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特許7484202ベース材、包装体、包装体の製造方法、および、ベース材の製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】ベース材、包装体、包装体の製造方法、および、ベース材の製造方法
(51)【国際特許分類】
   B32B 3/04 20060101AFI20240509BHJP
   B32B 5/24 20060101ALI20240509BHJP
   B32B 27/00 20060101ALI20240509BHJP
   B65D 75/30 20060101ALI20240509BHJP
   B65D 65/40 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B32B3/04
B32B5/24
B32B27/00 H
B65D75/30 B
B65D65/40 D
【請求項の数】 6
(21)【出願番号】P 2020019836
(22)【出願日】2020-02-07
(65)【公開番号】P2021123071
(43)【公開日】2021-08-30
【審査請求日】2023-01-25
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】睦好 三千男
【審査官】市村 脩平
(56)【参考文献】
【文献】特開2009-102038(JP,A)
【文献】特開平02-307738(JP,A)
【文献】特開2009-214888(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B32B1/00-43/00
B65D65/00-79/02
81/18-81/30
81/38
85/88
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
内容物を覆うフィルムが接合されることにより前記フィルムとともに前記内容物を覆うベース材であって、
封止される端面である封止端面、露出する端面である露出端面、および、繊維を含むベース層と、
前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、
前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、
前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方により構成され、前記封止端面を封止する封止部と、
前記露出端面を含み、前記ベース材の他の部分に重なるように折り曲げられた前記ベース材の端部である露出部とを備える
ベース材。
【請求項2】
前記第1樹脂層および前記第2樹脂層は、前記ベース層の端縁から突出する突出部を有し、
前記封止部は、前記第1樹脂層の突出部と前記第2樹脂層の突出部との接合部として構成される
請求項1に記載のベース材。
【請求項3】
内容物と、
前記内容物を覆うフィルムと、
前記フィルムが接合されることにより前記フィルムとともに前記内容物を覆うベース材とを備える包装体であって、
前記ベース材は、
封止される端面である封止端面、露出する端面である露出端面、および、繊維を含むベース層と、
前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、
前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、
前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方により構成され、前記封止端面を封止する封止部と、
前記露出端面を含み、前記ベース材の他の部分に重なるように折り曲げられた前記ベース材の端部である露出部とを備える
包装体。
【請求項4】
前記フィルムは、前記露出部の端面を覆う
請求項3に記載の包装体。
【請求項5】
内容物を覆うフィルムが接合されることにより前記フィルムとともに前記内容物を覆うベース材を製造する前記ベース材の製造方法であって、
前記ベース材は、
封止される端面である封止端面、露出する端面である露出端面、および、繊維を含むベース層と、
前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、
前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、
前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方により構成され、前記封止端面を封止する封止部と、
前記露出端面を含み、前記ベース材の他の部分に重なるように折り曲げられた前記ベース材の端部である露出部とを備え、
前記製造方法は、
繊維シートに含まれる対象部分を前記繊維シートから切り出すために順に実施される第1工程、第2工程、および、第3工程と、
前記繊維シートから切り出された前記対象部分である前記ベース材に前記露出部が構成されるように前記ベース材を折り曲げる第4工程とを含み、
前記対象部分の周縁は前記露出端面に対応する第1部分、および、前記封止端面に対応する第2部分を含み、
前記第1工程では、前記第2部分が前記繊維シートから切り離されるように前記繊維シートに貫通孔を形成し、
前記第2工程では、前記貫通孔が覆われるように前記繊維シートの第1面に第1樹脂シートを積層し、前記貫通孔が覆われるように前記第1面とは反対側の前記繊維シートの第2面に第2樹脂シートを積層し、
前記第3工程では、前記第1部分に沿うように前記繊維シートを切断し、前記封止部が形成されるように前記第1樹脂シートおよび前記第2樹脂シートにおける前記貫通孔を覆う部分を切断する
ベース材の製造方法。
【請求項6】
内容物と、前記内容物を覆うフィルムと、前記フィルムが接合されることにより前記フィルムとともに前記内容物を覆うベース材とを備える包装体を製造する前記包装体の製造方法であって、
前記ベース材は、
封止される端面である封止端面、露出する端面である露出端面、および、繊維を含むベース層と、
前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、
前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、
前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方により構成され、前記封止端面を封止する封止部と、
前記露出端面を含み、前記ベース材の他の部分に重なるように折り曲げられた前記ベース材の端部である露出部とを備え、
前記製造方法は、
前記ベース材に前記内容物を配置する第1工程と、
前記内容物および前記露出端面が封止されるように前記フィルムを前記ベース材に張り付ける第2工程とを含む
包装体の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ベース材、包装体、包装体の製造方法、および、ベース材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
ベース材(例えば、台紙)に内容物を置いて、内容物をフィルムによってパックする技術が知られている(例えば、特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2015-120535号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、物の包装にベース材を用いる場合がある。ベース材が、繊維シートを含む場合、ベース材の端面から水分が浸透する虞がある。本発明の目的は、端面から水分の浸透を抑制できるベース材、ベース材を備える包装体、包装体の製造方法、およびベース材の製造方法を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明に関するベース材は、内容物の少なくとも一部を覆うベース材であって、前記ベース材は、繊維を含むベース層と、前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方によって前記ベース層の端面を封止する封止部と、前記ベース層の端面が露出する露出部と、を備え、前記露出部は折り曲げられる。この構成によれば、ベース層の端面の一部が封止されているため、ベース層に水分が浸透することを抑制できる。また、ベース層の端面がフィルムによって覆い易い構造のため、フィルムを含む包装体のベース材として好適である。
【0006】
(2)好ましい例では(1)に記載のベース材において、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層は、前記ベース層の端縁から突出する突出部を有し、前記封止部は、前記第1樹脂層の突出部と前記第2樹脂層の突出部との接合部として構成される。この構成によれば、ベース層の端面の一部を第1樹脂層および第2樹脂層によって封止できる。
【0007】
(3)本発明に関する包装体は、(1)または(2)に記載のベース材と、フィルムと、前記ベース材と前記フィルムとによって密封される内容物とを備える。この構成によれば、包装体において、ベース層に水分が浸透することを抑制できる。
【0008】
(4)好ましい例では(3)に記載の包装体において、前記フィルムは、前記露出部の端面を覆う。
この構成によれば、さらに、ベース層に水分が浸透することを抑制できる。ベース層の端面が露出するような包装体について熱処理を行うと、端面からの水侵入によってベース材の水分率が増大し、ベース材の層間強度の低下やベース材の剛性低下が生じる。このようなことから、端面が露出するような従来のベース材を有する包装体は、熱処理に適さない。この点、上記構成の包装体によれば、フィルムによってベース層に水分が浸透することが抑制されるため、熱処理(例えば、ボイル殺菌およびレトルト処理)が可能であり、熱処理を行ってもベース材の層間強度の低下やベース材の剛性の低下は抑制される。
【0009】
(5)本発明に関するベース材の製造方法は、繊維シートにおいて、対象部分の周縁の予め定められた第1部分以外の第2部分が、前記繊維シートから切り離されるように、前記繊維シートに貫通孔を形成する第1工程と、前記第1工程で加工された繊維シートにおいて、前記貫通孔が覆われるように、前記繊維シートの第1面に第1樹脂シートを積層し、前記貫通孔が覆われるように、前記第1面と反対側の第2面に第2樹脂シートを積層する第2工程と、前記第2工程で加工された繊維シートにおいて、前記第1部分を切断し、かつ、前記貫通孔を覆う前記第1樹脂シートおよび前記第2樹脂シートを前記第2部分に沿うように切断することによって、前記対象部分を切り出す第3工程と、前記第3工程で切り出された対象部分において、前記第1部分を含む部分を折り返す第4工程とを含む。この構成によれば、ベース層に水分が浸透しにくいベース材を製造できる。
【0010】
(6)本発明に関する包装体の製造方法は、内容物と、前記内容物の少なくとも一部を覆うベース材と、前記ベース材とともに前記内容物を密封するフィルムとを備える包装体であって、前記ベース材は、繊維を含むベース層と、前記ベース層の第1面を覆う第1樹脂層と、前記ベース層の第1面の反対側の第2面を覆う第2樹脂層と、前記第1樹脂層および前記第2樹脂層の少なくとも一方によって前記ベース層の端面を封止する封止部と、前記ベース層の端面が露出する露出部とを備え、前記露出部は折り曲げられるものである、前記包装体の製造方法であって、前記ベース材に内容物を配置する第1工程と、前記内容物および前記露出部の端面が封止されるように前記フィルムを前記ベース材に張り付ける第2工程とを含む。この構成によれば、包装体のベース層に水分が浸透しにくい包装体を製造できる。
【発明の効果】
【0011】
上記ベース材および包装体によれば、ベース材および包装体への水分の浸透が抑制される。ベース材の製造方法によれば、ベース層に水分が浸透しにくいベース材を製造できる。包装体の製造方法によれば、ベース層に水分が浸透しにくい包装体を製造できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】包装体の斜視図。
図2図1のII-II線に沿う断面図。
図3図1のIII-III線に沿う断面図。
図4】ベース材の斜視図。
図5】ベース材の断面図。
図6】フィルムの断面図。
図7】イージーピール構造が設けられる範囲が示される包装体の斜視図。
図8図1のA部の拡大図。
図9】フィルムが剥離されている状態の包装体の斜視図。
図10】繊維シートの平面図。
図11】第1工程によって得られる加工対象物の平面図。
図12】第2工程によって得られる加工対象物の断面図。
図13】第3工程によって得られる加工対象物の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1図13を参照して、包装体10およびベース材20について説明する。図1は、包装体10の斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿う断面図であり、図3は、図1のIII-III線に沿う断面図である。
【0014】
包装体10は、内容物100が包装材によって密封された物である。本実施形態では、包装材は、ベース材20とフィルム30とを備える。具体的には、包装体10は、内容物100と、内容物100の一部を覆うベース材20と、ベース材20とともに内容物100を密封するフィルム30とを備える。
【0015】
内容物100は、食品または物品である。食品としては、生鮮食品、加工食品が挙げられる。図1に示される例では、内容物100は牛肉のブロックである。物品の例として、例えば、文具、部品、小型電気機器が挙げられる。部品としては、電子部品、ねじ等の機械部品、が挙げられる。
【0016】
包装体10の包装形態は例えば、スキンパックおよび真空パックである。真空パックは、真空包装によって包装することを示す。スキンパックは、真空パックの一種であり、内容物100に密着し易いフィルム30を用いて真空包装することを示す。本実施形態では、包装体10の包装形態はスキンパックである。包装体10の包装形態がスキンパックである場合、フィルム30のうちの中央部は内容物100に密着し、フィルム30のうちの内容物100と密着する中央部の周囲の部分は、ベース材20に接合する。このため、例えば、内容物100が生鮮食品または加工食品である場合、内容物100から発生したドリップがベース材20上に流出しにくい。このため、包装体10の見栄えが長期間にわたり維持される。さらに、包装体10の包装形態がスキンパックである場合、ベース材20およびフィルム30に対して内容物100が移動するための空間が実質的に存在しないため、例えば、包装体10を店舗で吊り下げた状態で陳列できる。この場合、内容物100を消費者が容易に視認できるため、消費者の購買意欲を高めることができる。
【0017】
図4および図5を参照して、内容物100のパックに使用されるベース材20について説明する。ベース材20は、内容物100の少なくとも一部を覆う。ベース材20は、包装材の一部を構成する。
【0018】
平面視におけるベース材20の形状は任意に選択可能である。図4に示される例では、ベース材20は、平面視で矩形である。ベース材20は、平面視で、正方形でもよく、円形でもよい。ベース材20の外形線は、凸凹に構成されてもよい。
【0019】
図5に示されるように、ベース材20は、繊維を含むベース層21と、ベース層21の第1面21aを覆う第1樹脂層22と、ベース層21の第1面21aの反対側の第2面21bを覆う第2樹脂層23とを含む。さらに、ベース材20は、封止部40と、露出部50とを備える。
【0020】
ベース層21は、繊維を含む。繊維は、合成繊維、および、植物繊維のいずれであってもよく、合成繊維および植物繊維の両方を含んでもよい。例えば、ベース層21は、非再生紙または再生紙によって構成される。ベース層21を構成する材料が再生紙である場合、衛生面の観点から、製紙メーカーの工場内でのみ流通した古紙であることが好ましい。ベース層21の厚さに寄与する坪量は任意に選択可能である。ベース層21の坪量は、好ましくは、ベース材20とフィルム30とが接合されるときのベース材20が反り難いように設定される。さらに好ましくは、ベース層21の坪量は、ベース材20が厚くなり過ぎないように設定される。ベース層21の坪量の最大値の好ましい一例は1000g/mである。ベース層21の坪量が1000g/m以下である場合、包装体10の厚さが厚くなりすぎない。このため、包装体10の陳列スペースを少なくできる。また、ベース材20のコストを低減できる。ベース層21の坪量の最小値の好ましい一例は100g/mである。ベース層21の坪量が100g/m以上である場合、ベース材20とフィルム30とが接合されるときのベース材20が反りにくい。ベース層21の坪量が取り得る好ましい範囲の一例は100g/m以上1000g/m以下である。一例では、ベース層21の坪量は310g/mである。
【0021】
第1樹脂層22は、例えば、最内層24、バリア層25、および、接合層26を含む。
最内層24はベース材20のうちの最も内側、換言すれば、内容物100に最も近い位置に積層される。最内層24に内容物100が載せられる。最内層24はフィルム30の最内層31(図6参照)に対してイージーピール可能な樹脂によって構成される。最内層24は好ましくは、防水機能を含む材料によって構成される。この場合、内容物100から流出した水分が第1樹脂層22に浸透することが抑制される。最内層24を構成する材料は例えば、ポリエチレンである。最内層24の厚さは例えば、55μmである。
【0022】
バリア層25は例えば、最内層24に対して内容物100とは反対側に積層される。このため、内容物100が水分を含む場合、内容物100から染み出した水分がベース層21に浸透しにくい。水分を含む内容物100が包装される場合においてベース材20の強度が維持される。以下では、任意の層に対して内容物100とは反対側を外側と称する場合がある。バリア層25はガスバリア性および水分バリア性の少なくとも一方に優れた材料によって構成される。このため、内容物100の品質が長期間にわたり良好に維持される。本実施形態では、バリア層25はガスバリア性および水分バリア性に優れた材料によって構成される。バリア層25を構成する材料は例えば、酸化アルミニウムまたは酸化ケイ素等の無機薄膜が蒸着されたポリエチレンテレフタレートである。バリア層25によって透過が抑制されるガスは例えば、酸素である。バリア層25の厚さは例えば、12μmである。
【0023】
接合層26は例えば、バリア層25に対して外側に積層される。接合層26はバリア層25とベース層21とを接合できる材料によって構成される。接合層26を構成する材料は例えば、エチレン-メタクリル酸共重合樹脂(EMAA樹脂)である。接合層26の厚さは例えば、20μmである。
【0024】
第2樹脂層23は、防水層27を含む。防水層27は防水機能を含む材料によって構成される。このため、結露が発生した場合であってもベース層21に水分が浸透しにくく、ベース材20の強度が維持される。防水層27を構成する材料は、例えば、ポリエチレンである。防水層27の厚さは例えば、20μmである。
【0025】
図3に示されるように、ベース材20の封止部40は、第1樹脂層22および第2樹脂層23の少なくとも一方によってベース層21の端面29を封止する部分として構成される。本実施形態では、封止部40は、第1樹脂層22の突出部43と第2樹脂層23の突出部44との接合部として構成される。第1樹脂層22の突出部43は、第1樹脂層22においてベース層21の端縁から突出する部分である。第2樹脂層23の突出部44は、第2樹脂層23においてベース層21の端縁から突出する部分である。
【0026】
図2に示されるように、ベース材20の露出部50は、ベース層21の端面29が露出する部分である。露出部50は、折り曲げられている。露出部50の端面29は、平面視において、内側に向く。
【0027】
図2および図3を参照して、ベース材20の封止部40および露出部50について説明する。
ベース層21は、第1端縁28a~第4端縁28dを有する。第1端縁28a~第4端縁28dは、ベース層21の外周に沿って、第1端縁28a、第3端縁28c、第2端縁28b、第4端縁28dの順に配置される。ベース層21において、第2端縁28bは、第1端縁28aの反対側の端縁である。ベース層21において、第4端縁28dは、第3端縁28cの反対側の端縁である。
【0028】
第1樹脂層22は、ベース層21から食み出るように構成される。具体的には、第1樹脂層22は、ベース層21の第1端縁28aの全体にわたって突出する第1突出部43aと、ベース層21の第2端縁28bの全体にわたって突出する第2突出部43bとを有する。
【0029】
第2樹脂層23は、ベース層21から食み出るように構成される。具体的には、第2樹脂層23は、ベース層21の第1端縁28aの全体にわたって突出する第3突出部44aと、ベース層21の第2端縁28bの全体にわたって突出する第4突出部44bとを有する。
【0030】
図3に示されるように、ベース層21の第1端縁28a側において、第1樹脂層22の第1突出部43aと第2樹脂層23の第3突出部44aとが接合する。第1樹脂層22の第1突出部43aと第2樹脂層23の第3突出部44aとは、水分が浸透しにくいように接合される。例えば、第1樹脂層22の第1突出部43aと第2樹脂層23の第3突出部44aとは、ヒートシールまたは接着剤によって接合される。ベース層21の第1端縁28a側の第1端面29aは、第1樹脂層22の第1突出部43aと第2樹脂層23の第3突出部44aとの接合によって構成される第1封止部41によって封止される。第1封止部41は、封止部40のうちの1つである。
【0031】
図3に示されるように、ベース層21の第2端縁28b側において、第1樹脂層22の第2突出部43bと第2樹脂層23の第4突出部44bとが接合する。第1樹脂層22の第2突出部43bと第2樹脂層23の第4突出部44bとは、水分が浸透しにくいように接合される。例えば、第1樹脂層22の第2突出部43bと第2樹脂層23の第4突出部44bとは、ヒートシールまたは接着剤によって接合される。ベース層21の第2端縁28b側の第2端面29bは、第1樹脂層22の第2突出部43bと第2樹脂層23の第4突出部44bとの接合によって構成される第2封止部42によって封止される。第2封止部42は、封止部40のうちの1つである。
【0032】
図2のベース材20(フィルム30を除去した状態のベース材20。図4参照)から分かるように、ベース層21の第3端縁28c側の第3端面29cは露出する。ベース層21の第3端縁28cの第3端面29cと、第1樹脂層22において第3端縁28c側の端面と、第2樹脂層23において第3端縁28c側の端面とは、面一の面を構成する。ベース材20において、第3端面29cを含む第1露出部51は、折り曲げられる。第1露出部51は、第1樹脂層22が折り重ねられるように折られている。第1露出部51において露出する第3端面29cは、第1樹脂層22側に配置される。すなわち、第1露出部51において露出する第3端面29cは、ベース材20において、内容物100が配置される面側に配置される。
【0033】
図2のベース材20(フィルム30を除去した状態のベース材20。図4参照)から分かるように、ベース層21の第4端縁28d側の第4端面29dは露出する。ベース層21の第4端縁28dの第4端面29dと、第1樹脂層22において第4端縁28d側の端面と、第2樹脂層23において第4端縁28d側の端面とは、面一の面を構成する。ベース材20において、第4端面29dを含む第2露出部52は、折り曲げられる。第2露出部52は、第1樹脂層22が折り重ねられるように折られている。第2露出部52において露出する第4端面29dは、第1樹脂層22側に配置される。すなわち、第2露出部52において露出する第4端面29dは、ベース材20において、内容物100が配置される面側に配置される。
【0034】
図1および図6を参照して、フィルム30について説明する。
フィルム30はベース材20に載せられた内容物100を覆う。フィルム30は、ベース材20に載せられた内容物100が密封されるように、ベース材20に剥離可能に接合する。フィルム30は、伸縮性を有することが好ましい。
【0035】
図6に示されるように、フィルム30は例えば、最内層31、第1接着層32、バリア層33、第2接着層34、中間層35、および、最外層36が積層された6層構造を備える。各層31~36は例えば、共押出製法によって積層される。フィルム30は、内容物100を視認できるように透明な材料によって構成されてもよい。
【0036】
最内層31はフィルム30のうちの最も内側、換言すれば、内容物100にもっとも近い位置に積層される。包装体10の包装形態がスキンパックまたは真空パックの場合、最内層31のうちの内容物100と面する部分は内容物100と密着する。最内層31は、ベース材20の最内層24(図6参照)に対してイージーピール可能な材料によって構成される。最内層31を構成する材料は例えば、アイオノマー樹脂である。最内層31の厚さは例えば、30μmである。
【0037】
第1接着層32は例えば、最内層31に対して外側に積層される。第1接着層32は最内層31とバリア層33とを接着する。第1接着層32を構成する材料は例えば、2液硬化型ウレタン系接着剤である。第1接着層32の厚さは例えば、5μmである。
【0038】
バリア層33は例えば、第1接着層32に対して内容物100とは反対側に積層される。バリア層33は好ましくは、ガスバリア性、耐油性、および、耐湿性の少なくとも1つに優れた材料によって構成される。バリア層33を構成する材料は例えば、エチレン-ビニルアルコール共重合体(EVOH)である。バリア層33によって透過が抑制されるガスは例えば、酸素である。バリア層33の厚さは例えば、30μmである。
【0039】
第2接着層34は例えば、バリア層33に対して外側に積層される。第2接着層34はバリア層33と中間層35とを接着する。第2接着層34を構成する材料は例えば、2液硬化型ウレタン系接着剤である。第2接着層34の厚さは例えば、5μmである。
【0040】
中間層35は例えば、第2接着層34に対して外側に積層される。中間層35は好ましくは、靱性および耐摩耗性の少なくとも一方に優れた材料によって構成される。中間層35を構成する材料は例えば、ポリアミドである。中間層35の厚さは例えば、30μmである。
【0041】
最外層36は例えば、中間層35に対して外側に積層される。最外層36は好ましくは、耐熱性、ガスバリア性、防湿性、強度、および、透明性の少なくとも1つに優れた材料によって構成される。最外層36を構成する材料は例えば、ポリエステルである。最外層36の厚さは例えば、50μmである。
【0042】
フィルム30の最内層31は、ベース材20の最内層24に剥離可能に接合する。フィルム30の最内層31とベース材20の最内層24とが剥離可能に接合した部分は、イージーピール構造とも呼ばれる。
【0043】
ベース材20に対するフィルム30の接合の強度(以下、シール強度)は、任意に選択可能である。好ましくは、シール強度は、シール強度は包装体10が搬送される過程において包装体10に外力が作用した場合にフィルム30が剥離しない強度に設定される。より好ましくは、シール強度は、包装体10から内容物100を取り出す場合にユーザ200の手の力でベース材20からフィルム30を剥離できる強度に設定される。シール強度の最大値の一例は5N/15mmである。シール強度が5N/15mm以下である場合、ユーザ200によって加えられる標準的な大きさの力でフィルム30をベース材20から剥離できる。シール強度の最小値の一例は0.5N/15mmである。シール強度が0.5N/15mm以上である場合、包装体10が搬送される過程等において包装体10に標準的な大きさの外力が作用した場合であってもベース材20からフィルム30が剥離しにくい。シール強度が取り得る範囲の一例は0.5N/15mm以上5N/15mm以下である。一例では、シール強度は2N/15mmである。
【0044】
図7には、包装体10の平面視において、イージーピール構造が設けられる範囲、換言すれば、ベース材20とフィルム30とが接合される範囲がドットで示されている。包装体10において、イージーピール構造が設けられる範囲は任意に選択可能である。イージーピール構造は、ベース材20およびフィルム30のうちの内容物100と接触する部分以外の部分にわたり設けられる。
【0045】
平面視におけるフィルム30の形状は任意に選択可能である。図2に示される例では、内容物100を包装する前の段階において、フィルム30の形状は、平面視で矩形である。フィルム30は、正方形でもよく、円形でもよい。
【0046】
本実施形態では、フィルム30は、第1フィルム端縁30a~第4フィルム端縁30dを有する。第1フィルム端縁30a~第4フィルム端縁30dは、フィルム30の外周に沿って、第1フィルム端縁30a、第3フィルム端縁30c、第2フィルム端縁30b、第4フィルム端縁30dの順に配置される。フィルム30において、第2フィルム端縁30bは、第1フィルム端縁30aと反対側に位置する。フィルム30において、第3フィルム端縁30cは、第4フィルム端縁30dの反対側に位置する。
【0047】
図1図2図3、および図8を参照して、包装体10を説明する。
フィルム30は、内容物100を密封するように、内容物100に密着し、ベース材20に接合する。
【0048】
包装体10において、フィルム30は、ベース材20の露出部50の端面29を覆うように、内容物100およびベース材20に張り付けられる。フィルム30は、ベース材20の第1露出部51にある第3端面29cとベース材20の第2露出部52にある第4端面29dとを覆うように、内容物100およびベース材20に張り付けられる。以下、包装体10におけるフィルム30の張り付け状態を説明する。
【0049】
図3に示されるように、第1フィルム端縁30aは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第1端縁28aの近くに配置される部分である。第1フィルム端縁30aは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第1端縁28aと、第1端縁28aを封止する第1封止部41の端縁41aとの間に配置される。
【0050】
図3に示されるように、第2フィルム端縁30bは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第2端縁28bの近くに配置される部分である。第2フィルム端縁30bは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第2端縁28bと、第2端縁28bを封止する第2封止部42の端縁42aとの間に配置される。
【0051】
図2に示されるように、第3フィルム端縁30cは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第3端縁28cの近くに配置される部分である。第3フィルム端縁30cは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、第1露出部51側の折り曲げによって形成される第1折曲端12と、第1露出部51の第3端縁28cとの間に配置される。これによって、第1露出部51のベース層21の第3端面29cが封止される。
【0052】
図2に示されるように、第4フィルム端縁30dは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、ベース層21の第4端縁28dの近くに配置される部分である。第4フィルム端縁30dは、フィルム30がベース材20に張り付けられた状態において、第2露出部52側の折り曲げによって形成される第2折曲端13と、第2露出部52の第4端縁28dとの間に配置される。これによって、第2露出部52のベース層21の第4端面29dが封止される。
【0053】
図8は、第1露出部51の端部の拡大図である。図8に示されるように、ベース材20に対する上述のようなフィルム30の配置によって、第1露出部51においてベース層21の第3端面29cの端部29xは、フィルム30によって封止される。同様に、第2露出部52においてベース層21の第4端面29dの端部は、フィルム30によって封止される。
【0054】
図9を参照して、包装体10の使用方法の一例について説明する。
図9に示されるように、ユーザ200はベース材20からフィルム30の一部を剥離する。典型的な例では、ユーザ200はベース材20の角部と対応する部分からフィルム30の一部を剥離する。次に、ユーザ200は、剥離した部分を掴み、ベース材20に対してフィルム30の全体を剥離する。フィルム30を剥離した状態において、内容物100は、ベース材20に置かれた状態になる。この状態において、ユーザ200は、包丁を用いて、ベース材20に載せられた内容物100を任意の大きさにカットできる。このように、ベース材20をまな板として使用できる。
【0055】
図10図13を参照して、ベース材20の製造方法を説明する。
ベース材20の製造方法は、第1工程と、第2工程と、第3工程と、第4工程とを含む。ベース材20の製造方法では、第1工程から番号順に第4工程まで実施される。
【0056】
図10に示されるように、ベース材20の製造方法では、繊維シート60から複数のベース材20を形成する。繊維シートは、例えば、非再生紙または再生紙によって構成される。繊維シートには、ベース材20として加工される部分が対象部分として予め設定されている。一例では、対象部分は、矩形である。対象部分の周縁は、互いに反対の位置の辺に該当する第1部分61aと、互いに反対の位置にある辺に該当する第2部分61bとを含む。
【0057】
図11に示されるように、第1工程では、繊維シート60において、対象部分61の周縁の予め定められた第1部分61a以外の第2部分61bが、繊維シート60から切り離されるように、繊維シート60に貫通孔62を形成する。具体的には、貫通孔62は、第2部分61bを含む領域に設けられる。
【0058】
第2工程では、第1工程で加工された繊維シート60において、貫通孔62が覆われるように、繊維シート60の第1面60aに第1樹脂シート71を積層し、貫通孔62が覆われるように、第1面60aと反対側の第2面60bに第2樹脂シート72を積層する。第1樹脂シート71は、第1樹脂層22と同じ積層構造を有する。第2樹脂シート72は、第2樹脂層23と同じ積層構造を有する。
【0059】
図12は、第2工程で形成される積層物を図11に示されるXII-XII線と同じ位置で切断したときの積層物の断面図である。第1樹脂シート71は、貫通孔62の部分で、第2樹脂シート72に対向する。
【0060】
図13に示されるように、第3工程では、第2工程で加工された繊維シート60から、対象部分61が切り出される。具体的には、第3工程では、第2工程で加工された繊維シート60において、繊維シート60を第1部分61aに沿うように切断し、かつ、貫通孔62を覆う第1樹脂シート71および第2樹脂シート72を第2部分61bに沿うように切断する。切断のとき、圧着によって第1樹脂シート71を第2樹脂シート72に接合する。繊維シート60における第1部分61aの切断によって、第1封止部41および第2封止部42が形成される。
【0061】
第4工程では、第3工程で切り出された対象部分61において、第1部分61aを含む部分(すなわち、第1露出部51および第2露出部52)を折返し線Lに沿うように折り返す。このようにして、図4に示されるようなベース材20が形成される。
【0062】
次に、包装体10の製造方法を説明する。
包装体10の製造方法は、第1工程と、第2工程とを含む。包装体10の製造方法では、第1工程の後に第2工程が実施される。
【0063】
包装体10の製造方法では、ベース材20とフィルム30とが用いられる。ベース材20およびフィルム30は、上記したものが用いられる。具体的には、ベース材20は、繊維を含むベース層21と、ベース層21の第1面21aを覆う第1樹脂層22と、ベース層21の第1面21aの反対側の第2面21bを覆う第2樹脂層23と、封止部40と、露出部50とを備える。封止部40は、第1樹脂層22および第2樹脂層23の少なくとも一方によってベース層21の端面を封止する。露出部50は、ベース層21の端面が露出するように構成される部分である。露出部50は、折り曲げられている。
【0064】
第1工程では、ベース材20に内容物100を配置する。
第2工程では、内容物100および露出部50の端面29が封止されるようにフィルム30をベース材20に張り付ける。フィルム30の第1フィルム端縁30a~第4フィルム端縁30dがベース材20に対して上述した位置に配置されるように、フィルム30は、内容物100およびベース材20に張り付けて、真空包装する。例えば、フィルム30およびベース材20によって包装された内容物100をチャンバーに収容し、チャンバー内を減圧し、フィルム30を加熱する。加熱時間は、例えば、20秒である。加熱温度は、例えば、150℃である。
【0065】
本実施形態の作用を説明する。内容物100の包装において、露出部50が折り曲げられたベース材20を使用する。
ベース材20の露出部50が折り曲げられていない場合には、フィルム30の端部を折り曲げることによって、露出部50の端面29を覆う必要がある。この点、本実施形態によれば、ベース材20の端部を覆うようにフィルム30の端部を折り曲げることなく、フィルム30によってベース材20の露出部50の端面29を封止できる。このようなベース材20によれば、スキンパックまたは真空パックのパッキングにおいて、ベース材20の片面にフィルム30を配置することで内容物100を密封し、かつ、ベース材20の露出部50の端面29を封止できる。ベース材20の露出部50の端面29が封止されることによって、ベース材20への水分の浸透が抑制される。水分の浸透に起因するベース材20の劣化を抑制できる。
【0066】
本実施形態の効果を説明する。
(1)ベース材20は、第1樹脂層22および第2樹脂層23によってベース層21の端面が封止される封止部40と、ベース層21の端面が露出する露出部50と、を備える。露出部50は折り曲げられる。この構成によれば、ベース層21の端面の一部が封止されているため、ベース層21に水分が浸透することを抑制できる。また、ベース層21の端面がフィルム30によって覆い易い構造のため、フィルム30を含む包装体10のベース材20として好適である。
【0067】
(2)封止部40は、第1樹脂層22の突出部43と第2樹脂層23の突出部44との接合部として構成される。この構成によれば、ベース層21の端面の一部を第1樹脂層22および第2樹脂層23によって封止できる。
【0068】
(3)包装体10は、ベース材20と、フィルム30と、ベース材20とフィルム30とによって密封される内容物100とを備える。この構成によれば、包装体10において、ベース層21に水分が浸透することを抑制できる。
【0069】
(4)包装体10において、フィルム30は、ベース材20の第1露出部51の第3端面29cおよび第2露出部52の第4端面29dを覆う。
この構成によれば、さらに、ベース層21に水分が浸透することを抑制できる。ベース層21の端面が露出するような包装体について熱処理を行うと、端面からの水侵入によってベース材の水分率が増大し、ベース材の層間強度の低下やベース材の剛性低下が生じる。このようなことから、端面が露出するような従来のベース材を有する包装体は、熱処理に適さない。この点、上記構成の包装体10によれば、フィルム30によってベース層21に水分が浸透することが抑制されるため、熱処理(例えば、ボイル殺菌およびレトルト処理)が可能であり、熱処理を行ってもベース材20の層間強度の低下やベース材20の剛性の低下は抑制される。
【0070】
(5)ベース材20の製造方法は、上記の第1工程~第4工程を含む。この構成によれば、ベース層21に水分が浸透しにくいベース材20を製造できる。また、第2工程まで、対象部分61が繊維シート60から分離されないため、対象部分61を効率よく加工できる。
【0071】
(6)包装体10の製造方法は、ベース材20に内容物100を配置する第1工程と、第2工程とを含む。第2工程では、内容物100および露出部50の端面29が封止されるようにフィルム30をベース材20に張り付ける。この構成によれば、包装体10のベース層21に水分が浸透しにくい包装体10を製造できる。また、ベース材20および内容物100に対するフィルム30の張り付けが簡単である。
【0072】
(変形例)
実施形態は、ベース材20、包装体10、ベース材20の製造方法、および、包装体10の製造方法の例示であり、その形態を制限することを意図していない。本発明に関するベース材20、包装体10、ベース材20の製造方法、および、包装体10の製造方法は、上記実施形態に例示された形態とは異なる形態を取り得る。その一例は、各実施形態の構成の一部を置換、変更、もしくは、省略した形態、または、各実施形態に新たな構成を付加した形態である。以下に各実施形態の変形例の一例を示す。
【0073】
・ベース材20の封止部40は、本実施形態では、第1樹脂層22の突出部43と第2樹脂層23の突出部44との接合部として構成される。封止部40の形態はこれに限定されない。例えば、封止部40は、第1樹脂層22の突出部43が露出部50の端面29で折り曲げられて、突出部43が露出部50の端面29に封止するように構成されてもよい。また、封止部40は、第2樹脂層23の突出部44が露出部50の端面29で折り曲げられて、突出部44が露出部50の端面29に封止するように構成されてもよい。
【0074】
・包装体10において、フィルム30とベース材20との接合の内側において、フィルム30とベース材20とが接合していない部分があってもよい。フィルム30とベース材20とが接合していない部分には、窒素などのガスが充填されてもよい。フィルム30とベース材20とが接合していない部分において、フィルム30とベース材20とは密着してもよい。
【0075】
・ベース材20の層構成は任意に変更可能である。変形例のベース材20は、印刷層をさらに備えてもよい。印刷層は、内容物100に関する情報を表示するように構成される。情報は、文字、写真、画像のいずれか1つを含む。ベース材20において印刷層が設けられる位置は任意に選択可能である。一例では、印刷層は最内層24とバリア層25との間に設けられる。
【0076】
・ベース層21はサイズ剤および耐水剤の少なくとも一方を含んでもよい。サイズ剤は、水分の浸透を防止する物質である。サイズ剤は、例えば、ロジンサイズ剤を含む。例えば、サイズ剤は、ベース層21を構成する紙の抄紙時に紙に添加される。耐水剤は、ベース層21を構成する紙に塗布される。この変形例では、ベース層21が防水機能を含むため、防水層27を省略してもよい。
【0077】
・防水層27の構成は任意に変更可能である。変形例のベース材20の防水層27は、ベース層21の外側に撥水コーティング剤が塗布されることによって形成される撥水コーティング層として構成されてもよい。
【0078】
・ベース材20およびフィルム30の構成は任意に変更可能である。ベース材20の最内層24が例えば、アイオノマー樹脂によって構成され、フィルム30の最内層31がベース材20の最内層24に対してイージーピール可能な樹脂(例えば、ポリエチレン)によって構成されてもよい。
【符号の説明】
【0079】
10…包装体
20…ベース材
21…ベース層
21a…第1面
21b…第2面
22…第1樹脂層
23…第2樹脂層
30…フィルム
40…封止部
43…突出部
44…突出部
50…露出部
60…繊維シート
60a…第1面
60b…第2面
61…対象部分
61a…第1部分
61b…第2部分
62…貫通孔
71…第1樹脂シート
72…第2樹脂シート
100…内容物
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13