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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ヘアケア機器
(51)【国際特許分類】
   A45D 20/12 20060101AFI20240508BHJP
   A45D 20/10 20060101ALI20240508BHJP
   B01D 46/00 20220101ALI20240508BHJP
【FI】
A45D20/12 Z
A45D20/10 Z
B01D46/00 C
【請求項の数】 16
(21)【出願番号】P 2022569260
(86)(22)【出願日】2021-03-29
(65)【公表番号】
(43)【公表日】2023-06-15
(86)【国際出願番号】 GB2021050777
(87)【国際公開番号】W WO2021229203
(87)【国際公開日】2021-11-18
【審査請求日】2022-12-19
(31)【優先権主張番号】2007215.3
(32)【優先日】2020-05-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】GB
(73)【特許権者】
【識別番号】500024469
【氏名又は名称】ダイソン・テクノロジー・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100147485
【弁理士】
【氏名又は名称】杉村 憲司
(74)【代理人】
【識別番号】230118913
【弁護士】
【氏名又は名称】杉村 光嗣
(74)【代理人】
【識別番号】100174001
【弁理士】
【氏名又は名称】結城 仁美
(72)【発明者】
【氏名】ウィー ジン シム
(72)【発明者】
【氏名】アントワーヌ フランソワ アトキンソン
(72)【発明者】
【氏名】ユアンカン リウ
【審査官】渡邉 洋
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-076720(JP,A)
【文献】特開2019-055295(JP,A)
【文献】特開2013-075139(JP,A)
【文献】中国特許出願公開第110464103(CN,A)
【文献】特開2018-149286(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D20/00-20/52
B01D46/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ヘアケア機器であって、
第1の端部および第2の端部を有するハウジングであって、前記ハウジングの周りに延在し、前記ハウジングの第1の端部に隣接する流体入口を有するハウジングと、
流体出口と、
前記ハウジング内にて、前記流体入口と前記流体出口との間に延在する流体流路と、
を備え、
前記流体入口には、取り外し可能部分および固定部分を含む濾過システムが設けられており、前記取り外し可能部分は、分離可能な第1の部分および第2の部分を含み、前記第1の部分は、前記第2の部分が前記第1の部分に取り付けられたときにのみ前記ハウジングに固定することができ、前記第1の部分は、前記第2の部分の上を摺動可能なスリーブであり、さらに、前記第1の部分はフィルタグリルを含み、前記第2の部分はフィルタおよび支持フレームを含む、機器。
【請求項2】
前記第2の部分は、管状部分と、前記管状部分の一端で前記管状部分から半径方向外方に延在する基部とを備える、請求項1に記載の機器。
【請求項3】
前記基部は、前記第1の部分が前記第2の部分に接続されたときに、前記取り外し可能部分の第1の部分の端部と係合する外周レッジを提供する、請求項2に記載の機器。
【請求項4】
前記取り外し可能部分は、磁気的カップリングを介して前記流体入口に対して保持され、前記磁気的カップリングの第1の部分は、前記基部内に収容されている、請求項3に記載の機器。
【請求項5】
前記取り外し可能部分は、前記取り外し可能部分を前記固定部分上で第1の方向に摺動させることによって、前記ハウジングに取り付けられている、請求項1~4のいずれか一項に記載の機器。
【請求項6】
前記第1の部分は、前記第1の部分を前記第2の部分上で前記第1の方向とは反対の第2の方向に摺動させることによって、前記第2の部分に取り付けられている、請求項5に記載の機器。
【請求項7】
前記第2の部分の前記支持フレームは、1つ以上の濾材の層を含む前記フィルタを包囲し、定める、請求項1~6のいずれか一項に記載の機器。
【請求項8】
前記固定部分は、メッシュフレームによって包囲され、支持されたフィルタメッシュを備える、請求項1~7のいずれか一項に記載の機器。
【請求項9】
前記メッシュフレームは、前記固定部分と前記取り外し可能部分との間の機械的カップリングの第1の部品を形成するチャネルを備える、請求項8に記載の機器。
【請求項10】
前記流体入口の取り外し可能部分は、開状態および閉状態を有し、前記取り外し可能部分は、前記取り外し可能部分が閉状態にあるときにのみ前記固定部分に取り付けることができ、
前記取り外し可能部分は、前記濾過システムの固定部分と取り外し可能部分との間の機械的カップリングの第2および第3の部品を備え、前記機械的カップリングの第2および第3の部品は、前記取り外し可能部分が閉状態にあるときに組み合わされて機械的継手を形成するように構成されており、前記機械的継手が前記メッシュフレームのチャネルに対して適合することで、前記取り外し可能部分が前記濾過システムの固定部分に対して取り付けられるように構成されている、請求項9に記載の機器。
【請求項11】
前記取り外し可能部分が前記固定部分から取り外されたとき、前記機械的カップリングの第2および第3の部品を相互に分離することができる、請求項10に記載の機器。
【請求項12】
前記取り外し可能部分の第1の部分は、前記機械的カップリングの第1のセクションに突起部を収容するハウジングと、前記機械的カップリングの第2のセクションに協働する凹部とを備える、前記機械的カップリングの第2の部品を含む、請求項10または請求項1に記載の機器。
【請求項13】
前記取り外し可能部分の第2の部分は、前記第1のセクションおよび前記第2のセクションの両方に磁石または磁化材のうちの1つ以上を有する連結部を備える前記機械的カップリングの第3の部品を備える、請求項1に記載の機器。
【請求項14】
前記流体入口は、更に、前記濾過システムの取り外し可能部分の存在を感知し、前記濾過システムの取り外し可能部分が取り付けられている場合にのみ前記機器の作動を可能にするスイッチを備える、請求項1に記載の機器。
【請求項15】
前記スイッチは、前記メッシュフレーム内に収容されたリードスイッチであり、前記スイッチは、前記濾過システムの取り外し可能部分が取り付けられたときに、前記機械的カップリングの第3の部品が一対の電気接点を閉じ、前記濾過システムの取り外し可能部分が取り外されたときに、前記一対の電気接点を開くことを検出する、請求項14に記載の機器。
【請求項16】
前記機器は、空気流を有するヘアドライヤー、ヘアスタイリング機器、温風整髪ブラシ、またはストレート用装置である、請求項1~15のいずれか一項に記載の機器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヘアケア機器に関し、特に、ヘアケア機器のフィルタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の温風整髪機器では、空気はファンユニットによって入口に吸い込まれ、出口によって毛髪に向けられる。多くの場合、1つの機器に異なる付属品が設けられ、各付属品は異なる出口を、従って、乾燥、カール、またはボリュームアップ等の異なる機能を有する。空気は、所望のスタイルに応じて加熱することまたは加熱しないことができる。付属品は、スタイリングのために毛髪を巻き付けて保持する剛毛を含むことができる。従来、機器に流入する流体を濾過してダストおよび毛髪を除去するためにフィルタが設けられている。
【0003】
伝統的に、ヘアドライヤーは、ケーシングおよびハンドルを有し、ケーシングは、フィルタ、ファンユニット、およびヒータ等の構成要素を収容する。対照的に、ヘアスタイリング機器は、ケーシングに保持される。
【0004】
例えば、比較的大きな開口部を有するグリルと、比較的小さな開口部を有する内部フィルタとを備えた多層濾過システムを設けることが知られている。多くの場合、グリルは、内部フィルタの清掃、または損傷時にフィルタ層のうちの1つの交換が可能なように取り外し可能である。グリルは、機器のケーシングに摩擦嵌め、捻り嵌め、機械的連結、またはスナップ嵌めすることができる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
多くの場合、機器は、電力を供給するためのケーブルを流体入口および機器のフィルタの近くに備える。掃除のためにフィルタを取り外す場合、フィルタは依然としてケーブル上に保持されることになり、フィルタをケーブルから取り外すことが好ましい。本発明は、濾過作用を損なうことなく、掃除および交換するために機器から完全に取り外すことができるフィルタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、第1の端部および第2の端部を有するハウジングであって、ハウジングの周りに延在し、ハウジングの第1の端部に隣接する流体入口を備えるハウジングと、流体出口と、流体入口と流体出口との間にハウジング内を延在する流体流路と、を備え、流体入口には、取り外し可能部分および固定部分を含む濾過システムが設けられ、取り外し可能部分は、分離可能な第1の部分および第2の部分を含み、第1の部分は、第2の部分が第1の部分に取り付けられたときにのみ、ハウジングに固定することができるヘアケア機器を提供する。
【0007】
第1の部分は、第2の部分の上を摺動可能なスリーブであってもよい。
【0008】
第2の部分は、管状部分と、管状部分の一端で管状部分から半径方向外方に延在する基部とを備えることができる。
【0009】
基部は、第1の部分が第2の部分に接続されたときに、取り外し可能部分の第1の部分の端部と係合する外周レッジを提供することができる。
【0010】
取り外し可能部分は、磁気的カップリングを介して流体入口に対して保持することができ、磁気的カップリングの第1の部分は、基部内に収容されている。取り外し可能部分は、取り外し可能部分を固定部分上で第1の方向に摺動させることによって、ハウジングに取り付けることができる。
【0011】
第1の部分は、第1の部分を第2の部分上で第1の方向とは反対の第2の方向に摺動させることによって、第2の部分に取り付けることができる。
【0012】
第2の部分は、1つ以上の濾材の層を包囲し、定めるフレームを含んでもよい。
【0013】
固定部分は、メッシュフレームによって包囲され、支持されたフィルタメッシュを備えることができる。メッシュフレームは、固定部分と取り外し可能部分との間の機械的カップリングの第1の部品を形成するチャネルを備えてもよい。
【0014】
取り外し可能部分は、濾過システムの固定部分と取り外し可能部分との間の機械的カップリングの第2および第3の部品を備えてもよく、機械的カップリングの第2および第3の部品は、メッシュフレーム内のチャネルと協働するように適合されている。
【0015】
流体入口の取り外し可能部分は、開状態および閉状態を有することができ、取り外し可能部分は、取り外し可能部分が閉状態にあるときにのみ固定部分に取り付けることができる。
【0016】
取り外し可能部分が固定部分から取り外されると、機械的カップリングの第2および第3の部品を2つのセクションに分割することができる。取り外し可能部分の第1の部分は、機械的カップリングの第1のセクションに突起部を収容するハウジングと、機械的カップリングの第2のセクションに協働する凹部とを備える機械的カップリングの第2の部品を備えることができる。取り外し可能部分の第2の部分は、第1のセクションおよび第2のセクションの両方に、磁石または磁化材のうちの1つ以上を有する連結部を含む機械的カップリングの第3の部品を含むことができる。
【0017】
流体入口は、更に、濾過システムの取り外し可能部分の存在を感知し、濾過システムの取り外し可能部分が取り付けられている場合にのみ機器の作動を可能にするスイッチを備えてもよい。
【0018】
スイッチは、メッシュフレーム内に収容されたリードスイッチであってもよく、このスイッチは、濾過システムの取り外し可能部分が取り付けられたときに、機械的カップリングの第3の部品が一対の電気接点を閉じ、濾過システムの取り外し可能部分が取り外されたときに、一対の電気接点を開くことを検出する。
【0019】
機器は、空気流を有するヘアドライヤー、ヘアスタイリング機器、温風整髪ブラシ、またはストレート用装置であることができる。
【0020】
次に、本発明を、添付の図面を参照して、単なる例示として説明する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】取り外し可能なフィルタを有するヘアドライヤーを示す図である。
図2図1のヘアドライヤーの断面図である。
図3a】流体入口の取り外し可能部分を取り外したヘアドライヤーの等角図である。
図3b図3aの流体入口の拡大部分図である。
図4a】流体入口の取り外し可能部分が様々な取り外し段階にあるヘアドライヤーの入口を示す図である。
図4b】流体入口の取り外し可能部分が様々な取り外し段階にあるヘアドライヤーの入口を示す図である。
図4c】流体入口の取り外し可能部分が様々な取り外し段階にあるヘアドライヤーの入口を示す図である。
図5】フィルタグリルおよび中間層に分離されたときの流体入口の取り外し可能部分の等角図である。
図6a】開状態にある流体入口の取り外し可能部分の側面図である。
図6b】開状態にある流体入口の取り外し可能部分の上面図である。
図6c】閉状態にある流体入口の取り外し可能部分の上面図である。
図7a】フィルタグリルの分解等角図である。
図7b】フィルタグリルの分解等角図である。
図8】本発明による流体入口の固定部分の代替的な実施形態を示す図である。
図9】フィルタの取り外し可能部分を感知するための感知構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
図1図2、および図3は、ハンドル20および本体30を備えたヘアドライヤー10の実施例を示す。ハンドルは、本体30から遠位側の第1の端部24を有し、更にハンドルは、主流体入口40と、本体30に接続した第2の端部22とを含む。電力は、ケーブル50を介してヘアドライヤー10に供給される。ヘアドライヤー10からのケーブル50の遠位端にはプラグ(図示せず)が設けられており、プラグは、主電源またはバッテリパック等への電気接続を可能にする。主流体入口40は、複数の濾過層を含む濾過システムを備えている。濾過システムは、取り外し可能部分54および固定部分52を含む。取り外し可能部分54は、清掃のためにユーザが取り外すことができ、固定部分52は、取り外し可能部分54が取り外されている場合に、ユーザが掃除のためにアクセスすることができる。
【0023】
主流体入口40の上流には、ファンユニット70が設けられている。ファンユニット70は、ファンおよびモータを含む。ファンユニット70は、主流体入口40を通して流体を吸い込み、主流体入口40から本体30(ハンドル20および本体30が接続される箇所90)に延在する主流体流路400を通して本体30に向かわせる。本体30は、第1の端部32および第2の端部34を有し、主流体流路400は、本体30を通して本体の第2の端部34に向かって、ヒータ80を迂回して主流体出口440まで続き、ここでファンユニットによって吸い込まれた流体が主流体流路400から排出される。主流体流路400は直線ではなく、ハンドル20内を第1の方向に進み、本体30を通って第1の方向に対して直交する第2の方向に進む。
【0024】
本体30は、外壁360および内部ダクト310を含む。主流体流路400は、本体に沿って、外壁360と内部ダクト310との間のハンドル20および本体30の接続部90から、本体30の第2の端部34の主流体出口440に向かって延在している。
【0025】
内壁260は、外壁360の内部に延在している。内壁260は、少なくとも部分的に主流体出口440を定め、本体30の第2の端部34から内部ダクト310と外壁360との間に延在している。
【0026】
本体の内部には他の流体流路が設けられており、この流れは、ファンユニットまたはヒータによって直接処理されず、ヘアドライヤーを通る主流を生成するファンユニットの作用によってヘアドライヤーの中に吸い込まれる。この流体流は、主流体流路400を通過する流体によってヘアドライヤーの中に取り込まれる。
【0027】
本体の第1の端部32は流体入口320を含み、本体の第2の端部34は流体出口340を含む。流体入口320および流体出口340の両方は、少なくとも部分的に、本体30の内壁であり、かつ本体の内部を本体に沿って延在する内部ダクト310によって定められる。流体流路300は、流体入口320から流体出口340まで内部ダクト310の内部に延在している。本体30の第1の端部32において、側壁350が外壁360と内部ダクト310との間に延在している。この側壁350は、少なくとも部分的に流体入口320を定める。主流体出口440は、環状かつ流体流路を取り囲む。
【0028】
ヘアドライヤー用の制御電子部品を含むPCB(プリント基板)75が、側壁350および流体入口320の近くで本体30内に位置決めされる。PCB75は、リング状であり、内部ダクト310と外壁360との間で内部ダクト310の周囲に延在している。PCB75は、主流体流路400と流体連通している。PCB75は、流体流路300の周囲に延在し、内部ダクト310によって流体流路300から分離される。
【0029】
PCB75は、ヒータ80の温度およびファンユニット70の回転速度等のパラメータを制御する。内部配線(図示せず)は、PCB75をヒータ80およびファンユニット70およびケーブル50に電気的に接続する。PCB75に接続する制御ボタン62、64が設けられており、ユーザは、例えば、温度設定範囲および流量を選択することができる。
【0030】
PCB75の下流にはヒータ80があり、PCB75とヒータ80との間には、PCBバッフル700が設けられている。PCBバッフルは、特にヒータ80の作動時のPCB75のための熱保護を可能にする。
【0031】
使用時、ファンユニット70の作用によって主流体流路400の中に吸い込まれる流体は、任意にヒータ80によって加熱され、主流体出口440から流出する。この処理流により、流体入口320において流体流路300に取り込まれるようになる。流体は、本体の第2の端部34において処理流と合流する。図2に示す実施例において、処理流は、流体出口340を通ってヘアドライヤーから排出される取り込まれた流れを囲む環状流として、主流体出口440およびヘアドライヤーから排出される。従って、ファンユニットおよびヒータによって処理された流体は、取り込まれた流れによって増大する。
【0032】
本体30は、本体30の長さに沿って延在する長手方向軸線A-Aに関してほぼ対称的である。ダクト310および外壁360は同心であり、ダクト310と外壁360との間に配置されたヒータ80も同様である。
【0033】
ハンドル20は、本体30からハンドルの第1の端部24に向かって延在する外壁200を有する。ハンドル20の第1の端部24に隣接して、流体入口の固定部分52がある。流体入口40の固定部分52は、メッシュフレーム56によって包囲され、支持されたフィルタメッシュ44を有する。フィルタメッシュ44は、機器に恒久的に固定されており、多くの機能を果たす。フィルタメッシュ44は、機器へのアクセスを防止する構造的なフィンガーガードとして機能し、流速調整器として使用することで、上流の濾材の目詰まり率および深部捕集を改善することができ、任意の上流層が取り外されたまたは損傷した場合に、最終レベルの濾過作用として機能する。
【0034】
この実施形態におけるメッシュ開口部の直径は、80~500ミクロンであり、好ましくは、200~300ミクロンの範囲である。フィルタメッシュ44は、ブラシがけまたは拭き取ることで掃除することができる。
【0035】
図3a~図3bに関して説明した実施形態では、取り外し可能部分54は、機械的および磁気的カップリングによって、流体入口40の固定部分52に対して保持される。固定部分52は、フィルタメッシュ44(図3)と、フィルタメッシュ44を支持して取り外し可能部分54のための機械的カップリングをもたらし、流体入口40の取り外し可能部分54の固定部分52への磁気的取り付けのための磁石または磁化材66、68を収容するメッシュフレーム56とを含む。フレーム56は、フィルタメッシュ44の外周の周りに延在する第1の端縁152および第2の端縁154を有し、第1の端縁152は、外壁の遠位端200aに隣接して配置され、第2の端縁154は、ハンドルの第1の端部24に隣接して配置される。連結部156は、第1の端縁152と第2の端縁154との間を長手方向に延在する。連結部156は、流体入口40の固定部分52と取り外し可能部分54との間の機械的カップリングのためのハウジングを提供するが、これについては後述するものとする。磁石または磁化材66、68は、フレーム56の第2の端縁154の端面154´に設けられる。
【0036】
取り外し可能部分54は、2つの分離可能な部分を有し、第1の部分54aは、フィルタグリル48によって形成された外層を含み、第2の部分54bは、中間層140である。ここで、図5を参照すると、取り外し可能部分54は、フィルタグリル48と、フィルタ142および支持フレーム144を含む中間層140とを含む。取り外し可能部分54は、洗浄または交換のために取り外すことができる。取り外し可能部分54は、2つの状態、即ち、開状態および閉状態を有する。閉状態にあるとき、機械的継手60が形成され、取り外し可能部分54を流体入口40の固定部分52に取り付けることができる。開状態にあるとき、機械的継手が解除される。
【0037】
フィルタグリル48は、2つの状態を有しかつ可撓性であり、即ち、プラスチック材料で成形されており、第1の状態において、フィルタグリル48は自然な緩んだ状態で開いている。フィルタグリル48は、湾曲して開ループまたはC字形を成す壁92を有し、更に壁92は、壁92に沿って軸方向に延在し、間隙94によって分離されるかまたは壁内で切断された端面190、192を有する。端面190、192は、壁の第1の端部96と第2の端部98との間の壁に沿って延在している。壁の第1の端部96は、ハンドルの遠位端200aと係合または当接するように適合される。第2の状態において、フィルタグリル48は閉じており(図4a)、壁92は閉ループを成す、即ち、間隙94は閉じている。壁92は、壁92の周囲および壁92に沿って、一連の行および/または列に延在する開口部42のアレイを有する。更に、機械的継手60(図6c)は、取り外し可能部分54に沿って長手方向に延在する。機械的継手60は、取り外し可能部分54が第2の状態にあるとき、または閉ループを形成するときに形成される。この実施形態では、この機械的継手の一部がフィルタグリル48によって提供され、これにより、フィルタグリル48の円環状を閉じた状態に維持するのを助ける。一方の端面190は突起部194を備え、他方の端面192は対応した大きさの凹部196を備え、ほぞ継手を形成する(図6a)。突出部194および凹部196は、ハウジング198内に配置され、ハウジング198は、間隙94の両側でフィルタグリル48に沿って長手方向に延在する。これは、第1の端縁190および第2の端縁192に沿って部分的に形成される。
【0038】
フィルタグリル48は、毛髪および他の異物がヘアドライヤーの主流体流路400に入るのを防止するのに役立ち、粗濾過段階を提供する。この実施形態では、開口部42は、約2.7mm(2700ミクロン)の直径を有し、フィルタグリルは、成形された熱可塑性物質から形成される。
【0039】
フィルタグリル48の機能には、下流の濾材が直接的にユーザに接触するのを防ぐことで、手の接触による汚染およびゴミによる汚れを防止することと、空気流から大きな粒子を除去することで、フィルタの寿命を延ばし目詰まり率を最適化することと、下流の濾材の清掃性を向上させることとが含まれる。フィルタグリル48はまた、下流の濾材全体の流量および速度分布を調整して、フィルタ寿命および目詰まり率を最適化し、一般的な使用において、下流の濾材を保護するための構造的ガードとして機能し、プレフィルタと下流の濾材との間を分離することで、ユーザが製品をプレフィルタ上に直接的に保持した場合に、流れの制限を低減するのに役立つ。フィルタグリル48は、製品のビジュアルランゲージの一部を形成し、フィルタ全体にわたって圧力損失が低くなるように設計され、広帯域音および調性音を減衰させるのに役立ち得る。
【0040】
中間層140もまた、フィルタ142の外周の周りに延在する支持フレーム144を有するC字形状の開ループとして形成される。フィルタ142は、流体入口40に流入する流体の微細濾過のうちの全てではないにしても大部分を提供し、多数の濾材の層からなる。中間層140は、フィルタグリル48内にフィットするように寸法決めされ、流体入口40の固定部分52に対して取り外し可能部分54を保持する磁気的カップリングを含む。支持フレーム144は、取り外し可能部分54と固定部分52との間に機械的継手60の部分を形成する。支持フレーム144は、中間層140の外周の周りに延在する第1の端縁240および第2の端縁242を有し、中間層140が機器10に取り付けられるとき、第1の端縁240は、外壁の遠位端200aに隣接して配置され、第2の端縁242は、ハンドルの第1の端部24に隣接して配置される。連結部244が第1の端縁240と第2の端縁242との間で長手方向に延在しており、中間層140が開状態にあるとき、2つの部分に形成される。連結部244は、複数の機能を有する。第1のセクション244aは、取り外し可能部分54が閉状態にあるときに形成される機械的継手60の一部を形成し、第2のセクション244bは、フィルタグリル48のいくつかの特徴を収容するように成形されるが、これについては後ほど詳述する。
【0041】
中間層は、流体入口40の端壁210を含む。端壁210は、3つの主要な機能を有しており、即ち、端壁210は、ケーブル50が機器に入る中央開口部を提供し、フィルタグリル48が載置される外周レッジを提供し、かつ、流体入口40の固定部分52との磁気的カップリングの一部を形成する一対の磁石または磁化材26、28のためのハウジングを提供する。これは、中間層140がフィルタグリル48内の所定の位置にない限り、フィルタグリル48を固定部分52に対して保持することができないことを意味する。フィルタグリル48と固定部分52との間に直接的な接続は存在しない。ユーザが、中間層140を含めることなく、フィルタグリル48を固定部分52に取り付けようとした場合、フィルタグリル48は単に外れて落ちる。
【0042】
ケーブル50は、端壁210の開口部212を通ってヘアドライヤーの中に入る。ケーブル50は、端壁210のほぼ中心に位置決めされ、ハンドル20の中心から延在している。ハンドル20は、長手方向軸線X-Xを有し、外壁200は、この軸線に沿って本体30から第1の端部24に向かって延在する。
【0043】
取り外し可能部分52は、手でまたは食洗器で洗浄できる故に、取り外し可能部分に保持されるものは全て比較的簡単に落とすことができ、更に詰まった任意の開口部を外部および内部の両方から掃除することができるので、掃除の有効性が高くなっている。対照的に、内側グリル44を備える固定部分54は、外面からしかアクセスすることができない故、任意の掃除の有効性はより低い。
【0044】
端壁210は、支持フレーム144と共成形され、この実施形態では、連結部244は、端壁210に隣接している。連結部244の第1のセクション244aは、閉状態にあるとき、取り外し可能部分54の機械的継手60の一部を形成する。連結部の第1のセクション244aは、機械的カップリングの第3の部品と考えられ得る。
【0045】
この実施形態では、フィルタグリル48および中間層140の両方がそれぞれ、機械的継手60の一部を形成する。各部分は、取り外し可能部分54の長さに沿って長手方向に離間している。中間層140の連結部244の第1のセクション244aは、端壁210に隣接して設けられており、第1の端縁240に向かって延在している。フィルタグリル48は、ハウジング198を含み、このハウジング198は、取り外し可能部分54が損傷を受けていないときに、第1の端部にて連結部244に当接し、フィルタグリル48の壁の第1の端部96に向かって延在する。ハウジング198は、フィルタグリル48の長さに沿ったほぼ中間に都合よく配置されており、これが、円環状を維持するのに最も役立っている。ハウジング198は、ほぼ長方形であり、突起部194が凹部196内に嵌合できるように寸法決めされており、ハウジング198は、フィルタグリルの任意の開口部42を覆い隠すまたは被覆するように延在してはいない。中間層140の連結部244の第2のセクション244bは、ハウジング198を収容するように成形されている。連結部244は、「L字形状」であり、第1のセクション244aは、脚部分を含み、中間層140が閉状態にあるときに物理的に接触しており、第2のセクション244bは、中間層140が閉状態にあるときに、ハウジング198を収容するように寸法決めされた間隙を有する直立部分を備える。
【0046】
取り外し可能部分54を閉構成に保持するために、磁気的カップリング170を使用する。一対の磁石または1つの磁石および1つの磁化材片を連結部244の両側に配置する。磁気的カップリング170は、連結部244に設けられた適切な大きさの凹部172の中に収容される。磁気的カップリング170が合わさると、連結部244が接続して、閉ループを形成する。フィルタグリル48が中間層140に取り付けられると、連結部244の第2の部分244bがハウジング198と係合し、間隙94を閉じて、突起部194を凹部196と係合させる。これにより、機械的継手60の第2の部品が形成され、これが濾過システムの固定部分52と係合することができる。磁気的カップリング170の係合および取り外しにより、濾過システムの取り外し可能部分54の開閉がそれぞれ可能となる。機械的および磁気的カップリングは、手で開くことおよび再度形作ることができる。
【0047】
機械的継手60は、濾過システムの固定部分52に対してフィルタグリル48および中間層140を機械的に保持するための手段を提供する。機械的継手60は、フィルタグリル48および中間層140の内部の矩形延長部をもたらす、即ち、機械的継手60は、壁92の内面92aおよび支持フレーム144から半径方向内方に延在している。流体入口40の固定部分52の連結部156は、取り外し可能部分54をハンドル20に取り付ける際に、機械的継手60を保持するように適合されているスロット158を含む。連結部156は、機械的継手60の第1の部品と考えることができ、メッシュフレーム内のチャネルとして形成される。
【0048】
次に、図4a~図4cを参照すると、取り外し可能部分54は、当初は機器に取り付けられ、機器の作動時に周囲空気から毛髪および汚染物質を集める。時間と共に、フィルタグリル48の開口部42および中間層140の一部の詰まりが発生することになり、これは、機器の全体性能に影響を与える可能性がある。機器は、ユーザに対して、機器の性能が低下しており、濾過システムの詰まりを確認する必要があることを知らせるインジケータを含むことができる。このインジケータは、視覚的なもの、即ち、LEDの点灯または機械的なもの、例えば、機器のハンドルの振動を引き起こす触覚フィードバックであることができる。
【0049】
濾過システムの取り外し可能部分54は、取り外し可能部分54をハンドル20の外壁200から離れて長手方向に、矢印Bで示す方向に摺動させることで固定部分52から取り外される。機械的継手60がスロット158から取り外されると、取り外し可能部分54(フィルタグリル48および中間層140を備える)は、ケーブルから取り外すことができる。磁気的カップリング170は解除され、これにより、中間層140およびフィルタグリル48を開状態に配置する、即ち、壁92の対向する端面190、192の間に形成された間隙94を開ける。間隙94並びに取り外し可能部分52の可撓性によって、手でまたは食洗器のいずれかによって洗浄するために、ケーブル50から取り外し可能部分52を取り外すことができる。
【0050】
取り外し可能部分54がケーブル50から取り外されると、中間層140は、2つの部分の間の相対的な直線運動によって、フィルタグリル48から取り外される。フィルタグリル48は、中間層140から分離することができるまで、端壁210から離間させる。中間層140からのフィルタグリル48の取り外しは、矢印C(図7a)で示すように、固定部分52からの取り外し可能部分54の取り外しとは反対の方向である。このプロセスは、磁気的カップリングを係合してまたは取り外して行うことができる。取り外し可能部分54の両方の部分は、手でまたは食洗器で洗浄して、異物を取り除くことができる。フィルタグリル48は、端壁210と係合するまで、中間層140上を摺動できるスリーブと考えることができる。中間層140は、端壁210が管状部分の一端にて管状部分から半径方向外方に延在する基部である管状部分を含むと考えることができる。基部は、フィルタグリルが中間層に接続されたときに、フィルタグリルの端部と係合する外周レッジを有する。
【0051】
図3図8に記載した実施形態において、固定部分52への取り外し可能部分54の磁気的取り付けは、中間層140の端壁210に収容される一対の磁石26、28と、固定部分54のフレーム56に設けられた第2の対の磁石66、68とから形成される。一対の磁石26、28および66、68の両方は、機械的継手60から半径方向に離間し、理想的には、互いに180度反対に配置されて機械的継手60の両側で均等な力を付与するようにする。
【0052】
当業者であれば、一対の磁石26、28および66、68のうちの一方は、磁化材に置き換え得ることを理解されよう。
【0053】
フレーム56の連結部156は、機械的継手60よりも幅広であるか、または固定部分54の外周のより大きな割合にわたって延在する。このことは、機械的継手60を通って引き込まれる可能性のあるあらゆる迷走流体(stray fluid)をフィルタメッシュ44で濾過することを保証する。
【0054】
この実施形態では、フィルタグリル48は、PET等の熱可塑性材料から作製されるが、これは必須ではない。代替物には、(例えば、エッチング、プレス加工、穴あけ加工、成形またはレーザ切断によって)穿孔された熱可塑性、熱硬化性、ゴム製、アルミニウム製、セラミック製、または鋼製のフィルタグリルが含まれるが、これらに限定されない。フィルタグリルの厚さは、0.05mm~6mmの厚さであることができ、開口部は、開口面積が5%~80%である任意の形状の0.04mm~10mmの開口部を有する。開口部は、フィルタグリルに沿って、フィルタグリルの周りで一定のまたは変化する密度の、ランダムに配置された規則的な配列であってもよい。グリルは、顔領域を最大化するために、例えば、円錐形、円形、平面、あるいはプリーツ状、またはそれらの任意の組み合わせの任意の形状の3D形状を含む、空気流に対する任意の向きにすることができる。掃除を容易にするために、疎水性、疎油性、オムニフォビック特性、または低表面エネルギー特性を備えたコーティングまたは埋め込み添加剤を適用することもできる。
【0055】
次に、図7bを参照して、中間フィルタ144についてより詳細に説明する。この実施形態では、中間フィルタ144は、3層の濾材から形成される。この実施形態では、内層150および外層146は、600ミクロンの細孔のナイロンメッシュを含み、封入された中央層148は、Haerdi製の厚さ0.8mmの3D不織布20GSM M5フィルタ(分類項目参照HF110/4)から作製される。
【0056】
中間層140は、多数の機能または望ましい特性を有する。第1の機能は、ふるい分け、摩擦(蛇腹状の経路)、確率論的方法、または静電気のいずれかによって、濾材を通過可能な長い毛髪および短い毛髪の量を制限することと、製品に進入可能な繊維状のゴミ、即ち、内部に捕集され、更なる蓄積の核生成サイトとして機能する、または可動コンポーネント(例えば、ファンユニットのファン)に巻き込まれるのに十分な大きさのあらゆるゴミの量を制限することである。第2の機能は、粘性液体汚染物質(例えば、ヘアスプレー、ヘアセラム等)が浮遊微粒子(例えば、皮膚細胞)と組み合わさって、個々のフィルタ開口部にわたって目詰まりを形成するのに十分な表面張力を有し、それによって、濾材の目詰まり率に悪影響を及ぼす可能性を制限することである。フィルタの目詰まり率を最小限に抑えるために、一般的に低い粒子濾過効率を有することであり、または製品が製品の設計寿命にわたって耐え得る限り低くすることである。これにより、洗浄プロセスが必要になるまでの時間が長くなる。繊維状媒体が絡まり、フィルタからの除去が困難になる可能性を制限することである。サロンで簡単に入手可能な界面活性剤、水、および道具を使用して簡単に掃除ができることである。何らかのパフォーマンスにおける損失が認識される前に、肉眼で汚れが見えるように、十分なゴミを捕捉することである。ゴミ除去の機械的手段を使用した複数回の洗浄サイクルに耐えるのに十分に頑丈であることである。フィルタ全体の初期圧力損失を低く抑え、広帯域音および調性音を減衰させることである。
【0057】
詳細に説明する実施形態では、3つの別個の濾材の層が使用される。しかしながら、これは一例に過ぎず、複数の層は、機器に合わせて調整された7以上の層を含むことができる。複数の層は、物理的に分離した媒体タイプであるか、または、典型的には、組み立ておよび堅牢性の目的で封入体として機能する内層および外層を含む、一層のグラデーション媒体に結合することもできる。上流層または外層は、第2のプレフィルタとしても機能し(フィルタグリル48は、第1のプレフィルタと見なされる)、洗浄性および目詰まり率の両方を向上させる。下流層または内層は、更に、流速調整器として機能し、フィルタの深部捕集性能および洗浄性を向上させる。封入された中央層である中央層は、通常、深部捕集濾材タイプまたは層状メッシュであり、主要な濾材として機能する。
【0058】
プレフィルタ層、即ち、(上に列挙したものに加えて)フィルタグリルまたは中間層の上流層または外層または封入された中央層または下流層または内層に使用可能な濾材の例には、限定されないが、熱処理、圧延(カレンダー加工)および/または焼結によって後処理され、任意の形状の0.04mm~10mmの大きさの開口部を有し、5%~80%の開口面積を有する開口部を含む、0.02mm~6mmの厚さを有する、熱可塑性、熱硬化性、ePTFE、ガラス、アルミニウム、セラミック、またはスチール製の織物、スパンボンド、スパンレイド、またはメルトブローンメッシュまたはフリースが含まれる。重量は、理想的には、20~165GSMであり、ストランドの直径は、0.01mm~2mmである。媒体の密度および細孔の大きさは、規則的またはランダムであり得、グラデーションにすることができる。各層は、単一または複数の材料であることができ、顔領域を最大化するために、例えば、円錐形、円形、平面、あるいはプリーツ、またはそれらの任意の組み合わせ等、3D形状の任意の形状を含む、気流に対する任意の方向に配置可能である。掃除を容易にするために、疎水性、疎油性、オムニフォビック特性、または低表面エネルギー特性を備えたコーティングまたは埋め込み添加剤を適用してもよい。濾材は、帯電防止または静電特性をもたらすように処理されてもよい。あるいは、使用される濾材は、限定されないが、0.1mm~3mmの細孔を有する厚さが0.2mm~6mmのPU、PP、PET、シリコン、AL、Kevler(登録商標)、鋼、または天然繊維を含む任意の入手可能な材料の連続気泡発泡体またはウールであることができる。この場合も、掃除を容易にするために、疎水性、疎油性、オムニフォビック特性、または低表面エネルギー特性を備えたコーティングまたは埋め込み添加剤を適用することができる。
【0059】
濾材のオプションの背後にある理由は、フィルタがすぐに目詰まりを起こすことなく、微粒子を流体入口内に捕捉するためである。従って、掃除プロセスを実行する必要がある前に、機器の性能を損なうことなく、できるだけ多くの物質を収集する。
【0060】
これまでに説明した実施形態では、機器は、取り外し可能部分が機器から取り外されたときに操作することができる。このため、メッシュは、微粒子を濾過するだけでなく、フィルタガードとしても機能する必要がある。他の実施形態では、図8および図9を参照すると、フィルタメッシュ44aは、はるかに大きな開口部を有している。これは、この流体入口40aが取り外し可能部分54の存在を検出するスイッチ120を含むためである。リードスイッチ120等の電気スイッチが固定部分52に収容されており、これは支持フレーム140内にオーバーモールドされてもよく、リードスイッチ120により、取り外し可能部分54内の磁石または磁化材26、28がスイッチに近付き、リードスイッチ内の電気接点を閉じて、機器の作動を可能にするまで、機器の動作を防止する。機器が作動している間に取り外し可能部分54が取り外されると、リードスイッチの電気接点が再度開き、機器は機能を停止する。
【0061】
この多層濾過システムの別のパラメータは、フィルタメッシュと取り外し可能部分の半径方向内面との間と、中間層の半径方向外面とフィルタグリルとの間との分離間の空隙である。0~4mmの空隙が調査され、使用される特定の濾過システムの目的では、0.73mmが最適であることが判明した。異なる層の間の空隙は、流速特性を変更するための更なるツールとして機能し、濾材全体の目詰まり率および圧力損失の両方を最適化する。
【0062】
本発明は、ヘアドライヤーに関して詳細に説明したが、流体を吸い込んでこの流体を機器から流出させるように導く任意の機器に適用可能である。
【0063】
一般に、機器内を流れる流体は空気であるが、複数または単数の気体の異なる組み合わせであってもよく、機器の性能、あるいは出力が向けられる毛髪等の物体および毛髪のスタイリングに機器が与える影響を改善する添加剤を含むこともできる。
【0064】
本発明は、上記の詳細な説明に限定されるものではない。当業者には、変形例が明らかであろう。
図1
図2
図3a
図3b
図4a
図4b
図4c
図5
図6a
図6b
図6c
図7a
図7b
図8
図9