IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 富士ゼロックス株式会社の特許一覧

<>
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図1
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図2
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図3
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図4
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図5
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図6
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図7
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図8
  • 特許-定着装置および画像形成装置 図9
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】定着装置および画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 15/20 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
G03G15/20 510
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2019189218
(22)【出願日】2019-10-16
(65)【公開番号】P2021063940
(43)【公開日】2021-04-22
【審査請求日】2022-09-22
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【弁理士】
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【弁理士】
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【弁理士】
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】小林 丈太
【審査官】小池 俊次
(56)【参考文献】
【文献】特開2014-186133(JP,A)
【文献】特開2004-184517(JP,A)
【文献】特開2019-128507(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 15/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベルト部材と、
記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、
前記ベルト部材の内側で前記ベルト部材と接触し、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、
前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、
を備え、
前記第1部材は加熱部材であって、前記ベルト部材の移動方向に沿って設けられるとともに、前記第1部材は、前記支持部材が前記第2部材に支持される前記領域よりも前記移動方向上流側に設けられておらず、
前記加熱部材は、前記移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられるとともに、前記中心から前記移動方向の上流側にわたって設けられる部分の長さよりも、前記中心から前記移動方向の下流側にわたって設けられる部分の長さの方が短い
着装置。
【請求項2】
ベルト部材と、
記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、
前記ベルト部材の内側で前記ベルト部材と接触し、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、
前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、
を備え、
前記第1部材は加熱部材であって、前記ベルト部材の移動方向に沿って設けられるとともに、前記第1部材は、前記支持部材が前記第2部材に支持される前記領域よりも前記移動方向上流側に設けられておらず、
前記加熱部材は、前記移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられるとともに、前記中心から前記移動方向の上流側にわたって設けられる部分の長さよりも、前記中心から前記移動方向の下流側にわたって設けられる部分の長さの方が長
着装置。
【請求項3】
前記支持部材は、前記ベルト部材の移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられ、また、前記上流側にて前記第1部材を支持する上流側支持部および前記下流側にて前記第1部材を支持する下流側支持部を有し、
前記第2部材は、前記上流側支持部の第1領域および前記下流側支持部の第2領域を支持し、
前記上流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第1領域に重なる第1重なり領域を支持し、
前記下流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第2領域に重なる第2重なり領域を支持することを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置。
【請求項4】
前記第1重なり領域および前記第2重なり領域は、前記一方向において前記通過部と重なることを特徴とする請求項記載の定着装置。
【請求項5】
ベルト部材と、
記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、
前記ベルト部材の内側に設けられ、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、
前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、
前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、
を備える定着装置であり、
前記支持部材は、前記ベルト部材の移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられ、また、前記上流側にて前記第1部材を支持する上流側支持部および前記下流側にて前記第1部材を支持する下流側支持部を有し、
前記第2部材は、前記上流側支持部の第1領域および前記下流側支持部の第2領域を支持し、
前記上流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第1領域に重なる第1重なり領域を支持し、
前記下流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第2領域に重なる第2重なり領域を支持し、
前記ベルト部材と前記第1部材とに挟まれ、且つ前記移動方向において前記第1重なり領域および前記第2重なり領域よりも内側に設けられ、前記ベルト部材に接して前記ベルト部材を加熱する加熱部材を
さらに備える定着装置。
【請求項6】
記録媒体への画像形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段により記録媒体に形成された画像を前記記録媒体に定着する定着装置とを備え、前記定着装置が、請求項1乃至の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、定着装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、ヒータホルダは、耐熱性の樹脂より成り、セラミックヒータを保持するのと同時に、定着ベルトにも一部接触し、走行をガイドする役割をも担うことが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特許第6172925号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
定着装置には、ベルト部材と、このベルト部材を内側から支持する支持部材とが設けられることがある。ここで、支持部材が外力を受けると支持部材に回転モーメントが作用することがあるが、支持部材に作用する回転モーメントが大きいと、支持部材の変形が起こりやすくなる。
本発明は、支持部材に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材の変形を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ベルト部材と、記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、前記ベルト部材の内側で前記ベルト部材と接触し、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、を備え、前記第1部材は加熱部材であって、前記ベルト部材の移動方向に沿って設けられるとともに、前記第1部材は、前記支持部材が前記第2部材に支持される前記領域よりも前記移動方向上流側に設けられておらず、前記加熱部材は、前記移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられるとともに、前記中心から前記移動方向の上流側にわたって設けられる部分の長さよりも、前記中心から前記移動方向の下流側にわたって設けられる部分の長さの方が短い定着装置である。
請求項2に記載の発明は、ベルト部材と、記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、前記ベルト部材の内側で前記ベルト部材と接触し、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、を備え、前記第1部材は加熱部材であって、前記ベルト部材の移動方向に沿って設けられるとともに、前記第1部材は、前記支持部材が前記第2部材に支持される前記領域よりも前記移動方向上流側に設けられておらず、前記加熱部材は、前記移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられるとともに、前記中心から前記移動方向の上流側にわたって設けられる部分の長さよりも、前記中心から前記移動方向の下流側にわたって設けられる部分の長さの方が長い定着装置である。
請求項に記載の発明は、前記支持部材は、前記ベルト部材の移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられ、また、前記上流側にて前記第1部材を支持する上流側支持部および前記下流側にて前記第1部材を支持する下流側支持部を有し、前記第2部材は、前記上流側支持部の第1領域および前記下流側支持部の第2領域を支持し、前記上流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第1領域に重なる第1重なり領域を支持し、前記下流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第2領域に重なる第2重なり領域を支持することを特徴とする請求項1又は2記載の定着装置である。
請求項に記載の発明は、前記第1重なり領域および前記第2重なり領域は、前記一方向において前記通過部と重なることを特徴とする請求項記載の定着装置である。
請求項に記載の発明は、ベルト部材と、記録媒体を加圧しながら通過する通過部を前記ベルト部材との間に形成する加圧部材と、前記ベルト部材の内側に設けられ、前記加圧部材から一方向への押圧力を受ける第1部材と、前記ベルト部材の内側に設けられ、前記第1部材を介して前記加圧部材の押圧力を受ける第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とに挟まれ、前記第1部材を支持する領域と前記第2部材に支持される領域とが前記一方向において重なるように前記第1部材を支持する支持部材と、を備える定着装置であり、前記支持部材は、前記ベルト部材の移動方向において前記通過部の中心よりも上流側から下流側にわたって設けられ、また、前記上流側にて前記第1部材を支持する上流側支持部および前記下流側にて前記第1部材を支持する下流側支持部を有し、前記第2部材は、前記上流側支持部の第1領域および前記下流側支持部の第2領域を支持し、前記上流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第1領域に重なる第1重なり領域を支持し、前記下流側支持部は、前記第1部材のうちの前記一方向において前記第2領域に重なる第2重なり領域を支持し、前記ベルト部材と前記第1部材とに挟まれ、且つ前記移動方向において前記第1重なり領域および前記第2重なり領域よりも内側に設けられ、前記ベルト部材に接して前記ベルト部材を加熱する加熱部材をさらに備える定着装置である。
請求項に記載の発明は、記録媒体への画像形成を行う画像形成手段と、前記画像形成手段により記録媒体に形成された画像を前記記録媒体に定着する定着装置とを備え、前記定着装置が、請求項1乃至の何れかに記載の定着装置により構成された画像形成装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、支持部材に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材の変形を抑制することができ、支持部材が第2部材に支持される領域よりもベルト部材の移動方向上流側まで加熱部材が設けられる場合に比べて、記録媒体への画像の定着が施される前に記録媒体のうちの画像が形成された面がベルト部材に接触することを抑制でき、かつ、加熱部材のうちの、ベルト部材の移動方向において通過部の中心から上流側にわたって設けられる部分の長さよりも中心から下流側にわたって設けられる部分の長さの方が長い場合に比べて、記録媒体への画像の定着が施された後に記録媒体のうちの画像が形成された面がベルト部材に接触することを抑制できる
請求項2の発明によれば、支持部材に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材の変形を抑制することができ、支持部材が第2部材に支持される領域よりもベルト部材の移動方向上流側まで加熱部材が設けられる場合に比べて、記録媒体への画像の定着が施される前に記録媒体のうちの画像が形成された面がベルト部材に接触することを抑制でき、かつ、加熱部材のうちの、移動方向において通過部の中心から上流側にわたって設けられる部分の長さよりも中心から下流側にわたって設けられる部分の長さの方が短い場合に比べて、画像の定着が施された記録媒体がベルト部材から剥離しやすくなる。
請求項3の発明によれば、上流側支持部に作用する回転モーメントおよび下流側支持部に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材のうちの上流側支持部と下流側支持部とを接続する部分の変形を抑制することができる。
請求項の発明によれば、第1重なり領域および第2重なり領域が一方向において通過部と重ならない場合に比べて、上流側支持部に作用する回転モーメントおよび下流側支持部に作用する回転モーメントを小さくすることができる。
請求項の発明によれば、支持部材に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材の変形を抑制することができ、かつ、第1部材が加熱部材である場合に比べて、記録媒体への画像の定着が施される前に記録媒体のうちの画像が形成された面がベルト部材に接触することを抑制できる。
請求項の発明によれば、支持部材に作用する回転モーメントが大きい場合に比べて、支持部材の変形を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
図1】画像形成装置の全体構成図である。
図2】定着装置の構成を示した図である。
図3図2の矢印III方向からベルト支持部材を眺めた場合の斜視図である。
図4図2の領域Eの拡大図である。
図5】比較例を示した図である。
図6】変形例としての定着装置の構成を示した図である。
図7】変形例としての定着装置の構成を示した図である。
図8】変形例としての定着装置の構成を示した図である。
図9】変形例としての定着装置の構成を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
<画像形成装置の説明>
図1は、画像形成装置1の全体構成図である。付言すると、図1は、画像形成装置1のフロント側(前面側)から画像形成装置1を眺めた場合の図である。
画像形成装置1は、所謂タンデム型のカラープリンタである。
画像形成装置1は、画像形成手段の一例としての画像形成部10を備える。画像形成部10は、各色の画像データに基づき、記録媒体の一例である用紙Pへの画像形成を行う。
【0009】
また、画像形成装置1には、制御部30、画像処理部35が設けられている。
制御部30は、画像形成装置1に設けられた各機能部を制御する。
画像処理部35は、パーソナルコンピュータ(PC)3や画像読取装置4等からの画像データに対して画像処理を施す。
【0010】
画像形成部10には、一定の間隔を置いて並列的に配置された4つの画像形成ユニット11Y,11M,11C,11K(以下、総称して単に「画像形成ユニット11」とも称する)が設けられている。
各画像形成ユニット11は、現像器15(後述)に収納されるトナーを除いて、同様に構成されている。各画像形成ユニット11は、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像(画像)を形成する。
【0011】
画像形成ユニット11の各々には、感光体ドラム12、感光体ドラム12の帯電を行う帯電器200、感光体ドラム12への露光を行うLEDプリントヘッド(LPH)300が設けられている。
感光体ドラム12は、帯電器200による帯電が行われる。さらに、感光体ドラム12は、LPH300により露光され、感光体ドラム12には、静電潜像が形成される。
さらに、各画像形成ユニット11には、感光体ドラム12に形成された静電潜像を現像する現像器15、感光体ドラム12の表面を清掃するクリーナ(不図示)が設けられている。
【0012】
また、画像形成部10には、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像が転写される中間転写ベルト20、感光体ドラム12にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト20に順次転写(一次転写)させる一次転写ロール21が設けられている。
また、画像形成部10には、中間転写ベルト20上に転写されたトナー像を用紙Pに一括転写(二次転写)させる二次転写ロール22、用紙Pに転写されたトナー像をこの用紙Pに定着させる定着装置40が設けられている。
【0013】
定着装置40には、加熱部材を備えた定着ベルトモジュール41、および、加圧ロール46が設けられている。
定着ベルトモジュール41は、用紙搬送経路R1の図中左側に配置されている。加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。さらに、定着ベルトモジュール41に対して、加圧ロール46が押し当てられている。
【0014】
定着ベルトモジュール41は、用紙Pに接触するフィルム状の定着ベルト411を備える。
ベルト部材の一例としてのこの定着ベルト411は、例えば、最外層に位置し用紙Pに接触する離型層と、離型層の一つ内側に位置する弾性層と、この弾性層を支持する基層とにより構成される。定着ベルト411は、無端状に形成され、図中反時計周り方向に循環移動する。また、定着ベルト411は、軸方向に沿って形成されている。
【0015】
定着ベルト411は、図中下方から搬送されてくる用紙Pに接触する。そして、定着ベルト411のうちの用紙Pに接触した部分が、用紙Pとともに移動する。さらに、定着ベルト411は、加圧ロール46とともに用紙Pを挟み、この用紙Pを加圧および加熱する。
さらに、定着ベルトモジュール41には、定着ベルト411の内側に、定着ベルト411を加熱する加熱部材(後述)が設けられている。
【0016】
加圧部材の一例としての加圧ロール46は、用紙搬送経路R1の図中右側に配置されている。加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙P(用紙搬送経路R1を通る用紙P)を加圧する。
また、加圧ロール46は、モータ(不図示)により、図中時計回り方向に回転する。加圧ロール46が、時計回り方向に回転すると、定着ベルト411が、加圧ロール46から駆動力を受けて反時計回り方向に回転する。
【0017】
画像形成装置1では、画像処理部35が、PC3や画像読取装置4からの画像データに対して画像処理を施し、画像処理が施された画像データが、各画像形成ユニット11に供給される。
そして、例えば、黒(K)色の画像形成ユニット11Kでは、感光体ドラム12が矢印A方向に回転しながら、帯電器200により帯電され、画像処理部35から送信された画像データに基づいて発光するLPH300により露光される。
【0018】
これにより、感光体ドラム12上には、黒(K)色の画像に関する静電潜像が形成される。そして、感光体ドラム12上に形成された静電潜像は、現像器15により現像され、感光体ドラム12上には、黒(K)色のトナー像が形成される。
同様に、画像形成ユニット11Y,11M,11Cでは、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナー像が形成される。
【0019】
各画像形成ユニット11で形成された各色トナー像は、矢印B方向に移動する中間転写ベルト20上に、一次転写ロール21により順次静電吸引されて、中間転写ベルト20上には、各色トナーが重畳されたトナー像が形成される。
中間転写ベルト20上に形成されたトナー像は、中間転写ベルト20の移動に伴って二次転写ロール22が位置する箇所(二次転写部T)に搬送される。そして、このトナー像が二次転写部Tに搬送されるタイミングに合わせて、用紙収容部1Bから二次転写部Tへ用紙Pが供給される。
【0020】
二次転写部Tでは、二次転写ロール22により形成される転写電界により、中間転写ベルト20上のトナー像が、搬送されてきた用紙Pに一括して静電転写される。
その後、トナー像が静電転写された用紙Pは、中間転写ベルト20から剥離され、定着装置40まで搬送される。
【0021】
定着装置40では、用紙Pを、定着ベルトモジュール41と加圧ロール46とで挟む。具体的には、用紙Pを、反時計回り方向へ循環移動している定着ベルト411と、時計回り方向へ回転している加圧ロール46とで挟む。
これにより、用紙Pの加圧および加熱が行われて、用紙P上のトナー像が、この用紙Pに定着される。そして、定着が終了した後の用紙Pは、排出ロール500によって、用紙積載部1Eへ搬送される。
【0022】
<定着装置の構成>
次に、定着装置40の構成について説明する。
図2は、定着装置40の構成を示した図である。
定着ベルトモジュール41には、用紙Pへのトナー像の定着に用いられる定着ベルト411が設けられ、この定着ベルト411が、用紙Pのうちのトナー像が形成された面に押し当てられる。
【0023】
加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに押し当てられ、定着ベルト411と加圧ロール46との間を通る用紙Pを加圧する。
具体的には、加圧ロール46は、定着ベルト411の外周面411Bに接触配置され、用紙Pが加圧されながら通過する領域であるニップ部Nを、定着ベルト411との間に形成する。ここで、ニップ部Nは、用紙Pを加圧しながら通過する通過部として捉えられる。
本実施形態では、このニップ部Nを用紙が通過する過程で、用紙Pの加熱および加圧が行われて、用紙Pへのトナー像の定着が行われる。
【0024】
定着ベルト411の内側には、定着ベルト411を加熱する加熱部材420が設けられている。
第1部材の一例としての加熱部材420は、板状に形成され、定着ベルト411の移動方向および軸方向に沿うように設けられている。より具体的には、加熱部材420は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nの中心よりも上流側から下流側にわたって設けられている。加熱部材420は、定着ベルト411に接触しており、定着ベルト411に熱を供給して定着ベルト411を加熱する。定着ベルト411のうち、加熱部材420に接触する部分は、加熱部材420に沿って平坦になっている。また、本実施形態では、加熱部材420には、定着ベルト411を介して加圧ロール46が押し当てられている。そのため、加熱部材420は、加圧ロール46から図中矢印D方向への押圧力を受ける。また、加圧ロール46に、定着ベルト411を介して加熱部材420を押し当てる構成としても、加熱部材420は、加圧ロール46から図中矢印D方向への押圧力を受ける。
【0025】
また、定着ベルトモジュール41には、定着ベルト411を内側から支持するベルト支持部材440が設けられている。支持部材の一例としてのベルト支持部材440は、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心よりも上流側から下流側にわたって設けられている。また、ベルト支持部材440には、上流側支持部441と下流側支持部445とが設けられている。
【0026】
上流側支持部441は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nの中心よりも上流側に設けられている。また、上流側支持部441は、定着ベルト411の軸方向に沿って設けられている。上流側支持部441は、定着ベルト411の内周面411Aの一部に接触し、定着ベルト411を内側から支持する。
【0027】
下流側支持部445は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nの中心よりも下流側に設けられている。また、下流側支持部445は、定着ベルト411の軸方向に沿って設けられている。下流側支持部445は、定着ベルト411の内周面411Aの一部に接触し、定着ベルト411を内側から支持する。
【0028】
また、定着ベルトモジュール41には、第2部材の一例としての支持フレーム430が設けられている。支持フレーム430は、定着ベルト411の軸方向に沿って設けられている。この支持フレーム430は、定着ベルト411の内側に配置され、ベルト支持部材440を支持する。また、支持フレーム430は、定着ベルト411の軸方向外側に設けられた不図示の支持手段に支持されることで、定着ベルトモジュール41に対して位置決めされている。支持フレーム430は、例えば、金属材料により構成される。
支持フレーム430には、上流側フレーム部431と下流側フレーム部432とが設けられている。
【0029】
上流側フレーム部431は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nの中心よりも上流側に設けられている。上流側フレーム部431は、上流側支持部441を支持する。
下流側フレーム部432は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nの中心よりも下流側に設けられている。下流側フレーム部432は、下流側支持部445を支持する。
【0030】
また、定着ベルトモジュール41には、センサ450が設けられている。センサ450は、支持フレーム430の内側に配置されている。このセンサ450は、制御部30による制御に用いられる。センサ450は、例えば、定着ベルトモジュール41の温度を検出する温度検出センサである。
【0031】
図3は、図2の矢印III方向からベルト支持部材440を眺めた場合の斜視図である。
本実施形態のベルト支持部材440には、窪みを有する凹部440Aが形成されている。本実施形態では、この凹部440Aの窪みに加熱部材420が嵌まることで、ベルト支持部材440に対して加熱部材420が位置決めされる。
【0032】
また、ベルト支持部材440の凹部440Aには、複数の開口部Hが設けられている。この複数の開口部Hの各々には、開口が形成されている。このようにすることで、ベルト支持部材440の凹部440Aに開口が形成されない場合に比べて、加熱部材420のうちのベルト支持部材440に接触する部分の面積を低減している。
【0033】
図4は、図2の領域Eの拡大図である。なお、図4に示す構成においては、センサ450の構成を省略する。
ベルト支持部材440の上流側支持部441には、第1突出部442と、第2突出部443と、接続部444とが設けられている。
【0034】
第1突出部442は、第2突出部443よりも、定着ベルト411の移動方向における上流側に設けられている。第1突出部442は、定着ベルト411の内周面411Aに向かって突出する。より具体的には、第1突出部442は、図中上側に向かって突出する。
【0035】
第2突出部443は、定着ベルト411の内周面411Aに向かって突出する。より具体的には、第2突出部443は、図中上側に向かって突出する。
第1突出部442は、第2突出部443よりも図中上側まで設けられている。より具体的には、第1突出部442は、突出する長さが、第2突出部443が突出する長さよりも長く、且つ第2突出部443が突出する長さの2倍の長さよりも短い。
接続部444は、第1突出部442と第2突出部443とを接続する。
【0036】
また、本実施形態の下流側支持部445には、第1突出部446と、第2突出部447と、接続部448とが設けられている。
第1突出部446は、第2突出部447よりも、定着ベルト411の移動方向における下流側に設けられている。第1突出部446は、定着ベルト411の内周面411Aに向かって突出する。より具体的には、第1突出部446は、図中上側に向かって突出する。また、第1突出部446には、定着ベルト411の移動方向の上流側に延びるリブ部446Aが設けられている。
【0037】
第2突出部447は、定着ベルト411の内周面411Aに向かって突出する。より具体的には、第2突出部447は、図中上側に向かって突出する。また、第2突出部447には、定着ベルト411の移動方向の下流側に延びるリブ部447Aが設けられている。
第1突出部446は、第2突出部447よりも図中上側まで設けられている。より具体的には、第1突出部446は、突出する長さが、第2突出部447が突出する長さよりも長く、且つ第2突出部447が突出する長さの2倍の長さよりも短い。
接続部448は、第1突出部446と第2突出部447とを接続する。
【0038】
定着ベルト411の内側においては、支持フレーム430の上流側フレーム部431が上流側支持部441の接続部444を支持する。ここで、上流側フレーム部431は、上流側支持部441の第1突出部442と第2突出部443との間に位置する。また、第1突出部442と上流側フレーム部431との間、および第2突出部443と上流側フレーム部431との間には、それぞれ隙間が生じている。
【0039】
また、定着ベルト411の内側においては、支持フレーム430の下流側フレーム部432が下流側支持部445の接続部448を支持する。ここで、下流側フレーム部432は、下流側支持部445の第1突出部446と第2突出部447とに挟まれている。より具体的には、下流側フレーム部432は、第1突出部446のリブ部446Aと第2突出部447のリブ部447Aとに挟まれている。
【0040】
また、上流側支持部441は、ベルト支持部材440の凹部440Aに嵌まっている加熱部材420を支持する。より具体的には、上流側支持部441は、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向における上流側の先端部を支持する。加熱部材420のうちの定着ベルト411の移動方向における上流側の先端部を、以下では、加熱部材420の上流側端部420Aと称する。
また、下流側支持部445は、ベルト支持部材440の凹部440Aに嵌まっている加熱部材420を支持する。より具体的には、下流側支持部445は、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向における下流側の先端部を支持する。加熱部材420のうちの定着ベルト411の移動方向における下流側の先端部を、以下では、加熱部材420の下流側端部420Bと称する。
【0041】
ここで、本実施形態では、ベルト支持部材440は、加熱部材420を介して、加圧ロール46から押圧力を受ける。より具体的には、ベルト支持部材440の上流側支持部441は、加熱部材420の上流側端部420Aから押圧力F1を受ける。また、ベルト支持部材440の下流側支持部445は、加熱部材420の下流側端部420Bから押圧力F2を受ける。この押圧力F1および押圧力F2は、何れも、加熱部材420が加圧ロール46から押圧力を受ける方向Dに向かって作用する力である。
【0042】
また、本実施形態では、支持フレーム430は、上述の通り、ベルト支持部材440を支持しており、この支持フレーム430はベルト支持部材440および加熱部材420を介して加圧ロール46の押圧力を受ける。この場合、ベルト支持部材440は、支持フレーム430から反力を受ける。より具体的には、ベルト支持部材440の上流側支持部441は、上流側フレーム部431から反力F3を受ける。また、ベルト支持部材440の下流側支持部445は、下流側フレーム部432から反力F4を受ける。
【0043】
図5は、比較例を示した図である。
この比較例では、ベルト支持部材440が加熱部材420を支持する領域と、ベルト支持部材440が支持フレーム430に支持される領域とが重なっていない。より具体的には、ベルト支持部材440の上流側支持部441が加熱部材420の上流側端部420Aを支持する領域S1と、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっていない。また、ベルト支持部材440の下流側支持部445が加熱部材420の下流側端部420Bを支持する領域S2と、下流側支持部445が下流側フレーム部432に支持される領域K2とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっていない。
【0044】
この場合、上流側支持部441が、加熱部材420の上流側端部420Aから押圧力F1を受けるとともに、上流側フレーム部431から反力F3を受けて、上流側支持部441に回転モーメントが作用する。より具体的には、上流側支持部441のうち上流側フレーム部431に支持されている部分を回転中心として、上流側支持部441に回転モーメントM1が作用する。また、下流側支持部445が、加熱部材420の下流側端部420Bから押圧力F2を受けるとともに、下流側フレーム部432から反力F4を受けて、下流側支持部445に回転モーメントが作用する。より具体的には、下流側支持部445のうち下流側フレーム部432に支持されている部分を回転中心として、下流側支持部445に回転モーメントM2が作用する。そして、上流側支持部441に作用する回転モーメントM1および下流側支持部445に作用する回転モーメントM2が大きい場合、ベルト支持部材440のうちの上流側支持部441と下流側支持部445とを接続する部分が変形する場合がある。
【0045】
ここで、本実施形態でも、上記の比較例と同様、図4に示すように、上流側支持部441が加熱部材420から押圧力F1を受けるとともに上流側フレーム部431から反力F3を受け、上流側支持部441に回転モーメントが作用しうる構成となっている。また、下流側支持部445が加熱部材420から押圧力F2を受けるとともに下流側フレーム部432から反力F4を受け、下流側支持部445に回転モーメントが作用しうる構成となっている。
【0046】
しかしながら、本実施形態では、ベルト支持部材440が加熱部材420を支持する領域と、ベルト支持部材440が支持フレーム430に支持される領域とが重なっており、これにより、ベルト支持部材440に作用する回転モーメントが小さくなる。
より具体的には、本実施形態では、上流側支持部441が加熱部材420の上流側端部420Aを支持する領域S1と、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっている。言い換えると、上流側支持部441は、加熱部材420のうち、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて領域K1に重なる領域L1を支持する。また、下流側支持部445が加熱部材420を支持する領域S2と、下流側支持部445が下流側フレーム部432に支持される領域K2とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっている。言い換えると、下流側支持部445は、加熱部材420のうち、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて領域K2に重なる領域L2を支持する。なお、領域L1を、以下では、第1重なり領域L1と称する。また、領域L2を、以下では、第2重なり領域L2と称する。また、領域S1は、第1領域の一例である。さらに、領域S2は、第2領域の一例である。
【0047】
この場合、上流側支持部441が加熱部材420の上流側端部420Aから押圧力F1を受ける部分と、上流側支持部441が上流側フレーム部431から反力F3を受ける部分とが、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なるようになる。この重なりが生じる分だけ、上流側支持部441に作用する回転モーメントが小さくなる。
また、下流側支持部445が加熱部材420の下流側端部420Bから押圧力F2を受ける部分と、下流側支持部445が下流側フレーム部432から反力F4を受ける部分とが、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なるようになる。この重なりが生じる分だけ、下流側支持部445に作用する回転モーメントが小さくなる。
【0048】
また、本実施形態では、加熱部材420は、定着ベルト411の移動方向上流側の先端部が、ベルト支持部材440が支持フレーム430に支持される領域と重なるようにベルト支持部材440に支持される部分である。言い換えると、本実施形態では、加熱部材420の上流側端部420Aが上流側支持部441に支持されるが、支持されるこの上流側端部420Aが、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1と重なっている。
【0049】
例えば、定着ベルト411の移動方向において、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1よりも上流側の部分420Xまで加熱部材420が設けられると、定着ベルト411のうちの加熱部材420に沿った平坦な部分411Xも長くなる。この場合、定着ベルト411の移動方向において定着ベルト411のうちのニップ部Nよりも上流側の部分が、用紙Pの搬送経路に近づくようになる。
【0050】
これに対し、本実施形態のように、加熱部材420の上流側端部420Aが、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1よりも定着ベルト411の移動方向上流側には設けられないようにすると、定着ベルト411の平坦な部分が短くなる。この場合、定着ベルト411の移動方向において定着ベルト411のうちのニップ部Nよりも上流側の部分が、用紙Pの搬送経路から遠ざかるようになる。
【0051】
<変形例1>
次に、定着装置40の変形例について説明する。
図6は、変形例としての定着装置40の構成を示した図である。なお、上述した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
図6に示す構成においては、第1重なり領域L1および第2重なり領域L2とニップ部Nとの位置関係が、図4に示した構成とは異なっている。より具体的には、図6に示す構成においては、第1重なり領域L1および第2重なり領域L2は、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nよりも外側に位置する。すなわち、第1重なり領域L1および第2重なり領域L2は、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて、ニップ部Nと重なっていない。
【0052】
このような構成であっても、第1重なり領域L1が存在する分だけ、上流側支持部441に作用する回転モーメントが小さくなる。また、第2重なり領域L2が存在する分だけ、下流側支持部445に作用する回転モーメントが小さくなる。
【0053】
なお、図4に示す構成においては、第1重なり領域L1および第2重なり領域L2は、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいてニップ部Nと重なる。
この場合、第1重なり領域L1および第2重なり領域L2が定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nよりも外側に位置する場合に比べて、加圧ロール46から加熱部材420に作用する押圧力が、上流側端部420Aおよび下流側端部420Bに分散しやすくなる。すなわち、加圧ロール46から加熱部材420に作用する押圧力が、加熱部材420のうちの第1重なり領域L1および第2重なり領域L2に分散しやすくなる。
【0054】
<変形例2>
次に、定着装置40の変形例(変形例2)について説明する。
図7は、変形例としての定着装置40の構成を示した図である。なお、上述した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
この変形例では、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心NCから上流側にわたって設けられる部分の長さを、長さ420LAとする。また、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心NCから下流側にわたって設けられる部分の長さを、長さ420LBとする。そして、長さ420LBは、長さ420LAよりも短くなっている。
【0055】
この場合、長さ420LBが短い分だけ、図4に示した構成(図中点線箇所参照)に比べて、定着ベルト411のうちの加熱部材420に沿った平坦な部分が短くなる。そのため、定着ベルト411のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nよりも下流側の部分が、用紙Pの搬送経路から遠ざかるようになる。
【0056】
<変形例3>
次に、定着装置40の変形例(変形例3)について説明する。
図8は、変形例としての定着装置40の構成を示した図である。なお、上述した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
この変形例では、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心NCから上流側にわたって設けられる部分の長さを、長さ420LAとする。また、加熱部材420のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心NCから下流側にわたって設けられる部分の長さを、長さ420LBとする。そして、長さ420LBは、長さ420LAよりも長くなっている。
【0057】
この場合、長さ420LBが長い分だけ、図4に示した構成(図中点線箇所参照)に比べて、定着ベルト411のうちの加熱部材420に沿った平坦な部分が長くなる。言い換えると、用紙Pへの画像の定着後において定着ベルト411に沿って用紙Pが搬送されながら用紙Pが冷まされる区間が長くなる。
【0058】
<変形例4>
次に、定着装置40の変形例(変形例4)について説明する。
図9は、変形例としての定着装置40の構成を示した図である。なお、上述した構成と同一の構成については、同一の符号を用いる。
図9に示す構成においては、定着ベルトモジュール41には、加熱部材420を支持する支持板470が設けられている。
【0059】
第1部材の一例としての支持板470は、板状に形成され、定着ベルト411の移動方向および軸方向に沿うように設けられている。支持板470は、例えば、樹脂材料により構成される。なお、支持板470は、例えば、金属材料により構成されてもよい。この支持板470は、第1面470Aが、ベルト支持部材440の上流側支持部441および下流側支持部445に支持されている。また、支持板470は、第1面470Aとは裏側の第2面470Bが、加熱部材420を支持する。
また、加熱部材420は、支持板470と定着ベルト411とに挟まれており、ベルト支持部材440には直接支持されていない。
【0060】
ここで、図9に示す構成においては、ベルト支持部材440は、支持板470および加熱部材420を介して、加圧ロール46から押圧力を受ける。より具体的には、ベルト支持部材440の上流側支持部441は、支持板470から押圧力F5を受ける。また、ベルト支持部材440の下流側支持部445は、支持板470から押圧力F6を受ける。また、上述の通り、上流側支持部441は上流側フレーム部431から反力F3を受け、下流側支持部445は下流側フレーム部432から反力F4を受ける。
【0061】
また、図9に示す構成においては、ベルト支持部材440が支持板470を支持する領域と、ベルト支持部材440が支持フレーム430に支持される領域とが重なっている。より具体的には、ベルト支持部材440の上流側支持部441が支持板470を支持する領域U1と、上流側支持部441が上流側フレーム部431に支持される領域K1とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっている。言い換えると、上流側支持部441は、支持板470のうち、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて領域K1に重なる領域X1を支持する。また、ベルト支持部材440の下流側支持部445が支持板470を支持する領域U2と、下流側支持部445が下流側フレーム部432に支持される領域K2とは、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なっている。言い換えると、下流側支持部445は、支持板470のうち、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて領域K2に重なる領域X2を支持する。なお、領域X1は、第1重なり領域として捉えられる。また、領域X2は、第2重なり領域として捉えられる。また、領域U1は、第1領域の一例である。さらに、領域U2は、第2領域の一例である。
【0062】
この場合、上流側支持部441が支持板470から押圧力F5を受ける部分と、上流側支持部441が上流側フレーム部431から反力F3を受ける部分とが、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なるようになる。この重なりが生じる分だけ、上流側支持部441に作用する回転モーメントが小さくなる。
また、下流側支持部445が支持板470から押圧力F6を受ける部分と、下流側支持部445が下流側フレーム部432から反力F4を受ける部分とが、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいて重なるようになる。この重なりが生じる分だけ、下流側支持部445に作用する回転モーメントが小さくなる。
【0063】
また、図9に示す構成においては、加熱部材420が、定着ベルト411の移動方向において、領域X1および領域X2よりも内側に設けられている。すなわち、図4に示す構成に比べて、加熱部材420が短く設けられている。
この場合、加熱部材420が短い分だけ、図4に示した構成(図中点線箇所参照)に比べて、定着ベルト411のうちの、加熱部材420に沿った平坦な部分が短くなる。そのため、定着ベルト411の移動方向において定着ベルト411のうちのニップ部Nよりも外側の部分が、用紙Pの搬送経路から遠ざかるようになる。
【0064】
なお、図9に示す構成においては、領域X1および領域X2は、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいてニップ部Nと重なっている。ただし、領域X1および領域X2が、定着ベルト411の移動方向において、ニップ部Nよりも外側に設けられる構成であってもよい。すなわち、領域X1および領域X2は、加圧ロール46の押圧力が作用する方向Dにおいてニップ部Nと重なっていなくてもよい。
【0065】
また、図9に示す構成において、支持板470のうちの、定着ベルト411の移動方向においてニップ部Nの中心から下流側にわたって設けられる部分の長さを、ニップ部Nの中心から上流側にわたって設けられる部分の長さよりも長くしてもよいし、短くしてもよい。
【符号の説明】
【0066】
1…画像形成装置、10…画像形成部、40…定着装置、41…定着ベルトモジュール、46…加圧ロール、420…加圧部材、430…支持フレーム、440…ベルト支持部材
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9