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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】空気調和装置用室内機
(51)【国際特許分類】
   F24F 13/20 20060101AFI20240509BHJP
【FI】
F24F1/0007 401A
【請求項の数】 5
(21)【出願番号】P 2020058688
(22)【出願日】2020-03-27
(65)【公開番号】P2021156523
(43)【公開日】2021-10-07
【審査請求日】2023-01-31
(73)【特許権者】
【識別番号】000006611
【氏名又は名称】株式会社富士通ゼネラル
(74)【代理人】
【識別番号】100103850
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 秀▲てつ▼
(74)【代理人】
【識別番号】100066980
【弁理士】
【氏名又は名称】森 哲也
(72)【発明者】
【氏名】大林 寛明
(72)【発明者】
【氏名】久保田 孝佑
(72)【発明者】
【氏名】孫 君靖
(72)【発明者】
【氏名】井口 和樹
【審査官】石田 佳久
(56)【参考文献】
【文献】特開2016-038174(JP,A)
【文献】実開昭63-015418(JP,U)
【文献】実開昭57-077828(JP,U)
【文献】実公昭48-025767(JP,Y1)
【文献】特開平06-074483(JP,A)
【文献】特開平10-009606(JP,A)
【文献】特開平08-028951(JP,A)
【文献】特開平08-114352(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F24F 13/20
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
正面に配置された正面パネルと、前記正面パネルの左右方向両端部に配置されたサイドパネルと、底面に設けられた開口部と、を含む本体と、
前記本体の背面に取付けられると共に室内の壁面に取付けられる据付板と、
前記開口部を塞ぐ下面カバーと、
前記正面パネルと前記下面カバーとの間に形成された吹出口と、
前記本体内部に配置される室内熱交換器に接続する内部冷媒配管と、
前記本体内部の底面側であって前記開口部に露出して配置され、前記内部冷媒配管の端部に取付けられて室外機からの外部冷媒配管に着脱可能に接続する配管接続部と、を有して室内の壁面に取付けられる空気調和装置用室内機において、
前記本体は、
前記サイドパネルの下端側であって、前記開口部の開口に連続して開口する切り欠き開口部と、
前記本体内部の前記内部冷媒配管よりも底面側であって、前記配管接続部を挟んだ左右方向それぞれの位置に前記内部冷媒配管を支持できる配管押さえブラケットと、を有しており、
前記下面カバーは、前記開口部の中央部の開口を塞ぐ平板状の中央カバーと、前記中央カバーの左右両端部側それぞれに配置されて前記開口部の端部側の開口と前記切り欠き開口部の開口とを塞ぐ略L字形状の端部カバーとを備え、
前記中央カバー及び前記配管押さえブラケットは、前記本体に対して着脱可能に取付けられ、
左右両端部側の前記端部カバーは、前記本体と前記配管押さえブラケットに対して着脱可能に取付けられていることを特徴とする空気調和装置用室内機。
【請求項2】
前記本体の底面側には、前記配管押さえブラケットを締結手段により前記本体に取り付けるためのブラケット台座部と、前記中央カバーを締結手段により前記本体に取り付けるためのパネル台座部と、が配置され、
前記締結手段によって前記配管押さえブラケットを前記ブラケット台座部へ取付ける場合における前記締結手段の取付け方向と、前記締結手段によって前記中央カバーを前記パネル台座部へ取り付ける場合における締結手段の取付け方向は、前記本体の正面側から背面側への方向であることを特徴とする請求項1に記載の空気調和装置用室内機。
【請求項3】
前記配管押さえブラケットは、前記中央カバーを前記配管押さえブラケットに仮止め固定する仮止め係止手段を有しており、
前記中央カバーを、前記仮止め係止手段に対して仮止め固定する場合における取付け方向は、前記本体の正面側から背面側への方向であることを特徴とする請求項1または2に記載の空気調和装置用室内機。
【請求項4】
前記内部冷媒配管の少なくとも一部は可撓性を有して、前記配管接続部を前記切り欠き開口部に臨むように変形できることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載の空気調和装置用室内機。
【請求項5】
前記本体は前記据付板に対して、上部側を支点に揺動可能に取付けられることを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の空気調和装置用室内機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空気調和装置の室内機に関し、特に、部屋の壁面に取り付けて使用される室内機の構造に関する。
【背景技術】
【0002】
空気調和装置の室内機として、例えば、特許文献1に示すような、本体の左右両端部に配置される側板(以下、サイドパネルという。)を備えて室内の壁面に背面側が固定される空気調和装置の室内機であって、図示されていない室内熱交換器と、室内熱交換器に接続する補助配管(以下、内部冷媒配管という。)と、内部冷媒配管の端部に位置して室外機からの接続配管(以下、外部冷媒配管という。)に着脱可能に接続する冷媒配管接続口(以下、配管接続部という。)と、が内部に配置されると共に、底面側の台枠底板(以下、下面カバーという。)に開口部が設けられ、その開口部を覆う底蓋が下面カバーに対して着脱可能に取り付けられている室内機が知られている。
【0003】
特許文献1に示す室内機における、底蓋が下面カバーに対して着脱可能に取り付けられる構造は、底蓋側に設けられた突起部の先端にある凸部と、下面パネル側に設けられた凹部とで構成された着脱手段であって、蓋板を下面カバー側に押し込むことによって凸部を凹部に係合させて、底蓋が下面カバーに取り付けられる構造である。
従って、外部冷媒配管と内部冷媒配管を接続する作業は、底蓋を下面カバーから下方へ引いて取り外してから、外部冷媒配管と内部冷媒配管を接続する作業を行い、作業終了後は、底蓋を下方から下面カバーに向かって押し込んで、底蓋を下面カバーに取り付けることとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【文献】実開平4-43735号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に示された室内機では、室内機の側面側から伸びてくる外部冷媒配管を室内冷媒配管の配管接続部に接続する作業を行う場合、室内機の左右両端部に配置されるサイドパネルのどちらか一方を外して、外部冷媒配管と内部冷媒配管の配管接続部とを接続する作業を行わなければならなかったため、作業が容易でないという問題があった。
また、外部冷媒配管と内部冷媒配管を支持する部材がないので、外部冷媒配管と内部冷媒配管の自重が底蓋に加わるため、底蓋が変形してしまうという問題もあった。
さらに、外部冷媒配管と内部冷媒配管の配管接続部とを接続する作業を行う場合に、底蓋を下面カバーから下方へ引いて取り外す必要があるが、室内の壁面に背面側が固定される室内機の場合、室内機の下側に物があると、底蓋を下面パネルから取り外す作業が容易でないという問題もあった。
本発明は、上記課題に鑑み、空気調和装置用室内機における外部冷媒配管と内部冷媒配管を接続する際の作業性を向上させることができる空気調和装置用室内機を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一の態様は、正面に配置された正面パネルと、前記正面パネルの左右方向両端部に配置されたサイドパネルと、底面に設けられた開口部と、を含む本体と、前記本体の背面に取付けられると共に室内の壁面に取付けられる据付板と、前記開口部を塞ぐ下面カバーと、前記正面パネルと前記下面カバーとの間に形成されたと、前記本体内部に配置される室内熱交換器に接続する内部冷媒配管と、前記本体内部の底面側であって前記開口部に露出して配置され、前記内部冷媒配管の端部に取付けられて室外機からの外部冷媒配管に着脱可能に接続する配管接続部と、を有して室内の壁面に取付けられる空気調和装置用室内機において、前記本体は、前記サイドパネルの下端側であって、前記開口部の開口に連続して開口する切り欠き開口部と、前記本体内部の前記内部冷媒配管よりも底面側であって、前記配管接続部を挟んだ左右方向それぞれの位置に前記内部冷媒配管を支持できる配管押さえブラケットと、を有しており、前記下面カバーは、前記開口部の中央部の開口を塞ぐ平板状の中央カバーと、前記中央カバーの左右両端部側それぞれに配置されて前記開口部の端部側の開口と前記切り欠き開口部の開口とを塞ぐ略L字形状の端部カバーとを備え、前記中央カバー及び前記配管押さえブラケットは、前記本体に対して着脱可能に取付けられ、左右両端部側の前記端部カバーは、前記本体と前記配管押さえブラケットに対して着脱可能に取付けられている空気調和装置用室内機である。
【0007】
本発明の別の態様は、一の態様の発明において、前記本体の底面側には、前記配管押さえブラケットを締結手段により前記本体に取り付けるためのブラケット台座部と、前記中央カバーを締結手段により前記本体に取り付けるためのパネル台座部と、が配置され、前記締結手段によって前記配管押さえブラケットを前記ブラケット台座部へ取付ける場合における前記締結手段の取付け方向と、前記締結手段によって前記中央カバーを前記パネル台座部へ取り付ける場合における締結手段の取付け方向は、前記本体の正面側から背面側への方向である空気調和装置用室内機である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、本体は、サイドパネルの下端側であって、開口部の開口に連続して開口する切り欠き開口部と、本体内部の内部冷媒配管よりも底面側であって、配管接続部を挟んだ左右方向それぞれの位置に内部冷媒配管を支持できる配管押さえブラケットと、を有しており、下面カバーは、開口部の中央部の開口を塞ぐ平板状の中央カバーと、中央カバーの左右両端部側それぞれに配置されて開口部の端部側の開口と前記切り欠き開口部の開口とを塞ぐ略L字形状の端部カバーとを備え、中央カバー及び配管押さえブラケットは、本体に対して着脱可能に取付けられ、左右両端部側それぞれに配置される端部カバーは、本体と配管押さえブラケットに対して着脱可能に取付けられているため、室内機の側面側から伸びてくる外部冷媒配管を室内冷媒配管の配管接続部に接続する作業を行う場合、サイドパネルを本体から外すことなく、中央カバーを本体から外し、端部カバーを本体と配管押さえブラケットから外すだけで、外部冷媒配管を室内冷媒配管の配管接続部に接続する作業を行うことができるため、作業の効率化を図ることができる。
【0009】
また、本体は、本体内部の内部冷媒配管よりも底面側であって、配管接続部を挟んだ左右方向それぞれの位置に内部冷媒配管を支持できる配管押さえブラケットを有しているため、内部冷媒配管の自重が下面カバーに直接加わらないので、下面カバーの変形を防止できる。
さらに、締結手段によって配管押さえブラケットをブラケット台座部へ取付ける場合における前記締結手段の取付け方向と、締結手段によって中央カバーをパネル台座部へ取り付ける場合における前記締結手段の取付け方向は、本体の正面側から背面側への方向であるため、室内機の下側に物があっても、配管押さえブラケットと中央カバーとを室内機の本体に着脱させる際の作業性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】室内調和装置の室内機の斜視図である。
図2】室内調和装置の室内機の中央カバーを外した斜視図である。
図3】室内調和装置の室内機の下面カバーと配管押さえブラケットを外した斜視図である。
図4】室内調和装置の室内機の断面図である。
図5】端部カバーを本体に取付けた状態の概略図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図1は、本実施形態における空気調和装置の室内機1の正面を右斜め下側から示す斜視図であり、図2は、後述する中央カバーを外した状態の室内機1の正面を右斜め下側から示す斜視図であり、図3は、中央カバーと後述する配管押さえブラケットとを外した状態の室内機1の正面を右斜め下側から示す斜視図であり、図4は、空気調和装置の室内機1の断面図である。
【0012】
本実施形態における空気調和装置の室内機1は、室内機1が設置される室内の図示しない壁面に室内機1の背面が固定されて設置されるタイプの室内機であり、図1から図3に示すように、室内機1は横長の直方体形状であって、正面側に配置された正面パネル2と、上面側に配置された上面パネル3と、左右の両端側に配置されたサイドパネル4と、底面の背面側であって室内機の長手方向全域に渡って開口する開口部5を備えた本体6と、本体6の背面に取付けられると共に室内の壁面に取付けられる据付板7と、を有している。
【0013】
本体背面の下側にも室内機1の長手方向全域に渡って開口する背面側開口部8が設けられており、開口部5の開口と背面側開口部8の開口は、連続して開口している。また、本体6の左右両端部に配置されたサイドパネル4の下端側の背面側には、開口部5と背面側開口部8との両方に連続して開口する切り欠き開口部9が形成されている。
【0014】
本体6の底面には、開口部5の開口を塞ぐ下面カバー10が本体6に対して着脱可能に取付けられており、正面パネル2と下面カバー10との間には、正面パネルから下面カバー10に向かって傾斜するように図示しない吹出口11が形成されており、吹出口11には吹出口11を覆う可動パネル12が本体6に対して揺動可能に取付けられている。可動パネル12は、空気調和装置の運転時には吹出口11を開き、角度を任意に変えることによって後述する室内熱交換器20を通過した空気流の向きを変え、空気調和装置の運転停止時には吹出口11を閉じる蓋としての機能を有している。
【0015】
下面カバー10は、開口部5の左右方向の中央の部位の開口を塞ぐ中央カバー13と、開口部5の左側の部位の開口と左端側のサイドパネル4に形成された切り欠き開口部9の開口の両方を塞ぐ左側の端部カバー141と、開口部5の右側の部位の開口と右端側のサイドパネル4に形成された切り欠き開口部9の開口の両方を塞ぐ右側の端部カバー142、とを有している。
【0016】
本体6の内部には、室内熱交換器20と室内ファン21とドレンパン22と、室内熱交換器20に接続する内部冷媒配管25と、内部冷媒配管25の端部に取付けられて図示しない室外機からの外部冷媒配管に着脱可能に接続する配管接続部26とが配置されており、配管接続部26は、本体6の内部の底面側であって開口部5の長手方向略中央に配置しており、下面カバー10を本体6から外した状態では、開口部5を通して配管接続部26が視認できるようになっている。従って、外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26との接続作業は、開口部5を通して行うことが可能である。
【0017】
尚、内部冷媒配管25、配管接続部26、外部冷媒配管は、それぞれ、室外機から室内機1へ冷媒を送る流入側と、室内機1から室外機へ冷媒を送る流出側の2セットが配置されている。
また、内部冷媒配管25の一部は可撓性を有している。そのため、外部冷媒配管が室内機1に対して左右のどちら側の位置からでも接続できるように、内部冷媒配管25をまげて配管接続部26を開口部5の左側端部の近傍または右側端部の近傍に配置できるようになっている。
【0018】
本体6の内部には、内部冷媒配管25よりも底面側であって、開口部5の中央に配置された配管接続部26を挟むように、かつ、配管接続部26から十分に離れた左右方向それぞれの位置に、内部冷媒配管25を支持できる板状の配管押さえブラケット30が開口部5に面して2か所配置されており、下面カバー10を本体6から外した状態では、配管押さえブラケット30が視認できるよう開口部5に露出している。本実施形態では、配管押さえブラケット30は、本体6の長手方向幅の端部側から略1/4の位置であって、配管押さえブラケット30の板状面が室内機1の底面と略平行になるように配置されている。
開口部5を通して配管接続部26が視認できるようになっているため、外部冷媒配管と配管接続部26との接続作業は、2か所に配置された配管押さえブラケット30の間のスペースから容易に行うことができ、また、配管押さえブラケット30は、内部冷媒配管25と外部冷媒配管を支持できる位置に配置されているため、内部冷媒配管25と外部冷媒配管とが自重によって、直接、下面カバー10に接触することを防止することができる。
【0019】
本体6の底面側には、配管押さえブラケット30を締結手段であるネジ35によって本体6に取り付けるためのブラケット台座部36が本体6の長手方向幅の端部側から本体6の幅の略1/4の位置の2か所に配置され、また、中央カバー13を締結手段であるネジ35により本体6に取り付けるためのパネル台座部37が中央と両端部側との3か所に配置されている。ブラケット台座部36とパネル台座部37にはネジを締結するためのネジ孔36a、37aがそれぞれ設けられており、それぞれのネジ孔36a、37aは正面側に向かって開口している。
【0020】
図5は、左側のサイドパネル4と、本体に取付いた配管押さえブラケット30とに、左側の端部カバー141が取付いた状態の概略を示し、図5の下側が室内機1の底面側、図5の左側が室内機1の左端側を示す。尚、右側のサイドパネル4と、本体に取付いた配管押さえブラケット30とに、右側の端部カバー142が取付いた状態は省略するが、左右の向きが図5と異なるだけであり、他の構成は同じとなっている。左端側のサイドパネル4と右端側のサイドパネル4それぞれの切り欠き開口部9の近傍には、左側の端部カバー141と右側の端部カバー142のそれぞれを係止するための、端部カバー用ケース側係止部4aが設けられている。端部カバー用ケース側係止部4aは、切り欠き開口部9の上方向側近傍のサイドパネル4の内部面から内部側に向かって凸状に突設している。
【0021】
図2、3に示すように、配管押さえブラケット30には、本体6のブラケット台座部36に取付けるためのネジ用孔30aと、中央カバー13を配管押さえブラケット30に仮止め固定するための仮止め係止手段としてのツメ部30bと、図4に示すように、左側の端部カバー141または右側の端部カバー142を取付けるための端部カバー用係止部30cと、が設けられている。図4の断面図は、本体6に配管押さえブラケット30が取付けられた状態を示しており、本体6に配管押さえブラケット30が取付けられた状態において、配管押さえブラケット30の外部側面であって正面側にツメ部30bの先端が向くように、また、配管押さえブラケット30の板状面と略平行になるようにツメ部30bは形成されている。また、端部カバー用係止部30cは、本体6に配管押さえブラケット30が取付けられた状態において、本体6の内部側に向かって凸状に突設している。
【0022】
中央カバー13は、室内機1の長手方向に長い形状に形成されて開口部5の開口を覆う平板状の化粧板部13aと、化粧板部13aの長手方向と同じ幅であって化粧板部13aの前端側から屈曲して吹出口の一部を構成する前端側化粧部13bと、前端側化粧部13bの所定位置に設けられて中央カバー13をネジ35で本体6に取付けるためのネジ用孔13cが形成されたボス部13dと、中央カバー13を配管押さえブラケット30に設けられたツメ部30bに正面側から差し込んで、中央カバー13を仮止め固定することができる差し込み溝部13eを備えている。本実施形態では、ボス部13dは本体6のパネル台座部37の位置に一致するように、中央カバー13の長手方向3か所に設けられており、差し込み溝部13eは、本体6に取付けられた配管押さえブラケット30のツメ部30bの位置に一致するように、中央カバーの長手方向に2か所設けられている。図4の断面図では、差し込み溝部13eがツメ部30bに差し込まれた状態を示しており、差し込み溝部13eの開口は、中央カバー13を配管押さえブラケット30に設けられたツメ部30bに正面側から差込めるように、中央カバー13を配管押さえブラケット30に差し込む状態において、ツメ部30bの先端に対向する向きで開いている。
【0023】
ここで、左側の端部カバー141と右側の端部カバー142において共通する構成には、共通の番号を用いて説明する。左側の端部カバー141は、略L字形状であって開口部5の左側の開口を塞ぐ底面カバー部14aと、左端側のサイドパネル4に形成された切欠開口部9を塞ぐ側面カバー部14bとを有し、右側の端部カバー142も同様に、略L字形状であって開口部5の右側の開口を塞ぐ底面カバー部14aと、右端側のサイドパネル4に形成された切欠開口部9を塞ぐ側面カバー部14bとを有しており、開口部5は、左側の端部カバー141の底面カバー部14aと、中央カバー13と、右側の端部カバー142の底面カバー部14aと、で塞がれ、サイドパネル4に形成された左右の切欠開口部9のそれぞれは、左側の端部カバー141の側面カバー部14bと、右側の端部カバー142の側面カバー部14bのそれぞれで塞がれる。
【0024】
図5に示すように、左側と右側それぞれの端部カバー141,142における底面カバー部14aの中央カバー13側の端面部には、配管押さえブラケット30に設けられた端部カバー用係止部30cに係止する凹状の底面カバー部側被係止部14cが設けられ、左側と右側それぞれの端部カバー141,142における側面カバー部14bの上端面部には、左側と右側それぞれのサイドパネル4に設けられた端部カバー用ケース側係止部4aに係止する凹状の側面カバー部側被係止部14dが設けられており、端部カバー141,142の本体6への取付けは、底面カバー部14aの凹状の底面カバー部側被係止部14cを、本体6に取付けられた状態の配管押さえブラケット30に設けられた凸状の端部カバー用係止部30cに係止し、側面カバー部14bの凹状の側面カバー部側被係止部14dをサイドパネル4に設けられた凸状の端部カバー用ケース側係止部4aに係止させることで、工具を使わず容易に、取付けることができ、また、それぞれの係止部30c、4aと被係止部14c、14dの係止を解除することで工具を使わず容易に取外しすることができる。
【0025】
本体6は据付板7に対して、本体6の上部の背面側を支点にして本体下側を正面側に向けて揺動できるように取付けられており、本体6の背面の下側は室内機1が設置される壁面に対して大きく開口することが可能となっている。
従って、外部冷媒配管と内部冷媒配管の配管接続部との接続作業を行う際に、本体の背面の下側を室内機が設置される壁面に対して大きく開口させることによって、外部冷媒配管と内部冷媒配管の配管接続部との接続作業を容易に行うことができる。
【0026】
中央カバー13の本体6への取付けは、中央カバー13の差し込み溝部13eを室内機1の正面側から本体6に取付けられた配管押さえブラケット30のツメ部30bに向かって差し込んで、中央カバー13を配管押さえブラケット30に仮止め固定する。次に、配管押さえブラケット30に仮止め固定された中央カバー13のネジ用孔13cを介してネジ35を本体に設けられたパネル台座部37のネジ孔37aに差し込み、工具であるドライバーを用いて室内機の正面側から締めていく。中央カバー13の本体6からの取外しは、逆の作業で行える。
【0027】
外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26との接続を行う場合において、配管押さえブラケット30を本体6のブラケット台座部36から取外し、または、取付けを行う作業は、本体6のブラケット台座部36に設けられたネジ孔36aは正面側に向かって開口しているため、工具であるドライバーを正面側から使用できるので、室内機6の底面側に何かモノが配置されているような場合でも、配管押さえブラケット30の着脱が容易に行える。
【0028】
また、同様に、外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26の接続を行う場合において、中央カバー13を本体6のパネル台座部37にネジ35で取付け、または、取外しを行う作業は、本体6のパネル台座部37に設けられたネジ孔37aは正面側に向かって開口しているため、工具であるドライバーを正面側から使用できるので、室内機1の底面側に何かモノが配置されているような場合でも、中央カバー13の着脱が容易に行える。
【0029】
さらに、中央カバー13を配管押さえブラケット30に仮止め固定することができると共に、その仮止め固定は、中央カバー13に設けられた差し込み溝部13eを配管押さえブラケット30に設けられたツメ部30bに正面側から差込んで仮止め固定することができるので、室内機1の底面側に何かモノが配置されているような場合でも、中央カバー13の仮止め固定するための着脱が容易に行える。
【0030】
さらに、外部冷媒配管が室内機1に対して左右どちら側の位置にある場合でも外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26との接続作業は容易にできるように、内部冷媒配管25の一部に可撓性を持たせ、また、端部カバー141,142の本体6への着脱は工具を使わず容易に行えるようにしている。従って、例えば、外部冷媒配管が正面から見て室内機1に対して左側に配置されており、左側から伸びてくる外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26と接続する必要がある場合は、左側の端部カバー141を本体6から取外して、左側の切り欠き開口部9を露出させ、露出した左側の切り欠き開口部9を通して外部冷媒配管を室内機1の内部に引き込み、外部冷媒配管と内部冷媒配管25の配管接続部26の接続作業を行えるので、作業の効率化を図ることができる。
【0031】
以上、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく実施形態の改変は、当業者にとって自明のことである。
【符号の説明】
【0032】
1…空気調和装置用室内機、2…正面パネル、4…サイドパネル、5…開口部、6…本体、7…据付板、9…切り欠き開口部、10…下面カバー、11…吹出口、12…可動パネル、13…中央カバー、141,142…端部カバー、20…室内熱交換器、25…内部冷媒配管、26…配管接続部、30…配管押さえブラケット、30b…ツメ部(仮止め係止手段)、35…ネジ(締結手段)、36…ブラケット台座部、37…パネル台座部
図1
図2
図3
図4
図5