(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】表示装置
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0485 20220101AFI20240509BHJP
【FI】
G06F3/0485
(21)【出願番号】P 2019235900
(22)【出願日】2019-12-26
【審査請求日】2022-12-02
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100179475
【氏名又は名称】仲井 智至
(74)【代理人】
【識別番号】100216253
【氏名又は名称】松岡 宏紀
(74)【代理人】
【識別番号】100225901
【氏名又は名称】今村 真之
(72)【発明者】
【氏名】南 剛
(72)【発明者】
【氏名】坂井 俊文
【審査官】塩屋 雅弘
(56)【参考文献】
【文献】特開2019-053196(JP,A)
【文献】特開2019-061673(JP,A)
【文献】特開2005-223632(JP,A)
【文献】特開2011-090226(JP,A)
【文献】特開2009-289101(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0485
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
文字を含む表示要素を表示させるための情報を取得する取得部と、
前記情報を用いて、複数の前記表示要素をスクロールさせる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、スクロールを行っていない第1状態で、複数の前記表示要素に表示
される文字数より、前記第1状態からスクロールを開始してスクロール中である第2状態
で、複数の前記表示要素に表示される文字数を少なくするとともに、前記第2状態では前
記第1状態よりも大きな文字を一部が前記表示要素の枠を超えるように表示し、
前記表示制御部は、前記第1状態で、表示される前記表示要素の数より、前記第2状態
で、表示される前記表示要素の数を少なくし、前記第2状態で、前記表示要素はすくなく
とも1つが残ることを特徴とする表示装置。
【請求項2】
文字を含む表示要素を表示させるための情報を取得する取得部と、
前記情報を用いて、複数の前記表示要素をスクロールさせる表示制御部と、を備え、
前記表示制御部は、スクロールを行っていない第1状態で、複数の前記表示要素に表示
される文字数より、前記第1状態からスクロールを開始してスクロール中である第2状態
で、複数の前記表示要素に表示される文字数を少なくするとともに、前記第2状態では前
記第1状態よりも大きな文字を一部が前記表示要素の枠を超えるように表示し、
前記表示制御部は、前記第2状態よりスクロールが遅い第3状態において、複数の前記
表示要素に表示される文字数より、前記第2状態において、複数の前記表示要素に表示さ
れる文字数の方を少なくすることを特徴とする表示装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、表示装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、保存されている複数の写真イメージをブラウジングするため、複数の写真イメージを低解像度化した複数のフィルムストリップを生成し、生成した複数のフィルムストリップをスクロール表示する電子スチルカメラが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1では、写真イメージを低解像度化して表示情報量を減らすことで、スクロール速度の低下を抑制しているが、写真イメージ以外については考慮されていない。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の表示装置は、文字を含む表示要素を表示させるための情報を取得する取得部と、情報を用いて、複数の表示要素をスクロールさせる表示制御部と、を備え、表示制御部は、スクロールを行っていない第1状態で、複数の表示要素に表示される文字数より、第1状態からスクロールを開始してスクロール中である第2状態で、複数の表示要素に表示される文字数を少なくする。
【図面の簡単な説明】
【0006】
【
図1】複合機のハードウェア構成を示すブロック図である。
【
図5】表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図6】
図5に続く、表示処理の流れを示すフローチャートである。
【
図11】拡大第4選択画面の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0007】
[第1実施形態]
以下、一実施形態に係る表示装置について、添付図面を参照して説明する。本実施形態では、「表示装置」として、タッチパネル40付きの複合機1を例示する。
図1は、複合機1のハードウェア構成を示すブロック図である。複合機1は、第1基板10と、第2基板20と、モジュール群30と、タッチパネル40と、を備える。第1基板10と第2基板20は、バス15を介して接続されている。
【0008】
第1基板10は、複合機1のメインの制御基板であり、第1CPU(Central Processing Unit)11と、第1ROM(Read Only Memory)12と、第1RAM(Random Access Memory)13と、を含む。第1CPU11は、後述する第1制御プログラム12aを第1RAM13に展開して実行することにより、モジュール群30の制御等を行う。
【0009】
第1ROM12は、不揮発性の記憶媒体であり、第1制御プログラム12aと、アドレス帳12bと、を記憶する。第1制御プログラム12aは、第1CPU11が、モジュール群30の制御など各種制御を行うためのプログラムである。アドレス帳12bは、後述するアドレス情報50(
図2参照)を記憶している。一方、第1RAM13は、揮発性の記憶媒体であり、第1CPU11が各種制御を行うためのワークエリアとして用いられる。
【0010】
なお、第1基板10は、CPU以外のプロセッサーを有する構成でもよい。例えばプロセッサーとして、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等のハードウェア回路を有する構成でもよい。また、プロセッサーは、1以上のCPUとASIC等のハードウェア回路が協働して動作する構成でもよい。後述する第2基板20についても同様である。
【0011】
モジュール群30は、プリンターモジュール31と、FAXモジュール32と、スキャナーモジュール33と、を含む。プリンターモジュール31は、用紙等の印刷媒体に印刷を行う印刷機構である。FAXモジュール32は、FAXの送受信を行うFAX機構である。スキャナーモジュール33は、文書等の読取媒体を読み取る読取機構である。
【0012】
一方、第2基板20は、表示制御用の基板であり、第2CPU21と、第2ROM22と、第2RAM23と、転送バッファー24と、を含む。第2CPU21は、「取得部」および「表示制御部」の一例である。第2CPU21は、後述する第2制御プログラム22aを第2RAM23に展開して実行することにより、タッチパネル40の表示制御等を行う。
【0013】
第2ROM22は、不揮発性の記憶媒体であり、第2制御プログラム22aを記憶する。第2制御プログラム22aは、第2CPU21がタッチパネル40の表示制御など、各種制御を行うためのプログラムである。第2RAM23は、揮発性の記憶媒体であり、第2CPU21が各種制御を行うためのワークエリアとして用いられる。転送バッファー24は、第2CPU21が生成した表示データをタッチパネル40に転送し表示させるためのバッファーである。
【0014】
タッチパネル40は、各種情報を表示すると共に各種操作を受け付ける。例えば、タッチパネル40は、FAXモジュール32により送信されるFAXの送信先を選択するための選択画面を表示する。第2CPU21は、2種類の選択画面を切り替えて表示する。より具体的には、第2CPU21は、スクロールを行っていない第1状態で、第1選択画面D1(
図3参照)を表示し、スクロール中の第2状態では、第2選択画面D2(
図4参照)を表示する。第2状態は、第1状態からスクロールを開始している状態である。また、第1状態は、第2状態のスクロールが終了した状態、すなわちスクロール速度がゼロになった状態である。以下、第1状態を、「非スクロール状態」とも称する。
【0015】
また、タッチパネル40は、第1選択画面D1および第2選択画面D2に表示される選択肢であるボタン画像Bの選択操作を受け付ける。ボタン画像Bは、例えばFAXの送信先を示す画像である。第2CPU21は、タッチパネル40に対するボタン画像Bの選択操作を受け付けると、ボタン画像Bに表示されている電話番号を、FAXの送信先として設定する。なお、ボタン画像Bは、「表示要素」の一例である。
【0016】
第2CPU21は、第1選択画面D1または第2選択画面D2を表示する際、第1CPU11に対し、ボタン画像Bの表示に必要な情報の取得要求を行う。これに対し、第1CPU11は、アドレス帳12bから、第2CPU21から要求された情報を読み出し、読み出した情報を第2CPU21に送信する。
【0017】
次に、
図2を参照し、アドレス帳12bに記憶されているアドレス情報50について説明する。同図に示すように、アドレス情報50は、複数のアドレスデータADを有している。アドレスデータADは、「表示要素を表示させるための情報」の一例である。同図では、8個のアドレスデータADを示している。アドレスデータADは、ボタン画像B(
図3等参照)を表示するためのデータである。
【0018】
アドレスデータADは、登録番号データ51と、記号データ52と、氏名データ53と、付属データ54と、を含む。登録番号データ51は、アドレスデータADの登録番号を示す。また、記号データ52は、アドレスデータADの種別を示す。同図に示すアドレスデータADは、電話番号を示すものであるため、記号データ52は、電話の記号を表すデータである。また、氏名データ53は、電話先、すなわちFAXの送信先の氏名や法人名を示す。また、付属データ54は、電話番号を示す。同図では、電話番号を、全てアスタリスクで示しているが、実際には、アドレスデータADごとに異なる番号が登録される。
【0019】
また、同図では、全てのアドレスデータADの付属データ54として、電話番号のみが登録されているが、電話番号に代えて又は電話番号に加えて、電子メールアドレスやデータ保存アドレスや住所等が登録されていてもよい。ユーザーは、複合機1を用いて、FAX送信をする際や電子メール送信をする際やWEB上のデータ保存場所にデータを保存しようとする際には、それらの宛先を直接入力することに代えて、アドレスデータADを選択することで宛先を入力することができる。また、ユーザーは葉書の宛名面を印刷する際には、相手の住所や氏名を直接入力することに代えて、アドレスデータADを選択することで住所や氏名を入力することができる。
【0020】
次に、
図3および
図4を参照し、ユーザーがアドレスデータADを選択するために用いられる選択画面について説明する。
図3は、第1選択画面D1の表示例を示す図である。第1選択画面D1は、非スクロール状態において表示される画面である。なお、以下の説明において、第1選択画面D1に表示されるボタン画像Bを「第1ボタン画像B1」、第2選択画面D2に表示されるボタン画像Bを「第2ボタン画像B2」と称する。
【0021】
第1選択画面D1には、複数の第1ボタン画像B1がY方向に並んで表示される。同図の例では、4個の第1ボタン画像B1が表示されている。また、複数の第1ボタン画像B1は、ボタン枠を示す画像に重畳して、第1項目61、第2項目62、第3項目63および第4項目64の文字が表示される。ここで、文字とは、かな文字、漢字、アルファベットなど言語を示すキャラクター以外に、数字、記号および絵文字などのキャラクターを含む概念である。
【0022】
第1項目61は、アドレス情報50の登録番号データ51に基づく登録番号を示す。第2項目62は、アドレス情報50の記号データ52に基づく記号を示す。第3項目63は、アドレス情報50の氏名データ53に基づく氏名を示す。また、第4項目64は、アドレス情報50の付属データ54に基づく電話番号を示す。同図の例では、各項目に含まれる文字が、X方向に一列に表示されている。
【0023】
同図に示すように、第2CPU21は、非スクロール状態において、4つの項目を含む第1ボタン画像B1を表示する。このため、第2CPU21は、第1選択画面D1を表示する場合、第1CPU11に対し、4つの項目の表示に必要な情報を要求する。4つの項目の表示に必要な情報とは、登録番号データ51、記号データ52、氏名データ53および付属データ54である。
【0024】
図4は、第2選択画面D2の表示例を示す図である。第2選択画面D2は、第2状態、すなわちスクロール状態において表示される画面である。同図に示すように、第2CPU21は、スクロール状態において、第3項目63のみを含む第2ボタン画像B2を表示する。このため、第2CPU21は、第2選択画面D2を表示する場合、第1CPU11に対し、第3項目63の表示に必要な情報、すなわち氏名データ53のみを要求する。
【0025】
なお、第2選択画面D2に表示される第2ボタン画像B2の数と、第1選択画面D1に表示される第1ボタン画像B1の数は、同じである。また、第2ボタン画像B2に表示される文字と、第1ボタン画像B1に表示される文字は、大きさ、フォント、色の全てにおいて、同じである。
【0026】
このように、第2CPU21は、非スクロール状態で表示される第1ボタン画像B1に含まれる項目の数より、スクロール状態で表示される第2ボタン画像B2に含まれる項目の数を少なくする。これにより、第1選択画面D1に表示される複数の第1ボタン画像B1に含まれる文字数より、第2選択画面D2に表示される複数の第2ボタン画像B2に含まれる文字数が少なくなる。このため、複合機1は、ボタン画像Bをスクロールさせるスクロール表示の際に、第1基板10から第2基板20に送信する情報量を減らすことができる。また、これにより、第1基板10から第2基板20への情報の送信に要する時間を短縮でき、ひいてはタッチパネル40のスクロール表示におけるスクロール速度の低下を抑制できる。
【0027】
なお、
図3および
図4に示した表示例において、ボタン画像Bのスクロール方向、すなわちボタン画像Bの移動方向は、Y方向である。つまり、第2CPU21は、第1選択画面D1または第2選択画面D2が表示されているタッチパネル40に対し、+Y方向にスクロール操作が行われた場合、+Y方向にスクロールを行い、-Y方向にスクロール操作が行われた場合、-Y方向にスクロールを行う。なお、スクロール操作とは、タッチパネル40上で、指等の操作子を素早く動かす操作であり、フリック操作やスライド操作を含む操作である。
【0028】
次に、
図5および
図6のフローチャートを参照し、複合機1による表示処理の流れを説明する。この表示処理は、第2CPU21が第2制御プログラム22aを実行することにより実現される処理である。また、表示処理は、複合機1において、アドレスデータADを選択するアドレス選択モードが選択されたことに応じて開始され、アドレス選択モードが終了するまで、定期的に実行される。また、表示処理は、タッチパネル40に、第1選択画面D1(
図3参照)が表示されている状態で実行されるものとする。なお、これと並行して第2CPU21は、所定の周期毎にタッチパネル40がタッチされている位置と時刻とを第2RAM23に記憶している。
【0029】
図5に示すように、S01において、第2CPU21は、第2RAM23に記憶されている情報、すなわち、タッチの履歴に基づいて、ユーザー操作を特定する。
【0030】
S02において、第2CPU21は、タッチパネル40に対しY方向にスクロール操作が行われたか否かを判断する。第2CPU21は、Y方向にスクロール操作が行われたと判断した場合、
図6のS11に進む。また、第2CPU21は、Y方向にスクロール操作が行われていないと判断した場合、S03に進む。
【0031】
S03において、第2CPU21は、ユーザー操作に応じた処理を行う。例えば、第2CPU21は、S01で特定したユーザー操作が、ボタン画像Bの選択操作であった場合、第1CPU11に対してボタン画像Bが選択されたことを通知し、第1CPU11からの指示に従って次の画面の表示データを生成する。また、第2CPU21は、S01で特定したユーザー操作が、Y方向へのスクロール操作であって、スクロール状態が終了した場合、すなわち非スクロール状態となった場合、第1選択画面D1(
図3参照)を表示するための表示データを生成する。
【0032】
S04において、第2CPU21は、転送バッファー24に格納された表示データをタッチパネル40に転送する。第2CPU21は、S04の後、表示処理を終了する。
【0033】
図6に示すように、S02において、第2CPU21がY方向にスクロール操作が行われたと判断した場合、S11において、第2CPU21は、表示モードを削減表示モードに切り替える。すなわち、第2CPU21は、
図5のS02において、Y方向にスクロール操作が行われたと判断した場合、非スクロール状態からスクロール状態に移行したと判断し、表示モードを通常表示モードから削減表示モードに切り替える。言い換えれば、通常表示モードは、非スクロール状態の表示モードであり、削減表示モードは、スクロール状態の表示モードである。
【0034】
S12において、第2CPU21は、スクロール速度の時間積分に基づいて、スクロールされた結果として表示する表示位置を算出する。この表示位置は言い換えると、登録番号データ51が何番のアドレスデータADがタッチパネル40の画面に表示されるのかを示す情報である。なお、スクロール速度の初期値、すなわちS12がS11の後、最初に実行される場合のスクロール速度は、ユーザーのスクロール操作に基づく速度となる。スクロール操作に基づく速度とは、第2RAM23に記憶されているタッチ開始位置とタッチ終了位置、およびタッチ開始時刻とタッチ終了時刻に基づく速度である。スクロール速度は、ユーザーのスクロール操作が所定の上限速度以下であればユーザーのスクロール操作に一致する速度とし、それを上回れば上限速度としてもよい。なお、スクロール速度の初期値は、スクロール操作に基づく速度ではなく、固定値であってもよい。
【0035】
S13において、第2CPU21は、表示位置に応じた情報を取得する。上記のとおり、第2CPU21は、スクロール状態において、第3項目63のみを含む第2ボタン画像B2を表示する(
図4参照)。アドレス帳12bに記憶されているアドレス情報50において、第3項目63に対応するデータは、氏名データ53である。したがって、第2CPU21は、S12で算出した表示位置に応じたアドレスデータADに含まれる氏名データ53の取得要求を、第1CPU11に対して行う。例えば、本実施形態のように、タッチパネル40の一画面に4個のボタン画像Bを表示する場合、第2CPU21は、アドレス情報50のN番目ないし(N+3)番目のアドレスデータADに含まれる氏名データ53を取得要求することを決定する。ここで、「N」は、S12で算出した表示位置であり、1以上の整数である。
【0036】
また、第2CPU21は、この取得要求に対して、第1CPU11から送信された氏名データ53を取得する。なお、第1CPU11は、アドレス帳12bに記憶されているアドレス情報50の最後のアドレスデータADに含まれる氏名データ53を送信した後は、最初のアドレスデータADに含まれる氏名データ53を送信する。例えば、第1CPU11は、アドレス帳12bに
図2に示したアドレス情報50が記憶されている場合であって、6番目ないし9番目のアドレスデータADに含まれる氏名データ53の取得要求を受けた場合、6番目、7番目、8番目および1番目のアドレスデータADに含まれる氏名データ53を送信する。
【0037】
なお、第1CPU11が、アドレス帳12bに登録されているアドレスデータADの登録番号を第2CPU21に通知可能である場合、第2CPU21は、アドレスデータADの登録番号を指定して、アドレスデータADに含まれる氏名データ53の取得要求を行ってもよい。
【0038】
また、第2CPU21が、表示位置に応じて、取得する氏名データ53を決定するのではなく、第2CPU21が、第1CPU11に対してスクロール速度を通知し、第1CPU11が、スクロール速度に応じた情報を第2基板20に送信する構成でもよい。
【0039】
S14において、第2CPU21は、S13で取得した情報に基づいて表示データを生成し、生成した表示データを転送バッファー24に格納する。第2CPU21は、第1CPU11から送信された4個の氏名データ53に基づいて、4個の第2ボタン画像B2の表示データ、すなわち第2選択画面D2を表示するための表示データを生成する。
【0040】
S15において、第2CPU21は、転送バッファー24に格納された表示データをタッチパネル40に転送する。
【0041】
S16において、第2CPU21は、スクロール速度がゼロか否かを判断する。第2CPU21は、スクロール速度がゼロであると判断した場合、すなわちスクロール状態が終了したと判断した場合、S18に進む。一方、第2CPU21は、スクロール速度がゼロではないと判断した場合、S17に進む。
【0042】
S17において、第2CPU21は、スクロール速度を減速する。なお、第2CPU21は、S17を実行するたびに、一定量ずつスクロール速度を減速させてもよいし、減速量を変更してもよい。第2CPU21は、S17の後、S12に進む。
【0043】
S18において、第2CPU21は、表示モードを通常表示モードに切り替える。
【0044】
以上説明したとおり、本実施形態に係る複合機1は、非スクロール状態で、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数より、スクロール状態で、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数を少なくする。つまり、複合機1は、スクロール状態では、非スクロール状態で表示される複数の項目のうち一部の項目に含まれる文字を非表示とする。これにより、スクロール状態では、第1基板10から第2基板20に送信される情報量を減らすことができ、ひいてはスクロール速度の低下を抑制できる。また、これにより、ユーザーは、所望のボタン画像Bを素早く探し出すことができる。
【0045】
なお、第1実施形態では、以下の変形例を採用可能である。また、各変形例は適宜組み合わせ可能である。
[変形例1-1]
第1実施形態では、スクロール状態において、スクロール速度によらず、第2ボタン画像B2に表示する項目を1項目のみとしたが、スクロール速度に応じて、第2ボタン画像B2に表示する項目数を変更してもよい。例えば、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度が速くなるにつれて、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数を段階的に少なくしてもよい。
【0046】
ここではスクロール速度を、第1速度、第2速度、第3速度の順で速くなるものとして例を挙げて説明する。
図7は、第3選択画面D3の表示例を示す図である。第3選択画面D3は、スクロール速度が第2速度である第3状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第3状態のとき、第1項目61、第2項目62および第3項目63の、合計3つの項目を含む第3ボタン画像B3を表示する。これに対し、
図4に示した第2選択画面D2は、スクロール速度が第3速度である第2状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第2状態のとき、第3項目63のみを含む第2ボタン画像B2を表示する。そして、
図3に示した第1選択画面D1は、スクロール速度が第1速度である第4状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第4状態のとき、非スクロール状態と同じく、第1項目61、第2項目62、第3項目63および第4項目64の合計4つの項目を含む第1ボタン画像B1を表示する。
【0047】
この場合、第2CPU21は、
図6のS13において、スクロール速度および表示位置に応じて情報を取得する。すなわち、第2CPU21は、スクロール速度が所定の第1速度閾値より遅い場合は、第1選択画面D1を表示するための情報を取得する。そしてスクロール速度が速くなり、第1速度閾値を上回ると第2CPU21は、第1選択画面D1から第3選択画面D3に表示を切り替える。さらにスクロール速度が速くなり、第1速度閾値よりも速い第2速度閾値を上回ると、第2CPU21は、第3選択画面D3から第2選択画面D2に表示を切り替える。また、第2CPU21は、スクロール速度が低下し、第2速度閾値を下回った場合は、第2選択画面D2から第3選択画面D3に表示を切り替える。さらにスクロール速度が低下し、第1速度閾値を下回った場合は、第2CPU21は、第3選択画面D3から第1選択画面D1に表示を切り替える。
【0048】
すなわち、スクロール速度が速くなるにつれて、第1選択画面D1、第3選択画面D3、第2選択画面D2の順に表示を切り替える。またスクロール速度が遅くなるにつれて、第2選択画面D2、第3選択画面D3、第1選択画面D1の順に表示を切り替える。ここで、この第1速度閾値は、第1選択画面D1を表示するための情報の取得がスクロールに間に合う速度で行うことができる場合のスクロール速度として予め設定されており、第2速度閾値は、第3選択画面D3を表示するための情報の取得がスクロールに間に合う速度で行うことができる場合のスクロール速度として予め設定されている。このように、本変形例によれば、複合機1は、スクロール速度が遅い場合は、ボタン画像Bに表示する項目数の削減量を少なくし、可能な限り多くの文字をユーザーに視認させることができる。
【0049】
なお、さらなる変形例として、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度に応じた表示項目数の変更を3段階で行うのではなく、2段階や4段階以上で行ってもよい。
【0050】
[変形例1-2]
第1実施形態では、ボタン画像Bに表示する文字の大きさは、スクロール状態か否かによって変化しないものとしたが、スクロール状態に応じて変化させてもよい。例えば、第2CPU21は、第1ボタン画像B1に表示される文字の大きさより、第2ボタン画像B2に表示される文字の大きさを大きくしてもよい。
【0051】
図8は、第2ボタン画像B2の文字を大きくした拡大第2ボタン画像B2´を表示する拡大第2選択画面D2´の表示例を示す図である。この場合、第2CPU21は、非スクロール状態において、第1選択画面D1(
図3参照)をタッチパネル40に表示させ、スクロール状態において、拡大第2選択画面D2´をタッチパネル40に表示させる。
図8に示す拡大第2選択画面D2´の例において、第2CPU21は、第3項目63の文字サイズを所定の拡大率で拡大して表示している。
【0052】
このように、本変形例によれば、複合機1は、非スクロール状態で表示される文字の大きさより、スクロール状態で表示される文字の大きさを大きくするため、スクロール表示中、文字を見やすくすることができる。
【0053】
なお、さらなる変形例として、第2CPU21は、スクロール状態に応じて、ボタン画像Bの大きさやボタン画像Bに表示する文字の色やフォント種類を変化させてもよい。例えば、スクロール状態では文字だけではなく、ボタン画像Bそのものを文字とともに大きくしてもよい。
【0054】
[変形例1-3]
変形例1-1に係るスクロール速度に応じた表示制御と、変形例1-2に係る文字サイズを変更する制御と、を組み合わせ、スクロール速度に応じて、第2ボタン画像B2に表示する文字の文字サイズを変化させてもよい。例えば、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度が第1速度のときに、ボタン画像Bに表示される文字の大きさより、第1速度よりスクロール速度が速い第2速度のときに、ボタン画像Bに表示される文字の大きさを大きくしてもよい。
【0055】
[変形例1-4]
第1選択画面D1(
図3参照)に表示される項目数は、アドレスデータADに含まれるデータの種類数と必ずしも一致しなくてもよい。つまり、第2CPU21は、第1選択画面D1を表示する際、アドレスデータADに含まれる複数のデータのうち、一部のデータの取得要求を行ってもよい。但し、第1選択画面D1に表示される項目数は、第2選択画面D2に表示される項目数より多いことが前提である。
【0056】
[変形例1-5]
第1実施形態では、ボタン画像Bに表示する項目数をスクロール状態に応じて変更していたが、項目数に代えてあるいはこれに加えて、項目内の文字数を変更するようにしてもよい。具体的には、第2CPU21は、低速スクロール中は、アドレスデータADに含まれる氏名データ53の最初から三文字のみを取得して表示し、高速スクロール中は、アドレスデータADに含まれる氏名データ53の一文字目のみを取得して表示するようにしてもよい。
【0057】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。第1実施形態において、第2CPU21は、スクロール状態か否かに応じて、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数を変更したが、本実施形態では、表示するボタン画像Bの数を変更する。以下、第1実施形態と異なる点のみ説明する。なお、本実施形態において、第1実施形態と同様の構成部分については同様の符号を付し、詳細な説明を省略する。
【0058】
本実施形態において、第2CPU21は、非スクロール状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数より、スクロール状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数を少なくする。
【0059】
図9は、第4選択画面D4の表示例を示す図である。第2CPU21は、スクロール状態において、第4選択画面D4を表示する。また、第2CPU21は、非スクロール状態において、第1選択画面D1(
図3参照)を表示する。両図に示すように、第2CPU21は、スクロール状態か否かによらず、第1ボタン画像B1を表示する。すなわち、本実施形態では、スクロール状態か否かによらず、ボタン画像Bに表示される項目の数は変化しない。
【0060】
また、本実施形態において、第2CPU21は、スクロール状態において表示されるボタン画像Bの数を、非スクロール状態において表示されるボタン画像Bの数から削減する。例えば、
図3に示す第1選択画面D1の例では、4個の第1ボタン画像B1が表示されているのに対し、
図9に示す第4選択画面D4の例では、2個の第1ボタン画像B1が表示されている。
図9では、削減した第1ボタン画像B1を破線枠70で示しているが、破線枠70を非表示としてもよい。
【0061】
また、
図9に示す第4選択画面D4の例では、第1選択画面D1に表示される4つの第1ボタン画像B1のうち、Y方向中央の2個が削減されている。つまり、第4選択画面D4の例では、2個おきに第1ボタン画像B1が表示されている。なお、第2CPU21は、スクロール状態において、タッチパネル40の一画面に表示可能な複数の第1ボタン画像B1のうち、少なくとも1個が残るように、第1ボタン画像B1を削減することが好ましいが、2個が残る方がさらに好ましい。
【0062】
また、本実施形態において、第2CPU21は、
図6のS13において、表示位置に応じた情報として、画面に含まれる第1ボタン画像B1を表示するための情報を取得する。例えば、
図9に示す第4選択画面D4を表示する場合、第2CPU21は、アドレス情報50(
図2参照)の1番目と4番目のアドレスデータADの取得要求を行い、当該要求に対して第1CPU11から送信された情報を取得する。
【0063】
以上説明したとおり、本実施形態に係る複合機1は、スクロール状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数より、スクロール状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数を少なくする。つまり、複合機1は、スクロール状態では、非スクロール状態で表示される複数のボタン画像Bのうち一部のボタン画像Bに含まれる文字を非表示とする。これにより、スクロール状態では、第1基板10から第2基板20に送信される情報量を減らすことができ、ひいてはスクロール速度の低下を抑制できる。また、これにより、ユーザーは、所望のボタン画像Bを素早く探し出すことができる。
【0064】
なお、第2実施形態では、以下の変形例を採用可能である。また、各変形例は適宜組み合わせ可能である。
[変形例2-1]
第2実施形態では、スクロール状態において表示されるボタン画像Bの数は、スクロール速度によって変化しないものとしたが、変形例1-1と同様に、スクロール速度によって変化させてもよい。例えば、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度が速くなるにつれて、文字が表示されるボタン画像Bの数を段階的に少なくしてもよい。
【0065】
図10は、第5選択画面D5の表示例を示す図である。第5選択画面D5は、スクロール速度が第2速度である第3状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第3状態のとき、1個おきに第1ボタン画像B1を表示する。これに対し、
図9に示した第4選択画面D4は、スクロール速度が第3速度である第2状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第2状態のとき、2個おきに第1ボタン画像B1を表示する。そして、
図3に示した第1選択画面D1は、スクロール速度が第1速度である第4状態のときに表示される画面である。第2CPU21は、第4状態のとき、全ての第1ボタン画像B1を表示する。
【0066】
この場合、第2CPU21は、
図6のS13において、スクロール速度および表示位置に応じて情報を取得する。すなわち、第2CPU21は、スクロール速度が速くなるにつれて、第1選択画面D1、第5選択画面D5、第4選択画面D4の順に表示を切り替える。またスクロール速度が遅くなるにつれて、第4選択画面D4、第5選択画面D5、第1選択画面D1の順に表示を切り替える。
【0067】
このように、本変形例によれば、複合機1は、スクロール速度が遅い場合は、ボタン画像Bの数の削減量を少なくし、可能な限り多くの文字をユーザーに視認させることができる。
【0068】
なお、さらなる変形例として、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度に応じたボタン画像Bの表示数の変更を3段階で行うのではなく、2段階や4段階以上で行ってもよい。
【0069】
[変形例2-2]
第2実施形態では、ボタン画像Bに表示する文字の大きさは、スクロール状態か否かによって変化しないものとしたが、スクロール状態に応じて変化させてもよい。例えば、第2CPU21は、非スクロール状態でボタン画像Bに表示する文字の大きさより、スクロール状態でボタン画像Bに表示する文字の大きさを大きくしてもよい。
【0070】
図11は、第4選択画面D4に表示される文字を大きくした拡大第4選択画面D4´の表示例を示す図である。この場合、第2CPU21は、非スクロール状態において、第1選択画面D1(
図3参照)をタッチパネル40に表示させ、スクロール状態において、拡大第4選択画面D4´をタッチパネル40に表示させる。
図11に示す拡大第4選択画面D4´の例において、第2CPU21は、第1項目61、第2項目62、第3項目63および第4項目64の全ての項目の文字サイズを所定の拡大率で拡大して表示している。また、同図の例では、文字サイズが拡大されたことにより、文字の一部が、ボタン画像Bのボタン枠を超えて表示されている。なお、同図の例では、文字の一部が、ボタン枠をX方向に超えて表示されているが、Y方向に超えて表示されてもよい。
【0071】
このように、本変形例によれば、複合機1は、非スクロール状態で表示される文字の大きさより、スクロール状態で表示される文字の大きさを大きくするため、スクロール表示中、文字を見やすくすることができる。
【0072】
なお、さらなる変形例として、第2CPU21は、スクロール状態に応じて、ボタン画像Bの大きさやボタン画像Bに表示する文字の色やフォント種類を変化させてもよい。また、第2CPU21は、第4選択画面D4の文字サイズから拡大第4選択画面D4´の文字サイズへの拡大率を、ボタン画像Bに含まれる全ての文字がボタン画像Bのボタン枠内に収まる最大サイズとなるように決定してもよい。また、第2CPU21は、ボタン画像Bに表示される複数の項目のうち、一部の項目のみを対象として拡大表示してもよい。
【0073】
[変形例2-3]
変形例2-1に係るスクロール速度に応じた表示制御と、変形例2-2に係る文字サイズを変更する制御と、を組み合わせ、スクロール速度に応じて、ボタン画像Bに表示する文字の文字サイズを変化させてもよい。例えば、第2CPU21は、スクロール状態において、スクロール速度が第1速度のときに、ボタン画像Bに表示される文字の大きさより、第1速度よりスクロール速度が速い第2速度のときに、ボタン画像Bに表示される文字の大きさを大きくしてもよい。
【0074】
上記2つの実施形態に共通して、以下の変形例を採用可能である。また、各変形例は適宜組み合わせ可能である。
[変形例3-1]
各選択画面は、FAXの送信先を選択するものでなくてもよい。例えば、複合機1がネットワークに接続されている場合であって、ネットワークを介して、スキャンデータを外部装置に送信可能である場合、選択画面は、スキャンデータの送信先を選択するものでもよい。また、複合機1がネットワークに接続されている場合であって、ネットワークを介して、プリントデータを他のプリンターや外部装置に送信可能である場合、選択画面は、プリントデータの送信先を選択するものでもよい。その他、多数の中から選択を行うものであれば様々な選択画面に適用することができる。
【0075】
[変形例3-2]
スクロールの対象となる表示要素は、ボタン画像Bに限らない。例えば、表示要素は、選択操作を目的としないものでもよい。また、表示要素は、枠で囲まれたものでなくてもよい。例えば、表示要素は、文章中の「行」でもよい。
【0076】
[変形例3-3]
また、表示要素は、スクロール方向に一列に並べられたものではなく、複数列に並べられたものでもよい。すなわち、表示要素が、Y方向およびX方向にタイル状に並べられていてもよい。この場合、Y方向およびX方向の双方にスクロール可能としてもよいし、Y方向およびX方向の一方にスクロール可能としてもよい。
【0077】
[変形例3-4]
上記の各実施形態では、第1基板10にアドレス帳12bが記憶されているものとしたが、複合機1が外部装置とネットワークで接続されている場合、外部装置内にアドレス帳12bが記憶される構成でもよい。この場合、第1CPU11は、第2CPU21からの取得要求を受け、外部装置に対して、情報要求すればよい。また、複合機1が外部装置とネットワークで接続されている場合、複合機1は、2つの基板を有する構成でなくてもよい。つまり、複合機1の制御部が、外部装置の制御部に対して、情報の取得要求を行う構成でもよい。
【0078】
[変形例3-5]
上記の各実施形態では、ユーザーがスクロール操作を行うだけで表示される文字数を変更したが、これに加えてユーザーが設定画面を介して文字サイズを設定することで文字数を変更するようにしてもよい。例えば、ユーザーが弱視の場合には、設定画面において、文字サイズを大きくするように設定すると、第1ボタン画像B1に表示される文字の大きさを大きくしつつ、その分画面に表示されるボタン画像Bの数を減らしたり、一つのボタン画像Bに表示される項目数を減らして第2項目62を表示しない、としたりしてもよい。この場合でも、スクロールが行われると、非スクロール状態より文字数を減らして、第2CPU21が取得する情報量を減らすようにするが、この場合の方が文字サイズを大きくするように設定されていない通常状態よりも文字数を減らし始める速度閾値を大きくすることが望ましい。これは、スクロール速度に影響しないのであれば、表示される文字数が多い方がユーザーにとって望ましいからである。
【0079】
[変形例3-6]
上記の各実施形態では、複合機1が備えるタッチパネル40に表示させる例を示したが、複合機1に接続された別体の操作受付機能を有しないディスプレーやプロジェクターを用いて表示させてもよい。また、スクロール操作は、ディスプレー以外の操作子を用いて行ってもよい。この操作子としては、例えば機械式の十字キーを用いることができ、この場合、キーを押し続けていれば、スクロールを徐々に速くしていくようにしてもよい。
【0080】
[変形例3-7]
削減表示モードにおける表示制御として、第1実施形態に係る表示制御と、第2実施形態に係る表示制御と、のいずれか又は組み合わせを、ユーザーが選択可能としてもよい。組み合わせとは、スクロール状態において、一部のボタン画像Bにだけ文字を表示し、且つ1つのボタン画像Bに表示する項目数も非スクロール状態より少なくするような形態である。
【0081】
[変形例3-8]
上記の実施形態および各変形例に示した複合機1の各処理を実行する方法、各処理を実行するためのプログラム、またそのプログラムを記録したコンピューター読み取り可能な記録媒体も、発明の権利範囲に含まれる。また、複合機1に代えて、表示機能を有する電子機器を、表示装置として用いてもよい。その他、発明の要旨を逸脱しない範囲で、適宜変更が可能である。
【0082】
[付記]
以下、表示装置について付記する。
表示装置の一例である複合機1は、文字を含む表示要素を表示させるための情報を取得し、情報を用いて、複数の表示要素をスクロールさせる第2CPU21を備え、第2CPU21は、スクロールを行っていない第1状態で、複数の表示要素に表示される文字数より、第1状態からスクロールを開始してスクロール中である第2状態で、複数の表示要素に表示される文字数を少なくする。
【0083】
この構成によれば、複合機1は、スクロールを行っていない第1状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字数より、第1状態からスクロールを開始してスクロール中である第2状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字数を少なくする。このため、複合機1は、スクロール中に取得する情報量を減らすことができ、ひいてはスクロール速度の低下を抑制できる。また、これにより、ユーザーは、所望のボタン画像Bを素早く探し出すことができる。
【0084】
上記の複合機1において、ボタン画像Bは、文字を含む項目を、複数有し、第2CPU21は、第1状態で、文字が表示される項目の数より、第2状態で、文字が表示される項目の数を少なくすることが好ましい。
【0085】
この構成によれば、複合機1は、スクロールを行っていない第1状態で、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数より、スクロール中の第2状態で、ボタン画像Bに文字が表示される項目の数を少なくする。これにより、複合機1は、スクロール表示に必要な情報量を減らすことができる。
【0086】
上記の複合機1において、第2CPU21は、第1状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数より、第2状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数を少なくすることが好ましい。
【0087】
この構成によれば、複合機1は、スクロールを行っていない第1状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数より、スクロール中の第2状態で、文字が表示されるボタン画像Bの数を少なくする。これにより、複合機1は、スクロール表示に必要な情報量を減らすことができる。
【0088】
上記の複合機1において、第2CPU21は、第2状態よりスクロールが遅い第3状態において、複数のボタン画像Bに表示される文字数より、第2状態において、複数のボタン画像Bに表示される文字数の方を少なくすることが好ましい。
【0089】
この構成によれば、複合機1は、第2状態よりスクロールが遅い第3状態において、複数のボタン画像Bに表示される文字数より、第2状態において、複数のボタン画像Bに表示される文字数の方を少なくする。このため、複合機1は、スクロール速度が遅い場合に、文字数を減らす量を少なくし、可能な限り多くの文字をユーザーに視認させることができる。
【0090】
上記の複合機1において、第2CPU21は、第1状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字の大きさより、第2状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字の大きさを大きくすることが好ましい。
【0091】
この構成によれば、複合機1は、スクロールを行っていない第1状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字の大きさより、スクロール中の第2状態で、複数のボタン画像Bに表示される文字の大きさを大きくする。このため、複合機1は、スクロール表示中、文字を見やすくすることができる。
【符号の説明】
【0092】
40…タッチパネル、61…第1項目、62…第2項目、63…第3項目、64…第4項目、B1…第1ボタン画像、D1…第1選択画面