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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】
(24)【登録日】2024-05-08
(45)【発行日】2024-05-16
(54)【発明の名称】貯水槽の排水監視システム
(51)【国際特許分類】
   E03B 11/12 20060101AFI20240509BHJP
   F16K 37/00 20060101ALI20240509BHJP
   G01F 23/24 20060101ALI20240509BHJP
【FI】
E03B11/12
F16K37/00 D
G01F23/24 N
【請求項の数】 8
(21)【出願番号】P 2020100929
(22)【出願日】2020-06-10
(65)【公開番号】P2021195747
(43)【公開日】2021-12-27
【審査請求日】2023-05-29
(73)【特許権者】
【識別番号】000236056
【氏名又は名称】三菱電機ビルソリューションズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100082175
【弁理士】
【氏名又は名称】高田 守
(74)【代理人】
【識別番号】100106150
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 英樹
(74)【代理人】
【識別番号】100142642
【弁理士】
【氏名又は名称】小澤 次郎
(72)【発明者】
【氏名】谷岡 芳正
【審査官】小林 謙仁
(56)【参考文献】
【文献】特開2008-144375(JP,A)
【文献】特開2006-322261(JP,A)
【文献】特開2012-001910(JP,A)
【文献】国際公開第1994/029822(WO,A1)
【文献】特開2000-328613(JP,A)
【文献】特開2003-027533(JP,A)
【文献】特開2009-108534(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E03B 1/00-11/16
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、前記上流側通信部が第1信号を受信するときに前記水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、
前記排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、前記排水経路における水位が前記第1水位に達したことを前記水位検出部が検出するときに無線によって前記第1信号を前記上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、
を備え
前記下流側通信部は、前記水位検出部が前記第1水位に達したことを検出するときに無線によって前記第1信号を前記貯水槽の排水作業の作業員が携帯する携帯端末に送信する
貯水槽の排水監視システム。
【請求項2】
水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、前記上流側通信部が第1信号を受信するときに前記水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、
前記排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、前記排水経路における水位が前記第1水位に達したことを前記水位検出部が検出するときに無線によって前記第1信号を前記上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、
を備え
前記水位検出部は、前記排水経路における水位が前記第1水位の下方の第2水位より高いことを検出し、
前記下流側通信部は、前記排水経路における水位が前記第2水位に達したことを前記水位検出部が検出するときに無線によって第2信号を前記上流側通信部に送信し、
前記バルブ操作部は、前記上流側通信部が前記第2信号を受信するときに前記水抜バルブの開度を小さくする
貯水槽の排水監視システム。
【請求項3】
前記水位検出部は、前記排水経路における水位が前記第2水位の下方の第3水位より低いことを検出し、
前記下流側通信部は、前記排水経路における水位が前記第3水位より低いことを前記水位検出部が検出しているときに無線によって第3信号を前記貯水槽の排水作業の作業員が携帯する携帯端末に送信する
請求項2に記載の貯水槽の排水監視システム。
【請求項4】
水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、前記上流側通信部が第1信号を受信するときに前記水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、
前記排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、前記排水経路における水位が前記第1水位に達したことを前記水位検出部が検出するときに無線によって前記第1信号を前記上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、
を備え
前記バルブ操作部は、前記水抜バルブのハンドルを回転させることで前記水抜バルブの開度を操作し、
前記上流側装置は、
前記水抜バルブが全開するときの前記ハンドルの回転量を記憶する記憶部
を備え、
前記バルブ操作部は、前記記憶部が記憶する回転量に基づいて前記ハンドルを回転させ、
前記記憶部は、前記貯水槽の排水作業の作業員が携帯する携帯端末から前記上流側通信部を通じて入力される回転量を記憶する
貯水槽の排水監視システム。
【請求項5】
水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、前記上流側通信部が第1信号を受信するときに前記水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、
前記排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、前記排水経路における水位が前記第1水位に達したことを前記水位検出部が検出するときに無線によって前記第1信号を前記上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、
を備え
前記下流側装置は、側面がメッシュ状部材で形成され底面が開いた筒状の接地部を有し、前記接地部によって自立する
貯水槽の排水監視システム。
【請求項6】
前記接地部は、前記排水管に通じる排水口のストレーナーに上からはめ込むように配置される
請求項5に記載の貯水槽の排水監視システム。
【請求項7】
前記水位検出部は、前記第1水位より低い高さに下端を有する基準電極、および前記第1水位の高さに下端を有する第1電極を有し、前記基準電極および前記第1電極の間の電気抵抗値の変化に基づいて前記排水経路における水位が前記第1水位より高いことを検出する
請求項1から請求項6のいずれか一項に記載の貯水槽の排水監視システム。
【請求項8】
前記下流側装置を複数備える
請求項1から請求項7のいずれか一項に記載の貯水槽の排水監視システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、貯水槽の排水監視システムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1は、バルブ開閉管理システムの例を開示する。バルブ開閉管理システムは、バルブの開閉状況を表示するバルブ開閉表示装置と、バルブ開閉表示装置を撮影する監視カメラと、を備える。バルブ監視システムにおいて、監視カメラの映像に基づいてバルブの開閉状況が遠隔地から把握される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【文献】特開2017-187070号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
貯水槽の保守作業において、作業員は貯水槽の水抜バルブを開けて排水を行うことがある。ここで、貯水槽の排水に要する時間は、水抜きバルブの開閉状況の他に貯水槽の貯水量などによって変動する。特許文献1のバルブ開閉管理システムを貯水槽の水抜バルブに適用しても、貯水槽の排水に要する時間は遠隔地から把握されない。このため、貯水槽の排水が完了するまで作業員が目視によって排水の状況を継続的に監視しなければならない場合がある。
【0005】
本開示は、このような課題の解決に係るものである。本開示は、排水の状況を目視によって作業員が継続的に監視する必要のない貯水槽の排水監視システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本開示に係る貯水槽の排水監視システムは、水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、上流側通信部が第1信号を受信するときに水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、排水経路における水位が第1水位に達したことを水位検出部が検出するときに無線によって第1信号を上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、を備え、下流側通信部は、水位検出部が第1水位に達したことを検出するときに無線によって第1信号を貯水槽の排水作業の作業員が携帯する携帯端末に送信する
本開示に係る貯水槽の排水監視システムは、水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、上流側通信部が第1信号を受信するときに水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、排水経路における水位が第1水位に達したことを水位検出部が検出するときに無線によって第1信号を上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、を備え、水位検出部は、排水経路における水位が第1水位の下方の第2水位より高いことを検出し、下流側通信部は、排水経路における水位が第2水位に達したことを水位検出部が検出するときに無線によって第2信号を上流側通信部に送信し、バルブ操作部は、上流側通信部が第2信号を受信するときに水抜バルブの開度を小さくする。
本開示に係る貯水槽の排水監視システムは、水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、上流側通信部が第1信号を受信するときに水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、排水経路における水位が第1水位に達したことを水位検出部が検出するときに無線によって第1信号を上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、を備え、バルブ操作部は、水抜バルブのハンドルを回転させることで水抜バルブの開度を操作し、上流側装置は、水抜バルブが全開するときのハンドルの回転量を記憶する記憶部を備え、バルブ操作部は、記憶部が記憶する回転量に基づいてハンドルを回転させ、記憶部は、貯水槽の排水作業の作業員が携帯する携帯端末から上流側通信部を通じて入力される回転量を記憶する。
本開示に係る貯水槽の排水監視システムは、水抜バルブが取り付けられる水抜管から開放された排水経路を通じて排水管に排水する貯水槽に設けられ、無線によって通信する上流側通信部、および、上流側通信部が第1信号を受信するときに水抜バルブを全閉するバルブ操作部、を有する上流側装置と、排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する水位検出部、および、排水経路における水位が第1水位に達したことを水位検出部が検出するときに無線によって第1信号を上流側通信部に送信する下流側通信部、を有する下流側装置と、を備え、下流側装置は、側面がメッシュ状部材で形成され底面が開いた筒状の接地部を有し、接地部によって自立する。
【発明の効果】
【0007】
本開示に係る排水監視システムであれば、排水の状況を目視によって作業員が継続的に監視する必要がなくなる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】実施の形態1に係る排水監視システムの構成図である。
図2】実施の形態1に係る下流側装置の構成図である。
図3】実施の形態1に係る上流側装置の構成図である。
図4】実施の形態1に係る排水監視システムの動作の例を示すフローチャートである。
図5】実施の形態1に係る排水監視システムの主要部のハードウェア構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本開示を実施するための形態について添付の図面を参照しながら説明する。各図において、同一または相当する部分には同一の符号を付して、重複する説明は適宜に簡略化または省略する。
【0010】
実施の形態1.
図1は、実施の形態1に係る排水監視システム1の構成図である。
【0011】
排水監視システム1は、貯水槽2の排水の監視に適用される。貯水槽2は、水を貯留する水槽である。貯水槽2は、例えば高置水槽である。高置水槽は、例えば建物3において使用される飲用水などの上水を貯留する水槽である。高置水槽は、建物3の屋上4などに設けられる。この例において、高置水槽である貯水槽2は、架台5の上に配置される。架台5は、塔屋6の上に設けられる。塔屋6は、例えば屋上4の階段室または機械室などである。なお、貯水槽2は、塔屋6の上面の高さ、または塔屋6と同じ高さなどに配置されていてもよい。
【0012】
建物3は、例えば雨水などを排水する排水管7を有する。屋上4において、排水管7に通じる排水口8が設けられる。排水口8において、排水管7へのごみなどの流入を抑えるストレーナー9が設けられる。この例において、ストレーナー9の形状は、上方に向けて突出している。建物3の屋上4は、建物3の外部に開放されている。屋上4の屋上スラブなどの平面部10は、例えば雨天時に雨水を受ける。このとき、雨水は、例えば平面部10から排水口8に流れ込む。
【0013】
貯水槽2は、水抜管11と、水抜バルブ12と、を備える。水抜管11は、貯水槽2に貯留されている水を抜く配管である。水抜管11の一端は、貯水槽2の下部または底部などに接続される。この例において、水抜管11の他端は、屋上4の平面部10に向けられる。水抜バルブ12は、水抜管11に取り付けられる手動のバルブである。水抜バルブ12は、貯水槽2が水を貯留しているときに全閉になっている。水抜バルブ12は、貯水槽2の保守作業などにおいて貯水槽2から排水するときに全閉から全開までの範囲において開かれる。保守作業は、例えば清掃および点検などを含む。水抜バルブ12が開いているときに、貯水槽2に貯留されていた水は水抜管11から屋上4の平面部10に流し出される。水抜管11から流し出された水は、屋上4の平面部10を通じて排水口8に流れ込む。このとき、屋上4の平面部10は、開放された排水経路の例である。なお、水抜管11の貯水槽2の反対側の端部は、塔屋6の上面に向けられていてもよい。このとき、塔屋6の上面および屋上4の平面部10は、開放された排水経路の例である。
【0014】
ここで、例えば排水口8が雨水などの排水に対応するものである場合、貯水槽2の水抜管11からの排水量が排水管7の排水量を超えるときに、開放された排水経路である屋上4の平面部10から水があふれる可能性がある。また、排水口8のストレーナー9にごみなどが詰まっている場合に、排水管7の排水量の低下によって屋上4の平面部10から水があふれる可能性がある。このため、貯水槽2の排水作業を行う作業員は、排水監視システム1を用いて、開放された排水経路における水位を監視する。
【0015】
排水監視システム1は、下流側装置13と、上流側装置14と、を備える。下流側装置13は、開放された排水経路に配置される。この例において、下流側装置13は、排水口8の上に配置される。下流側装置13は、配置された場所における水位を監視する装置である。下流側装置13は、下流側通信部15を備える。下流側通信部15は、無線による通信を行う部分である。上流側装置14は、水抜バルブ12を操作する装置である。上流側装置14は、水抜バルブ12に設けられる。上流側装置14は、例えば水抜管11に取り付けられてもよい。あるいは、上流側装置14は、例えば水抜バルブ12の周囲に設置されてもよい。上流側装置14は、上流側通信部16を備える。上流側通信部16は、無線による通信を行う部分である。上流側装置14は、上流側通信部16が下流側通信部15から受信した下流側装置13が監視する水位の情報に基づいて水抜バルブ12を操作する。
【0016】
排水作業を行う作業員は、携帯端末17を携帯する。携帯端末17は、例えばスマートフォンなどの可搬な情報端末である。携帯端末17は、無線通信の機能を搭載する。携帯端末17は、無線によって下流側装置13および上流側装置14との間で通信を行う。
【0017】
下流側通信部15、上流側通信部16、および携帯端末17は、例えばインターネットまたは電話回線網などの通信網を通じて通信を行ってもよい。下流側通信部15、上流側通信部16および携帯端末17は、例えばIEEE 802.11規格またはIEEE 802.15規格などに準拠して無線通信を行ってもよい。
【0018】
図2は、実施の形態1に係る下流側装置13の構成図である。
【0019】
下流側装置13は、接地部18と、筐体19と、水位検出部20と、を備える。
【0020】
接地部18は、屋上4の平面部10などの開放された排水経路に置かれる部分である。接地部18は、例えば底面が開いた筒状の部材である。この例において、接地部18の形状は、円筒状である。接地部18の側面は、接地部18の内外において同じ水位となるようにメッシュ状部材で形成される。メッシュ状部材は、例えば金網などである。下流側装置13は、接地部18の底面が排水経路に置かれることによって自立する。この例において、接地部18の底面の直径は、ストレーナー9の直径より大きい。接地部18は、ストレーナー9に上からはめ込むように配置される。
【0021】
筐体19は、下流側通信部15および水位検出部20を格納する部分である。筐体19は、接地部18の上部に設けられる。
【0022】
水位検出部20は、排水経路における水位を検出する部分である。この例において、水位検出部20は、第1電極21a、第2電極21b、第3電極21c、および基準電極21dを有する。第1電極21a、第2電極21b、第3電極21c、および基準電極21dの各々は、例えば電極棒である。第1電極21a、第2電極21b、第3電極21c、および基準電極21dの各々は、筐体19の下端部から下方に向けられる。
【0023】
第1電極21aの下端の高さは、排水経路から水があふれる水位より低い高さに配置される。第1電極21aの下端の高さの水位は、第1水位である。
【0024】
第2電極21bの下端の高さは、第1電極21aの下端の高さより低い高さに配置される。第2電極21bの下端の高さの水位は、第2水位である。第3電極21cの下端の高さは、第2電極21bの下端の高さより低い高さに配置される。
【0025】
第3電極21cの下端の高さは、例えば排水口8の高さ程度の高さに配置される。第3電極21cの下端は、排水口8から排水管7の内部に差し込まれてもよい。第3電極21cの下端の高さの水位は、第3水位である。
【0026】
基準電極21dの下端の高さは、第3電極21cの下端の高さ以下の高さに配置される。
【0027】
第1電極21a、第2電極21b、第3電極21c、および基準電極21dの各々の位置は、建物3などの状況に応じて排水作業の開始前に作業員によって調整されてもよい。水位検出部20は、基準電極21dおよび第1電極21aの間の電気抵抗値の変化に基づいて第1水位より高い水位を検出する。水位検出部20は、基準電極21dおよび第2電極21bの間の電気抵抗値の変化に基づいて第2水位より高い水位を検出する。水位検出部20は、基準電極21dおよび第3電極21cの間の電気抵抗値の変化に基づいて第3水位より高い水位を検出する。
【0028】
下流側通信部15は、水位検出部20が検出した水位に基づいて、無線による信号を上流側通信部16に送信する。下流側通信部15は、水位検出部20が第1水位より高い水位を検出するときに、第1信号を送信する。下流側通信部15は、水位検出部20が第2水位より高く第1水位より低い水位を検出するときに、第2信号を送信する。下流側通信部15は、水位検出部20が第3水位より高く第2水位より低い水位を検出するときに、第3信号を送信する。この例において、下流側通信部15は、第1信号、第2信号、および第3信号を携帯端末17にも送信する。
【0029】
図3は、実施の形態1に係る上流側装置14の構成図である。
【0030】
この例において、水抜バルブ12は、回転によって開度を調整するハンドル22を有する。
【0031】
上流側装置14は、固定部23と、記憶部24と、バルブ操作部25と、を備える。
【0032】
固定部23は、上流側装置14を水抜バルブ12に対して固定する部分である。固定部23は、例えばクランプを有する。このとき、固定部23は、例えばクランプで水抜管11などを挟み込むことで上流側装置14を水抜バルブ12に対して固定する。固定部23は、脚部を有してもよい。脚部は、水抜バルブ12の周囲に置かれる部分である。脚部は、上流側装置14の向きを水抜バルブ12に合わせて調整する首部を有してもよい。
【0033】
記憶部24は、水抜バルブ12が全閉から全開になるまでのハンドル22の回転量を記憶する部分である。
【0034】
バルブ操作部25は、水抜バルブ12の開閉の操作を行う部分である。バルブ操作部25は、クランク26と、モーター27と、制御部28と、を有する。クランク26は、水抜バルブ12のハンドル22にかみ合う部分である。モーター27は、クランク26を回転させることでハンドル22を回す機器である。制御部28は、モーター27によるクランク26の回転量などを制御する部分である。制御部28は、記憶部24が記憶している回転量に基づいてモーター27およびクランク26を通じてハンドル22を回転させることによって、水抜バルブ12の開度を調整する。クランク26の回転半径は調整可能であってもよい。バルブ操作部25において、クランク26は、交換可能であってもよい。あるいは、クランク26は、水抜バルブ12のハンドル22を掴んで回す他の部材と交換可能であってもよい。
【0035】
続いて、排水監視システム1を用いた排水作業の例を説明する。
【0036】
作業員は、下流側装置13を設置する。このとき、作業員は、水位検出部20の第1電極21a、第2電極21b、第3電極21c、または基準電極21dなどの調整を行ってもよい。
【0037】
その後、作業員は、全閉になっている水抜バルブ12を手動で全開にする。このとき、作業員は、水抜バルブ12のハンドル22の回転量を記憶部24に記憶させる。記憶部24に記憶させる回転量は、例えば携帯端末17から上流側通信部16を通じて入力される。なお、同じ貯水槽2において以前に排水作業を行ったことがあるなど記憶部24が回転量を予め記憶している場合に、回転量の入力は省略されてもよい。
【0038】
その後、作業員は、上流側装置14を設置する。なお、バルブ操作部25がハンドル22の手動の操作を妨げない場合などに、上流側装置14は、水抜バルブ12を全開にする前に設置されてもよい。上流側装置14を設置した後に、作業員は、水抜バルブ12を全開にしたまま携帯端末17を携帯して屋上4を離れる。このとき、作業員は、排水作業の他の作業を行ってもよい。
【0039】
貯水槽2の水抜管11から水が流れ出ている間、下流側装置13は、排水経路の水位を監視する。
【0040】
排水経路の水位が上昇して第2水位を超えるとき、水位検出部20は、基準電極21dおよび第2電極21bの間の電気抵抗値の変化などに基づいて第2水位に達したことを検出する。このとき、下流側通信部15は、第2信号を上流側通信部16および携帯端末17に送信する。
【0041】
携帯端末17は、第2信号を受信したときに、第2水位に達したことを作業員に通知する。通知を受けた作業員は、屋上4に戻って排水作業の状況を確認してもよい。
【0042】
上流側装置14のバルブ操作部25は、上流側通信部16が第2信号を受信したときに、水抜バルブ12の開度を小さくする。バルブ操作部25は、記憶部24が記憶している回転量に基づいてハンドル22を回転させる。バルブ操作部25は、例えば記憶部24が記憶している回転量に予め設定された割合を乗じた回転量だけ水抜バルブ12を閉める方向にハンドル22を回転させる。回転量に乗じる割合は、例えば5割である。
【0043】
バルブ操作部25による水抜バルブ12の操作が正常に完了したときに、上流側通信部16は、操作完了信号を携帯端末17に送信する。一方、バルブ操作部25が水抜バルブ12の操作に失敗したときに、上流側通信部16は、操作失敗信号を携帯端末17に送信する。
【0044】
携帯端末17は、操作完了信号を受信したときに、バルブ操作部25による水抜バルブ12の操作が正常に完了したことを作業員に通知する。通知を受けた作業員は、屋上4に戻らずに作業を継続する。
【0045】
一方、携帯端末17は、操作失敗信号を受信したときに、バルブ操作部25による水抜バルブ12の操作が失敗したことを作業員に通知する。通知を受けた作業員は、屋上4に戻ってバルブ操作部25の状況および排水作業の状況を確認する。作業員は、確認した状況に応じた対処を行った後に排水作業を再開する。
【0046】
水抜バルブ12の開度が小さくなることによって、貯水槽2の水抜管11からの排水量は小さくなる。これによって排水経路の水位が下降に転じる場合に、排水経路からの水のあふれが回避される。また、水抜管11からの排水は継続しているため、排水作業に要する時間の延びが抑えられる。
【0047】
一方、貯水槽2の水抜管11からの排水量が小さくなっても排水経路の水位が上昇を続ける場合に、排水経路の水位が第1水位に達する可能性がある。このとき、水位検出部20は、基準電極21dおよび第1電極21aの間の電気抵抗値の変化などに基づいて第1水位に達したことを検出する。このとき、下流側通信部15は、第1信号を上流側通信部16および携帯端末17に送信する。
【0048】
携帯端末17は、第1信号を受信したときに、第1水位に達したことを作業員に通知する。通知を受けた作業員は、屋上4に戻って排水作業の状況を確認する。
【0049】
上流側装置14のバルブ操作部25は、上流側通信部16が第1信号を受信したときに、水抜バルブ12を全閉にする。バルブ操作部25は、例えば記憶部24が記憶している回転量に基づいてハンドル22を回転させる。バルブ操作部25は、例えば記憶部24が記憶している回転量から第2水位に達したときの回転量を差し引いた回転量だけ水抜バルブ12を閉める方向にハンドル22を回転させる。あるいは、バルブ操作部25は、記憶部24が記憶している回転量に関わらず、ハンドル22が回転しなくなるまで水抜バルブ12を閉める方向にハンドル22を回転させてもよい。
【0050】
水抜バルブ12が全閉することによって、貯水槽2の水抜管11からの排水は停止する。これにより排水経路の水位は上昇しなくなるため、排水経路からの水のあふれが回避される。水抜管11からの排水は、例えば排水管7を通じた排水によって排水経路の水位が十分下降した後に、屋上4に戻った作業員によって再開される。
【0051】
貯水槽2が貯留されている水を水抜管11から排水し終えた後に、排水管7を通じた排水によって排水経路の水位が下降する。排水経路の水位が第3水位より低いときに、水位検出部20は、基準電極21dおよび第3電極21cの間の電気抵抗値の変化などに基づいて第3水位より低いことを検出する。このとき、下流側通信部15は、第3信号を上流側通信部16および携帯端末17に送信する。なお、下流側通信部15は、排水経路の水位が第3水位を下回ったときに第3信号を送信してもよい。あるいは、下流側通信部15は、排水経路の水位が第3水位より低い間、定期的に第3信号を送信してもよい。
【0052】
携帯端末17は、第3信号を受信したときに、排水経路の水位が第3水位より低いことを作業員に通知する。通知を受けた作業員は、貯水槽2からの排水が完了したと判断する。その後、作業員は、屋上4に戻って貯水槽2からの排水が完了したことを確認する。その後、作業員は、排水作業に続く清掃などの貯水槽2の保守の作業を開始する。
【0053】
続いて、図4を用いて、排水監視システム1の動作の例を説明する。
図4は、実施の形態1に係る排水監視システム1の動作の例を示すフローチャートである。
【0054】
ステップS1において、水位検出部20は、排水経路の水位が第3水位より低いかを判定する。判定結果がYesの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS2に進む。判定結果がNoの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS3に進む。
【0055】
ステップS2において、下流側通信部15は、第3信号の送信によって携帯端末17への通知を行う。その後、排水監視システム1の動作は、ステップS3に進む。
【0056】
ステップS3において、水位検出部20は、排水経路の水位が第2水位に達したかを判定する。判定結果がYesの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS4に進む。判定結果がNoの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS6に進む。
【0057】
ステップS4において、下流側通信部15は、第2信号の送信によって携帯端末17への通知を行う。その後、排水監視システム1の動作は、ステップS5に進む。
【0058】
ステップS5において、下流側通信部15は、第2信号を上流側通信部16に送信する。バルブ操作部25は、上流側通信部16が第2信号を受信するときに、水抜バルブ12の開度を小さくする。その後、排水監視システム1の動作は、ステップS6に進む。
【0059】
ステップS6において、水位検出部20は、排水経路の水位が第1水位に達したかを判定する。判定結果がYesの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS7に進む。判定結果がNoの場合に、排水監視システム1の動作は、ステップS1に進む。
【0060】
ステップS7において、下流側通信部15は、第1信号の送信によって携帯端末17への通知を行う。その後、排水監視システム1の動作は、ステップS8に進む。
【0061】
ステップS7において、下流側通信部15は、第1信号を上流側通信部16に送信する。バルブ操作部25は、上流側通信部16が第1信号を受信するときに、水抜バルブ12を全閉にする。その後、排水監視システム1の動作は、ステップS1に進む。
【0062】
なお、作業員は、携帯端末17を通じて下流側装置13および上流側装置14に状況を照会する照会信号を送信してもよい。下流側装置13の下流側通信部15は、照会信号を受信するときに、例えば水位検出部20が検出している水位などを携帯端末17に送信する。上流側装置14の上流側通信部16は、照会信号を受信するときに、例えばバルブ操作部25のモーター27の回転角および記憶部24が記憶している回転量の情報などに基づいて算出される水抜バルブ12の開度などを携帯端末17に送信する。携帯端末17は、下流側装置13および上流側装置14から受信した情報を作業員に通知する。
【0063】
以上に説明したように、実施の形態1に係る貯水槽2の排水監視システム1は、上流側装置14と、下流側装置13と、を備える。貯水槽2は、外部に開放された排水経路を通じて水抜管11から排水管7に排水する。水抜管11において、水抜バルブ12が取り付けられる。上流側装置14は、貯水槽2に設けられる。上流側装置14は、上流側通信部16と、バルブ操作部25と、を備える。上流側通信部16は、無線によって通信する。バルブ操作部25は、上流側通信部16が第1信号を受信するときに、水抜バルブ12を全閉する。下流側装置13は、水位検出部20と、下流側通信部15と、を備える。水位検出部20は、排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する。下流側通信部15は、排水経路における水位が第1水位に達したことを水位検出部20が検出するときに、無線によって第1信号を上流側通信部16に送信する。
【0064】
貯水槽2の排水作業において、水抜管11からの排水量および排水管7の排水量などの関係によって、排水経路における水位が上昇することがある。水位の上昇が続けば、外部に開放されている排水経路から水があふれる可能性がある。排水経路が屋上4の平面部10である場合に、あふれた水は、建物3の外壁を伝って建物3の外側に流れ出る可能性がある。また、あふれた水は、例えば階段室などを通じて建物3の内部に浸水する可能性がある。これに対し、排水経路の水位が第1水位に達したときにバルブ操作部25によって水抜バルブ12が全閉されるので、水のあふれが自動的に防止される。このため、排水の状況を目視によって作業員が継続的に監視する必要がなくなる。また、排水経路の水位の変化を直接検出するので、水位の上昇の要因が貯水槽2側または排水口8側のいずれにある場合においても、排水監視システム1は、水のあふれを予防できる。また、水抜管11からの排水量を計測する流量計などの貯水槽2への追加を必要としないので、既存の貯水槽2における排水作業に容易に適用できる。また、貯水槽2の内部などへの機器の追加を必要としないので、機器の持ち込みによる貯水槽2の衛生状態の変化が起こりにくくなる。
【0065】
また、水位検出部20は、基準電極21dおよび第1電極21aを有する。基準電極21dは、第1水位より低い高さに下端を有する。第1電極21aは、第1水位の高さに下端を有する。水位検出部20は、基準電極21dおよび第1電極21aの間の電気抵抗値の変化に基づいて排水経路における水位が第1水位より高いことを検出する。
【0066】
これにより、簡易な構成により排水経路における水位の変化を検出できる。また、電極の高さの調整によって、作業現場の状況に応じた第1水位を容易に設定できる。
【0067】
また、下流側通信部15は、水位検出部20が第1水位に達したことを検出するときに、無線によって第1信号を携帯端末17に送信する。携帯端末17は、貯水槽2の排水作業の作業員に携帯される。
【0068】
これにより、作業員は、貯水槽2が設けられる場所を離れて他の作業を行っている場合においても、第1水位に達したことを速やかに把握できる。これにより、排水経路における水位の上昇への速やかな対処が可能になる。
【0069】
また、水位検出部20は、排水経路における水位が第2水位より高いことを検出する。第2水位は、第1水位の下方の水位である。下流側通信部15は、排水経路における水位が第2水位に達したことを水位検出部20が検出するときに、無線によって第2信号を上流側通信部16に送信する。バルブ操作部25は、上流側通信部16が第2信号を受信するときに水抜バルブ12の開度を小さくする。
【0070】
排水経路の水位が第2水位に達したときにバルブ操作部25によって水抜バルブ12の開度が小さくされるので、貯水槽2からの排水を停止せずに水位の上昇が抑えられる。これにより、排水経路から水があふれる可能性が抑えられる。また、水抜管11からの排水は継続しているため、排水作業に要する時間の延びが抑えられる。
【0071】
また、水位検出部20は、排水経路における水位が第3水位より低いことを検出する。第3水位は、第2水位の下方の水位である。下流側通信部15は、排水経路における水位が第3水位より低いことを水位検出部20が検出しているときに、無線によって第3信号を携帯端末17に送信する。
【0072】
これにより、作業員は、貯水槽2が設けられる場所を離れて他の作業を行っている場合においても、排水が完了したことを速やかに把握できる。これにより、排水作業に続く作業に速やかに取り掛かれるので、排水作業完了後の貯水槽2の衛生状態の変化が抑えられる。また、作業員は、第3信号が送信されていないことにより、排水が完了していないことを確認できる。これにより、作業員は、他の作業を継続するか、または排水作業の状況を確認するか、などの判断ができる。
【0073】
また、バルブ操作部25は、水抜バルブ12のハンドル22を回転させることで水抜バルブ12の開度を操作する。
また、上流側装置14は、記憶部24を備える。記憶部24は、水抜バルブ12が全開するときのハンドル22の回転量を記憶する。バルブ操作部25は、記憶部24が記憶する回転量に基づいてハンドル22を回転させる。
【0074】
これにより、排水監視システム1は、ハンドル22の回転量と開度との対応が互いに異なる水抜バルブ12を有する複数の貯水槽2に対して同様に適用できるようになる。バルブ操作部25は、水抜バルブ12の開度を全閉から全開までの間の任意の開度に調整できるようになる。これにより、水抜管11からの排水量の制御がより細やかに行われる。
【0075】
また、記憶部24は、携帯端末17から上流側通信部16を通じて入力される回転量を記憶する。
【0076】
排水作業の開始時において水抜バルブ12を全開にする作業は、例えば作業員が手動で行う。このとき、作業員は、水抜バルブ12を操作した後に、自然な作業の流れにおいて回転量を入力できる。
【0077】
また、下流側装置13は、接地部18を有する。接地部18は、底面が開いた筒状の部分である。接地部18の側面は、メッシュ状部材で形成される。下流側装置13は、接地部18によって自立する。
【0078】
下流側装置13は、筒状の接地部18によって自立するので、排水経路において安定して配置される。また、メッシュ状部材で形成される側面によって接地部18の内外において同じ水位となるので、水位検出部20による水位の変化の検出を妨げない。また、側面がメッシュ状部材で形成されるので、水の流れを受けても下流側装置13が転倒しにくくなる。
【0079】
また、接地部18は、排水管7に通じる排水口8のストレーナー9に上からはめ込むように配置される。
【0080】
排水口8に設けられるストレーナー9にはめ込まれるので、下流側装置13が排水経路においてより安定して配置されるようになる。
【0081】
なお、排水作業の開始時において水抜バルブ12を全開にする作業は、水抜バルブ12を全開にする前に設置された上流側装置14のバルブ操作部25によって行われてもよい。排水作業を開始するときに、バルブ操作部25は、水抜バルブ12を全開するまで回転させる。記憶部24は、全開するまでバルブ操作部25が回転させた回転量を記憶する。
【0082】
これにより、作業員による回転量の入力が不要になる。また、作業員は、回転量を記憶しながらハンドル22の操作を行う必要がない。このため、排水作業の作業性がより高くなる。
【0083】
また、排水監視システム1は、下流側装置13を複数備えてもよい。
【0084】
1つまたは複数の下流側装置13は、排水経路において排水口8の他の場所に配置できる。複数の下流側装置13は、排水経路において複数の場所に配置できる。排水経路において、仕切りまたは溝などによって、水の流れが滞ったり、水の流れが変わったりする可能性がある。排水経路において、1つの場所における水位が上昇していなくても、他の場所における水位が上昇することで水のあふれが生じる可能性がある。このような場合においても、水のあふれが生じうる1つまたは複数の場所に下流側装置13を配置できるので、排水監視システム1は、排水作業における水位の変化をより効果的に監視できる。
【0085】
続いて、図5を用いて、排水監視システム1のハードウェア構成の例について説明する。
図5は、実施の形態1に係る排水監視システム1の主要部のハードウェア構成図である。
【0086】
排水監視システム1の各機能は、処理回路により実現し得る。処理回路は、少なくとも1つのプロセッサ100aと少なくとも1つのメモリ100bとを備える。処理回路は、プロセッサ100aおよびメモリ100bと共に、あるいはそれらの代用として、少なくとも1つの専用ハードウェア200を備えてもよい。
【0087】
処理回路がプロセッサ100aとメモリ100bとを備える場合、排水監視システム1の各機能は、ソフトウェア、ファームウェア、またはソフトウェアとファームウェアとの組み合わせで実現される。ソフトウェアおよびファームウェアの少なくとも一方は、プログラムとして記述される。そのプログラムはメモリ100bに格納される。プロセッサ100aは、メモリ100bに記憶されたプログラムを読み出して実行することにより、排水監視システム1の各機能を実現する。
【0088】
プロセッサ100aは、CPU(Central Processing Unit)、処理装置、演算装置、マイクロプロセッサ、マイクロコンピュータ、DSPともいう。メモリ100bは、例えば、RAM、ROM、フラッシュメモリ、EPROM、EEPROMなどの、不揮発性または揮発性の半導体メモリなどにより構成される。
【0089】
処理回路が専用ハードウェア200を備える場合、処理回路は、例えば、単一回路、複合回路、プログラム化したプロセッサ、並列プログラム化したプロセッサ、ASIC、FPGA、またはこれらの組み合わせで実現される。
【0090】
排水監視システム1の各機能は、それぞれ処理回路で実現することができる。あるいは、排水監視システム1の各機能は、まとめて処理回路で実現することもできる。排水監視システム1の各機能について、一部を専用ハードウェア200で実現し、他部をソフトウェアまたはファームウェアで実現してもよい。このように、処理回路は、専用ハードウェア200、ソフトウェア、ファームウェア、またはこれらの組み合わせで排水監視システム1の各機能を実現する。
【符号の説明】
【0091】
1 排水監視システム、 2 貯水槽、 3 建物、 4 屋上、 5 架台、 6 塔屋、 7 排水管、 8 排水口、 9 ストレーナー、 10 平面部、 11 水抜管、 12 水抜バルブ、 13 下流側装置、 14 上流側装置、 15 下流側通信部、 16 上流側通信部、 17 携帯端末、 18 接地部、 19 筐体、 20 水位検出部、 21a 第1電極、 21b 第2電極、 21c 第3電極、 21d 基準電極、 22 ハンドル、 23 固定部、 24 記憶部、 25 バルブ操作部、 26 クランク、 27 モーター、 28 制御部、 100a プロセッサ、 100b メモリ、 200 専用ハードウェア
図1
図2
図3
図4
図5