(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】造形材接続装置及び造形装置
(51)【国際特許分類】
B29C 64/307 20170101AFI20240509BHJP
B29C 64/118 20170101ALI20240509BHJP
B29C 64/295 20170101ALI20240509BHJP
B29C 64/393 20170101ALI20240509BHJP
B33Y 30/00 20150101ALI20240509BHJP
B33Y 40/10 20200101ALI20240509BHJP
B33Y 50/02 20150101ALI20240509BHJP
B33Y 70/10 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
B29C64/307
B29C64/118
B29C64/295
B29C64/393
B33Y30/00
B33Y40/10
B33Y50/02
B33Y70/10
(21)【出願番号】P 2020055094
(22)【出願日】2020-03-25
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山田 太一
(72)【発明者】
【氏名】鈴木 渡
【審査官】今井 拓也
(56)【参考文献】
【文献】特開2017-071213(JP,A)
【文献】特許第6552770(JP,B1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B29C 64/00 - 64/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の連続繊維束に樹脂材が含浸されて構成され
た造形材を、前記連続繊維束の延びる方向
を供給方向と
して供給
する第1供給部と、前記第1供給部よりも前記供給方向の下流側に配置されて前記造形材を供給する第2供給部との間、又は前記第1供給部よりも前記供給方向の上流側に配置された造形材接続装置であって、
前記造形材に対して前記複数の連続繊維束の少なくとも一部を切断する切断部と、
前記切断部によって切断された切断部分よりも前記供給方向の下流側の前記造形材と前記供給方向の上流側の前記造形材とを加熱して前記樹脂材を接合するか、又は先行する造形材の末端部と後続する造形材の先端部とを加熱して前記樹脂材を接合する接合部と、
を備えた造形材接続装置。
【請求項2】
前記切断部分よりも前記供給方向の下流側の前記造形材と前記供給方向の上流側の前記造形材との間、又は前記先行する造形材の末端部と前記後続する造形材の先端部との間に前記樹脂材を接合するための樹脂材を補充する補充部を備えた請求項1に記載の造形材接続装置。
【請求項3】
前記切断部は、前記複数の連続繊維束の全部を切断する請求項1又は請求項2に記載の造形材接続装置。
【請求項4】
複数の連続繊維束に樹脂材が含浸されて構成された造形材を、前記連続繊維束の延びる方向を供給方向として供給する第1供給部と、
前記第1供給部よりも前記供給方向の下流側に配置され、前記造形材を供給する第2供給部と、
前記第2供給部によって供給される前記造形材を加熱し、載台へ供給する加熱部と、
前記載台へ供給された前記造形材を加圧する加圧部と、
前記第1供給部と前記第2供給部との間、又は前記第1供給部よりも前記供給方向の上流側に配置された請求項1~請求項3の何れか1項に記載の造形材接続装置と、
を備えた造形装置。
【請求項5】
造形物を造形する造形データから算出されたタイミングで前記造形材を切断できるように、前記第1供給部及び前記第2供給部による供給の停止と前記切断部による切断動作とを制御する制御部を備えた請求項4に記載の造形装置。
【請求項6】
前記加熱部は、前記制御部の制御により、前記載台に対して相対的に近接及び離間するように構成されており、
前記制御部は、
前記造形材の前記切断部分が前記載台に供給されるタイミングで、前記第1供給部及び前記第2供給部による供給を停止させるとともに、前記切断部分から前記造形材が切断されるように前記加熱部を前記載台から相対的に離間させる請求項5に記載の造形装置。
【請求項7】
前記制御部は、
前記先行する造形材の末端部が前記切断部に達するタイミングで、前記第2供給部の供給を停止させるとともに、前記後続する造形材の先端部が前記切断部に到達するように前記第1供給部の供給を制御する請求項5又は請求項6に記載の造形装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、造形材接続装置及び造形装置に関する。
【背景技術】
【0002】
繊維の蛇行を抑制して、3次元部品の剛性の低下を抑制するようにした3次元造形物製造装置は、従来から知られている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は、造形材を接続して供給できる造形材接続装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記の目的を達成するために、本発明に係る第1の態様の造形材接続装置は、複数の連続繊維束に樹脂材が含浸されて構成され、前記連続繊維束の延びる方向が供給方向とされて供給される造形材に対して前記複数の連続繊維束の少なくとも一部を切断する切断部と、前記切断部によって切断された切断部分よりも前記供給方向の下流側の前記造形材と前記供給方向の上流側の前記造形材とを加熱して前記樹脂材を接合するか、又は先行する造形材の末端部と後続する造形材の先端部とを加熱して前記樹脂材を接合する接合部と、を備えている。
【0006】
また、第2の態様の造形材接続装置は、第1の態様の造形材接続装置であって、前記切断部分よりも前記供給方向の下流側の前記造形材と前記供給方向の上流側の前記造形材との間、又は前記先行する造形材の末端部と前記後続する造形材の先端部との間に前記樹脂材を接合するための樹脂材を補充する補充部を備えている。
【0007】
また、第3の態様の造形材接続装置は、第1又は第2の態様の造形材接続装置であって、前記切断部は、前記複数の連続繊維束の全部を切断する。
【0008】
また、本発明に係る第4の態様の造形装置は、複数の連続繊維束に樹脂材が含浸されて構成された造形材を、前記連続繊維束の延びる方向を供給方向として供給する第1供給部と、前記第1供給部よりも前記供給方向の下流側に配置され、前記造形材を供給する第2供給部と、前記第2供給部によって供給される前記造形材を加熱し、載台へ供給する加熱部と、前記載台へ供給された前記造形材を加圧する加圧部と、前記第1供給部と前記第2供給部との間、又は前記第1供給部よりも前記供給方向の上流側に配置された第1~第3の何れかの態様の造形材接続装置と、を備えている。
【0009】
また、第5の態様の造形装置は、第4の態様の造形装置であって、造形物を造形する造形データから算出されたタイミングで前記造形材を切断できるように、前記第1供給部及び前記第2供給部による供給の停止と前記切断部による切断動作とを制御する制御部を備えている。
【0010】
また、第6の態様の造形装置は、第5の態様の造形装置であって、前記加熱部は、前記制御部の制御により、前記載台に対して相対的に近接及び離間するように構成されており、前記制御部は、前記造形材の前記切断部分が前記載台に供給されるタイミングで、前記第1供給部及び前記第2供給部による供給を停止させるとともに、前記切断部分から前記造形材が切断されるように前記加熱部を前記載台から相対的に離間させる。
【0011】
また、第7の態様の造形装置は、第5又は第6の態様の造形装置であって、前記制御部は、前記先行する造形材の末端部が前記切断部に達するタイミングで、前記第2供給部の供給を停止させるとともに、前記後続する造形材の先端部が前記切断部に到達するように前記第1供給部の供給を制御する。
【発明の効果】
【0012】
第1の態様の発明によれば、造形材を接続して供給することができる。
【0013】
第2の態様の発明によれば、造形材の樹脂材のみで接合する場合に比べて、造形材の樹脂材を容易に接合することができる。
【0014】
第3の態様の発明によれば、捩り部の直後に直線部を造形したい場合に対応することができる。
【0015】
第4の態様の発明によれば、接続されて供給された造形材によって造形することができる。
【0016】
第5の態様の発明によれば、第1供給部及び第2供給部による供給を停止させずに切断部による切断動作をする場合に比べて、造形材を精度良く接合することができる。
【0017】
第6の態様の発明によれば、造形材の切断部分が載台に供給されるタイミングに関係なく、加熱部が載台から相対的に離間される場合に比べて、造形材における余り部分の発生を抑制又は防止することができる。
【0018】
第7の態様の発明によれば、交換された造形材をスムーズに継ぎ足すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1】本実施形態に係る造形装置を示す模式図である。
【
図2】本実施形態に係る造形装置の造形ユニットを示す模式図である。
【
図3】本実施形態に係る造形材接続装置を示す斜視図である。
【
図4】本実施形態に係る造形材接続装置で接続するときの造形材を示す斜視図である。
【
図5】本実施形態に係る造形装置で造形する造形物を示す斜視図である。
【
図6】本実施形態に係る造形材接続装置及び造形装置で使用する造形材を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明に係る実施の形態について、図面を基に詳細に説明する。なお、
図1、
図2において示す矢印Hは、造形装置10の上方向(鉛直方向上側)を示し、矢印Wは、造形装置10の幅方向(水平方向)を示す。また、矢印H及び矢印Wと直交する方向を造形装置10の奥行方向(水平方向)とする。
【0021】
本実施形態に係る造形装置10は、溶解積層方式(FDM(Fused Deposition Modeling)方式)の3次元造形装置(3Dプリンタ)であって、3次元CADによる立体情報などから、複数層の層データ(造形データ)を算出し、その層データに従って、層を重ねることにより、
図5に示されるような造形物80を造形する装置である。
【0022】
図6に示されるように、本実施形態に係る造形装置10に使用される造形材(フィラメント)90は、複数の連続繊維が撚り合わされずに束ねられた連続繊維束(以下、単に「繊維束」という)92の各連続繊維同士の隙間に、ポリアミド合成樹脂等の樹脂材94が含侵されて構成されている。
【0023】
連続繊維としては、一例として、直径0.005mmの東レ社製T300の炭素繊維が用いられている。この連続繊維が1000本以上(一例として3000本)束ねられて、造形材90が構成されている。なお、
図6では、連続繊維の本数が少なく示されている。また、本実施形態における造形材90(繊維束92)の断面は、一例として、直径0.4mmの円形状とされている。
【0024】
また、繊維束92の延びる方向が造形材90の供給方向とされている。したがって、以下においては、造形材90の供給方向上流側を単に「上流側」といい、供給方向下流側を単に「下流側」という場合がある。
【0025】
図1に示されるように、造形装置10は、造形室20と格納室70とを有している。そして、
図2に示されるように、造形装置10は、造形室20内に、載台の一例としての造形台14と、造形台14の上方に配置されている造形ユニット12と、造形ユニット12を移動させる移動ユニット18と、各部を制御する制御部16と、を備えている。
【0026】
<造形室>
〔造形台〕
図1、
図2に示されるように、造形台14は、造形装置10(造形室20)において、下方側に配置されている。また、造形台14は、上方を向くとともに水平面である造形面14Aを有している。
【0027】
〔移動ユニット〕
図2に示されるように、移動ユニット18は、造形装置10(造形室20)において、上方側に配置されており、既知の機構を組み合わせることで構成されている。そして、移動ユニット18は、造形ユニット12を幅方向、奥行方向及び上下方向に移動させ、更に上下方向を軸方向として造形ユニット12を回転させられるようになっている。
【0028】
〔造形ユニット〕
造形ユニット12は、上下方向において、造形台14と移動ユニット18との間に配置されている。造形ユニット12は、造形材90が巻き掛けられたプーリ22と、造形材90を供給する第1供給部の一例としての送出ロール24と、造形材90の少なくとも一部を切断する切断部28と、を備えている。
【0029】
そして、造形ユニット12は、切断部28によって切断された切断部分よりも下流側の造形材90と上流側の造形材90とを加熱して樹脂材94を接合するか、又は
図4に示されるように、先行する造形材90Fの末端部と後続する造形材90Sの先端部とを加熱して樹脂材94を接合する接合部30と、接合部30(送出ロール24)よりも下流側に配置され、造形材90を供給する第2供給部の一例としての送出ロール26と、を備えている。
【0030】
なお、切断部28と接合部30とで造形材接続装置50が構成されている。また、切断部28と接合部30とは、造形材90の供給方向において、送出ロール24と送出ロール26との間に配置されている。
【0031】
また、造形ユニット12は、送出ロール26によって供給される造形材90を支持しつつ加熱し、造形台14の造形面14Aへ供給する加熱部の一例としての第1加熱部34と、造形台14の造形面14Aへ供給された造形材90を加圧する加圧部40と、を備えている。
【0032】
そして、造形ユニット12は、造形材90に対して離れた位置から造形材90を加熱する第2加熱部52と、加圧部40に対して離れた位置から加圧部40を加熱する第3加熱部56と、造形ユニット12の全体を支持するユニット支持部60と、を備えている。
【0033】
また、造形ユニット12(造形材接続装置50)は、切断部28によって切断された切断部分よりも下流側の造形材90と上流側の造形材90との間、又は先行する造形材90Fの末端部と後続する造形材90Sの先端部との間に、樹脂材94を接合するための新たな樹脂材(樹脂材94と同等の樹脂材)を補充する補充部33を備えている。なお、この補充部33は、必須ではなく、備えられていなくてもよい。
【0034】
(プーリ)
図2に示されるように、プーリ22は、造形ユニット12において、造形装置10の幅方向一方側の部分(図中右側の部分)に配置されており、プーリ22の回転軸方向は、奥行方向とされている。
【0035】
プーリ22は、円柱状のプーリ本体22Aと、プーリ本体22Aの回転軸を構成する軸部22Bと、軸部22Bを支持する支持ブラケット22Cと、を備えている。支持ブラケット22Cは、一対で設けられており、一対の支持ブラケット22Cは、奥行方向で、プーリ本体22Aを間に置いて配置されている。
【0036】
具体的には、支持ブラケット22Cは、上下方向に延びており、支持ブラケット22Cの下端部に、軸部22Bが支持されている。この構成において、プーリ22には、4本の造形材90が、奥行方向に並んで巻き掛けられている。
【0037】
(送出ロール)
図2に示されるように、送出ロール24は、プーリ22よりも下流側に配置されている。送出ロール24は、駆動ロール24Aと、従動ロール24Bと、駆動ロール24A及び従動ロール24Bを支持する支持ブラケット24Cと、を備えている。
【0038】
駆動ロール24Aの回転軸方向及び従動ロール24Bの回転軸方向は、奥行方向とされている。そして、駆動ロール24Aと従動ロール24Bとは、供給される造形材90の下流側が上流側に対して下方となるように、プーリ22を介して供給された4本の造形材90を上下で挟み込んでいる。
【0039】
支持ブラケット24Cは、一対で設けられており、一対の支持ブラケット24Cは、奥行方向で、駆動ロール24Aと従動ロール24Bとを間に置いて配置されている。具体的には、支持ブラケット24Cは、上下方向に延びており、その下端部に、駆動ロール24Aと従動ロール24Bとを支持している。
【0040】
送出ロール26は、送出ロール24(接合部30)よりも下流側に配置されている。送出ロール26は、駆動ロール26Aと、従動ロール26Bと、駆動ロール26A及び従動ロール26Bを支持する支持ブラケット26Cと、を備えている。
【0041】
駆動ロール26Aの回転軸方向及び従動ロール26Bの回転軸方向は、奥行方向とされている。そして、駆動ロール26Aと従動ロール26Bとは、供給される造形材90の下流側が上流側に対して下方となるように、送出ロール24によって供給された4本の造形材90を上下で挟み込んでいる。
【0042】
支持ブラケット26Cは、一対で設けられており、一対の支持ブラケット26Cは、奥行方向で、駆動ロール26Aと従動ロール26Bとを間に置いて配置されている。具体的には、支持ブラケット26Cは、上下方向に延びており、その下端部に、駆動ロール26Aと従動ロール26Bとを支持している。
【0043】
この構成において、図示しないモータから駆動力が伝達された駆動ロール24Aが回転することで、送出ロール24が、4本の造形材90を造形面14Aに向けて供給するようになっている。そして、図示しないモータから駆動力が伝達された駆動ロール26Aが駆動ロール24Aと同じ回転数で回転することで、送出ロール26が、4本の造形材90を造形面14Aに向けて供給するようになっている。
【0044】
このように、プーリ22を介して供給された4本の造形材90は、送出ロール24及び送出ロール26によって、下流側が上流側に対して下方となるようにして、造形台14の造形面14Aへ供給される。本実施形態では、一例として、30mm/sec以上100mm/sec以下の速度で造形材90が供給されるように、送出ロール24、26が回転する。
【0045】
(切断部)
切断部28は、4本の造形材90に対して、それぞれ個別に切断する4本の切断刃28Aを備えている。なお、本実施形態における「少なくとも一部を切断する」とは、繊維束92の一部(造形材90を引っ張ったときに容易に切断される程度の本数)を残して切断する場合と、繊維束92の全部を切断する場合の両方を含む。
【0046】
(接合部)
図3に示されるように、接合部30は、供給方向を長手方向とした矩形平板状の一対の挟持部材32を備えている。互いに対向する一対の挟持部材32の内面における中央部には、造形材90を挟み込んで加圧する断面略半円弧形状の凹部32Aが長手方向に延びるように形成されている。
【0047】
そして、この一対の挟持部材32は、図示しない既知の機構により、互いに接近(接触)する方向と互いに離間する方向とに移動可能に構成されている。なお、以下においては、一対の挟持部材32が、互いの内面を接近(接触)させた状態を「閉状態」といい、互いの内面を離間させた状態を「開状態」という。
【0048】
また、一対の挟持部材32が閉状態のときに、凹部32Aによって形成される断面円形状の孔部の内径は、造形材90の外径よりも若干小さくされている。これにより、造形材90が一対の挟持部材32に挟み込まれて加圧される構成になっている。
【0049】
また、この一対の挟持部材32の内部には、それぞれ板状のヒータ(図示省略)が埋設されている(一対の挟持部材32に、それぞれヒータが内蔵されている)。このヒータが、一対の挟持部材32で挟み込んで加圧した造形材90を、一例として、250℃以上300℃以下に加熱するようになっている。
【0050】
これにより、造形材90の樹脂材94を溶融し、切断部28によって切断された切断部分よりも下流側の造形材90と上流側の造形材90とを接続したり、
図4に示されるように、先行する造形材90Fの末端部における末端面90Eと後続する造形材90Sの先端部における先端面90Tとを接続したりするようになっている。
【0051】
なお、一対の挟持部材32が開状態となることにより、加熱されていた造形材90の温度が下がるが、造形材90における樹脂材94の接合を促進させるために、その造形材90を冷却する冷却部(図示省略)を接合部30の下流側で、かつ送出ロール26の上流側に設けるようにしてもよい。
【0052】
(第1加熱部)
第1加熱部34は、送出ロール26よりも下流側に配置されている。第1加熱部34は、造形材90が通る管部材35と、管部材35を囲むように支持する本体部36と、板状のヒータ(図示省略)と、支持ブラケット38と、を備えている。
【0053】
管部材35は、金属材料で形成されており、一例として、4本備えられている。4本の管部材35は、奥行方向に並んでいる。また、奥行方向から見て、管部材35の下流側の端部が、管部材35の上流側の端部に対して下方に位置するように、管部材35は、傾斜して造形材90の供給方向に延びている。
【0054】
本体部36は、金属材料で形成された直方体形状であり、奥行方向から見て、造形材90の供給方向に延びる矩形状とされている。そして、管部材35の一部が、本体部36に囲まれている。また、本体部36において、造形材90の下流側の部分には、4本の管部材35が上方へ露出するように、開口(図示省略)が形成されている。
【0055】
ヒータは、本体部36の内部に配置されている。具体的には、ヒータは、造形材90の供給方向において、本体部36の上流側の部分に配置されており、ヒータが、本体部36及び管部材35を、一例として、200℃以上250℃以下に加熱するようになっている。
【0056】
支持ブラケット38は、一対で設けられており、一対の支持ブラケット38は、奥行方向で、本体部36を間に置いて配置されている。具体的には、支持ブラケット38は、屈曲した状態で上下方向に延びており、その下端部に、本体部36を支持している。
【0057】
この構成において、第1加熱部34は、ヒータによって4本の造形材90を加熱し、造形材90を構成している樹脂を軟化させる。そして、軟化された4本の造形材90は、第1加熱部34に備えられた4本の管部材35を通って、造形台14の造形面14Aへ供給される。
【0058】
このように、各造形材90は、各管部材35に通されることで、造形面14A(造形台14)への供給位置が決められる。つまり、第1加熱部34は、造形材90の供給位置を決める位置決め部材としても機能している。なお、本実施形態では、造形材90が管部材35から排出される部分において、隣り合う造形材90のピッチ(中心間距離)が、一例として、1mmとされている。
【0059】
(加圧部)
加圧部40は、第1加熱部34よりも下流側に配置されている。加圧部40は、ローラ部42と、ローラ部42を支持する支持部48と、を備えている。ローラ部42は、軸方向を奥行方向とし、第1加熱部34から排出された4本の造形材90を造形台14の造形面14Aとの間で挟むように配置されている。
【0060】
そして、ローラ部42は、奥行方向に延びる軸部46と、断面円形状の本体部44と、を有している。なお、奥行方向における本体部44の長さは、その奥行方向において、最も手前側に配置された管部材35から最も奥側に配置された管部材35までの長さよりも長くなっている。
【0061】
また、支持部48は、奥行方向でローラ部42を間において配置されている一対の支持板48Aと、一対の支持板48Aの上端に連結される本体部48Bと、ローラ部42を造形台14に向けて付勢する付勢部材(図示省略)と、を備えている。
【0062】
一対の支持板48Aは、板厚方向を奥行方向として上下方向に延びている。そして、支持板48Aの下端部には、ローラ部42の軸部46が取り付けられている。また、支持板48Aの上端部には、付勢部材を介して本体部48Bの下端部が取り付けられている。更に、一方の支持板48Aに、第1加熱部34に備えられた一方の支持ブラケット38が取り付けられ、他方の支持板48Aに、第1加熱部34に備えられた他方の支持ブラケット38が取り付けられている。
【0063】
本体部48Bは、上下方向に延びており、本体部48Bの下端部に付勢部材を介して支持板48Aの上端部が取り付けられている。この構成において、加圧部40は、付勢部材の付勢力によって、予め決められた荷重で造形材90を造形台14の造形面14Aに向かって加圧するようになっている。本実施形態では、一例として、20N/cm2以上50N/cm2以下の圧力で、加圧部40が造形材90を造形面14Aに向かって加圧するようになっている。
【0064】
(第2加熱部)
第2加熱部52は、第1加熱部34に対して上方側に配置されている。第2加熱部52は、筐体52Aと、筐体52Aの内部に配置された赤外線ランプ(図示省略)と、支持ブラケット54と、を備えている。
【0065】
筐体52Aは、第1加熱部34側が開口した有底円筒状とされている。つまり、筐体52Aの開口は、第1加熱部34及びローラ部42へ向けられている。換言すれば、赤外線ランプは、筐体52Aの開口から赤外線を第1加熱部34及びローラ部42へ向けて照射するように配置されている。
【0066】
また、支持ブラケット54は、奥行方向から見て、略「L」字状とされている。そして、支持ブラケット54の一方側の部分が、筐体52Aの上端部に取り付けられ、支持ブラケット54の他方側の部分が、支持部48の本体部48Bの側面に取り付けられている。
【0067】
この構成において、第2加熱部52は、赤外線ランプによって、第1加熱部34における本体部36の開口から管部材35を通っている部分の造形材90を加熱する。また、第2加熱部52は、赤外線ランプによって、第1加熱部34から排出されてローラ部42と造形面14Aとのニップ部Nに到達するまでの部分の造形材90を加熱する。このように、第2加熱部52は、第1加熱部34から排出されてニップ部Nに到達するまでの部分の造形材90を加熱する加熱手段として機能している。
【0068】
(第3加熱部)
第3加熱部56は、造形装置10の幅方向において、加圧部40を間にして、第1加熱部34の反対側に配置されている。第3加熱部56は、筐体56Aと、筐体56Aの内部に配置された温風ヒータ(図示省略)と、支持ブラケット58と、を備えている。
【0069】
筐体56Aは、加圧部40のローラ部42側が開口した有底円筒状とされている。つまり、筐体56Aの開口は、加圧部40のローラ部42へ向けられている。換言すれば、温風ヒータは、筐体56Aの開口から温風を加圧部40のローラ部42へ向けて吹き出すように配置されている。
【0070】
また、支持ブラケット58は、奥行方向から見て、略「L」字状の本体部58Aと、筐体56Aが取り付けられている筐体支持部58Bと、を備えている。筐体支持部58Bは、略上下方向に延びており、筐体支持部58Bの下端部に筐体56Aが取り付けられている。また、本体部58Aの一方側の部分に筐体支持部58Bの上端側の部分が取り付けられており、本体部58Aの他方側の部分が、支持部48の本体部48Bの側面に取り付けられている。
【0071】
この構成において、第3加熱部56は、温風ヒータによって、加圧部40のローラ部42を加熱する。つまり、ローラ部42は、造形装置10の幅方向の一方側から第2加熱部52によって加熱され、造形装置10の幅方向の他方側から第3加熱部56によって加熱される。このように、第3加熱部56は、加圧部40のローラ部42を加熱する加熱手段として機能している。
【0072】
(ユニット支持部)
ユニット支持部60は、移動ユニット18の下方側に配置されており、各部が取り付けられる本体部62と、下端部が本体部62に取り付けられ、上端部が移動ユニット18に取り付けられる中間部64と、を備えている。
【0073】
本体部62は、板厚方向を上下方向とする板状とされている。そして、本体部62の下面62Aには、加圧部40の本体部48Bの上端、送出ロール24の支持ブラケット24Cの上端、送出ロール26の支持ブラケット26Cの上端及びプーリ22の支持ブラケット22Cの上端が取り付けられている。
【0074】
この構成において、ユニット支持部60(造形ユニット12)が、制御部16によって制御された移動ユニット18により、幅方向、奥行方向及び上下方向に移動する。これにより、第1加熱部34が造形面14A(造形台14)に対して相対的に近接及び離間する構成になっており、第1加熱部34の管部材35から供給された造形材90が所望のニップ部Nへ供給可能になっている。
【0075】
〔制御部〕
制御部16は、入力された造形物80の3次元データに基づく層データ(造形データ)により、移動ユニット18、送出ロール24、26、第1加熱部34のヒータ、第2加熱部52の赤外線ランプ、第3加熱部56の温風ヒータ、切断部28及び接合部30などを制御する。
【0076】
特に、制御部16は、造形物80を造形する3次元データに基づく層データ(造形データ)から算出されたタイミングで造形材90を切断できるように、送出ロール24及び送出ロール26による供給の停止と、切断部28による切断動作と、を制御するようになっている。
【0077】
また、制御部16は、造形材90の切断部28によって切断された切断部分が造形面14Aに供給されるタイミングで、送出ロール24及び送出ロール26による供給を停止させるとともに、その切断部分から造形材90が切断されるように、第1加熱部34を造形面14A(造形台14)から相対的に離間させる制御をするようになっている。
【0078】
更に、制御部16は、先行する造形材90Fの末端部(末端面90E)が切断部28に達するタイミングで、送出ロール26の供給を停止させるとともに、後続する造形材90Sの先端部(先端面90T)が切断部28に到達するように、送出ロール24の供給を制御するようになっている。
【0079】
<格納室>
図1に示されるように、格納室70の上部には、造形材90が巻回されたリール72が回転可能に設けられている。すなわち、リール72は、奥行き方向に4本並べられており、各リール72から繰り出された造形材90が、造形室20に設けられたプーリ66と、上記したプーリ22とを介して送出ロール24へ供給されるようになっている。
【0080】
また、格納室70の下部には、造形材90が巻回された交換用のリール74が設けられている。交換用のリール74の本数は、特に限定されないが、リール72と同様に奥行き方向に複数本並べられている。また、リール72から繰り出される造形材90が先行する造形材90Fであり、リール74から繰り出される造形材90が後続する造形材90Sである。
【0081】
<造形物>
図5に示されるように、本実施形態における造形物80は、一例として、外径及び内径の異なる有底円筒状の大径部82と小径部84とを平板状の連結部86で連結した形状のものである。この造形物80の質量は2.59kgであり、その長手方向の幅は0.68mである。したがって、この造形物80を作製するための造形材90は、4本並列の同時成形の場合で、1本当たり2.59kg/4=647.5gとなる。
【0082】
ここで、1本のリール72に巻かれている造形材90の巻き量(巻き長さ)は1590mであり、その質量は500gである。そのため、647.5gの造形材90が必要な造形物80を作製する際には、少なくとも1本のリール72は、交換用のリール74に交換(継ぎ足し)する必要がある。
【0083】
以上のような構成とされた造形材接続装置50及び造形装置10において、次にその作用について説明する。
【0084】
上記したように、造形物80を作製する際には、4本のリール72だけでは足りず、もう1本のリール74が必要となる。ここで、本実施形態に係る造形装置10には、造形材接続装置50としての接合部30が設けられている。したがって、造形材90が途絶えることなく接続されて供給される。
【0085】
具体的には、4本のリール72のうち、最先で造形材90が終了するリール72から供給される造形材90の末端部(末端面90E)が切断部28に到達する位置で、送出ロール24、26を停止させる。そして、最先で空になったリール72を取り外し、交換用のリール74を取り付け、そのリール74の造形材90をプーリ22に巻き掛け、その先端部(先端面90T)が切断部28に到達する位置まで送出ロール24を駆動させる。
【0086】
これにより、先行する造形材90Fの末端部における末端面90Eに、リール74から繰り出された後続する造形材90Sの先端部における先端面90Tが突き合わされ(
図4参照)、その突き合わされた状態の造形材90Fと造形材90Sとが接合部30に配置される。なお、このような配置は、制御部16で制御される。
【0087】
すなわち、制御部16は、先行する造形材90Fの末端部(末端面90E)が切断部28に達するタイミングで、送出ロール24、26の供給を停止させる。そして、後続する造形材90Sの先端部(先端面90T)が切断部28に到達するように、送出ロール24の供給を制御する。この状態で送出ロール24と送出ロール26とが同期して予め決められた量だけ回転することにより、先行する造形材90Fの末端面90Eと後続する造形材90Sの先端面90Tとが突き合わされた状態で、開状態とされた一対の挟持部材32の間に配置される。
【0088】
その後、造形材90Fの末端部と造形材90Sの先端部とを、一対の挟持部材32を閉状態にして加圧し、かつ、その内部に設けられているヒータによって、例えば270℃に加熱する。これにより、造形材90Fの末端部における樹脂材94と造形材90Sの先端部における樹脂材94とが互いに溶融して接合される。なお、このとき接合されるのは、樹脂材94であって、繊維束92ではない。つまり、繊維束92は接合されない。
【0089】
しかしながら、樹脂材94同士が接合されているので、一対の挟持部材32が開状態とされて送出ロール24及び送出ロール26によって造形材90が供給される際、造形材90Fに接続された造形材90Sが送出ロール26によって引っ張られても、造形材90Fと造形材90Sとの接合面が離間することはない。よって、接続されて供給された造形材90Sにより、造形が続行される。
【0090】
このように、本実施形態によれば、造形装置10において、交換された後続する造形材90Sが、先行する造形材90Fにスムーズに継ぎ足される。したがって、造形時における層形成効率の低下が抑制されるとともに、パーティングライン等の不良部分の発生が抑制される。なお、継ぎ足し部分は、造形物80において、強度に支障がない部分に来るように、制御部16によって制御されることが好ましい。
【0091】
また、後続する造形材90Sは、先行する造形材90Fに接合された状態で供給される。そのため、後続する造形材90Sが、先行する造形材90Fに接合されない状態で供給される構成に比べて、後続する造形材90Sが管部材35の出口で軟化されても、その造形材90Sが管部材35の出口で詰まるような不具合が起きない。
【0092】
なお、造形材90Fの末端面90Eと造形材90Sの先端面90Tとを接合する際、補充部33から樹脂材を補充するようにしてもよい。これによれば、造形材90の樹脂材94のみで接合する場合に比べて、造形材90Fの末端面90Eにおける樹脂材94と、造形材90Sの先端面90Tにおける樹脂材94と、が容易に接合される。
【0093】
また、造形装置10において、送出ロール26が、造形材90の供給方向を軸方向として回転するように構成されている場合がある。つまり、造形材90を捻った状態で造形面14Aへ供給して湾曲したものを造形する場合がある。そして、この場合において、途中から造形材90を捻らない通常の状態で造形面14Aへ供給して造形する場合がある。
【0094】
この場合において、本実施形態は対応可能となる。すなわち、造形材90において、捻られた状態の捩り部と、捻られていない通常の状態の直線部と、の境界部分を切断部28によって切断する。この場合の切断とは、繊維束92の全部を切断することである。また、切断部28によって切断するときには、送出ロール24及び送出ロール26の回転は停止している。
【0095】
そして、送出ロール24と送出ロール26とを同期して回転させ、切断部28で切断された切断部分を接合部30に配置する。すなわち、一対の挟持部材32で切断部分を挟持し(加圧し)、加熱して接合する(このとき、補充部33から樹脂材を補充するようにしてもよい)。これにより、切断部分よりも下流側が、捻られた状態の(捩り部となっている)造形材90となり、切断部分よりも上流側が、捻られていない通常の(直線部となっている)造形材90となる。
【0096】
このように、本実施形態では、捩り部の直後に直線部を造形したい場合に対応可能となる(捩り部と直線部とを接続して供給することが可能となる)。なお、送出ロール24及び送出ロール26による供給の停止と切断部28による切断動作とは制御部16によって制御される。したがって、送出ロール24及び送出ロール26による供給を停止させずに切断部28による切断動作をする場合に比べて、造形材90が精度良く接合される。
【0097】
また、造形装置10において、N層目(N:自然数)を造形した後にN+1層目を造形する際、N層目の終わりで造形材90を切断する場合がある。そのため、従来の造形装置(図示省略)では、第1加熱部34の下流側に、そのための切断部(図示省略)が設けられていた。
【0098】
しかしながら、この場合、切断部が設けられる位置に制約があるため、N層目の終わりで、造形材90が余った状態で残留する部分が形成されてしまっていた。また、N層目の終わりで造形材90を切断しない場合には、N層ごとの長さとされた造形材90を準備する必要があった。
【0099】
本実施形態によれば、このような問題も解決される。まず、造形物80の3次元データに基づく層データ(造形データ)からN層目の終端部を制御部16が検出する。そして、制御部16は、その検出結果から、N層目の終端部までの造形材90の残りの必要量(長さ)を算出し、それに応じた長さで切断部28によって造形材90を切断する。
【0100】
なお、この場合は、繊維束92の全部を切断してもよいし、繊維が数本だけ残るように、繊維束92の一部だけを切断してもよい。但し、切断しないで残す繊維の本数は、第1加熱部34が造形面14Aから離間する動作に伴って容易に切断される程度の本数とされる。
【0101】
次いで、切断された造形材90(切断部分よりも下流側の造形材90と上流側の造形材90と)を接合部30へ送り、上記のように加圧及び加熱して、樹脂材94を溶融して接合する(このとき、補充部33から樹脂材を補充するようにしてもよい)。接合後は、加熱及び加圧を停止し、造形材90を送出ロール24、26によって造形面14Aへ供給し、N層目を造形する。
【0102】
すると、N層目の造形終了時には、造形材90の切断部分で終了する。したがって、そのタイミングで、送出ロール24、26の駆動を停止させ、第1加熱部34を造形面14A(造形台14)から離間させると、造形材90は、樹脂材94のみ(又は樹脂材94と数本の繊維のみ)でしか接合されていないため、引っ張られるだけで、その切断部分から容易に破断(切断)される。
【0103】
このように、造形材90は、N層目を造形する分だけとなるように、予め切断されて供給される(樹脂材94のみが接合された状態で供給される)ため、N層目の造形の最後で造形材90を破断(切断)したときに、造形材90が余った状態で残留するという問題が改善される。
【0104】
換言すれば、制御部16が、造形材90の切断部分が造形台14の造形面14Aに供給されるタイミングに関係なく、第1加熱部34を造形台14から相対的に離間させる場合に比べて、造形材90における余り部分の発生が抑制又は防止される。
【0105】
そして、造形材90は、第1加熱部34を造形台14の造形面14Aから離間させるだけで、その切断部分から容易に破断(切断)されるため、造形材90を切断するための切断部を第1加熱部34の下流側に設ける必要がない。したがって、切断部で切断した場合に生じる切断面における形状不良の発生も抑制又は防止される。
【0106】
以上、本実施形態に係る造形材接続装置50及び造形装置10について、図面を基に説明したが、本実施形態に係る造形材接続装置50及び造形装置10は、図示のものに限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、適宜設計変更可能なものである。
【0107】
例えば、4本のリール72のうち、1本のリール72から繰り出された造形材90の途中を切断部28によって切断し、その1本のリール72を交換用のリール74に交換して、そのリール74から造形材90を繰り出し、リール72から繰り出されていた先行する造形材90Fに、リール74から繰り出した造形材90Sを接合するようにしてもよい。
【0108】
これによれば、途中から繊維束92の本数が異なる(例えば3000本ではなく、5000本に変更された)造形材90で造形したい場合、又は造形材90の材料を(例えば炭素繊維ではない繊維束の造形材、又はポリアミド合成樹脂ではない樹脂材の造形材に)交換したい場合などに対応可能となる。
【0109】
また、
図1において仮想線にて示されるように、接合部30(切断部28及び補充部33を含む)は、プーリ66の下流側で、かつプーリ22の上流側に設けられていてもよい。つまり、接合部30(切断部28及び補充部33を含む)は、送出ロール24よりも上流側に設けられていてもよい。
【符号の説明】
【0110】
10 造形装置
14 造形台(載台の一例)
16 制御部
24 送出ロール(第1供給部の一例)
26 送出ロール(第2供給部の一例)
28 切断部
30 接合部
33 補充部
34 第1加熱部(加熱部の一例)
40 加圧部
50 造形材接続装置
90 造形材
92 繊維束(連続繊維束の一例)
94 樹脂材