(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】情報処理装置及びプログラム
(51)【国際特許分類】
G06Q 50/10 20120101AFI20240508BHJP
【FI】
G06Q50/10
(21)【出願番号】P 2023119270
(22)【出願日】2023-07-21
【審査請求日】2023-07-21
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000155469
【氏名又は名称】株式会社野村総合研究所
(74)【代理人】
【識別番号】110003281
【氏名又は名称】弁理士法人大塚国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】新井 朗
(72)【発明者】
【氏名】守岡 太郎
【審査官】鈴木 和樹
(56)【参考文献】
【文献】特許第7239124(JP,B1)
【文献】特開2022-055299(JP,A)
【文献】特開2021-149938(JP,A)
【文献】特開2018-181006(JP,A)
【文献】特開2020-149729(JP,A)
【文献】兵庫県立大学地域経済指標研究会,交流人口と関係事項の推計について,兵庫県立大学大学院減災復興政策研究科HP,2022年05月22日,[online],[2023年8月16日検索],<URL>https://web.archive.org/web/20220522014126/https://drg-u-hyogo.jp/archives/1290
【文献】国土交通省国土政策局総合計画課,関係人口データを用いた様々な評価指標との相関分析,国土交通省HP ライフスタイルの多様化と関係人口に関する懇談会 ~関係人口と連携・協働する地域づくり~,2022年06月30日,[online],[2023年8月16日検索],<URL>https://www.mlit.go.jp/kokudoseisaku/content/001488239.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 - 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザが所定地域に対して消費した消費金額を取得する
金額取得手段と、
前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する決定手段と、
前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記所定地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーを含む表示情報を生成し、生成した前記表示情報を前記ユーザの通信装置に提供する提供手段と、を有し、
前記決定手段は、前記ユーザによる特定の期間内
の前記所定地域に対する消費金額に基づいて、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定
し、
前記提供手段は、第1の地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記第1の地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーと、第2の地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記第2の地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーとを含めた前記表示情報を生成する、ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
ユーザの位置情報に基づいて前記ユーザによる
前記所定地域における滞在時間を取得する時間取得手段
を更に有し、
前記決定手段は、前記ユーザによる特定の期間内の前記所定地域における滞在時間
を更に用いて、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する、ことを特徴とする
請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提供手段は、決定した前記所定地域に対する前記関係性の度合いを示す情報を、前記所定地域と対応する自治体の名称とともに、前記ユーザの通信装置に提供す
る、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記決定手段は、前記ユーザが滞在したことのある地域又は前記ユーザが金額を消費した地域のなかから前記ユーザによって選択された前記所定地域について、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する、ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記ユーザによる前記所定地域に対する消費金額は、前記ユーザが前記所定地域において消費した消費金額と、前記所定地域と対応する自治体により販売される物又は提供されるサービスに対する前記所定地域の外での前記ユーザの消費金額と、を含む、ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記決定手段は、前記所定地域のうちの第1の地域と第2の地域について、各地域における滞在時間と各地域に対する消費金額との少なくともいずれかに異なる重み付けを適用して、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する、ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記決定手段は、前記ユーザによる前記特定の期間内の前記所定地域における滞在回数又は滞在日数の少なくともいずれか
を更に用いて、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する、ことを特徴とする請求項
2に記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記決定手段は、前記ユーザが移動のために通過する地域、前記ユーザの勤務地が存在する地域、及び前記ユーザの自宅が存在する地域を、前記所定地域に含めない、ことを特徴とする請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項9】
地域に関連付けられた自治体から提供されるリワードの情報を取得するリワード取得手段を更に
有する請求項
1に記載の情報処理装置。
【請求項10】
コンピュータを、請求項1から9のいずれか1項に記載の情報処理装置の各手段として機能させるためのプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、多くの企業にリモートワークが普及し、オフィス以外の場所で仕事する環境が整っている。このような環境変化により、ある地域の職場に勤める従業員が数日の間、別の地域(例えば地方)に滞在してリモートワークを行うような活動(ワーケーションとも言われる)が注目されている。同時に、当該地域への滞在を契機として滞在先の地域に興味を抱き、当該地域への滞在を繰り返し、当該地域での活動を通して地域との関係を深化させる者が増加することが期待されている。
【0003】
地域と多様に関わる者の人口は関係人口などと呼ばれる。「関係人口」とは、移住した「定住人口」でもなく、観光に来た「交流人口」でもない、地域と多様に関わる人々を指す言葉である。地方圏は、人口減少・高齢化により、地域づくりの担い手不足という課題に直面しているが、地域によっては若者を中心に、変化を生み出す人材が地域に入り始めており、「関係人口」と呼ばれる地域外の人材が地域づくりの担い手となることが期待されている。特許文献1では、関係人口を評価するために、関係人口の地域に関する関心程度を定量化する技術を提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1では、所定の自治体サービス又は地域サービスで管理されたユーザ(特定の地域に関心があるユーザ)に地域に関するメッセージを送信する。そして、メッセージを受信したユーザの当該メッセージに対する行動(メールに含まれるリンクのクリックやSNSの投稿記事の評価状況など)を分析することにより、関係人口の地域に関する関心程度を測定することができる。このような技術では、情報に接したユーザの関心程度を定量的に把握することができるが、ユーザと地域とのより実体的な関わりを考慮した評価が望まれる場合もある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みてなされ、その目的は、ユーザと地域との実体的な関わりを考慮して、関係人口と地域との関係性を評価することが可能な技術を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この課題を解決するため、例えば本発明の情報処理装置は以下の構成を備える。すなわち、ユーザが所定地域に対して消費した消費金額を取得する金額取得手段と、前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定する決定手段と、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記所定地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーを含む表示情報を生成し、生成した前記表示情報を前記ユーザの通信装置に提供する提供手段と、を有し、前記決定手段は、前記ユーザによる特定の期間内の前記所定地域に対する消費金額に基づいて、前記所定地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いを決定し、前記提供手段は、第1の地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記第1の地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーと、第2の地域に対する前記ユーザと地域との関係性の度合いに応じた、前記第2の地域に係る自治体から提供されるリワードのオファーとを含めた前記表示情報を生成する、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、ユーザと地域との実体的な関わりを考慮して、関係人口と地域との関係性を評価することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【
図1】本発明の実施形態に係る情報処理システムの概要を説明する図
【
図2】本実施形態に係る情報処理装置の一例としての情報提供サーバの機能構成例を示すブロック図
【
図3】本実施形態に係る通信装置の機能構成例を示すブロック図
【
図4】本実施形態に係るユーザと地域の関係性の度合いを決定するテーブルの一例を説明する図
【
図5】本実施形態に係る情報提供処理に係る一連の動作を示すフローチャート
【
図6】本実施形態に係るマイページの表示用情報の一例を示す図
【
図7】本実施形態に係る詳細画面の表示用情報の一例を示す図
【
図8】本実施形態に係るリワード画面の表示用情報の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、添付図面を参照して実施形態を詳しく説明する。なお、以下の実施形態は特許請求の範囲に係る発明を限定するものではなく、また実施形態で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明に必須のものとは限らない。実施形態で説明されている複数の特徴のうち二つ以上の特徴は任意に組み合わされてもよい。また、同一若しくは同様の構成には同一の参照番号を付し、重複した説明は省略する。
【0011】
<本実施形態に係る関係人口の度合いについて>
本実施形態に係る情報処理システムは、ユーザと特定の地域との関係性の度合い(すなわち関係人口の度合い)を決定し、当該関係性の度合いをユーザに提示する。すなわち、本発明における関係人口度は、「関係人口が地域経済に継続的に貢献する度合い」を意味する。ユーザと地域との関係性の度合いは、例えば、後述するようなランク(例えばプラチナ、ゴールド)で表され得る。このように、ユーザが興味を持った特定の地域とユーザとの関係性を可視化して提供することにより、ユーザには、当該地域との関係性の度合いをより向上させる動機付けを与える。
【0012】
また、システムは、特定の地域とユーザとの関係性の度合いに応じた、自治体からのリワードの情報をユーザに提供する。リワードは、一例として、当該地域での宿泊券やイベントへの招待券などのオファーが含まれる。リワードは、ユーザのランク(すなわちユーザと地域の関係性の度合い)が高いほど、高級であったり入手困難であったり機会を得ることが困難であるような対象が設定され得る。このため、ユーザが特定の地域において、より高いランクを得る(すなわち、地域との関係性の度合いをより深化させる)ことの動機付けを与える。
【0013】
ユーザと特定の地域との関係性の構築は、例えば、都心の職場に勤める従業員が数日の間、地方に滞在するワーケーションを契機として開始され得る。すなわち、ユーザは地域への滞在を契機として滞在先の地域に興味を抱き、当該地域への滞在を繰り返し、当該地域での活動を通して地域との関係を深化させる場合がある。ユーザが地域との関係性を深めれば、宿泊施設や飲食店の(例えば閑散期の)稼働率を向上させたり、都市部の消費が活発な層の消費を誘発したりすることが期待される。例えば都市部のユーザが、地域の宿泊先(例えば地方の遊休宿泊施設)に宿泊することにより、域外交通の利用、滞在先での飲食やイベント参加が生じることが期待される。このように本実施形態に係るシステムは、ユーザと地域コミュニティーを繋げ、地域の関係人口を増やして地域を活性化する仕組みを提供する。
【0014】
<情報処理システムの構成>
図1を参照して、本実施形態に係る情報処理システムについて説明する。情報システム10は、例えば、情報提供サーバ100と外部サーバ101と通信装置102とを含む。これらの装置のそれぞれは、ネットワーク104を介して接続され、例えば所定のインタネットプロトコルを用いて装置間で通信することができる。
【0015】
通信装置102は、ユーザが用いる、例えば携帯型端末であり、スマートフォン、パーソナルコンピュータ及びタブレット端末などの電子デバイスを含む。
【0016】
情報提供サーバ100は、情報処理装置の一例であり、後述する情報提供処理を実行する。情報提供サーバ100は、情報提供処理の実行により、所定地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定し、決定した所定地域に対する関係性の度合いを示す情報を通信装置102に提供する。また、情報提供サーバ100は、所定地域に対するユーザと地域との関係性の度合いに応じて、所定地域に係る自治体から提供されるリワードをユーザの通信装置102に提供する。
【0017】
情報提供サーバ100においてコンピュータプログラムが実行されることによって提供されるサービスは、例えば、ユーザと地域との関係性に基づく各種サービスを提供するサービス業者(単に関係性サービス業者ともいう)によって管理される。ハードウェアとしての情報提供サーバ100は、関係性サービス業者によって管理されてもよいし、或いは、データセンタなどを運用する別の事業者によって管理されてもよい。なお、情報提供サーバ100によって実現される機能は、サーバと通信装置との間に配置され得るエッジノードにおいて実現されてもよい。なお、エッジノードも情報処理装置の一例である。
【0018】
外部サーバ101は、関係性サービス業者とは別の業者や自治体などによって別個に運用される各種サーバである。外部サーバ101a、101b、…は、それぞれ別個のサービス業者によって運用され得るサーバである。外部サーバ101a、101b、…は、ユーザによる利用許諾に従って、例えば、ユーザによる決済情報(例えばクレジットカードや電子マネーの利用履歴)を情報提供サーバ100に提供したり、ユーザによるふるさと納税の履歴情報を情報提供サーバ100に提供したりする。なお、外部サーバ101a、101b、…を特に区別しない場合には、単に外部サーバ101として示す。
【0019】
<情報提供サーバの構成>
次に、
図2を参照して、情報処理装置の一例としての情報提供サーバ100の機能構成例について説明する。なお、図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。更に、本実施形態では、情報提供サーバが単体の装置である場合を例に説明するが、情報提供サーバが複数の装置で構成されてもよいし、また、1つ以上の仮想マシンとして構成されてもよい。
【0020】
通信部201は、外部サーバ101及び通信装置102のそれぞれとネットワークを介して通信可能な通信回路又は通信モジュールを含む。
【0021】
制御部202は、プロセッサ210と、メモリ211とを含む。プロセッサ210は1つ以上のプロセッサから構成されてよい。制御部202は、プロセッサ210によって、メモリ211又は記憶部204に記憶されたコンピュータプログラムを実行することにより、情報提供サーバ100の各部の動作を制御する。また、制御部202に含まれる各部の機能は、例えば、プロセッサ210がプログラムを実行することにより実現される。
【0022】
メモリ211は、例えばDRAM等の揮発性の記憶媒体であり、制御部202がコンピュータプログラムを実行するためのパラメータや処理結果等を一時的に記憶する。電源部203は、情報提供サーバ100の各部が動作するための電力を提供するための電源である。
【0023】
記憶部204は、例えばハードディスクや半導体メモリ等の不揮発性の記憶媒体を含み、情報提供サーバ100の動作に必要な設定値や、コンピュータプログラム等を格納する。記憶部204に保持されるコンピュータプログラムは、情報提供サーバ100の諸機能を実現するためのオペレーティングシステムや種々のアプリケーションを含む。記憶部204は、例えば、ユーザ情報220、滞在時間情報221、消費金額情報222、及びリワード情報223などを含む。
【0024】
ユーザ情報220は、システムの利用者であるユーザの情報を含む。ユーザ情報220は、例えば
図9に示すように、ユーザ識別子901、お気に入り設定の情報902、及び地域とユーザとの関係性の度合いの情報903等を含む。ユーザ識別子901は、ユーザを識別する情報である。お気に入り設定の情報902は、ユーザがお気に入りとして設定している自治体を示す情報である。ユーザは、複数の自治体をお気に入りとして設定することができる。地域とユーザとの関係性の度合いの情報903は、お気に入り設定された自治体ごとに、地域とユーザとの関係性の度合いの情報を含む。地域とユーザとの関係性の度合いの情報903は、後述する情報提供処理によって決定され、設定される。
【0025】
滞在時間情報221は、ユーザの位置情報に基づく、ユーザによる各地域における滞在時間を含む。滞在時間情報221には、例えば、地域ごとにユーザの滞在時間が記録される。滞在時間情報221は、例えば、ユーザが地域に対応するジオフェンス内に滞在した時間を測定して得られる時間であってよい。滞在時間情報221は、例えば、各地域が自治体ごとに対応付けられている場合、ユーザがそれぞれの自治体に滞在した時間を表すことができる。或いは、自治体のエリアが複数の地域に分けられる場合、滞在時間情報221は、例えば自治体のエリアのうちの第1の地域(中心部)と第2の地域(辺縁部)のそれぞれについてのユーザの滞在時間を示してもよい。なお、自治体のエリアは、観光地とそうでない地域とを分けるなど、種々の態様で分けることができる。
【0026】
消費金額情報222は、ユーザが各地域に対して消費した消費金額を含む。消費金額情報222は、例えば、ユーザが各地域において消費した消費金額と、各地域と対応する自治体により販売される物又は提供されるサービスに対する地域外でのユーザの消費金額とを含む。すなわち、消費金額情報222は、ユーザが地域を訪れて地域内で飲食や宿泊等に消費した金額と、当該地域に対するふるさと納税の金額や当該地域に関するアンテナショップでの消費金額とを含むことができる。消費金額情報222は、例えば、各地域が自治体ごとに対応付けられている場合、ユーザがそれぞれの自治体に対して消費した消費金額を表すことができる。或いは、自治体のエリアが複数の地域に分けられる場合、消費金額情報222は、例えば自治体のエリアのうちの第1の地域と第2の地域のそれぞれに対するユーザの消費金額を示してもよい。
【0027】
リワード情報223は、特定の地域に対する、ユーザと地域との関係性の度合いに応じて、当該特定の地域に係る自治体から提供されるリワードの情報を含む。リワードの情報は、例えば、当該特定の地域での宿泊券やイベントへの招待券などのオファーの情報を含む。
【0028】
滞在時間取得部212は、通信装置102から、通信装置102の位置情報をユーザの位置情報として取得する。また、滞在時間取得部212は、取得したユーザの位置情報に基づいて、例えば、ユーザが地域に対応するジオフェンス内に滞在した時間を測定し、地域におけるユーザの滞在時間を取得する。滞在時間取得部212は、既に滞在時間情報221に記憶されている当該地域における滞在時間の累計値と、新たに取得した滞在時間とを合算する。これにより、滞在時間取得部212は、地域におけるユーザの滞在時間(の新たな累計値)を取得することができる。滞在時間取得部212は、当該地域におけるユーザの滞在時間の累計値で滞在時間情報221を更新することができる。
【0029】
なお、滞在時間取得部212は、(例えば滞在時間情報221へのアクセスにより)任意の期間における滞在時間の累計値を取得することができる。例えば、滞在時間取得部212は、現在時刻が属する年の年初から現在時刻までの期間における滞在時間の累計値や、現在時刻が属する年の前年の1年間(例えば2022年の1年間)における滞在時間の累計値を取得することができる。
【0030】
また、滞在時間取得部212は、滞在時間情報221において、例えば各地域が自治体ごとに対応付けられている場合、ユーザがそれぞれの自治体に滞在した時間を取得することができる。或いは、滞在時間情報221において自治体のエリアが複数の地域に分けられる場合、滞在時間取得部212は、例えば自治体のエリアのうちの第1の地域(中心部)と第2の地域(辺縁部)のそれぞれについてのユーザの滞在時間を取得することができる。上述のように、自治体のエリアは、観光地とそうでない地域とを分けるなど、種々の態様で分けることができ、滞在時間取得部212は、種々の態様で分けられた地域ごとにユーザの滞在時間を取得することができる。
【0031】
消費金額取得部213は、ユーザが地域に対して消費した消費金額を取得する。消費金額取得部213は、例えば外部サーバ101aから、飲食や宿泊等によってユーザが地域内で消費した消費金額を取得して、消費金額情報222における地域ごとの消費金額の累計値を更新することができる。また、消費金額取得部213は、例えば外部サーバ101b或いは外部サーバ101aから、地域に対するふるさと納税の金額や当該地域のアンテナショップでの消費金額を取得して、消費金額情報222における地域ごとの消費金額の累計値を更新することができる。なお、消費金額取得部213は、滞在時間取得部212について上述したように、ユーザの地域に対する消費金額についても、任意の期間の消費金額の累計値や、複数の地域が自治体に対応付けられている場合の各地域の消費金額の累計値を取得することができる。
【0032】
なお、消費金額取得部213は、外部サーバ101から情報を取得するほか、通信装置102から、ユーザが地域に対して消費した消費金額を取得することもできる。例えば、ユーザが地域のホテルに宿泊し、現金で支払を行った後に、ホテルからユーザにレシートが提供される。通信装置102は、レシートを撮影し、撮影画像に対して画像認識処理を行って、支払に係る金額と、支払に係る店名或いはサービス提供者名(例えば、〇〇ホテル)と時刻とを取得し、情報提供サーバ100に送信することができる。消費金額取得部213は、通信装置102からの支払いの情報を受信して、当該支払いの情報を消費金額情報として記録することができる。
【0033】
関係度合い決定部214は、ユーザと地域との関係性の度合いを決定する。具体的には、関係度合い決定部214は、ユーザによる特定の期間内の地域における滞在時間と当該地域に対する消費金額とに基づいて、当該地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定する。
【0034】
関係度合い決定部214は、例えば、
図4(a)に一例として示すテーブルを用いて、地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定してもよい。すなわち、関係度合い決定部214は、ある地域に対する、ユーザの滞在時間が100時間以上であり、且つ当該地域に対するユーザの消費金額が10万円以上である場合に、地域に対するユーザと地域との関係性の度合いをシルバーランクに決定する。同様に、関係度合い決定部214は、地域におけるユーザの滞在時間が150時間以上であり、且つユーザの消費金額が20万円以上である場合、当該関係性の度合いをゴールドランクに決定する。そして、関係度合い決定部214は、地域におけるユーザの滞在時間が200時間以上であり、且つユーザの消費金額が30万円以上である場合、当該関係性の度合いをプラチナランクに決定する。
【0035】
なお、関係度合い決定部214は、
図4(a)に示すテーブルを参照して、ユーザによる特定の期間内の地域における滞在時間と当該地域に対する消費金額との少なくともいずれかがテーブルに示す値(例えば、100時間又は10万円)以上である場合に、当該関係度合いがシルバーランクであると決定してもよい。
【0036】
上述の消費金額は、宿泊に対する消費金額、飲食に対する消費金額、及びお土産に対する消費金額など、特定用途の消費金額ごとに定められてもよい。また、上述の滞在時間は、宿泊に対する滞在時間、飲食に対する滞在時間、及び買い物に対する滞在時間など、特定用途の滞在時間ごとに定められてもよい。この場合、例えば、関係度合い決定部214は、ユーザによる特定の期間内の地域における特定用途の滞在時間と当該地域に対する特定用途の消費金額との少なくともいずれかがテーブルに示す値(例えば、100時間又は10万円)以上である場合に、当該関係度合いがシルバーランクであると決定してもよい。
【0037】
また、本実施形態の説明では、関係度合い決定部214が、ユーザによる特定の期間内の地域における滞在時間と当該地域に対する消費金額を用いて、ユーザと地域との関係度合いを決定する場合を例に説明している。しかし、関係度合い決定部214が、滞在時間及び消費金額に加えて他の情報を用いてもよい。例えば、関係度合い決定部214は、
図4(b)に示す滞在日数及び滞在回数の少なくともいずれかを更に用いて、ユーザと地域の関係性の度合いを決定してもよい。滞在日数を用いることにより、ユーザは、地域との関係性の度合いを向上させるために、条件として定められる以上の日数に分けて(繰り返し)当該地域を訪問することが求められる。また、滞在回数を用いる場合も同様に、ユーザは地域との関係性の度合いを向上させるために、条件として定められる以上の回数に分けて(繰り返し)当該地域を訪問することが求められる。このように滞在日数或いは滞在回数といった条件を追加的に用いることにより、滞在や消費を増加させる動機付けをユーザに与えることができる。なお、関係度合い決定部214は、滞在時間の代わりに、滞在日数及び滞在回数の少なくともいずれかを用いて、ユーザと地域の関係性の度合いを決定してもよい。また、
図4(b)の滞在回数や滞在日数に代えて或いは加えて、宿泊日数を用いてもよい。
【0038】
一方、関係度合い決定部214は、テーブルを使用する代わりに、ユーザによる特定の期間内の地域における滞在時間と当該地域に対する消費金額とを入力パラメータとする関数を用いて、当該地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定してもよい。例えば、関数f(x、y)=ax+byであって、地域におけるユーザの滞在時間をx、地域に対する消費金額をyとして、係数a及びbを適宜決定し、f(x、y)の値に応じて、ランクを決定するようにしてもよい。もちろん、関数はこの例に限らず、高次関数或いは非線形の関数を用いてもよい。
【0039】
また、上述のように、複数の地域が自治体に対応する場合、関係度合い決定部214は、複数の地域のそれぞれにおける滞在時間と消費金額を考慮することができる。例えば、関係度合い決定部214は、複数の地域のうちの第1の地域と第2の地域について、各地域における滞在時間と各地域に対する消費金額との少なくともいずれかに異なる重み付けを適用して、ユーザと地域(自治体)との関係性の度合いを決定する。このようにすれば、例えば、自治体のエリアのうちの第1の地域(中心部)と第2の地域(辺縁部)において、中心部における重みを高くすれば、中心部における滞在時間及び/又は消費金額が高いユーザほど、高いランクが付与される。すなわち、ユーザに対して、中心部への滞在や中心部での消費に対する動機付けを与えることができる。換言すれば、複数の地域のうちの所望の地域にユーザを誘導することが可能になる。
【0040】
関係度合い決定部214は、決定した関係性の度合いに有効期限を設定し、有効期限を過ぎると時間とともに減衰するように関係性の度合いを制御してもよい。
【0041】
リワード取得部215は、外部サーバ101から、上述したリワードの情報を取得して、リワード情報223に記録したり、リワード情報223を更新したりする。
【0042】
表示情報生成部216は、通信装置102に表示される表示用情報を生成する。例えば、表示情報生成部216は、ユーザが個別にお気に入りとして設定した自治体の名称等を表示するマイページの表示用情報を生成する。また、表示情報生成部216は、地域ごと或いは自治体ごとのユーザの滞在時間や消費金額を表示する詳細画面の表示用情報を生成する。また、地域或いは自治体から提供されるリワードの情報を表示するリワード画面の表示用情報を生成する。なお、マイページ、詳細画面、及びリワード画面の詳細については後述する。表示情報生成部216は、各表示用情報を生成し、通信部201を介してこれらの表示用情報を通信装置102に送信する。なお、表示情報生成部216は、各種画面情報を生成する代わりに、各画面を構成するために必要な情報を通信装置102に送信し、通信装置102側で表示画面を構成するようにしてもよい。
【0043】
<通信装置の構成>
次に、
図3を参照して、通信装置102の機能構成例について説明する。本実施形態では、通信装置の一例として、スマートフォンを用いる場合を例に説明する。なお、以降の図を参照して説明する機能ブロックの各々は、統合されまたは分離されてもよく、また説明する機能が別のブロックで実現されてもよい。また、ハードウェアとして説明するものがソフトウェアで実現されてもよく、その逆であってもよい。
【0044】
通信部301は、例えば通信用回路等を含み、例えばLTE等の移動体通信を介してインターネットに接続したり、無線LAN通信を介してネットワークに接続したりして、情報提供サーバ100との通信を行う。
【0045】
制御部302は、プロセッサ310及びメモリ311を含み、例えば記憶部307に記憶されたコンピュータプログラムをプロセッサ310が実行することにより、通信装置102内の各部の動作を制御する。プロセッサ310は、1つ以上のプロセッサを含み、メモリ311は、例えばDRAMなどの揮発性メモリを含む。
【0046】
操作部303は、通信装置102の備えるボタンやタッチパネルを含み、ボタンや、表示部306に表示される各種操作用のGUIに対するユーザ操作を受け付ける。電源部304は、通信装置102の各部へ電力を提供する。
【0047】
撮像デバイス305は、例えば、撮像素子を含むカメラ機構であり、制御部302からの指示に応じて撮影を行うことができる。例えば、ユーザは、滞在先での飲食や宿泊において、現金で支払を済ませた後に、レシートの画像を撮影することができる。例えば、レシートには、支払った金額や、その明細、支払時の時刻等が記載されており、制御部302は、レシートの撮影画像に対して画像認識処理を行って、支払に係る金額と、支払に係る店名或いはサービス提供者名と時刻とを取得する。制御部302は、取得した情報を情報提供サーバ100に送信する。
【0048】
表示部306は、例えばLCDやOLED等の表示デバイスを含む。表示部306は、制御部302の指示に応じて、情報提供サーバ100から受信する表示用情報に基づきGUIを表示する。制御部302は、例えば、ウェブブラウザ又は専用アプリケーションを実行して、情報提供サーバ100から受信した表示用情報を表示部306に表示させる。
【0049】
記憶部307は、例えば半導体メモリ等の不揮発性メモリを含み、制御部302が実行するプログラムや設定値を保持したりする。記憶部307に保持されるコンピュータプログラムは、通信装置102の諸機能を実現するためのオペレーティングシステムや種々のアプリケーションを含む。
【0050】
<情報提供サーバにおける情報提供処理の一連の動作>
次に、情報提供サーバ100において実行される情報提供処理の一連の動作について、
図5を参照して説明する。また、本処理は、制御部202のプロセッサ210が記憶部204に記録されるコンピュータプログラムを実行することにより実現される。
【0051】
S501において、滞在時間取得部212が、上述したように、通信装置102から、通信装置102の位置情報をユーザの位置情報として取得する。
【0052】
S502において、制御部202は、ユーザが特定の自治体を(お気に入りとして)選択しているかを判定する。
図9を参照して上述したように、ユーザ情報220にお気に入り設定の情報902が含まれる。制御部202は、ユーザ情報220にお気に入りとして選択された自治体がある場合、処理をS503に進め、そうでない場合、本一連の処理を終了する。
【0053】
S503において、滞在時間取得部212は、上述したように、例えば、ユーザが地域に対応するジオフェンス内に滞在した時間を測定することにより、地域におけるユーザの滞在時間を取得し、滞在時間情報221を更新する。滞在時間取得部212は、滞在時間情報221から、ユーザによる(特定の期間内の)所定地域における滞在時間(の累計値)を取得する。
【0054】
S504において、消費金額取得部213は、上述したように、外部サーバ101からユーザが地域内で消費した消費金額を取得して、消費金額情報222における地域ごとの消費金額の累計値を更新する。消費金額取得部213は、消費金額情報222から、(特定の期間内の)所定地域に対する消費金額(の累計値)を取得する。
【0055】
S505において、関係度合い決定部214は、上述したように、ユーザによる特定の期間内の地域における滞在時間と当該地域に対する消費金額とに基づいて、所定地域に対する、ユーザと地域との関係性の度合いを決定する。関係度合い決定部214は、決定した当該関係性の度合いを、ユーザ情報220(ユーザと地域との関係性の度合いの情報903)に記録する。
【0056】
S506において、表示情報生成部216は、所定地域に対する、ユーザと地域との関係性の度合いを示す情報を、自治体の名称とともに表示用情報として通信装置102に提供する。例えば、表示情報生成部216は、例えば、
図6に示すマイページ600の表示用情報を通信装置102に提供することができる。
【0057】
図6に示すマイページ600は、ユーザがお気に入りとして設定した自治体の名称と、ユーザと当該自治体との関係性の度合いを示す情報を示す画面である。ユーザ画像601は、例えばユーザがアップロードしたユーザのプロフィール画像を含む。ユーザ画像601はユーザの設定したアイコンやアバター画像であってもよい。氏名602はユーザの氏名を含む。自治体の名称603は、ユーザがお気に入りの自治体として、予め設定した自治体の名称を含む。表示情報生成部216は、ユーザ情報220におけるお気に入り設定の情報902を、自治体の名称603として表示用情報を生成してよい。
【0058】
表示情報生成部216は、自治体の名称603と、各自治体の名称に対応する、ユーザと地域との関係性の度合いを示す情報604とを含むように、表示用情報を生成する。ユーザと地域との関係性の度合いを示す情報604は、プラチナ、シルバーなどの関係性の度合いを示す情報と、その度合いが特定の期間(例えば、2022年、2021年など)のものであることを示す情報とを含む。
【0059】
通信装置102がマイページ600を表示させている際に、例えば、ユーザが「静岡県焼津市」である自治体名605を押下すると、通信装置102は当該操作内容を情報提供サーバ100に送信する。情報提供サーバ100は、自治体名605が指定されたことに応じて、
図7に示す詳細情報700の表示用情報を生成する。
【0060】
図7に示す詳細情報700は、選択された自治体の名称701と、選択された自治体の名称に対応する、ユーザと地域との関係性の度合いを示す情報702とを含む。また、詳細情報700は、ユーザの現在状況を示す情報703を含む。例えば、ユーザの現在状況を示す情報703は、当該地域における、特定の期間内(例えば現在時刻が属する年内)におけるユーザの滞在時間の累計(例えば24時間)と、特定の期間内における当該地域に対する消費金額の累計(例えば12000円)とを含む。また、ユーザの現在状況を示す情報703は、当該地域における、全期間内におけるユーザの滞在時間の累計(例えば72時間)と、全期間内における当該地域に対する消費金額の累計(例えば42000円)とを含む。ユーザが通信装置102において、「もっと見る」ボタンを押下したことに応じて、情報提供サーバ100は、2022年、2021年、…などの他の年のユーザの状況を示す情報を更に含むように詳細情報700を生成してよい。
【0061】
詳細情報700は、更に、消費金額の明細704を含んでよい。消費金額の明細704は、消費金額のほか、当該消費に係る年月日、消費の対象などの情報を含んでよい。
【0062】
表示情報生成部216は、更に、詳細情報700に、ランクを向上させるために必要な情報を更に含めるようにしてもよい。例えば、表示情報生成部216は、(滞在時間情報221及び消費金額情報222における)現在の滞在時間及び消費金額と、(例えば
図4(a)に規定される)次のランクに合致するための滞在時間及び消費金額とを比較する。そして、次のランクに合致するために必要な滞在時間と消費金額とを詳細情報700に含めてもよい。また、表示情報生成部216は、滞在時間や消費金額に代えて、ランクを向上させるために必要な滞在時間や消費金額に対応する宿泊数、滞在日数、飲食の回数、イベント利用回数などの情報を表示するようにしてもよい。このようにすれば、当該表示情報により、ランクを向上させる目標がより明確となり、自治体との関係性の度合いを向上させる動機付けをユーザに与えることができる。更に、ランクを向上させるために表示する情報を、滞在時間、消費金額、宿泊数、滞在日数などのいずれにするかを、自治体の通信端末から送信された設定値に従って制御するようにしてもよい。このようにすれば、どのようなサービスにユーザを誘導したいかを、自治体ごと或いは地域ごとに設定することができるようになる。
【0063】
再び
図5を参照して説明する。S507において、リワード取得部215は、上述したように、外部サーバ101からリワードの情報を取得して、リワード情報223を更新する。
【0064】
S508において、表示情報生成部216は、リワード画面800の表示用情報を通信装置102に提供する。リワード画面800は、マイページ600又は詳細情報700に含まれる不図示のオファーボタンをユーザが押下したことに応じて提供されてよい。
図8に示すように、リワード画面800は、特定の地域とユーザとの関係性の度合いに応じた、自治体からのリワードの情報を含む。例えば、リワードの情報801は、ユーザと静岡県焼津市との関係性の度合いがプラチナランクであることに応じて、自治体から提供されたオファーの情報を含む。オファーの情報801は、自治体によって提供されるPR用画像や、説明テキストを含む。同様に、リワードの情報802は、ユーザと秋田県大仙市との関係性の度合いがシルバーランクであることに応じて、自治体から提供されたオファーの情報を含む。
【0065】
制御部202は、表示情報生成部216によってリワードの情報が提供されると、本一連の処理を終了する。
【0066】
上述の説明では、情報提供サーバ100の各種機能について説明したが、情報提供サーバ100の機能は上述の機能に限定されない。情報提供サーバ100は、ユーザの氏名、メールアドレス、ユーザが移動のために通過する地域、ユーザの勤務地が存在する地域、及びユーザの自宅が存在する地域を登録したり、修正したりする機能を有してよい。この場合、滞在時間取得部212及び消費金額取得部213は、ユーザが移動のために通過する地域、ユーザの勤務地が存在する地域、及びユーザの自宅が存在する地域を、処理対象の地域から除くことができる。このため、情報提供サーバ100は、設定されたこれらの地域を、ユーザと地域との関係性の度合いを求める際の地域に含めない。このようにすることで、情報提供サーバ100は、ユーザが極めて頻繁に滞在したり、金額を消費する地域に対して、滞在時間を演算したり、消費金額を演算したりする処理負荷を軽減又は省略することができる。すなわち、制御部202の各部の処理負荷、及び記憶部204の更新負荷を大幅に低減することができる。
【0067】
また、
図5を参照して説明した一連の動作では、予め自治体がお気に入り設定の情報902に設定されている場合に、当該自治体に対応する地域について、滞在時間の取得や消費金額の取得を行うようにした。つまり、情報提供サーバ100は、ユーザが滞在したことのある地域又はユーザが金額を消費した地域のなかからユーザによって選択された特定の地域(自治体)について、当該地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定する。このようにすることで、滞在時間や消費金額の演算、ユーザと地域の関係性の度合いを決定するための演算などを限定された地域に対して行うことができる。すなわち、ユーザが関与したあらゆる地域の情報について演算する場合と比べて処理負荷を大幅に低減することができる。
【0068】
或いは、情報提供サーバ100は、マイページ600に表示する自治体を設定するための、お気に入り設定を登録する際に、ユーザが移動のために通過する地域、ユーザの勤務地が存在する地域、及びユーザの自宅が存在する地域に対応する自治体を登録できないようにしてもよい。このようにしても、情報提供サーバ100は、ユーザが極めて頻繁に滞在したり、金額を消費する地域に対して、滞在時間を演算したり、消費金額を演算したりする処理負荷を低減することができる。
【0069】
以上説明したように、本実施形態では、情報提供サーバ100は、ユーザの位置情報に基づいてユーザによる所定地域における滞在時間を取得するとともに、ユーザが所定地域に対して消費した消費金額を取得する。そして、ユーザによる特定の期間内の所定地域における滞在時間と所定地域に対する消費金額とに基づいて、所定地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定する。このようにすることで、ユーザと地域との実体的な関わりを考慮して、関係人口と地域との関係性を評価することができる。
【0070】
また、情報提供サーバ100は、決定した所定地域に対する関係性の度合いを示す情報を、所定地域と対応する自治体の名称とともに、ユーザの通信装置に提供する。このようにすることで、ユーザは、ユーザと自治体との関係性の度合いを容易に把握することができる。また、ユーザに現状の関係性を把握させることにより、ユーザと自治体との関係性が変化した場合にその変化を把握し易くすることができる。すなわち、ユーザに、自治体とのより高い関係性の度合いを目指す動機付けを与えることができる。
【0071】
発明は上記の実施形態に制限されるものではなく、発明の要旨の範囲内で、種々の変形・変更が可能である。
【符号の説明】
【0072】
100…情報提供サーバ、101…外部サーバ、102…通信装置、202…制御部、212…滞在時間取得部、213…消費金額取得部、214…関係度合い決定部、215…リワード取得部、216…表示情報生成部
【要約】
【課題】ユーザと地域との実体的な関わりを考慮して、関係人口と地域との関係性を評価することが可能な情報処理装置を提供する。
【解決手段】上記開示に係る情報処理装置は、ユーザの位置情報に基づいてユーザによる所定地域における滞在時間を取得する、又はユーザが所定地域に対して消費した消費金額を取得する、取得手段と、ユーザと地域との関係性の度合いを決定する決定手段と、を有し、決定手段は、ユーザによる特定の期間内の所定地域における特定用途の滞在時間又は所定地域に対する特定用途の消費金額に基づいて、所定地域に対するユーザと地域との関係性の度合いを決定する。
【選択図】
図7