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特許7484053免許更新システム、ユーザ端末装置、免許更新方法、受講処理方法およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】免許更新システム、ユーザ端末装置、免許更新方法、受講処理方法およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/00 20240101AFI20240509BHJP
【FI】
G06Q50/00
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2022516793
(86)(22)【出願日】2020-04-24
(86)【国際出願番号】 JP2020017679
(87)【国際公開番号】W WO2021214975
(87)【国際公開日】2021-10-28
【審査請求日】2022-10-17
(73)【特許権者】
【識別番号】000004237
【氏名又は名称】日本電気株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100149548
【弁理士】
【氏名又は名称】松沼 泰史
(74)【代理人】
【識別番号】100181135
【弁理士】
【氏名又は名称】橋本 隆史
(72)【発明者】
【氏名】高橋 伸寿
(72)【発明者】
【氏名】吉田 昂右
(72)【発明者】
【氏名】伊原 伸浩
【審査官】加内 慎也
(56)【参考文献】
【文献】特開2004-318409(JP,A)
【文献】特開平06-180751(JP,A)
【文献】特開2019-149014(JP,A)
【文献】特開2002-041458(JP,A)
【文献】特開2009-258175(JP,A)
【文献】特開2016-215509(JP,A)
【文献】特開2009-151654(JP,A)
【文献】特開2002-157365(JP,A)
【文献】特開2009-180840(JP,A)
【文献】特開2019-217910(JP,A)
【文献】国際公開第2019/064743(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00-99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する顔画像取得手段と、
前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する顔画像判定手段と、
前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、前記免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う問題検出時処理手段と、
免許更新のための講習用画像を表示する表示手段と、
前記講習用画像の表示時に撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段による撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する受講処理手段と、
を備え
前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する、
免許更新システム。
【請求項2】
前記顔画像取得手段と、前記顔画像判定手段と、前記問題検出時処理手段と、を備える顔画像判定装置と、
前記免許証用顔画像を記憶している記憶手段と、前記表示手段と、前記撮影手段と、前記受講処理手段と、を備えるユーザ端末装置と、
を備える、請求項1に記載の免許更新システム。
【請求項3】
免許更新の通知はがきに、免許更新時の講習区分の情報を含む二次元バーコードが印刷されており、
前記免許更新の通知はがきから講習区分の情報を含む二次元バーコードを読み取るバーコード読取手段をさらに備え、
前記受講処理手段は、二次元バーコードから得られた講習区分の情報に基づいて講習動画を選択する、
請求項1または請求項2に記載の免許更新システム。
【請求項4】
免許証用顔画像を記憶している記憶手段と、
免許更新のための講習用画像を表示する表示手段と、
前記講習用画像の表示時に撮影を行う撮影手段と、
前記撮影手段による撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する受講処理手段と、
を備え、
前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する、
ユーザ端末装置。
【請求項5】
免許更新の通知はがきに、免許更新時の講習区分の情報を含む二次元バーコードが印刷されており、
前記免許更新の通知はがきから講習区分の情報を含む二次元バーコードを読み取るバーコード読取手段をさらに備え、
前記受講処理手段は、二次元バーコードから得られた講習区分の情報に基づいて講習動画を選択する、
請求項4に記載のユーザ端末装置。
【請求項6】
コンピュータが、
免許証用顔画像を取得し、
免許更新のための講習用画像を表示し、
前記講習用画像の表示時に撮影を行い、
撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、
免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録し、
前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除し、
比較用顔画像を取得し、
前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定し、
前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定した場合、前記免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う、
ことを含む免許更新方法。
【請求項7】
免許証用顔画像を記憶しているコンピュータが、
免許更新のための講習用画像を表示し、
前記講習用画像の表示時に撮影を行い、
撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、
免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録し、
前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する、
ことを含む受講処理方法。
【請求項8】
免許証用顔画像を記憶しているコンピュータに、
免許更新のための講習用画像を表示する工程と、
前記講習用画像の表示時に撮影を行う工程と、
撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定する工程と、
免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する工程と、
前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除す工程と、
を実行させるプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、免許更新システム、ユーザ端末装置、免許更新方法、受講処理方法およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
運転免許証の更新に関連して幾つかの技術が提案されている。
例えば、特許文献1には、運転免許証に使用するための顔画像の目が開いているか否かを判定する免許証更新システムが記載されている。この免許証更新システムは、更新前の運転免許証から読み出した顔画像データと、ファイリングサーバから抽出した前回更新時の顔画像とを照合し、顔画像データが一致しているか否かを判定することで、運転免許証が偽造されたものか否かを判断する。
【0003】
顔画像データが一致したと判定した場合、免許証更新システムは、運転免許証に使用するための顔画像を撮影する。免許証更新システムは、上記の照合一致した顔画像データを基準にして、撮影した顔画像の目が開いているか否かを判定する。特許文献1では、これにより、従来のシステムで常に目をつぶっていることを判断されて運転免許証の自動更新ができなかった人であっても、高い確率で運転免許証の自動更新が可能となる、とされている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】日本国特開2005-258769号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができれば、免許更新担当者の負担を軽減することができる。例えば、事前に撮影された免許証用写真が持ち込まれる場合、または、免許更新対象者が、免許更新のための講習を事前に受講した場合など、運転免許証の更新手続きの一部が事前に行われる場合、事前に行われた手続きについて本人確認を補助することができれば、免許更新担当者の負担を軽減することができる。
【0006】
本発明の目的の一例は、上述の課題を解決することのできる免許更新システム、ユーザ端末装置、免許更新方法、受講処理方法およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の第1の態様によれば、免許更新システムは、免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する顔画像取得手段と、前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する顔画像判定手段と、前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、前記免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う問題検出時処理手段と、免許更新のための講習用画像を表示する表示手段と、前記講習用画像の表示時に撮影を行う撮影手段と、前記撮影手段による撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する受講処理手段と、を備え、前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する。
【0008】
本発明の第2の態様によれば、ユーザ端末装置は、免許証用顔画像を記憶している記憶手段と、免許更新のための講習用画像を表示する表示手段と、前記講習用画像の表示時に撮影を行う撮影手段と、前記撮影手段による撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する受講処理手段と、を備え、前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する。
【0009】
本発明の第3の態様によれば、免許更新方法は、コンピュータが、免許証用顔画像を取得し、免許更新のための講習用画像を表示し、前記講習用画像の表示時に撮影を行い、撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録し、前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除し、比較用顔画像を取得し、前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定し、前記免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定した場合、前記免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う、ことを含む。
【0010】
本発明の第4の態様によれば、受講処理方法は、免許証用顔画像を記憶しているコンピュータが、免許更新のための講習用画像を表示し、前記講習用画像の表示時に撮影を行い、撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定し、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録し、前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除する、ことを含む。
【0011】
本発明の第5の態様によれば、プログラムは、免許証用顔画像を記憶しているコンピュータに、免許更新のための講習用画像を表示する工程と、前記講習用画像の表示時に撮影を行う工程と、撮影画像に写っている受講者と、免許証用顔画像の人物とが同一の人物か否かを判定する工程と、免許更新対象者本人の受講により講習が終了したと判定した場合、受講記録を記録する工程と、前記免許証用顔画像の入れ替えが行われた場合、それまでに記録されている講習の受講記録を削除す工程と、を実行させるプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
上記した免許更新システム、ユーザ端末装置、免許更新方法、受講処理方法およびプログラムによれば、運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】実施形態に係る免許更新システムの装置構成を示す概略構成図である。
図2】実施形態に係るユーザ端末装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図3】実施形態に係る設置端末装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図4】実施形態に係るサーバ装置の機能構成の例を示す概略ブロック図である。
図5】実施形態に係るユーザ端末装置が行う事前登録の処理の例を示す図である。
図6】実施形態に係るユーザ端末装置が行う更新情報登録の処理の例を示す図である。
図7】実施形態に係る免許更新システムが行う免許更新処理の例を示す図である。
図8】実施形態に係るユーザ端末装置が講習の受講環境を提供し免許更新対象者による講習の受講の有無を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図9】実施形態に係る設置端末装置が、免許証用顔画像の妥当性を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図10】実施形態に係る顔画像判定装置の第一の構成例を示す図である。
図11】実施形態に係る顔画像判定装置の第二の構成例を示す図である。
図12】実施形態に係る免許更新システムの構成例を示す図である。
図13】実施形態に係る画像判定方法における処理手順の例を示す図である。
図14】少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態を説明するが、以下の実施形態は請求の範囲にかかる発明を限定するものではない。また、実施形態の中で説明されている特徴の組み合わせの全てが発明の解決手段に必須であるとは限らない。
図1は、実施形態に係る免許更新システムの装置構成を示す概略構成図である。図1に示す構成で、免許更新システム1は、設置端末装置12と、運転免許証作成装置13と、サーバ装置14とを備える。
また、ユーザ端末装置11は、設置端末装置12と通信を行う。ユーザ端末装置11が、免許更新システム1に含まれていてもよいし、免許更新システム1の外部の構成となっていてもよい。
【0015】
免許更新システム1は、運転免許証の更新処理を行い、更新後の運転免許証を発行する。運転免許証を単に免許証とも称する。
ユーザ端末装置11は、運転免許証の新規作成者または更新対象者が有する端末装置である。運転免許証の更新対象者を、免許更新対象者とも称する。なお、以下では、運転免許証の更新処理の場合を例に説明するが、免許更新対象者だけでなく運転免許の新規取得者にも、免許証発行のために必要な情報の事前登録を適用可能である。
【0016】
ユーザ端末装置11の機能は、例えば、免許更新対象者が所持するスマートフォン(Smartphone)またはタブレット端末装置(Tablet Personal Computer)などの携帯可能なコンピュータに、専用のアプリ(アプリケーションプログラム)をインストールすることで実行される。
免許更新対象者は、ユーザ端末装置11を用いて予め(運転免許センターへ行く前に)免許更新のために必要な情報を登録しておく。これにより、運転免許センターで行う手続きが少なくなり、待ち時間が短くて済む。
【0017】
特に、ユーザ端末装置11は、免許更新のための講習を事前受講する環境を免許更新対象者に提供する。例えば、ユーザ端末装置11は、免許更新対象者の講習区分に応じた講習動画を再生するなど講習用画像を表示し、問題出題時には答案の入力を受け付けるようにしてもよい。免許更新のための講習を免許更新講習、あるいは単に講習とも称する。
【0018】
また、ユーザ端末装置11は、受講者を撮影し、免許更新対象者本人が講習を受講しているか否かを判定する。免許更新対象者本人が受講していないと判定した場合、ユーザ端末装置11は、例えば、講習動画の再生を中止して免許更新対象者本人の受講を促すメッセージを表示する。一方、免許更新対象者本人が受講を完了していると判定した場合、ユーザ端末装置11は、受講完了を記録する。受講完了の記録の有無は、免許更新手続き時に免許センターでの講習の受講の要否を判定するために用いられる。
【0019】
免許更新対象者は、免許更新のために必要な情報の全てをユーザ端末装置11に登録しておく必要は無い。免許更新対象者は、免許更新のために必要な情報のうち、ユーザ端末装置11に登録している情報以外の情報については、運転免許センターで手続を行うことができる。例えば、視力検査については運転免許センターで行うというように、ユーザ端末装置11に情報を登録する項目と、運転免許センターで手続を行う項目とを選択することができる。
【0020】
設置端末装置12は、運転免許センターに設置される。設置端末装置12は、ユーザ端末装置11に登録された、免許更新のために必要な情報を取得する。ここでいう免許更新のために必要な情報は、免許更新に用いられる情報であり、免許証に記載または記録される情報と、免許を更新してよいか(更新後の免許証を交付してよいか)否かを判定するための情報とを含む。
【0021】
免許証に記載または記録される情報の例として、免許更新対象者の氏名、生年月日、住所、本籍、顔画像、免許の条件等、免許の種類、免許の有効期限、および、免許証番号が挙げられる。免許を更新してよいか否かを判定するための情報として、質問書への回答、視力検査結果等の適性検査結果、支払情報、講習区分および講習受講記録が挙げられる。ここでいう質問書は、特定の病気の有無や薬物使用の有無など、免許更新時に必要な質問を示すものである。適性検査結果は、視力検査の結果の他に、聴力検査の結果、または、歩行の可否判断の結果等も含んでいてもよい。ここでいう支払情報は、免許更新費用(事務手数料および講習手数料)の支払の有無および内容、あるいは、支払の予約の有無および内容を示す情報である。ここでいう支払の内容は、支払金額、支払方法、支払先等の情報である。
免許更新のための情報を、免許更新用情報とも称する。
【0022】
設置端末装置12は、ユーザ端末装置11から取得した免許更新用情報について不足項目の有無および内容の妥当性を判定する。免許更新用情報の内容が妥当でないとは、例えば、指定された講習区分の講習を受講していないなど、免許を更新するための条件として規定されている条件を満たしていないことである。
【0023】
特に、設置端末装置12は、免許更新対象者が事前に撮影した顔画像を更新後の免許証に用いる顔画像(顔写真)用に持ち込んだ場合に、持ち込まれた顔画像が免許更新対象者本人の顔画像か否かを判定する。
設置端末装置12が、持ち込まれた顔画像の人物と、更新前の免許証に用いられている顔画像の人物とが同一人物か否かを判定するようにしてもよい。
【0024】
その場合、設置端末装置12が、サーバ装置14にアクセスして、更新前の免許証に用いられている顔画像(前回の免許更新時にサーバ装置14に登録された顔画像)を取得するようにしてもよい。あるいは、設置端末装置12がICリーダを備え、更新前の免許証のICチップから顔画像を読み出すようにしてもよい。あるいは、設置端末装置12がカメラを備え、更新前の免許証の顔写真を撮影するようにしてもよい。
【0025】
また、設置端末装置12が、免許更新手続時に運転免許センターで撮影された顔画像を取得し、持ち込まれた顔画像の人物と、免許更新手続時に撮影された顔画像の人物とが同一人物か否かを判定するようにしてもよい。
その場合、設置端末装置12がカメラを備え、免許更新手続きを行う者(更新後の免許証に用いる顔画像を持ち込んだ者)を撮影することで、免許更新手続時に運転免許センターで撮影された顔画像を取得するようにしてもよい。
【0026】
更新後の免許証に用いるための顔画像を免許証用顔画像とも称する。免許更新対象者が、ユーザ端末装置11のカメラを用いて免許証用顔画像を撮影するようにしてもよい。あるいは、免許更新対象者が、街中の写真撮影機(照明写真機)で免許証用顔画像を撮影してユーザ端末装置11にダウンロードするようにしてもよい。
【0027】
不足項目または内容が妥当でない項目があると判定した場合、設置端末装置12は、免許更新対象者を運転免許センターの該当窓口へ誘導する。あるいは、免許更新担当者(運転免許センターの職員)が、設置端末装置12を参照して、免許更新対象者を該当窓口へ誘導するようにしてもよい。例えば、設置端末装置12が、免許更新対象者を該当窓口へ案内するように促すガイドを出力し、ガイドを見た免許更新担当者が、ガイドに従って免許更新対象者を該当窓口へ誘導するようにしてもよい。
【0028】
該当窓口での手続きによって、免許更新用情報が更新される。
免許更新用情報に、不足項目または内容が妥当でない項目が無いと判定した場合、設置端末装置12は、運転免許証作成装置13に免許更新用情報(特に、免許証に記載または記録される情報)を送信して、免許更新後の免許証を作成するよう指示する。
設置端末装置12は、顔画像判定装置の例に該当する。
【0029】
運転免許証作成装置13は、設置端末装置12がサーバ装置14を経由して行う指示に従って、免許更新対象者の更新後の免許証を作成する。
サーバ装置14は、免許更新時の免許更新対象者の情報を記憶する。例えば、サーバ装置14が、免許証に記載または記録される情報を記憶するようにしてもよい。サーバ装置14が記憶する情報は、免許更新対象者に免許更新の案内を送付するために用いられる。また、サーバ装置14が記憶する情報は、免許更新時に、免許更新対象者がユーザ端末装置11に登録した情報の妥当性を判定するために用いられる。
【0030】
ただし、免許更新システム1が、ユーザ端末装置11を用いない構成になっていてもよい。
例えば上記のように、免許更新対象者が事前に撮影した顔画像を更新後の免許証に用いる顔画像用に持ち込む場合について考える。
この場合、例えば、免許更新対象者から免許更新担当者への顔写真の受け渡しをハードコピー(紙媒体)の受け渡しで行うことにより、ユーザ端末装置11を不要とすることができる。設置端末装置12は、顔写真をスキャンまたは撮影して得られる顔画像データを取得して、顔認証あるいは年齢推定など、人物の同一性判定のための処理を行うことができる。
【0031】
あるいは、免許更新対象者から免許更新担当者への顔写真の受け渡しを、例えばCD-ROM(Compact Disk Read Only Memory)またはメモリカード(Memory Card)等の記録媒体を用いた顔画像データの受け渡しによって行うようにしてもよい。これによっても、ユーザ端末装置11を不要とすることができる。
【0032】
図2は、ユーザ端末装置11の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図2に示す構成で、ユーザ端末装置11は、第一通信部110と、第一表示部120と、第一操作入力部130と、第一撮影部140と、第一記憶部180と、第一制御部190とを備える。第一制御部190は、バーコード読取部191と、インストール処理部192と、情報登録処理部193と、受講処理部194とを備える。
【0033】
第一通信部110は、他の装置と通信を行う。特に、第一通信部110は、免許更新対象者が免許更新のために運転免許センターへ行ったときに、免許更新対象者がユーザ端末装置11に登録した免許更新用情報を、設置端末装置12へ送信する。また、第一通信部110は、アプリケーションプログラムのインストール時に、アプリケーションプログラムを提供するサーバ装置にアクセスしてアプリケーションプログラムを取得する。
【0034】
第一表示部120は、例えば液晶パネルまたはLED(Light Emitting Diode、発光ダイオード)パネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。特に、第一表示部120は、免許更新対象者が免許更新用情報を登録するための登録画面を表示する。
また、第一表示部120は、第一制御部190の制御に従って、免許更新のための講習用画像を表示する。例えば、第一表示部120は、第一制御部190が再生する免許更新のための講習動画を表示する。
第一表示部120は、表示手段の例に該当する。
【0035】
第一操作入力部130は、例えば第一表示部120の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサおよび押ボタン等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付ける。特に、第一操作入力部130は、免許更新用情報の入力操作を受け付ける。
また、第一操作入力部130は、第一表示部120が講習用画像を表示する講習で質問が出題された場合、質問に対する答案を入力するユーザ操作を受け付ける。
【0036】
第一撮影部140は、カメラを含んで構成され、撮影を行って画像データを出力する。
特に、第一撮影部140は、第一表示部120が講習用画像を表示しているときに、ユーザ端末装置11の筐体のうち第一表示部120の表示画面の側に設けられたカメラで撮影を行うことで、講習の受講者を撮影する。
第一撮影部140は、撮影手段の例に該当する。
【0037】
第一記憶部180は、各種情報を記憶する。特に第一記憶部180は、免許更新対象者が登録する、免許更新用情報を記憶する。第一記憶部180は、ユーザ端末装置11が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第一制御部190は、ユーザ端末装置11の各部を制御して各種処理を実行する。第一制御部190の機能は、ユーザ端末装置11が備えるCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)が、第一記憶部180からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0038】
バーコード読取部191は、二次元バーコード等のバーコードを読み取る。
免許更新対象者への免許更新の通知はがきに、免許更新のためのアプリケーションプログラム取得のためのアクセス先を二次元バーコードで印刷しておくようにしてもよい。免許更新対象者は、この二次元バーコードをバーコード読取部191に読み取らせて免許更新のためのアプリケーションプログラムを取得し、ユーザ端末装置11にインストールすることができる。
【0039】
また、免許更新対象者への免許更新の通知はがきに、前回の免許更新時の免許更新対象者の住所、氏名、今回の免許更新時の講習区分等の情報を、二次元バーコードで印刷しておくようにしてもよい。免許更新対象者は、この二次元バーコードをバーコード読取部191に読み取らせることで、情報をユーザ端末装置11に登録することができ、訂正が必要な情報を訂正することができる。
免許更新のためのアプリケーションプログラム取得のためのアクセス先を示す二次元バーコードと、前回の免許更新時の免許更新対象者の住所、氏名、今回の免許更新時の講習区分等の情報を示す二次元バーコードとは、1つのバーコードに纏められていてもよいし、別々のバーコードとして印刷されていてもよい。
【0040】
インストール処理部192は、アプリケーションプログラムをインストールする。特に、インストール処理部192は、ユーザ端末装置11が免許更新のためのアプリケーションプログラムを取得すると、ユーザ操作に従って、そのアプリケーションプログラムをインストールする。
情報登録処理部193は、免許更新対象者がユーザ端末装置11に入力する、免許更新用情報を受け付け、入力された情報を第一記憶部180に記憶させる。
【0041】
受講処理部194は、受講者(免許更新対象者)の講習区分に応じた講習用画像を選択し、第一表示部120に表示させる。
受講処理部194が、免許更新対象者の講習区分の情報を取得して、講習区分に応じた講習動画を自動的に選択するようにしてもよい。例えば上記のように、バーコード読取部191が、免許更新の通知はがきから講習区分の情報を含む二次元バーコードを読み取るようにしてもよい。そして、受講処理部194が、二次元バーコードから得られた講習区分の情報に基づいて講習動画を選択するようにしてもよい。
【0042】
あるいは、第一操作入力部130が、講習動画を選択するユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。この場合、設置端末装置12またはユーザ端末装置11が、ユーザが選択した講習動画の講習区分が適切であったか否かを事後的に判定し、適切でなかったと判定した場合は、受講を無効にするようにしてもよい。
【0043】
そして、受講処理部194は、第一撮影部140による撮影画像に基づいて、免許更新対象者の講習受講状況を判定する。上記のように、第一撮影部140は、第一表示部120が講習用画像を表示しているときに、ユーザ端末装置11の筐体のうち第一表示部120の表示画面の側に設けられたカメラで撮影を行うことで、講習の受講者を撮影する。受講処理部194は、第一撮影部140による撮影画像に人の顔が写っているか否か、写っている場合は、その人が免許更新対象者か否かを判定する。
【0044】
ユーザ端末装置11に免許証用顔画像が登録されている場合、すなわち、第一記憶部180が免許証用顔画像を記憶している場合、受講処理部194が、第一撮影部140が撮影する顔画像の人物(受講者)と免許証用顔画像の人物とが同一人物か否かを判定するようにしてもよい。その後、免許更新手続時に、設置端末装置12の顔画像判定部293a(図3)が、免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像であると判定した場合、免許更新対象者本人が講習を受講したと判定することができる。
【0045】
ただし、ユーザ端末装置11に登録されている免許証用顔画像が、講習受講後に他人の顔画像と入れ替えられた場合、実際には免許証用顔画像の人物と受講者とは異なる人物であるにもかかわらず、同一人物と誤判定される可能性がある。
そこで、ユーザ端末装置11が、免許証用顔画像の入れ替えを行う場合には、それまでに記録されている講習の受講記録を削除するようにしてもよい。
【0046】
あるいは、受講処理部194が、第一撮影部140が撮影する顔画像の人物(受講者)と更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物か否かを判定するようにしてもよい。
この場合、例えば、第一撮影部140が更新前の免許証の顔写真を撮影することで、ユーザ端末装置11が、更新前の免許証に用いられている顔画像を取得するようにしてもよい。あるいは、ユーザ端末装置11がICリーダを備え、更新前の免許証のICチップから顔画像を読み出すようにしてもよい。あるいは、ユーザ端末装置11が、サーバ装置14にアクセスして、更新前の免許証に用いられている顔画像を取得するようにしてもよい。
【0047】
また、受講処理部194は、免許更新対象者が講習を受講していないと判定した場合、第一表示部120による講習用画像の表示を中止させる。そして、受講処理部194は、免許更新対象者本人が受講するよう促すメッセージを第一表示部120に表示させる。
【0048】
あるいは、受講処理部194が、第一撮影部140が撮影する画像を免許更新用情報に含めて第一記憶部180に記憶させるようにしてもよい。そして、設置端末装置12の判定部293(図3)が、免許更新用情報から第一撮影部140の撮影画像を取得して、受講処理部194について上述した判定と同様に、講習の受講者が免許更新対象者本人か否かを判定するようにしてもよい。
受講処理部194は、受講処理手段の例に該当する。
【0049】
同一人物か否かの判定では、受講処理部194または(不図示の)照合部が、画像同士の照合(Comparison)を行うようにしてもよい。照合の結果、同一人物か否かが判定される。照合に成功した場合、受講処理部194は、照合された画像の人物が同一人物であると判定することで、免許更新対象者本人が講習を受講していると判定する。一方、照合に失敗した場合、受講処理部194は、照合された画像の人物が同一人物ではないと判定することで、免許更新対象者本人が講習を受講していないと判定する。
【0050】
図3は、設置端末装置12の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図3に示す構成で、設置端末装置12は、第二通信部210と、第二表示部220と、第二操作入力部230と、印刷部240と、第二撮影部250と、第二記憶部280と、第二制御部290とを備える。第二制御部290は、情報取得部291と、対象者特定部292と、判定部293と、情報通知部294と、問題検出時処理部295と、免許証作成指示部296とを備える。情報取得部291は、顔画像取得部291aを備える。判定部293は、顔画像判定部293aを備える。顔画像判定部293aは、第一判定部293bと、第二判定部293cと、第三判定部293dとを備える。問題検出時処理部295は、誘導部295aを備える。
【0051】
第二通信部210は、他の装置と通信を行う。特に、第二通信部210は、免許更新用情報をユーザ端末装置11から受信する。また、第二通信部210は、免許更新対象者の前回の免許更新時の情報を、サーバ装置14から受信する。また、第二通信部210は、免許更新対象者の今回の免許更新時の情報を、サーバ装置14へ送信する。
【0052】
第二通信部210とユーザ端末装置11との通信方式と、第二通信部210とサーバ装置14との通信方式とは異なっていてもよい。例えば、第二通信部210とユーザ端末装置11とが近距離無線通信の通信方式で通信を行うようにしてもよい。これにより、第二通信部210が、他のユーザの端末装置から誤って情報を取得する可能性を軽減することができる。
【0053】
第二表示部220は、例えば液晶パネルまたはLEDパネル等の表示画面を備え、各種画像を表示する。特に、第二表示部220は、ユーザ端末装置11から取得した免許更新用情報に対する判定結果を表示する。免許更新用情報に不足項目または内容が妥当でない項目があると設置端末装置12が判定した場合、第二表示部220は、免許更新対象者に対して、該当窓口(運転免許センター内の、該当する項目を扱う窓口)へ行くように誘導する案内メッセージを表示する。
【0054】
第二操作入力部230は、例えば第二表示部220の表示画面に設けられてタッチパネルを構成するタッチセンサ等の入力デバイスを備え、ユーザ操作を受け付ける。例えば、第二操作入力部230は、ユーザ端末装置11との通信開始を指示するユーザ操作を受け付ける。
印刷部240は、免許更新の申請書を印刷する。特に、印刷部240は、ユーザ端末装置11から得られた免許更新用情報の含まれる項目で、かつ、内容が妥当であると判定された項目の情報を申請書に記載して印刷する。免許更新対象者は、申請書で空欄の項目について該当窓口で手続を行い、更新後の免許証の交付を受けることができる。
【0055】
第二撮影部250は、カメラを含んで構成され、撮影を行って画像データを出力する。特に、第二撮影部250は、設置端末装置12を用いて免許更新手続を行う人の顔画像を撮影する。第二撮影部250が撮影する顔画像は、免許更新手続時に撮影された顔画像の例に該当する。
【0056】
第二記憶部280は、各種情報を記憶する。特に、第二記憶部280は、免許更新のために設置端末装置12がユーザ端末装置11およびサーバ装置14から取得する各種情報を記憶する。第二記憶部280は、設置端末装置12が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第二制御部290は、設置端末装置12の各部を制御して各種処理を実行する。第二制御部290の機能は、設置端末装置12が備えるCPUが、第二記憶部280からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0057】
情報取得部291は、免許更新用情報をユーザ端末装置11から取得する。具体的には、情報取得部291は、免許更新用情報のリクエストを、第二通信部210を介してユーザ端末装置11へ送信し、ユーザ端末装置11からのリプライから免許更新用情報を読み出す。
【0058】
また、情報取得部291は、免許更新対象者の前回免許更新時の情報をサーバ装置14から取得する。この情報は、ユーザ端末装置11から取得した免許更新用情報の妥当性を判定するために用いられる。
また、情報取得部291は、ユーザ端末装置11から得られた情報で不足項目または内容が妥当でないと判定された項目の情報を該当窓口から取得する。免許更新対象者は、免許更新用情報の必要な項目が全て満たされ、内容が妥当と判定されることを条件として、更新後の免許証の交付を受けることができる。
【0059】
顔画像取得部291aは、情報取得部291の機能のうち顔画像を取得する機能を実行する。
特に、顔画像取得部291aは、情報取得部291がユーザ端末装置11から取得する免許更新用情報の中から免許証用顔画像を抽出する。
【0060】
また、顔画像取得部291aは、情報取得部291がサーバ装置14から取得する免許更新対象者の前回免許更新時の情報の中から、更新前の免許証に用いられている顔画像を取得する。
また、顔画像取得部291aは、第二撮影部250が撮影する、免許更新手続時に撮影された顔画像を取得する。
【0061】
顔画像取得部291aが取得する、更新前の免許証に用いられている顔画像、および、免許更新手続時に撮影された顔画像は、何れも、免許証用顔画像と比較される比較用顔画像として用いられる。顔画像取得部291aが、更新前の免許証に用いられている顔画像、または、免許更新手続時に撮影された顔画像の何れか一方のみを取得するようにしてもよい。
顔画像取得部291aは、顔画像取得手段の例に該当する。
【0062】
対象者特定部292は、免許更新対象者を特定する。例えば、免許更新対象者が第二操作入力部230から免許更新対象者自らの免許番号、氏名および登録電話番号等の情報を入力し、対象者特定部292が、入力された情報を用いて免許更新対象者を特定するようにしてもよい。対象者特定部292が、免許更新対象者を特定することで、第二通信部210がユーザ端末装置11から受信する情報が免許更新対象者の情報か確認することができ、他者の情報を誤って取得することを防止できる。
【0063】
判定部293は、免許更新用情報について不足項目の有無および内容の妥当性を判定する。判定部293が、サーバ装置14から得られた免許更新対象者の前回免許更新時の情報を用いて、免許更新用情報について不足項目の有無および内容の妥当性を判定するようにしてもよい。
上述したように、免許更新対象者は、不足項目または内容が妥当でないと判定された項目について、該当窓口で手続を行うことができる。その場合、判定部293は、該当窓口からの情報(該当窓口での手続きの結果を示す情報)を用いて更新された免許更新用情報について、不足項目の有無および内容の妥当性を再度判定する。更新によって、免許更新用情報の必要な項目が全て満たされ、内容が妥当と判定されると、免許更新対象者は、更新後の免許証の交付を受けることができる。
【0064】
顔画像判定部293aは、免許証用顔画像に問題があるか判定する。ここでいう免許証用画像に問題があるとは、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として適切でないことである。一方、免許証用画像に問題がないとは、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として適切であることである。
【0065】
顔画像判定部293aは、免許証用顔画像に問題があるか否かの判定として、形式的な適切性の判定、および、被撮影者の適切性の判定を行う。
形式的な適切性の判定では、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が、データサイズ、画像の大きさ、顔の向き(正面)、目の開き、表情、背景、帽子またはサングラスの有無、背景色等の条件を満たすか否かを判定する。
【0066】
一方、被撮影者の適切性の判定では、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。
比較用顔画像として更新前の免許証に用いられている顔画像を用いる場合、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。これにより、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像であるか否かを判定できる。
【0067】
比較用顔画像として免許更新手続時に撮影された顔画像を用いる場合、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。これにより、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が免許更新手続を行っている人自身の顔画像であるか否かを判定できる。
【0068】
また、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像の被撮影者の年齢推定を行うようにしてもよい。そして、顔画像判定部293aは、得られた推定年齢に基づいて、免許証用顔画像に問題があるか判定するようにしてもよい。
例えば、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢と免許更新対象者の年齢とを比較し、差の大きさが所定の年齢以上であると判定した場合に、免許証用顔画像に問題があると判定するようにしてもよい。
【0069】
また、顔画像判定部293aが、更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者の推定年齢よりも、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢のほうが若いと判定した場合に、免許証用顔画像に問題があると判定するようにしてもよい。
このように、免許証用顔画像による推定年齢の比較対象も顔画像による推定年齢とすることで、免許更新対象者が実年齢よりも若く推定される傾向がある場合、あるいは実年齢よりも歳上に推定される傾向がある場合でも、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像に問題があるか否かの判定を比較的高精度に行えると期待される。
【0070】
また、顔画像判定部293aが、免許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者の推定年齢と、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢との差が所定の年数以上であると判定した場合に、免許証用顔画像に問題があると判定するようにしてもよい。
これによっても上記と同様、免許更新対象者が実年齢よりも若く推定される傾向がある場合、あるいは実年齢よりも歳上に推定される傾向がある場合でも、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像に問題があるか否かの判定を比較的高精度に行えると期待される。
【0071】
また、顔画像判定部293aが、複数の顔画像のうち運転免許証に使用可能な顔画像を判定するようにしてもよい。例えば、顔画像判定部293aが、被撮影者が向きを変えながら連続撮影された顔画像のうち、被撮影者が正面を向いている顔画像を選択し、他の条件も満たすか否かを判定するようにしてもよい。
顔画像判定部293aは画像判定手段の例に該当する。
【0072】
第一判定部293bは、上述した、免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する処理を行う。
第二判定部293cは、上述した、免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する処理を行う。
【0073】
第三判定部293dは、第一判定部293bの判定結果、または、第二判定部293cの少なくとも何れかが、同一人物の顔画像でないことを示す場合、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として問題があると判定する。
すなわち、第三判定部293dは、第一判定部293bが、免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像ではないと判定するか、あるいは、第二判定部293cが、免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像ではないと判定した場合、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として問題があると判定する。
第一判定部293bは、第一判定手段の例に該当する。第二判定部293cは、第二判定手段の例に該当する。第三判定部293dは、第三判定手段の例に該当する。
【0074】
比較用顔画像として、更新前の免許証に用いられている顔画像、および、免許更新手続時に撮影された顔画像の両方を用いるようにしてもよい。この場合、顔画像判定部293aが、更新前の免許証に用いられている顔画像、および、免許更新手続時に撮影された顔画像の両方が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像であるか否かを判定するようにしてもよい。
【0075】
具体的には、第一判定部293bが、更新前の免許証に用いられている顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像か否かを判定する。第二判定部293cは、免許更新手続時に撮影された顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像か否かを判定する。
【0076】
第三判定部293dは、更新前の免許証に用いられている顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像であり、かつ、免許更新手続時に撮影された顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像であると判定された場合に、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像であると判定する。
【0077】
一方、第三判定部293dは、更新前の免許証に用いられている顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像ではないと判定された場合、または、免許更新手続時に撮影された顔画像が、免許証用顔画像と同一人物の顔画像顔画像ではないと判定された場合の何れも、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像ではないと判定する。
【0078】
顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が形式的に適切であり(上記の条件を満たし)、かつ、被撮影者が適切である(免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像である)と判定した場合に、免許証用顔画像に問題なしと判定する。
一方、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が形式的に適切でない(上記の条件を満たさない)と判定した場合、および、被撮影者が適切でない(免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像でない)と判定した場合のいずれも、免許証用顔画像に問題ありと判定する。
【0079】
同一人物か否かの判定では、顔画像判定部293a、または、第一判定部293bおよび第二判定部293cの各々、あるいは、(不図示の)照合部が、画像同士の照合(Comparison)を行うようにしてもよい。照合の結果、同一人物か否かが判定される。
【0080】
免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像との照合に成功した場合、第一判定部293bは、照合された顔画像の人物が同一人物であると判定する。一方、免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像との照合に失敗した場合、第一判定部293bは、照合された顔画像の人物が同一人物ではないと判定する。
【0081】
免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像との照合に成功した場合、第二判定部293cは、照合された顔画像の人物が同一人物であると判定する。一方、免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像との照合に失敗した場合、第二判定部293cは、照合された顔画像の人物が同一人物ではないと判定する。
【0082】
第一判定部293bおよび第二判定部293cの何れも、照合された顔画像の人物が同一人物であると判定した場合、第三判定部293dは、免許証用顔画像が、免許更新対象者本人の顔画像であると判定する。顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が、免許更新対象者本人の顔画像であると判定され、かつ、他の条件も成立していると判定された場合に、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として適切であると判定する。
【0083】
一方、第一判定部293bまたは第二判定部293cの少なくとも何れか一方が、照合された顔画像の人物が同一人物ではないと判定した場合、第三判定部293dは、免許証用顔画像が、免許更新対象者本人の顔画像ではないと判定する。この場合、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が、更新後の免許証に用いられる顔画像として適切でないと判定する。
【0084】
情報通知部294は、今回の免許更新における免許更新対象者の情報をサーバ装置14に通知する。サーバ装置14がこの情報を記憶しておき、設置端末装置12が、次回の免許更新時にサーバ装置14から情報を受信して用いることができる。
【0085】
問題検出時処理部295は、判定部293が問題ありと判定した場合に、判定結果に応じて予め定められている問題検出時処理を行う。
例えば、顔画像判定部293aが免許証用顔画像に問題があると判定した場合、問題検出時処理部295が、免許更新担当者による前記免許証用顔画像の目視確認を促すようにしてもよい。例えば、顔画像判定部293aが、免許更新担当者の目視確認を促すメッセージを第一表示部120に表示させるようにしてもよい。
また、顔画像判定部293aが免許証用顔画像に問題があると判定した場合など、判定部293が問題ありと判定した場合に、問題検出時処理部295が、検出された問題の内容を提示する(例えば第一表示部120に表示させる)ようにしてもよい。
問題検出時処理部295は、問題検出時処理手段の例に該当する。
【0086】
誘導部295aは、判定部293が、免許更新用情報に不足項目または内容が妥当でない項目があると判定した場合、免許更新対象者を該当窓口へ誘導する。具体的には、誘導部295aは、上述した、免許更新対象者に対して該当窓口へ行くように誘導する案内メッセージを、第二表示部220に表示させる。
顔画像判定部293aが免許証用顔画像に問題があると判定した場合も、誘導部295aが、免許更新対象者を免許センターの免許証用顔画像撮影窓口へ誘導するようにしてもよい。
【0087】
免許証作成指示部296は、判定部293が、免許更新用情報に不足項目がなく、かつ、内容が妥当と判定した場合、運転免許証作成装置13に、免許更新用情報を送信して、免許更新対象者の更新後の免許証を作成させる。
例えば免許証作成指示部296は、ユーザ端末装置11の受講処理部194による免許更新対象者の講習受講状況の判定結果に基づいて、運転免許証作成装置13にその免許更新対象者の運転免許証を作成させる。
【0088】
具体的には、免許証作成指示部296は、免許更新対象者が事前に受講を完了しているか、あるいは、免許センターで受講を完了しており、かつ、講習受講以外の項目についても不足が無いと判定した場合、運転免許証作成装置13に、その免許更新対象者の更新後の運転免許証を作成させる。
免許証作成指示部296は、免許証作成指示手段の例に該当する。
【0089】
図4は、サーバ装置14の機能構成の例を示す概略ブロック図である。図4に示す構成で、サーバ装置14は、第三通信部310と、第三記憶部380と、第三制御部390とを備える。
第三通信部310は、他の装置と通信を行う。特に、第三通信部310は、免許更新時の免許更新対象者の情報を受信する。また、第三通信部310は、設置端末装置12からの要求に応じて、免許更新時の免許更新対象者の情報を設置端末装置12へ送信する。
【0090】
第三記憶部380は、各種情報を記憶する。特に、第三記憶部380は、設置端末装置12から送信される、免許更新時の免許更新対象者の情報を記憶する。第三記憶部380は、サーバ装置14が備える記憶デバイスを用いて構成される。
第三制御部390は、サーバ装置14の各種を制御して各種機能を実行する。特に、第三制御部390は、第三記憶部380に対するデータの書込および読出を行う。第三制御部390の機能は、サーバ装置14が備えるCPUが第三記憶部380からプログラムを読み出して実行することで実行される。
【0091】
次に、免許更新システム1の動作について説明する。
ユーザ端末装置11が予め(免許更新対象者が運転免許センターへ行く前に)事前登録、および、更新情報登録を行っておく。免許更新対象者が免許更新のために運転免許センターへ行くと、設置端末装置12が、ユーザ端末装置11およびサーバ装置14から情報を取得して、免許更新処理を行う。
【0092】
(事前登録)
図5は、ユーザ端末装置11が行う事前登録の処理の例を示す図である。
図5の処理で、ユーザ端末装置11のバーコード読取部191は、免許更新対象者に発送、通知される更新はがきに記載されている二次元バーコードを、ユーザ操作に従って第一撮影部140を制御して読み取る(ステップS111)。
【0093】
インストール処理部192は、二次元バーコードに示されるアドレスにアクセスして、免許更新用のアプリケーションプログラムをダウンロードし、ユーザ操作に従ってインストールする(ステップS112)。免許更新用のアプリケーションプログラムを専用アプリとも称する。
【0094】
また、更新はがきの二次元バーコードには、専用アプリ取得のためのアクセス先情報に加えて、免許更新対象者の氏名、住所、生年月日、免許種別、有効期限、次回更新時の講習区分など、運転免許証に記載されている情報、および更新に必要な情報が保持されている。この二次元バーコードに保持されている項目の情報を、事前登録情報とも称する。
情報登録処理部193は、二次元バーコードから読み取られた事前登録情報を、第一記憶部180に記憶させる(ステップS113)。
【0095】
専用アプリが起動されると、情報登録処理部193は、専用アプリの機能として、第一記憶部180が記憶している事前登録情報を第一表示部120に表示させる(ステップS114)。住所の変更など、事前登録情報を修正するユーザ操作が行われると、情報登録処理部193は、ユーザ操作に従って、事前登録情報を更新し、更新後の事前登録情報を第一記憶部180に記憶させる(ステップS115)。
事前登録情報の手入力に加えて、あるいは代えて、ユーザ端末装置11に、免許証の券面のOCR読み取りを行わせること、もしくは免許証のICチップから読み取り装置(ICリーダ)を使って登録情報を読み取らせることでも、事前登録情報を更新または修正できるようにしてもよい。
ステップS115の後、ユーザ端末装置11は、図5の処理を終了する。
【0096】
(更新情報登録)
図6は、ユーザ端末装置11が行う更新情報登録の処理の例を示す図である。例えば、ユーザ端末装置11の情報登録処理部193が、専用アプリの機能として、図6の処理を行う。
図6の処理で、情報登録処理部193は、免許更新事項情報の登録および更新を受け付ける(ステップS211)。ここでいう免許更新事項情報は、免許証を更新する際に変更すべき内容を示す情報である。例えば、免許更新対象者の最新の住所、苗字、電話番号、次回設定する予定のPINコード(ICチップの情報を参照するためのパスワード)が、免許更新事項情報の例に該当する。免許更新事項情報は、免許更新用情報のうちの一部の情報に該当する。
【0097】
また、情報登録処理部193は、特定の病気の有無や薬物使用の有無など、免許更新時に必要な質問を第一表示部120に表示させ、第一操作入力部130に入力される回答を第一記憶部180に記憶させる(ステップS212)。
また、情報登録処理部193は、免許証を更新する際に利用したい免許更新対象者の顔写真データの入力を受け付け、第一記憶部180に記憶させる(ステップS213)。
例えば免許更新対象者が証明写真機で顔写真を撮影し、証明写真機から通信または記憶デバイス等で、顔写真データをユーザ端末装置11へ出力するようにしてもよい。
【0098】
また、情報登録処理部193は、事務手数料、講習手数料の支払情報の事前登録を受け付ける(ステップS214)。例えば、情報登録処理部193が、ユーザ操作に従って、第一通信部110を介して支払いサイトに接続してキャッシュカードの情報を登録し、事前に入金予約を行うようにしてもよい。実際の支払いの決済は、免許証が交付されたタイミングで実行されるようにしてもよい。
【0099】
また、情報登録処理部193は、免許更新に必要な視力検査結果の情報の登録を受け付け、第一記憶部180に記憶させる(ステップS215)。
例えば、免許更新対象者が眼医者等で視力検査結果を受け、視力検査結果の診断書情報を登録するようにしてもよい。免許更新対象者が、診断書の日付、視力検査結果を第一操作入力部130から入力し、また、診断書の写真データを登録するようにしてもよい。
【0100】
また、情報登録処理部193は、免許更新に必要な講習の受講情報の登録を受け付け、第一記憶部180に記憶させる(ステップS216)。例えば、免許更新対象者が、所定の機関で事前に講習を受け、講習を受けたことを証明する受講証を取得して、その写真を登録するようにしてもよい。
【0101】
ステップS216の後、ユーザ端末装置11は、図6の処理を終了する。
なお、免許更新対象者は、図6の各ステップのうち希望するステップの処理の入力のみを行い、他のステップの処理については、免許更新時に免許更新センターで行うようにしてもよい。
【0102】
(免許更新処理)
図7は、免許更新システム1が行う免許更新処理の例を示す図である。ここでは、免許更新センターで免許更新を行う場合の例を説明するが、設置端末装置12が設置されていれば、運転免許試験場、警察署等、運転免許センター以外の場所で免許更新を行うようにしてもよい。
【0103】
図7の処理で、設置端末装置12は、免許更新対象者を特定する(ステップS311)。
例えば、免許更新対象者が設置端末装置12の表示画面を操作して、免許更新対象者の氏名および登録電話番号など、免許更新対象者を特定するための情報を入力する。設置端末装置12の対象者特定部292は、入力された情報を用いて免許更新対象者を特定する。
【0104】
次に、ユーザ端末装置11は、図5の処理および図6の処理で登録された各種情報を、設置端末装置12へ送信する(ステップS321)。ユーザ端末装置11から設置端末装置12へ送信される情報は、免許更新用情報の例に該当する。
例えば、免許更新対象者が設置端末装置12の表示画面を操作して、ユーザ端末装置11からの情報の取得を指示する。設置端末装置12の情報取得部291は、免許更新対象者の操作に従って、ユーザ端末装置11に情報の送信を要求し、ユーザ端末装置11が設置端末装置12へ情報を送信する。
【0105】
また、設置端末装置12の情報取得部291は、特定した免許更新対象者の前回免許更新時の情報をサーバ装置に要求する(ステップS331)。サーバ装置14は、設置端末装置12からの要求に応じて、免許更新対象者の前回免許更新時の情報を設置端末装置12へ送信する(ステップS341)。
設置端末装置12の判定部293は、サーバ装置14から得られた情報を用いて、ユーザ端末装置11から得られた情報(特に、図6の処理で得られた情報)について、不足項目の有無および内容の妥当性を判定する(ステップS351)。
【0106】
判定部293は、問題ないと判定した項目について情報を記載した申請書を作成し、印刷部240に印刷させる(ステップS352)。
また、情報通知部294は、判定部293が問題無いと判定した項目の情報(その項目の情報があり、内容が妥当であると判定した情報)を、第二通信部210を介してサーバ装置14に送信する(ステップS353)。情報通知部294がサーバ装置14に送信する情報に、運転免許証に用いられる予定の顔画像データが含まれていてもよい。
あるいは、情報通知部294が、ステップS353ではサーバ装置14への情報の送信を行わず、以下のステップS357で纏めて送信するようにしてもよい。
【0107】
誘導部295aは、不足項目または内容が妥当と判定されなかった項目について、該当窓口で手続を行うよう免許更新対象者を誘導する(ステップS354)。
情報取得部291は、該当窓口の端末情報からの、該当窓口での手続きの結果情報の登録を受け付け、免許更新用情報を更新する(ステップS355)。
【0108】
判定部293は、該当窓口での手続きの結果情報に基づいて更新後の、免許更新用情報について、不足項目の有無および内容の妥当性を判定する(ステップS356)。
また、情報通知部294は、更新によって問題無いと判定された項目の情報を、第二通信部210を介してサーバ装置14に送信する(ステップS357)。
【0109】
免許更新に必要なすべての項目について問題ない(情報があり、かつ妥当である)と判定された場合、免許証作成指示部296は、サーバ装置14を経由して運転免許証作成装置13へ、免許更新用情報を送信して免許証を作成するよう指示する(ステップS358)。
運転免許証作成装置13は、設置端末装置12からの指示に従って免許証を作成する(ステップS361)。
ステップS361の後、免許更新システム1は、図7の処理を終了する。
【0110】
図8は、ユーザ端末装置11が講習の受講環境を提供し免許更新対象者による講習の受講の有無を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図8の処理で、第一操作入力部130が、講習の受講を示すユーザ操作を受け付ける(ステップS411)。
【0111】
講習の受講を示すユーザ操作が行われると、受講処理部194は、受講者の講習区分に応じた講習動画を選択する(ステップS412)。
上述したように、受講処理部194が、受講者(免許更新対象者)の講習区分の情報を取得して、講習区分に応じた講習動画を自動的に選択するようにしてもよい。例えば上記のように、バーコード読取部191が、免許更新の通知はがきから講習区分の情報を含む二次元バーコードを読み取るようにしてもよい。そして、受講処理部194が、二次元バーコードから得られた講習区分の情報に基づいて講習動画を選択するようにしてもよい。
【0112】
あるいは、第一操作入力部130が、講習動画を選択するユーザ操作を受け付けるようにしてもよい。この場合、設置端末装置12またはユーザ端末装置11が、ユーザが選択した講習動画の講習区分が適切であったか否かを事後的に判定し、適切でなかったと判定した場合は、受講を無効にするようにしてもよい。
【0113】
そして、受講処理部194は、選択された講習動画の再生を開始する(ステップS413)。上記のように、第一表示部120は、再生される講習動画を表示する。講習動画に音声が含まれる場合、ユーザ端末装置11がスピーカを備えて音声を出力するようにしてもよい。
また、受講処理部194は、第一撮影部140を制御して受講者を撮影させる(ステップS414)。そして、受講処理部194は、第一撮影部140が撮影する画像に写っている人物を判定する処理を行い(ステップS415)、免許更新対象者本人が受講しているか否かを判定する(ステップS416)。
【0114】
免許更新対象者本人が受講していないと判定した場合(ステップS416:NO)、受講処理部194は、講習動画の再生を中止し、本人の受講を促すメッセージを第一表示部120に表示させる(ステップS441)。
ステップS441の後、ユーザ端末装置11は、図8の処理を終了する。
【0115】
一方、ステップS416で免許更新対象者本人が受講していると判定した場合(ステップS416:YES)、受講処理部194は、講習が終了したか否か(講習動画が終了したか否か)を判定する(ステップS421)。
講習が終了していないと判定した場合(ステップS421:NO)、処理がステップS413に戻る。
【0116】
一方、ステップS421で講習が終了したと判定した場合(ステップS421:YES)、受講処理部194は、受講終了の旨を免許更新用情報に記録する(ステップS431)。
ステップS431の後、ユーザ端末装置11は、図8の処理を終了する。
【0117】
あるいは、ステップS441の後、受講処理部194が処理をステップS414へ遷移させて、ステップS414からS441のループで免許更新対象者本人が受講するのを待ち受けるようにしてもよい。この場合、受講処理部194は、ステップS416で免許更新対象者本人が受講していると判定すると(ステップS416:YES)、ステップS441で中止した講習動画の再生を再開し、処理をステップS421へ進める。
【0118】
図9は、設置端末装置12が、免許証用顔画像の妥当性を判定する処理手順の例を示すフローチャートである。
図9の処理で、顔画像判定部293aは、顔画像の判定を行う(ステップS511)。例えば顔画像判定部293aは、上述したように、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かの判定を行う。また、顔画像判定部293aが、上述したように、免許証用顔画像の被撮影者の年齢推定、更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者の推定年齢、および、免許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者の推定年齢により、免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像か否かの判定を行うようにしてもよい。
【0119】
そして、ステップS511での判定結果に応じて処理が分岐する(ステップS512)。
免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像であると判定した場合(ステップS512:YES)、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が条件に適合しているか否かを判定する(ステップS521)。具体的には、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像が、データサイズ、画像の大きさ、顔の向き(正面)、表情、背景、帽子またはサングラスの有無等の条件を満たすか否かを判定する。
【0120】
免許証用顔画像が条件に適合していると判定した場合(ステップS521:YES)、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像について妥当とする判定結果を第二記憶部280に記憶させる(ステップS541)。これにより、免許更新対象者は、新たに免許証用顔画像の撮影を受ける必要なしに、更新後の免許証の交付を受けることができる。
ステップS541の後、設置端末装置12は図9の処理を終了する。
【0121】
一方、ステップS512で、免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像ではないと判定した場合(ステップS512:NO)、顔画像判定部293aは、第二表示部220を制御して不適合の理由(免許証用顔画像に検出された問題)を表示させる(ステップS531)。
【0122】
また、顔画像判定部293aは、免許更新担当者による目視確認に誘導するメッセージを第二表示部220に表示させる(ステップS532)。
第二操作入力部230が、免許更新担当者による免許証用顔画像の妥当性の判定結果の入力操作を受け付け、顔画像判定部293aは、免許更新担当者の判定結果に基づいて処理を分岐させる(ステップS533)。
【0123】
免許証用顔画像が妥当であると免許更新担当者が判定した場合(ステップS533:YES)、処理がステップS」541へ進む。
一方、免許証用顔画像が妥当でないと免許更新担当者が判定した場合(ステップS533:NO)、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像について妥当性未確認とする判定結果を第二記憶部280に記憶させる(ステップS551)。この判定結果に基づいて、誘導部295aが、免許更新対象者を免許センターの免許証用顔画像撮影窓口へ誘導する。
ステップS551の後、設置端末装置12は、図9の処理を終了する。
ステップS521で、免許証用顔画像が条件に適合していないと判定した場合も(ステップS521:NO)、処理がステップS531へ進む。
【0124】
以上のように、顔画像取得部291aは、免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する。顔画像判定部293aは、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。問題検出時処理部は、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、問題検出時処理を行う。問題検出時処理は、免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている処理である。
【0125】
このように、設置端末装置12によれば、免許証用顔画像の被撮影者と比較用顔画像の被撮影者とが同一人物か否かを判定することができる。設置端末装置12によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができる。例えば、設置端末装置12によれば、運転免許証の更新手続きの一部である免許証用顔画像の撮影が事前に行われる場合に、事前に行われた手続きについて本人確認を補助することができる。
【0126】
また、顔画像取得部291aは、更新前の免許証に用いられている顔画像を比較用顔画像として取得する。これにより、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像の被撮影者が、免許更新対象者本人(更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者)と同一人物か否かを判定することができる。
【0127】
また、顔画像取得部291aは、免許更新手続時に撮影された顔画像を比較用顔画像として取得する。これにより、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像の被撮影者が、免許証更新手続き者(許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者)と同一人物か否かを判定することができる。
【0128】
また、顔画像判定部293aは、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢に基づいて、免許証用顔画像に問題があるか判定する。
設置端末装置12によれば、免許証用顔画像の撮影時期の条件(例えば、過去6か月以内)に不適合な場合など、免許証用顔画像に問題がある場合を検出できると期待される。
【0129】
また、顔画像判定部293aが、更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者の推定年齢よりも、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢のほうが若いと判定した場合、問題検出時処理部295は、問題検出時処理を行う。
このように、免許証用顔画像による推定年齢の比較対象も顔画像による推定年齢とすることで、免許更新対象者が実年齢よりも若く推定される傾向がある場合、あるいは実年齢よりも歳上に推定される傾向がある場合でも、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像に問題があるか否かの判定を比較的高精度に行えると期待される。
【0130】
また、顔画像判定部293aが、免許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者の推定年齢と、免許証用顔画像の被撮影者の推定年齢との差が所定の年数以上であると判定した場合、問題検出時処理部295は、問題検出時処理を行う。
このように、免許証用顔画像による推定年齢の比較対象も顔画像による推定年齢とすることで、免許更新対象者が実年齢よりも若く推定される傾向がある場合、あるいは実年齢よりも歳上に推定される傾向がある場合でも、顔画像判定部293aが、免許証用顔画像に問題があるか否かの判定を比較的高精度に行えると期待される。
【0131】
また、問題検出時処理部295の誘導部295aは、問題検出時処理にて、免許更新対象者を免許センターの免許証用顔画像撮影窓口へ誘導する。
これにより、免許更新対象者は、更新後の運転免許証の交付を受けるために、免許証用顔画像撮影窓口で免許証用顔画像の撮影を受けることができる。
【0132】
また、問題検出時処理部295は、問題検出時処理にて、免許更新担当者による免許証用顔画像の目視確認を促す。
免許更新担当者による免許証用顔画像の目視確認が行われることで、設置端末装置12による免許証用顔画像の妥当性の判定のみによる場合よりも、免許証用顔画像の妥当性についてさらに適切な判定を受けられると期待される。
【0133】
また、問題検出時処理部295は、問題検出時処理にて、免許証用顔画像に検出された問題の内容を提示する。
免許更新対象者または免許更新担当者は、提示された内容を参照して、問題検出時処理部295判定が妥当か否かを判断する参考にすることができる。
また、免許更新対象者がユーザ端末装置11を用いて免許証用顔画像を撮り直せる場合は、提示された問題点を解消するように、免許証用顔画像を撮り直すことができる。
【0134】
また、顔画像取得部291aは、複数の顔画像を取得する。例えば、第二撮影部250が、被撮影者の顔が映った状態で動画像を撮影するなど、被撮影者の顔画像を所定のフレームレートに従って連続撮影するようにしてもよい。そして、顔画像取得部291aが、この連続撮影による被撮影者の顔画像を取得するようにしてもよい。顔画像判定部293aは、複数の顔画像のうち運転免許証に使用可能な顔画像を判定する。
設置端末装置12によれば、例えば、顔画像判定部293aが、被撮影者が向きを変えながら連続撮影された顔画像のうち、被撮影者が正面を向いている顔画像を選択するなど、より適切な画像を自動的に取得することができる。
【0135】
また、問題検出時処理部295は、免許証用顔画像の背景画像を修正する。
これにより、設置端末装置12では、背景画像が適切な免許証用顔画像を取得できる。
【0136】
また、顔画像判定部293aは、第一判定部293bと、第二判定部293cと、第三判定部293dとを備える。第一判定部293bは、免許証用顔画像と、更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。第二判定部293cは、免許証用顔画像と、免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。第三判定部293dは、第一判定部293bの判定結果および第二判定部293cの判定結果の両方が、同一人物の顔画像であるとの判定結果である場合、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像であると判定する。一方、第三判定部293dは、第一判定部293bの判定結果または第二判定部293cの判定結果の少なくとも何れか一方が、同一人物の顔画像ではないとの判定結果である場合、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像ではないと判定する。
【0137】
このように、設置端末装置12によれば、更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者、および、免許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者の何れも、免許証用顔画像の被撮影者と同一人物であるか否かを判定する。これにより、設置端末装置12によれば、更新前の免許証に用いられている顔画像、または、免許更新手続時に撮影された顔画像の何れか一方についてのみ判定を行う場合よりも高精度に、免許証用顔画像の被撮影者の適切性を判定することができる。
設置端末装置12によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができる。
【0138】
また、顔画像取得部291aは、免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する。顔画像判定部293aは、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。問題検出時処理部295は、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、問題検出時処理を行う。問題検出時処理は、免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている処理である。また、第一表示部120は、免許更新のための講習用画像を表示する。第一撮影部140は、講習用画像の表示時に撮影を行う。受講処理部194は、第一撮影部140による撮影画像に基づいて、免許更新対象者の講習受講状況を判定する。
これにより、ユーザ端末装置11では、免許更新対象者が講習を事前受講する場合に、免許更新対象者が実際に講習を受講しているか否か(講習用画像を見ているか否か)を判定することができる。
【0139】
また、受講処理部194は、免許更新対象者が講習を受講していないと判定した場合、第一表示部120による講習用画像の表示を中止させる。
これにより、免許更新対象者がユーザ端末装置11に講習用画像を表示させておきながら講習用画像を見ない(講習を受けない)といった不正を行うことを検出して対策を講じることができる。
【0140】
また、受講処理部194は、更新後の免許証に用いられるための顔画像である免許証用顔画像に基づいて、講習の受講者が免許更新対象者本人か判定する。
ユーザ端末装置11によれば、講習の受講者が免許証用顔画像の被撮影者と同一人物であるか否かを判定することができる。設置端末装置12の顔画像判定部293aが、免許証用顔画像の被撮影者と免許更新対象者とが同一人物であるか否かの判定を行うことで、講習の受講者が免許更新対象者とが同一人物であるかを判定することができる。
【0141】
また、受講処理部194は、更新前の免許証に用いられている顔画像に基づいて、講習の受講者が免許更新対象者本人か判定する。
ユーザ端末装置11によれば、講習の受講者が免許更新対象者(更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者)とが同一人物か否かを判定できる。
【0142】
また、運転免許証作成装置13は、更新後の運転免許証を作成する。免許証作成指示部296は、受講処理部194による免許更新対象者の講習受講状況の判定結果に基づいて、運転免許証作成装置13にその免許更新対象者の運転免許証を作成させる。
このように、免許更新システム1では、講習の受講完了を確認した後に、更新後の免許証を作成するようにできる。
【0143】
なお、免許更新システム1が対象とする免許証(運転免許証)は、モバイル運転免許証(Mobile Driver's License)であってもよい。モバイル運転免許証は、運転免許証が有する情報を電子化してスマートフォンまたはタブレット端末装置等に搭載して、本人確認に要する情報や運転免許に関する情報を表示可能にした、運転免許証の一様態である。モバイル運転免許証をモバイル免許証とも称する。
【0144】
例えば、スマートフォンやタブレット端末等にダウンロードされたアプリケーションを介して、端末の画面上に運転免許証の有する情報の一部または全てが表示されるように設計してもよい。
また、運転免許証作成装置13が、ユーザ端末装置11に運転免許証用の情報(運転免許証が有するべき情報)を電子的に出力し、ユーザ端末装置11をモバイル運転免許証として機能させるようにしてもよい。
【0145】
なお、免許更新システム1の構成、および、各装置の機能の分担は、特定のものに限定されない。
例えば、ユーザ端末装置11が、上述したユーザ端末装置11の機能に加えてさらに設置端末装置12、運転免許証作成装置13およびサーバ装置14の機能の一部または全部を備えるようにしてもよい。あるいは、設置端末装置12が、上述した設置端末装置12の機能に加えてさらにユーザ端末装置11、運転免許証作成装置13およびサーバ装置14の機能の一部または全部を備えるようにしてもよい。
【0146】
さらには、上述した免許証用顔画像(顔写真)の持ち込みに対して免許更新システム1を適用する場合のように、免許更新システム1が上述した機能の一部のみを備えるようにしてもよい。例えば、免許更新システム1が、上述した判定のうち一部の判定のみを行うようにしてもよい。
【0147】
設置端末装置12に代えて、あるいは設置端末装置12に加えて、ユーザ端末装置11が、免許証用顔画像、更新前の免許証に用いられている顔画像、および、免許更新手続時に撮影された顔画像を取得し、これらの顔画像が同一人物の顔画像か否かを判定するようにしてもよい。
上述したように、免許証用顔画像と更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定することで、免許証用顔画像が免許更新対象者本人の顔画像であるか否かを判定できる。また、免許証用顔画像と免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定することで、免許証用顔画像が免許更新手続を行っている人自身の顔画像であるか否かを判定できる。
【0148】
ユーザ端末装置11が、更新前の免許証に用いられている顔画像を取得する方法として、上述したように、第一撮影部140が更新前の免許証の顔写真を撮影するようにしてもよい。あるいは、ユーザ端末装置11がICリーダを備え、更新前の免許証のICチップから顔画像を読み出すようにしてもよい。あるいは、ユーザ端末装置11が、サーバ装置14にアクセスして、更新前の免許証に用いられている顔画像を取得するようにしてもよい。
【0149】
運転免許証作成装置13の設置場所は、作成する更新後の運転免許証を更新対象者に交付可能な場所であればよく、特定の場所に限定されない。例えば、運転免許証作成装置13が、運転免許センターのうち、更新後の運転免許証の交付の可否を判断する担当者の居室に設置されていてもよい。あるいは、運転免許証作成装置13が、運転免許センターの免許交付窓口に設置されていてもよい。
【0150】
図10は、実施形態に係る顔画像判定装置の第一の構成例を示す図である。
図10に示す構成で、顔画像判定装置610は、顔画像取得部611と、顔画像判定部612と、問題検出時処理部613と、を備える。
かかる構成で、顔画像取得部611は、免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する。顔画像判定部612は、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。問題検出時処理部613は、免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う。
【0151】
このように、顔画像判定装置610によれば、免許証用顔画像の被撮影者と比較用顔画像の被撮影者とが同一人物か否かを判定することができる。顔画像判定装置610によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができる。例えば、顔画像判定装置610によれば、運転免許証の更新手続きの一部である免許証用顔画像の撮影が事前に行われる場合に、事前に行われた手続きについて本人確認を補助することができる。
顔画像取得部611は、顔画像取得手段の例に該当する。顔画像判定部612は、顔画像判定手段の例に該当する。問題検出時処理部613は、問題検出時処理手段の例に該当する。
【0152】
図11は、実施形態に係る顔画像判定装置の第二の構成例を示す図である。
図11に示す構成で、顔画像判定装置620は、第一判定部621と、第二判定部622と、第三判定部623と、を備える。
かかる構成で、第一判定部621は、更新後の免許証に用いるための顔画像である免許証用顔画像と、更新前の免許証に用いられている顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。第二判定部622は、免許証用顔画像と、免許更新手続時に撮影された顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。
第三判定部623は、第一判定部621の判定結果および第二判定部622の判定結果の両方が、同一人物の顔画像であるとの判定結果である場合、免許証用顔画像は適切な人物の顔画像であると判定する。一方、第三判定部623は、第一判定部621の判定結果または第二判定部622の判定結果の少なくとも何れか一方が、同一人物の顔画像ではないとの判定結果である場合、免許証用顔画像は適切な人物の顔画像ではないと判定する。
【0153】
このように、顔画像判定装置620によれば、更新前の免許証に用いられている顔画像の被撮影者、および、免許更新手続時に撮影された顔画像の被撮影者の何れも、免許証用顔画像の被撮影者と同一人物であるか否かを判定する。これにより、顔画像判定装置620によれば、更新前の免許証に用いられている顔画像、または、免許更新手続時に撮影された顔画像の何れか一方についてのみ判定を行う場合よりも高精度に、免許証用顔画像の被撮影者の適切性を判定することができる。
【0154】
顔画像判定装置620によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの際に、本人確認を補助することができる。
第一判定部621は、第一判定手段の例に該当する。第二判定部622は、第二判定手段の例に該当する。第三判定部623は、第三判定手段の例に該当する。
【0155】
図12は、実施形態に係る免許更新システムの構成例を示す図である。
図12に示す構成で、免許更新システム630は、顔画像取得部631と、顔画像判定部632と、問題検出時処理部633と、表示部634と、撮影部635と、受講処理部636と、を備える。
【0156】
かかる構成で、顔画像取得部631は、免許証用顔画像および比較用顔画像を取得する。顔画像判定部632は、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。問題検出時処理部633は、免許証用顔画像と前記比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定された場合、免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う。表示部634は、免許更新のための講習用画像を表示する。撮影部635は、講習用画像の表示時に撮影を行う。受講処理部636は、撮影部635による撮影画像に基づいて、免許更新対象者の講習受講状況を判定する。
【0157】
このように、免許更新システム630によれば、免許証用顔画像の被撮影者と比較用顔画像の被撮影者とが同一人物か否かを判定することができる。免許更新システム630によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの一部である免許証用顔画像の撮影が事前に行われる場合に、事前に行われた手続きについて本人確認を補助することができる。
また、免許更新システム630では、免許更新対象者が講習を事前受講する場合に、免許更新対象者が実際に講習を受講しているか否か(講習用画像を見ているか否か)を判定することができる。
【0158】
顔画像取得部631は、顔画像取得手段の例に該当する。顔画像判定部632は、顔画像判定手段の例に該当する。問題検出時処理部633は、問題検出時処理手段の例に該当する。表示部634は、表示手段の例に該当する。撮影部635は、撮影手段の例に該当する。受講処理部636は、受講処理手段の例に該当する。
【0159】
図13は、実施形態に係る画像判定方法における処理手順の例を示す図である。
図13に示す画像判定方法は、免許証用顔画像取得工程(ステップS11)と、比較用顔画像取得工程(ステップS12)と、顔画像判定工程(ステップS13)と、問題検出時処理工程(ステップS14)とを含む。
【0160】
免許証用顔画像取得工程(ステップS11)では、免許証用顔画像を取得する。比較用顔画像取得工程(ステップS12)では、比較用顔画像を取得する。顔画像判定工程(ステップS13)では、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像か否かを判定する。問題検出時処理工程(ステップS14)では、免許証用顔画像と比較用顔画像とが同一人物の顔画像でないと判定した場合、免許証用顔画像に問題があると判定した場合の処理として定められている問題検出時処理を行う。
【0161】
図13に示す画像判定方法によれば、免許証用顔画像の被撮影者と比較用顔画像の被撮影者とが同一人物か否かを判定することができる。図13に示す画像判定方法によれば、この点で、運転免許証の更新手続きの一部である免許証用顔画像の撮影が事前に行われる場合に、事前に行われた手続きについて本人確認を補助することができる。
【0162】
図14は、少なくとも1つの実施形態に係るコンピュータの構成を示す概略ブロック図である。
図14に示す構成で、コンピュータ700は、CPU710と、主記憶装置720と、補助記憶装置730と、インタフェース740とを備える。
上記のユーザ端末装置11、設置端末装置12、サーバ装置14、顔画像判定装置610、620、および、免許更新システム630のうち何れか1つ以上が、コンピュータ700に実装されてもよい。その場合、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。また、CPU710は、プログラムに従って、上述した各記憶部に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。各装置と他の装置との通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
【0163】
ユーザ端末装置11がコンピュータ700に実装される場合、第一制御部190およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0164】
また、CPU710は、プログラムに従って、第一記憶部180に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。第一通信部110が行う通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。第一表示部120の機能は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って表示画面に画像を表示することで実行される。第一操作入力部130の機能は、インタフェース740が入力デバイスを備えてユーザ操作を受け付けることで実行される。第一撮影部140の機能は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0165】
設置端末装置12がコンピュータ700に実装される場合、第二制御部290およびその各部の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0166】
また、CPU710は、プログラムに従って、第二記憶部280に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。第二通信部210が行う通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。第二表示部220の機能は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って表示画面に画像を表示することで実行される。第二操作入力部230の機能は、インタフェース740が入力デバイスを備えてユーザ操作を受け付けることで実行される。印刷部240の機能は、インタフェース740がプリンタを備え、CPU710の制御に従って印刷を行うことで実行される。第二撮影部250の機能は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0167】
サーバ装置14がコンピュータ700に実装される場合、第三制御部390の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
また、CPU710は、プログラムに従って、第三記憶部380に対応する記憶領域を主記憶装置720に確保する。第三通信部310が行う通信は、インタフェース740が通信機能を有し、CPU710の制御に従って通信を行うことで実行される。
【0168】
顔画像判定装置610がコンピュータ700に実装される場合、顔画像取得部611、顔画像判定部612、および、問題検出時処理部613の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0169】
顔画像判定装置620がコンピュータ700に実装される場合、第一判定部621、第二判定部622、および、第三判定部623の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。
【0170】
免許更新システム630がコンピュータ700に実装される場合、顔画像取得部631、顔画像判定部632、問題検出時処理部633、および、受講処理部636の動作は、プログラムの形式で補助記憶装置730に記憶されている。CPU710は、プログラムを補助記憶装置730から読み出して主記憶装置720に展開し、当該プログラムに従って上記処理を実行する。表示部634の機能は、インタフェース740が表示画面を備え、CPU710の制御に従って表示画面に画像を表示することで実行される。撮影部635の機能は、インタフェース740がカメラを備え、CPU710の制御に従って撮影を行うことで実行される。
【0171】
なお、ユーザ端末装置11、設置端末装置12、サーバ装置14、顔画像判定装置610、620、および、免許更新システム630が行う処理の全部または一部を実行するためのプログラムをコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録して、この記録媒体に記録されたプログラムをコンピュータシステムに読み込ませ、実行することにより各部の処理を行ってもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。
また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM(Read Only Memory)、CD-ROM(Compact Disc Read Only Memory)等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。また上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良く、さらに前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるものであっても良い。
【0172】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【産業上の利用可能性】
【0173】
本発明の実施形態は、顔画像判定装置、免許更新システム、顔画像判定方法および記録媒体に適用してもよい。
【符号の説明】
【0174】
1、630 免許更新システム
11 ユーザ端末装置
12 設置端末装置
13 運転免許証作成装置
14 サーバ装置
110 第一通信部
120 第一表示部
130 第一操作入力部
140 第一撮影部
180 第一記憶部
190 第一制御部
191 バーコード読取部
192 インストール処理部
193 情報登録処理部
194、636 受講処理部
210 第二通信部
220 第二表示部
230 第二操作入力部
240 印刷部
250 第二撮影部
280 第二記憶部
290 第二制御部
291 情報取得部
291a、611、631 顔画像取得部
292 対象者特定部
293 判定部
293a、612、632 顔画像判定部
293b、621 第一判定部
293c、622 第二判定部
293d、623 第三判定部
294 情報通知部
295、613、633 問題検出時処理部
295a 誘導部
296、614 免許証作成指示部
310 第三通信部
380 第三記憶部
390 第三制御部
610、620 顔画像判定装置
634 表示部
635 撮影部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13
図14