(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】画像形成装置および回収装置
(51)【国際特許分類】
G03G 21/10 20060101AFI20240509BHJP
G03G 15/01 20060101ALI20240509BHJP
G03G 15/16 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G03G21/10
G03G15/01 L
G03G15/16
(21)【出願番号】P 2020057128
(22)【出願日】2020-03-27
【審査請求日】2023-02-28
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士フイルムビジネスイノベーション株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100104880
【氏名又は名称】古部 次郎
(74)【代理人】
【識別番号】100125346
【氏名又は名称】尾形 文雄
(74)【代理人】
【識別番号】100166981
【氏名又は名称】砂田 岳彦
(72)【発明者】
【氏名】三浦 剛
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 誠悟
【審査官】藏田 敦之
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-085485(JP,A)
【文献】特開2008-065123(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/10
G03G 15/01
G03G 15/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブラックのトナー像を保持するブラック像保持体と、
イエローのトナー像を保持するイエロー像保持体と、
マゼンタのトナー像を保持するマゼンタ像保持体と、
シアンのトナー像を保持するシアン像保持体と、
ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン以外の特色のトナー像を保持する特色像保持体と、
前記ブラック像保持体から除去された廃トナーと、前記特色像保持体から除去された廃トナーとを回収する第1回収部
と、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体および前記シアン像保持体の少なくとも一つから除去された廃トナーを回収し、当該ブラック像保持体および当該特色像保持体から除去された廃トナーを回収しない第2回収部とを含み、それぞれが廃トナーを回収する複数の回収部と
を備える画像形成装置。
【請求項2】
前記複数の回収部は、前記第2回収部が、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体および前記シアン像保持体の二つ以上から除去された廃トナーを回収し、前記第1回収部が回収する廃トナーの色数と、当該第2回収部が回収する廃トナーの色数とが等しいことを特徴とする
請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記特色像保持体とは異なる特色のトナー像を保持する他の特色像保持体をさらに備え、
前記複数の回収部は
、前記第2回収部が、
前記他の特色像保持体から除去された廃トナーを回収することを特徴とする
請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記複数の回収部は、前記第1回収部が、前記イエロー像保持体と前記マゼンタ像保持体と前記シアン像保持体の一つから除去された廃トナーと、前記ブラック像保持体から除去された廃トナーと、
前記特色像保持体から除去された廃トナーとを回収し、前記第2回収部が、当該イエロー像保持体と当該マゼンタ像保持体と当該シアン像保持体のうち当該第1回収部で回収されない二つから除去された廃トナーと、前記他の特色像保持体から除去された廃トナーとを回収することを特徴とする
請求項3に記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記ブラック像保持体、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体、前記シアン像保持体および前記特色像保持体に形成されたトナー像が転写される転写体をさらに備え、
前記複数の回収部は、前記転写体から除去された廃トナーを前記第1回収部
および前記第2回収部とは異なる第3回収部で回収することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記ブラック像保持体、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体、前記シアン像保持体および前記特色像保持体に形成されたトナー像が転写される転写体をさらに備え、
前記複数の回収部は、前記転写体から除去された廃トナーを前記第2回収部で回収することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記第1回収部が回収する廃トナーを除去する複数の像保持体は、当該第1回収部以外の回収部が回収する廃トナーを除去する複数の像保持体のいずれよりも鉛直下方に設けられていることを特徴とする
請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項8】
ブラックのトナー像を保持するブラック像保持体から除去された廃トナーと、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン以外の特色のトナー像を保持する特色像保持体から除去された廃トナーとを回収する第1回収部と、
イエローのトナー像を保持するイエロー像保持体、マゼンタのトナー像を保持するマゼンタ像保持体、およびシアンのトナー像を保持するシアン像保持体の
うち前記第1回収部で回収されない少なくとも一つから除去された廃トナーを回収
し、前記ブラック像保持体および前記特色像保持体から除去された廃トナーを回収しない第2回収部と
を備える回収装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置および回収装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術として特許文献1には、感光体の廃トナーを回収する感光体クリーニング装置と、中間転写体の廃トナーを回収する中間転写体クリーニング装置とを備える画像形成装置が開示されている。
また、従来技術として特許文献2には、感光体ベルトの廃トナーを回収するクリーニング装置を備える画像形成装置が開示されている。この画像形成装置のクリーニング装置は、黒色の廃トナーを回収する黒色用廃トナーボトルと、不特定の色の廃トナーを回収する不特定色用廃トナーボトルとを備えている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2002-132112号公報
【文献】特開2001-331007号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
画像形成装置において、像保持体等から清掃手段により除去された廃トナーを複数の回収部で回収する場合、それぞれの回収部に回収される廃トナーの量にばらつきが生じる場合がある。
本発明の目的は、廃トナーを複数の回収部に回収する場合に、それぞれの回収部に回収される廃トナーの量のばらつきが生じることを抑制することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の発明は、ブラックのトナー像を保持するブラック像保持体と、イエローのトナー像を保持するイエロー像保持体と、マゼンタのトナー像を保持するマゼンタ像保持体と、シアンのトナー像を保持するシアン像保持体と、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン以外の特色のトナー像を保持する特色像保持体と、前記ブラック像保持体から除去された廃トナーと、前記特色像保持体から除去された廃トナーとを回収する第1回収部と、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体および前記シアン像保持体の少なくとも一つから除去された廃トナーを回収し、当該ブラック像保持体および当該特色像保持体から除去された廃トナーを回収しない第2回収部とを含み、それぞれが廃トナーを回収する複数の回収部とを備える画像形成装置である。
請求項2に記載の発明は、前記複数の回収部は、前記第2回収部が、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体および前記シアン像保持体の二つ以上から除去された廃トナーを回収し、前記第1回収部が回収する廃トナーの色数と、当該第2回収部が回収する廃トナーの色数とが等しいことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項3に記載の発明は、前記特色像保持体とは異なる特色のトナー像を保持する他の特色像保持体をさらに備え、前記複数の回収部は、前記第2回収部が、前記他の特色像保持体から除去された廃トナーを回収することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置である。
請求項4に記載の発明は、前記複数の回収部は、前記第1回収部が、前記イエロー像保持体と前記マゼンタ像保持体と前記シアン像保持体の一つから除去された廃トナーと、前記ブラック像保持体から除去された廃トナーと、前記特色像保持体から除去された廃トナーとを回収し、前記第2回収部が、当該イエロー像保持体と当該マゼンタ像保持体と当該シアン像保持体のうち当該第1回収部で回収されない二つから除去された廃トナーと、前記他の特色像保持体から除去された廃トナーとを回収することを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置である。
請求項5に記載の発明は、前記ブラック像保持体、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体、前記シアン像保持体および前記特色像保持体に形成されたトナー像が転写される転写体をさらに備え、前記複数の回収部は、前記転写体から除去された廃トナーを前記第1回収部および前記第2回収部とは異なる第3回収部で回収することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項6に記載の発明は、前記ブラック像保持体、前記イエロー像保持体、前記マゼンタ像保持体、前記シアン像保持体および前記特色像保持体に形成されたトナー像が転写される転写体をさらに備え、前記複数の回収部は、前記転写体から除去された廃トナーを前記第2回収部で回収することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置である。
請求項7に記載の発明は、前記第1回収部が回収する廃トナーを除去する複数の像保持体は、当該第1回収部以外の回収部が回収する廃トナーを除去する複数の像保持体のいずれよりも鉛直下方に設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の画像形成装置である。
請求項8に記載の発明は、ブラックのトナー像を保持するブラック像保持体から除去された廃トナーと、ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン以外の特色のトナー像を保持する特色像保持体から除去された廃トナーとを回収する第1回収部と、イエローのトナー像を保持するイエロー像保持体、マゼンタのトナー像を保持するマゼンタ像保持体、およびシアンのトナー像を保持するシアン像保持体のうち前記第1回収部で回収されない少なくとも一つから除去された廃トナーを回収し、前記ブラック像保持体および前記特色像保持体から除去された廃トナーを回収しない第2回収部とを備える回収装置である。
【発明の効果】
【0006】
請求項1の発明によれば、廃トナーを複数の回収部に回収する場合に、それぞれの回収部に回収される廃トナーの量のばらつきが生じることを抑制することができる。
請求項2の発明によれば、第1回収部が回収する廃トナーの色数と第2回収部が回収する廃トナーの色数とが異なる場合と比べて、第1回収部と第2回収部とに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
請求項3の発明によれば、一の特色像保持体から除去された廃トナーと他の特色像保持体から除去された廃トナーとを同じ回収部で回収する場合と比べて、第1回収部と第2回収部とに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
請求項4の発明によれば、イエロー像保持体、マゼンタ像保持体、シアン像保持体から除去された廃トナーを同じ回収部で回収する場合と比べて、第1回収部と第2回収部とに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
請求項5の発明によれば、転写体から除去された廃トナーを第1回収部で回収する場合と比べて、第1回収部に回収されるトナーの量が過剰となることが抑制される。
請求項6の発明によれば、イエロー像保持体、マゼンタ像保持体、シアン像保持体から除去された廃トナーを第1回収部で回収する場合と比べて、第1回収部に回収されるトナーの量が過剰となることが抑制される。
請求項7の発明によれば、廃トナーの回収経路を、鉛直上方側と鉛直下方側とに分割したうえで、第1回収部とそれ以外の回収部とに廃トナーを案内することが容易になる。
請求項8の発明によれば、廃トナーを複数の回収部に回収する場合に、それぞれの回収部に回収される廃トナーの量のばらつきが生じることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【
図1】本実施の形態が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図2】実施の形態1が適用される回収部の構成を説明するための図である。
【
図3】実施の形態2が適用される回収部の構成を説明するための図である。
【
図4】実施の形態3が適用される回収部の構成を説明するための図である。
【
図5】実施の形態4が適用される画像形成装置を示した概略構成図である。
【
図6】実施の形態4が適用される回収部の構成を説明するための図である。
【
図7】実施の形態5が適用される回収部の構成を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について説明する。
(実施の形態1)
図1は、本実施の形態が適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。
同図に示す画像形成装置100は、一般にタンデム型と呼ばれる中間転写方式の画像形成装置である。この画像形成装置100には、電子写真方式により各色成分のトナー像が形成される複数の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pが設けられている。
【0009】
画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kは、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)(以下、これらの色を通常色と表記する場合がある。)の画像を形成する。また、画像形成ユニット1Pは、通常色とは異なる特色の画像を形成する。ここで、特色とは、通常色とは異なる色であり、例えば、通常色すなわち、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナーからは実現することが難しい色を挙げることができる。このような特色として具体的には、白、透明色、ライトシアン、ライトマゼンタ、オレンジ、ヴァイオレット、グリーン、蛍光ピンク、蛍光イエロー等の他、金属顔料を用いて着色される金や銀等のメタリックカラーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0010】
また、画像形成装置100には、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pにより形成された各色成分トナー像を中間転写ベルト15に順に一次転写させる一次転写部10が設けられている。さらに、画像形成装置100には、中間転写ベルト15上に転写された重畳トナー画像を用紙50に一括して二次転写させる二次転写部20が設けられている。
【0011】
また、画像形成装置100には、二次転写されたトナー像を用紙50上に定着させる定着装置60が設けられている。さらに、画像形成装置100には、プログラム制御されたCPUにより構成され、画像形成装置100内の各部を制御する制御部40が設けられている。また、画像形成装置100には、表示パネル等により構成されユーザからの情報を受け付けるとともにユーザに対して情報を表示するUI(User Interface)45が設けられている。
【0012】
画像形成部の一部として機能する画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pの各々には、次のような電子写真用デバイスが設けられている。まず、矢印A方向に回転する感光体ドラム11の周囲に、感光体ドラム11を帯電する帯電器12が設けられている。また、感光体ドラム11上に静電潜像を書き込むレーザ露光器13が設けられている。なお、レーザ露光器13による露光ビームを
図1に符号Bmで示す。なお、以下の説明では、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pのそれぞれに設けられる感光体ドラム11を、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K、11Pと表記する場合がある。感光体ドラム11Yが、イエロー像保持体の一例であり、感光体ドラム11Mが、マゼンタ像保持体の一例であり、感光体ドラム11Cが、シアン像保持体の一例であり、感光体ドラム11Kが、ブラック像保持体の一例であり、感光体ドラム11Pが、特色像保持体の一例である。
【0013】
さらに、キャリアとトナーとを含む現像剤が収容され、感光体ドラム11上の静電潜像をトナーにより可視像化する現像装置14が設けられている。また、感光体ドラム11上に形成された各色のトナー像を一次転写部10にて中間転写ベルト15に転写する一次転写ロール16が設けられている。また、感光体ドラム11上に残留したトナーを除去するドラムクリーナ17が設けられている。ドラムクリーナ17は、例えば、感光体ドラム11の表面に接触して感光体ドラム11の表面に残留したトナーをかき取るクリーニングブレードから構成される。なお、以下の説明では、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pのそれぞれに設けられるドラムクリーナ17を、ドラムクリーナ17Y、17M、17C、17K、17Pと表記する場合がある。
【0014】
中間転写ベルト15は、不図示のモータにより駆動される駆動ロール31によって
図1に示す矢印B方向に予め定められた速度で循環移動する。一次転写部10は、中間転写ベルト15を挟んで対向配置される一次転写ロール16を含んで構成されている。そして、各々の感光体ドラム11上のトナー像が中間転写ベルト15に順次、静電吸引され、中間転写ベルト15上に重畳されたトナー像が形成される。
【0015】
二次転写部20は、中間転写ベルト15のトナー像保持面側に配置される二次転写ロール22と、バックアップロール25とを含んで構成される。二次転写ロール22は、中間転写ベルト15を挟んでバックアップロール25を押圧するように配置されている。さらに、二次転写ロール22は、接地されるとともに、二次転写ロール22とバックアップロール25との間に二次転写バイアスが形成され、二次転写部20に搬送される用紙50上にトナー像が二次転写される。また、中間転写ベルト15上に残留したトナーを除去するベルトクリーナ27が設けられている。ベルトクリーナ27は、例えば、中間転写ベルト15の表面に接触して中間転写ベルト15の表面に残留したトナーをかき取るクリーニングブレードから構成される。
【0016】
さらに、画像形成装置100には、それぞれの画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pのドラムクリーナ17Y、17M、17C、17K、17Pにより感光体ドラム11から除去された廃トナー、およびベルトクリーナ27により中間転写ベルト15から除去された廃トナーを回収する回収部70が設けられている。なお、回収部70の構成については、後段にて詳細に説明する。
【0017】
画像形成装置100の基本的な画像形成処理について説明する。
画像形成装置100では、図示しない画像読取装置等から画像データが出力される。そして、この画像データは図示しない画像処理装置により画像処理が施され、Y、M、C、Kの4色の色材階調データに変換され、レーザ露光器13に出力される。
【0018】
レーザ露光器13では、入力された色材階調データに応じて、例えば半導体レーザから出射された露光ビームBmを画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの各々の感光体ドラム11に照射する。各感光体ドラム11では、帯電器12によって表面が帯電された後、レーザ露光器13によって表面が走査露光され、静電潜像が形成される。そして現像装置14により感光体ドラム11上にトナー像が形成された後、このトナー像は、各感光体ドラム11と中間転写ベルト15とが接触する一次転写部10において、中間転写ベルト15上に転写される。
【0019】
トナー像が中間転写ベルト15の表面に一次転写された後、中間転写ベルト15の移動によりトナー像が二次転写部20に搬送される。二次転写部20では、二次転写ロール22が中間転写ベルト15を介してバックアップロール25に押圧される。このとき、第1用紙収容部53や第2用紙収容部54から搬送ロール52等により搬送された用紙50が、中間転写ベルト15と二次転写ロール22との間に挟み込まれる。
【0020】
そして、中間転写ベルト15上に保持された未定着のトナー像は、二次転写部20において、用紙50上に一括して静電転写される。その後、トナー像が静電転写された用紙50は、中間転写ベルト15から剥離された後、二次転写ロール22よりも用紙搬送方向下流側に設けられた搬送ベルト55へ搬送される。そして搬送ベルト55は、用紙50を定着装置60まで搬送する。
定着装置60に搬送された用紙50上のトナー像は、定着装置60によって熱および圧力を受け、用紙50上に定着される。そして、定着画像が形成された用紙50は、画像形成装置100から排出される。
一方、一次転写後に感光体ドラム11に付着しているトナーは、ドラムクリーナ17によって除去され、二次転写後に中間転写ベルト15に付着しているトナーは、ベルトクリーナ27によって除去される。ドラムクリーナ17およびベルトクリーナ27により除去されたトナー(廃トナー)は、回収部70に回収される。
このようにして、画像形成装置100での画像形成処理がプリント枚数分のサイクルだけ繰り返し実行される。
【0021】
続いて、本実施の形態の回収部70について説明する。
図2は、実施の形態1が適用される回収部70の構成を説明するための図である。
本実施の形態の回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する複数の回収容器を有している。この例では、回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する第1回収容器71A、第2回収容器71Bおよび第3回収容器71Cを有している。また、第1回収容器71A、第2回収容器71Bおよび第3回収容器71Cは、互いに同様の構成を有しており、容積が互いに等しくなっている。ここで、第1回収容器71Aは、第2回収部の一例であり、第2回収容器71Bは、第1回収部の一例であり、第3回収容器71Cは、第3回収部の一例である。
【0022】
回収部70のそれぞれの回収容器(第1回収容器71A、第2回収容器71B、第3回収容器71C)には、回収された廃トナー量が予め定められた基準量を超えたことを検知する不図示の検知センサが設けられている。そして、画像形成装置100のユーザは、検知センサによる検知結果に基づいて、それぞれの回収容器を画像形成装置100から取り外し、新たな回収容器に交換する。
【0023】
本実施の形態では、回収部70が複数の回収容器(第1回収容器71A、第2回収容器71B、第3回収容器71C)により廃トナーを回収することで、廃トナーを一つの回収容器で回収する場合と比べて、回収容器の容量を小さくすることができ、画像形成装置100の設計の自由度を向上させることができる。
ところで、画像形成装置100では、回収容器の交換頻度を低下させる観点から、複数の回収容器(第1回収容器71A、第2回収容器71B、第3回収容器71C)に回収される廃トナーの量の差が小さいことが好ましい。本実施の形態の回収部70では、以下に説明する構成を採用することで、複数の回収容器(第1回収容器71A、第2回収容器71B、第3回収容器71C)に回収される廃トナーの量の差を小さくしている。
【0024】
図2に示すように、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器71Aは、ドラムクリーナ17Yにより感光体ドラム11Yの表面から除去されたイエローの廃トナー、ドラムクリーナ17Mにより感光体ドラム11Mの表面から除去されたマゼンタの廃トナー、およびドラムクリーナ17Cにより感光体ドラム11Cの表面から除去されたシアンの廃トナーを回収する。
また、第2回収容器71Bは、ドラムクリーナ17Kにより感光体ドラム11Kの表面から除去されたブラックの廃トナー、およびドラムクリーナ17Pにより感光体ドラム11Pの表面から除去された特色の廃トナーを回収する。
さらに、第3回収容器71Cは、ベルトクリーナ27により中間転写ベルト15の表面から除去された廃トナーを回収する。
【0025】
ところで、画像形成装置100では、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pによって、トナーの消費量が互いに異なる。これに伴い、各画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pの感光体ドラム11Y、11M、11C、11K、11Pの表面に残留し、ドラムクリーナ17Y、17M、17C、17K、17Pにより除去される廃トナーの量に差が生じる。
例えば、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1Pでは、特色のトナーに比べて、通常色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)のトナーのほうが、消費量が多い傾向がある。このため、特色のドラムクリーナ17Pにより特色の感光体ドラム11Pの表面から除去される廃トナーの量に比べて、通常色のドラムクリーナ17Y、17M、17C、17Kのそれぞれにより通常色の感光体ドラム11Y、11M、11C、11Kの表面から除去される廃トナーの量が多い。
【0026】
また、通常色の画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kの中では、イエロー、マゼンタおよびシアンのトナーに比べて、ブラックのトナーの消費量が多い傾向がある。このため、ドラムクリーナ17Y、17M、17Cのそれぞれにより感光体ドラム11Y、11M、11Cの表面から除去される廃トナーの量に比べて、ブラックのドラムクリーナ17Kによりブラックの感光体ドラム11Kの表面から除去される廃トナーの量が多い。
【0027】
すなわち、画像形成ユニットY、1M、1C、1K、1Pのドラムクリーナ17Y、17M、17C、17K、17Pのそれぞれにより感光体ドラム11Y、11M、11C、11K、11Pから除去される廃トナーの量の関係は、感光体ドラム11K>感光体ドラム11Y、11M、11C>感光体ドラム11Pとなる。
【0028】
本実施の形態の回収部70では、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、廃トナーの量が少ない感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された特色の廃トナーとを、同じ回収容器(第2回収容器71B)に回収している。これにより、例えば、ブラックの廃トナーを特色の廃トナーとは異なる第1回収容器71Aに回収する場合と比べて、ブラックの廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過剰となったり、特色の廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過少となったりすることが抑制される。この結果、複数の回収容器のうち、第1回収容器71Aと第2回収容器71Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0029】
また、中間転写ベルト15(
図1参照)の表面には、それぞれの感光体ドラム11Y、11M、11C、11K、11Pからトナーが付着し、ベルトクリーナ27は、中間転写ベルト15の表面から複数の色の廃トナーを回収する。このため、ベルトクリーナ27により除去された廃トナーの量は多くなりやすい。
本実施の形態の回収部70では、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーを回収する第2回収容器71Bとは異なる第3回収容器71Cに回収している。これにより、例えば、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーをブラックの廃トナーと同じ第2回収容器71Bに回収する場合と比べて、第2回収容器71Bに回収される廃トナーの量が過剰となることが抑制される。
【0030】
(実施の形態2)
続いて、本発明の実施の形態2について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここでは、詳細な説明は省略する。
図3は、実施の形態2が適用される回収部70の構成を説明するための図である。
本実施の形態の回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する第1回収容器72A、第2回収容器72Bおよび第3回収容器72Cを有している。ここで、第1回収容器72Aは、第2回収部の一例であり、第2回収容器72Bは、第1回収部の一例であり、第3回収容器72Cは、第3回収部の一例である。
【0031】
図3に示すように、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器72Aは、ドラムクリーナ17Yにより感光体ドラム11Yの表面から除去されたイエローの廃トナー、およびドラムクリーナ17Mにより感光体ドラム11Mの表面から除去されたマゼンタの廃トナーを回収する。
また、第2回収容器72Bは、ドラムクリーナ17Cにより感光体ドラム11Cの表面から除去されたシアンの廃トナー、ドラムクリーナ17Kにより感光体ドラム11Kの表面から除去されたブラックの廃トナー、およびドラムクリーナ17Pにより感光体ドラム11Pの表面から除去された特色の廃トナーを回収する。
さらに、第3回収容器72Cは、ベルトクリーナ27により中間転写ベルト15の表面から除去された廃トナーを回収する。
【0032】
本実施の形態の回収部70では、実施の形態1と同様に、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、廃トナーの量が少ない感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された特色の廃トナーとを、同じ回収容器(第2回収容器72B)に回収している。これにより、例えば、ブラックの廃トナーを特色の廃トナーとは異なる第1回収容器72Aに回収する場合と比べて、ブラックの廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過剰となったり、特色の廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過少となったりすることが抑制される。この結果、複数の回収容器のうち、第1回収容器72Aと第2回収容器72Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0033】
さらに、本実施の形態の回収部70では、実施の形態1と同様に、中間転写ベルト15(
図1参照)からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーを回収する第2回収容器72Bとは異なる第3回収容器72Cに回収している。これにより、例えば、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーをブラックの廃トナーと同じ第2回収容器72Bに回収する場合と比べて、第2回収容器72Bに回収される廃トナーの量が過剰となることが抑制される。
【0034】
また、本実施の形態の回収部70では、感光体ドラム11Yからドラムクリーナ17Yにより除去されたイエローの廃トナー、および感光体ドラム11Mからドラムクリーナ17Mにより除去されたマゼンタの廃トナーを第1回収容器72Aに回収している。付言すると、回収部70では、ブラック以外の通常色(イエロー、マゼンタ、シアン)のうち2色の廃トナーを第1回収容器72Aに回収している。
この一方で、回収部70では、感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された特色の廃トナーとに加えて、感光体ドラム11Cからドラムクリーナ17Cにより除去されたシアンの廃トナーを第2回収容器72Bに回収している。付言すると、回収部70では、ブラック以外の通常色(イエロー、マゼンタ、シアン)のうち1色の廃トナーを第2回収容器72Bに回収している。
【0035】
すなわち、本実施の形態の回収部70では、第2回収容器72Bで回収するブラック以外の通常色の色数が、第1回収容器72Aで回収するブラック以外の通常色の色数と比べて少ない。
これにより、回収部70では、ブラックの廃トナーと、ブラック以外の通常色の廃トナーとを同じ回収容器(第2回収容器72B)で回収した場合であっても、第2回収容器72Bで回収するブラック以外の通常色の色数が、第1回収容器72Aで回収するブラック以外の通常色の色数以上である場合と比べて、第2回収容器72Bに回収される廃トナーの量が過剰となることが抑制される。
【0036】
(実施の形態3)
続いて、本発明の実施の形態3について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここでは、詳細な説明は省略する。
図4は、実施の形態3が適用される回収部70の構成を説明するための図である。
本実施の形態の回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する第1回収容器73Aおよび第2回収容器73Bを有している。ここで、第1回収容器73Aは、第2回収部の一例であり、第2回収容器73Bは、第1回収部の一例である。
【0037】
図4に示すように、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器73Aは、ドラムクリーナ17Yにより感光体ドラム11Yの表面から除去された廃トナー、ドラムクリーナ17Mにより感光体ドラム11Mの表面から除去された廃トナー、およびドラムクリーナ17Cにより感光体ドラム11Cの表面から除去された廃トナーを回収する。
また、第2回収容器73Bは、ドラムクリーナ17Kにより感光体ドラム11Kの表面から除去された廃トナー、ドラムクリーナ17Pにより感光体ドラム11Pの表面から除去された廃トナー、およびベルトクリーナ27により中間転写ベルト15の表面から除去された廃トナーを回収する。
【0038】
本実施の形態の回収部70では、実施の形態1と同様に、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、廃トナーの量が少ない感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された特色の廃トナーとを、同じ回収容器(第2回収容器73B)に回収している。これにより、例えば、ブラックの廃トナーを特色の廃トナーとは異なる第1回収容器73Aに回収する場合と比べて、ブラックの廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過剰となったり、特色の廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過少となったりすることが抑制される。この結果、第1回収容器73Aと第2回収容器73Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0039】
また、本実施の形態の回収部70では、中間転写ベルト15(
図1参照)からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、第2回収容器73Bに回収している。これにより、例えば、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを第1回収容器73Aおよび第2回収容器73B以外の回収容器に回収する場合と比べて、回収部70に必要な回収容器の数を少なくすることができる。
【0040】
(実施の形態4)
続いて、本発明の実施の形態4について説明する。なお、実施の形態1と同様の構成については同様の符号を用い、ここでは、詳細な説明は省略する。
図5は、実施の形態4が適用される画像形成装置100を示した概略構成図である。
この画像形成装置100は、それぞれ、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K)の画像を形成する画像形成ユニット1Y、1M、1C、1Kを有している。また、画像形成装置100は、第1の特色の画像を形成する画像形成ユニット1Pと、第1の特色とは異なる第2の特色の画像を形成する画像形成ユニット1Qとを有している。
【0041】
また、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1P、1Qの各々には、実施の形態1と同様に、感光体ドラム11、帯電器12、レーザ露光器13、現像装置14、一次転写ロール16、ドラムクリーナ17等が設けられている。以下の説明では、画像形成ユニット1Y、1M、1C、1K、1P、1Qのそれぞれに設けられる感光体ドラム11を、感光体ドラム11Y、11M、11C、11K、11P、11Qと表記し、ドラムクリーナ17を、ドラムクリーナ17Y、17M、17C、17K、17P、17Qと表記する場合がある。
【0042】
続いて、本実施の形態の回収部70について説明する。
図6は、実施の形態4が適用される回収部70の構成を説明するための図である。
本実施の形態の回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する第1回収容器74A、第2回収容器74Bおよび第3回収容器74Cを有している。ここで、第1回収容器74Aは、第2回収部の一例であり、第2回収容器74Bは、第1回収部の一例であり、第3回収容器74Cは、第3回収部の一例である。
【0043】
図6に示すように、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器74Aは、ドラムクリーナ17Pにより感光体ドラム11Pの表面から除去された第1の特色の廃トナー、ドラムクリーナ17Yにより感光体ドラム11Yの表面から除去されたイエローの廃トナー、およびドラムクリーナ17Mにより感光体ドラム11Mの表面から除去されたマゼンタの廃トナーを回収する。
また、第2回収容器74Bは、ドラムクリーナ17Cにより感光体ドラム11Cの表面から除去されたシアンの廃トナー、ドラムクリーナ17Kにより感光体ドラム11Kの表面から除去されたブラックの廃トナー、およびドラムクリーナ17Qにより感光体ドラム11Qの表面から除去された第2の特色の廃トナーを回収する。
また、第3回収容器74Cは、ベルトクリーナ27により中間転写ベルト15(
図5参照)から除去された廃トナーを回収する。
【0044】
本実施の形態の回収部70では、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、廃トナーの量が少ない特色の廃トナーのうち、感光体ドラム11Qからドラムクリーナ17Qにより除去された第2の特色の廃トナーとを、同じ回収容器(第2回収容器74B)に回収している。これにより、例えば、ブラックの廃トナーと、2色の特色の廃トナーとを互いに異なる回収容器に回収する場合と比べて、2色の特色の廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過少となることが抑制される。この結果、第1回収容器74Aと第2回収容器74Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0045】
また、本実施の形態の回収部70では、感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された第1の特色の廃トナーを第1回収容器74Aで回収するとともに、感光体ドラム11Qからドラムクリーナ17Qにより除去された第2の特色の廃トナーを第2回収容器74Bで回収している。付言すると、本実施の形態の回収部70では、2色の特色の廃トナーを、互いに異なる回収容器で回収している。これにより、例えば2色の特色の廃トナーを同じ回収容器で回収する場合と比べて、第1回収容器74Aと第2回収容器74Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0046】
さらに、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器74Aにおいて、第1の特色、イエローおよびマゼンタの3色の廃トナーを回収するとともに、第2回収容器74Bにおいて、シアン、ブラックおよび第2の特色の3色の廃トナーを回収している。すなわち、第1回収容器74Aと第2回収容器74Bとで回収する廃トナーの色数が等しい。これにより、例えば第1回収容器74Aと第2回収容器74Bとで回収する廃トナーの色数が互いに異なる場合と比べて、第1回収容器74Aで回収される廃トナーの量と第2回収容器74Bで回収される廃トナーの量との差を小さくすることができる。
【0047】
さらにまた、本実施の形態の回収部70では、実施の形態1と同様に、中間転写ベルト15(
図5参照)からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーを回収する第2回収容器74Bとは異なる第3回収容器74Cに回収している。これにより、例えば、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーをブラックの廃トナーと同じ第2回収容器74Bに回収する場合と比べて、第2回収容器74Bに回収される廃トナーの量が過剰となることが抑制される。
【0048】
本実施の形態では、画像形成ユニット1P、1Y、1Mは、鉛直方向の高さが略同一に設けられており、画像形成ユニット1C、1K、1Qは、画像形成ユニット1P、1Y、1Mよりも鉛直下方に設けられている。
回収部70では、第1回収容器74Aにおいて、第1の特色、イエロー、およびマゼンタの3色の廃トナーを回収するとともに、第2回収容器74Bにおいて、シアン、ブラックおよび第2の特色の3色の廃トナーを回収している。すなわち、回収部70では、鉛直上方に設けられる画像形成ユニットに対応する色の廃トナーを回収する第1回収容器74Aと、鉛直下方に設けられる画像形成ユニットに対応する色の廃トナーを回収する第2回収容器74Bとを設けている。これにより、回収部70による廃トナーの回収経路を、鉛直上方側と鉛直下方側とに分割したうえで、それぞれの回収容器に廃トナーを案内することが容易になる。
【0049】
(実施の形態5)
続いて、本発明の実施の形態5について説明する。なお、実施の形態1、実施の形態4と同様の構成については同様の符号を用い、ここでは、詳細な説明は省略する。
図7は、実施の形態5が適用される回収部70の構成を説明するための図である。
本実施の形態の回収部70は、それぞれが廃トナーを回収する第1回収容器75Aおよび第2回収容器75Bを有している。ここで、第1回収容器75Aは、第2回収部、第3回収部または他の回収部の一例であり、第2回収容器75Bは、第1回収部または一の回収部の一例である。
【0050】
図7に示すように、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器75Aは、ドラムクリーナ17Pにより感光体ドラム11Pの表面から除去された第1の特色の廃トナー、ドラムクリーナ17Yにより感光体ドラム11Yの表面から除去されたイエローの廃トナー、ドラムクリーナ17Mにより感光体ドラム11Mの表面から除去されたマゼンタの廃トナー、およびベルトクリーナ27により中間転写ベルト15(
図5参照)から除去された廃トナーを回収する。
また、第2回収容器75Bは、ドラムクリーナ17Cにより感光体ドラム11Cの表面から除去されたシアンの廃トナー、ドラムクリーナ17Kにより感光体ドラム11Kの表面から除去されたブラックの廃トナー、およびドラムクリーナ17Qにより感光体ドラム11Qの表面から除去された第2の特色の廃トナーを回収する。
【0051】
本実施の形態の回収部70では、実施の形態4と同様に、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーと、廃トナーの量が少ない特色の廃トナーのうち、感光体ドラム11Qからドラムクリーナ17Qにより除去された第2の特色の廃トナーとを、同じ回収容器(第2回収容器75B)に回収している。これにより、例えば、ブラックの廃トナーと、2色の特色の廃トナーとを互いに異なる回収容器に回収する場合と比べて、2色の特色の廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過少となることが抑制される。この結果、第1回収容器75Aと第2回収容器75Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0052】
また、本実施の形態の回収部70では、実施の形態4と同様に、感光体ドラム11Pからドラムクリーナ17Pにより除去された第1の特色の廃トナーを第1回収容器75Aで回収するとともに、感光体ドラム11Qからドラムクリーナ17Qにより除去された第2の特色の廃トナーを第2回収容器75Bで回収している。付言すると、本実施の形態の回収部70では、2色の特色の廃トナーを、互いに異なる回収容器で回収している。これにより、例えば2色の特色の廃トナーを同じ回収容器で回収する場合と比べて、第1回収容器75Aと第2回収容器75Bとに回収される廃トナーの量の差を小さくすることができる。
【0053】
さらに、本実施の形態の回収部70では、第1回収容器75Aにおいて、第1の特色、イエローおよびマゼンタの3色の廃トナーを回収するとともに、第2回収容器75Bにおいて、シアン、ブラックおよび第2の特色の3色の廃トナーを回収している。すなわち、第1回収容器75Aと第2回収容器75Bとで回収する廃トナーの色数が等しい。これにより、例えば第1回収容器75Aと第2回収容器75Bとで回収する廃トナーの色数が互いに異なる場合と比べて、第1回収容器75Aで回収される廃トナーの量と第2回収容器75Bで回収される廃トナーの量との差を小さくすることができる。
【0054】
さらにまた、本実施の形態の回収部70では、廃トナーの量が多い中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、廃トナーの量が多い感光体ドラム11Kからドラムクリーナ17Kにより除去されたブラックの廃トナーを回収する第2回収容器75Bとは異なる第1回収容器75Aに回収している。これにより、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを、ブラックの廃トナーを回収する回収容器(例えば、第2回収容器75B)に回収する場合と比べて、ブラックの廃トナーを回収する回収容器の廃トナーの回収量が他の回収容器と比べて過剰となることが抑制される。
また、中間転写ベルト15からベルトクリーナ27により除去された廃トナーを第1回収容器75Aおよび第2回収容器75B以外の回収容器に回収する場合と比べて、回収部70に必要な回収容器の数を少なくすることができる。
【0055】
本実施の形態では、画像形成ユニット1P、1Y、1Mは、鉛直方向の高さが略同一に設けられており、画像形成ユニット1C、1K、1Qは、画像形成ユニット1P、1Y、1Mよりも鉛直下方に設けられている。また、ベルトクリーナ27は、鉛直方向において画像形成ユニット1Cよりも画像形成ユニット1P、1Y、1Mに近い高さに設けられている。
回収部70では、第1回収容器75Aにおいて、第1の特色、イエローおよびマゼンタの3色の廃トナーおよびベルトクリーナ27により除去された廃トナーを回収するとともに、第2回収容器75Bにおいて、シアン、ブラックおよび第2の特色の3色の廃トナーを回収している。すなわち、回収部70では、鉛直上方に設けられる画像形成ユニットおよびベルトクリーナ27から生じた廃トナーを回収する第1回収容器75Aと、鉛直下方の画像形成ユニットに対応する色の廃トナーを回収する第2回収容器75Bとを設けている。これにより、回収部70による廃トナーの回収経路を、鉛直上方側と鉛直下方側とに分割したうえで、それぞれの回収容器に廃トナーを案内することが容易になる。
【0056】
以上、本発明の実施の形態1~実施の形態5について説明したが、本発明は、本発明の目的を損なわない限り、上記の実施の形態に限定されるものではなく、必要に応じて変更してもよい。
例えば、上記では、中間転写ベルト15を有する画像形成装置100を例示したが、感光体ドラム11に形成された画像を用紙50に直接転写する所謂直接転写方式の画像形成装置に適用してもよい。この場合、それぞれの感光体ドラム11から除去された廃トナーを、上述した実施の形態1~実施の形態5のように回収すればよい。
【符号の説明】
【0057】
1Y、1M、1C、1K、1P、1Q…画像形成ユニット、11、11Y、11M、11C、11K、11P、11Q…感光体ドラム、12…帯電器、13…レーザ露光器、14…現像装置、15…中間転写ベルト、16…一次転写ロール、17、17Y、17M、17C、17K、17P、17Q…ドラムクリーナ、20…二次転写部、27…ベルトクリーナ、70…回収部、71A、72A、73A、74A、75A…第1回収容器、71B、72B、73B、74B、75B…第2回収容器、71C、72C、74C…第3回収容器、100…画像形成装置