(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】調光ユニット
(51)【国際特許分類】
G02F 1/1345 20060101AFI20240509BHJP
G02F 1/13 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
G02F1/1345
G02F1/13 505
(21)【出願番号】P 2020083595
(22)【出願日】2020-05-12
【審査請求日】2023-04-17
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年9月「スマートウィンドウの時代へ、光を自在に操る調光フィルム『LC MAGIC』」パンフレットの公開
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 令和1年11月8日「https://www.toppan.co.jp/electronics/new_products/lc_magic/」ウェブサイトの公開
(73)【特許権者】
【識別番号】000003193
【氏名又は名称】TOPPANホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】辻 真樹
【審査官】植田 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】中国実用新案第206470508(CN,U)
【文献】特開2001-044575(JP,A)
【文献】特開平11-194718(JP,A)
【文献】特公昭56-001793(JP,B2)
【文献】国際公開第2011/105062(WO,A1)
【文献】特開2020-038265(JP,A)
【文献】特開平09-127537(JP,A)
【文献】特開昭62-082607(JP,A)
【文献】特開2007-133062(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G02F 1/1345
G02F 1/13
G02F 1/1333,1/1335
H05K 1/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1透明電極、第2透明電極、および、前記第1透明電極の一部であって前記第1透明電極の縁を含む配線領域と前記第2透明電極の一部であって前記第2透明電極の縁を含む配線領域とが調光層から露出するように、前記第1透明電極と前記第2透明電極とに挟まれた前記調光層を備える調光シートと、
前記第1透明電極の前記縁に沿って延びる形状を有し、前記第1透明電極の前記配線領域に取り付けられた取付部と、前記取付部の延びる方向と交差する方向に沿って延びる形状を有し、前記取付部から前記第1透明電極の外側に延びる延在部とを備える配線部と、を備え、
前記取付部の延びる方向と直交する方向における前記取付部の寸法を第1幅と定義し、かつ、前記延在部の延びる方向と直交する方向における前記延在部の寸法を第2幅と定義した場合に、前記第1幅は前記第2幅よりも小さ
く、
前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第1折り曲げ線を有し、
前記取付部の延びる向を第1方向と定義し、
前記延在部の延びる方向を第2方向と定義し、かつ、
前記第1方向と前記第2方向とがなす角を基準角と定義した場合に、
前記第1折り曲げ線は、前記基準角を二分する直線に平行な方向に沿って延び、
前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第2折り曲げ線をさらに備え、
前記第2折り曲げ線は、前記第1折り曲げ線よりも前記取付部と前記延在部との境界寄りに位置し、前記第1方向に沿って延びる
調光ユニット。
【請求項2】
第1透明電極、第2透明電極、および、前記第1透明電極の一部であって前記第1透明電極の縁を含む配線領域と前記第2透明電極の一部であって前記第2透明電極の縁を含む配線領域とが調光層から露出するように、前記第1透明電極と前記第2透明電極とに挟まれた前記調光層を備える調光シートと、
前記第1透明電極の前記縁に沿って延びる形状を有し、前記第1透明電極の前記配線領域に取り付けられた取付部と、前記取付部の延びる方向と交差する方向に沿って延びる形状を有し、前記取付部から前記第1透明電極の外側に延びる延在部とを備える配線部と、を備え、
前記取付部の延びる方向と直交する方向における前記取付部の寸法を第1幅と定義し、かつ、前記延在部の延びる方向と直交する方向における前記延在部の寸法を第2幅と定義した場合に、前記第1幅は前記第2幅よりも小さく、
前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第1折り曲げ線を有し、
前記取付部の延びる向を第1方向と定義し、
前記延在部の延びる方向を第2方向と定義し、かつ、
前記第1方向と前記第2方向とがなす角を基準角と定義した場合に、
前記第1折り曲げ線は、前記基準角を二分する直線に平行な方向に沿って延び、
前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第3折り曲げ線をさらに備え、
前記第1折り曲げ線は、前記第3折り曲げ線が延びる方向と直交する方向に延びる
調光ユニット。
【請求項3】
前記配線部は、前記取付部の延びる方向における両端部の少なくとも一方に、前記取付部に対する前記延在部側に突出した突出部を備える
請求項1
または2に記載の調光ユニット。
【請求項4】
前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第3折り曲げ線をさらに備え、
前記第1折り曲げ線は、前記第3折り曲げ線が延びる方向と直交する方向に延びる
請求項
1に記載の調光ユニット。
【請求項5】
複数の前記延在部を備え、
複数の前記延在部は、前記取付部の延びる方向において間隔を空けて並んでいる
請求項1から
4のいずれか一項に記載の調光ユニット。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調光ユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
調光シートは、第1透明電極、第2透明電極、および、第1透明電極と第2透明電極との間に挟まれた調光層を備えている。各透明電極は、調光装置から露出した配線領域を有している。各透明電極の配線領域には、その透明電極を駆動部に接続するための配線が取り付けられている。第1透明電極に取り付けられた配線と、第2透明電極に取り付けられた配線とを通じて、2つの透明電極間に電圧が印加されることによって、電圧の印加前に対して調光シートの透過率が変更される(例えば、特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、調光シートの普及に伴い、調光シートの適用対象が多岐にわたりつつある。そして、調光シートの適用対象をさらに拡張する観点から、調光シートの敷設面積に対して、調光シートの透過率の変更が可能な調光領域をさらに拡張することが求められている。
【0005】
本発明は、調光シートにおける調光領域を拡張可能とした調光ユニットを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための調光ユニットは、第1透明電極、第2透明電極、および、前記第1透明電極の一部であって前記第1透明電極の縁を含む配線領域と前記第2透明電極の一部であって前記第2透明電極の縁を含む配線領域とが調光層から露出するように、前記第1透明電極と前記第2透明電極とに挟まれた前記調光層を備える調光シートと、前記第1透明電極の前記縁に沿って延びる形状を有し、前記第1透明電極の前記配線領域に取り付けられた取付部と、前記取付部の延びる方向と交差する方向に沿って延びる形状を有し、前記取付部から前記第1透明電極の外側に延びる延在部とを備える配線部と、を備える。前記取付部の延びる方向と直交する方向における前記取付部の寸法を第1幅と定義し、前記延在部の延びる方向と直交する方向における前記延在部の寸法を第2幅と定義した場合に、前記第1幅が、前記第2幅よりも小さい。
【0007】
上記構成によれば、取付部の第1幅が延在部の第2幅以上である場合に比べて、第1透明電極における取付部の敷設幅を縮小することが可能であるから、調光シートにおける調光領域を拡張可能である。
【0008】
上記調光ユニットにおいて、前記配線部は、前記取付部の延びる方向における両端部の少なくとも一方に、前記取付部に対する前記延在部側に突出した突出部を備えてもよい。この構成によれば、配線部を第1透明電極に取り付ける際に、取付部の端部とともに突出部を把持したり、突出部を配線部の位置決めに用いたりすることが可能であるため、取付部の敷設幅が縮小されても、第1透明電極に対する配線部の取り付け精度が低下することが抑えられる。
【0009】
上記調光ユニットにおいて、前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第1折り曲げ線を有し、前記取付部の延びる方向を第1方向と定義し、前記延在部の延びる方向を第2方向と定義し、かつ、前記第1方向と前記第2方向とがなす角を基準角と定義した場合に、前記第1折り曲げ線は、前記基準角を二分する直線に平行な方向に沿って延びてもよい。
【0010】
上記構成によれば、第1折り曲げ線に沿って延在部を折り曲げることによって、第1方向と第2方向とが形成する角度によらず、延在部を第1方向に沿うように引き出すことが可能である。
【0011】
上記調光ユニットにおいて、前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第2折り曲げ線をさらに備え、前記第2折り曲げ線は、前記第1折り曲げ線よりも前記取付部と前記延在部との境界寄りに位置し、前記第1方向に沿って延びてもよい。
【0012】
上記構成によれば、延在部を第1折り曲げ線に沿って折り曲げた後に、第2折り曲げ線に沿って折り曲げることによって、第2折り曲げ線に沿って延在部を折り曲げた分だけ、第1方向と直交する方向に沿う配線部の寸法を小さくすることが可能である。
【0013】
上記調光ユニットにおいて、前記延在部は、前記延在部の折り曲げを誘導する第3折り曲げ線をさらに備え、前記第1折り曲げ線は、前記第3折り曲げ線が延びる方向と直交する方向に延びてもよい。この構成によれば、調光シートに対する配線部の位置に応じて、2つの折り曲げ線のうちのいずれに沿って延在部を折り曲げるかを選択することが可能である。
【0014】
上記調光ユニットにおいて、複数の前記延在部を備え、複数の前記延在部は、前記取付部の延びる方向において間隔を空けて並んでいてもよい。この構成によれば、配線部が複数の延在部を備えるから、1つの延在部が切断されたとしても、他の延在部を用いて調光シートを駆動部に接続することが可能である。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、調光シートにおける調光領域を拡張することができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【
図1】ノーマル型の調光シートを備える調光ユニットの構造を示す断面図。
【
図2】リバース型の調光シートを備える調光ユニットの構造を示す断面図。
【
図4】第1配線基板の構造を簡略化して示す平面図。
【
図6】
図3のVI‐VI線に沿う構造を示す断面図。
【
図8】第1配線基板の折り曲げ方法を説明するための平面図。
【
図9】第1配線基板の折り曲げ方法を説明するための平面図。
【
図10】第1配線基板の折り曲げ方法を説明するための平面図。
【
図11】配線基板における第1変更例の構造を示す平面図。
【
図12】配線基板における第2変更例の構造を示す平面図。
【発明を実施するための形態】
【0017】
図1から
図10を参照して、調光ユニットの一実施形態を説明する。以下では、調光ユニット、配線基板、および、配線基板の折り曲げ方法を順に説明する。
[調光ユニット]
図1および
図2を参照して、調光ユニットを説明する。本開示の調光ユニットは、調光シートと配線部とを備えている。調光シートは、ノーマル型でもよいし、リバース型でもよい。以下、
図1を参照してノーマル型の調光シートを備える調光ユニットを説明し、
図2を参照してリバース型の調光シートを備える調光ユニットを説明する。
【0018】
図1が示すように、調光ユニット10は、ノーマル型の調光シート11Nを備えることができる。調光シート11Nは、第1透明電極21、第2透明電極22、および、調光層23を備えている。調光層23は、第1透明電極21の一部であって第1透明電極21の縁を含む配線領域21Aと、第2透明電極22の一部であって第2透明電極22の縁を含む配線領域22Aとが調光層23から露出するように、第1透明電極21と第2透明電極22とに挟まれている。調光シート11Nは、さらに、第1透明電極21を支持する第1透明基材24、および、第2透明電極22を支持する第2透明基材25を備えている。調光ユニット10は、第1透明電極21の配線領域21Aに取り付けられた第1配線基板12Aと、第2透明電極22の配線領域22Aに取り付けられた第2配線基板12Bとを備えている。第1配線基板12Aおよび第2配線基板12Bは、配線部の一例である。
【0019】
第1透明電極21、および、第2透明電極22は、可視光を透過する光透過性を有する。第1透明電極21の光透過性は、調光シート11Nを通した物体の視覚認識を可能にする。第2透明電極22の光透過性は、第1透明電極21の光透過性と同様、調光シート11Nを通した物体の視覚認識を可能にする。
【0020】
各透明電極21,22を形成するための材料は、例えば、酸化インジウムスズ、フッ素ドープ酸化スズ、酸化スズ、酸化亜鉛、カーボンナノチューブ、および、ポリ(3,4‐エチレンジオキシチオフェン)から構成される群から選択されるいずれか1つであってよい。
【0021】
調光層23は、透明高分子層と液晶組成物とを備えている。透明高分子層は、液晶組成物が充填される空隙を有している。液晶組成物は、透明高分子層が有する空隙に充填されている。液晶組成物は液晶分子を含む。液晶分子の一例は、シッフ塩基系、アゾ系、アゾキシ系、ビフェニル系、ターフェニル系、安息香酸エステル系、トラン系、ピリミジン系、シクロヘキサンカルボン酸エステル系、フェニルシクロヘキサン系、および、ジオキサン系から構成される群から選択されるいずれかである。
【0022】
液晶組成物の保持型式は、高分子ネットワーク型、高分子分散型、および、カプセル型から構成される群から選択されるいずれか1つである。高分子ネットワーク型は、3次元の網目状を有した透明な高分子ネットワークを備え、相互に連通した網目状の空隙のなかに液晶組成物を保持する。高分子ネットワークは、透明高分子層の一例である。高分子分散型は、孤立した多数の空隙を透明高分子層のなかに備え、高分子層に分散した空隙のなかに液晶組成物を保持する。カプセル型は、カプセル状を有した液晶組成物を透明高分子層のなかに保持する。なお、液晶組成物は、上述した液晶分子以外に、透明高分子層を形成するためのモノマー、および、二色性色素などを含んでもよい。
【0023】
各透明基材24,25を形成する材料は、合成樹脂、または、無機化合物であってよい。合成樹脂は、例えば、ポリエステル、ポリアクリレート、ポリカーボネート、および、ポリオレフィンなどである。ポリエステルは、例えばポリエチレンテレフタレートおよびポリエチレンナフタレートなどである。ポリアクリレートは、例えばポリメチルメタクリレートなどである。無機化合物は、例えば、二酸化ケイ素、酸窒化ケイ素、および、窒化ケイ素などである。
【0024】
各配線基板12A,12Bは、例えばフレキシブルプリント基板(FPC : Flexible Printed Circuits)である。FPCは、支持層、導体部、および、保護層を備えている。導体部が、支持層と保護層とに挟まれている。支持層および保護層は、絶縁性の合成樹脂によって形成されている。支持層および保護層は、例えばポリイミドによって形成される。導体部は、例えば金属薄膜によって形成されている。金属薄膜を形成する材料は、例えば銅であってよい。
【0025】
なお、各配線基板12A,12Bは、図示外の導電性接着層によって、各透明電極21,22に取り付けられている。各配線基板12A,12Bのうち、導電性接着層に接続される部分では、導体部が保護層または支持層から露出している。
【0026】
導電性接着層は、例えば、異方性導電フィルム(ACF : Anisotropic Conductive Film)、異方性導電ペースト(ACP : Anisotropic Conductive Paste)、等方性導電フィルム(ICF : Isotropic Conductive Film)、および、等方性導電ペースト(ICP : Isotropic Conductive Paste)などによって形成されてよい。調光ユニット10の製造工程における取り扱い性の観点から、導電性接着層は、異方性導電フィルムであることが好ましい。
【0027】
調光層23は、2つの透明電極21,22の間において生じる電圧の変化を受けて、液晶分子の配向を変える。液晶分子における配向の変化は、調光層23に入る可視光の散乱度合い、吸収度合い、および、透過度合いを変える。ノーマル型の調光シート11Nは、調光シート11Nの通電時に、相対的に高い光透過率を有する。ノーマル型の調光シート11Nは、調光シート11Nの非通電時に、相対的に低い光透過率を有する。例えば、ノーマル型の調光シート11Nは、調光シート11Nの通電時に透明状態を有し、調光シート11Nの非通電時に不透明状態を有する。調光シート11Nにおいて、通電の有無に応じて光透過率が変わる領域が、調光領域である。
【0028】
調光シート11Nは、例えば、車両や航空機などの移動体が備える窓に取り付けられる。また、調光シート11Nは、例えば、住宅、駅、空港などの各種の建物が備える窓、オフィスに設置されたパーティション、店舗に設置されたショーウインドウ、および、映像を投影するスクリーンなどに取り付けられる。調光シート11Nの形状は、平面状であってもよいし、曲面状であってもよい。
【0029】
調光シート11Nは可撓性を有していてもよい。調光シート11Nが可撓性を有している場合には、例えば、以下のような方法で、調光シート11Nを使用することが可能である。すなわち、調光シート11Nを窓に取り付ける前は、調光シート11Nの一部に負荷が集中しないように、調光シート11Nが平面状を有する状態で調光シート11Nを保管する。また、調光シート11Nを窓に取り付けた後において、調光シート11Nは、窓の表面が有する二次元または三次元形状に追従するような曲面状を有した状態で使用される。
【0030】
図2が示すように、調光ユニット10は、リバース型の調光シート11Rを備えることができる。調光シート11Rは、第1透明電極21、第2透明電極22、第1配向膜26、第2配向膜27、および、調光層23を備えている。調光層23は、第1配向膜26と第2配向膜27との間に位置している。第1配向膜26は、調光層23と第1透明電極21との間に位置し、かつ、調光層23に接している。第2配向膜27は、調光層23と第2透明電極22との間に位置し、かつ、調光層23に接している。
【0031】
第1配向膜26、および、第2配向膜27を形成するための材料は、有機化合物、無機化合物、および、これらの混合物である。有機化合物は、例えば、ポリイミド、ポリアミド、ポリビニルアルコール、および、シアン化化合物などである。無機化合物は、シリコン酸化物、酸化ジルコニウムなどである。なお、配向膜26,27を形成するための材料は、シリコーンであってもよい。シリコーンは、無機性の部分と有機性の部分とを有する化合物である。
【0032】
第1配向膜26、および、第2配向膜27は、例えば、垂直配向膜、あるいは、水平配向膜である。垂直配向膜は、第1透明電極21に接する面とは反対側の面、および、第2透明電極22に接する面とは反対側の面に対して垂直であるように、液晶分子の長軸方向を配向させる。水平配向膜は、第1透明電極21に接する面とは反対側の面、および、第2透明電極22に接する面とは反対側の面に対してほぼ平行であるように、液晶分子の長軸方向を配向させる。このように、配向膜26,27がいずれの配向膜であっても、配向膜26,27は、調光層23が含む複数の液晶分子における配向を規制する。
【0033】
リバース型の調光シート11Rは、調光シート11Rの通電時に、相対的に低い光透過率を有する。リバース型の調光シート11Rは、調光シート11Rの非通電時に、相対的に高い光透過率を有する。例えば、リバース型の調光シート11Rは、調光シート11Rの通電時に不透明状態を有し、調光シート11Rの非通電時に透明状態を有する。
【0034】
[配線基板]
図3から
図6を参照して、配線基板12A,12Bの形状を説明する。なお、第1配線基板12Aと第2配線基板12Bとは、調光シート11Nにおいて取り付けられる位置が互いに異なる一方で、各配線基板12A,12Bが有する形状は互いに共通している。そのため以下では、第1配線基板12Aの形状を詳しく説明する一方で、第2配線基板12Bの形状についての説明を省略する。
【0035】
図3は、第1配線基板12Aが備える保護層と対向する視点から見た第1配線基板12Aの形状を示している。
図3が示すように、第1配線基板12Aは、取付部12A1と延在部12A2とを備えている。取付部12A1は、第1透明電極21に取り付けられた状態において、第1透明電極21の縁に沿って延びる形状を有し、第1透明電極21の配線領域に取り付けられる。延在部12A2は、取付部12A1の延びる方向と交差する方向に沿って延びる形状を有し、取付部12A1から第1透明電極21の外側に延びる。
図3が示す例では、取付部12A1の延びる方向と、延在部12A2の延びる方向とは、互いに直交している。取付部12A1の延びる方向が、第1方向D1である。延在部12A2の延びる方向が、第2方向D2である。
【0036】
第1方向D1と直交する第2方向D2での取付部12A1の寸法が、取付部12A1の幅である第1幅W1である。第2方向D2と直交する第1方向D1での延在部12A2の寸法が、延在部12A2の幅である第2幅W2である。取付部12A1の第1幅W1が、延在部12A2の第2幅W2よりも小さい。そのため、取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2以上である場合に比べて、第1透明電極21における取付部12A1の敷設幅を縮小することが可能であるから、調光シート11N,11Rにおける調光領域を拡張可能である。
【0037】
図3が示す例では、取付部12A1が第1方向D1に沿って延びる略矩形状を有している。延在部12A2は、第2方向D2に沿って延びる矩形状を有している。第1配線基板12Aにおいて、取付部12A1の外形と延在部12A2の外形とによって形成される形状は、略T字状である。取付部12A1および延在部12A2によって形成される部分において、導体部31が略T字状を有し、かつ、保護層32が、導体部31を覆うことが可能な略T字状を有している。なお、導体部31のうち、取付部12A1に含まれる部分が櫛歯状を有している。導体部31のなかで、当該櫛歯状を有した部分が上述した導電性接着層に接続される部分である。そのため、櫛歯状を有した部分は、外部に露出している。
【0038】
第1配線基板12Aは、第1方向D1における両端部の少なくとも一方に、取付部12A1に対する延在部12A2側に突出した突出部12A3を備えている。本実施形態では、第1配線基板12Aは、第1方向D1における両端部の各々に、突出部12A3を備えている。第1配線基板12Aを第1透明電極21に取り付ける際に、取付部12A1の端部とともに突出部12A3を把持したり、突出部12A3を第1配線基板12Aの位置決めに用いたりすることが可能である。そのため、取付部12A1の敷設幅が縮小されても、第1透明電極21に対する第1配線基板12Aの取り付け精度が低下することが抑えられる。
【0039】
各突出部12A3は、第2方向D2に沿って延びる略矩形状を有している。第2方向D2において、突出部12A3の長さは、延在部12A2の長さよりも短い。一方で、取付部12A1の第1幅W1と、突出部12A3の長さの和は、延在部12A2の第2幅W2よりも大きい。これにより、第1配線基板12Aを第1透明電極21に取り付ける際に、取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2よりも小さくとも、第1方向D1における第1配線基板12Aの端部を把持することが容易である。
【0040】
突出部12A3には、導体部31の一部が含まれる。ただし、導体部31のなかで突出部12A3に含まれる部分は、導体部31のなかで取付部12A1に含まれる部分に接続されていない。すなわち、導体部31のなかで突出部12A3に含まれる部分は、導体部31のなかで取付部12A1に含まれる部分に対して、保護層32および支持層によって絶縁されている。そのため、取付部12A1から突出部12A3を切り離した際に、突出部12A3に起因する不要な導体が、取付部12A1に残ることがない。
【0041】
図4は、説明の便宜上、第1配線基板12Aのうち、取付部12A1の外形と、延在部12A2の外形のみを示している。
図4には、取付部12A1から突出部12A3が取り除かれた状態の第1配線基板12Aが示されている。
【0042】
図4が示すように、第1方向D1と第2方向D2とが形成する角が基準角θRである。延在部12A2は、延在部12A2の折り曲げを誘導する第1折り曲げ線A21を有している。第1折り曲げ線A21は、基準角θRを二分する直線SLに平行な方向に沿って延びている。これにより、第1折り曲げ線A21に沿って延在部12A2を折り曲げることによって、第1方向D1と第2方向D2とが形成する角度によらず、延在部12A2を第1方向D1に沿うように引き出すことが可能である。
【0043】
第1方向D1に沿うように延在部12A2を引き出すことによって、第2方向D2に沿う延在部12A2の幅を小さくすることが可能である。そのため、調光シート11N,11Rが取付対象に取り付けられた場合に、第1配線基板12Aを覆い隠すための部材が第2方向D2に沿って有する幅を小さくすることが可能である。結果として、調光シート11N,11Rの取付対象を拡張することが可能である。
【0044】
図4が示す例では、第1方向D1と第2方向D2とが互いに直交するため、基準角θRは90°である。直線SLは基準角θRを二分する直線であることから、第1方向D1と直線SLとが形成する角度は45°であり、かつ、第2方向D2と直線SLとが形成する角度は45°である。
【0045】
延在部12A2は、延在部12A2の折り曲げを誘導する第2折り曲げ線A22をさらに備えている。第2折り曲げ線A22は、第1折り曲げ線A21とは異なる折り曲げ線である。第2折り曲げ線A22は、第1折り曲げ線A21よりも取付部12A1と延在部12A2との境界寄りに位置している。第2折り曲げ線A22は、第1方向D1に沿って延びている。延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げた後に、第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げることによって、第2折り曲げ線A22に沿って延在部12A2を折り曲げた分だけ、第2方向D2に沿う第1配線基板12Aの寸法を小さくすることが可能である。これにより、調光シート11N,11Rが取付対象に取り付けられた場合に、第1配線基板12Aを覆い隠すための部材が第2方向D2に沿って有する幅を小さくすることが可能である。結果として、調光シート11N,11Rの取付対象を拡張することが可能である。
【0046】
図4が示す例では、直線SLが第1方向D1と形成する角度が45°であることから、第1折り曲げ線A21が第2折り曲げ線A22と形成する角度も45°である。
第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22は、延在部12A2における折り曲げ線A21,A22以外の部分に比べて、機械的な強度が低い部分である。言い換えれば、折り曲げ線A21,A22は、延在部12A2における折り曲げ線A21,A22以外の部分に比べて、剛性が低い部分である。そのため、延在部12A2に対して延在部12A2を折り曲げるような外力が作用した場合に、延在部12A2は、第1折り曲げ線A21または第2折り曲げ線A22に沿って折れ曲がりやすい。これによって、第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22は、延在部12A2の折り曲げを誘導することが可能である。
【0047】
第2方向D2において、第1折り曲げ線A21と第2折り曲げ線A22との間の距離における最大値Lmaxは、第1方向D1に沿う延在部12A2の第2幅W2よりも大きい。これにより、延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げた場合に、延在部12A2の一部が第2折り曲げ線A22を覆わない。そのため、第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22に沿った延在部12A2の折り曲げが容易である。
【0048】
図5は、
図3に示されるV‐V線に沿った断面構造を示している。一方で、
図6は、
図3に示されるVI‐VI線に沿った断面構造を示している。
図5が示すように、第1配線基板12Aは、導体部31、保護層32、および、支持層33を備えている。導体部31は、第1配線基板12Aの厚さ方向において、保護層32と支持層33とに挟まれている。第1配線基板12Aのうち、第1折り曲げ線A21に相当する部分において、導体部31は、複数の貫通孔31Hを有している。複数の貫通孔31Hは、直線SLと平行な方向に沿って間隔を空けて並んでいる。
【0049】
一方で、導体部31を支持する支持層33、および、導体部31を覆う保護層32は、いずれも貫通孔31Hを有してない。そのため、延在部12A2が第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げられた場合に、導体部31のうちで、互いに隣り合う貫通孔31H間に位置する部分が破断されたとしても、保護層32および支持層33が破断されることは抑えられる。これにより、延在部12A2が第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げられることに起因した延在部12A2の破断が抑えられる。
【0050】
なお、延在部12A2のうちで、第2折り曲げ線A22に相当する部分においても、導体部31は複数の貫通孔を有している。一方で、支持層33および保護層32は、いずれも貫通孔を有していない。そのため、延在部12A2が第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げられた場合に、導体部31のうちで、互いに隣り合う貫通孔間に位置する部分が破断されたとしても、保護層32および支持層33が破断されることは抑えられる。これにより、延在部12A2が第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げられることに起因した延在部12A2の破断が抑えられる。
【0051】
保護層32および支持層33は、光透過性を有している。そのため、延在部12A2の折り曲げを行う作業者は、導体部31が有する複数の貫通孔31Hを保護層32または支持層33を介して視認することが可能である。そのため、作業者は、第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22が延在部12A2を折り曲げるための折り曲げ線であることを視覚によって認識することが可能である。なお、延在部12A2の折り曲げ作業がロボットなどの装置によって行われる場合であっても、第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22は、装置が備える撮像部による検出が可能である。そのため、第1折り曲げ線A21および第2折り曲げ線A22は、延在部12A2の折り曲げを誘導することが可能である。
【0052】
図6が示すように、第1配線基板12Aは、取付部12A1と各突出部12A3との間に、貫通孔12AHを有している。貫通孔12AHは、第1方向D1に沿って延びる形状を有している。各貫通孔12AHは、第1配線基板12Aを貫通している。すなわち、各貫通孔12AHは、保護層32、導体部31、および、支持層33の各々が有する貫通孔によって形成されている。そのため、取付部12A1と各突出部12A3との境界において、導体部31のみが貫通孔を有する場合に比べて、取付部12A1から突出部12A3を切断することが容易である。
【0053】
[配線基板の折り曲げ方法]
図7から
図10を参照して、第1配線基板12Aの折り曲げ方法を説明する。なお、第2配線基板12Bの折り曲げ方法は第1配線基板12Aの折り曲げ方法と同様であるため、第2配線基板12Bの折り曲げ方法についての説明を省略する。
【0054】
図7は、第1配線基板12Aが取り付けられた第1透明電極21の平面構造を、調光層23の平面構造、および、調光シート11Nの取付対象とともに示している。
図7が示すように、調光シート11Nは、取付対象Tに取り付けられている。調光シート11Nにおいて、第1透明電極21および調光層23は、例えば矩形状を有している。なお、第1透明電極21および調光層23を含む調光シート11Nは、矩形状に限らず任意の形状を有することが可能である。第1透明電極21は、第1透明電極21の縁を含む配線領域21Aを有している。配線領域21Aは、調光層23から露出している。配線領域21Aには、第1配線基板12Aが取り付けられている。なお、第1配線基板12Aが配線領域21Aに取り付けられた後に、第1配線基板12Aが有する取付部12A1から突出部12A3が切断される。第1配線基板12Aの延在部12A2には、第1透明電極21を駆動部に接続するためのリード線13が接続されている。
【0055】
図8から
図10は、第1配線基板12Aを第1配線基板12Aの周辺構造とともに拡大して示している。
図8が示すように、第1配線基板12Aのうち、取付部12A1が第1透明電極21の配線領域21Aに取り付けられている。この際に、導体部31のうちで取付部12A1に含まれる櫛歯状の部分が、導電性接着層を介して配線領域21Aに取り付けられる。これにより、第1配線基板12Aが第1透明電極21に電気的に接続される。第1配線基板12Aは、取付部12A1の延びる方向が第1透明電極21の縁に沿うように、配線領域21Aに取り付けられている。
【0056】
図9が示すように、延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げる。延在部12A2が備える2つの端部のうち、取付部12A1に接続される端部が基端であり、基端とは反対側の端部が先端である。延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げる際には、延在部12A2のうち、第1折り曲げ線A21よりも先端寄りの部分が、第1折り曲げ線A21よりも基端寄りの部分を覆うように、延在部12A2を折り曲げる。これにより、延在部12A2のうち、第1折り曲げ線A21よりも先端寄りの部分が、取付部12A1と平行な方向に沿って延びる。そのため、延在部12A2に接続されたリード線13が、取付部12A1と平行な方向に沿って引き出される。
【0057】
図10が示すように、延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げた後に、さらに、延在部12A2を第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げる。この際に、第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げられた延在部12A2が配線領域21Aに取り付けられた取付部12A1を覆うように、延在部12A2を折り曲げる。これにより、第1配線基板12Aが、取付部12A1以上に第1透明電極21の縁からはみ出すことが抑えられる。
【0058】
なお、延在部12A2は、第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げられる一方で、第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げられなくてもよい。延在部12A2の折り曲げ方は、調光ユニット10に求められる第1配線基板12Aの折り曲げ方、あるいは、調光ユニット10に求められるリード線13の引き出し方に応じて、適宜設定される。また、第1配線基板12Aの折り曲げ方と、第2配線基板12Bの折り曲げ方とは、互いに同じであってもよいし、互いに異なっていてもよい。
【0059】
以上説明したように、調光ユニットの一実施形態によれば、以下に記載の効果を得ることができる。
(1)取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2以上である場合に比べて、第1透明電極21における取付部12A1の敷設幅を縮小することが可能であるから、調光シート11N,11Rにおける調光領域を拡張可能である。
【0060】
(2)第1配線基板12Aを第1透明電極21に取り付ける際に、取付部12A1の端部とともに突出部12A3を把持したり、突出部12A3を第1配線基板12Aの位置決めに用いたりすることが可能である。そのため、取付部12A1の敷設幅が縮小されても、第1透明電極21に対する第1配線基板12Aの取り付け精度が低下することが抑えられる。
【0061】
(3)第1折り曲げ線A21に沿って延在部12A2を折り曲げることによって、第1方向D1と第2方向D2とが形成する角度によらず、延在部12A2を第1方向D1に沿うように引き出すことが可能である。
【0062】
(4)延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げた後に、第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げることによって、第2折り曲げ線A22に沿って延在部12A2を折り曲げた分だけ、第2方向D2に沿う第1配線基板12Aの寸法を小さくすることが可能である。
【0063】
なお、上述した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。以下に記載する第1配線基板12Aの変更例は、第2配線基板12Bにも適用可能である。
[第1折り曲げ線]
・
図11が示すように、第1配線基板42Aの延在部12A2は第3折り曲げ線A23を備えることが可能である。この場合には、第1折り曲げ線A21の延びる方向と、第3折り曲げ線A23の延びる方向とが直交している。
【0064】
言い換えれば、第1方向D1と第2方向D2とが形成する1つの角が第1基準角θR1であり、第1方向D1と第2方向D2とが形成する角のうち、第1基準角θR1の補角が第2基準角θR2である。第1基準角θR1を二分する直線が第1直線SL1であり、第2基準角θR2を二分する直線が第2直線SL2である。第1折り曲げ線A21が、第1基準角θR1を二分する第1直線SL1に平行な折り曲げ線である。第3折り曲げ線A23が、第2基準角θR2を二分する第2直線SL2に平行な折り曲げ線である。
【0065】
この場合には、以下に記載の効果を得ることができる。
(5)調光シート11N,11Rに対する第1配線基板12Aの位置に応じて、2つの折り曲げ線A21,A23のうちのいずれに沿って延在部12A2を折り曲げるかを選択することが可能である。
【0066】
なお、第2配線基板12Bが備える延在部も、第1配線基板12Aと同様に第1折り曲げ線A21と第3折り曲げ線A23とを備えることが可能である。
【0067】
・延在部12A2は、第1折り曲げ線A21を有しなくてもよい。この場合であっても、取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2よりも小さいことによって、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。なお、延在部12A2が第1折り曲げ線A21を有しない場合であっても、延在部12A2は第2折り曲げ線A22を有してもよい。
【0068】
[第2折り曲げ線]
・延在部12A2は、第2折り曲げ線A22を有しなくてもよい。この場合であっても、延在部12A2が第1折り曲げ線A21を有していれば、上述した(3)に準じた効果を得ることはできる。また、取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2よりも小さいことによって、上述した(1)に準じた効果を得ることは可能である。なお、延在部12A2が第2折り曲げ線A22を有しない場合であっても、延在部12A2は第1折り曲げ線A21を有してよい。
【0069】
・延在部12A2は、2つ以上の第2折り曲げ線A22を有してもよい。この場合には、複数の第2折り曲げ線A22のいずれに沿って延在部12A2を折り曲げるかによって、取付部12A1に対する延在部12A2の位置を変えることが可能である。
【0070】
[延在部]
・
図12が示すように、第1配線基板52Aは複数の延在部52A2を備えてもよい。
図12が示す例では、第1配線基板52Aは2つの延在部52A2を備えている。複数の延在部52A2は、第1方向D1において間隔を空けて並んでいる。各延在部52A2は、1つの第1折り曲げ線A21を備えている。一方の延在部52A2が備える第1折り曲げ線A21は、他方の延在部52A2が備える第1折り曲げ線A21と直交する方向に沿って延びている。各延在部52A2において、取付部12A1から距離が小さい端部が基端であり、取付部12A1から距離が大きい端部が先端である。延在部52A2の先端間における距離は、延在部52A2の基端間における距離よりも大きい。
【0071】
この場合には、以下に記載の効果を得ることができる。
(6)第1配線基板52Aが複数の延在部52A2を備えるから、1つの延在部が52A2切断されたとしても、他の延在部52A2を用いて調光シート11N,11Rを駆動部に接続することが可能である。
【0072】
また、2つの第1折り曲げ線A21において、先端間における距離が基端間における距離よりも大きい。そのため、各延在部52A2が第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げられた場合に、一方の延在部52A2が他方の延在部52A2から離れる方向に向けて引き出される。これにより、第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げられた延在部52A2が他の延在部52A2に重なることが抑えられる。
【0073】
なお、第2配線基板12Bも、第1配線基板52Aと同様に複数の延在部を備えることが可能である。また、第1配線基板52Aが複数の延在部52A2を備える場合にも、各延在部52A2は、第1折り曲げ線および第3折り曲げ線を有することが可能である。
【0074】
[突出部]
・延在部12A2は、第2方向D2の両端部の一方のみに突出部12A3を有してもよい。この場合には、第1配線基板12Aのうちで、突出部12A3が位置する部分においては、上述した(2)に準じた効果を得ることはできる。あるいは、第1配線基板12Aは、突出部12A3を有しなくてもよい。この場合であっても、取付部12A1の第1幅W1が延在部12A2の第2幅W2よりも小さいことによって、上述した(1)に準じた効果を得ることはできる。
【0075】
[配線基板の折り曲げ方法]
・延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げる際には、延在部12A2のうち、第1折り曲げ線A21よりも基端寄りの部分が、第1折り曲げ線A21よりも先端寄りの部分を覆うように、延在部12A2を折り曲げてもよい。この場合であっても、延在部12A2が第1折り曲げ線A21を備えることから、上述した(3)に準じた効果を得ることはできる。
【0076】
・延在部12A2を第1折り曲げ線A21に沿って折り曲げた後に、第2折り曲げ線A22に沿って折り曲げる際には、配線領域21Aに取り付けられた取付部12A1が延在部12A2を覆うように、延在部12A2を折り曲げてもよい。この場合には、延在部12A2は、第1透明電極21に対して取付部12A1とは反対側に位置することが可能である。この場合であっても、延在部12A2が第2折り曲げ線A22を備えることから、上述した(4)に準じた効果を得ることはできる。
【0077】
なお、上記実施形態、および、変更例によれば、付記に記載の技術的思想が導き出せる。
[付記1]
第1透明電極、第2透明電極、および、前記第1透明電極の一部であって前記第1透明電極の縁を含む配線領域と前記第2透明電極の一部であって前記第2透明電極の縁を含む配線領域とが調光層から露出するように、前記第1透明電極と前記第2透明電極とに挟まれた前記調光層を備える調光シートと、
前記第1透明電極の前記縁に沿って延びる形状を有し、前記第1透明電極の前記配線領域に取り付けられた配線部であって、前記第1透明電極に取り付けられた取付部と、前記取付部の延びる方向と交差する方向に沿って延びる形状を有し、前記取付部から前記第1透明電極の外側に延びる延在部とを備える前記配線部と、を備え、
前記取付部の延びる方向が第1方向であり、
前記延在部の延びる方向が第2方向であり、
前記第1方向と前記第2方向とが形成する角が基準角であり、
前記延在部は、前記延在部を折り曲げる際の折り曲げ線を有し、前記折り曲げ線は、前記基準角を二分する直線に平行な方向に沿って延びる
調光ユニット。
【0078】
上記付記1に記載の調光ユニットによれば、折り曲げ線に沿って延在部を折り曲げることによって、第1方向と第2方向とが形成する角度によらず、延在部を第1方向に沿うように引き出すことが可能である。
【0079】
[付記2]
前記折り曲げ線は第1折り曲げ線であり、
前記延在部は、前記第1折り曲げ線よりも前記取付部と前記延在部との境界寄りに位置する第2折り曲げ線を有し、
前記第2折り曲げ線は、前記第1方向に沿って延びる
付記1に記載の調光ユニット。
【0080】
上記付記2に記載の調光ユニットによれば、延在部を第1折り曲げ線に沿って折り曲げた後に、第2折り曲げ線に沿って折り曲げることによって、第2折り曲げ線に沿って延在部を折り曲げた分だけ、第1方向と直交する方向に沿う配線部の寸法を小さくすることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
10…調光ユニット
11N,11R…調光シート
12A,42A,52A…第1配線基板
12A1…取付部
12A2,52A2…延在部
12A3…突出部
12B…第2配線基板
21…第1透明電極
21A,22A…配線領域
22…第2透明電極
23…調光層
24…第1透明基材
25…第2透明基材
26…第1配向膜
27…第2配向膜
θR…基準角
θR1…第1基準角
θR2…第2基準角
A21…第1折り曲げ線
A22…第2折り曲げ線
A23…第3折り曲げ線