(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】低減したルーティング線抵抗を有する大型パネルディスプレイ
(51)【国際特許分類】
G09F 9/30 20060101AFI20240508BHJP
H10K 59/12 20230101ALI20240508BHJP
H10K 59/131 20230101ALI20240508BHJP
【FI】
G09F9/30 338
H10K59/12
H10K59/131
(21)【出願番号】P 2022554316
(86)(22)【出願日】2021-02-26
(86)【国際出願番号】 US2021019986
(87)【国際公開番号】W WO2021194689
(87)【国際公開日】2021-09-30
【審査請求日】2022-09-08
(32)【優先日】2021-01-07
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2020-03-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】503260918
【氏名又は名称】アップル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】Apple Inc.
【住所又は居所原語表記】One Apple Park Way,Cupertino, California 95014, U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100067013
【氏名又は名称】大塚 文昭
(74)【代理人】
【識別番号】100086771
【氏名又は名称】西島 孝喜
(74)【代理人】
【識別番号】100139712
【氏名又は名称】那須 威夫
(74)【代理人】
【識別番号】100121979
【氏名又は名称】岩崎 吉信
(72)【発明者】
【氏名】小野 晋也
(72)【発明者】
【氏名】リン チン-ウェイ
(72)【発明者】
【氏名】松平 暁
(72)【発明者】
【氏名】チャン ジウン-ジェ
(72)【発明者】
【氏名】ホアン ユン イェン
(72)【発明者】
【氏名】チャン ペイ-エン
(72)【発明者】
【氏名】キットソンブーンロハ ラングロット
(72)【発明者】
【氏名】リー スー-シエン
【審査官】中村 直行
(56)【参考文献】
【文献】米国特許出願公開第2020/0083309(US,A1)
【文献】特開2018-093082(JP,A)
【文献】特開2008-216975(JP,A)
【文献】国際公開第2013/069234(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 9/00 - 9/46
H05B 33/00 - 33/28
H05B 44/00
H05B 45/60
H10K 50/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイドライバ信号を生成するように構成されたディスプレイドライバ回路と、
アクティブ領域内の基板上に形成された複数の画素であって、前記複数の画素内の各画素が、
前記基板上に形成されたシリコントランジスタを含み、前記シリコントランジスタが、第1のゲート金属層に形成されたゲート導体を含み、前記シリコントランジスタの前記ゲート導体が、第1の抵抗を有する、
シリコントランジスタと、
前記シリコントランジスタの上に形成された半導体酸化物トランジスタであって、前記半導体酸化物トランジスタが、第3のゲート金属層に形成されたゲート導体を含み、前記半導体酸化物トランジスタの前記ゲート導体が、第2の抵抗を有する、半導体酸化物トランジスタと、
を含む複数の画素と、
前記シリコントランジスタの前記ゲート導体の上と前記半導体酸化物トランジスタの前記ゲート導体の上に形成された制御線であって、前記ディスプレイドライバ回路から生成された前記ディスプレイドライバ信号を前記アクティブ領域内の前記複数の画素のうちの少なくとも2つの前記シリコントランジスタの前記ゲート導体に提供するように構成されており、
前記第1の抵抗よりも低くかつ前記第2の抵抗よりも低い第3の抵抗を有する材料を使用して第1のソース-ドレイン層に形成されている、制御線と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項2】
前記複数の画素内の各画素が、前記第1のゲート金属層に形成された第1の端子を有するコンデンサを更に含む、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項3】
前記コンデンサが、前記第1のゲート金属層の上の第2のゲート金属層に形成された第2の端子を更に含む、請求項2に記載のディスプレイ。
【請求項4】
前記アクティブ領域内の前記複数の画素のうちの前記少なくとも2つの前記コンデンサの前記第2の端子にルーティングされた追加の制御線を更に含み、前記追加の制御線が、前記第3の抵抗を有する前記材料を使用して前記第1のソース-ドレイン層に形成されている、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項5】
前記複数の画素内の各画素が、
前記半導体酸化物トランジスタの前記ゲート導体の上に形成された追加の制御線であって、前記ディスプレイドライバ回路から生成された前記ディスプレイドライバ信号を前記複数の画素のうちの前記少なくとも2つの前記半導体酸化物トランジスタの前記ゲート導体に提供するように構成されており、前記第3の抵抗を有する前記材料を使用して前記第1のソース-ドレイン層に形成されている、追加の制御線と、
を更に含む、請求項3に記載のディスプレイ。
【請求項6】
前記制御線及び前記追加の制御線が、走査信号を搬送するように構成されたゲート線を含む、請求項5に記載のディスプレイ。
【請求項7】
前記シリコントランジスタの上に形成された第1の平坦化層と、
前記第1の平坦化層上の第2のソース-ドレイン層に形成された追加の導電線と、
前記追加のルーティング線の上に形成された第2の平坦化層と、
を更に備える、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項8】
前記追加の導電線が、データ信号を前記アクティブ領域内の前記複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項9】
前記追加の導電線が、正電源信号を前記アクティブ領域内の前記複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている、請求項8に記載のディスプレイ。
【請求項10】
前記追加の導電線が、接地電源信号を前記アクティブ領域内の前記複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項11】
前記追加の導電線が、前記制御線に対して垂直である、請求項7に記載のディスプレイ。
【請求項12】
前記第1の抵抗が、前記第3の抵抗よりも少なくとも5倍大きい、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項13】
前記第1の抵抗が、前記第3の抵抗よりも少なくとも10倍大きい、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項14】
前記シリコントランジスタの前記ゲート導体が、モリブデンを使用して形成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項15】
前記第1のソース-ドレイン層内の前記材料が、アルミニウム、銅、銀、及び金からなる群から選択される金属を使用して形成されている、請求項1に記載のディスプレイ。
【請求項16】
ディスプレイであって、
周辺と、
前記周辺内のアクティブ領域内に形成された複数の画素と、
前記周辺の縁部に沿って形成された電源回路と、
前記ディスプレイの前記周辺全体に沿って形成された接地電源線と、
前記アクティブ領域内の
画素の列に沿ってのみルーティングされた追加の接地電源線であって、前記接地電源線に関連付けられた最も高い電圧降下の点が前記ディスプレイの中心に配置されることを確実にするように構成されている、追加の接地電源線と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項17】
前記追加の接地電源線が、前記電源回路が形成されている前記周辺の前記縁部に垂直である、請求項16に記載のディスプレイ。
【請求項18】
前記複数の画素内の各画素列が、前記追加の接地電源線のうちの1つに結合されている、請求項16に記載のディスプレイ。
【請求項19】
ディスプレイであって、
周辺と、
前記周辺内のアクティブ領域内に形成された複数の画素と、
前記周辺の縁部に沿って形成された電源回路と、
前記ディスプレイの前記周辺全体に沿って形成された正電源線と、
前記アクティブ領域内の
画素の行に沿ってのみルーティングされた追加の正電源線であって、前記ディスプレイにわたる輝度差を軽減するように構成されている、追加の正電源線と、
を備える、ディスプレイ。
【請求項20】
前記追加の正電源線が、前記電源回路が形成されている前記周辺の前記縁部に平行である、請求項19に記載のディスプレイ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、概して電子デバイスに関し、特に、ディスプレイを有する電子デバイスに関する。
【0002】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2021年1月7日に出願された米国特許出願第17/143,939号、及び2020年3月25日に出願された米国仮特許出願第62/994,747号に対する優先権を主張するものであり、それらの全体が参照により本明細書に組み込まれる。
【背景技術】
【0003】
電子デバイスは、多くの場合、ディスプレイを含む。例えば、電子デバイスは、有機発光ダイオード画素に基づいた有機発光ダイオード(OLED)ディスプレイを有してもよい。このタイプのディスプレイでは、各画素は、発光ダイオードと、光を生成するために、発光ダイオードへの信号の印加を制御するための薄膜トランジスタとを含む。発光ダイオードは、アノードとカソードとの間に配置されたOLED層を含んでもよい。
【0004】
従来のディスプレイは、典型的には、走査制御信号をそれぞれの走査線を介して画素の対応する行に出力するためのゲートドライバを含む。走査線は、多くの場合、低温ポリシリコン(low-temperature polysilicon、LTPS)トランジスタに接続され、高抵抗金属を使用してディスプレイの面にわたってルーティングされる。これは、より小さいディスプレイを有するデバイスに対しては問題ではない場合があるが、120Hzなどの高いリフレッシュレートで動作する大型パネルディスプレイを有するデバイスでは、高抵抗走査線上の負荷量は、データをもはや表示画素上に適切にサンプリングすることができなくなる点まで、走査制御信号の上昇時間及び下降時間が増加するように上昇することがある。
【発明の概要】
【0005】
ディスプレイを有する電子デバイスが提供される。ディスプレイは、アクティブ領域内に形成された画素のアレイを含むことができる。各画素は、1つ以上のシリコントランジスタ、1つ以上の半導体酸化物トランジスタ、及び/又は1つ以上のコンデンサなどの関連する薄膜トランジスタ(thin-film transistor、TFT)構造体に結合された有機発光ダイオードを含むことができる。
【0006】
画素は、基板上に形成することができる。具体的には、シリコントランジスタは、基板上に形成されたアクティブシリコン領域と、第1のゲート金属層に形成されたゲート導体と、を含むことができる。コンデンサは、第1のゲート金属層に形成された第1のコンデンサ端子と、第2のゲート金属層に形成された第2のコンデンサ端子と、を含むことができる。半導体酸化物トランジスタは、第2のゲート金属層の上に形成された半導体酸化物領域と、第3のゲート金属層に形成されたゲート導体と、を含むことができる。第1、第2、及び第3のゲート金属層に形成された導体は、モリブデン及び/又はチタンなどの高抵抗金属を使用して形成することができる。
【0007】
シリコントランジスタのゲート導体、第2のコンデンサ端子、及び半導体酸化物トランジスタのゲート導体は、第3のゲート金属層の上の第1のソース-ドレイン(first source-drain、SD1)ルーティング層に形成された関連するルーティング線に結合することができる。SD1ルーティング層の導体は、アルミニウム、銅、銀、又は金などの低抵抗金属を使用して形成することができる。シリコントランジスタ及び半導体酸化物トランジスタのゲート導体に結合されたSD1ルーティング線は、ゲート線、走査線、発光線、初期化線、リセット線、又は他の行制御線として機能することができる。SD1ルーティング層内に行制御線をルーティングすることにより、これらの線上の抵抗を低減するのに役立つことができ、これにより、高リフレッシュレートで動作する大型ディスプレイパネルのタイミングマージンを改善する。
【0008】
第1の平坦化層は、SD1ルーティング層の上に形成することができる。第2のソース-ドレイン(second source-drain、SD2)ルーティング層は、第1の平坦化層上に形成することができる。第2の平坦化層は、第1の平坦化層上に形成することができる。SD2層内のルーティング線は、正電源電圧及び接地電源電圧などの電源信号をルーティングするように構成することができる。電源線は、アクティブ領域を通る任意の方向にルーティングして、接地電源線に関連付けられた最も高い電圧降下の点がディスプレイの中心に配置されること、及び/又はディスプレイにわたる輝度差を軽減することを確実にするのに役立つことができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】一実施形態に係る、ディスプレイを有する例示的な電子デバイスの概略図である。
【
図2A】一実施形態に係る、発光素子のアレイを有する例示的なディスプレイの概略図である。
【
図2B】一実施形態に係る、例示的な表示画素の回路図である。
【
図3】一実施形態に係る、ディスプレイ内の例示的な薄膜トランジスタ回路の側断面図である。
【
図4】一実施形態に係る、例示的な低抵抗ルーティング構造体の側断面図である。
【
図5】一実施形態に係る、ゲート導体が第1のソース-ドレイン(SD1)層に形成されたルーティング線にどのように結合されているかを示す表示画素の上面図である。
【
図6】一実施形態に係る、ゲート導体が第2のソース-ドレイン(SD2)層に形成されたルーティング線にどのように結合されているかを示す表示画素の上面図である。
【
図7】一実施形態に係る、複数の接地電源線をディスプレイの面にわたってどのようにルーティングすることができるかを示すディスプレイの上面図である。
【
図8】一実施形態に係る、複数の正電源線をディスプレイの面にわたってどのようにルーティングすることができるかを示すディスプレイの上面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
ディスプレイを備え得るタイプの例示的な電子デバイスを、
図1に示す。電子デバイス10は、ラップトップコンピュータ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータモニタ、タブレットコンピュータ、セルラー電話機、メディアプレーヤ、又は他のハンドヘルド型若しくはポータブル型の電子デバイスなどのコンピューティングデバイス、腕時計型デバイス、ペンダント型デバイス、ヘッドホン型若しくはイヤホン型デバイス、眼鏡若しくはユーザの頭部上に装着される他の機器内に組み込まれたデバイス、又は他のウェアラブル若しくは小型のデバイスなどのより小さいデバイス、ディスプレイ、組み込み型コンピュータを含むコンピュータディスプレイ、組み込み型コンピュータを含まないコンピュータディスプレイ、ゲーミングデバイス、ナビゲーションデバイス、ディスプレイを有する電子機器がキオスク若しくは自動車内に装着されているシステムなどの組み込み型システム、あるいは他の電子機器であることができる。電子デバイス10は、一対の眼鏡(例えば、支持フレーム)の形状を有してもよく、ヘルメット形状を有する筐体を形成してもよく、又はユーザの頭部上若しくは眼の近くに1つ以上のディスプレイの構成要素を装着及び固定するのに役立つ他の構成を有してもよい。
【0011】
図1に示すように、電子デバイス10は、デバイス10の動作をサポートするための制御回路16を含むことができる。制御回路16は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ(例えば、フラッシュメモリ、又はソリッドステートドライブを形成するように構成されている他の電気的にプログラム可能な読み出し専用メモリ)、揮発性メモリ(例えば、静的又は動的ランダムアクセスメモリ)などの記憶装置を含む場合がある。制御回路16内の処理回路は、デバイス10の動作を制御するために使用される場合がある。処理回路は、1つ以上のマイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、ベースバンドプロセッサ、電力管理ユニット、オーディオチップ、特定用途向け集積回路などに基づいてもよい。
【0012】
入出力デバイス12などのデバイス10内の入出力回路を使用して、データをデバイス10へ供給することを可能にしてもよく、データをデバイス10から外部デバイスへ提供することを可能にしてもよい。入出力デバイス12は、ボタン、ジョイスティック、スクロールホイール、タッチパッド、キーパッド、キーボード、マイクロフォン、スピーカ、音源、振動器、カメラ、センサ、発光ダイオード、及び他の状態インジケータ、データポートなどを含むことができる。ユーザは、入出力デバイス12の入力リソースを介してコマンドを供給することによって、デバイス10の動作を制御することができ、入出力デバイス12の出力リソースを使用して、デバイス10から状態情報及び他の出力を受信することができる。
【0013】
入出力デバイス12は、ディスプレイ14などの1つ以上のディスプレイを含んでもよい。ディスプレイ14は、ユーザからのタッチ入力を取り入れるためのタッチセンサを含むタッチスクリーンディスプレイであってもよく、又はディスプレイ14はタッチ感応性でなくてもよい。ディスプレイ14のタッチセンサは、静電容量式タッチセンサ電極のアレイ、音響タッチセンサ構造体、抵抗膜式タッチ構成要素、力ベースのタッチセンサ構造体、光ベースのタッチセンサ、又は他の好適なタッチセンサの配置に基づくものであってもよい。ディスプレイ14用のタッチセンサは、ディスプレイ14の表示画素を有する共通ディスプレイ基板上に形成された電極から形成されてもよく、又はディスプレイ14の画素に重なる別個のタッチセンサパネルから形成されてもよい。所望であれば、ディスプレイ14は、タッチセンシティブでなくてもよい(すなわち、タッチセンサが省略されてもよい)。電子デバイス10内のディスプレイ14は、ユーザが典型的な視点から目線を逸らす必要なくビューイングできるヘッドアップディスプレイであってもよく、又はユーザの頭部上に装着されるデバイスに組み込まれたヘッドマウントディスプレイであってもよい。所望であれば、ディスプレイ14は、ホログラムを表示するために使用されるホログラフィックディスプレイであってもよい。
【0014】
制御回路16は、オペレーティングシステムコード及びアプリケーションなどのソフトウェアをデバイス10上で実行するために使用されてもよい。デバイス10の動作中、制御回路16上で実行中のソフトウェアは、ディスプレイ14上に画像を表示することができる。
【0015】
ディスプレイ14は、有機発光ダイオードディスプレイであってもよく、又は他のタイプのディスプレイ技術に基づくディスプレイであってもよい。ディスプレイ14が有機発光ダイオードディスプレイであるデバイス構成は、時に、一例として本明細書において説明されている。しかしながら、これは単なる例示である。所望であれば、任意の好適なタイプのディスプレイが使用され得る。一般に、ディスプレイ14は、矩形形状を有してもよく(すなわち、ディスプレイ14は矩形の専有面積、及び矩形の専有面積の周りに延びる矩形の周辺縁部を有してもよく)、又は他の好適な形状を有してもよい。ディスプレイ14は平らであってもよく、又は曲線状の輪郭を有してもよい。
【0016】
ディスプレイ14の一部の上面図を
図2Aに示す。
図2Aに示すように、ディスプレイ14は、基板上に形成された画素22のアレイを有し得る。画素22は、データ線Dなどの信号経路を介してデータ信号を受信することができ、水平制御線G(ゲート線、走査線、放射制御線などと呼ばれることもある)などの制御信号経路を介して1つ以上の制御信号を受信することができる。ディスプレイ14内には、任意の好適な数の行及び列の画素22が存在し得る(例えば、数十以上、数百以上、若しくは数千以上)。各画素22は、薄膜トランジスタ28及び薄膜コンデンサなどの薄膜トランジスタ回路から形成された画素制御回路の制御下で光24を放射する、発光ダイオード26を含み得る。薄膜トランジスタ28は、ポリシリコン薄膜トランジスタ、インジウム亜鉛ガリウム酸化物(IGZO)トランジスタなどの半導体酸化物薄膜トランジスタ、及び/又は他の半導体から形成された薄膜トランジスタであってもよい。画素22は、カラー画像を表示する能力をディスプレイ14に提供するために異なる色(例えば、赤色、緑色、及び青色)の発光ダイオードを含んでもよく、又は単色画素であってもよい。
【0017】
ディスプレイドライバ回路を使用して、画素22の動作を制御することができる。ディスプレイドライバ回路は、集積回路、薄膜トランジスタ回路、又は他の好適な回路から形成することができる。
図2Aのディスプレイドライバ回路30は、経路32を介して、
図1の制御回路16などのシステム制御回路と通信するための通信回路を含んでもよい。経路32は、フレキシブルプリント回路上のトレース又は他のケーブルから形成されていてもよい。動作中、制御回路(例えば、
図1の制御回路16)は、ディスプレイ14に表示される画像に関する情報をディスプレイドライバ回路30に供給することができる。
【0018】
表示画素22上に画像を表示するために、ディスプレイドライバ回路30は、経路38を介して、クロック信号及び他の制御信号をゲートドライバ回路34などの補助ディスプレイドライバ回路に発行しながら、画像データを対応するデータ線に供給することができる。データ信号D、正電源信号VDD、及び接地電源信号VSSは、対応する列線40を介して各画素列に供給することができる。所望であれば、ディスプレイドライバ回路30はまた、ディスプレイ14の反対側の縁部上のゲートドライバ回路34にクロック信号及び他の制御信号を供給してもよい。
【0019】
ゲートドライバ回路34(行制御回路と呼ばれることもある)は、集積回路の一部として実装されてもよく、及び/又は薄膜トランジスタ回路を使用して実装されてもよい。ディスプレイ14内の水平制御線42は、走査線信号、発光有効化制御信号、リセット信号、初期化信号、基準信号、及び各行の表示画素22を制御するための他の水平制御信号などのゲート(G)線信号を搬送することができる。画素22の行毎に任意の好適な数の水平制御信号(例えば、1つ以上の行制御信号、2つ以上の行制御信号、3つ以上の行制御信号、4つ以上の行制御信号、など)が存在してもよい。
【0020】
表示画素22が形成されているディスプレイ14上の領域は、本明細書では時にアクティブ領域(active area、AA)と呼ばれることがある。電子デバイス10は、周辺縁部を備えた外部筐体を有する。アクティブを囲み、かつデバイス10の周辺縁部内の領域は、境界領域である。画像は、アクティブ領域内のデバイスのユーザに対してのみ表示され得る。概して、デバイス10の境界領域を最小化することが望ましい。例えば、デバイス10は、デバイスの前面全体にわたって延在するフルフェイスディスプレイ14と併せて提供することができる。所望であれば、ディスプレイ14はまた、横方向縁部の少なくとも一部又はデバイス10の背面の少なくとも一部がディスプレイ目的のために使用されるように、前面の縁部上を包み込んでもよい。
【0021】
図2Bは、ディスプレイ14内の例示的な有機発光ダイオード表示画素22の回路図である。
図2Bに示すように、表示画素22は、蓄積コンデンサCst、並びに半導体酸化物トランジスタToxide、駆動トランジスタTdrive、データローディングトランジスタTdata、第1の発光トランジスタTem1、第2の発光トランジスタTem2、及びアノードリセットトランジスタTarなどの及び関連する画素トランジスタを含んでもよい。トランジスタToxideは、半導体酸化物(例えば、インジウムガリウム亜鉛酸化物又はIGZOなどの半導体酸化物から形成されるn型チャネルを有するトランジスタ)を使用して形成されるが、他のトランジスタは、シリコン(例えば、「LTPS」又は低温ポリシリコンと呼ばれることもある、低温プロセスを使用して堆積されたポリシリコンチャネル)など半導体から形成された薄膜トランジスタであってもよい。半導体酸化物トランジスタは、シリコントランジスタよりも漏れが低いため、半導体酸化物トランジスタとしてトランジスタToxideを実装することは、(例えば、電流がゲート端子又は駆動トランジスタTdriveから漏れ出すのを防ぐことによって)フリッカを低減するのに役立つ。
【0022】
別の好適な構成では、トランジスタToxide及びTdriveは、半導体酸化物トランジスタとして実装されてもよく、残りのトランジスタTdata、Tem1、Tem2、及びTarは、シリコン(LTPS)トランジスタであってもよい。トランジスタTdriveは駆動トランジスタとして機能し、画素22の発光電流にとって重要な閾値電圧を有する。トランジスタTdriveの閾値電圧はヒステリシスを経験し得るため、駆動トランジスタをトップゲート半導体酸化物トランジスタとして形成することは、ヒステリシスを低減するのに役立ち得る(例えば、トップゲートIGZOトランジスタは、シリコントランジスタよりも低いVthヒステリシスを経験する)。所望であれば、残りのトランジスタTdata、Tem1、Tem2、及びTarのいずれもが、半導体酸化物トランジスタとして実装され得る。更に別の好適な構成では、画素22内の全てのトランジスタは、シリコントランジスタとして実装することができる(すなわち、画素22は、任意の半導体酸化物トランジスタを含む必要はない)。概して、シリコントランジスタのうちのいずれかは、n型(すなわち、nチャネル)又はp型(すなわち、pチャネル)LTPS薄膜トランジスタのいずれかであってもよい。所望であれば、画素22は、6個よりも多くの若しくは少ないトランジスタを含んでもよく、及び/又は1個よりも多くの若しくは少ない内部コンデンサを含んでもよい。
【0023】
表示画素22は、有機発光ダイオード(OLED)204を含んでもよい。正電源端子200に正電源電圧VDDELを供給し、接地電源端子202に接地電源電圧VSSELを供給することができる。正電源電圧VDDELは、3V、4V、5V、6V、7V、2~8V、又はどのような好適な正電源電圧レベルであってもよい。接地電源電圧VSSELは、0V、-1V、-2V、-3V、-4V、-5V、-6V、-7V、又は任意の好適な接地若しくは負電源電圧レベルであってもよい。駆動トランジスタTdriveの状態により、端子200からダイオード204を通って端子202に流れる電流量を制御し、それによって表示画素22からの発光量を制御する。有機発光ダイオード204は、関連する寄生容量COLED(図示せず)を有することがある。
【0024】
端子209は、ダイオード204が使用されていないときにダイオード204をオフにするのを支援するために、アノードリセット電圧Varを供給するために使用され得る。したがって、端子209は、アノードリセット又は初期化線と呼ばれることがある。
図2Aの行ドライバ回路34などのディスプレイドライバ回路からの制御信号は、行制御端子212、214-1、214-2、及び214-3などの制御端子に供給される。行制御端子212は、発光制御端子(発光線又は発光制御線と呼ばれることもある)として機能することができ、行制御端子214-1、214-2、及び214-3は、第1、第2、及び第3の走査制御端子(走査線又は走査制御線と呼ばれることもある)として機能することができる。発光制御信号EMは、端子212に供給されてもよい。走査制御信号SC1、SC2、及びSC3はそれぞれ、走査端子214-1、214-2、及び214-3に印加されてもよい。データ信号端子210などのデータ入力端子は、表示画素22用の画像データを受信するために、
図2Aのそれぞれのデータ線Dに結合されている。データ端子210はまた、データ線と呼ばれ得る。
【0025】
図2Bの実施例では、トランジスタTem1、Tdrive、Tem2、及びOLED304は、電源端子200と202との間で直列に結合されてもよい。具体的には、第1の発光制御トランジスタTem1は、正電源端子200に結合されたソース端子と、発光線212を介して発光制御信号EM2を受信するゲート端子と、ドレイン端子(ノード1とラベル付けされる)と、を有し得る。トランジスタの「ソース」端子及び「ドレイン」端子は、時には互換的に使用することができ、したがって、「ソース-ドレイン」端子と称されることもある。駆動トランジスタTdriveは、ノード1に結合されたソース端子と、ゲート端子(ノード2とラベル付けされる)と、ドレイン端子(ノード3とラベル付けされる)と、を有し得る。第2の発光制御トランジスタTem2は、ノード3に結合されたソース端子と、発光線212を介して発光制御信号EMも受信するゲート端子と、発光ダイオード204を介して接地電源端子202に結合されたドレイン端子(ノード4とラベル付けされている)と、を有し得る。このように構成することにより、発光位相中に発光制御信号EMをアサートしてトランジスタTem1及びTem2をオンにし、発光ダイオード204を通って電流を流すことが可能になり得る。
【0026】
蓄積コンデンサCstは、正電源線200に結合された第1の端子と、ノード2に結合された第2の端子と、を有し得る。画素22にロードされる画像データは、コンデンサCstを使用して発光位相全体にわたって電荷を保持することによって、画素22に少なくとも部分的に記憶され得る。トランジスタToxideは、ノード2に結合されたソース端子と、走査線214-1を介して走査制御信号SC1を受信するように構成されたゲート端子と、ノード3に結合されたドレイン端子と、を有し得る。信号SC1は、トランジスタToxideをオンにしてトランジスタTdriveのドレイン端子及びゲート端子を短絡させるようにアサートすることができる。ゲート端子及びドレイン端子が短絡されるトランジスタ構成は、「ダイオード接続」と称される場合がある。
【0027】
データローディングトランジスタTdataは、データ線210に結合されたソース端子と、走査線214-2を介して走査制御信号SC2を受信するように構成されたゲート端子と、ノード1に結合されたドレイン端子と、を有し得る。このように構成することにより、信号SC2をアサートしてトランジスタTdataをオンにし、データ線210からのデータ電圧をノード1にロードすることが可能になり得る。トランジスタTarは、ノード4に結合されたソース端子と、走査線214-3を介して走査制御信号SC3を受信するように構成されたゲート端子と、初期化線209に結合されたドレイン端子と、を有し得る。このように構成することにより、走査制御信号SC3をアサートしてトランジスタTarをオンにし、ノード4をアノードリセット電圧レベルVarに駆動することができる。所望であれば、線209上のアノードリセット電圧Varを、画素22の動作中に異なるレベルに動的にバイアスすることができる。
【0028】
図3は、一実施形態に係る、表示画素22内に含まれてもよい例示的な薄膜トランジスタ回路の側断面図である。
図3に示すように、ディスプレイスタックアップは、1つ以上の半導体層、1つ以上の絶縁層、半導体層と絶縁層の組み合わせ、1つ以上のバッファ層などを含むことができる基板302などの基板層を含むことができる。いくつかの実施形態では、基板302は、ガラス、金属、プラスチック、セラミック、サファイア、又は他の好適な基板材料から形成することができる。例として、基板302は、ポリイミド(PI)、ポリエチレンテレフタレート(PET)、又はポリエチレンナフタレート(PEN)から形成される有機基板であってもよい。基板302の表面は、任意選択的に、1つ以上のバッファ層(例えば、酸化シリコン、窒化シリコンなどの層などの無機バッファ層)で覆われていてもよい。
【0029】
ポリシリコン層(例えば、LTPS層)を基板302上に形成し、パターン化し、エッチングして、LTPS領域352を形成することができる。LTPS領域406の2つの反対側にある端部は、任意選択的に、ドープ(例えば、nドープ又はpドープ)して、シリコントランジスタ350のソース-ドレイン領域を形成することができる。
図3の断面における薄膜シリコントランジスタ350は、画素22内の任意のLTPSトランジスタを総称的に表すことができる。
【0030】
ゲート絶縁体層304は、基板302上に、かつシリコン領域352の上に形成することができる。第1の金属層(例えば、第1のゲート金属層(first gate metal layer)「GE1」)は、ゲート絶縁体層304の上に形成することができる。第1の金属層は、パターン化し、エッチングして、トランジスタ350のゲート導体を形成することができる。
図3の実施例では、第1の金属層はまた、パターン化し、エッチングして、蓄積コンデンサCstの第1の端子を形成することができる(例えば、GE1はまた、蓄積コンデンサの底部プレートを形成するために使用することができる)。画素22内の任意の追加のコンデンサ構造体(本実施形態を不明瞭にしないために、
図3には示されていない)はまた、GE1金属層に形成されたそのコンデンサ端子のうちの1つを有することができる。
【0031】
第1の層間誘電体(first interlayer dielectric、ILD1)層306は、第1のゲート金属層GE1及びシリコントランジスタ350の上に形成することができる。誘電体層306は、(例えば)窒化ケイ素、酸化ケイ素、及び他の好適な絶縁材料から形成することができる。第2の金属層(例えば、第2のゲート金属層(second gate metal layer)「GE2」)は、ILD1層306上に形成することができる。第2の金属層は、パターン化し、エッチングして、蓄積コンデンサCstの第2の端子を形成することができる(例えば、GEeは、蓄積コンデンサの上部プレートを形成するために使用することができる)。所望であれば、画素22内の任意の追加のコンデンサ構造体(本実施形態を不明瞭にしないために、
図3には示されていない)はまた、GE2金属層に形成されたそのコンデンサ端子のうちの1つを有することができる。
【0032】
第2の層間誘電体(second interlayer dielectric、ILD2)層308は、第2のゲート金属層GE2の上に、かつコンデンサCstの上に形成することができる。誘電体層308は、窒化ケイ素、酸化ケイ素、及び他の好適な絶縁材料から形成することができる。バッファ層310などの1つ以上のバッファ層(例えば、酸化ケイ素層、窒化ケイ素層などの無機バッファ層)を誘電体層308の上に形成することができる。
【0033】
半導体酸化物層(例えば、IGZO層)をバッファ層310の上に形成してもよく、これは、酸化物バッファ層と呼ばれることもある。半導体酸化物層は、パターン化し、エッチングして、半導体酸化物領域362を形成することができる。ゲート絶縁体層311などの絶縁層は、IGZO領域362上に形成することができる。酸化物(第3)ゲート金属層(oxide gate metal layer)「OGE」は、半導体酸化物トランジスタ360のゲート導体として機能するように、ゲート絶縁体層311上に形成することができる。酸化物領域362のソース-ドレイン領域は、水素化、イオン注入、又は他の好適なドーピング方法を介してnドープ又はpドープすることができる。別の層間誘電体(Another interlayer dielectric、OILD)層312は、バッファ層310上に、かつトランジスタ360の上に形成することができる。
図3の断面における薄膜半導体酸化物トランジスタ360は、画素22内の任意の半導体酸化物トランジスタを総称的に表すことができる。画素22がいかなる半導体酸化物トランジスタも含まない更に他の好適な構成では、酸化物バッファ層310、半導体酸化物領域362、ゲートライナ311、OGE層、及び/又は酸化物ILD層312などの層のうちの1つ以上は、画素22を製造するときに形成されなくてもよい。
【0034】
シリコントランジスタ350の上の、かつ半導体酸化物トランジスタ360の上の第1の相互接続層は、誘電体層312上に形成することができる。第1の相互接続層に形成された導電性ルーティング構造体は、画素22内の各下層トランジスタのソース-ドレイン領域に結合することができ、したがって、第1のソース-ドレイン金属層「SD1」と時に呼ばれることがある。
図3の実施例では、シリコン領域352のソース-ドレイン端子は、導電ビア370(例えば、層304、306、308、310、及び312を横切る接点370)を介して対応するSD1導体に結合することができる。半導体酸化物領域362のソース-ドレイン端子はまた、導電ビア372(例えば、層312を横切る接点372)を介して対応するSD1導体に結合することができる。
【0035】
ゲート金属導体はまた、SD1ルーティング導体に結合することができる。例えば、シリコントランジスタ350のGE1ゲート導体は、導電ビア371を介して対応するSD1導体に結合することができる。任意選択の半導体酸化物トランジスタ360のOGEゲート導体は、導電ビア373を介して対応するSD1導体に結合することができる。コンデンサのGE2上部プレート端子はまた、導電ビア375を介して対応するSD1導体に結合することができる。
【0036】
層314などの第1の平坦化(first planarization、PLN1)層は、SD1金属ルーティング層の上に形成することができる。第2の相互接続層は、第1の平坦化層314上に更に形成することができる。第2の相互接続層に形成された導電性ルーティング構造体は、SD1導体に結合することができ、したがって、第2のソース-ドレイン金属層「SD2」と時に呼ばれることがある。
【0037】
層316などの第2の平坦化(second planarization、PLN2)層は、平坦化層314上に、かつSD2ルーティング金属線の上に形成することができる。平坦化層314及び316は、ポリマーなどの有機誘電材料から形成することができる。対照的に、層304、306、308、310、及び312などの有機平坦化層の下の層は、典型的には、窒化ケイ素、酸化ケイ素などの無機誘電材料から形成される。
【0038】
アノード318(例えば、
図2Bの有機発光ダイオード204のアノード端子)は、第2の平坦化層316の上に形成することができる。追加の構造体をアノード318の上に形成することができる。例えば、画素定義層、発光ダイオード発光材料、カソード、及び他の画素構造体もまた、表示画素22のスタックアップに含まれてもよい。しかしながら、これらの追加の構造体は、簡潔にするために省略されている。
【0039】
表示画素シリコントランジスタのGE1ゲート導体、表示画素コンデンサのGE2コンデンサ端子、及び表示画素半導体酸化物トランジスタのOGEゲート導体は、典型的には、モリブデン、チタン、高抵抗材料のなんらかの組み合わせ、又は他の好適な金属などの高抵抗材料を使用して形成される。これらのゲート金属導体は、シリコントランジスタを製造するプロセスで使用されるLTPSプロセスの要件に起因して、そのような高抵抗率材料を使用して形成する必要がある。
【0040】
図4は、例示的なSD1又はSD2ルーティング導体の側断面図である。
図4に示すように、SD1/SD2ルーティング導体は、2つの高抵抗ライナ402の間に任意選択的に挟まれた低抵抗材料404を含むことができる。ライナ402は、モリブデン、チタン、高抵抗率材料のなんらかの組み合わせ、又は他の好適な金属を使用して形成することができる。対照的に、SD1/SD2導体のバルクは、アルミニウム、銅、銀、金、亜鉛、真鍮、低抵抗率材料のなんらかの組み合わせ、及び高い導電率を有する他の訴訟対象となりうる(suable)金属から形成される材料404を含むことができる。このように形成されると、SD1/SD2導体は、GE1/GE2/OGE導体よりも実質的に高い導電率及び低い抵抗を示すことができる。例えば、「低」抵抗SD1/SD2金属ルーティング構造体は、約0.05Ω/□、0.01~0.05Ω/□、0.05~0.1Ω/□、又は0.01Ω/□未満のシート抵抗を示すことができる。「高」抵抗GE1/GE2/OGE金属構造体は、約0.5Ω/□、0.1~0.5Ω/□、0.5~1.0Ω/□、又は1.0Ω/□超のシート抵抗を示すことができる。一般に、GE1/GE2/OGE金属構造体の抵抗率は、SD1/SD2金属構造体の抵抗率の少なくとも5倍、少なくとも10倍、少なくとも100倍であり得る。
【0041】
従来のディスプレイでは、走査制御信号は、高抵抗金属から形成された走査線を使用してディスプレイの面にわたってルーティングすることができる。例えば、シリコントランジスタのゲート端子に供給する走査線は、GE1金属層にルーティングされ、半導体酸化物トランジスタのゲート端子に供給する走査線は、OGE金属層にルーティングされる。コンデンサに関連付けられた相互接続はまた、GE2金属層にルーティングされる。この方法で高抵抗率材料を使用して走査線又はゲート線をルーティングすることは、より小さいディスプレイを有するデバイスに対して許容可能であり得る。しかしながら、高いリフレッシュレート(例えば、120Hzの、60Hzを超える、又は120Hzを超えるリフレッシュレートなど)で動作する大型パネルディスプレイを有するデバイスでは、高抵抗走査線上の負荷量は、データをもはや表示画素上に適切にサンプリングすることができなくなる点まで、ゲート線信号の結果として得られる上昇時間及び下降時間が増加するように上昇することがある。
【0042】
一実施形態によれば、走査制御信号、発光制御信号、リセット信号、初期化信号、基準信号、イネーブル信号、電源信号(例えば、正電源電圧若しくは接地電源電圧)、及び/又は他の行制御信号などのゲート線信号は、SD1金属ルーティング層などの低抵抗材料を使用してディスプレイの面にわたってルーティングすることができる(例えば、
図5を参照)。
図5は、ゲート導体がSD1金属ルーティング層に形成されたルーティング線にどのように結合されているかを示す画素22の上面(レイアウト)図である。
図5に示すように、画素22内のGE1金属導体に結合された第1の行制御線、画素22内のGE2金属導体に結合された第2の行制御線、及び画素22内のOGE金属導体に結合された第3の行制御線は全て、低抵抗SD1ルーティング層を使用してディスプレイの面にわたってルーティングされている(例えば、制御線は、所与の画素行に沿って少なくとも2つの画素22、少なくとも10個の画素22、少なくとも100個の画素、又は任意の好適な数の画素を通ってルーティングされている)。所望であれば、表示画素22に関連付けられた他の行制御信号も、SD1金属を使用してルーティングすることができる。
図5の実施例では、データ線(data line、DL)、正電源(VDD)線、及び接地電源(VSS)線は、SD2金属ルーティング層に形成されたルーティング線を使用して列方向にルーティングすることができる(例えば、SD2ルーティング線は、画素列内の少なくとも2つの画素、少なくとも10個の画素、少なくとも100個の画素、又は任意の好適な数の画素を横切ってルーティングすることができる)。SD2ルーティング線は、SD1ルーティング線に対して垂直であってもよい。一般に、「行」及び「列」という用語は、ディスプレイの向きに応じて互換的に使用することができる。所望であれば、SD1ルーティング線はまた、SD1ルーティング線と平行にルーティングすることができる。
【0043】
このように構成及び操作されると、ディスプレイパネルにわたってルーティングされているゲート線の抵抗は、(例えば、少なくとも5倍、少なくとも10倍、又はそれより多く)劇的に低減され、それにより、ゲート線信号の上昇時間及び下降時間を低減することができ、その結果、高リフレッシュレートで動作する大型ディスプレイパネルにデータ信号を適切にロードすることができる。ゲート線上の負荷を低減することにより、ディスプレイの輝度均一性も改善することができる。
【0044】
行制御信号がSD1金属線を使用してルーティングされ、列制御信号がSD2金属線を使用してルーティングされる
図6の実施例は、単なる例示であり、本実施形態の範囲を限定することを意図するものではない。
図6は、行制御信号(例えば、ゲート線、走査信号、発光信号、リセット信号、初期化信号など)がSD2金属線を使用してルーティングされ、列制御信号(例えば、データ信号、電源信号など)がSD1金属線を使用してルーティングされる、別の好適な構成を示す。SD1及びSD2は、互いに垂直であるように示されているが、それらはまた、(所望であれば)互いに平行にルーティングすることができる。
【0045】
図7は、一実施形態に係る、複数の接地電源線をディスプレイの面にわたってどのようにルーティングすることができるかを示すディスプレイ14の上面(レイアウト)図である。
図7に示すように、ディスプレイ14は、(ディスプレイ14をXY平面と平行であるディスプレイの面で方向Zで見たときに)周辺縁部702と、周辺の底縁部に沿って形成された電源回路704と、を有することができる。電源回路704は、ディスプレイ14の周辺縁部702全体に沿ってルーティングされた接地線706に接地電源電圧VSSを供給するように構成することができる。一実施形態によれば、接地線708などの追加の接地線は、電源回路704が形成されているディスプレイの底部周辺縁部に垂直な方向Yにディスプレイ14の面にわたってルーティングすることができる。例えば、接地線708は、画素列ごとに、画素列1つおきに、2~10画素列ごとに、又は他の好適な間隔で、形成することができる。
【0046】
このように構成されると、接地線708は、ディスプレイの縁部からより遠く離れた画素のためのより低い抵抗の電流経路を提供するのに役立つことができ、その結果、電源端子で最も高い電流抵抗(current-resistance)(「IR」又は電圧)降下を経験する画素は、点710によって示されるようにディスプレイ14の中心に配置される。このように接地線708を形成することなしでは、最も高いIR降下の点は、ディスプレイの上部周辺縁部に向かって望ましくなくドリフトする可能性があり、これにより、ディスプレイの中心付近の画素の駆動マージンを低減し、一方で、全体的な電力消費を増加させる。
【0047】
VSS線のルーティングとは異なり、VDD線のルーティングは、ディスプレイの輝度に影響を及ぼすことがある。例えば、VDD電流経路上の抵抗が高い場合、より多くの黒画素を有する画素の列の全体的な輝度は、より少ない黒画素を有する画素の列の輝度よりも高くなり得る。輝度のこのシフトを軽減するのを助けるために、複数の正電源(VDD)線をディスプレイの面にわたってルーティングすることができる(例えば、
図8を参照)。
図8に示すように、ディスプレイ14は、(ディスプレイ14をXY平面と平行であるディスプレイの面で方向Zで見たときに)周辺縁部702と、周辺の底縁部に沿って形成された電源回路704と、を有することができる。電源回路704は、ディスプレイ14の周辺縁部702に沿ってルーティングされた電源線806に正電源電圧VDDを供給するように構成することができる。
【0048】
一実施形態によれば、正電源線808などの追加の電源線は、電源回路704が形成されているディスプレイの底部周辺縁部に平行な方向Xにディスプレイ14の面にわたってルーティングすることができる。例えば、VDD線808は、画素行ごとに、画素行1つおきに、2~10画素行ごとに、又は他の好適な間隔で、形成することができる。このように構成されると、電源線808は、ディスプレイの縁部からより遠く離れた画素のためのより低い抵抗の電流経路を提供するのに役立つことができ、その結果、各列内のより暗い画素の数に関係なく、表示輝度は、同じままである。
【0049】
一実施形態によれば、ディスプレイドライバ信号を生成するように構成されたディスプレイドライバ回路と、アクティブ領域内の基板上に形成された複数の画素であって、複数の画素内の各画素が、基板上に形成されたシリコントランジスタを含み、シリコントランジスタが、第1のゲート金属層に形成されたゲート導体を含み、シリコントランジスタのゲート導体が、第1の抵抗を有する、複数の画素と、シリコントランジスタのゲート導体の上に形成された制御線であって、ディスプレイドライバ回路から生成されたディスプレイドライバ信号をアクティブ領域内の複数の画素のうちの少なくとも2つのシリコントランジスタのゲート導体に提供するように構成されており、第1の抵抗よりも低い第2の抵抗を有する材料を使用して第1のソース-ドレイン層に生成されている、制御線と、を含むディスプレイが提供される。
【0050】
別の実施形態によれば、複数の画素内の各画素は、第1のゲート金属層に形成された第1の端子を有するコンデンサを含む。
【0051】
別の実施形態によれば、コンデンサは、第1のゲート金属層の上の第2のゲート金属層に形成された第2の端子を含む。
【0052】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、アクティブ領域内の複数の画素のうちの少なくとも2つのコンデンサの第2の端子にルーティングされた追加の制御線を含み、追加の制御線は、第2の抵抗を有する材料を使用して第1のソース-ドレイン層に形成されている。
【0053】
別の実施形態によれば、複数の画素内の各画素は、シリコントランジスタの上に形成された半導体酸化物トランジスタを含み、半導体酸化物トランジスタは、第3のゲート金属層に形成されたゲート導体を含み、半導体酸化物トランジスタのゲート導体は、第2の抵抗よりも高い第3の抵抗と、半導体酸化物トランジスタのゲート導体の上に形成された追加の制御線と、を有し、追加の制御線は、ディスプレイドライバ回路から生成されたディスプレイドライバ信号を複数の画素のうちの少なくとも2つの半導体酸化物トランジスタのゲート導体に提供するように構成されており、追加の制御線は、第2の抵抗を有する材料を使用して第1のソース-ドレイン層に形成されている。
【0054】
別の実施形態によれば、制御線及び追加の制御線は、走査信号を搬送するように構成されたゲート線を含む。
【0055】
別の実施形態によれば、ディスプレイは、シリコントランジスタの上に形成された第1の平坦化層と、第1の平坦化層上の第2のソース-ドレイン層に形成された追加の導電線と、追加のルーティング線の上に形成された第2の平坦化層と、を含む。
【0056】
別の実施形態によれば、追加の導電線は、データ信号をアクティブ領域内の複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている。
【0057】
別の実施形態によれば、追加の導電線は、正電源信号をアクティブ領域内の複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている。
【0058】
別の実施形態によれば、追加の導電線は、接地電源信号をアクティブ領域内の複数の画素のうちの少なくとも2つにルーティングするように構成されている。
【0059】
別の実施形態によれば、追加の導電線は、制御線に対して垂直である。
【0060】
別の実施形態によれば、第1の抵抗は、第2の抵抗よりも少なくとも5倍大きい。
【0061】
別の実施形態によれば、第1の抵抗は、第2の抵抗よりも少なくとも10倍大きい。
【0062】
別の実施形態によれば、シリコントランジスタのゲート導体は、モリブデンを使用して形成されている。
【0063】
別の実施形態によれば、第1のソース-ドレイン層内の材料は、アルミニウム、銅、銀、及び金からなる群から選択される金属を使用して形成されている。
【0064】
一実施形態によれば、周辺と、周辺内のアクティブ領域内に形成された複数の画素と、周辺の縁部に沿って形成された電源回路と、ディスプレイの周辺全体に沿って形成された接地電源線と、アクティブ領域内の複数の画素を通って形成された追加の接地電源線と、を含むディスプレイが提供され、追加の接地電源線は、接地電源線に関連付けられた最も高い電圧降下の点がディスプレイの中心に配置されることを確実にするように構成されている。
【0065】
別の実施形態によれば、追加の接地電源線は、電源回路が形成されている周辺の縁部に垂直である。
【0066】
別の実施形態によれば、複数の画素内の各画素列は、追加の接地電源線のうちの1つに結合されている。
【0067】
一実施形態によれば、周辺と、周辺内のアクティブ領域内に形成された複数の画素と、周辺の縁部に沿って形成された電源回路と、ディスプレイの周辺全体に沿って形成された正電源線と、アクティブ領域内の複数の画素を通って形成された追加の正電源線と、を含むディスプレイが提供され、追加の正電源線は、ディスプレイにわたる輝度差を軽減するように構成されている。
【0068】
別の実施形態によれば、追加の正電源線は、電源回路が形成されている周辺の縁部に平行である。
【0069】
前述は単なる例示であり、当業者は、記載された実施形態の範囲及び精神から逸脱することなく、様々な修正を行うことができる。前述の実施形態は、個々に又は任意の組み合わせで実装されてもよい。