(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-07
(45)【発行日】2024-05-15
(54)【発明の名称】ポリペプチド抗原の免疫原性を改善する方法及び免疫原性組成物
(51)【国際特許分類】
A61K 47/54 20170101AFI20240508BHJP
A61K 47/64 20170101ALI20240508BHJP
A61P 37/04 20060101ALI20240508BHJP
A61K 39/00 20060101ALI20240508BHJP
A61K 39/12 20060101ALI20240508BHJP
A61K 39/02 20060101ALI20240508BHJP
A61K 39/35 20060101ALI20240508BHJP
A61K 39/215 20060101ALI20240508BHJP
A61K 35/17 20150101ALI20240508BHJP
A61K 39/39 20060101ALI20240508BHJP
A61P 31/14 20060101ALI20240508BHJP
A61P 31/12 20060101ALI20240508BHJP
A61P 31/04 20060101ALI20240508BHJP
A61P 31/10 20060101ALI20240508BHJP
A61P 35/00 20060101ALI20240508BHJP
A61P 43/00 20060101ALI20240508BHJP
【FI】
A61K47/54
A61K47/64
A61P37/04
A61K39/00 H
A61K39/12
A61K39/02
A61K39/35
A61K39/00 K
A61K39/215
A61K35/17
A61K39/39
A61P31/14
A61P31/12
A61P31/04
A61P31/10
A61P35/00
A61P43/00 121
(21)【出願番号】P 2023535891
(86)(22)【出願日】2021-11-01
(86)【国際出願番号】 CA2021051543
(87)【国際公開番号】W WO2022126239
(87)【国際公開日】2022-06-23
【審査請求日】2023-10-30
(32)【優先日】2020-12-18
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
(32)【優先日】2021-05-25
(33)【優先権主張国・地域又は機関】US
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】520423390
【氏名又は名称】ディフェンス・セラピューティクス・インコーポレーテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(74)【代理人】
【識別番号】100142907
【氏名又は名称】本田 淳
(74)【代理人】
【識別番号】100152489
【氏名又は名称】中村 美樹
(72)【発明者】
【氏名】ボードワン、シモン
【審査官】石井 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】特表2019-512545(JP,A)
【文献】国際公開第2018/165752(WO,A1)
【文献】Mol.Pharmaceutics,2016年,Vol.13,pp.1915-1926
【文献】ACS Med. Chem.Lett.,2019年,Vol.10,pp.1253-1259
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/00- 9/72
A61K 47/00-47/69
A61K 39/00-39/44
A61K 35/00-35/768
A61P 1/00-43/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリペプチド抗原の免疫原性を改善する方法であって、修飾するポリペプチド抗原を供給する工程と、前記ポリペプチド抗原を1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分と共有結合でコンジュゲート化して修飾ポリペプチド抗原を生成する工程とを含み、前記修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、対象への投与時に前記ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発するために十分な数の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化され、前記胆汁酸-ペプチド部分に含まれるペプチドが核局在化シグナル(NLS)を含む、方法。
【請求項2】
前記修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の前記修飾ポリペプチド抗原の抗原提示を増加させるために十分な数の前記胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、より高い熱安定性を示すように、前記修飾ポリペプチド抗原が十分な数の前記胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、請求項1又は2に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリペプチド抗原と1つ以上の前記胆汁酸-ペプチド部分との共有結合によるコンジュゲート化が、前記ポリペプチド抗原をモル過剰の前記胆汁酸-ペプチド部分と反応させることによって行われる、請求項1~3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記ポリペプチド抗原を2倍~100倍モル過剰の前記胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、請求項4に記載の方法。
【請求項6】
前記ポリペプチド抗原を2倍~50倍モル過剰の前記胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、請求項4に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリペプチド抗原を5倍~25倍モル過剰の前記胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、請求項4に記載の方法。
【請求項8】
前記修飾ポリペプチド抗原当たりのコンジュゲートされた前記胆汁酸-ペプチド部分の平均数が、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50であるか、又は約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10とnの間であり、nが、コンジュゲート化に利用可能な前記ポリペプチド抗原上の溶媒露出部位の総数である、請求項1~7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
前記胆汁酸が、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、ウルソコール酸(UCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、又はグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)である、請求項1~8のいずれか一項に記載の方法。
【請求項10】
前記核局在化シグナルが、SV40 NLS(配列番号1又は7)、GWG-SV40NLS(配列番号8)、hnRNPA1 M9 NLS(配列番号9)、hnRNP D NLS(配列番号10)、hnRNP M NLS(配列番号11)、PQBP-1 NLS(配列番号12)、NLS2-RG Domain RPS17(配列番号13)、NLS1 RPS17(配列番号14)、NLS2 RPS17(配列番号15)、NLS3 RPS17(配列番号16)、cMyc NLS(配列番号17)、HuR NLS(配列番号18)、Tus NLS(配列番号19)又はヌクレオプラスミンNLS(配列番号20)である、請求項1~
9のいずれか一項に記載の方法。
【請求項11】
前記核局在化シグナルが、核局在化活性を有するNLSの変異体であり、前記NLSが、配列番号7~20のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、請求項1~
10のいずれか一項に記載の方法。
【請求項12】
前記ポリペプチド抗原が、リンカーを介して前記1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分にコンジュゲート化される、請求項1~
11のいずれか一項に記載の方法。
【請求項13】
前記リンカーが、二官能性リンカー、三官能性リンカー又は多官能性リンカーである、請求項
12に記載の方法。
【請求項14】
前記修飾ポリペプチド抗原分子が、前記ポリペプチド抗原の溶媒露出官能基を介して前記1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、請求項1~
13のいずれか一項に記載の方法。
【請求項15】
前記ポリペプチド抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、腫瘍由来の細胞ライセート、腫瘍由来のエクソソーム、ネオアンチゲン、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又はワクチン接種及び/もしくは免疫療法による処置に適した疾患もしくは障害に関連する他の抗原であるか、又はそれを含む、請求項1~
14のいずれか一項に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリペプチド抗原が、重症急性呼吸器症候群コロナウイルス(SARS-CoV)スパイクタンパク質又はその抗原性断片であるか、又はそれを含む、請求項1~
15のいずれか一項に記載の方法。
【請求項17】
修飾ポリペプチド抗原であって、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、対象への投与時に前記ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発するために十分な数の胆汁酸-ペプチド部分と共有結合でコンジュゲート化されたポリペプチド抗原を含み、前記胆汁酸-ペプチド部分に含まれるペプチドが核局在化シグナル(NLS)を含む、前記修飾ポリペプチド抗原と、薬学的に許容される賦形剤及び/又はアジュバントとを含むか、又は
修飾ポリペプチド抗原を含む細胞集団であって、前記修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、対象への投与時に前記ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発するために十分な数の胆汁酸-ペプチド部分と共有結合でコンジュゲート化されたポリペプチド抗原を含み、前記胆汁酸-ペプチド部分に含まれるペプチドが核局在化シグナル(NLS)を含む、前記修飾ポリペプチド抗原を含む細胞集団と、薬学的に許容される賦形剤及び/又はアジュバントと、を含む、免疫原性組成物。
【請求項18】
前記細胞集団が、樹状細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、遺伝子操作された抗原提示細胞、MHCクラスI発現細胞、MHCクラスII発現細胞、又はそれらの任意の組合せを含む、請求項
17に記載の免疫原性組成物。
【請求項19】
対象における目的の非修飾ポリペプチド抗原に対する増強された適応免疫応答を誘発するために使用される、請求項
17又は
18に記載の免疫原性組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本明細書は、それらの免疫原性及び/又は安定性を増強又は改変するために共有結合で修飾された抗原に関する。より具体的には、本記載は、細胞性免疫の改善及び/又は熱安定性の改善のために1つ以上のステロイド酸部分と共有結合でコンジュゲート化されたポリペプチド抗原に関する。
【背景技術】
【0002】
ポリペプチド抗原をベースとしたサブユニットワクチンは一般的に最も安全なワクチンと考えられているが、このような抗原は防御的かつ長期持続性の免疫を生じるための十分に強い免疫応答を誘発しない可能性がある。更に、COVID-19パンデミックに対応したmRNAベースのワクチンの使用は多くの注目を集めたが、それらの比較的低い安定性及び厳格な冷蔵要件は、世界規模でのそれらの展開に対する障害となっている。したがって、ポリペプチド抗原ベースのワクチンの免疫原性、有効性、及び安定性を改善する方法が非常に望ましい。
【発明の概要】
【0003】
第1の態様において、本明細書は、ポリペプチド抗原の免疫原性及び/又は安定性を改善する方法を記載し、方法は、修飾するポリペプチド抗原を供給する工程と、ポリペプチド抗原を1つ以上のステロイド酸部分と共有結合でコンジュゲート化して修飾ポリペプチド抗原を生成する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原は、当該修飾がされていないポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を増加させるために十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化され、対象への投与時に、修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発する。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原は、修飾ポリペプチド抗原がコンジュゲート化の前のポリペプチド抗原よりも高い安定性を示すように十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化される。
【0004】
更なる態様において、本明細書は、本明細書に記載される修飾ポリペプチド抗原を含む細胞集団(例えばインビトロ又はエクスビボ)、又は本明細書に記載される修飾ポリペプチド抗原及び/若しくは細胞集団と、薬学的に許容される賦形剤及び/若しくはアジュバントと、を含む免疫原性組成物を記載する。
【0005】
更なる態様において、本明細書は、対象における目的の非修飾ポリペプチド抗原に対して増強された適応免疫応答を誘発する方法を記載し、方法は、本明細書に記載される免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0006】
更なる態様において、本明細書は、ワクチン接種及び/又は免疫療法による処置に適した疾患又は障害を処置又は予防するための方法を記載し、方法は、本明細書に記載される免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0007】
更なる態様において、本明細書は、感染症に対して対象にワクチン接種する方法を記載し、方法は、本明細書に記載される免疫原性組成物を対象に投与することを含み、ポリペプチド抗原は、感染症を引き起こす病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌)の抗原性断片を含む。
【0008】
更なる態様において、本明細書は、ワクチン接種及び/又は免疫療法による処置に適した疾患又は障害を処置又は予防するための方法を記載し、方法は、本明細書に記載される免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0009】
更なる態様において、本明細書は、対象における癌を処置する方法を記載し、方法は、本明細書に記載される免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0010】
更なる態様において、対象における免疫応答を生じさせる際に使用するための、又は対象における免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物の製造のための、本明細書に記載される修飾ポリペプチド抗原を記載する。
【0011】
更なる態様において、本明細書は、ポリペプチド抗原を調製する方法を記載し、方法は、非修飾ポリペプチド抗原を十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化して、コンジュゲート化の前のポリペプチド抗原よりも高い安定性(例えば、熱安定性)を示す修飾ポリペプチド抗原を生成する工程を含む。
【0012】
一般的定義
見出し及び他の識別子、例えば、(a)、(b)、(i)、(ii)などは、単に明細書や特許請求の範囲を読みやすくするために提示されている。明細書又は特許請求の範囲における見出し又は他の識別子の使用は、工程又は要素がアルファベット順若しくは数字順に、又はそれらが提示される順で実行されることを必ずしも必要とはしない。
【0013】
特許請求の範囲及び/又は明細書において用語「含む」と併せて使用される場合の単語a又は「an」の使用は、「1つ」を意味する場合もあるが、「1つ以上」、「少なくとも1つ」、及び「1つ又は2つ以上」の意味とも一致する。
【0014】
本明細書及び特許請求の範囲において使用される場合、用語「comprising(含んでいる)」(及び「comprise」や「comprises」などの任意の形態の「comprising」)、「having(有している)」(及び「have」や「has」などの任意の形態の「having」)「including(含んでいる)」(及び「includes」や「include」などの任意の形態の「including」)又は「containing(含有している)」(及び「contains」や「contain」などの任意の形態の「containing」)は、包括的又はオープンエンドであり、追加の列挙されていない要素又は方法の工程を除外するものではない。
【0015】
本明細書で使用される場合、「から本質的になっている」又は「から本質的になる」という表現は、所与の実施形態に必要とされるそれらの要素を指す。この表現によって、本発明のその実施形態の基本的かつ新規な又は機能的な特徴に実質的に影響を及ぼさない付加的な要素の存在が許容される。本明細書に記載される修飾ポリペプチド抗原の文脈において、「から本質的になっている」又は「から本質的になる」という表現は、(例えば、プロフェッショナル抗原提示細胞による抗原提示を改善することによって)非修飾抗原と比較してポリペプチド抗原の免疫原性を改善するために必要とされる要素を指す。より明確にするために、この表現は、ポリペプチド抗原の免疫原性を改善するためのステロイド酸-ペプチド部分の機能又は能力を実質的に変化させない他の追加の非必須成分(例えば、賦形剤、充填剤、安定剤、又は不活性成分)の可能性を排除するものではない。
【0016】
用語「約」は、値がその値を決定するために使用される装置又は方法の誤差の標準偏差を含むことを示すために使用される。一般に、「約」という用語は10%までの可能な変動を示すことを意味する。したがって、値の1、2、3、4、5、6、7、8、9及び10%の変動は「約」という用語に含まれる。別段の指示がない限り、範囲の前の「約」という用語の使用は範囲の両端に適用される。
【0017】
本説明の他の目的、利点、及び特徴は、添付の図面を参照して単なる例として示される、その特定の実施形態の以下の非限定的な説明を読むことによって、より明らかになる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
添付の図は以下のとおりである。
【
図1A】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1B】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1C】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1D】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1E】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1F】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養)たSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1G】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図1H】ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付けを示す。
図1Aは、ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表した概略図である。
図1Bは、非修飾OVA(ライン1)、又は25x(ライン2若しくは50x(ライン3)のモル比でOVAとコンジュゲート化したChAcNLSを示した典型的なクマシーブルー染色を示す。
図1Cは、ニワトリOVAのアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出している(>50%)と予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測される3つのリジン残基には下線を付している。
図1Dは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を示す。
図1Eは、非修飾OVA(ライン1)、25xの比のChAcNLS-OVA(ライン2)、及び50xの比のChAcNLS-OVA(ライン3)を示した典型的なウェスタンブロットを示す。
図1Fは、熱ストレスに応答したnOVA又は様々なChAcNLS対OVAの比でのChAcNLS-OVA(cOVA)の固有トリプトファン蛍光(ITF)分析を示す。
図1G及び1Hは、DCによる抗原提示の有効性に対する様々なcOVA変異体の効果を示す。
図1Gに、
図1Hにおいて試験した様々な変異体の代表的な概略図を示す。
図1Hは、様々な変異体で処理したDCと共培養したSIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用した応答を数量化して示す。このパネルにおいて、n=5/群であり、nOVA群と比較して、
***p<0.001である。
【
図2A】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2B】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2C】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2D】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2E】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2F】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図2G】抗原交差提示アッセイの結果を示す。
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の評価に使用される抗原の古典的(MHC-II)及び交差提示(MHC-I)アッセイを概略的に示す。
図2Bは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-I由来CD8 T細胞によって産生されたIFN-γを示す。
図2Cは、DC及びもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートしたOT-II由来CD4 T細胞によって産生されたIL-2のレベルを示す。
図2Dは、
図2Cの実験におけるIFN-γの産生を示す。
図2Eは、様々な時点におけるDCによるOVA-DQ(商標)(灰色のピーク)対ChAcNLS-OVA-DQ(赤色のピーク)のプロセシングを検討する代表的なフローサイトメトリー実験の結果を示す。
図2Fは、
図2Eに示したOVA-DQ/ChAcNLS-OVA-DQシグナルの平均蛍光強度(MFI)を数量化して示す。この実験において、n=5/群であり、
***p<0.001である。
図2Gは、nOVA(上のピクトグラム)とcOVA(下のピクトグラム)で処理したGal 3-GPF発現DC2.4細胞の代表的な実験を示す。白い矢印でいくつかの損傷したエンドソームを指している。
【
図3A】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3B】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3C】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3D】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3E】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3F】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図3G】T細胞リンパ腫に対する予防的な同系のワクチン接種を示す。
図3Aは、OVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図3B~3Cは、もとのままのOVA(nOVA;緑色)又はChAcNLS-OVA(cOVA;赤色)をパルスしたDCを使用した予防的なワクチン接種の後にEG.7腫瘍をチャレンジした動物の腫瘍成長体積(
図3B)及び生存(
図3C)の評価を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図3Dは、ELISAによって定量したワクチン接種した動物の抗体力価を示す。
図3Eは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA-/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD4 T細胞を数量化して示す。
図3Fは、本研究のワクチン接種した動物由来のnOVA/cOVAをパルスしたDCで免疫したマウス由来のセントラルメモリー(T
cm)及びエフェクターメモリー(T
eff)CD8 T細胞を数量化して示す。
図3Gは、本研究のワクチン接種した動物から単離したT細胞のインビトロでの再刺激に応答したサイトカイン/ケモカインの産生のLuminex(商標)分析を示す。最も高い倍数変化を示すサイトカイン/ケモカインを枠で囲んだ。
図3B、3C、3D及び3Eのパネルにおいて、n=10/群であり、
***P<0.001である。
【
図4A】OVAタンパク質を直接注射した後の免疫の評価を示す。
図4Aは、ワクチンアジュバントを含む又は含まないOVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図4Bは、もとのままのOVA(緑色;nOVA)(1μg)、ChAcNLS-OVA(赤色;cOVA)(1μg)、AddaS03(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(青色)、及びAddaVax(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(紫色)を使用して免疫した動物における平均腫瘍測定値を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図4Cは、
図4Aに示した実験の生存結果を示す。
図4Dは、
図4Aに示した実験の抗体力価を数量化して示す。この実験において、n=10/群であり、
*P<0.05である。
【
図4B】OVAタンパク質を直接注射した後の免疫の評価を示す。
図4Aは、ワクチンアジュバントを含む又は含まないOVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図4Bは、もとのままのOVA(緑色;nOVA)(1μg)、ChAcNLS-OVA(赤色;cOVA)(1μg)、AddaS03(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(青色)、及びAddaVax(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(紫色)を使用して免疫した動物における平均腫瘍測定値を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図4Cは、
図4Aに示した実験の生存結果を示す。
図4Dは、
図4Aに示した実験の抗体力価を数量化して示す。この実験において、n=10/群であり、
*P<0.05である。
【
図4C】OVAタンパク質を直接注射した後の免疫の評価を示す。
図4Aは、ワクチンアジュバントを含む又は含まないOVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図4Bは、もとのままのOVA(緑色;nOVA)(1μg)、ChAcNLS-OVA(赤色;cOVA)(1μg)、AddaS03(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(青色)、及びAddaVax(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(紫色)を使用して免疫した動物における平均腫瘍測定値を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図4Cは、
図4Aに示した実験の生存結果を示す。
図4Dは、
図4Aに示した実験の抗体力価を数量化して示す。この実験において、n=10/群であり、
*P<0.05である。
【
図4D】OVAタンパク質を直接注射した後の免疫の評価を示す。
図4Aは、ワクチンアジュバントを含む又は含まないOVAタンパク質を使用した予防的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図4Bは、もとのままのOVA(緑色;nOVA)(1μg)、ChAcNLS-OVA(赤色;cOVA)(1μg)、AddaS03(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(青色)、及びAddaVax(商標)アジュバントを含むcOVA(1μg)(紫色)を使用して免疫した動物における平均腫瘍測定値を示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図4Cは、
図4Aに示した実験の生存結果を示す。
図4Dは、
図4Aに示した実験の抗体力価を数量化して示す。この実験において、n=10/群であり、
*P<0.05である。
【
図5A】T細胞リンパ腫に対する治療的なワクチン接種を示す。
図5Aは、治療的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図5B~5Cは、抗PD-1単独(「αPD-1」)、もとのままのOVA(「nOVA」)又はChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCを、抗PD-1あり(「+αPD-1」)又は抗PD-1なしで使用した治療的な同系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5B及び生存
図5Cを示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」として示す。
図5D~5Eは、抗PD-1(黒色破線)、抗PD-1と共に様々な細胞数(3K、紫色;30K、青色;100K、緑色;300K、赤色)での、又は抗PD-1なし(300K、オレンジ色)でのChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCの治療的な同種異系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5D及び生存
図5Eの評価を示す。全てのパネルにおいて、n=10/群である。
【
図5B】T細胞リンパ腫に対する治療的なワクチン接種を示す。
図5Aは、治療的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図5B~5Cは、抗PD-1単独(「αPD-1」)、もとのままのOVA(「nOVA」)又はChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCを、抗PD-1あり(「+αPD-1」)又は抗PD-1なしで使用した治療的な同系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5B及び生存
図5Cを示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」として示す。
図5D~5Eは、抗PD-1(黒色破線)、抗PD-1と共に様々な細胞数(3K、紫色;30K、青色;100K、緑色;300K、赤色)での、又は抗PD-1なし(300K、オレンジ色)でのChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCの治療的な同種異系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5D及び生存
図5Eの評価を示す。全てのパネルにおいて、n=10/群である。
【
図5C】T細胞リンパ腫に対する治療的なワクチン接種を示す。
図5Aは、治療的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図5B~5Cは、抗PD-1単独(「αPD-1」)、もとのままのOVA(「nOVA」)又はChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCを、抗PD-1あり(「+αPD-1」)又は抗PD-1なしで使用した治療的な同系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5B及び生存
図5Cを示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」として示す。
図5D~5Eは、抗PD-1(黒色破線)、抗PD-1と共に様々な細胞数(3K、紫色;30K、青色;100K、緑色;300K、赤色)での、又は抗PD-1なし(300K、オレンジ色)でのChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCの治療的な同種異系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5D及び生存
図5Eの評価を示す。全てのパネルにおいて、n=10/群である。
【
図5D】T細胞リンパ腫に対する治療的なワクチン接種を示す。
図5Aは、治療的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図5B~5Cは、抗PD-1単独(「αPD-1」)、もとのままのOVA(「nOVA」)又はChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCを、抗PD-1あり(「+αPD-1」)又は抗PD-1なしで使用した治療的な同系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5B及び生存
図5Cを示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」として示す。
図5D~5Eは、抗PD-1(黒色破線)、抗PD-1と共に様々な細胞数(3K、紫色;30K、青色;100K、緑色;300K、赤色)での、又は抗PD-1なし(300K、オレンジ色)でのChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCの治療的な同種異系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5D及び生存
図5Eの評価を示す。全てのパネルにおいて、n=10/群である。
【
図5E】T細胞リンパ腫に対する治療的なワクチン接種を示す。
図5Aは、治療的なワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図5B~5Cは、抗PD-1単独(「αPD-1」)、もとのままのOVA(「nOVA」)又はChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCを、抗PD-1あり(「+αPD-1」)又は抗PD-1なしで使用した治療的な同系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5B及び生存
図5Cを示す。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」として示す。
図5D~5Eは、抗PD-1(黒色破線)、抗PD-1と共に様々な細胞数(3K、紫色;30K、青色;100K、緑色;300K、赤色)での、又は抗PD-1なし(300K、オレンジ色)でのChAcNLS-OVA(「cOVA」)をパルスしたDCの治療的な同種異系のワクチン接種後にEG.7腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍増殖体積
図5D及び生存
図5Eの評価を示す。全てのパネルにおいて、n=10/群である。
【
図6A】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図6B】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図6C】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図6D】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図6E】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図6F】T細胞リンパ腫に対する腫瘍ライセートベースの治療的なワクチン接種を示す。
図6Aは、治療的な同種異系のワクチン接種に用いたタイムラインの概略図である。
図6B~6Cは、抗PD-1(黒色破線;「aPD-1」)、EL4ライセート又はEL4-ChAcNLSライセート(「cLysate」)をパルスしたBALB/c由来の同種異系DC(EL4ライセート、紫色;EL4-ChAcNLSライセート、赤色)、又は、抗PD-1なし(EL4ライセート、緑色;EL4-ChAcNLSライセート、青色)で免疫化した後にEL4腫瘍でチャレンジした動物の腫瘍成長体積
図6B及び生存
図6Cの評価を示す(n=10/群)。EG.7を注射した非免疫マウスを「対照」(黒色)として示す。
図6Dは、腫瘍浸潤リンパ球(TIL)研究の実験デザインの概略図を示す。
図6Eは、
図6B及び6Cに示した全ての群に由来する腫瘍における種々の免疫細胞の分析を示す。
図6Fは、
図6B及び6Cに示した腫瘍におけるCD8/Treg比の評価を示す。
図6B及び6Cについては、n=10/群である。
図6E~6Gについては、n=5/群であり、772
*P<0.05、
**P<0.01、及び
***P<0.001である。
【
図7A】ChAcNLS-Spike-CoV2の構築に使用したSARS-CoV-2スパイクタンパク質を示す。
図7Aは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基をと共にSARS-CoV-2スパイクタンパク質(D614G変異を有する武漢株)のリボン構造の概略図を示す。
図7Bは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出(>50%)していると予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測されるリジン残基には下線を付している。
【
図7B】ChAcNLS-Spike-CoV2の構築に使用したSARS-CoV-2スパイクタンパク質を示す。
図7Aは、溶媒露出が高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基をと共にSARS-CoV-2スパイクタンパク質(D614G変異を有する武漢株)のリボン構造の概略図を示す。
図7Bは、SARS-CoV-2スパイクタンパク質のアミノ酸配列を示す。ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能に溶媒露出(>50%)していると予測されるリジン残基を黒色で強調している。溶媒露出が低いと予測されるリジン残基には下線を付している。
【
図8A】異なるCoV-2スパイクタンパク質ドメインを使用したChAcNLS-Spike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図8Aは、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下での全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(コンジュゲート化されていない;nSpike-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種したマウスの抗体力価を示す。17週目にマウスに追加のブースト注射を行った。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Bは、
図8Aの研究の異なるアイソタイプの力価を示す。
図8Cは、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S1-RBD-CoV-2(非コンジュゲート化;nS1-RBDCoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S1-RBD-CoV-2(「cS1-RBD-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Dは、18週目にCoV-2スパイクタンパク質のS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S2-CoV-2(非コンジュゲート化;nS2-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S2-CoV-2(「cS2-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Eは、生成された抗体に対する中和能を評価するために使用したインビトロの感染性中和アッセイの結果を示す。cSpike-CoV-2免疫化マウスから単離された抗体は、NT
50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、HEK細胞のウイルス感染の阻害により効果的であった。このパネルにおいて、n=5/群であり、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001である。
【
図8B】異なるCoV-2スパイクタンパク質ドメインを使用したChAcNLS-Spike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図8Aは、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下での全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(コンジュゲート化されていない;nSpike-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種したマウスの抗体力価を示す。17週目にマウスに追加のブースト注射を行った。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Bは、
図8Aの研究の異なるアイソタイプの力価を示す。
図8Cは、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S1-RBD-CoV-2(非コンジュゲート化;nS1-RBDCoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S1-RBD-CoV-2(「cS1-RBD-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Dは、18週目にCoV-2スパイクタンパク質のS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S2-CoV-2(非コンジュゲート化;nS2-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S2-CoV-2(「cS2-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Eは、生成された抗体に対する中和能を評価するために使用したインビトロの感染性中和アッセイの結果を示す。cSpike-CoV-2免疫化マウスから単離された抗体は、NT
50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、HEK細胞のウイルス感染の阻害により効果的であった。このパネルにおいて、n=5/群であり、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001である。
【
図8C】異なるCoV-2スパイクタンパク質ドメインを使用したChAcNLS-Spike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図8Aは、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下での全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(コンジュゲート化されていない;nSpike-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種したマウスの抗体力価を示す。17週目にマウスに追加のブースト注射を行った。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Bは、
図8Aの研究の異なるアイソタイプの力価を示す。
図8Cは、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S1-RBD-CoV-2(非コンジュゲート化;nS1-RBDCoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S1-RBD-CoV-2(「cS1-RBD-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Dは、18週目にCoV-2スパイクタンパク質のS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S2-CoV-2(非コンジュゲート化;nS2-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S2-CoV-2(「cS2-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Eは、生成された抗体に対する中和能を評価するために使用したインビトロの感染性中和アッセイの結果を示す。cSpike-CoV-2免疫化マウスから単離された抗体は、NT
50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、HEK細胞のウイルス感染の阻害により効果的であった。このパネルにおいて、n=5/群であり、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001である。
【
図8D】異なるCoV-2スパイクタンパク質ドメインを使用したChAcNLS-Spike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図8Aは、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下での全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(コンジュゲート化されていない;nSpike-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種したマウスの抗体力価を示す。17週目にマウスに追加のブースト注射を行った。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Bは、
図8Aの研究の異なるアイソタイプの力価を示す。
図8Cは、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S1-RBD-CoV-2(非コンジュゲート化;nS1-RBDCoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S1-RBD-CoV-2(「cS1-RBD-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Dは、18週目にCoV-2スパイクタンパク質のS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S2-CoV-2(非コンジュゲート化;nS2-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S2-CoV-2(「cS2-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Eは、生成された抗体に対する中和能を評価するために使用したインビトロの感染性中和アッセイの結果を示す。cSpike-CoV-2免疫化マウスから単離された抗体は、NT
50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、HEK細胞のウイルス感染の阻害により効果的であった。このパネルにおいて、n=5/群であり、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001である。
【
図8E】異なるCoV-2スパイクタンパク質ドメインを使用したChAcNLS-Spike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図8Aは、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下での全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(コンジュゲート化されていない;nSpike-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種したマウスの抗体力価を示す。17週目にマウスに追加のブースト注射を行った。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Bは、
図8Aの研究の異なるアイソタイプの力価を示す。
図8Cは、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S1-RBD-CoV-2(非コンジュゲート化;nS1-RBDCoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S1-RBD-CoV-2(「cS1-RBD-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Dは、18週目にCoV-2スパイクタンパク質のS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価を示し、AddaS03もしくはAddaVaxアジュバントの存在下、又は単独で、「もとのままの」S2-CoV-2(非コンジュゲート化;nS2-CoV-2;黒色のバー)又はChAcNLS-S2-CoV-2(「cS2-CoV-2」;灰色のバー)を注射した。IgG抗体力価をELISAによって測定した。
図8Eは、生成された抗体に対する中和能を評価するために使用したインビトロの感染性中和アッセイの結果を示す。cSpike-CoV-2免疫化マウスから単離された抗体は、NT
50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、HEK細胞のウイルス感染の阻害により効果的であった。このパネルにおいて、n=5/群であり、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001である。
【
図9A】インビトロでのT細胞の再刺激後のLuminex(商標)によるサイトカインのプロファイリングを示す。
図9Aは、2つの異なるアジュバントと共にnSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスに由来するT細胞を使用したサイトカインのプロファイリングを示す。
図9Bは、2つの異なるアジュバントと共にcSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスに由来するT細胞を使用したサイトカインのプロファイリングを示す。
【
図9B】インビトロでのT細胞の再刺激後のLuminex(商標)によるサイトカインのプロファイリングを示す。
図9Aは、2つの異なるアジュバントと共にnSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスに由来するT細胞を使用したサイトカインのプロファイリングを示す。
図9Bは、2つの異なるアジュバントと共にcSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスに由来するT細胞を使用したサイトカインのプロファイリングを示す。
【
図10A】ウサギにおけるワクチンの免疫原性の評価を示す。
図10Aは、実験デザインの概略図を示す。この実験ではcSpike-CoV-2を3つの用量で試験した。
図10Bは、2週間毎に採取した血清について評価した抗体力価を示し、ここでn=3/群、
***P<0.001である。
【
図10B】ウサギにおけるワクチンの免疫原性の評価を示す。
図10Aは、実験デザインの概略図を示す。この実験ではcSpike-CoV-2を3つの用量で試験した。
図10Bは、2週間毎に採取した血清について評価した抗体力価を示し、ここでn=3/群、
***P<0.001である。
【
図11A】チャレンジモデルにおけるcSpike-CoV-2の治療有効性の評価を示す。
図11Aは、ハムスターにおけるワクチンの有効性の研究のための実験デザインの概略図を示す。
図11Bは、FDAに承認された(GMPグレード)MONTANIDE(商標)ISA720VGアジュバント又はAddaS03と混合したcSpike-CoV-2ワクチンに応答した抗体力価を示す。10X及び50XのSpike-CoV-2タンパク質に対するChAcNLSの過剰な比を用いてワクチンを試験した。
【
図11B】チャレンジモデルにおけるcSpike-CoV-2の治療有効性の評価を示す。
図11Aは、ハムスターにおけるワクチンの有効性の研究のための実験デザインの概略図を示す。
図11Bは、FDAに承認された(GMPグレード)MONTANIDE(商標)ISA720VGアジュバント又はAddaS03と混合したcSpike-CoV-2ワクチンに応答した抗体力価を示す。10X及び50XのSpike-CoV-2タンパク質に対するChAcNLSの過剰な比を用いてワクチンを試験した。
【
図12A】生成された抗体の様々なSARS-CoV-2変異体に対する交差反応性の評価を示す。
図12Aは、本研究で使用したSARS-CoV-2スパイク変異体、並びにRBDドメインにおける様々な変異の概略図を示す。
図12Bは、アジュバント有り又は無しのcSpike-CoV-2ワクチンを接種したマウスから単離された血清を使用した、様々なRBDドメインに対する抗体力価を示す。
図12Cは、
図12Bに示したデータに基づく全ての試験した変異体との交差反応性のパーセンテージを示す。
図12Dは、様々なウイルス変異体に対して得られた中和レベルを示す。この図に示したデータは、n=5/群、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001で行われる。
【
図12B】生成された抗体の様々なSARS-CoV-2変異体に対する交差反応性の評価を示す。
図12Aは、本研究で使用したSARS-CoV-2スパイク変異体、並びにRBDドメインにおける様々な変異の概略図を示す。
図12Bは、アジュバント有り又は無しのcSpike-CoV-2ワクチンを接種したマウスから単離された血清を使用した、様々なRBDドメインに対する抗体力価を示す。
図12Cは、
図12Bに示したデータに基づく全ての試験した変異体との交差反応性のパーセンテージを示す。
図12Dは、様々なウイルス変異体に対して得られた中和レベルを示す。この図に示したデータは、n=5/群、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001で行われる。
【
図12C】生成された抗体の様々なSARS-CoV-2変異体に対する交差反応性の評価を示す。
図12Aは、本研究で使用したSARS-CoV-2スパイク変異体、並びにRBDドメインにおける様々な変異の概略図を示す。
図12Bは、アジュバント有り又は無しのcSpike-CoV-2ワクチンを接種したマウスから単離された血清を使用した、様々なRBDドメインに対する抗体力価を示す。
図12Cは、
図12Bに示したデータに基づく全ての試験した変異体との交差反応性のパーセンテージを示す。
図12Dは、様々なウイルス変異体に対して得られた中和レベルを示す。この図に示したデータは、n=5/群、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001で行われる。
【
図12D】生成された抗体の様々なSARS-CoV-2変異体に対する交差反応性の評価を示す。
図12Aは、本研究で使用したSARS-CoV-2スパイク変異体、並びにRBDドメインにおける様々な変異の概略図を示す。
図12Bは、アジュバント有り又は無しのcSpike-CoV-2ワクチンを接種したマウスから単離された血清を使用した、様々なRBDドメインに対する抗体力価を示す。
図12Cは、
図12Bに示したデータに基づく全ての試験した変異体との交差反応性のパーセンテージを示す。
図12Dは、様々なウイルス変異体に対して得られた中和レベルを示す。この図に示したデータは、n=5/群、
*P<0.05、
**P<0.01及び
***P<0.001で行われる。
【
図13A】Eurocine(商標)アジュバントの存在下でインド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体(cSpike-CoV-2-IN)を使用したcSpike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図13Aは、cSpike-CoV-2-INワクチン接種に用いたスケジュールの概略図を示す。
図13B及びCは、対照の生理食塩水と比較した、cSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの血清中のIgG及びIgAの力価をそれぞれ示す。
図13Cについては、5週目に採取した試料で分析を行った。
図13D及びEは、6週目におけるcSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のIgG及びIgAの力価の分析を示す。この研究において、
*P<0.05及び
**P<0.01である。二元配置分散分析検定をパネルBに適用した。パネルC、D及びEの研究では、一元配置分散分析(ボンフェローニ検定)を行った。
【
図13B】Eurocine(商標)アジュバントの存在下でインド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体(cSpike-CoV-2-IN)を使用したcSpike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図13Aは、cSpike-CoV-2-INワクチン接種に用いたスケジュールの概略図を示す。
図13B及びCは、対照の生理食塩水と比較した、cSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの血清中のIgG及びIgAの力価をそれぞれ示す。
図13Cについては、5週目に採取した試料で分析を行った。
図13D及びEは、6週目におけるcSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のIgG及びIgAの力価の分析を示す。この研究において、
*P<0.05及び
**P<0.01である。二元配置分散分析検定をパネルBに適用した。パネルC、D及びEの研究では、一元配置分散分析(ボンフェローニ検定)を行った。
【
図13C】Eurocine(商標)アジュバントの存在下でインド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体(cSpike-CoV-2-IN)を使用したcSpike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図13Aは、cSpike-CoV-2-INワクチン接種に用いたスケジュールの概略図を示す。
図13B及びCは、対照の生理食塩水と比較した、cSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの血清中のIgG及びIgAの力価をそれぞれ示す。
図13Cについては、5週目に採取した試料で分析を行った。
図13D及びEは、6週目におけるcSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のIgG及びIgAの力価の分析を示す。この研究において、
*P<0.05及び
**P<0.01である。二元配置分散分析検定をパネルBに適用した。パネルC、D及びEの研究では、一元配置分散分析(ボンフェローニ検定)を行った。
【
図13D】Eurocine(商標)アジュバントの存在下でインド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体(cSpike-CoV-2-IN)を使用したcSpike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図13Aは、cSpike-CoV-2-INワクチン接種に用いたスケジュールの概略図を示す。
図13B及びCは、対照の生理食塩水と比較した、cSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの血清中のIgG及びIgAの力価をそれぞれ示す。
図13Cについては、5週目に採取した試料で分析を行った。
図13D及びEは、6週目におけるcSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のIgG及びIgAの力価の分析を示す。この研究において、
*P<0.05及び
**P<0.01である。二元配置分散分析検定をパネルBに適用した。パネルC、D及びEの研究では、一元配置分散分析(ボンフェローニ検定)を行った。
【
図13E】Eurocine(商標)アジュバントの存在下でインド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体(cSpike-CoV-2-IN)を使用したcSpike-CoV-2ワクチンの免疫原性の評価を示す。
図13Aは、cSpike-CoV-2-INワクチン接種に用いたスケジュールの概略図を示す。
図13B及びCは、対照の生理食塩水と比較した、cSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの血清中のIgG及びIgAの力価をそれぞれ示す。
図13Cについては、5週目に採取した試料で分析を行った。
図13D及びEは、6週目におけるcSpike-CoV-2-INワクチンを接種したマウスの気管支肺胞洗浄液(BALF)中のIgG及びIgAの力価の分析を示す。この研究において、
*P<0.05及び
**P<0.01である。二元配置分散分析検定をパネルBに適用した。パネルC、D及びEの研究では、一元配置分散分析(ボンフェローニ検定)を行った。
【
図14A】インド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体を用いたcSpike-CoV-2-INワクチンのサイトカイン/ケモカイン分析を示す。組換えSpikeタンパク質を使用してインビトロで脾細胞を3日間再刺激した後のサイトカイン
図14A及びケモカイン
図14Bの応答のLuminex(商標)分析を示す。灰色の強調によって示されるサイトカイン又はケモカインは、対照(ctl;生理食塩水)動物と比較して有意な変動を有する。示されている単位はpg/mLである。
【
図14B】インド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体を用いたcSpike-CoV-2-INワクチンのサイトカイン/ケモカイン分析を示す。組換えSpikeタンパク質を使用してインビトロで脾細胞を3日間再刺激した後のサイトカイン
図14A及びケモカイン
図14Bの応答のLuminex(商標)分析を示す。灰色の強調によって示されるサイトカイン又はケモカインは、対照(ctl;生理食塩水)動物と比較して有意な変動を有する。示されている単位はpg/mLである。
【
図15】インド型(IN)CoV-2スパイクタンパク質変異体を使用したcSpike-CoV-2-INワクチンをワクチン接種したマウスの血清由来IgGと様々なCoV-2スパイクタンパク質変異体との交差反応性を示す。元の武漢株のSpikeタンパク質を、残りの変異体に対する比較として使用した。このアッセイにおいて、n=5/群であり、元のSARS-COV2株に対して
*P<0.05である。
【
図16A】OVA抗原に対して10X又は50X過剰のモル比の胆汁酸-NLS反応物を用いた様々な胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲート調製物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。
【
図16B】OVA抗原に対して10X又は50X過剰のモル比の胆汁酸-NLS反応物を用いた様々な胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲート調製物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。
【
図16C】OVA抗原に対して10X又は50X過剰のモル比の胆汁酸-NLS反応物を用いた様々な胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲート調製物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。
【
図16D】OVA抗原に対して10X又は50X過剰のモル比の胆汁酸-NLS反応物を用いた様々な胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲート調製物の代表的なSDS-PAGEゲルを示す。
【
図17】様々なタイプの胆汁酸-NLS部分(0.1mg/mL)とコンジュゲート化されたOVA抗原の樹状細胞による抗原提示に対する効果を示す。この実験では、BMDCをB3Zレポーター系における抗原提示細胞として使用した。試験の対照には、抗原なし(「PBS」)及び抗原単独(すなわち、非コンジュゲート化)(「OVA単独」;5mg/mL)を含めた。OD
570のレベルはOVA提示のレベルを表し、破線はOVAとコンジュゲート化した元のChAcNLS(「CA-SV40」)で得られたシグナルを表す。ここで、胆汁酸:コール酸(CA);グリコデオキシコール酸(GDCA);グリコケノデオキシコール酸(GCDCA);ケノデオキシコール酸(CDCA);ウルソデオキシコール酸(UDCA);グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA);デオキシコール酸(DCA);グリココール酸(GCA);及びリトコール酸(LCA)である。
【
図18】様々なタイプの胆汁酸-NLS部分(0.1mg/mL)とコンジュゲート化されたOVA抗原のB細胞による抗原提示に対する効果を示す。この実験では、単離したB細胞をB3Zレポーター系における抗原提示細胞として使用した。試験の対照には、抗原なし(「PBS」)及び抗原単独(すなわち、非コンジュゲート化)(「OVA単独」;5mg/mL)を含めた。OD
570のレベルはOVA提示のレベルを表し、破線はOVAとコンジュゲート化した元のChAcNLS(「CA-SV40」)で得られたシグナルを表す。ここで、胆汁酸:コール酸(CA);グリコデオキシコール酸(GDCA);グリコケノデオキシコール酸(GCDCA);ケノデオキシコール酸(CDCA);ウルソデオキシコール酸(UDCA);グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA);デオキシコール酸(DCA);グリココール酸(GCA);及びリトコール酸(LCA)である。
【0019】
配列表
本出願は2021年11月1日に作成されたコンピュータ可読形式の配列表を含む。コンピュータ可読形式は参照により本明細書に組み込まれる。
【0020】
【発明を実施するための形態】
【0021】
本明細書は、ポリペプチド抗原に対する適応免疫応答を改善若しくは修飾すること、及び/又はポリペプチド抗原の安定性を改善することに関する組成物、細胞、及び方法を記載する。いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチド抗原をステロイド酸部分とコンジュゲート化することによって、抗原に対する細胞性免疫の改善、又は細胞性と体液性免疫の改善が誘発されるという本明細書における実証に由来する。いくつかの態様において、本発明は、ポリペプチド抗原をステロイド酸部分とコンジュゲート化することによって、ポリペプチド抗原の安定性(例えば、熱ストレスに対する)が改善されるという本明細書における実証に由来する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチド抗原は、官能化リンカーを介してステロイド酸部分又はステロイド酸=ペプチド部分と共有結合でコンジュゲート化されてもよい。好ましくは、ポリペプチド抗原がステロイド酸=ペプチド部分とコンジュゲート化される場合、ペプチドは、所望の機能性(例えば、タンパク質の形質導入及び/又は細胞内の標的化)を修飾ポリペプチド抗原に付与する1つ以上のドメインを含むように設計されてもよく、それにより免疫原性を更に増強することができる。
【0022】
第1の態様において、本明細書は、ポリペプチド抗原の免疫原性を改善する方法を記載する。方法は一般に、修飾される適切なポリペプチド抗原を選択/供給する工程と、そのポリペプチド抗原をステロイド酸部分と共有結合でコンジュゲート化して修飾ポリペプチド抗原を生成する工程と、を含む。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原は、対象への投与時にポリペプチド抗原に対する細胞性及び/又は体液性の免疫応答を(例えば、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して)増大させるために十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化される。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原は、細胞内送達時に修飾ポリペプチド抗原のエンドサイトーシス及び/又はエンドソーム脱出を(例えば、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して)増加させるために十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化される。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原は、対象への投与時に、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較してポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答(例えば、改善された細胞性及び/又は体液性の免疫応答)を誘発する。
【0023】
ポリペプチド抗原は通常、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞)によって捕捉されるが、最初はエンドソームに捕捉される。リソソームへのエンドソームの成熟によって、pHが低下し、非特異的な抗原の分解を媒介するタンパク質分解酵素を活性化させる。結果として、生成された抗原性断片のいくつかは、次いで、エンドソーム孔を通過してサイトゾルに到達し、そこで、MHCクラスIの提示の前に更なる抗原の分解がプロテアソーム機構によって生じる。このプロセスは自然に生じるが、最終的にエンドソームから放出される生成された抗原性断片は、小さくかつ/又は損傷されている可能性があり、それらはプロテアソーム分解に適切ではなく、それによってそれらのMHCクラスIの提示が妨げられ、したがってそれに基づく細胞性免疫が妨げられる。理論に束縛されるものではないが、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出の増加によって、抗原(又はより大きな抗原性断片)のより天然の立体構造でのサイトゾルへの到達を可能にすることができる。結果として、これらのよりネイティブな抗原のプロテアソーム分解は、抗原提示細胞の表面でMHCクラスIを介して提示されるより多数の免疫原性の、及び/又は安定なペプチドを生じさせ、それによって強力なT細胞の活性化を誘発することができる。
【0024】
本明細書で使用される場合、「ポリペプチド抗原」とは、任意の長さであるが、一般に少なくとも8、9、10、11、又は12アミノ酸長のアミノ酸の免疫原性ペプチド結合鎖を指す。より明確にするために、本明細書で言及されるポリペプチド抗原には抗原結合抗体又はその断片は含まれない。本明細書中で使用される場合、「タンパク質抗原」とは、少なくとも50アミノ酸残基の長さを有するポリペプチド抗原を指し、一方、「ペプチド抗原」とは、50アミノ酸残基未満の長さを有するポリペプチド抗原を指す。より明確にするために、本明細書に記載されるポリペプチド、タンパク質、及びペプチドは、修飾、又は合成若しくは非天然アミノ酸がポリペプチド抗原の抗原性又はそのペプチド(又はそれに含まれるドメイン)の所望の機能を破壊しない限り、任意のタイプの修飾(例えば、アセチル化、リン酸化、グリコシル化、硫酸化、SUMO化、プレニル化、ユビキチン化などの化学修飾又は翻訳後修飾)を含んでも含まなくてもよく、又は1つ以上の合成若しくは非天然アミノ酸が組み込まれていても組み込まれていなくてもよい。
【0025】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される修飾ポリペプチド抗原は、修飾ポリペプチド抗原が、コンジュゲート化の前のポリペプチド抗原の安定性よりも高い安定性(例えば、熱安定性)を示すように、十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化されてもよい(実施例2及び
図1Gと1H)。
【0026】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるポリペプチド抗原は、タンパク質抗原であり得る。いくつかの実施形態では、タンパク質抗原は、好ましくは、ステロイド酸又はステロイド酸-ペプチド部分とコンジュゲート化できる複数の溶媒露出した官能基を含んでもよい。反対に、ペプチド抗原は、ステロイド酸のコンジュゲート化のための十分な数の官能基を含まなくてもよい。さらに、Azuarら(2019年)によって報告されているように、ステロイド酸-ペプチド抗原コンジュゲートは望ましくないことに、棒状のナノ粒子に自己集合する可能性があり、この場合、異なる修飾ペプチド抗原に由来する疎水性ステロイド酸基が凝集して内部に隔離され、それによって膜と相互作用してエンドソーム脱出を媒介する能力が妨げられる。不十分なエンドソーム脱出は、MHCクラスIIの提示には悪影響を及ぼさない可能性があり、したがって、体液性免疫には有益となる可能性があるが、細胞性免疫に有益となる可能性は低い(Azuarら、2019年)。
【0027】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のタンパク質抗原は、本明細書に記載のステロイド酸又はステロイド-ペプチド部分とのコンジュゲート化に利用可能な1~50、2~50、5~50、又は10~50個の官能基(例えば、リジン及び/又はシステイン残基;又は任意の他の基)を含んでもよい(又は含むように操作されてもよい)。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原は、少なくとも50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、又は150アミノ酸長のタンパク質抗原であり得る。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原は、少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、又は150kDaの分子量を有するタンパク質抗原であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原は、1つ以上のMHCクラスIエピトープ及び/又はMHCクラスIIエピトープを含み得る。
【0028】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原は、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、ネオアンチゲン、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、ワクチン接種及び/又は免疫療法による処置に適した疾患又は障害に関連する抗原、又はその任意の抗原性断片であってもよく、又はそれらを含んでもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原は、SARS-CoV-2(配列番号3)若しくはSARS-CoV(配列番号4)由来のスパイクタンパク質、又はその抗原性変異体もしくは抗原性断片であってもよく、又はそれを含んでもよい。いくつかの実施形態では、TAA、TSA、及び/又はネオアンチゲンは、単一塩基変異体抗原、突然変異フレームシフト抗原、スプライス変異体抗原、遺伝子融合抗原、内因性レトロエレメント抗原、又は別のクラスの抗原、例えばヒト白血球抗原(HLA)-体細胞突然変異体由来抗原あるいは翻訳後TSAであってもよい(Smithら、2019)。いくつかの実施形態では、TSAは、ヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス、又はエプスタイン・バールウイルス(EBV)などのウイルス由来癌の抗原であってもよい。いくつかの実施形態では、TAAは、癌-精巣抗原、HER2、PSA、TRP-1、TRP2、EpCAM、GPC3、CEA、MUC1、MAGE-A1、NY-ESO-1、SSX-2、メソテリン(MSLN)、又はEGFRであってもよく、又はそれらを含んでもよい(Patelら、2017;Tagliamonteら、2014)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原は、細胞ライセート又は腫瘍由来のエクソソームなどの腫瘍由来の他の物質であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0029】
いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原は、内在化されたカーゴのエンドサイトーシス及び/又はエンドソーム脱出を増強するステロイド酸部分とコンジュゲート化されてもよい。理論に束縛されるものではないが、ステロイド酸(例えば、胆汁酸及び胆汁酸類似体)は、ウイルスによって利用/活用され、例えば、ウイルスのエンドサイトーシス取り込み及び/又はエンドソーム脱出を増加させてサイトゾルへのアクセスを得ることによって、ウイルスの宿主細胞への感染を促進することが示されている(Shivannaら、2014;Shivannaら、2015;Murakamiら、2020)。例えば、胆汁酸は、酵素の酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)を始動させて、エンドソームの内側リーフレット上でスフィンゴミエリンをセラミドに切断することが示されている。セラミド量の増加によって、膜が不安定化してエンドソーム脱出が促進される。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原とのコンジュゲート化に適したステロイド酸には、エンドソームの内側リーフレット上へのセラミド蓄積を誘発し、それによってエンドソーム膜を不安定化させ、細胞内送達時に修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を促進するものが含まれる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原とのコンジュゲート化に適したステロイド酸は、セラミドを形成するように酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)に媒介されるスフィンゴミエリンの切断の増加を誘発するものを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原とのコンジュゲート化に適したステロイド酸は、胆汁酸(例えば、一次胆汁酸又は二次胆汁酸)を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、ステロイド酸は、エンドサイトーシスを誘導する;エンドソームの内側リーフレット上へのセラミド蓄積を誘発する;セラミドを形成するように酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)に媒介されるスフィンゴミエリンの切断の増加を誘発する;及び/又はコール酸の疎水性よりも大きい疎水性を有する、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、グリコデオキシコール酸(CDCA)、グリコケノデオキシコール酸(GUDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、ウルソコール酸(UCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、グリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)、若しくはそれらの任意の類似体であってもよく、又はそれらを含んでもよい。
【0031】
GCDCA、TCA、GCA、及びCAなどの疎水性胆汁酸(UDCAなどの親水性胆汁酸ではない)は、頂端膜上のASMに媒介されるセラミド蓄積を介してエンドソーム取り込み及びエンドソーム脱出を増強することによって、宿主腸細胞におけるGII.3ヒトノロウイルスの感染と複製を増加させることが示された(Murakamiら、2020)。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原とのコンジュゲート化に適したステロイド酸は、コール酸よりも疎水性である胆汁酸又は胆汁酸類似体を含むか、又はそれからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載のポリペプチド抗原とのコンジュゲート化に適したステロイド酸は、コール酸よりも疎水性である胆汁酸又は胆汁酸類似体(例えば、CDCA、DCA、LCA、TCA、TDCA、TCDCA、GCA、GDCA、又はGCDCA;Hanafiら、2018)を含むか、又はそれからなる。
【0032】
いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原当たりのステロイド酸部分の平均数は、例えば、ステロイド酸のタイプ及び/又は選択されたポリペプチド抗原のタイプ(例えば、アミノ酸長、構造、利用可能な官能基の数)に基づいて修飾されてもよい。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原をモル過剰のステロイド酸又はステロイド酸-ペプチド部分と反応させて、コンジュゲート化されるステロイド酸部分の数を最大にすることができる。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原を制限された量のステロイド酸又はステロイド酸-ペプチド部分と反応させて、コンジュゲート化されるステロイド酸部分の数を制御又は制限することができる。いくつかの実施形態では、各修飾ポリペプチド抗原分子は、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50個のステロイド酸部分とコンジュゲート化されてもよい。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原分子は、ポリペプチド抗原の溶媒露出アミン(例えば、一級アミン)及び/又はスルフヒドリル基においてステロイド酸(又はステロイド酸-ペプチド)部分とコンジュゲート化されてもよい。いくつかの実施形態では、修飾ポリペプチド抗原分子は、ポリペプチド抗原上に存在するか、又はポリペプチド抗原内に遺伝子操作された任意の他の化学基又は官能基でステロイド酸(又はステロイド酸-ペプチド)部分とコンジュゲート化されてもよい。本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原に含まれるステロイド酸部分の最大数は、コンジュゲート化に利用可能なポリペプチド抗原(又は官能化ポリペプチド抗原)上の利用可能な官能基の数以下であることが理解される。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原(及び/又はステロイド酸もしくはステロイド酸-ペプチド部分)は、ポリペプチド抗原をステロイド酸又はステロイド酸-ペプチド部分とコンジュゲート化する反応の前に、例えば、二官能性、三官能性、又は多官能性リンカー基で予め官能化されていてもよい。
【0033】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載されるステロイド酸は、ステロイド酸-ペプチド部分に含まれてもよい。いくつかの実施形態では、ステロイド酸は、例えば、ペプチドのN端遊離アミノ基において、又はペプチド内のある種の他の官能基において、ペプチドと予めコンジュゲート化されていてもよい。いくつかの実施形態では、次いで、ポリペプチド抗原を、ペプチドを介して、例えば、ペプチドのN又はC端残基において、ステロイド酸-ペプチド部分とコンジュゲート化することができる。
【0034】
いくつかの実施形態では、ペプチドは非免疫原性ペプチドであってもよい。いくつかの実施形態では、ペプチドは水溶性ペプチドであってもよく、ペプチドのステロイド酸とのコンジュゲート化は、ステロイド酸部分単独と比較して、ステロイド酸-ペプチド部分の水溶性を増大させる。いくつかの実施形態では、ペプチドは、(例えば、血漿及び/又はエンドソーム膜との相互作用を促進する)カチオン性ペプチドであってもよい。
【0035】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、修飾ポリペプチド抗原にさらなる機能性を付与する1つ以上のドメインを含んでもよい。本明細書で使用される場合、「ドメイン」とは一般に、特定の機能性を有するタンパク質の一部を指す。いくつかのドメインはタンパク質の残りの部分から分離されたときにもそれらの機能を保存し、したがって、モジュールの様式で使用することができる。多くのタンパク質ドメインのモジュール特性は、本明細書に記載されるペプチド内でのそれらの配置に関して柔軟性を提供することができる。しかし、いくつかのドメインは、ペプチドの特定の位置(例えば、N又はC端領域、又はその間)で遺伝子操作された場合に、より良好に機能することができる。その内因性タンパク質内でのドメインの位置は、ドメインがペプチド内のどこに遺伝子操作されるべきかの指標であり得る。
【0036】
いくつかの実施形態では、ペプチドは、エンドサイトーシス、エンドソーム形成、又は細胞内送達を細胞非特異的な様式で刺激するタンパク質形質導入ドメイン(PTD)を含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペプチドは、特定の細胞内区画に対する修飾ポリペプチド抗原の標的化を促進する細胞内標的化シグナルを含んでもよい。いくつかの実施形態では、ペプチドは、修飾ポリペプチド抗原を核に標的化する核局在化シグナル(NLS)を含んでもよい。興味深いことに、プロテオソームに媒介されるMHCクラスIペプチドエピトープのプロセシングがサイトゾルにおいて生じることを考慮すると、サイトゾル区画への標的化が有利であると予想され得るが、本明細書中に示される結果は、驚くべきことに、核局在化シグナルを含む修飾ポリペプチド抗原が抗原の免疫原性の著しい増大を誘発したことを示している。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核局在化シグナルは、SV-40ラージT抗原由来のNLS(例えば、PKKKRKV;配列番号7)又は他の古典的NLSを含んでもよく、又はそれらに由来してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核局在化シグナルは、非古典的NLS(例えば、hnRNP A1タンパク質中の酸性M9ドメイン;酵母の転写リプレッサーMatα2中の配列KIPIK;PY-NLS;リボソームNLS;又はU snRNPの複合シグナル)を含んでもよく、又はそれらに由来してもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核局在化シグナルは、配列番号1又は7~20のいずれか1つ又はその任意の部分のアミノ酸配列を含むか、又は本質的にそれからなる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核局在化シグナルは、SV40 NLS(例えば配列番号:1又は7に含まれる)、GWG-SV40NLS(例えば配列番号8に含まれる)、hnRNPA1 M9 NLS(例えば配列番号9に含まれる)、hnRNP D NLS(例えば配列番号10に含まれる)、hnRNP M NLS(例えば配列番号11に含まれる)、PQBP-1 NLS(例えば配列番号12に含まれる)、NLS2-RG Domain RPS17(例えば配列番号13に含まれる)、NLS1 RPS17(例えば配列番号14に含まれる)、NLS2 RPS17(例えば配列番号15に含まれる)、NLS3 RPS17(例えば配列番号16に含まれる)、cMyc NLS(例えば配列番号17に含まれる)、HuRNLS(例えば配列番号18に含まれる)、Tus NLS(例えば配列番号19に含まれる)、又はヌクレオプラスミンNLS(例えば配列番号20に含まれる)である核局在化シグナルを含むか、又は本質的にそれからなる。いくつかの例では、上で言及した配列番号は、ポリペプチド抗原とのコンジュゲート化を容易にするために使用されたN端システイン残基(例えば、N端システイン残基のチオール基)を含む。したがって、いくつかの実施形態では、本明細書で言及されるNLS配列は、配列番号1及び7~20の任意の1つに含まれるN端システイン残基を除外してもよい。いくつかの実施形態では、所与のポリペプチド抗原とのステロイド酸-ペプチドのコンジュゲート化を容易にするために(例えば、本明細書に記載のペプチドのN端部分からC端部分に向かって)付加又は挿入される他の官能基もまた想定される(例えば、カルボキシル基、合成アミノ酸など)。
【0037】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載される核局在化シグナルは、以下の一般コンセンサス配列を含んでもよく、(i)K(K/R)X(K/R);(ii)(K/R)(K/R)X10~12(K/R)3/5、ここで、(K/R)3/5は5個の連続するアミノ酸のうちの3個のリジン又はアルギニン残基を表し;(iii)KRX10-12KRRK;(iv)KRX10~12K(K/R)(K/R);又は(v)KRX10-12K(K/R)X(K/R)、ここで、Xは任意のアミノ酸である(Sunら、2016)。
【0038】
いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、サイトゾル送達の増加を示すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、修飾ポリペプチド抗原の総細胞送達の増加を示すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、ポリペプチド抗原に対する細胞性免疫の増強を示すことができる。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原への曝露時にCD8+T細胞によるIFN-γの産生の増加を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原に対する体液性免疫の増強を示す。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、(例えば、免疫原性が乏しいエピトープに対する抗体を含む)ポリペプチド抗原に対する抗体種の多様性(又は生物学的多様性)の増大を誘発する。
【0039】
いくつかの態様において、本明細書は、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原を含むか、又はそれで処置された(例えばインビトロ又はエクスビボの)細胞集団を記載する。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される細胞集団は、免疫細胞(例えば、T細胞)、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージ、遺伝子操作された抗原提示細胞)、MHCクラスI発現細胞、MHCクラスII発現細胞、又はそれらの任意の組合せを含むことができる。
【0040】
いくつかの態様において、本明細書は、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原又は本明細書に記載の方法によって生成される修飾ポリペプチド抗原、又は本明細書に記載の細胞集団、又はそれらの任意の組合せと、薬学的に許容される賦形剤及び/又はアジュバント(例えば、ヒト又は動物への使用に適したワクチンアジュバント)とを含む免疫原性組成物を記載する。いくつかの実施形態では、アジュバントは、水中油型エマルジョンアジュバント(例えば、スクアレンベースの水中油型エマルジョンアジュバント)などのエマルジョンアジュバントであってもよい。いくつかの実施形態では、本明細書に記載される免疫原性組成物は、治療用又は予防用のワクチン(例えば、抗癌ワクチン、抗ウイルスワクチン、又は抗細菌ワクチン)であり得る。いくつかの実施形態では、本明細書に記載の修飾ポリペプチド抗原は、ステロイド-酸とコンジュゲート化されていない対応する非修飾ポリペプチド抗原を使用する場合の量と比較して、免疫応答を生成するために必要とされる免疫原性組成物(例えば、ワクチン)中に配合される抗原及び/又は抗原提示細胞の量を減らすことができる。
【0041】
いくつかの態様において、本明細書は、対象における目的のポリペプチド抗原に対する増強された適応免疫応答を誘発する方法を記載し、方法は、本明細書に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0042】
更なる態様において、本明細書は、ワクチン接種及び/又は免疫療法による処置に適した疾患又は障害を処置又は予防するための方法を記載し、方法は、本明細書に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む。
【0043】
いくつかの態様において、本明細書は、対象における癌を処置する方法を記載し、方法は、本明細書に記載の免疫原性組成物を、それを必要とする対象に投与することを含む。いくつかの実施形態では、方法は、免疫チェックポイント阻害剤療法又は他の抗癌治療と組み合わせることができる。
【0044】
いくつかの態様において、本明細書は、対象における免疫応答を生じさせる際に使用するための、本明細書で定義される修飾ポリペプチド抗原を記載する。いくつかの態様において、本明細書は、対象における免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物(例えば、ワクチン又は免疫療法)の製造に使用するための、本明細書で定義される修飾ポリペプチド抗原を記載する。いくつかの態様において、本明細書は、対象における免疫応答を生じさせるための、本明細書で定義される修飾ポリペプチド抗原、本明細書に記載の方法によって生成される修飾ポリペプチド抗原、本明細書に記載の細胞集団、又は本明細書に記載の免疫原性組成物の使用を記載する。いくつかの態様において、本明細書は、対象における免疫応答を生じさせるための医薬(例えば、ワクチン又は免疫療法)の製造のための、本明細書に定義される修飾ポリペプチド抗原、本明細書に記載の方法によって生成される修飾ポリペプチド抗原、本明細書に記載の細胞集団、又は本明細書に記載の免疫原性組成物の使用を記載する。いくつかの実施形態では、免疫応答は、対応する非修飾ポリペプチド抗原から生成されるものと比較して、ポリペプチド抗原に対する細胞性免疫の増強、ポリペプチド抗原への曝露時のCD8+T細胞によるIFN-γの産生の増加、ポリペプチド抗原に対する体液性免疫の増強、又はそれらの任意の組合せを含み得る。
【0045】
いくつかの態様において、本明細書は、ポリペプチド抗原を調製する方法を記載し、方法は、非修飾ポリペプチド抗原を十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化して、コンジュゲート化の前のポリペプチド抗原よりも高い安定性(例えば、熱安定性)を示す修飾ポリペプチド抗原を生成する工程を含む。いくつかの実施形態では、ポリペプチド抗原にコンジュゲート化されるステロイド酸部分の数は、当該修飾のないポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を増加させるために十分な数である。実施形態において、修飾ポリペプチド抗原は、本明細書で定義される修飾ポリペプチド抗原である。
【0046】
項目
様々な態様において、本明細書は以下の項目のうちの1つ以上を記載する。
1.ポリペプチド抗原の免疫原性を改善する方法であって、修飾するポリペプチド抗原を供給する工程と、ポリペプチド抗原を1つ以上のステロイド酸部分と共有結合でコンジュゲート化して修飾ポリペプチド抗原を生成する工程を含み、修飾ポリペプチド抗原が、当該修飾のないポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を増加させるために十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化されており、修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、対象への投与時に、当該ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発する、方法。
2.修飾ポリペプチド抗原が、修飾ポリペプチド抗原がコンジュゲート化の前のポリペプチド抗原よりも高い安定性(例えば、熱安定性)を示すように、修飾ポリペプチド抗原が十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化される、項目1に記載の方法。
3.ポリペプチド抗原が、タンパク質抗原であり、及び/又は少なくとも10、15、20、25、30、35、40、45、50、55、60、65、70、75、80、85、90、95、100、105、110、115、120、125、130、135、140、145、もしくは150kDaの分子量を有する、項目1又は2に記載の方法。
4.ポリペプチド抗原が、1つ以上のMHCクラスIエピトープ及び/又はMHCクラスIIエピトープを含む、項目1~3のいずれか1つに記載の方法。
5.ポリペプチド抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、ネオアンチゲン、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、ワクチン接種及び/又は免疫療法による治療に適した疾患又は障害に関連する抗原、又はその任意の抗原性断片であるか、又はそれらを含む、項目1~4のいずれか1つに記載の方法。
6.ポリペプチド抗原が、コロナウイルス抗原(例えば、SARS-CoV-2スパイクタンパク質(配列番号3)もしくはSARS-CoVスパイクタンパク質(配列番号4)又はその抗原性断片、又は単一塩基変異体抗原、突然変異フレームシフト抗原、スプライス変異体抗原、遺伝子融合抗原、内因性レトロエレメント抗原などの癌抗原、又はヒト白血球抗原(HLA)-体細胞変異体由来抗原あるいは翻訳後TSA、ウイルス由来の癌抗原(例えばヒトパピローマウイルス(HPV)、サイトメガロウイルス、又はエプスタイン・バールウイルス(EBV))、癌-精巣抗原、HER2、PSA、TRP-1、TRP-2、EpCAM、GPC3、CEA、MUC1、MAGE-A1、NY-ESO-1、SSX-2、メソテリン(MSLN)、EGFR、細胞ライセート又は腫瘍由来の他の物質(例えば、腫瘍由来のエクソソーム)などの別のクラスの抗原であるか、又はそれらを含む、項目1~5のいずれか1つに記載の方法。
7.ステロイド酸がエンドソームの内側リーフレット上へのセラミド蓄積を誘発し、それによってエンドソーム膜を不安定化させ、細胞内送達時のポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を促進する、項目1~6のいずれか1つに記載の方法。
8.ステロイド酸が、セラミドを形成するように酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)に媒介されるスフィンゴミエリンの切断の増加を誘発する項目1~7のいずれか1つに記載の方法。
9.ステロイド酸が胆汁酸である、項目1~8のいずれか1つに記載の方法。
10.ステロイド酸が一次胆汁酸又は二次胆汁酸である、項目1~9のいずれか1つに記載の方法。
11.ステロイド酸が、(a)コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、グリコデオキシコール酸(CDCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、ウルソコール酸(UCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、又はグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)である胆汁酸、(b)(a)の胆汁酸の類似体であって、エンドサイトーシスを誘導する;エンドソームの内側リーフレット上へのセラミド蓄積を誘発する;セラミドを形成するように酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)に媒介されるスフィンゴミエリンの切断の増加を誘発する;及び/又はコール酸の疎水性よりも大きい疎水性を有する類似体、(c)コール酸よりも疎水性である胆汁酸又は胆汁酸類似体(例えば、CDCA、DCA、LCA、TCA、TDCA、TCDCA、GCA、GDCA、又はGCDCA)、(d)(a)~(c)の任意の組合せであるか、又はそれらを含む、項目1~10のいずれか1つに記載の方法。
12.各修飾ポリペプチド抗原分子が、少なくとも1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50個のステロイド酸部分とコンジュゲート化される、項目1~11のいずれか1つに記載の方法。
13.修飾ポリペプチド抗原分子が、ポリペプチド抗原の溶媒露出アミン(例えば、一級アミン)及び/又はスルフヒドリル基でステロイド酸とコンジュゲート化される、項目1~12のいずれか1つに記載の方法。
14.修飾ポリペプチド抗原分子が、リンカー(例えば、二官能性、三官能性リンカー、又は多官能性リンカー)を介してステロイド酸とコンジュゲート化される、項目1~13のいずれか1つに記載の方法。
15.ステロイド酸がステロイド酸-ペプチドコンジュゲートに含まれて、ポリペプチド抗原がステロイド酸-ペプチドコンジュゲートと(例えば、当該ペプチドを介して、例えば、N又はC端残基において)コンジュゲート化される、項目1~14のいずれか1つに記載の方法。
16.ペプチドが、(i)エンドサイトーシス及び/又はエンドソーム形成を刺激するタンパク質形質導入ドメインを含む;(ii)細胞内標的化シグナルを含む;(iii)カチオン性ペプチド(例えば、細胞非透過性カチオン性ペプチド)である;(iv)非免疫原性ペプチドである;又は(v)(i)~(iv)の任意の組合せである、項目15に記載の方法。
17.細胞内標的化シグナルが、古典的NLS(例えば、SV-40ラージT抗原(例えば、PKKKRKV;配列番号7)又は他の古典的NLS由来のNLS)又は非古典的NLS(例えば、hnRNP A1タンパク質中の酸性M9ドメイン;酵母の転写リプレッサーMatα2中の配列KIPIK;PY-NLS;リボソームNLS;及びU snRNPの複合シグナル)などの核局在化シグナルである、項目16に記載の方法。
18.核局在化シグナルが、SV40 NLS(例えば配列番号1又は7に含まれる)、GWG-SV40 NLS(例えば配列番号8に含まれる)、hnRNPA1 M9 NLS(例えば配列番号9に含まれる)、hnRNP D NLS(例えば配列番号10に含まれる)、hnRNP M NLS(例えば配列番号11に含まれる)、PQBP-1 NLS(例えば配列番号12に含まれる)、NLS2-RG Domain RPS17(例えば配列番号13に含まれる)、NLS1 RPS17(例えば配列番号14に含まれる)、NLS2 RPS17(例えば配列番号15に含まれる)、NLS3 RPS17(例えば配列番号16に含まれる)、cMyc NLS(例えば配列番号17に含まれる)、HuR NLS(例えば配列番号18に含まれる)、Tus NLS(例えば配列番号19に含まれる)、又はヌクレオプラスミンNLS(例えば配列番号20に含まれる)であるか、又は核局在化活性を有するNLSの変異体であり、ここで、NLSが、配列番号7~20のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか又はそれからなる、項目16又は17に記載の方法。
19.修飾ポリペプチド抗原が、(i)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該修飾ポリペプチド抗原のサイトゾル送達の増加;(ii)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該修飾ポリペプチド抗原の総細胞送達の増加;(iii)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原に対する細胞性免疫の増強;(iv)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原への曝露時のCD8+T細胞によるIFN-γの産生の増加;(v)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原に対する体液性免疫の増強;(vi)対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、当該ポリペプチド抗原に対する抗体種の多様性の増大;又は(vii)(i)~(vi)の任意の組合せを誘発する、項目1~18のいずれか1つに記載の方法。
20.項目1~19のいずれか1つに記載の方法によって生成された修飾ポリペプチド抗原、又は項目1~19のいずれか1つに定義される修飾ポリペプチド抗原を含む(例えばインビトロ又はエクスビボの)細胞集団。
21.免疫細胞(例えば、T細胞)、抗原提示細胞(例えば、樹状細胞、マクロファージ、遺伝子操作された抗原提示細胞)、MHCクラスI発現細胞、MHCクラスII発現細胞、又はそれらの任意の組合せを含む、項目20に記載の細胞集団。
22.項目1~19のいずれか一つに記載の方法によって生成された修飾ポリペプチド抗原、項目1~19のいずれか一つに定義される修飾ポリペプチド抗原、項目20又は21に記載の細胞集団、又はそれらの任意の組合せと、薬学的に許容される賦形剤及び/又はアジュバント(例えば、エマルジョンアジュバント、水中油型エマルジョンアジュバント、又はスクアレンベースの水中油型エマルジョンアジュバント)とを含む、免疫原性組成物。
23.治療用又は予防用ワクチン(例えば、抗癌ワクチン、抗ウイルスワクチン、又は抗細菌ワクチン)である、項目22に記載の免疫原性組成物。
24.対象における目的の非修飾ポリペプチド抗原に対する増強された適応免疫応答を誘発する方法であって、項目22又は23に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む方法。
25.感染症に対して対象にワクチン接種する方法であって、項目22又は23に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含み、ここで、ポリペプチド抗原が感染症を引き起こす病原体(例えば、ウイルス、細菌、真菌)の抗原性断片を含む、方法。
26.対象における癌を治療する方法であって、項目22又は23に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む方法。
27.方法が、免疫チェックポイント阻害剤療法と組み合わされる、項目26に記載の方法。
28.対象における免疫応答を生じさせる際に使用するための、又は対象における免疫応答を生じさせるための免疫原性組成物の製造のための、項目1~19のいずれか一つに定義される修飾ポリペプチド抗原、又は項目1~19のいずれか1つに記載の方法によって生成される修飾ポリペプチド抗原。
29.対象における免疫応答を生じさせるための、又は対象における免疫応答を生じさせるための医薬(例えば、ワクチン)の製造のための、項目1~19のいずれか一つに定義される修飾ポリペプチド抗原、項目1~19のいずれか一つに記載の方法によって生成された修飾ポリペプチド抗原、項目20若しくは21に定義される細胞集団、又は項目22若しくは23に定義される免疫原性組成物の、使用。
30.免疫応答が、対応する非修飾ポリペプチド抗原から生成されるものと比較して、当該ポリペプチド抗原に対する細胞性免疫の増強、当該ポリペプチド抗原への曝露時のCD8+T細胞によるIFN-γの産生の増加、当該ポリペプチド抗原に対する体液性免疫の増強、又はそれらの任意の組合せを含む、項目28に記載の使用、又は項目29に記載の使用のための修飾ポリペプチド抗原。
31.ポリペプチド抗原を調製するための方法であって、非修飾ポリペプチド抗原を十分な数のステロイド酸部分とコンジュゲート化して、コンジュゲート化の前のポリペプチド抗原よりも高い安定性(例えば、熱安定性)を示す修飾ポリペプチド抗原を生成する工程を含む方法。
32.ポリペプチド抗原にコンジュゲート化されるステロイド酸部分の数が、当該修飾のないポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の修飾ポリペプチド抗原のエンドソーム脱出を増加させるために十分な数である、項目31に記載の方法。
33.修飾ポリペプチド抗原が項目3~19のいずれか1つに定義されるとおりである、項目31又は32に記載の方法。
34.ポリペプチド抗原の免疫原性を改善する方法であって、修飾するポリペプチド抗原を供給する工程と、ポリペプチド抗原を1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分と共有結合でコンジュゲート化して修飾ポリペプチド抗原を生成する工程とを含み、修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、対象への投与時に当該ポリペプチド抗原に対する改善された適応免疫応答を誘発するために十分な数の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化され、胆汁酸-ペプチド部分に含まれるペプチドが核局在化シグナル(NLS)を含む、方法。
35.修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、細胞内送達時の修飾ポリペプチド抗原の抗原提示を増加させるために十分な数の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、項目34に記載の方法。
36.修飾ポリペプチド抗原が、対応する非修飾ポリペプチド抗原と比較して、より高い熱安定性を示すように、修飾ポリペプチド抗原が十分な数の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、項目34又は35に記載の方法。
37.ポリペプチド抗原と1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分との共有結合によるコンジュゲート化が、ポリペプチド抗原をモル過剰の胆汁酸-ペプチド部分と反応させることによって行われる、項目34~36のいずれか1つに記載の方法。
38.ポリペプチド抗原を2倍~100倍モル過剰の胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、項目37に記載の方法。
39.ポリペプチド抗原を2倍~50倍モル過剰の胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、項目37に記載の方法。
40.ポリペプチド抗原を5倍~25倍モル過剰の胆汁酸-ペプチド部分と反応させる、項目37に記載の方法。
41.修飾ポリペプチド抗原当たりのコンジュゲート化された胆汁酸-ペプチド部分の平均数が、少なくとも約1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、25、26、27、28、29、30、31、32、33、34、35、36、37、38、39、40、41、42、43、44、45、46、47、48、49、又は50であるか、又は、約1、2、3、4、5、6、7、8、9、又は10とnの間であり、ここでnが、コンジュゲート化に利用可能なポリペプチド抗原上の溶媒露出部位の総数である、項目34~40のいずれか1つに記載の方法。
42.胆汁酸が、コール酸(CA)、ケノデオキシコール酸(CDCA)、デオキシコール酸(DCA)、リトコール酸(LCA)、グリコデオキシコール酸(GDCA)、グリココール酸(GCA)、タウロコール酸(TCA)、グリコデオキシコール酸(CDCA)、グリコケノデオキシコール酸(GCDCA)、タウロデオキシコール酸(TDCA)、グリコリトコール酸(GLCA)、タウロリトコール酸(TLCA)、タウロヒオデオキシコール酸(THDCA)、タウロケノデオキシコール酸(TCDCA)、ウルソコール酸(UCA)、タウロウルソデオキシコール酸(TUDCA)、ウルソデオキシコール酸(UDCA)、又はグリコウルソデオキシコール酸(GUDCA)である、項目34~41のいずれか1つに記載の方法。
43.胆汁酸が、CA、CDCA、DCA、LCA、GDCA、GCA、TCA、CDCA、GCDCA、TDCA、GLCA、TLCA、THDCA、TCDCA、UCA、TUDCA、UDCA、又はGUDCAの類似体であり、類似体が、エンドサイトーシスを誘導する;エンドソームの内側リーフレット上へのセラミド蓄積を誘発する;又はセラミドを形成するように酸性スフィンゴミエリナーゼ(ASM)に媒介されるスフィンゴミエリンの切断の増加を引き起こす、項目34~42のいずれか1つに記載の方法。
44.核局在化シグナルが、SV40 NLS(配列番号1又は7)、GWG-SV40 NLS(配列番号8)、hnRNPA 1 M9 NLS(配列番号9)、hnRNP D NLS(配列番号10)、hnRNP M NLS(配列番号11)、PQBP-1 NLS(配列番号12)、NLS2-RG Domain RPS17(配列番号13)、NLS1 RPS17(配列番号:14)、NLS2 RPS17(配列番号15)、NLS3 RPS17(配列番号16)、cMyc NLS(配列番号17)、HuR NLS(配列番号18)、Tus NLS(配列番号19)、又はヌクレオプラスミンNLS(配列番号20)である、項目34~43のいずれか1つに記載の方法。
45.核局在化シグナルが、核局在化活性を有するNLSの変異体であり、NLSが、配列番号7~20のいずれか1つのアミノ酸配列を含むか、又はそれからなる、項目34~44のいずれか1つに記載の方法。
46.ポリペプチド抗原が、リンカーを介して1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、項目34~45のいずれか1つに記載の方法。
47.リンカーが二官能性リンカー、三官能性リンカー又は多官能性リンカーである、項目46に記載の方法。
48.修飾ポリペプチド抗原分子が、ポリペプチド抗原の溶媒露出官能基を介して1つ以上の胆汁酸-ペプチド部分とコンジュゲート化される、項目34~47のいずれか1つに記載の方法。
49.ポリペプチド抗原が、腫瘍関連抗原(TAA)、腫瘍特異的抗原(TSA)、腫瘍由来の細胞ライセート、腫瘍由来のエクソソーム、ネオアンチゲン、ウイルス抗原、細菌抗原、真菌抗原、又はワクチン接種及び/もしくは免疫療法による処置に適した疾患もしくは障害に関連する他の抗原であるか、又はそれを含む、項目34~48のいずれか1つに記載の方法。
50.ポリペプチド抗原が、SARS-CoVスパイクタンパク質又はその抗原性断片であるか、又はそれを含む、項目34~49のいずれか1つに記載の方法。
51.項目34~50のいずれか1つに記載の方法によって生成された修飾ポリペプチド抗原又は項目34~50のいずれか1つに記載の方法によって生成された修飾ポリペプチド抗原を含む細胞集団と、薬学的に許容される賦形剤及び/又はアジュバントとを含む、免疫原性組成物。
52.細胞集団が、樹状細胞、B細胞、T細胞、マクロファージ、遺伝子操作された抗原提示細胞、MHCクラスI発現細胞、MHCクラスII発現細胞、又はそれらの任意の組合せを含む、項目51に記載の免疫原性組成物。
53.対象における目的の非修飾ポリペプチド抗原に対する増強された適応免疫応答を誘発する方法であって、項目52に記載の免疫原性組成物を対象に投与することを含む方法。
【実施例】
【0047】
実施例1:一般的な材料及び方法
動物及び倫理
6~8週齢のBALB/cマウスをジャクソン・ラボラトリー(バーハーバー、メイン州、米国)から購入し、同様の年齢のC57BL/6マウスをチャールス・リバー(モントリオール、ケベック州、カナダ)から購入した。同腹仔のマウスを交配させ、Institute for Research in Immunology and Cancer(IRIC)の動物施設において病原体フリーの環境で飼育した。動物実験プロトコルは、モントリオール大学の動物実験委員会によって承認された。
【0048】
細胞株及び試薬
全ての細胞培養培地及び試薬は、別途示されない限り、Wisent Bioproducts(サンブルーノ、ケベック州、カナダ)から購入した。全てのフローサイトメトリー抗体は、別途示されない限り、BD Biosciences(サンノゼ、カリフォルニア州、米国)から購入した。ニワトリ卵白由来のアルブミン(オボアルブミン;OVA)、LPS及びNunc MaxiSorp(商標)プレートは、シグマ・アルドリッチ(セントルイス、ミズーリ州、米国)から購入した。OVA-DQ(商標)は、サーモフィッシャー(ウォルサム、マサチューセッツ州、米国)から購入した。SIINFEKLペプチドは、ジェンスクリプト(ピスカタウェイ、ニュージャージー州、米国)によって合成された。ブラッドフォード試薬は、バイオ・ラッド(ハーキュリーズ、カリフォルニア州、米国)から購入した。全てのサイトカインELISAは、別途示されない限り、R&Dシステムズ(ミネアポリス、ミネソタ州、米国)から購入した。組換えGM-CSGは、Peprotech(ロッキーヒル、ニュージャージー州、米国)から購入した。CD8及びCD4T細胞単離キットは、StemCell Technologies(バンクーバー、ブリティッシュ コロンビア州、カナダ)から購入した。インビボの研究で使用したPD-1抗体(クローンRMP1-14)は、BioXCell(ウェスト・レバノン、ニューハンプシャー州、米国)から購入した。
【0049】
骨髄由来DCの生成
マウス骨髄由来DC(BMDC)は、10%ウシ胎児血清(FBS)、50U/mLのペニシリン-ストレプトマイシン、2mMのL-グルタミン、10mMのHEPES、1%MEM非必須アミノ酸、1mMのピルビン酸ナトリウム、0.5mMのp-メルカプトエタノールを補充したRPMI(商標)1640を使用して、マウス大腿骨から全骨髄を洗い流すことによって生成した。赤血球を溶解させた後、細胞を50ng/mLのマウス組換えGM-CSFを補充した培地中で培養した。培地を2、4、6及び8日目に交換した。9日目に、培地を、組換えマウスGM-CSF及び大腸菌Olli由来のLPS(1ng/mL)を含むように置き換えて、DCの成熟を刺激した。成熟したDCを、それらの表面のCD3、CD19、NK1.1、CD11c、CD80、CD86、及びI-Abの発現についてフローサイトメトリーで評価した。
【0050】
タンパク質抗原における溶媒露出リジンのモデル化
抗原の3D構造を、RCSB PDB及びSwiss-Model Expasy(商標)フリーアクセスソフトウェアを使用してモデル化した。リジン残基を表す溶媒露出アミノ酸を同定し、それらの溶媒への露出の割合に従って強調した(青色:高;緑:中程度、黄:低)。
【0051】
癌細胞ライセートの調製
癌細胞ライセートを調製するために、培養したEL4細胞を、1500rpmで5分間遠心分離して収集し、続いてPBSで2回洗浄して微量のFBSを除去した。次いで、細胞を液体窒素/沸騰水中でそれぞれ5回凍結させ融解させた。大きな粒子を除去するために、G26ニードルを用いてライセートを細断し、70μmのセルストレーナーに通し、次いで0.45μmのフィルターで濾過した。次いで、得られたライセートを、ブラッドフォード試薬を用いて定量し、アリコートに分けて、使用するまで-80℃で保存した。
【0052】
ChAcNLS-抗原構築物の生成
ChAcNLSは、別途示されない限り、以前にBeaudoinら、2016に記載されているように合成した。OVA、OVA-DQ、又は癌細胞ライセートを、他の配合成分を含めて又は含めずに、しかしアミン(NH3)又はスルフヒドリル(SH)基は含めずに、滅菌PBS中、1~10mg/mLで可溶化した。様々なモル過剰比(5x、10x、25x、50x)を使用して、SM(PEG)4架橋リンカーを加えて1時間反応させた。遊離のSM(PEG)4架橋リンカーを、Centricon(商標)濾過及びSephadex(商標)カラムによって除去した。ChAcNLSを同じモル過剰比で添加し、1時間インキュベートして、抗原当たりで様々な量で結合したChAcNLS部分を得た。別途示されない限り、実施例で試験したcOVAコンジュゲートは、50Xモル過剰比を用いて生成した。遊離の未結合ChAcNLSをCentricon濾過及びSephadexカラムによって除去した。ChAcNLS-修飾抗原を滅菌PBS中で濃縮し、UV吸光度によって決定して最終濃度5~10mg/mLを得た。
【0053】
ChAcNLSの担持を評価するために、10μgのOVA又はChAcNLS-OVAコンジュゲートを還元条件下で12%ポリアクリルアミドゲル上で分離し、クマシーブリリアントブルーR-250(商標)(バイオ・ラッド、ミシサガ、オンタリオ州、カナダ)で染色した。青色色素の先端に対するゲル中の移動距離(Rf)を測定し、同一条件下で電気泳動したKaleidoscopeで事前染色した標準品(バイオ・ラッド)についての分子量対1/Rfの対数プロットを参照することによって推定して、OVAに導入されたChAcNLS部分の数を、低、中、及び高ChAcNLS担持に分類した。さらに、OVAに対するウェスタンブロット解析を行って、クマシーの結果を確認した。
【0054】
ChAcNLS-OVAの生化学的特徴付け
ChAcNLS-OVA修飾抗原を特徴付けるために、1)示差走査熱量測定又は動的光散乱、2)円二色性(CD)遠紫外及び近紫外スペクトルスキャン及びフーリエ変換赤外分光法(FTIR)、3)多角度レーザー光散乱を備えたサイズ排除クロマトグラフィー、4)固有トリプトファン蛍光(ITF)、5)ペプチドマッピング(LCMS/MSによる参照標準の特徴付け)、ならびに6)LC-MSによるインタクト及びサブユニット分子量を含む一連の試験を、チャールズリバー(ウィルミントン、マサチューセッツ州、米国)で実施した。
【0055】
胆汁酸-NLS部分の生成
胆汁酸-NLS部分は、別途示されない限り、以前にBeaudoinら、2016に記載されたコール酸-NLS(ChAcNLS)の合成と同様に合成した。例えば、CA-SV40 NLSでは、コール酸を、リンカーアミノ酸に隣接するSV40ラージT抗原(配列番号7)由来の核局在化シグナルを含む13merペプチド(CGYGPKKKRKVGG;配列番号1)のN端システイン残基の遊離アミノ基とコンジュゲート化した。
【0056】
固有トリプトファン蛍光(ITF)の評価
Applied Photophysics(レザーヘッド、サリー、英国)のChirascan(商標)Q100円偏光二色性(CD)分光計を固有トリプトファン蛍光(ITF)分析に使用し、VWRデジタルヒートブロック(ラドノール、ペンシルバニア州)をドライブロックの温度のインキュベーションに使用した。Chirscan Q100オートサンプラーラック冷却システムを全ての4℃のインキュベーションに使用した。データはMATLABソフトウェア(ネイティック、マサチューセッツ州)を使用して分析した。簡潔には、試料を-20℃の貯蔵庫から取り出して、室温に平衡化させた。次いで、試料を4~5mg/mLの範囲のストック濃度からPBS中0.8mg/mLに希釈した。次いで、希釈したサンプルを、熱ストレスに曝露せずに(ネイティブ)、又はドライブロックでのインキュベーションによる10分間の熱ストレスの後に、ITFについて分析した。各希釈試料のアリコートを4℃でインキュベートし、第2のアリコートを37℃でインキュベートし、第3のアリコートを80℃でインキュベートした。0.8mg/mLに希釈したBSAを、上記の各熱条件下で試料に含めた。インキュベーションの後、全ての試料を室温に再平衡化した。ITF分析は、280nmでの励起、200~600nmの発光スキャン範囲、1.0nmの帯域幅、1秒のポイント当たりの時間、及び0.5のステップで、8つのトリプリケートで行った。トリプリケートのスペクトルをブランクで減算し、平均し、MALTABソフトウェアを用いてmdeg単位から相対蛍光強度に変換した。希釈したBSA溶液を、サンプルの配列の前と後に対照としてアッセイした。
【0057】
DC2.4のトランスフェクション及び顕微鏡による損傷エンドソームの評価
このアッセイのために、15x103個のDC2.4細胞を、24ウェルプレート中の滅菌カバースライド上に播種した。eGFP-hGal3哺乳動物発現ベクターでDC2.4細胞をトランスフェクションした2日後に、0.1mg/mLのnOVA又はcOVAを細胞に添加し、次いで37℃で3時間インキュベートした。次いで、細胞を2回洗浄して過剰のタンパク質を除去した後、スライドに載せた。スライドを蛍光顕微鏡(ニコン、エクリプス(商標)Ti2-U)で観察し、結果をIMAGE J(商標)ソフトウェアを使用して解析した。
【0058】
フローサイトメトリーによる生成されたBMDCの表現型の評価
細胞表面マーカーの発現を評価するために、BMDCを、染色バッファー(2%FBSを含有するPBS)を用いて製造業者の説明に従って希釈した様々な抗体と共に、暗所において4℃で30分間インキュベートした。染色バッファーを用いて十分に洗浄した後、細胞を400μLの染色バッファーに再懸濁した。試料をCANTOII(商標)上のBD FACSDiva(商標)によって得て、次いでFlowJo(商標)v10を使用して解析した。
【0059】
抗原プロセシングのモニタリング
OVAのプロセシングを評価するために、細胞を10pg/mLのOVA-DQ(ChAcNLS修飾有り又は無し)と共に37℃でインキュベートした。30分後、細胞を洗浄し、通常の培地を加えた。指定のインキュベーション時間の終わりに、細胞を回収し、2%FBSを含有する冷PBSで洗浄した。フローサイトメトリーで細胞を分析して蛍光をモニターした。
【0060】
抗原提示アッセイ
抗原交差提示を評価するために、細胞を24ウェルプレート(Coming、マサチューセッツ、米国)に1ウェル当たり25×103個の細胞で播種し、その後、様々な濃度の抗原を3時間パルスした。パルス時間の終わりに、細胞を洗浄して過剰な抗原を除去し、製造業者のプロトコルに従ってT細胞単離キットを使用して、それぞれOT-II又はOT-Iマウスの脾臓から精製した106個/mLのCD4又はCD8 T細胞と共培養した。72時間後、上清を回収して、市販の酵素結合免疫吸着アッセイ(ELISA)によってサイトカインの産生を定量するために使用した。
【0061】
B3Zアッセイでは、5×104個のDCに最初に選択したタンパク質又はcOVA変異体を3時間パルスし、続いて洗浄した後、5×104個のB3Z細胞を加えた。細胞を17~19時間インキュベートした後、それらを溶解し、クロロフェノールレッド-β-D-ガラクトピラノシド(CPRG)溶液と共に37℃でさらに4~6時間インキュベートした。光学密度信号を、SynergyH1(商標)マイクロプレートリーダー(Biotek、ウィヌースキー、バーモント州、米国)を使用して検出した。
【0062】
ELISAによる抗体力価の定量化
Nunc MaxiSorp(商標)プレートを、4℃でコーティングバッファー中に希釈した1μgのOVAで一晩コーティングした。翌日、プレートを洗浄し、次いで3%スキムミルクで室温、1時間ブロッキングした。この工程に続いて、プレートを洗浄した後、希釈血清(2倍希釈液を調製した)を加えた。2時間のインキュベーション時間の後、プレートを洗浄して、1:1000の希釈でHRP結合抗マウスIgG二次抗体を加えた。2時間後にプレートを洗浄し、次いで室温でHRPと共に10~20分間インキュベートした。HRPをクエンチした後、シグナルを、Synergy(商標)H1マイクロプレートリーダー(Biotek、ウィヌースキー、バーモント州、米国)を使用して検出した。
【0063】
免疫化及び腫瘍のチャレンジ
予防的ワクチン接種では、雌のC57BL/6マウス(n=10/群)に、0日目及び14日目に、OVA/OVA-ChAcNLS(1μg/投与)、OVA製剤(0.1mg/mL)又は腫瘍ライセート(0.1mg/mL)でパルスした104個のBMDCを皮下(SC)注射した。2回目のワクチン接種の2週間後に、マウスに5×105個のEG.7又はEL4細胞を皮下(SC)移植し、腫瘍の増殖を経時的に評価した。抗原特異的なCD8 T細胞の活性化を評価するために、免疫したマウスから単離した脾細胞を最初にインビトロで1μg/mLのOVAで刺激し、次いで3日後に上清を回収して、Luminex(商標)によってサイトカイン/ケモカインの産生を評価した。
【0064】
治療的ワクチン接種では、雌のC57BL/6マウス(n=10/群)に、0日目に5×105個のEL4又はEG.7細胞を皮下注射した。5日後(触知可能な腫瘍~40~60mm3の出現)に、マウスに3×104個のOVA-/OVA-ChAcNLS又は腫瘍ライセート/ChAcNLS-ライセートをパルスしたBMDCを皮下注射した(2回注射;1週間間隔)。対照動物には、5×105個の腫瘍細胞のみを与えた。その後、処置動物の腫瘍の増殖を追跡した。免疫チェックポイント阻害剤(例えば、αPD-1)と組み合わせた治療的ワクチン接種では、マウスに、抗体又はそのアイソタイプを200pg/投与で2日ごとに2週間にわたって合計6回皮下注射した。同様のアプローチを、BALB/cマウスで同種異系投与のワクチン接種について行った。
【0065】
転換又は浸潤免疫細胞の分析
それらを切除した後、腫瘍塊を最初に秤量し、次いで、5%FBSを補充したDMEM中で混合した2mg/mLのコラゲナーゼD、2mg/mLのコラゲナーゼIV、及び100μg/mLのDNase IV型を含有する4~5mLのマスターミックス中で外科用ハサミを用いて小片に切断した。次いで、混合物を37℃の細胞培養インキュベーター中で撹拌した。30分間インキュベーションした後、10mLのDMEMを加えて酵素反応を中和した。消化した溶液を70μmの細胞ストレーナーを用いて濾過し、ストレーナーの上部に保持された全ての断片をプランジャーで粉砕し、続いて1~2のDMEMを加えてストレーナーを洗浄した。次いで、収集した細胞を1200rpm(4℃)で5分間遠心分離し、赤血球溶解バッファーで1分間処理し、次いで、5%FBSを補充した3~4mLのDMEM中に再懸濁した。細胞を洗浄した後、5%FBSを補充したDMEM中にペレットを再懸濁して、フローサイトメトリー分析のための細胞染色を始めた。
【0066】
B3Zレポーター系を用いた抗原提示アッセイ
様々な胆汁酸-NLS結合体を、B3Zレポーター系を用いてスクリーニングした。B3Z細胞株は、H2-Kb-SIINFEKL複合体に特異的なT細胞ハイブリドーマである。そのTCRを介して活性化されると、LacZレポーター遺伝子(NF ATプロモーターの制御下)が発現される。簡潔には、1.5×105個のBMDC又は単離されたB細胞を、オボアルブミン(OVA)-胆汁酸-NLSコンジュゲートで処理した5×104個のB3Z細胞と、37℃、5%CO2で一晩共培養した。翌日、全ての細胞をPBS(pH 7.4)で2回洗浄し、細胞ペレットを、0.15mMのクロロフェノールレッド-β-D-ガラクトピラノシド(CPGR)基質(Calbiochem、ラホヤ、カリフォルニア)、0.125%NP40(EMD Sciences、ラホヤ、カリフォルニア)、9mMのMgCl2(アルドリッチ、米国)及び100mMの2-メルカプトエタノールをPBS中に含有する100μLの溶解バッファーを加えて溶解させた。37℃で5時間又は24時間インキュベートした後、636nmを参照波長として570nmで吸光度を測定した。これらの実験では、胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲート(10Xモル比の胆汁酸-NLS部分対OVAで調製した)をPBS(pH7.3)中に0.1mg/mLで再懸濁し、OVA単独は5mg/mLで再懸濁した。
【0067】
統計解析
p-値は一元配置分散分析(ANOVA)を用いて計算した。結果は、S.D.エラーバーと共に平均として表され、統計的有意性は、アスタリスクで表される:*P<0.05、**P<0.01、***P<0.001。
【0068】
実施例2:ChAcNLS-抗原構築物の生化学的特徴付け
ステロイド酸-ペプチドのコンジュゲート、ChAcNLSを、実施例1に記載のように合成した。簡潔には、コール酸を13merペプチドのN端システイン残基の遊離アミノ基とコンジュゲート化した。ペプチド
【0069】
【表2】
は、リンカーアミノ酸に隣接するSV40ラージT抗原由来の核局在化シグナル(下線)を含んでいた。次いで、複数のChAcNLS部分を、プロトタイプのポリペプチド抗原OVA(配列番号2;
図IC)の溶媒露出リジン残基のイプシロン-アミノ基とコンジュゲート化した。ChAcNLS部分への所与の抗原の共有結合を表す概略図を
図1Aに示す。次いで、ChAcNLS-OVAを実施例1に記載したように生化学的に特徴付け、結合をクマシーブルー染色
図1B及びウェスタンブロット
図1Eによって確認した。生化学的特徴付けにより、25xの比でコンジュゲート化したChAcNLS-OVA(
図1B、ライン2)は、OVA当たり平均で約4個のコンジュゲート化されたChAcNLS部分を有し、約8.6kDaのMWの増加に対応することが明らかになった。50xの比でコンジュゲート化したChAcNLS-OVA(
図1B、ライン3)は、OVA当たり平均で約8個のコンジュゲート化されたChAcNLS部分を有し、約19.2kDaのMWに対応した。溶媒露出の高い(青色)、中程度の(緑色)又は低い(黄色)リジン残基であると予測されるリジン残基と共にOVAタンパク質のリボン構造を
図1Dに示す。
【0070】
さらに、ChAcNLS-OVA(cOVA)の全体的な安定性を評価するために、ITF分析を行なって、熱ストレス後のそのアンフォールディングを測定した。このアッセイでは、ポリペプチド残基が溶媒に曝露されて配向が変化する可能性があるため、ピークシフト又は強度の変化はアンフォールディングを示す(
図1F)。様々な比のcOVAをネイティブ又は熱的に変動する条件下でアッセイした場合、nOVAは80℃で完全に変性し、50XのcOVAではピーク強度の部分的な減少が観察された(
図1F)。他のcOVA試料についてはITFスペクトルの測定値の変化は観察されず、ChAcNLS部分とのコンジュゲート化が抗原の安定性を大幅に向上させたことが示唆された。
【0071】
次いで、SIINFEKL特異的B3Z細胞株を使用して抗原提示アッセイを行って、様々なOVAコンジュゲートを比較した。
図1Gに概略的に示すように、試験した様々なコンジュゲートには、コール酸-NLS部分(「ChAcNLS」);NLSペプチド無しでコール酸部分とコンジュゲート化されたOVA(「ChAc-OVA」);PEG4二官能性リンカーを介してコール酸-NLS部分とコンジュゲート化されたOVA(「ChAcNLS-PEG
4-OVA」又は「cOVA」);及びPEG
6二官能性リンカーを介してコール酸-NLS部分とコンジュゲート化されたOVA(「ChAcNLS-PEG
6-OVA」)が含まれる。
図1Hに示すように、NLSペプチドを含まずにコール酸部分単独とOVAとのコンジュゲート化「ChAc-OVA」)は、そのままのOVA(「nOVA」)単独と比較して、抗原提示を改善しなかった。驚くべきことに、PEG
4二官能性リンカーを介して50Xモル過剰のChAcNLS部分とコンジュゲート化したOVA(「cOVA(50X)」)は、SIINFEKL陽性対照ペプチド(「SIINFEKL」)と同じレベルの抗原提示を示した。興味深いことに、ChAcNLS部分のモル過剰を5X、10X及び25Xに減少させても(「cOVA(ChAcNLS-PEG
4-OVA)」)、同等のレベルの抗原提示が得られたが、この高められた抗原提示は2Xモル過剰のChAcNLS部分では失われた。SIINFEKL陽性対照と同等の抗原提示レベルはまた、PEG
6二官能性リンカーを介して2X~25Xモル過剰のChAcNLS部分とコンジュゲート化したOVA(「ChAcNLS-PEG
6-OVA」)についても観察された。最後に、はるかに長いPEG
24二官能性リンカーを介して5X及び10Xモル過剰のChAcNLS部分とコンジュゲート化したOVA(「ChAcNLS-PEG
24-OVA」)を使用すると、nOVAよりも高いがSIINFEKL陽性対照ペプチドのそれよりも低い抗原提示レベルが観察されたが、2X及び25Xモル過剰ではnOVAを超える抗原提示の増加が失われた(データは示さず)。
【0072】
実施例3:インビトロでのChAcNLS-OVAの交差提示
BMDCを生成するために、雌のC57BL/6又はBALB/cマウスの大腿骨及び脛骨を洗い流して、全有核細胞を収集した。次いで、細胞を組換えGM-CSF(10ng/mL)と共に8日間プレート培養し、2日毎に交換した。LPSを9日目に添加して、抗原をパルスする前にDCの成熟を誘発した。BMDCの成熟をフローサイトメトリーによって確認した。T細胞、B細胞又はNK細胞は9日目に検出されず、BMDCの80%超がCD11c+、CD80+、CD86+、及びI-Ab+を発現した。次いで、BMDCを、様々な濃度のもとのままのOVA(nOVA)又はChAcNLS-OVA(cOVA)のいずれかと共にインキュベートし、OT-IIトランスジェニックマウス由来のCD4+T細胞又はOT-Iトランスジェニックマウス由来のCD8+T細胞のいずれかを添加した。
【0073】
図2Aは、OVA応答性OT-I(CD8)及びOT-II(CD4)T細胞の活性化を評価するために使用されるOVAペプチド(例えば、SIINFEKL[CD8+T細胞のOT-Iペプチド;配列番号5]又はISQAVHAAHAEINEAGR[CD4+T細胞のOT-IIペプチド;配列番号6])の抗原交差提示の設定を示す概略図である。
【0074】
図2Bに、交差提示活性の尺度であるOT-I由来CD8 T細胞を使用して産生されたIFN-γの量を示す。驚くべきことに、BMDC及びcOVAとインキュベートしたCD8+T細胞は、もとのままの抗原(nOVA)とインキュベートした場合よりも有意に多くのIFN-γを産生した。
図2C及び2Dに、古典的MHCクラスII提示活性の尺度であるOT-II由来CD4T細胞を使用して産生されたIL-2及びIFN-γの量をそれぞれ示す。驚くべきことに、BMDC及びcOVAとインキュベートしたCD4+T細胞は、もとのままの抗原(nOVA)とインキュベートした場合よりも有意に多くのIFN-γを産生した。これらの観察に照らして、次に、捕捉されたOVAの細胞内プロセシングをモニターした。この目的のために、ChAcNLSをOVA-DQ上に架橋した後、エクスビボで生成した初代骨髄由来DCにパルスした。DCへのパルス後3時間で両方の抗原条件について差の増加を示すことができたが、ChAcNLS連結OVA-DQで処理したDCにおけるシグナル強度は、パルス後6時間でnOVAと比較して有意に高かった(
図2E及びF)。興味深いことに、3時間又は6時間のnOVAのパルスの間でシグナル強度の差を検出することはできず、シグナルの飽和を示唆している(
図2E)。それにもかかわらず、これらの観察は、OT-I(CD8)(
図2B)又はOT-II(CD4)T細胞(
図2C及びD)と共培養された初代DCを用いた抗原提示アッセイと相関している。
【0075】
cOVAがエンドソームからサイトゾルへの脱出を増強するかどうかを決定するために、ガレクチン-3(Gal3)発現系を損傷した内膜のマーカーとして使用した。より具体的には、Gal3は、細胞表面、ゴルジ装置上及びエンドサイトーシス区画のルーメン内に通常存在するβ-ガラクトシドコンジュゲートに対して高い親和性を示す。従って、正常な条件下で発現される場合、Gal3は細胞質全体に均一に分布する。逆に、エンドソーム膜の破壊を誘導すると、Gal3はルーメンの糖タンパク質に接近して結合することができる。従って、本発明者らは、DC2,4細胞株を、増強された緑色蛍光タンパク質との融合物としてGal3(EGFP-Gal3)を発現する構築物で一過的にトランスフェクトして、その分布パターンを評価した。予想通り、nOVAでEGFP-Gal3発現DC2,4細胞を処理した後は、GFPシグナルがサイトゾル全体に拡散的に分布した(
図2G-上パネル)。対照的に、cOVAでDC2.4をパルスするといくつかの斑点の出現が誘導され、損傷エンドソームへのシグナルの再局在化を明確に示している(
図2G-下パネル)。
【0076】
実施例4:インビボの抗癌活性
予防用ワクチンとしてのChAcNLS修飾OVAの有効性を決定するために、細胞ベースのワクチン又は単独型ワクチンのいずれかでcOVAをマウスにワクチン接種した。細胞ベースのワクチンでは、nOVA又はcOVAのいずれかをパルスしたBMDCをマウスに皮下注射した後、EG.7リンパ腫細胞を移植し、続いて再チャレンジした。免疫化のスキームを
図3Aに示す。
【0077】
驚くべきことに、cOVAをパルスしたBMDCをワクチン接種したマウスは、腫瘍の増殖を全く示さず、100%の生存率を示したが、対照(非ワクチン接種)及びnOVAをパルスしたBMDCをワクチン接種したマウスでは、腫瘍が大きく進行し、より死亡しやすくなった(
図3B及び3C)。さらに、cOVAをパルスしたBMDCをワクチン接種したマウスは、より高い抗体力価を発現した(
図3D)。加えて、CD4エフェクターT細胞(CD44hiCD62Llo)及びCD8セントラルT細胞(CD44hiCD62Lhi)及びエフェクターメモリーT細胞のレベルは、cOVA-DC群において実質的により高かった(
図3E及びF)。最後に、インビトロで再刺激したT細胞に由来するサイトカイン/ケモカインのLuminex(商標)分析は、nOVAを注射したマウスと比較して、cOVA群ではIFN-γのレベルが上昇したことを示している(
図3G)。単球/マクロファージ、NK細胞及び好中球の2つの強力な化学誘引物質であるマクロファージ炎症性タンパク質(MIP)-1β及びMIP-2、並びにB細胞の分化及び抗体の産生を助けることが知られている2つのサイトカインであるインターロイキン(IL)-6及びIL-10についても、同様のデータが観察された(
図3G)。まとめると、cOVAをパルスしたDCをワクチン接種した動物において観察された免疫応答の改善は、複数回のEG.7の再チャレンジに対するそれらの獲得された耐性及び持続的な生存の利益と一致する。
【0078】
同様の免疫スキームで、マウスにcOVA又はnOVA単独(パルスしたBMDCではない)のいずれかをワクチン接種した後に、EG.7リンパ腫細胞を移植した(
図4A)。
図4Bに示すように、cOVAをワクチン接種したマウスは、nOVAをワクチン接種したマウス又はワクチン接種していない対照マウスと比較して、腫瘍の進行がより小さく、生存率(
図4C)及び抗体応答(
図4D)が有意に増加した。2つのスクアレンベースの水中油型エマルジョンアジュバント、AddaS03(商標)又はAddaVax(商標)を使用したワクチン接種は両方とも免疫応答の効果を改善し、cOVAをワクチン接種したマウスにおいてAddaVaxは優れた効果を誘発した。
【0079】
実施例5:T細胞リンパ腫に対するインビボの治療的ワクチン接種
治療ワクチンとしての胆汁酸とコンジュゲート化したポリペプチド抗原の有効性を決定するために、マウスにまずEG.7リンパ腫細胞を移植し、次いで、免疫チェックポイント阻害剤/抗がん剤の抗PD-1抗体の存在下又は非存在下で、nOVA又はcOVAのいずれかをパルスしたBMDCで免疫した。免疫化のスキームを
図5Aに示す。
【0080】
cOVAをパルスしたBMDCで免疫したマウスは、抗PD-1抗体単独又はnOVAをパルスしたBMDCで免疫したマウスと比較して、有意に腫瘍が小さく(
図5B)また生存率が増加した(
図5C)。驚くべきことに、抗PD-1AbとcOVAをパルスしたBMDCとの併用療法で処置したマウスは、腫瘍体積の減少及び生存率の増加によって示されるように、マウスにおけるT細胞リンパ腫の処置において相乗効果を示した。この相乗効果は、マウスに免役したcOVAをパルスしたBMDCの数と直接相関した(
図5D及び5E)。
【0081】
最後に、ChAcNLSをEL4 T細胞リンパ腫のライセートに共有結合させて、抗原特異的な治療ワクチンの効果を決定した。EL4 T細胞リンパ腫細胞を移植したマウスを、抗PD-1抗体の存在下又は非存在下で、EL4ライセート単独又はChAcNLS-EL4ライセートのいずれかをパルスしたBMDCで免疫した(
図6A)。cOVAと同様に、ChAcNLS-EL4ライセートをパルスしたBMDCで免疫したマウスは、抗PD-1Ab単独で免疫したマウス、又は抗PD-1Abの存在とは無関係にEL4ライセートをパルスしたBMDCと比較して、有意に腫瘍が小さく、生存率が増加した(
図6B及び6C)。注目すべきことに、マウスにおける腫瘍の増殖が約36日でプラトーに達し、マウスが試験終了時(54日)に70%の生存率を示したことから、ChAcNLS-EL4ライセートでパルスしたBMDCと抗PD1Ab処置との組合せの相乗効果が見られた。これらの観察は、ChAcNLS-EL4ライセート(「cLysate」)をパルスしたDC/PD-1におけるCD8、NK及びCD11cの免疫エフェクター細胞の動員の増強(
図6E)を明らかにした腫瘍浸潤リンパ細胞(TIL)解析(
図6E)によってさらに裏付けられた。極めて対照的に、制御性CD4 T細胞(Tregs)のレベルは、同じ群において大きく減少し(
図6E)、cライセートをパルスしたDCとPD-1との組合せは、抑制系Tregの浸潤に対してCD8 T細胞に有利にバランスを傾けることによって、炎症に有利に働く(
図6F)という考えを支持している。全体として、これらの知見は、ChAcNLS-EL4ライセート構築物で処理した「既製の」同種異系DCが、強力な抗腫瘍応答を誘発するための汎用ワクチンとして効果的に利用できることを示している。
【0082】
実施例6:SARS-CoV-2に対するインビボでの治療的ワクチン接種
微生物感染、特にSARS-CoV-2などのウイルス感染に対する治療ワクチンとしての胆汁酸とコンジュゲート化されたポリペプチド抗原の有効性を決定するために、実施例1、2及び4に記載したcOVAワクチンの構築と同様に、SARS-CoV-2スパイクタンパク質に共有結合したChAcNLSから構成されるワクチンを構築した。
【0083】
図7A及び7Bに、ChAcNLS-Spike-CoV-2の構築のために使用したSARS-CoV-2スパイクタンパク、及びOVAと同様に、高い(青色)、中等度の(緑色)又は低い(黄色)溶媒露出のリジン残基であると予測されるリジン残基と共にSARS-CoV-2スパイクタンパク(武漢株D614G)のリボン構造の概略図を示す。よりよく示されたSARS-CoV-2スパイクタンパク質のアミノ酸配列(配列番号3;
図7B)では50%を超えるリジン残基が、ChAcNLSとのコンジュゲート化に利用可能であると予測される(黒色で強調)。
【0084】
マウスに、AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下で、全長の「もとのままの」Spike-CoV-2(非コンジュゲート化;nSpike-CoV-2;黒色バー)又はChAcNLS-Spike-CoV-2(「cSpike-CoV-2」;灰色のバー)をワクチン接種した(
図8A)。いずれかのアジュバントの存在下で、非コンジュゲート化nSpike-CoV-2と比較して、cSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスにおいて、Spikeタンパクに対するIgG力価の上昇が観察された。これらのIgG抗体は大部分がIgG1アイソタイプであったが、有意なレベルのIgG2a及びIgG2bが観察された(
図8B)。
【0085】
SARS-CoV-2スパイクタンパク質の様々なドメインの免疫原性を評価するために、S1-RBD又はS2部分を含有する非コンジュゲート化ワクチン又はコンジュゲート化ワクチンもまたマウスにワクチン接種した。AddaS03又はAddaVaxアジュバントの存在下で、CoV-2スパイクタンパク質のS1-RBD及びS2部分をワクチン接種したマウスの抗体力価は、
図8C及び8Dに示すように、有意に上昇した。
【0086】
ワクチン接種したマウス由来の抗スパイクIgG抗体が中和活性を有するかどうかを評価するために、Spike1-シュードタイプウイルス様粒子とHEK細胞を使用してインビトロの感染性中和アッセイを開発した。
図8Eに示すように、cSpike-CoV-2をワクチン接種したマウス由来の血清は、HEK細胞のウイルス感染をより効果的に阻害し、したがって、NT50力価で示されるように、nSpike-CoV-2と比較して、より強い中和活性を示した。
【0087】
ChAcNLSとコンジュゲート化されたスパイクタンパク質から構成されるワクチンは、強力な体液性応答の生成に有効であることが示された。同じワクチンが細胞性応答の生成に有効かどうかを決定するために、2つの異なるアジュバントの存在下でnSpike-CoV-2又はcSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスにおいて、インビトロでT細胞を再刺激した後にサイトカインプロファイリングを評価した、。結果を
図9A及び9Bに示す。cSpike-CoV-2をワクチン接種したマウスでは、nSpike-CoV-2のワクチン接種と比較して、いずれのアジュバントでも強いIFN-γ応答が観察され、これは、ウイルス感染の制御に必要な強く一貫したTh1応答を示している。
【0088】
SARS-CoV-2ワクチンの免疫原性をさらに評価するために、ウサギ及びハムスターに、異なるアジュバントの存在下で様々な用量のcSpike-CoV-2をワクチン接種した。
図10に、様々な時点及び用量でのウサギにおけるcSpike-CoV-2のワクチン接種デザインの概略図(
図10A)及びIgG力価(
図10B)を示す。
図11では、チャレンジモデルにおけるcSpike-CoV-2の治療効果の評価を示す。
図11に、ハムスターにおけるワクチンの効果の研究のための実験デザインの概略図(
図11A)、及びFDAに承認された(GMPグレード)MONTANIDE(商標)ISA720VGアジュバント又はAddaS03と混合したcSpike-CoV-2ワクチンに応答したIgG抗体力価(
図11B)を示す。ここで、Spike-CoV-2タンパク質に対して10X及び50Xの過剰なモル比のChAcNLSを用いてワクチンを試験した。3回目の投与の前に、ハムスターにSARS-CoV-2デルタ株を鼻腔内にチャレンジした。概して、全ての用量のワクチンは、ウサギ及びハムスターに十分に忍容されて強い体液性応答を生じた。
【0089】
最後に、cSpike-CoV-2によるワクチン接種が異なるSARS-CoV-2変異株の感染に対して防御的であるかどうかを評価するために、ワクチン接種したマウス由来の血清を、「野生型」武漢株に対してRBD(
図12A)に特異的突然変異を有するカリフォルニア、ブラジル、南アフリカ、イギリス、インド、及びデルタ株由来のスパイクタンパクに対する交差反応性について試験した。
図12B及び12Cに示すように、cSpike-CoV-2で免疫したマウス由来の血清は、試験したすべてのSARS-CoV-2変異株由来のスパイクタンパク質と有意に交差反応性であった。さらに、ワクチン接種したマウスの血清由来の抗体は防御的であり、インビトロの中和アッセイによって示されるように、イギリス、ブラジル、南アフリカ、デルタ、及びカリフォルニア型のSARS-CoV-2株に対して強い中和活性を示した(
図12D)。
【0090】
全体として、これらの知見は、ChAcNLS-CoV-2スパイクタンパク質構築物が、強力な抗ウイルス応答を誘発するための汎用ワクチンとして効果的に利用できることを示している。
【0091】
実施例7:様々なSARS-CoV-2変異株に対するインビボの治療的ワクチン接種
異なる変異株に由来するスパイクタンパク質を使用したSARS-CoV-2ワクチンが同じ構築を用いて有効であるかどうかを決定するために、cSpike-CoV-2-INワクチンを、インド変異株由来のスパイクタンパク質を使用して生成した。
【0092】
マウスに様々な用量のcSpike-CoV-2-INワクチン又は生理食塩水(対照)をワクチン接種したところ、血清及びBAFL中のIgG力価の上昇が様々な時点で観察された(
図13)。さらに、cSpike-CoV-2-INをワクチン接種したマウス由来のT細胞において様々なサイトカイン及びケモカインレベルを検出することによって、強い細胞性応答もまた観察された(
図14)。
【0093】
最後に、cSpike-CoV-2-INワクチンをワクチン接種したマウス由来の血清は、試験した全ての異なるSARS-CoV-2変異株由来のスパイクタンパク質と交差反応性であった(
図15)。
【0094】
全体として、これらの知見は、ChAcNLSを異なるSARS-CoV-2変異株由来のスパイクタンパク質に適合させて、広範で防御的かつ強力な抗ウイルス応答を誘発する効果的なワクチンを構築できることを示している。
【0095】
実施例8:様々な胆汁酸-NLSコンジュゲートとコンジュゲート化された抗原の増強された抗原提示
OVAとコンジュゲート化された様々な胆汁酸-NLSコンジュゲートを生成し、B3ZレポーターアッセイにおいてDC又はB細胞のOVA抗原提示を増強するそれらの能力について評価した。胆汁酸-NLS-OVAコンジュゲートは、
図16のSDS-PAGEに示されるように、OVAに対して10X又は50Xのモル過剰比の胆汁酸-NLSで生成したが、10Xのモル過剰比で生成されたコンジュゲートを用いた結果のみを、
図17(樹状細胞)及び
図18(B細胞)の抗原表示アッセイに示す。SDS-PAGEの結果から計算された相対移動距離(Rf)から(例えば、
図16)、10Xモル過剰の胆汁酸-NLS反応物では、OVA分子当たり約1~4個の胆汁酸-NLS部分がコンジュゲート化され、25Xモル過剰の胆汁酸-NLS反応物では、OVA分子当たり約5~9個の胆汁酸-NLS部分がコンジュゲート化され、50Xモル過剰の胆汁酸-NLS反応物では、OVA分子当たり約12~20個の胆汁酸-NLS部分がコンジュゲート化された。
【0096】
抗原提示細胞としての樹状細胞
図17に示すように、試験した様々な胆汁酸-NLSコンジュゲートの全てが、CA-SV40のそれ(すなわち、ChAcNLS;
図17に破線で示す)と同等以上のレベルでBMDCによるOVAの提示を増強した。驚くべきことに、
図17で試験した全ての胆汁酸-NLSコンジュゲートについて観察された抗原提示の増加は、OVAコンジュゲート(0.1mg/mL)と比較して50倍高い濃度のOVA抗原(5mg/mL)を使用したという事実にもかかわらず、「OVA単独」対照よりも優れていた。興味深いことに、CDCA-SV40、UDCA-SV40、GDCA-SV40、GDCA-NLS2-RPS17、及びLCA-NLS2-RPS17などのいくつかの胆汁酸-NLSコンジュゲートは、CA-SV40)(
図17)と比較して、OVAの提示を顕著に増強した。さらに、OVAをSV40ペプチド単独(胆汁酸なし)とコンジュゲート化し、0.1mg/mLというより同等の濃度で使用した陰性対照(
図17中の「SV40」)は「PBS」陰性対照と同様の結果を与えた。胆汁酸-NLSコンジュゲート「SV40-CA」は、主にコール酸基の配置においてコンジュゲート「CA-SV40」と異なる。すなわち、「SV40-CA」コンジュゲートにおいて、コール酸基は、SV40 NLSペプチドに付加されたC端リジン残基を介してSV40 NLSペプチドのC端にコンジュゲート化される。
図17に示すように、コンジュゲート「SV40-CA」及び「CA-SV40」の両方は同様のB3Z応答を生じ、このことは、ペプチド部分に対するコール酸基の配置が、胆汁酸-NLS部分の免疫刺激効果に影響を及ぼさないことを示唆している。
【0097】
抗原提示細胞としてのB細胞
図18に示すように、試験した様々な胆汁酸-NLSコンジュゲートの大部分は、50倍高い用量のOVA単独(5mg/mL)対照と比較して、又はCA-SV40(すなわち、ChAcNLS)と比較して、同等又は増強されたB細胞による抗原提示を生じた。興味深いことに、DCA-SV40、UDCA-SV40、LCA-SV40、GDCA-GWG-SV40、GDCA-PQBP1、DCA-hnRNP M、CA-NLS2-RPS17、GDCA-hnRNPA1 M9、CA-cMyc、GDCA-SV40、GUDCA-PQBP1、及びCDCA-NLS3-RPS17などのいくつかの胆汁酸-NLSコンジュゲートは、CA-SV40と比較してOVAの提示を顕著に増強した。
【0098】
全体として、これらの知見は、所与のポリペプチド抗原の(例えば、増強された抗原提示から生じる)免疫原性を改善するための種々の胆汁酸-NLSコンジュゲートの汎用性を裏付けるものであり、製造するサブユニットワクチンの最も高価な成分であり得るポリペプチド抗原の使用をより低い用量にできる潜在的な可能性がある。
【0099】
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