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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】デカールマーカーシステム
(51)【国際特許分類】
   B29D 30/06 20060101AFI20240508BHJP
【FI】
B29D30/06
【請求項の数】 13
【外国語出願】
(21)【出願番号】P 2023010157
(22)【出願日】2023-01-26
(62)【分割の表示】P 2020545565の分割
【原出願日】2019-02-26
(65)【公開番号】P2023061963
(43)【公開日】2023-05-02
【審査請求日】2023-02-21
(31)【優先権主張番号】15/909,199
(32)【優先日】2018-03-01
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(73)【特許権者】
【識別番号】597000191
【氏名又は名称】アクロン・スペシャル・マシナリー・インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AKRON SPECIAL MACHINERY INCORPORATED
【住所又は居所原語表記】2740 Cory Avenue,Akron,Ohio ,U.S.A.
(74)【代理人】
【識別番号】100094569
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 伸一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100103610
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼田 和彦
(74)【代理人】
【識別番号】100109070
【弁理士】
【氏名又は名称】須田 洋之
(74)【代理人】
【識別番号】100098475
【弁理士】
【氏名又は名称】倉澤 伊知郎
(74)【代理人】
【識別番号】100130937
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100107537
【弁理士】
【氏名又は名称】磯貝 克臣
(72)【発明者】
【氏名】ヒルマン ベンジャミン イー
(72)【発明者】
【氏名】リント チャールズ エー
(72)【発明者】
【氏名】ミッチェル ブライアン ディー
【審査官】岩本 昌大
(56)【参考文献】
【文献】韓国公開特許第10-2016-0118401(KR,A)
【文献】特開昭48-030517(JP,A)
【文献】米国特許第06439042(US,B1)
【文献】特開2012-181079(JP,A)
【文献】特表2013-519102(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29D 30/00-30/72
G01M 17/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のデカールを保持する膜を有するデカールテープを保持し、タイヤユニフォミティマーキングステーションで用いられ、前記デカールテープからのデカールをタイヤの表面に移すデカールマーカーであって、
撤退位置とマーキング位置との間で移動可能なマーキングアセンブリフレームと、
前記デカールテープを保持して、前記マーキングアセンブリフレームによって保持されたマーカーと、
前記表面への移送のために前記マーカーが前記複数のデカールの1つを適切に位置決めするように、前記1つのデカールの縁部を検出するべく前記マーカーによって保持されたテープセンサアセンブリと、
を備え、
前記マーカーは、前記テープセンサアセンブリの摺動可能な位置調整を許容する少なくとも1つのスロットを有する少なくとも1つのプレートを有する
ことを特徴とするデカールマーカー。
【請求項2】
前記マーカーは、ヒータと、前記ヒータに結合されたマーカーボタンと、を有し、
前記ヒータ及び前記マーカーボタンは、前記マーカーによって保持され、前記デカールが適切に位置決めされる時に起動される
ことを特徴とする請求項1に記載のデカールマーカー。
【請求項3】
前記デカールテープを保持するテープロールを受け入れるために前記マーカーによって維持されるスピンドルと、
前記マーカーによって維持される巻取りロールと、
を更に備え、
前記巻取りロールは、前記テープロールから前記デカールテープを巻き出して前記マーカーボタンを通過させる
ことを特徴とする請求項2に記載のデカールマーカー。
【請求項4】
前記テープセンサアセンブリに接続された制御システムと、
前記巻取りロールに結合され、前記制御システムに接続されたモータと、
を更に備え、
前記モータは、前記巻取りロールを所定量だけ回転させ、前記デカールが作動時に前記マーカーボタンの下方に適切に位置決めされる
ことを特徴とする請求項3に記載のデカールマーカー。
【請求項5】
前記テープセンサアセンブリは、送信器と、受信器と、を有しており、
前記送信器と前記受信器との両方が、前記制御システムに接続されており、
前記送信器と前記受信器とが、前記デカールの縁部を検出し、
前記制御システムは、前記巻取りロールを前記所定量だけ移動させる
ことを特徴とする請求項4に記載のデカールマーカー。
【請求項6】
前記膜は、透明または比較的透明な膜を含み、
前記複数のデカールは、所定の距離で分離されている比較的不透明な複数のデカールである
ことを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載のデカールマーカー。
【請求項7】
複数のデカールを保持する膜を有するデカールテープ及びマーキングテープを交換可能に保持し、マーキングステーションで用いられ、前記デカールテープからのデカールをマーキングするべき表面に移すデカールマーカーであって、
マーキングアセンブリフレームと、
前記デカールテープまたは前記マーキングテープを保持して、前記マーキングアセンブリフレームによって保持された少なくとも1つのマーカーと、
前記表面への移送のために前記少なくとも1つのマーカーが前記複数のデカールの1つを適切に位置決めするように、前記1つのデカールの縁部を検出するべく前記少なくとも1つのマーカーによって保持されたテープセンサアセンブリと、
を備え、
前記少なくとも1つのマーカーは、前記テープセンサアセンブリの摺動可能な位置調整を許容する少なくとも1つのスロットを有する少なくとも1つのプレートを有する
ことを特徴とするデカールマーカー。
【請求項8】
前記少なくとも1つのマーカーは、ヒータと、前記ヒータに結合されたマーカーボタンと、を有し、
前記マーカーボタンは、前記マーカーによって保持され、前記デカールまたは前記マーキングテープのいずれかが適切に位置決めされる時に起動される
ことを特徴とする請求項7に記載のデカールマーカー。
【請求項9】
前記デカールテープまたは前記マーキングテープのいずれかを保持するテープロールを受け入れるために前記マーカーによって維持されるスピンドルと、
前記マーカーによって維持される巻取りロールと、
を更に備え、
前記巻取りロールは、前記テープロールから前記デカールテープまたは前記マーキングテープのいずれかを巻き出して前記マーカーボタンを通過させる
ことを特徴とする請求項8に記載のデカールマーカー。
【請求項10】
前記少なくとも1つのマーカーは、更に、
前記ヒータ及び前記マーカーボタンを保持するハウジングと、
前記ハウジングによって維持される直線ギヤと、
を有しており、
前記ハウジングは、直線的に移動可能であり、
前記少なくとも1つのマーカーは、前記直線ギヤと係合する平歯車を保持して、当該平歯車の回転が前記巻取りロールを回転させて前記テープロールから前記マーキングテープを巻き出す、というように構成可能であり、
前記少なくとも1つのマーカーは、前記巻取りロールに結合されたモータを保持するように構成可能であり、
前記モータは、前記巻取りロールを所定量だけ回転させ、前記テープロールから前記デカールテープを巻き出し、前記デカールが作動時に前記マーカーボタンの下方に適切に位置決めされる
ことを特徴とする請求項9に記載のデカールマーカー。
【請求項11】
前記テープセンサアセンブリに接続された制御システム
を更に備え、
前記モータは、前記制御システムに接続され、前記巻取りロールを前記所定量だけ回転させる
ことを特徴とする請求項10に記載のデカールマーカー。
【請求項12】
前記テープセンサアセンブリは、送信器と、受信器と、を有しており、
前記送信器と前記受信器との両方が、前記制御システムに接続されており、
前記送信器と前記受信器とが、前記デカールの縁部を検出し、
前記制御システムは、前記巻取りロールを前記所定量だけ移動させる
ことを特徴とする請求項11に記載のデカールマーカー。
【請求項13】
前記膜は、透明または比較的透明な膜を含み、
前記複数のデカールは、所定の距離で分離されている比較的不透明な複数のデカールである
ことを特徴とする請求項7乃至12のいずれかに記載のデカールマーカー。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、タイヤユニフォミティマシンで用いられるデカールマーカーシステムに関する。より詳細には、本発明は、タイヤユニフォミティマシンのためのマーキング機構に関する。より具体的には、本発明は、連続プロセスにおいてタイヤ上にデカールマークを自動的に位置決めするためのシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
タイヤユニフォミティマシンは、タイヤ内の半径方向及び横方向の力の変動の基本波の高点ないし低点を検出するために使用され得る。タイヤの力の変動を測定する時、コンピュータが、イベントマーク(ゼロ角度)からの第1高調波の半径方向及び横方向の力の変動の高点角度または低点角度を分析する。イベントマークは、パルスジェネレータと連動してタイヤのスピンドルシャフト上に設定され、1回転あたり1回パルス発生する。測定が完了した後、タイヤの高点または低点に指標が付けられ、マーカーヘッドの下方で停止される。加熱されたマーキングピンが、エアシリンダの作動によって、膨張されたタイヤの上方のサイドウォールに対して下げられる。当該加熱されたピンは、高点または低点で、タイヤのサイドウォール上にマークを付けるべく、テープから顔料または金属箔を移す。
【0003】
前述のマーキングシステムは、従来のマーキングテープが使用される場合に有効である。そのようなテープは、加熱されたピンに面する裏打ち膜と、タイヤに面するマーキング材料と、を有する。作動時、ピンは、タイヤ表面に隣接するマーキング材料を押し、適用される熱と圧力とがマーキング材料をタイヤに移す。これは、マーキング材料が膜上で連続している時に十分である。もっとも、マーキング材料は、タイヤの製造要件を満たさない場合がある。特に、マーキング材料は、タイヤを明確にマーキングしない場合があり、あるいは、マーキング材料は、所望の情報を伝えるのに十分長く持続しない場合がある。
【0004】
膜上の連続するマーキング材料の代わりに、デカールタイプのマーカーが使用され得る。もっとも、そのようなデカールは、顔料や箔タイプのマークよりも頑丈で長持ちするが、それら固有の問題もある。膜がマーキングアセンブリ内で連続される時、デカールが打撃ピンとずれてしまう場合がある。結果として、打撃ピンは、マーキングデカールと完全に作用し合わない可能性があり、結果として、デカールの一部のみがタイヤに適用される。従って、デカールがタイヤに均一に適用されるように、デカールの位置をマーキングピンと正確に協調させるデカールマーキングシステムのニーズが存在する。
【発明の概要】
【0005】
前記に照らして、本発明の第1の特徴は、デカールマーカーシステムを提供することである。
【0006】
本発明の別の特徴は、デカールテープを保持し、タイヤユニフォミティマーキングステーションで用いられ、前記デカールテープからのデカールをタイヤの表面に移すデカールマーカーであって、撤退位置とマーキング位置との間で移動可能なマーキングアセンブリフレームと、前記デカールテープを保持して、前記マーキングアセンブリフレームによって保持されたマーカーと、前記表面への移送のために前記マーカーが前記デカールを適切に位置決めするように、前記デカールの縁部を検出するべく前記マーカーによって保持されたテープセンサアセンブリと、を備えたことを特徴とするデカールマーカーを提供することである。
【0007】
本発明の更に別の特徴は、を提供することである。デカールテープ及びマーキングテープを交換可能に保持し、マーキングステーションで用いられ、前記デカールテープからのデカールをマーキングするべき表面に移すデカールマーカーであって、マーキングアセンブリフレームと、前記デカールテープまたは前記マーキングテープを保持して、前記マーキングアセンブリフレームによって保持された少なくとも1つのマーカーと、前記表面への移送のために前記少なくとも1つのマーカーが前記デカールを適切に位置決めするように、前記デカールの縁部を検出するべく前記少なくとも1つのマーカーによって保持されたテープセンサアセンブリと、を備えたことを特徴とするデカールマーカーを提供することである。
【0008】
本発明のこれらの及び他の特徴及び利点は、以下の詳細な説明、添付の特許請求の範囲、及び、添付の図面に関連して、より良好に理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本発明の概念に従うマーキングステーションの側面図である。
図2】本発明の概念に従うマーキングステーションの正面図である。
図3】本発明の概念に従うマーキングステーションで用いられるマーカーの分解図である。
図4図3の4-4線による、本発明の概念に従うマーカーの制御部分の側面図である。
図5図3の5-5線による、本発明の概念に従うマーカーのテープ部分の立面図である。
図6図5の6-6線による、本発明の概念に従うテープ部分の端面図である。
図7】本発明の概念に従うマーカーで用いられるデカールテープの概略図である。
図8】本発明の概念に従うマーカーで用いられるマーカーテープの概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明によるマーキングステーションは、添付の図面において、全体的に符号10で示されている。マーキングステーション10は、典型的には、タイヤユニフォミティマシンに関連付けられており、タイヤのような物体が特定の動作パラメータについて試験された後、当該物体をマーキングする目的で使用される。タイヤの例では、タイヤユニフォミティマシンは、タイヤのトレッドが特定の寸法パラメータを超えているか否か、及び、タイヤが許容可能または許容不可であるとしてマーキングされるべきか否か、を判定する。あるいは、場合によっては、タイヤの特定のグレードまたは品質が、試験によって判定され、識別マークと関連付けられる。マーキングステーション10は、タイヤが試験された後に当該試験結果に従った適切なマーキングのために当該マーキングステーションに送られるという点で、典型的には、タイヤユニフォミティマシンの下流にある。幾つかの例では、マーキングステーションは、タイヤがチャックされている間にタイヤをマーキングするべくタイヤユニフォミティマシン内に統合され得る。
【0011】
マーキングステーションは、フレーム12を備え、当該フレーム12は、当該フレーム12に構造的剛性を提供する複数の支柱14及び関連するクロスビーム16を含む。典型的にはモータ駆動されるコンベヤ18が、フレーム12によって支持されており、当該コンベヤに関連付けられたモータが、制御信号Aによって作動される。
【0012】
マーキングステーションは、コンベヤ18の下方に維持される下部マーキングアセンブリ24と、フレーム12及びコンベヤ18の上方に維持される上部マーキングアセンブリ28と、を含む。下部マーキングアセンブリ24は、試験済みタイヤのコンベヤに最も近いサイドウォールをマーキングするために利用され、上部マーキングアセンブリ28は、試験済みタイヤの他方のサイドウォールをマーキングするために利用される。製造業者の最終使用マーキング要件に応じて、マーキングアセンブリ24及び28のいずれかまたは両方が、利用され得る。
【0013】
下部マーキングアセンブリ24は、制御信号Bを使用して作動される。当該制御信号Bは、様々なモータ及びアクチュエータに向けられた幾つかの信号を含み得る。当該様々なモータ及びアクチュエータは、アセンブリのコンポーネントをマーキング位置に移動したり撤退位置に戻したりするために、フレームに対して当該マーキングアセンブリを移動させる。下側マーキングアセンブリ24は、撤退位置とマーキング位置との間で移動可能なマーキング位置決め構造体30を含み得る。当該構造体30は、後述されるように、マーカー40を保持しており、当該マーカー40が、マーキングされるべきタイヤのサイドウォールまたは他の表面をマーキングするためのマーキング材料を保持している。本実施形態では、アセンブリ24は、2つのマーカーを保持している。もっとも、必要に応じて、1または任意の他の数のマーカーが採用され得る。マーカー位置決め構造体30に関連付けられているのは、マーカー支持構造体42である。当該マーカー支持構造体42は、位置決め構造体30の位置の近くにあってもよく、タイヤのサイドウォール間でタイヤ内に伸びる支持アーム44を提供する。サポートボタン46が、支持アーム44の端部に設けられている。支持アーム44及び関連するボタン46は、マーキング作業中にマーキング領域にタイヤのサイドウォールを支持するように所定位置に移動される。
【0014】
上部マーキングアセンブリ28は、制御信号Cを使用して作動される。当該制御信号Cは、当該アセンブリに関連付けられた様々なモータ及びアクチュエータに向けられた幾つかの信号を含み得る。上部マーキングアセンブリ28は、モータ52に関連付けられたアセンブリフレーム50を含む。当該フレームは、アーム54を含み、当該アーム54は、フレーム50に対して当該アーム54を移動させる直線移動テーブル56を保持している。当該テーブルは、少なくとも1つのマーカー40を保持しており、当該マーカー40は、下側マーキングアセンブリ24によって保持されているマーカーと実質的に同じであり得る。本実施形態では、2つのマーカー40が採用されているが、当業者は、単一のマーカーまたは複数のマーカーがフレーム50によって保持され得ることを理解するであろう。アセンブリ28はまた、マーカー支持構造体58を含む。マーカー支持構造体58は、フレーム50に取り付けられ、支持アーム44を含む。当該支持アーム44から、支持ボタン46が延在している。支持ボタン46は、下部マーキングアセンブリ24によって保持されている支持アーム及び支持ボタンと同じ目的を果たす。
【0015】
説明が進むにつれて明らかになるように、本明細書で開示されるマーカー40は、主として、必要に応じてタイヤ表面または他の表面にデカールを適用するために使用される。もっとも、当該マーカーは、米国特許第6,439,021号に示されたものと同様であり得るスタンプマーカー40’であってもよい。当該特許文献は、当該参照によって本明細書に組み込まれる、デカールマーカー40は、スタンプマーカー40’と同一の構成要素の多くを含む。もっとも、以下に説明されるように、マーキング動作が行われる前に、デカールマーキングテープからのデカールを適切な位置に適切に配置するという具体的な目的のために、特定の構成要素が利用される。
【0016】
制御システム60が、マーキングステーション10、特には、コンベヤ18、下部マーキングアセンブリ24及び上部マーキングアセンブリ28の構成要素、並びに、それらに関連付けられたマーカー40及び40’の全て、に関連付けられている。制御システム60は、必要に応じて、マーキングステーション10の構成要素に制御信号A~Fを送受信するために必要なハードウェア、ソフトウェア及びメモリを維持し、それらの動作を実施する。制御システム60は、マーキングされるべきタイヤに関して、ラベルリーダまたは他の入力装置を介して、タイヤユニフォミティマシンまたは他の機械からの情報を受信することも理解されよう。ここで、マーキングされるべきタイヤは、典型的には、それと関連付けられたバーコードのような識別ラベルを有する。当該識別ラベルは、当該タイヤのサイズ、当該タイヤがマーキングされるべき場所、及び、いずれのタイプのマークが適用されるべきか、についての必要な指示を提供する。
【0017】
図3及び図4を参照すると、マーカー40は、当該マーカーの一方側を形成する制御部分64と、当該マーカーの他方側を形成するテープ部分68と、を含み得る。これらの部分は、互いに容易に組み立てられ、デカールテープまたはマーカーテープのロード及びアンロードを許容する。制御部64は、当該制御部の他の構成要素を支持するプレート70を含む。特に、プレート70は、ヒータホルダ74を含むハウジング72を支持する。ヒータホルダ74内には、制御信号Dを介して制御システムによって作動され得るヒータ76が維持される。ヒータに関連付けられているのは、スイベルボール82を維持するボールホルダ80である。スイベルボール82には、マーカーボタン84が取り付けられている。スイベルボール82は、マーカーボタン84がタイヤのサイドウォールなどのマーキングされるべき表面を打撃する時に、当該スイベルボール82がマーカーと表面との間のあらゆる角度差に対応する、というようにマーカーボタン84の回動運動を許容する。
【0018】
また、プレート70には、一対のポート87を介して空気供給を受け取って移送するエアシリンダハウジング86が保持されている。シリンダ88及びそれに結合された空気供給の動作は、制御信号Eを介して制御システム60によって制御され得る。シリンダ88は、シリンダハウジング86から延在し、ヒータホルダ74及び関連するマーカーボタン84及び他の関連する構成要素を、必要に応じて摺動移動させる。結果として、マーカー40が所定位置にある時、制御システム60は、信号Eをエアシリンダハウジングに送り、信号Dをヒータ76に送って、マーカーボタン84がマーカーテープまたはデカールテープと接触するようにする。熱と圧力とが、マークを表面に転写するために利用される。
【0019】
スタンプマーカー40’の実施形態では、線形ギヤ92がエアシリンダハウジング86に関連付けられ得ることが理解されよう。線形ギヤ92は、プレート70によって回転可能に保持される一方向平歯車94と係合し得て、当該平歯車94は、説明が進むにつれて詳細に論じられるように、二次ギヤ96を回転させる。
【0020】
図3図5及び図6を参照すると、テープ部分68が示されている。テープ部分68は、プレート100を含み、当該プレート100から、テープロールキャプスタン102、マーカーキャプスタン104、及び、巻取りキャプスタン106が実質的に垂直に延在している。キャプスタン102~106は、回転可能であり、以下で説明されるように、テープの移動及び経路付けを支援するために使用される。制御部64から延在するスタンドオフ97を受け入れる幾つかのクイック接続穴110が、プレート100内に延びている。ノブコネクタ114が、クイック接続穴110を通って延在し、当該コネクタは、スタンドオフの端部に維持されるスタンドオフ穴98内に受容され、テープ部分と制御部分との互いの相互接続を許容する。
【0021】
プレート100から延びているのは、スピンドル116である。当該スピンドル116は、当該スピンドル回りに回転する取り外し可能なテープロール118を回転可能に保持し得る。テープ部分68から取り外し可能な巻取りロール122が、制御信号Fによって制御システム60に動作可能に接続されるモータ124に接続され得る。プーリ126が、モータ124を巻取りロール122に相互接続する。スタンプマーカー40’の実施形態では、巻取りロール122は、二次ギヤ96によって係合及び回転されるロールギヤ125を有し得る。
【0022】
プレート100はまた、テープセンサアセンブリ130を保持する。その中で、少なくとも1つのセンサスロット132が提供され、センサファスナ134がプレート100に送信器136及び受信器138を固定するために利用される。ファスナ134を緩めることが、テープの特性に対応するべく、必要に応じて、スロット132内の送信器136及び受信器138の摺動可能な位置調整を許容する。送信器136及び受信器138の動作が、制御信号Gを介して制御システム60によって制御され得る。
【0023】
図7を参照すると、デカールテープが、全体として符号150で示されている。デカールテープ150は、透明または比較的透明な膜152を含み、当該膜152が、所定の距離156で分離されている比較的不透明なデカール154を保持している。当業者は、デカール154が、マーカーボタン84と実質的に同一の形状及びサイズであり得ることを理解するであろう。背景技術の欄で説明されたように、マーキングされるべき表面に対してボタンが押される時にマーカーボタンとデカールとが適切に位置合わせされていないと、問題が発生する。ボタンとデカールとが適切に位置合わせされていない場合、デカールはマーキングされるべき表面に適切に接着しないか、場合によっては、デカールの一部のみが接着され、不完全なマーキング指定が残り、それは、タイヤ表面に完全には接着しない場合がある。
【0024】
図8を参照すると、マーキングフィルム164を備えた膜162を有するマーカーテープ160が使用されてもよいことが分かる。米国特許第6,439,042号で論じられているように、これは、熱と圧力との適用時にフィルムを転写する標準的なマーキングテープである。従って、マーカーテープ160は、フィルム164が次のマーキング動作で完了することを許容するのに十分な量だけ移動されれば足りる。より重要なことに、デカールテープ150の場合のように、フィルムを所定の量だけシーケンス処理する必要がない。
【0025】
動作中、エンドユーザが望むマークのタイプに応じて、エンドユーザは、デカールテープ150またはマーカーテープ160のいずれかを使用し得る。マーカーテープ160を使用する場合、ユーザは、一方向平歯車94及び二次ギヤ96を提供する制御側64を有するマーカー40’を選択するであろう。そのような実施形態では、典型的にはロール形態で提供されるマーカーテープが、テープロール118に結合され、スピンドル116に取り付けられ、キャプスタンに通されて、当該マーカーテープがマーキングボタンの下方に位置決めされ、且つ、巻取りロール122で受容されるように経路付けされる。マーキング動作が完了した後、線形ギヤ92は、二次ギヤ96と係合する一方向平歯車94を回転させ、二次ギヤ96はロールギヤ125を介して空気圧シリンダのストロークに関連付けられた距離だけ巻取りロール122を回転させる。このようにして、マーカーテープは、所定位置に移動される。マーカーボタンの次の打撃が、膜162に衝撃を与えて、適切なフィルム164をマーキングされるべき表面に転写するであろう。
【0026】
例えばデカール154によって提供されるような、表面のより頑丈なマーキングをユーザが望む場合、ユーザはマーカー40を分解して、モータ124及びテープセンサアセンブリ130を提供するテープ部分68を利用するであろう。そのような実施形態では、制御部分の平歯車は使用されないで、二次ギヤ96はロールギヤ125から結合解除されるであろう。マーカー40’の以前の実施形態と同様、テープロール118上に提供されるデカールテープ150が、スピンドル116上に配置される。デカールテープ150は、図5に最も良く示されるように、キャプスタン回りに経路付けされ、特に、デカールテープ150は、送信器136と受信器138との間を通過する。これにより、センサアセンブリ130は、デカール154の前縁または後縁を検出し得て、所定の距離156が既知であれば、制御システム60は、巻取りロール122を適切な量だけ回転させ、デカール154がマーカーボタン84と適切に位置合わせされる。いったん位置合わせされると、制御システム60は、シリンダ88に起動するように指示して、これにより、マーカーボタン84とヒータ76からの関連付けられた熱と適切な保持時間とがデカール154を膜152からマーキングされるべき表面に転写する。当該マーキングが完了すると、次のデカール154の前縁または後縁の検出に基づいて、巻取りロールが所定量だけ回転される。
【0027】
本発明の利点は、明らかである。センサアセンブリは、マーカーボタンに対するデカールの位置決めを適切に決定し得て、それを所定量だけ移動させ得る。これは、一定時間経過後、使用された膜152の膨張する半径の観点で、ロールの回転がデカールマークの位置を正確に反映しない時に、デカールを適切に位置決めするために巻取りロールの回転のみに依存するという背景技術における問題を回避する。本発明はまた、制御部分及びテープ部分の最小限の部品ないし構成要素が2つのマーカー40及び40’の間で交換される必要がある(交換されれば足りる)、という点でも有利であり、これは、表面に適用されるマークのタイプに柔軟性を提供する。背景技術の欄で説明されたように、マーカータイプのテープ160は、デカールテープ150よりも適用及び使用がはるかに安価であるが、デカールテープは、特定のエンドユーザのニーズを満たす、より頑丈なマークを提供する。
【0028】
従って、本発明の目的が以上に提示された構造及びその使用方法によって満たされることが、理解され得る。特許法に従って、最良の実施形態及び好適な実施形態のみが提示され詳細に説明されたが、本発明はそれらに限定されないことが理解される。本発明の真の範囲及び広さを理解するためには、以下の特許請求の範囲が参照されるべきである。
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図8