(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】回収容器
(51)【国際特許分類】
G03G 21/16 20060101AFI20240509BHJP
G03G 21/12 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G03G21/16 161
G03G21/12
(21)【出願番号】P 2020056881
(22)【出願日】2020-03-26
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001519
【氏名又は名称】弁理士法人太陽国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】酒井 裕介
(72)【発明者】
【氏名】袁 磊
(72)【発明者】
【氏名】橋本 敏
(72)【発明者】
【氏名】星野 弘久
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-186196(JP,A)
【文献】特開2013-068824(JP,A)
【文献】特開2015-155942(JP,A)
【文献】特開2007-199613(JP,A)
【文献】特開2019-113760(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/16
G03G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を回収可能な容器本体と、
前記容器本体に該容器本体の装着方向と交差する方向に離間して設けられ、且つ、前記装着方向と反対側の部分に形成された抜け止め部が前記装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かる突起と、
前記容器本体と前記突起との間に設けられ、前記突起を前記容器本体から離間する側に付勢する付勢部材と、
前記突起に形成され、前記抜け止め部から前記装着方向に向けて前記容器本体から次第に離間する方向に傾斜する傾斜部と、
を備え
、
前記付勢部材は、前記容器本体に一端部が支持され、他端部が前記一端部よりも前記装着方向の反対側に位置すると共に自由状態とされた板状のバネ材であり、
前記バネ材の他端部側の表面に前記突起が設けられており、
前記容器本体には、第1位置から該第1位置よりも前記容器本体から離間した第2位置へ移動可能とされ、前記第2位置への移動により、前記バネ材の他端部側を前記容器本体から離間する側に押すことが可能な押し部が設けられている、回収容器。
【請求項2】
前記容器本体には、操作部材と、前記操作部材の操作によって前記容器本体から突出すると共に前記装着対象に設けられた開口部に挿入されて前記容器本体と前記装着対象との装着状態をロックするロック部材とが設けられており、
前記押し部は、前記ロック部材に連動して移動する、請求項
1に記載の回収容器。
【請求項3】
前記突起は、前記傾斜部としての第1傾斜部と、前記第1傾斜部よりも前記装着方向側に形成され、前記装着方向に向けて前記容器本体に次第に近づく方向に傾斜する第2傾斜部と、を備えている、請求項1
又は請求項2に記載の回収容器。
【請求項4】
前記突起は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間が円弧状に湾曲する湾曲部を介してつながっている、請求項
3に記載の回収容器。
【請求項5】
前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路上には、前記装着対象に設けられた粉体排出部が接続される回収口が設けられており、
前記回収口には、前記装着方向に付勢されて前記回収口を閉じると共に前記
容器本体を前記装着対象に装着した状態では前記粉体排出部の周辺部によって前記装着方向と反対側に押されて前記回収口を開く開閉部材が設けられており、
前記突起の傾斜部が前記引掛り部の端に接した状態において、前記付勢部材の付勢力を変換した前記容器本体を装着方向へ移動させる力が、前記容器本体が前記開閉部材から受ける前記開閉部材を付勢する力よりも大きい、請求項1~請求項
4のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項6】
装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を回収可能な容器本体と、
前記容器本体に該容器本体の装着方向と交差する方向に離間して設けられ、且つ、前記装着方向と反対側の部分に形成された抜け止め部が前記装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かる突起と、
前記容器本体と前記突起との間に設けられ、前記突起を前記容器本体から離間する側に付勢する付勢部材と、
前記突起に形成され、前記抜け止め部から前記装着方向に向けて前記容器本体から次第に離間する方向に傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路上には、前記装着対象に設けられた粉体排出部が接続される回収口が設けられており、
前記回収口には、前記装着方向に付勢されて前記回収口を閉じると共に前記容器本体を前記装着対象に装着した状態では前記粉体排出部の周辺部によって前記装着方向と反対側に押されて前記回収口を開く開閉部材が設けられており、
前記突起の傾斜部が前記引掛り部の端に接した状態において、前記付勢部材の付勢力を変換した前記容器本体を装着方向へ移動させる力が、前記容器本体が前記開閉部材から受ける前記開閉部材を付勢する力よりも大きい、回収容器。
【請求項7】
前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路には、前記回収経路の延在方向を軸方向として回転し、前記粉体を前記回収経路の延在方向の一方から他方へ搬送する搬送部材が設けられており、
前記容器本体の下部には、前記容器本体を前記装着対象に装着した装着状態で、前記装着対象に設けられた回転駆動部に連結されると共に前記回転駆動部の回転力を前記搬送部材の回転力として伝達する力伝達部と、前記回収経路の延在方向の他方へ搬送された前記粉体を前記容器本体の外部へ排出する外部排出口と、前記装着方向に付勢されて前記外部排出口を閉じる外部開閉部材と、が設けられており、
前記突起が前記容器本体の上部で且つ前記回収経路の延在方向の他方側に配置されている、請求項1~請求項
6のいずれか1項に記載の回収容器。
【請求項8】
装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を回収可能な容器本体と、
前記容器本体に該容器本体の装着方向と交差する方向に離間して設けられ、且つ、前記装着方向と反対側の部分に形成された抜け止め部が前記装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かる突起と、
前記容器本体と前記突起との間に設けられ、前記突起を前記容器本体から離間する側に付勢する付勢部材と、
前記突起に形成され、前記抜け止め部から前記装着方向に向けて前記容器本体から次第に離間する方向に傾斜する傾斜部と、
を備え、
前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路には、前記回収経路の延在方向を軸方向として回転し、前記粉体を前記回収経路の延在方向の一方から他方へ搬送する搬送部材が設けられており、
前記容器本体の下部には、前記容器本体を前記装着対象に装着した装着状態で、前記装着対象に設けられた回転駆動部に連結されると共に前記回転駆動部の回転力を前記搬送部材の回転力として伝達する力伝達部と、前記回収経路の延在方向の他方へ搬送された前記粉体を前記容器本体の外部へ排出する外部排出口と、前記装着方向に付勢されて前記外部排出口を閉じる外部開閉部材と、が設けられており、
前記突起が前記容器本体の上部で且つ前記回収経路の延在方向の他方側に配置されている、回収容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回収容器に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、画像形成装置に着脱可能に装着される粉体の回収容器について開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
粉体の回収容器の側部に片持ち状態で支持された付勢部材が設けられ、この付勢部材に設けられた突起が画像形成装置の装置本体に設けられた引掛り部に引っ掛かることで、回収容器が装置本体に保持されるものがある。回収容器の装置本体に対する押し込みが足りない場合、突起に設けられた抜け止め部が引掛り部に引っ掛からない引掛り不良が生じることがある。
【0005】
本発明は、回収容器に設けられた突起の抜け止め部が装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かることで回収容器が装着対象に保持される構成において、突起に抜け止め部から装着方向に沿って延びる平坦な部位が設けられた構成と比べて、突起の引掛り部に対する引掛り不良を抑制することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1態様の回収容器は、装着対象に対して着脱可能で且つ粉体を回収可能な容器本体と、前記容器本体に該容器本体の装着方向と交差する方向に離間して設けられ、且つ、前記装着方向と反対側の部分に形成された抜け止め部が前記装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かる突起と、前記容器本体と前記突起との間に設けられ、前記突起を前記容器本体から離間する側に付勢する付勢部材と、前記突起に形成され、前記抜け止め部から前記装着方向に向けて前記容器本体から次第に離間する方向に傾斜する傾斜部と、を備える。
【0007】
第2態様の回収容器は、第1態様の回収容器において、前記突起は、前記傾斜部としての第1傾斜部と、前記第1傾斜部よりも前記装着方向側に形成され、前記装着方向に向けて前記容器本体に次第に近づく方向に傾斜する第2傾斜部と、を備えている。
【0008】
第3態様の回収容器は、第2態様の回収容器において、前記突起は、前記第1傾斜部と前記第2傾斜部との間が円弧状に湾曲する湾曲部を介してつながっている。
【0009】
第4態様の回収容器は、第1態様~第3態様のいずれか1態様の回収容器において、前記付勢部材は、前記容器本体に一端部が支持され、他端部が前記一端部よりも前記装着方向の反対側に位置すると共に自由状態とされた板状のバネ材であり、前記バネ材の他端部側の表面に前記突起が設けられている。
【0010】
第5態様の回収容器は、第4態様の回収容器において、前記容器本体には、第1位置から該第1位置よりも前記容器本体から離間した第2位置へ移動可能とされ、前記第2位置への移動により、前記バネ材の他端部側を前記容器本体から離間する側に押すことが可能な押し部が設けられている。
【0011】
第6態様の回収容器は、第5態様の回収容器において、前記容器本体には、操作部材と、前記操作部材の操作によって前記容器本体から突出すると共に前記装着対象に設けられた開口部に挿入されて前記容器本体と前記装着対象との装着状態をロックするロック部材とが設けられており、前記押し部は、前記ロック部材に連動して移動する。
【0012】
第7態様の回収容器は、第1態様~第6態様のいずれか1態様の回収容器において、前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路上には、前記装着対象に設けられた粉体排出部が接続される回収口が設けられており、前記回収口には、前記装着方向に付勢されて前記回収口を閉じると共に前記回収容器を前記装着対象に装着した状態では前記粉体排出部の周辺部によって前記装着方向と反対側に押されて前記回収口を開く開閉部材が設けられており、前記突起の傾斜部が前記引掛り部の端に接した状態において、前記付勢部材の付勢力を変換した前記容器本体を装着方向へ移動させる力が、前記容器本体が前記開閉部材から受ける前記開閉部材を付勢する力よりも大きい。
【0013】
第8態様の回収容器は、第1態様~第7態様のいずれか1態様の回収容器において、前記容器本体に設けられた前記粉体の回収経路には、前記回収経路の延在方向を軸方向として回転し、前記粉体を前記回収経路の延在方向の一方から他方へ搬送する搬送部材が設けられており、前記容器本体の下部には、前記容器本体を前記装着対象に装着した装着状態で、前記装着対象に設けられた回転駆動部に連結されると共に前記回転駆動部の回転力を前記搬送部材の回転力として伝達する力伝達部と、前記回収経路の延在方向の他方へ搬送された前記粉体を前記容器本体の外部へ排出する外部排出口と、前記装着方向に付勢されて前記外部排出口を閉じる外部開閉部材と、が設けられており、前記突起が前記容器本体の上部で且つ前記回収経路の延在方向の他方側に配置されている。
【発明の効果】
【0014】
第1態様の構成によれば、回収容器に設けられた突起の抜け止め部が装着対象に設けられた引掛り部に引っ掛かることで回収容器が装着対象に保持される構成において、突起に抜け止め部から装着方向に沿って延びる平坦な部位が設けられた構成と比べて、突起の引掛り部に対する引掛り不良を抑制することができる。
【0015】
第2態様の構成によれば、突起の第1傾斜部よりも装着方向側に容器本体に向けて装着方向と直交する方向に延びる部分を有する構成と比べて、突起を引掛り部の位置までスムーズに移動させることができる。
【0016】
第3態様の構成によれば、第1傾斜部と第2傾斜部との間が角張った部分を介してつながっている構成と比べて、装着対象との接触部分を第2傾斜部から湾曲部を介して第1傾斜部へスムーズに移動させることができる。
【0017】
第4態様の構成によれば、付勢部材をコイルスプリングとした構成と比べて、簡単な構造で突起に付勢力を付与することができる。
【0018】
第5態様の構成によれば、付勢部材の付勢力のみで突起の抜け止め部を引掛り部に引掛ける構成と比べて、突起の引掛り部に対する引掛り不良を抑制することができる。
【0019】
第6態様の構成によれば、押し部とロック部材が別々に動作する構成と比べて、操作を簡単にすることができる。
【0020】
第7態様の構成によれば、容器本体の装着方向の移動力と容器本体が開閉部材から受ける付勢力とが同じ構成と比べて、突起の引掛り部に対する引掛り不良を抑制することができる。
【0021】
第8態様の構成によれば、容器本体上部且つ回収経路の延在方向の他方側に傾斜部が設けられていない突起を配置する構成と比べて、突起の引掛り部に対する引掛り不良の抑制に伴って容器本体の姿勢の傾きを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【
図1】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の概略構成図である。
【
図2】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の斜視図であり、カバーを開いた状態を示している。
【
図3】
図2の画像形成装置の斜視図であり、回収容器を外した状態を示している。
【
図4】本発明の一実施形態に係る画像形成装置の回収容器を前面側から見た斜視図であり、筐体への装着状態を示している。
【
図5】
図4の回収容器を背面側から見た斜視図であり、回収容器を筐体にロックした状態を示している。
【
図6】
図4の回収容器を背面側から見た斜視図であり、回収容器を筐体からアンロックした状態(ロックが解除された状態)を示している。
【
図7】
図5の回収容器を正面から見た正面図である。
【
図8】
図6の回収容器を正面から見た背面図である。
【
図9】本発明の一実施形態に係る回収容器の要部を示す斜視図である。
【
図11】
図9の回収容器の要部を側面から見た側面図である。
【
図12】(A)筐体の回収口の周辺部を回収容器の傾斜部及びガイド部でガイドする動作を説明するための要部拡大側面図である。(B)
図12(A)でガイドされた回収口の周辺部によって外部排出口を閉塞する開閉シャッターが押し開かれる動作を説明するための要部拡大側面図である。(C)
図12(B)において、開閉シャッターが完全に押し開かれて、外部排出口と回収口とが接続された状態を説明するための要部拡大側面図である。
【
図13】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態におけるロック部を示す要部拡大平面図である。
【
図14】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態における突起を示す要部拡大平面図である。
【
図15】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態でロック部を動作させた状態を示す要部拡大平面図である。
【
図16】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させている途中の状態において、突起の第1傾斜部が引掛り部の端に接触した状態を示す、要部拡大平面図である。
【
図17】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させてロック部が開口部に挿入された状態を示す要部拡大平面図である。
【
図18】回収容器を筐体に対して装着方向に移動させて突起が引掛り部に引っ掛かった状態を示す、要部拡大平面図である。
【
図19】回収容器が筐体に装着された状態を示す、収容部における要部の拡大斜視図である。
【
図20】回収容器が筐体に装着された状態での回収容器の要部を示す正面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
本発明の一実施形態に係る回収容器及び粉体塗装装置について説明する。
【0024】
まず、本実施形態の粉体塗装装置の一例である画像形成装置10について説明し、次に、画像形成装置10に用いる回収容器60について説明する。
【0025】
〔全体構成〕
まず、本実施形態の画像形成装置10について説明する。
図1及び
図2に示されるように、画像形成装置10は、装置本体としての筐体11を有している。また、
図1に示されるように、画像形成装置10は、像保持体の一例としての感光体12と、帯電手段の一例としての帯電装置14と、露光手段の一例としての露光装置16と、供給手段の一例としての現像装置18と、制御手段の一例としての制御部20と、転写手段の一例としての転写装置22と、定着手段の一例としての定着装置24と、清掃手段の一例としてのクリーニング装置26と、粉体容器の一例としてのトナーカートリッジ28と、を筐体11の内部に備えている。また、感光体12、帯電装置14、露光装置16及びクリーニング装置26によって、像保持ユニットの一例としての感光体ユニット30が形成されている。この感光体ユニット30の筐体31は、筐体11に対して着脱可能に装着されている。
【0026】
なお、以下の説明では、画像形成装置10をユーザ(図示省略)が立つ側から正面視して、装置幅方向、装置高さ方向、装置奥行き方向をX方向、Y方向、Z方向と記載する。X方向、Y方向、Z方向は、互いに直交している。また、X方向、Y方向、Z方向のそれぞれ一方側と他方側を区別する必要がある場合は、画像形成装置10を正面視して、画像形成装置10の上側を+Y側、下側を-Y側、右側を+X側、左側を-X側、奥側を+Z側、前側を-Z側と記載する。Y方向は、重力方向の一例である。X方向及びZ方向は、水平方向の一例である。
【0027】
図2に示されるように、筐体11の前面には、装置奥行き方向前側に回転するカバー32が取り付けられている。このカバー32の装置奥行き方向奥側には、粉体の一例である色材としての現像剤の回収容器60が装着対象の一例としての筐体11に対して着脱可能に装着されている。具体的には、筐体11には、回収容器60の外形に対応した形状の収容部50が形成されており、この収容部50に回収容器60が収容されて回収容器60が筐体11に装着されている。なお、回収容器60の幅方向、高さ方向、厚み方向は、回収容器60を筐体11に装着した状態で、装置幅方向、装置高さ方向、装置奥行き方向と一致する。そのため、回収容器60を正面視して、回収容器60の上側が+Y側、下側が-Y側、右側が+X側、左側が-X側、奥側が+Z側、前側が-Z側に相当する。
また、
図11では、回収容器60(容器本体62)の筐体11に対する装着方向を矢印E方向で示す。なお、ここでいう装着方向は、装置奥行き方向の奥側と同じ方向である。
【0028】
この回収容器60の前部(容器本体62の装置奥行き方向前側の部分)62Dには、
図7及び
図8に示されるように、操作部材の一例としての操作ハンドル88が設けられている。この操作ハンドル88を操作することで、回収容器60の筐体11へのロックが解除されると共に粉体の一例としての現像剤の回収口66が閉塞される。また、操作ハンドル88の操作に連動して転写装置22の一次転写ロール34が感光体12から離間する。その後、回収容器60を筐体11から脱離することで、筐体11に装着された各色に対応した感光体ユニット30が外部に露出される(
図3参照)。これにより、感光体ユニット30へアクセスできるようになる。
【0029】
また、回収容器60を脱離した状態で、現像装置18に設けられた操作レバー38を操作して、感光体ユニット30の脱離経路上から操作レバー38を退避させる。その後、感光体ユニット30を装置奥行き方向前側へ引き出すことで、感光体ユニット30が筐体11から脱離される。
【0030】
次に、画像形成装置10の動作について説明する。
画像形成装置10の各部の動作は、制御部20により制御される。この画像形成装置10では、現像装置18がトナーカートリッジ28から搬送された粉体の一例である色材としての現像剤で感光体12の潜像を現像することにより、現像剤像の一例としてのトナー像が形成される。さらに、画像形成装置10では、転写装置22が記録媒体Pにトナー像を転写した後で、定着装置24によってトナー像が記録媒体Pに定着される。
【0031】
現像剤は、一例として、負極性に帯電する色材の一例としてのトナーと、正極性に帯電する磁性体の一例としての鉄製のキャリアとを主成分として、さらに、添加剤を含んで構成されている。トナーは、例えば、ポリエステル樹脂製である。
【0032】
〔要部構成〕
次に、本実施形態の回収容器60について詳細に説明する。
本実施形態の回収容器60は、現像装置18で使用した現像剤、中間転写ベルト36から除去された現像剤、及び、感光体12から除去された現像剤を回収し、その後、回収した現像剤を集約して後述する外部排出口68(
図12参照)から筐体11の下部の回収ボトル58(
図2及び
図12参照)へ排出するようになっている。なお、本発明における「回収」とは、粉体をその場所に一時的に保持する態様や粉体を最終的に保持する態様を含む。
【0033】
図4~
図8に示されるように、回収容器60は、容器本体62を備えている。
【0034】
容器本体62は、箱形状とされ、内部に現像剤を回収する回収経路64が設けられている。この容器本体62は、筐体11の収容部50に収容されて筐体11に装着されるようになっている。なお、前述したように、収容部50の形状が回収容器60(容器本体62)の外形に対応した形状のため、容器本体62を収容部50に収容した状態では、容器本体62によって感光体12及び転写装置22が覆われる。
【0035】
回収経路64は、後述する回収口66から回収した現像剤を集約して外部排出口68へ搬送するための通路部である。この回収経路64は、複数の回収口66からそれぞれ下方側へ延びる図示しない枝通路と、これらの枝通路が合流する主通路64Aとを備えている。主通路64Aは、容器本体62の下部に設けられ、容器本体62の幅方向の一方側(
図7及び
図8では右側)から他方側(
図7及び
図8では左側)に向けて延びている。なお、主通路64Aに回収された現像剤は、主通路64Aの延在方向の一方(
図7及び
図8では左側)から他方(
図7及び
図8では右側)へ搬送されようになっている。具体的には、主通路64Aには、主通路64Aの延在方向を軸方向として回転する搬送部材の一例としての搬送オーガ70が設けられている。この搬送オーガ70の回転により、主通路64A内の現像剤が容器本体62の幅方向の他方側から一方側へ搬送される。
【0036】
また、容器本体62の底部62Aには、外部排出口68(
図12参照)が設けられている。具体的には、外部排出口68は、主通路64Aの延在方向の他端部に設けられており、下方に向けて開口している。主通路64Aを搬送された現像剤は、外部排出口68を通って外部へ排出されるようになっている。なお、本実施形態では、回収容器60を筐体11に装着した状態では、外部排出口68が収容部50の底面50Aに設けられた回収口52に接続されるようになっている。この回収口52は、筐体11の収容部50よりも下側に装着された回収ボトル58の口部につながっている。このため、外部排出口68から排出された現像剤は、回収口52を介して回収ボトル58に集められる。
【0037】
また、容器本体62の底部62Aにおける外部排出口68に対応する部分には、図示しないバネ材(一例としてコイルスプリング)によって装着方向Eに付勢されて、外部排出口68を閉じる開閉部の一例としての開閉シャッター72が設けられている。この開閉シャッター72は、容器本体62を筐体11に装着した装着状態では、回収口52のフランジ部52Aによって押し開かれるようになっている。具体的には、容器本体62を筐体11に対して装着方向Eに移動させていくと、
図12(A)~
図12(C)に示されるように、回収口52のフランジ部52Aが開閉シャッター72の装着方向E側の端部72Aに接触する。そして、容器本体62を更に装着方向Eに移動させると、開閉シャッター72が装着方向Eと反対側へ押し込まれて、外部排出口68が開放される。そして、外部排出口68と回収口52が接続される。
【0038】
また、容器本体62の開閉シャッター72を挟んで外部排出口68と反対側には、開閉シャッター72の移動をガイドするガイド部74が設けられている。このガイド部74は、容器本体62の厚み方向(装着方向Eと同義)に沿って延びる平坦面である。
【0039】
また、ガイド部74には、
図10及び
図12に示されるように、装着方向Eの端部から装着方向Eに向けて開閉シャッター72から離れる方向に斜めに延びる傾斜部76が設けられている。この傾斜部76は、ガイド部74を容器本体62の幅方向から見て、装着方向Eに向けて斜め下方向に延びる平坦面である。傾斜部76は、回収口52のフランジ部52Aを開閉シャッター72へ誘いこみ可能とされている。具体的には、容器本体62を筐体11に装着するときに、回収口52のフランジ部52Aが傾斜部76に接触すると、回収口52のフランジ部52Aが傾斜部76によって、容器本体62の高さ方向で外部排出口68とガイド部74との間にガイドされる。そして、ガイドされた回収口52のフランジ部52Aは、開閉シャッター72の端部72Aに接触して、開閉シャッター72を押し込む。
【0040】
図10に示されるように、本実施形態では、ガイド部74が外部排出口68を挟んで容器本体62の幅方向両側にそれぞれ設けられている。これらのガイド部74によって、開閉シャッター72の幅方向両端部が支持及びガイドされるため、開閉シャッター72の移動のガタ付きが抑制される。また、一対のガイド部74には、それぞれ前述の傾斜部76が設けられている。このため、回収口52のフランジ部52Aが安定した状態でガイドされる。
【0041】
容器本体62には、
図9及び
図11に示されるように、回収口52のフランジ部52Aが開閉シャッター72に接する前に筐体11の一部と接して容器本体62の傾きを抑える抑制部78が設けられている。具体的には、容器本体62の幅方向一方側の側部62Bには、下部に幅方向外側に張り出した張出部80(
図11及び
図12参照)が設けられている。この張出部80の上面80Aには、抑制部78を構成する第1突条部82が設けられ、下面80Bには、抑制部78を構成する第2突条部84が設けられている。
【0042】
第1突条部82は、
図9~
図11に示されるように、張出部80の上面80Aから上方に突出して、容器本体62の厚み方向(装着方向Eと同義)に延びている。この第1突条部82の頂部82Aは、装着方向Eに沿って延びる平坦面である。また、第1突条部82は、容器本体62を筐体11に装着するときに、収容部50の張出部80に対応する側壁面50Bの凹状部51における天井面51Aに頂部82Aが接触するようになっている(
図20参照)。回収容器60を筐体11に装着した状態では、
図20に示されるように、天井面51Aと第1突条部82が互いに対向している。また、本実施形態における凹状部51の天井面51Aは、本発明における収容部の第1壁面の一例である。
【0043】
また、第1突条部82の装着方向Eの端部82Bには、頂部82Aから根元部に向けて第1突条部82の高さが低くなるように傾斜する傾斜部82C(
図11参照)が設けられている。
【0044】
また、本実施形態では、第1突条部82が上面80Aに、容器本体62の幅方向に間隔をあけて複数本形成(2本)されている(
図20参照)。なお、本発明はこの構成に限定されず、第1突条部82は、1本又は3本以上形成されてもよい。
【0045】
第2突条部84は、
図11に示されるように、張出部80の下面80Bから下方に突出して、容器本体62の厚み方向(装着方向Eと同義)に延びている。この第2突条部84の頂部84Aは、装着方向Eに沿って延びる平坦面である。また、第2突条部82は、容器本体62を筐体11に装着するときに、凹状部51の底面51Bに頂部84Aが接触するようになっている(
図20参照)。回収容器60を筐体11に装着した状態では、
図20に示されるように、底面51Bと第2突条部84が互いに対向している。また、本実施形態における凹状部51の底面51Bは、本発明における収容部の第2壁面の一例である。
【0046】
また、第2突条部84の装着方向Eの端部84Bには、頂部84Aから根元部に向けて第2突条部84の高さが低くなるように傾斜する傾斜部84C(
図11参照)が設けられている。さらに本実施形態では、第2突条部84の装着方向Eと反対側の端部84Dにも、頂部84Aから根元部に向けて第2突条部84の高さが低くなるように傾斜する傾斜部84E(
図11参照)が設けられている。
【0047】
また、本実施形態では、第1突条部82が上面80Aに、容器本体62の幅方向に間隔をあけて1本形成されている(
図20参照)。なお、本発明はこの構成に限定されず、第2突条部84は、複数本形成されてもよい。
【0048】
容器本体62の外部排出口68の近傍には、搬送オーガ70を回転させるための力伝達部の一例としてのコネクタ86(
図10参照)が設けられている。具体的には、コネクタ86は、容器本体62の裏面62Bで且つ側部62Bの下部に設けられており、容器本体68を筐体11に装着した状態で、筐体11に設けられた図示しない回転駆動部に連結されると共にこの回転駆動部の回転力を搬送オーガ70の回転力に変換するようになっている。容器本体68を筐体11に装着した状態では、回転駆動部からの回転力がコネクタ86を介して搬送オーガ70の回転力に変換されて、主通路64A内に回収された現像剤が搬送オーガ70の回転により外部排出口68に向けて搬送される。
【0049】
また、容器本体62の後部62E(装置奥行き方向後側の部分)には、筐体11側から現像剤を回収する回収口66が複数設けられている。これらの回収口66は、容器本体62の回収経路64上に設けられている。また、これらの回収口66は、筐体11側の粉体排出部の一例としての現像剤排出部40に接続可能とされている。回収口66と現像剤排出部40が接続された状態では、現像剤排出部40から排出された現像剤が回収口66で回収されて、回収経路64(枝通路から主通路64A)へ送られるようになっている。具体的には、本実施形態の回収口66は、現像装置18で使用した現像剤、中間転写ベルト36から除去された現像剤、及び、感光体12から除去された現像剤を回収するようになっている。なお、現像装置18の現像剤排出部40から排出される現像剤を回収する回収口を符号66A(
図5参照)で示し、感光体12からクリーニング装置26によって除去された現像剤を回収する回収口を符号66B(
図5参照)で示し、中間転写ベルト36からベルト清掃部材(図示省略)によって除去された現像剤を回収する回収口を符号66C(
図5参照)で示す。
【0050】
なお、回収口66Aは、図示しない付勢部材の一例としてのコイルスプリングによって装着方向Eへ付勢された開閉シャッター67によって開閉可能とされている。この開閉シャッター67は、容器本体62を筐体11に装着した装着状態では、現像剤排出部40の周辺部によって装着方向Eと反対側に押され、回収口66Aを開放するようになっている(
図6参照)。また、容器本体62を筐体11から脱離した脱離状態では、開閉シャッター67が回収口66Aを閉塞している(
図7参照)。
【0051】
また、容器本体62には、
図10及び
図16に示されるように、突起90が装着方向Eと交差する方向に離間して設けられている。具体的には、突起90は、容器本体62の側部62Bの上部に対して、幅方向外側に離間して設けられている。より具体的には、突起90は、詳細を後述する着脱ハンドル100の表面100Aに設けられており、この表面100Aから容器本体62の幅方向外側へ突出している。この突起90は、収容部50の装置幅方向一方側(
図14及び
図19では右側)の側壁面50Bに形成された引掛り部54Aに引っ掛かるようになっている。なお、ここでいう引掛り部54Aとは、側壁面50Bに形成された開口部54の装置奥行き方向前側に位置する壁面部を指している。また、後述する引掛り部54Aの端54Bとは、側壁面50Bと引掛り部54Aとの境界に位置する角部を指している。また、開口部54は、側壁面50Bの凹状部51よりも上方に形成されている。
【0052】
本実施形態の突起90には、装着方向Eと反対側の部分に抜け止め部92が形成されており、この抜け止め部92が引掛り部54Aに引っ掛かることで、突起90が引掛り部54Aから外れる(引掛り解除される)のが阻止される(
図18参照)。なお、突起90の抜け止め部92は、容器本体62の幅方向に沿った平坦面である。
【0053】
また、突起90には、抜け止め部92から装着方向Eに向けて容器本体62から次第に離間する方向に傾斜する第1傾斜部94が形成されている。この第1傾斜部94は、上方から見て、装着方向Eに対して傾斜する方向に沿った平坦面である。
【0054】
また、突起90には、
図18に示されるように、第1傾斜部94よりも装着方向E側に、装着方向Eに向けて容器本体62に次第に近づく方向に傾斜する第2傾斜部96が形成されている。この第2傾斜部96は、上方から見て、装着方向Eに対して第1傾斜部94と逆方向に傾斜する方向に沿った平坦面である。
【0055】
また、突起90には、第1傾斜部94と第2傾斜部96との間に円弧状に湾曲する湾曲部98が形成されている。この湾曲部98を介して第1傾斜部94と第2傾斜部96がつながっている。
【0056】
容器本体62と突起90との間には、
図18に示されるように、突起90を容器本体62から離間する側に付勢する付勢部材の一例としての着脱ハンドル100が設けられている。具体的には、着脱ハンドル100は、容器本体62の側部62Bの上部に設けられている。より具体的には、着脱ハンドル100は、側部62Bの張出部80よりも上方に設けられている。この着脱ハンドル100は、容器本体62の側部62Bに一端部100Bが支持され、他端部100Cが一端部100Bよりも装着方向Eの反対側に位置する板状のバネ材である。なお、回収容器60の脱離状態では、着脱ハンドル100の他端部100Cは、自由状態とされている。さらに、具体的に説明すると、着脱ハンドル100は、
図18に示されるように、上方から見て、一端部100Bから装着方向Eと反対側で且つ側部62Bから離間する側(容器本体62の幅方向外側)に延びる傾斜板部100Dと、この傾斜板部100Dの端部から装着方向Eと反対側に延びる把持板部100Eと、を備えている。この傾斜板部100Dの長さは、把持板部100Eの長さよりも長くなっている。なお、着脱ハンドル100の他端部100Cは、容器本体62の前面62DAよりも容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)に張り出している。すなわち、把持板部100Eの一部が前面62DAよりも装置奥行き方向前側に張り出しているため、回収容器60を筐体11から脱離する際の着脱ハンドル100の操作がしやすくなっている。
【0057】
また、着脱ハンドル100の他端部100C側の表面100Aには、突起90が設けられている。具体的には、突起90は、傾斜板部100Dの把持板部100E側の端部に設けられている。この着脱ハンドル100は、
図14に示されるように、回収容器60(容器本体62)を筐体11に装着するときには、収容部50の側壁面50Bに接した突起90から容器本体62の幅方向内側への力を受けて、一端部100Bを中心として撓み、他端部100C側が容器本体62の幅方向内側へ移動する。そして、
図18に示されるように、突起90が収容部50の開口部54に至ると、突起90の抜け止め部92が引掛り部54Aに引っ掛かるようになっている。なお、本実施形態の突起90は、容器本体62の高さ方向の中間部に装着方向Eに沿って延びる溝部(凹部)が形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。
【0058】
また、着脱ハンドル100には、
図10及び
図15に示されるように、後述するロック部材102のロック部102Aが通過する開口101が形成されている。具体的には、開口101は、着脱ハンドル100の傾斜板部100Dと把持板部100Eに跨って形成されている。また、突起90は、傾斜板部100Dの開口101よりも下側に配置されている。具体的には、突起90は、傾斜板部100Dの下端部近傍に形成されている。
【0059】
また、容器本体62の幅方向他方側(
図7及ぶ
図8では左側)の側部62Cの下部には、着脱ハンドル104が設けられている。この着脱ハンドル104は、容器本体62の側部62Cの下部に一端部104Bが支持され、他端部104Cが一端部104Bよりも装着方向Eの反対側に位置する板状のバネ材である。なお、回収容器60の脱離状態では、着脱ハンドル104の他端部104Cは、自由状態とされている。また、着脱ハンドル104は、一端部104Bから装着方向Eと反対側で且つ側部62Bから離間する側(容器本体62の幅方向外側)に延びる傾斜板部104Dと、この傾斜板部104Dの端部から装着方向Eと反対側に延びる把持板部104Eと、を備えている。この傾斜板部104Dの長さは、把持板部104Eの長さよりも長くなっている。なお、着脱ハンドル104の他端部104Cは、容器本体62の前面62DAよりも容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)に張り出している。すなわち、把持板部104Eの一部が前面62DAよりも装置奥行き方向前側に張り出しているため、回収容器60を筐体11から脱離する際の着脱ハンドル104の操作がしやすくなっている。
【0060】
また、着脱ハンドル104の他端部104C側の表面104Aには、
図5及び
図6に示されるように、突起106が設けられている。具体的には、突起106は、傾斜板部104Dの把持板部104E側の端部に設けられている。なお、本実施形態の突起106は、容器本体62の高さ方向の中間部に装着方向Eに沿って延びる溝部(凹部)が形成されているが、本発明はこの構成に限定されない。また、突起106は、収容部50の側壁面50C(
図7及び
図8では左側の壁面)に形成された図示しない引掛り部に引っ掛かるようになっている。この着脱ハンドル104は、回収容器60(容器本体62)を筐体11に装着するときには、収容部50の側壁面50Cに接した突起106から容器本体62の幅方向内側への力を受けて、一端部104Bを中心として撓み、他端部104C側が容器本体62の幅方向内側へ移動する。そして、突起106が側壁面50Cの引掛り部に至ると、突起106が引掛り部に引っ掛かるようになっている。なお、本実施形態では、突起106が容器本体62の高さ方向に間隔をあけて一対形成されている。
【0061】
ここで、回収容器60の突起90及び突起106が引掛り部54A及び図示しない引掛り部にそれぞれ引っ掛かることで、回収容器60が筐体11に保持(装着)される。また、回収容器60の両側にある着脱ハンドル100及び着脱ハンドル104のそれぞれの他端部100C、104Cを把持し、互いに幅方向内側へ向けて押すことで、突起90及び突起106が引掛り部54A及び図示しない引掛り部から外れる(引掛りが解除される)。この状態で回収容器60を筐体11から装着方向Eと反対側へ引き抜くことで、回収容器60が筐体11から脱離される。
【0062】
また、容器本体62を筐体11に装着するときに、
図16に示されるように、突起90の第1傾斜部94が引掛り部54Aの端54Bに接した状態において、着脱ハンドル100の反発力(付勢力)Fを変換した容器本体62を装着方向へ移動させる力F1が、容器本体62が開閉シャッター67を付勢するコイルスプリングから受ける反発力(反発力の合計)Rよりも大きくなるように、突起90の第1傾斜部94の装着方向Eに対する傾斜角θ(
図18参照)が設定されていることが好ましい。
【0063】
容器本体62には、
図14に示されるように、押し部110が設けられている。具体的には、押し部110は、容器本体62の側部62Bに容器本体62の幅方向内側から外側へ移動可能に設けられている。より具体的には、押し部110は、
図14に示される第1位置から、第1位置よりも容器本体62の幅方向外側に位置する
図18に示される第2位置へ移動可能とされている。この押し部110は、第1位置から第2位置に移動すると、着脱ハンドル100の他端部100C側を、容器本体62の容器本体から離間する側(幅方向外側)に押すことが可能になっている(
図16参照)。具体的には、回収容器60を筐体11に装着するときに、着脱ハンドル100が容器本体62の幅方向内側へ弾性変形している状態(負荷状態)で、押し部110を第1位置から第2位置へ移動させると、押し部110が着脱ハンドル100の他端部100C側(詳細には、把持板部100E)を幅方向外側へ押すようになっている。この押し部110は、後述するロック部材102に連動して移動するようになっている。
【0064】
容器本体62には、
図7及び
図8に示されるように、ロック部材102が設けられている。操作ハンドル88の操作によって回収容器60の筐体11に対する装着状態を維持するための部材である。このロック部材102は、容器本体62の側部62Bから容器本体62の幅方向外側へ突出するロック部102Aと、側部62Cから容器本体62の幅方向外側へ突出するロック部102Bとを備えている。
【0065】
ロック部102Aは、
図9及び
図13に示されるように、略直方体状に形成されており、先端面102AAから容器本体62の厚み方向他方側(装置奥行き方向前側)の側面102ABに向けて斜面102ACが形成されている。このロック部102Aは、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の幅方向外側へ突出すると、着脱ハンドル100の開口101を通り、収容部50の側壁面50Bに設けられた開口部55に挿入されるようになっている。
【0066】
ロック部102Bは、
図5及び
図6に示されるように、容器本体62の側部62Cの下部から容器本体62の幅方向外側へ突出するようになっている。具体的には、容器本体62の側部62Cの着脱ハンドル104よりも下側から容器本体62の幅方向外側へ突出するようになっている。このロック部102Bは、略直方体状に形成されている。このロック部102Bは、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の幅方向外側へ突出すると、収容部50の側壁面50Cに設けられた図示しない開口部に挿入されるようになっている。なお、ロック部102A及びロック部102Bは、操作ハンドル88の操作によって、互いに連動して、幅方向外側へ突出する。
【0067】
また、ロック部材102は、容器本体62の上部62Fから突出するロック部102Cを備えている。
【0068】
ロック部102Cは、
図5及び
図7に示されるように、容器本体62の上部62Fから容器本体62の上方へ突出するようになっている。具体的には、容器本体62の上部62Fにおける側部62C側の部分から容器本体62の上方へ突出するようになっている。このロック部102Cは、略直方体状に形成されている。このロック部102Cは、操作ハンドル88の操作によって容器本体62の上方へ突出すると、収容部50の天井面50Dに設けられた図示しない引掛り部に引っ掛かるようになっている。なお、ロック部102Cは、操作ハンドル88の操作によって、ロック部102A及びロック部102Bと連動して、上方へ突出する。
【0069】
なお、ロック部102Aは、操作ハンドル88の操作により、容器本体62の幅方向へ直線的に移動して側部62Bから幅方向外側へ突出する構成としてもよいし、回転移動によって側部62Bから幅方向外側へ突出する構成としてもよい。なお、ロック部102B及びロック部102Cについてもロック部102Aと同様の構成としてもよい。
【0070】
また、ロック部材102と押し部110は、一体に形成されている。具体的には、ロック部材102のロック部102Aの周辺に押し部110が一体に形成されている。このため、ロック部102Aが側部62Bから容器本体62の幅方向外側へ突出する動作に連動して、押し部110も容器本体62の幅方向外側へ移動する。
【0071】
また、容器本体62の前部62Dには、操作ハンドル88が設けられている。この操作ハンドル88は、ロック部材102に連結されている。この操作ハンドル88を操作することで、ロック部材102による回収容器60のロック(装着状態の維持)及びアンロック(装着状態の維持解除)を切り換えることができる。具体的には、回収容器60を筐体11に装着した状態で操作ハンドル88を時計回りに回転させると、操作ハンドル88の操作力によってロック部材102が動作し、ロック部102A、ロック部102B及びロック部102Cが容器本体62から突出して、回収容器60の筐体11に対する装着状態がロックされる。このとき、操作ハンドル88の操作によって、図示しない開閉機構が動作して、回収口66Aが開放される。また、図示しない移動機構によって感光体12から離間していた一次転写ロール34が感光体12に接近する。一方、操作ハンドル88を反時計回りに回転させると、操作ハンドル88の操作力によってロック部材102が動作し、回収容器60の筐体11に対する装着状態がアンロックされる。このとき、操作ハンドル88の操作によって、図示しない開閉機構が動作して、回収口66Aが閉塞される。また、図示しない移動機構によって感光体12から一次転写ロール34が離間される。
【0072】
次に、本実施形態の作用について説明する。
本実施形態の回収容器60では、容器本体62に設けられた突起90の抜け止部92が筐体11に設けられた引掛り部54Aに引っ掛かることで、容器本体62が筐体11に保持(装着)される。
ここで、突起90には、抜け止め部92から容器本体62の装着方向Eに向けて容器本体から次第に離間する方向に傾斜する第1傾斜部94が形成されている。このため、容器本体62の筐体11に対する装着方向Eの押し込みが足りずに、突起90の位置が、
図16に示されるように、抜け止め部92が引掛り部54Aに引っ掛かる位置まで至らない状態でも、引掛り部54Aの端54Bが突起90の第1傾斜部94に接することで、着脱ハンドル100の付勢力(反発力)Fが第1傾斜部94によって装着方向Eへの移動力F1に変換され、この移動力F1によって突起90と共に容器本体62が装着方向Eへ移動する。そして、引掛り部54Aの端54Bが、突起90の第1傾斜部94から抜け止め部92に至ると、突起90の抜け止め部92が筐体11の引掛り部54Aに引っ掛かり、容器本体62が筐体11に装着(保持)される(
図18参照)。
【0073】
このように本実施形態の回収容器60では、突起90が抜け止め部92から装着方向Eに沿って延びる平坦な部位を有する構成と比べて、突起90の引掛り部54Aに対する引掛り不良を抑制することができる。なお、ここでいう「引掛り不良」とは、引掛り部54Aに突起90の抜け止め部92が接触していない状態を指す。
【0074】
さらに、本実施形態の回収容器60では、容器本体62の筐体11に対する装着方向Eの押し込みが足りずに、突起90の第1傾斜部94が引掛り部54Aの端54Bに接すると、第1傾斜部94によって着脱ハンドル100の付勢力Fが容器本体62を装着方向Eへ移動させる力F1に変換される。ここで、回収容器60では、
図16に示されるように、容器本体62の装着方向Eの移動力F1が、容器本体62が開閉シャッター67を付勢するコイルスプリングから受ける付勢力(反発力)Rよりも大きいため、容器本体62の装着方向Eの移動力F1と容器本体62が開閉シャッター67から受ける反発力(反発力の合計)Rとが同じ構成と比べて、突起90の引掛り部54Aに対する引掛り不良を抑制することができる。
【0075】
また、本実施形態の回収容器60では、突起90に第2傾斜部96が形成されているため、筐体11への装着時に収容部50の側壁面50Bに第2傾斜部96が接すると、装着方向Eへの移動力が第2傾斜部96によって突起90を着脱ハンドル100による付勢方向と逆向きに押し込む力に変換される。このように回収容器60では、筐体11への装着時に、収容部50の側壁面50Bと第2傾斜部96とが接することで、突起90が着脱ハンドル100による付勢方向と逆向きに押し込まれるため、突起90の第1傾斜部94よりも装着方向側に容器本体62に向けて装着方向Eと直交する方向(容器本体62の幅方向)に延びる部分を有する構成と比べて、突起90を引掛り部54Aの位置までスムーズに移動させることができる。
【0076】
また、本実施形態の回収容器60では、突起90の第1傾斜部94と第2傾斜部96との間が円弧状に湾曲する湾曲部98を介してつながっているため、筐体11への装着時に、収容部50の側壁面50Bとの接触部分が第2傾斜部96から湾曲部98を介して第1傾斜部94へ、スムーズに移動する。このように回収容器60では、突起90の第1傾斜部94と第2傾斜部96との間が湾曲部98によってつながっているため、第1傾斜部94と第2傾斜部96との間が角張った部分を介してつながっている構成と比べて、筐体11との接触部分を第2傾斜部96から湾曲部98を介して第1傾斜部94へスムーズに移動させられる。
【0077】
また、本実施形態の回収容器60では、着脱ハンドル100として突起90が設けられた板状のバネ材を用いるため、コイルスプリングを用いて突起90を付勢する構成と比べて、簡単な構造で突起90に付勢力を付与することができる。
【0078】
また、本実施形態の回収容器60では、
図16に示されるように、容器本体62の筐体11に対する装着時に、突起90の位置が、抜け止め部92が引掛り部54Aに引っ掛かる位置まで至らない状態でも、押し部110を第1位置から第2位置へ移動させることで、着脱ハンドル100の他端部(自由端)100C側が容器本体62から離間する側に押されて、突起90の抜け止め部92が引掛り部54Aに強制的に引っ掛けられる。これにより、容器本体62が筐体11に装着される。
このように回収容器60では、着脱ハンドル100の付勢力のみで突起90の抜け止め部92を引掛り部54Aに引掛ける構成と比べて、突起90の引掛り部54Aに対する引掛り不良を抑制することができる。
【0079】
また、本実施形態の回収容器60では、操作ハンドル88の操作によって、ロック部材102を移動させると、この移動に連動して押し部110が移動するため、一つの操作で突起90を引掛り部54Aに引掛けつつ、容器本体62と筐体11との装着状態をロックすることができる。このように回収容器60では、押し部110とロック部材102が別々に動作する構成と比べて、操作を簡単にすることができる。
【0080】
また、本実施形態の回収容器60では、押し部110とロック部材102とが一体に形成されているため、押し部110とロック部材102が別体のものと比べて、部品点数を減らすことができる。
【0081】
また、本実施形態の回収容器60では、容器本体62に外部排出口68を閉じる開閉シャッター72が設けられている。このため、容器本体62を筐体11に装着すると、開閉シャッター72が装着方向Eと反対方向へ押されながら外部排出口68が開く。このとき、容器本体68の側部62Bの下部には、開閉シャッター72を付勢する方向と逆向きの反発力が作用する。しかし、回収容器60では、容器本体62の側部62Bの上部に第1傾斜部94が形成された突起90を配置するため、容器本体62の側部62Bの上部に第1傾斜部94がない突起90を配置する構成と比べて、突起90の引掛り部54Aに対する引掛り不良を抑制することができ、容器本体62の姿勢の傾きを抑制することができる。
【0082】
さらに、本実施形態の回収容器60では、容器本体62を筐体11に装着するときに、筐体11の回収口52のフランジ部52Aが外部排出口68の開閉シャッター72に接する前に抑制部78が収容部50の凹状部51と接して容器本体62の傾きが抑えられる(
図12参照)。このため、回収容器60では、筐体11に装着するときに容器本体62を傾けられる構成と比べて、回収口52のフランジ部52Aによる外部排出口68の押し開き不良が抑制される。
具体的には、容器本体62を収容部50に収容するときに、第1突条部82の頂部82Aが凹状部51の天井面51Aに接触し、第2突条部84の頂部84Aが凹状部51の底面51Bに接触して、容器本体62の姿勢の傾きが抑制される。さらに、第1突条部82及び第2突条部84は、それぞれ装着方向に延びているため、容器本体62の姿勢の傾きが抑制された状態が容器本体62を収容部50に収容するまで維持される。そして、第1突条部82及び第2突条部84は、各々の頂部82A、84Aが収容部50の対向する天井面51A及び底面51Bに接触するため、容器本体62の張出部80の上面80A及び下面80Bを収容部50の天井面51A及び底面51B全体に接触させる構成と比べて、容器本体62を収容部50にスムーズに収容させることができる。
【0083】
さらに、本実施形態の回収容器60では、第1突条部82及び第2突条部84にそれぞれ傾斜部82C及び傾斜部84Cが設けられることで、第1突条部82及び第2突条部84がガイドとなり、容器本体62を収容部50に収容しやすくなる。このように回収容器60では、第1突条部82及び第2突条部84のそれぞれの装着方向Eの端部が角張っている構成と比べて、容器本体62を収容部50に収容しやすい。
【0084】
また、本実施形態の回収容器60では、容器本体62を筐体11に装着するときに、
図12(A)~
図12(C)に示されるように、回収口52のフランジ部52Aが傾斜部76にガイドされてガイド部74と外部排出口68との間の開閉シャッター72に接触し、この開閉シャッター72が押し開かれる。このように回収容器60では、ガイド部74を装着方向Eに延長した構成と比べて、傾斜部76によって回収口52のフランジ部52Aをガイド部74と外部排出口68との間に位置する開閉シャッター72に向けてガイドすることができるため、フランジ部52Aを開閉シャッター72接触させることができる。
【0085】
また、本実施形態の回収容器60では、ガイド部74が外部排出口68を挟んで容器本体62の幅方向両側に設けられていることとから、ガイド部74が容器本体62の幅方向片側のみに設けられている構成と比べて、回収口52のフランジ部52Aをガイド部74と外部排出口68との間に安定してガイドすることができる。
【0086】
また、本実施形態の回収容器60では、筐体11への装着時に、姿勢の傾きが抑制される。このため、回収容器60が筐体11に傾いて装着された構成と比べて、供給手段の一例としての現像装置18から排出された現像剤を回収容器60で回収することができる。
【0087】
さらに、本実施形態の回収容器60では、筐体11への装着方向への押し込みが足りな過ぎる場合には、押し部110で着脱ハンドル100の他端部100C側を押し込めず、ロック部102Aが収容部50の開口部55周辺に接触する。この場合には、操作ハンドル88が一定以上に回転しないため、回収容器60の押し込みが足りないことが認識することができる。
【0088】
前述の実施形態では、回収容器60で一旦回収した現像剤を、外部排出口68から筐体11に装着された回収ボトル58に回収口52を介して排出する構成としているが、本発明はこの構成に限定されない。回収容器60に外部排出口68を設けずに、一定量現像剤を回収した後は、回収容器60毎を交換する構成としてもよい。
【0089】
また、前述の実施形態では、本発明における回収容器を画像形成装置10に適用したが、本発明はこの構成に限定されない。本発明における回収容器は、粉体を回収する用途であれば、画像形成装置10とは異なる方式で画像を形成する装置に適用してもよいし、画像形成装置10に限定される必要もない。例えば、食品などに粉体(粉状の食材や添加物等)を塗装又は塗布する装置に用いてもよい。
【0090】
前述の実施形態では、突起90の第1傾斜部94と第2傾斜部96とを湾曲部98を介してつないでいるが、本発明はこの構成に限定されない。例えば、突起90の第1傾斜部94と第2傾斜部96とを装着方向Eに対して傾斜する傾斜部でつないでもよい。
【0091】
なお、本発明を特定の実施形態について詳細に説明したが、本発明は係る実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲内にて他の種々の実施形態をとることが可能であることは当業者にとって明らかである。
【符号の説明】
【0092】
11 筐体
54A 引掛り部
54B 引掛り部の端
60 回収容器
62 容器本体
62B 側部(一方側)
64 回収経路
66 回収口
67 開閉シャッター(開閉部材)
68 外部排出口
70 搬送オーガ(搬送部材)
72 開閉シャッター(外部開閉部材)
86 コネクタ(力伝達部)
88 操作ハンドル(操作部材)
90 突起
92 抜け止め部
94 第1傾斜部(傾斜部)
96 第2傾斜部
98 湾曲部
100 着脱ハンドル
100A 表面
100B 一端部
100C 他端部
102 ロック部材
110 押し部