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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】情報管理システム
(51)【国際特許分類】
   G07D 11/00 20190101AFI20240509BHJP
   G07D 11/40 20190101ALI20240509BHJP
   G07G 1/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G07D11/00
G07D11/40
G07G1/00 331A
【請求項の数】 2
(21)【出願番号】P 2020009862
(22)【出願日】2020-01-24
(65)【公開番号】P2021117651
(43)【公開日】2021-08-10
【審査請求日】2022-11-08
(73)【特許権者】
【識別番号】000000295
【氏名又は名称】沖電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100180275
【弁理士】
【氏名又は名称】吉田 倫太郎
(74)【代理人】
【識別番号】100161861
【弁理士】
【氏名又は名称】若林 裕介
(72)【発明者】
【氏名】武川 晃
【審査官】山本 裕太
(56)【参考文献】
【文献】特開2020-013452(JP,A)
【文献】特開2011-054106(JP,A)
【文献】特開2019-164697(JP,A)
【文献】特開2015-014855(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G07D 11/00
G07D 11/40
G07G 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
情報提供サーバと、情報管理装置と、釣銭機とを備える情報管理システムであって、
前記情報提供サーバは、
商品コードと当該商品コードに対応する商品金額とを含む商品情報を記憶するデータベースと、
前記情報管理装置との間で情報を授受するサーバ通信部とを備え、
前記情報管理装置は、
前記商品コードを読み取る第1のコードリーダと、
外部記憶媒体が差し込まれる第1の外部記憶媒体差込口と、
前記情報提供サーバとの間で情報を授受する通信部と、
前記第1のコードリーダにより読み取られた前記商品コードを含む要求情報を前記情報提供サーバに送信させ、前記情報提供サーバからの応答情報に含まれている前記商品コードに対応する商品金額に基づいて、前記商品コードと当該商品コードに対応する前記商品金額とを含む前記商品情報を作成し、前記第1の外部記憶媒体差込口に差し込まれた前記外部記憶媒体に作成した前記商品情報を記憶させる第1の制御部とを備え、
前記釣銭機は、
オフライン状態の釣銭機であって、
前記商品コードを読み取る第2のコードリーダと、
前記外部記憶媒体が差し込まれる第2の外部記憶媒体差込口と、
前記第2のコードリーダにより読み取られた前記商品コードに対応する前記商品情報を用いて現金処理を行なう第2の制御部とを備え、
前記第2の制御部は、前記第2の外部記憶媒体差込口に、前記情報管理装置により作成された前記商品情報が記憶された前記外部記憶媒体が差し込まれた状態で、前記第2のコードリーダにより前記商品コードが読み取られると、前記外部記憶媒体に記憶された前記商品情報を参照して、読み取られた前記商品コードに対応する前記商品金額を取得し、取得した前記商品金額に基づき現金処理を行なう
ことを特徴とする情報管理システム。
【請求項2】
前記第1の制御部が、オフライン状態で使用した釣銭機において前記外部記憶媒体に記憶された商品の売上に関する情報に基づいて、当該釣銭機における売上処理を行なうことを特徴とする請求項に記載の情報管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、百貨店、スーパーマーケット、コンビニエンスストア等の小売業の多くの店舗には、釣銭準備金として使用される現金(紙幣及び硬貨)を出金したり、又は、店舗での売上金が入金されたりする現金入出金機が設置されている。
【0003】
担当者は、毎朝、当日レジの釣銭準備金を用意する為に「釣銭出金」取引を実行し、釣銭準備金を出金する。そして、担当者は、現金入出金機から出金した現金をレジスタ(以下、単に「レジ」とも呼ぶ。)に設置された釣銭機に補充する。
【0004】
例えば、レジは、商品識別コードや商品金額等の商品情報を保持しているPOS(Point Of Sale)サーバと接続しており、レジで商品のバーコード(商品識別コード)をスキャンすると、商品金額がレジの画面に表示されるようになっている(特許文献1参照)。
【0005】
業務終了後、担当者は、その日の売上を含めた現金を釣銭機から現金入出金機に出金し、釣銭機から出金した現金を現金入出金機に収納するために「売上入金」取引を実行して、現金入出金機に収納する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【文献】特開2017-142688号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、例えば、POSサーバと接続させることができない小規模な店舗や、イベント会場などに出展して商品を販売する場所などでは、レジで担当者が商品金額を手入力する必要があり、打ち間違いをしてしまう可能性があった。また、釣銭機に収納されている現金(紙幣、硬貨)の管理(例えば、釣銭準備金、売上金などの管理)に間違えがないことも要求されている。
【0008】
そのため、例えばPOSシステムが接続できない場所でも、商品識別コードの読み取りによる現金処理を行なうことでき、収納される現金管理を厳格化することができる情報管理システムが求められている。
【課題を解決するための手段】
【0010】
発明に係る情報管理システムは、情報提供サーバと、情報管理装置と、釣銭機とを備える情報管理システムであって、(1)前記情報提供サーバは、商品コードと当該商品コードに対応する商品金額とを含む商品情報を記憶するデータベースと、前記情報管理装置との間で情報を授受するサーバ通信部とを備え、(2)前記情報管理装置は、前記商品コードを読み取る第1のコードリーダと、外部記憶媒体が差し込まれる第1の外部記憶媒体差込口と、前記情報提供サーバとの間で情報を授受する通信部と、前記第1のコードリーダにより読み取られた前記商品コードを含む要求情報を前記情報提供サーバに送信させ、前記情報提供サーバからの応答情報に含まれている前記商品コードに対応する商品金額に基づいて、前記商品コードと当該商品コードに対応する前記商品金額とを含む前記商品情報を作成し、前記第1の外部記憶媒体差込口に差し込まれた前記外部記憶媒体に作成した前記商品情報を記憶させる第1の制御部とを備え、(3)前記釣銭機は、オフライン状態の釣銭機であって、前記商品コードを読み取る第2のコードリーダと、前記外部記憶媒体が差し込まれる第2の外部記憶媒体差込口と、前記第2のコードリーダにより読み取られた前記商品コードに対応する前記商品情報を用いて現金処理を行なう第2の制御部とを備え、前記第2の制御部は、前記第2の外部記憶媒体差込口に、前記情報管理装置により作成された前記商品情報が記憶された前記外部記憶媒体が差し込まれた状態で、前記第2のコードリーダにより前記商品コードが読み取られると、前記外部記憶媒体に記憶された前記商品情報を参照して、読み取られた前記商品コードに対応する前記商品金額を取得し、取得した前記商品金額に基づき現金処理を行なうことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、商品識別コードの読み取りによる現金処理を行なうことでき、収納される現金管理の厳格化が可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】第1の実施形態に係る情報管理システムの全体構成を示す構成図である。
図2】第1の実施形態に係る情報管理装置の内部構成を示す内部構成図である。
図3】第1の実施形態に係る釣銭機の内部構成を示す内部構成図である。
図4】第1の実施形態に係る情報管理装置における商品登録取引の処理を示すフローチャートである。
図5】第1の実施形態に係る商品情報の構成例を示す構成図である。
図6】第1の実施形態に係る釣銭機における処理動作を示すフローチャートである。
図7】第2の実施形態に係る情報管理システムの全体構成を示す構成図である。
図8】第2の実施形態に係る釣銭機の内部構成を示す内部構成図である。
図9】変形実施形態に係る釣銭機の内部構成を示す内部構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
(A)第1の実施形態
以下では、本発明に係る情報管理システムの第1の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0015】
(A-1)第1の実施形態の構成
[全体構成]
図1は、第1の実施形態に係る情報管理システムの全体構成を示す構成図である。
【0016】
図1において、第1の実施形態に係る情報管理システム10は、釣銭機2と、情報管理装置1と、ファイルサーバ(以下、「商品情報提供サーバ」、あるいは、「情報提供サーバ」とも呼ぶ。)3とを有する。
【0017】
情報管理システム10は、例えば、イベント会場やライブ会場等の売り場(例えば、グッズ売り場等)、小規模売店の店舗などのように、POS端末やPOSシステムと接続できないような場所又は店舗に、釣銭機2を持ち込み、この釣銭機2を用いて現金(紙幣及び硬貨)の入出金処理を行なう場合を例示する。なお、釣銭機2を持ち込む場所等は、上記の例に限定されない。POSシステムを十分に機能させることができない場所等に広く適用できる。
【0018】
第1の実施形態では、例えば、事前に販売商品の商品情報を外部記憶装置50に記憶しておき、販売場所で、その外部記憶装置50を釣銭機2に接続する。釣銭機2は、商品識別コード(以下では、「商品コード」とも呼ぶ。)を読み取ると、外部記憶装置50に記憶されている商品情報を参照して、商品識別コードに対応する商品販売価格(以下では、「商品金額」とも呼ぶ。)を読み出して入金処理や出金処理を行なう。
【0019】
情報管理装置1は、小売店等の店舗に配置されて、例えば、釣銭出金、売上入金、売上回収等の取引を実施する現金入出金機を適用できる。
【0020】
現金入出金機としての情報管理装置1は、釣銭機2に対して、釣銭準備金としての現金、すなわち金種別に出金した紙幣及び硬貨を出金する。また、情報管理装置1は、釣銭機2における売上金(釣銭準備として準備した金額と売上金額とを含む金額)を入金して売上入金を行なう。このようにして、情報管理装置1と釣銭機2との間で連携することで、現金の受け渡しを厳格化できる。
【0021】
また、情報管理装置1は、釣銭出金や売上入金等の取引処理の1つとして、釣銭機2を持ち込む場所等で販売する商品の商品情報を外部記憶装置50に登録する商品登録取引を行なう。換言すると、情報管理装置1は、釣銭機2を持ち込むイベント会場等で販売する全ての商品の商品情報を、外部記憶装置50に登録する商品登録取引を行なう。このように販売商品の商品情報が記憶されている外部記憶装置50を、釣銭機2に接続することで、釣銭機2で商品情報を参照できるので、当該釣銭機2においても現金処理が可能となる。
【0022】
ここで、「商品情報」は、商品識別コードと商品販売価格とが対応付けられた情報である。商品販売価格が登録されていない釣銭機2やPOSシステムと接続できない釣銭機2においても、現金処理が可能とするため、商品情報は、少なくとも商品識別コードと商品販売価格とが対応付けられている。なお、商品情報は、商品識別コードと商品販売価格とに限定されず、例えば、商品名、商品製造元に関する情報等が含まれていてもよい。
【0023】
外部記憶装置50は、販売商品の商品情報を記憶する不揮発性の記憶媒体である。外部記憶装置50は、例えばUSB(Universal Serial Bus)メモリ、SDカード等のような記憶媒体を適用できる。
【0024】
釣銭機2は、現金(紙幣及び硬貨)の入金処理及び出金処理を行なうものである。釣銭機2は、POSシステムと接続できない場所や店舗に配置可能な、可搬可能な現金処理機である。釣銭機2は、外部記憶装置50と接続可能であり、顧客が商品を購入する際に、当該商品の商品識別コードがコードリーダ26により読み取られると、外部記憶装置50に記憶されている商品情報を参照して、商品識別コードに対応する商品販売価格を読み出す。そして、顧客から受け取った現金(紙幣、硬貨)が釣銭機2に入金されると、釣銭機2が、入金金額と商品販売価格との差額を求め、差額があれば差額に相当する釣銭が出金され、差額がなければ釣銭は出金されず現金処理が終了する。
【0025】
ファイルサーバ3は、商品の商品識別コードと商品販売価格などの商品情報をファイル情報として保持するデータベース31を有しており、商品の商品情報を提供する。ファイルサーバ3は、例えばPOSサーバ等を適用できる。
【0026】
[情報管理装置]
図2は、第1の実施形態に係る情報管理装置1の内部構成を示す内部構成図である。
【0027】
図2において、情報管理装置1は、コードリーダ120、外部記憶装置50を接続可能な接続インタフェース部170、ファイルサーバ3との間で情報を授受する通信部180、紙幣投入口101と、紙幣一時保留部103と、紙幣鑑別部105と、万券カセット107と、五千券カセット109と、千券カセット111と、回収カセット113と、リジェクト部115と、硬貨投入口117と、硬貨鑑別部119と、硬貨一時保留部121と、硬貨返却箱123と、出金ホッパ125と、硬貨回収庫127と、硬貨出金箱129と、カードリーダ部131と、操作表示部133と、制御部150と、記憶部160と、を備える。
【0028】
情報管理装置1は、例えば、百貨店やスーパーマーケットやコンビニエンスストア等の小売店の店舗内に設置される現金入出金機に適用することができる。情報管理装置1において取り扱う「媒体」は、主として紙幣や硬貨等の現金である場合を想定して説明するが、これに限定されず、例えば、商品券、小切手、チケット、紙幣束、棒金等が含まれるようにしてもよい。
【0029】
情報管理装置1は、釣銭機2において用いられる釣銭準備金としての現金(紙幣、硬貨)を出金する釣銭出金や、釣銭機2において売り上げた現金(釣銭準備金を含む現金)を入金する売上入金等の処理を実行することができる。情報管理装置1における取引処理は、釣銭出金、売上入金、商品登録取引に限定されない。
【0030】
コードリーダ120は、商品を識別する商品識別コード(例えば、バーコード、QRコード(登録商標)等のような二次元コード等)を読み取るものである。
【0031】
接続インタフェース部170は、商品登録取引を実施する際に、商品情報を外部記憶装置50に記憶するため、当該外部記憶装置50と接続するためのインタフェース部である。
【0032】
紙幣投入口101は、情報管理装置1に入金される紙幣が投入される投入口である。また、紙幣投入口101は、紙幣の出金口でもあり、紙幣投入口101から売上入金の取り消しにより返却される紙幣、出金される紙幣、および紙幣鑑別部105により正常ではないとしてリジェクトされた紙幣が紙幣投入口101から出金される。
【0033】
紙幣一時保留部103には、入金計数時および売上金作成時に、一時的に紙幣が集積される。また、紙幣鑑別部105は、投入された紙幣が正常な紙幣であるか否かを各種センサによって鑑別する。
【0034】
万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111は、それぞれ万券、五千券、および千券の紙幣を収納する現金収納部である。具体的には、万券カセット107、五千券カセット109、および千券カセット111(各紙幣カセット)には、バラ状態の各種紙幣が釣銭準備金として収納される。また、各紙幣カセットには、売上金として入金され、紙幣鑑別部105で正常と鑑別された各種紙幣が収納される。さらに、釣銭出金時には、各紙幣カセットから各種紙幣が出金される。
【0035】
回収カセット113は、売上回収のためのカセットである。具体的には、回収カセット113には、売上回収時に、各紙幣カセットから移動された紙幣が売上金として収納される。
【0036】
リジェクト部115には、紙幣鑑別部105によって正常な紙幣ではないと鑑別された紙幣、すなわちリジェクトされた紙幣が集積される。具体的には、リジェクト部115には、売上入金時に紙幣一時保留部103から各紙幣カセットに紙幣を搬送する過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣、各紙幣カセットから釣銭出金を行う過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣、売上回収時に各紙幣カセットから回収カセット113に紙幣を搬送する過程で紙幣鑑別部105によってリジェクトされた紙幣などが集積される。
【0037】
硬貨投入口117は、硬貨が投入される投入口である。また、硬貨鑑別部119は、投入された硬貨が正常な硬貨であるか否かを各種センサによって鑑別する。さらに、硬貨一時保留部121には、入金計数時および売上回収時に、一時的に硬貨が集積される。
【0038】
硬貨返却箱123は、返却する硬貨を保持する箱である。例えば、計数が行われた硬貨や、売上入金の取り消しがなされた硬貨が、硬貨返却箱123から返却される。また、出金ホッパ125(現金収納部)には、売上入金によって投入された各種硬貨が収納されており、釣銭出金時には出金ホッパ125から各種硬貨が出金される。
【0039】
硬貨回収庫127は、売上回収のためのカセットである。具体的には、硬貨回収庫127には、売上回収時に出金ホッパ125から移動された硬貨が売上金として収納される。また、硬貨出金箱129は、釣銭出金時に硬貨を出金するための硬貨出金口である。
【0040】
カードリーダ部131は、入力部の一例であり、例えば店舗管理者や担当者等の操作者が有するカードに書き込まれた情報を読み取る。操作者が有するカードに書き込まれる情報として、例えば、カードを利用する操作者を識別するための利用者識別情報(例えば、ユーザID番号)、レジスタ識別番号、操作者の種別(例えば、管理者、正社員、パート等の種類)を示す情報が挙げられる。
【0041】
操作表示部133は、操作者による操作を検出する操作部または入力部としての機能、および各種画面を表示する表示部としての機能を包含する。表示部としての機能は、例えば、CRT(Cathode Ray Tube)ディスプレイ装置、液晶ディスプレイ(LCD)装置、OLED(Organic Light Emitting Diode)装置により実現される。また、操作部としての機能は例えばタッチパネルにより実現される。なお、表示部および操作部の機能は分離して構成されてもよい。
【0042】
制御部150は、演算処理装置であるCPU(Central Processing Unit)、CPUが使用するプログラムや演算パラメータ等を記憶するROM(Read Only Memory)、CPUの実行において使用するプログラムや、その実行において適宜変化するパラメータ等を一時記憶するRAM(Random Access Memory)、データ等を記憶するHDD(Hard Disk Drive)装置などのデータ格納用記憶装置等で構成される。ROMには、処理プログラム(例えば、反復類型取引プログラム、各種取引の処理プログラム等)が格納されており、CPUが各処理プログラムを実行することにより実現される。
【0043】
制御部150は、情報管理装置1の動作全般を制御する。例えば、制御部150は、各紙幣カセットおよび出金ホッパ125に収納されている現金の枚数を記憶部160に記憶させる管理部としての機能を包含する。制御部150は、操作者が所望の処理を選択するためのメニュー画面を操作表示部133に表示させ、メニューにおいて操作者により選択された処理を制御する。
【0044】
制御部150は、外部記憶装置50に商品の商品情報を記憶させるため、商品登録取引を行なう。商品登録取引を実施する際、制御部150は、ユーザ操作により商品の商品識別コードをコードリーダ120で読み取り、その商品識別コードを含む商品情報要求信号を、ファイルサーバ3に送信する。そして、ファイルサーバ3から商品識別コードに対応する商品情報を含む商品情報応答信号を受信すると、制御部150は、商品情報を外部記憶装置50に記憶する。複数の販売商品がある場合には、全ての販売商品のそれぞれについて商品識別コードの読み取り及び商品情報の取得を行なって、全ての商品の商品情報を外部記憶装置50に記憶する。
【0045】
[釣銭機]
図3は、第1の実施形態に係る釣銭機2の内部構成を示す内部構成図である。
【0046】
図3において、釣銭機2は、入出金制御部200、操作表示部25、コードリーダ26、紙幣入出金部21、硬貨入金部23、硬貨出金部24、キャッシュボックス部27を有する。
【0047】
紙幣入出金部21は、入金された紙幣の取り込みや計数を行なうものである。紙幣入出金部21は、制御部201の制御により、投入された入金紙幣をとりこみ、真偽鑑別及び金種鑑別を行ない、鑑別した紙幣を計数する。計数した紙幣は、キャッシュボックス部27に搬送され、預かり金として格納する。預かり金額に関する情報(すなわち、金種別に計数した金額)は制御部201に与えられる。また、釣銭としての出金紙幣の計数や紙幣の放出を行なうものである。紙幣入出金部21は、制御部201から釣銭の出金指示が与えられると、キャッシュボックス部27から紙幣を送り出して、搬送される紙幣を計数し、出金指示された金額に相当する紙幣を放出する。
【0048】
硬貨入金部23は、入金硬貨の取り込みや計数を行なうものである。硬貨入金部23は、投入された入金硬貨を取り込み、真偽鑑別及び金種鑑別を行い、鑑別した硬貨を計数する。計数した硬貨は、キャッシュボックス部27に搬送され、預かり金として格納する。預かり金額に関する情報(すなわち、金種別に計数した金額)は、制御部201に与えられる。
【0049】
硬貨出金部24は、釣銭としての出金硬貨の計数や放出を行なうものである。硬貨出金部24は、制御部201から釣銭の出金指示が与えられると、キャッシュボックス部27から硬貨を搬送し、搬送した硬貨を計数し、計数した硬貨を放出する。
【0050】
キャッシュボックス部27は、紙幣及び硬貨を格納するものである。キャッシュボックス部27は、釣銭準備金としての現金(紙幣及び硬貨)を事前に格納しておき、商品の購入に係る入金紙幣及び硬貨を格納する。キャッシュボックス部27は現金入出金機としての情報管理装置1に装着可能であってもよく、情報管理装置1において、操作者による釣銭出金取引の実施により、指定した金種枚数の紙幣及び硬貨がキャッシュボックス部27に収納されるようにしてもよい。また、業務終了後、情報管理装置1において釣銭機2の売上を計上するため、キャッシュボックス部27を情報管理装置1に装着して、キャッシュボックス部27に格納されている紙幣及び硬貨を情報管理装置1に投入して、売上入金取引を実施するようにしてもよい。
【0051】
入出金制御部200は、釣銭機2の処理を司る装置又は処理部である。図3において、入出金制御部200は、制御部201、記憶部202、接続インタフェース部203を有する。
【0052】
制御部201及び記憶部202は、そのハードウェアとしては、例えば、CPU、ROM、RAM,EEPROM、入出力インタフェース等を有する装置を適用でき、CPUがROMに格納されている処理プログラム(例えば、情報処理プログラム、入出金処理プログラム等)を実行することにより、各種処理が実現される。
【0053】
制御部201は、現金の入出金処理を行なう。制御部201は、コードリーダ26により商品識別コードが読み取られると、外部記憶装置50の商品情報を参照して、その商品識別コードに対応する商品販売価格を読み出し、商品の購入金額を導出する。そして、紙幣入出金部21、及び又は、硬貨入金部23から入金された入金金額と購入金額とを比較して差額を導出する。
【0054】
接続インタフェース部203は、商品情報が記憶されている外部記憶装置50を接続するためのインタフェース部である。
【0055】
(A-2)第1の実施形態の動作
次に、第1の実施形態に係る情報管理システム10における情報管理処理の動作を、図面を参照しながら説明する。
【0056】
図4は、第1の実施形態に係る情報管理装置1における商品登録取引の処理を示すフローチャートである。
【0057】
情報管理装置1では、操作者による所定の操作により、操作表示部133には、取引選択メニューが表示され、取引選択メニューの中から商品取引選択ボタンが選択される(S11)。なお、このとき、操作者により外部記憶装置50が情報管理装置1の接続インタフェース部170に接続される。
【0058】
釣銭機2を持ち込む場所等で販売する商品の商品情報を外部記憶装置50に記憶するため、各商品の商品識別コードがコードリーダ120で読み取られ(S12)、各商品の商品識別コードが制御部150に与えられる。
【0059】
制御部150では、読み取られた商品識別コードを含む商品情報要求情報が生成されて、その商品情報要求情報が、ファイルサーバ3に送信される。このとき、ファイルサーバ3では、商品情報要求情報が受信されると、商品識別コードに対応する商品販売価格(金額)を検索し、その商品識別コード及び商品販売価格を含む商品情報応答情報を情報管理装置1に送信する。そして、情報管理装置1では、制御部150が、商品情報応答情報を解析して、商品識別コードと、当該商品識別コードに対応する商品販売価格を取得する(S13)。
【0060】
制御部150は、商品識別コードと商品販売価格とを対応付けた商品情報を外部記憶装置50に記憶する(S14)。
【0061】
例えば、図5は、第1の実施形態に係る商品情報の構成例を示す構成図である。図5に例示する商品情報51は、例えば「商品1の商品識別コード」の下に「商品1の商品販売価格(金額)」を記述するようにして、商品識別コードとこれに対応する商品販売価格(金額)とを対応付けている。なお、外部記憶装置50に記憶させる商品情報51の構成は、図5の例に限定されない。
【0062】
そして、販売する全ての商品に関してS12~S14の処理が終了していなければ(S15:No)、次の他の商品についてS12~S14の処理を繰り返し行ない、全ての商品に関して処理が終了していれば(S15:Yes)、商品登録取引を終了する。
【0063】
図6は、第1の実施形態に係る釣銭機2における処理動作を示すフローチャートである。
【0064】
まず、操作者は、商品情報が記憶されている外部記憶装置50を釣銭機2の接続インタフェース部203に接続する。
【0065】
その後、釣銭機2を配置させている場所で、商品販売を実施する際、購入される商品の商品識別コードがコードリーダ26により読み取られ(S21)、制御部201は、外部記憶装置50に記憶されている商品情報を参照して、読み取った商品識別コードに対応する商品販売価格を読み出し(S22)、商品購入金額が導出される(S23)。このとき、複数の商品が購入される場合、各商品の商品識別コードが読み取られて、商品販売価格の合計額が購入金額として導出される。また、釣銭機2で導出された購入金額が操作表示部25に表示されるようにしてもよい。
【0066】
その後、商品購入者から現金(紙幣、硬貨)を受け取り、紙幣は紙幣入出金部21に投入され、硬貨は硬貨入金部23に投入され(S24)、紙幣入出金部21により投入された紙幣が計数され、硬貨入金部23により入金硬貨が計数される(S25)。
【0067】
制御部201は、紙幣入出金部21の計数結果(入金金額)と、硬貨入金部23の計数結果(入金金額)を加算して入金金額を導出し、入金金額と購入金額とを比較する(S26)。入金金額と購入金額とで差額があり、お釣りがある場合には(S27:Yes)、制御部201の制御により、キャッシュボックス部27から、お釣り相当額の現金(紙幣、硬貨)を搬送して、出金される紙幣及び硬貨の計数を行ない(S28)、釣銭として紙幣入出金部21へ紙幣、硬貨出金部24へ硬貨が放出される(S29)。他方、お釣りがない場合(S27:No)、入金金額と購入金額とが一致するので出金は行なわず、S30に移行する。
【0068】
制御部201は、購入された商品の売上に関する情報を外部記憶装置50に記憶する(S30)。
【0069】
「商品の売上に関する情報」は、購入された商品の商品識別コード及び商品販売価格、点数、購入金額、購入日時情報、入金した金種枚数、入金金額、出金した金種枚数、出金金額等の全て又はこれらの一部の情報を含むようにしてもよい。なお、商品の売上に関する情報は、上述した例に限定されず、例えば商品購入番号、釣銭機2の識別情報、担当者番号等が含まれるようにしてもよい。
【0070】
業務終了後、釣銭機2のキャッシュボックス部27に格納されている全ての売上金を、現金入出金機としての情報管理装置1に投入して売上入金を行なうようにしてもよい。その際、釣銭機2において商品の売上に関する情報が記憶されている外部記憶装置50を情報管理装置1に接続させ、商品の売上に関する情報が、情報管理装置1に読み取られるようにしてもよい。
【0071】
そして、売上入金を実施した情報管理装置1が、釣銭機2の売上入金の金額(金種毎の枚数及び金額を合計した現金在高)と、商品の売上に関する情報に基づく売上金とを照合して、現金管理を行なうようにしてもよい。
【0072】
(A-3)第1の実施形態の効果
以上のように、第1の実施形態によれば、POS端末やPOSシステムと接続できない場所又は店舗であっても、POS端末やPOSシステムを必要とせず、商品情報が記憶されている外部記憶装置を釣銭機に接続することで、商品の商品識別コードを用いた入出金処理及び決済を行なうことができる。
【0073】
(B)第2の実施形態
次に、本発明に係る情報管理システムの第の実施形態を、図面を参照しながら詳細に説明する。
【0074】
(B-1)第2の実施形態の構成及び動作
図7は、第2の実施形態に係る情報管理システムの全体構成を示す構成図である。
【0075】
図7において、第2の実施形態に係る情報管理システム10Aは、釣銭機2Aと、ファイルサーバ3とを有する。
【0076】
上述した第1の実施形態では、情報管理装置1が外部記憶装置50に商品情報を記憶させる場合を例示した。これに対して、第2の実施形態では、商品を販売する場所に釣銭機2Aを持ち込む前に、釣銭機2Aが通信回線NTを介してファイルサーバ3と情報通信を可能とし、釣銭機2Aが外部記憶装置50に商品情報を記憶する場合を例示する。
【0077】
図8は、第2の実施形態に係る釣銭機2Aの内部構成を示す内部構成図である。
【0078】
図8に示すように、釣銭機2Aは、基本的には、第1の実施形態と同様の構成を備えるが、入出金制御部200が通信部204を更に備える点が異なる。
【0079】
釣銭機2Aが通信部204を備えることにより、釣銭機2Aが、直接、ファイルサーバ3から、商品識別コードに対する商品販売価格を取得し、商品情報を外部記憶装置50に記憶することができる。また、取扱い商品が少ない店舗の場合、現金入出金機としての情報管理装置1が設置されていないときでも、釣銭機2A単独で運用することができる。
【0080】
また、第1の実施形態と同様に、現金入金機等の情報管理装置1を備える場合、釣銭機2Aは、商品の売上に関する情報を外部記憶装置50に記憶し、情報管理装置1との連携を図ることができる。
【0081】
釣銭機2Aによる商品情報の登録処理は、第1の実施形態の図4を用いて説明できるので、ここでは、図4を用いて説明する。
【0082】
釣銭機2Aは通信回線NTを接続可能であり、通信部204は、制御部201の制御により、ファイルサーバ3との間で情報通信可能な状態とする。
【0083】
例えば、釣銭機2Aには、商品登録取引の開始する開始ボタンを設けるようにしてもよい。開始ボタンは、操作表示部25に表示されるソフトボタンであっても良いし、物理的なボタンであってもよい。いずれにしても、商品登録取引を実施する際に、操作者により開始ボタンが選択されることにより、商品登録取引が開始する(S11)。
【0084】
そして、釣銭機2Aのコードリーダ26により、商品の商品識別コードが読み取られると(S12)、制御部201が、商品識別コードを含む商品情報要求情報を生成して、ファイルサーバ3に送信する。
【0085】
このとき、ファイルサーバ3では、第1の実施形態と同様に、受信した商品情報要求情報に含まれている、商品識別コードに対応する商品販売価格(金額)を検索し、その商品識別コード及び商品販売価格を含む商品情報応答情報を釣銭機2Aに送信する。
【0086】
釣銭機2Aでは、制御部201が、商品情報応答情報を解析して、商品識別コードと、当該商品識別コードに対応する商品販売価格を取得し(S13)、商品識別コードと商品販売価格とを対応付けた商品情報を外部記憶装置50に記憶する(S14)。
【0087】
販売する全ての商品に関してS12~S14の処理が終了していなければ(S15:No)、次の他の商品についてS12~S14の処理を繰り返し行ない、全ての商品に関して処理が終了していれば(S15:Yes)、商品登録取引を終了する。
【0088】
(B-2)第2の実施形態の効果
以上のように、第2の実施形態によれば、第1の実施形態の効果を奏すると共に、釣銭機単独で商品の商品識別コードを用いた入出金処理及び決済を行なうことができる。釣銭機が商品情報を外部記憶装置に記憶するときには、オンラインでファイルサーバと通信することができ、商品を販売するときには、釣銭機はオフライン状態で決済することができる。
【0089】
(C)他の実施形態
上述した各実施形態においても本発明の変形実施形態を言及したが、本発明は、以下の変形実施形態にも適用できる。
【0090】
(C-1)上述した各実施形態では、商品情報を記憶させる媒体が例えばUSBメモリ等の外部記憶装置である場合を例示した。外部記憶装置はこれに限定されず、例えば、ICチップを搭載したICカードやICタグ等としてもよい。つまり、ICチップに商品情報を記憶させておき、釣銭機がICカード等のICチップから商品情報を読み取り可能としてもよい。
【0091】
また、オフライン状態の釣銭機が商品情報を参照できるようにするために、釣銭機が、例えばNFC、ブルートゥース(登録商標)等のような近距離無線通信の通信部を備え、情報管理装置若しくはファイルサーバから、商品識別コードと商品販売価格とを含む商品情報を取得できるようにしてもよい。
【0092】
(C-2)第1の実施形態において、商品販売前に、釣銭機と情報管理装置とが通信回線で通信可能としておき、情報管理装置が商品情報の作成後に、釣銭機が情報管理装置から商品情報を取得して記憶してもよい。つまり、商品販売前に、釣銭機をオンライン状態で情報管理装置に接続しておき、情報管理装置が作成した商品情報を釣銭機に通知し、商品販売時には、釣銭機がオフライン状態で現金入金処理してもよい。
【0093】
(C-3)上述した実施形態では、商品識別コードと商品販売価格とを対応付けた商品情報を、情報管理装置又は釣銭機の制御部が作成する場合を例示した。しかし、操作者等が手入力で商品情報を作成して外部記憶装置に登録するようにしてもよい。この場合でも、商品情報を記憶している外部記憶装置を釣銭機に接続することで、商品識別コードを用いた現金処理を行なうことができる。
【0094】
(C-4)図9は、変形実施形態に係る釣銭機の内部構成を示す内部構成図である。
【0095】
図9において、釣銭機2Bは、基本的には、第1及び第2の実施形態と同様の構成を備えるが、例えばQRコード(登録商標)等のような二次元コードを読み取る二次元コードリーダ41、例えば非接触型ICカード等のような非接触型ICチップから情報を読み取る非接触カードリーダ42を備える。二次元コードリーダ41又は非接触カードリーダ42のいずれか一方を備えるものとしてもよい。
【0096】
例えば、商品販売価格を含む商品情報を二次元コード化し、その二次元コードを用紙等に印字しておく。そして、顧客が商品を購入するときに、用紙上の二次元コードを二次元コードリーダ41が読み取り、その情報が制御部201に通知される。これにより、制御部201は、商品販売価格を認識できるので、商品の購入金額を導出できる。そして、制御部201は、入金された現金(紙幣、硬貨)の入金金額と購入金額との比較をし、現金処理を行なうようにしてもよい。
【0097】
これにより、例えば販売先で新たに商品を追加して販売するときであって、外部記憶装置で登録されていない商品を販売するときに、二次元コードを用いた現金処理が可能となる。
【0098】
なお、上述した例では、商品情報を二次元コード化した場合を例示したが、商品情報を記憶した非接触型ICカードであってもよい。また、QRコード等の二次元コードは、用紙に印字されている必要はなく、スマートフォン等の携帯端末の画面上に、商品情報を示すQRコードを表示させて実施するようにしてもよい。
【符号の説明】
【0099】
10…情報処理システム、2、2A及び2B…釣銭機2…情報管理装置、3…ファイルサーバ、31…データベース、50…外部記憶装置、51…商品情報、
200…入出金制御部、201…制御部、202…記憶部、203…接続インタフェース部、203…通信部、21…紙幣入出金部、23…硬貨入金部、24…硬貨出金部、25…操作表示部、26…コードリーダ、27…キャッシュボックス部、41…二次元コードリーダ、42…非接触カードリーダ、
150…制御部、160…記憶部、170…接続インタフェース部、133…操作表示部、120…コードリーダ。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9