(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】トイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラム
(51)【国際特許分類】
A47K 17/00 20060101AFI20240509BHJP
E03D 5/10 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
A47K17/00
E03D5/10
(21)【出願番号】P 2020028313
(22)【出願日】2020-02-21
【審査請求日】2022-12-09
(73)【特許権者】
【識別番号】000010087
【氏名又は名称】TOTO株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100108062
【氏名又は名称】日向寺 雅彦
(74)【代理人】
【識別番号】100168332
【氏名又は名称】小崎 純一
(74)【代理人】
【識別番号】100146592
【氏名又は名称】市川 浩
(74)【代理人】
【氏名又は名称】白井 達哲
(74)【代理人】
【識別番号】100172188
【氏名又は名称】内田 敬人
(74)【代理人】
【識別番号】100197538
【氏名又は名称】竹内 功
(74)【代理人】
【識別番号】100176751
【氏名又は名称】星野 耕平
(72)【発明者】
【氏名】川崎 祐一
(72)【発明者】
【氏名】立木 翔一
(72)【発明者】
【氏名】正平 裕也
(72)【発明者】
【氏名】小林 基紀
【審査官】河本 明彦
(56)【参考文献】
【文献】特開2003-171969(JP,A)
【文献】特開2019-141305(JP,A)
【文献】国際公開第2020/028798(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A47K 17/00
E03D 1/00 - 13/00
H04Q 9/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理方法であって、
前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する
情報取得部により、前記詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、
前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を
前記情報取得部によって取得する使用情報取得工程と、
取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する
混雑状況判定部により、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定工程と、
を有し、
前記混雑状況判定工程は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正する補正工程を含
み、
前記補正工程は、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態の前記トイレ室の混雑状況を、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態の前記トイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理方法。
【請求項2】
前記補正工程は、前記複数の便器のうちの所定台数の便器が使用され、残りの便器が使用されていない状態において、前記残りの便器のいずれかに詰まりが発生している場合の前記トイレ室の混雑状況を、前記残りの便器に詰まりが発生していない場合の前記トイレ室の混雑状況をよりも混雑側に補正することを特徴とする請求項1記載のトイレ管理方法。
【請求項3】
複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理システムであって、
前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報と、を取得する情報取得部と、
取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定部と、
を備え、
前記混雑状況判定部は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正
し、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態の前記トイレ室の混雑状況を、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態の前記トイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理システム。
【請求項4】
前記複数の便器のそれぞれに設けられた複数のトイレ装置であって、
前記便器の詰まり状態を検知して前記詰まり情報を出力する詰まり検知センサと、
前記便器の使用状況を検知して前記使用情報を出力する使用検知センサと、
前記詰まり情報及び前記使用情報を送信する送信部と、
を有する複数のトイレ装置を、さらに備え、
前記情報取得部は、前記複数のトイレ装置の前記送信部から送信された前記詰まり情報と前記使用情報とを取得することを特徴とする
請求項3記載のトイレ管理システム。
【請求項5】
複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理装置であって、
前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報と、を取得する情報取得部と、
取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定部と、
を備え、
前記混雑状況判定部は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正
し、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態の前記トイレ室の混雑状況を、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態の前記トイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理装置。
【請求項6】
複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するためのトイレ管理プログラムであって、
前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、
前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程と、
取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定工程と、
を、コンピュータに実行させ、
前記混雑状況判定工程は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正する補正工程を含
み、
前記補正工程は、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態の前記トイレ室の混雑状況を、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態の前記トイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の態様は、一般的に、トイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、公共施設のトイレ室など、複数の便器が設置されるトイレ室において、複数の便器の使用状況を検知することが検討されている。これにより、トイレ室の混雑状況を把握することができる。
【0003】
例えば、トイレ室の管理者などにおいては、トイレ室の混雑状況を把握することで、複数の便器のメンテナンスの時期などを予測することができる。また、複数のトイレ室が設置された公共施設などにおいては、例えば、各トイレ室の混雑状況を把握し、各トイレ室の入り口に設けられたモニタなどに各トイレ室の混雑状況を表示することで、利用者に各トイレ室の混雑状況を報知することができる。これにより、各トイレ室の分散した利用を利用者に促し、各トイレ室の混雑の緩和を図ることができる。例えば、所定のトイレ室に利用者が集中し、所定のトイレ室のみが混雑してしまうことを抑制することができる。
【0004】
このようにトイレ室の混雑状況を把握しようとする際に、便器に詰まりが発生してしまうと、トイレ室の混雑状況を適切に把握することができなくなってしまう虞がある。詰まりの発生した便器は、使用できない便器となり、混雑の要因となってしまう。一方で、便器の使用状況の検知においては、詰まりの発生した便器も、未使用の便器として検知されてしまう。このため、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合には、実際の混雑の状況と、使用状況の検知に基づく混雑の状況と、に相違が生じてしまう。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、かかる課題の認識に基づいてなされたものであり、複数の便器が設置されたトイレ室の混雑状況をより適切に把握することができるトイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理方法であって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定工程と、を有し、前記混雑状況判定工程は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正する補正工程を含むことを特徴とするトイレ管理方法である。
【0008】
このトイレ管理方法によれば、取得した複数の便器の詰まり情報を基に、トイレ室の混雑状況を補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明の態様によれば、複数の便器が設置されたトイレ室の混雑状況をより適切に把握することができるトイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図1】実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表す説明図である。
【
図2】実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表すブロック図である。
【
図3】実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置によるトイレ管理方法の一例を模式的に表すフローチャートである。
【
図4】混雑状況判定工程の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
【
図5】
図5(a)~
図5(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の動作の一例を模式的に表す説明図である。
【
図6】
図6(a)~
図6(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の別の動作の一例を模式的に表す説明図である。
【
図7】
図7(a)~
図7(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の別の動作の一例を模式的に表す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明の実施形態について図面を参照しつつ説明する。なお、各図面中、同様の構成要素には同一の符号を付して詳細な説明は適宜省略する。
図1は、実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表す説明図である。
図1に表したように、トイレ管理システム10は、トイレ管理装置12と、複数のトイレ装置14、16と、ネットワーク機器18と、出力端末20と、を備える。
【0012】
トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、複数の便器が設置されたトイレ室TRの状態を管理する。トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、より詳しくは、トイレ室TRの混雑状況の管理を行う。
【0013】
トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、トイレ室TRの混雑状況に関する情報を取得する。これにより、トイレ室TRの管理者などにおいては、取得された情報を参照することで、トイレ室TRの混雑状況を把握することができる。これにより、例えば、トイレ室TRに設置された機器のメンテナスの時期を予測することできる。
【0014】
また、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、取得した情報を出力端末20に出力する。これにより、トイレ室TRの混雑状況を利用者に報知することができる。
【0015】
トイレ室TRは、駅、空港、商業施設、あるいはオフィスビルなどの公共施設のトイレ室である。例えば、公共施設内に複数のトイレ室TRが設置されている場合には、各トイレ室TRの混雑状況を出力端末20に出力することにより、利用者に各トイレ室TRの混雑状況を報知することができる。これにより、各トイレ室TRの分散した利用を利用者に促し、各トイレ室TRの混雑の緩和を図ることができる。
【0016】
トイレ室TRは、例えば、複数の大便器2と、複数の小便器4と、を有する。トイレ室TRは、例えば、複数のトイレブースTBを有する。複数のトイレブースTBは、例えば、トイレ室TRの内部の空間をパーティションなどで仕切ることによって設けられる。複数のトイレブースTBは、開閉式のドアDRを有する。複数の大便器2は、複数のトイレブースTB内に設置される。複数の小便器4は、例えば、トイレ室TRの壁面に沿って並べて設置される。
【0017】
このように、トイレ室TRに設置される複数の便器は、大便器2でもよいし、小便器4でもよい。この例では、大便器2及び小便器4の双方をトイレ室TRに設けているが、トイレ室TRに設置される複数の便器は、大便器2のみでもよいし、小便器4のみでもよい。また、この例では、3台の大便器2と3台の小便器4との合計6つの便器を示している。トイレ室TRに設置される複数の便器の台数は、6つに限ることなく、任意の台数でよい。
【0018】
大便器2は、下方に向けて窪んだボウル部を有する。大便器2の上には、便座が設けられる。大便器2は、便座に着座した利用者から排泄される尿や便などの排泄物をボウル部で受ける。大便器2は、より詳しくは、洋式腰掛大便器である。
【0019】
複数のトイレ装置14は、複数の大便器2のそれぞれに設けられる。トイレ装置14は、例えば、大便器2の上に設けられる。トイレ装置14は、例えば、便座を有するとともに、便座に着座した利用者の「おしり」などの洗浄を実現する身体洗浄機能部などを有する。トイレ装置14は、例えば、衛生洗浄装置である。トイレ装置14は、便座の着座面を温める暖房機能を有する暖房便座装置などでもよい。但し、トイレ装置14は、これらに限ることなく、大便器2に取り付けて使用される任意の装置でよい。
【0020】
複数のトイレ装置16は、複数の小便器4のそれぞれに設けられる。トイレ装置16は、例えば、小便器4の前に立つ利用者を検知するとともに、利用者の小便器4から離れる動きを検知し、離れる動きの検知に応じてボウル面を自動的に洗浄する自動洗浄装置である。但し、トイレ装置16は、これに限ることなく、小便器4に取り付けて使用される任意の装置でよい。
【0021】
トイレ管理装置12は、ネットワーク6を介してネットワーク機器18と接続され、ネットワーク6を介してネットワーク機器18と通信を行う。ネットワーク6は、例えば、インターネットやLAN(Local Area Network)などである。ネットワーク6は、トイレ管理装置12とネットワーク機器18とを有線で接続するものでもよいし、無線で接続するものでもよいし、有線と無線との組み合わせでもよい。ネットワーク6は、トイレ管理装置12とネットワーク機器18との間の通信を可能にする任意のネットワークでよい。
【0022】
ネットワーク機器18は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と通信を行うとともに、複数のトイレ装置14、16と無線通信を行う。ネットワーク機器18は、例えば、トイレ管理装置12側のネットワーク6のプロトコルとトイレ装置14、16側の無線通信のプロトコルとの変換を行うゲートウェイ装置である。
【0023】
複数のトイレ装置14、16は、トイレ室TRの混雑状況に関する情報を、ネットワーク機器18及びネットワーク6を介してトイレ管理装置12に送信する。このように、トイレ管理装置12は、トイレ室TRの混雑状況に関する情報を複数のトイレ装置14、16から取得する。
【0024】
トイレ管理装置12は、例えば、公共施設の管理室などに設置される。ネットワーク機器18は、例えば、トイレ室TR内に設置される。このように、トイレ管理装置12がトイレ室TRから離れた場所に設置される場合でも、ネットワーク6やネットワーク機器18などを介して通信を行うことで、トイレ室TRの混雑状況に関する情報を複数のトイレ装置14、16から適切に取得することができる。
【0025】
なお、複数のトイレ装置14、16とネットワーク機器18との間の通信は、無線通信に限ることなく、有線通信でもよい。また、例えば、複数のトイレ装置14、16とトイレ管理装置12とが直接的に通信を行える場合などには、ネットワーク機器18を省略してもよい。ネットワーク機器18は、必要に応じて設けられ、省略可能である。
【0026】
図2は、実施形態に係るトイレ管理システムを模式的に表すブロック図である。
図2に表したように、大便器2に設けられるトイレ装置14は、詰まり検知センサ30と、使用検知センサ32と、送信部34と、を有する。
【0027】
詰まり検知センサ30は、大便器2の詰まり状態を検知して詰まり情報を出力する。詰まり検知センサ30は、例えば、大便器2のボウル部内の水位を検知する。詰まり検知センサ30は、例えば、大便器2の洗浄を行った後のボウル部内の水位が所定の水位以上である場合に、大便器2が詰まっていると検知する。換言すれば、詰まり検知センサ30は、大便器2の洗浄を行った後のボウル部内の水位が所定の水位以上であるか否かを検知する。このような詰まり検知センサ30としては、例えば、電波センサ、静電容量センサ、圧力センサ、超音波式測距センサ、及び光学式測距センサなどを用いることができる。但し、詰まり検知センサ30の構成は、上記に限ることなく、大便器2の詰まりを適切に検知することができる任意の構成でよい。
【0028】
使用検知センサ32は、大便器2の使用状況を検知して使用情報を出力する。使用検知センサ32は、例えば、利用者の便座への着座状態を大便器2の使用状態として検知する着座検知センサである。着座検知センサは、利用者が大便器2に着座する直前において便座の上方に存在する人体や、便座に着座した利用者を検知する。このような着座検知センサとしては、例えば赤外線投受光式の測距センサを用いることができる。なお、着座検知センサは、例えばマイクロ波センサ、焦電センサなどを用いてもよい。また、着座検知センサは、例えば、便座の動きを検知する機械式のスイッチ、光学センサ、又は磁気センサなどでもよいし、着座にともなう静電容量の変化を検知する静電容量センサなどでもよいし、着座にともなう圧力の変化を検知する圧電センサなどでもよい。
【0029】
使用検知センサ32は、例えば、利用者が大便器2に接近した状態を大便器2の使用状態として検知する人体検知センサでもよい。人体検知センサは、大便器2に接近した人体を検知する。人体検知センサには、例えば、マイクロ波センサ、赤外線投受光式の測距センサ、焦電センサなどを用いることができる。
【0030】
使用検知センサ32は、例えば、トイレブースTBのドアDRが閉じた状態を大便器2(トイレブースTB)の使用状態として検知するドア検知センサでもよい。ドア検知センサは、ドアDRの開状態及び閉状態を検知する。ドア検知センサには、例えば、機械式のスイッチ、光学センサ、磁気センサなどを用いることができる。
【0031】
例えば、トイレブースTB内で着替えなどを行う利用者もいる。この場合、大便器2自体は使用されていなかったとしても、ドアDRが閉じていると、トイレブースTB内の大便器2も使用できなくなってしまう。このような場合に、着座検知センサや人体検知センサでは、大便器2を使用状態として検知できない可能性がある。これに対し、ドア検知センサを使用検知センサ32とした場合には、着座検知センサや人体検知センサと比べて、使用できない大便器2をより確実に検知することができる。
【0032】
一方で、ドア検知センサは、大便器2及びトイレ装置14から離れた位置に設置されるため、着座検知センサや人体検知センサと比べて、設置が難しくなってしまう可能性がある。このように、着座検知センサや人体検知センサを使用検知センサ32とした場合には、ドア検知センサと比べて、より簡単な構成で使用できない大便器2を検知することができる。
【0033】
送信部34は、詰まり情報及び使用情報を送信する。送信部34は、ネットワーク機器18及びネットワーク6を介して詰まり情報及び使用情報をトイレ管理装置12に送信する。
【0034】
小便器4に設けられるトイレ装置16は、詰まり検知センサ40と、使用検知センサ42と、送信部44と、を有する。
【0035】
詰まり検知センサ40は、小便器4の詰まり状態を検知して詰まり情報を出力する。詰まり検知センサ40には、詰まり検知センサ30と同様のものを用いることができる。使用検知センサ42は、小便器4の使用状況を検知して使用情報を出力する。使用検知センサ42には、例えば、利用者が小便器4に接近した状態を小便器4の使用状態として検知する人体検知センサが用いられる。人体検知センサには、前述のものを用いることができる。送信部44は、送信部34と同様に、詰まり情報及び使用情報を送信する。
【0036】
トイレ管理装置12は、通信部50と、制御部52と、記憶部54と、を有する。通信部50は、ネットワーク6及びネットワーク機器18を介して複数のトイレ装置14、16と通信を行うことにより、複数のトイレ装置14、16の送信部34、44から送信された詰まり情報と使用情報とを取得する。この例では、通信部50が、情報取得部として機能する。これにより、トイレ管理装置12において、複数の大便器2及び小便器4の使用状況及び詰まりの状況を把握することできる。
【0037】
記憶部54には、複数の大便器2及び小便器4が設置されたトイレ室TRの状態を管理するためのトイレ管理プログラム56が記憶されている。制御部52は、記憶部54からトイレ管理プログラム56を読み出し、トイレ管理プログラム56を逐次処理することにより、トイレ管理装置12の動作を制御する。
【0038】
制御部52は、取得した複数の大便器2及び小便器4の使用情報を基に、トイレ室TRの混雑状況を判定する。この例では、制御部52が、混雑状況判定部として機能する。
【0039】
出力端末20は、例えば、トイレ室TRの入り口に設けられる。出力端末20は、例えば、液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどの表示装置である。出力端末20は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と接続される。出力端末20は、ネットワーク6を介してトイレ管理装置12と通信を行う。
【0040】
トイレ管理装置12の制御部52は、トイレ室TRの混雑状況を判定した後、混雑状況の判定結果を表すトイレ室TRの混雑情報を通信部50及びネットワーク6を介して出力端末20に送信する。
【0041】
出力端末20は、トイレ管理装置12から受信した混雑情報を出力する。出力端末20は、例えば、混雑情報を画面に表示する。すなわち、出力端末20は、混雑情報を基に、トイレ室TRの混雑状況を利用者に報知する。これにより、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12では、前述のように、トイレ室TRの混雑の緩和などを図ることができる。
【0042】
なお、出力端末20は、混雑情報を画面に表示する表示装置に限ることなく、例えば、混雑情報を音声で出力するスピーカなどでもよい。出力端末20の構成は、混雑情報を出力し、混雑情報に基づくトイレ室TRの混雑状況を利用者に適切に報知可能な任意の構成でよい。
【0043】
出力端末20は、例えば、利用者の所有するスマートフォンなどの携帯端末などでもよい。換言すれば、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12は、携帯端末などの外部端末に混雑情報を出力する構成でもよい。この場合、出力端末20は、省略可能である。出力端末20は、トイレ管理システム10に必要に応じて設けられ、省略可能である。トイレ管理装置12の制御部52は、例えば、混雑状況の判定を行った後、外部端末(出力端末20)からの要求に応じて混雑情報を外部端末に送信してもよい。
【0044】
図3は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置によるトイレ管理方法の一例を模式的に表すフローチャートである。
トイレ管理システム10のトイレ管理装置12の制御部52(コンピュータ)は、例えば、トイレ管理プログラム56に基づいて、以下に表すトイレ管理方法の各処理を実行する。但し、以下に表すトイレ管理方法の各処理の一部又は全部は、プログラムを必要としないハードウェアの動作に基づいて実行してもよい。
【0045】
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程を実行する(
図3のステップS101)。また、制御部52は、複数の大便器2及び小便器4の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程を実行する(
図3のステップS102)。
【0046】
なお、詰まり情報取得工程と使用情報取得工程とは、順不同である。上記と反対に、使用情報取得工程の後に、詰まり情報取得工程を実行してもよい。また、詰まり情報取得工程及び使用情報取得工程は、実質的に同時に実行してもよい。換言すれば、詰まり情報取得工程及び使用情報取得工程は、詰まり情報及び使用情報を取得する1つの工程としてもよい。
【0047】
制御部52は、ネットワーク6及びネットワーク機器18を介して複数のトイレ装置14、16と通信を行うことにより、複数のトイレ装置14、16のそれぞれから詰まり情報及び使用情報を取得する。
【0048】
制御部52は、例えば、複数のトイレ装置14、16から定期的に詰まり情報及び使用情報を取得する。このような構成の場合には、制御部52は、詰まり情報及び使用情報を同時に取得する。
【0049】
例えば、大便器2又は小便器4の詰まり状態が変化した場合に、トイレ装置14、16から制御部52に詰まり情報を送信し、大便器2又は小便器4の使用状況が変化した場合に、トイレ装置14、16から制御部52に使用情報を送信する構成としてもよい。このような構成の場合には、制御部52は、詰まり情報及び使用情報をそれぞれ独立したタイミングで取得する。
【0050】
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4の詰まり情報及び使用情報を取得した後、取得した複数の大便器2及び小便器4の使用情報を基に、トイレ室TRの混雑状況を判定する混雑状況判定工程を実行する(
図3のステップS103)。
【0051】
制御部52は、トイレ室TRの混雑状況を判定した後、混雑状況の判定結果を表すトイレ室TRの混雑情報を出力する出力工程を実行する(
図3のステップS104)。
【0052】
制御部52は、例えば、通信部50及びネットワーク6を介して出力端末20に混雑情報を送信することにより、混雑情報を出力端末20に出力する。出力端末20は、例えば、受信した混雑情報を画面に表示する。これにより、トイレ室TRの利用者にトイレ室TRの混雑状況を事前に報知することができる。
【0053】
出力工程は、例えば、トイレ管理装置12の表示部(図示は省略)に混雑情報を出力し、混雑情報を表示部の画面に表示することにより、トイレ室TRの管理者などにトイレ室TRの混雑状況を報知する工程などでもよい。
【0054】
図4は、混雑状況判定工程の動作の一例を模式的に表すフローチャートである。
図4に表したように、制御部52は、混雑状況判定工程を開始すると、まず、取得した複数の大便器2及び小便器4の使用情報を基に、トイレ室TRの混雑状況を判定する(
図4のステップS201)。
【0055】
制御部52は、例えば、使用情報を基に、複数の大便器2及び小便器4が使用されているか否かを判定し、使用されている便器(大便器2及び小便器4)の数が多いほど、トイレ室TRが混雑していると判定する。
【0056】
制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して20%未満である場合に、「非常に空いている」と判定する。制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して20%以上40%未満である場合に、「空いている」と判定する。制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して40%以上60%未満である場合に、「やや混雑」と判定する。制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して60%以上80%未満である場合に、「混雑」と判定する。制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して80%以上100%未満である場合に、「非常に混雑」と判定する。そして、制御部52は、例えば、使用されている便器の数が、複数の便器の数に対して100%である場合に、「満員」と判定する。
【0057】
但し、制御部52による混雑状況の判定は、上記に限定されるものではない。混雑状況の判定の段階や、判定の段階の判定基準(使用されている便器の割合)などは、任意の変更可能である。
【0058】
制御部52は、トイレ室TRの混雑状況を判定した後、取得した複数の大便器2及び小便器4の詰まり情報を基に、複数の大便器2及び小便器4に詰まりが発生しているか否かを判定する(
図4のステップS202)。
【0059】
制御部52は、複数の大便器2及び小便器4のいずれかに詰まりが発生していると判定した場合、取得した複数の大便器2及び小便器4の詰まり情報を基に、トイレ室TRの混雑状況を補正する補正工程を実行する(
図4のステップS203)。このように、混雑状況判定工程は、補正工程を含む。
【0060】
制御部52は、補正工程を行った場合には、補正後の混雑状況を基に混雑情報を生成し、混雑情報を出力する。一方、制御部52は、複数の大便器2及び小便器4のいずれにも詰まりが発生していないと判定した場合には、補正工程を実行することなく、使用情報から判定した混雑状況を基に混雑情報を生成し、混雑情報を出力する。
【0061】
図5(a)~
図5(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図5(a)~
図5(c)は、換言すれば、出力端末20の画面に表示する混雑情報の一例である。また、
図5(a)~
図5(c)では、便宜的に、6台の大便器2がトイレ室TRに設けられている場合を例に説明を行う。
【0062】
図5(a)は、6台の大便器2のうちの3台の大便器2が使用され、残りの3台の大便器2に詰まりが発生していない例を模式的に表している。この場合、制御部52は、混雑状況判定工程において、例えば、使用情報を基に、複数の便器の使用率を求める。使用率は、例えば、複数の便器の数を分母、複数の便器のうちの使用されている便器の数を分子とする分数で表される。
図5(a)の例では、使用率は、3/6=50%である。制御部52は、この使用率を基に、混雑状況の判定の段階を決定する。従って、この場合、制御部52は、前述の判定の段階における40%以上60%未満の「やや混雑」に混雑状況を判定する。
【0063】
図5(b)は、6台の大便器2のうちの3台の大便器2が使用され、残りの3台の大便器2のうちの1台に詰まりが発生した例を模式的に表している。また、
図5(b)は、補正工程を行う前の状態を表している。
図5(b)に表したように、補正工程を行う前の状態では、1台の大便器2に詰まりが発生した場合でも、使用情報に基づく使用率は、詰まりが発生していない場合と同じ3/6である。従って、混雑状況も、詰まりが発生していない場合と同じとなってしまう。
【0064】
図5(c)は、補正工程を行った後の状態を表している。
図5(c)に表したように、補正工程において、制御部52は、詰まり情報を基に、詰まりが発生した便器の数を使用率の計算の分子に加える。換言すれば、制御部52は、詰まりが発生した便器を使用されている便器として扱う。
【0065】
図5(c)の例では、補正工程を行った後の使用率は、4/6=67%であり、混雑状況は、60%以上80%未満の「混雑」と判定される。
【0066】
このように、制御部52は、補正工程において、複数の便器のうちの所定台数の便器が使用され、残りの便器が使用されていない状態において、残りの便器のいずれかに詰まりが発生している場合のトイレ室TRの混雑状況を、残りの便器に詰まりが発生していない場合のトイレ室の混雑状況をよりも混雑側に補正する。これにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室TRの混雑状況をより適切に把握することができる。
【0067】
図6(a)~
図6(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の別の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図6(a)及び
図6(b)は、
図5(a)及び
図5(b)と同じである。この例では、
図6(c)に表したように、補正工程において、制御部52が、詰まり情報を基に、詰まりが発生した便器の数を使用率の計算の分母から差し引く。換言すれば、制御部52は、詰まりが発生した便器を存在しないものとして扱う。
【0068】
図6(c)の例では、補正工程を行った後の使用率は、3/5=60%であり、混雑状況は、60%以上80%未満の「混雑」と判定される。
【0069】
このように、残りの便器のいずれかに詰まりが発生している場合のトイレ室TRの混雑状況を、残りの便器に詰まりが発生していない場合のトイレ室の混雑状況をよりも混雑側に補正する方法は、使用率の分子を増やす方法でもよいし、使用率の分母を減らす方法でもよい。なお、混雑状況は、「混雑」、「やや混雑」などのように、使用率に基づいて段階的に設定されるものに限定されるものではない。例えば、複数の便器の使用率自体を混雑状況として求めてもよい。
【0070】
図7(a)~
図7(c)は、実施形態に係るトイレ管理システム及びトイレ管理装置の別の動作の一例を模式的に表す説明図である。
図7(a)は、6台の大便器2のうちの4台の大便器2が使用され、残りの2台の大便器2に詰まりが発生していない例を模式的に表している。この場合、使用率は、4/6=67%であり、混雑状況は、60%以上80%未満の「混雑」と判定される。
【0071】
図7(b)は、6台の大便器2のうちの3台の大便器2が使用され、残りの3台の大便器2のうちの1台に詰まりが発生した例を模式的に表している。換言すれば、使用されていた4台の大便器2のうちの1台が詰まった例を模式的に表している。また、
図7(b)は、
図5(b)と同様に、補正工程を行う前の状態を表している。従って、この場合、使用率は、3/6=50%であり、混雑状況は、40%以上60%未満の「やや混雑」と判定される。
【0072】
図7(c)は、補正工程を行った後の状態を表している。
図5及び
図6で説明したように、使用率の分子又は分母を調整したとしても、3台の大便器2が使用され、1台の大便器2が詰まっている場合の使用率は、4台の大便器2が使用されている場合の使用率と、同じである。一方で、3台の大便器2が使用され、1台の大便器2が詰まっている場合では、詰まった大便器2の周囲の空間をメンテナンスなどで占有してしまう可能性がある。このため、3台の大便器2が使用され、1台の大便器2が詰まっている場合では、4台の大便器2が使用されている場合と比べて、よりトイレ室TRの混雑を招きやすい。
【0073】
このため、
図7(c)に表したように、この例において、制御部52は、大便器2が詰まっている場合には、詰まっていない場合よりも混雑状況を混雑側に補正する。
図7(c)の例では、使用率に基づく混雑状況は、「混雑」であるが、1段階混雑側に高くした「非常に混雑」に補正している。
【0074】
このように、制御部52は、補正工程において、複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態のトイレ室TRの混雑状況を、複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態のトイレ室TRの混雑状況よりも混雑側に補正する。制御部52は、例えば、複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態のトイレ室TRの混雑状況の判定の段階を、複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態のトイレ室TRの混雑状況の判定の段階よりも1段階混雑側に高くする。これにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室TRの混雑状況をより適切に把握することができる。
【0075】
上記各実施形態では、トイレ管理装置12に設けられた通信部50を情報取得部として示している。情報取得部は、例えば、複数のトイレ装置14、16から詰まり情報及び使用情報を取得するデータサーバなどでもよい。トイレ管理装置12は、データサーバから詰まり情報及び使用情報を取得してもよい。また、例えば、トイレ管理装置12がトイレ室TR内やトイレ室TRの近傍などに設置される場合などには、詰まり検知センサ30、40や使用検知センサ32、42を情報取得部としてもよい。すなわち、トイレ管理装置12は、ネットワーク6などを介することなく、詰まり情報及び使用情報を直接的に取得してもよい。
【0076】
また、上記各実施形態では、トイレ管理装置12に設けられた通信部50を情報取得部とし、トイレ管理装置12に設けられた制御部52を混雑状況判定部として示している。情報取得部及び混雑状況判定部は、必ずしも同じ装置内に設けられていなくてもよい。例えば、上記のように、データサーバに情報取得部を設け、トイレ管理装置12に混雑状況判定部を設けてもよい。情報取得部及び混雑状況判定部は、ネットワーク6などを介して通信可能に接続される複数の装置に分散させて配置してもよい。情報取得部及び混雑状況判定部の構成は、上記に限ることなく、これらの機能を満足し得る任意の構成でよい。
【0077】
以上説明した実施形態に基づくトイレ管理方法、トイレ管理システム、トイレ管理装置、及びトイレ管理プログラムとして、例えば以下に述べる態様のものが考えられる。
【0078】
第1の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理方法であって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定工程と、を有し、前記混雑状況判定工程は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正する補正工程を含むことを特徴とするトイレ管理方法である。
【0079】
このトイレ管理方法によれば、取得した複数の便器の詰まり情報を基に、トイレ室の混雑状況を補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0080】
第2の態様は、第1の態様において、前記補正工程は、前記複数の便器のうちの所定台数の便器が使用され、残りの便器が使用されていない状態において、前記残りの便器のいずれかに詰まりが発生している場合の前記トイレ室の混雑状況を、前記残りの便器に詰まりが発生していない場合の前記トイレ室の混雑状況をよりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理方法である。
【0081】
このトイレ管理方法によれば、複数の便器のうちの所定台数の便器が使用され、残りの便器が使用されていない状態において、残りの便器のいずれかに詰まりが発生している場合のトイレ室の混雑状況を、残りの便器に詰まりが発生していない場合のトイレ室の混雑状況をよりも混雑側に補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0082】
第3の態様は、第1又は第2の態様において、前記補正工程は、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、前記複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態の前記トイレ室の混雑状況を、前記複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態の前記トイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することを特徴とするトイレ管理方法である。
【0083】
このトイレ管理方法によれば、複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態における使用されている便器の数と詰まりが発生している便器の数との合計が、複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態における使用されている便器の数と同数である場合に、複数の便器のいずれかに詰まりが発生している状態のトイレ室の混雑状況を、複数の便器のいずれにも詰まりが発生していない状態のトイレ室の混雑状況よりも混雑側に補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0084】
第4の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理システムであって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報と、を取得する情報取得部と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定部と、を備え、前記混雑状況判定部は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正することを特徴とするトイレ管理システムである。
【0085】
このトイレ管理システムによれば、取得した複数の便器の詰まり情報を基に、トイレ室の混雑状況を補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0086】
第5の態様は、第4の態様において、前記複数の便器のそれぞれに設けられた複数のトイレ装置であって、前記便器の詰まり状態を検知して前記詰まり情報を出力する詰まり検知センサと、前記便器の使用状況を検知して前記使用情報を出力する使用検知センサと、前記詰まり情報及び前記使用情報を送信する送信部と、を有する複数のトイレ装置を、さらに備え、前記情報取得部は、前記複数のトイレ装置の前記送信部から送信された前記詰まり情報と前記使用情報とを取得することを特徴とするトイレ管理システムである。
【0087】
このトイレ管理システムによれば、複数の便器のそれぞれの詰まり情報と使用情報とを適切に取得することができる。
【0088】
第6の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するトイレ管理装置であって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報と、を取得する情報取得部と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定部と、を備え、前記混雑状況判定部は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正することを特徴とするトイレ管理装置である。
【0089】
このトイレ管理装置によれば、取得した複数の便器の詰まり情報を基に、トイレ室の混雑状況を補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0090】
第7の態様は、複数の便器が設置されたトイレ室の状態を管理するためのトイレ管理プログラムであって、前記複数の便器の詰まり状態に関する詰まり情報を取得する詰まり情報取得工程と、前記複数の便器の使用状況に関する使用情報を取得する使用情報取得工程と、取得した前記複数の便器の前記使用情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を判定する混雑状況判定工程と、を、コンピュータに実行させ、前記混雑状況判定工程は、取得した前記複数の便器の前記詰まり情報を基に、前記トイレ室の混雑状況を補正する補正工程を含むことを特徴とするトイレ管理プログラムである。
【0091】
このトイレ管理プログラムによれば、取得した複数の便器の詰まり情報を基に、トイレ室の混雑状況を補正することにより、複数の便器のいずれかに詰まりが発生した場合においても、トイレ室の混雑状況をより適切に把握することができる。
【0092】
なお、トイレ管理プログラムは、上述の方法をコンピュータに実行させるためのプログラムの形態(コンピュータに設けられた形態)に限ることなく、コンピュータに読み取り可能な記録媒体の形態であってもよい。記録媒体としては、例えば、CD-ROM(-R/-RW)、光磁気ディスク、HD(ハードディスク)、DVD-ROM(-R/-RW/-RAM)、FD(フレキシブルディスク)、フラッシュメモリ、メモリカード、メモリスティック、及び、その他各種ROM、RAM等を用いることができる。
【0093】
以上、本発明の実施形態について説明した。しかし、本発明はこれらの記述に限定されるものではない。前述の実施形態に関して、当業者が適宜設計変更を加えたものも、本発明の特徴を備えている限り、本発明の範囲に包含される。例えば、トイレ管理システム10及びトイレ管理装置12などが備える各要素の形状、寸法、材質、配置、設置形態などは、例示したものに限定されるわけではなく適宜変更することができる。また、前述した実施形態が備える各要素は、技術的に可能な限りにおいて組み合わせることができ、これらを組み合わせたものも本発明の特徴を含む限り本発明の範囲に包含される。
【符号の説明】
【0094】
2 大便器、 4 小便器、 6 ネットワーク、 10 トイレ管理システム、 12 トイレ管理装置、 14、16 トイレ装置、 18 ネットワーク機器、 20 出力端末、 30 詰まり検知センサ、 32 使用検知センサ、 34 送信部、 40 詰まり検知センサ、 42 使用検知センサ、 44 送信部、 50 通信部、 52 制御部、 54 記憶部、 56 トイレ管理プログラム