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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】蓄電装置
(51)【国際特許分類】
   H01M 50/262 20210101AFI20240509BHJP
   H01M 50/209 20210101ALI20240509BHJP
   H01M 50/284 20210101ALI20240509BHJP
   H01M 50/242 20210101ALN20240509BHJP
【FI】
H01M50/262 Z
H01M50/209
H01M50/262 E
H01M50/284
H01M50/242
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020005980
(22)【出願日】2020-01-17
(65)【公開番号】P2021114389
(43)【公開日】2021-08-05
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】507151526
【氏名又は名称】株式会社GSユアサ
(74)【代理人】
【識別番号】100153224
【弁理士】
【氏名又は名称】中原 正樹
(72)【発明者】
【氏名】前田 晃希
(72)【発明者】
【氏名】岩嶋 泰行
(72)【発明者】
【氏名】小西 敦之
【審査官】前田 寛之
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-010778(JP,A)
【文献】特表2016-523431(JP,A)
【文献】国際公開第2018/143464(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M50/20-50/298
H01G11/00-11/86
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
極板が積層方向に積層された電極体を有する2つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、
前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記積層方向に配置される補強部材と、
前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を一括して挟む一対の拘束体であって、互いに接合される一対の拘束体と、を備え、
前記補強部材は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有する
蓄電装置。
【請求項2】
前記補強部材は、前記一対の拘束体の少なくとも一方に固定される
請求項1に記載の蓄電装置。
【請求項3】
前記一対の拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の間で接続される
請求項1または2に記載の蓄電装置。
【請求項4】
極板が積層方向に積層された電極体を有する2つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、
前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記積層方向に配置される補強部材と、
前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を前記補強部材とで一括して挟む拘束体と、を備え、
前記補強部材は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有し、
前記拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子のそれぞれを個別に拘束する別体の複数の部材を有する
蓄電装置。
【請求項5】
極板が積層方向に積層された電極体を有する2つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、
前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記積層方向に配置される補強部材と、
電気機器と、を備え、
前記補強部材は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有し、
前記補強部材は、前記配列方向、または、前記積層方向及び前記配列方向と交差する方向において、前記電気機器が前記補強部材から突出しないように形成されている
蓄電装置。
【請求項6】
前記電気機器は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記配列方向に配置され、
前記補強部材は、前記配列方向において、前記電気機器が前記補強部材から突出しないように形成されている
請求項に記載の蓄電装置。
【請求項7】
前記補強部材は、前記配列方向において、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の少なくとも一方が前記補強部材から突出しないように形成されている
請求項1~6のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【請求項8】
前記凸部は、前記配列方向において、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の少なくとも一方が前記凸部から突出しないように形成されている
請求項1~7のいずれか1項に記載の蓄電装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の蓄電素子を備える蓄電装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の蓄電素子を補強部材で補強する構成の蓄電装置が知られている。例えば、特許文献1には、複数のベアセル(蓄電素子)を有するマルチセルと、マルチセルの幅広の両側面にそれぞれ付着する補強テープ(補強部材)と、を備えるバッテリーパック(蓄電装置)が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2009-259778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来の蓄電装置では、補強部材によって複数の蓄電素子を十分に保護できない場合がある。つまり、上記特許文献1に開示された補強部材は、平板状の薄膜のプラスチックテープであるため、外部から衝撃が加えられた場合等に、複数の蓄電素子の保護が十分ではない場合がある。このため、複数の蓄電素子を補強部材で補強する構成において、補強部材による複数の蓄電素子の保護の向上が望まれる。
【0005】
本発明は、本願発明者が上記課題に新たに着目してなされたものであり、複数の蓄電素子の保護の向上を図ることができる蓄電装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明の一態様に係る蓄電装置は、極板が積層方向に積層された電極体を有する2つの蓄電素子であって、前記積層方向と交差する配列方向に配列される第一蓄電素子及び第二蓄電素子と、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記積層方向に配置される補強部材と、を備え、前記補強部材は、前記積層方向に突出し、かつ、前記配列方向に延設される凸部を有する。
【0007】
これによれば、蓄電装置において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子は、電極体の極板の積層方向と交差する配列方向に配列され、補強部材は、当該積層方向に突出し、かつ、当該配列方向に延設される凸部を有している。ここで、第一蓄電素子及び第二蓄電素子が、電極体の極板の積層方向と交差する配列方向に配列される場合、配列方向における蓄電装置の長さが長くなることで、配列方向における蓄電装置の強度が弱くなるおそれがある。このため、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の当該積層方向に補強部材を配置し、補強部材に、当該積層方向に突出しかつ当該配列方向に延設される凸部を設ける。これにより、補強部材の当該配列方向における強度を向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の保護の向上を図ることができる。
【0008】
また、前記補強部材は、前記配列方向において、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の少なくとも一方が前記補強部材から突出しないように形成されていることにしてもよい。
【0009】
これによれば、補強部材は、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の少なくとも一方が当該配列方向に突出しないように形成されているため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材が当該衝撃等による力を受ける。これにより、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の配列方向における強度をより向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の保護の向上をより図ることができる。
【0010】
また、前記凸部は、前記配列方向において、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の少なくとも一方が前記凸部から突出しないように形成されていることにしてもよい。
【0011】
これによれば、補強部材の凸部は、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の少なくとも一方が当該配列方向に突出しないように形成されている。このため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材のうちの凸部が形成されて補強された部位が、当該衝撃等による力を受ける。これにより、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の配列方向における強度をさらに向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の保護の向上をさらに図ることができる。
【0012】
また、前記蓄電装置は、さらに、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の前記配列方向に配置される電気機器を備え、前記補強部材は、前記配列方向において、前記電気機器が前記補強部材から突出しないように形成されていることにしてもよい。
【0013】
これによれば、補強部材は、電気機器が当該配列方向に突出しないように形成されているため、電気機器に向けて当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材が当該衝撃等による力を受ける。これにより、当該配列方向において、当該衝撃等による力から、電気機器を保護することができる。
【0014】
また、前記蓄電装置は、さらに、前記積層方向において前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子を一括して挟む一対の拘束体を備え、前記補強部材は、前記一対の拘束体の少なくとも一方に固定されることにしてもよい。
【0015】
これによれば、補強部材は、第一蓄電素子及び第二蓄電素子を一括して挟む一対の拘束体の少なくとも一方に固定されるため、補強部材を、第一蓄電素子及び第二蓄電素子に対して固定することができる。これにより、第一蓄電素子及び第二蓄電素子に対して補強部材がずれるのを抑制することができるため、第一蓄電素子及び第二蓄電素子をより確実に保護することができる。
【0016】
また、前記一対の拘束体は、前記第一蓄電素子及び前記第二蓄電素子の間で接続されることにしてもよい。
【0017】
これによれば、第一蓄電素子及び第二蓄電素子をより強固に拘束するために、一対の拘束体を、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の間で接続する。しかし、この場合、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の間の隙間が大きくなるため、第一蓄電素子及び第二蓄電素子の配列方向における強度が弱くなる。このため、補強部材に凸部を形成して当該配列方向における強度を向上させて、当該配列方向において第一蓄電素子及び第二蓄電素子の保護の向上を図ることによる効果が高い。
【0018】
なお、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、補強部材としても実現することができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明における蓄電装置によれば、複数の蓄電素子の保護の向上を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】実施の形態に係る蓄電装置の外観を示す斜視図である。
図2】実施の形態に係る蓄電装置において外装体の本体と蓋とを分離して外装体の内方を示す斜視図である。
図3】実施の形態に係る蓄電ユニットを分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
図4】実施の形態に係る蓄電素子を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。
図5】実施の形態に係る蓄電ユニットの構成を補強部材とともに示す断面図である。
図6】実施の形態に係る蓄電ユニットの構成を補強部材及び外装体本体とともに示す断面図である。
図7】実施の形態に係る蓄電ユニットの構成を他の部材とともに示す断面図である。
図8】実施の形態の変形例に係る蓄電装置の構成を示す斜視図である。
図9】実施の形態の変形例に係る蓄電装置の外装体の内方の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。
図10】実施の形態の変形例に係る補強部材の構成を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態(その変形例も含む)に係る蓄電装置について説明する。なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、製造工程、製造工程の順序などは、一例であり、本発明を限定する主旨ではない。また、各図において、寸法等は厳密に図示したものではない。さらに、各図において、同一または同様な構成要素については同じ符号を付している。
【0022】
また、以下の説明及び図面中において、蓄電装置の外装体の長手方向、補強部材及びその凸部の延設方向、第一蓄電素子及び第二蓄電素子等の複数の蓄電素子の配列方向、蓄電素子と電気機器との並び方向、拘束体の延設方向、蓄電素子の容器の短側面の対向方向、または、1つの蓄電素子における一対の電極端子の並び方向を、X軸方向と定義する。補強部材の凸部の並び方向、または、蓄電素子の容器の本体と蓋との並び方向を、Y軸方向と定義する。外装体の本体と蓋との並び方向、一対の拘束体の並び方向、蓄電素子と拘束体と補強部材との並び方向、蓄電素子の容器の長側面の対向方向、蓄電素子の電極体の極板の積層方向、または、上下方向を、Z軸方向と定義する。これらX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向は、互いに交差(本実施の形態では直交)する方向である。なお、使用態様によってはZ軸方向が上下方向にならない場合も考えられるが、以下では説明の便宜のため、Z軸方向を上下方向として説明する。
【0023】
また、以下の説明において、例えば、X軸プラス方向とは、X軸の矢印方向を示し、X軸マイナス方向とは、X軸プラス方向とは反対方向を示す。Y軸方向及びZ軸方向についても同様である。さらに、平行及び直交などの、相対的な方向または姿勢を示す表現は、厳密には、その方向または姿勢ではない場合も含む。例えば、2つの方向が直交している、とは、当該2つの方向が完全に直交していることを意味するだけでなく、実質的に直交していること、すなわち、例えば数%程度の差異を含むことも意味する。
【0024】
(実施の形態)
[1 蓄電装置10の全般的な説明]
まず、本実施の形態における蓄電装置10の概略構成について説明する。図1は、本実施の形態に係る蓄電装置10の外観を示す斜視図である。図2は、本実施の形態に係る蓄電装置10において外装体100の本体と蓋とを分離して外装体100の内方を示す斜視図である。
【0025】
蓄電装置10は、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電することができる装置であり、本実施の形態では、略直方体形状を有している。例えば、蓄電装置10は、電力貯蔵用途または電源用途等に使用される電池モジュール(組電池)である。具体的には、蓄電装置10は、例えば、自動車、自動二輪車、ウォータークラフト、船舶、スノーモービル、農業機械、建設機械、または、電気鉄道用の鉄道車両等の移動体の駆動用またはエンジン始動用等のバッテリ等として用いられる。上記の自動車としては、電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグインハイブリッド電気自動車(PHEV)及びガソリン自動車が例示される。上記の電気鉄道用の鉄道車両としては、電車、モノレール及びリニアモーターカーが例示される。また、蓄電装置10は、家庭用または発電機用等に使用される定置用のバッテリ等としても用いることができる。
【0026】
図1及び図2に示すように、蓄電装置10は、外装体100と、外装体100に収容される蓄電ユニット200、断熱シート300及び補強部材400と、を備えている。なお、蓄電ユニット200は、蓄電ユニット200と後述の外部端子130とを電気的に接続するバスバー等も備えているが、図示及び詳細な説明は省略する。
【0027】
外装体100は、蓄電装置10の外装体を構成する箱形(略直方体形状)の容器(モジュールケース)である。つまり、外装体100は、蓄電ユニット200、断熱シート300及び補強部材400等の外方に配置され、これら蓄電ユニット200等を所定の位置で固定し、衝撃等から保護する。外装体100は、例えば、ポリカーボネート(PC)、ポリプロピレン(PP)、ポリエチレン(PE)、ポリスチレン(PS)、ポリフェニレンサルファイド樹脂(PPS)、ポリフェニレンエーテル(PPE(変性PPEを含む))、ポリエチレンテレフタラート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエーテルエーテルケトン(PEEK)、テトラフルオロエチレン・パーフルオロアルキルビニルエーテル(PFA)、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリエーテルサルフォン(PES)、ABS樹脂、若しくは、それらの複合材料等の絶縁部材、または、絶縁塗装をした金属等により形成されている。外装体100は、これにより、蓄電ユニット200等が外部の金属部材等に接触することを回避する。なお、蓄電ユニット200等の電気的絶縁性が保たれる構成であれば、外装体100は、金属等の導電部材で形成されていてもよい。
【0028】
外装体100は、外装体100の本体を構成する外装体本体110と、外装体100の蓋体を構成する外装体蓋体120と、を有している。外装体本体110は、Z軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状のハウジングである。外装体蓋体120は、外装体本体110のZ軸プラス方向に配置され、外装体本体110と接続されて、外装体本体110の開口を塞ぐ扁平な矩形状の蓋である。なお、外装体本体110及び外装体蓋体120は、同じ材質の部材で形成されていてもよいし、異なる材質の部材で形成されていてもよい。
【0029】
外装体本体110は、本体側接続部111及び外装体固定部112を有しており、外装体蓋体120は、蓋体側接続部121を有している。本体側接続部111と蓋体側接続部121とは、互いに接続(接合)されて、外装体本体110と外装体蓋体120とを接続(接合)する部位である(図7参照)。本実施の形態では、外装体本体110の外周に、複数の本体側接続部111が略等間隔で並んで配置され、外装体蓋体120の外周の本体側接続部111と対応する位置に、複数の蓋体側接続部121が並んで配置されている。
【0030】
また、蓋体側接続部121は、ボルト部であり、本体側接続部111は、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、例えば、蓋体側接続部121は、貫通孔と、当該貫通孔に挿入されるボルトとを有しており、本体側接続部111は、凹部と、当該凹部内に配置されるナット(インサートナット)とを有している(図7参照)。なお、本体側接続部111がボルト部であり、蓋体側接続部121が、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。また、外装体本体110と外装体蓋体120とを接続(接合)する手法は、他の手法でもよく、例えば、接着、ヒートシール、超音波溶着、溶接、かしめ接合等であってもよい。
【0031】
外装体固定部112は、蓄電ユニット200が固定される部位である。つまり、外装体固定部112には、蓄電ユニット200が有する一対の拘束体(第一拘束体210及び第二拘束体220)の少なくとも一方が接続(接合)され、これにより、当該一対の拘束体の少なくとも一方が外装体100に固定される。本実施の形態では、外装体固定部112には、後述する第一拘束体210の第一拘束体固定部218が接続(接合)され、これにより、外装体本体110に第一拘束体210(蓄電ユニット200)が固定される(図6及び図7参照)。
【0032】
具体的には、外装体本体110の内部空間の周囲に、複数の外装体固定部112が略等間隔で並んで配置されている。また、第一拘束体210の外装体固定部112と対応する位置に、複数の第一拘束体固定部218が並んで配置されている(図3参照)。なお、外装体固定部112及び第一拘束体固定部218の配置位置及び個数は、特に限定されない。
【0033】
また、第一拘束体固定部218は、ボルト部であり、外装体固定部112は、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、例えば、第一拘束体固定部218は、貫通孔と、当該貫通孔に挿入されるボルトとを有しており、外装体固定部112は、凹部と、当該凹部内に配置されるナット(インサートナット)とを有している(図7参照)。なお、外装体固定部112がボルト部であり、第一拘束体固定部218が、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。また、外装体本体110に第一拘束体210(蓄電ユニット200)を固定する手法は、他の手法でもよく、例えば、溶接、かしめ接合、接着、溶着等であってもよい。
【0034】
また、外装体蓋体120には、X軸プラス方向側の端部に、正極側及び負極側の一対のモジュール端子(総端子)である外部端子130が配置されている。外部端子130は、蓄電ユニット200が有する蓄電素子230と、バスバー等(図示せず)を介して電気的に接続されており、蓄電装置10は、この外部端子130を介して、外部からの電気を充電し、また外部へ電気を放電する。外部端子130は、例えば、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属製の導電部材で形成されている。
【0035】
蓄電ユニット200は、複数の蓄電素子230が横置き(横倒し)にされた状態で、Z軸方向に平積みされ、かつ、X軸方向に配列され、さらに、電気機器240もX軸方向に配列されることにより、Z軸方向に扁平かつX軸方向に長尺な形状を有している。具体的には、蓄電ユニット200は、Z軸方向及びX軸方向に並ぶ複数の蓄電素子230を、一対の拘束体である第一拘束体210及び第二拘束体220がZ軸方向で挟み込むことで、当該複数の蓄電素子230をZ軸方向で拘束した構成を有している。蓄電ユニット200の構成のさらに詳細な説明については、後述する。
【0036】
断熱シート300は、外装体本体110と蓄電ユニット200との間に配置されて、蓄電ユニット200から発せられる熱を断熱する断熱性のシート部材である。断熱シート300は、Z軸方向から見て蓄電ユニット200に対応するX軸方向に長尺な形状を有している。断熱シート300は、断熱性を有する部材であればどのような材質で形成されていてもよく、例えば、マイカ片を集積し、結合することで構成されるダンマ材が挙げられる。
【0037】
補強部材400は、外装体蓋体120と蓄電ユニット200との間、つまり、蓄電ユニット200のZ軸プラス方向に配置されて、蓄電ユニット200を補強する板状の部材である。補強部材400は、Z軸方向から見て蓄電ユニット200に対応するX軸方向に長尺な形状を有している。
【0038】
補強部材400は、補強部材凸部410及び420と、補強部材固定部430と、を有している。補強部材凸部410及び420は、Z軸プラス方向に突出し、かつ、X軸方向に延設される長尺な凸部(凸条部)である。具体的には、補強部材凸部410及び420は、補強部材400のZ軸マイナス方向側の面がZ軸プラス方向に凹み、かつ、補強部材400のZ軸プラス方向側の面がZ軸プラス方向に突出するように膨出した膨出部である。つまり、補強部材400は、板状部材がZ軸プラス方向及びZ軸マイナス方向に複数回折り曲げられて形成された波板のような形状を有している。なお、補強部材凸部410及び420は、補強部材400のZ軸マイナス方向側の面がZ軸プラス方向に凹んでいるため、凹部であるとも言える。
【0039】
本実施の形態では、補強部材400は、Y軸マイナス方向側及びY軸方向中央部に配置される2つの補強部材凸部410と、Y軸プラス方向側に配置される1つの補強部材凸部420と、を有している。補強部材凸部410は、補強部材400のX軸マイナス方向側の端縁からX軸プラス方向側の端端までに亘って、連続的に直線状に延設されて形成されている。つまり、補強部材凸部410は、補強部材400のX軸方向両端部が開放されている。補強部材凸部420は、補強部材400のX軸マイナス方向側の端縁からX軸プラス方向側の端部までに亘って連続的に直線状に延設されているが、X軸プラス方向側の端縁までは延設されていない。つまり、補強部材凸部420は、補強部材400のX軸マイナス方向の端部は開放され、X軸プラス方向の端部は閉塞されている。このように、補強部材400のX軸プラス方向側かつY軸プラス方向側の端部をZ軸プラス方向に突出させないことにより、外部端子130に繋がるバスバー(図示せず)を配置することができる構成となっている。
【0040】
なお、当該バスバーの配置位置によっては、補強部材凸部420が補強部材400のX軸プラス方向側の端縁まで延設されていてもよいし、補強部材凸部410が補強部材400のX軸プラス方向側の端縁までは延設されていなくてもよい。また、補強部材凸部410及び420は、補強部材400のX軸マイナス方向側の端縁までは延設されていないことにしてもよい。また、本実施の形態では、補強部材凸部410及び420は、X軸方向から見て台形状を有しているが、X軸方向から見て、矩形状、三角形状等の台形状以外の多角形状、半円形状、半楕円形状、半長円形状等、どのような形状を有していてもよい。
【0041】
補強部材固定部430は、蓄電ユニット200に固定される部位である。つまり、補強部材固定部430は、蓄電ユニット200が有する一対の拘束体(第一拘束体210及び第二拘束体220)の少なくとも一方に接続(接合)され、これにより、当該一対の拘束体の少なくとも一方に補強部材400が固定される。本実施の形態では、補強部材固定部430は、後述する第二拘束体220の第二拘束体固定部226に接続(接合)され、これにより、第二拘束体220(蓄電ユニット200)に補強部材400が固定される(図5及び図7参照)。
【0042】
具体的には、2つの補強部材凸部410の間、及び、補強部材凸部410及び420の間において、複数の補強部材固定部430がX軸方向に略等間隔で並んで配置されている。そして、第二拘束体220の補強部材固定部430と対応する位置に、複数の第二拘束体固定部226が並んで配置されている。なお、補強部材固定部430及び第二拘束体固定部226の配置位置及び個数は、特に限定されない。
【0043】
また、第二拘束体固定部226は、ボルト部であり、補強部材固定部430は、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、例えば、第二拘束体固定部226は、柱状の部位にネジ山が形成された雄ネジ部を有しており、補強部材固定部430は、貫通孔と、当該貫通孔上に配置されるナットとを有している(図7参照)。なお、補強部材固定部430がボルト部であり、第二拘束体固定部226が、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。また、補強部材400を第二拘束体220(蓄電ユニット200)に固定する手法は、他の手法でもよく、例えば、溶接、かしめ接合、接着、溶着等であってもよい。
【0044】
[2 蓄電ユニット200の構成の説明]
次に、蓄電ユニット200の構成について詳細に説明する。図3は、本実施の形態に係る蓄電ユニット200を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。図4は、本実施の形態に係る蓄電素子230を分解して各構成要素を示す分解斜視図である。具体的には、図4は、図3に示した蓄電素子230を縦置きにした(立てた)状態で、各部を分解した図を示している。
【0045】
図5は、本実施の形態に係る蓄電ユニット200の構成を補強部材400とともに示す断面図である。具体的には、図5は、蓄電ユニット200に補強部材400を固定した状態を、図1に示したV-V線の位置におけるXZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示している。図6は、本実施の形態に係る蓄電ユニット200の構成を補強部材400及び外装体本体110とともに示す断面図である。具体的には、図6は、外装体本体110に蓄電ユニット200を固定し、蓄電ユニット200に補強部材400を固定した状態を、図1に示したVI-VI線の位置におけるXZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示している。図7は、本実施の形態に係る蓄電ユニット200の構成を他の部材とともに示す断面図である。具体的には、図7は、図1に示した蓄電装置10をVII-VII線を通るYZ平面に平行な面で切断した場合の構成を示している。
【0046】
図3に示すように、蓄電ユニット200は、一対の拘束体である第一拘束体210及び第二拘束体220と、蓄電素子230と、電気機器240と、スペーサ250と、を有している。なお、蓄電ユニット200は、蓄電素子230同士を電気的に接続するバスバー等も備えているが、図示及び詳細な説明は省略する。
【0047】
[2.1 蓄電素子230の構成の説明]
まず、蓄電素子230の構成について、詳細に説明する。蓄電素子230は、電気を充電し、また、電気を放電することのできる二次電池(単電池)であり、より具体的には、リチウムイオン二次電池等の非水電解質二次電池である。蓄電素子230は、扁平な直方体形状(角形)を有しており、本実施の形態では、8個の蓄電素子230が横置き(横倒し)にされた状態で(蓄電素子230の長側面がZ軸方向に向いた状態で)、Z軸方向及びX軸方向に配列されている。具体的には、2つの第一蓄電素子231がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第二蓄電素子232がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第三蓄電素子233がZ軸方向に積層(平積み)され、2つの第四蓄電素子234がZ軸方向に積層(平積み)されている。そして、2つの第一蓄電素子231、2つの第二蓄電素子232、2つの第三蓄電素子233、及び、2つの第四蓄電素子234が、X軸マイナス方向からX軸プラス方向に向けて、X軸方向に並んで配列されている。
【0048】
なお、蓄電素子230は、X軸方向に複数個配置されていればその個数は特に限定されず、何個の蓄電素子230がZ軸方向に積層(平積み)されていてもよいし、何個の蓄電素子230がX軸方向に複数配列されていてもよい。また、蓄電素子230の形状は、上記角形には限定されず、それ以外の多角柱形状、円柱形状、楕円柱形状、長円柱形状等であってもよい。また、蓄電素子230は、非水電解質二次電池には限定されず、非水電解質二次電池以外の二次電池であってもよいし、キャパシタであってもよい。また、蓄電素子230は、二次電池ではなく、使用者が充電をしなくても蓄えられている電気を使用できる一次電池であってもよい。さらに、蓄電素子230は、固体電解質を用いた電池であってもよい。また、蓄電素子230は、ラミネート型の蓄電素子であってもよい。
【0049】
ここで、8個の蓄電素子230(2つの第一蓄電素子231、2つの第二蓄電素子232、2つの第三蓄電素子233、及び、2つの第四蓄電素子234)は、全て同様の構成を有するため、以下では、1つの蓄電素子230の構成についての説明を行う。
【0050】
図4に示すように、蓄電素子230は、容器230aと、一対(正極側及び負極側)の電極端子230bと、一対(正極側及び負極側)の上部ガスケット230cと、を備えている。また、容器230aの内方には、一対(正極側及び負極側)の下部ガスケット230dと、一対(正極側及び負極側)の集電体230eと、電極体230fとが収容されている。なお、容器230aの内方には、電解液(非水電解質)が封入されているが、図示は省略している。当該電解液としては、蓄電素子230の性能を損なうものでなければその種類に特に制限はなく、様々なものを選択することができる。また、上記の構成要素の他、電極体230fの側方や上方に配置されるスペーサ、または、電極体230f等を包み込む絶縁フィルム等が配置されていてもよい。
【0051】
なお、図4の破線内に示すように、蓄電素子230は、集電体230e及び電極体230fに代えて、集電体230g及び電極体230hを有していてもよい。このため、以下では、集電体230e及び電極体230fを用いて説明を行うが、特記のない限り、以下の説明中の集電体230e及び電極体230fは、集電体230g及び電極体230hと言い換えることができる。
【0052】
容器230aは、開口が形成された容器本体230a1と、容器本体230a1の当該開口を閉塞する容器蓋部230a2と、を有する直方体形状(角形または箱形)のケースである。このような構成により、容器230aは、電極体230f等を容器本体230a1の内部に収容後、容器本体230a1と容器蓋部230a2とが溶接等されることにより、内部を密封することができる構造となっている。容器本体230a1及び容器蓋部230a2の材質は特に限定されないが、例えばステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板など溶接可能な金属であるのが好ましい。
【0053】
容器本体230a1は、容器230aの本体部を構成する矩形筒状で底を備える部材であり、Y軸マイナス方向側に開口が形成されている。つまり、容器本体230a1は、Z軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平板状の長側面部を有し、X軸方向両側の側面に一対の矩形状かつ平板状の短側面部を有し、Y軸プラス方向側に矩形状かつ平板状の底面部を有している。容器蓋部230a2は、容器230aの蓋部を構成する矩形状の板状部材であり、容器本体230a1のY軸マイナス方向側にX軸方向に延設されて配置されている。
【0054】
電極体230fは、正極板と負極板とセパレータとが積層されて形成された蓄電要素(発電要素)である。正極板は、アルミニウムまたはアルミニウム合金等の金属からなる集電箔である正極基材層上に正極活物質層が形成されたものである。負極板は、銅または銅合金等の金属からなる集電箔である負極基材層上に負極活物質層が形成されたものである。正極活物質層及び負極活物質層に用いられる活物質としては、リチウムイオンを吸蔵放出可能なものであれば、適宜公知の材料を使用できる。
【0055】
電極体230fは、複数の平板状の正極板と複数の平板状の負極板とが積層されて形成された積層型(スタック型)の電極体である。これに対し、電極体230hは、極板(正極板及び負極板)がX軸方向に延びる巻回軸まわりに巻回されて形成された巻回型(いわゆる縦巻き型)の電極体である。なお、蓄電素子230が有する電極体は、上記のタイプの電極体には限定されず、正極板及び負極板がY軸方向に延びる巻回軸まわりに巻回されて形成された巻回型(いわゆる横巻き型)の電極体、または、極板を蛇腹状に折り畳んだ蛇腹型の電極体等、どのような形態の電極体でもよい。
【0056】
ここで、電極体230fの極板(正極板及び負極板)は、Z軸方向に積層されているため、Z軸方向を積層方向とも呼ぶ。つまり、電極体230fは、極板が積層方向に積層されて形成されている。なお、電極体230hは、極板が巻回されることで、Y軸方向に並ぶ一対の湾曲部230jと、Z軸方向に並び当該一対の湾曲部230jを繋ぐ一対の平坦部230iと、を有しているが、上記の積層方向は、平坦部230iにおける極板の積層方向である。また、平坦部230iの平坦面の向く方向、または、一対の平坦部230iの対向方向を、上記積層方向と定義することもできる。このため、2つの第一蓄電素子231は、当該積層方向に並んでいると言え、2つの第二蓄電素子232も、当該積層方向に並んでいると言える。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても、同様である。また、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等が配列されるX軸方向を、配列方向とも呼ぶ。つまり、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等は、当該積層方向と交差する配列方向に配列されている。
【0057】
電極端子230bは、容器蓋部230a2に配置される蓄電素子230の端子(正極端子及び負極端子)であり、集電体230eを介して、電極体230fの正極板及び負極板に電気的に接続されている。電極端子230bは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅、銅合金等の金属等の導電部材で形成されている。集電体230eは、電極端子230bと電極体230fとに電気的に接続される導電性の部材(正極集電体及び負極集電体)である。集電体230eは、アルミニウム、アルミニウム合金、銅または銅合金等で形成されている。上部ガスケット230c及び下部ガスケット230dは、容器蓋部230a2と電極端子230b及び集電体230eとの間に配置された、平板状の電気的絶縁性を有する封止部材である。上部ガスケット230c及び下部ガスケット230dは、例えば、外装体100と同様の絶縁部材等で形成されている。
【0058】
[2.2 スペーサ250、電気機器240の構成の説明]
スペーサ250は、蓄電素子230に隣接して配置される矩形状かつ平板状のスペーサである。具体的には、スペーサ250は、蓄電素子230の容器230aの長側面に対向して、蓄電素子230のZ軸プラス方向またはZ軸マイナス方向に配置される。本実施の形態では、蓄電素子230をZ軸方向で挟むようにスペーサ250がそれぞれ配置されて、当該蓄電素子230と、それと隣り合う蓄電素子230、第一拘束体210または第二拘束体220との間を電気的に絶縁する。スペーサ250は、外装体100と同様の絶縁部材、または、断熱シート300と同様の断熱部材等で形成されている。なお、スペーサ250に代えて、または、スペーサ250に加えて、蓄電素子230の容器230aの側面に、絶縁シートが配置されていてもよい。
【0059】
電気機器240は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の複数の蓄電素子230のX軸方向(配列方向)に配置される電気品である。具体的には、電気機器240は、複数の蓄電素子230のうちの最もX軸プラス方向側かつZ軸マイナス方向側の蓄電素子230(下側の第四蓄電素子234)のX軸プラス方向に配置されている。電気機器240は、例えば、蓄電素子230の充電状態や放電状態を監視したり、蓄電素子230の充放電を制御したりする回路基板、ヒューズ、リレー、FET(Field Effect Transistor)等の半導体スイッチ、シャント抵抗、サーミスタ、コネクタ等の電気部品を有している。
【0060】
[2.3 第一拘束体210、第二拘束体220の構成の説明]
次に、第一拘束体210及び第二拘束体220の構成について、詳細に説明する。第一拘束体210及び第二拘束体220は、Z軸方向(上記積層方向)において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の複数の蓄電素子230を一括して挟む一対の拘束体である。つまり、第一拘束体210及び第二拘束体220は、Z軸方向(上記積層方向)において、複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232等を一括して挟む。これにより、第一拘束体210及び第二拘束体220は、Z軸方向において複数の蓄電素子230を一括して拘束する(複数の蓄電素子230にZ軸方向における拘束力を一括して付与する)。第一拘束体210及び第二拘束体220は、例えば、ステンレス鋼、アルミニウム、アルミニウム合金、鉄、メッキ鋼板等の金属製の部材で形成されているが、剛性の高い樹脂等の絶縁部材で形成されていてもよい。
【0061】
つまり、第一拘束体210及び第二拘束体220は、それぞれ、1枚の板状部材を折り曲げる等により形成された一体物(一体成形品)であり、互いに直接接合されて、複数の蓄電素子230を一括して挟む。具体的には、第一拘束体210及び第二拘束体220は、X軸方向(上記配列方向)において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の複数の蓄電素子230を挟む位置で直接接合される。また、第一拘束体210及び第二拘束体220は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等のX軸方向で隣り合う蓄電素子230の間で接続される。本実施の形態では、第一拘束体210及び第二拘束体220は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間等のX軸方向で隣り合う蓄電素子230の間で直接接合される。これらのことについて、以下に具体的に説明する。
【0062】
第一拘束体210は、複数の蓄電素子230、複数のスペーサ250及び電気機器240のZ軸マイナス方向に配置され、これら蓄電素子230等を載置する板状の部材である。第一拘束体210は、4つの蓄電素子配置部211と、4つの第一拘束体凸部212と、電気機器配置部213と、を有している。第二拘束体220は、複数の蓄電素子230及び複数のスペーサ250のZ軸プラス方向に配置され、これら蓄電素子230等を押圧(圧迫)する板状の部材である。第二拘束体220は、4つの蓄電素子拘束部221と、5つの第二拘束体凸部222と、を有している。
【0063】
第一拘束体210の蓄電素子配置部211は、スペーサ250を介して蓄電素子230が配置(載置)される、XY平面に平行な矩形状かつ板状の部位である。X軸方向に配列される4つの蓄電素子230に対応して、X軸方向に4つの蓄電素子配置部211が並んで配置されている。本実施の形態では、蓄電素子配置部211は、蓄電素子230の容器230aのZ軸マイナス方向側の側面(長側面)の全面を覆うように配置される(図2参照)。
【0064】
第二拘束体220の蓄電素子拘束部221は、Z軸方向に並ぶ複数の蓄電素子230及び複数のスペーサ250を蓄電素子配置部211とで挟んで拘束する、XY平面に平行な矩形状かつ板状の部位である。X軸方向に配列される4つの蓄電素子配置部211に対応して、X軸方向に4つの蓄電素子拘束部221が並んで配置されている。本実施の形態では、蓄電素子拘束部221は、蓄電素子230の容器230aのZ軸プラス方向側の側面(長側面)の全面を覆うように配置される(図2参照)。
【0065】
第一拘束体210の第一拘束体凸部212は、蓄電素子配置部211からZ軸プラス方向に膨出状に突出し、かつ、Y軸方向に延設される凸部(凸条部)である。隣り合う蓄電素子配置部211同士の間、及び、X軸マイナス方向側の蓄電素子配置部211のX軸マイナス方向に、4つの第一拘束体凸部212が配置されている。電気機器配置部213は、電気機器240が配置(載置)される、XY平面に平行な矩形状かつ板状の部位である。電気機器配置部213は、X軸プラス方向側の蓄電素子配置部211のX軸プラス方向側端部からZ軸プラス方向に突出した(一段上がった)位置に配置されている。
【0066】
第二拘束体220の第二拘束体凸部222は、蓄電素子拘束部221からZ軸マイナス方向に膨出状に突出し、かつ、Y軸方向に延設される凸部(凸条部)である。隣り合う蓄電素子拘束部221同士の間、X軸マイナス方向側の蓄電素子拘束部221のX軸マイナス方向、及び、X軸プラス方向側の蓄電素子拘束部221のX軸プラス方向に、5つの第二拘束体凸部222が配置されている。つまり、5つの第二拘束体凸部222は、4つの第一拘束体凸部212と電気機器配置部213のX軸マイナス方向側の端部とに対向する位置に配置されている。なお、第二拘束体凸部222は、Z軸マイナス方向への突出量が、第一拘束体凸部212のZ軸プラス方向への突出量よりも大きくなるように形成されている。
【0067】
また、4つの第一拘束体凸部212及び電気機器配置部213には、第一拘束体接続部217が設けられている。具体的には、第一拘束体凸部212と、電気機器配置部213のX軸マイナス方向側端部とのそれぞれにおいて、Y軸方向両端部に2つの第一拘束体接続部217が設けられている。また、5つの第二拘束体凸部222には、第二拘束体接続部227が設けられている。具体的には、第二拘束体凸部222のそれぞれにおいて、Y軸方向両端部の第一拘束体接続部217と対応する位置に、2つの第二拘束体接続部227が設けられている。
【0068】
そして、第一拘束体接続部217に第二拘束体接続部227が接続(接合)されることにより、第一拘束体210に第二拘束体220が固定される。具体的には、図5及び図7に示すように、第一拘束体凸部212と第二拘束体凸部222とが当接(第一拘束体210と第二拘束体220とが当接)した状態で、第一拘束体接続部217と第二拘束体接続部227とが接合される。このように、第一拘束体210及び第二拘束体220(第一拘束体凸部212及び第二拘束体凸部222)は、X軸方向において、複数の蓄電素子230を挟む位置、及び、隣り合う蓄電素子230の間で、直接接合される。
【0069】
ここで、第一拘束体210と第二拘束体220とが直接接合されるとは、両者が当接した状態で接合されることには限定されず、両者の間に力を媒介する部材が配置されることなく両者が接合される状態をいう。つまり、第一拘束体210と第二拘束体220との間に、ガスケットまたはワッシャ等の付属品が挟まれた状態で、第一拘束体210と第二拘束体220とが接合された場合でも、第一拘束体210と第二拘束体220とが直接接合されるとの概念に含まれる。
【0070】
具体的には、第二拘束体接続部227は、ボルト部であり、第一拘束体接続部217は、当該ボルト部が螺合するナット部である。つまり、例えば、第二拘束体接続部227は、貫通孔と、当該貫通孔に挿入されるボルトとを有しており、第一拘束体接続部217は、貫通孔と、当該貫通孔下に配置されるナットとを有している(図7参照)。なお、第一拘束体接続部217がボルト部であり、第二拘束体接続部227が、当該ボルト部が螺合するナット部であってもよい。また、第一拘束体210に第二拘束体220を接続(接合)する手法は、他の手法でもよく、例えば、溶接、かしめ接合、接着、溶着等であってもよい。また、第一拘束体接続部217及び第二拘束体接続部227の配置位置及び個数は、特に限定されない。
【0071】
また、第一拘束体210の4つの第一拘束体凸部212及び電気機器配置部213には、上述の第一拘束体固定部218が設けられている。具体的には、第一拘束体凸部212と、電気機器配置部213のX軸マイナス方向側端部とのそれぞれにおいて、2つの第一拘束体接続部217のY軸方向外側に、2つの第一拘束体固定部218が設けられている(図7参照)。
【0072】
第一拘束体固定部218は、上述の通り、外装体100の外装体本体110に固定される部位である。つまり、図6に示すように、第一拘束体固定部218は、X軸方向において、複数の蓄電素子230を挟む位置、及び、隣り合う蓄電素子230の間で、外装体本体110の外装体固定部112に固定される。このように、第一拘束体210は、X軸方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の複数の蓄電素子230を挟む位置で、外装体100に固定される。また、第一拘束体210は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間等のX軸方向で隣り合う蓄電素子230の間で、外装体100に固定される。
【0073】
また、第二拘束体220の4つの蓄電素子拘束部221には、上述の第二拘束体固定部226が設けられている。具体的には、蓄電素子拘束部221のそれぞれにおいて、X軸方向中央部に、2つの第二拘束体固定部226がY軸方向に並んで配置されている。第二拘束体固定部226は、上述の通り、補強部材400が固定される部位であり、蓄電素子拘束部221からZ軸プラス方向に突出する円柱状のボルト部である。つまり、図5に示すように、第二拘束体固定部226に補強部材400の補強部材固定部430が接続(接合)されることで、第二拘束体220に補強部材400が固定される。これにより、補強部材400は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の複数の蓄電素子230のZ軸プラス方向(上記積層方向)に配置される。また、補強部材凸部410及び420は、Z軸プラス方向(上記積層方向)に突出し、かつ、X軸方向(上記配列方向)に延設される部位となる。
【0074】
また、補強部材400は、X軸方向(上記配列方向)において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が補強部材400から突出しないように形成されている。つまり、補強部材400は、X軸方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材400は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁と重なっている。
【0075】
本実施の形態では、補強部材400は、X軸方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の双方が補強部材400から突出しないように形成されている。具体的には、補強部材400は、X軸方向において、全ての蓄電素子230が補強部材400から突出しないように形成されている。つまり、補強部材400は、X軸方向において、第一蓄電素子231のX軸マイナス方向側の端縁から第四蓄電素子234のX軸プラス方向側の端縁までの長さと同じ、または、当該長さよりも長く形成されている。
【0076】
さらに具体的には、補強部材400は、X軸方向(上記配列方向)において、電気機器240が補強部材400から突出しないように形成されている。つまり、補強部材400は、X軸方向において、電気機器240のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材400は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、電気機器240のX軸方向の端縁と重なっている。
【0077】
本実施の形態では、補強部材400は、X軸方向において、第一拘束体210とほぼ同じ長さに形成されている。これにより、補強部材400は、X軸方向両側において、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出している。このように、複数の蓄電素子230は、Z軸マイナス方向側では第一拘束体210によって保護され、Z軸プラス方向側では第二拘束体220及び補強部材400によって保護される構成となっている。電気機器240は、Z軸マイナス方向側では第一拘束体210によって保護され、Z軸プラス方向側では補強部材400によって保護される。なお、補強部材400は、X軸方向において、第一拘束体210よりも長くてもよいし、少し短くてもよい。
【0078】
なお、補強部材400のY軸方向における長さは特に限定されないが、本実施の形態では、補強部材400は、Y軸方向においても、第一拘束体210とほぼ同じ長さに形成されている。このため、補強部材400は、Y軸方向両側においても、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出している。これにより、複数の蓄電素子230及び電気機器240は、Y軸方向においても、Z軸マイナス方向側では第一拘束体210によって保護され、Z軸プラス方向側では補強部材400によって保護される。なお、補強部材400は、Y軸方向において、第一拘束体210よりも長くてもよいし、短くてもよい。
【0079】
また、補強部材400と同様に、補強部材凸部410及び420は、X軸方向(上記配列方向)において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が補強部材凸部410及び420から突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部410及び420は、X軸方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部410及び420は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁と重なっている。
【0080】
また、補強部材凸部410は、X軸方向(上記配列方向)において、電気機器240が補強部材凸部410から突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部410は、X軸方向において、電気機器240のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部410は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、電気機器240のX軸方向の端縁と重なっている。
【0081】
本実施の形態では、補強部材凸部410は、X軸方向において補強部材400の全長に亘って形成されているため、補強部材400と同様に、X軸方向両側において、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出している。また、補強部材凸部420は、X軸方向における長さが補強部材凸部410よりも短いが、X軸方向両側において、全ての蓄電素子230よりも突出している。なお、本実施の形態では、補強部材凸部420は、電気機器240よりも突出していないが、電気機器240よりも突出している構成でもよい。
【0082】
[3 効果の説明]
以上のように、本発明の実施の形態に係る蓄電装置10によれば、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230は、電極体230fの極板の積層方向(Z軸方向)と交差する配列方向(X軸方向)に配列されている。そして、補強部材400は、当該積層方向に突出し、かつ、当該配列方向に延設される補強部材凸部410及び420を有している。ここで、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230が、電極体230fの極板の積層方向と交差する配列方向に配列される場合、配列方向における蓄電装置10の長さが長くなることで、配列方向における蓄電装置10の強度が弱くなるおそれがある。このため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230の当該積層方向に補強部材400を配置し、補強部材400に、当該積層方向に突出しかつ当該配列方向に延設される補強部材凸部410及び420を設ける。これにより、補強部材400の当該配列方向における強度を向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230の保護の向上を図ることができる。
【0083】
また、補強部材400によって、当該積層方向においても、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230の補強部材400側を保護することができる。特に、補強部材400は波板であり、当該積層方向における力を吸収することができるため、当該積層方向においても、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の保護の向上を図ることができる。
【0084】
また、補強部材400は、金属製(導電性)の部材であるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230から発せられる熱を放熱することができる。特に、補強部材400は波板であり、蓄電素子230側に空間が形成されているため、当該熱で熱せられた空気が当該空間を通って移動することにより、放熱を行うことができる。また、補強部材400は波板であるため、容易に作製することができ、かつ、軽量化を図ることもできる。
【0085】
また、補強部材400は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が当該配列方向に突出しないように形成されているため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材400が当該衝撃等による力を受ける。これにより、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の配列方向における強度をより向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の保護の向上をより図ることができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0086】
また、補強部材凸部410及び420は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が当該配列方向に突出しないように形成されている。このため、当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材400のうちの補強部材凸部410及び420が形成されて補強された部位が、当該衝撃等による力を受ける。これにより、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の配列方向における強度をさらに向上させることができるため、当該配列方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の保護の向上をさらに図ることができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0087】
また、補強部材400は、電気機器240が当該配列方向に突出しないように形成されているため、電気機器240に向けて当該配列方向に外部から衝撃等が加えられた場合に、補強部材400が当該衝撃等による力を受ける。これにより、当該配列方向において、当該衝撃等による力から、電気機器240を保護することができる。補強部材凸部410及び420についても、電気機器240が当該配列方向に突出しないように形成されているため、上記と同様に、電気機器240の保護の向上をさらに図ることができる。
【0088】
また、補強部材400によって、当該積層方向においても、電気機器240の補強部材400側を保護することができる。特に、補強部材400は波板であり、当該積層方向における力を吸収することができるため、当該積層方向においても、電気機器240の保護の向上を図ることができる。
【0089】
また、補強部材400は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を一括して挟む一対の拘束体の少なくとも一方に固定されるため、補強部材400を、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230に対して固定することができる。これにより、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230に対して補強部材400がずれるのを抑制することができるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230をより確実に保護することができる。
【0090】
また、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232をより強固に拘束するために、一対の拘束体を、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間で接続する。しかし、この場合、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間の隙間が大きくなるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の配列方向における強度が弱くなる。このため、補強部材400に補強部材凸部410及び420を形成して当該配列方向における強度を向上させて、当該配列方向において第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の保護の向上を図ることによる効果が高い。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0091】
また、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230は、金属製の容器230aを有し、かつ、電極体230fの極板の積層方向(Z軸方向)と交差する配列方向(X軸方向)に配列されている。そして、一対の拘束体(第一拘束体210及び第二拘束体220)は、直接接合されて、当該積層方向で第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を一括して挟む。
【0092】
ここで、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230は、電極体230fの極板の積層方向に膨れる。このため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230が当該積層方向と交差する配列方向に配列される場合、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230の全てについて膨れを抑制する必要がある。しかし、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等を拘束体で個別に挟むと、構成が煩雑になる。このため、一対の拘束体で、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を一括して挟むことで、構成を簡易にすることができる。
【0093】
また、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230は、膨れを抑制するために金属製の容器230aを有しているが、容器230aが金属製であっても膨れてくるため、一対の拘束体で、当該蓄電素子230を強固に挟み込む必要がある。しかし、一対の拘束体が、他の部材を介して接合されていると、接合箇所が多くなって接合箇所が緩むリスクが増える。このため、一対の拘束体を直接接合する。これにより、接合箇所が少なくなって接合箇所が緩むリスクを低減することができるとともに、部品点数の低減を図ることもできるため構成を簡易にすることができる。
【0094】
このように、複数の蓄電素子230(第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等)をその配列方向と交差する方向において一対の拘束体で挟む構成において、簡易に、複数の蓄電素子230の膨れを抑制することができる。
【0095】
また、一対の拘束体は、上記配列方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を挟む位置で直接接合されるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を、簡易に一括して挟むことができる。これにより、一対の拘束体によって、簡易に、複数の蓄電素子230(第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等)の膨れを抑制することができる。
【0096】
また、一対の拘束体は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間で直接接合されるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232のそれぞれを、簡易かつより強固に挟むことができる。これにより、一対の拘束体によって、簡易に、複数の蓄電素子230(第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232)の膨れを抑制することができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0097】
また、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232が上記積層方向に複数並ぶ構成において、一対の拘束体は、複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232を当該積層方向で一括して挟む。これにより、一対の拘束体によって、複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232を、簡易に一括して挟むことができるため、簡易に、複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232の膨れを抑制することができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0098】
また、一対の拘束体の少なくとも一方は、外装体100に固定されるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230を、簡易に外装体100に対して固定することができる。これにより、蓄電装置10に振動や衝撃等が加えられても、簡易に、外装体100内で第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232等の蓄電素子230が動くのを抑制することができる。
【0099】
また、一対の拘束体の少なくとも一方は、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間で、外装体100に固定されるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232を外装体100に対してバランスよく固定することができる。これにより、蓄電装置10に振動や衝撃等が加えられても、外装体100内で第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232が動くのをより抑制することができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0100】
[4 変形例の説明]
次に、上記実施の形態の変形例について、説明する。図8は、本実施の形態の変形例に係る蓄電装置20の構成を示す斜視図である。具体的には、図8は、蓄電装置20から外装体蓋体120を取り外して外装体100の内方を示す斜視図である。図9は、本実施の形態の変形例に係る蓄電装置20の外装体100の内方の各構成要素を分解して示す分解斜視図である。図9図3に対応する図である。図10は、本実施の形態の変形例に係る補強部材510の構成を示す斜視図である。具体的には、図10の(a)は、補強部材510を斜め上方から見た場合の図であり、図10の(b)は、補強部材510を斜め下方から見た場合の図である。
【0101】
図8図10に示すように、本変形例における蓄電装置20は、上記実施の形態における蓄電装置10が備える外装体本体110、断熱シート300、補強部材400、第一拘束体210及び第二拘束体220に代えて、第一拘束体500及び第二拘束体600を備えている。つまり、本変形例において、第一拘束体500が、上記実施の形態における外装体本体110、補強部材400及び第一拘束体210の機能を兼ねている。その他の構成については、上記実施の形態と同様のため、詳細な説明は省略する。
【0102】
本変形例において、第一拘束体500は、蓄電素子230及び電気機器240等が載置されて固定される扁平な矩形状の部材である。外装体蓋体120は、第一拘束体500のZ軸プラス方向に配置され、第一拘束体500と接続されて蓄電素子230及び電気機器240等を覆う有底矩形筒状の部材である。つまり、外装体蓋体120には、Z軸マイナス方向側に開口が形成されており、第一拘束体500は、外装体蓋体120の当該開口を塞ぐように配置される。具体的には、第一拘束体500は、本体側接続部501を有しており、本体側接続部501が、外装体蓋体120の蓋体側接続部121と接続(接合)されて、第一拘束体500と外装体蓋体120とが接続(接合)される。本体側接続部501と蓋体側接続部121とを接続(接合)する手法は、上記実施の形態と同様であるため、詳細な説明は省略する。第一拘束体500及び外装体蓋体120は、上記実施の形態における第一拘束体210及び外装体蓋体120と同様の材質で形成されている。
【0103】
第一拘束体500は、補強部材510と、補強部材510のZ軸プラス方向かつY軸方向両端部に配置される2つの接続部材520と、を有している。
【0104】
補強部材510は、第一拘束体500の本体を構成する板状の部材であり、X軸方向両側及びY軸方向両側において、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出して配置されている。補強部材510は、補強部材凸部511を有している。補強部材凸部511は、Z軸マイナス方向(上記積層方向)に突出し、かつ、X軸方向(上記配列方向)に延設される長尺な凸部(凸条部)である。具体的には、補強部材凸部511は、補強部材510のZ軸プラス方向側の面がZ軸マイナス方向に凹み、かつ、補強部材510のZ軸マイナス方向側の面がZ軸マイナス方向に突出するように膨出した膨出部である。本変形例では、4つの補強部材凸部511が、Y軸方向に並んで配置されている。
【0105】
また、補強部材凸部511は、X軸方向(上記配列方向)において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が補強部材凸部511から突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部511は、X軸方向において、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部511は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方のX軸方向の端縁と重なっている。また、補強部材凸部511は、X軸方向(上記配列方向)において、電気機器240が補強部材凸部511から突出しないように形成されている。つまり、補強部材凸部511は、X軸方向において、電気機器240のX軸方向の端縁まで少なくとも延びるように形成されている。言い換えれば、補強部材凸部511は、少なくとも一部が、Z軸方向から見て、電気機器240のX軸方向の端縁と重なっている。本変形例では、補強部材凸部511は、X軸方向両側において、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出している。
【0106】
このように、補強部材510は、X軸方向において補強部材凸部511によって補強された構成となっている。なお、補強部材凸部511は、補強部材510のX軸方向の端縁までは延びていないが、補強部材510のX軸方向の端縁まで延びていてもよい。つまり、補強部材510は、波板のような形状を有していてもよい。また、本変形例では、補強部材凸部511は、X軸方向から見て台形状または三角形状を有しているが、X軸方向から見て、矩形状等の台形状及び三角形状以外の多角形状、半円形状、半楕円形状、半長円形状等、どのような形状を有していてもよい。なお、補強部材凸部511は、補強部材510のZ軸プラス方向側の面がZ軸マイナス方向に凹んでいるため、凹部とも言える。
【0107】
接続部材520は、X軸方向に延設されるX軸方向から見てL字状の部材であり、補強部材510(補強部材凸部511のZ軸プラス方向側の面)に載置されて固定されている。Y軸方向において蓄電素子230を挟む位置に、2つの接続部材520が配置されている。接続部材520は、例えば溶接によって補強部材510に固定されているが、ネジ止め、接着、かしめ接合、溶着等の溶接以外の手法によって補強部材510に固定されていてもよい。
【0108】
接続部材520には、X軸方向に並ぶ複数の第一拘束体接続部521が設けられている。第一拘束体接続部521は、第二拘束体600の第二拘束体接続部611に接続(接合)されることにより、第一拘束体500に第二拘束体600を固定する部位である。本変形例では、1つの接続部材520において、第二拘束体600の第一部材601~第四部材604の4つの部材それぞれが有する2つの第二拘束体接続部611に対応して、合計8つの第一拘束体接続部521が設けられている。第一拘束体接続部521は、ボルト部であり、第二拘束体接続部611は、当該ボルト部が螺合するナット部である。なお、第一拘束体接続部521及び第二拘束体接続部611の配置位置及び個数は特に限定されず、第一拘束体500に第二拘束体600を固定する手法についても特に限定されない。
【0109】
第二拘束体600は、第一拘束体500に接合(直接接合)されて、第一拘束体500とで、Z軸方向において複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232等の蓄電素子230を挟む部材である。第二拘束体600は、第一拘束体500と同様の金属部材等で形成されている。第二拘束体600は、第一部材601と、第二部材602と、第三部材603と、第四部材604と、を有している。第一部材601~第四部材604は、それぞれ互いに別体の部材であり、互いに離間して配置されている。第一部材601は、第一拘束体500とY軸方向(上記積層方向及び上記配列方向と交差する交差方向)において第一蓄電素子231を挟む位置で直接接合されて、第一拘束体500とで第一蓄電素子231を挟む。第二部材602等についても同様である。
【0110】
このように、第一拘束体500は、第一蓄電素子231、第二蓄電素子232、第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234を跨ぐように、X軸方向に延設されて配置されている。そして、第二拘束体600は、第一蓄電素子231、第二蓄電素子232、第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234のそれぞれを、第一拘束体500とで拘束する部材を個別に有している。
【0111】
以上のように、本変形例に係る蓄電装置によれば、上記実施の形態と同様の効果を奏することができる。特に、本変形例では、補強部材510を有する第一拘束体500が、上記実施の形態における外装体本体110、補強部材400及び第一拘束体210の機能を兼ねているため、構成を簡略化することができている。
【0112】
また、第一拘束体500と第二拘束体600の第一部材601とで第一蓄電素子231を挟み、第一拘束体500と第二拘束体600の第二部材602とで第二蓄電素子232を挟む。これにより、第一拘束体500で第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232を一体的に取り扱うことができ、かつ、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の膨れを個別に抑制することができる。したがって、例えば第一蓄電素子231の膨れ量が大きい場合でも、第二蓄電素子232の膨れ抑制に影響を及ぼすのを抑制することができるため、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の膨れを効果的に抑制することができる。第三蓄電素子233及び第四蓄電素子234についても同様である。
【0113】
また、第一拘束体500と第一部材601とを第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間で接合する場合には、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間の隙間が大きくなる。このため、第一拘束体500と第一部材601とを、上記積層方向及び上記配列方向と交差する交差方向(Y軸方向)において、第一蓄電素子231を挟む位置で接合する。これにより、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の間の隙間(当該配列方向における隙間)を小さくすることができるため、当該配列方向における省スペース化及び強度の向上を図ることができる。このように、省スペース化及び強度の向上を図りつつ、複数の蓄電素子230の膨れを効果的に抑制することができる。第一拘束体500と第二部材602等の他の部材との接合についても、同様である。
【0114】
なお、上記変形例では、外装体100は、外装体蓋体120が、Z軸マイナス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、第一拘束体500が、外装体蓋体120の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の部材であることとした。しかし、第一拘束体500が、Z軸プラス方向側に開口が形成された有底矩形筒状の部材であり、外装体蓋体120が、第一拘束体500の当該開口を塞ぐ扁平な矩形状の蓋であってもよいし、その他どのような形状であってもよい。
【0115】
また、上記変形例では、第一拘束体500は、蓄電素子230のZ軸マイナス方向に配置され、第二拘束体600は、蓄電素子230のZ軸プラス方向に配置されて、互いに接合されることとした。しかし、第一拘束体500が、蓄電素子230のZ軸プラス方向に配置され、第二拘束体600が、蓄電素子230のZ軸マイナス方向に配置されて、互いに接合されることにしてもよい。つまり、蓄電装置20において、上下が逆になったような構成を有していてもよい。
【0116】
また、上記変形例では、第一拘束体500において、補強部材510及び接続部材520は、別体の部材であることとした。しかし、補強部材510及び接続部材520は、一体に形成されていてもよい。
【0117】
また、上記変形例では、第一拘束体500は、外装体100の一部であることとした。しかし、第一拘束体500は、外装体100とは別の部材であってもよい。この場合、蓄電装置20は、外装体100を備えていなくてもよい。または、蓄電装置20は、上記変形例の構成において、外装体蓋体120を備えていなくてもよい。
【0118】
(その他の変形例)
以上、本発明の実施の形態及びその変形例に係る蓄電装置について説明したが、本発明は、この実施の形態及びその変形例に限定されるものではない。つまり、今回開示された実施の形態及びその変形例は、全ての点で例示であって制限的なものではなく、本発明の範囲は、特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味及び範囲内での全ての変更が含まれる。
【0119】
例えば、上記実施の形態では、補強部材400は、蓄電ユニット200のZ軸プラス方向に配置されていることとした。しかし、補強部材400は、蓄電ユニット200のZ軸マイナス方向に配置されていてもよいし、蓄電ユニット200のZ軸方向両側に2つの補強部材400が配置されていてもよい。また、上記変形例では、補強部材510は、蓄電素子230のZ軸マイナス方向に配置されていることとした。しかし、補強部材510に加えて、蓄電素子230のZ軸プラス方向にも他の補強部材が配置されてもよい。
【0120】
また、上記実施の形態では、補強部材400は、X軸方向両側及びY軸方向両側において、全ての蓄電素子230及び電気機器240よりも突出していることとした。しかし、X軸方向及びY軸方向のいずれかにおいて、蓄電素子230または電気機器240が補強部材400から少し突出していてもよい。この場合でも、補強部材400が配置されていない場合と比べると、蓄電素子230及び電気機器240の保護を図ることができる。また、少なくとも、補強部材400から突出していない蓄電素子230については、保護を図ることができる。上記変形例における補強部材510についても同様である。つまり、補強部材510は、例えば、X軸方向及びY軸方向のいずれかにおいて、第一蓄電素子231及び第二蓄電素子232の少なくとも一方が補強部材510から突出しないように、または、電気機器240が補強部材510から突出しないように形成されていればよい。上記実施の形態における補強部材凸部410及び420、並びに、上記変形例における補強部材凸部511についても同様である。
【0121】
また、上記実施の形態では、補強部材凸部410、420は、X軸方向に連続的に直線状に延設される膨出状の凸部であることとした。しかし、補強部材凸部410、420は、補強部材400のZ軸マイナス方向側の面がZ軸プラス方向に凹むことなく、補強部材400のZ軸プラス方向側の面がZ軸プラス方向に突出する凸部であってもよい。または、補強部材凸部410、420は、Z軸マイナス方向に突出する凸部であってもよい。また、補強部材凸部410、420は、X軸方向に断続的に形成された複数の凸部であってもよいし、X軸方向に直線状に延びるのではなく、X軸方向に湾曲しながら延びる凸部であってもよい。さらに、補強部材凸部410、420は、X軸方向からY軸方向側に傾斜した方向に延びる凸部であってもよい。上記変形例における補強部材凸部511についても同様である。
【0122】
また、上記実施の形態では、補強部材400は、第二拘束体220に固定されることとした。しかし、補強部材400は、第一拘束体210に固定されてもよい。または、補強部材400は、第一拘束体210及び第二拘束体220のいずれにも固定されていなくてもよい。
【0123】
また、上記実施の形態及びその変形例では、第一拘束体210及び第二拘束体220は、直接接合されることとした。しかし、第一拘束体210及び第二拘束体220は、直接接合されていなくてもよく、第一拘束体210及び第二拘束体220の間に別部材が配置されていてもよい。上記変形例における第一拘束体500及び第二拘束体600についても同様である。
【0124】
また、上記実施の形態では、第一拘束体210及び第二拘束体220は、X軸方向において、複数の蓄電素子230を挟む位置、及び、隣り合う蓄電素子230の間で、接合されることとした。しかし、第一拘束体210及び第二拘束体220は、どのような位置で接合されてもよく、例えば、複数の蓄電素子230を挟む位置のうちの一方または双方では接合されていなくてもよいし、隣り合う蓄電素子230の間では接合されていなくてもよい。また、上記変形例では、第一拘束体500と第二拘束体600の第一部材601等の部材とは、Y軸方向において蓄電素子230を挟む位置で接合されることとした。しかし、第一拘束体500と第二拘束体600の当該部材とは、どのような位置で接合されてもよく、例えば、X軸方向において蓄電素子230を挟む位置で接合されることにしてもよい。
【0125】
また、上記実施の形態では、蓄電装置10は、Z軸方向に並ぶ複数の第一蓄電素子231及び複数の第二蓄電素子232等を備えており、第一拘束体210及び第二拘束体220は、Z軸方向において、これらを一括して挟むこととした。しかし、蓄電装置10は、Z軸方向において、1つの第一蓄電素子231及び1つの第二蓄電素子232等しか備えておらず、第一拘束体210及び第二拘束体220は、この1つの第一蓄電素子231及び1つの第二蓄電素子232等を一括して挟むことにしてもよい。上記変形例における蓄電装置20についても同様である。
【0126】
また、上記実施の形態では、第一拘束体210及び第二拘束体220は、別体で構成されていることとした。しかし、第一拘束体210及び第二拘束体220は、例えば、X軸方向の一端側またはY軸方向の一端側が繋がった一体物であってもよい。つまり、1枚の板状部材を折り曲げることにより、第一拘束体210及び第二拘束体220を形成し、繋がっていない方の端部同士を接合する構成でもよい。
【0127】
また、上記実施の形態では、第一拘束体210及び第二拘束体220は、相手側に向けて突出する凸部(第一拘束体凸部212及び第二拘束体凸部222)を有し、当該凸部同士が接合されることとした。しかし、第一拘束体210及び第二拘束体220の少なくとも一方が、相手側から離れる方向に突出する凸部を有し、当該凸部で接合されることにしてもよいし、凸部を有することなく、平坦な部位で接合されることにしてもよい。
【0128】
また、上記実施の形態では、第一拘束体210が外装体100の外装体本体110に固定されることとした。しかし、第一拘束体210は、外装体蓋体120に固定されてもよい。また、第一拘束体210に代えて、または、第一拘束体210に加えて、第二拘束体220が、外装体本体110または外装体蓋体120に固定されてもよい。つまり、第一拘束体210及び第二拘束体220の少なくとも一方が、外装体本体110及び外装体蓋体120の少なくとも一方に固定されていればよい。または、第一拘束体210及び第二拘束体220の双方ともに、外装体本体110及び外装体蓋体120のいずれにも固定されていなくてもよい。
【0129】
また、上記実施の形態では、第一拘束体210は、X軸方向において、複数の蓄電素子230を挟む位置、及び、隣り合う蓄電素子230の間で、外装体100に固定されることとした。しかし、第一拘束体210は、どのような位置で外装体100に固定されてもよく、例えば、複数の蓄電素子230を挟む位置のうちの一方または双方では外装体100に固定されていなくてもよいし、隣り合う蓄電素子230の間では外装体100に固定されていなくてもよい。また、第一拘束体210に代えて、または、第一拘束体210に加えて、第二拘束体220が外装体100に固定されてもよい。
【0130】
また、蓄電装置は、上述した全ての構成要素を備えている必要はない。例えば、上記実施の形態において、蓄電装置10は、断熱シート300、電気機器240、または、スペーサ250等を備えていなくてもよい。
【0131】
また、上記実施の形態及びその変形例に含まれる構成要素を任意に組み合わせて構築される形態も、本発明の範囲内に含まれる。
【0132】
また、本発明は、蓄電装置として実現することができるだけでなく、補強部材としても実現することができる。
【産業上の利用可能性】
【0133】
本発明は、リチウムイオン二次電池等の蓄電素子を備えた蓄電装置に適用できる。
【符号の説明】
【0134】
10、20 蓄電装置
100 外装体
110 外装体本体
112 外装体固定部
200 蓄電ユニット
210、500 第一拘束体
211 蓄電素子配置部
212 第一拘束体凸部
213 電気機器配置部
217、521 第一拘束体接続部
218 第一拘束体固定部
220、600 第二拘束体
221 蓄電素子拘束部
222 第二拘束体凸部
226 第二拘束体固定部
227、611 第二拘束体接続部
230 蓄電素子
230a 容器
230f 電極体
231 第一蓄電素子
232 第二蓄電素子
233 第三蓄電素子
234 第四蓄電素子
240 電気機器
400、510 補強部材
410、420、511 補強部材凸部
430 補強部材固定部
図1
図2
図3
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図5
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図8
図9
図10