(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】電極の積層特性を改善した負極シート及び負極を含む電極組立体及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
H01M 4/139 20100101AFI20240509BHJP
H01M 4/04 20060101ALI20240509BHJP
H01M 10/0566 20100101ALI20240509BHJP
H01M 10/0583 20100101ALI20240509BHJP
H01M 10/0585 20100101ALI20240509BHJP
H01M 10/0587 20100101ALI20240509BHJP
H01M 10/052 20100101ALN20240509BHJP
【FI】
H01M4/139
H01M4/04 A
H01M10/0566
H01M10/0583
H01M10/0585
H01M10/0587
H01M10/052
(21)【出願番号】P 2022561110
(86)(22)【出願日】2020-12-18
(86)【国際出願番号】 KR2020018686
(87)【国際公開番号】W WO2022034995
(87)【国際公開日】2022-02-17
【審査請求日】2022-10-14
(31)【優先権主張番号】10-2020-0102132
(32)【優先日】2020-08-14
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(31)【優先権主張番号】10-2020-0175841
(32)【優先日】2020-12-15
(33)【優先権主張国・地域又は機関】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】521065355
【氏名又は名称】エルジー エナジー ソリューション リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000877
【氏名又は名称】弁理士法人RYUKA国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】セオ、タイ ジューン
(72)【発明者】
【氏名】スル、ドン ヒ
(72)【発明者】
【氏名】ソン、ドン フン
(72)【発明者】
【氏名】リー、ウー ヨン
【審査官】上野 文城
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-123752(JP,A)
【文献】特表2015-536034(JP,A)
【文献】特開2019-050095(JP,A)
【文献】国際公開第2013/031891(WO,A1)
【文献】特開2019-212461(JP,A)
【文献】特表2015-528639(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 4/139
H01M 4/04
H01M 10/0566
H01M 10/0583
H01M 10/0585
H01M 10/0587
H01M 10/052
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ACOH(Anode Cathode Overhang)ギャップを確保するための負極の製造方法であって、
全長方向(Y軸方向)に活物質塗布部及び無地部が形成された陰極ロールを製造する第1段階と、
前記陰極ロールの全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部を形成するためのノッチングを遂行する第2段階と、
前記ショルダー部を基準に全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Bでカッティングする第3段階と、を含
み、
前記ショルダー部の全長方向中心線は正極の正極タブの中心線と一致するレベルで形成され、
前記負極に含まれる負極板は前記正極に含まれる正極板より相対的に大きな面積を有する、負極の製造方法。
【請求項2】
負極の外周端部を基準に前記ショルダー部の全長方向の高さは前記負極タブの前記活物質塗布部の高さと一致するかそれより低い、請求項1に記載の負極の製造方法。
【請求項3】
前記ショルダー部の全幅W6は、前記正極タブの全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含む、請求項
1に記載の負極の製造方法。
【請求項4】
前記ショルダー部の全長L6は前記負極の一側外部端部から0.1~3
mmである、請求項
1に記載の負極の製造方法。
【請求項5】
所定の間隔Aで活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部が形成され
る負極であって、
前記ショルダー部は、正極と積層されるとき、正極タブと対面する位置に形成され、
前記負極に含まれる負極板は前記正極に含まれる正極板より相対的に大きな面積を有し、
前記ショルダー部の突出長L6は正極合剤層が塗布されている前記正極タブの下部より大きい長さを有する、負極。
【請求項6】
前記ショルダー部の活物質塗布部のうちの負極傾斜部の断面容量は正極タブの活物質塗布部のうちの正極傾斜部の断面容量より高い負極対正極容量逆転部がない、請求項
5に記載の負極。
【請求項7】
負極端から負極タブネックまでの高さH
NTN2と前記負極端において前記ショルダー部が形成される開始点から前記活物質塗布部までの高さH
NSの負極高比H
NTN2/H
NSは5.0~1である、請求項
5に記載の負極。
【請求項8】
正極タブが一側外部端部から突出しており、正極活物質を含む正極合剤層が前記正極タブの下部及び集電体上に塗布されている正極と、
負極タブが一側外部端部から突出しており、陰極活物質を含む負極合剤層が前記負極タブの下部及び集電体上に塗布されている負極と、
前記正極及び負極の間に位置する分離膜と、を含み、
前記負極は、請求項
5から7のいずれか一項に記載の負極である、電極組立体。
【請求項9】
前記負極の前記負極タブ及び前記ショルダー部は前記負極の全長方向(Y軸方向)の一側端部に一緒に形成されるか両側端部に形成される、請求項
8に記載の電極組立体。
【請求項10】
請求項
8または9に記載の電極組立体を製造する電極組立体製造方法であって、
負極のショルダー部をビジョンセンシングする段階と、
前記ショルダー部の全幅または全長を基準に正極の正極タブが位置するように積層する段階と、
前記積層された正極タブ及び前記ショルダー部のACOHギャップを測定して電極組立体の積層ずれを防止する段階とを含み、
前記負極は、全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Aで活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部のみを含む前記ショルダー部が形成され、
前記ショルダー部の全幅は前記正極タブの全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含む、電極組立体製造方法。
【請求項11】
前記ショルダー部の全幅または全長を基準に前記正極の前記正極タブが位置するように積層する段階と、
前記正極の前記正極タブの下に積層された前記負極の前記ショルダー部をビジョンセンシングする段階と、
積層された全長方向(Y軸方向)の前記正極の一端部と前記負極の一端部との間の間隔及び前記積層された正極タブ及び前記ショルダー部のACOHギャップを測定して前記正極及び前記負極のギャップを把握する段階とを含む、請求項
10に記載の電極組立体製造方法。
【請求項12】
前記電極組立体は、スタック型、ジグザグ型、ゼリーロール型またはスタック/フォルディング型の構造を有する、請求項
10または11に記載の電極組立体製造方法。
【請求項13】
前記電極組立体は、単一極板、両側外面の極板の極性が同一であるバイセル、または両側外面の極板の極性が互いに異なるフルセルからなる単位セルから構成される、請求項
10または11に記載の電極組立体製造方法。
【請求項14】
前記正極タブ及び前記負極タブは、全長方向(Y軸方向)を基準に同一方向または反対方向に形成される、請求項
10から13のいずれか一項に記載の電極組立体製造方法。
【請求項15】
請求項
8または9に記載の電極組立体と、前記電極組立体と電解液を内蔵する電池ケースと、を有する、電池セル。
【請求項16】
請求項
15に記載の電池セルを一つ以上含んでいる、電池パック。
【請求項17】
請求項
16に記載の電池パックを含む、デバイス。
【請求項18】
電極合剤層を含む電極シートを準備する第1段階と、
前記電極シートを一対以上の電極挿入ローラーに挿入する第2段階と、
挿入された前記電極シートを前記一対以上の電極挿入ローラーが回転しながら一方向に移動させる第3段階と、
前記電極シートが移動するうちに電極シートに形成された電極合剤層の厚さの測定によって、負極の厚さ比、正極の厚さ比、及び負極対正極容量比を含む測定値を得る第4段階と、を含み、
前記電極シートのうちの負極シートは、所定の間隔Aで活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部が形成され、
前記ショルダー部の全長方向中心線は正極の正極タブの中心線と一致するレベルで形成される、電極合剤層厚さ測定方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は2020年8月14日付の韓国特許出願第2020-0102132号及び2020年12月15日付の韓国特許出願第2020-0175841号に基づく優先権の利益を主張し、当該韓国特許出願の文献に開示されたすべての内容はこの明細書の一部として含まれる。
【0002】
本発明は電極の積層特性を改善した負極シート及び負極を含む電極組立体及びその製造方法に関するものであり、詳細には、ノッチング、単一電極カッティング及びスタッキングを含む電極組立体の形成の際、既存の電極タブより厚さが大きくて堅固であり、活物質が塗布されて光反射がないショルダー部を基準に電極の積層特性を改善した負極シート及び負極を含む電極組立体及びその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0003】
最近、充放電可能な二次電池はワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に使われている。また、二次電池は、化石燃料を使う既存のガソリン車両、ディーゼル車両などの大気汚染などを解決するための方案として提示されている電気自動車、ハイブリッド電気自動車などのエネルギー源としても注目されている。よって、二次電池を使うアプリケーションの種類は二次電池の利点によって非常に多様化しており、今後には今よりは多くの分野及び製品に二次電池が適用されることになると予想される。
【0004】
このような二次電池は、電極及び電解液の構成によって、リチウムイオン電池、リチウムイオンポリマー電池、リチウムポリマー電池などに分類されることもある。そのうち、電解液の漏液可能性が低く、製造が容易であるリチウムイオンポリマー電池の使用量が増えている。一般的に、二次電池は、電池ケースの形状によって、電極組立体が円筒形または角形の金属缶に内蔵されている円筒型電池及び角型電池と、電極組立体がアルミニウムラミネートシートのパウチ形ケースに内蔵されているパウチ型電池とに分類される。
【0005】
電池ケースに内蔵される電極組立体は、正極、負極、及び前記正極と前記負極との間に介在された分離膜の構造を有する充放電可能な発電素子であり、活物質が塗布された長いシート状の正極と負極との間に分離膜を介在して巻き取ったゼリーロール型と、所定のサイズの多数の正極と負極とを分離膜を介在した状態で順次積層したスタック型とに分類される。
【0006】
図1は従来の積層式電極組立体の製造過程を示す模式図である。
【0007】
図1を参照すると、積層式電極組立体10は、正極板1、負極板2、及び正極板1と負極板2との間に介在された分離膜5を含む単位セルの間に第2分離膜を積層して電極組立体10を構成しており、正極板1及び負極板2の一側には突出した正極タブ3及び負極タブ4が電気的に付着されている構造を有する。前記構成はゼリーロール型電極組立体にも適用される。
【0008】
従来の積層式電極組立体構造は二次電池の容量を増加させにくいので、デバイスの小型化またはスリム化による高容量の二次電池に対する要求を満たすことができないという欠点がある。
【0009】
さらに、電極板の片面または両面に電極合剤層が塗布されている電極シートから多数の電極をノッチングするノッチング工程、または電極の整列工程などの製造工程で誤差が発生する場合、容量を低下させるだけでなく、電池の寿命を短縮させる原因になる。
【0010】
特に、
図1の従来の負極タブが折れた状態を示す写真のように、ノッチングによって形成された電極タブは金属ホイルのみから形成されるので、折れ、光反射などの問題のため、後段工程の基準線として適切ではない場合がある。
【0011】
一般的なノッチング工程またはラミネーション工程では、電極タブを基準に、カッティングや積層を遂行するが、金属ホイルのみで構成されるので、電極活物質が塗布された合剤層に比べて小さい厚さのため、工程効率が低く不良率が高い状況である。
【0012】
追加として、
図10は従来技術による電極組立体の断面図である。
図10を参照すると、パウチ型電池セルを構成する電極組立体は、正極10と負極20との間に分離膜5が介在されている構造を有し、集電体である負極シート200及び正極シート400の片面または両面に電極活物質を含む正極合剤層11及び負極合剤層21がそれぞれ塗布されている。
【0013】
図11は電極活物質が両面に塗布された電極シート及び分離膜が積層された電極集電体の詳細図である。同図に示すように、正極合剤層11は、集電体である正極シートの間に電極活物質が塗布され、前記正極シートに均一な厚さに塗布される正極平坦部111と、斜めに塗布される正極傾斜部112とからなる。同図に示すように、負極合剤層21は、集電体である負極シートの間に電極活物質が塗布され、前記負極シートに均一な厚さに塗布される負極平坦部211と、斜めに塗布される負極傾斜部212とからなる。
【0014】
前記負極合剤層の厚さtNは前記正極合剤層の厚さtPより大きく形成される場合に電池の容量特性が維持され、安全性も向上する。
【0015】
正極及び負極は、集電体である金属ホイル状のシートに正極活物質または負極活物質がコーティングされ、前記活物質の粘性、組成などの物理化学的特性によってコーティング部の両端でコーティング厚さに差が発生するスライド部分が形成されることができる。
【0016】
前記負極傾斜部の角度βは前記正極傾斜部の角度αより小さい。前記負極傾斜部の傾斜度が正極傾斜部に比べて緩い理由は、負極より正極の活物質素材の粘性が高くて負極傾斜部の傾斜度が相対的に緩く形成されるからである。前記負極傾斜部の負極方向への長さLNは前記正極傾斜部の正極方向への長さLPより大きい。
【0017】
前記のような合剤層形成の特性のため、負極対正極の容量比(N/P ratio)が逆転する負極対正極容量逆転部500が存在することになる。このような負極対正極容量逆転部の存在のため、繰り返し充放電過程で、正極10から脱離したリチウムイオンが挿入することができる負極20の内部空間が足りなくなり、リチウムイオンが負極表面でリチウム金属として析出するか、電池の製造過程で混入した金属成分不純物が再結晶化しながら、分離膜を貫いて正極に接触することによって発生する内部短絡による安全性の問題が発生することがある。
【0018】
図12はこのような負極対正極容量逆転部が発生する位置別負極対正極容量比を測定した実験結果を示す図である。前記実験は薄膜厚さ測定装置(Rotary Caliper、MAYSUN IN JAPAN、RC-1W-1000)で遂行したものであり、電極挿入ローラーを駆動し、洗浄後にキャリブレーションを完了し、薄膜の厚さを測定しようとする電極を前記電極挿入ローラーの間に挿入すれば、電極が移動するのに伴って厚さが測定される。前記正極平坦部及び正極傾斜部から構成された前記正極活物質塗布部と前記負極平坦部及び負極傾斜部から構成された前記陰極活物質塗布部とを確認することができる。前記正極傾斜部及び前記負極傾斜部の所定部位で負極対正極容量逆転部500を確認することができる。
【0019】
これを最大限抑制するために、負極と正極とが分離膜を挟んで対面する位置で負極の断面容量が正極の断面容量より大きくなるように構成する方式を採用しているが、エネルギー密度の向上に関連して、電極の縁部に塗布またはコーティングされる断面容量調節に関連しては研究を遂行したが、工程制御に困難がある。
【0020】
したがって、ラミネーション工程において、電極のカッティング基準の変更、スタッキング(Stacking)の際のアラインメント正確度の向上及び正極及び負極(ACOH、Anode Cathode Overhang)ギャップ検査の効果を高めるための既存の電極タブより厚さが大きくて堅固であり、活物質が塗布されて光反射がないショルダー部を基準に電極の積層特性を改善した負極シート及び負極を含む電極組立体及びその製造方法の技術開発が要求されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0021】
【文献】特開2009-123752号公報
【文献】韓国公開特許第2015-0033933号公報
【文献】特開2010-086813号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は前記のような従来技術の問題点と過去から要請されて来た技術的課題を解決することを目的とする。
【0023】
具体的には、本発明の目的は、ラミネーション工程において、電極のカッティング基準の変更、スタッキング(Stacking)の際のアラインメント正確度の向上及び正極及び負極ギャップ検査の効果を高めるための既存の電極タブより厚さが大きくて堅固であり、活物質が塗布されて光反射がないショルダー部を基準に電極の積層特性を改善した負極シート及び負極を含む電極組立体及びその製造方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0024】
このような目的を達成するための本発明は、ACOH(Anode Cathode Overhang)ギャップを確保するための負極製造方法であって、全長方向(Y軸方向)に活物質塗布部及び無地部が形成された陰極ロールを製造する第1段階と、前記陰極ロールの全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部を形成するためのノッチングを遂行する第2段階と、前記ショルダー部を基準に全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Bでカッティングする第3段階とを含む負極製造方法であることができる。
【0025】
また、前記ショルダー部の全長方向中心線は正極の正極タブ中心線と一致するレベルで形成されることができる。
【0026】
また、負極の外周端部を基準に前記ショルダー部の全長方向の高さは前記負極タブの前記活物質塗布部の高さと一致するかそれより低くすることができる。
【0027】
また、前記ショルダー部の全幅W6は、前記正極タブの全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含むことができる。
【0028】
また、前記ショルダー部の全長L6は前記負極一側外部端部から0.1~3mm以上とすることができる。
【0029】
また、前記ショルダー部のR値は0.1~3とすることができる。
【0030】
このような目的を達成するための本発明は、所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部が形成され、前記ショルダー部は、正極と積層されるとき、正極タブと対面する位置に形成される負極であることができる。
【0031】
また、前記ショルダー部の全幅W6は、前記正極タブの全幅及び前記ACOHギャップを含み、前記ショルダー部の全長L6は前記正極タブの活物質塗布部の長さ及びACOHギャップを含むことができる。
【0032】
また、前記ショルダー部の活物質塗布部のうちの負極傾斜部の断面容量は正極タブの活物質塗布部のうちの正極傾斜部の断面容量より高い負極対正極容量逆転部がなくてもよい。
【0033】
また、前記負極端215から負極タブネック214までの高さHNTN2と前記負極端において前記ショルダー部が形成される開始点から前記活物質塗布部までの高さHNSの負極高比HNTN2/HNSは5.0~1とすることができる。
【0034】
このような目的を達成するための本発明は、正極タブが一側外部端部から突出しており、正極活物質を含む正極合剤層が前記正極タブの下部及び集電体上に塗布されている正極と、負極タブが一側外部端部から突出しており、陰極活物質を含む負極合剤層が前記負極タブの下部及び集電体上に塗布されている負極と、前記正極及び負極の間に位置する分離膜と含み、前記負極は、所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部が形成され、前記ショルダー部は、前記正極と積層するとき、正極タブと対面する位置に形成される電極組立体であることができる。
【0035】
また、前記負極の前記負極タブ及び前記ショルダー部は前記負極の全長方向(Y軸方向)の一側端部に一緒に形成されるか両側端部に形成されることができる。
【0036】
このような目的を達成するための本発明は、ACOH(Anode Cathode Overhang)ギャップを確保するための電極組立体製造方法であって、負極のショルダー部をビジョンセンシングする段階と、前記ショルダー部の全幅または全長を基準に正極の正極タブが位置するように積層する段階と、前記積層された正極タブ及び前記ショルダー部のACOHギャップを測定して電極組立体の積層ずれを防止する段階とを含み、前記負極は、全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Aで活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部のみを含む前記ショルダー部が形成され、前記ショルダー部の全幅は前記正極タブ全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含む電極組立体製造方法であることができる。
【0037】
また、前記ショルダー部の全幅または全長を基準に前記正極の前記正極タブが位置するように積層する段階と、前記正極の前記正極タブの下に積層された前記負極の前記ショルダー部をビジョンセンシングする段階と、積層された全長方向(Y軸方向)の前記正極の一端部と前記負極の一端部との間の間隔及び前記積層された正極タブ及び前記ショルダー部のACOHギャップを測定して前記正極及び前記負極のギャップを把握する段階とを含むことができる。
【0038】
また、前記電極組立体は、スタック型、ジグザグ型、ゼリーロール型またはスタック/フォルディング型の構造を有することができる。
【0039】
また、前記電極組立体は、単一極板、両側外面の極板の極性が同一であるバイセル、または両側外面の極板の極性が互いに異なるフルセルからなる単位セルから構成されることができる。
【0040】
また、前記正極タブ及び前記負極タブは、全長方向(Y軸方向)を基準に同一方向または反対方向に形成されることができる。
【0041】
また、本発明は、前記電極組立体製造方法によって製造された電極組立体が電池ケースに電解液とともに内蔵されている電池セルであることができる。
【0042】
また、本発明は、前記電池セルを一つ以上含んでいる電池パックであることができる。
【0043】
また、本発明は、前記電池パックを含むデバイスであることができる。
【0044】
本発明は、電極合剤層を含む電極シートを準備する第1段階と、前記電極シートを一対以上の電極挿入ローラーに挿入する第2段階と、挿入された前記電極シートを前記一対以上の電極挿入ローラーが回転しながら一方向に移動させる第3段階と、前記電極シートが移動するうちに電極シートに形成された電極合剤層の厚さの測定によって、負極の厚さ比、正極の厚さ比、及び負極対正極容量比を含む測定値を得る第4段階とを含み、前記電極シートのうちの負極シートは、所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部を含むショルダー部が形成される電極合剤層厚さ測定方法であることができる。
【0045】
前記デバイスは、コンピュータ、携帯電話、ウェアラブル電子機器、動力工具(power tool)、電気自動車(Electric Vehicle:EV)、ハイブリッド電気自動車、電気二輪車、電気ゴルフカート、または電力貯蔵用システムなどから選択されるものであることができる。
【0046】
このようなデバイスの構造及び製作方法は当該技術分野に公知となっているので、本明細書ではそれについての詳細な説明を省略する。
【発明の効果】
【0047】
以上で説明したように、本発明による電極の積層特性を改善した負極及び負極を含む電極組立体及びその製造方法は、ラミネーション工程で、電極のカッティングを負極ショルダー部を基準に変更することにより誤差の発生を減少させる効果がある。
【0048】
また、電極組立体形成のための積層の際、電極のコーナーを基準に積層するときにずれることによる誤差を減らす効果がある。
【0049】
また、電極組立体形成のための積層の際、前記ショルダー部の測定によってACOHギャップ測定の工程性及び正確度が向上する効果がある。
【0050】
また、電極板の体積の増加なしに電極活物質を含む電極合剤層をより広い面積に効率的に塗布して電極組立体の容量を増大させることができる効果を提供する。
【0051】
また、電極組立体形成の際、前記正極及び負極の端部に行くほど電極活物質を含む電極合体層の厚さが小さくなって発生する負極対正極容量逆転部が発生することを防止する効果がある。
【0052】
したがって、二次電池の安全性、容量増大、及び寿命延長を向上させることができる効果を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【
図1】従来の積層式単方向電極組立体及びその電極タブの折れ現象を示す模式図である。
【
図2】従来の両方向電極板及び本発明の一実施例による両方向電極板を比較して示す模式図である。
【
図3】従来の単方向電極板及び本発明の一実施例による単方向電極板を比較して示す模式図である。
【
図4】本発明の一実施例によるショルダー部を含む負極を含む両方向電極板を示す模式図である。
【
図5】本発明の一実施例による金型が形成されたプレスがショルダー部を基準に負極をノッチングする段階を示す模式図である。
【
図6】本発明の一実施例によるプレスがショルダー部を基準に負極をノッチングする段階を示す断面図である。
【
図7】従来の単方向電極積層の際の問題点及び本発明の一実施例によるショルダー部を基準に積層することによる正確度の向上を比較する模式図である。
【
図8】従来の単方向電極積層の際の問題点及び本発明の一実施例による正極及び負極ギャップの測定正確度の向上を比較する模式図である。
【
図9】本発明の一実施例による両方向電極組立体にショルダー部が形成されているものの模式図である。
【
図11】従来の電極組立体の負極対正極容量逆転部が存在する拡大断面図である。
【
図12】従来の電極組立体の負極対正極容量比による負極対正極容量逆転部の存在を確認することができる実験結果である。
【
図13】従来の電極組立体の負極対正極容量逆転部が存在する平面図及び本発明の一実施例による単方向電極組立体に負極対正極容量逆転部が除去されたショルダー部が形成された電極組立体の平面図の比較図である。
【発明を実施するための形態】
【0054】
以下では、本発明の実施例を添付図面に基づいて説明するが、これは本発明のより容易な理解のためのものであり、本発明の範疇がこれによって限定されるものではない。
【0055】
ACOH(Anode Cathode Overhang)は、二次電池構成の際、負極及び正極の電池安全性のために確保しなければならない正極と負極との間の間隔を意味する。
【0056】
電極タブネック(正極タブネック114、負極タブネック214)は、ノッチングによって電極シートに形成される電極タブの有地部領域を意味する。前記電極タブネックは、活物質コーティング傾斜部及び平坦部を含むことができる。
【0057】
電極シートは、電極ロールからノッチング及びカッティングが遂行された単位電極である。
【0058】
電極組立体は、負極、分離膜、及び正極が積層された単位セルを言う。
【0059】
本発明で、両方向電極組立体は電気自動車用などの中大型電池を意味し、単方向電極組立体はモバイルデバイスなどの小型電池に適用される電極組立体を意味する。
【0060】
本発明の電極組立体は、スタック型、ジグザグ型(韓国登録特許第10-1634772号公報参照)またはスタック/フォルディング型の構造を有することができる。
【0061】
電極ロールは、一般的に複数の活物質塗布部及び無地部(正極無地部113、負極無地部213)を有するシートをスリッティングして単一活物質塗布部及び無地部を有する電極シートをローリングした単位体である。
【0062】
本発明のショルダー部は、負極に正極の正極タブが形成される部分に電極組立体形成の際に重なる部分に形成される構成である。
【0063】
前記ショルダー部は、負極シート形成の際、陰極ロールの活物質塗布部を含む。
【0064】
前記ショルダー部は、前記正極タブと積層によって重なるとき、全幅及び全長の方向にACOHを有する。
【0065】
本発明で提示する数値または基準値は設計値であり、実際に工程に適用するとき、工程誤差が存在することは当たり前予想される。
【0066】
図1は従来の積層式単方向電極組立体及びその電極タブの折れ現象を示す模式図である。
【0067】
図2は従来の両方向電極板及び本発明の一実施例による両方向電極板を比較して示す模式図である。
【0068】
図3は従来の単方向電極板及び本発明の一実施例による単方向電極板を比較して示す模式図である。
【0069】
図1~
図3を一緒に参照すると、本発明による電極組立体は、正極板1と負極板2との間に分離膜5が介在されている構造を有し、正極板1、負極板2、及び分離膜5を含んでなる。
【0070】
図2及び
図3の左側には従来の電極板1、2の構成が開示され、右側には本発明の一実施例による電極板の構成が開示されている。本発明の電極板は平面視で正方形を成しており、
図4には本発明の電極板の一部拡大図が示されている。
【0071】
正極板1には正極タブ3が一側の外周端部から全長方向(Y軸方向)に突出しており、正極活物質を含む正極合剤層11が正極板1から突出している正極タブ下部31及び正極集電体上に塗布されている。
【0072】
負極板2には負極タブ4が一側外周端部から全長方向(Y軸方向)に突出しており、負極活物質を含む負極合剤層21が負極板2から突出している負極タブ下部41及び負極集電体上に塗布されている。
【0073】
負極板2は正極板1より相対的に大きな面積を有し、正極タブ3及び負極タブ4は突出した端部の長さが同一であるように同一方向(Y軸方向)に形成されている。
【0074】
負極板の長さL1は、正極板の長さL2に正極板の外周端部より長く延びている負極板の上側端部の長さL11及び下側端部の長さL12を合わせた大きさである。
【0075】
負極板及び正極板は中心が互いに一致するように中心線であるC-C'線を基準に整列された状態に積層される構造を有する。
【0076】
負極板の上側端部の長さL11は正極板の上側端部より0.1mm以上延びて形成されることができる。前記数値より小さくなれば、ラミネーション及びスタッキング工程による電極組立体形成の際、工程誤差に起因する短絡現象が発生することがある。
【0077】
負極板の正方形の各面の外周端部は正極板の各面の外周端部よりそれぞれ0.1mm長く延びており、この範囲に製造工程誤差範囲が含まれている。
【0078】
これは、L11、L12、W11、W12の値が0.1mm以上であることを意味する。通常的な国際規格では0.1mm以上の値を要求している。前記数値より小さくなれば、ラミネーション及びスタッキング工程による電極組立体形成の際、工程誤差に起因する短絡現象が発生することがある。
【0079】
従来の単方向負極板の上側端部(電極タブが形成された方向)において従来の単方向正極板の上側端部より長く延びた長さUNIDI-L11は単方向負極板の下端部(電極タブが形成されていない方向)において単方向正極板の下端部より長く延びた長さUNIDI-L12より大きい。すなわち、UNIDI-L11>UNIDI-L12である。
【0080】
本発明による単方向正極板の長さと従来の単方向正極板の長さとを比較すると、本発明による単方向正極板の長さがより大きくて長さ差が発生し、このような差によって容量増大の効果を発揮することができる。
【0081】
従来の両方向負極板の下端部(負極タブが形成されていない方向)において両方向正極板の上側端部より長く延びた長さBIDI-L12は両方向負極板の下端部において両方向正極板の下端部より長く延びた長さBIDI-L11と同じかそれより小さい。前記長さの差は、設計値に対して実際の工程適用によるスリッティング、ノッチング及びカッティングの際に発生する工程誤差に起因するというのは言うまでもない。
【0082】
本発明による両方向正極板の長さL22と従来の両方向正極板の長さL2とを比較すると、本発明による両方向正極板の長さL22がより大きくて長さの差L22-2が発生し、このような差によって容量増大の効果を発揮することができる。
【0083】
本発明による両方向負極板の下端部が本発明による両方向正極板の下端部より長く延びた長さL12は、これに対応する従来の両方向負極板の延びた長さBIDI-L12より小さく、上端部より長く延びた長さL11は延びた長さBIDI-L12と同一である。
【0084】
図4は本発明の一実施例によるショルダー部を含む負極を含む両方向電極板を示す模式図である。
【0085】
ショルダー部6は平面視で直方形を有し、ショルダー部6の突出長L6は正極合剤層11が塗布されている正極タブ下部31より大きい長さを有している。
【0086】
ショルダー部6は正極と対面する負極板に形成され、正極合剤層が塗布されている正極タブ下部31に対応する負極板の部位には負極合剤層が塗布されている。
【0087】
ショルダー部6は正極合剤層が塗布されている正極タブ下部31より相対的に大きな面積を有する。
【0088】
ショルダー部6の外周端部は正極合剤層が塗布されている正極タブ下部の外周端部より全幅方向及び全長方向に0.1mm以上延びたショルダー部全長L61及びショルダー部全幅W6を有することができる。前記数値範囲を満たさなければ、ラミネーション及びスタッキング工程による電極組立体形成の際、短絡などの問題が発生することがある。
【0089】
ショルダー部6の突出長であるショルダー部全長L6は正極タブ下部領域より相対的に長く延びており、ショルダー部6の全幅W6は正極タブ下部の幅W31に比べて相対的に大きく形成されている。
【0090】
負極タブ下部41及びショルダー部6を含めて負極板の負極合剤層が塗布された面積は正極板の正極合剤層が塗布された面積より広い。
【0091】
電極タブが基準である一般的なノッチング工程またはラミネーション工程では電極タブを基準にカッティングまたは積層を遂行するが、金属ホイルのみで構成され、電極活物質が塗布された合剤層に比べて小さい厚さによって工程効率が低く不良率が高い状況である。
【0092】
したがって、ラミネーション工程において、電極のカッティング基準の変更、スタッキング(Stacking)の際のアラインメント正確度の向上及び正極及び負極(ACOH、Anode Cathode Overhang)ギャップ検査の効果を高めるための既存の電極タブより厚さが大きくて堅固であり、活物質が塗布されて光反射がないショルダー部を基準に遂行する電極及び電極組立体工程を提示する。
【0093】
図5は本発明の一実施例による金型が形成されたプレスがショルダー部を基準に負極をノッチングする段階を示す模式図である。
【0094】
一般的に、ロールプレス(roll press)工程は、電極活物質を含む電極スラリーが塗布された電極加工物の上下面に加熱されたローラーを位置させ、前記加熱されたローラーが電極加工物が位置する方向に電極スラリーを圧着する工程を実施する。このようなロールプレス工程は、電極スラリーに残っている溶媒を蒸発させ、電極スラリーを電極上で圧縮硬化させてエネルギー密度を高めた電極合剤層を形成する。その後、設定された電極の外形を加工する工程を遂行する。
【0095】
ロールプレス工程の加工体をスリッティングする工程は、電極合剤がコーティングされた一方向に長い金属シートからなる電極集電体をカッター(cutter)でスリッティング(slitting、縦切断)して電極用ストリップ状に分割加工する。このとき、金属ホイルの全長方向をY方向に、金属ホイルの全幅方向をX方向に設定する。
【0096】
ACOH(Anode Cathode Overhang)ギャップを確保するための負極製造方法として、全長方向(Y軸方向)に活物質塗布部及び無地部が形成された陰極ロールを製造する第1段階と、前記負極シートの全幅方向(X軸方向)の所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含む負極タブ及び前記活物質塗布部のみを含むショルダー部をノッチングする第2段階と、前記ショルダー部を基準に全幅方向(X軸方向)に所定の間隔Bでカッティングする第3段階と、を含む負極製造方法を提供することができる。
【0097】
負極タブが一側外周端部から突出しており、負極活物質を含む負極合剤層が前記負極タブの下部及び集電体上に塗布されている負極板であることができる。
【0098】
負極板は、負極タブが一側外周端部から全長方向(Y軸方向)に突出しており、負極活物質を含む負極合剤層が負極板から突出している負極タブの下部及び負極集電体上に塗布されている。
【0099】
前記所定の間隔Aは単一負極の全幅であってもよい。
【0100】
前記負極の全幅は1~500mm、好ましくは10~200mmとすることができる。ここで、所定の間隔Aは電池の設計容量によって可変することができるというのは言うまでもない。
【0101】
前記所定の間隔Bは、全幅方向に前記ショルダー部の一端部から単一負極を形成するためにカッティングされる境界線までの距離とすることができる。
【0102】
前記所定の間隔Bは1~300mm、好ましくは5~100mmとすることができる。ここで、所定の間隔Bは電池の設計容量によって可変することができるというのは言うまでもない。
【0103】
図6は本発明の一実施例によるプレスがショルダー部を基準に負極をノッチングする段階を示す断面図である。
【0104】
図5及び
図6を参照すると、スリッティング工程によって製造された加工体は、金型(例えば、負極タブ金型部220と、ショルダー部金型部230とを有する金型210)またはレーザーなどを用いて電極タブの形状を加工するノッチング工程を受けるようになる。具体的には、金型を用いて加工体を切削することで、電極タブの形状と電極合剤がコーティングされている有地部の形状とを加工するようになる。
【0105】
また、本発明の負極合剤層を含むショルダー部の形状を加工することができる。
【0106】
このような連続フィーディング方式のノッチング工程はプレスが移送しながら電極シートを同時に打抜する方式であり、打抜される電極シートが停止せずにずっと供給されるという点で特徴がある。このような連続フィーディング方式を参照すると、負極シート200を一定の形状に打抜するプレス100と、負極シートをプレスに供給するフィーダー(シートフィーダー300)とを含んでおり、プレスもある程度はフィーダーとして動作する。すなわち、プレスは負極シートを打抜するとともに移送長の半分を移送する役割を果たし、待機していたフィーダーが残りの半分を移送させる方式で、負極シートを一定の速度で連続的に移送する。
【0107】
図7は従来の単方向電極積層の際の問題点及び本発明の一実施例によるショルダー部を基準に積層することによる正確度の向上を比較する模式図である。
【0108】
左側の既存の単方向電極組立体を形成するための電極積層の際に正確度を高めるために電極の角部をスキャンしてx、y、Θを調節した。しかし、図のように積層するのに伴い、XはX'、X"に、YはY'、Y"にずれることが発生し、値の変化も発生した。本発明のショルダー部及び正極タブが積層される部分をスキャンしてX、Y、Θを調節した結果、積層正確度が向上する結果を得た。
【0109】
図8は従来の単方向電極積層の際の問題点及び本発明の一実施例による正極及び負極ギャップの測定正確度の向上を比較する模式図である。
【0110】
左側の既存の単方向電極組立体を形成するための積層の際、正極及び負極のギャップを測定して積層工程の正確度を測定した。ここで、積層電極の角部を2箇所以上測定して正極及び負極ギャップを測定しなければならなかった。
【0111】
本発明の場合、ショルダー部及び正極タブが形成された部分のみをスキャンして正極及び負極ギャップを測定して積層工程の正確度を向上させることができた。
【0112】
前記ショルダー部の全長方向中心線は正極の正極タブの中心線と一致することができる。
【0113】
前記全長方向中心線と前記正極の正極タブの中心線との一致は設計基準に実際の量産工程では工程散布の中心値に相当することができるというのは言うまでもない。したがって、前記中心線の一致から外れて一部のショルダー部が形成された負極シートの形成は充分に予想することができる。
【0114】
正極板は、正極タブが一側外周端部から全長方向(Y軸方向)に突出しており、正極活物質を含む正極合剤層が正極板から突出している正極タブが下部及び正極集電体上に塗布されている。
【0115】
前記負極板の外周端部を基準に前記ショルダー部の全長方向の高さは前記負極タブの前記活物質塗布部の高さと一致するかそれより低くすることができる。
【0116】
前記負極板の外周端部を基準に前記ショルダー部の全長方向の高さは前記正極タブの前記活物質塗布部の高さより高くすることができる。
【0117】
前記ショルダー部の全幅は前記正極タブ全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含むことができる。
【0118】
前記数値が確保されなければ、製品量産性及び工程性向上を期待することができない。また、電極タブの溶接の際、不良率が増加することがある。
【0119】
前記ショルダー部の全長L6は、電極組立体のスタッキングの際に基準になるために、前記負極の一側外部端部から0.1~3mmとすることができる。前記下限を外れれば、安全性に問題が発生することがあり、前記ショルダー部の全長は、ACOHギャップを確保し、電極積層の際に基準になるために、下限以上でなければならない。前記上限を外れれば、コーティング部が分離膜を越えることがあり、不必要な電極損失が発生することがある。
【0120】
前記ショルダー部のR値は、電極間の連結のために、0.1R~3Rとすることができる。前記R値の範囲を外れれば、電極品質が低下することがある。
【0121】
負極の全幅方向(X軸方向)に沿って所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含めて負極タブ及び前記活物質塗布部のみを含むショルダー部が形成され、前記ショルダー部の全幅方向の中心線は正極タブの中心線と一致し、前記ショルダー部の全幅は前記正極タブ全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含む負極とすることができる。
【0122】
前記負極タブ及び前記ショルダー部は前記負極の全長方向(Y軸方向)の一側端部に一緒に形成されるか両側端部に形成される負極であることができる。
【0123】
本発明は、負極の前記ショルダー部をビジョンセンシングする段階と、前記ショルダー部の全幅及び全長を基準に正極の正極タブが位置するように積層する段階と、前記積層された正極タブと前記ショルダー部のACOHギャップを測定して電極組立体の積層ずれを防止する段階とを含み、前記負極は全幅方向(X軸方向)に沿って所定の間隔Aで前記活物質塗布部及び無地部を含めて負極タブ及び前記活物質塗布部のみを含むショルダー部が形成され、前記ショルダー部の全長方向中心線は正極タブの中心線と一致し、前記ショルダー部の全幅は前記正極タブ全幅及び前記正極タブの両側のACOHギャップを含む負極を含む電極組立体製造方法であることができる。
【0124】
また、本発明は、前記ショルダー部の全幅及び全長を基準に正極の正極タブが位置するように積層する段階と、前記正極の前記正極タブの下に積層された前記負極の前記ショルダー部をビジョンセンシングする段階と、積層された全長方向(Y軸方向)の前記正極の一端部と前記負極の一端部との間の間隔及び前記積層された正極タブ及び前記ショルダー部のACOHギャップを測定して前記正極及び前記負極のキャップを把握する段階とを含む電極組立体製造方法であることができる。
【0125】
また、前記電極組立体はスタック型またはスタック/フォルディング型の構造を有する、電極組立体製造方法であることができる。
【0126】
また、前記電極組立体は、両側外面の極板の極性が同一であるバイセル、または両側外面の極板の極性が互いに異なるフルセルからなる単位セルから構成されている、電極組立体製造方法であることができる。
【0127】
また、前記正極タブ及び負極タブは全長方向(Y軸方向)を基準に同じ方向または反対方向に形成されている、電極組立体製造方法であることができる。
【0128】
また、本発明は、前記電極組立体製造方法で製造された電極組立体が電池ケースに電解液とともに内蔵されている電池セルであることができる。
【0129】
また、本発明は、前記電池セルを一つ以上含んでいる電池パックであることができる。
【0130】
また、本発明は、前記電池パックを含むデバイスであることができる。
【0131】
また、前記ショルダー部の活物質塗布部のうちの負極傾斜部の断面容量は正極タブの活物質塗布部のうちの正極傾斜部の断面容量より高いことができる。
【0132】
また、前記負極タブネック214を開始点として前記負極タブの前記活物質塗布部までの高さHNTN2と前記ショルダー部が形成される開始点から前記活物質塗布部までの高さHNSの負極高比HNTN2/HNSは5.0~1とすることができる。
【0133】
すなわち、通常的な負極シートにノッチングを形成する負極シートの投入位置から全長方向に前記ショルダー部を含む前記負極シートを全長方向の上方または下方に移動してノッチングすることができる。前記ノッチングは既存の条件で0.1~1.5mm上側で遂行することができる。
【0134】
このような改善によって電極組立体の安全性評価、工程能力及びACOHギャップを改善することができる。
【0135】
前記ショルダー部は正極タブネックに接することができ、前記ショルダー部が形成された前記負極及び正極を積層するとき、正極の活物質塗布部である有地部に重なることができる。
【0136】
前記負極に形成されるショルダー部は有地部に形成されなければならない。
【0137】
また、前記負極に形成されるショルダー部は前記正極タブネックよりは大きくなければならない。
【0138】
したがって、前記ショルダー部の高さは前記負極タブネックの下限値より大きくなることができない。その理由は、前記電極を構成する金属シートであるホイル間の接触によるショートを防止するためであり、前記正極及び負極の活物質が塗布されていない無地部の間の接触はショートを引き起こし、よって火災の危険性が高いからである。
【0139】
図13は本発明の適用前及び適用後の平面図である。本発明の適用前である上側図は
図11の負極及び正極の平面図であり、前記負極タブネック214から前記活物質塗布部までの高さH
NTN1及び負極対正極容量逆転部500が存在することを確認することができる。
【0140】
本発明の適用後である下側図は負極にショルダー部6が形成される開始点から前記活物質塗布部までの高さHNSから、前記負極平坦部に形成され、前記負極傾斜部まで形成されることを確認することができる。
【0141】
本発明の適用前の前記負極タブネック214から前記活物質塗布部までの高さHNTN1は本発明の適用後の前記負極タブネック214から前記活物質塗布部までの高さHNTN2より小さい。したがって、前記負極対正極容量逆転部の形成を除去することができる。
【0142】
本発明の適用後の負極が適用前の負極より全長方向(Y軸方向)に移動してショルダー部を形成することができる。
【0143】
前記範囲を外れれば、電池の安全性に問題が発生する負極対正極容量逆転部が発生することができる。
【0144】
本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者であれば、前記内容に基づいて本発明の範疇内で多様な応用及び変形が可能であろう。
【符号の説明】
【0145】
1 正極板
10 正極
11 正極合剤層
111 正極平坦部
112 正極傾斜部
113 正極無地部
114 正極タブネック
2 負極板
20 負極
21 負極合剤層
211 負極平坦部
212 負極傾斜部
213 負極無地部
214 負極タブネック
3 正極タブ
31 正極タブ下部
4 負極タブ
41 負極タブ下部
5 分離膜
6 ショルダー部
100 プレス
110 下部プレス
200 負極シート
210 金型
220 負極タブ金型部
230 ショルダー部金型部
300 シートフィーダー
400 正極シート
500 負極対正極容量逆転部