IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ セイコーエプソン株式会社の特許一覧

特許7484400印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法
<>
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図1
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図2
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図3
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図4
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図5
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図6
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図7
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図8
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図9
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図10
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図11
  • 特許-印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法 図12
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法
(51)【国際特許分類】
   B41J 29/38 20060101AFI20240509BHJP
   G06F 3/12 20060101ALI20240509BHJP
   H04N 1/00 20060101ALI20240509BHJP
   B41J 29/42 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
B41J29/38 201
G06F3/12 320
G06F3/12 368
H04N1/00 127Z
B41J29/42 F
G06F3/12 367
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020083882
(22)【出願日】2020-05-12
(65)【公開番号】P2021178433
(43)【公開日】2021-11-18
【審査請求日】2023-03-13
(73)【特許権者】
【識別番号】000002369
【氏名又は名称】セイコーエプソン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110001081
【氏名又は名称】弁理士法人クシブチ国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】古田 泰大
【審査官】牧島 元
(56)【参考文献】
【文献】特開2010-211627(JP,A)
【文献】特開2019-040371(JP,A)
【文献】特開2012-129822(JP,A)
【文献】特開2011-114598(JP,A)
【文献】特開2003-326776(JP,A)
【文献】特開2016-076011(JP,A)
【文献】特開2006-350913(JP,A)
【文献】米国特許出願公開第2007/0038946(US,A1)
【文献】特開2011-081741(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B41J 29/38
G06F 3/12
H04N 1/00
B41J 29/42
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
印刷装置、及び、前記印刷装置と通信可能なサーバーを有する印刷システムであって、
前記印刷装置は、
端末装置から印刷ジョブデータを受信し、受信した前記印刷ジョブデータを記憶し、
前記サーバーは、
前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記サーバーから受信した前記画面情報に含まれるプログラムによって、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに関する印刷ジョブ関連情報に基づいて、前記印刷ジョブデータを選択するための選択画面を生成し、
生成した前記選択画面を前記画面として表示し、
表示した前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、
印刷システム。
【請求項2】
前記印刷装置は、
前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、印刷指示を要求する印刷指示要求情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーは、
前記印刷指示要求情報を前記印刷装置から受信すると、印刷指示を示す印刷指示情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記印刷指示情報を前記サーバーから受信すると、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項3】
前記印刷装置は、
前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記画面情報に含まれるプログラムにより生成される印刷指示を示す印刷指示情報に基づいて、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、
請求項1に記載の印刷システム。
【請求項4】
前記印刷装置は、
ユーザーから認証情報の入力を受け付け、受け付けた認証情報を前記サーバーに送信し、
前記サーバーは、
受信した認証情報に基づいてユーザー認証を行い、ユーザー認証に成功した場合に前記画面情報を前記印刷装置に送信し、ユーザー認証に失敗した場合には前記画面情報を前記印刷装置に送信しない、
請求項1からのいずれか一項に記載の印刷システム。
【請求項5】
前記サーバーは、
ユーザー認証に成功したユーザーの前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る前記画面の前記画面情報を、前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置は、
前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータのうちユーザー認証に成功したユーザーの前記印刷ジョブデータに基づいて、印刷を実行する、
請求項に記載の印刷システム。
【請求項6】
端末装置及びサーバーと通信可能な印刷装置通信部と、記憶部と、印刷部と、表示部と、印刷装置制御部と、を備え、
前記印刷装置制御部は、
前記端末装置から、前記印刷装置通信部により印刷ジョブデータを受信し、
前記印刷装置通信部により受信した前記印刷ジョブデータを前記記憶部に記憶し、
前記サーバーから、前記印刷装置通信部により、前記記憶部が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を受信し、
前記サーバーから受信した前記画面情報に含まれるプログラムによって、前記記憶部が記憶する前記印刷ジョブデータに関する印刷ジョブ関連情報に基づいて、前記印刷ジョブデータを選択するための選択画面を生成し、
生成した前記選択画面を前記画面として前記表示部に表示し、
前記表示部に表示した前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記記憶部が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を前記印刷部により実行する、
印刷装置。
【請求項7】
端末装置から受信した印刷ジョブデータを記憶する印刷装置と通信するサーバー通信部と、
前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記サーバー通信部により前記印刷装置に送信するサーバー制御部と、を備え、
前記画面情報は、前記印刷装置に、自身が記憶する前記印刷ジョブデータに関する印刷ジョブ関連情報に基づいて、前記印刷ジョブデータを選択するための選択画面を生成させ、生成した前記選択画面を前記画面として表示させ、表示した前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、身が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行させるプログラムを含む、
サーバー。
【請求項8】
印刷装置、及び、前記印刷装置と通信可能なサーバーによる印刷方法であって、
前記印刷装置が、
端末装置から印刷ジョブデータを受信し、受信した前記印刷ジョブデータを記憶し、
前記サーバーが、
前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記印刷装置に送信し、
前記印刷装置が、
前記サーバーから受信した前記画面情報に含まれるプログラムによって、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに関する印刷ジョブ関連情報に基づいて、前記印刷ジョブデータを選択するための選択画面を生成し、
生成した前記選択画面を前記画面として表示し、
前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、
印刷方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印刷システム、印刷装置、サーバー、及び、印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、印刷装置とサーバーとが通信することで印刷装置が印刷を行う技術が知られている。例えば、特許文献1は、印刷機能を有する複合機と管理サーバーとを有する処理管理システムにおいて、管理サーバーが、複合機から印刷ジョブの要求を受けると、この複合機に対して情報端末から受信した印刷ジョブを送信し、複合機が、管理サーバーから受信した印刷ジョブに基づく印刷を実行する技術を開示する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2016-051971号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1では、複合機が印刷を実行するまでに、管理サーバーにおいて印刷ジョブの送受信が行われるため、システムにおける通信量が大きいという課題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決する一態様は、印刷装置、及び、前記印刷装置と通信可能なサーバーを有する印刷システムであって、前記印刷装置は、端末装置から印刷ジョブデータを受信し、受信した前記印刷ジョブデータを記憶し、前記サーバーは、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置は、前記サーバーから受信した前記画面情報に基づいて前記画面を表示し、表示した前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、印刷システムである。
【0006】
上記課題を解決する別の一態様は、端末装置及びサーバーと通信可能な印刷装置通信部と、記憶部と、印刷部と、表示部と、印刷装置制御部と、を備え、前記印刷装置制御部は、前記端末装置から、前記印刷装置通信部により印刷ジョブデータを受信し、前記印刷装置通信部により受信した前記印刷ジョブデータを前記記憶部に記憶し、前記サーバーから、前記印刷装置通信部により、前記記憶部が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を受信し、受信した前記画面情報に基づいて前記画面を前記表示部に表示し、前記表示部に表示した前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記記憶部が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を前記印刷部により実行する、印刷装置である。
【0007】
上記課題を解決するさらに別の一態様は、端末装置から受信した印刷ジョブデータを記憶する印刷装置と通信するサーバー通信部と、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記サーバー通信部により前記印刷装置に送信するサーバー制御部と、を備え、前記画面情報は、前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記印刷装置に、自身が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行させるプログラムを含む、サーバーである。
【0008】
上記課題を解決するさらに別の一態様は、印刷装置、及び、前記印刷装置と通信可能なサーバーによる印刷方法であって、前記印刷装置が、端末装置から印刷ジョブデータを受信し、受信した前記印刷ジョブデータを記憶し、前記サーバーが、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷に係る画面の情報である画面情報を前記印刷装置に送信し、前記印刷装置が、前記サーバーから受信した前記画面情報に基づいて前記画面を表示し、前記画面において印刷指示操作が行われた場合に、前記印刷装置が記憶する前記印刷ジョブデータに基づく印刷を実行する、印刷方法である。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】印刷システムの構成を示す図。
図2】複合機、端末装置、及び、サーバーの機能的構成を示すブロック図。
図3】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図4】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図5】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図6】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図7】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図8】複合機、端末装置、及び、サーバーの機能的構成を示すブロック図。
図9】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図10】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図11】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
図12】印刷システムの動作を示すシーケンス図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
図1は、印刷システム1000の構成を示す図である。
図1に示すように、印刷システム1000は、複合機1、端末装置2、及び、サーバー3を備える。複合機1は、印刷装置の一例に対応する。複合機1と端末装置2とは、ローカルネットワークLNに接続する。サーバー3は、グローバルネットワークGNに接続する。
【0011】
印刷システム1000は、認証印刷の機能を有する。
認証印刷とは、複合機1がユーザーPからユーザー認証に係る操作を受け付け、受け付けたユーザー認証に係る操作に基づいてサーバー3がユーザー認証を行い、ユーザー認証に成功した場合にユーザー認証に係る操作を受け付けた複合機1によってユーザーPが希望する印刷ジョブに基づく印刷を実行することを示す。これにより、印刷システム1000は、ユーザーPから離れた場所に設置された複合機1において、ユーザーPが希望する印刷ジョブに基づく印刷が実行されてしまい、印刷物に印刷された情報が第3者に漏洩してしまうことを防止できる。
【0012】
なお、1の印刷ジョブは、印刷によって1又は複数の印刷物を生成するための一連の動作を指す。複数の印刷物を生成する場合では、1の印刷ジョブは、印刷内容が同じ印刷物を生成するための一連の動作を指す。例えば、同じ内容の印刷物を10枚生成する場合、1の印刷ジョブは、10枚の印刷物を生成するための一連の動作を指す。以下の説明では、印刷ジョブを実行するためのデータを「印刷ジョブデータ」といい「1131」の符号を付す。
【0013】
複合機1は、MFP(Multi Function Peripherals)と呼ばれ、印刷やスキャン等の種々の処理を実行可能な装置である。複合機1は、端末装置2から受信した印刷ジョブデータ1131に基づいて各種の処理を実行し、また、複合機1に設けられた操作スイッチやタッチパネル等の入力手段に対するユーザーPの操作に基づいて各種の処理を実行する。
【0014】
複合機1は、端末装置2が生成した印刷ジョブデータ1131を端末装置2から受信し、受信した印刷ジョブデータ1131を、後述する複合機記憶部120に記憶する。複合機記憶部120は、記憶部の一例に対応する。複合機1は、ユーザー認証に係る操作を受け付け、サーバー3においてユーザー認証が成功した場合に、記憶している印刷ジョブデータ1131のうちユーザーPの印刷ジョブデータ1131に基づいて印刷を行う。
【0015】
端末装置2は、PC(Personal Computer)である。図1において、端末装置2の型は、デスクトップ型を例示しているが、ラップトップ型でもタブレット型でもよい。端末装置2は、印刷ジョブデータ1131を生成し、生成した印刷ジョブデータ1131を複合機1に送信する。
【0016】
サーバー3は、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷に係る画面を複合機1に提供するサーバー装置である。以下の説明では、当該画面を、「印刷用画面」という。サーバー3は、Webサーバーとして機能し、印刷用画面を表示させるHTMLファイルを複合機1に送信する。印刷用画面を表示させるHTMLファイルは、画面情報の一例に対応する。サーバー3は、グローバルネットワークGNと接続し、グローバルネットワークGNに接続する通信装置4を介して、ローカルネットワークLNに接続する各機器と通信する。グローバルネットワークGNは、インターネット、電話網、その他の通信網を含む。
【0017】
通信装置4は、ローカルネットワークLNに接続する機器を、グローバルネットワークGNに接続するためのインターフェース装置として機能する。通信装置4は、モデムに係る機能や、ファイヤーウォールの機能、ルーター機能、NAT(Network Address Translation)機能等の機能を有する。通信装置4は、ローカルネットワークLNに接続しする複合機1と、グローバルネットワークGNに接続するサーバー3と、の間で送受信されるデータを転送する。また、通信装置4は、ローカルネットワークLNに接続する端末装置2と、グローバルネットワークGNに接続するサーバー3と、の間で送受信されるデータを転送する。
【0018】
なお、本実施形態では、印刷システム1000が1台の複合機1を備える場合を例示しているが、印刷システム1000が備える複合機1の台数は1台に限定されず複数台でもよい。また、本実施形態では、印刷システム1000が1台の端末装置2を備える場合を例示しているが、印刷システム1000が備える端末装置2の台数は1台に限定されず複数台でもよい。
【0019】
図2は、複合機1、端末装置2、及び、サーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
【0020】
まず、複合機1について説明する。
複合機1は、複合機制御部10、複合機通信部11、複合機入力部12、複合機表示部13、印刷部14、及び、スキャン部15を備える。複合機制御部10は、印刷装置制御部の一例に対応する。また、複合機通信部11は、印刷装置通信部の一例に対応する。また、複合機表示部13は、表示部の一例に対応する。
【0021】
複合機制御部10は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである複合機プロセッサー110、及び、複合機記憶部120を備え、複合機1の各部を制御する。複合機制御部10は、複合機プロセッサー110が、複合機記憶部120に記憶された制御プログラム121を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。複合機制御部10は、複合機プロセッサー110が制御プログラム121を読み出して実行することにより、印刷制御部111として機能する。また、複合機制御部10は、複合機プロセッサー110がブラウザー122を読み出して実行することにより、ブラウザー実行部112として機能する。
【0022】
複合機記憶部120は、複合機プロセッサー110が実行するプログラムや、複合機プロセッサー110により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。複合機記憶部120は、複合機プロセッサー110が実行する制御プログラム121、ブラウザー122、印刷ジョブデータ管理DB123、その他の各種データを記憶する。複合機記憶部120は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、複合機記憶部120は、揮発性記憶領域を備え、複合機プロセッサー110が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0023】
印刷ジョブデータ管理DB123は、印刷ジョブデータ1131を格納するデータベースである。図2に示すように、印刷ジョブデータ管理DB123の1件のレコードには、印刷ジョブデータ1131、印刷ジョブID1132、及び、ユーザーID1133を有する。
【0024】
印刷ジョブID1132は、印刷ジョブを識別するための識別情報である。なお、印刷ジョブID1132は、印刷ジョブデータ1131を識別するための識別情報にも相当する。
【0025】
ユーザーID1133は、認証印刷においてユーザーPを識別するための識別情報である。ユーザーID1133は、予めユーザーPごとに割り当てられる。
【0026】
図2の説明に戻り、複合機通信部11は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、複合機制御部10の制御で、端末装置2及びサーバー3と所定の通信規格に従って通信する。
【0027】
複合機入力部12は、複合機1に設けられた操作スイッチやタッチパネル等の入力手段を備え、ユーザーPの入力手段に対する操作を検出し、複合機制御部10に出力する。複合機制御部10は、複合機入力部12からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。複合機入力部12は、ユーザーPが複合機1に認証情報NJを入力するための入力手段を備える。当該入力手段としては、ユーザーPの認証情報NJを記憶したICカード等を読み取るカードリーダーが一例として挙げられる。なお、ユーザーPの入力方法としては、この例に限られることなく、例えば、ユーザーPが操作スイッチやタッチパネルにユーザーID1133とパスワード3221との組み合わせを認証情報NJとして入力するようにしてもよいし、指紋認証によって認証情報NJを入力するようにしてもよい。本実施形態では、認証情報NJとして、ユーザーID1133とパスワード3221との組み合わせを例示するが、認証情報NJは、これに限定されず、例えば、指紋認証の場合では指紋を示す情報でもよい。
【0028】
複合機表示部13は、複数のLEDや表示パネルを備え、複合機制御部10の制御に従って、LEDを所定の態様で点灯/消灯/点滅や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。
【0029】
印刷部14は、印刷媒体にインクを吐出してドットを形成するインクジェットヘッドや、インクジェットヘッドを走査方向に操作させるキャリッジ、キャリッジを駆動させるキャリッジ駆動モーター、印刷媒体を搬送する搬送ユニット、インクジェットヘッドにインクを供給するインク供給ユニット等の印刷に係る構成を備える。印刷部14は、複合機制御部10の制御に従って、インクジェットヘッドのノズルからインクを吐出して搬送される印刷媒体の印刷面にドットを形成することで、印刷媒体に印刷を行う。
【0030】
スキャン部15は、原稿に記録された文字や画像を読み取るスキャナー等の読み取りに係る構成を備える。スキャン部15は、例えば、光源が発する光を原稿に当てて記録された文字や画像を読み取り、読み取りにより得られた画像データを複合機制御部10に出力する。複合機制御部10は、スキャン部15から入力された画像データに対してRGB変換や圧縮処理等のデータ処理を行い、所定形式のデータを生成する。そして、複合機制御部10は、生成した所定形式のデータを複合機記憶部120に記憶させる。
【0031】
次に、端末装置2について説明する。
端末装置2は、端末制御部20、端末通信部21、端末入力部22、及び、端末表示部23を備える。
【0032】
端末制御部20は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーである端末プロセッサー210、及び、端末記憶部220を備え、端末装置2の各部を制御する。端末制御部20は、端末プロセッサー210が、端末記憶部220に記憶された制御プログラム221を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。また、端末制御部20は、端末プロセッサー210が、端末記憶部220が記憶するアプリケーション222を実行することでアプリ実行部211として機能する。また、端末制御部20は、端末プロセッサー210が、端末記憶部220が記憶するプリンタードライバー223を実行することでドライバー実行部212として機能する。
【0033】
端末記憶部220は、端末プロセッサー210が実行するプログラムや、端末プロセッサー210により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。端末記憶部220は、端末プロセッサー210が実行する制御プログラム221、アプリケーション222、プリンタードライバー223、ユーザーID1133、その他の各種データを記憶する。端末記憶部220は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、端末記憶部220は、揮発性記憶領域を備え、端末プロセッサー210が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0034】
端末通信部21は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、端末制御部20の制御に従って複合機1及びサーバー3と通信する。
【0035】
端末入力部22は、端末装置2に設けられた操作スイッチや、タッチパネル、マウス、キーボード等の入力手段を備え、ユーザーPの入力手段に対する操作を検出し、検出結果を端末制御部20に出力する。端末制御部20は、端末入力部22からの入力に基づいて、入力手段に対する操作に対応する処理を実行する。
【0036】
端末表示部23は、LEDや表示パネル等を備え、端末制御部20の制御に従って、LEDの所定の態様での点灯/点滅/消灯や、表示パネルへの情報の表示等を実行する。
【0037】
次に、サーバー3について説明する。
サーバー3は、サーバー制御部30、及び、サーバー通信部31を備える。
【0038】
サーバー制御部30は、CPUやMPU等のプログラムを実行するプロセッサーであるサーバープロセッサー310、及び、サーバー記憶部320を備え、サーバー3の各部を制御する。サーバー制御部30は、サーバープロセッサー310が、サーバー記憶部320に記憶された制御プログラム321を読み出して処理を実行するように、ハードウェア、及びソフトウェアの協働により各種処理を実行する。
【0039】
サーバー記憶部320は、サーバープロセッサー310が実行するプログラムや、サーバープロセッサー310により処理されるデータを記憶する記憶領域を有する。サーバー記憶部320は、サーバープロセッサー310が実行する制御プログラム321、認証情報DB322、印刷ジョブ関連情報DB323、その他の各種データを記憶する。サーバー記憶部320は、プログラムやデータを不揮発的に記憶する不揮発性記憶領域を有する。また、サーバー記憶部320は、揮発性記憶領域を備え、サーバープロセッサー310が実行するプログラムや処理対象のデータを一時的に記憶するワークエリアを構成してもよい。
【0040】
認証情報DB322は、認証情報NJをレコードとして格納するデータベースである。認証情報DB322が格納する1件のレコードは、ユーザーID1133とパスワード3221との組み合わせを1つ有する。
【0041】
印刷ジョブ関連情報DB323は、印刷ジョブ関連情報IKJをレコードとして格納するデータベースである。印刷ジョブ関連情報IKJは、印刷ジョブID1132、ユーザーID1133、及び、名称情報3231を含む。したがって、印刷ジョブ関連情報DB323が格納する1件のレコードは、印刷ジョブID1132とユーザーID1133と名称情報3231を有する。
【0042】
名称情報3231は、同じレコードにおいて対応付く印刷ジョブID1132が示す印刷ジョブデータ1131のデータ名を示す情報である。名称情報3231が示すデータ名は、例えば、ユーザーPが適宜に設定したデータ名や、アプリ実行部211が自動で設定したデータ名等である。
【0043】
なお、印刷ジョブ関連情報IKJは、少なくとも印刷ジョブID1132とユーザーID1133とを含めばよく、名称情報3231に代わって、或いは、名称情報3231に加えて名称情報3231と異なる情報を含んでもよい。
【0044】
サーバー通信部31は、所定の通信規格に従った通信ハードウェアを備え、サーバー制御部30の制御に従って複合機1及び端末装置2と通信する。
【0045】
次に、印刷システム1000の動作について、印刷制御部111、ブラウザー実行部112、アプリ実行部211、及び、ドライバー実行部212の説明を通して説明する。
【0046】
まず、複合機1が印刷ジョブデータ1131を印刷ジョブデータ管理DB123に格納するまでの印刷システム1000の動作について説明する。
【0047】
図3は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図3に示すシーケンス図の開始時点では、ユーザーPの操作に基づいて端末装置2が印刷ジョブデータ1131を生成しているとする。
【0048】
ここで、印刷ジョブデータ1131の生成について説明する。
端末制御部20のアプリ実行部211は、事前に端末装置2にインストールされたアプリケーション222の機能によって、ユーザーPの端末装置2に対する操作に基づき複合機1が印刷する画像の画像データを生成する。ドライバー実行部212は、事前に端末装置2にインストールされたプリンタードライバー223の機能によって、アプリ実行部211が生成した画像データに基づき印刷ジョブデータ1131を生成する。印刷ジョブデータ1131には、アプリ実行部211が生成した画像データや、当該画像データが示す画像を印刷するための各種コマンド、印刷物の生成枚数を示す情報等が含まれる。なお、印刷ジョブデータ1131に含まれる各種コマンドは、複合機1のコマンド仕様に対応したコマンドである。
【0049】
ユーザーPは、端末装置2に対して、端末装置2が生成した印刷ジョブデータ1131を複合機1に送信する送信指示を行う(ステップSK11)。
【0050】
端末装置2のドライバー実行部212は、ユーザーPから送信指示を受け付けると(ステップSK12)、印刷ジョブ関連情報IKJを生成する(ステップSK13)。例えば、ドライバー実行部212は、ステップSK13において、印刷ジョブID1132及び名称情報3221を生成し、印刷ジョブID1132と、名称情報3231と、端末記憶部220が記憶するユーザーID1133とを対応付けて印刷ジョブ関連情報IKJを生成する。なお、ドライバー実行部212は、ステップSK13の実行前に、印刷ジョブID1132が生成されている場合、ステップSK13において印刷ジョブID1132を生成しなくてもよい。名称情報3231についても同様である。
【0051】
次いで、ドライバー実行部212は、端末通信部21によって、生成した印刷ジョブ関連情報IKJを送信する(ステップSK14)。
【0052】
サーバー3のサーバー制御部30は、サーバー通信部31によって印刷ジョブ関連情報IKJを受信すると、受信した印刷ジョブ関連情報IKJを1のレコードとして印刷ジョブ関連情報DB323に格納する(ステップSK15)。
【0053】
端末装置2の説明に戻り、ドライバー実行部212は、端末通信部21によって、生成した印刷ジョブデータ1131、印刷ジョブID1132、及び、ユーザーID1133を送信する(ステップSK16)。
【0054】
複合機1の複合機制御部10は、印刷ジョブデータ1131、印刷ジョブID1132、及び、ユーザーID1133を受信すると、受信したこれら情報を有するレコードを印刷ジョブデータ管理DB123に格納する(ステップSK17)。
【0055】
図3に示す端末装置2の動作では、端末装置2が、サーバー3への情報送信を行った後、複合機1への情報送信を行う構成であるが、情報送信を行う順番は逆でもよい。また、端末装置2は、サーバー3及び複合機1に対して情報送信を同時に行ってもよい。
【0056】
次に、複合機1が印刷ジョブデータ1131を印刷ジョブデータ管理DB123に格納した後の印刷システム1000の動作について説明する。この印刷システム1000の動作の説明では、ユーザーPに係る印刷ジョブデータ1131の全てを対象に複合機1が印刷を実行する場合と、ユーザーPに係る印刷ジョブデータ1131のうちユーザーPが選択した印刷ジョブデータ1131を対象に複合機1が印刷を実行する場合と、に分けて説明する。
以下、前者の場合を「第1の場合」といい、後者の場合を「第2の場合」という。
【0057】
<第1の場合>
まず、第1の場合における印刷システム1000の動作について説明する。
【0058】
図4は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。
【0059】
ブラウザー実行部112は、認証画面要求情報を複合機通信部11によってサーバー3に送信する(ステップSK101)。認証画面要求情報は、ユーザー認証に係る画面である認証画面を表示させるHTMLファイルを要求する情報である。
【0060】
サーバー制御部30は、認証画面要求情報をサーバー通信部31により受信すると、認証画面を表示させるHTMLファイルをサーバー通信部31により複合機1に送信する(ステップSK102)。
【0061】
ブラウザー実行部112は、認証画面を表示させるHTMLファイルを複合機通信部11によりサーバー3から受信すると、複合機表示部13によって認証画面を表示する(ステップSK103)。
【0062】
認証画面は、例えば、「カードリーダーにICカードをかざしてください」や、「ユーザーIDとパスワードとを入力してください」等の認証情報NJの入力を促す情報を含む。
【0063】
ユーザーPは、複合機1が表示する認証画面に基づいて、複合機1に対して認証情報NJを入力する(ステップSK104)。
【0064】
ブラウザー実行部112は、ユーザーPが入力した認証情報NJを受け付ける(ステップSK105)。
【0065】
次いで、ブラウザー実行部112は、操作画面要求情報を、複合機通信部11によってサーバー3に送信する(ステップSK106)。操作画面要求情報は、印刷指示操作をユーザーPが行うための画面である印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルを要求する情報である。操作画面要求情報には、ユーザーPが入力した認証情報NJが含まれる。印刷指示操作画面は、サーバー3が複合機1に提供する印刷用画面である。したがって、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルは、画面情報の一例に対応する。
【0066】
サーバー制御部30は、操作画面要求情報を受信すると、受信した操作画面要求情報に含まれる認証情報NJに基づいて、ユーザー認証を行う(ステップSK107)。
【0067】
ステップSK107では、サーバー制御部30は、認証情報DB322を参照して、受信した操作画面要求情報に含まれる認証情報NJが、1のレコードとして認証情報DB322に格納されているか否かを判別する。サーバー制御部30は、格納されていないと判別した場合、ユーザー認証に失敗したと判別し、格納されていると判別した場合、ユーザー認証に成功したと判別する。
【0068】
サーバー制御部30は、ユーザー認証に成功したと判別した場合、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルをサーバー通信部31によって複合機1に送信する(ステップSK108)。なお、サーバー制御部30は、ユーザー認証に失敗したと判別した場合、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルを複合機1に送信しない。
【0069】
ブラウザー実行部112は、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルを複合機通信部11により受信すると、複合機表示部13によって印刷指示操作画面を表示する(ステップSK109)。
【0070】
印刷指示操作画面は、例えば、印刷指示操作画面においてユーザーPが印刷指示操作を行うためのソフトウェアボタンを含む。
【0071】
ユーザーPは、複合機1が表示する印刷指示操作画面において印刷指示操作を行う(ステップSK110)。
【0072】
ブラウザー実行部112は、ユーザーPが行った印刷指示操作を受け付ける(ステップSK111)。
【0073】
印刷指示操作を受け付けると、ブラウザー実行部112は、印刷指示を要求する印刷指示要求情報を、複合機通信部11によってサーバー3に送信する(ステップSK112)。
【0074】
サーバー制御部30は、印刷指示要求情報を受信すると、印刷指示を示す印刷指示情報をサーバー通信部31により複合機1に送信する(ステップSK113)。ステップSK113において送信される印刷指示情報には、ステップSK106において送信された操作画面要求情報に含まれる認証情報NJのユーザーID1133が含まれる。
【0075】
サーバー制御部30は、印刷指示情報を複合機1に送信すると、印刷指示の受け付けが完了したことを通知する画面である受付完了画面を表示させるHTMLファイルを、複合機1に送信する(ステップSK114)。
【0076】
受付完了画面は、例えば、「印刷指示の受け付けが完了しました。印刷を開始します」等の印刷指示を受け付けたこと、及び、印刷を開始することを通知する情報を含む。
【0077】
ブラウザー実行部112は、受付完了画面を表示させるHTMLファイルを複合機通信部11により受信すると、複合機表示部13によって受付完了画面を表示する(ステップSK115)。
【0078】
次いで、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112がサーバー3から受信した印刷指示情報に基づいて、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行し(ステップSK116)、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷物をユーザーPに対して生成する(ステップSK117)
【0079】
ステップSK116において、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が受信した印刷指示情報に含まれるユーザーID1133が対応付けられた全ての印刷ジョブデータ1131を、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する。そして、印刷制御部111は、特定した全ての印刷ジョブデータ1131を処理対象として、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0080】
図4に示すシーケンス図は、サーバー3が送信した印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行する構成であるが、ブラウザー実行部112が印刷指示情報を生成し、この印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行してもよい。この構成について、図5を参照して説明する。
【0081】
図5は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図5において、図4に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0082】
印刷指示操作を受け付けると(ステップSK111)、ブラウザー実行部112は、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、複合機表示部13によって受付完了画面を表示する(ステップSK201)。印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトは、画面情報に含まれるプログラムの一例に対応する。
【0083】
次いで、ブラウザー実行部112は、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、印刷指示情報を生成する(ステップSK202)。ステップSK202において生成される印刷指示情報には、ステップSK106において送信された操作画面要求情報に含まれる認証情報NJのユーザーID1133が含まれる。
【0084】
ブラウザー実行部112は、印刷指示情報を生成すると、印刷指示操作画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、生成した印刷指示情報を印刷制御部111に出力する(ステップSK203)。
【0085】
次いで、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成した印刷指示情報に基づいて、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行し(ステップSK204)、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷物をユーザーPに対して生成する(ステップSK117)。
【0086】
ステップSK204において、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成し出力した印刷指示情報に含まれるユーザーID1133が対応付けられた全ての印刷ジョブデータ1131を、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する。そして、印刷制御部111は、特定した全ての印刷ジョブデータ1131を処理対象として、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0087】
<第2の場合>
次に、第2の場合における印刷システム1000の動作について説明する。
【0088】
図6は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図6において、図4に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0089】
ユーザーPが入力した認証情報NJを受け付けると(ステップSK105)、ブラウザー実行部112は、選択画面要求情報を複合機通信部11によってサーバー3に送信する(ステップSK301)。選択画面要求情報は、印刷ジョブデータ1131を選択するための画面である選択画面を表示させるHTMLファイルを要求する情報である。選択画面要求情報には、ユーザーPが入力した認証情報NJが含まれる。選択画面は、印刷用画面である。したがって、選択画面を表示させるHTMLファイルは、画面情報の一例に対応する。
【0090】
サーバー制御部30は、選択画面要求情報を受信すると、受信した選択画面要求情報に含まれる認証情報NJに基づいて、ユーザー認証を行う(ステップSK302)。
【0091】
ステップSK302では、サーバー制御部30は、認証情報DB322を参照して、受信した選択画面要求情報に含まれる認証情報NJが、1のレコードとして認証情報DB322に格納されているか否かを判別する。サーバー制御部30は、格納されていないと判別した場合、ユーザー認証に失敗したと判別し、格納されていると判別した場合、ユーザー認証に成功したと判別する。
【0092】
サーバー制御部30は、ユーザー認証に成功した場合、ユーザー認証に成功したユーザーID1133を含む全ての印刷ジョブ関連情報IKJを、印刷ジョブ関連情報DB323から特定する(ステップSK303)。
【0093】
サーバー制御部30は、印刷ジョブ関連情報IKJを特定すると、特定した印刷ジョブ関連情報IKJに基づいて、特定した印刷ジョブ関連情報IKJが含む印刷ジョブID1132が示す印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を生成する(ステップSK304)。
【0094】
選択画面は、例えば、ユーザー認証に成功したユーザーPの印刷ジョブデータ1131一覧として、当該印刷ジョブデータ1131のデータ名の一覧を表示する画面である。また、選択画面は、例えば、ユーザー認証に成功したユーザーPの印刷ジョブデータ1131の一覧から、1又は複数の印刷ジョブデータ1131を選択するためのソフトウェアボタンを含む。また、選択画面は、例えば、選択画面においてユーザーPが印刷指示操作を行うためのソフトウェアボタンを含む。
【0095】
次いで、サーバー制御部30は、生成した選択画面を表示させるHTMLファイルをサーバー通信部31によって複合機1に送信する(ステップSK305)。選択画面を表示させるHTMLファイルには、ステップSK303において特定した印刷ジョブ関連情報IKJが含む印刷ジョブID1132を全て含む。
【0096】
なお、サーバー制御部30は、ステップSK302のユーザー認証において失敗した場合、選択画面の生成を行うことなく、且つ、選択画面を表示させるHTMLファイルを複合機1に送信しない。
【0097】
ブラウザー実行部112は、選択画面を表示させるHTMLファイルを複合機通信部11により受信すると、複合機表示部13によって選択画面を表示する(ステップSK306)。
【0098】
ユーザーPは、複合機1が表示する選択画面において、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131を1又は複数選択する(ステップSK307)。
【0099】
次いで、ユーザーPは、複合機1が表示する選択画面において、印刷指示操作を行う(ステップSK308)。
【0100】
ブラウザー実行部112は、ユーザーPが行った印刷指示操作を受け付ける(ステップSK309)。
【0101】
印刷指示操作を受け付けると、ブラウザー実行部112は、印刷指示要求情報を、複合機通信部11によってサーバー3に送信する(ステップSK310)。ステップSK310において送信される印刷指示要求情報には、ステップSK307においてユーザーPが選択した全ての印刷ジョブデータ1131の印刷ジョブID1132を含む。
【0102】
サーバー制御部30は、印刷指示要求情報を受信すると、印刷指示情報をサーバー通信部31により複合機1に送信する(ステップSK311)。ステップSK311において送信される印刷指示情報には、受信した印刷指示要求情報に含まれる印刷ジョブID1132を含む。
【0103】
サーバー制御部30は、印刷指示情報を複合機1に送信すると、受付完了画面を表示させるHTMLファイルを複合機1に送信する(ステップSK312)。
【0104】
ブラウザー実行部112は、受付完了画面を表示させるHTMLファイルを複合機通信部11により受信すると、複合機表示部13によって受付完了画面を表示する(ステップSK313)。
【0105】
次いで、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112がサーバー3から受信した印刷指示情報に基づいて、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行し(ステップSK314)、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷物をユーザーPに対して生成する(ステップSK117)。
【0106】
ステップSK314において、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が受信した印刷指示情報に含まれる印刷ジョブID1132が対応付けられた印刷ジョブデータ1131を、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する。そして、印刷制御部111は、特定した印刷ジョブデータ1131を処理対象として、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0107】
図6に示すシーケンス図は、サーバー3が送信した印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行する構成であるが、ブラウザー実行部112が印刷指示情報を生成し、この印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行してもよい。この構成について、図7を参照して説明する。
【0108】
図7は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図7において、図6に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0109】
印刷指示を受け付けると(ステップSK309)、ブラウザー実行部112は、サーバー3から受信した選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、複合機表示部13に受付完了画面を表示する(ステップSK401)。選択画面を表示させるHTMLファイルは、画面情報に含まれるプログラムの一例に対応する。
【0110】
次いで、ブラウサー実行部112は、選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、印刷指示情報を生成する(ステップSK402)。ステップSK402において生成される印刷指示情報には、ステップSK307において選択された全ての印刷ジョブデータ1131の印刷ジョブID1132が含まれる。
【0111】
次いで、ブラウザー実行部112は、生成した印刷指示情報を印刷制御部111に出力する(ステップSK403)。
【0112】
次いで、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成した印刷指示情報に基づいて、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行し(ステップSK404)、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷物をユーザーPに対して生成する(ステップSK117)。
【0113】
ステップSK404において、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成した印刷指示情報に含まれる印刷ジョブID1132が対応付けられた全ての印刷ジョブデータ1131を、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する。そして、印刷制御部111は、特定した全ての印刷ジョブデータ1131を処理対象として、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0114】
以上、説明したように、印刷システム1000は、複合機1、及び、複合機1と通信可能なサーバー3を有する。複合機1は、端末装置2から印刷ジョブデータ1131を受信し、受信した印刷ジョブデータ1131を記憶する。サーバー3は、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷に係る画面である印刷用画面のHTMLファイルを複合機1に送信する。複合機1は、サーバー3から受信した印刷用画面のHTMLファイルに基づいて印刷用画面を表示し、表示した印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0115】
また、複合機1は、端末装置2、及び、サーバー3と通信可能な複合機通信部11と、複合機記憶部120と、印刷部14と、複合機表示部13と、複合機制御部10と、を備える。複合機制御部10は、端末装置2から、複合機通信部11により印刷ジョブデータ1131を受信し、複合機通信部11により受信した印刷ジョブデータ1131を複合機記憶部120に記憶する。また、複合機制御部10は、サーバー3から、複合機通信部11により、印刷用画面のHTMLファイルを受信し、受信した印刷用画面のHTMLファイルに基づいて印刷用画面を複合機表示部13に表示し、複合機表示部13に表示した印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、複合機記憶部120が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を印刷部14により実行する。
【0116】
サーバー3は、端末装置2から受信した印刷ジョブデータ1131を記憶する複合機1と通信するサーバー通信部31と、印刷用画面のHTMLファイルをサーバー通信部31により複合機1に送信するサーバー制御部30と、を備える。印刷用画面のHTMLファイルは、印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、複合機1に、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行させるスクリプトを含む。
【0117】
複合機1、及び、複合機1と通信可能なサーバー3による印刷方法では、複合機1が、端末装置2から印刷ジョブデータ1131を受信し、受信した印刷ジョブデータ1131を記憶し、サーバー3が、印刷用画面のHTMLファイルを複合機1に送信し、複合機1が、サーバー3から受信した印刷用画面のHTMLファイルに基づいて印刷用画面を表示し、印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0118】
印刷システム1000、複合機1、サーバー3、及び、印刷方法によれば、サーバー3との通信によって複合機1が印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する際、サーバー3が印刷ジョブデータ1131を送受信しないため、印刷システム1000における通信量を抑制できる。また、印刷ジョブデータ1131をサーバー3が送受信しないため、印刷ジョブデータ1131がグローバルネットワークGNを経由することがない。したがって、印刷システム1000、複合機1、サーバー3、及び、印刷方法は、印刷ジョブデータ1131に対するセキュリティーを向上でき、また、印刷システム1000における通信コストの増大を抑制できる。
【0119】
複合機1は、印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、印刷指示を要求する印刷指示要求情報をサーバー3に送信する。サーバー3は、印刷指示要求情報を複合機1から受信すると、印刷指示を示す印刷指示情報を複合機1に送信する。複合機1は、印刷指示情報をサーバー3から受信すると、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0120】
この構成によれば、複合機1がサーバー3からの印刷指示によって印刷を実行するため、印刷システム1000における通信量を抑制しつつ、サーバー3からの印刷指示によって複合機1が印刷を実行できる。
【0121】
複合機1は、印刷用画面において印刷指示操作が行われた場合、印刷用画面のHTMLファイルに含まれるスクリプトにより生成される印刷指示情報に基づいて、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0122】
この構成によれば、複合機1は、サーバー3から印刷用画面のHTMLファイルを受信した後、サーバー3と通信することなく印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行できるため、印刷システム1000における通信量をより抑制できる。
【0123】
印刷用画面は、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面である。サーバー3は、端末装置2が複合機1に送信する印刷ジョブデータ1131に関する印刷ジョブ関連情報IKJを、端末装置2から受信し、受信した印刷ジョブ関連情報IKJに基づいて選択画面を生成し、生成した選択画面のHTMLファイルを複合機1に送信する。
【0124】
この構成によれば、複合機1が、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を表示できるため、ユーザーPが容易に複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131を選択できる。また、選択画面を表示させる際に、サーバー3においては、印刷ジョブデータ1131の送受信が行われない。したがって、この構成によれば、印刷システム1000の通信量を抑えつつ、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131をユーザーPが容易に選択できるようになる。
【0125】
印刷用画面は、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面である。複合機1は、端末装置2から受信した印刷ジョブデータ1131に関する印刷ジョブ関連情報IKJを、サーバー3に送信する。サーバー3は、受信した印刷ジョブ関連情報IKJに基づいて選択画面を生成し、生成した選択画面のHTMLファイルを複合機1に送信する。
【0126】
この構成によれば、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を複合機1が表示するため、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131をユーザーPが容易に選択できる。また、選択画面を表示させる際に、サーバー3においては、選択画面を表示させるHTMLファイルの送信以降、情報の送受信が行われない。したがって、この構成によれば、印刷システム1000の通信量をより抑制しつつ、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131をユーザーPが容易に選択できるようになる。
【0127】
複合機1は、ユーザーPから認証情報NJの入力を受け付け、受け付けた認証情報NJをサーバー3に送信する。サーバー3は、受信した認証情報NJに基づいてユーザー認証を行い、ユーザー認証に成功した場合に印刷用画面のHTMLファイルを複合機1に送信し、ユーザー認証に失敗した場合には印刷用画面のHTMLファイルを複合機1に送信しない。
【0128】
この構成によれば、ユーザー認証に成功した場合に印刷用画面のHTMLファイルを複合機1に送信し、失敗した場合には当該HTMLファイルを送信しないため、ユーザー認証に成功したユーザーP以外の者による印刷ジョブデータ1131に基づく印刷の実行を防止できる。
【0129】
サーバー3は、ユーザー認証に成功したユーザーPの印刷ジョブデータ1131に基づく印刷に係る印刷用画面のHTMLファイルを、複合機1に送信する。複合機1は、自身が記憶する印刷ジョブデータ1131のうちユーザー認証に成功したユーザーPの印刷ジョブデータ1131に基づいて、印刷を実行する。
【0130】
この構成によれば、ユーザー認証に成功したユーザーPの印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行できるため、ユーザーPがユーザーP以外の者の印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行してしまうといった事態の発生を防止できる。よって、印刷ジョブデータ1131に対するセキュリティーを向上できる。
【0131】
[第2実施形態]
次に、第2実施形態について説明する。
第2実施形態の説明では、第1実施形態の複合機1、端末装置2、及び、サーバー3の構成要素と同じ構成要素については、同一の符号を付して詳細な説明を適宜に省略する。
【0132】
図8は、第2実施形態の複合機1、端末装置2、及び、サーバー3の機能的構成を示すブロック図である。
【0133】
図8図2とを比較して明らかな通り、第2実施形態では、サーバー3が印刷ジョブ関連情報DB323を有していない。また、第2実施形態では、複合機1が印刷ジョブデータ管理DB123において印刷ジョブ関連情報IKJを格納する。
【0134】
第2実施形態の印刷ジョブデータ管理DB123が格納する1件のレコードには、印刷ジョブデータ1131と、印刷ジョブ関連情報IKJとを有する。
【0135】
次に、第2実施形態の印刷システム1000の動作について説明する。
まず、複合機1が印刷ジョブデータ1131を印刷ジョブデータ管理DB123に格納するまでの印刷システム1000の動作について説明する。
【0136】
図9は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図9に示すシーケンス図の開始時点では、端末装置2がユーザーPの操作に基づいて印刷ジョブデータ1131を生成しているとする。
【0137】
ユーザーPは、端末装置2に対して、端末装置2が生成した印刷ジョブデータ1131を複合機1に送信する送信指示を行う(ステップSK21)。
【0138】
端末装置2のドライバー実行部212は、ユーザーPから送信指示を受け付けると(ステップSK22)、印刷ジョブ関連情報IKJを生成する(ステップSK23)。例えば、ドライバー実行部212は、ステップSK13で説明した例示の処理と同様の処理を実行して、印刷ジョブ関連情報IKJを生成する。
【0139】
次いで、ドライバー実行部212は、端末通信部21によって、生成した印刷ジョブデータ1131と、生成した印刷ジョブ関連情報IKJとを対応付けて送信する(ステップSK24)。
【0140】
複合機1の複合機制御部10は、印刷ジョブデータ1131、及び、印刷ジョブ関連情報IKJを受信すると、受信した印刷ジョブデータ1131と印刷ジョブ関連情報IKJを有するレコードを印刷ジョブデータ管理DB123に格納する(ステップSK25)。
【0141】
次に、複合機1が印刷ジョブデータ1131を印刷ジョブデータ管理DB123に格納した後の第2実施形態の印刷システム1000の動作について説明する。本実施形態においても、第1実施形態と同様に、この印刷システム1000の動作の説明では、第1の場合と第2の場合とに分けて説明する。
【0142】
<第1の場合>
まず、第1の場合における印刷システム1000の動作について説明する。
【0143】
第1の場合では、第2実施形態の印刷システム1000は、図4又は図5のシーケンス図が示す動作を実行する。
【0144】
<第2の場合>
次に、第2の場合における印刷システム1000の動作について説明する。
【0145】
図10は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図10において、図6に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0146】
サーバー制御部30は、ユーザー認証に成功した場合、関連情報要求情報をサーバー通信部31によって複合機1に送信する(ステップSK501)。関連情報要求情報は、ユーザー認証に成功したユーザーID1133を含む印刷ジョブ関連情報IKJを要求する情報である。関連情報要求情報には、ユーザー認証に成功したユーザーID1133を含む。なお、サーバー制御部30は、ユーザー認証に失敗した場合、関連情報要求情報を複合機1に送信しない。
【0147】
ブラウザー実行部112は、関連情報要求情報をサーバー3から受信すると、受信した関連情報要求情報に含まれるユーザーID1133を含む全ての印刷ジョブ関連情報IKJを、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する(ステップSK502)。
【0148】
次いで、ブラウザー実行部112は、ステップSK502で特定した印刷ジョブ関連情報IKJをサーバー3に送信する(ステップSK503)。
【0149】
サーバー制御部30は、受信した印刷ジョブ関連情報IKJに基づいて、印刷ジョブ関連情報IKJが含む印刷ジョブID1132が示す印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を生成する(ステップSK504)。ステップSK504で生成される選択画面は、第1実施形態で説明した選択画面と同様の画面である。
【0150】
次いで、サーバー制御部30は、生成した選択画面を表示させるHTMLファイルをサーバー通信部31によって複合機1に送信する(ステップSK505)。選択画面を表示させるHTMLファイルには、複合機1から受信した印刷ジョブ関連情報IKJに含まれる全ての印刷ジョブID1132を含む。
【0151】
図10に示すシーケンス図は、サーバー3が、ユーザー認証に成功したユーザーID1133の印刷ジョブデータ1131を選択する選択画面を生成する構成であるが、ブラウザー実行部112が当該選択画面を生成してもよい。この構成について、図11を参照して説明する。
【0152】
図11は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図11において、図10に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0153】
サーバー制御部30は、ユーザー認証に成功した場合、選択画面を表示させるHTMLファイルをサーバー通信部31によって複合機1に送信する(ステップSK601)。この選択画面を表示させるHTMLファイルには、ユーザー認証に成功したユーザーID1133を含む。なお、サーバー制御部30は、ユーザー認証に失敗した場合、選択画面を表示させるHTMLファイルを複合機1に送信しない。
【0154】
ブラウザー実行部112は、選択画面を表示させるHTMLファイルを受信すると、受信した当該HTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、当該HTMLファイルに含まれるユーザーID1133を有する印刷ジョブ関連情報IKJを印刷ジョブデータ管理DB123から特定する(ステップSK602)。この選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトは、画像情報に含まれるプログラムの一例に対応する。
【0155】
次いで、ブラウザー実行部112は、特定した印刷ジョブ関連情報IKJに基づいて、特定した印刷ジョブ関連情報IKJと対応付けられる印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を、受信した選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、生成する(ステップSK603)。
【0156】
次いで、ブラウザー実行部112は、サーバー3から受信した選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、生成した選択画面を複合機表示部13に表示する(ステップSK604)。
【0157】
図10及び図11に示すシーケンス図は、サーバー3が送信した印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行する構成であるが、ブラウザー実行部112が印刷指示情報を生成し、この印刷指示情報に基づいて印刷制御部111が印刷を実行してもよい。この構成について、図12を参照して説明する。
【0158】
図12は、印刷システム1000の動作を示すシーケンス図である。図12において、図11に示すシーケンス図と同じステップについては同一のステップ番号を付し、その詳細な説明を省略する。
【0159】
印刷指示操作を受け付けると(ステップSK309)、ブラウザー実行部112は、サーバー3から受信した選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、複合機表示部13に受付完了画面を表示する(ステップSK701)。この選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトは、画像情報に含まれるプログラムの一例に対応する。
【0160】
次いで、ブラウザー実行部112は、選択画面を表示させるHTMLファイルに含まれるスクリプトの機能によって、印刷指示情報を生成する(ステップSK702)。ステップSK702において生成される印刷指示情報には、ステップSK307において選択された印刷ジョブデータ1131の印刷ジョブID1132が含まれる。
【0161】
次いで、ブラウザー実行部112は、選択画面を表示させるHTMLファイルに実装されたスクリプトの機能によって、生成した印刷指示情報を印刷制御部111に出力する(ステップSK703)。
【0162】
次いで、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成した印刷指示情報に基づいて、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行し(ステップSK704)、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷物をユーザーPに対して生成する(ステップSK117)。
【0163】
ステップSK704において、印刷制御部111は、ブラウザー実行部112が生成した印刷指示情報に含まれる印刷ジョブID1132が対応付けられた全ての印刷ジョブデータ1131を、印刷ジョブデータ管理DB123から特定する。そして、印刷制御部111は、特定した全ての印刷ジョブデータ1131を処理対象として、印刷ジョブデータ1131に基づく印刷を実行する。
【0164】
以上、第2実施形態の構成によれば、第1実施形態と同様の効果を奏する。
【0165】
また、説明したように、第2実施形態において、複合機1は、サーバー3から受信した選択画面を表示させるHTMLファイルと、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131に関する印刷ジョブ関連情報IKJとに基づいて、印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を生成し、生成した選択画面を表示する。
【0166】
この構成によれば、サーバー3が選択画面を生成しない場合でも、複合機1が、複合機1が記憶する印刷ジョブデータ1131を選択するための選択画面を表示できる。したがって、この構成によれば、サーバー3が選択画面を生成しない場合でも、印刷システム1000の通信量を抑制しつつ、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131をユーザーPが容易に選択できるようになる。
【0167】
複合機1は、サーバー3から受信した印刷用画面のHTMLファイルに含まれるスクリプトによって、選択画面を生成する。
【0168】
この構成によれば、選択画面を表示させる際に、サーバー3においては、選択画面を表示させるHTMLファイルの送信以降、情報の送受信が行われない。したがって、この構成によれば、サーバー3が選択画面を生成しない場合でも、印刷システム1000の通信量をより抑制しつつ、複合機1に実行させる印刷ジョブデータ1131をユーザーPが容易に選択できるようになる。
【0169】
上述した各実施形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。
【0170】
例えば、上述した各実施形態では、複合機1の印刷方式としてシリアルインクジェット方式を例示したが、複合機1の印刷方式は、ラインインクジェット方式でもよい。また、複合機1の印刷方式は、インクジェット方式に限定されず、他の印刷方式でもよい。また、印刷装置として複合機1を例示したが、印刷装置は複合機1に限定されず、スキャン機能を有しないプリンター等の印刷装置でもよい。また、複合機1は、ファクシミリ機能等のさらに種々の機能を有する装置でもよい。
【0171】
また、複合機制御部10、端末制御部20、及び、サーバー制御部30の機能は、複数のプロセッサー、又は、半導体チップにより実現してもよい。
【0172】
また、図2、及び、図8に示した各部は一例であって、具体的な実装形態は特に限定されない。つまり、必ずしも各部に個別に対応するハードウェアが実装される必要はなく、一つのプロセッサーがプログラムを実行することで各部の機能を実現する構成とすることも勿論可能である。また、上述した実施形態においてソフトウェアで実現される機能の一部をハードウェアとしてもよく、或いは、ハードウェアで実現される機能の一部をソフトウェアで実現してもよい。その他、複合機1、端末装置2、及び、サーバー3の他の各部の具体的な細部構成についても、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で任意に変更可能である。
【0173】
また、例えば、図3図7、及び、図9図12に示す動作のステップ単位は、印刷システム1000の各装置の動作の理解を容易にするために、主な処理内容に応じて分割したものであり、処理単位の分割の仕方や名称によって、本発明が限定されることはない。処理内容に応じて、さらに多くのステップ単位に分割してもよい。また、1つのステップ単位がさらに多くの処理を含むように分割してもよい。また、そのステップの順番は、本発明の趣旨に支障のない範囲で適宜に入れ替えてもよい。
【符号の説明】
【0174】
1…複合機(印刷装置)、2…端末装置、3…サーバー、4…通信装置、10…複合機制御部(印刷装置制御部)、11…複合機通信部(印刷装置通信部)、12…複合機入力部、13…複合機表示部(表示部)、14…印刷部、15…スキャン部、20…端末制御部、21…端末通信部、22…端末入力部、23…端末表示部、30…サーバー制御部、31…サーバー通信部、110…複合機プロセッサー、111…印刷制御部、112…ブラウザー実行部、120…複合機記憶部(記憶部)、121…制御プログラム、122…ブラウザー、123…印刷ジョブデータ管理DB、210…端末プロセッサー、211…アプリ実行部、212…ドライバー実行部、220…端末記憶部、221…制御プログラム、222…アプリケーション、223…プリンタードライバー、310…サーバープロセッサー、320…サーバー記憶部、321…制御プログラム、322…認証情報DB、323…印刷ジョブ関連情報DB、1000…印刷システム、1131…印刷ジョブデータ、1132…印刷ジョブID、1133…ユーザーID、3221…パスワード、3231…名称情報、GN…グローバルネットワーク、IKJ…印刷ジョブ関連情報、LN…ローカルネットワーク、NJ…認証情報、P…ユーザー。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12