(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】自走式トンネル整備作業車
(51)【国際特許分類】
E21D 11/40 20060101AFI20240508BHJP
E21D 13/04 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
E21D11/40 Z
E21D13/04
(21)【出願番号】P 2022566379
(86)(22)【出願日】2021-09-17
(86)【国際出願番号】 CN2021118943
(87)【国際公開番号】W WO2022089086
(87)【国際公開日】2022-05-05
【審査請求日】2022-10-28
(31)【優先権主張番号】202011194992.8
(32)【優先日】2020-10-30
(33)【優先権主張国・地域又は機関】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】522423503
【氏名又は名称】徐州徐工随車起重机有限公司
(74)【代理人】
【識別番号】100095407
【氏名又は名称】木村 満
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100147924
【氏名又は名称】美恵 英樹
(72)【発明者】
【氏名】商 暁恒
(72)【発明者】
【氏名】李 根文
(72)【発明者】
【氏名】邱 剣飛
(72)【発明者】
【氏名】孔 令燕
(72)【発明者】
【氏名】晁 小青
(72)【発明者】
【氏名】毛 少坊
【審査官】小倉 宏之
(56)【参考文献】
【文献】特開2018-167988(JP,A)
【文献】特開2012-051687(JP,A)
【文献】中国実用新案第2534098(CN,Y)
【文献】特開2018-150138(JP,A)
【文献】特開2019-189447(JP,A)
【文献】登録実用新案第3214624(JP,U)
【文献】中国特許出願公開第110327569(CN,A)
【文献】特開昭59-126900(JP,A)
【文献】特開2018-111986(JP,A)
【文献】特開2002-332199(JP,A)
【文献】特開2007-153478(JP,A)
【文献】中国実用新案第210912421(CN,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E21D 11/40
E21D 13/04
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
キャブ付きシャーシ(1)、サブフレーム(2)、自走式装置(3)及び作業装置(4)を含み、前記サブフレーム(2)はキャブ付きシャーシ(1)に接続され、前記自走式装置(3)はサブフレーム(2)の底部に固定された4つの支持脚(31)を含み、支持脚(31)の下には、油圧シリンダによって可動脚部(32)が接続され、可動脚部(32)の底部に走行輪(33)が取り付けられ、前記作業装置(4)は、マルチステージが折り畳み可能な作業装置であり、水平方向と垂直方向に展開可能な複数の作業ステージを含み、前記複数の作業ステージは展開した場合に4分の1の円弧面を被覆可能であり、
前記走行輪(33)は駆動輪としてサブフレーム(2)の走行を駆動し、
前記作業装置(4)は、水平方向に伸縮可能な伸縮アーム(41)を備え、
前記伸縮アーム(41)は、第1回転機構(5)を介して
水平旋回可能にサブフレーム(2)
に接続され
ていることを特徴とする、自走式トンネル整備作業車。
【請求項2】
前記サブフレーム(2)の幅はキャブ付きシャーシ(1)の車体の幅以下であり、前記第1回転機構(5)はサブフレーム(2)の中心位置に設けられ、第1回転機構(5)の回転角度の範囲が±90度であることを特徴とする、請求項1に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項3】
前記伸縮アーム(41)はベースアーム(411)及び展開アーム(412)を含み、前記ベースアーム(411)は、一端がカウンタウェイト(42)に接続され、他端が展開アーム(412)に摺動可能に接続され、前記第1回転機構(5)はベースアーム(411)の底部に設けられ、前記複数の作業ステージは展開アーム(412)
に対して垂直方向に展開可能な幅可変作業機構(44)に設けられることを特徴とする、請求項1に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項4】
前記第1回転機構(5)の中心からカウンタウェイト(42)の外縁部までの距離はサブフレーム(2)の幅の1/2以下であることを特徴とする、請求項3に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項5】
前記展開アーム(412)の自由端は垂直方向に展開可能な幅可変作業機構(44)に固定して接続され、自由端の内側が第2回転機構(45)を介して第1作業ステージ(43)の一端に回転可能に接続され、前記第2回転機構(45)の回転角度の範囲が±90度であり、第1作業ステージ(43)を水平方向に展開可能にし
、格納状態下で前記第1作業ステージ(43)と幅可変作業機構(44)の長手方向は伸縮アーム(41)と同一方向に設けられることを特徴とする、請求項3に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項6】
前記第1作業ステージ(43)には、さらに可動エスカレータ(433)及び固定はしご(434)が設けられることを特徴とする、請求項5に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項7】
前記幅可変作業機構(44)は、幅可変メインアーム(441)を備え、前記幅可変メインアーム(441)は一端に接続台(443)がヒンジ接続され、他端に第3作業ステージ(444)が取り付けられ、中央に複数の第2作業ステージ(445)が平行に間隔を置いて取り付けられ、前記接続台(443)の頂部に固定作業ステージ(446)が取り付けられ、底部が展開アーム(412)に固定され、幅可変メインアーム(441)と接続台(443)の間に、幅可変メインアーム(441)を持ち上げるために、幅可変油圧シリンダ(448)が設けられ、
前記第3作業ステージ(444)、第2作業ステージ(445)及び固定作業ステージ(446)は、幅可変メインアーム(441)
が持ち上げ
られると、
この順序で上から下へ
と配置されることを特徴とする、請求項5に記載の自走式トンネル整備作業車。
【請求項8】
前記幅可変メインアーム(441)の両側にはそれと平行に2つのコンロッド(442)が設けられ、コンロッド(442)の両端にそれぞれ第3作業ステージ(444)及び接続台(443)が接続され、前記接続台(443)、第2作業ステージ(445)及び第3作業ステージ(444)はいずれも取り付けベース(447)によって幅可変メインアーム(441)及びコンロッド(442)にヒンジ接続されることを特徴とする、請求項7に記載のマルチステージ折り畳み可能トンネル整備作業装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は自走式トンネル整備作業車に関し、トンネル整備の技術分野に属する。
【背景技術】
【0002】
科学技術の発展に伴い、道路トンネル数が増加し、ひいてはトンネルの増加率が高速道路自体の増加率よりも高い。地質条件、設計や施工技術条件の制限により、トンネルに非常に多くの問題が存在する。構築された道路トンネルを検討したところ、漏水し、覆工がひび割れ、背面空洞が発生し、覆工の厚さが不足であり、コンクリート強度が劣化する等の現象が深刻である。現在、複数の道路トンネルに変状が現れて非健全状態にあり、非常に多くのトンネルが整備・補修時期に入っている。一般的なトンネル整備は、土木工事の点検補修(覆工のひび割れ、漏水等);照明、換気、監視装置の点検修理;機械電気、消防救助施設の点検修理等を含む。今まで、中国では非常に多くのトンネルが整備補修時期に入っている。
【0003】
現在、トンネル整備作業の際に、高さが2メートル以下である場合、作業ステージを必要とせず、2メートル以上である場合、作業ステージを利用するしか実現できず、トンネル施工作業者は、主に地上に架台を設置すること、トラックの尾部に一時用の架台を搭載すること、及び一般的な高所作業車を使用するという3種類の方式で、施工作業者を地上から高所のトンネル面に搬送する。架台を設置する方法の場合、高さが一定で、調整不可能であり、トラックの尾部の架台と荷台の接続が不安定であり、車両走行中に架台が激しく振動し、作業者の安全を確保することができず、作業効率が低い。一般的な高所作業車は、作業用バケットが小さく、積載能力が低く、ポイントツーポイント検出だけを実現でき、走行しながら作業することができず、作業効率が低く、他方で、作業の際に、アームフレーム構造が回転により車体の幅から伸び出して2車線を占有し、車両の通行に影響を与える。
【0004】
該背景技術に記載の情報は、本発明の全体的な背景をよりよく理解するためのものに過ぎず、該情報が当業者に公知の従来技術となることが認められるか、又は如何なる形態で示唆を与えるとみなすべきではない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、従来技術の不足を解消するために、自走式トンネル整備作業車を提供することであり、自走式機能を備え、施工作業時の低速走行及び制御可能な走行速度を実現することができ、現在のトンネル整備作業に存在する高さや幅の調整やポイントツーポイントの作業ができず、作業用バケットの積載能力が低く、作業時に走行できず、作業時に道路を占用し、作業効率が低下し、安全性が低い等の一連の問題が解決される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は下記技術的解決手段によって実現される。
【0007】
自走式トンネル整備作業車であって、キャブ付きシャーシ、サブフレーム、自走式装置及び作業装置を含み、前記サブフレームはキャブ付きシャーシに接続され、前記自走式装置はサブフレームの底部に固定された4つの支持脚を含み、支持脚の下には、油圧シリンダによって可動脚部が接続され、可動脚部の底部には走行輪が取り付けられ、前記作業装置は、マルチステージが折り畳み可能な作業装置であり、水平方向と垂直方向に展開可能な複数の作業ステージを含み、前記複数の作業ステージは展開した場合に4分の1の円弧面を被覆可能であり、前記作業装置の底部には第1回転機構を介してサブフレームが接続される。
【0008】
本発明に記載の自走式装置は、トランスファケースによってシャーシを駆動し、さらにシャーシに接続されたサブフレームを介して自走式装置の走行を駆動してもよく、走行輪内にモータ及びハブ減速機を取り付け、走行輪を駆動輪としてサブフレームの走行を駆動してもよい。上記2種類の駆動方式に関するトランスファケース及びハブ減速機等の機構の具体的な構造と接続方式は、いずれも従来技術を参照し又は直接採用することができ、ここでは説明を省略する。整備作業の際にして、油圧シリンダによって可動脚部を伸ばし、走行輪を地上に配置し、トップドライブを剛性支持し、且つ駆動機構の作用により、シャーシタイヤと共に作業状態での低速走行を実現し、作業しながら走行し、走行中にトンネル整備作業装置は半分の円弧状トンネル面を被覆し、施工作業効率を大幅に向上させることができる。
【0009】
さらに、前記サブフレームの幅はキャブ付きシャーシの車体の幅以下であり、サブフレームは作業装置とキャブ付きシャーシの間の遷移装置であり、トップドライブの剛性を高め、作業時の作業ステージの安定性をより向上させる。キャブ付きシャーシは、トンネル整備作業装置の担体であり、前記第1回転機構はサブフレームの中心位置に設けられ、第1回転機構の回転角度の範囲が±90度であり、これにより、作業装置は両側作業が可能になり、1車線高速道路でユーターンできないという問題が解決される。
【0010】
さらに、前記作業装置は伸縮アームを含み、前記伸縮アームはベースアーム及び展開アームを含み、前記ベースアームは、一端がカウンタウェイトに接続され、他端が展開アームに摺動可能に接続され、前記第1回転機構はベースアームの底部に設けられ、前記複数の作業ステージは展開アームに設けられる。
【0011】
さらに、好ましくは前記第1回転機構の中心からカウンタウェイトの外縁部までの距離をサブフレームの幅の1/2以下にし、これにより、作業装置が回転する時、カウンタウェイトを常時車体内に保持し、作業時に1車線だけを占有し、正常の車両通行に影響を与えないようにする。
【0012】
さらに、前記展開アームの自由端は垂直方向に展開可能な幅可変作業機構に固定して接続され、自由端の内側が第2回転機構を介して第1作業ステージの一端に回転可能に接続され、前記第2回転機構の回転角度の範囲が±90度であり、第1作業ステージを水平方向に展開可能にし、且つトンネル方向に沿って後ろに伸ばし、トンネル作業面積を増加することができる。前記幅可変作業機構は複数の作業ステージを備え、展開時に段階的に分布し、格納状態下で前記第1作業ステージと幅可変作業機構の長手方向は伸縮アームと同一方向に設けられる。前記第1作業ステージには、可動エスカレータ及び固定はしごが設けられてもよく、具体的には、前記第1作業ステージがステージ底板及びガードレールを含むように設けられてもよく、前記ガードレールがステージ底板の縁部に設けられ、ガードレールの上部に折り畳み手すりが取り付けられ、折り畳み手すりは、作業時に開けられて作業者の安全性を保護し、格納時にステージの内部へ180度折り畳むことができるため、占有空間を低減し、前記可動エスカレータ及び固定はしごは、第2回転機構の一端に近接するステージ底板の両側に設けられ、これにより、作業者がステージに進むこと、及び各ステージ間で移動することが容易になり、可動エスカレータはステージ底板に回転可能に接続されることで、それをステージ内に折り畳んだりステージの外へ放出したりすることができ、それが垂直位置にある場合、ガードレールとしてもよい。
【0013】
さらに、前記幅可変作業機構は幅可変メインアームを含み、前記幅可変メインアームは一端に接続台がヒンジ接続され、他端に第3作業ステージが取り付けられ、中央に複数の第2作業ステージが平行に間隔を置いて取り付けられ、前記接続台の頂部に固定作業ステージが取り付けられ、底部が展開アームに固定され、幅可変メインアームと接続台の間には、幅可変油圧シリンダを持ち上げるために、幅可変メインアームが設けられ、前記第3作業ステージ、第2作業ステージ及び固定作業ステージは、幅可変メインアームを持ち上げる時、上から下へ段階的に分布し、第2作業ステージの数及び間隔は、具体的な施工状況に応じて調整可能である。前記幅可変メインアームの両側には、それと平行に2つのコンロッドが設けられ、コンロッドの両端にそれぞれ第3作業ステージ及び接続台が接続され、前記接続台、第2作業ステージ及び第3作業ステージは、いずれも取り付けベースによって幅可変メインアーム及びコンロッドにヒンジ接続される。具体的には、前記幅可変メインアーム及びコンロッドには、同一の間隔を置いて複数群のヒンジ点がずれて設けられるようにしてもよく、各群のヒンジ点にいずれも取り付けベースが接続され、隣接する取り付けベースは、幅可変メインアーム、コンロッドと角度が可変な平行四辺形の構造を形成し、複数の作業ステージを格納状態で揃え、作業中に幅可変メインアームの持ち上げに伴って揃えから徐々に段階的に配列するようにし、且つ作業ステージの足踏み面が常時水平状態にあり、接続台は接続カラムを含み、接続カラムの頂部に作業ステージが取り付けて固定され、底部がボルトを介して展開アームに固定され、接続カラムの上部は取り付けベースによって幅可変メインアーム、コンロッド及び幅可変油圧シリンダにヒンジ接続される。前記第2作業ステージの足踏みの側辺には、作業者の施工安全を保障するためのガードレールが設置されてもよく、下部には、作業者のステージ間の移動を容易にするための補助はしごが設置されてもよく、固定作業ステージの側辺にはガードレールが設置されてもよく、作業中に第1作業ステージに対面する一側には、可動ドアが設置されてもよく、可動ドアの一側の足踏みの下部には補助はしご、側辺には手すりが設置されてもよく、これにより、作業者が容易に第1作業ステージから固定作業ステージに入る。より具体的には、前記した伸縮アーム方向に沿って第3作業ステージの幅を第2作業ステージの幅より大きくし、第1作業ステージの長さを第2作業ステージの長さより大きくするようにしてもよく、トンネルの頂部と底部の作業量が大きいという問題を解決し、作業面積を増加し、作業効率を向上させることができる。段階的に配置される第2作業ステージ及び固定作業ステージは、ハンチ位置をよく被覆することができ、第3作業ステージはトンネルの頂部を被覆し、第1作業ステージはトンネル底部を被覆し、これにより、トンネル半断面の同時作業が実現され、装置を取り戻す場合、装置ステージは2層で配置され、第1作業ステージが底層にあり、第2作業ステージ、固定作業ステージ及び第3作業ステージが第1作業ステージの上方に水平に配置され、車内に取り込まれた時の占有空間が小さく、外観が簡潔である。
【0014】
本発明は特にトンネル整備作業に適用され、他の作業分野に用いることもできる。
【発明の効果】
【0015】
従来技術と比較して、本発明が達成する有益な効果は以下のとおりである。
【0016】
(1)本発明は専用のトンネル整備作業装置を提供し、該車両積載能力が高く、低速自走可能であり、走行速度を制御することができ、走行の際に、マルチステージが折り畳み可能な作業装置は半分の円弧トンネル面を被覆することができ、被覆範囲が大きく、施工作業効率を大幅に向上させ、全車の安全性が高く、構造が簡単でコストが低い。
(2)トンネル整備作業装置は作業時に、1車線だけを占有し、正常の車両通行に影響を与えない。
(3)全車に取り込まれた時、装置ステージは2層に分けてシャーシの上方に取り込まれ、車内に取り込まれた時の占有空間が小さく、外観が簡潔である。
(4)トンネル整備作業装置は両側作業が可能であり、1車線高速道路でユーターンできないという問題が効果的に解決される。
(5)マルチステージ構造は被覆面が広く、ステージ面積が大きく、積載能力が高く、作業が安全であり、効率が高いという特徴を備える。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【
図1】本発明に係る自走式トンネル整備作業車の実施例の格納状態の側面構造概略図である。
【
図2】本発明に係る自走式トンネル整備作業車の実施例の作業状態の側面構造概略図である。
【
図3】本発明に係る自走式トンネル整備作業車の実施例の作業状態の立体構造概略図である。
【
図4】本発明の実施例に係る自走式装置とサブフレームの側面及び立体構造概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に図面を参照しながら本発明をさらに説明する。以下の実施例は本発明の技術的解決手段をより明確に説明するためのものに過ぎず、本発明の保護範囲をこれによって制限することができない。
【0019】
本発明の記述では、「中心」、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」、「垂直」、「水平」、「頂」、「底」、「内」、「外」等の方位詞で示す方位又は位置関係は図面に基づいて示す方位又は位置関係であり、その目的はただ本発明を容易に記述し、記述を簡単化することにあり、示される装置又は素子が必ず特定の方位を有し、特定の方位で構成され操作されることを明示、暗示しないため、本発明を制限するものと理解してはならない。また、「第1」、「第2」等の用語は目的を説明するためのものに過ぎず、相対的重要性を明示又は暗示する又は指示される技術的特徴の数を暗に含むと理解してはならない。このため、「第1」、「第2」等で限定される特徴は、1つ又は複数の該特徴を含むことを明示又は暗示する。本発明の説明では、特に断らない限り、「複数」は2つ又は2つ以上を意味する。
【0020】
本発明の説明では、説明すべきこととして、明確に規定、限定しない限り、用語の「取り付ける」、「連結する」、「接続する」を広義的に理解すべきであり、例えば、固定的に接続してもよく、取り外し可能に接続してもよく、又は一体的に接続してもよく、機械接続してもよく、電気的に接続してもよく、直接接続してもよく、さらに中間媒体を介して間接的に接続してもよく、2つの素子の内部を連通させてもよいことである。当業者であれば、具体的な状況に応じて上記用語の本発明での具体的な意味を理解してもよい。
【0021】
(実施例)
図1-
図4に示す自走式トンネル整備作業車は、キャブ付きシャーシ1、サブフレーム2、自走式装置3及び作業装置4を含み、前記サブフレーム2はキャブ付きシャーシ1に接続され、サブフレーム2の幅はキャブ付きシャーシ1の車体の幅以下であり、前記自走式装置3は、サブフレーム2の底部に固定された4つの支持脚31を含み、支持脚31の下には、油圧シリンダによって可動脚部32が接続され、可動脚部32の底部に走行輪33が取り付けられ、走行輪33内にモータ及びハブ減速機が取り付けられ、走行輪33は駆動輪としてサブフレーム2の走行を駆動する。前記作業装置4は、マルチステージが折り畳み可能な作業装置であり、水平方向と垂直方向に展開可能な複数の作業ステージを含み、前記複数の作業ステージは展開した場合に4分の1の円弧面を被覆可能であり、前記作業装置4の底部は第1回転機構5を介してサブフレーム2に接続され、第1回転機構5は、サブフレーム2の中心位置に設けられ、回転角度範囲が±90度であり、作業装置4は両側作業が可能になり、1車線高速道路でユーターンできないという問題が解決される。
【0022】
本実施例に記載の作業装置4は、伸縮アーム41を含み、前記伸縮アーム41はベースアーム411及び展開アーム412を含み、前記ベースアーム411は、一端がカウンタウェイト42に接続され、他端が展開アーム412に摺動可能に接続され、前記第1回転機構5はベースアーム411の底部に設けられ、第1回転機構5の中心からカウンタウェイト42の外縁部までの距離はサブフレーム2の幅の1/2以下であり、これにより、作業装置が回転する時、カウンタウェイトは常時車体内にあり、作業時に、1車線だけを占有し、正常の車両通行に影響を与えないようにする。前記展開アーム412の自由端は、幅可変作業機構44に固定して接続され、自由端の内側が第2回転機構45を介して第1作業ステージ43の一端に回転可能に接続され、前記第2回転機構45の回転角度の範囲が±90度であり、これによって、第1作業ステージ43が水平方向に展開可能であり、且つトンネル方向に沿って後ろに伸び出し、トンネル作業面積を増加することができる。作業装置4は、格納状態下で前記第1作業ステージ43と幅可変作業機構44の長手方向が伸縮アーム41と同一方向に設けられる。
【0023】
上記第1作業ステージ43は、ステージ底板431及びガードレール432を含み、ガードレール432はステージ底板の縁部に設けられ、ステージ底板431の第2回転機構45に近接する一端には、可動エスカレータ433及び固定はしご434が設けられ、これにより、作業者がステージに進むこと、及び各ステージ間で移動することが容易になり、前記可動エスカレータ433はステージ底板431に回転可能に接続されることで、それをステージ内に折り畳んだりステージの外へ放出したりすることができる。
【0024】
上記幅可変作業機構44は、幅可変メインアーム441を含み、前記幅可変メインアーム441は一端に接続台443がヒンジ接続され、他端に第3作業ステージ444が取り付けられ、中央に3つの第2作業ステージ445が平行に間隔を置いて取り付けられ、前記接続台443の頂部に固定作業ステージ446が取り付けられ、底部が展開アーム412に固定され、幅可変メインアーム441と接続台443の間には、幅可変油圧シリンダ448を持ち上げるために、幅可変メインアーム441が設けられ、前記第3作業ステージ444、第2作業ステージ445及び固定作業ステージ446は、幅可変メインアーム441を持ち上げる時に、上から下へ段階的に分布する。前記幅可変メインアーム441の両側には、それと平行に2つのコンロッド442が設けられ、コンロッド442の両端にそれぞれ第3作業ステージ444及び接続台443が接続され、前記接続台443、第2作業ステージ445及び第3作業ステージ444は、いずれも取り付けベース447によって幅可変メインアーム441及びコンロッド442にヒンジ接続される。具体的には、前記幅可変メインアーム441及びコンロッド442には、同一の間隔を置いて複数群のヒンジ点がずれて設けられ、各群のヒンジ点にいずれも取り付けベース447が接続され、隣接する取り付けベース447は、幅可変メインアーム441、コンロッド442と角度が可変な平行四辺形の構造を形成し、複数の作業ステージを格納状態で揃え、作業中に幅可変メインアーム441の持ち上げに伴って揃えから徐々に段階的に配列するようにし、且つ作業ステージの足踏み面が常時水平状態にあり、接続台は接続カラムを含み、接続カラムの頂部に固定作業ステージ446が取り付けられ、底部がボルトを介して展開アーム412に固定され、接続カラムの上部は取り付けベース447によって幅可変メインアーム441、コンロッド442及び幅可変油圧シリンダ448にヒンジ接続される。
【0025】
本実施例では、伸縮アーム41の方向に沿って第3作業ステージ444の幅が第2作業ステージ445の幅より大きく、第1作業ステージ43の長さが第2作業ステージ445の長さより大きく、トンネルの頂部と底部の作業量が大きいという問題を解決し、作業面積を増加し、作業効率を向上させることができる。段階的に配置される第2作業ステージ445及び固定作業ステージ446は、ハンチ位置をよく被覆することができ、第3作業ステージ444はトンネルの頂部を被覆し、第1作業ステージ43はトンネルの底部を被覆し、トンネル半断面の同時作業が実現され、装置を取り戻す場合、装置ステージは2層で配置され、第1作業ステージ43が底層にあり、第2作業ステージ445、固定作業ステージ446及び第3作業ステージ444が第1作業ステージ43の上方に水平に配置され、車内に取り込まれた時の占有空間が小さく、外観が簡潔である。
【0026】
以上は本発明の好ましい実施形態に過ぎず、指摘しておきたいのは、当業者であれば、本発明技術の原理から逸脱することなく、さらに様々な改善及び変形を行ってもよく、これらの改善及び変形も本発明の保護範囲とすべきである点である。
【0027】
(付記)
(付記1)
キャブ付きシャーシ(1)、サブフレーム(2)、自走式装置(3)及び作業装置(4)を含み、前記サブフレーム(2)はキャブ付きシャーシ(1)に接続され、前記自走式装置(3)はサブフレーム(2)の底部に固定された4つの支持脚(31)を含み、支持脚(31)の下には、油圧シリンダによって可動脚部(32)が接続され、可動脚部(32)の底部に走行輪(33)が取り付けられ、前記作業装置(4)は、マルチステージが折り畳み可能な作業装置であり、水平方向と垂直方向に展開可能な複数の作業ステージを含み、前記複数の作業ステージは展開した場合に4分の1の円弧面を被覆可能であり、前記作業装置(4)の底部に第1回転機構(5)を介してサブフレーム(2)が接続されることを特徴とする、自走式トンネル整備作業車。
【0028】
(付記2)
前記サブフレーム(2)の幅はキャブ付きシャーシ(1)の車体の幅以下であり、前記第1回転機構(5)はサブフレーム(2)の中心位置に設けられ、第1回転機構(5)の回転角度の範囲が±90度であることを特徴とする、付記1に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0029】
(付記3)
前記作業装置は伸縮アーム(41)を備え、前記伸縮アーム(41)はベースアーム(411)及び展開アーム(412)を含み、前記ベースアーム(411)は、一端がカウンタウェイト(42)に接続され、他端が展開アーム(412)に摺動可能に接続され、前記第1回転機構(5)はベースアーム(411)の底部に設けられ、前記複数の作業ステージは展開アーム(412)に設けられることを特徴とする、付記1に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0030】
(付記4)
前記第1回転機構(5)の中心からカウンタウェイト(42)の外縁部までの距離はサブフレーム(2)の幅の1/2以下であることを特徴とする、付記3に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0031】
(付記5)
前記展開アーム(412)の自由端は垂直方向に展開可能な幅可変作業機構(44)に固定して接続され、自由端の内側が第2回転機構(45)を介して第1作業ステージ(43)の一端に回転可能に接続され、前記第2回転機構(45)の回転角度の範囲が±90度であり、第1作業ステージ(43)を水平方向に展開可能にし、前記幅可変作業機構(44)は複数の作業ステージを備え、展開時に段階的に分布し、格納状態下で前記第1作業ステージ(43)と幅可変作業機構(44)の長手方向は伸縮アーム(41)と同一方向に設けられることを特徴とする、付記3に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0032】
(付記6)
前記第1作業ステージ(43)には、さらに可動エスカレータ(433)及び固定はしご(434)が設けられることを特徴とする、付記5に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0033】
(付記7)
前記幅可変作業機構(44)は、幅可変メインアーム(441)を備え、前記幅可変メインアーム(441)は一端に接続台(443)がヒンジ接続され、他端に第3作業ステージ(444)が取り付けられ、中央に複数の第2作業ステージ(445)が平行に間隔を置いて取り付けられ、前記接続台(443)の頂部に固定作業ステージ(446)が取り付けられ、底部が展開アーム(412)に固定され、幅可変メインアーム(441)と接続台(443)の間に、幅可変メインアーム(441)を持ち上げるために、幅可変油圧シリンダ(448)が設けられ、前記第3作業ステージ(444)、第2作業ステージ(445)及び固定作業ステージ(446)は、幅可変メインアーム(441)を持ち上げる時に、上から下へ段階的に分布することを特徴とする、付記5に記載の自走式トンネル整備作業車。
【0034】
(付記8)
前記幅可変メインアーム(441)の両側にはそれと平行に2つのコンロッド(442)が設けられ、コンロッド(442)の両端にそれぞれ第3作業ステージ(444)及び接続台(443)が接続され、前記接続台(443)、第2作業ステージ(445)及び第3作業ステージ(444)はいずれも取り付けベース(447)によって幅可変メインアーム(441)及びコンロッド(442)にヒンジ接続されることを特徴とする、付記7に記載のマルチステージ折り畳み可能トンネル整備作業装置。
【符号の説明】
【0035】
1-キャブ付きシャーシ、2-サブフレーム、3-自走式装置、31-支持脚、32-可動脚部、33-走行輪、4-作業装置、41-伸縮アーム、411-ベースアーム、412-展開アーム、42-カウンタウェイト、43-第1作業ステージ、431-ステージ底板、432-ガードレール、433-可動エスカレータ、434-固定はしご、44-幅可変作業機構、441-幅可変メインアーム、442-コンロッド、443-接続台、444-第3作業ステージ、445-第2作業ステージ、446-固定作業ステージ、447-取り付けベース、448-幅可変油圧シリンダ、45-第2回転機構、5-第1回転機構。