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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】エレベーターの仮乗場ドア
(51)【国際特許分類】
   B66B 7/00 20060101AFI20240509BHJP
   B66B 3/00 20060101ALI20240509BHJP
   B66B 5/00 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B66B7/00 G
B66B3/00 Q
B66B5/00 D
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020040162
(22)【出願日】2020-03-09
(65)【公開番号】P2021138534
(43)【公開日】2021-09-16
【審査請求日】2023-02-21
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】大泉 秀雄
【審査官】中田 誠二郎
(56)【参考文献】
【文献】特開平05-070073(JP,A)
【文献】特開2018-112046(JP,A)
【文献】特開2003-307031(JP,A)
【文献】特開平08-042162(JP,A)
【文献】米国特許第05373916(US,A)
【文献】中国実用新案第208249654(CN,U)
【文献】登録実用新案第3175447(JP,U)
【文献】特開2007-197210(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B66B 3/00-7/12;
13/00-13/30
E04G 21/24-21/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
工事が行われているエレベーターの乗場の出入口に設けられた板体と、
前記板体の乗場の側に設けられ、前記工事の内容を提示する提示体と、
前記板体の乗場とは反対側に巻取り自在に設けられた発光装置と、
を備えたエレベーターの仮乗場ドア。
【請求項2】
前記板体の貫通部に設けられ、前記エレベーターの昇降路の換気を行う送風体、
を備えた請求項1に記載のエレベーターの仮乗場ドア。
【請求項3】
前記板体の乗場とは反対側に設けられ、前記エレベーターの昇降路を照らす発光体、
を備えた請求項1または請求項2に記載のエレベーターの仮乗場ドア。
【請求項4】
前記板体の乗場とは反対側に着脱自在に設けられた脚立体、
を備えた請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの仮乗場ドア。
【請求項5】
前記提示体は、外部からの情報に基づいて提示する内容を変更する請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のエレベーターの仮乗場ドア。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この本開示は、エレベーターの仮乗場ドアに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、エレベーターの仮囲いを開示する。当該仮囲いによれば、建築物の内部の工事を迅速に行い得る。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2000-230320号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の仮囲いをエレベーターに適用しても、エレベーターの乗場の出入口が仮囲いに囲まれるだけである。このため、エレベーターの利用者に対してエレベーターの工事の状況を知らせることができない。
【0005】
本開示は、上述の課題を解決するためになされた。この発明の目的は、エレベーターの利用者に対してエレベーターの工事の状況を知らせることができるエレベーターの仮乗場ドアを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係るエレベーターの仮乗場ドアは、工事が行われているエレベーターの乗場の出入口に設けられた板体と、前記板体の乗場の側に設けられ、前記工事の内容を提示する提示体と、前記板体の乗場とは反対側に巻取り自在に設けられた発光装置と、を備えた。
【発明の効果】
【0007】
本開示によれば、提示体は、板体の乗場の側に設けられる。提示体は、工事の内容を提示するこのため、エレベーターの利用者に対してエレベーターの工事の状況を知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの構成図である。
図2】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアを乗場の側から見た際の正面図である。
図3】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアを昇降路の側から見た際の正面図である。
図4】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアの要部の縦断面図である。
図5】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
図6】実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
図7】実施の形態2におけるエレベーターの仮乗場ドアを乗場の側から見た際の正面図である。
図8】実施の形態3におけるエレベーターの仮乗場ドアを昇降路の側から見た際の正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
実施の形態について添付の図面に従って説明する。なお、各図中、同一または相当する部分には同一の符号が付される。当該部分の重複説明は適宜に簡略化ないし省略される。
【0010】
実施の形態1.
図1は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの構成図である。
【0011】
図1のエレベーターシステムにおいて、昇降路1は、図示されない建築物の各階を貫く。機械室2は、昇降路1の直上に設けられる。複数の乗場3の各々は、建築物の各階に設けられる。複数の乗場3の各々は、昇降路1に対向する。
【0012】
巻上機4は、機械室2に設けられる。主ロープ5は、巻上機4に巻き掛けられる。
【0013】
かご6は、昇降路1の内部に設けられる。かご6は、主ロープ5の一側に支持される。釣合おもり7は、昇降路1の内部に設けられる。釣合おもり7は、主ロープ5の他側に支持される。
【0014】
複数の乗場ドア8の各々は、複数の乗場3の各々の出入口に設けられる。かごドア9は、かご6の出入口に設けられる。
【0015】
制御装置10は、機械室2に設けられる。制御装置10は、エレベーターを全体的に制御し得るように設けられる。
【0016】
エレベーターの改修等の工事において、既設の乗場ドア8は、乗場3の出入口から取り外される。この後、仮乗場ドア11は、乗場3の出入口に一時的に取り付けられる。その後、仮乗場ドア11は、乗場3の出入口から取り外される。その後、新設の乗場ドア8は、乗場3の出入口に取り付けられる。
【0017】
次に、図2図3とを用いて、仮乗場ドア11を説明する。
図2は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアを乗場の側から見た際の正面図である。図3は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアを昇降路の側から見た際の正面図である。
【0018】
図2に示されるように、仮乗場ドア11は、一対の板体12と一対の提示体13と送風体14とを備える。
【0019】
一対の板体12の各々は、板状の金属で形成される。一対の板体12の一方は、乗場3の出入口の一側を塞ぐ。一対の板体12の他方は、乗場3の出入口の他側を塞ぐ。
【0020】
一対の提示体13の一方は、一対の板体12の一方において乗場3側の上部に設けられる。例えば、一対の提示体13の一方は、エレベーターの工事の全体工程を示す情報を乗場3の側に提示する。一対の提示体13の他方は、一対の板体12の他方において乗場3側の上部に設けられる。例えば、一対の提示体13の他方は、エレベーターの工事において現在行われている工程を示す情報を乗場3の側に提示する。
【0021】
送風体14は、一対の板体12の一方における下部の貫通部に設けられる。送風体14は、図示されないバッテリーにより駆動することで昇降路1の換気を行う。具体的には、送風体14は、昇降路1の側の空気を乗場3の側に排出する。
【0022】
図3に示されるように、仮乗場ドア11は、複数の第1発光体15と複数の第2発光体16と脚立体17とを備える。
【0023】
例えば、複数の第1発光体15の各々は、LEDである。複数の第1発光体15は、一対の板体12の一方における昇降路1の側の縁部に沿って並んで設けられる。複数の第1発光体15は、図示されないバッテリーにより発光することで昇降路1の内部を照らす。
【0024】
例えば、複数の第2発光体16の各々は、LEDである。複数の第2発光体16は、一対の板体12の他方における昇降路1の側の縁部に沿って並んで設けられる。複数の第2発光体16は、バッテリーにより発光することで昇降路1の内部を照らす。
【0025】
脚立体17は、折り畳み自在に設けられる。脚立体17は、折り畳まれた状態で一対の板体12の他方における下部の昇降路1の側に設けられる。
【0026】
次に、図4を用いて、一対の提示体13の一方の取り付けおよび取り外しを説明する。
図4は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアの要部の縦断面図である。
【0027】
図4に示されるように、カバー体18は、板状の金属で形成される。カバー体18は、一対の板体12の一方における昇降路1の側に設けられる。カバー体18は、下縁部を軸として回転し得るように設けられる。カバー体18の上部は、ビス等により一対の板体12の一方に着脱自在に設けられる。
【0028】
例えば、一対の提示体13の一方は、紙で形成される。
【0029】
一対の提示体13の一方が一対の板体12の一方に取り付けられる際、カバー体18の上部が一対の板体12の一方への固定から解放される。この状態において、カバー体18の上部が昇降路1の側に倒される。この状態において、一対の提示体13の一方が一対の板体12の一方とカバー体18との間に配置される。この状態において、カバー体18の上部が乗場3の側に起される。この状態において、カバー体18の上部が一対の板体12の一方へ固定される。
【0030】
一対の提示体13の一方が一対の板体12の一方から取り外される際、カバー体18の上部が一対の板体12の一方への固定から解放される。この状態において、カバー体18の上部が昇降路1の側に倒される。この状態において、一対の提示体13の一方が一対の板体12とカバー体18との間から引き離される。この状態において、カバー体18の上部が乗場3の側に起される。この状態において、カバー体18の上部が一対の板体12の一方へ固定される。
【0031】
図示されないが、一対の提示体13の他方の取り付けおよび取り外しも、一対の提示体13の一方の取り付けおよび取り外しと同様の方法で行われる。
【0032】
次に、図5を用いて、複数の第1発光体15の発光を説明する。
図5は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【0033】
図5に示されるように、複数の第1発光体15は、最下階の乗場3の出入口から昇降路1の底部に向けて光を発する。複数の第1発光体15は、昇降路1の底部を照らす。
【0034】
図示されないが、複数の第2発光体16も、最下階の乗場3の出入口から昇降路1の底部に向けて光を発する。複数の第2発光体16も、昇降路1の底部を照らす。
【0035】
次に、図6を用いて、脚立体17の使用方法を説明する。
図6は実施の形態1におけるエレベーターの仮乗場ドアが適用されるエレベーターシステムの要部の縦断面図である。
【0036】
図6に示されるように、作業員は、昇降路1の底部での作業を開始する際に一対の板体12の他方から脚立体17を取り外す。その後、作業員は、脚立体17を伸ばす。その後、作業員は、昇降路1の底部と最下階の乗場3の敷居との間に脚立体17を掛ける。
【0037】
作業員は、昇降路1の底部での作業を終了する際に昇降路1の底部と最下階の乗場3の敷居との間に掛けられた脚立体17を折り畳む。その後、作業員は、一対の板体12の他方に脚立体17を取り付ける。
【0038】
以上で説明した実施の形態1によれば、提示体13は、エレベーターの工事の内容を提示する。このため、エレベーターの利用者に対してエレベーターの工事の状況を知らせることができる。
【0039】
特に、利用者は、実際にエレベーターを利用しようとした際にエレベーターの工事の状況を知らせることができる。このため、建築物の入口等にある掲示板において、エレベーターの工事の内容を提示する場合よりもよいタイミングでエレベーターの利用者に対してエレベーターの工事の状況を知らせることができる。
【0040】
また、送風体14は、昇降路1の換気を行う。このため、エレベーターの工事中における昇降路1の作業環境を向上させることができる。
【0041】
また、第1発光体15と第2発光体16とは、昇降路1を照らす。このため、エレベーターの工事中における昇降路1の作業環境を向上させることができる。
【0042】
また、脚立体17は、板体12の乗場3とは反対側に着脱自在に設けられる。このため、昇降路1の底部と乗場3との間を容易に移動することができる。
【0043】
また、提示体13は、紙で形成される。このため、工程表等を簡単に差し込むことができる。この際、図示されないクリップで紙を止めれば、正しい位置に紙を配置させることができる。
【0044】
実施の形態2.
図7は実施の形態2におけるエレベーターの仮乗場ドアを乗場の側から見た際の正面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0045】
実施の形態2において、一対の提示体13の各々は、提示内容を変更し得るように設けられる。例えば、一対の提示体13の各々は、液晶パネルである。例えば、一対の提示体13の各々は、有機ELパネルである。例えば、一対の提示体13の各々は、サイネージである。
【0046】
例えば、端末装置19は、無線または有線で一対の提示体13の一方にエレベーターの工事の全体工程を示す情報を送信する。一対の提示体13の一方は、端末装置19からの情報に基づいてエレベーターの工事の全体工程を示す情報を乗場3の側に表示する。
【0047】
例えば、端末装置19は、無線または有線で一対の提示体13の他方にエレベーターの工事において現在行われている工程を示す情報に送信する。一対の提示体13の一方は、端末装置19からの情報に基づいてエレベーターの工事において現在行われている工程を示す情報を乗場3の側に表示する。
【0048】
以上で説明した実施の形態2によれば、提示体13は、外部からの情報に基づいて提示する内容を変更する。このため、エレベーターの工事の進捗状況に応じて提示する内容を容易に変更することができる。
【0049】
なお、提示体13において、エレベーターの工事があと何日で終了するかを示す情報を表示してもよい。この場合、利用者に対して適切な情報を提示することができる。
【0050】
実施の形態3.
図8は実施の形態3におけるエレベーターの仮乗場ドアを昇降路の側から見た際の正面図である。なお、実施の形態1の部分と同一又は相当部分には同一符号が付される。当該部分の説明は省略される。
【0051】
図8に示されるように、発光装置20は、一対の板体12の一方の昇降路1の側において一対の提示体13と送風体14との間に設けられる。発光装置20は、一対の提示体13の一方と送風体14との間において一対の板体12に対して巻取り自在に設けられる。
【0052】
図示されないが、発光装置20は、コード部と複数の発光部とを備える。
【0053】
コード部は、電気的な配線である。コード部は、バッテリーから電力の供給を受ける。複数の発光部は、間隔をあけてコード部に電気的に接続される。複数の発光部は、コード部からの電力を受けて発光する。
【0054】
以上で説明した実施の形態2によれば、発光装置20は、一対の板体12の一方に対して巻取り自在に設けられる。このため、作業員が昇降路1の底部で作業する際に昇降路1の適切な位置に発光装置20を引き延ばせば、エレベーターの工事中における昇降路1の底部の作業環境を向上させることができる。
【0055】
なお、機械室2がなくて巻上機4と制御装置10とが昇降路1の下部または上部に設けられているエレベーターに実施の形態1または実施の形態2の仮乗場ドア11を適用してもよい。
【0056】
また、送風体14、第1発光体15、第2発光体16、発光装置20等への電力の供給を昇降路1の底部に設けられたコンセントから供給してもよい。この場合、板体12の昇降路1の側に電源コードを巻き取り自在に設ければよい。この際、必要に応じて、電源コードをコンセントに接続し、第1発光体15、第2発光体16、発光装置20等への電力を供給すればよい。
【符号の説明】
【0057】
1 昇降路、 2 機械室、 3 乗場、 4 巻上機、 5 主ロープ、 6 かご、 7 釣合おもり、 8 乗場ドア、 9 かごドア、 10 制御装置、 11 仮乗場ドア、 12 板体、 13 提示体、 14 送風体、 15 第1発光体、 16 第2発光体、 17 脚立体、 18 カバー体、 19 端末装置、 20 発光装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8