(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】生成装置、生成方法および生成プログラム
(51)【国際特許分類】
H05B 47/105 20200101AFI20240509BHJP
H05B 47/16 20200101ALI20240509BHJP
【FI】
H05B47/105
H05B47/16
(21)【出願番号】P 2020059343
(22)【出願日】2020-03-30
【審査請求日】2022-11-14
(73)【特許権者】
【識別番号】000003757
【氏名又は名称】東芝ライテック株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110002147
【氏名又は名称】弁理士法人酒井国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】近藤 和也
【審査官】安食 泰秀
(56)【参考文献】
【文献】国際公開第2016/002069(WO,A1)
【文献】国際公開第2019/187065(WO,A1)
【文献】特開2013-140911(JP,A)
【文献】特開2020-034230(JP,A)
【文献】特開2019-186135(JP,A)
【文献】特開2017-091622(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H05B 47/105
H05B 47/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ユーザから回収した記憶部を備える
照明装置から、前記記憶部に格納された前記
照明装置の稼働状態に関する状態情報を取得する取得部と;
前記取得部によって取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザによる前記
照明装置の利用に関するフィードバック情報を生成する生成部と;
を具備
し、
前記取得部は、
前記状態情報として、前記照明装置に記憶された稼働情報であって、前記照明装置に関する移動履歴に関するログ情報を取得し、
前記生成部は、
前記移動履歴に関するログ情報に基づいて、前記フィードバック情報を生成する、
生成装置。
【請求項2】
前記取得部は、
前記状態情報として、回収後に計測された前記照明装置の点灯状態を示す点灯情報を取得し、
前記生成部は、
前記点灯情報に基づいて、前記フィードバック情報を生成する、
請求項
1に記載の生成装置。
【請求項3】
前記取得部は、
複数の前記照明装置それぞれの前記点灯情報を取得し、
前記生成部は、
複数の前記点灯情報に基づいて、前記フィードバック情報を生成する、
請求項
2に記載の生成装置。
【請求項4】
前記取得部は、
前記照明装置を使用した前記ユーザを識別する識別情報を取得し、
前記生成部は、
前記識別情報に基づいて、前記ユーザ毎に前記フィードバック情報を生成する、
請求項
2または
3に記載の生成装置。
【請求項5】
前記生成部は、
前記フィードバック情報として、前記ユーザ毎の前記状態情報に基づいて、前記
照明装置の改善点を示す提案情報を前記ユーザ毎に生成する、
請求項1~
4のいずれか一つに記載の生成装置。
【請求項6】
コンピュータが実行する生成方法であって、
ユーザから回収した記憶部を備える
照明装置から、前記記憶部に格納された前記
照明装置の稼働状態に関する状態情報を取得する取得工程と;
前記取得工程によって取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザによる前記
照明装置の利用に関するフィードバック情報を生成する生成工程と;
を含
み、
前記取得工程は、
前記状態情報として、前記照明装置に記憶された稼働情報であって、前記照明装置に関する移動履歴に関するログ情報を取得し、
前記生成工程は、
前記移動履歴に関するログ情報に基づいて、前記フィードバック情報を生成する、
生成方法。
【請求項7】
ユーザから回収した記憶部を備える
照明装置から、前記記憶部に格納された前記
照明装置の稼働状態に関する状態情報を取得する取得手順と;
前記取得手順によって取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザによる前記
照明装置の利用に関するフィードバック情報を生成する生成手順と;
をコンピュータに実行さ
せ、
前記取得手順は、
前記状態情報として、前記照明装置に記憶された稼働情報であって、前記照明装置に関する移動履歴に関するログ情報を取得し、
前記生成手順は、
前記移動履歴に関するログ情報に基づいて、前記フィードバック情報を生成する、
生成プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生成装置、生成方法および生成プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ユーザへ提供した機器からネットワークを介して機器の状態を取得し、消耗品や代替品などといった交換品の発注および発送を依頼するシステムがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来技術では、現状の機能を維持するにとどまっており、ユーザの利用形態に適した製品を提供するうえで、改善の余地があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、ユーザの利用形態に適した製品を提案することができる生成装置、生成方法および生成プログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る生成装置は、取得部と、生成部とを具備する。前記取得部は、ユーザから回収した後の回収機器の状態を示す状態情報を取得する。前記生成部は、前記取得部によって取得された前記状態情報に基づいて、前記ユーザによる前記回収機器の利用に関するフィードバック情報を生成する。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、ユーザの利用形態に適した製品を提案することができる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【
図1】
図1は、実施形態に係る生成装置の概要を示す図である。
【
図2】
図2は、実施形態に係る照明装置の一例を示す図である。
【
図3】
図3は、実施形態に係る照明装置のブロック図である。
【
図4】
図4は、実施形態に係る生成装置のブロック図である。
【
図5】
図5は、実施形態に係る点灯情報データベースの一例を示す図である。
【
図6】
図6は、実施形態に係るログ情報データベースの一例を示す図である。
【
図7】
図7は、実施形態に係る生成装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下で説明する実施形態に係る生成装置100は、取得部121と、生成部122とを具備する。取得部121は、ユーザから回収した後の回収機器の状態を示す状態情報を取得する。生成部122は、取得部121によって取得された状態情報に基づいて、ユーザによる回収機器の利用に関するフィードバック情報を生成する。
【0010】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、回収機器として照明装置10に関する状態情報を取得する。
【0011】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、状態情報として、回収後に計測された照明装置10の点灯状態を示す点灯情報を取得し、生成部122は、点灯情報に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0012】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、複数の照明装置10それぞれの点灯情報を取得し、生成部122は、複数の点灯情報に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0013】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、照明装置10を使用したユーザを識別する識別情報を取得し、生成部122は、識別情報に基づいて、ユーザ毎にフィードバック情報を生成する。
【0014】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、点灯情報に加え、照明装置10に記憶された稼動状態に関するログ情報を取得し、生成部122は、ログ情報に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0015】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、取得部121は、ログ情報として、照明装置10の移動履歴に関する移動情報を取得し、生成部122は、移動情報に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0016】
また、以下で説明する実施形態に係る生成装置100において、生成部122は、フィードバック情報として、前記ユーザ毎の前記状態情報に基づいて、回収機器の改善点を示す提案情報を前記ユーザ毎に生成する。
【0017】
また、以下で説明する実施形態に係る生成方法は、コンピュータが実行する生成方法であって、ユーザから回収した後の照明装置10(回収機器の一例)の状態を示す状態情報を取得する取得工程と、取得工程によって取得された状態情報に基づいて、ユーザによる照明装置10の利用に関するフィードバック情報を生成する生成工程とを含む。
【0018】
また、以下で説明する実施形態に係る生成プログラムは、ユーザから回収した後の照明装置10(回収機器の一例)の状態を示す状態情報を取得する取得手順と、取得手順によって取得された状態情報に基づいて、ユーザによる照明装置10の利用に関するフィードバック情報を生成する生成手順とをコンピュータに実行させる。
【0019】
<実施形態>
まず、
図1を用いて、実施形態に係る生成装置100の概要について説明する。
図1は、実施形態に係る生成装置100の概要を示す図である。なお、以下では、回収機器が、スポットライト型の照明装置10である場合を例に挙げて説明する。
【0020】
図1に示すように、実施形態に係る生成装置100は、例えば、照明装置10を製造するメーカーに設置される。また、
図1に示す例では、生成装置100が、ノート型PC(Personal Computer)である場合について示す。なお、生成装置100は、デスクトップ型PCや、タブレット端末や、携帯電話機や、PDA(Personal Digital Assistant)等であってもよい。また、生成装置100は、メーカーが管理するサーバ装置(クラウド)であってもよい。すなわち、後述する点灯情報をサーバ装置である生成装置100にアップロードし、サービスマンSは、サーバ装置である生成装置100へアクセスし、後述するフィードバック情報を取得することにしてもよい。
【0021】
図1に示すサービスマンSは、照明装置10に関する各種サービスをユーザUに対して提供する。例えば、サービスマンSは、ユーザUへ購入する製品(照明装置10)の提案、見積もり、販売、メンテナンスなどの保守契約等の各種業務を行う。なお、照明装置10の販売形態には、販売、レンタル、リース等が含まれる。
【0022】
ところで、一般的に、照明装置10などを含む各種製品は、ユーザUのニーズを想定して製品開発が行われる。しかしながら、ユーザU毎にニーズが異なるため、全てのユーザUのニーズを満たすことは困難である。
【0023】
また、サービスマンSが、製品に対するニーズをユーザUから聞き取りを行うことで、製品開発にフィードバックすることも可能であるが、聞き取りだけでユーザUの実際の使用状況等を把握するのは容易ではない。
【0024】
このため、本実施形態では、かかる点に着目し、ユーザUから回収した回収機器から各種データを収集し、製品開発や製品の改良へフィードバックを行うこととした。
【0025】
具体的には、本実施形態において、サービスマンSは、ユーザUへ照明装置10を提供し(ステップS1)、その後、照明装置10が故障、耐用期間の経過、リースや契約期間の満了などした時点でユーザUによって使用された照明装置10を回収する(ステップS2)。なお、ステップS2においては、照明装置10全てを回収する必要はなく、例えば、光源などといった消耗品等の照明装置10の一部のパーツのみを回収するようにしてもよい。
【0026】
続いて、生成装置100は、ステップS2において回収した照明装置10に関するデータを収集する(ステップS3)。なお、ここでのデータには、例えば、回収後に計測された照明装置10の点灯状態を示す点灯情報や、照明装置10内部に記憶された照明装置10の稼動状態に関するログ情報などが含まれる。
【0027】
生成装置100は、ステップS3において収集したデータに基づいて、サービスマンSに対してユーザUによる照明装置10の利用に関するフィードバックを行う(ステップS4)。
【0028】
例えば、生成装置100は、ステップS4において、ユーザUによる照明装置10の利用に関するフィードバック情報を生成し、フィードバック情報をサービスマンSへフィードバックを行う。ここでのフィードバック情報には、照明装置10の利用態様の改善、照明装置10の設計変更、新たな照明装置10の提案に関する情報などが含まれる。
【0029】
これにより、サービスマンSは、フィードバック情報に基づき、ユーザUに対して提供する照明装置10の改善を図ることができるので、ユーザUの利用形態に適した照明装置10を提案および提供することができる。また、生成装置100によって生成されたフィードバック情報を開発者へ提供することで、ユーザUの利用形態に即した照明装置10の開発を行うことが可能となる。
【0030】
このように、実施形態に係る生成装置100は、ユーザUから回収した照明装置10に基づいてフィードバック情報を生成することで、ユーザUの利用形態に適した製品を提案することができる。
【0031】
また、実施形態に係る生成装置100によれば、ステップS1~ステップS4までの一連のサイクルを確立することで、ユーザUの利用形態に適した製品を提案することが可能な新たなビジネスモデルを創出することができる。
【0032】
次に、
図2を用いて、照明装置10について説明する。
図2は、実施形態に係る照明装置10の一例を示す図である。
図2に示すように、照明装置10は、光源部11と、反射体12と、筐体13と、放熱器14と、電子部品17と、アーム18とを有する。
【0033】
照明装置10は、アーム18により光源部11の照射方向を変更可能に保持されている。照明装置10は、例えば屋外で使用されるロケーションライト(ロケライト)である。
【0034】
光源部11は、筐体13の背面側に収容された光源21(
図3参照)と、光源21の前面側を覆う図示しないカバー部材とを有している。カバー部材は、光源21と反射体12との間に配置されることにより、光源21を保護する。カバー部材は、例えばガラスカバーである。なお、カバー部材は、透光性を有するとともに、乳白色の樹脂から構成された光拡散性を有する部材であってもよい。
【0035】
反射体12は、例えば、光源部11の周囲を取り囲むように取り付けられる。反射体12は、筐体13内の光源21から発光される光を反射させることにより配光制御を行う。反射体12は、例えば、ABS樹脂等の合成樹脂製、または、アルミニウムなどの金属製であり、筐体13の前面側に収容されている。
【0036】
筐体13は、光源部11および反射体12を収容する。筐体13は、例えば円筒形状の金属製部材である。光源部11が収容された筐体13の背面側には、放熱器14が配置されている。また、反射体12が収容された筐体13の前面側には、固定リング19が着脱可能に取り付けられている。
【0037】
放熱器14は、光源部11の照射方向と反対側、すなわち筐体13の背面側に設けられており、光源部11と熱的に接続されるように配設されている。放熱器14は、光源部11から発生する熱を放散する。これにより、放熱器14は、光源21の後述する発光素子の温度上昇を抑制し、筐体13の内部空間の温度上昇を抑制する。
【0038】
放熱器14は、複数のフィン部材15と、保持部16と、図示しないベースとを有する。複数のフィン部材15は、例えば、ベースに取り付けられている。複数のフィン部材15は、例えば、複数の平板を平行に並べて形成されるもので、アルミニウムや銅などの熱伝導特性に優れた金属材料によって形成される。
【0039】
保持部16は、ベースに取り付けられた複数のフィン部材15を収容するとともに、放熱器14を筐体13に固定する。放熱器14のベースは、光源部11に接触または近接しており、少なくとも光源21と熱的に接続されるように配設されている。また、複数のフィン部材15は、所定方向に沿って互いに間隔を空けて設けられており、それぞれが放熱器14の前面側から背面側に向かって延びている。放熱器14をこのように配置することで、光源部11の放熱を促進させることができる。
【0040】
電子部品17は、放熱器14の側面側に設けられる。また、電子部品17には、ケーブル20が接続されている。ケーブル20は、図示しない外部電源と光源部11の発光素子とを電気的に接続しており、調光つまみ17aの操作に応じて、光源部11から出力される光の強度を調節することができる。
【0041】
アーム18は、固定部材18a、18bによって両端部に位置する電子部品17および放熱器14に回動可能に固定され、光源部11の照射方向を変更可能に保持する。固定部材18bを緩めることにより、光源部11の照射方向が変更可能な状態となり、固定部材18bを締めることで、光源部11の照射方向が固定される。ことができる。
【0042】
なお、
図2に示す照明装置10は、一例であり、他のスポットライト型の照明装置であってもよく、ベースライト型の照明装置であってもよい。また、照明装置10は、ライティングレールに吊り下げ式の照明装置であってもよい。
【0043】
次に、
図3を用いて、照明装置10の構成例について説明する。
図3は、実施形態に係る照明装置10のブロック図である。
図3に示すように、照明装置10は、光源21と、モニタランプ22と、制御部23と、記憶部24とを具備する。
【0044】
光源21は、図示しない素子モジュールを備える。素子モジュールは、チップオンボード(COB:Chip On Board)型のモジュールであり、基板と発光素子とを備えている。なお、素子モジュールとしては、発光素子であるSMD(Surface Mount Device)やCSP(Chip Scale Package)を基板に1つまたは複数並べたものでも良い。基板は、平坦である板状に形成されている。発光素子は、例えばLEDであり、基板の一方の面に実装されている。発光素子は、複数設けられていてもよく、この場合、基板の一方の面のうちの互いに異なる複数の位置にそれぞれ実装される。
【0045】
モニタランプ22は、光源21が有する発光素子の状態を表示する表示器であり、1または複数の発光素子によって構成される。モニタランプ22は、光源21の点灯時間の総和が閾値(例えば、6,000時間)に到達した場合に、モニタランプ22の発光素子の発光状態を変更させ、照明装置10のユーザUに対し光源21の交換を促す。
【0046】
つまり、モニタランプ22は、ユーザUに対して照明装置10の耐用期間が経過した際に、交換・回収時期を通知することができる。なお、ここでの発光状態の変更とは、例えば、発光素子の点滅であるが、ユーザUに対して照明装置10の交換・回収時期を通知するものであれば、これに限定されるものではない。また、上記の閾値は、1つである必要はなく複数設けることにしてもよい。これにより、モニタランプ22によって段階的に点灯時間の総和をユーザUへ通知することができる。
【0047】
制御部23は、照明装置10全体を制御するコントローラである。例えば、制御部23は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実装できる。あるいは、制御部23は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路により実装されてもよい。
【0048】
制御部23は、ユーザUによる設定に応じて調光信号を生成し、光源21へ出力する。また、制御部23は、光源21の稼動状態に関するログ情報を生成し、記憶部24に格納する。
【0049】
ここで、ログ情報は、稼動状態の履歴に関する情報であり、光源21の点灯状態(点灯時間、出力レベル)に関する履歴が含まれる。また、制御部23は、例えば、図示しないセンサによって計測される光源21の光束の推移などをログ情報として記憶部24に格納することにしてもよい。また、制御部23は、ログ情報として移動履歴に関する移動情報を記憶部24に格納することにしてもよい。
【0050】
なお、ここでの移動履歴は、ユーザUへ照明装置10を提供中に照明装置10が移動した距離や回数に関する情報である。例えば、制御部23は、GPSや加速度センサによる計測結果に基づいて移動履歴を生成することができる。
【0051】
その他、制御部23は、湿度センサ、温度センサなどの設置環境を計測する環境センサや、光源21の点灯状態を計測する照明センサと接続される場合、環境センサや照明センサの計測結果をログ情報として記憶部24に格納することにしてもよい。なお、照明装置10が野外で使用される場合、環境センサの計測結果については、例えば、天候情報などの外部サーバから取得可能な情報で代替することにしてもよい。
【0052】
また、制御部23は、記憶部24を参照し、光源21の点灯時間が閾値に到達した場合、モニタランプ22の発光状態を変更させることで、点灯時間が閾値に到達したことをユーザUへ通知する。
【0053】
記憶部24は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。記憶部24は、上記のログ情報や点灯時間に関する情報を記憶する。
【0054】
次に、
図4を用いて、実施形態に係る生成装置100の構成例について説明する。
図4は、実施形態に係る生成装置100のブロック図である。
図4に示すように、生成装置100は、記憶部110と、制御部120とを具備する。
【0055】
記憶部110は、例えば、RAM(Random Access Memory)、フラッシュメモリ(Flash Memory)などの半導体メモリ素子、または、ハードディスク、光ディスクなどの記憶装置によって実装される。
【0056】
また、
図4の例において、記憶部110は、製品情報データベース111と、点灯情報データベース112と、ログ情報データベース113とを記憶する。製品情報データベース111は、照明装置10に関するデータベースである。例えば、製品情報データベース111には、メーカーで製造した各種照明装置10、および、照明装置10の各種パーツに関する情報が格納される。また、製品情報データベース111には、メーカーで製造後にメーカーで検査された照明装置10に関する情報が含まれていても良い。ここでのメーカーで検査された照明装置10に関する情報とは、照明装置10の外観情報であったり、照明装置10の明るさ、色特性、電気特性であったりする。
【0057】
点灯情報データベース112は、任意のユーザUから回収後に計測された照明装置10の点灯状態を示す点灯情報を記憶するデータベースである。点灯情報は、照明装置10を回収後にメーカー側で計測された情報である。
【0058】
図5は、実施形態に係る点灯情報データベース112の一例を示す図である。なお、
図5では、点灯情報データベース112の一例としてグラフを示しているが、点灯情報データベース112は表であっても良い。
【0059】
図5に示す例において、点灯情報データベース112には、照明装置10それぞれの「点灯時間」に対する「光束維持率」の分布を示すデータが記憶される。すなわち、点灯情報が光束に関する情報である場合を示す。
【0060】
図5に示す例において、ユーザ群U1から回収した照明装置10は、ユーザ群U2、ユーザ群U3からそれぞれ回収した照明装置10に比べて光束維持率が高いことを示し、ユーザ群U2から回収した照明装置10は、ユーザ群U3から回収した照明装置10に比べて光束維持率が高いことを示す。このように、ユーザUの使用状況に応じて、回収時間と光束維持率で、ユーザUをセグメント分類することが可能である。
【0061】
なお、点灯情報は、光束維持率に限られず、例えば、各照明装置10の色特性、電気特性など、メーカー側で計測可能なその他の情報であってもよい。また、光束維持率、色特性、電気特性などといった複数のデータに基づいて、ユーザUをセグメント分類することにしてもよい。また、
図5においては、全て6000時間近傍で回収されているが、6000時間より短い時間で回収されても、6000時間より長い時間で回収されても良い。
【0062】
図4に戻り、ログ情報データベース113について説明する。ログ情報データベース113は、ユーザUから回収した照明装置10に記憶されたログ情報を記憶するデータベースである。
【0063】
図6は、実施形態に係るログ情報データベース113の一例を示す図である。
図6に示すように、ログ情報データベース113には、光束維持率の推移がログ情報として記憶される。
図6では、ログ情報データベース113の一例としてグラフを示しているが、ログ情報データベース113は表であっても良い。
【0064】
例えば、光束維持率は、照明装置10に設けられたセンサによって計測された光束によって照明装置10によって算出される。
図6の例では、ログ情報の一例として、ユーザ群U1から回収した照明装置10の測定推移T1、ユーザ群U2から回収した照明装置10の測定推移T2を示す。また、
図6には、比較のため、想定推移T0を併せて示す。
【0065】
想定推移T0は、メーカー側で想定した状況において、照明装置10が使用された場合における照明装置10の光束維持率の推移を示す。これに対して、測定推移T1、測定推移T2は、ユーザUによる照明装置10の実際の使用時の光束維持率の推移を示す。
【0066】
すなわち、想定推移T0と、測定推移T1または測定推移T2との乖離が大きいほど、メーカー側で想定したシチュエーションとは乖離したシチュエーションにおいて、照明装置10が実際に使用されたことを意味する。
【0067】
図4の説明に戻り、制御部120について説明する。制御部120は、生成装置100全体を制御するコントローラである。例えば、制御部120は、CPU(Central Processing Unit)、MPU(Micro Processing Unit)等のプロセッサにより実装できる。あるいは、制御部120は、FPGA(Field Programmable Gate Array)、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)等の集積回路により実装されてもよい。
【0068】
図4に示す例において、制御部120は、取得部121と、生成部122とを具備する。取得部121は、ユーザUから回収した後の回収機器の状態を示す状態情報を取得する。例えば、取得部121は、状態情報を計測する計測機器から直接またはキーボードなどの操作部(不図示)を介して操作者による手入力によって状態情報を取得する。
【0069】
例えば、取得部121は、回収された照明装置10の点灯状態に関する点灯情報を上記の状態情報として取得する。例えば、取得部121は、ユーザUから回収した照明装置10をメーカー側で点灯させ、照明装置10の光束(ルーメン:lm)の計測結果を点灯情報として取得する。なお、上述のように、取得部121は、照明装置10の色特性、電気特性などに関する情報を状態情報として取得することにしてもよい。
【0070】
また、取得部121は、点灯情報に加え、照明装置10内部に記憶されたログ情報を取得する。なお、取得部121は、ログ情報を取得する代わりに、取得した点灯情報に基づいて、ログ情報に対応する情報を推定することにしてもよい。
【0071】
取得部121は、点灯情報の取得毎に、取得した点灯情報を点灯情報データベース112に格納するとともに、ログ情報の取得または推定毎に、取得または推定したログ情報をログ情報データベース113へ格納する。
【0072】
なお、この際、取得部121は、点灯情報やログ情報とともに各照明装置10を識別するための識別情報をあわせて取得し、識別情報を対応付けて記憶部110へ格納する。ここで、識別情報は、各照明装置10を識別するためのナンバー(識別子)であり、言い換えれば、各照明装置10を使用したユーザUを識別するためのナンバーである。
【0073】
生成部122は、取得部121によって取得された状態情報に基づいて、ユーザUによる回収機器の利用に関するフィードバック情報を生成する。例えば、生成部122は、回収した照明装置10の改善点を示す提案情報をフィードバック情報として生成する。ここで、照明装置10の改善点とは、ユーザU毎の照明装置10の利用形態に即した照明装置10へ適合させるために改善すべきポイントである。
【0074】
例えば、後述するように、改善点の一例としては、耐久性、重量などといった各種項目が含まれ得る。また、提案情報は、改善点の他、現在の照明装置10の性能の低下を提案する情報であってもよい。すなわち、ユーザUの利用形態において、回収した照明装置10の性能の一部または全てが過剰性能(いわゆるオーバースペック)であれば、性能の低い照明装置10または一部のパーツへの交換を提案することにしてもよい。このように、提案情報に基づいて、照明装置10を改良することで、ユーザUごとに照明装置10の最適化を図ることができる。
【0075】
例えば、生成部122は、点灯情報データベース112を参照し、ユーザUに関する点灯情報に基づいて、ユーザU毎に照明装置10の使用傾向を分析し、ユーザU毎の使用傾向に応じてフィードバック情報を生成する。
【0076】
例えば、
図5に示したユーザ群U1のように、照明装置10の回収後に光束維持率が比較的高い状態で維持されていれば、照明装置10に対して比較的負荷の少ない条件で使用されていたと推定される。
【0077】
より詳しくは、例えば、ユーザ群U1が照明装置10のフル出力100%であるのに対して50%の出力で使用するなど、調光レベルを低くして照明装置10を使用したことが想定される。
【0078】
したがって、生成部122は、ユーザ群U1に対して最大光量の低い照明装置10への交換、あるいは、最大光量の低い光源21への交換を促す提案情報をフィードバック情報として生成する。また、この際、生成部122は、最大光量の低下に伴い、発熱が少なくなることが想定されるので、放熱器14(
図2参照)を小さくすることを促す提案情報を生成することにしてもよい。
【0079】
また、例えば、
図5に示したユーザ群U3のように、光束維持率が著しく低下した場合、照明装置10が負荷の高い条件で使用されていたと推定される。例えば、負荷の高い条件の一例としては、照明装置10が外気温度の高い場所で使用されたことが挙げられる。
【0080】
このため、生成部122は、ユーザ群U3に対しては、照明装置10のパーツを耐高温性のパーツ(例えば、光源21)への交換を促す提案情報を生成する。
【0081】
また、その他の例として、照明装置10の点灯時間がモニタランプ22の点滅する6000時間に到達する前に、ユーザUから照明装置10が返却された場合を想定する。この場合、例えば、点灯時間が6000時間に到達するよりも前に、照明装置10がユーザの望む照明として機能しなくなったことが想定される。
【0082】
すなわち、この場合においては、ユーザUが照明装置10の光色などにこだわりの強いユーザであることが想定される。このため、生成部122は、かかるユーザUに対しては光色を調整可能なタイプや、劣化によって光色が変動し難いタイプの照明装置10を提案するフィードバック情報を生成する。
【0083】
生成部122は、これらフィードバック情報の生成に際し、製品情報データベース111を参照し、それぞれのユーザUに適した既製品への交換や、回収した照明装置10から交換すべきパーツの提案に関するフィードバック情報を生成する。
【0084】
また、生成部122は、点灯情報に加えて、ログ情報データベース113に記憶されたログ情報に基づいて、フィードバック情報を生成することにしてもよい。この場合、ログ情報を解析することで、ユーザU毎の照明装置10の利用形態をさらに詳細に解析することができるので、より効果的なフィードバック情報の生成が可能となる。
【0085】
なお、上述の例では、ユーザU毎にフィードバック情報を生成する場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、ユーザ群U1~U3のように、複数のユーザUをグループ化し、ユーザ群U1~U3それぞれに対してフィードバック情報を生成することにしてもよいし、あるいは、全てのユーザに対するフィードバック情報を生成することにしてもよい。
【0086】
また、生成部122は、ログ情報として移動情報が記憶されている場合、移動情報に基づいてフィードバック情報を生成することにしてもよい。例えば、移動情報が示す照明装置10の移動距離や移動回数が大きいほど、照明装置10が頻繁に設置されたことを意味する。
【0087】
また、移動距離や移動回数が増えるほど、ユーザUが照明装置10を移動させる回数や距離が増えることを意味するため、生成部122は、移動情報が示す移動距離や移動回数に応じて、照明装置10の軽量化を促す提案データをフィードバック情報として生成する。これにより、ユーザによる照明装置10の設置の負担軽減を図ることができる。
【0088】
生成部122によって生成されたフィードバック情報は、サービスマンSへ提供される。サービスマンSは、フィードバック情報に基づいて、ユーザUへ新たな照明装置10の提案を行うことができる。
【0089】
このように、サービスマンSは、生成部122によって生成されたフィードバック情報を活用することで、ユーザの利用形態に適した製品を容易に提案することが可能となる。
【0090】
また、生成部122は、ユーザU向けのフィードバック情報を生成することにしてもよい。ユーザU向けのフィードバック情報は、例えば、照明装置10の利用態様の改善に関する情報であり、照明装置10の負荷のより少ない使用方法に関する情報などが含まれる。
【0091】
また、生成部122は、開発者向けのフィードバック情報を生成することにしてもよい。開発者向けのフィードバック情報として、例えば、ユーザUの利用形態に即した新たな照明装置10あるいはパーツの開発の提案や、ユーザUの利用形態において求められる耐久性などの各種数値などといった情報が含まれ得る。
【0092】
つまり、この場合、開発者は、フィードバック情報を活用して、新たな製品の開発に取り組むことで、ユーザの利用形態に即した製品開発を行うことが可能となる。このように、開発者向けのフィードバック情報は、新たな製品開発の指標となり得る。
【0093】
次に、
図7を用いて、実施形態に係る生成装置100が実行する処理手順について説明する。
図7は、実施形態に係る生成装置100が実行する処理手順を示すフローチャートである。なお、以下に示す処理手順は、照明装置10に関する点灯情報の取得毎に制御部120によって繰り返し実行される。
【0094】
図7に示すように、まず、生成装置100は、回収された照明装置10の状態を示す状態情報を取得したか否かを判定し(ステップS101)、状態情報を取得した場合(ステップS101,Yes)、状態情報を解析する(ステップS102)。
【0095】
続いて、生成装置100は、照明装置10の稼動状況を示すログ情報を取得したか否かを判定し(ステップS103)、ログ情報を取得した場合(ステップS103,Yes)、ログ情報を解析する(ステップS104)。なお、生成装置100は、ステップS103の判定において、ログ情報を取得できなかった場合(ステップS103,No)、ステップS104の処理を省略し、ステップS105の処理へ移行する。
【0096】
続いて、生成装置100は、ステップS104までの処理結果に基づいて、フィードバック情報を生成し(ステップS105)、処理を終了する。また、生成装置100は、ステップS101の判定において、状態情報を取得していない場合(ステップS101,No)、処理を終了する。
【0097】
なお、この一連の処理において、生成装置100は、ステップS101、ステップS103において、状態情報およびログ情報をいずれも取得した場合には、状態情報およびログ情報の双方の情報に基づいて、フィードバック情報を生成する。
【0098】
また、生成装置100は、ステップS103のログ情報を取得できなかった場合、状態情報に基づいて、フィードバック情報を生成することになる。なお、生成装置100は、ログ情報を取得できなかった場合には、ログ情報を推定したうえで、フィードバック情報を生成することにしてもよい。
【0099】
ところで、上述した実施形態では、回収機器が照明装置10である場合について説明したが、これに限定されるものではない。すなわち、本発明は、照明装置10に限られず、任意の機器を回収した場合においても同様に適用可能である。
【0100】
また、上述した実施形態では、回収機器が照明装置10である場合について説明したが、例えば、家電製品など、その他の回収機器に関する状態情報と組み合わせて、フィードバック情報を生成することにしてもよい。
【0101】
本発明の実施形態を説明したが、この実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。この実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。この実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
【符号の説明】
【0102】
10 照明装置
21 光源
22 モニタランプ
23 制御部
24 記憶部
100 生成装置
110 記憶部
111 製品情報データベース
112 点灯情報データベース
113 ログ情報データベース
120 制御部
121 取得部
122 生成部