の熱が前記区域を溶着し、又は溶着することが可能である、
導体を識別表示する装置。
【請求項2】
前記グリッパ(104)は、第1の把持個所(130)と、前記導体(102)の前記長手方向(106)で前記第1の把持個所(130)から間隔をおく第2の把持個所(132)とを含、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の把持個所(130)と前記第2の把持個所(132)の間の間隔(134)は前記長手方向(106)における前記加熱ジョー構造体(108)の幅(136)よりも広くなっており、前記グリッパ機構(124)は、把持された前記導体(102)を前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)から前記加熱ジョー構造体(108)の前記第2の側(128)へと動かすために、前記第1の把持個所(130)と前記第2の把持個所(132)を前記加熱ジョー構造体(108)の外部で前記加熱ジョー構造体(108)の互いに対向する側をそれぞれ通るように案内する、請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記導体(102)の周りに巻き付けられた前記フィルムテープ(118)を前記導体(102)に押し付けるために前記加熱ジョー構造体(108)の前記第2の側(128)に配置される支持ばね(138)をさらに含む、請求項1から3のいずれか一項に記載の装置。
【請求項5】
前記グリッパ機構(124)は、前記長手方向(106)及び前記第2の横方向(126)に対して平行な平面並びに/又は前記第1の横方向(112)に対して垂直な平面で前記グリッパを案内するために構成される、機械的な案内部(124.2)を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載の装置。
【請求項6】
前記グリッパ機構(124)は、前記グリッパ(104)の経路を規定するために構成されるゲート(140)を含む、請求項1から5のいずれか一項に記載の装置。
【請求項7】
前記経路は次の運動シーケンス、
前記第2の横方向(126)に沿って前記加熱ジョー構造体(108)から離れていく第1の運動、及び/又は
前記長手方向(106)に沿って前記加熱ジョー構造体(108)に近づいていく第2の運動、及び/又は
前記第2の横方向(126)に沿って前記加熱ジョー構造体(108)に近づいていく第3の運動
を含み、該第3の運動は、前記加熱ジョー構造体(108)が前記開放位置にあるときに前記グリッパ(104)が把持された前記導体(102)を前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)から2つの前記ジョー(110)の間を通過して前記加熱ジョー構造体(108)の前記第2の側(128)へと動かす運動を含む、
請求項6に記載の装置。
【請求項8】
前記グリッパ(104)の前記第1の把持個所(130)は前記長手方向(106)へ可動に支承されるとともに第1のストッパ斜面(154)を含み、前記装置(100)は、前記加熱ジョー構造体(108)が前記開放位置にあるときに前記グリッパ(104)が把持された前記導体(102)を前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)から2つの前記ジョー(110)の間を通過して前記加熱ジョー構造体(108)の前記第2の側(128)へと動かすときに、前記長手方向(106)で前記第2の把持個所(132)から離れていく前記第1の把持個所(130)の運動のために前記第1のストッパ斜面(154)と協同作用するために配置された第2のストッパ斜面(156)をさらに含む、請求項2又は3に記載の装置。
【請求項9】
前記グリッパ(104)は
前記運動シーケンスの前及び/若しくは前記第1の運動の前に識別表示されるべき前記導体(102)を引き取るために構成され、並びに/又は、
前記運動シーケンスの後に前記運動シーケンスの反転した経路を通過させるために、及び/若しくは前記第1の運動の反転後に識別表示された前記導体(102)を離すために、構成される、
請求項7に記載の装置。
【請求項10】
前記加熱ジョー構造体(108)の前記第1の側(116)で溶着された区域を同一平面上で切断するカッター(148)をさらに含む、請求項1から9のいずれか一項に記載の装置。
【請求項11】
前記フィルムテープ(118)の前記搬送機構(114)は、前記フィルムテープ(118)の運動方向を座屈なしに、及び/又は歪みなしに、前記長手方向(106)から前記第1の横方向(112)へと方向転換させるために構成された方向転換ユニット(114.3)をさらに含む、請求項1から10のいずれか一項に記載の装置。
【請求項12】
前記フィルムテープ(118)の前記搬送機構(114)は案内通路を有する方向転換ユニット(114.3)をさらに含み、該案内通路は第1の湾曲区域で、前記長手方向(106)及び前記第1の横方向(112)に対して平行である第1の平面から前記第2の横方向(126)へと湾曲し、第2の湾曲区域で、前記第1の平面に対して平行であるとともに前記第2の横方向(126)でオフセットされた第2の平面に連通する、請求項1から11のいずれか一項に記載の装置。
【請求項13】
前記搬送機構(114)に沿って前記フィルムテープ(118)の巻き出し機と前記方向転換ユニット(114.3)との間で、前記加熱ジョー構造体(108)のほうを向いている前記フィルムテープ(118)の前記フィルム面(122)に前記導体(102)の識別表示を印刷するために配置されたプリンタ(150)をさらに含む、請求項11又は12に記載の装置。
【請求項14】
前記グリッパ(104)は前記第1の把持個所(130)及び/又は前記第2の把持個所(132)にそれぞれ、
共通の旋回軸(168)を中心として旋回運動可能な2つの把持フィンガ(166)を含
請求項2、3及び8のいずれか一項に記載の装置。
【請求項15】
前記グリッパ(104)は前記第1の把持個所(130)及び/又は前記第2の把持個所(132)にそれぞれ、
シリンダ(172)の中で直線運動可能な連行体(170)をさらに含み
記連行体(170)は2つの長孔(170.1)を有し
記長孔(170.1)の各々の中に、前記連行体(170)の直線運動を前記把持フィンガ(166)の旋回運動に変換するために、前記把持フィンガ(166)のうちの1つのピン(166.1)が配置される、
請求項14に記載の装置。
【請求項16】
前記グリッパ(104)は前記第1の把持個所(130)及び/又は前記第2の把持個所(132)にそれぞれ、
引張ケーブル(162.1)と、前記引張ケーブル(162.1)を長手方向運動可能に収容する、前記引張ケーブル(162.1)の延在方向に圧縮強さの高いスリーブ(162.2)とを有するボーデンワイヤ(162)をさらに含み、前記引張ケーブル(162)の端部(162.3)は高い引張強さで前記連行体(170)と結合され、前記スリーブ(162.2)は前記シリンダ(172)に高い圧縮強さで支持され
請求項15に記載の装置。
【請求項17】
各々の前記ピン(166.1)の軌跡と前記長孔(170.1)の向きとの間の角度(170.3)は、前記把持フィンガ(166)が開放位置にあるときに30°~60°であり、及び/又は各々の前記ピン(166.1)の軌跡と前記長孔170.1の向きとの間の角度(170.2)は、前記把持フィンガ(166)が閉止位置にあるときに80°~100°であ、請求項15又は16に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、導体を識別表示する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
スイッチボックスの中では、たとえばケーブルなどの導体の両端部が位置識別表示などの情報を備えているのがよく、それは、それぞれの端部がセットアップの際にスイッチボックスの中でどこに接続されるべきか、あるいは設備変更後にどこに接続されるべきかを、一義的に識別できるようにするためである。そのために、通常は手作業でのマーキングの装着を内容とする、一連の多様なマーキングソリューションが存在する。
【0003】
たとえば従来技術では、印刷されて透明な被覆により手作業でケーブルに取り付けられるプラスチックラベルが普及している。別の周知の文字表記技術は、導体へ直接的に印刷を行っている。
【0004】
独国特許発明第19747663号明細書(DE19747663C2)は、識別表示ラベルに文字表記をする携帯可能な装置を記載している。独国特許発明第19738485号明細書(DE19738485C2)も、帯状のプラスチック材料から、すなわち専門業界用語ではワイヤマークフィルムとも呼ばれるフィルムテープから、識別表示ラベルを製作する方法を記載している。熱転写印刷でフィルムの上面に文字表記可能である。下面は接着層を有している。フィルムがケーブルの周りに巻かれ、引き続き加熱部材によって熱が注入され、それによってフィルムの接着剤が接触個所で液化する。引き続いて接着剤が再び硬化するまで、接着個所が一時的に圧縮されたまま保たれなければならない。
【0005】
上述した文字表記技術の欠点は、反復される操作のための高い人的コストにある。導体が最初に作成され、次いで、文字表記をする装置へ個別に手作業で供給されて、取り出されなければならないからである。
【0006】
ケーブルの作成のために、すなわち正しい長さでの切断及び場合によりケーブル端部の加工のために、完全自動式の装置が存在している。このような作成装置については、インクジェットプリンタ又はマーキングレーザを用いて、ケーブル端部に直接的に文字表記がなされるマーキングモジュールが存在する。さらに米国特許第5444466号明細書(US5444466)は、導体の絶縁部に直接的に印刷が行われる、複合型の文字表記と裁断を記載している。フィルムテープを印刷し、巻き付けて溶着する従来式の識別表示装置は、このような作成装置のマーキングモジュールのために意図されるよりも広い設計スペースを必要とする。
【0007】
導体を自動式に作成する装置がすでに存在しているのであるから、最終的に文字表記された端部を有する作成されたケーブルを完全自動式に生産できるように、作成装置に統合可能である技術を追求する価値がある。
【0008】
しかしながら、導体を作成する装置のための既存の文字表記テクノロジーは、さまざまな欠点を有している。たとえば導体が直接的に印刷される場合、読みやすさは導体の色に強く依存する。さらに、たとえばインクジェット印刷の場合、導体の表面湾曲に基づいて字面がしばしば汚くなる。たとえばレーザ彫刻などの別の印刷技術も、あらゆる導体に適用可能なわけではない。さらに導体への直接的な文字表記は、導体が切断されたときに、印刷されている情報が失われるという欠点を有する。印刷の向きを変えることもできず、文字表記可能性は導体の外装材料に依存する。
【0009】
上述したワイヤマークテクノロジーは、導体への直接的な印刷の文字表記結果に関しては確かに優れている。しかしながら、導体を作成する装置に統合することができるモジュールは存在しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【文献】独国特許発明第19747663号明細書
【文献】独国特許発明第19738485号明細書
【文献】米国特許第5444466号明細書
【発明の概要】
【0011】
したがって本発明の課題は、導体を作成する装置に統合可能な、導体を識別表示するための技術を提供することにある。代替的な、若しくはさらに特別な課題は折り目なく密着して当接する、導体への識別表示をするための技術を提供することにある。
【0012】
この課題又はこれらの課題は、独立請求項の構成要件によって解決される。本発明の好都合な実施形態及び好ましい発展例は、従属請求項に記載されている。
【0013】
以下において、本発明の実施例について部分的に図面を援用しながら説明する。
【0014】
1つの態様では、導体を識別表示する装置は、長手方向に延びる導体を把持するため(たとえば保持するため)に構成されたグリッパを含む。さらに本装置は、開放位置にあるときに長手方向に対して横向きの第1の横方向で互いに間隔をおく2つのジョーを有する加熱ジョー構造体を含む。さらに本装置は、加熱ジョー構造体の第1の側で第1の横方向に沿って延びるフィルムテープを出力するための搬送機構を含む。加熱ジョー構造体と反対を向くほうのフィルムテープのフィルム面を、熱によって溶着可能である。加熱ジョー構造体のほうを向くフィルムテープのフィルム面は、導体の識別表示を有する。さらに本装置は、加熱ジョー構造体が開放位置にあるときに長手方向に対して横向きかつ第1の横方向に対して横向きの第2の横方向に沿ってグリッパを動かすために構成されたグリッパ機構を含み、グリッパは把持された導体を加熱ジョー構造体の第1の側から2つのジョーの間を通過して、導体に当接しているフィルムテープを連行しながら、加熱ジョー構造体の第1の側と向かい合う第2の側へと動かす。2つのジョーは閉止位置にあるとき、第1の横方向で相互に圧力を及ぼして熱を放出するために構成され、このときフィルムテープの溶着可能なフィルム面の各区域がジョーの圧力のもとで互いに当接し、又は当接させることが可能であり、識別表示を有するフィルムテープを導体の周りで周回する閉じた配置にするためにジョーの熱が各区域を溶着し、又は溶着することが可能である。
【0015】
グリッパが導体を2つのジョーの間を通過するように、導体に当接しているフィルムテープを連行しながら、加熱ジョー構造体の第1の側と向かい合う第2の側へと動かすことによって、本装置の実施例は、フィルムテープを加熱ジョーそのものによって導体の周りに巻き付けるので、後続する加熱ジョー構造体の閉止により、導体に巻き付けられたフィルムテープが折り目なく密着して導体に当接するように溶着される。本装置の上記の実施例又は別の実施例は、たとえばフィルムテープを巻き付けるための追加の機構なしに、及び/又はそのコンパクトな設計形態に基づいて、導体を作成する装置に統合可能であり得る。
【0016】
ここで「把持する」(又は「把持すること」)は、「把持されたまま保つ」(又は「把持されたまま保つこと」)によって具体化されていてよい。
【0017】
ここで「導体」とは、電気的及び/又は電磁的な、たとえば光学的な、導体であってよい。導体は、電荷、電流、電圧、及び/又は光を導通するために構成されていてよい。導体は、1つ又は複数の絶縁部を含むことができる。導体は、電気的及び/又は電磁的な、たとえば光学的な導通のためにそれぞれ構成される、1つの心線又は互いに絶縁された複数の心線を含むことができる。
【0018】
識別表示は、絶縁部の周りを周回するように閉じて配置されていてよく、又は配置可能であってよい。
【0019】
本装置は、ここに開示されている各々のステップを、又は開示されている方法を、又は開示されている機能を、制御又は調節するために構成される1つ又は複数の制御部を含むことができる。たとえば本装置は、1つ又は複数の制御部によって制御される、ここに開示されている(たとえばグリッパ機構や搬送機構の)各々の運動を駆動するために構成された1つ又は複数のアクチュエータを含むことができる。
【0020】
さらに本装置は、1つ又は複数のセンサを含むことができる。1つ又は複数のセンサは、(たとえばグリッパ機構や搬送機構の)状態及び/若しくは位置を検出するために、並びに/又は(たとえば導体の)位置及び/若しくはサイズを測定するために、1つ又は複数の制御部と信号接続され得る。
【0021】
本装置は、導体の直径又は円周を(たとえば導体の絶縁部を含めて)測定するためのセンサを含むことができる。制御部は、加熱ジョー構造体の第1の側で第1の横方向に沿って延びるフィルムテープを出力するために搬送機構のアクチュエータを制御して、溶着される区域のずれを最小化若しくは回避するために、及び/又は(たとえば溶着に引き続いて切断がなされるケースで)切り残しを最小化若しくは回避するために、構成されていてよい。たとえばフィルムテープの送りが、導体の測定された円周又は直径に比例していてよい。
【0022】
長手方向及び/又は第1の横方向は、水平方向(すなわち重力に対して横向き又は垂直)であってよい。第2の横方向は垂直方向(すなわち重力に対して平行)であってよい。
【0023】
グリッパ機構は、グリッパによって把持された導体が加熱ジョー構造体の第1の側に配置される第1の位置から(好ましくは、フィルムテープが加熱ジョー構造体の第1の側に導体と加熱ジョー構造体との間で第1の横方向へ延びている間に)、グリッパによって把持された導体が加熱ジョー構造体の第1の側と向かい合う第2の側に配置される第2の位置へと、グリッパを動かすために構成されていてよい。
【0024】
第1の位置では、グリッパによって把持された導体が、加熱ジョー構造体の第1の側で、加熱ジョー構造体の開放位置にある2つのジョーの間の間隙と一直線上に並んでいてよい。
【0025】
搬送機構は、長手方向に対して平行かつ第1の横方向に対して平行な平面でフィルムテープを提供するために構成されていてよい。フィルムテープの幅(すなわち長手方向におけるフィルムテープのサイズ)は、長手方向におけるジョーの幅よりも短いか、又はこれに等しくてよい。
【0026】
本装置は、導体を作成する装置に組み込まれていてよく、若しくは組込み可能であってよい。
【0027】
グリッパは、第1の把持個所と、導体の長手方向で第1の把持個所から間隔をおく第2の把持個所とを含むことができる。各々の把持個所は、導体の長手方向に対して横向きに導体を把持するために構成されていてよい。
【0028】
このグリッパはダブルグリッパと呼ぶこともできる。任意選択として、さらにグリッパは、第1の把持個所と第2の把持個所との間で導体をクランプするために構成されていてよい。
【0029】
導体の長手方向に対して横向きでの把持は、(たとえば円筒状の導体に関して)径方向での把持と呼ぶことができる。グリッパは径方向グリッパであってよい。
【0030】
グリッパは、相互に旋回運動可能な2つの把持フィンガを含むことができ、好ましくは、各々の把持個所にそれぞれ1組の把持フィンガを含むことができる。各々の把持個所は、それぞれ異なるフォークの2つの把持フィンガの端部(フォーク端部とも呼ぶ)を含むことができる。把持フィンガは第2の横方向に延びることができる。その代替又は補足としてフォーク端部は、フォークが旋回運動したときに、又はフォークの旋回運動に基づいて、第1の横方向に可動であってよい。
【0031】
グリッパ機構は、把持された導体を加熱ジョー構造体の第1の側から第2の側へと動かすために、ジョーの互いに対向する側を通るように第1の把持個所と第2の把持個所を案内することができる。
【0032】
第1の把持個所と第2の把持個所の間の間隔は、長手方向における加熱ジョー構造体の幅よりも広くなっていてよい。グリッパ機構は、把持された導体を加熱ジョー構造体の第1の側から加熱ジョー構造体の第2の側へと動かすために、第1の把持個所と第2の把持個所を加熱ジョー構造体の外部で、加熱ジョー構造体の互いに対向する側をそれぞれ通るように案内することができる。
【0033】
さらに本装置は、導体の周りに巻き付けられたフィルムテープを導体に押し付けるために加熱ジョー構造体の第2の側に配置される支持ばねを含むことができる。
【0034】
支持ばねは、第1の横方向で2つのジョーに対して中央に、及び/又は第2の横方向で加熱ジョー構造体の外部の第2の側に、配置されていてよい。
【0035】
導体によって連行されるフィルムテープが、導体の周りに巻き付けられていてよい。ジョーによって溶着されるフィルムテープの区域は、導体の周りに巻き付けられたフィルムテープのそれぞれ反対側の各端部であってよい。支持ばねにより、連行されるフィルムテープを、加熱ジョー構造体と反対を向くほうの導体の側で、導体に当接させることができる。
【0036】
グリッパ機構は、長手方向及び第2の横方向に対して平行な平面並びに/又は第1の横方向に対して垂直な平面でグリッパを案内するために構成される、機械的な案内部を含むことができる。
【0037】
機械的な案内部は、長手方向に対して平行な第1のリニアガイドと、第2の横方向に対して平行に第1のリニアガイドにより担持される第2のリニアガイドとを含むことができ、又は機械的な案内部は、第2の横方向に対して平行な第1のリニアガイドと、長手方向に対して平行に第1のリニアガイドにより担持される第2のリニアガイドとを含むことができる。さらに機械的な案内部は、ゲート及び/又はグリッパ機構のアクチュエータを含むことができる。
【0038】
グリッパ機構は、グリッパの経路を好ましくは平面で規定するために構成されるゲートを含むことができる。この経路は、次の3つの運動を含む運動シーケンスを(好ましくは列挙に準ずる時間的な順序で)含むことができ、又は、これら3つの運動のうち少なくとも1つを含むことができる。グリッパの第1の運動は、第2の横方向に沿って加熱ジョー構造体から離れていくものであってよい。グリッパの第2の運動は、長手方向に沿って加熱ジョー構造体に近づいていくものであってよい。グリッパの第3の運動は、第2の横方向に沿って加熱ジョー構造体に近づいていくものであってよい。第3の運動は、加熱ジョー構造体が開放位置にあるときにグリッパが把持された導体を加熱ジョー構造体の第1の側から2つのジョーの間を通過して加熱ジョー構造体の第2の側へと動かす運動であってよく、又はこれを含む。
【0039】
経路はU字型であってよい。たとえば垂直方向の第2の横方向のもとで、経路は、倒立したU字に相当する。第1の運動の経路区間の長さは、第3の運動の運動区間の長さと同じ長さであってよい。
【0040】
第1の運動のとき、把持された導体は長手方向で加熱ジョー構造体から間隔をおいていてよい。第2の運動のとき、把持された導体は第2の横方向で加熱ジョー構造体から間隔をおいていてよい。第3の運動のとき、把持された導体の1つの区域が第1の把持個所と第2の把持個所との間で加熱ジョー構造体の内部に配置されていてよく、及び/又はフィルムテープに接触することができる。
【0041】
運動シーケンスの間には(すなわち経路に沿って)、及び/又はこれが反転している間には(すなわち戻り経路に沿って)、導体が離されず、引き取られず、及び/又は引き渡されないのが好ましい。この段階でグリッパは(たとえばすべての把持個所又はすべての把持フィンガで)常に閉じたまま保たれるのが好ましく、すなわち、グリッパが導体を離すことはない。
【0042】
グリッパの第1の把持個所は長手方向へ可動に、好ましくは旋回運動可能に、支承されていてよい。グリッパの第1の把持個所は、第1のストッパ斜面を含むことができる。さらに本装置は、加熱ジョー構造体が開放位置にあるときに把持された導体をグリッパが加熱ジョー構造体の第1の側から2つのジョーの間を通過して加熱ジョー構造体の第2の側へと動かすときに、好ましくは長手方向で第2の把持個所から離れていく第1の把持個所の運動のために、第1のストッパ斜面と協同作用するために配置された(たとえば定置の)第2のストッパ斜面を含むことができる。第2のストッパ斜面は、第2の横方向に沿ったグリッパの第3の運動のときに第1のストッパ斜面と協同作用するために配置されていてよい。
【0043】
長手方向で第2の把持個所から離れていく第1の把持個所の運動は、第1の把持個所と第2の把持個所との間で導体のクランプ又は再クランプを可能にすることができる。その代替又は補足として、加熱ジョー構造体が開放位置にあるときに把持された導体をグリッパが加熱ジョー構造体の第1の側から2つのジョーの間を通過して加熱ジョー構造体の第2の側へと動かすときに、長手方向で第2の把持個所から離れていく第1の把持個所の運動によって、把持された導体を直線状に保つことができ、又は弛みなく保つことができる。フィルムテープに押し付けられる導体の撓曲をそれによって低減し、若しくは防止することができる。たとえば、それによって識別表示を折り目なく、又は密着するように、導体に当接させることができる。
【0044】
第1のストッパ斜面は、第2の横方向と長手方向とによって形成される平面で対角線上に延びることができる。第1のストッパ斜面は第2の横方向とともに鋭角をなすことができ、好ましくは10°~45°、たとえば20°~30°の角度をなすことができる。
【0045】
第2のストッパ斜面は、本装置に定置(たとえば固定的又はばね弾性的)に配置されていてよい。たとえば第2のストッパ斜面は、搬送機構に対して定置(たとえば固定的又はばね弾性的)であってよい。
【0046】
第2のストッパ斜面は、第2の横方向と長手方向とによって形成される平面で対角線上に延びることができる。第2のストッパ斜面は、第1のストッパ斜面に対して平行であってよい。その代替又は補足として、第2のストッパ斜面は第2の横方向とともに鋭角をなすことができ、好ましくは10°~45°、たとえば20°~30°の角度をなすことができる。
【0047】
グリッパは、好ましくは制御部及び/又はグリッパ機構のアクチュエータによって、運動シーケンスの前及び/又は第1の運動の前に識別表示されるべき導体を引き取るために、好ましくは別のグリッパから引き取るために、構成されていてよい。その代替又は補足としてグリッパは、好ましくは制御部及び/又はグリッパ機構のアクチュエータによって、運動シーケンスの後に運動シーケンスの反転した経路を通過させるために、及び/又は第1の運動の反転後に識別表示された導体を離すために、好ましくは別のグリッパに引き渡すために、構成されていてよい。
【0048】
別のグリッパは、たとえば導体作成をする装置の出力個所と、導体を識別表示する装置の引取個所及び/又は出力個所との間で、第1の横方向へ直線運動可能であってよい。導体作成をする装置の出力個所で、識別表示された導体が提供されていてよい。本装置の制御部は、たとえば運動シーケンスの前及び/又はグリッパの第1の運動の前に、導体作成をする装置の出力個所で提供される導体を引き取り、導体を識別表示する装置の引取個所へと導体を動かし、グリッパに引き渡すために、別のグリッパを制御するように構成されていてよい。導体を識別表示する装置の引取個所で、グリッパの運動シーケンスを開始することができる。導体を識別表示する装置の出力個所で、グリッパの運動シーケンスの反転を終了することができる。
【0049】
さらに本装置は、加熱ジョー構造体の第1の側で、溶着された区域を同一平面上で切断するために配置されるカッターを含むことができる。
【0050】
カッターは切断刃を含むことができる。カッターは、第1の横方向及び/又は長手方向に沿って、長手方向移動可能又は旋回運動可能であってよい。カッターは、第2の横方向に対して平行な旋回軸を中心として旋回運動可能に配置されていてよい。
【0051】
さらに、フィルムテープの搬送機構は方向転換ユニットを含むことができる。方向転換ユニットは、フィルムテープの運動方向を座屈なしに、及び/又は歪みなしに、長手方向から第1の横方向へと方向転換させるために構成されていてよい。
【0052】
さらにフィルムテープの搬送機構は、フィルムテープの運動方向を座屈なしに、及び/又は歪みなしに、長手方向から第1の横方向へと方向転換させるために構成される方向転換ユニットを含むことができる。
【0053】
方向転換ユニットは、長手方向から第2の横方向へ(たとえば上方に向かって)、及び引き続いて円弧をなすように第1の横方向へ(たとえば水平方向で長手方向を見たとき右方に向かって)、(好ましくは印刷された)フィルムテープを方向転換させるために構成されていてよい。
【0054】
さらに、フィルムテープの搬送機構は案内通路を有する方向転換ユニットを含むことができる。案内通路は第1の湾曲区域で、長手方向及び第1の横方向に対して平行な第1の平面から出て、第2の横方向へと湾曲していてよい。さらに案内通路は第2の湾曲区域で、第1の平面に対して平行かつ第2の横方向でオフセットされた第2の平面へと連通することができる。
【0055】
案内通路は、第1の区域から第2の区域へと連続的に、及び/又は滑らかに、移行することができる。案内通路の第2の平面で、フィルムテープを加熱ジョー構造体の第1の側へと第1の横方向に沿って出力することができる。
【0056】
たとえばフィルムテープは、第1の湾曲区域で第1の水平平面から上方に向かって湾曲して第2の湾曲区域で第2の水平平面へと連通する案内通路の中に延び、第1の水平平面は第2の水平平面よりも低く、フィルムテープは第1の水平平面では後方から前方に向かって延び、第2の水平平面では右から左に向かって延びる。
【0057】
第1の水平平面におけるフィルムテープの印刷された上面は、第2の水平平面における下面である。
【0058】
さらに本装置は、プリンタ、好ましくは熱転写プリンタを含むことができる。プリンタは、搬送機構に沿ってフィルムテープの巻き出し機と方向転換ユニットとの間に配置されていてよく、たとえば、加熱ジョー構造体のほうを向いているフィルムテープのフィルム面に導体の識別表示を印刷するために配置されていてよい。
【0059】
グリッパは、第1の把持個所及び/又は第2の把持個所に、共通の旋回軸を中心として旋回運動可能なそれぞれ2つの把持フィンガを含むことができる。共通の旋回軸は、長手方向に対して平行であってよい。
【0060】
さらにグリッパは、第1の把持個所及び/又は第2の把持個所に、(好ましくはシリンダの中で)直線運動可能な連行体を(たとえばそれぞれ)含むことができる。連行体の直線運動及び/又はシリンダの軸は、第2の横方向に対して平行であってよい。連行体は2つの長孔を有することができる。長孔の向きは、主として第1の横方向に延びることができる。各々の長孔の中に把持フィンガのうちの1つのピンが、連行体の直線運動を把持フィンガの旋回運動に変換するためにそれぞれ配置されていてよい。それぞれの把持フィンガのピンは、それぞれの把持フィンガと統合されて一体的であってよい。
【0061】
その代替又は補足としてグリッパは、第1の把持個所及び/又は第2の把持個所にボーデンワイヤを(たとえばそれぞれ)含むことができる。ボーデンワイヤは、引張ケーブルと、引張ケーブルを長手方向運動可能に収容する、引張ケーブルの延在方向で圧縮強さの高いスリーブとを含むことができる。引張ケーブルの一端が、連行体と高い引張強さで結合されていてよい。スリーブは(好ましくは高い圧縮強さで)シリンダに支持される。
【0062】
連行体は、たとえば引張ケーブルの引張方向に沿って、及び/又は把持フィンガの閉止位置の方向に、復帰ばねによって初期応力をかけられていてよい。復帰ばねはシリンダの中に配置されていてよい。引張ケーブルは復帰ばねの内部に延びることができる。
【0063】
連行体は、シリンダの中で長手方向運動可能に配置されていてよい。その代替又は補足として連行体は、たとえば好ましくはシリンダの中で同軸に配置される、及び/又は第2の横方向に延びる、復帰ばねによって、把持フィンガの閉止位置の方向に初期応力をかけられていてよい。
【0064】
1つ又は各々のピンの軌跡と、(たとえばそれぞれの)長孔の向きとの間の角度は、把持フィンガが開放位置にあるときに30°~60°であってよく、好ましくは約45°であってよい。その代替又は補足として、1つ又は各々のピンの軌跡と、(たとえばそれぞれの)長孔の向きとの間の角度は、把持フィンガが閉止位置にあるときに80°~100°であってよく、好ましくは90°であってよい。
【0065】
次に、図面を参照しながら好ましい実施例を用いて本発明を詳しく説明する。
図面は模式的に次のものを示す。
【図面の簡単な説明】
【0066】
図1】導体を識別表示する装置の実施例を示す平面図である。
図2】導体を識別表示する装置の実施例をフィルム供給の側で示す側面図である。
図3】導体を識別表示する装置の実施例を導体供給の側で示す側面図である。
図4】導体を識別表示する装置の実施例を示す前面図である。
図5】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、グリッパ機構のゲートの実施例を示す斜視図である。
図6図5のゲートの実施例を示す前面図である。
図7】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、グリッパ機構とグリッパの実施例を示す平面図である。
図8図7のグリッパ機構とグリッパの実施例を示す側面図である。
図9図7のグリッパ機構とグリッパの実施例を示す前面図である。
図10】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、グリッパとグリッパ機構の案内部の実施例を示す前面図である。
図11図10のグリッパとグリッパ機構の案内部の実施例を異なる視角で示す図である。
図12図10のグリッパとグリッパ機構の案内部の実施例を異なる視角で示す図である。
図13図10のグリッパとグリッパ機構の案内部の実施例を異なる視角で示す図である。
図14】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、方向転換ユニットを有するフィルムテープの搬送機構の実施例を示す前面図である。
図15図14の方向転換ユニットを有するフィルムテープの搬送機構の実施例を示す平面図である。
図16図14の方向転換ユニットを有するフィルムテープの搬送機構の実施例をフィルム供給の側で示す斜視図である。
図17図14の方向転換ユニットを有するフィルムテープの搬送機構の実施例を導体供給の側で示す斜視図である。
図18図14の方向転換ユニットを有するフィルムテープの搬送機構の実施例を示す、長手方向及び第2の横方向に対して平行な断面図である。
図19】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、方向転換ユニットの実施例を示す平面図である。
図20図19の方向転換ユニットの実施例を示す、長手方向及び第2の横方向に対して平行な断面図である。
図21図19の方向転換ユニットの実施例を示す側面図である。
図22図19の方向転換ユニットの実施例を異なる視角で示す図である。
図23図19の方向転換ユニットの実施例を異なる視角で示す図である。
図24図19の方向転換ユニットの実施例を異なる視角で示す図である。
図25】本装置の各々の実施例で適用可能であり得る、加熱ジョー構造体の実施例を示す斜視図である。
図26図25の加熱ジョー構造体の実施例を示す前面図である。
図27図25の加熱ジョー構造体の実施例を示す平面図である。
図28図25の加熱ジョー構造体の実施例を示す、第1の横方向及び第2の横方向に対して平行な断面図である。
図29】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を示す第1の斜視図である。
図30】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を示す側面図である。
図31】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を示す第2の斜視図である。
図32】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を導体供給の側で示す側面図である。
図33】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を示す平面図である。
図34】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例をストッパ斜面の側で示す側面図である。
図35】各々の実施例で具体化可能であり得る、把持個所の実施例を示す側面図である。
図36】把持個所の実施例を示す前面図である。
図37】把持個所の実施例を示す断面図である。
図38】把持個所の実施例を示す斜視図である。
図39】ストッパ斜面を有するグリッパの実施例を示す前面図である。
【発明を実施するための形態】
【0067】
図1は、全体に符号100が付された、導体102を識別表示する装置の実施例を平面図で示している。図2は、装置100のフィルム供給の側から、装置100の実施例の側面図を示している。図3は、装置100の導体供給の側からの側面図を示している。図4は、装置100の前面図を示している。
【0068】
装置100は、長手方向106に延びる導体102を把持するために構成されたグリッパ104を含んでいる。装置100の加熱ジョー構造体108は、開放位置にあるとき、長手方向106に対して横向きの第1の横方向112で互いに間隔をおく2つのジョー110を含んでいる。
【0069】
さらに装置100は、加熱ジョー構造体108の第1の側116で第1の横方向112に沿って延びるフィルムテープ118を出力114.2するための搬送機構114を含んでいる。
【0070】
搬送機構114は、出力部114.2のほか、フィルムテープ118の運動を駆動する、図2に示す第1のアクチュエータ114.1と、搬送方向でアクチュエータ114.1と出力部114.2との間に配置された方向転換ユニット114.3とを含んでいる。さらに方向転換ユニット114.3に、フィルムテープ118を動かすための第2のアクチュエータ114.4が配置されている。
【0071】
加熱ジョー構造体108と反対を向くほうのフィルムテープ118のフィルム面120を、熱によって溶着可能である。加熱ジョー構造体108のほうを向くフィルムテープ118のフィルム面122は、導体102の識別表示を有している。
【0072】
そのために装置100は、プリンタ150、好ましくは熱転写プリンタを含んでいる。プリンタ150は、搬送機構114に沿ってフィルムテープ118の巻き出し機152と方向転換ユニット114.3との間で、加熱ジョー構造体108のほうを向くフィルムテープ118のフィルム面122に導体102についての識別表示を印刷するために配置されている。
【0073】
さらに装置100は、加熱ジョー構造体108が開放位置にあるときグリッパ104を長手方向106に対して横向きかつ第1の横方向112に対して横向きの第2の横方向126に沿って動かすために構成されたグリッパ機構124を含んでいる。
【0074】
このような運動のとき(たとえば前述した第3の運動のとき)、グリッパ104は把持された導体102を加熱ジョー構造体108の第1の側116から2つのジョー110の間を通過して、導体102に当接するフィルムテープ118を連行しながら、加熱ジョー構造体108の第1の側116に向かい合う第2の側128へと動かす。
【0075】
2つのジョー110は、開放位置と閉止位置の間で長手方向運動可能である。ジョー110は閉止位置にあるとき、第1の横方向112で相互に圧力を及ぼして熱を放出するために構成されており、それにより、ジョー110の間に配置される、導体102に巻き付けられた溶着可能なフィルムテープのフィルム面120の各区域が、ジョー110の圧力のもとで互いに当接して、ジョー110の熱がこれらの区域を互いに溶着する。それにより、識別表示を有するフィルムテープの周回するように閉じた配置が導体102の周りで製作される。
【0076】
装置100の実施例は、導体102を作成する装置(たとえば自動式のケーブル作成をするための機械)に統合可能である。統合をするために、作成をする装置の出力個所と、作成された導体102を引き取る、装置100の引取個所との間で、第1の横方向112に直線運動可能である別のグリッパ174が設けられていてよい。
【0077】
このとき方向転換ユニット114.3に基づき、作成をする装置の出力個所と装置100の引取個所との間の経路をプリンタ150が遮ることがなく、若しくは、プリンタ150の長さと巻き出し機152の分だけ長くすることがないという特別な利点がある。
【0078】
装置100の1つの実施例(たとえば図示している実施例)は、既存のワイヤマークフィルムをフィルムテープ118として利用する。装置100のこの実施例は、フィルム118の保持部としての巻き出し機152と、熱転写プリンタ150と、フィルム118のフィルム案内とフィルム方向転換をするための搬送機構114と、グリッパ164と、フィルム118を巻き付けるための当接面をさらに含む溶着ユニットとしての加熱ジョー構造体108とを含んでいる。
【0079】
装置100は、分離カッター148と、これに付属する、第2の横方向126に対して平行の旋回軸を中心として分離カッターを旋回させるアクチュエータ148.1とをさらに含むのが好ましい。
【0080】
装置100の各実施例は、第1の横方向112における装置100の設計スペースの幅を特別に小さく抑えることができる。小さい幅が重要であるのは、作成をするさまざまな多くの装置の外部又は内部で装置100を利用できるようにし、それに伴って、可能な限り少ないスペースしか必要ないようにするためである。したがってプリンタ150を、溶着ユニットとしての加熱ジョー構造体108のすぐ隣に配置することはできない。したがってフィルム118を90°だけ方向転換させなければならない。そのために方向転換ユニット114.3が設計されている。
【0081】
文字表記されるべき導体102(たとえば文字表記されるべきケーブル)は、グリッパ104により2つの把持個所130及び132で保持され、フィルム118によって押圧され、それによってフィルムが導体102に巻かれる。図4に示すグリッパ104の第1の把持個所130と第2の把持個所132との間の間隔134は、長手方向106における加熱ジョー構造体108の幅136よりも広くなっており、それは、開放位置から閉止位置へのジョー110の運動をグリッパ104が遮らないようにするためである。むしろ導体102は閉止位置のとき、第1の把持個所130と第2の把持個所132において、加熱ジョー構造体108の外部で把持される。
【0082】
導体102の下方に、たとえば加熱ジョー構造体108の前述した第2の側に、支持ばね138がある。支持ばね138は、フィルム118を導体102に密着して巻くために構成されたばね部材である。
【0083】
装置100の各実施例は、ワイヤマークテクノロジーの既存の卓上機器と比べたとき、導体102の上でのフィルム118すなわち識別表示の固着を、パラメータの設定によって規定するという可能性を提供するという利点がある。パラメータは、たとえばデータインターフェースを通じて、又は装置100のキーボードを通じて、制御部に伝送することができ、又は入力することができる。
【0084】
たとえば既存の卓上機器では、フィルムは導体の周りに巻かれる前に折りたたまれ、そのようにして平坦な文字表記面を得るが、そのためフィルムがぴったりと、又は周回するように、導体に当接するわけではない。識別表示をする装置100の各実施例は、たとえば独国特許発明第19738485号明細書に記載されている2回折りたたまれた識別表示とは一線を画し、フィルム118を導体102の全周に巻く。
【0085】
溶着ジョー110が互いに近づくように移動して、フィルム118を溶着する。ジョー110はそれぞれ1つの溶着セラミックを含むのが好ましい。溶着セラミックは振り子運動をするように支承されていてよく、それにより、ジョー110の表面が自ずから互いに平行にアライメントされる。
【0086】
装置100の第1の態様(たとえば実施例の第1の態様)では、制御部は溶着ジョー110を突き合わせたまま(すなわち閉止位置で)冷却させて、接着剤の冷却プロセス中にフィルム118を離れないように保つ。
【0087】
装置100の第2の態様(たとえば実施例の第2の態様)では、制御部は溶着ジョー110を温度(たとえば接着剤の融点を上回る温度)に恒常的に保つ。ジョー110が一時的にのみ接近するように移動して、溶着可能なフィルム面120の接着剤を液化する。引き続いて、ジョー110がただちに再び離れるように移動する。各々の加熱ジョー110にばね部材が配置され、このばね部材が、溶着ジョー110がすでに移動して若干離れているときにも、フィルム118の各区域を中央で互いに圧着する。
【0088】
この第2の態様は、第1の態様に比べてサイクル時間を短縮することができる。
【0089】
加熱されるべきジョー110の質量が十分に小さいとき、及び/又は加熱部材がジョー110の表面に直接組み込まれているとき、第1の態様は、設計的にいっそう少ないコストで同等のサイクル時間を実現することができる。
【0090】
引き続いて分離カッター148が繰り出されて、フィルムを裁断する。分離カッターは、刃の均等な摩減を保証するために、斜めにフィルムを通るように進行する。
【0091】
図5及び図6は、グリッパ104の運動シーケンスの経路を1つの平面で規定するゲート140を示している。ゲート140は、案内溝142と、案内溝の経路をグリッパ機構124へと伝達するローラ144とを含んでいる。グリッパ機構124のアクチュエータ124.1が、ゲート140の旋回駆動部146を介して運動シーケンスを駆動する。
【0092】
図7は、装置100の各々の実施例で適用可能であり得る、グリッパ104及びグリッパ機構124の実施例の平面図を示している。図8及び図9は、図7のグリッパ及びグリッパ機構の実施例の側面図及び前面図を相応に示している。
【0093】
グリッパ機構124は、アクチュエータ124.1と、1つの平面におけるグリッパ機構124の案内部124.2とを含んでいる。
【0094】
図10は、装置100の各々の実施例で適用可能であり得る、グリッパ104及びグリッパ機構124の案内部124.2の実施例の前面図を示している。案内部124.2は、長手方向106及び第2の横方向126における2つの線形の自由度を有している。この平面の内部で、ゲートの案内溝142がグリッパ104の経路を規定する。
【0095】
図11図13は、図10のグリッパ104及びグリッパ機構124の案内部124.2の実施例を、異なる視点から見た図を示している。ここには案内部124.2の2つの自由度と、グリッパ104のアクチュエータ104.1とが示されている。
【0096】
図14は、装置100の各々の実施例で適用可能であり得る、方向転換ユニット114.3を有するフィルムテープ118の搬送機構114の実施例の前面図を示している。図15は、図14の搬送機構114の実施例の平面図を示している。図16は、フィルム供給側での斜視図を示しており、すなわち前景の巻き出し機152を含めて示しており、図17は、導体供給側での斜視図を示しており、すなわち前景の出力部114.2を含めて示している。
【0097】
図18は、長手方向106及び第2の横方向126に対して平行に、搬送機構114の実施例の断面図を示している。方向転換ユニット114.3の前では、印刷されたフィルム面122が図18では上にある(又は、プリンタ150の前では印刷可能なフィルム面122が上にある)。方向転換ユニット114.3の後では、印刷されたフィルム面122が下にある(これは図18の切断平面の外部にある)。
【0098】
図19図20、及び図21は、装置100の各々の実施例で適用可能であり得る、方向転換ユニット114.3の実施例の平面図、断面図、及び側面図を示している。
【0099】
方向転換ユニット114.3は、フィルムテープ118の運動方向を座屈なしに、及び/又は歪みなしに、長手方向106から第1の横方向112へと方向転換させるために構成されている。図20に示すように、方向転換ユニット114.3は、第1の湾曲区域で、長手方向106及び第1の横方向112に対して平行である第1の平面から、第2の横方向126へと湾曲し、第2の湾曲区域で、第1の平面に対して平行であるとともに第2の横方向126でオフセットされた第2の平面に連通する案内通路を含んでいる。図22図24は、図19図21の方向転換ユニット114.3の実施例の図を異なる視点から示している。
【0100】
図25図26図27、及び図28は、装置100の各々の実施例で適用可能であり得る、加熱ジョー構造体108の実施例の斜視図、前面図、平面図、及び断面図を示している。フィルム118は、図25に図示するように、加熱ジョー構造体108の第1の側で第1の横方向112で搬送機構114から出力される。加熱ジョー110は加熱ジョー支持体160の上で、開放位置と閉止位置との間で線形に可動である。
【0101】
図29図34は、第1のストッパ斜面154を有するグリッパ104の実施例の図を示している。図39に示すように、グリッパ104の実施例の前面図では、グリッパ104の第1の把持個所130は長手方向106に旋回運動可能なように支承されるとともに、第1のストッパ斜面154を有している。図示した実施例では装置100は、グリッパ104が把持された導体102を加熱ジョー構造体108の開放位置のときに加熱ジョー構造体108の第1の側116から2つのジョー110の間を通過して加熱ジョー構造体108の第2の側128へと動かすときに、すなわち第2の横方向126に沿ったグリッパ104の第3の運動のときに、第1のストッパ斜面154と協同作用して、第1の把持個所130を長手方向106で第2の把持個所132から離れるように旋回運動させるために配置された第2のストッパ斜面156をさらに含んでいる。
【0102】
ストッパ斜面154及び156の協同作用に基づき、グリッパ104の第1の把持個所130が偏向して、第1の把持個所132との間隔を当初の間隔134と比べて拡大する。それにより、把持された導体102が第3の運動中に、たとえば導体102に巻き付けられるフィルム118のせん断力に抗して、張力をかけられた状態に保たれる。
【0103】
第1のストッパ斜面154は、旋回運動可能に支承された第1の把持個所130の旋回軸のところに、又はその近傍に、座屈個所158.1を有する板ばね158の自由端であるのが好ましい。第3の運動中にストッパ斜面154及び156が協同作用することで、第1の把持個所130が板ばね158の応力(又はトルク)に抗して偏向する。
【0104】
板ばね158に基づき、グリッパ104の第1の把持個所130が当初の間隔134へと再び戻る。
【0105】
図35図36図37、及び図38は、装置100の各々の実施例で具体化可能であり得る、グリッパ104の第1の把持個所130又は第2の把持個所132の実施例の側面図、前面図、断面図、及び斜視図を示している。
【0106】
各々の把持個所130及び/又は132は、共通の旋回軸168を中心として旋回運動可能な2つの把持フィンガ166を含んでいる。共通の旋回軸168は長手方向106と平行である。さらにグリッパ104は、第1の把持個所130及び/又は第2の把持個所132に、シリンダ172の中で直線運動可能な連行体170をそれぞれ含んでいる。連行体170の直線運動は第2の横方向126と平行である。連行体170は2つの長孔170.1を有している。長孔170.1の向きは、主として第1の横方向112に延びている。
【0107】
長孔170.1の各々の中に、連行体170の直線運動が把持フィンガ166の旋回運動に変換されるように、2つの把持フィンガ166のうちの1つのピン166.1が配置されている。
【0108】
さらに、グリッパ104は第1の把持個所130及び/又は第2の把持個所132に、引張ケーブル162.1と、引張ケーブル162.1を長手方向運動可能に収容する、引張ケーブル162.1の延在方向に圧縮強さの高いスリーブ162.2とを有するボーデンワイヤ162をそれぞれ含んでいる。
【0109】
引張ケーブル162の端部162.3は、高い引張強さで連行体170と結合されている。スリーブ162.2は高い圧縮強さでシリンダ172と結合され、又はそこで支持される。
【0110】
連行体170は、引張ケーブル162.1の引張方向と反対向きに、及び/又は把持フィンガ166の閉止位置の方向で、復帰ばね164によって初期応力をかけられる。さらに、復帰ばね164はシリンダ172の中に配置されており、引張ケーブル162.1は復帰ばね164の中に延びている。
【0111】
図37の上方に、図37の拡大部分図が示されている。そこには点線として、(例示として左側の)ピン166.1の軌跡が図示されている。把持フィンガ166が開放位置にあるとき、各々のピン166.1の軌跡と長孔170.1の向きとの間の角度170.3は、30°~60°、好ましくは約45°であってよい。各々のピン166.1の軌跡と長孔170.1の向きとの間の角度170.2は、把持フィンガ166が閉止位置にあるときには80°~100°、好ましくは90°であってよい。
【0112】
それにより、連行体170の直線運動から把持フィンガ166の旋回運動への変換によって、閉止位置での把持フィンガ166の保持力を高めることができる。このことは、フィルム118の巻き付けのときに導体102が、識別表示の折り目のない密着した当接のために撓曲しないことに、若しくはさほど撓曲しないことに、(たとえばストッパ斜面154及び156の代替又は補足として)寄与することができる。
【0113】
例示としての実施例に関して本発明を説明してきたが、さまざまな改変を行うことができ、代替として等価物を利用できることが当業者には明らかである。さらに、特定の状況や特定の材料を本発明の教示に合わせて適合化するために、数多くの改変を行うことができる。したがって本発明は、開示されている実施例だけに限定されるものではなく、添付の特許請求の範囲の範囲に該当する一切の実施例を含む。
【符号の説明】
【0114】
100 装置
102 導体
104 グリッパ、好ましくは径方向グリッパ
104.1 グリッパのアクチュエータ
106 長手方向
108 加熱ジョー構造体、溶着ユニットとも呼ぶ
110 加熱ジョー構造体のジョー
112 長手方向に対して横向きの第1の横方向
114 フィルムテープの搬送機構
114.1 搬送機構の第1のアクチュエータ
114.2 フィルムテープの出力部
114.3 搬送機構の方向転換ユニット
114.4 搬送機構の第2のアクチュエータ
116 加熱ジョー構造体の第1の側
118 フィルムテープ、フィルムとも呼ぶ
120 フィルムテープの溶着可能なフィルム面、又は加熱ジョー構造体と反対を向くほうのフィルム面
122 フィルムテープの識別表示を有しているフィルム面、又は加熱ジョー構造体のほうを向くフィルム面
124 グリッパ機構
124.1 グリッパ機構のアクチュエータ
124.2 好ましくは1つの平面でのグリッパ機構の案内部
126 長手方向及び第1の横方向に対して横向きの第2の横方向
128 加熱ジョー構造体の第2の側
130 グリッパの第1の把持個所
132 グリッパの第2の把持個所
134 第1及び第2の把持個所の間隔
136 長手方向における加熱ジョー構造体の幅
138 支持ばね
140 ゲート
142 ゲートの案内溝
144 ゲートのローラ
146 ゲートの旋回駆動部
148 カッター、分離ユニット又は分離カッターとも呼ぶ
148.1 カッターのアクチュエータ
150 プリンタ、好ましくは熱転写プリンタ
152 フィルムテープの巻き出し機
154 第1のストッパ斜面、好ましくは板ばねの自由端
156 第2のストッパ斜面、好ましくは定置のスクレーパ
158 板ばね
158.1 板ばねの座屈個所
160 加熱ジョー支持体
162 グリッパのワイヤ構造、好ましくはボーデンワイヤ
162.1 ボーデンワイヤの引張ケーブル
162.2 ボーデンワイヤのスリーブ
162.3 引張ケーブルの端部
164 グリッパの復帰ばね
166 グリッパの把持フィンガ
166.1 把持フィンガのピン
168 旋回運動可能な把持フィンガの共通の旋回軸
170 連行体
170.1 連行体の長孔
170.2 グリッパの開放位置での角度
170.3 グリッパの閉止位置での角度
172 シリンダ
174 別のグリッパ
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