(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】円筒形電池および円筒形電池の製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 50/152 20210101AFI20240509BHJP
H01M 50/578 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/317 20210101ALI20240509BHJP
H01M 50/179 20210101ALI20240509BHJP
H01M 10/04 20060101ALI20240509BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20240509BHJP
H01M 10/0587 20100101ALN20240509BHJP
H01M 50/548 20210101ALN20240509BHJP
【FI】
H01M50/152
H01M50/578
H01M50/317 101
H01M50/179
H01M10/04 W
H01M10/052
H01M10/0587
H01M50/548 201
(21)【出願番号】P 2022517493
(86)(22)【出願日】2020-11-30
(86)【国際出願番号】 KR2020017326
(87)【国際公開番号】W WO2021145558
(87)【国際公開日】2021-07-22
【審査請求日】2022-03-17
(31)【優先権主張番号】10-2020-0004258
(32)【優先日】2020-01-13
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】パク、インボク
【審査官】井原 純
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2012/176233(WO,A1)
【文献】特開平11-086833(JP,A)
【文献】特開2017-084742(JP,A)
【文献】韓国公開特許第10-2004-0089260(KR,A)
【文献】韓国公開特許第10-2019-0099924(KR,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 50/10-50/198
H01M 50/50-50/598
H01M 50/30-50/392
H01M 10/04
H01M 10/052
H01M 10/0587
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
電極組立体、および前記電極組立体の上部に位置するトップキャップアセンブリを含み、
前記トップキャップアセンブリは、第1トップキャップアセンブリおよび第2トップキャップアセンブリを含み、
前記第1トップキャップアセンブリおよび前記第2トップキャップアセンブリは絶縁部材によって互いに電気的に分離されており、
前記第1トップキャップアセンブリは第1上端キャップ、第1電流遮断部材、および第1ガス貯蔵部を含み、前記第2トップキャップアセンブリは第2上端キャップ、第2電流遮断部材、および第2ガス貯蔵部を含み、
前記絶縁部材は、上部絶縁部材と下部絶縁部材を含み、
前記上部絶縁部材は、前記第1電流遮断部材および前記第2電流遮断部材に付着され、前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材のうちのいずれか一つが作動
した場合前記上部絶縁部材は上向移動
することで外部に突出し、
前記第1電流遮断部材または前記第2電流遮断部材が作動すれば、前記電極組立体から発生したガスが前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集される、円筒形電池。
【請求項2】
前記上部絶縁部材は、"Π"型の断面形状を有する、請求項1に記載の円筒形電池。
【請求項3】
前記上部絶縁部材は、前記下部絶縁部材の中間部位を囲む構造で結合された、請求項2に記載の円筒形電池。
【請求項4】
前記下部絶縁部材は、前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材の間に位置し前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材を電気的に絶縁する、請求項1から3のいずれか一項に記載の円筒形電池。
【請求項5】
前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集された前記ガスの圧力によって前記上部絶縁部材が高さL1以上に上向移動すれば、前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集された前記ガスが外部に排出される、請求項1に記載の円筒形電池。
【請求項6】
電極組立体、および前記電極組立体の上部に位置するトップキャップアセンブリを含み、
前記トップキャップアセンブリは、第1トップキャップアセンブリおよび第2トップキャップアセンブリを含み、
前記第1トップキャップアセンブリおよび前記第2トップキャップアセンブリは絶縁部材によって互いに電気的に分離されており、
前記第1トップキャップアセンブリは第1上端キャップ、第1電流遮断部材、および第1ガス貯蔵部を含み、前記第2トップキャップアセンブリは第2上端キャップ、第2電流遮断部材、および第2ガス貯蔵部を含み、
前記絶縁部材は、第1絶縁部材、第2絶縁部材、および下部絶縁部材を含
み、
前記第1絶縁部材は前記第1電流遮断部材に付着され、前記第1電流遮断部材が作動すれば、前記第1絶縁部材は上向移動して突出し、
前記第2絶縁部材は前記第2電流遮断部材に付着され、前記第2電流遮断部材が作動すれば、前記第2絶縁部材は上向移動して突出し、
前記第1電流遮断部材または前記第2電流遮断部材が作動すれば、前記電極組立体から発生したガスが前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集される、円筒形電池。
【請求項7】
前記第1絶縁部材と前記第2絶縁部材は相互分離された構造である、請求項6に記載の円筒形電池。
【請求項8】
前記電極組立体は第1電極組立体と第2電極組立体を含み、前記第1電極組立体は前記第2電極組立体の中心部に位置する、請求項1から
7のいずれか一項に記載の円筒形電池。
【請求項9】
前記第1電極組立体の第1正極タップは前記第2トップキャップアセンブリに電気的に連結され、前記第2電極組立体の第2正極タップは前記第1トップキャップアセンブリに電気的に連結される、請求項
8に記載の円筒形電池。
【請求項10】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の円筒形電池を製造する方法であって、
第1正極、第1分離膜、および第1負極を巻き取って第1電極組立体を製造する段階;
第2正極、第2分離膜、および第2負極を巻き取って第2電極組立体を製造する段階;
前記第1電極組立体を前記第2電極組立体の中心部に挿入する段階;
前記第1電極組立体の第1正極タップを第2トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;および
前記第2電極組立体の第2正極タップを第1トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;
を含む、円筒形電池の製造方法。
【請求項11】
請求項1から
9のいずれか一項に記載の円筒形電池を製造する方法であって、
第1正極、第1分離膜、および第1負極を巻き取って第1電極組立体を製造する段階;
前記第1電極組立体を巻芯として使用して第2正極、第2分離膜、および第2負極積層体を巻き取って第2電極組立体を製造する段階;
前記第1電極組立体の第1正極タップを第2トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;および
前記第2電極組立体の第2正極タップを第1トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;
を含む、円筒形電池の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願との相互引用
本出願は2020年1月13日付韓国特許出願第10-2020-0004258号に基づいた優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示された全ての内容は本明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は、円筒形電池および円筒形電池の製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、化石燃料の枯渇によるエネルギー源の価格上昇、環境汚染の関心が増幅され、環境に優しい代替エネルギー源に対する要求が未来生活のための必須不可欠な要因になっている。よって、原子力、太陽光、風力、潮力など多様な電力生産技術に対する研究が持続されており、このように生産されたエネルギーをさらに効率的に使用するための電力貯蔵装置にも多くの関心が寄せられている。
【0004】
さらに、モバイル機器と電池自動車に対する技術開発と需要が増加するにつれてエネルギー源としての電池の需要が急激に増加しており、それにより多様な要求に応じ得る電池に対する多くの研究が行われている。特に、材料面では高いエネルギー密度、放電電圧、出力安定性などの長所を有するリチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池などのようなリチウム二次電池に対する需要が高い。
【0005】
二次電池は、正極、負極、および正極と負極の間に介される分離膜が積層された構造の電極組立体がいかなる構造になっているかによって分類される。代表的には、長いシート型の正極と負極を分離膜が介された状態で巻き取った構造のジェリーロール型(巻取型)電極組立体、所定の大きさの単位で切り取った複数の正極と負極を分離膜を介した状態で順次に積層したスタック型(積層型)電極組立体などが挙げられ、最近は前記ジェリーロール型電極組立体およびスタック型電極組立体が有する問題点を解決するために、前記ジェリーロール型とスタック型の混合形態である一歩進んだ構造の電極組立体であって、所定単位の正極と負極を分離膜を介した状態で積層した単位セルを分離フィルム上に位置させた状態で順次に巻き取った構造のスタック/フォールディング型電極組立体が開発された。
【0006】
このような電極組立体を使用目的によって、パウチケース、円筒型カン、および角型ケースなどに収納して電池を製造する。
【0007】
このうち、円筒形電池は製造が容易であり重量当りのエネルギー密度が高いという長所を有していて、携帯用コンピュータから電池自動車に至るまで多様な機器のエネルギー源として使用されている。
【0008】
【0009】
図1を参照すれば、円筒形電池100は、ジェリーロール型電極組立体120を円筒形ケース130に収納し、円筒形ケース130内に電解液を注入した後、円筒形ケース130の開放上端にトップキャップ140を結合して製作する。
【0010】
ジェリーロール型電極組立体120は正極121、分離膜122、および負極123を順次に積層して丸い形態に巻き取った構造であって、その巻芯である電極組立体120の中心部には円筒形のセンターピン150が挿入されている。このようなセンターピン150は、電極組立体120を固定および支持する作用と充放電および作動時に内部反応によって発生されるガスを放出する通路として作用する。但し、センターピン150は、円筒形電池100の仕様によって使用されなくてもよい。
【0011】
円筒形電池100の充放電過程で、電極組立体120の電極は膨張と収縮を繰り返すようになる。よって、電極組立体120が捩れる構造的変形が発生する。特に、応力が集中される電極組立体120の中心部で前記変形がさらに深刻に発生する。
【0012】
また、円筒形電池100は、充放電過程で円筒形電池100内部で高い熱エネルギーが発生する。しかし、従来の円筒形電池100は前記熱エネルギーを迅速に排出することができるシステムを備えていない。特に、最近は高容量および高出力の可能な円筒形電池に対する需要が増加している。これにより、活物質が高くローディングされた電極を使用する場合、暴走が発生することがあるという問題点がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明が解決しようとする課題は、電極組立体の変形および暴走を防止することができる円筒形電池および円筒形電池製造方法を提供するためのものである。
【0014】
しかし、本発明の実施形態が解決しようとする課題は上述の課題に限定されず、本発明に含まれている技術的思想の範囲で多様に拡張できる。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明の一実施形態による円筒形電池は電極組立体、および前記電極組立体の上部に位置するトップキャップアセンブリを含み、前記トップキャップアセンブリは絶縁部材によって互いに電気的に分離できる。
【0016】
前記トップキャップアセンブリは第1トップキャップアセンブリおよび第2トップキャップアセンブリを含み、前記第1トップキャップアセンブリは第1上端キャップ、第1電流遮断部材、および第1ガス貯蔵部を含み、前記第2トップキャップアセンブリは第2上端キャップ、第2電流遮断部材、および第2ガス貯蔵部を含むことができる。
【0017】
前記絶縁部材は、上部絶縁部材と下部絶縁部材を含むことができる。
【0018】
前記上部絶縁部材は、"Π"型の断面形状を有することができる。
【0019】
前記上部絶縁部材は、前記下部絶縁部材の中間部位を囲む構造で結合できる。
【0020】
前記下部絶縁部材は、前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材の間に位置し前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材を電気的に絶縁することができる。
【0021】
前記上部絶縁部材は、前記第1電流遮断部材および前記第2電流遮断部材に付着できる。
【0022】
前記第1電流遮断部材と前記第2電流遮断部材のうちのいずれか一つが作動しても前記上部絶縁部材は上向移動して外部に突出することになる。
【0023】
前記第1電流遮断部材または前記第2電流遮断部材が作動すれば、前記電極組立体から発生したガスが前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集できる。
【0024】
前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集された前記ガスの圧力によって前記上部絶縁部材が高さL1以上に上向移動すれば、前記第1ガス貯蔵部および前記第2ガス貯蔵部に捕集された前記ガスが外部に排出できる。
【0025】
前記絶縁部材は、第1絶縁部材、第2絶縁部材、および下部絶縁部材を含むことができる。
【0026】
前記第1絶縁部材と前記第2絶縁部材は相互分離された構造であってもよい。
【0027】
前記第1絶縁部材は前記第1電流遮断部材に付着され、前記第1電流遮断部材が作動すれば、前記第1絶縁部材は上向移動して突出することになる。
【0028】
前記第2絶縁部材は前記第2電流遮断部材に付着され、前記第2電流遮断部材が作動すれば、前記第2絶縁部材は上向移動して突出することになる。
【0029】
前記電極組立体は第1電極組立体と第2電極組立体を含み、前記第1電極組立体は前記第2電極組立体の中心部に配置できる。
【0030】
前記第1電極組立体の第1正極タップは前記第2トップキャップアセンブリに電気的に連結され、前記第2電極組立体の第2正極タップは前記第1トップキャップアセンブリに電気的に連結できる。
【0031】
本発明の一実施形態による円筒形電池製造方法は、第1正極、第1分離膜、および第1負極を巻き取って第1電極組立体を製造する段階;第2正極、第2分離膜、および第2負極を巻き取って第2電極組立体を製造する段階;前記第1電極組立体を前記第2電極組立体の中心部に挿入する段階;前記第1電極組立体の第1正極タップを第2トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;および前記第2電極組立体の第2正極タップを第1トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;を含むことができる。
【0032】
本発明の他の一実施形態による円筒形電池製造方法は、第1正極、第1分離膜、および第1負極を巻き取って第1電極組立体を製造する段階;前記第1電極組立体を巻芯として使用して第2正極、第2分離膜、および第2負極積層体を巻き取って第2電極組立体を製造する段階;前記第1電極組立体を前記第2電極組立体の中心部に挿入する段階;前記第1電極組立体の第1正極タップを第2トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;および前記第2電極組立体の第2正極タップを第1トップキャップアセンブリに電気的に連結する段階;を含むことができる。
【発明の効果】
【0033】
以上で説明した通り、本発明の実施形態による円筒形電池は、電気的に分離されたトップキャップアセンブリを使用することによって円筒形電池の破損および変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【
図2】本発明の一実施形態による円筒形電池の模式図である。
【
図3】
図2のトップキャップアセンブリをA-A'によって切断した断面模式図である。
【
図4】
図3の上部絶縁部材が上向突出したことを示す模式図である。
【
図6】本発明の他の一実施形態によるトップキャップアセンブリを示す断面模式図である。
【
図7】本発明の他の一実施形態によるトップキャップアセンブリを示す断面模式図である。
【
図8】
図2の電極組立体を本発明の一実施形態によって製造することを示す模式図である。
【
図9】
図2の電極組立体を本発明の他の一実施形態によって製造することを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0035】
以下、添付した図面を参照して本発明の様々な実施形態について本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者が容易に実施することができるように詳しく説明する。本発明は様々な異なる形態に実現でき、ここで説明する実施形態に限定されない。
【0036】
また、明細書全体で、ある部分がある構成要素を"含む"というとき、これは特に反対になる記載がない限り他の構成要素を除くのではなく他の構成要素をさらに含むことができるのを意味する。
【0037】
また、明細書全体で、"上向"は重力が作用する反対方向を意味する。
【0038】
図2は、本発明の一実施形態による円筒形電池の模式図である。
図3は
図2のトップキャップアセンブリをA-A'によって切断した断面模式図である。
図4は、
図3の上部絶縁部材が上向突出したことを示す模式図である。
図5は、
図2の絶縁部材を示す模式図である。
【0039】
図2~5を参照すれば、円筒形電池200は、ジェリーロール型電極組立体220が電池ケース(図示せず)に挿入された構造であり得る。電極組立体220の上部には正極タップ230が形成されてトップキャップアセンブリ210と電気的に連結できる。電極組立体220の下部には負極タップ240が形成されて前記電池ケースに電気的に連結できる。正極タップ230は、第1正極タップ231と第2正極タップ232を含むことができる。負極タップ240は、第1負極タップ241と第2負極タップ242を含むことができる。
【0040】
トップキャップアセンブリ210は、第1トップキャップアセンブリ211と第2トップキャップアセンブリ212を含むことができる。第1トップキャップアセンブリ211と第2トップキャップアセンブリ212は、絶縁部材250によって電気的に分離できる。第1トップキャップアセンブリ211と第2トップキャップアセンブリ212は、絶縁部材250を中心にして相互に対称な構造であり得る。
【0041】
第1正極タップ231は、第2トップキャップアセンブリ212に電気的に連結できる。第2正極タップ232は、第1トップキャップアセンブリ211に電気的に連結できる。
【0042】
絶縁部材250は、トップキャップアセンブリ210の中心部を通過しトップキャップアセンブリ210の長さおよび幅方向に延長された構造で形成できる。絶縁部材250は、上部絶縁部材250-1と下部絶縁部材250-2を含むことができる。
【0043】
第1トップキャップアセンブリ211は、第1上端キャップ211-1、第1電流遮断部材(CURRENT INTERRUPTIVE DEVICE)211-2、第1ガス貯蔵部211-3、およびガスケット211-4を含むことができる。第1上端キャップ211-1は、外部に露出された形態に正極端子を形成することができる。第1電流遮断部材211-2は、上部絶縁部材250-1の下部に形成できる。
【0044】
第2トップキャップアセンブリ212は、第2上端キャップ212-1、第2電流遮断部材212-2、第2ガス貯蔵部212-3、および第2ガスケット212-4を含むことができる。第2上端キャップ212-1は、円筒形電池200の外部に露出した形態に正極端子を形成することができる。第2電流遮断部材212-2は、上部絶縁部材250-1の下部に形成できる。
【0045】
上部絶縁部材250-1は、第1電流遮断部材211-2および第2電流遮断部材212-2に付着された構造であり得る。よって、第1電流遮断部材211-2と第2電流遮断部材212-2のうちのいずれか一つが作動しても、上部絶縁部材250-1は上向移動して外部に突出することになる。
【0046】
例えば、第1電流遮断部材211-2が作動する場合、上部絶縁部材250-1が上向移動し、上部絶縁部材250-1に付着された第2電流遮断部材212-2も共に上向移動できる。また、第2電流遮断部材212-2が作動する場合、上部絶縁部材250-1が上向移動し、上部絶縁部材250-1に付着された第1電流遮断部材211-2も共に上向移動できる。
【0047】
上部絶縁部材250-1が上向移動して外部に突出する時、作業者は上部絶縁部材250-1の突出程度を肉眼で確認することができる。そして、上部絶縁部材250-1の突出程度を通じて内部ガスの発生程度を把握することができる。
【0048】
上部絶縁部材250-1は、A-A'によって切断した断面が"Π"形状であり得る。上部絶縁部材250-1は、下部絶縁部材250-2の長さ方向Yで中間部位に形成できる。上部絶縁部材250-1は、下部絶縁部材250-2の前記中間部位を囲む構造で結合できる。
【0049】
下部絶縁部材250-2は、第1電流遮断部材211-2および第2電流遮断部材212-2の間に配置できる。第1電流遮断部材211-2および第2電流遮断部材212-2は、下部絶縁部材250-2によって電気的に相互絶縁された構造であり得る。
【0050】
第1電流遮断部材211-2または第2電流遮断部材212-2が作動すれば、電極組立体220から発生したガスが第1ガス貯蔵部211-3および第2ガス貯蔵部212-3に捕集できる。そして、第1ガス貯蔵部211-3および第2ガス貯蔵部212-3に捕集されたガスの圧力によって上部絶縁部材250-1が第1高さL1以上に上向移動すれば、第1ガス貯蔵部211-3および第2ガス貯蔵部212-3に捕集されたガスが外部に排出できる。
【0051】
第1ガス貯蔵部211-3は、第1湾入部211-3-1と第2湾入部211-3-2を含むことができる。第1湾入部211-3-1は、第1上端キャップ211-1側に湾入して形成された空間であり得る。第2湾入部211-3-2は、上部絶縁部材250-1側に湾入して形成された空間であり得る。第1ガス貯蔵部211-3は、第1湾入部211-3-1、第2湾入部211-3-2、および第1電流遮断部材211-2の間に形成できる。
【0052】
上部絶縁部材250-1が第1高さL1以上に上向移動すれば、第2湾入部211-3-2が外部に露出されながら第1ガス貯蔵部211-3に捕集された空気が外部に排出できる。
【0053】
第2湾入部211-3-2の高さL3と幅L2によって第1ガス貯蔵部211-3に捕集されたガスが排出される経路の大きさが決定できる。特に、幅L2が大きいほどガス排出経路が大きく形成できる。
【0054】
第1接触部211-5は、第1上端キャップ211-1と第1電流遮断部材211-2の間の接触部位であり得る。第1電流遮断部材211-2が上向移動すれば、第1接触部211-5が開放されながら前記内部ガスが第1ガス貯蔵部211-3に捕集できる。ここで、第1接触部211-5が開放されることは第1上端キャップ211-1と第1電流遮断部材211-2が分離されるのを意味する。第1上端キャップ211-1と第1電流遮断部材211-2が分離されながらできる空間を通じて前記内部ガスが移動して第1ガス貯蔵部211-3に捕集できる。
【0055】
第2トップキャップアセンブリ212は、第1トップキャップアセンブリ211と同一の構造であり得る。よって、第2トップキャップアセンブリ212に関する詳しい説明は省略する。
【0056】
第2ガス貯蔵部212-3は、第1ガス貯蔵部211-3と同一の構造であり得る。また、第2ガス貯蔵部212-3は、第1ガス貯蔵部211-3と同一の方式でガスを捕集し排出することができる。よって、第2ガス貯蔵部212-3に関する説明は省略する。
【0057】
第1ガス貯蔵部211-3と第2ガス貯蔵部212-3は、消火ガスを含むことができる。前記消火ガスは、二酸化炭素または窒素ガスであり得る。前記消火ガスは、円筒形電池200の非正常的作動によって発生することがある暴走による火災を防止することができる。
【0058】
図6は、本発明の他の一実施形態によるトップキャップアセンブリを示す断面模式図である。
【0059】
図6を参照すれば、トップキャップアセンブリ310は、第1トップキャップアセンブリ311と第2トップキャップアセンブリ312を含むことができる。第1トップキャップアセンブリ311と第2トップキャップアセンブリ312は絶縁部材350によって電気的に分離できる。絶縁部材350を中心にして第1トップキャップアセンブリ311と第2トップキャップアセンブリ312は相互に対称な構造であり得る。
【0060】
絶縁部材350は、トップキャップアセンブリ310の中心部を通過してトップキャップアセンブリ310の長さおよび幅方向に延長された構造で形成できる。絶縁部材350は、第1絶縁部材350-1、第2絶縁部材350-2、および下部絶縁部材350-3を含むことができる。
【0061】
第1トップキャップアセンブリ311は、第1上端キャップ311-1、第1電流遮断部材311-2、第1ガス貯蔵部311-3、およびガスケット311-4を含むことができる。第1上端キャップ311-1は、外部に露出した形態に正極端子を形成することができる。第1電流遮断部材311-2は、第1絶縁部材350-1の下部に形成できる。
【0062】
第2トップキャップアセンブリ312は、第2上端キャップ312-1、第2電流遮断部材312-2、ガス貯蔵部312-3、および第2ガスケット312-4を含むことができる。第2上端キャップ312-1は、外部に露出した形態に正極端子を形成することができる。第2電流遮断部材312-2は、第2絶縁部材350-2の下部に形成できる。
【0063】
第1絶縁部材350-1は、第1電流遮断部材311-2に付着された構造であり得る。よって、第1電流遮断部材311-2が作動すれば、第1絶縁部材350-1は上向移動して突出することになる。
【0064】
第2絶縁部材350-2は、第2電流遮断部材312-2に付着された構造であり得る。よって、第2電流遮断部材312-2が作動すれば、第2絶縁部材350-2は上向移動して突出することになる。
【0065】
第1絶縁部材350-1と第2絶縁部材350-2は相互分離された構造であり得る。よって、第1絶縁部材350-1と第2絶縁部材350-2は分離されて作動できる。
【0066】
第1電流遮断部材311-2と第2電流遮断部材312-2は、下部絶縁部材350-3によって電気的に分離された構造であり得る。また、第1電流遮断部材311-2と第2電流遮断部材312-2は相互作動に影響を与えない。
【0067】
第1電流遮断部材311-2が作動すれば、内部ガスが第1ガス貯蔵部311-3に捕集できる。そして、第1ガス貯蔵部311-3に捕集されたガス圧力によって第1絶縁部材350-1が高さS1以上に上向移動すれば、第1ガス貯蔵部311-3に捕集されたガスが外部に排出できる。
【0068】
第1ガス貯蔵部311-3は、第1湾入部311-3-1と第2湾入部311-3-2を含むことができる。第1湾入部311-3-1は、第1上端キャップ311-1側に湾入して形成された空間であり得る。第2湾入部311-3-2は、第1絶縁部材350-1側に湾入して形成された空間であり得る。第1ガス貯蔵部311-3は、第1湾入部311-3-1、第2湾入部311-3-2、および第1電流遮断部材311-2の間に形成できる。
【0069】
第1絶縁部材350-1が高さS1以上に上向移動すれば、第2湾入部311-3-2が外部に露出されながら第1ガス貯蔵部311-3に捕集された空気が外部に排出できる。
【0070】
第2湾入部311-3-2の高さS3と幅S2によって第1ガス貯蔵部311-3に捕集されたガスが排出される経路の大きさが決定できる。特に、幅L2が大きいほどガス排出経路が大きく形成できる。
【0071】
第1接触部311-5は、第1上端キャップ311-1と第1電流遮断部材311-2の間の接触部位であり得る。第1電流遮断部材311-2が上向移動すれば、第1接触部311-5が開放されながら前記内部ガスが第1ガス貯蔵部311-3に捕集できる。ここで、第1接触部511-5が開放されることは、第1上端キャップ311-1と第1電流遮断部材311-2が分離されるのを意味する。第1上端キャップ311-1と第1電流遮断部材311-2が分離されながらできる空間を通じて前記内部ガスが移動して第1ガス貯蔵部311-3に捕集できる。
【0072】
第2トップキャップアセンブリ312は、第1トップキャップアセンブリ311と同一の構造であり得る。よって、第2トップキャップアセンブリ312に関する説明は省略する。
【0073】
第2ガス貯蔵部312-3は、第1ガス貯蔵部311-3と同一の構造であり得る。また、第2ガス貯蔵部312-3は、第1ガス貯蔵部311-3と同一の方式でガスを捕集し排出することができる。よって、第2ガス貯蔵部312-3に関する説明は省略する。
【0074】
第1ガス貯蔵部311-3と第2ガス貯蔵部312-3は、消火ガスを含むことができる。前記消火ガスは、二酸化炭素または窒素ガスであり得る。前記消火ガスは、円筒形電池の非正常的作動によって発生することがある暴走による火災を防止することができる。
【0075】
第1絶縁部材350-1と第2絶縁部材350-2が上向移動して外部に突出する時、作業者は第1絶縁部材350-1と第2絶縁部材350-2の突出程度を肉眼で確認することができる。そして、第1絶縁部材350-1と第2絶縁部材350-2の突出程度を通じて内部ガスの発生程度を把握することができる。
【0076】
図7は、本発明の他の一実施形態によるトップキャップアセンブリを示す断面模式図である。
【0077】
図7を参照すれば、トップキャップアセンブリ410は、第1トップキャップアセンブリ411と第2トップキャップアセンブリ412を含むことができる。第1トップキャップアセンブリ411と第2トップキャップアセンブリ412は、絶縁部材450によって電気的に分離できる。
【0078】
絶縁部材450は、トップキャップアセンブリ410の中心部を通過してトップキャップアセンブリ410の長さおよび幅方向に延長された構造で形成できる。絶縁部材450は、上部絶縁部材450-1と下部絶縁部材450-2を含むことができる。
【0079】
第1トップキャップアセンブリ411は、第1上端キャップ411-1、第1電流遮断部材411-2、第1ガス貯蔵部411-3、およびガスケット411-4を含むことができる。第1上端キャップ411-1は、外部に露出された形態に正極端子を形成することができる。第1電流遮断部材411-2は、上部絶縁部材450-1の下部に形成できる。
【0080】
第2トップキャップアセンブリ412は、第2上端キャップ412-1、第2電流遮断部材412-2、ガス貯蔵部412-3、および第2ガスケット412-4を含むことができる。第2上端キャップ412-1は、外部に露出された形態に正極端子を形成することができる。第2電流遮断部材412-2は、上部絶縁部材450-1の下部に形成できる。
【0081】
上部絶縁部材450-1は、第1電流遮断部材411-2および第2電流遮断部材412-2に付着された構造であり得る。よって、第1電流遮断部材411-2と第2電流遮断部材412-2のうちのいずれか一つが作動しても上部絶縁部材450-1は上向移動して突出することになる。例えば、第1電流遮断部材411-2が作動する場合、上部絶縁部材450-1が上向移動しながら上部絶縁部材450-1に付着された第2電流遮断部材412-2も共に上向移動できる。また、第2電流遮断部材412-2が作動する場合、上部絶縁部材450-1が上向移動しながら上部絶縁部材450-1に付着された第1電流遮断部材411-2も共に上向移動できる。
【0082】
上部絶縁部材450-1が上向移動して外部に突出する時、作業者は上部絶縁部材450-1の突出程度を肉眼で確認することができる。そして、上部絶縁部材450-1の突出程度を通じて内部ガスの発生程度を把握することができる。
【0083】
第1電流遮断部材411-2または第2電流遮断部材412-2が作動すれば、内部ガスが第1ガス貯蔵部411-3および第2ガス貯蔵部412-3に捕集できる。但し、前述の実施形態と異なり、本実施形態によれば、第1ガス貯蔵部411-3および第2ガス貯蔵部412-3に捕集されたガス圧力によって上部絶縁部材450-1が第2高さM1以上に上向移動しても、第1ガス貯蔵部411-3および第2ガス貯蔵部412-3に捕集されたガスが外部に排出されない。しかし、外部での加熱などによって過度に気体が発生して電流遮断部材411-2、412-2が第2高さM1を超過すれば、上部絶縁部材450-1と電流遮断部材411-2、412-2が共に外部に排出され、内部ガスが外部に放出されることがある。
【0084】
第1ガス貯蔵部411-3は、第1上端キャップ411-1側に湾入して形成された空間であり得る。第1ガス貯蔵部411-3は、第1上端キャップ411-1、上部絶縁部材450-1、および第1電流遮断部材411-2の間に形成できる。
【0085】
第1接触部411-5は、第1上端キャップ411-1と第1電流遮断部材411-2の間の接触部位であり得る。第1電流遮断部材411-2が上向移動すれば、第1接触部411-5が開放されながら前記内部ガスが第1ガス貯蔵部411-3に捕集できる。ここで、第1接触部411-5が開放されることは第1上端キャップ411-1と第1電流遮断部材411-2が分離されるのを意味する。第1上端キャップ411-1と第1電流遮断部材411-2が分離されながらできる空間を通じて前記内部ガスが移動して第1ガス貯蔵部411-3に捕集できる。
【0086】
第2トップキャップアセンブリ412は、第1トップキャップアセンブリ411と同一の構造であり得る。よって、第2トップキャップアセンブリ412の構造に関する説明は省略する。
【0087】
第2ガス貯蔵部412-3は、第1ガス貯蔵部411-3と同一の構造であり得る。また、第2ガス貯蔵部412-3は、第1ガス貯蔵部411-3と同一の方式でガスを捕集し排出することができる。よって、第2ガス貯蔵部412-3に関する説明は省略する。
【0088】
第1ガス貯蔵部411-3と第2ガス貯蔵部412-3は消火ガスを含むことができる。前記消火ガスは二酸化炭素または窒素ガスであり得る。前記消火ガスは、円筒形電池の非正常的作動によって発生することがある暴走による火災を防止することができる。
【0089】
図8は、
図2の電極組立体を本発明の一実施形態によって製造することを示す模式図である。
図9は、
図2の電極組立体を本発明の他の一実施形態によって製造することを示す模式図である。
【0090】
図2、
図8および
図9を参照すれば、電極組立体220は、第1電極組立体221と第2電極組立体222を含むことができる。第1電極組立体221は、第2電極組立体222の中心部に配置できる。
【0091】
第1電極組立体221は、第1正極221-1、第1分離膜221-2、および第1負極221-3が順次に巻取られた構造であり得る。第1電極組立体221の上部には第1正極タップ231が形成されて第1トップキャップアセンブリ211に電気的に連結できる。第1電極組立体221の下部には第1負極タップ241が形成されて前記電池ケースに電気的に連結できる。
【0092】
第2電極組立体222は、第2正極222-1、第2分離膜222-2、および第2負極222-3が順次に巻取られた構造であり得る。第2電極組立体222の上部には第2正極タップ232が形成されて第2トップキャップアセンブリ212に電気的に連結できる。第2電極組立体222の下部には第2負極タップ242が形成されて前記電池ケースに電気的に連結できる。
【0093】
第1電極組立体221において、第1負極221-3は負極活物質を含むことができる。第2電極組立体222において、第2負極222-3は負極活物質を含むことができる。第1負極221-3のシリコン(Si)の含量は、第2負極222-3のシリコン含量に対して25パーセント~75パーセントであり得る。第1負極221-3の負極活物質ローディング量は、第2負極222-3の負極活物質ローディング量に対して40パーセント~70パーセントであり得る。
【0094】
このような構造によって、円筒形電池200の充放電過程で第1負極221-3と第2負極222-3の体積膨張と発熱による電極組立体220の構造が変形されるのを防止することができる。
【0095】
電極組立体220は、多様な方法で製造できる。一例として、第1電極組立体221と第2電極組立体222をそれぞれ巻き取って製造し第1電極組立体221を第2電極組立体222の中心部260に挿入して製造することができる。第1電極組立体221は、第1正極221-1、第1分離膜221-2、および第1負極221-3の積層体を巻き取って製造することができる。第2電極組立体222は、第2正極222-1、第2分離膜222-2、および第2負極222-3の積層体を巻き取って製造することができる。この時、第2電極組立体222は、中心部260の直径d2と同一の巻芯(図示せず)を使用して第2電極組立体222を巻き取ることができる。そして、中心部260の直径d2は、第1電極組立体221の直径d1と同一であり得る。
【0096】
電極組立体220はまた、第1電極組立体221を先に製造した後、第1電極組立体221を巻芯として使用して第2正極222-1、第2分離膜222-2、および第2負極222-3の積層体を巻き取って第2電極組立体222を製造することができる。
【0097】
本発明の実施形態による円筒形電池は、電気的に分離された電極組立体とトップキャップアセンブリが一つの構造に含まれることによって、充放電過程で発生する電極組立体の変形を最少化することができる。特に、電極組立体の中心部に応力が集中されるのを防止することができる。
【0098】
また、電気的に分離されたトップキャップアセンブリによってそれぞれの電極組立体が管理されることにより内部で発生する熱エネルギーを迅速に放出することができるシステムを備えることができる。
【0099】
本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用および変形を行うことができるはずである。
【符号の説明】
【0100】
210、310、410:トップキャップアセンブリ
211-1、311-1、411-1:第1上端キャップ
212-1、312-1、412-1:第2上端キャップ
211-2、311-2、411-2:第1電流遮断部材
212-2、312-2、412-2:第2電流遮断部材
250、350、450:絶縁部材