(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】変圧器
(51)【国際特許分類】
H01F 27/32 20060101AFI20240508BHJP
H01F 5/02 20060101ALI20240508BHJP
H01F 30/10 20060101ALI20240508BHJP
H01F 27/30 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
H01F27/32 150
H01F5/02 H
H01F30/10 E
H01F27/30 130
(21)【出願番号】P 2023192314
(22)【出願日】2023-11-10
【審査請求日】2023-11-10
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】514105011
【氏名又は名称】株式会社東光高岳
(74)【代理人】
【識別番号】100107836
【氏名又は名称】西 和哉
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 翔
(72)【発明者】
【氏名】望月 佑起
【審査官】秋山 直人
(56)【参考文献】
【文献】特開平11-288830(JP,A)
【文献】特開2017-163051(JP,A)
【文献】実開平06-055225(JP,U)
【文献】特開2012-178384(JP,A)
【文献】特開2010-238842(JP,A)
【文献】特開2002-208522(JP,A)
【文献】特開2000-357614(JP,A)
【文献】特開2000-188220(JP,A)
【文献】特開2021-163850(JP,A)
【文献】特開平10-241968(JP,A)
【文献】実開昭54-146311(JP,U)
【文献】実開平03-016315(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01F 27/32
H01F 5/02
H01F 30/10
H01F 27/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源側の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、負荷側の回路に同一周波数の交流電力を供給する変圧器であって、
電源側の回路に接続される一次巻線と、
負荷側の回路に接続される二次巻線と、
前記一次巻線及び前記二次巻線に対して鎖交する円筒状の複数の鉄心と、を備え、
前記一次巻線は、環状のボビンの外周部に巻かれており、
前記ボビンは、
角部を丸めた環状の四角形であり、
前記外周部の幅方向において前記一次巻線を分ける仕切部を備え、
前記仕切部は、外側に突出する複数の突出部を備え、
複数の前記突出部は、
前記一次巻線の巻き方向において互いに離れて
前記ボビンの前記角部及び辺部に設けら
れ、
一の前記角部に設けられる前記突出部の数は、一の前記辺部に設けられる前記突出部の数よりも多い、変圧器。
【請求項2】
前記突出部の先端部は、前記一次巻線の外周端部よりも外側にある、請求項1に記載の変圧器。
【請求項3】
前記仕切部は、前記突出部を支持する支持部を備え、
前記支持部は、前記一次巻線の巻き方向に延び、前記外周部から突出して設けられ、
前記支持部の突出長さは、前記仕切部により分けられた前記一次巻線の巻線間の沿面距離が絶縁距離を満たす長さに設定される、請求項1に記載の変圧器。
【請求項4】
前記仕切部により分けられる前記一次巻線は、1本の電線により形成され、
前記仕切部は、前記仕切部の外側をまたぐ前記一次巻線の電線を案内する案内部を備える、請求項1に記載の変圧器。
【請求項5】
前記案内部は、前記仕切部の外側をまたぐ前記一次巻線の電線をかける切欠部を備える、請求項
4に記載の変圧器。
【請求項6】
前記案内部は、前記切欠部にかけられた電線を前記外周部の表面まで案内する傾斜部を備える、請求項
5に記載の変圧器。
【請求項7】
前記一次巻線、前記二次巻線及び前記鉄心は、変圧器用絶縁油の中に浸される、請求項1に記載の変圧器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、変圧器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
変成器は、変圧や変流を実現するために用いられている。
【0003】
特許文献1に記載の変成器は、環状の枠体を備える。また、変成器は、導線が周方向に巻き付けられることによって枠体の外周にそれぞれ形成されており、枠体の軸長方向に並ぶ複数のコイルを備える。また、変成器は、外周に立設され、隣り合うコイルを全周にわたって隔てる絶縁壁を備える。複数のコイルは、1本の連続した導線からなる。絶縁壁の一面の側の外周に形成されている一のコイルの巻き終わり部分から延びる導線は、絶縁壁を乗り越えて、絶縁壁の他面の側の外周に形成されている他のコイルを巻き始める部分に連続している。絶縁壁の他面の側の外周は、周方向に延びる第1面を有する。また、絶縁壁の他面の側の外周は、第1面に周方向に隣り合い、第1面よりも絶縁壁の先端部側に位置する第2面を有する。第2面は、絶縁壁を乗り越えた導線が他のコイルを構成する導線に軸長方向に隣り合う位置に対応して設けられている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
変成器の種類には、油入変圧器と称される変圧器がある。油入変圧器は、巻線及び鉄心を変圧器用絶縁油の中に浸し、油の絶縁と冷却の作用を利用している変圧器である。油入変圧器を製造する作業者は、変圧器を収めるタンクに変圧器用絶縁油を注入するとき、電気的絶縁を目的とした脱泡のために真空引きを行う。
【0006】
特許文献1に記載の変成器は、隣り合うコイルを全周にわたって絶縁壁が隔てており、真空引きを行っても、コイルと絶縁壁との間の僅かな隙間に空気が残りやすい。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の態様は、電源側の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、負荷側の回路に同一周波数の交流電力を供給する変圧器である。変圧器は、電源側の回路に接続される一次巻線を備える。変圧器は、負荷側の回路に接続される二次巻線を備える。変圧器は、一次巻線及び二次巻線に対して鎖交する円筒状の複数の鉄心を備える。一次巻線は、環状のボビンの外周部に巻かれている。ボビンは、角部を丸めた環状の四角形である。ボビンは、外周部の幅方向において一次巻線を分ける仕切部を備える。仕切部は、外側に突出する複数の突出部を備える。複数の突出部は、一次巻線の巻き方向において互いに離れてボビンの角部及び辺部に設けられる。一の角部に設けられる突出部の数は、一の辺部に設けられる突出部の数よりも多い。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図2】鉄心130及びカバー140を取り外した状態の変圧器100の一例を示す正面図である。
【
図3】
図2におけるA-A’の断面の一例を示す図である。
【
図4】第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の一端部の一例を示す斜視図である。
【
図5】第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の他端部の一例を示す斜視図である。
【
図8】第1巻線111が巻かれた状態のボビン150の一例を示す斜視図である。
【
図9】第1巻線111が巻かれた状態のボビン150の一例を示す側面図である。
【
図11】支持部152Bの突出長さの一例を示す図である。
【
図12】案内部152Cの一例を示す正面図である。
【
図13】第1巻線111、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124、第5巻線125及びボビン150を囲った状態のカバー140の一例を示す斜視図である。
【
図15】端辺部141を正面に見たときのカバー140の一例を示す側面図である。
【
図16】ヒンジ部142を正面に見たときのカバー140の一例を示す側面図である。
【
図18】一対の端辺部141同士を閉じた状態のカバー140の一例を示す斜視図である。
【
図19】一対の端辺部141同士を閉じた状態のカバー140の一例を示す平面図である。
【
図20】第1巻線111、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124、第5巻線125及びボビン150を囲った状態のカバー140の一例を示す正面図である。
【
図21】
図20におけるB-B’の断面の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、発明の実施形態を通じて本発明を説明するが、以下の実施形態は、特許請求の範囲に記載の発明を限定しない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせは、全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
【0010】
【0011】
変圧器100は、電源側の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、負荷側の回路に同一周波数の交流電力を供給する装置である。変圧器100は、一次巻線110、二次巻線120及び2つの鉄心130を備える。例えば、変圧器100は、一次巻線110、二次巻線120及び鉄心130を変圧器用絶縁油の中に浸し、変圧器用絶縁油の電気的絶縁と冷却の作用を利用する油入変圧器である。
【0012】
一次巻線110は、電源側の回路に接続される巻線である。
【0013】
二次巻線120は、負荷側の回路に接続される巻線である。
【0014】
鉄心130は、円筒状であり、一次巻線110及び二次巻線120に対して鎖交する部品である。即ち、変圧器100は、一つの電気回路に対して複数の独立した磁気回路が鎖交する外鉄形変圧器である。鉄心130は、一次巻線110及び二次巻線120に対して、カバー140を挟んで儲けられる。カバー140は、一次巻線110及び二次巻線120を囲う円筒状の部品である。
【0015】
図2は、鉄心130及びカバー140を取り外した状態の変圧器100の一例を示す正面図である。
【0016】
一次巻線110は、第1巻線111を有する。
【0017】
第1巻線111は、環状のボビン150に巻かれる巻線である。ボビン150は、電線を巻くための巻枠である。
【0018】
二次巻線120は、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125を有する。
【0019】
第2巻線122は、第1巻線111の内側に設けられる巻線である。第2巻線122は、平型の電線を、電線の面が第1巻線111の高さ方向に対して平行になるように、第1巻線111の幅方向と同じ方向に巻くことによって形成される。第2巻線122は、第3巻線123とは別の電線により形成される。
【0020】
第3巻線123は、第2巻線122の内側に設けられる巻線である。第3巻線123は、平型の電線を、電線の面が第1巻線111の高さ方向に対して平行になるように、第1巻線111の幅方向と同じ方向に巻くことによって形成される。第3巻線123は、第2巻線122とは別の電線により形成される。
【0021】
第4巻線124は、第1巻線111の外側に設けられる巻線である。第4巻線124は、平型の電線を、電線の面が第1巻線111の高さ方向に対して平行になるように、第1巻線111の幅方向と同じ方向に巻くことによって形成される。第4巻線124は、第5巻線125とは別の電線により形成される。
【0022】
第5巻線125は、第4巻線124の外側に設けられる巻線である。第5巻線125は、平型の電線を、電線の面が第1巻線111の高さ方向に対して平行になるように、第1巻線111の幅方向と同じ方向に巻くことによって形成される。第5巻線125は、第4巻線124とは別の電線により形成される。
【0023】
図3は、
図2におけるA-A’の断面の一例を示す図である。
図3に示すボビン150の幅BW、第2巻線122の幅WW2、第3巻線123の幅WW3、第4巻線124の幅WW4及び第5巻線125の幅WW5は、一例である。
図3に示す第2巻線122の巻数、第3巻線123の巻数、第4巻線124の巻数及び第5巻線125の巻数は、一例である。
【0024】
ボビン150の幅BWは、第2巻線122の幅WW2よりも広い。また、ボビン150の幅BWは、第3巻線123の幅WW3よりも広い。また、ボビン150の幅BWは、第4巻線124の幅WW4よりも広い。また、ボビン150の幅BWは、第5巻線125の幅WW5よりも広い。
【0025】
第2巻線122の幅WW2は、ボビン150の幅BWよりも狭い。また、第2巻線122の幅WW2は、第3巻線123の幅WW3よりも広い。また、第2巻線122の幅WW2は、第4巻線124の幅WW4と同じ幅である。また、第2巻線122の幅WW2は、第5巻線125の幅WW5よりも広い。
【0026】
第3巻線123の幅WW3は、ボビン150の幅BWよりも狭い。また、第3巻線123の幅WW3は、第2巻線122の幅WW2よりも狭い。また、第3巻線123の幅WW3は、第4巻線124の幅WW4よりも狭い。また、第3巻線123の幅WW3は、第5巻線125の幅WW5と同じ幅である。
【0027】
第4巻線124の幅WW4は、ボビン150の幅BWよりも狭い。また、第4巻線124の幅WW4は、第2巻線122の幅WW2と同じ幅である。また、第4巻線124の幅WW4は、第3巻線123の幅WW3よりも広い。また、第4巻線124の幅WW4は、第5巻線125の幅WW5よりも広い。
【0028】
第5巻線125の幅WW5は、ボビン150の幅BWよりも狭い。また、第5巻線125の幅WW5は、第2巻線122の幅WW2よりも狭い。また、第5巻線125の幅WW5は、第3巻線の幅WW3と同じ幅である。また、第5巻線125の幅WW5は、第4巻線124の幅WW4よりも狭い。
【0029】
幅方向において、第3巻線123の巻数は、第2巻線122の巻数よりも少ない。
図3に示す例において、第2巻線122の巻数は、「26」となっている。
図3に示す例において、第3巻線123の巻数は、「10」となっている。
【0030】
幅方向において、第5巻線125の巻数は、第4巻線124の巻数よりも少ない。
図3に示す例において、第4巻線124の巻数は、「26」となっている。
図3に示す例において、第5巻線125の巻数は、「10」となっている。
【0031】
幅方向において、第2巻線122の巻数は、第4巻線124の巻数と同じ巻数である。
図3に示す例において、第2巻線122の巻数及び第4巻線124の巻数は、共に「26」となっている。
【0032】
幅方向において、第3巻線123の巻数は、第5巻線125の巻数と同じ巻数である。
図3に示す例において、第3巻線123の巻数及び第5巻線125の巻数は、共に「10」となっている。
【0033】
第2巻線122の巻数は、第3巻線123の巻数よりも多く、第4巻線124の巻数と同じ巻数であればよく、「26」よりも少なくてもよいし多くてもよい。
【0034】
第3巻線123の巻数は、第2巻線122の巻数よりも少なく、第5巻線125の巻数と同じ巻数であればよく、「10」よりも少なくてもよいし多くてもよい。
【0035】
第4巻線124の巻数は、第5巻線125の巻数よりも多く、第2巻線122の巻数と同じ巻数であればよく、「26」よりも少なくてもよいし多くてもよい。
【0036】
第5巻線125の巻数は、第4巻線124の巻数よりも少なく、第3巻線123の巻数と同じ巻数であればよく、「10」よりも少なくてもよいし多くてもよい。
【0037】
図4は、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の一端部の一例を示す斜視図である。
図4は、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の一端部を分かりやすく示すことを目的として、第1巻線111及びボビン150を図示していない。
【0038】
第2巻線122の第1端部122Aから延びる電線EW2Aは、第1端部122Aにおいて正面側に折り曲げられている。同様に、第3巻線123の第1端部123Aから延びる電線EW3Aは、第1端部123Aにおいて正面側に折り曲げられている。同様に、第4巻線124の第1端部124Aから延びる電線EW4Aは、第1端部124Aにおいて正面側に折り曲げられている。同様に、第5巻線125の第1端部125Aから延びる電線EW5Aは、第1端部125Aにおいて正面側に折り曲げられている。
【0039】
電線EW2A及び電線EW5Aは、接続部材JE1によって接続される。同様に、電線EW3A及び電線EW4Aは、接続部材JE2によって接続される。
【0040】
図5は、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の他端部の一例を示す斜視図である。
図5は、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125の他端部を分かりやすく示すことを目的として、第1巻線111及びボビン150を図示していない。
【0041】
第2巻線122の第2端部122Bから延びる電線EW2Bは、第2端部122Bにおいて背面側に折り曲げられている。同様に、第3巻線123の第2端部123Bから延びる電線EW3Bは、第2端部123Bにおいて背面側に折り曲げられている。同様に、第4巻線124の第2端部124Bから延びる電線EW4Bは、第2端部124Bにおいて背面側に折り曲げられている。同様に、第5巻線125の第2端部125Bから延びる電線EW5Bは、第2端部125Bにおいて背面側に折り曲げられている。
【0042】
電線EW3Bは、接続端子CT1に接続される。接続端子CT1は、負荷側の回路の第1電圧線に接続される。
【0043】
電線EW5Bは、接続端子CT2に接続される。接続端子CT2は、負荷側の回路の第2電圧線に接続される。
【0044】
電線EW2B及び電線EW4Bは、接続端子CT3に接続される。接続端子CT3は、負荷側の回路の中性線に接続される。
【0045】
以上、変圧器100は、電源側の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、負荷側の回路に同一周波数の交流電力を供給する装置である。変圧器100は、電源側の回路に接続される一次巻線110を備える。また、変圧器100は、負荷側の回路に接続される二次巻線120を備える。また、変圧器100は、一次巻線110及び二次巻線120に対して鎖交する円筒状の2つの鉄心130を備える。一次巻線110は、環状のボビン150に巻かれた第1巻線111を有する。二次巻線120は、第1巻線111の内側に設けられた第2巻線122及び第2巻線122の内側に設けられた第3巻線123を有する。また、二次巻線120は、第1巻線111の外側に設けられた第4巻線124及び第4巻線124の外側に設けられた第5巻線125を有する。第2巻線122及び第3巻線123は、互いに別の電線により形成される。第4巻線124及び第5巻線125は、互いに別の電線により形成される。第3巻線123の幅WW3は、第2巻線122の幅WW2よりも狭い。第5巻線125の幅WW5は、第4巻線124の幅WW4よりも狭い。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形に沿うため、鉄心130と各巻線との間の空隙が小さく、抵抗損や鉄損を抑制できる。
【0046】
また、第3巻線123の幅WW3及び第5巻線125の幅WW5は、ボビン150の幅BWよりも狭い。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形により沿いやすく、鉄心130と各巻線との間の空隙をより小さくでき、抵抗損や鉄損をより効率良く抑制できる。
【0047】
また、第2巻線122の幅WW2及び第4巻線124の幅WW4は、ボビン150の幅BWよりも狭い。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形により沿いやすく、鉄心130と各巻線との間の空隙をより小さくでき、抵抗損や鉄損をより効率良く抑制できる。
【0048】
また、第2巻線122の幅WW2は、第4巻線124の幅WW4と同じ幅である。第3巻線123の幅WW3は、第5巻線125の幅WW5と同じ幅である。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形により沿いやすく、鉄心130と各巻線との間の空隙をより小さくでき、抵抗損や鉄損をより効率良く抑制できる。
【0049】
また、幅方向において、第3巻線123の巻数は、第2巻線122の巻数よりも少ない。幅方向において、第5巻線125の巻数は、第4巻線124の巻数よりも少ない。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形により沿いやすく、鉄心130と各巻線との間の空隙をより小さくでき、抵抗損や鉄損をより効率良く抑制できる。
【0050】
また、幅方向において、第2巻線122の巻数は、第4巻線124の巻数と同じ巻数である。幅方向において、第3巻線123の巻数は、第5巻線125の巻数と同じ巻数である。この構成によれば、変圧器100は、各巻線及びボビン150の断面形状が鉄心130の断面形状の円形により沿いやすく、鉄心130と各巻線との間の空隙をより小さくでき、抵抗損や鉄損をより効率良く抑制できる。
【0051】
また、第2巻線122の第1端部122Aは、第5巻線125の第1端部125Aと接続される。第3巻線123の第1端部123Aは、第4巻線124の第1端部124Aと接続される。この構成によれば、変圧器100は、幅の広い巻線と幅の狭い巻線とを組み合わせた2組の巻線によって二次巻線120が形成される。
【0052】
また、第3巻線123の第2端部123Bは、負荷側の回路の第1電圧線に接続される。第5巻線125の第2端部125Bは、負荷側の回路の第2電圧線に接続される。第2巻線122の第2端部122B及び第4巻線124の第2端部124Bは、負荷側の回路の中性線に接続される。この構成によれば、変圧器100は、単相3線式の負荷側の回路に交流電力を供給できる。
【0053】
また、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124及び第5巻線125は、平型の電線により形成される。この構成によれば、変圧器100は、二次コイル用の巻枠を用いることなく、二次コイルを形成できる。
【0054】
また、一次巻線110、二次巻線120及び鉄心130は、変圧器用絶縁油の中に浸される。この構成によれば、変圧器100は、油の絶縁と冷却の作用を利用できる。
【0055】
図6は、ボビン150の一例を示す斜視図である。
図7は、ボビン150の一例を示す側面図である。
図8は、第1巻線111が巻かれた状態のボビン150の一例を示す斜視図である。
図9は、第1巻線111が巻かれた状態のボビン150の一例を示す側面図である。
【0056】
ボビン150は、2つのつば部151及び複数の仕切部152を備える。
図6及び
図7に示す例において、ボビン150は、5つの仕切部152を備えている。
図6及び
図7に示す仕切部152の数は、一例である。仕切部152は、1つ以上であればよく、5つよりも少なくてもよいし多くてもよい。
【0057】
つば部151は、ボビン150の幅方向における両端に設けられ、第1巻線111がボビン150からすべり落ちることを防止するための部材である。
【0058】
仕切部152は、ボビン150の外周部を複数の巻き領域WRに分ける部材である。ボビン150の外周部は、仕切部152によって仕切部152の数よりも1つ多い数の巻き領域WRに分けられる。
図7に示す例において、ボビン150の外周部は、5つの仕切部152によって6つの巻き領域WRに分けられている。第1巻線111は、ボビン150の外周部における巻き領域WRに巻かれる。即ち、仕切部152は、ボビン150の外周部において第1巻線111を分ける。
【0059】
つば部151は、複数の突出部151A及び支持部151Bを備える。
図6及び
図8に示す例において、つば部151は、12個の突出部151Aを備えている。
図6及び
図8に示す突出部151Aの数は、一例である。つば部151は、複数の突出部151Aを備えていればよく、12個よりも少ない突出部151Aを備えていてもよいし、12個よりも多い突出部151Aを備えていてもよい。
【0060】
仕切部152は、複数の突出部152A及び支持部152Bを備える。
図6及び
図8に示す例において、仕切部152は、一部の突出部152Aが見えない角度で図示されているが、12個の突出部152Aを備えている。
図6及び
図8に示す突出部152Aの数は、一例である。仕切部152は、複数の突出部152Aを備えていればよく、12個よりも少ない突出部152Aを備えていてもよいし、12個よりも多い突出部152Aを備えていてもよい。
【0061】
突出部151Aは、つば部151において外側に突出する棒状の部分である。複数の突出部151Aは、第1巻線111の巻き方向において互いに離れて設けられる。同様に、突出部152Aは、仕切部152において外側に突出する棒状の部分である。複数の突出部152Aは、第1巻線111の巻き方向において互いに離れて設けられる。
図6から
図9に示す突出部152Aは、正面視において、突出部151Aと重なる位置に設けられている。突出部151A及び突出部152Aの先端部は、第1巻線111の外周端部よりも外側にある。
【0062】
支持部151Bは、つば部151において突出部151Aを支持する部分である。支持部151Bは、第1巻線111の巻き方向に延び、ボビン150の外周部から突出して設けられる。同様に、支持部152Bは、仕切部152において突出部152Aを支持する部分である。支持部152Bは、第1巻線111の巻線方向に延び、ボビン150の外周部から突出して設けられる。
【0063】
仕切部152によって分けられる第1巻線111は、1本の電線によって形成される。巻き領域WRに巻かれた第1巻線111の巻き終わりの電線は、仕切部152の外側をまたいで、隣の巻き領域WRに巻かれる第1巻線111の巻き始めとなる。
【0064】
つば部151は、2つの保護部151Cを備える。保護部151Cは、第1巻線111における巻き始め及び巻き終わりの部分を保護する部分である。2つの保護部151Cは、第1巻線111の巻き方向において互いに離れて設けられる。
【0065】
仕切部152は、案内部152Cを備える。案内部152Cは、仕切部152において仕切部152の外側をまたぐ第1巻線111を案内する部分である。案内部152Cは、正面視において、扇形状である。
【0066】
【0067】
ボビン150は、正面視において、角部150Aを丸めた四角形の環状である。
【0068】
図10に示す例において、突出部151Aは、ボビン150の正面視における角部150A及び辺部150Bに設けられている。
図10に示す例のように角部150A及び辺部150Bに突出部151Aを設ける場合、一の角部150Aに設けられる突出部151Aの数は、一の辺部150Bに設けられる突出部151Aの数よりも多ければよい。
図10に示す例において、一の角部150Aに設けられる突出部151Aの数は、2つ又は3つである。
図10に示す例において、一の辺部150Bに設けられる突出部151Aの数は、1つである。一の角部150Aに設けられる突出部151Aの数は、一の辺部150Bに設けられる突出部151Aの数よりも多ければよく、2つよりも少なくてもよいし3つよりも多くてもよい。また、一の辺部150Bに設けられる突出部151Aの数は、一の角部150Aに設けられる突出部151Aの数よりも少なければよく、2つ以上であってもよい。
【0069】
同様に、突出部152Aは、ボビン150の正面視における角部150A及び辺部150Bに設けられる。一の角部150Aに設けられる突出部152Aの数は、一の辺部150Bに設けられる突出部152Aの数よりも多い。突出部151Aに隠れて突出部152Aが見えない角度で図示されているが、
図10に示す一の角部150Aに設けられる突出部152Aの数は、2つ又は3つである。突出部151Aに隠れて突出部152Aが見えない角度で図示されているが、
図10に示す一の辺部150Bに設けられる突出部152Aの数は、1つである。
【0070】
図11は、支持部152Bの突出長さの一例を示す図である。
【0071】
支持部152Bの突出長さは、仕切部152によって分けられた第1巻線111の巻線間の沿面距離CDが絶縁距離を満たす長さに設定される。沿面距離CDは、仕切部152によって分けられた仕切部152の両側の第1巻線111の間をボビン150の表面に沿った経路の最短距離である。ボビン150の沿面距離CDは、巻き領域WRの表面及び支持部152Bの表面に沿った経路となる。絶縁距離は、仕切部152によって分けられた仕切部152の両側の第1巻線111同士を短絡させないための距離である。
【0072】
図12は、案内部152Cの一例を示す正面図である。
【0073】
案内部152Cは、切欠部N1及び傾斜部S1を備える。
【0074】
切欠部N1は、案内部152Cにおいて仕切部152の外側をまたぐ第1巻線111の電線をかける部分である。
【0075】
傾斜部S1は、案内部152Cにおいて切欠部N1にかけられた電線を外周部における巻き領域WRの表面まで案内する部分である。
【0076】
以上、一次巻線110は、環状のボビン150の外周部に巻かれている。ボビン150は、外周部の幅方向において一次巻線110を分ける仕切部152を備える。仕切部152は、外側に突出する複数の突出部152Aを備える。複数の突出部152Aは、一次巻線110の巻き方向において互いに離れて設けられる。この構成によれば、変圧器100は、油入変圧器として用いる場合に、真空引きを行う際、一次巻線110と仕切部152との間に空気が残りにくい。
【0077】
また、突出部152A及び案内部152Cの先端部は、一次巻線110の外周端部よりも外側にある。この構成によれば、変圧器100は、第1巻線111と第4巻線124とが接触することを防止できる。
【0078】
また、ボビン150は、角部150Aを丸めた四角形の環状である。突出部152Aは、ボビン150の角部150Aに設けられる。この構成によれば、変圧器100は、ボビン150の角部150Aにおいて第1巻線111の巻き崩れが生じてしまうことを抑制できる。
【0079】
また、突出部152Aは、ボビン150の辺部150Bに設けられる。この構成によれば、変圧器100は、ボビン150の辺部150Bにおいて第1巻線111の巻き崩れが生じてしまうことを抑制できる。
【0080】
また、一の角部150Aに設けられる突出部152Aの数は、一の辺部150Bに設けられる突出部152Aの数よりも多い。この構成によれば、変圧器100は、第1巻線111の巻き崩れが生じてしまうことを抑制しながらも、油入変圧器として用いる場合に、一次巻線110と仕切部152との間に空気が残ることを抑制できる。
【0081】
また、仕切部152は、突出部152Aを支持する支持部152Bを備える。支持部152Bは、一次巻線110の巻き方向に延び、外周部から突出して設けられる。支持部152Bの突出長さは、仕切部152により分けられた一次巻線110の巻線間の沿面距離CDが絶縁距離を満たす長さに設定される。この構成によれば、変圧器100は、支持部152Bの突出長さを、沿面距離CDが絶縁距離を満たす程度の長さとすることにより、一次巻線110と仕切部152との間に空気が残ることを効果的に抑制できる。
【0082】
また、仕切部152により分けられる一次巻線110は、1本の電線により形成される。仕切部152は、仕切部152の外側をまたぐ一次巻線110の電線を案内する案内部152Cを備える。この構成によれば、変圧器100を組み立てる作業者は、巻き領域WRに巻かれた一次巻線110の巻き終わりの電線を、隣の巻き領域WRに巻かれる一次巻線110を巻き始める電線として案内できる。
【0083】
また、案内部152Cは、仕切部152の外側をまたぐ一次巻線110の電線をかける切欠部N1を備える。この構成によれば、変圧器100を組み立てる作業者は、仕切部152の外側をまたぐ一次巻線110にテンションをかけることができる。
【0084】
また、案内部152Cは、切欠部N1にかけられた電線を外周部の表面まで案内する傾斜部S1を備える。この構成によれば、変圧器100を組み立てる作業者は、仕切部152により分けられた一次巻線110を、ボビン150の外周部の表面から巻き始めることができる。
【0085】
図13は、第1巻線111、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124、第5巻線125及びボビン150を囲った状態のカバー140の一例を示す斜視図である。
図14は、カバー140の一例を示す斜視図である。
図15は、端辺部141を正面に見たときのカバー140の一例を示す側面図である。
図16は、ヒンジ部142を正面に見たときのカバー140の一例を示す側面図である。
【0086】
カバー140は、合成樹脂により形成される。カバー140は、一対の端辺部141及びヒンジ部142を備える。
【0087】
端辺部141は、カバー140においてカバー140を一体のままカバー140の一部を開閉可能にする部分である。一対の端辺部141は、スナップフィットにより互いに固定される。一方の端辺部141は、スナップフィットのための凸部141Aを有する。他方の端辺部141は、スナップフィットのための凹部141Bを有する。スナップフィットは、凸部141Aを、材料の弾性を利用して凹部141Bにはめ込んで引っ掛けることにより、機械的に固定する組み立て方法である。
【0088】
ヒンジ部142は、カバー140において一対の端辺部141が開くときに支点となる部分である。
【0089】
【0090】
ヒンジ部142の厚みは、カバー140における他の部分の厚みよりも薄い。
図17に示す例において、ヒンジ部142は、肉厚を薄くすることにより形成されている。
【0091】
図18は、一対の端辺部141同士を閉じた状態のカバー140の一例を示す斜視図である。
図19は、一対の端辺部141同士を閉じた状態のカバー140の一例を示す平面図である。
【0092】
ヒンジ部142は、一対の端辺部141を閉じたときのカバー140の軸線AXに対する端辺部141の対称位置に設けられる。
【0093】
図20は、第1巻線111、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124、第5巻線125及びボビン150を囲った状態のカバー140の一例を示す正面図である。
【0094】
ボビン150は、第1規制部153A及び第2規制部153Bを備える。
【0095】
第1規制部153Aは、カバー140の軸方向における一方の端部の位置を規制する部品である。第1規制部153Aは、ボビン150の正面側及び背面側にそれぞれ設けられる。正面側の第1規制部153A及び背面側の第1規制部153Aは、正面視において、対称となる位置に設けられる。
図20に示すカバー140は、第1規制部153Aにより図面の上下方向における上方への移動が規制される。
【0096】
第2規制部153Bは、カバー140の軸方向における他方の端部の位置を規制する部品である。第2規制部153Bは、ボビン150の正面側及び背面側にそれぞれ設けられる。正面側の第2規制部153B及び背面側の第2規制部153Bは、正面視において、対称となる位置に設けられる。
図20に示すカバー140は、第2規制部153Bにより図面の上下方向における下方への移動が規制される。
【0097】
第1規制部153A及び第2規制部153Bは、第1規制部153Aから第2規制部153Bまでの距離がカバー140の軸方向の長さと同じか僅かに長くなるような位置に設けられる。
【0098】
図21は、
図20におけるB-B’の断面の一例を示す図である。
【0099】
カバー140の径方向における内側の形状は、第1巻線111、第2巻線122、第3巻線123、第4巻線124、第5巻線125及びボビン150の外形に沿った形状である。
【0100】
以上、鉄心130は、一次巻線110及び二次巻線120に対して、一次巻線110及び二次巻線120を囲う円筒状のカバー140を挟んで設けられる。カバー140は、一体のまま一部を開閉可能にする一対の端辺部141を有する。この構成によれば、変圧器100の設計者は、設計変更に伴い2つのカバー140間の距離が変わっても、カバー140に関する設計変更を行う必要がない。
【0101】
また、一対の端辺部141は、スナップフィットにより互いに固定される。この構成によれば、変圧器100を組み立てる作業者は、カバー140を取り付ける作業が容易になる。
【0102】
また、カバー140は、端辺部141が開くときに支点となるヒンジ部142を備える。この構成によれば、変圧器100を組み立てる作業者は、カバー140に無理な負荷をかけることなくカバー140を広げることができる。
【0103】
また、ヒンジ部142の厚みは、カバー140における他の部分の厚みよりも薄い。この構成によれば、カバー140は、広げられたときにヒンジ部142とは異なる部分に負荷がかかることを抑制できる。
【0104】
また、ヒンジ部142は、カバー140の肉厚を薄くすることにより形成される。この構成によれば、カバー140は、金属を用いることなくヒンジ部142を形成できる。
【0105】
また、ヒンジ部142は、一対の端辺部141を閉じたときのカバー140の軸線AXに対する端辺部141の対称位置に設けられる。この構成によれば、カバー140は、端辺部141の開閉が円滑になる。
【0106】
また、カバー140の径方向における内側の形状は、一次巻線110及び二次巻線120の外形に沿った形状である。この構成によれば、カバー140は、一次巻線110及び二次巻線120を囲うように取り付けられたときに、カバー140の周方向に回転してしまうことが規制される。
【0107】
また、カバー140は、合成樹脂により形成される。この構成によれば、変圧器100は、カバー140により意図しない磁気回路が生じることがない。
【0108】
また、ボビン150は、カバー140の軸方向における一方の端部の位置を規制する第1規制部153Aを備える。ボビン150は、カバー140の軸方向における他方の端部の位置を規制する第2規制部153Bを備える。この構成によれば、カバー140は、一次巻線110及び二次巻線120を囲うように取り付けられたときに、カバー140の軸方向にずれてしまうことが規制される。
【0109】
以上、本発明について実施形態を用いて説明したが、本発明の技術的範囲は、実施形態に記載の範囲には限定されない。実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能であることは、当業者に明らかである。そのような変更又は改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることは、特許請求の範囲の記載から明らかである。
【0110】
実施形態の突出部152Aは、正面視において、突出部151Aと重なる位置に設けられている。しかし、複数の突出部152Aは、第1巻線111の巻き方向において互いに離れて設けられていればよく、正面視において、突出部151Aと重なる位置に設けられていなくてもよい。例えば、複数の突出部152Aは、正面視において、突出部151Aとは重ならない位置に設けられていてもよい。同様に、仕切部152の突出部152Aは、正面視において、他の仕切部152の突出部152Aとは重ならない位置に設けられていてもよい。
【0111】
実施形態の棒状の突出部151A及び棒状の突出部152Aは、角部150A及び辺部150Bに設けられている。しかし、角部150Aに設けられる突出部151A及び突出部152Aは、棒状でなくてもよい。例えば、角部150Aに設けられる突出部151A及び突出部152Aは、正面視において、扇形状であってもよい。
【0112】
実施形態のヒンジ部142は、肉厚を薄くすることにより形成されている。しかし、ヒンジ部142は、カバー140において一対の端辺部141が開くときに支点となればよく、肉厚を薄くすることにより形成されたものに限られない。例えば、ヒンジ部142は、樹脂製の蝶番であってよい。
【符号の説明】
【0113】
100 変圧器、110 一次巻線、111 第1巻線、120 二次巻線、122 第2巻線、123 第3巻線、124 第4巻線、125 第5巻線、130 鉄心、140 カバー、141 端辺部、141A 凸部、141B 凹部、142 ヒンジ部、150 ボビン、150A 角部、150B 辺部、151 つば部、151A 突出部、151B 支持部、151C 保護部、152 仕切部、152A 突出部、152B 支持部、152C 案内部、153A 第1規制部、153B 第2規制部
【要約】
【課題】 油入変圧器として用いる場合に、真空引きを行ったときに、僅かな隙間に空気が残ってしまうことを抑制すること。
【解決手段】 本発明の態様は、電源側の回路から交流電力を受け、電磁誘導作用により電圧及び電流を変成して、負荷側の回路に同一周波数の交流電力を供給する変圧器である。変圧器は、電源側の回路に接続される一次巻線を備える。変圧器は、負荷側の回路に接続される二次巻線を備える。変圧器は、一次巻線及び二次巻線に対して鎖交する円筒状の複数の鉄心を備える。一次巻線は、環状のボビンの外周部に巻かれている。ボビンは、外周部の幅方向において一次巻線を分ける仕切部を備える。仕切部は、外側に突出する複数の突出部を備える。複数の突出部は、一次巻線の巻き方向において互いに離れて設けられる。
【選択図】
図6