(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置および印刷装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/04886 20220101AFI20240508BHJP
【FI】
G06F3/04886
(21)【出願番号】P 2023031536
(22)【出願日】2023-03-02
(62)【分割の表示】P 2021087719の分割
【原出願日】2017-07-12
【審査請求日】2023-03-30
(73)【特許権者】
【識別番号】000001007
【氏名又は名称】キヤノン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100126240
【氏名又は名称】阿部 琢磨
(74)【代理人】
【識別番号】100223941
【氏名又は名称】高橋 佳子
(74)【代理人】
【識別番号】100159695
【氏名又は名称】中辻 七朗
(74)【代理人】
【識別番号】100172476
【氏名又は名称】冨田 一史
(74)【代理人】
【識別番号】100126974
【氏名又は名称】大朋 靖尚
(72)【発明者】
【氏名】細田 泰弘
【審査官】佐々木 祐
(56)【参考文献】
【文献】特開2011-118584(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2008/0320390(US,A1)
【文献】特開2014-086972(JP,A)
【文献】特開2014-106625(JP,A)
【文献】特開2010-003282(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2011/0128247(US,A1)
【文献】特開2000-353042(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
G06F 3/048 - 3/04895
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
表示部を備える情報処理装置であって、
第1入力領域と第2入力領域を含む画面を前記表示部に表示する第1表示制御手段と、
ソフトウェアキーボードを前記表示部に表示する第2表示制御手段と、
前記第1入力領域に対する入力が前記ソフトウェアキーボードを用いて行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記第2表示制御手段が前記ソフトウェアキーボードを表示し、
文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に
入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とし、
前記ソフトウェアキーボードが表示されていない状態でハードウェアキーを用いて前記第1入力領域に対する入力が行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記ソフトウェア
キーボードは表示されず、
文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に
入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能とし、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能な状態で、入力対象となった前記第2入力領域に対する選択操作を受け付けたことに応じて、前記第2表示制御手段は、前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とすることを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記ソフトウェアキーボードが表示されていない状態でハードウェアキーを用いて前記第1入力領域に対する入力が行われ、かつ、前記第2入力領域に対する選択操作を受け付けたことに基づいて前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記ソフトウェアキーボードは表示されず、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能とし、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能な状態で、入力対象となった前記第2入力領域に対する前記選択操作を再度受け付けたことに応じて、前記第2表示制御手段は、前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とすることを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記第2表示制御手段は、前記第1入力領域
がユーザ
によって選択
されたことに基づいて
前記ソフトウェアキーボードを表示
することを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記ハードウェアキーは、前記情報処理装置が備えるテンキーであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記第1入力領域は、ユーザが情報処理装置にユーザ情報を入力するための領域であり、前記第2入力領域はパスワードを入力する領域であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記表示部はタッチパネルディスプレイであることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記第1表示制御手段は、前記第2入力領域が入力対象であることが識別可能となるように前記画面を表示することを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の情報処理装置。
【請求項8】
表示部を備える印刷装置であって、
第1入力領域と第2入力領域を含む画面を前記表示部に表示する第1表示制御手段と、
ソフトウェアキーボードを前記表示部に表示する第2表示制御手段と、
前記第1入力領域に対する入力が前記ソフトウェアキーボードを用いて行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記第2表示制御手段が前記ソフトウェアキーボードを表示し、
文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に
入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とし、
前記ソフトウェアキーボードが表示されていない状態でハードウェアキーを用いて前記第1入力領域に対する入力が行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記ソフトウェア
キーボードは表示されず、
文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に
入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能とし、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能な状態で、入力対象となった前記第2入力領域に対する選択操作を受け付けたことに応じて、前記第2表示制御手段は、前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とすることを特徴とする印刷装置。
【請求項9】
前記ソフトウェアキーボードが表示されていない状態でハードウェアキーを用いて前記第1入力領域に対する入力が行われ、かつ、前記第2入力領域に対する選択操作を受け付けたことに基づいて前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記ソフトウェアキーボードは表示されず、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能とし、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能な状態で、入力対象となった前記第2入力領域に対する前記選択操作を再度受け付けたことに応じて、前記第2表示制御手段は、前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とすることを特徴とする請求項
8に記載の印刷装置。
【請求項10】
前記第2表示制御手段は、前記第1入力領域
がユーザ
によって選択
されたことに基づいて
前記ソフトウェアキーボードを表示
することを特徴とする請求項
8または
9に記載の印刷装置。
【請求項11】
前記ハードウェアキーは、前記印刷装置が備えるテンキーであることを特徴とする請求項
8乃至1
0のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項12】
前記第1入力領域は、ユーザが印刷装置にユーザ情報を入力するための領域であり、前記第2入力領域はパスワードを入力する領域であることを特徴とする請求項
8乃至1
1のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項13】
前記表示部はタッチパネルディスプレイであることを特徴とする請求項
8乃至1
2のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項14】
前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記第1表示制御手段は、前記第2入力領域が入力対象であることが識別可能となるように前記画面を表示することを特徴とする請求項
8乃至1
3のいずれか1項に記載の印刷装置。
【請求項15】
前記印刷装置は、
画像データを印刷するプリント部、または原稿を読み取って画像データを生成するスキャナ部
の少なくとも一つを備えることを特徴とする請求項
8乃至1
4のいずれか1項に記載の印刷装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、文字等の入力方法を切り替えるための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のデバイスにはディスプレイとテンキーのハードウェアを備え、ディスプレイに表示された入力フィールド(入力領域)に対して、ユーザがテンキーを用いて数字を入力することを可能にしているものがある。
【0003】
テンキーは後述のソフトウェアキーボード(以下、「ソフトキーボード」と呼ぶ)に比べてキー数が少ないため、テンキーと入力フィールドとを、デバイス上の異なる領域に配置することができる。例えば、ディスプレイ上に入力フィールドを表示させ、ディスプレイの脇にテンキーを配置することができる。
【0004】
入力フィールドと操作キーとを別々の位置に配置することにより、いわゆるインライン入力が可能となるというメリットがある。インライン入力とは、キーの操作に応じて、入力フィールドに直接文字、数字、あるいは、記号(以下、「文字等」と呼ぶ)を表示させる入力方法である。ユーザは、入力フィールドに文字等が入力されるのを確認しながら、キー操作を行うことができる。例えば入力する文字等が数字だけのような場合には、テンキー操作により素早く文字を入力することができる。
【0005】
一方、テンキーによる入力では、入力できる内容が限られる。あるいは、1つのキーに複数の文字を対応させ、キーの押下回数で文字を切り替えることも考えられるが、文字入力のためのキー操作回数が増えて操作が煩雑になる。
【0006】
そこで従来、ディスプレイにソフトキーボードを表示させるデバイスが知られている。
ソフトキーボードとは、ディスプレイ上に表示されたキーボードのことを示す。ソフトキーボードは、文字等の入力が必要な操作時にディスプレイに表示し、文字等の入力が不要な場合はソフトキーボードを表示しないように制御される。
【0007】
例えば、ソフトキーボードを備えるデバイスの一例として、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリなど機能を有する複合機が知られている(例えば、特許文献1)。
【0008】
ソフトキーボードを用いた文字等の入力では、テンキーに比べてキー数が多いため、少ないユーザ操作で多様な文字等を入力可能である。
【0009】
一方で、キー数が多いため、特許文献1のように複合機などの表示領域が限られたデバイスでは、入力フィールドとソフトキーボードとを同時に並べて表示させることができない場合がある。そこで、文字等入力を行う際には、入力フィールドに重畳するようにしてソフトキーボードを表示させ、文字等入力が済んだらソフトキーボードの表示を消して入力フィールドを表示させる。ソフトキーボード表示中は入力フィールドを表示させることができないため、上述のようなインライン入力を行うことができない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
上述のように、それぞれの入力方法には一長一短があるため、テンキーなどのインライン入力が可能な文字等の入力方法、及び、ソフトキーボードなどによる文字等の入力方法を、ユーザが状況に応じて切り替えて使用できることが望ましい。ここで、インライン入力が可能な文字等の入力方法は、テンキーに限られず、ソフトウェアによって実現されるユーザインタフェースであってもよい。
【0012】
特許文献1に記載の技術では、入力フィールドに対して文字等の入力方法が固定的に決まっていた。すなわち、ある入力フィールドに文字等を入力する際に、テンキーなどのインライン入力が可能な文字等の入力方法、及び、ソフトキーボードなどによる文字等の入力方法を、ユーザが切り替えて使用することができなかった。
【0013】
そこで本発明では、入力フィールドに文字等を入力するための入力方法を動的に切り替え可能な情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記の目的を達成するために本発明にかかる情報処理装置は以下の構成を有する。すなわち、表示部を備える情報処理装置であって、第1入力領域と第2入力領域を含む画面を前記表示部に表示する第1表示制御手段と、ソフトウェアキーボードを前記表示部に表示する第2表示制御手段と、前記第1入力領域に対する入力が前記ソフトウェアキーボードを用いて行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記第2表示制御手段が前記ソフトウェアキーボードを表示し、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とし、前記ソフトウェアキーボードが表示されていない状態でハードウェアキーを用いて前記第1入力領域に対する入力が行われ、かつ、前記第2入力領域が入力対象となった場合、前記ソフトウェアキーボードは表示されず、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能とし、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ハードウェアキーに対する操作を受け付け可能な状態で、入力対象となった前記第2入力領域に対する選択操作を受け付けたことに応じて、前記第2表示制御手段は、前記ソフトウェアキーボードを表示し、かつ、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの情報を前記第2入力領域に入力するための前記ソフトウェアキーボードに対する操作を受け付け可能とすることを特徴とする。
【発明の効果】
【0015】
以上の構成によれば、入力フィールドに文字等を入力するための入力方法を適宜動的に切り替えて、ユーザの操作性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】複合機100のハードウェア構成を示す図である
【
図3】複合機100のソフトウェア構成を示す図である
【
図5】実施形態1における複合機100の動作フローを示すフローチャートである
【
図7】実施形態2における複合機100の動作フローを示すフローチャートである
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明を実施するための形態について図面を用いて説明する。
【0018】
(実施形態1)
本発明に係る情報処理装置として、複合機100を例に実施形態を説明する。複合機100は、印刷処理を行うプリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリなどの画像形成装置が機能を統合したデバイスである。複合機に限らず、プリンタ、複写機、スキャナ、ファクシミリのうちいずれかを備えたシングルファンクションの装置であってもかまわない。
【0019】
図1を参照して複合機100のハードウェア構成の一例を説明する。CPU101は複合機100全体の動作を制御する中央演算装置(プロセッサ)である。RAM(Random Access Memory)103は揮発性メモリであり、ワークエリア、ROM102及びHDD104に格納された各種制御プログラムを展開するための一時記憶領域として用いられる。
【0020】
ROM102は不揮発性メモリであり、複合機100のブートプログラムなどが格納されている。HDD104はRAM103と比較して大容量な不揮発性のハードディスクである。HDD104には、複合機100の制御用プログラムが格納されている。また、OS(Operating System)やアプリケーションプログラムもHDD104に格納されている。
【0021】
CPU101は複合機100の起動時、ROM102に格納されているブートプログラムを実行する。このブートプログラムは、HDD104に格納されているOS(Operating System)のプログラムを読み出し、RAM103上に展開するためのものである。CPU101はブートプログラムを実行すると、続けてRAM103上に展開したOSのプログラムを実行し、複合機100の制御を行う。また、CPU101は制御用プログラムによる動作に用いるデータもRAM103上に格納して読み書きを行う。
【0022】
なお、複合機100は、1つのCPU101が後述するフローチャートに示す各処理を実行するものとするが、他の態様であっても構わない。例えば、複数のCPUやマイクロプロセッサ(MPU)が協働して後述するフローチャートに示す各処理を実行するようにすることもできる。また、後述する処理の一部をASICやFPGA等のハードウェア回路を用いて実行するようにしても良い。なお、ASICはApplication Specific Integrated Circuitを意味する。また、FPGAはField-Programmable Gate Arrayを意味する。
【0023】
操作部105は、後述する操作部をユーザに提供する。スキャナ106は、原稿を読み取って、画像データを生成する。生成された画像データは通信部108を介して外部に送信したり、プリンタ107からの印刷に用いられたりする。
【0024】
プリンタ107は、通信部108を介して外部から受信した画像データやスキャナ108で生成された画像データをプリントする。
【0025】
通信部108は、オフィスのLAN(Local Area Network)やファクシミリ用の電話回線などのネットワークに接続する。
【0026】
<操作部105の説明>
複合機100の操作部105の一例について
図2を用いて説明する。ディスプレイ201は、タッチ操作可能なディスプレイである。タッチ操作は、ユーザによる表示部のディスプレイパネルに対する操作である。タッチ操作として、ユーザはディスプレイに必ずしも接触する必要はなく、指等をディスプレイに近接させるなどとしてもよい。テンキー202は、入力領域に文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかを入力するためのハードウェアキーである。本実施形態に係るテンキー202は、数字の他に、ファクシミリなどで使用するアスタリスク記号や「#」記号(番号記号、井桁記号、あるいは、スクエア)のキーを備える。
【0027】
テンキー202によれば、後述の入力フィールド(入力領域)と操作キーとを別々の位置に配置することにより、いわゆるインライン入力が可能となるというメリットがある。
インライン入力とは、キーの操作に応じて、入力フィールドに表示されたカーソルの位置に直接文字、数字、あるいは、記号(以下、「文字等」と呼ぶ)を表示させる文字等の入力方法である。すなわち、入力領域が表示された状態で、入力領域に対する文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの入力指示を受け付ける入力処理である。ユーザは、入力フィールドに文字等が入力されるのを確認しながら、キー操作を行うことができる。例えば入力する文字等が数字だけのような場合には、テンキー操作により素早く文字等を入力することができる。
【0028】
本実施形態では、インライン入力が可能な文字等の入力方法として、ハードウェアキーを用いたテンキー入力について説明するがこれに限らない。インライン入力が可能な文字等の入力方法として、ソフトウェアにより実現されるグラフィカルユーザインタフェースを用いた文字等の入力方法であってもよい。
【0029】
例えば、いわゆるフリック入力が可能なソフトウェアキーボード(以下、「ソフトキーボード」と呼ぶ)であれば、キーボード表示の表示領域が通常のソフトキーボードよりも小さくて済む。従って、キーボード表示領域と入力フィールドとを一画面中に並べて表示可能である。このようにすれば、ソフトウェアによって実現されるキーボードであっても、インライン入力を実現することは可能である。ここで、フリック入力とは、一つのキーを指などで指定することに応じて、複数の文字等の候補そのキーの周囲に表示し、指定したキーから指を滑らせるなどのフリック操作により、周囲に表示された文字等を選択可能な文字等の入力方法である。
【0030】
IDキー203は、ユーザが複合機100にログインしたりログアウトしたりする際にユーザが用いるボタンである。例えばディスプレイ201に表示された入力画面にユーザがユーザ名やパスワードを入力した後、IDキー203を押下すると、ユーザ認証が実行され、認証に成功すると、認証されたユーザのログイン後の画面が表示される。ユーザは、複合機100にログインすると、複合機100の各機能を実行するための操作を行うことが可能になる。また、ログイン中にIDキー203が押下されると、現在ログイン中のユーザをログアウトさせ、ユーザ名やパスワードを受け付けるための画面に戻る。
【0031】
クリアキー204は、ディスプレイに入力された数値やテキストをクリアするためのボタンである。リセットキー205は、ディスプレイを介して設定されたコピー設定(用紙サイズ、片両面、コピー枚数など)を一括クリアしたり、画面の表示を一括して初期状態に戻す為に使用したりするボタンである。スタートキー206は、ドキュメントのスキャン動作などのジョブの開始を指示する為のボタンである。ストップキー207は、動作中のスキャンジョブやプリントジョブを停止する為のボタンである。
【0032】
<複合機100のソフトウェア構成>
複合機100のソフトウェア構成の一例について
図3(a)を用いて説明する。
図3(a)の各ソフトウェアモジュールはCPU101がHDD104に格納されたプログラムをRAM103に展開して実行することにより実現される。
図3(a)のモジュール構成は一例であり、これに限られない。アプリケーションプラットフォーム301は、アプリケーションに対してAPIを提供する。複合機100の各アプリケーションは、APIを介して、HDD104にアクセスしたり、操作部105に操作UIを表示したり、スキャナ106やプリンタ107の機能を利用したり、通信部108を利用して通信を行うことができる。また、アプリケーションプラットフォーム301はOSやハードウェアを利用する為のドライバを包含する。
【0033】
ログインアプリケーション302は、操作部105にログイン画面を表示して、複合機100を利用しようとするユーザを認証する。コピーアプリケーション303は、操作部105にコピー機能のUIを表示するアプリケーションである。ファクシミリアプリケーション304は、操作部105にファクシミリ機能のUIを表示するアプリケーションである。これらのアプリケーションは一例にすぎず、アプリケーションの内容は限定しない。
【0034】
本実施形態に係る複合機の機能ブロック図を
図3(b)に示す。
図3(b)は複合機の操作部への文字入力を司る機能に関するブロック図であり、本実施形態では
図3(a)のアプリケーションプラットフォーム内のプログラムとして実行される。表示制御部311は、文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかを入力するための入力フィールド(入力領域)を表示部に表示させる制御を行う。第1入力処理部312は、入力領域が表示された状態で入力領域に対する文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの第1の入力指示を受け付ける第1の入力処理を実行する。第2の入力処理部313は、入力領域が表示されない状態で入力領域に対する文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの第2の入力指示を受け付ける。また、第2の入力処理部313は、第2の入力指示に従った入力がなされた入力領域を第2の入力指示よりも後に表示部に表示させる第2の入力処理を実行する。決定部314は、入力領域に文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかを入力するためのユーザ操作の内容に応じて、第1の入力処理を実行させるか、または、第2の入力処理を実行させるかを決定する制御を行う。
【0035】
<文字等入力動作>
つぎに、本実施形態に係る文字等入力動作について
図4及び
図5を用いて説明する。本実施形態では、ディスプレイ201に表示されたログイン画面に、ユーザ名などのログイン情報を入力する例を用いて説明する。このログイン画面は、CPU101がログインアプリケーション302を実行することによって、ディスプレイ201に表示される。
【0036】
本実施形態では、入力フィールドを1つ有するログイン画面例について説明する。
図4の例では、ログイン画面にユーザ名を入力するための入力フィールド402が表示される。
図4は、ディスプレイ201に表示されるログイン画面の画面遷移の一例を示す。
【0037】
ここで本実施形態では、表1に示すユーザアカウントの管理テーブルがHDD104にあらかじめ記憶されているものとする。表1に示す管理テーブルはユーザ名の欄を有する。表1の例では、各ユーザに対してメールアドレスが対応付けて管理されている。メールアドレスに限らず、各ユーザの権限情報や、画面レイアウト設定などがユーザ名に関連付けられて管理されることとしてもよい。
【0038】
ログインアプリケーション302は、入力フィールド402に入力されたユーザ名と、管理テーブルに記載されたユーザ名とが一致した場合に、当該ユーザを複合機100にログインさせるものとする。ユーザ名はユーザを識別できる情報であればよい。例えばユーザを識別できる情報は、例えば、ユーザごとに割り振られた任意の数字などであってもよい。
【0039】
【0040】
本実施形態に係るログイン処理について
図5を用いて説明する。
図5の処理はCPU101がHDD104から読み出したログインアプリケーション302をRAM103に展開して実行することによって実現される。あるいは、ログインアプリケーション302の文字等の入力処理を制御する制御アプリケーションを別途用意し、CPU101が当該制御アプリケーションを実行することにより
図5に示した処理を実現することとしてもよい。
【0041】
まずCPU101は、ログイン画面401を表示する(S501)。例えば、複合機100にユーザがログインしていない状態で、ログイン画面を表示させる指示をユーザが行った場合に、CPU101はログイン画面401を表示させる。あるいは、ユーザがログインしていない状態で、かつ、ディスプレイ201が画面表示を行っている場合(省電力状態や、電源オフ状態でない場合等)に、ログイン画面401を表示させることとしてもよい。
【0042】
ログイン画面401には、ユーザ名を入力するための入力フィールド402が表示される。上述のように、ユーザ名はユーザを識別できる情報であればよい。例えばユーザを識別できる情報は、例えば、ユーザごとに割り振られた任意の数字などであってもよい。
【0043】
次にCPU101は、ログイン画面401に対する操作があったか否かを判定する(S502)。本実施形態において、ログイン画面401に対する操作には、テンキー202の操作が含まれる。また本実施形態において、ログイン画面401に対する操作には、入力フィールド402を指で指定するタッチ操作が含まれる。ここで、タッチ操作は必ずしもディスプレイ201に指を接着させる必要はなく、入力フィールド402に指が近接したことを検知するものであってもよい。指を用いた操作に限らず、入力フィールド402を選択することが指示されるものであればよい。
【0044】
ログイン画面401に対する操作がない場合(S502でNO)、CPU101はステップS502の処理を繰り返す。一方、ログイン画面401に対する操作を検出した場合(S502でYES)には、当該操作の内容を特定する(S503)。
【0045】
例えばCPU101は、入力フィールド402に文字等をインライン入力する操作(第1の操作)であるか、入力フィールド402にインライン入力しないソフトキーボードを呼び出す操作(第2の操作)であるかを特定する。
【0046】
インライン入力とは、キーの操作に応じて、入力フィールド402に直接文字等を表示させる文字等の入力方法である。ユーザは、入力フィールド402に文字等が入力されるのを確認しながら、キー操作を行うことができる。本実施形態では、CPU101はテンキー202が押下された場合にインライン入力する操作が行われたと判定するがこれに限らない。キー操作はハードウェアキーを用いたキー操作に限らない。ソフトウェアを実行してディスプレイ201に表示されたキーを操作してインライン入力を行うものであってもよい。キーが表示される際に、入力フィールド402も表示されたままであれば、インライン入力を行うことは可能である。
【0047】
本実施形態では、CPU101は、入力フィールド402を選択する操作が行われた場合に、入力フィールド402にインライン入力しないソフトキーボードを呼び出す操作が行われたと判定する。入力フィールド402の選択は、例えば入力フィールド402へのタッチ操作や、ハードウェアキーを操作して入力フィールド402を選択するものであってもよい。
【0048】
CPU101は、ログイン画面401に対する操作として、テンキー202の操作がなされたと判定した場合には、テンキー操作に応じて入力フィールド402に文字等をインライン入力する(S504)。例えば、操作されたテンキーに対応する文字等を入力フィールド402に表示させる。テンキー操作によりユーザ名が入力された後の画面例をログイン画面403に示す。CPU101はステップS504の処理を終えると、ステップS509の処理に進む。
【0049】
一方CPU101は、S503においてログイン画面401に対する操作として、入力フィールド402に対するタッチ操作がなされたと判定した場合には、ソフトキーボードをディスプレイ201に表示させる(S505)。ディスプレイ201にソフトキーボードが表示された際の画面例を画面404に示す。
図5の例では、ディスプレイ201の全面にソフトキーボードが表示される。したがって、ユーザ名を入力するための入力フィールド402はディスプレイ201に表示されない。かわりに、ソフトキーボードによって指示された文字等を表示するための入力フィールド405がソフトキーボード上に表示される。
【0050】
CPU101は、ソフトキーボードのキーが操作されると、キー操作に応じて入力フィールド405に文字等を表示させる(S506)。画面404は、ソフトキーボードの入力フィールド405に“Alice”という文字列が表示された様子を表している。
【0051】
続いてCPU101は、ソフトキーボードを使って入力する文字等を確定するための確定指示がなされたかを判定する(S507)。確定指示は例えば、ソフトキーボード上のEnterキーを操作することによって入力することができる。
【0052】
確定指示がなされない場合(S507でNO)にはS506の処理を繰り返す。一方、確定指示がなされた場合(S507でYES)には、ソフトキーボード(画面404)に替えてログイン画面406を表示させる。この際、ソフトキーボードの入力フィールド405に入力されていた内容が、ログイン画面406の入力フィールド402に表示される(S508)。ステップS508の処理を実行すると、次にCPU101は、ステップS509の処理を行う。
【0053】
ステップS505からS508のソフトキーボード処理によれば、入力領域が表示されない状態で入力領域に対する文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかの入力指示を受け付けることができる。そして、入力指示に従った入力がなされた入力領域を入力指示よりも後に表示部に表示させる入力処理が実行される。
【0054】
ステップS509では、CPU101はログインの実行指示があったかを判定する。CPU101は、ログイン画面403又はログイン画面406のログインボタン407が押された場合に、ログインの実行指示があったと判定する。またCPU101は、ログイン画面403又はログイン画面406が表示されている状態でIDキー203が押下されたことを検知した場合に、ログインの実行指示があったと判定する。ログイン実行指示がない場合にはステップS509の処理を繰り返す。一方、ログイン実行指示があったと判定した場合(S509でYES)には、ユーザ認証処理を実行させる(S510)。
【0055】
CPU101は、認証処理において、ログイン画面の入力フィールド402に入力された文字等と、表1において管理されているユーザ名が一致するか判定する(S511)。
ログイン画面の入力フィールド402に入力された文字等に対応するユーザ名が表1のテーブルに存在する場合、認証は成功したと判定する。一方対応するユーザ名が表1のテーブルに存在しない場合認証は失敗したと判定する。
【0056】
認証が失敗したと判定した場合(S511でNO)、CPU101は、ディスプレイ201に認証失敗を示す表示、あるいは、ユーザIDの再入力を促す表示をして(S512)、ステップS501に戻る。
【0057】
一方、認証が成功したと判定した場合(S511でYES)、複合機100を操作するための操作画面をディスプレイ201に表示させて(S513)、ユーザのログインを完了する。
【0058】
なお、CPU101は、ログイン画面403や、406において、クリアキー204やリセットキー205のボタン押下を検知した場合には、入力フィールド402に入力された文字等を全て削除して、初期状態のログイン画面401を表示する。
【0059】
以上の構成によれば、ログインするためにユーザ名を入力する際に、ソフトキーボードを用いた入力と、テンキーを用いた入力とのいずれの入力方法によっても文字等入力を行うことができるようになる。ユーザは、状況に応じて、入力フィールドに文字等を入力するための入力方法を動的に切り替えて使用することができる。また、入力方法をあらかじめ指定しなくても、テンキー202を操作したり、入力フィールド402を選択したりするだけで入力方法が決定されるので、ユーザはより感覚的に操作を行うことができる。
【0060】
なお、本実施形態ではログインアプリにおける文字等の入力を例に説明したが、他のアプリケーションにおける文字等の入力処理にも適用可能である。
【0061】
(実施形態2)
実施形態2では、入力フィールドが2つ以上ある場合の実施形態について説明する。ハードウェア構成、ソフトウェア構成は実施形態1と同様であるため、説明を省略する。
【0062】
ログイン画面に入力フィールドが2つ以上ある場合の動作について
図6及び
図7を用いて説明する。本実施形態において、ログインアプリケーション302がディスプレイ201に表示するログイン画面の画面遷移の一例を
図6に示す。
【0063】
ログイン画面601は、ユーザ名を入力する入力フィールド602に加えて、パスワードを入力する入力フィールド603を備える。
図6では、斜線で表される入力フィールドが、テンキー202の押下による文字等入力や、クリアキー204の押下による文字等削除の対象となっていることを示す。文字等入力の対象になっていることを示す表示を、対象となっている入力フィールドに対して行うこととしてもよい。例えば、対象となっている入力フィールドを所定の枠で囲んだり、フィールドの色を所定の色にしたりしてもよい。
【0064】
また本実施形態では、表2に示すユーザアカウントの管理テーブルがHDD104にあらかじめ記憶されているものとする。
【0065】
ログインアプリケーション302は、入力フィールド602に入力されたユーザ名、と入力フィールド603に入力されたパスワードの組み合わせが、管理テーブルに記載された内容と一致する場合に、当該ユーザを複合機100にログインさせる。ユーザ名はユーザを識別できる情報であればよい。例えばユーザを識別できる情報は、例えば、ユーザごとに割り振られた任意の数字などであってもよい。またパスワードは、文字のみ、数字のみ、あるいは、文字や数字の組み合わせなどとすることができる。その他、記号、符号などが用いられることとしてもよい。パスワードのテキストの入力フィールドは、入力された文字をアスタリスクなどの伏字で表示することとしてもよい。
【0066】
【0067】
本実施形態に係るログインアプリケーション302の動作について
図7を用いて説明する。
図7の処理はCPU101がHDD104から読み出したログインアプリケーション302をRAM103に展開して実行することによって実現される。あるいは、ログインアプリケーション302の文字等入力処理を制御する制御アプリケーションを別途用意し、CPU101が当該制御アプリケーションを実行することにより
図7に示した処理を実現することとしてもよい。
【0068】
CPU101はログイン画面601を表示後、ユーザ名の入力フィールド602(第1の入力フィールド)に対する入力処理を行う(S701)。ステップS701のログインアプリケーション302の処理は、実施形態1において
図5を用いて説明したステップS501からステップS508の処理と同様である。ただし、
図5のログイン画面401は本実施形態ではログイン画面601とし、入力フィールド402は入力フィールド602とする。
【0069】
ステップS701においてテンキーを用いたインライン入力が行われた場合には、
図6のログイン画面604の状態となる。また、ステップS701においてソフトキーボードによる文字等の入力が行われた場合には、
図6のログイン画面609の状態となる。
図6の例では、ユーザ名の入力フィールド602が文字等を入力する対象のフィールドになっている例を示したがこれに限らない。ソフトキーボード607においてEnterキーが押された場合、パスワードの入力フィールド603が文字等の入力対象フィールドになった状態でログイン画面609が表示されることとしてもよい。
【0070】
次にCPU101は、パスワードの入力フィールド603(第2の入力フィールド)が選択されたかを判定する(S702)。ユーザは、例えば、入力フィールド603に対してタッチ操作を行うことにより、入力フィールド603を選択することができる。入力フィールド603の選択方法はこれに限らず、ハードウェアキーやソフトウェアキーの操作に基づく選択などであってもよい。
【0071】
パスワードの入力フィールド603が選択されていない場合(S702でNO)には、ユーザ名の入力フィールド602が再び選択されたか判定する(S703)。ユーザ名の入力フィールド602が選択された場合には、ソフトキーボード入力処理を行う(S704)。ここでステップS704のソフトキーボード入力処理は、実施形態1において
図5を用いて説明したステップS505からステップS508の処理と同様である。ただし、入力フィールド405は、
図6におけるソフトウェアキーボードの入力フィールド608とする。また、入力フィールド402は、
図6における入力フィールド402とする。
【0072】
ステップS703からステップS704の処理への移行は、
図6のログイン画面604からソフトキーボード607への画面遷移、及び、
図6のログイン画面609からソフトキーボード607への画面遷移に相当する。
【0073】
ステップS703において、ユーザ名の入力フィールド602が選択されていない場合には、ステップS702に戻り、ユーザによる入力フィールドの選択を待つ。
【0074】
S702においてパスワードの入力フィールド603が選択された場合(S702でYES)、CPU101はユーザ名の入力フィールド602にユーザ名を入力するための入力方法がテンキー入力だったか、ソフトキーボード入力だったかを判定する。ここで、テンキー入力はインライン入力であり、ソフトキーボード入力はインライン入力以外の入力方法である。
【0075】
ユーザ名の入力フィールド602の文字等の入力方法がソフトキーボード入力であった場合、CPU101は、ソフトキーボード610を表示させ、ソフトキーボード処理を行う(S704)。ステップS704のソフトキーボード処理は、実施形態1において
図5を用いて説明したステップS505からステップS508の処理と同様である。ただし、
図5における入力フィールド405は
図6の入力フィールド608であり、
図5における入力フィールド402は
図6のパスワードの入力フィールド603である。
【0076】
ステップS703からステップS704への処理の移行は、
図6のログイン画面609からソフトキーボード610への画面遷移に相当する。
【0077】
ステップS703において、ユーザ名の入力フィールド602の入力方法がテンキー入力であった場合、CPU101は、パスワードの入力フィールド603が再度選択されたかを判定する(S705)。
【0078】
ここで再度の選択とは、ステップS702においてパスワードの入力フィールド603が選択され、さらにステップS705においてパスワードの入力フィールド603が選択されることを意味する。
図6の例では、ログイン画面604の状態からログイン画面605の状態に遷移する際に、1度目の選択がなされ、ログイン画面605からソフトキーボード610に遷移する際に、2度目の選択がなされることが該当する。1度目の選択は、文字等の入力フィールドとしてユーザ名の入力フィールド602が選択されている状態から、パスワードの入力フィールド603を文字等の入力フィールドに切り替えるための選択処理である。2度目の選択は、パスワードの入力フィールド603の文字等入力の方法がテンキー入力である状態から、ソフトキーボードによる入力に切り替えるための選択処理である。
【0079】
文字等の入力フィールドとしてユーザ名の入力フィールド602が選択されている状態から、パスワードの入力フィールド603を文字等の入力フィールドに切り替えは、テンキー202のうち記号キーが押下された場合に実行されることとしてもよい。記号キーとは例えば、アスタリスク記号を入力するためのキーやシャープ記号を入力するためのキーである。
【0080】
ステップS705においてパスワードの入力フィールド603が再度選択された場合は、CPU101はステップS704に移行し、ソフトキーボード処理を行う。一方、ステップS705においてパスワードの入力フィールド603が再度選択されていないと判断された場合には、入力フィールド603の入力方法はテンキー入力であると判断する。そしてテンキー操作に応じてインライン入力を行う(S706)。
【0081】
このように、第1の入力フィールドに対してインライン入力が行われていた場合には、第2の入力フィールドが選択された際に、第2の入力フィールドの文字等の入力方式がインライン入力になるように制御する。そして、第2の入力フィールドが再度選択された場合には、第2の入力フィールドの文字等の入力方式がインライン入力以外の入力(例えば、ソフトキーボード入力)になるように制御する。
【0082】
ステップS704の処理、あるいは、ステップS706の処理を終えると、CPU101はログイン実行指示に従ってログイン処理を実行する。ログイン実行処理は実施形態1において
図5を用いて説明したステップS509からステップS513の処理と同様であるため、説明を省略する。
【0083】
なお、CPU101は、ログイン画面において、クリアキー204が押下されたことを検知した場合は、現在選択されている入力フィールドの文字等をクリアする。ログイン画面において、リセットキー205のボタン押下を検知した場合には、ユーザ名とパスワードの両方のテキスト入力フィールドの文字列をクリアしてログイン画面を初期状態(ログイン画面601)にする。また、テンキー202のアスタリスクキーやシャープキーを入力フィールドのフォーカス移動(選択切り替え)に使用しても良い。
【0084】
また、上記の実施形態では第1の入力フィールドがユーザ名の入力フィールド602であり、第2の入力フィールドがパスワードの入力フィールド603である場合について説明したが、ユーザ名とパスワードの入力フィールドを入れ替えてあてはめてもよい。すなわち、第1の入力フィールドがパスワードの入力フィールド603であり、第2の入力フィールドがユーザ名の入力フィールドであってもよい。
【0085】
また、本実施形態ではログインアプリにおける文字等の入力を例に説明したが、他のアプリケーションにおける文字等の入力処理にも適用可能である。
【0086】
本実施形態によれば、文字等の入力フィールドが第1の入力フィールドから第2の入力フィールドに切り替えられた際に、第1の入力フィールドにおける文字等の入力方法を、第2の入力フィールドの入力方法として引き続き使用できるようにすることができる。またこのように入力方法が自動的に引き継がれた場合でも、ユーザ指示に従って、第2の入力フィールドにおける文字等の入力方法を、第1の入力フィールドにおける文字等の入力方法とは異なる入力方法に切り替えることができる。
【0087】
すなわち、第1の入力領域に対してテンキー入力などの第1の入力処理を実行して文字、数字、又は、記号の少なくともいずれかを入力した状態で、入力対象を第2の入力領域にする指示を受付ける。そして、第2の入力領域に対して第1の入力処理を実行することを決定する。当該決定後にさらに第2の入力領域を選択する指示を受け付けたことに応じて、第2の入力領域に対して第2の入力処理を実行することを決定する。
【0088】
このようにして、文字等の入力方法を動的に切り替えることにより、ユーザにとっての操作性を向上させることができる。
【0089】
表2を参照してそれぞれのユーザに適した文字等の入力方法の例について説明する。ユーザAliceは、ユーザ名及びパスワードに文字が含まれるため、ユーザ名及びパスワードの入力において、文字入力が可能なソフトキーボードを使用することが望ましい。
【0090】
一方、ユーザ01234は、ユーザ名及びパスワードが数字のみであるため、ソフトキーボードは使用せずテンキー202の利用のみでテキストの入力操作を行うことができる。
【0091】
また、BobやCarolは、ユーザ名には文字が含まれるためソフトキーボードを使用するが、パスワードは数字のみであるため、テンキー202を使用することができる。
【0092】
また、ユーザ01235は、ユーザ名は数字であるため入力はテンキー202を使用し、パスワードには文字が含まれるため入力にはソフトウェアキーボードを使用することができる。
【0093】
このように、ユーザ名やパスワードに文字がつかわれているか、あるいは、数字のみであるかにより、適宜入力方法を切り替えて入力を行えることが望ましい。
【0094】
本実施形態によれば、文字等の入力方法を適宜、動的に切り替えることにより、ユーザにとっての操作性を向上させることができる。
【0095】
(その他の実施形態)
本発明は、上述の実施形態の1以上の機能を実現するプログラムを、ネットワーク又は記憶媒体を介してシステム又は装置に供給し、そのシステム又は装置のコンピュータにおける1つ以上のプロセッサがプログラムを読出し実行する処理でも実現可能である。また、1以上の機能を実現する回路(例えば、ASIC)によっても実現可能である。